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アンダマン・ニコバル諸島、インド洋への門

インド洋の東、ベンガル湾に浮かぶアンダマン・ニコバル諸島は、マラッカ海峡の北西にあり、チョークポイントとなる海峡を抑える要地である。

中共がアフリカ、中東から輸入する鉱物燃料の約80%はマラッカ海峡を通過する。対するインドは、南北に伸びるアンダマン・ニコバル諸島を拠点に海峡の出口を封じ込める地政学的優位に立つ。

1942年、帝国海軍はインド洋へ空母5隻を展開させて英空母を撃沈し、スリランカの英海軍基地などを空爆したことがある。その際は、インド洋侵入に万全を期すためにアンダマン・ニコバル諸島を占領している。

中国共産党は、このシーレーン上に“21世紀の海上シルクロード”と呼称する貿易拠点を整備して、その港湾と島嶼に“真珠の首飾り”と呼称する軍事拠点を整備しようとしている。

As India Collaborates With Japan on Islands, It Looks to Check China MARCH 11, 2016 The New York Times

こうした中共の影響力拡大に対峙する我が国は、アンダマン・ニコバル諸島の中で最大の人口を抱える南アンダマン島にある民生用のディーゼル発電所の更新と整備について、インド側に提案しており、その準備となる基礎調査が行われる見込みだ。

アンダマン・ニコバル諸島は、先住民族の権利擁護と自然生物の保護などを理由にODA含む外資の受け入れを拒んできたが、今やインド政府の大きな政策変更の時期を迎えつつある。

諸島の行政府が置かれる南アンダマン島のポート・ブレアには空港があり、こちらも民生目的で整備しつつ、インド海軍が対潜哨戒機を展開し、島嶼周辺にSOSUS網とレーダー網を整備されることも可能だろう。

2014年9月、アンダマン・ニコバル諸島を管轄するインド軍司令官が諸島専用の艦隊を創設し、潜水艦を含め配備するべきであると発言している。アンダマン・ニコバル諸島を通じて、ベトナム~フィリピンなどへ支援を提供することは、我が国の国益に合致する。

一方、アンダマン・ニコバル諸島のすぐ北には“真珠の首飾り”のひとつとして、ミャンマー領の大小二つから成るココ諸島があり、当時のミャンマー軍事政権から借り受けた中共は現在まで実効支配を継続しており、島は無線傍受設備やレーダー基地としてベンガル湾の情報を収集している。

中国牽制…インド離島の空港整備 軍用視野、印首相来日時に提案へ 2014.7.26 11:13 産経ニュース

参考URL:
アジアの安全保障のカギを握るアンダマン・ニコバル諸島 2014/10/02 東京財団
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US-2現地生産に不可思議なし

2016年2月1日のエントリーの続報。

インド国防省筋は、新明和工業の救難飛行艇US-2をインドで現地生産する可能性がある、と述べた。以前の報道では現地生産を断念するとの報道があったが、インド国防省と国防関連企業は未だ諦めていないようだ。

そうりゅう型潜水艦を豪州が輸入するかしないかの案件と同様、現地仕様向けのモデルを国内で2機程度建造、次にインド国防関連企業と合弁を設立して、機の整備から技術指導を行ない、ノックダウン生産を進めるという流れは充分あり得るだろう。

2014年9月の日印首脳会談ではUS-2輸出の交渉加速と防衛装備品の共同開発が取り上げられているからだ。とは云えインドとの交渉はとかく時間が掛かる。2000年に戦略的パートナーシップを構築することで合意して、2014年に日印特別戦略的グローバル・パートナーシップを宣言するまでには15年の歳月を要している。

India Looks To Expand Aerospace Manufacturing Sector September 11, 2014, 11:33 AM AIN Online

Indonesia Could Trump India as Japan’s US-2 Partner  January 6, 2016, 1:34 PM AIN Online

No Make in India, US-2 aircraft to be imported in flyaway condition  January 30, 2016 The Navhind Times

新明和工業、インドに水陸両用艇の工場設立を検討 2016/03/01 (火) 10:00 インド進出支援ポータル

インド国防省の情報によると、大手輸送機器製造会社の新明和工業は、インドに水陸両用艇の生産工場を設立する可能性があると発表された。

去年、インド国防省は日本から新明和工業の水陸両用飛行艇「US-2」を6機購入することで合意しており、その後さらに6機を購入する方針を示している。今回の契約は日本政府が武器輸出を解禁してから初めて日本から武器装備が輸出される事例となる。

インド国防省の関係者の情報によると、新明和工業は世界的に需要の高い「US-2」をインドで生産し、インド国内市場およびグローバル市場向けに展開する計画だ。

(以下省略)

3年越しのUS-2輸出案件は実るか

新明和工業の救難飛行艇US-2をインドに輸出する見込みと報じられてから3年近く経とうとしているが、未だに成約していない(2013年3月24日のエントリー参照)。

防衛装備移転へ交渉=US2輸出も、2プラス2定期化—日インドネシア 2015 年 12 月 17 日 21:00 JST WSJ日本版

インドへの輸出案件が停滞しているうちに、2015年12月、日本とインドネシアの間で初の外務・防衛担当閣僚会議(2プラス2)が開催され、インドネシア側はUS-2への強い関心を示した。

このインドネシアの動きに触発されたのかは分らないが、インド海軍向けにUS-2を12機購入することを決定したという報道があった。報道では最大18機にまで増やせるオプション付きの契約とされる。

No Make in India, US-2 aircraft to be imported in flyaway condition  January 30, 2016 The Navhind Times

NEW DELHI: In a major shift, the Defence Ministry has decided to purchase all 12 US-2 amphibious aircraft from Japan in flyaway condition under government-to-government deal, much like India is pursuing the Rafale fighter procurement.

(中段省略)

The deal may be extended to 18 aircraft, going by the requirements of the Indian Navy, said the sources. The contract for 12 aircraft would have a clause of a follow-on order of six more in future, they said.

The aircraft, which is capable of taking off and land at sea surface is currently operated by the 31st Fleet Air Wing (71st Air Force, 71st Flight Squadron) at Iwakuni air base and Atsugi air base.

The aircraft is world’s only amphibian capable of landing on rough seas with a wave height of 3 meters. The US-2 and its predecessor model US-1A are currently in operation by Japan’s Ministry of Defence as STOL Search and Rescue Amphibian.

宗教的規範があらゆる行動を正当化する

牛を神聖視するヒンドゥー教徒が、牛を喰らうムスリムを集団で殺害する事件が起きた。ときに宗教的規範は行動を規定するのみならず、犯罪行為を正当化させる。

インドの隣国バングラデシュでは世俗派のブロガーが年間5人程度殺害されている。ISIS(イスラム国)に感化された夫妻が無差別乱射事件を起こした米国では人工妊娠中絶に反対を唱えるファンダメンタリストが医療施設を襲撃している。

宗教に限らずイデオロギーもまた、人間の行動を規定する。靖国神社を爆破しようとした韓国人も“反日”という一種の宗教に対する帰依が存在する。

そもそも宗教的戒律はそのコミュニティと属する信者とに、外見的・心理的抑圧を与える。神の名によって守らなければならない規範が生活の隅々にまで浸透している。その圧力から一時でも解放されるために、原理主義者は戒律に従わない異教徒を社会の下位に属する人間として扱い、暴力を正当化して打擲を加え、なぶり殺しにするのである。

「牛肉食べた」イスラム教徒を集団殺害の容疑、15人訴追 インド 2015.12.26 Sat posted at 16:40 JST CNN日本版

ニューデリー(CNN) インドのウッタルプラデシュ州の警察は26日までに、牛肉を食べたり家内での保存が疑われたイスラム教徒の50歳男性が住民の集団暴行で殺害されたと報告した。15人が殺人罪で訴追された。

事件は今年9月、人口が6000人以上の地域で発生。イスラム教徒は2家族しかおらず、鍛冶(かじ)職人だった被害者の男性はそのうちの1世帯に属していた。

事件では被害者の自宅も襲われて略奪を受け、高齢の母親や22歳の息子も殴打されるなどした。息子は重傷で病院に運ばれたという。

被害者の自宅の冷蔵庫には牛肉があるとの情報も流れ、地元警察は科学捜査の結果を待っている。

インドで圧倒的な多数派を占めるヒンドゥー教は牛を神聖視しており、殺害などはウッタルプラデシュ州を含む大半の地域で禁じられ、犯せば罪となる。同国内ではここ数カ月間、少なくとも2人のイスラム教徒男性が牛肉を運んだり、牛の密輸に加わったとのうわさが流れる中で襲撃される事件が起きていた。

日露を味方につけて、パキスタンに行こう

インドのモディ首相はわずか1ヶ月の間に、安倍首相を自国に迎え、すぐさま自らロシアを訪問、歴訪するアフガニスタンからの帰途に宿敵パキスタンを電撃的に訪問した。

我が国との間に原子力協定を合意、高速鉄道では日本の技術を採用する。またロシアとは、過去10年間で最大となる予算を組んで、S-400ミサイル防衛システムなどを輸入する。

中共を牽制するために日露との関係を強化した後、中共と密接なパキスタンを訪れる辺りは見事な流れである。

A hug and high tea: Indian PM makes surprise visit to Pakistan Sat Dec 26, 2015 12:14am EST Reuters

インドのモディ首相がパキスタン初訪問へ、シャリフ首相と会談 2015年 12月 25日 18:38 JST ロイター

Modi Seeks Russian Crown Jewel in Decade's Biggest Defense Deal December 23, 2015 — 7:00 AM JST Bloomberg

インド首相が今週訪ロ、原子力分野や軍用ヘリ製造で合意へ 2015年 12月 21日 15:03 JST ロイター

2015年の日印首相会談は、ASEAN首脳会談(11月21日)とCOP21(11月30日)の両首脳出席時にも行われており、12月の安倍首相のインド訪問を総仕上げとして、懸案であった日印原子力協定に合意、安全保障面では防衛装備品及び技術移転協定と情報保護協定に署名、そして日本の高速鉄道技術=新幹線システムを導入する覚書を交わした。

その他にも租税条約の改定、インド人向けにビザ緩和が行われる。

今回の首脳会談における共同声明は「日印ビジョン2025 特別戦略的グローバル・パートナーシップ、インド太平洋地域と世界の平和と繁栄のための協働」という長い名前が付けられている。

いささか冗長に思えるが、第1次安倍政権のときに「日印戦略的グローバル・パートナーシップ」に向けた共同声明が出されている。

また野田政権のときに「日印戦略的グローバル・パートナーシップ」の強化に向けたビジョン、という共同声明が出されている。
そして、2014年の日印首脳会談において「日印特別戦略的グローバル・パートナーシップに関する東京宣言」がなされた。

中共とはリレーションシップ(戦略的互恵関係)に過ぎず、EU、ASEAN、ベトナム、インドネシア、フィリピン、モンゴルとは戦略的パートナーシップであるが、インドとは「特別」「グローバル」の文言が盛り込まれている。この辺に両国の気合の入れようが表れている。

しかし、特別戦略的グローバル・パートナーシップの内実は、2006年来の懸案が積み重なっていたが、ようやくそれらに一定の成果が出た訳だ。

参考URL:
日印首脳会談 平成27年12月13日 外務省

日印ヴィジョン2025 特別戦略的グローバル・パートナーシップ 平成27年12月12日 外務省

インド高速鉄道に関する協力覚書等への署名について(報告) 平成27年12月12日 国土交通省

インド国民に対する短期滞在数次ビザの大幅緩和 平成27年12月12日 外務省

日・印租税条約改正議定書の署名 平成27年12月11日 外務省

中国-パキスタン経済回廊(CPEC)の始まり

2015年4月20日のエントリーで触れた、中共の習国家主席のパキスタン訪問の最も重要な目的だった、グワダル港の中国国有企業による操業が始まる。

Chinese State Firm Takes Control of Strategically Vital Gwadar Port November 13, 2015 The Diplomat

On Wednesday, Chinese Overseas Ports Holding Company Ltd (COPHCL), a Chinese state-owned enterprise, officially took control of the strategically important port at Gwadar in Pakistan.

去る水曜日、中国共産党の国有企業のChina Overseas Port Holding Company Ltd(COPHCL)は、彼らの戦略上、重要なパキスタンのグワダル港の操業権を握るに至った。

The Chinese firm officially signed a 40-year lease for over 2,000 acres of land in Gwadar, marking a milestone in the implementation phase of the China-Pakistan Economic Corridor (CPEC), a major bilateral initiative to build transportation and other infrastructure along the length of Pakistan, connecting the country’s Arabian Sea coast with the Himalayan border with China.

中国とパキスタン両国にとって、マイルストーンとなる契約が公式に調印された。グワダル港の2000エーカー超の土地が40年間、COPHCLにリースされる契約である。これにより、中国-パキスタン経済回廊(CPEC)は実施段階に入る。この二国間のイニシアチブによって、物流そのほかのインフラをパキスタンを通じて、中国のヒマラヤ山脈の国境からアラビア湾岸諸国にまで接続させる。

CPEC was unveiled during Chinese President Xi Jinping’s April 2015 state visit to Pakistan, where Gwadar was high on the agenda.

CEPCは、習近平国家主席が2015年4月にパキスタンに訪問した際の最重要課題であった。


現状、中共の原油輸入量の82%、天然ガス輸入量の30%は、アラビア海~インド洋~南シナ海~東シナ海を通っており、これらのリスクヘッジとしてグワダル港の戦略的重要性は変わらない。

習近平の思惑は北東アジアから東南アジアのシーレーンをショートカットして、インド洋とアラビア海に直接アクセス、ここのシーレーン防衛に集中して、グワダル回廊を使ってコモディティほかの戦略物資を本土に運ぼうとすることにある。ボトルネックはこのルートでは、支那本土すべての原材料の需要は満たせないということにある。

さらに、懸念材料をいくつか挙げると、パキスタンのバロチスタン州の治安に不安があり、イスラム原理主義的傾向の強い同国から新疆ウイグル自治区にジハーディストが浸透する可能性がある。

“真珠の首飾り”争奪戦つづく

モルディブは、外国人の土地所有を認める憲法改正を行った。その内容は、今まで土地の賃借しか認められなかった外国人は条件付きで土地を購入所有できる。その条件は、投資額が事業計画1件につき、最低10億ドル。また土地の70%は、その投資により埋め立てた場所でなければならない、という条件である。

こうした経済合理性のない大規模投資を行えるのは、おそらく中国共産党傘下の国有企業くらいしかあるまい(2015年8月25日のエントリー参照)。

これらの不満に対する最大野党(モルディブ民主党)側の攻勢が反政府デモにつながり、政府と与党(モルディブ進歩党)側は非常事態宣言を発令している。

中共の経済圏構想“一帯一路”の海路に当たる“21世紀の海上シルクロード”構想、それ以前は“真珠の首飾り”戦略と呼ばれていた、インド洋に面したミャンマー~バングラデシュ~スリランカ~モルディブ~パキスタンといった、地勢的にインドと対立しやすいこれらの国々を中国共産党は取り込んできた。

しかし、第2次安倍政権発足以降、これらの国々のうち、ミャンマー~バングラデシュ~スリランカまでは我が国が切り崩し始めている。

モルディブも今後の推移によっては、日印の政治的巻き返しの機会が訪れるかもしれない。ただし、それが民主的な政権交代か軍事的なクーデターか、までは分からない。

非常事態を宣言 モルディブ 2015年11月04日 18:52 AFP BB NEWS

【11月4日 AFP】インド洋の島国モルディブのアブドラ・ヤミーン(Abdulla Yameen)大統領は4日、最大野党による大規模な反政府デモが行われるのを前に、治安部隊の権限を強化する非常事態宣言を発令した。

ムアズ・アリ(Muaz Ali)大統領報道官はツイッター(Twitter)で「モルディブは、4日正午(日本時間同日午後4時)から30日間の非常事態を宣言する」と述べた。

 モルディブでは大統領暗殺未遂事件に関与した疑いでアハメド・アディーブ(Ahmed Adeeb)副大統領が10月24日に逮捕されている。また今週には、首都の大統領官邸そばで遠隔操作爆弾が発見されている。(c)AFP

ベンガル湾の“真珠の首飾り”をもぎ取る

我が国の掲げる“自由と繁栄の弧”と中共の掲げる“一帯一路”のつばぜり合いが続いている。

中共の経済圏構想“一帯一路”の海路に当たる“21世紀の海上シルクロード”には、外国人の土地所有を認める憲法改正を行ったモルディブが中共側に与している。

モルディブの憲法改正は、2015年8月25日のエントリーでも取り上げたが、投資額が事業計画1件につき、最低10億ドル。また土地の70%は、その投資により埋め立てた場所でなければならない、という経済合理性を欠く土地所有の条件は中国共産党傘下の企業しか果たせない。

一方、我が国の地政学的外交方針“自由と繁栄の弧”の側には、第2次安倍政権発足直後にミャンマーが急速に接近し、シリセナ政権への交替劇が起きたスリランカがインドと日本に接近している。

さらにインドとミャンマーに地勢的に挟まれて去就の定まらなかったバングラデシュが、中共のソナディア港開発を先送りして、日本のマタバリ港開発を支持する方針を固めた。中共が掲げるシーレーン戦略“真珠の首飾り”の一角に、我が国が楔を打ち込んだ格好だ。“真珠の首飾り”のひとつ、チッタゴン港は老朽化して、水深が浅いため新たな深海港が必要とされていた。

バングラデシュが日本の港湾・発電所建設案を支持、中国に打撃も 2015年 09月 11日 12:05 JST ロイター

日本がバングラデシュで港を建設へ 中国は「興味なし」 2015-07-07 13:51:23 チャイナネット

日本、中国に競り勝つ情勢-バングラデシュ初の深海港建設で 2015/06/24 09:34 JST ブルームバーグ

この辺の経緯は、スリランカの中共側のコロンボ港と日本側のハンバントタ港を巡る争いと似ている(2015年3月6日のエントリー参照)。

2014年9月、バングラデシュを訪問した安部首相は、4~5年間で約6000億円支援することを表明した。同国への支援は2011年度には約640億円だったので、約2倍に増やしている。

バングラ火力に3800億円借款 首相きょう表明 インフラ輸出弾み 2014.5.26 05:00 Sankei Biz

中国「真珠の首飾り」戦略と日本、インド(4)2014/11/28 東京財団

上記の記事に詳しいが、我が国は「ベンガル湾産業成長地帯(BIG-B)」構想を打ち出して、マタバリ港に京浜工業地帯のようなコンビナートをつくり、北東インド、ブータン、ネパール、ミャンマーのベンガル湾沿岸地域の物流ハブとする計画だ。

また、マタバリの開発地域はミャンマーにも隣接しているため、ロヒンギャ難民を巡る問題解決の一助となるかもしれない。

事業の目玉となるのは、超々臨界圧の石炭火力発電所(2機計1200MW、住友商事と丸紅が入札参加)と深海港(水深15m)。発電所は、バングラデシュ全発電容量の18%を供給する。

一方、中共はバングラデシュ中南部のパトゥアカリに、石炭火力発電所(1320MW)を30億ドルで建設する。しかし、ソナディア港開発に関しては、港の運営権を要求したことや融資の金利が高い、環境アセスメントの評価が芳しくないなどで、提案内容が退けられた。

アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立前ながら、既に資本流出が続く中共は今後、我が国とのインフラ受注競争で競り合いに負けるような局面が多くなるだろう。

『ベンガル湾のさわがし潜水艦』

インドと豪州は9月にベンガル湾で初めての共同軍事演習を行う。昨年、インド洋に人民解放軍の原潜が配備されたこととスリランカに人民解放軍のディーゼル潜水艦が2回寄港したことを受けて、対潜水艦作戦に焦点を当てる。

ブルームバーグ電では「India-Australia Drills Targeting Submarines Rattle China」と見出しが付いているが、rattleという単語には「騒がしくガラガラしている」という意味合いがある。中共が世界秩序を騒がしているとともに、その潜水艦は喧しい、と二重の意味合いで云っているように思える。そして何故だか、J・D・サリンジャーの『ナイン・ストーリーズ』に収められた短編『コネチカットのよろめき叔父さん』を想い出した。

India-Australia Drills Targeting Submarines Rattle China August 26, 2015 — 3:30 AM JST Bloomberg

India and Australia will focus on anti-submarine warfare in their first ever joint naval exercises, signaling a growing strategic relationship to counter China’s increased activity in the Indian Ocean.

インドと豪州は対潜水艦作戦に焦点を当てて初めての海軍共同演習を行う。これはインド洋で活動を活発化させる中国に対抗するための戦略的関係を育てていく兆候と映る。

The war games next month off India’s Visakhapatnam port in the Bay of Bengal will include exercises to protect a tanker from a hostile attack submarine. The area is near waters where China deployed a nuclear-powered submarine for the first time last year, as well as the Sri Lankan port where another unit surfaced twice. That caused a diplomatic uproar.

この戦争のゲームには来月、インドのベンガル湾のVisakhapatnam港における敵対する潜水艦からタンカーを守る訓練も含まれる。この海域は昨年、中国が原子力潜水艦を展開した近海にある。また、この原潜はスリランカの港に2度姿を表して、外交的軋轢を生み出した。

There’s the “potential for increased security tensions in the Indian Ocean,” said Captain Sheldon Williams, defense adviser at the Australian High Commission in New Delhi. “We sit right in the confluence of the Indian and Pacific Oceans. We have a significant responsibility for its security. That’s how we’re looking at it now.”

これらが「インド洋における安全保障に関する緊張を増大させる可能性」はあると、豪州のニューデリー高等弁務官事務所の軍事顧問 Sheldon Williams大佐は述べた。「我々はインド洋と太平洋が合流するところに留まり、安全保障にとって重要な責任を負っており、現在この海域を監視するようになりました」

The drills -- first discussed a decade ago -- come as global powers vie for greater influence. The Indian Ocean’s sea lanes account for nearly half of the world’s container trade, including 80 percent of China’s oil imports.

この演習実施を巡って、10年前に最初の討議が行われてから現在では、その影響力を競い合うグローバル・パワーズが出現した。インド洋のシーレーン上を世界の半分近いコンテナ船が占め、中国の原油輸入の80%が通る。

“We’re seeing a genuine power play in the Indian Ocean,” said Rory Medcalf, head of the National Security College at the Australian National University in Canberra. “Indian security cooperation with the U.S. and its allies is increasing, which rattles the Chinese.”

「我々はインド洋で本物のパワープレイを見ている」と、キャンベラにある豪州国立大学ナショナル・セキュリティ・カレッジの学長、 Rory Medcalfは言う。「中国が騒ぎながらやって来る以上、米国とその同盟国とインドとの安全保障協力は増えていくだろう」

(後略)

モルディブの憲法改正で足掛かりを得る中国共産党

習近平国家主席は、2014年9月にタジキスタン~モルディブ~スリランカ~インドを歴訪している。海と陸のシルクロード“一帯一路”構想に基づくものだ。

しかし、人民解放軍の潜水艦が同年9月と11月と続けてスリランカのコロンボ港に寄港したため、インドは態度を硬化させた。

この流れを受けて2015年1月、スリランカでは親中のラジャパクサ政権から親インドのシリセナ政権への交替劇が起きた。先月のスリランカ議会選でもシリセナ政権が勝利して、現政権の方針は追認された。

一方、モルディブでは外国人の土地所有を認める憲法改正が行われた。

その内容は、今まで土地の賃借しか認められなかった外国人は条件付きで土地を購入所有できる。その条件は、投資額が事業計画1件につき、最低10億ドル。また土地の70%は、その投資により埋め立てた場所でなければならない、という条件である。

こうした経済合理性のない大規模投資を行えるのは、おそらく中国共産党傘下の国有企業くらいしかあるまい。

スリランカのラジャパクサ前大統領、復権目指し議会選に出馬、首相目指す 2015.7.1 20:19 産経ニュース

スリランカ与党が勝利宣言 議会選、前大統領も当選へ 2015.8.18 22:34 産経ニュース

モルディブが憲法修正で中国の植民地に? 2015年8月24日(月)17時00分 ニューズウィーク日本版

 インド洋に浮かぶ南国の島国モルディブが先頃行った憲法修正は、最近には例のない超スピード審議だった。ろくに論議も行わず、参考意見も聞かず、議員が草案を精査することもないまま、モルディブ議会は外国人に土地所有を初めて認めるという憲法修正案を可決した。

 これによって与党モルディブ進歩党(PPM)の真意が問われている。「あまりにも素早い可決に、今はまだ誰もがショック状態にある。まったく前例のない事態だ」と、モルディブの主要ニュースサイト「ミニバン・ニュース」の編集長ザヒーナ・ラシードは言う。

 今後はモルディブのどこでも、外国人は自由に不動産を所有できる。外国人には土地の賃借しか認めなかった今までの方針からは画期的ともいえる転換だ。

 この憲法修正案は、議会では賛成票、反対票で可決された。反対派議員らは、今回の憲法修正がインド洋地域で中国に足掛かりを与えることになり、モルディブの北にある隣国のインドと中国の勢力バランスを崩すことになるとみる。

 というのも、投資額は事業計画1件につき最低10億ドル。土地の70%は、その投資により埋め立てた場所でなければならないという大掛かりな条件があるから。こんな投資ができるのは中国ぐらいだ。

 反対派は批判を強めている。「モルディブ外交の最優先課題はインド洋地域の安定を保つこと。今回の修正は中国のプレゼンス強化につながる」と、国会議員のエバ・アブドラは言う。彼女はモハメド・ナシード元大統領の率いる主要野党モルディブ民主党(MDP)から造反して修正案に反対票を投じた1人だ。「いま懸念されるのは、中国がモルディブに拠点を設け、モルディブをインド洋における中印対立の前線に置くことで勢力均衡を破るという可能性だ」

 半世紀前にイギリスから独立を勝ち取ったのに、国家としての自由を手放すのかとアブドラは与党を糾弾する。今回の憲法修正で「この国は中国の植民地になる」と、彼女は言う。

■外交政策が急転換した

 アブドラ・ヤミーン大統領は憲法修正を承認した先月下旬、インド洋地域の安全保障に影響が及ぶことも、モルディブの主権が損なわれることもないと語った。「わが国はインド政府および近隣諸国に対し、インド洋を非武装地域として保つことを保証した」と、彼は主張した。

 インド側の専門家は懸念を隠さない。「中国を利する修正だ。70%の埋め立てができるのは中国だけ」と防衛研究・分析センターのアナンド・クマルは言う。

 13年にヤミーン政権が誕生してから、モルディブの外交政策は大きく変わった。大統領就任後に初めて迎えた外国首脳は中国の習近平(シー・チンピン)国家主席だった。そのときモルディブは中国の「海のシルクロード」構想のパートナーになることに合意。中国は、モルディブのインフラ整備に巨額の投資も行っている。

 興味深い話だが、ヤミーン率いるPPMは12年、インド企業による総額5億ドルの空港開発計画を葬っている。国家主権を売り渡す気かと、このプロジェクトを決めたMDP政権を非難した末の結論だった。

 その党が今、外国人の土地所有を初めて認めようとしている。ヤミーンの異母兄のアブドル・ガユーム元大統領も、憲法修正は拙速だとして批判的だ。「憲法修正案と土地所有権については承認する前に国民に信を問えと、私は大統領に訴えた」

 インドも落ち着いてはいられない。これまでモルディブは常にインドの影響力の下にあった。中国のプレゼンス拡大につながれば、挑戦状を突き付けられたようなものだろう。

[2015年8月11日号掲載]

笞打刑と私刑に処せられるブロガー

2015年3月7日のエントリーで取り上げたが、

バングラデシュ系米国人のアビジット・ロイ氏が2月末に殺された。正規の旅券を持って入国した米国人の安全を、バングラデシュ政府とその官憲は保護できなかった。言論と信教の自由以前に、生命と財産の自由を擁護できなかった。外国人の政治的活動を抑制する、入国させない権利を当該国は持つだけに失策と云うべきだろう。

軽工業を中心とした経済発展の始まりにつれて、むしろベンガル人のナショナリズムや世俗化ではなくイスラム原理主義が台頭している。そして、今年に入ってから4人の世俗主義を唱えるブロガーが、原理主義者と思しき集団に殺害されている。

そもそも宗教的戒律はそのコミュニティと属する信者とに、外見的・心理的抑圧を与える。神の名によって守らなければならない規範が生活の隅々にまで浸透している。その圧力から一時でも解放されるために、原理主義者は戒律に従わない異教徒を社会の下位に属する人間として扱い、暴力を正当化して打擲を加え、なぶり殺しにするのである。

たとえば原理主義の強い地域では、ヒジャブなどのイスラム圏の女性の服装をしていないバックパッカーなどの外国人女性は“慎みのない”対象と勝手に看做されて、性犯罪の被害を受けやすい。

外面的行動が内面を表すことは往々にしてあるにせよ、逆にステレオタイプ的な発想に囚われやすくなる。ムスリムは、“カエサルの物はカエサルに”という発想が近代デモクラシーの根幹にあることを理解できていない。

カソリックの“聖俗二元論”のような、外面の行動と内面の良心の峻別すらないところで、異教徒の信教に対する一貫性を認めないとなれば、そうならざるを得ない。

この点、皇帝教皇主義の正教会も同じように、人間の内面にまで介入して来る。これは現在のロシアも同じである。

この宗教的素地の下でボリシェヴィキのマルクス・レーニン主義は、人間の内面にまで支配を及ぼそうとした。独裁者スターリンは、放校されたとはいえ神学校で学んでいる。共産主義もまた宗教だったのだ。

つまり、共産主義の影響を受けた左翼リベラルは、他者の内面の自由を侵害している意識がなく、意見に同調しない(戒律に従わない)と見るや、その独善によって罵倒を浴びせ、打擲を加え、なぶり殺しにすることが出来る。笞打刑と私刑に処せられるブロガーは何もイスラム圏に限ったことではないということだ。

バングラデシュで著名ブロガー殺害、過激主義批判への報復か 2015.02.28 Sat posted at 14:09 JST CNN日本版

サウジ最高裁、ブロガーへの1000回むち打ち刑を支持 2015.06.09 Tue posted at 12:29 JST CNN日本版

バングラデシュでまたイスラム批判のブロガー殺害、今年4人目 2015.08.08 Sat posted at 10:30 JST CNN日本版

(CNN) バングラデシュ当局によると、首都ダッカで7日、イスラム教に批判的な投稿をしていたブロガーの男性が刃物を持った集団に自宅で襲われ、殺害された。同国ではブロガーを標的にする同様の事件が相次いでおり、今年に入り少なくとも4人目の死者となった。

警察などによると、死亡したのは20代後半の男性、ニロイ・チャクラバルティ氏で、「ニロイ・ニール」のペンネームを使っていた。7日午後、自宅アパートに5~6人の男が集団で押し入りニロイ氏を殺害したという。

ニロイ氏は、同国で3人のブロガーが最近、相次いで殺害されたことを批判する文章を掲載したほか、普段から女性やマイノリティーの権利、ヒンドゥー教徒に対する抑圧などについて投稿。2月に殺害された著名ブロガー、アビジット・ロイ氏が設立したブログサイト「自由思想家」にも寄稿していた。

地元警察によると、ニロイ氏は以前、非政府組織(NGO)で勤務。ジャーナリストとしての所属先を把握しておらず、現在調査中だという。

国際テロ組織アルカイダ系の「アンサール・イスラム」が地元メディアにメールで犯行声明を送付。「アラーの許しのもと今日、作戦を実行した。アラーとその使徒の最悪の敵であるこれらの人物に対する戦いを宣言する」と述べた。CNNでは声明の信ぴょう性を確認できていない。

地元警察はアンサール・イスラムについて、同国内で活動実態に乏しく、比較的最近になって名前が知られ始めたと指摘。組織と犯行声明の信ぴょう性に関し捜査を進めている。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、抗議の声の封殺を目的とした殺害は卑劣で許されないとの強いメッセージを送るべきだとして、同国政府の行動を促した。

印パの海軍拡張競争つづく

2015年4月7日のエントリーの続報となるが、

パキスタンは、中共の輸出用潜水艦039A型(元型)8隻の購入契約を締結した。タイが同型艦導入を発表から約10日で保留にした一方で、中共にとっては喜ばしい契約だろう。

しかし、インドは対潜水艦用の艦船を4隻建造する。6年間で610億ドルの軍事予算を投じて、12年後までには137隻の艦船を200隻に増強し、SLBM搭載の原潜の導入、兵器の内製化を含めた野心的な計画を打ち出してきた。

現在の人民解放軍の艦船300隻には及ばないが、日米豪との準軍事同盟を強化して、対抗するつもりだろう。すでに対潜水艦の艦船は2隻目まで建造中であり、パキスタンの潜水艦8隻は焼け石に水となりかねない。

Pakistan to buy 8 submarines, the biggest arms export deal for China 00:08, July 26, 2015 People's Daily Online

Submarine Killers: India's $61 Billion Warning to China July 29, 2015 — 3:30 AM KST Bloomberg

習近平はグワダル回廊を諦めない

中共の習近平国家主席は、パキスタンを訪問して経済協力に合意する。合意された予算は総予算460億ドルに及び、中国新疆ウイグル自治区~パキスタンのグワダル港に至る回廊建設の一部に使われる。

習近平の思惑は北東アジアから東南アジアのシーレーンをショートカットして、インド洋とアラビア海に直接アクセス、ここのシーレーン防衛に集中して、グワダル回廊を使ってコモディティほかの戦略物資を本土に運ぼうとすることにある。ボトルネックはこのルートでは、支那本土すべての原材料の需要は満たせないということにある。

習近平主席 パキスタンなど訪問へ 4月20日 4時00分 NHKNewsWeb

中国の習近平国家主席は、20日からパキスタンとインドネシアを訪問し、周辺国との関係を重視する姿勢を強調するとともに、アジア・アフリカ首脳会議に出席して演説を行い、発展途上国側のリーダーとしての存在感をアピールするものとみられます。

中国の習近平国家主席は20日から24日までの日程で、パキスタンとインドネシアを訪問します。

国営の新華社通信は、2か国はいずれも中国が設立を提唱するアジアインフラ投資銀行の創設メンバーだと指摘しつつ、「習主席がことし最初の外国訪問先に周辺国を選んだのは、中国の外交戦略の中で周辺外交が最も重要な地位を占めていることの表れだ」と伝えています。

中国はパキスタンのアラビア海に面するグワダル港の整備を援助しているほか、この港と自国の新疆ウイグル自治区を鉄道やパイプラインなどで結び、中東やアフリカ産の石油の輸入の近道とすることをもくろんでいて、習主席の訪問中に、両国は大規模なインフラ事業などの協力で合意する見通しです。

また、習主席はインドネシアで22日から始まるアジア・アフリカ首脳会議に出席して演説を行い、アジア・アフリカ諸国との協力の強化を打ち出すことにしています。

中国は「現在の国際秩序は不公平で、発展途上国の権益が十分に保障されていない」と主張していて、アジアインフラ投資銀行の創設メンバーに57か国を集めたのに続き、今回の会議では、みずからを発展途上国だとして、発展途上国側のリーダーとしての存在感を内外にアピールし、自国に有利な国際秩序づくりを主導するねらいがありそうです。

外交カードとして使われる潜水艦輸出

潜水艦の建艦競争は、自国にとどまらず利害の一致する友好国に及び、潜水艦、対潜哨戒機、ソナーにそれらのメンテナンスや人材育成のパッケージ輸出を促進している。例えばベトナムはロシアから潜水艦を購入して、インドから人材育成のスキームを受け入れている。ベトナムの矛先はもちろん中共に向いている。

中国共産党の海軍拡張が我が国を始め、ベトナムやインドなどの潜水艦保有数を増やす最大要因となっている。これは連鎖反応を引き起こし、インドと対峙するパキスタンの潜水艦の保有数増加を促す。パキスタンは中共から潜水艦8隻を購入することになった。

潜水艦は各国の外交カードとして使われている。“対中封じ込め”の陣営では、ほかにミャンマーがインドからソナーを購入しようとしており、インドは米国から対潜哨戒機を購入しようとしている。一方、中共の陣営ではパキスタンのほかにバングラデシュが中共から潜水艦を購入しようとしており、運用支援に人民解放軍から人材が派遣される予定となっている。

中国が「S-20」型潜水艦をパキスタンに売却へ・・・単価では過去最高か 2015-04-07 22:21 サーチナ

パキスタン、中国から潜水艦8隻購入へ 2015年4月3日 12:56 JST WSJ日本版

パキスタンは中国から潜水艦8隻を購入する計画だ。防衛当局者が明らかにした。これは中国にとって最大規模の武器取引で、インド洋における軍事競争が激しさを増す可能性を秘めている。

パキスタンにとっても、この取引は過去最大の武器購入になる見通しだ。

公文書によると、パキスタン国防省のムフタール・カーン次官補が3月31日に開かれた議会の防衛常任委員会で購入計画を明かした。

文書には「国家保安委員会(NSC)が、中国から潜水艦8隻を購入するプロジェクトを原則承認した。価格交渉は進展している」とのカーン氏の発言が記されている。

 NSCは防衛問題の最高意志決定機関で、シャリフ首相を含む背広組(文官)と制服組(武官)の指導者で構成されている。


アングル:豪潜水艦調達計画、「アジア重視」米国が日本製後押し 2015年 04月 2日 17:03 JST ロイター

参考URL:
潜水艦が映し出すアジアの安保( [特別投稿]長尾 賢氏/学習院大学講師(安全保障論・非常勤)) 更新日:2014/06/17 東京財団

バングラデシュ“移行期の危機”

下記のニューヨーク・タイムズの記事『世俗的なバングラデシュの終わり』が伝える無神論者のバングラデシュ系アメリカ人が殺された事件は、軽工業を中心とした経済発展の始まりにつれて、むしろ世俗化ではなくイスラム原理主義が台頭している現状を伝えている。かくてエマニュエル・トッドの云う“移行期の危機”がバングラデシュにも訪れる。

経済発展が世俗化ではなく、知識の普及に伴い民族主義や宗教によるナショナリズムの高揚につながった典型例は「白色革命」から「イラン・イスラム革命」までのイランの動きだろう。モハンマド・レザー・シャー(日本では、パーレビ国王と呼ばれたことが多い)の行った「白色革命」は、識字率を向上させ、女性参政権を認めた。その結果が反動としての「イラン・イスラム革命」が起きた。

経済発展は伝統と習慣からの脱却を促すと同時に、心理的な当惑と政治的混乱を産み出し、一層のナショナリズム回帰を促進する。バングラデシュでは25年前よりもヒジャブを着用する女性が増えている。それ以前はパキスタンに対するベンガル人のナショナリズムは存在したが、イスラム原理主義はなかった。

End of a Secular Bangladesh? MARCH 5, 2015 New York Times

Covered in blood, she stands over the body of her husband lying on a sidewalk on the Dhaka University campus. Onlookers, their faces stunned and fearful, circle the protagonists in what looks like a macabre scene from a Bengali jatra, or village opera.

Except this is not a play. The dead man is Avijit Roy, the Bangladeshi-American blogger known for his staunch atheism, and he has just been butchered with machetes. Islamist extremists are suspected in the attack.

This picture was relayed around the world after Mr. Roy and his wife, who were living in the Atlanta suburbs, were brutally attacked during a visit to Bangladesh as they were returning by cycle rickshaw from a book fair.

The spot where the attack took place is close to the university’s teacher-student center, where young people typically crowd around the tea stalls debating politics, philosophy and current affairs.

Some 25 years ago, I sat on those rickety wooden stools and discussed the same issues Mr. Roy wrote about in his blog, Mukto-mona (Free Mind) and his recent book, “The Virus of Faith.” We students openly proclaimed our atheism. We probably provoked some strong reactions, but we did not fear for our lives. We were proud of the Bengali tradition of secularism, unique to the Indian Subcontinent.

Bangladesh has changed. The expansion of the garment industry and the rise of microfinance and community development banks put an end to the stereotype of Bangladesh as a “basket case.” But economic empowerment also brought mass access to information. Today the disenfranchised and disgruntled can identify themselves with extremists anywhere in the world. What is their common identity? Religion.

When India was divided in 1947, East Bengal became part of Muslim Pakistan purely on the basis of its religious majority. A year later, Urdu was imposed as the national language. The Bengali language has always been linked with secular Bengali nationalism. Protests followed, and on Feb. 21, 1952, the Pakistani police opened fire on students at Dhaka University. That day — perhaps the beginning of the conflicts that culminated in the 1971 war of independence — is remembered every year in Bangladesh and in the Indian state of West Bengal, and the monthlong book fair is one of the commemorative events. When I tried to visit the fair just a few days before Mr. Roy was killed, I couldn’t make it through the crowds at the entrance to the university campus.

I had gone back to Bangladesh with two of my children so they could experience the sounds and colors that I grew up with. The first sign that things had changed was at Heathrow, when an attendant at the Bangladeshi airline desk said that we would not be allowed to enter the country because of the Israeli stamps on our British passports. I explained that I had visited with the same passport before, and we entered Dhaka without any hiccups. My confidence in Bengali liberal-mindedness thus restored, the children and I got in a motorized rickshaw, headed for the port of Sadarghat.

On the way, my 13-year-old daughter observed, “I thought it would be much more colorful. Are there no women in Dhaka?” Looking around, I realized that most women were covered in black burqas or hijabs — a style that I had seen in such large numbers only in the Middle East. Many of their male companions wore long white dishdashas and skullcaps.

I remembered that stretch as being one of the most colorful streets, with shop fronts spilling over with spices and trinkets, men and women loudly bargaining to get the best deal. Even in Dhaka’s swanky areas, I was dismayed to find stores filled with hijabs and full-face coverings, with signs on the front windows reading “For True Muslim Women.”

Were the Muslim women of my childhood, who simply flung the ends of their saris over their heads, not “true” enough?

My father was Muslim, but before I became an atheist, I had embraced my ancestral Hinduism, visiting temples and lighting lamps for the festival of lights, Deepavali. I never feared being treated as an apostate. Now I do. Now if a passport control officer in Dhaka asked me what religion I belonged to, I would think twice before saying I was a former Hindu. Or worse: an atheist.

Thinking of Mr. Roy’s book, “The Virus of Faith,” I asked my Bengali friends: How did this virus find such a welcome platform? How did it spread so far that secularism has become a restricted word?

“Unfortunately, over the past decade or so, all the attacks on secular thinkers — who include people from all religious backgrounds — were committed by self-styled defenders of Islam,” Jibanananda Jayanta, a Dhaka-based social activist, told me.

This prompted many secularists from Muslim backgrounds to distance themselves from Islam. They were in turn accused of blasphemy. The poet and author Taslima Nasrin went into exile in 1994 to flee death threats from Islamist radicals. But what were then threats or fatwas became in more recent years coldblooded killings on crowded streets.

Some friends described the murder of Mr. Roy as “copycat violence,” imitating similar attacks by fanatics elsewhere — part of the globalization of Islamism. In 2004, another writer, Humayun Azad, was severely injured during an attack that also occurred at the annual book fair. And in 2013, Ahmed Rajib Haider, an atheist blogger, was killed by machete-wielding Islamic radicals.

In both of those cases, the attackers demanded that the government pass a law against blasphemy, similar to the one that exists in Pakistan. Although the current government has strongly opposed such a law, it has nonetheless catered to Islamic political parties by harassing and arresting many secular bloggers. It has also used the existing law against hurting “religious sentiment” to punish dissenters.

After Avijit Roy’s murder, mourners placed a banner at the temporary memorial near the site of the attack. Its words could not be more true: “If Avijit is beaten, so is Bangladesh.”

Lipika Pelham is the author of the memoir “The Unlikely Settler.”

ハンバントタ港を巡る前哨戦

スリランカでは、親中のラジャパクサ政権から親インドのシリセナ政権への交替によって、中共の国有企業「中国交通建設」によるコロンボの不動産開発案件「ポート・シティ計画」が一旦白紙に戻された。昨年9月と11月に人民解放軍の攻撃型潜水艦が寄港したのは彼らの建設したコロンボのコンテナ・ターミナルであった。潜水艦の寄港はインドの反発を招き、シリセナ大統領当選のきっかけをつくった。

次いで焦点は、中共の“海のシルクロード”及び“真珠の首飾り戦略”の拠点となっているスリランカ南部ハンバントタ港に移ると思われる。ハンバントタの港湾整備は同じく中共の国有企業「中国港湾工程」が行っている。この港湾都市はスリランカ内戦を終結させたラジャパクサ前大統領の地元でもあった。

内戦は多くの非戦闘員を巻き添えにし、戦時国際法を逸脱したとされ、インドや欧米からの援助が途絶えたため、ラジャパクサ政権は中共に接近した。シリセナ政権によって中共依存の低下が進むと思われるが、スリランカ国内の利権分配が公平さに欠けると、かつて内戦を起こしたスリランカ北部のタミル人の動向が鍵となってくる。

内戦と軍事独裁政権と中共への接近と依存低下と同じ経過をたどったミャンマーでは現在、雲南省から移住したとされるコーカン族が反乱を起こしている。

Sri Lanka May Bar Port Visits by Chinese Submarines March 03, 2015 The Diplomat

スリランカ、中国資本の不動産開発案件を一時保留 2015年 03月 6日 08:40 JST ロイター

[コロンボ 5日 ロイター] - スリランカ政府は、中国企業が首都コロンボで進める15億ドル規模の不動産開発プロジェクトについて、必要な政府機関の承認なしに開始されたため、一時保留にした。

中国交通建設(CCCC)はコロンボの埋め立て地にショッピングモールやゴルフコース、ホテル、マンション、マリーナなどを建設する計画。スリランカでの中国資本開発案件としては最大規模の一つ。

ただ、スリランカ政府報道官は、このプロジェクトが関連機関からの承認なしに始められたとし、透明性が低く、環境基準も満たしていない、と明らかにした。

中国政府はインド洋への進出を目指しており、このプロジェクトもその一環とみられているが、隣国インドが警戒感を高めるのは間違いない。


参考URL:
国務院国有資産監督管理委員会 中央企業一覧(中文)

日米首脳を招聘するインド共和国記念日

インドの共和国記念日(1月26日)にオバマ大統領が公式に招かれた。前年は天皇皇后両陛下が同じく招かれており、インドの日米重視の姿勢が表れている。

オバマ大統領のインド公式訪問のハイライトは、米印間の原子力発電の輸出に関する合意であった。

2010年、インド議会は事故が起きた場合の補償を原発メーカーに負わせる法律を通したために輸出が頓挫していた。しかし、インドは電力受給の兼ね合いから原発を必要とする。妥協策としてインドの国営保険会社が賠償責任を負うこととなった。

停滞している日印原子力協定にも進展が見られるだろう。原子力協定に関しては、第2次安倍政権下の2013年5月中に、日本―UAE間、日本―トルコ間の協定が署名、日本―サウジアラビア間の事務レベル協議が開始されている。

新興国・途上国は軒並み原子力発電の拡充をエネルギー政策の根幹に据えている。持続的な経済成長のためにLNGよりも再生可能エネルギーよりも原子力が求められている現状を反原発派は受け止めるべきだろう。

コラム:インド原発推進合意、米大統領の抜け目ない布石か 2015年 01月 27日 13:21 JST ロイター

Andy Mukherjee

[シンガポール 26日 ロイター BREAKINGVIEWS] - オバマ米大統領がインドに与えた原子力発電所関連の合意というプレゼントは、抜け目のない投資のようだ。事故が起きた場合に原発メーカーを賠償責任から守る仕組みで合意することにより、実質的にインドの原発建設計画に突破口を開いた。より大きな狙いはインドのエネルギー危機に終止符を打つことにある。

オバマ氏とモディ・インド首相との会談初日に交わされたこの合意で、日立製作所(6501.T: 株価, ニュース, レポート)と米ゼネラル・エレクトリック(GE)(GE.N: 株価, 企業情報, レポート)の連合、東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)傘下の米ウェスチングハウス、仏アレバ(AREVA.PA: 株価, 企業情報, レポート)といった原発メーカーに新規注文が舞い込む可能性がある。インドでは合計約4ギガワット(GW)規模の新原発が建設中で、今後10年間でさらに40GW分の新設が計画されている。この半分が建設されただけでも契約額で350億ドルに相当する。

しかし米企業にとってより大きな魅力を秘めているのは、モディ首相の「メーク・イン・インディア(インドでものづくりを)」キャンペーンに活を入れることかもしれない。インドの製造業大国入りを阻む最大で唯一の障害が、電力不足だ。貧しく、労働力の余剰に苦しむインド北部の電力供給は昨年12月、需要に比べ6%不足していた。

モディ首相は今後とも、石炭採掘の拡大を最優先課題に掲げ続けるだろう。しかし原発はそれを支える重要な役割を果たしそうだ。インドの総電力消費量に占める原発の割合は現在わずか3%。核分裂物質の世界市場において、インドがのけ者扱いされていた時代の後遺症だ。2008年の米印原子力協定調印をもってこの状態には終止符が打たれた。しかしインドが2010年、世界的原発メーカーに事故の賠償責任を負わせる法律を成立させると、原発建設計画は立ち往生した。

インドの国営保険会社が賠償責任の一端を担う妥協策にオバマ氏が合意したことで、モディ首相は動きやすくなった。保険料の規模は明らかでないが、この措置はメーカーからインドの納税者へのリスク移転のようにも見える。大統領はまた、国際的な保証下にあるインドの原子力施設を監視する権限を保持する要求も取り下げた。

インドの原発の発電能力が現在の5ギガワットから倍増すれば、モディ首相が再選を目指す2019年までに、インドでの低コスト生産が実現する可能性は高まるだろう。昨年まで米国にとって歓迎すべからざる人物だったモディ氏を支えることで、オバマ大統領はインドでの事業機会に布石を打った格好だ。

●背景となるニュース

*インドを訪問したオバマ米大統領は25日、インドへの原発輸出を推進する合意を結んだ。

*インドが2010年、日米などの原発メーカーに事故の賠償責任を負わせる法律を制定したことで、原発輸出は頓挫していた。今回の合意により、金銭的なリスクはインドの国営保険会社が負担することになった。

*インド紙の報道によると、オバマ大統領は国際原子力機関(IAEA)の保証措置下にあるインドの原子力施設を米当局が監視する要求も取り下げた。

*インドは発電量に占める原発の比率を現在の約3%から2032年には6.4%に高める意向。

*昨年12月のインドの電力供給は需要を3.2%下回り、北部と北東部では電力不足が6.4%に達した。

*インドのエネルギー需給についての公式統計は以下のアドレスをクリックしてご覧ください。
bit.ly/1uufV6Q

ルック・イーストからアクト・イーストへ

インドは、外交政策を静的な“ルック・イースト”から動的な“アクト・イースト”へと転換したと、下記のロイター電は伝える。

特に、スリランカへ対する態度が決定的に変化したのは、人民解放軍の潜水艦が去年9月と11月と続けてコロンボに寄港したためであった。インド-スリランカ-モルディブの三カ国協定により事前照会を定めたが、それを怠ったラジャパクサ前政権にインドが見切りをつけたのが真相と云う。

日清戦争の際、(甲申政変のあとに締結された)天津条約に従った出兵に関する相互の事前照会(相互通知・行文知照)を想起した。

中国共産党と清朝廷の違いはあっても、条約文言にある機微(利害関係)を理解しようとせず、外交上の失策を繰り返しているあたり、支那らしさを感ぜずにはいられない。

コラム:中国の台頭を封じる米印「民主主義連合」 2015年 01月 26日 15:52 JST ロイター

焦点:中国けん制強めるインド、オバマ訪印で「外交転換」加速へ 2015年 01月 22日 18:50 JST ロイター

(前段省略)

ただ、インドは昨年までは、おそらくはラジャパクサ氏が中国に一段と接近することを警戒し、スリランカに対しては中立的な態度を保っていた。

それが変わったのは昨年9月、ラジャパクサ前政権がインドに事前通達せず、中国の潜水艦をコロンボに寄港させたことだ。インド側は、今年モルディブを含む3国で締結した協定に基づき、事前に知らせるべきだったとしている。

インドの上級外交官はロイターの取材に「あれが我慢の限界だった」と言明。同外交官の話では、スリランカ側から「次回はインドに通達する」との言質を引き出したが、その約束も11月に再び潜水艦が寄港したことで破られた。

複数の外交筋や政界筋によると、インドは1月8日に投開票されたスリランカ大統領選に向け、通常はまとまりのない野党勢力を結集させるべく影響力を行使したという。

<非同盟主義からの脱却>

スリランカ当局は16日、総面積約230ヘクタールに及ぶコロンボでの港湾都市開発計画に関し、中国交通建設(601800.SS: 株価, 企業情報, レポート)と交わした総額15億ドル(約1770億円)の契約を見直す方針を明らかにした。

契約で中国側は投資の見返りとして、開発地の土地を租借できることになっていたが、これは海上貨物輸送の多くがコロンボ港経由であるインドにとって大きな懸念材料だ。

スリランカ新政府による契約見直しについて、インド外交筋は「わが国の安全保障上の懸念を無視しないという明確なメッセージだ」と語っている。

モディ首相は、南アジアの他の場所でも同様の吉報を求めている。インドと中国に挟まれたネパールには、同国首相として17年ぶりに公式訪問。長く遅れていたインフラ開発の協力などで合意した。

インドはまた、バングラデシュが開発を望んでいるベンガル湾ソナディアでの80億ドルに上る深水港プロジェクトへの関与も強めている。同プロジェクトは中国港湾工程有限責任公司(CHEC)が入札で先頭に立っているが、インドのアダニ・グループも昨年10月に開発案を提出した。

(後段省略)

我が真珠に価値あり、と両天秤にかけるスリランカ

スリランカの大統領選は野党連合の新民主戦線(NDF)のシリセナ氏が51.28%の最終得票率で当選、3期目を目指していた与党のスリランカ自由党(SLFP)のラジャパクサ大統領は47.58%で敗れた。

新大統領となるシリセナ氏は、ラジャパクサ政権の保健相を務めていたが、2010年9月に3選禁止条項を削除させたラジャパクサ大統領の多選による権限集中とネポティズムの横行、中国共産党の“真珠の首飾り”戦略に追随・傾斜する外交を批判、改革を主張して立候補した。

同調して離党した議員を含め野党の支援を受け、都市部インテリやタミル人など利権再分配に預かれなかった層の支持を受けた。

もともとラジャパクサ政権は、内戦におけるタミル人虐殺の嫌疑がかかり、欧米諸国との関係悪化の隙を突く形で、中共が関係を深め、2009年にスリランカへの最大支援国の座を我が国から奪った。

ラジャパクサ大統領の地元でもある南部のハンバントタ港は、“真珠の首飾り”戦略に組み込まれ、昨年9月と11月にはコロンボ港に人民解放軍の潜水艦が相次いで寄港しており、インドの反発を招いた。シリセナ氏は親中路線を見直し、日中印との等距離外交で各国の援助合戦で国益を追求しようと目論む。

スリランカ大統領にシリセナ氏 日・インドと関係強化へ 2015/1/9 22:40 日経

スリランカ大統領選投開票 現職と元側近が大接戦 2015/1/8 22:56 日経

スリランカ大統領選1月8日実施 現職の閣僚離反し出馬表明 ラジャパクサ大統領を「独裁」と批判 2014.11.22 20:17 産経ニュース

来年1月にスリランカ大統領選 地元ニュースサイトが報道 2014.10.20 22:57 産経ニュース

インドにとって日米英など海洋国の安全保障協力がないと、インド洋では、西にパキスタン(グワダル港)、南にスリランカ(ハンバントタ港)、東にバングラデシュ(チッタゴン港)とミャンマー(チャウピュー港もしくはダウェイ港及びココ諸島の電波傍受施設)と、“真珠の首飾り戦略”で包囲されたままになる。

我が国の外交攻勢は、これらの国々を中共から切り崩し、インドの側面援助になっていることがよく分かる。

焦点:中国の潜水艦に苛立つインド、海面下で進むアジアの軍拡競争 2014年 12月 3日 16:29 JST ロイター

中国潜水艦など2隻、スリランカに再寄港 インドは軍事的台頭を警戒 2014.11.3 16:53 産経ニュース

インド刺激する中国潜水艦 スリランカに寄港 「真珠の首飾り」戦略で南アジアに影響力 2014.11.2 20:39 産経ニュース

中国国家主席、スリランカなど訪問「海上シルクロード」構築 印など警戒「真珠の首飾り戦略」 2014.9.17 08:51 産経ニュース

つぎはぎだらけのパキスタンにて

2014年12月17日のエントリーの続報。

学校を襲撃して生徒ら132人を殺害したパキスタンのタリバン運動(TTP)に対する報復として、パキスタンのシャリフ政権は約500人の死刑執行に乗り出す。

パキスタンは、もともとムスリムという共通項だけでつくられた人工国家だけに原理主義の傾向が強くなる。加えて、いとこ婚の比率がムスリム圏で最も高い。出生率低下につながる女性の教育と社会進出に対する反発は根強く、アフガニスタンやパキスタンで女子学生に対するテロが頻発する。

出生率の低下を望む前段階で過激派が横行することも一因となって、2005年に人口が1億6千万人を突破、現在の人口は約1億8800万人にまで増加、国民の約半数が貧困層となっている。そして、2050年には人口が約3億4000万人に達すると推計される。

そして、パキスタン出身・英国在住の作家モーシン・ハミドの記事を読む限り、イスラムを絶対的なものとして捉えた国民国家(ネイション)のパキスタンをつくろうした試みは、失敗しつつあるようだ。とは云え、欧州各国において個々の文化を絶対的なものとして捉えた多文化主義が破綻しているなかで、文化的多様性や許容性がもっと必要だとすれば、まったく解答が見出だせないではないか。

パキスタン、テロ事件関与の500人の死刑、数週間以内に執行 2014.12.23 21:44 産経ニュース

 パキスタンのカーン内相は23日までに、テロ事件に関連して死刑判決を言い渡された約500人の刑が数週間以内に執行される見通しだと述べた。地元メディアが伝えた。シャリフ政権は、北西部ペシャワルで起きた16日の学校襲撃事件を受け、テロ事件に関する死刑の執行を再開している。

 学校襲撃で犯行を認めた「パキスタンのタリバン運動(TTP)」などの武装勢力に強硬姿勢を示し、テロの封じ込めを図る狙いとみられる。一方、人権団体からは批判の声が上がっている。

 ただ、500人の刑が全て最終的に確定しているかどうかについては懐疑的な見方もある。政権側には武装勢力をけん制する意図もあるとみられる。

 2008年から死刑の一時停止措置が取られていたが、シャリフ政権は、事件後の19日と21日にTTPと関係が深いとされる人物を含む計6人の刑を執行した。(共同)


Discontent and Its Civilizations – Pakistan’s place in the world Sunday 4 January 2015 08.00 GMT The Guardian

Hamid insists that Pakistan is really a series of Pakistans. It’s a “patchwork of cultures, ethnicities, languages and sects. Since independence, we’ve tried to use Islam to bind us together, to undo our inherent and pervasive minority-ness.” Perhaps, he suggests, it should be seen as an ongoing experiment, “a test-bed for pluralism on a globalising planet that desperately needs more pluralism”. He writes with great passion about the country’s Ahmadi, who are deemed heretical by orthodox Muslims.

ハミド氏は、パキスタンとは実際にパキスタンなるものの連続体に拠っている、と主張する。それは「文化、民族的特質、言語と宗派のつぎはぎ・寄せ集めであり、独立以来、生来の特質と隅々に拡がっているマイノリティ性を解きほぐし、我々はイスラムを用いて、その統合を試みてきた」と。おそらく、彼の示唆するところ、こうした進行中の実験は、「グローバル化を進めることが出来ていた、多文化主義を容認する現在の条件下よりも、ほかの文化に対する共存(的姿勢)が、絶望的なまでに高く求められる」。(この姿勢に留意する意味で)彼は正統派ムスリムに異端と看做されている母国のアフマディー教団についても、情熱を込めて書いている。

人工国家パキスタンの悲哀

世界にあるすべての国家はむろん人工ではあるが、国家は、その形成に際しては歴史的経緯としての神話、民族、言語、宗教、文字など、これらの要素の統一によって国民(ネイション)を作り出す。

トルコのエルドアン大統領は、神話として初代皇帝オスマン1世の父エルトゥールルをドラマ化したり、言語としてのオスマン語の復活を図ったりしている。国民(ネイション)の基礎を小トルコ主義から大トルコ主義へと徐々に移行させている。

しかるに2013年7月12日のエントリーなどで述べたように、

パキスタンは、もともとムスリムという共通項だけでつくられた人工国家だけに原理主義の傾向が強くなる。加えて、いとこ婚の比率がムスリム圏で最も高い。出生率低下につながる女性の教育と社会進出に対する反発は根強く、アフガニスタンやパキスタンで女子学生に対するテロが頻発する。

出生率の低下を望む前段階で過激派が横行することも一因となって、2005年に人口が1億6千万人を突破、現在の人口は約1億8800万人にまで増加、国民の約半数が貧困層となっている。そして、2050年には人口が約3億4000万人に達すると推計される。

経済成長に伴う近代化を否応なく進めれば、かつてのイラン革命や現在の“アラブの春”などに見られる反動が、若年層の人口がピークになった段階で起きるだろう。

パキスタンの混乱が前段階、前駆的症状に過ぎないのが空怖ろしい。

罪のない子供たち132人の死、パキスタンの転機となるか 2014/12/17 15:08 JST ブルームバーグ

パキスタンはアフガニスタンで戦うムジャヒディンを支援したためにイスラム原理主義過激派の策源地となり、対テロ戦争の発起点となった。タリバンを支援したパキスタンが、インド亜大陸に作られた人工国家の典型例である性格上、イスラム原理主義のもっとも根強く、かつ激しい非対称戦争の舞台になる。つまり対テロ戦争の発起点は攻勢終末点となり得るのだ。

2011年9月にタリバンとの和平を指揮していたラバニ元大統領が暗殺された。アフガニスタン政府は、タリバンの評議会及びパキスタンのISIの関与の証拠があるとした。そのためアフガニスタン政府は、タリバンの背後にいるパキスタン政府への直接交渉を求める一方、パキスタンと敵対するインドとの戦略的パートナーシップを締結した。また同年10月にインド軍参謀総長は、紛争の続くカシミール地方に人民解放軍を含む中国人が建設に従事していると述べた(2011年10月6日のエントリーなどを参照されたし)。

タリバン学校襲撃で生徒ら130人超死亡、マララさん悲しみの声明 2014年 12月 17日 09:32 JST ロイター

学校を襲撃して生徒ら132人を殺害したパキスタンのタリバン運動(TTP)は、ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんを襲撃した勢力でもある。ノーベル平和賞受賞に対するカウンターとも云える。その重荷はノーベル平和賞を選定したノルウェーほか欧米社会ではなく、パキスタン政府が負う点で独善と独善のぶつかり合いに巻き込まれたと同情できなくもない。

そもパキスタンは、隣国インドの動向によって規定されてきた。イスラム原理主義への傾倒もタリバンへの援助も同じくインドへの対抗上、始まったことであり、それらのことごとくが裏目に出てしまっている感がする。

ハイブリッドとなるヴィクラント級空母

2013年8月14日のエントリーでは、インドの国産空母ヴィクラント級の1隻目が進水式を行ったことと潜水艦が爆発・炎上した記事を載せた。

その続報となるが、ヴィクラント級空母の艤装などに米国の支援を受けるべく両国間でモディ首相の訪米前調整を進めていることをNHKが伝えている。

インド海軍の空母は英国から購入したヴィラート(旧ハーミーズ)、ロシアから購入したヴィクラマーディティヤ(旧航空重巡洋艦アドミラル・ゴルシコフ)、インドと米国協力によるヴィクラント級と、それぞれの技術が入り乱れることになる。

米 インド海軍の空母建造支援へ 9月23日 4時21分 NHK NEWSweb

アメリカ政府はインドと安全保障分野の協力を強化するため、インド海軍の空母の建造を支援する方向で調整を進めており、海洋進出の動きを活発化させる中国をけん制するねらいがあるとみられます。

インドのモディ首相は、今月29日と30日に就任後初めてアメリカのワシントンを訪れ、オバマ大統領と首脳会談を行う予定です。

複数の外交筋がNHKに明らかにしたところによりますと、アメリカ政府は首脳会談にあわせて安全保障分野での協力をさらに強化するため、インド海軍の空母の建造を部分的に支援する方向で調整を進めているということです。

両政府としては、海洋進出の動きを活発化させる中国をけん制するねらいがあるとみられます。

インドを巡っては、先に安倍総理大臣が日本を訪れたモディ首相と会談し、インド海軍と海上自衛隊の共同訓練を定期的に行うことや、海上自衛隊が導入している日本製の救難飛行艇「US-2」の輸出に向けて、関係当局間の議論を加速させることなどを盛り込んだ共同声明に署名しました。

また、日本とアメリカ、それにインドの3か国は、外相会談の開催に向けて調整を進めており、中国を念頭に3か国で歩調を合わせるかたちで関係強化を図っていく方針です。

■増強急ぐインド海軍
中国が海洋進出の動きを強めるなか、インド政府は2027年までに主な艦艇だけで新たに44隻を建造する計画を進めるなど海軍力の増強を図っています。

インド海軍は去年、ロシア製の空母1隻を購入し、従来のイギリス製の1隻に加えて現在、合わせて2隻の空母を運用しています。

初めての国産の空母も建造中で去年8月に進水式が行われ、今後、指揮所部分の設備などを完成させ2018年の運用開始を目指しています。

インド海軍は2隻目の国産空母の建造も検討しているほか、近く、2隻目となる原子力潜水艦の運用も始める予定です。

インドが海軍力の増強を急ぐ背景には、中国がパキスタンの一部の港湾の管理権を獲得したり、スリランカで、南アジアで最大規模となる港の整備を支援したりするなどパキスタンやスリランカに接近しインド洋で影響力を拡大させていることがあります。

モディ首相は、就任後初めてとなる今年度の予算で国防費を12%余り増やすとともに、安全保障の面でアメリカや日本などとの連携を強化する方針を打ち出しています。

海のシルクロードにオアシス都市はあるか

習近平国家主席はタジキスタン~モルディブ~スリランカ~インド歴訪を終えた。“海のシルクロード”構想を打ち出しているが、オアシス都市と同じく港湾を確保し、キャラバンの往来を安全足らしめるのと同じくシーレーンの安全保障がなければ、構想は画餅に帰す。

ほぼ時を同じくインドのモディ首相は日本を訪問。豪州のアボット首相はインドを訪問。そして、安倍首相はバングラデシュ~スリランカを歴訪した。

インドは日中を両天秤に掛けて電力・鉄道などのインフラへの投融資を引き出している。アベノミクスとリコノミクスともに前途多難と思えば、インフラ輸出を競うのも分かるが、となると、どちらが国内の利害調整を上手く出来るかに懸ってくる。

以前、2012年5月4日のエントリーでは、

共産中国が純輸出と固定資産形成という2つの成長ドライブを失い、新たな成長ドライブとしての政府支出のうち社会保障か軍事かの二者択一で軍事関連支出を選択し、国内の軍管区の過度な軍閥化を怖れて、中央直轄の海軍に予算を振り向ける。この内政優先の政治的行動が日米・日印同盟をさらに強化させる。

歴史的経緯に学ぶなら、これはまたドイツ帝国が破滅に到った道でもある。

ドイツ帝国は、将校を輩出するユンカー(プロイセンの土地貴族)のためにロシアからの農作物に対して保護関税を掛け、それを元手として関税に不満を持つ産業資本家(クルップ家など)のために英国に対抗しうる建艦競争を繰り広げる。国内の利害関係者はそれで収まるかもしれないが、諸外国に対しては配慮のない機会主義に基づく外交の結果はドイツ包囲網であった。

と、書いた。ASEANに対する配慮の無さは“対中封じ込め”に寄与する形で終わり、人類共通のコモンである“法の支配”を再提唱した安倍ドクトリンに基づくセキュリティ・ダイヤモンド構想も完成に近づいている。

非同盟諸国の雄であったインドはもともと中共包囲網に与していなかったが、チベットの帰属問題に反対しないにも関わらず、カシミールでの越境攻撃やパキスタンへの軍事協力拡大が行われ、対中貿易赤字が拡大するなかで、非同盟諸国的なレトリックをあまり使わなくなり、現実に則して“対中封じ込め”から国益を得ようとしている。

これも以前の2013年5月27日のエントリーから抜粋するが、

インドの対中共戦略は、カシミール(アクサイチンを中共が実効支配)~ネパール~シッキム~ブータン~マクマホンライン(アルナーチャル・プラデーシュ州)までの国境線からの中共の浸透に対して、遅滞戦術を行いながら、その間にインド洋~マラッカ海峡~南シナ海までの海域でのシーレーンを同盟国とともに寸断して、中共側の戦争の維持遂行を不可能たらしめることにある。

たとえ帝国陸軍が大陸打通作戦を完遂できても、インドネシアからの石油をインドシナ半島に陸揚げし、支那の兵站線をゲリラの攻撃から防ぐ人的コストを払いながら、ついに玄界灘の波濤を渡らせられなければ、戦争の維持遂行は不可能だった故事に倣えばよい。

インドと中国、期間5年の貿易・経済協力協定を締結 2014年 09月 18日 20:05 JST ロイター

[ニューデリー 18日 ロイター] - インドと中国は、習近平中国国家主席のインド訪問に合わせ、貿易および経済に関する期間5年の協力協定を締結した。インド政府当局者が18日、明らかにした。両国は、鉄道分野での協力協定も締結したとしている。

またインドのモディ首相は18日、中国と民生用原子力における協力に向けた協議を開始すると発表した。

モディ首相は習近平中国国家主席と会談後の記者会見で声明を読み上げ、「両国は民生用原子力協力の協議を開始する。これは、両国のエネルギー安全保障での広範囲な協力を強化することになる」と述べた。

米ブルッキングス研究所インド支部のシニアフェロー、W.P.S. Sidhu氏によると、中国はこれまで非公式に民生用原子力協力の協議を開始するようインドに強く求めていた。

同氏は、インドが中国の民生用原子炉を購入する契約を締結するには何年も要するかもしれないが、協議を開始することは両国にとってプラスだと指摘した。

インドは米国と2008年に民生用原子力協力協定を締結している。


中国国家主席、スリランカなど訪問「海上シルクロード」構築 印など警戒「真珠の首飾り戦略」 2014.9.17 08:44 MSN産経

【ニューデリー=岩田智雄】中国の習近平国家主席は16日、インド洋の島国スリランカを訪問し、ラジャパクサ大統領と会談した。両国の行動計画が発表され、スリランカは習氏が提唱する「21世紀の海上シルクロード」構築への支持と参加を表明した。習氏は15日にはモルディブでヤミーン大統領と会談し、ヤミーン氏も海上シルクロードを支持した。

 中国国家主席のスリランカ訪問は28年ぶりで、モルディブ訪問は初めて。スリランカとの行動計画には自由貿易協定(FTA)の正式交渉開始や、海洋監視や沿岸管理での協力の可能性を探る合同委員会立ち上げなどが盛り込まれた。

 中国は、スリランカなどインド洋周辺諸国の港湾整備を支援してきた。コロンボ沖合を埋め立てる「ポートシティー」建設には、14億ドル(約1500億円)を支援し、習氏は17日の起工式に出席する。日米欧などでは「真珠の首飾り戦略」と呼ばれ、インドなどが中国の艦船寄港につながると警戒している。

 安倍晋三首相は今月、スリランカを訪問し、ヤミーン氏は4月に訪日した。中国には、日本の動きを牽(けん)制(せい)する狙いもありそうだ。


中国国家主席が17日からインド訪問、高速鉄道で日本と競争激化へ 2014年 09月 16日 13:41 JST ロイター

(前略)

中国の劉友法・駐ムンバイ総領事は先週、印タイムズ・オブ・インディア紙に対し、インド鉄道網の近代化に向けた中国の投資額は最終的に500億ドルに達するとの見通しを示した。

中国はさらに、インドの港湾・道路建設や河川プロジェクトに500億ドルを投資する計画だ。

17日はモディ首相の64歳の誕生日に当たる。習主席はこの日、モディ氏が州首相を務めていたグジャラート州の商業都市アーメダーバードからインド訪問を開始する。

習主席は、インドの前にはモルディブとスリランカを訪問。インド洋で港湾整備を進める中国の戦略「真珠の首飾り」の一環として、中国はスリランカで港湾を開発している。

安倍晋三首相も今月初旬、スリランカとバングラデシュを訪問した。


コラム:中国が成長鈍化許容へ大転換=ジェームズ・サフト氏 2014年 09月 17日 15:08 JST ロイター

コラム:中国の悲惨な統計、実体経済悪化の「予兆」か 2014年 09月 16日 13:51 JST ロイター

新興海洋国の取り込み続く

インドとの首脳会談(利害調整)が終わったあと即座に安倍首相は中共に近いバングラデシュとスリランカを歴訪した。なおインドとは「特別戦略的グローバル・パートナーシップ」、バングラデシュとは「包括的パートナーシップ」、スリランカとは「海洋国家間の新たなパートナーシップ」と外交文言上の使い分けがされている。

バングラデシュとスリランカ、いずれもインフラ輸出が注目されがちだ。そちらは下記記事に頼るとして、外務省の概要にあるが、スリランカではコーストガード育成のスキームが始まる。これは中共の“真珠の首飾り”を切断する我が国の外交戦略に沿っている。

以前の2013年9月27日のエントリーから抜粋すると、

彼らの首飾り(線となる海洋交通路)を繋ぐ真珠(点となる港湾)のある海洋国家に我が国がアプローチして、法的に軍から分離した組織(コーストガード)を設立させて、JICAで人材を養成して、ODAで新造艦艇を供与することで“真珠の首飾り”戦略を根底から覆そうということだ。

すでにマレーシアの組織(海上法執行庁)設立を支援し、フィリピンの人材はJICAで育成済み、フィリピンとベトナムの艦艇は供与を約束し、ジブチにも同様の提案を行っている。

そして、政府は新興海洋国というセグメントを作り出して、彼らに同じスキームを提供する腹づもりだ。ジブチ、ケニア~イエメン~スリランカ、バングラデシュ、ミャンマー~タイ~インドネシア~ベトナム~フィリピン、パプアニューギニア、トンガの13ヶ国がこの新興海洋国に該当する。

注目すべきはアフリカの角の両端に当たるジブチとケニア(モンバサ港)、インド洋のスリランカ(ハンバントタ港)とバングラデシュ(チッタゴン港)とミャンマー(チャウピュー港もしくはダウェイ港及びココ諸島の電波傍受施設)、チョークポイントであるマラッカ海峡付近のタイ(ランター島)、南太平洋のパプアニューギニア(ポートモレスビー)と、中共が持っている拠点を我が国が面ごと取り返すことを目的にしている。

第2次大戦を振り返れば、戦術的勝利を活かせなかったセイロン沖海戦、ラバウルやガダルカナルや珊瑚海海戦などで消耗したポートモレスビー攻略、豪州遮断のための戦いの数々、無謀の誹りを受けて止まないインパール作戦、これらすべてが約70年のときを経て、戦略的勝利へと転回する機会を得つつある。

企業引き連れインフラ商機を狙う 首相のバングラ・スリランカ訪問 2014.9.6 05:00 MSN産経

 安倍晋三首相が歴訪するバングラデシュとスリランカで、同行する日本企業が売り込むインフラの概要が5日、分かった。電機や大手商社、ゼネコンなどインフラ関連や食品企業約35社・機関の首脳が同行。バングラデシュでは東芝など電機大手や大手商社が石炭火力や鉄道を、スリランカでは日立製作所がモノレール、NECが地デジ関連機器をそれぞれ売り込む。日本政府は両国と安全保障連携を強化し、海洋進出を狙う中国を牽制(けんせい)する思惑があり、産業界は首脳外交を機に商機拡大を狙う。

 バングラデシュでは安倍首相が今年5月のハシナ首相来日時に、4~5年で約6千億円の政府開発援助(ODA)などを表明済み。中でも総事業費約4500億円のマタバリ高効率石炭火力発電所をめぐっては、三菱日立パワーシステムズや東芝・IHI連合、大手商社が技術をアピールし水面下でしのぎを削る。

 交通では円借款でMRT(都市高速鉄道)6号線建設を支援、住友商事が日本車両製造などと組み受注を目指す。

 バングラデシュは中国以外にも拠点を設ける「チャイナ・プラスワン」の有力候補に浮上、東レや伊藤忠商事が「ユニクロ」ブランド向けアパレル生産を拡大中だ。1億6千万人の市場の魅力もあり、進出日系企業は約180社と2010年と比べ2倍強に増えた。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)が用地の優先取得でバングラデシュ側と合意、民間企業が工業団地運営を検討している。

 スリランカでは、コロンボの渋滞緩和策としてモノレール建設計画が浮上。将来の円借款供与を視野に日立製作所が受注を狙っている。ただ総事業費1千億円が見込まれ、資金調達の課題もある。

 また、日本式を採用した地デジインフラ整備に約150億円の円借款供与を結ぶ予定で、NECの送信機器システムに加えデータ放送を活用した防災システムなどソフトも提案する。

 人口約2千万人のスリランカは仏教国で政情や治安の安定さが強み。既に大手商社やゼネコンなど日本企業約140社が進出し、首相訪問を機に進出が加速しそうだ。(上原すみ子)


インフラ輸出、総務省が支援機構創設 通信・放送分野 特別会計に340億円要求 2014.8.28 04:30 MSN産経

 総務省が、通信・放送事業者や機器メーカーなどの出資を受けて「通信・放送基盤海外展開支援機構(仮称)」を平成27年度に創設することが27日分かった。同日の自民党総務部会で説明した。官民連携でサービスや機器を組み合わせたインフラ輸出を後押しする狙い。27年度概算要求で財政投融資(産業投資)の特別会計に340億円を要求し、民間企業の出資も受けて事業案件ごとに数十億円規模の支援を行う。

 各省庁は、国際競争力強化を掲げる政府の方針に沿って、鉄道や空港、ショッピングモールなど関連産業の輸出支援機構を創設している。総務省は新興国で需要が多い通信・放送インフラ輸出を目的とした初の支援機構を来秋にも立ち上げる。

 新設する支援機構は政府が340億円を、民間企業もその約1割の規模を出資し、約370億円の事業規模とする。企業が新興国に通信設備や放送機器などを輸出する場合、1件当たり数十億円規模で投資する。

 出資企業は、NTTやKDDI、NHK、民放キー局などの通信・放送事業者のほか、NECや富士通などの機器メーカーを想定する。民間企業も支援機構の運営に参画する。

 インドやベトナム、ミャンマーなどアジアの新興国では、ブロードバンド(高速大容量)通信網や地上デジタル放送など、通信・放送サービスの基盤整備が急務だ。規制緩和などで海外企業の参入も増えている。

 日本もこれまでに、地デジ規格の日本方式を広めるなど、官民連携の取り組みを行った。だが、機器メーカーが事業展開に出遅れるなどちぐはぐさが目立った。同省では支援機構の創設によって「投資リスクを最小限にして機動的な官民連携態勢が整う」と期待を寄せる。

 総務省は27年の通常国会に「通信・放送基盤海外展開支援機構法案(仮称)」を提出し、27年秋にも同機構を創設する考え。同様の輸出支援機構では、海外需要開拓支援機構(経済産業省)▽農林漁業成長産業化支援機構(農林水産省)▽今秋創設予定の海外交通・都市開発事業支援機構(国土交通省)-などがある。


参考URL:
安倍総理大臣のバングラデシュ及びスリランカ訪問 (平成26年9月6日~8日)平成26年9月7日 外務省

スリランカに対する円借款に関する書簡の交換 平成26年9月7日 外務省

特別戦略的グローバル・パートナーシップとは何か

日印首脳会談において「日印特別戦略的グローバル・パートナーシップに関する東京宣言」がなされた。

この宣言に到る端緒は2000年、森元首相のインド訪問の際に戦略的パートナーシップを構築することで合意したことに遡る。この流れは小泉政権に継承され、2006年のシン首相(当時)の来日と2007年の安倍首相(当時)のインド訪問によって、デリー~ムンバイ回廊構想について合意(スマートコミュニティ構想は鳩山政権下、デリームンバイ開発公社への出資は野田政権下)した。

日印安保共同宣言(宣言は麻生政権下)、日印経済連携協定(締結は菅政権下)も清和会系の森政権~小泉政権~第1次安倍政権において基礎がつくられている。

では、「東京宣言」を他国や日中関係との対比、“対中封じ込め”のための外交・安全保障政策、インドに対するインフラ輸出などの観点からまとめていこう。

1.日中関係と日印関係の対比
中共とはリレーションシップ(戦略的互恵関係)に過ぎないが、インドとはグローバル・パートナーシップと明記されている。

2.他国との戦略的パートナーシップの相違
EU、ASEAN、ベトナム、インドネシア、フィリピン、モンゴルとは戦略的パートナーシップであるが、インドとは「特別」「グローバル」の文言が盛り込まれている。

日印特別戦略的グローバル・パートナーシップは、二国間と世界の安全保障、民生用原子力、経済的繁栄、科学分野及び人的交流の多岐に渡る。

3.“対中封じ込め”の概念
法の支配に基づく航行・航空の自由をコモン(人類社会共通の財産)であるとの認識を共有して、不当に侵害する中共を暗に批判、対抗する意図を明らかにしている。

4.外交・安全保障に関する日印2国間の枠組み強化
日印原子力協定を締結するための4つの国際管理レジーム(原子力供給国グループ、ミサイル技術管理レジーム、ワッセナー・アレンジメント及びオーストラリアグループ)に対応する。

US-2輸出を軸に防衛装備品の共同開発を検討する。日印共同軍事訓練の定例化と日印コーストガードの連携強化を行なう。

首脳会談を年次で開催し、日印2プラス2を次官級からスタート、大臣級への引き上げを図る。

5.シーレーンを重視した日米印3ヶ国枠組みの強化
日米印3ヶ国外相会談の実施と米印共同軍事訓練(マラバール)への自衛隊参加を定例化する。

6.中共のGDPを約20年で世界第2位に押し上げた日本の経済力活用
日印投資促進パートナーシップを謳い、我が国はインドに5年間で官民併せて約3.5兆円の投融資を行なう。これはTICAD V(第5回アフリカ開発会議)で表明した5年間で官民併せての約3.2兆円を上回る。アフリカ大陸全体よりインド一国への投融資規模が大きい。

デリー・ムンバイ間産業大動脈構想(DMIC:Delhi-Mumbai Industrial Corridor Project)と呼ばれる、デリー~ムンバイ回廊の貨物鉄道計画に加えて、日本側はムンバイ~アーメダバード新幹線、インド側はアーメダバード地下鉄を盛り込む。チェンナイ~バンガロール間の産業回廊も含めてインフラ建設とバリューチェーン構築を行ない、内需拡大・輸出入拡大を目指す。約20年で中共をGDP世界第2位に押し上げた我が国の面目躍如再びとなるだろう。

民生面でガンジス川などの河川再生、スマートコミュニティ構想などのクリーンエネルギー活用、農業から農産品加工とコールドチェーン構築などの農村政策への協力も盛り込まれる。

資源・エネルギーでは、レアアース(混合塩化希土)の輸出契約合意と日印エネルギー対話を通じてLNG の共同調達、上流部門の共同開発、仕向地条項の緩和に関する共同取組を行なう。

アングル:インドのモディ首相、電力不足が批判の的に 2014年 09月 5日 14:00 JST ロイター

日印経済の「蜜月」演出 モディ首相、製造業の投資呼びかけ 土地取得・ストなど難題も 2014.9.2 22:34 MSN産経

岸田外相、日印閣僚級2プラス2見送りに「次官級を強化、大きな前進だった」 2014.9.2 12:13 MSN産経

「東京裁判で果たしたパール判事の役割忘れない」 モディ首相 2014.9.2 11:22 MSN産経

安倍首相の「安保ダイヤモンド構想」、対中抑止へ完成間近 2014.9.2 00:34 MSN産経

インドのモディ首相、中国の領土拡張主義を強く牽制 日本との安保協力を強調 2014.9.2 00:27 MSN産経

日印共同声明の骨子 2014.9.2 00:22 MSN産経

「日印特別戦略的グローバル・パートナーシップに関する東京宣言」(骨子)

【政治、安全保障】
・年次首脳会談の継続、外務・防衛閣僚協議(2プラス2)の設置を検討、外相間戦略対話と防衛相会談の年内実施
・海上共同訓練の定期化、印米海上共同訓練への日本の継続的参加
・防衛装備協力の推進を目的とした事務レベル協議の開始
・海上自衛隊の救難飛行艇「US2」の輸出交渉加速
・原子力協定交渉の進展を歓迎

【地域、世界平和】
・日本の積極的平和主義を支持
・日米印外相会合の開催
・北朝鮮による核・ミサイル問題への懸念を表明
・国連安保理改革で連携

【経済】
・日印投資促進パートナーシップの立ち上げ。対印の直接投資額、日本企業数を5年間で倍増。5年間で官民合わせて約3・5兆円の対印投融資。インドのインフラ金融公社に500億円の円借款供与
・日本へのレアアース(希土類)輸出の早期実現

【その他】
・日印留学生数の大幅増、スポーツ交流促進
・女性政策での協力


安倍首相、9月6~8日にバングラ、スリランカ訪問 2014.9.1 20:57 MSN産経

日印首脳:対印直接投資、日本企業進出を5年で倍増-東京宣言 2014/09/01 20:40 JST ブルームバーグ

印公社に円借款500億円 インフラ支援で中国牽制 2014.8.31 16:00 MSN産経

インドからレアアース年間2500トン輸入へ 2014.8.28 21:11 MSN産経

インドにもトイレを―TOTOが現地生産開始 モディ首相の普及計画に期待 2014年8月27日17:12JST WSJ日本版

政府、アジア「国際経済回廊」を支援 中国に対抗、日印首脳が会談で協議へ 2014.1.24 23:48 MSN産経

参考URL:
インド国会における安倍総理大臣演説 「二つの海の交わり」 Confluence of the Two Seas 平成19年8月22日 外務省

日・インド経済連携協定(交渉開始までの経緯) 外務省

日本国とインドとの間の安全保障協力に関する共同宣言(仮訳) 2008年10月22日 外務省

最近のインド情勢と日印関係 平成20年12月 外務省

日・インド首脳会談(概要) 平成26年9月1日 外務省

狼少年はグワダル回廊からテロリストを招く

中共の各地で暴動が頻発しているから、新疆ウイグル自治区の事件だけを独立を達成するためのテロと断定することも、思想的にイスラム原理主義過激派の影響を受けた犯行と断定することも、筆者は全面的に同意できない。当局の発表も憶測の段階に過ぎないし、こちらが純粋に信じてあげる必要性もない。

天安門での自動車突入、雲南省昆明市の大量殺傷のあと、ウイグルでも爆破事件が発生するようになった。これら事件のインパクトは、狼少年的にいずれ本当の過激派を呼び込むと思われる。

ウルムチ爆発の犯人、海外「テロ」組織から影響受けた=中国外務省 2014年 05月 23日 17:27 JST ロイター

ウルムチ爆発で容疑者5人死亡、共犯の有無捜査=国営メディア 2014年 05月 23日 12:04 JST ロイター

習主席「テロリストを厳正に処罰」、31人死亡のウルムチ爆発で 2014年 05月 23日 10:01 JST ロイター

上海発ウルムチ行き中国機が緊急着陸、爆破予告受け  2014年 05月 23日 01:55 JST ロイター

中国新疆ウルムチの爆発、31人死亡・約90人負傷=報道 2014年 05月 22日 14:43 JST ロイター

中国ウルムチの市場で爆発、当局「暴力的なテロ事件」 2014年 05月 22日 14:08 JST ロイター

2013年7月12日のエントリーでは、新疆ウイグルからグワダル港までの回廊整備が、イスラム原理主義とその過激派の侵入を防げなくなる可能性を指摘した。

以下は、そのエントリーの抜粋である。

中共とパキスタン両政府は、新疆ウイグルからグワダル港までの中パ経済回廊のための合同委員会発足で合意した。同時にグワダル港は開発特区とされる見込みだ。China Overseas Port Holding Company (COPHC)へとグワダル港の運営権が引き渡されて以来の既定路線をさらに進展させた格好となる。

中共とパキスタンともに2千キロの長大な距離を経済回廊として発展させる以外、他に選択肢はなかった。

中共は、ミャンマーのシュエー・ガス田から雲南省への新パイプライン運営に併せて、雲南省からの回廊出口となるミャンマーのチャウピュー港を経済特区とする構想を我が国の外交攻勢によって頓挫させられてしまった。それどころか、パイプラインそのものがミャンマーの対中外交の脅迫材料になる可能性が出てきた。もう他にインド洋への出口はないのだ。

パキスタンは、隣国インドの動向によって規定されてきた建国以来の運命に従わざるをえない。安全保障でインドが我が国との関係を強化する対抗上、中共しか関係強化する相手はいないのだ。財政的にもIMF支援を受けなければならないほど逼迫している。もちろんこれはインドの陸海軍予算増加のさらなる理由付けになる。

となると、さらなる軍備増強のために税収増加となる経済発展は欠かせない。ますます中共との経済関係を促進させなければならなくなる。すると、ここにグワダル回廊を維持できるのか分からない政治的・社会的リスクが発生する。

経済成長に伴う近代化を否応なく進めれば、かつてのイラン革命や現在の“アラブの春”などに見られる反動が、若年層の人口がピークになった段階で起きるだろう。グワダル回廊の政治的リスクはシャ-リアから発する問題に集約される。回廊を整備することで原理主義過激派の移動もまた容易になるからだ。つまり新疆ウイグルへの原理主義者の浸透は防げないということになる。

鏡に映るナショナリズム

基本的に一国一文明のインド、一国一民族一宗教の日本がナショナリズムをわざわざ鼓舞する必然性などない。

もしも他者にその振る舞いがナショナリスティックに見えるのであれば、その他者自身が外敵として認識された結果であるにほかならない。しかも、その他者自身が自らの内的要因によって利用しようとした結果、より強固な紐帯を持つナショナリズムを覚醒させているのだから、滑稽なことこの上ない。

グローバリズムが後退する以上、ナショナリズムが相対的に大きく見えるのは当たり前とも云える。

インドに誕生するモディ新政権もまた、ヒンドゥー・ナショナリズムを唱えている。一方で第2次安倍政権と同様、新自由主義的なアプローチを全面的に捨てたりはしていない。

ともあれグローバリズムによってインド国内の努力以上に経済成長していた時期は終わった。この時点で米国から過激派と目されてきたモディ氏が政権の座に就くのはナショナリズムを強調するまでもなく自然と云える。

インド次期首相候補モディ氏が融和姿勢強調、イスラム教徒へ配慮 2014年 05月 17日 08:38 JST ロイター

[バドダラ(インド)/ニューデリー 16日 ロイター] - インド総選挙で野党・インド人民党(BJP)の勝利が確実となる中、次期首相最有力候補となったナレンドラ・モディ氏は16日、地元グジャラート州バドダラで演説し、全ての国民のために働くと強調した。

BJPのシンボルカラーであるオレンジ色の服を着た数千人の支持者を前にモディ氏は「全ての国民と共に進むことをはっきりさせておきたい。それがわたしの目標だ。あらゆる手段を尽くす」と語った。ヒンズー色が強いとされる同氏に対するイスラム教徒の懸念に配慮したものとみられる。

また「選挙期間は終わった。対立は捨てるときだ」と述べ、他の政党とも協調していく考えを示した。

BJPは単独で政権を担うことができるが、上院では2割程度しか議席がないため、法案を通すためには他党の支持が必要になる。


安倍首相はアジアで最も危険な人物=ヘッジファンド首脳 2014年 05月 17日 08:45 JST ロイター

[ラスベガス 16日 ロイター] - 著名投資家でヘッジファンドのキニコス・アソシエーツを率いるジム・チャノス氏は16日、安倍晋三首相は日本を再武装させようとしているとして、アジアで最も危険な人物だと述べた。

当地で開催された業界会合で、誰がアジアで最も危険な人物かとの質問に答えた。同氏は中国のどの指導者よりも安倍首相はアジアを不安定化させる恐れがあるとの見方を示した。

また米ゴールドマン・サックスの元エコノミスト、ジム・オニール氏は同会合で、インドの総選挙で野党インド人民党(BJP)が勝利し、ナレンドラ・モディ氏が首相に選出される見込みとなったことについて、過去30年でインドで最も重要な出来事になるかもしれないと述べた。

日印戦略的グローバル・パートナーシップの道程

第2次安倍政権となって、天皇皇后両陛下の公式訪印につづいて、安倍首相も訪印した。ただし、2006年来の成果の多くは未だ形となってはいない。去年来の新明和工業のUS-2の輸出合意、2010年来の日印原子力協定締結も進展中となっている。

原子力協定に関しては、第2次安倍政権下の2013年5月中に、日本―UAE間、日本―トルコ間の協定が署名、日本―サウジアラビア間の事務レベル協議が開始されている。

第1次安倍政権のときに「日印戦略的グローバル・パートナーシップ」に向けた共同声明が出されている。第1次政権が道半ばで倒れたため、両国の戦略的パートナーシップの進展が遅れた。もちろん、2008年の麻生政権下で日印安全保障宣言がなされている。

しかし、意外にもバトンを引き継いでいる政権の中に民主党の野田政権がある。彼の政権下にも「日印戦略的グローバル・パートナーシップ」の強化に向けたビジョン、という共同声明が出されている。

野田政権は、武器輸出三原則の緩和、尖閣国有化、改正海保法、JAXA法改正、運用潜水艦保有数の16隻から22隻への増強、自衛隊の動的防衛への方針転換、ロシア安保会議事務局との覚書交換など、安全保障面の功績が多い。民主党のリベラル(鳩山政権)~極左(菅政権)という比較対象に問題があるのだろうけど、これらの功績は素直に評価されるべきだろう。

安倍首相、インド訪問で救難飛行艇の輸出合意目指す 2014年 01月 24日 19:39 JST ロイター

[ニューデリー 24日 ロイター] -安倍晋三首相は今月25─27日のインド訪問で、共通のライバルと認識する中国に対抗するため、政治とビジネス両面での両国の結束を固めるほか、防衛装備品をめぐる輸出合意をまとめたい考えだ。

日本が輸出を目指すのは、新明和工業(7224.T: 株価, ニュース, レポート)が製造する救難飛行艇「US2」。日本の当局者は、武器を搭載せず非軍事目的で利用することが可能なため、同救難飛行艇の輸出目的は武器輸出三原則に抵触しないとしている。

1機あたりの価格は1億1000万ドルと見込まれている。

インド外務省の北アジア部門トップ、GautamBambawalle氏は「われわれは救難飛行艇の購入について、日本と協議してきた」と説明。「防衛装備品の移転は難しいうえ、条件を詰めるのに時間が必要なため、もう少し時間がかかるだろう」と述べた。

安倍政権は武器輸出三原則の見直しを進めており、世界最大の武器輸入国となっているインドへの売り込みを目指す。三菱重工業(7011.T: 株価, ニュース, レポート)や川崎重工業(7012.T: 株価, ニュース, レポート)といった防衛関連企業に恩恵がありそうだ。三菱重工業は、安倍首相のインド訪問に随行する企業代表団に参加する。

このほか、日本企業に対するインド原子力市場の開放につながる原子力協定についても、日本とインドの両国は締結を目指すが、日本側当局者によると、今回の訪印期間内の締結は難しそうだという。


日印の原子力協定、交渉に弾み=インド首相 2014年 01月 27日 10:41 JST ロイター

[ニューデリー 25日 ロイター] -インドのシン首相は25日、安倍普三首相と会談し、両国の原子力協定をめぐる交渉がここ数カ月で加速しているとの認識を示した。

シン首相は会談後「核エネルギーの平和的利用に関する協定に向けた交渉は、過去数カ月で加速している」と発言。安倍首相も「早期妥結に向け」交渉を続けることで合意したと表明した。

原子力協定で合意が成立すれば、日系企業のインド市場参入が可能になる。

日本は新明和工業(7224.T: 株価, ニュース, レポート)が製造する救難飛行艇「US2」の輸出も目指している。1機当たりの価格は推定1億1000万ドル。

シン首相は同飛行艇の活用とインドでの生産について協力方法を探る合同作業部会が開かれたことを明らかにした。

安倍首相は、インドの地下鉄整備向けに約2000億円の円借款を供与する方針も表明。高速鉄道システムについても、さらに協力を進める方針で一致したことを明らかにした。


参考URL:
「日印戦略的グローバル・パートナーシップ」に向けた共同声明 (仮訳) 2006年12月15日 外務省

共同声明 -国交樹立60周年を迎える 日インド戦略的グローバル・パートナーシップの強化に向けたビジョン- (仮訳) 2011年12月28日 外務省

日・インド首脳会談(概要) 平成26年1月25日 外務省

日印同盟の深化『空軍篇』

東シナ海で防空識別圏を設定した中国共産党はいずれ、黄海や南シナ海にも同様の行動に出るだろう。彼らの予算拡張と経験習得のスピードと勝負になってくる。

結果、自衛隊は機構変革のスピードを早め、離島奪還演習なども行い始めた。そして防空識別圏が刺激となって、日印の防衛協力は空軍との連携強化に結び付いた。

自民党が野に下っていた頃の2011年9月24日のエントリーを読み返すと、凄まじい有為転変が起きているものだ、と思う。

小野寺防衛相:航空自衛隊とインド空軍の連携で協議へ 2014/01/07 00:35 JST ブルームバーグ

1月6日(ブルームバーグ):安倍晋三首相の今月のニューデリー訪問を前に、日本とインドは航空自衛隊と印空軍の連携拡大に動いた。中国が東シナ海に防空識別圏を設定したことを受け、日印両国は関係を強化する。

インド政府が6日発表したところによると、小野寺五典防衛相とインドのアントニー国防相は定期的な海上自衛隊と印海軍の演習実施計画を確認した上で、航空自衛隊と印空軍当局者との協議を開始することについて話し合った。

原題:Japan Considers Greater India Air-Force Links Amid ChinaTension(抜粋)

国境未確定の地域を防衛協力する協定

インド陸軍増員は、戦前の帝国陸軍の支那事変勃発までの貧乏ぶりと比べると実に羨ましい。日露戦争ですべての師団を大陸に送ってしまって外債で4個師団増設したり、2個師団を増やそうと予算握っている衆議院相手に議会工作・倒閣した故事を思い出すと泣ける。

と、2013年7月03日のエントリーで述べたが、インドの山岳軍団新設のアナウンスメントは、今回の国境未確定地域の防衛協力協定に影響を及ぼしていることは間違いない。しかし、自家撞着のような協定だ。

各国との紛争地域から一時的にせよ戦線縮小する中共が目指すのは、フィリピンのスカボロー礁と我が国の尖閣諸島となりそうだ。

中印首相、国境地域での衝突回避に向け協定に署名 2013年 10月 23日 18:05 JST ロイター

[北京 23日 ロイター] - 中国とインドは23日、ヒマラヤのカシミール地方を含む国境地帯の緊張緩和を目指す協定に署名した。パトロール活動の事前通告などの措置が盛り込まれている。

中国を訪問中のインドのシン首相と中国の李克強首相が合意内容に署名した。

国境線をめぐる両国間の紛争は1962年に軍事衝突に発展した。今年に入ってからも中国の人民解放軍が何度も越境したとしてインド側が抗議するなど、相互不信が続いている。

李首相は記者団に対し、「この合意は国境地域で平和、平穏、安定を維持することに寄与する」と評価した。

シン首相は今回の合意が「国境地域の平和や安定、予見可能性を確実にする既存の取り決めをさらに強化するものだ」と語った。

合意は、国境地域での衝突を避けるため、問題となっている地域を巡回する際は相互に通告することとしている。また、国境が画定できていない地域で軍が対峙した場合は「最大限の自制」を行うとしている。

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