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メイド・イン・チャイナは安くない

オックスフォード・エコノミクス社の調べでは、米国の単位労働コストと中国のそれの間ではわずか4%の差しかなくなった。生産コストと物流コストを考慮すれば、もはや中国で同等の製品を生産して輸入する意味は皆無となった。

2015年7月18日のエントリーにあるように、

もともと2018年に米中の生産コストが逆転するという予測があった。これは経済誌フォーチュンの報道による。この報道よりも、米中の生産コストの逆転が2年も早まったことになる。

しかし、米国へのリショアリングはそう簡単ではない。米国では長年、海外(特に中国)にアウトソーシングしてきたために、熟練工は高年齢化し、技術継承できる人材層が薄くなりすぎている。

また、技術力を有した企業よりも『ジョブ・ショップ』と呼ばれる製造請負業者が活況を呈しており、そこでも労働者のミスマッチが起きており、派遣業者ですら充分に人材を供給できていない。

そして、米国への生産拠点回帰には、労組なし・法人税安・補助金付きを求める企業とそれに呼応する失業者と州の思惑が交錯する。

米国内の各州にとって工場誘致のための切り札は労組をなくすことだ。すべての労働者に組合費の支払いを義務付ける契約を禁じる法律を制定することで、労組の組織化を困難にしている。

世界の工場、中国に陰り 「労働コスト」日本を逆転 2015/12/6 1:30日本経済新聞 電子版

Made in China Not as Cheap as You Think March 17, 2016 — 7:00 AM JST Bloomberg

日本よりもはるかに高い中国の労働コスト、生産性向上を上回る給与上昇が問題に―中国紙 2016年3月23日(水) 16時30分 レコードチャイナ

2016年3月22日、北京青年報はこのほど、「中国の労働コストは日米を超えたか?」と題した記事を掲載した。

英リサーチ企業オックスフォード・エコノミクス社は驚くべきリポートを発表した。2003年、2012年、2016年と3つの時期において米国と中国の労働コストを比較したものだ。2003年時点では中国の労働コストは米国の4割前後。2012年では中国は米国にかなり接近し、2016年にはわずか4%しか差がないことが判明した。さらに日本の労働コストは2016年段階で中国のわずか70%しかないという。

なぜこのような状況に陥ったのか。労働コストとは単なる給料の多寡ではなく、一定の付加価値を生み出すために必要となる労働者のコストを意味する。つまり、たとえ給与が高くともそれ以上の付加価値を生み出せれば労働コストは低くなるわけだ。

中国では生産性向上よりも早いペースで給与が上昇したことが労働コストが上昇した原因となった。2003年から2016年にかけて中国製造業の賃金は倍増したが、生産性はこの伸び率に追いついていない。(翻訳・編集/増田聡太郎)

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ポピュリズムを育むリベラル

右派のポピュリズム政党、ドイツのための選択肢(AfD)は、既存政党の失策に乗じてドイツ各州議会での議席を獲得し続けている。

Angela Merkel's CDU suffers German state election setbacks 13 March 2016 BBC NEWS

ドイツ州議会選、反移民政党が躍進 政権与党は後退 2016年 03月 14日 08:00 JST ロイター

独州議会選で与党失速、各方面から首相に政策転換求める声 2016年 03月 14日 20:54 JST ロイター

AfDは欧州債務危機を契機にユーロ圏からの脱退を掲げて誕生した。

この新しい政党は、連邦議会選挙では比例代表制の5%阻止条項を突破できずに議席を獲得できていなかった。一方、州議会選挙では5%阻止条項を突破して、ハンザ同盟に由来する自由都市ブレーメンとハンブルク及び経済基盤の弱い旧東ドイツ各州で議席を獲得していた。

ドイツのイスラム化に反対するペギータ(西洋のイスラム化に反対する欧州愛国者)との共闘関係を巡り、分裂したことで党勢が衰えるかに見えた。しかし、その後のムスリムによる難民危機の発生に伴って、その支持はドイツ全土に拡大しつつある。

2016年3月の州議会選挙は、AfDが強い旧東ドイツのザクセン=アンハルト州(得票率24.2%)にとどまらず、南部のバーデン=ヴュルテンベルク州(得票率15.1%)、ライン川に面したラインラント=プファルツ州(12.6%)でも議席を獲得した。

ザクセン=アンハルト州では、メルケル連邦首相の政権与党であるキリスト教民主同盟(CDU)に次いで、州議会の第2党に躍り出た。

おおよそポピュリストの伸長を招いているのはリベラル的政策の失敗である。現在、ドイツ連邦議会では第1党キリスト教民主同盟(CDU)/キリスト教社会同盟(CSU)と第2党社会民主党(SPD)による大連立政権が組まれており、批判票は新しいポピュリズム政党AfDに流れる選択肢しかない。

リベラルは外部環境の変化を理由に政策転換を行えば良い。しかし、政策の失敗と追及されるのを嫌がるために現状維持を選び、批判票の受け皿としてポピュリズムが育まれる。保守的なポピュリズムが勢力を伸ばす場合、排外主義者と非難することで自己のスタンスを守ることは出来るが、政策転換の機会は狭まっていく。

チョークポイントとしての北方領土

ロシアのショイグ国防相は、北方領土に地対艦ミサイル「バル」「バスチオン」と無人偵察機「エレロン3」を展開する、と述べた。さらに海軍基地の建設も検討する。

ロシアが北方領土における軍事力拡充の狙いとは何か。そもそも北方領土がロシアにもたらす利益とは何なのだろうか。

我々の視点からは対日交渉のカードとしての役割があると見られがちだが、サハリン州の税収40%を占める漁業権益とその産業集積地としての価値を持っている。

さらに安全保障上も見逃せない点がある。オホーツク海は戦略原潜が遊弋するロシアの内海となっており、国後水道・択捉水道は原潜の通過するチョークポイントとなっている。内海(オホーツク海)~国後水道・択捉水道~カムチャッカ半島(ペトロパブロフスク・カムチャツキー)と繋ぎ、北極海航路が活発化すればシーレーンの要衝ともなる。

Russia says to deploy new weapons on disputed Kurile islands Fri Mar 25, 2016 6:05am EDT Reuters

Russia will this year deploy some of its newest missile defense systems and drones on the Kurile islands where Moscow and Tokyo have rival territorial claims, Defence Minister Sergei Shoigu said on Friday.

The dispute over the islands, known as the Kuriles in Russia and the Northern Territories in Japan, has strained relations between the two countries since World War Two, when Soviet forces occupied four islands at the southern end of the chain.

The dispute is so acrimonious that Moscow and Tokyo have still not signed a formal peace treaty.

The new weapons were part of a drive to rearm military units already deployed in the Kuriles, Shoigu said, in comments broadcast on state TV.

"Coastal missile systems Bal and Bastion and new generation Eleron 3 drones will be deployed there this year," he told a meeting at the Defence Ministry.

The Bastion is a mobile defense system armed with two anti-ship missiles with a range of up to 300 km (188 miles). It has also been deployed in Crimea, which Russia annexed from Ukraine in 2014. The Bal anti-ship missile has a similar range.

Shoigu announced in October that Russia would build a military base on the Kurile islands.

サプライチェーンと経済回廊を巡る戦い

中共とメコン川流域5カ国(タイ、ベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマー)が海南省の三亜で首脳会議を開催した。

中共は雲南省からカンボジアが接する南シナ海へと至る縦断ルートをつくること、その縦断ルートのインフラ建設に自国の過剰に陥っている供給力を使うこと、縦断ルートを通じた経済交流によってASEANの陸側にある5カ国に対する影響力拡大を図ることを考えている。

中国、メコン流域開発を支援 周辺5カ国と首脳会議 融資枠1.1兆円の意向 2016/3/23 23:43 日経

具体策としてアジアインフラ投資銀行(AIIB)の活用、中共からの輸出品購入に関する約1兆1300億円の融資枠、インフラ整備のための約1740億円の融資枠が挙げられる。

インフラ整備よりも輸出品購入の融資枠が約10倍の規模を有している点で自国の供給過剰が透けて見える。

さらにインフラ整備には以下の課題が出てくるだろう。5カ国間の利害調整と法整備を行い、我が国との競合に打ち勝ち、サプライチェーンの育成を図るために供給過剰に陥っている自国の産業を移転しなければならない。

特に利害調整に時間を要する。例えば、タイはタクシン派と反タクシン派の戦いによっても、バンコク首都圏とイサーン(東北地方)の経済格差解消のためのインフラ整備といった政治的合意を作ることが叶わなかった。タイは生産年齢人口のピーク(2017年)を迎える前に中間層を底上げする機会を失った、と云えるだろう。

タイでは家計債務率が80%を超えており、家計消費支出が今後も伸び悩む。家計債務を政府債務に置き換える意味でもインフラ整備は必要だったのだ。

現在、ASEANにおける我が国のサプライチェーンの中核地という地位をタイが占めていて、ここをメコン川流域圏の南北、東西、南部の3つの経済回廊が連結する。ベトナム、ミャンマーの人件費はタイと中共の40~60%水準となっていて、この二国に直接投資が進むと思われる。

リベラルの対極にあるイスラム原理主義が反撃する

朝日新聞とのインタビューに応えるエマニュエル・トッドは、先進国における“システムとしての信仰”が失われつつあるのではないか、と危惧を抱いていた。社会全体に信じられる何か、共同体を結合する何かが壊れつつある、と。

信仰は衰え、国家は破壊された エマニュエル・トッド氏 2016年2月11日16時53分 朝日新聞

しかし、リベラルの信じる多様性(ダイバーシティ)が自己崩壊した様にも見える。同性婚を認める波が最高潮に達した余勢を駆って、大量の難民と不法移民を受け入れた結果、一挙に崩壊を招いたように見えるのだ。リベラルが掲げてきた信仰、多様性(ダイバーシティ)の危機にエマニュエル・トッドは嘆いている、というのが正しいのかもしれない。

そもそも信仰とは等しく虚構ではなかろうか。

欧州を統合するグローバリズムとその経済合理性とが手を携えて、欧州のリベラルは他の虚構を追いやってきた。逐われたカトリックは中南米で反撃の機会を伺い、極右扱いされるナショナリズムは中欧と東欧で奮闘している。

かくて欧州の中心部に残った虚構はリベラルとイスラム原理主義のふたつ。リベラルの対極にあるイスラム原理主義とその過激派がリベラルに反撃するのは自然であろう。
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