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“一帯一路”、バルカン半島に到達

中共の国有企業、中国遠洋海運集団公司(COSCO)がギリシアのピレウス港を運営する国営企業を買収する見通しとなった。COSCOは、中央政府の国務院国有資産監督管理委員会が直轄する中央企業112社の中の1社。COSCOは、2015年9月にほかの国有企業とコンソーシアムを組んで、トルコのイスタンブール近郊にあるクンポートのコンテナターミナルを買収している。

豪州のダーウィン港の埠頭は中共の民間企業、嵐橋集団が99年間リース契約を結んでいるが、ピレウス港とイスタンブール近郊のターミナルは共産党直轄の国有企業が投資している違いがある。

中国、ギリシャ最大港を買収 「一帯一路」欧州へ 2016/1/13 1:30 日本経済新聞

コスコ・パシフィック、トルコのコンテナターミナルの権益取得へ 2015/09/17 16:36:47 TRENDERS WEB

イスタンブール近郊のターミナル及びピレウス港の買収は、中国共産党の進める“一帯一路”及び“21世紀の海上シルクロード”の結節点のひとつとして、戦略として行われた。

“一帯一路”は、新疆ウイグル~中央アジア~トルコ~ロシア~ドイツまでを陸路で結ぶ“シルクロード経済ベルト”と、スリランカ~パキスタン~ギリシア~ベルギーを海路で結ぶ“21世紀の海上シルクロード”との二つの構想から成る。

大陸国家の支那としては中国共産党の“一帯一路”のうち、“シルクロード経済ベルト”が主、“21世紀の海上シルクロード”が従となるはずだ。これに対して海洋国家の我が国としては“自由と繁栄の弧”が主、“ユーラシア・クロスロード構想”が従となる。

シーパワーとランドパワーの対立軸が明確化していくと、シーレーンを抑える日米ほかの陣営が中長期的に勝利する。第1次世界大戦下のドイツ、冷戦下のソ連の運命を中国共産党も辿るほかない。

さて、我が国には中央アジアに喰い込むための“ユーラシア・クロスロード構想”がある。ユーラシア・クロスロードの縦線は中央アジア→アフガニスタン→アラビア海、横線は中央アジア→カスピ海→カフカス→東欧である。

ロシアとの信頼関係の構築が難航する場合には、ヴィシェグラード・グループ4ヵ国からGUAM諸国(グルジア、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドバ)に切り込み、米国が失敗したロシア圏からの再分離を図り、カフカスの両側で暴れ回り、カスピ海を渡ってロシアの脇腹である中央アジア諸国に喰い込むことも方策として考えられる。

参考URL:
国務院国有資産監督管理委員会 中央企業一覧(中文)
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スペイン二大政党制の終焉

欧州債務危機によってスペインの政治体制に大きな転換期が訪れている。フランコの独裁体制が約40年の命数だったように、王政復古と民主化以降の政治体制は約40年で寿命を迎えた。

フランコ総統の独裁体制(1939年~1975年)の終焉によって、スペインは立憲君主制に移行して、左右両派の二大政党が政権を担ってきた。しかし、まず2014年には民主化を促したフアン・カルロス1世が退位して、フェリペ6世が即位した。また、今回の総選挙では中道右派の国民党、中道左派の社会労働党いずれも過半数を握れなかった。

2015年スペイン下院総選挙結果(定数:350 過半数:176)
国民党(中道右派) 123 -63
社会労働党(中道左派) 90 -20
ポデモス(左翼、欧州懐疑主義) 42 +42
シウダダノス(中道、スペイン統合主義) 40 +40
アン・クー・プデム(左翼、カタルーニャ州) 12 +9
Podemos-Compromís(左翼、バレンシア州) 9 +8
カタルーニャ共産主義左翼(左翼、カタルーニャ独立主義) 9 +6
民主主義と自由(中道、カタルーニャ独立主義) 8 -2
エン・マレーア(左翼、ガリシア州) 6 +6
バスク民族主義党(民族主義、スペイン統合主義) 6 +1
人民連合(左翼) 2 -9
EH Bildu(左翼、バスク州及びナバラ州) 2 -5
カナリア連合(カナリア諸島) 1 ±0

2015年スペイン上院総選挙結果(定数264、改選議席208)
※残る56議席は自治州議会選出
国民党(中道右派) 124
社会労働党(中道左派) 47
ポデモス(左翼、欧州懐疑派) 16
カタルーニャ共産主義左翼(左翼、カタルーニャ独立主義) 6
民主主義と自由(中道、カタルーニャ独立主義) 6
バスク民族主義党(民族主義、スペイン統合主義) 6
アン・クー・プデム(左翼、カタルーニャ州) 4
エン・マレーア(左翼、ガリシア州) 2
Podemos-Compromís(左翼、バレンシア州) 1
Cambio 1
カナリア連合(カナリア諸島) 1
ゴメーラ社会主義グループ 1

スペイン首相、政権樹立へ連立協議入り表明 総選挙受け 2015年 12月 22日 08:03 JST ロイター

スペイン政局高まる不透明感、連立協議難航濃厚に 2015年 12月 22日 04:48 JST ロイター

スペイン株が下落、総選挙受け見通しに不透明感 2015年 12月 21日 18:09 JST ロイター

スペイン総選挙、与党が第1党維持 左派躍進で連立協議は難航か 2015年 12月 21日 16:51 JST ロイター

[マドリード 21日 ロイター] - スペインで20日行われた総選挙は、第1党を維持した中道右派の与党・国民党(PP)が過半数を大きく割り込む一方、左派政党の合計議席も過半数にわずかに届かず、連立協議は難航が予想されている。

複数の政党に票が割れた今回の選挙は、1970年代から続いたPPと社会労働党による二大政党制の終わりを示した。

PPを率いるラホイ首相は同党史上最悪となる選挙結果となったが、引き続き政権を担う考えを表明。マドリードの党本部で支持者に対し、過去4年間の実績に基づいた安定的な政府が必要と強調する一方、政権樹立に向けた協議は「容易ではない」と述べた。

最新の集計結果によると、定数350議席のうち、PPとその連立相手とみなされることが多いシウダダノスを合わせた獲得議席は163議席となり、絶対多数の176議席を大きく下回る見通し。

一方、第2党を維持した野党・社会労働党、反緊縮を掲げるポデモス、元共産党の統一左翼(IU)などの左派5政党の獲得議席は172議席となり、議会の勢力図は左派に大きく傾いた。中でも新興のポデモスが予想外に票を伸ばし、第3党に浮上した。

ポデモスの躍進により、第4党となったシウダダノスとPPによる連立樹立の可能性は低くなった。

ただ、左派政党による連立も、経済政策やカタルーニャ州に認める自治権の範囲をめぐって各党の意見が異なるため、難しいとされる。

スペインの憲法は、選挙後の政権樹立の期限を定めていない。アナリストは、連立協議が数週間続く可能性があるとし、選挙がやり直される可能性も指摘する。

PPによる少数与党政権も理論上は可能だが、選挙で左派が大きな支持を得たことからその可能性は低い。また、PPと社会労働党による大連立の可能性についても、双方が選挙戦ですでに否定している。

難民流入の最前線はマケドニアに移る

ハンガリーを筆頭として中欧のカソリック教国の国々が、難民流入防止のフェンス設置など対策を進めた結果、その最前線が正教会を信仰する国家群の国境に押し戻されつつある。

正教会とイスラム教の分断線上にあるマケドニアでは、経済難民禁止に伴い、暴動が発生している。

Police, migrants clash on Macedonia border; soldiers build fence Sat Nov 28, 2015 12:13pm EST Reuters

内戦下にあるシリア、イラクとアフガニスタン以外の難民は不法移民として国境通過を阻止されるようになった。イラン、パキスタン、モロッコなどから来た人々は、当然ながら不法移民に当たるのだが、ひとりのモロッコ人が列車の屋根に飛び乗った際に感電して燃えたことをきっかけに警察との衝突が激化し始めた。

冬の訪れとともに難民流入のピークは過ぎたと考えられるが、重要なのは来年以降、シリア内戦からの難民を抱えるトルコが流出の蛇口を閉めるか否かだろう。欧州連合(EU)は、トルコ国内の難民キャンプへの援助額を30億ユーロ(約3900億円)を支払う。

マケドニアでは今年5月にコソボ出身の武装集団が警察と銃撃戦を行ったばかり。マケドニア国内のムスリムが、非正規兵やテロリストとして活動する可能性もあり、難民キャンプに収容し続けることにも政治的リスクを孕んでいる。

マケドニアは国家としても国民としても民族としても若く弱い。チトー支配下のユーゴスラビアで初めて成立しており、国境線はそのときのものである。歴史に乏しく民族性の弱いマケドニアは周辺国の民族統一運動に巻き込まれやすい。

言語の連関性から大ブルガリア主義に狙われ、歴史の連関性から大ギリシア主義に苦情を入れられ、少数民族の動きは大アルバニア主義に傾く。もちろんユーゴ崩壊の復讐を誓うセルビアも控えている。存続しているのは、これらの国々の緩衝地帯としての価値があるからだ。

大アルバニア主義から、隣接するイスラム教国のコソボが介入しようとする。これに他国のムスリムが加勢する機会と状況が図らずも出来つつある。国家の統一性保持、宗教バランスの維持のためにもムスリムの流入は避けたいところだろう。

勝利し続ける急進左派連合

今年1月に続くギリシアの解散総選挙は、議席を減らしながらも、再び急進左派連合(Syriza)が第1党となり、連立を組んでいた独立ギリシャ人(Independent Greeks)とともに、選挙管理内閣のバシリキ・タヌー政権の後を継いで、第2次ツィプラス政権を発足させる見込み。

一方、急進左派連合(Syriza)から分裂した、極左・ポピュリスト政党のPopular Unityは3%の閾値に達せず、議席を獲得できなかった。また、投票率は過去最低の約56.5%となった。

総選挙の勝利(国民の信任)を受けて、第2次ツィプラス政権は独仏にさらなる債務削減を求めていくものと思われる。

Greece election result: the key numbers Sunday 20 September 2015 22.05 BST The Guardian

2015年9月のギリシアの総選挙結果
(定数300、過半数151)
急進左派連合(Syriza) 145
→極左・反グローバリズム:2004年結党
新民主主義党(New Democracy) 75
→中道右派・保守主義:1974年結党
黄金の夜明け(Golden Dawn)  18
→極右・国家主義:1993年結党
全ギリシャ社会主義運動(Pasok) 17
→中道左派・社会民主主義:1974年結党
共産党(KKE) 15
→左翼・共産主義:1918年結党
ポタミ(The River) 11
→中道・社会民主主義:2014年結党
独立ギリシャ人(Independent Greeks) 10
→右派・ポピュリズム:2012年結党
中道連合(Union of Centrists) 9
→中道:1992年結党

2015年1月のギリシアの総選挙結果
(定数300、過半数151)
急進左派連合(Syriza) 149
→極左・反グローバリズム:2004年結党
新民主主義党(New Democracy) 76
→中道右派・保守主義:1974年結党
黄金の夜明け(Golden Dawn)  17
→極右・国家主義:1993年結党
ポタミ(The River) 17
→中道・社会民主主義:2014年結党
共産党(KKE) 15
→左翼・共産主義:1918年結党
独立ギリシャ人(Independent Greeks) 13
→右派・ポピュリズム:2012年結党
全ギリシャ社会主義運動(Pasok) 13
→中道左派・社会民主主義:1974年結党

2012年6月のギリシアの総選挙結果
(定数300、過半数151)
新民主主義党(New Democracy) 129
→中道右派・保守主義:1974年結党
急進左派連合(Syriza) 71
→極左・反グローバリズム:2004年結党
全ギリシャ社会主義運動(Pasok) 33
→中道左派・社会民主主義:1974年結党
独立ギリシャ人(Independent Greeks) 20
→右派・ポピュリズム:2012年結党
共産党(KKE) 12
→左翼・共産主義:1918年結党
黄金の夜明け(Golden Dawn)  18
→極右・国家主義:1993年結党
民主左派(Democratic Left) 17
→左派・汎欧州主義:2010年結党

2012年5月のギリシアの総選挙結果
(定数300、過半数151)
新民主主義党(New Democracy) 108
→中道右派・保守主義:1974年結党
急進左派連合(Syriza) 52
→極左・反グローバリズム:2004年結党
全ギリシャ社会主義運動(Pasok) 41
→中道左派・社会民主主義:1974年結党
独立ギリシャ人(Independent Greeks) 33
→右派・ポピュリズム:2012年結党
共産党(KKE) 26
→左翼・共産主義:1918年結党
黄金の夜明け(Golden Dawn)  21
→極右・国家主義:1993年結党
民主左派(Democratic Left) 19
→左派・汎欧州主義:2010年結党

ロシア外しのパイプラインの鍵を握るトルコ

2015年7月10日、ロシアに対するエネルギー(天然ガス)依存度低下を目的として、中東欧及び南欧15ヶ国はパイプライン敷設の加速化で合意した。

サウス・ストリームの建設計画が断念・中止されてからすぐ、2014年12月9日には、EU主導による「中東欧におけるガス市場統合のためのアクションプラン」が策定された。オーストリア、クロアチア、スロベニア、ブルガリア、ギリシア、イタリア、ルーマニアの7ヶ国が参加した。ただし、この時点でハンガリーはこれに参加しなかった。

同じく2014年12月9日には『南北ガス回廊』共同宣言が行われ、ギリシア、ブルガリア、ルーマニアが参加した。

アクションプランと共同宣言に続いて、敷設の加速化で合意された訳だが、天然ガスは一体どこから調達するのか。基本的にはカスピ海周辺国となる。それ以外ではノルウェー経由かマグレブ諸国のアルジェリア、チュニジア、リビア経由が考えられるが、北欧はLNGのバリューチェーン構築と原発の維持と新規建設を進めており、マグレブは依然混乱が続いているため、選択肢はカスピ海からのルートしかない。

その場合、必ずアゼルバイジャンとグルジアを通過した後、トルコもしくは黒海を通過して欧州のブルガリア、ギリシアをハブとしてパイプラインを繋げると思われる。

これには、ウクライナをパイプラインのトランジット国として迂回することをロシアが拒否して、サウス・ストリームを中止して、ターキッシュ・ストリームに注力して、トルコとギリシアを取り込もうとするロシアに対する反発がある(2015年4月12日のエントリー参照)。

一方でトルコは、TNAP(Trans-Anatolian gas pipeline、トランス・アナトリアン・ガス・パイプライン)にもコミットしている。

現在、ターキッシュ・ストリームとTNAPのふたつのプロジェクトは並行して進められており、トルコとギリシア以外でどの国にハブを設けるのかが不明である。

欧州15カ国、ガスパイプライン建設加速で合意 ロシア依存軽減へ 2015年 07月 13日 06:29 JST ロイター

[サラエボ 10日 ロイター] - 中東欧および南欧の15カ国は10日、各国を結ぶガスパイプライン建設の加速化で合意した。ガス供給の安全確保を改善し、ロシアへのエネルギー依存の軽減を図る。

欧州連合(EU)欧州委員会のシェフチョビッチ副委員長(エネルギー同盟担当)は「現実的かつ実現可能なプロジェクトを通じたインフラ整備は、エネルギー資源を多様化してEU域内で供給不足への対応力を強化する上で極めて重要だ」と指摘した。


参考URL:
ロシア:サウス・ストリーム計画の撤回と ロシアの天然ガスパイプライン網の再編 2014年12月19日 JOGMEC

貧困線以下の17%は、その日暮らしとなった

PIIGS危機以降、特に2011年来のギリシアが行った緊縮財政によって、全労働人口の約25%は失業、失業者の30%は貧困線以下の暮らしに転落して、17%はその日の食事にすらありつけない暮らし向きとなっている。

緊縮財政に反対して得票し、2015年1月から政権を担っている急進左派連合(Syriza)と独立ギリシャ人(Independent Greeks)の両政党の大臣たちは短期的になんら成果を収めていない。

現在、若年層の50%は失業している。僻地においては75%という場合もある。たとえユーロ離脱と積極財政が可能になっても、シェンゲン協定でヒト・モノ・カネの動きを自由にしている限り、コミュニティの人口動態維持も、産業基盤の形成も、資本蓄積も叶わない。

これはスペインやポルトガル、イタリア南部でも同様である。

セウタ、メリリャやレユニオン島など欧州以外の海外領土を除くとして、スペインのアンダルシアは2012年の失業率は34.6%(15~24歳の失業率は62.3%)、ギリシアの西マケドニアは同じく29.9%(15~24歳は72.5%)と、特に大卒以外の若年層は技術継承の道が閉ざされ、中長期的に社会が崩壊するレベルだろう(2013年7月1日のエントリー参照)。

PIIGS危機以降にギリシアのGDPの25%は喪失した。生産と消費と所得の25%が失われたのを裏付けるように、失業率もそれと近似した値が出た。

若年層(15~24歳)の2013年11月の失業率は51.9%となった。若年層の半分が失業していれば、当然、ほかのEU諸国に出稼ぎしようとするだろう。しかも技能を持たない単純労働者として。

運良く移民先で技能を獲得しても、出身国で技能を活かす産業基盤と人脈と融資先がなければ、彼らはギリシアには戻らない(2013年12月12日のエントリー参照)。

ドイツとドイツ語圏を中心としたEU諸国のバリューチェーンが構築できるような中長期的な施策を打ち出していくべきだろう。

The Greeks for whom all the talk means nothing – because they have nothing Sunday 28 June 2015 19.42 BST The Guardian

PIIGS危機発生以降の7年で、ギリシャの全労働人口のうち、26%が失業した。失業者のうち、30%は貧困線以下に落ちている。貧困線以下のうち、17%はその日の食事にも事欠き、(1100万人のうち)310万人は医療保険を持たない。

After seven years of a crisis that has left 26% of Greece’s workforce unemployed, 30% of its people below the poverty line, 17% unable to meet their daily food needs and 3.1 million without health insurance,

年金は支給開始年齢が65歳から67歳に引き上げられたが、更に引き上げられる予定となっている。

Georgios qualifies for his pension at 67. “I’d hoped it might be 65, in four years’ time, but they’ve just recently decided to raise the age limit,”

すでに年金支給金額は45%カットされている。

Pensions have been a major stumbling block in Greece’s aid-for-reforms talks with its creditors, who want further savings from a system whose benefits have already been cut by 45%,

現在、1万7700人が住まいを失い、車内で眠るか、キャンプを張って友人や仲間と暮らすか、公園やホステルを占拠している。

there are now 17,700 people without proper and secure housing in Athens alone. Some sleep rough or in cars, others camp with friends or relatives, or live in squats and hostels.

欧州はリビアの両政府と対話する

欧州連合はマグレブとブラックアフリカから押し寄せる(実態から見て戦争による難民と言い難い)不法移民対策として、コーストガードではなく、海軍による臨検などの作戦を承認した。不法移民を満載した船舶の攻撃・破壊には新しい安保理決議が必要とされる、とAFP電は伝える。

この展開で特筆すべきは2点ある。

まずひとつは分裂しているリビアの政府双方と間に欧州は連絡を持ったことだ。現在のリビアは、トブルクの代議院政府とトリポリの新国民議会政府とに分裂している。EUを始めとして国際的承認を受けているのはトリポリを逐われたトブルク政府であり、トリポリは原理主義者が支配している。EUは事実上、2つの政府を追認する指向性を示した。

もうひとつはソマリア沖の海賊と同様、不法移民を扱う人身売買組織は海軍による討伐対象と認めることで、東南アジアのロヒンギャの不法移民も討伐できる法的根拠が出来る。海洋における法の支配を厳密に解釈する流れが強まれば、中国共産党の考える海上民兵の討伐にも一定の指向性を与えるだろう。

EU、難民危機対策の軍事作戦を承認 リビアは反発 2015年05月19日 11:49 AFP BBNEWS

【5月19日 AFP】(一部更新)欧州連合(EU)加盟各国は18日、リビアから地中海を渡り欧州を目指す難民が後を絶たないことを受け、その責任を負う人身売買業者らの摘発を視野に、来月から開始する前例のない海軍による軍事作戦の計画を承認した。

ベルギー・ブリュッセルで開かれた外相・国防相理事会で承認を受けたこの作戦には、欧州諸国の軍艦や偵察機による情報収集や、人身売買業者の取り締まりを目的とした船舶の強制捜査も含まれる。政情不安で密航業者の温床になっているリビア領海内でEUが人身売買業者の船を破壊できるようになるには国連(UN)の決議も必要だ。

地中海では過去1年半の間に、粗末なゴムボートや漁船で危険な航行に踏み切った5000人以上が死亡している。

リビアには現在、トブルクと首都トリポリにそれぞれ拠点を置く2つの政府が存在する。国際社会の支持を受けているのはトブルク側で、同政府は対立するトリポリ政府に加え、脅威を増しているイスラム過激派組織「イスラム国」とも戦っている。トブルク政府は今回EUが掲げたこの軍事行動計画に異議を唱え、EUはまずトブルク政府と協議するべきだと主張している。

トブルク政府の報道官はAFPの電話取材に対し、「リビア領海の内外を問わず、船舶に対する軍事行動は人道的とは考えられない」という見方を示した。

しかしEUのフェデリカ・モゲリーニ外交安全保障上級代表は、イタリア・ローマに作戦本部を置き、イタリア海軍の少将が指揮を執るこの軍事行動の作戦計画の作成は、直ちに開始されるとしている。

モゲリーニ氏が記者会見で明らかにしたところによると、作戦はまず情報収集、次いで密航船の立ち入り検査を行い、最終的に船を破壊するという3段階で展開していくという。

さらにモゲリーニ氏は、欧州首脳会談を経て来月にも作戦が正式に開始されるとの見通しを示し、船舶への攻撃も含めてEUが「作戦の全段階を実施」できるよう、国連安全保障理事会の承認を得ることを期待していると述べた。

また同氏は、EUはリビアの両政府と連絡を取っており、「この問題では連携していきたい。EUが責任を果たせる部分もあるが、リビアが果たすべき責任もある」と指摘した。

正教会とイスラム教の分断線上のマケドニア

2015年3月11日のエントリーでは、

欧州では正教会とカソリックの分断線、ブラックアフリカではイスラム教とキリスト教の分断線、アラブ・中東ではスンニ派とシーア派の分断線、東アジアでは法治と人治の分断線にそれぞれ戦いが起きることになる。

と、書いたものの欧州にも正教会とイスラム教の分断線があった。ボスニア・ヘルツェゴヴィナとアルバニアとコソボはムスリムが多数派を占める国家である。これらの国々は英ソのパーセント協定(ユーゴスラビアの利権配分は英ソともに50%ずつ)の影響を受け、かつチトー率いるパルチザンが独力で勝利した旧ユーゴスラビア圏に属していた。

5月9日、マケドニアの都市クマノボでコソボ出身の武装集団が警察と銃撃戦を行った。マケドニア国内にアルバニア系国家を創設するのが目的だった、と指摘されている。

マケドニアは国家としても国民としても民族としても若く弱い。チトー支配下のユーゴスラビアで初めて成立しており、国境線はそのときのものである。歴史に乏しく民族性の弱いマケドニアは周辺国の民族統一運動に巻き込まれやすい。

言語の連関性から大ブルガリア主義に狙われ、歴史の連関性から大ギリシア主義に苦情を入れられ、少数民族の動きは大アルバニア主義に傾く。もちろんユーゴ崩壊の復讐を誓うセルビアも控えている。存続しているのは、これらの国々の緩衝地帯としての価値があるからだ。

ただし、正教会とイスラムの分断線上に存在することでムスリムの非正規兵やテロリストが混乱しているアフガニスタンやイラク、シリアなどからリクルートされて、マケドニアの混迷は深まる可能性がある。

マケドニアで警察と武装集団が銃撃戦、少なくとも22人死亡 2015年05月11日 09:06 AFP BBNEWS

【5月11日 AFP】マケドニアの首都スコピエの北約40キロのクマノボで9日早朝、警察と武装集団の間で銃撃戦が起き、少なくとも22人が死亡した。

警察の報道官が10日に明らかにしたところによると、9日明け方の銃撃戦で、警察官8人が死亡し、37人が負傷した。死亡した警察官以外に14人の遺体が現場で見つかり、死者の数は増える恐れがあるとしている。クマノボでの警察の作戦はほぼ終了し、「脅威をもたらしていたテロ集団は完全に排除された」という。

同報道官によると、武装集団は「とりわけ危険なテロ集団」で、国際指名手配犯も含まれている。構成員は30人以上でほとんどがマケドニア国籍だが、5人がおそらく隣国コソボ出身のアルバニア人、1人がアルバニア人とみられている。

内務省によると9日に投降した武装集団の約20人はスコピエの裁判所に送られる。

事件の約3週間前には、コソボ出身のアルバニア人約40人が、マケドニア国内にアルバニア人の国家を創設することを要求し、マケドニア北部国境にある警察署を短期間占拠する事件が起きていた。

マケドニアでは約210万人の人口のおよそ4分の1をアルバニア系住民が占めており、2001年にはアルバニア系武装勢力が暴動を起こしたことがある。マケドニアで過去に起きた暴動や旧ユーゴスラビアの解体過程で起きた紛争を念頭に、欧州連合(EU)は民族問題に起因する暴力の再燃を避けようと神経をとがらせている。

北大西洋条約機構(NATO)のイエンス・ストルテンベルグ事務総長も「マケドニアと地域全体のため、全ての関係者に自制を求め、事態を悪化させないよう求める」とする声明を発表した。


マケドニアの対テロ作戦で民族紛争が再燃? 2015年5月11日(月)15時20分 ニューズウィーク日本版

 マケドニア旧ユーゴスラビア共和国で、「武装組織」を摘発する作戦中に警官5人が死亡、30人以上が負傷した、とロイターが報じた。

 マケドニア警察の特殊部隊は首都スコピエの北にある町クマノボで先週末、国家機関への攻撃を計画していた外国の「テロ組織」と銃撃戦になったという。

 かつて独立を求めて政府軍と衝突した少数派のアルバニア系ゲリラ「民族解放軍(NLA)」がこの「攻撃」に対する犯行声明を出したが、マケドニア内相は銃撃戦は外国のテロ組織に対する周到な「作戦」の結果だったと説明するなど、主張は食い違った。

 内務省の報道官によれば、テロリストは隣国から違法にマケドニアに入国し、マケドニア国内の支持者に匿われながらテロ攻撃を準備していた。またこの組織の活動拠点は、クマノボでもアルバニア系住民が圧倒的に多い地区にあったという。特殊部隊の突然の乱入に、住民は驚きを隠せずにいる。警察の動機に対する疑問もある。

 ある市民はツイッターでこうつぶやいた。「マケドニア系住民もアルバニア系住民も同様に驚き、お互いに助け合って避難した」

 銃撃戦の前日には、数千人の国民が首都スコピエでデモを行っていた。デモ隊は政府幹部の腐敗や権力乱用、政府内におけるマケドニア系とアルバニア 系の民族対立を批判し、ニコラ・グルエフスキ首相と連立政権の退陣を求めた。

 またグルエフスキ連立政権には最近、4年前の政権発足時に22歳の男性が警察の暴力で死亡したことを政府が隠そうとしていた疑惑が浮上、抗議の火に油を注いだ。

 デモは5月5日から毎日続いていた。デモを支援する野党は、5月17日に大規模なデモを予定している。

 他の大半のバルカン諸国と同様、マケドニアの歴史は民族紛争の歴史だ。とくにクマノボは、2001年のNLAと政府軍との戦闘の中心地。民族対立の過去が反政府活動弾圧の口実にならければいいが。

さまよえる難民船が難破するときに

英仏伊のリビア内戦介入の目的の根幹には自国民の生命と財産を守ることがあったはずだ。例えば難民の流入を防ぎ、イスラム原理主義によるテロを防ぎ、難民予備軍とテロリストを出先に閉じ込める意図があった。

しかし、その試みはリビア内戦介入でカダフィ政権を倒した以外は、何一つ達成できていない。

カダフィ政権が自らの崩壊によって手放した多くの武器と人員はリビア領のフェザーンを越えて、マリ北部、コンゴのルワンダ隣接地、中央アフリカの紛争地へと拡散してフランス軍の介入も武器と人員の拡散に引きづられるように拡散した。

それ以外にもナイジェリアのボコ・ハラムやソマリアのアルシャバブなどの過激派組織も健在であり、イラク~シリアのISISと連携を図りつつある。

混乱が続くマグレブ諸国やシリア、エリトリア、ソマリア、果てはブラックアフリカから難民が押し寄せている。リビアはそうした難民の有力な中継地点となりつつある。2014年の集計では難民の80%がリビアを経由したと考えられる。

難民を斡旋するブローカーは、中古の貨客船やボートに定員オーバーの難民を押し込め、船員なしで地中海に放り出す。難民の素性は、政治難民か経済難民か、はたまたテロリストが仕込まれているのか判断も付かないまま、欧州の沿岸警備隊は救助しなくてはならなくなる。年初来の死者は1500人以上になっている。

だからといって安易な救助をすれば、危険な航海をする価値に見合う航海と判断されて、難民が増加しても困るではないか。

ドイツは、2014年からシェンゲン圏に加盟したブルガリアとルーマニアからの生活保護受給目当ての「貧困難民」を巡って政治的対立が起きている。リビアからイタリアに上陸した難民はフランスほかの国に流入して、その国の財政負担になる。

初期対策に予算と人員を当てて救助と保護はできる。その後の衣食住と学や職の提供もしなければならない。しかも難民の流動性は高く、シェンゲン圏を移動することは間違いない。各国に難民は社会不安と党派対立が生じさせる引き金になるだろう。

ボート移民約400人が死亡、リビア出発後に地中海で転覆 2015年 04月 15日 11:38 JST ロイター

[ローマ 14日 ロイター] - 北アフリカのリビアからイタリアを目指す移民を乗せたボートが地中海で転覆し、生存者の証言によると400人前後が死亡したとみられる。

非政府組織(NGO)セーブ・ザ・チルドレンが14日に明らかにしたところによると、ボートには当初約550人が乗っており、リビアを出発してから約24時間後に転覆。約150人が救助され、イタリア南部に搬送された。生存者のほとんどがサハラ以南の国出身だが、詳しいことは分かっておらず、事故がいつ起きたかもはっきりしないという。

国際移住機関(IOM)によると、今年に入って今回の事故が起きるまでに、アフリカからボートで地中海を渡ろうとした移民500人以上が航行中の事故で死亡。2014年の同時期に比べて47%増えた。

アフリカから地中海を渡って欧州連合(EU)諸国を目指す移民は、春になって気候が良くなると増える傾向にある。2月には、悪天候による事故で300人以上の移民が溺死した。


シリア難民:危険な船での避難と不確かな将来 2015年1月 6日 UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)

イタリア、コリアーノ・カーラブロ

今月初め、エザディーン号がイタリアのコリアーノ・カーラブロ港に着いた時、21歳のバシャールは「これでようやく苦しみから解放される」と思った。バシャールと13歳の妹マヤは、この船に2週間もの間、350人以上のシリア難民と一緒に身を潜めていた。

食糧と水は航海初日に底をつき、悪天候によって彼らの恐怖は増大した。しかし本当の恐怖が襲ったのは、エザディーン号の乗組員が船を離れたと分かったときだった。「乗組員の姿を一度も見ませんでした。海に置き去りにされるなんて想像もしていませんでした」とバシャールは語った。イタリアの沿岸警備隊は遭難信号を受け取らず、船は自動操縦のまま地中海を航行していた。

このシエラレオネ船籍のエザディーン号はアイスランドの沿岸警備隊に発見されてイタリアの港へ曳航されたが、一週間ほど前にも800人以上を乗せた船ブルースカイM号が地中海を漂っているのが発見されたばかりだ。

バシャールと妹のマヤが地元当局に保護されたとき、保護者のいない未成年のマヤと引き離されることを恐れて、バシャールもまた17才の未成年だと言った。地元当局は、マヤのような保護者のいない未成年者を含む、最も弱い立場にいる人々を確実に保護するべく努力を続けている。出入国管理担当官は、「私たちの街にシリア難民が到着したのは初めてです。私たちはできる限りの支援をしています」と語る。エザディーン号には70人以上の未成年者が乗船しており、そのうち少なくとも8人が保護者のいない子どもだった。「私たちは彼らを保護する責任があり、この事態を深刻に受け止めています」

実年齢を申し出たバシャールは、手続きの完了とともに妹とセンターを離れ、ミラノを目指すと言う。 「家族が目指していたベルギーかデンマークへ行けば皆と再会できるかもしれません。再び家族と一緒に暮らすことが一番の望みです。私たちは船で海を渡る以外に選択肢がありませんでした。でも、もし航海の危険を事前に知っていたら、決してこの道を選ばなかったでしょう」と彼は強調した。

UNHCR報道官は、エザディーン号やブルースカイM号の事例は、命を危険にさらしても必死で欧州へ船で渡ろうとする人々の増加を受け、密航業者がこれまで以上に利益を得る目的で新たな施策を取り始めた可能性があると警鐘を鳴らす。また、「欧州での庇護を切実に望んでいる人々が密航業者の犠牲になっている状況を深く憂慮している。」と語った。UNHCRは、欧州の各国政府に海上での積極的な救助を訴えると同時に、危険な航海をしなくて良いよう難民を受け入れる法整備を要請している。

シリア危機は4年目を迎え、未だ多くの人々が危険な渡航を試み続けている。昨年、欧州へ渡るため地中海横断を試みて命を落とした人は3500人を超えた。そのうち20万人以上がイタリア海軍による救助作戦によって救出された。しかし昨年11月に同作戦は終了し、今後更に犠牲者の数が増えるのではないかと懸念されている。

詳しくはSyrians face uncertain course after high seas ordeal in a drifting freighter News Stories, 6 January 2015(英語)

ターキッシュ・ストリームが欧州に延びる

2014年12月5日のエントリーで取り上げたように、、黒海からブルガリアに上陸してセルビア~ハンガリー~スロベニア~イタリアを通り、支線がクロアチア、オーストリアに達する予定だった、天然ガスパイプライン「サウス・ストリーム」の建設計画が断念・中止された。

他方、ガスプロムとトルコの国営ガス会社ボタスは、ロシアから黒海を経由してトルコに至るパイプライン敷設の覚書を交わした。この天然ガスパイプライン「ターキッシュ・ストリーム」をギリシアまで延長して、同国を欧州向けエネルギー・ハブにする計画が持ち上がっている。

ロシアのプーチン大統領とギリシアのツィプラス首相がモスクワで会談し、パイプライン延長が最終合意された。テッサロニキ港へのロシアの投資も取り沙汰される。

カソリックと正教会の分断線上の戦いとしてこの動きを考えると、バルト三国~ポーランド~ウクライナ~ギリシアの線で起きる争いのひとつになりそうだ。

ロシアパイプラインのギリシャ延長、近く最終合意=閣僚 2015年 04月 11日 01:41 JST ロイター

[アテネ 10日 ロイター] - ギリシャのラファザニス・エネルギー相は10日、ロシアからトルコにロシア産天然ガスを運ぶガスパイプラインをギリシャまで延長する計画について、ギリシャは参加することで近く最終合意するとの見通しを示した。

ギリシャのチプラス首相は今週のロシア訪問でプーチン大統領と会談し、両国間の提携強化で合意。提携案件の1つとして、ロシア産天然ガスを黒海経由でトルコに供給するパイプライン、「ターキッシュ・ストリーム」をギリシャまで延長する計画について協議した。

プーチン大統領はギリシャが同計画に参加するか具体的には合意していないとしているが、ラファザニス・エネルギー相はこの日、ギリシャのラジオ番組に対し、「(パイプラインをめぐり)近く最終合意に達する公算が大きい」と述べた。

同相は建設費は20億ユーロ(21億ドル)になると試算。建設と運営には100%民間資本が投入され、約2万人の雇用が創出されるとしている。

同相はまた、「ターキッシュ・ストリーム」延長後にギリシャがロシア産ガスを欧州に売却することで得られると想定される収入に見合う額をロシアが近くギリシャに提供することを検討していること確認。こうしたことはギリシャの財政上のひっ迫の緩和につながるとの考えを示した。

ロシアが提供する資金について、ギリシャはパイプラインが稼動開始する2019年以降に返済するとしている。


ロシア、ギリシャにガス事業で前金支払い検討 2015年 04月 9日 06:46 JST ロイター

[モスクワ 8日 ロイター] - ギリシャ当局者は8日、ロシアからトルコにロシア産天然ガスを運ぶガスパイプラインがギリシャまで延長された場合、延長後にギリシャがロシア産ガスを欧州に売却することで得られると想定される収入に見合う額を、ロシアが近くギリシャに提供することを検討していることを明らかにした。

ロシアを訪問中のギリシャのチプラス首相はこの日、モスクワでプーチン大統領と会談し、ロシアに金融支援は要請しなかったものの、プーチン氏から提携強化の確約を取り付けた。

両首脳が協議した提携案件の1つが、ロシア産天然ガスを黒海経由でトルコに供給するパイプライン、「ターキッシュ・ストリーム」をギリシャまで延長する計画。

プーチン大統領はギリシャが同パイプラインプロジェクトに参加するか具体的には合意していないとしているが、ギリシャ当局者は、ギリシャが参加すれば、年間約5億ユーロ(5億4000万ドル)の収入が見込めると試算。また、ターキッシュ・ストリームの延長部分の2019年の稼動開始を望むとした。

別の当局者は、ロシアが提供を検討している資金について、パイプラインの延長部分の稼動開始後に返済するとしている。ただ、具体的な金額は示さなかった。

同当局者は、パイプラインプロジェクトには民間資金が投入されるため、欧州連合(EU)規則には抵触しないとしている。


ギリシャ、ロシアに支援要請せず 提携強化は確約 2015年 04月 9日 02:40 JST ロイター

ギリシャ深海油田探索入札、ロシア有力企業参加へ=エネルギー相 2015年 03月 31日 23:57 JST ロイター

[アテネ 31日 ロイター] - ギリシャのラファザニス・エネルギー相は31日、ギリシャの深海油田探索事業の入札に複数のロシアの有力企業が応札する見通しであることを明らかにした。

ラファザニス・エネルギー相は訪問先のモスクワで30日、ロシアのノバク・エネルギー相のほか、ロシアの政府系天然ガス大手ガスプロム(GAZP.MM: 株価, 企業情報, レポート)のアレクセイ・ミレル最高経営責任者(CEO)と会談。

帰国後の記者会見で、ギリシャの深海油田探索プロジェクト入札に「複数の有力ロシア企業が参加する」と述べた。

ギリシャは応札期限を2カ月延期し、イオニア海と南クレタ島沖合いの深海油田プロジェクトの参加企業を募っている。

ギリシャのチプラス首相は近くロシアを訪問する予定。


ロシア、2014年は0.6%成長 速報値と変わらず 2015年 04月 2日 10:18 JST ロイター

ロシア経済、15年・16年ともにマイナス成長へ=世銀 2015年 04月 1日 19:59 JST ロイター

ウクライナとロシアのガス協議、EUが今月中旬の再開目指す 2015年 04月 1日 18:56 JST ロイター

ロシア=サウス・ストリーム撤回で混沌とするパイプライン網再編 2015/01/07 10:39 リムエネルギーニュース

ギリシアの思惑はウクライナ危機に連動するか

フランス革命と大ナポレオンの巻き起こした戦争の惨禍を怖れて、メッテルニヒとタレーランという2人の外交家が創りあげたのが、ウィーン体制である。その体制崩壊の最初の楔となったのが、ギリシア独立であった。

カイザーとヒトラーの巻き起こした大戦の惨禍を怖れて、ドイツとフランスの2大国が、ベネルクス3カ国の承認を得て創りあげたのが、ヨーロッパ共同体、現在のヨーロッパ連合である。その連合崩壊の最初の楔となったのが、ギリシアのユーロ離脱であった。

と、後世の歴史家に云わせないために、ドイツとフランスが足抜けの真っ最中というのが現状だろう。ECBが緊急流動性支援を行っているが、国内銀行から預金引き出しされてそのままキャピタルフライトを繰り返すことになる。

独仏との駆け引きのためにツィプラス政権はロシアなどを引き込んでいる。冷戦期ならば反共の砦として最前線だったギリシアは米国の支援を期待できた。しかし、NATOとEUの東方拡大によってその戦略的価値は大きく失われている。ギリシアに対するロシアの甘言は、ウクライナ危機に連動した後方撹乱の要素が強いものと考えられる。

「だまされた」と露大統領 NATOの東方拡大に 2014.11.27 18:55 産経ニュース

UPDATE 2-ECB、683億ユーロのギリシャ銀向け緊急流動性支援を承認=関係筋 2015年 02月 19日 06:01 JST ロイター

ギリシャ銀からの預金引き出しが拡大、ピーク時は下回る=関係者 2015年 02月 18日 04:58 JST ロイター

ウクライナ危機の対ロ制裁は偽善的=ギリシャ首相 2015年 02月 18日 21:50 JST ロイター

[ベルリン 18日 ロイター] - ギリシャのチプラス首相は、独シュテルン誌とのインタビューで、ロシアとの経済戦争は誰の利益にもならないとし、ウクライナ危機をめぐる対ロ制裁は「偽善的」と非難した。

首相は18日に公表されたインタビューで、「ロシアを罰したいなら、ロシアの富豪が投資している全ての国を罰する必要がある。欧州連合(EU)の見解はまとまったほうがよいが、ロシア人観光客の減少や農業部門での損害などでギリシャも制裁で苦しんでいる」と述べた。


ロシア外相「ギリシャ支援検討」、要請あれば 2015年 02月 12日 02:50 JST ロイター

[モスクワ 11日 ロイター] - ロシアのラブロフ外相は11日、ギリシャのコジアス外相と会談し、ギリシャ政府から支援の要請があれば検討する考えを示した。会談後の共同会見で述べた。

ギリシャ政府高官は前日、ロシアから支援の申し出があったと発言している。

ラブロフ氏はまた、欧州連合(EU)の対ロ制裁をめぐり、ギリシャ政府は制裁がいかに非生産的あるかを理解しているとして、同国の姿勢を評価した。

ギリシャはウクライナ問題をめぐる対ロ制裁措置に消極的で、他の欧州連合(EU)諸国から反発を招いていた経緯がある。

一方、コジアス外相は、EU諸国に対し、対ロ関係をウクライナ問題を通じてとらえるべきではないと伝えたと述べ、問題解決にあたりロシアは果たす役割があるとの考えを示した。

ギリシア第三共和政の政治的転換点

ギリシアの総選挙は急進左派連合(Syriza)が第1党となり、第6党の独立ギリシャ人(Independent Greeks)と連立政権を担うこととなった。1974年の軍政崩壊以後、選挙管理内閣以外では常に首相を輩出してきた新民主主義党(New Democracy)と全ギリシャ社会主義運動(Pasok)の2大政党がついに政権を逐われた。

王政と軍政を廃し、1974年以来続けてきた第三共和政が政治的転換点を迎えたことは間違いない。残るは2大政党の下、作られた経済的構造の転換をどう行うかに懸かってくる。

UPDATE 1-ギリシャ急進左派連合、反緊縮の右派保守政党と連立で合意  2015年 01月 26日 22:03 JST ロイター

[アテネ 26日 ロイター] - ギリシャ総選挙で第1党に躍進した反緊縮派の急進左派連合(SYRIZA)は、同じく反緊縮を掲げる右派の保守政党「独立ギリシャ人」と連立を組むことで合意した。

急進左派連合は議会の定数300のうち149議席を獲得、単独過半数には2議席足りなかった。独立ギリシャ人党は13議席を獲得した。

急進左派のチプラス党首との会談後、独立ギリシャ人のカメノス党首は、「この瞬間からこの国に政府が誕生した。独立ギリシャ人はチプラス首相を信任する。基本合意に達した」と述べた。

左派と右派の連立は異例で、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)による財政緊縮策を条件とした金融支援策への反対の下で結束した格好となった。

ただ、両党は不法移民などの多くの社会問題で主張が異なっており、連立政権内で緊張が高まる可能性もある。

一方、ギリシャ国債を保有する債権者らはチプラス氏が要求している債務減免を拒否する立場を示しており、ギリシャに緊縮策を堅持するよう求めている。連立政権はこういった債権者らに対して強硬姿勢をとる可能性がある。

チプラス氏は新政権樹立に向けたパプリアス大統領の指示を受けるために26日1330GMT(日本時間午後10時30分)に大統領と会談し、その後、1400GMTに首相に就任するとみられる。内閣は27日に発表される見通し。

チプラス党首は宣誓就任後、中道左派の新党ポタミや共産党の党首とも協議し、次期政権への支持を要請する意向だ。


2015年1月のギリシアの総選挙結果
(定数300、過半数151)
急進左派連合(Syriza) 149
→極左・反グローバリズム:2004年結党
新民主主義党(New Democracy) 76
→中道右派・保守主義:1974年結党
黄金の夜明け(Golden Dawn)  17
→極右・国家主義:1993年結党
ポタミ(The River) 17
→中道・社会民主主義:2014年結党
共産党(KKE) 15
→左翼・共産主義:1918年結党
独立ギリシャ人(Independent Greeks) 13
→右派・ポピュリズム:2012年結党
全ギリシャ社会主義運動(Pasok) 13
→中道左派・社会民主主義:1974年結党

2012年6月のギリシアの総選挙結果
(定数300、過半数151)
新民主主義党(New Democracy) 129
→中道右派・保守主義:1974年結党
急進左派連合(Syriza) 71
→極左・反グローバリズム:2004年結党
全ギリシャ社会主義運動(Pasok) 33
→中道左派・社会民主主義:1974年結党
独立ギリシャ人(Independent Greeks) 20
→右派・ポピュリズム:2012年結党
共産党(KKE) 12
→左翼・共産主義:1918年結党
黄金の夜明け(Golden Dawn)  18
→極右・国家主義:1993年結党
民主左派(Democratic Left) 17
→左派・汎欧州主義:2010年結党

2012年5月のギリシアの総選挙結果
(定数300、過半数151)
新民主主義党(New Democracy) 108
→中道右派・保守主義:1974年結党
急進左派連合(Syriza) 52
→極左・反グローバリズム:2004年結党
全ギリシャ社会主義運動(Pasok) 41
→中道左派・社会民主主義:1974年結党
独立ギリシャ人(Independent Greeks) 33
→右派・ポピュリズム:2012年結党
共産党(KKE) 26
→左翼・共産主義:1918年結党
黄金の夜明け(Golden Dawn)  21
→極右・国家主義:1993年結党
民主左派(Democratic Left) 19
→左派・汎欧州主義:2010年結党

緊縮財政反対は正しいが、それはデフォルトへの道

ギリシアの急進左派連合(Syriza)は2012年6月の総選挙で52議席から71議席にまで勢力を伸ばし、中道左派の全ギリシャ社会主義運動(Pasok)の支持層を奪ってきた。

おそらく今回2015年1月25日の解散総選挙では、急進左派連合(Syriza)の過半数は難しいが、第1党に躍進して、 党首のAlexis Tsiprasが首相に就く、と予想される。すると主張通り、政権は緊縮財政に反対して、何度か目のデフォルト危機に陥る。 ソブリン債3年物の利回りが12%となっているので、すでに詰んでいるようにも思われる。

下記に2012年の2回行われた総選挙結果を再掲する。

ギリシャの解散総選挙、信用リスク高める要因=フィッチ 2014年 12月 30日 20:22 JST ロイター

ギリシャ政治混迷、議会で大統領選出できず来月25日に総選挙へ 2014年 12月 30日 08:12 JST ロイター

IMF、ギリシャとの支援協議再開は解散総選挙後の見通し 2014年 12月 30日 01:20 JST ロイター

ギリシャ大統領選、最終投票でも選出できず 総選挙実施へ 2014年 12月 29日 19:45 JST ロイター

コラム:ギリシャ危機再燃でリスクオフの円高警戒 2014年 12月 26日 17:30 JST ロイター

2012年5月のギリシアの総選挙結果
(定数300、過半数151)
新民主主義党(New Democracy) 108
→中道右派・保守主義:1974年結党
急進左派連合(Syriza) 52
→極左・反グローバリズム:2004年結党
全ギリシャ社会主義運動(Pasok) 41
→中道左派・社会民主主義:1974年結党
独立ギリシャ人(Independent Greeks) 33
→右派・ポピュリズム:2012年結党
共産党(KKE) 26
→左翼・共産主義:1918年結党
黄金の夜明け(Golden Dawn)  21
→極右・国家主義:1993年結党
民主左派(Democratic Left) 19
→左派・汎欧州主義:2010年結党

2012年6月のギリシアの総選挙結果
(定数300、過半数151)
新民主主義党(New Democracy) 129
→中道右派・保守主義:1974年結党
急進左派連合(Syriza) 71
→極左・反グローバリズム:2004年結党
全ギリシャ社会主義運動(Pasok) 33
→中道左派・社会民主主義:1974年結党
独立ギリシャ人(Independent Greeks) 20
→右派・ポピュリズム:2012年結党
共産党(KKE) 12
→左翼・共産主義:1918年結党
黄金の夜明け(Golden Dawn)  18
→極右・国家主義:1993年結党
民主左派(Democratic Left) 17
→左派・汎欧州主義:2010年結党

ブラジルに獲られるか、支那に獲られるか

ポルトガル・テレコム(PT)は、ブラジルの通信大手オイとの合併に際して、PTの実質的株主であるエスピリト・サント家(経営不安に陥った銀行、バンコ・エスピリト・サントを所有する)の持株会社リオフォルテの10億ドル超のコマーシャル・ペーパー(CP)を購入していた事実が発覚、CPは不良債権となった。

このため、ブラジルの通信大手オイは、PTの債務削減のために国内外の資産売却の方針を打ち出していた。

その後、フランス・ルクセンブルクの通信グループのアルティスはアフリカ以外のポルトガル国内のPT資産買収を提案。またアンゴラのサントス大統領の長女、富豪のイザベル・ドス・サントス女史がPTに対し1株当たり1.35ユーロでの買収を提案した。

ポルトガル・テレコム株価急騰、アンゴラ富豪による買収提案受け 2014年 11月 10日 23:06 JST ロイター

仏通信アルティス、ポルトガル・テレコムの買収案提示  2014年 11月 4日 10:29 JST ロイター

アルティス、ポルトガル・テレコム買収に70億ユーロ強提示 2014 年 11 月 3 日 21:18 JST WSJ日本版

ポルトガル・テレコムの合併計画に暗雲、BES関連会社への投資で 2014年 07月 15日 10:14 JST ロイター

こうした事例は、ポルトガルがブラジルもしくはアンゴラ、モザンビークなどの旧植民地に呑み込まれていく逆転現象のひとつ、といえるかもしれない。こうした背景について過去のエントリーの一部を再掲していこう。

まず、2011年4月2日のエントリー2013年5月29日のエントリーでは、同じ境遇をたどる英国とポルトガルの違いについて説明した。

少なくとも没落していく帝国の方策としても、貿易の人脈を活用しながら仲介加工貿易をするとか、植民地の利権を発展させながら多国籍企業をつくるとか、銀行や保険の情報を駆使しながら島嶼植民地におけるオフショア金融を発達させるとか、イギリスやオランダの採った道をたどれなかった。

それどころか、1975年のカーネーション革命によって、マカオを除く全植民地を一遍に喪失した。アフリカに植民していたポルトガル系(レトルナードス)が帰国して、労働需給が壊れ失業率が上昇した上に、石油など天然資源の豊富なポルトガル領西アフリカ(アンゴラ)・ポルトガル領東アフリカ(モザンビーク)といった領域植民地と、中継貿易拠点かもしくはオフショア金融の拠点になりうるポルトガル領ギニア・マカオ・ゴア・東ティモールなどを自国のために活用できなかった。

たとえばマカオの発券銀行である大西洋銀行の規模と名声は、香港のそれである香港上海銀行(HSBC)とは比べるべくもない。また2008年~2013年までの6年をかけてポルトガル語の正書法をブラジルに合わせるという逆転現象が起きている。イギリスのアメリカナイゼーションの比ではない。ポルトガルのブラジル化、もしくは支那化が進んでいる、というべきか。

次いで、2014年8月31日のエントリーでは、中共の進出例としてアンゴラの「ベンゲラ鉄道」工事を取り上げた。

中国共産党は、中国鉄建(CRCC、国務院国有資産監督管理委員会直轄)を通じて、ポルトガルの旧植民地・アンゴラの「ベンゲラ鉄道」の補修工事を完了、鉄道は年内に運行を開始予定。

これにコンゴ民主共和国(DRC、旧ザイール)の鉄道とタンザニア~ザンビアを結ぶ「タンザン鉄道」と接続し、大西洋からインド洋を横断するアフリカ大陸横断鉄道を2018年までに実現させる方針だ。

これでアフリカ内陸部にあるコンゴ民主共和国、ザンビアの鉱物資源の出荷の大半が大西洋側はロビト港、インド洋側はバガモヨ港からとなり、ケニアのモンバサ港、南アフリカのダーバン港と競合する。

極左と極右しか選択肢が残らない

スペインではカタロニアの非公式な独立の賛否を問う投票が行われている、その一方で極左政党が台頭し始めている。

スペインのカタルーニャで独立問う非公式投票、200万人超参加か 2014年 11月 10日 09:45 JST ロイター

カタルーニャ州で9日に非公式投票、対政府圧力高まるか 2014年 11月 8日 05:40 JST ロイター

スペイン、極左政党が支持率トップに―EUの安定に暗雲 2014 年 11 月 6 日 14:57 JST WSJ日本版

支持率トップへと躍進してきた極左政党ポデモスは、ギリシアの急進左派連合(Syriza、2004年結党)を模範として今年設立されたばかり。

社会学調査センター(CIS)というスペイン政府系調査機関の調べで各政党の支持率は、ポデモスが18%、中道左派の社会労働党(PSOE)が14%、中道右派の国民党(PP、現在の政権与党)が12%となっている。 ポデモスは欧州議会ではすでに5議席を獲得し、急進左派連合(Syriza)と同一会派を結成している。

ギリシアの急進左派連合(Syriza)は2012年6月の総選挙で52議席から71議席にまで勢力を伸ばし、中道左派の全ギリシャ社会主義運動(Pasok)の支持層を奪ってきた。ポデモスも政権与党の国民党(PP)ではなく、中道左派の社会労働党(PSOE)から支持層を奪えるかが、今後の課題となる。

さて、地方議会選では自治拡大もしくは分離独立派、欧州議会選ではポピュリズム的な極右・極左政党が勝利するパターンはEU共通の傾向となっている。かくて極左と極右しか選択肢が残らない1930年代と同じ欧州の政治的風景が見えてくる。それは、あなたはナチスと共産党どちらを選ぶか、という究極の選択である。

世界最古の銀行は何度でも死ぬ

欧州の銀行ストレステストの結果が公表された。イタリアの中道左派が政治的結びつきを持っているとされる1472年創業のモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行(現存する中で世界最古の銀行)は25行中最大の資本不足と指摘されている。この銀行については幾度か取り上げた。

さて、各国とも我が国の信用金庫や信用組合に当たるような地方や中小企業向けの貯蓄銀行(スペインのリベルバンク)や庶民銀行(イタリアのPopolareと名前が付く銀行)、国民銀行(オーストリアのフォルクスバンク)などに不合格が多いのが気にかかる。どうしても拓銀や新潟中央銀行、足利銀行などの事例を連想してしまう。

ECBが資本不足認定の25行のリスト-13行が必要額調達できず 2014/10/27 05:16 JST ブルームバーグ

UPDATE 1-欧州の銀行ストレステスト、昨年末時点で25行が不合格 2014年 10月 26日 22:33 JST ロイター

(最終段落に情報を追加しました)

[フランクフルト 26日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は26日、ユーロ圏の民間銀行130行に対する資産査定とストレステスト(健全性審査)の結果を発表、25行が2013年末の時点で不合格となった。

このうち12行は今年に入り150億ユーロの増資を実施した。

欧州銀行監督機構(EBA)によると、イタリアは9行が不合格となり、モンテ・デイ・パスキ は25行中最大の21億ユーロの資本不足と指摘された。同行は今年に入り資本増強を進めている。

EBAによると、このほか不合格となったのはギリシャで3行、キプロスで3行、ベルギーとスロベニアで2行、フランス、ドイツ、オーストリア、アイルランド、ポルトガルで各1行。

EBAは123行のストレステストを実施し24行を不合格とした。ECBは子会社も含めて130行への査定を実施した。ECBはスペインの1行も不合格としたが、EBAはECBとの基準の違いによりかろうじて合格としていた。


■ストレステスト不合格25行一覧(うち13行は9月30日時点でも資本不足▼)
▼ユーロバンク Eurobank(ギリシア)
▼モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行 Monte dei Paschi di Siena(イタリア)
▼ギリシア国立銀行 National Bank of Greece¹(ギリシア)
▼カリージェ銀行 Banca Carige(イタリア)
中央信用銀行 Cooperative Central Bank(キプロス)
▼ポルトガル商業銀行 Banco Comercial Português(ポルトガル)
キプロス銀行 Bank of Cyprus(キプロス)
▼オーストリア統合国民銀行 Oesterreichischer Volksbanken-Verbund(オーストリア)
▼パーマネントTSB Permanent TSB(アイルランド)
ヴェネト銀行 Veneto Banca(イタリア)
庶民銀行 Banco Popolare(イタリア)
▼ミラノ庶民銀行 Banca Popolare di Milano(イタリア)
▼ヴィチェンツァ庶民銀行 Banca Popolare di Vicenza(イタリア)
ピレウス銀行 Piraeus Bank(ギリシア)
クレディト・ヴァルテッリネーゼ Credito Valtellinese(イタリア)
▼デクシア Dexia(ベルギー)
ソンドリオ庶民銀行 Banca Popolare di Sondrio(イタリア)
▼ヘレニック銀行 Hellenic Bank(ギリシア)
ミュンヘン抵当銀行 Münchener Hypothekenbank(ドイツ)
アクサ銀行ヨーロッパ AXA Bank Europe(ベルギー)
住宅再融資公庫 C.R.H. - Caisse de Refinancement de l’Habitat(フランス)
エミリア・ロマーニャ庶民銀行 Banca Popolare dell'Emilia Romagna(イタリア)
▼ノバ・リュブリャナ銀行 Nova Ljubljanska banka(スロベニア)
リベルバンク Liberbank(スペイン)
▼マリボル信用銀行 Nova Kreditna Banka Maribor(スロベニア)

神は幾度、死ぬべきなのか

「神は死んだ」と、ニーチェは云った。そして、神殺しの近代が始まった。それは聖書の中で神が殺したのと同等かそれ以上の殺戮を世界にもたらしたではないか。

一方「怪力乱神を語らず」と、孔子は云った。春秋戦国の昔に神殺しが行われた現代に至るまでの支那の宗教と法倫理を併せて想うとき、欧州のリベラル化は神の律法に縛られていた分だけ反動が大きく、社会を極端から極端へ走らせ、属する個人を困惑に落とし、政治的混乱を引き起こすように思われる。

バチカンの同性愛者受け入れ議論とドイツの兄妹間性交渉合法化勧告の記事はそれだけのインパクトを持っている。

バチカン司教会議、同性愛者受け入れで合意ならず 2014年10月20日 08:54 AFP BB

【10月20日 AFP】バチカン(ローマ法王庁)で開催されていたローマ・カトリック教会の家族のあり方に関する教義を見直す「世界代表司教会議」は19日、再婚者や同性愛者の信者の受け入れをめぐる合意に至ることなく閉幕した。同教会の方針転換を目指すフランシスコ(Francis)法王にとっては痛手となる結果だ。

 13日に公表された司教会議の中間報告書では、「同性愛者たちにはキリスト教コミュニティーに貢献できる能力と資質がある」との文章と共に、同性愛者に手をさしのべるべきとの提案がなされ、世界中に波紋が広がっていた。この中間報告書に対し、保守派は猛反発。法王庁はまだ議論は進行中であると表明し、事態の収拾を図っていた。

 法王庁のフェデリコ・ロンバルディ(Federico Lombardi)広報局長によると、会議の出席者らは、保守派司教らの懸念を反映する形で修正を加えた最終報告書を承認した。2週間に及ぶ白熱した議論を経た18日の最終採決では、同性愛者に対するより好意的な姿勢への転換や、離婚歴がある人の再婚の容認について、出席者183人のうち採択に必要な3分の2の票が集まらなかった。

 司教会議では、フランシスコ法王が推進する「罪人」に対するより寛容な姿勢への方針転換をめぐり、保守派とリベラル派が意見を衝突させた。法王は会議の席上で、来年にはそれぞれの見解が成熟し、教会が直面する多くの問題に「具体的な解決」をもたらすと確信していると表明。最終報告書は、法王の意向により、意見が分かれた部分を含む全文が公開された。

 同法王はかねて、教会が未婚の母や再婚した夫婦、同性愛者らに対しより寛容な立場を取ることを提案しており、同性愛者については「私は(その是非を)判断する立場にはない」と語り話題となっていた。19日の会議閉幕に当たっては、出席者らに対し「神による予想外の物事に直面しても自らの恐れに打ち勝つ」よう呼び掛け、「思いがけない道に導かれること」を受け入れるよう求めた。

 人権活動家らは、会議の最終報告について批判する一方で、司教らを「タブー」に挑戦させたフランシスコ法王に賞賛を送っている。

 米国の著名な同性愛者の人権擁護団体「ヒューマン・ライツ・キャンペーン(Human Rights Campaign、HRC)」のリズベス・メレンデス・リベラ(Lisbeth Melendez Rivera)氏は、「またしても、ローマ・カトリック教会は偽善と恐怖を選ぶという過ちを犯した」「(反対派は)フランシス法王が発した包摂と敬意のメッセージを無視し、(性的少数者の)カトリック信者らの声と人生を根本的に拒絶して勝利を勝ち取った」と失望感を表明した。

 同性愛者の人権問題に取り組んでいる英国の人権活動家ピーター・タッチェル(Peter Tatchell)氏は、司教会議が同性愛者に対するより寛容な姿勢をとれなかったことは、法王にとって「個人的な敗北であり」「同性愛者の信者らにとって平手打ちだ」と語った。

 だが、司教会議での前進を見る人々もいる。 フランスの同性愛キリスト教信者グループの共同代表を務めるエリザベト・サンギリ(Elisabeth Saint-Guily)氏は「少なくともわれわれの現実が議題にのぼったことは良いこと」「提案文が承認されなかったことは残念で、影響も生まれるでしょう。議論はこれからも続いていきます」と語った。(c)AFP


ドイツ諮問機関、きょうだい間の性交渉の合法化を勧告 2014年09月25日 19:38 AFP BB

1968年にローマ教皇は回勅『フマネ・ヴィテ』を以って、条件付きで産児制限を承認した。これと同じく時流に乗るというのか。もとよりバチカンは絶対的な不可謬主義を採るだろうが。

1960年代に先進国のベビーブーマーが担った非可逆的な社会の破壊によって、宗教家にせよフェミニストにせよ生命尊重の議論に終始して魂は顧みられることがなくなった。確固不変ではないゆえに涵養しなければならない魂を根源とする生命力の衰退が、国家の衰退のみならず文明の衰退をもたらしているのが現在の状態であるのを忘れてはならない。

ひとりの人間が生きる時間、それが内包する限界を超越するには、人は運命の非可逆性を受容しなければならない。避け得ざる死の可能性に到達するとき、生に横たわる不可能性を反復せざるを得ないことに気付く。何か見えないモノが継続するのだと信じるが故に反復を許容できるのだ。

そのとき死の物語と価値観が一変する。

例えばそれは神話にまでさかのぼる歴史全体の再評価であり、宗教道徳的には生命力の根源を取り戻そうとする動きとなる。我が国では神々に、特に靖国の英霊に死と再生を強いる苦闘でもあるだろう。

一方欧州では、アウグスティヌスが自殺を禁じて以降とは真逆に自裁の権利が認められようとしている。カルヴァン主義が興ったスイスでさえ。ダンテは『神曲』の作中で、自殺したカトーに煉獄で出会ったはずだ。では、ローマ共和政のために殉じたカトーは煉獄から今は引き上げられ、天上へ昇ったとでも云うのだろうか。

列強(もしくはロシアを除外したG7)のなかでは、神を頑なに信じるファンダメンタリストのいる合衆国と神々が黄泉帰る我が国しか、近代からポストモダンに移行する社会的混乱をより良い変化に利用できないかもしれない。

“鉄の女”は未だ錆びついていない

2012年11月26日のエントリーの続報として。

スペイン内戦に人民戦線の義勇兵として参加したジョージ・オーウェルは、イデオロギー対立により内紛を起こし崩壊していく共和国政権の様を目の当たりにして『カタロニア讃歌』(1938年)と名付けられた一冊のルポルタージュをまとめた。

現在進行中の物語は『カタロニア再起』となるのだろうか。

2012年11月の州議会選挙でカタルーニャ独立派4政党が過半数を占めた。折しもPIIGS危機から欧州債務危機へと危機が悪化し始めていた時期のことでもあるし、勝利は順当なものだった。そして、スコットランド独立投票が彼らを後押しした。

しかし、憲法上は地方の独立規定はないスペイン。いや作れるわけもない。そもそもレコンキスタの歴史的過程の逆コースをたどれば、バスクもガリシアもアンダルシアも離れていってしまう。

そう、不動産バブルに踊ったスペインの先例は英国にあった。英国は、国民経済がシティーの金融と不動産頼みとなり、製造業のあったスコットランドは相対的に地盤沈下してしまった。潤うのは都市ばかり、それはどうしてだ、となにやら聞いた話が囁かれる。

“すべてはあの忌々しい鉄の女が運良くフォークランド紛争に勝ったからだ”
女男爵は自身の銅像が建てられたとき、云った。
「銅もなかなかいいですね、錆びつきませんから」
“何たることだ、棺の扉を閉じたのにまだあの女の亡霊は錆びついていないではないか”

不公正な税の再分配を地方のインフラ整備や製造業誘致に回すにも、もはやそれをつくるには国内の技術的基礎が失われている。サッチャリズムの弊害のひとつがここにある。他山の石とすべきであろう。

さて、スコットランド独立派の主張通りには経済的に自立できない、とスコットランドの有権者が判断したと思われるが、ここカタルーニャ州は州政府によれば、国庫に納めている税金は同州向け支出を毎年約150億ユーロ(約1兆6000億円)上回っていると、上記のエントリー中で引用したWSJ日本版の記事にあった。

我が国で云えば、カタルーニャ州は地方交付税交付金を受け取るのではなく、拠出している側になる。ことは税金の再分配の問題でもある。自分のカネは自分たちに使いたい、他のスペインにカネを使わせたくない、という叫びだ。

東京都は都だけで独立してやっていける、と曰う御仁がいても「水源は、電力は、食料はどこから来ているのか」という問いが横たわる。そして、国民(ネイション)としての一体性はどうあるべきなのか、という問いかけでもある。

サッチャリズムの根底にあったアングロ・サクソン人の個人主義の弊害も露わになる。

例えば、沖縄は日米戦で軍民ともに戦った犠牲そのものが利権。先に返還された奄美大島への投下資本の違いは元を正せばここだ。

翻って、カタルーニャ州の人すべてはあのスペイン内戦の天王山、エブロ川の戦いの敗北の苦汁を思い起こすに違いない。彼らにとってはフランコ将軍に対する復讐戦の機会でもあるのだから。“鉄の女”はさておき、最後に問いかけよう。

“将軍は満足して死んだのだろうか”
後継者たる先王は州の自治を強化し、立憲君主として民主主義を守った。
“ボルボーン朝の王は半ば彼を裏切ったとも言えるだろうね”

カタルーニャ首相、独立投票へ委員会設置 2014年 10月 4日 04:27 JST ロイター

[マドリード 3日 ロイター] - スペイン・カタルーニャ自治州のマス首相は、来月に実施を計画しているスペインからの分離・独立の是非を問う住民投票の管理委員会を設置した。自治州政府が声明で明らかにした。

マス首相は2日夕、委員を任命したという。

スペイン憲法裁判所が9月29日、投票の差し止め判断を下してから初めての投票実施に向けた動きとなる。

マス首相はこの日、バルセロナで分離・独立推進派の政党関係者と会談、憲法裁の判断を踏まえた戦略をめぐり合意する見通しとなっている。

自治州は11月9日に住民投票を実施する法令に署名している。

スペイン首相府はコメントを控えた。

レンツィ政権、苦境に陥る

イタリアは2四半期続けて国内総生産が減少して、リセッションに突入した。若年層失業率は40%を超えており、公的債務が約2兆ユーロ(約273兆円)に上リ、今年の成長率予想は従来の3分の1となる0.3%程度に落ち着きそうだ。レンツィ政権の債務削減計画も後退を余儀なくされる。

2011年末の時点で、イタリアの公的債務は1兆8000億ユーロだが、イタリア国債は約半分が国内投資家による保有、かつイタリア財務省は約350億ユーロの資金を有していた。(2012年7月28日のエントリーから抜粋)

イタリア:4-6月GDP、前期比0.2%減-リセッション入り 2014/08/06 19:51 JST ブルームバーグ

イタリアは、イタリア王国の統一(リソルジメント)の過程から国内の経済格差が残っており、旧都市国家群が多く大企業が発展した北イタリア、旧教皇領にあって伝統工芸による中小企業が発展したイタリア中部、旧両シチリア王国の中央集権下でマフィアが勢力を伸ばした南イタリアに大きく分けられる。

北イタリア(パダニア)の分離独立主義者の政党・北部同盟は、第2次世界大戦後の両シチリア王国の旧領に当たる南部の開発を推し進めた公共投資(バノーニ計画)とそれに伴うマフィアとの癒着(タンジェントポリ)に対する批判から、党勢を伸長させた。

要するに利権の再分配を通じて、北部の国民の税金が南部に投入されているにも関わらず、南北格差は縮まらない、ならば北部に投入した方が効率的だ、と云う主張から出発している。

こうしたイタリアの経済格差から誕生した北部同盟だが、近年は国内の南北格差から派生する問題よりも、EUの通貨・経済・人的交流の統合に伴い流入してくる外国人労働者の規制など、EU内の南北格差に対する批判にシフトしている。(2014年3月24日のエントリーから抜粋)

下記にリンクのあるユーロスタットの2012年失業率データだが、地域別データの顕著な特徴はドイツ語圏を中心として、そこから離れるほど失業率が高まることだった。(2013年7月1日のエントリーから抜粋)

イタリアの若年層失業率は全国35.3%。

リソルジメントの主導権を握った北西部は全体で28.4%(ピエモンテ州は31.9%、リグリア州は30.1%、ロンバルディア州は26.6%)。

両シチリア王国のあった南部は全体で45.3%。シチリア島とサルディーニャ島は併せて50.3%。

ハプスブルク帝国に支配下にあった北東部は全体で24.1%(最近、独立が提起されたヴェネト州は23.7%)。

ローマ教皇の支配していた中部は全体で34.7%となっている。やはりリソルジメントの歴史的経緯は顕著に見られる。

参考URL
Unemployment in the EU27 regions in 2012 "Regional unemployment rates ranged from 2.5% in Salzburg and Tirol to 38.5% in Ceuta and 34.6% in Andalucía " 22 May 2013

日伊情報保護協定を布石として

2013年6月20日のエントリーで、日英情報保護協定の締結の次に、英国との外務・防衛閣僚級会合(2プラス2)の定期開催を提案している、と述べた。

そして、今年5月の日英首脳会談では、日英2プラス2の開催合意と日英物品役務相互提供協定の締結交渉に入ることが決まった。

日英2プラス2開催で合意 日欧EPA「来年合意」の目標設定 2014.5.2 00:13 MSN産経

これと同様に日伊情報保護協定の締結交渉は、将来的に日伊2プラス2や役務相互提供協定へとつながっていくだろう。アジア太平洋のみならずNATOとの広範な安全保障の協力関係が構築されていく布石と考えて良いだろう。

また欧州からマグレブとサブサハラを望めば、我が国主導のTICAD V(第5回アフリカ開発会議)と中共主導の「アフリカ共通成長基金」の争いにも関わってくる。

日伊、情報協定締結を確認 2014年 06月 6日 22:11 JST ロイター

【ローマ共同】安倍晋三首相は6日午後(日本時間同日夜)、イタリアのローマ市内でレンツィ首相と会談し、軍事情報を含んだ機密の交換を可能とする「情報保護協定」の早期締結に向け、交渉を加速させる方針で一致した。防衛装備・技術協力に関する協議開始や危機管理面での協力強化でも合意した。

 協定締結で、イタリアに近い北アフリカ地域に関するテロや治安情報を得やすくなる利点がある。昨年1月のアルジェリア人質事件を受け、北アフリカ地域での邦人保護が課題となっていた。

【共同通信】

カタロニアとケベックが日本のサブカルにハマった訳

スペイン・カタルーニャ州の分離独立を問う住民投票(いわば自決権の行使)が行える潜在的な主権そのものをスペインの憲法裁判所は無効とした。スペイン憲法には、自治州の分離独立の規定はなく、住民投票には中央政府の承認が必要だったが、司法当局は門前払いを食らわした格好になる。

フランコ独裁からボルボーン朝復活時に、スペインは1978年憲法の制定を通じた西欧型議会制民主主義と自治州の財政独立までも認めた地方分権を一気に進めた。地方分権は文化面にも及び、自治州のアイデンティティを守るため、公用語化の政策が採られ、外国製の映像コンテンツに対しても50%は自治州の言語に吹き替えるよう政令が定められた。

1980年代後半から大量に輸入された日本製のアニメもカスティーリャ語に吹き替えられたが、中央集権から地方分権へ間もない時期の制作現場ではカスティーリャ語で演技できる声優に人材も少なく、半ばド素人の演技だった。聞くに堪えない視聴者は副音声の日本語環境を楽しむようになり、副次的効果として日本語が理解できるようになる人々が現れて、日本文化全般に親しむ素地ができた。

そこそこの経済力を持ちながら、独自のコンテンツを産み出し維持するだけの人口を欠く多民族国家内の自治州が日本のコンテンツを輸入した結果、やたら日本のサブカルに親しむ人々が出てきて、わざわざ日本に移住してくる人まで出てくる、と云う事例がスペインのカタルーニャ州とカナダのケベック州(フランス語圏)で人口比より多く見られるのは、地方分権による文化政策が寄与している。

スペイン:カタルーニャ州の主権主張、憲法裁が無効と判定 2014/03/27 00:24 JST ブルームバーグ

3月26日(ブルームバーグ):スペインの憲法裁判所は、カタルーニャ自治州の主権主張は無効との判断を下した。これを受けて、中央政府と独立分離派の緊張が悪化する恐れがある。

バルセロナのカタルーニャ州議会は今年1月、スペインからの分離・独立を問う住民投票の実施に向けた主権を主張する決議を可決。首都マドリードにある憲法裁は25日夜に電子メールで配布した判断で、この決議を無効とし、主権主張は「違法かつ無効」と見なされると説明した。

ラホイ首相が憲法違反になると警告する中でも、カタルーニャ州のマス首相は住民投票を11月に強行する構えだ。同州の経済規模はスペイン全体の約20%を占め、ガス・ナトゥラル やカイシャ銀行 などの大企業が本社を置いている。

原題:Catalonia’s Claim to Sovereignty Blocked by Spanish Court(1)(抜粋)

復活する『海の都の物語』

英国のスコットランド独立の動きについては、2012年2月9日のエントリー2013年12月2日のエントリーで取り上げた。

スペインのカタロニア(カタルーニャ)独立の動きについても、2012年11月26日のエントリーで取り上げた。

そして、イタリアではヴェネト州(州都ヴェネツィア)に独立の動きが出てきた。

北イタリア(パダニア)の分離独立主義者の政党・北部同盟は、第2次世界大戦後の両シチリア王国の旧領に当たる南部の開発を推し進めた公共投資(バノーニ計画)とそれに伴うマフィアとの癒着(タンジェントポリ)に対する批判から、党勢を伸長させた。

要するに利権の再分配を通じて、北部の国民の税金が南部に投入されているにも関わらず、南北格差は縮まらない、ならば北部に投入した方が効率的だ、と云う主張から出発している。

イタリアは、イタリア王国の統一(リソルジメント)の過程から国内の経済格差が残っており、旧都市国家群が多く大企業が発展した北イタリア、旧教皇領にあって伝統工芸による中小企業が発展したイタリア中部、旧両シチリア王国の中央集権下でマフィアが勢力を伸ばした南イタリアに大きく分けられる。

こうしたイタリアの経済格差から誕生した北部同盟だが、近年は国内の南北格差から派生する問題よりも、EUの通貨・経済・人的興隆統合に伴い流入してくる外国人労働者の規制など、EU内の南北格差に対する批判にシフトしている。

北部同盟が、イタリアからの分離独立主義を後退させてイタリアにおける連邦主義へと移行した結果、従来の分離独立主義者の受け皿が必要になり、地域政党が新たな動きを示してきた。それがヴェネト州の分離独立を問うネット選挙ということなのだろう。

89% of Veneto residents vote for independence from Rome March 23, 2014 01:11 RT

「独立の潮流」ベネチアにも ネット住民投票、賛成89% 2014.3.23 00:00 SankeiBiz

 イタリアの観光地ベネチアを州都とする北東部のベネト州で3月16日から21日までイタリアからの分離・独立の賛否を問う「ネット住民投票」が行われ、企画した地域政党などのグループは投票者のほぼ9割が独立を支持したと発表した。結果に法的拘束力はないが、ベネト州独立を推進する複数の地域政党は独立に向けた法案づくりを目指すとしている。欧州では近年、分離・独立を目指す動きが各国で顕在化し、今年秋には英国のスコットランドとスペインのカタルーニャ地方で正式な住民投票が実施されるが、潮流の背景には2007年夏以降低迷する経済情勢下での募る住民の不満がある。

■230万人参加

 ベネト州のネット住民投票は、ウクライナ南部のクリミア半島で16日に行われたロシア編入を問う住民投票を意識し、同じ日から開始された。フランス通信(AFP)などによると、州の有権者380万人のうち、約6割に当たる230万人が参加し、89%が独立に賛成した。クリミアでの投票率83.1%、編入支持96.77%には及ばなかったが、予想を上回る独立を望む声が寄せられ、州第2の都市パドバでは21日、街の広場に数百人の独立支持派が集まり、歓声を上げて喜び合った。

 独立派が建国を目指す「ベネト共和国」(仮称)は、7世紀からナポレオンに征服された1797年まで経済・文化・貿易の一大拠点として栄え、独自の軍隊も有した都市国家「ベネチア共和国」に着想を得ている。ベネチアはナポレオンの軍門に下った後、オーストリアの支配を経て1866年にイタリア王国に編入されたが、かつての北イタリア諸国の中でも別格の存在であり、住民の自意識も強い。

■経済的不満が後押し

 今回、その自意識に加え経済的不満が分離・独立の気運を高めた。イタリア政府はベネト州から年間710億ユーロ(約10兆円)の税金を受け取っているが、政府が州に施す投資・サービスは210億ユーロ(約3兆円)にとどまっているからだ。独立を主張する地域政党「ベネタ独立党」はAFPに、景気後退のあおりを受け苦境にある州住民に対する支援策や、所得が低い南部地域での税金の無駄遣い防止策などが不十分なため分離・独立運動は高い支持を得ていると説明した。

 イタリア北部コモのインスブリア国立大学のパオロ・ベルナルディーニ教授(50)=欧州歴史学=は「欧州は今、統合から分離へ流れが向かっている。だがこれは決して悪い分離ではない。グローバル化から地域の伝統と自治を取り戻す、肯定的な分離だ」と話している。

 住民投票による地方自治体の分離・独立はイタリア憲法に抵触する可能性もあり、今回の投票への伊メディアの関心は高くない。しかし、欧州連合(EU)という統合の枠内では、マイクロナショナリズムとも言うべき分離・独立の動きが起きているのは確かだ。(SANKEI EXPRESS)

政治的妖怪としてのベルルスコーニ 復活篇

レンツィ新首相誕生、との観測が日に日に規定事項となっている複雑なイタリア政局の流れを振り返ることとした。

そもそも中道左派・中道・中道右派の大連立となっていたレッタ政権は、ベルルスコーニ元首相の中道右派の分裂によって政権基盤が弱体の状態が続いていた。

前年の下院選挙は民主党(PD)率いる中道左派が勝利しながらも上院選と大統領選に敗北、ベルサニ書記長が辞任の憂き目に遭い、彼の辞任に相伴したはずのレッタ氏がベルルスコーニ元首相とのパイプ役を見込まれて、首相となった経緯がある。

ベルルスコーニ元首相離反時、内閣信任投票後の民主党の書記長選はレンツィ氏が勝利、つまり党首と首相が違う奇妙な現象が起きていた。そこに追い討ちを懸けたのが、憲法裁の選挙制度に対する違憲判決だった。レッタ首相は選挙制度改革を進めながら、EUからの緊縮財政の要求に応えなければならなくなった。しかも政権基盤は弱体のままだ。

王道としては選挙制度改革案を国民に提示して、解散総選挙すべきなのだが、我が国とは違って上下両院の権能が完全平等である上に、大統領は解散総選挙権を有する。このため、中道左派を率いる民主党(PD)は上院で少数与党のまま、レンツィ書記長に対して首班指名されることとなる。

解散総選挙を封じられつつ、政権基盤が弱い状況を打破するには分裂している中道右派、ベルルスコーニ元首相の勢力(2013年に再結成されたフォルツォ・イタリア)を引き込む権謀術策も選択肢のひとつとなる。とすると、ベルルスコーニの復権もあるやもしれない。

こうしたイタリア政局の混乱は、むしろ伝統芸の域に達しているので、ユーロ圏では大した混乱を生じない、と思われる。

レッタ伊首相が辞意表明、党の支持失い14日に辞表 2014年 02月 14日 04:22 JST ロイター

[ローマ 13日 ロイター] -イタリアのレッタ首相は13日、自身が属する中道左派・民主党(PD)内で支持を失ったことを受けて辞意を表明した。PDのマッテオ・レンツィ書記長(党首)の首相就任に道が開かれた。

PDはこの日、イタリア経済の低迷脱却を主導する野心的な政権樹立を求めてレッタ首相の辞任を要求したレンツィ氏を支持する考えを表明。

これを受けレッタ首相は、14日にナポリターノ大統領に辞表を提出するとの声明を発表した。

大統領はレンツィ書記長に新政権樹立を要請する可能性が高いとみられている。

レンツィ書記長は党指導部の会合で「イタリアは不透明感と不安定性の中では存続できない。われわれは岐路に来ている」と述べ、イタリアの難局脱出を支援してほしいと訴えた。

レッタ首相は、党として同氏への支持を続けるかどうか自由に決定すべきとして会合を欠席した。

レッタ氏は、経済改革の遅れなどをめぐる批判の高まりを受けて孤立化が深まっていた。

レンツィ書記長は会合で、レッタ首相に辞任を迫り、中道、中道右派との現在の連立の下で新政権の樹立を試みることにはリスクが伴うと認めながら、他に選択肢はないと述べた。

また、現行の選挙制度のままで新たに選挙を行うことはできないと言明。議会の任期が切れる2018年まで持続する政権の樹立を提案し、連立相手の支持を求める考えを示した。

*内容を追加して再送します。


伊大統領がレッタ首相の辞表受理、週末にもレンツィ氏後継指名も 2014年 02月 15日 09:11 JST ロイター

[ローマ 14日 ロイター] - イタリアのナポリターノ大統領は14日、レッタ首相の辞表を受理した。大統領府が声明で明らかにした。

これを受け、新政権樹立に向けた協議が直ちに開始される。協議は15日までに完了する予定で、週末にも中道左派・民主党(PD)のレンツィ書記長(党首)が新首相に指名される可能性がある。

レンツィ書記長には、イタリア経済の再生に必要な大胆な改革推進が強く求められるが、同国の根深い構造的問題に取り組むのは容易ではないとみられている。

例えば、レンツィ氏が提案した選挙制度改革案は議会で修正が繰り返され、進展が滞っている。

PDが連立を組む新中道右派のアルファノ党首はこれまでに、レンツィ氏が提唱してきた進歩的な社会政策を否定し、右傾化を求める立場を示しており、レンツィ氏は同党との間で一定の駆け引きが必要になる公算が大きい。

また、欧州諸国は欧州連合(EU)の厳格な財政ルールを順守するレッタ氏の姿勢を評価していたのに対し、構造改革を約束すれば債務上限の緩和が認められるとするレンツィ氏には好感を抱かない可能性がある。

あるEU高官は「構造改革や財政面での課題はこれまでと変わらない」と述べ、イタリアの債務水準を踏まえると緩和の余地はほとんどないとの見方を示した。

*内容を追加して再送します。


伊国債利回りが8年ぶりの低水準付近 新政権への期待で 2014年 02月 15日 04:40 JST ロイター

[ロンドン 14日 ロイター] - 14日のユーロ圏金融・債券市場は、イタリア国債利回りが8年ぶりの低水準付近に下がった。中道左派・民主党(PD)のレンツィ書記長(党首)が新首相に就き、改革が進むとの期待感が追い風となった。

イタリアの10年債利回りは、4ベーシスポイント(bp)低下して3.68%となり、今週つけた8年ぶり低水準にわずか2bp差と迫った。

レンツィ氏が13日、レッタ首相への辞任圧力を強める前は3.78%前後で推移していた。

サンパウロのストラテジスト、セルジオ・カパルディ氏は「レンツィ氏は、次回総選挙が行われる2018年まで(政権の座に)とどまる意向を表明している。これが実現すれば、より困難な改革を行う余地が生まれる」と指摘。市場では当面、レンツィ氏への期待感が広がると見通した。

昨年第4・四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)速報値が予想を上回ったことを受け、ドイツ10年債利回りは1.4bp上昇して1.68%となった。

ただ、欧州中央銀行(ECB)が、超低水準のインフレを踏まえて緩和姿勢を強めるとの観測から、ドイツ国債価格は一段安の方向に傾かなかった。

格付け会社、ムーディーズ・インベスターズ・サービスはこの日、イタリアのソブリン格付けを発表する予定だ。ただ、格付けや見通しの変更は予想されておらず、仮に変更がない場合、発表自体も行われない可能性もある。


週内にも伊新政権発足、レンツィ氏が組閣に向け連立協議に着手へ 2014年 02月 17日 23:29 JST ロイター
※一部、ロイター電を追加して再送

50%の若年層が国民経済にとって無価値

すでに2013年8月20日のエントリーでも触れたように、PIIGS危機以降にギリシアのGDPの25%は喪失した。生産と消費と所得の25%が失われたのを裏付けるように、失業率もそれと近似した値が出た。

若年層(15~24歳)の2013年11月の失業率は51.9%となった。若年層の半分が失業していれば、当然、ほかのEU諸国に出稼ぎしようとするだろう。しかも技能を持たない単純労働者として。

運良く移民先で技能を獲得しても、出身国で技能を活かす産業基盤と人脈と融資先がなければ、彼らはギリシアには戻らない。送金によって経常収支が貢献するとしても、それは現在のフィリピンと同じ状況を作り出す。

今後、中共と日米の対立によってフィリピンは、俄に我が国の資本投下の対象になってきた。そのような事態が起きない限り、ギリシアの国民経済が浮上する契機はないだろう。

また、この出稼ぎ労働者や労働移民は労働力のドミノ現象を起こすと同時に出稼ぎ先・移民先の排斥を促す。受け入れ先の英仏独ではEU圏内外の移民流入を調整するか、追放するかの措置が採られていく。ロマとムスリムに矛先が向けられるのもむべなるかな、である。

ギリシャの9月失業率、27.4%に悪化 2013年 12月 11日 20:03 JST ロイター

[アテネ 11日 ロイター] -ギリシャ統計当局が発表した9月の失業率は27.4%となり、前月・前々月の27.3%から小幅に悪化した。

この失業率の水準は、9月のユーロ圏平均(11.6%)の2倍以上。同国では、緊縮財政を背景に6年間、景気後退が続いている。

若年層(15─24歳)の失業率は51.9%だった。


ギリシャでデフレ強まる、11月インフレ率は過去最大のマイナス 2013年 12月 9日 19:55 JST ロイター

[アテネ 9日 ロイター] -ギリシャの11月インフレ率は前年比マイナス2.9%となり、1960年の統計開始以来の大幅なデフレを記録した。統計局によると、欧州連合(EU)基準のインフレ率は10月のマイナス1.9%から低下幅が拡大、予想のマイナス1.7%以上となった。

厳しい景気低迷、給与カット、大幅な余剰設備が重なり、物価下落を招いている。

政治的妖怪としてのベルルスコーニ 完結篇

遂にベルルスコーニ元首相が政界から追放された。一方で1472年創業のモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行(現存する中で世界最古の銀行)の救済が決定した。3度、首相職に就いた政治家の政治的生命を救うよりも、経済の血流を担う銀行を救う方が確かに政治的に妥当ではあるが。

ベルルスコーニ元首相の敗因は、自己の政治的生命の維持と自国の緊縮財政の是非を半ば同一化して、連立政権の存続という政治的闘争の天秤に掛けてしまったことだろう。

冷戦終結後のイタリアの政界再編(タンジェントポリ=汚職の町)以後、中道右派及び保守が政権を担う際はすべて首相に就いた男、100件以上の訴追を受けても刑務所の塀の上を軽やかに歩き続ける男、その彼はハンプティ・ダンプティのように塀の上から落ちて割れてしまった。

イタリア上院、ベルルスコーニ元首相の議員資格剥奪決定 2013年 11月 28日 04:13 JST ロイター

[ローマ 27日 ロイター] -イタリア上院は27日、脱税で有罪判決が確定したベルルスコーニ元首相(77)の議員資格剥奪を決定した。

上院議長が同氏は議員として不適格と宣言した。

ベルルスコーニ氏は所有するメディアグループ、メディアセット(MS.MI: 株価, 企業情報, レポート)の脱税をめぐり8月に有罪判決を受け、禁錮4年(恩赦法で1年に減刑)が確定していた。

上院でベルルスコーニ氏の議員資格剥奪に関する採決が行われている間、議事堂からほど近い同氏の自宅前に支持者が集結。ベルルスコーニ氏は支持者らに対し「引退はしない」と宣言し、今後も政府に反対する勢力として活動し続ける意向を示した。

ただ、議員資格剥奪により、ベルルスコーニ氏は議員の免責特権を失うため、贈収賄や未成年者買春などで逮捕される可能性も高まった。

イタリア上院は26日、2014年予算案を承認するための信任投票を実施し、賛成171票、反対135票の賛成多数で予算案を信任したが、ベルルスコーニ氏率いる中道右派の「フォルツァ・イタリア」は反対票を投じ、レッタ首相率いる連立政権から正式に離脱している。

*内容を追加して再送します。


レッタ伊首相、新たな信任投票実施の意向表明 2013年 11月 29日 22:13 JST ロイター

[ローマ 29日 ロイター] - イタリアのベルルスコーニ元首相の中道右派政党「フォルツァ・イタリア(がんばれイタリア)」が連立政権から離脱したことを受け、レッタ首相は29日、あらためて信任投票を実施する方針を明らかにした。

欧州連合(EU)会合の合間に語った。

民主党(PD)が来月8日に新たな指導者を選出後、投票が行われるとした。

首相は「議会に求める信任投票で、守勢から攻勢に回ることが可能となる」と述べた。

ユーロがベルルスコーニとドイツ企業を緩慢に殺す

イタリアのレッタ連立政権は、上下両院の信任案承認を受けて政権崩壊を免れた。

ベルルスコーニ元首相は、議員資格剥奪阻止を企み、連立政権から閣僚を引き上げ、倒閣させようとした。一方、レッタ首相は議会から内閣信任を得ようと試みた。

しかし、ベルルスコーニ元首相率いる中道右派の自由国民党(PDL)は、当のベルルスコーニ支持をめぐって内紛を起こし、不支持の上院議員25人が党から離脱した。結果、劣勢となった元首相が政権信任へと軌道修正したため、レッタ政権は信任された。

元首相の上院議員資格剥奪は、上院委員会採決に附され、次いで本会議採決に附される。資格剥奪は不可避の状況と見られる。その場合6年間は選挙に出馬できなくなる。

ベルルスコーニ元首相は議員ではなくなっても政治的影響力を行使しようとするが、緩やかな政治的死は避けられない。政治的妖怪としてのベルルスコーニもこれまでか、と云ったところだ。

自らの保身を前面に推して、連立政権崩壊を企んだために、PDLの分裂を招き、自らの党内基盤を弱め、立場をより難しくするだけに終わった。少なくとも緊縮財政反対及び増税反対の旗印を掲げるべきだっただろう。

レッタ連立政権は、緊縮財政と増税に乗り出さなくてはならない。結果、ユーロによるドイツの独り勝ちはつづく。

興味深いのは、トムソン・ロイター調べの革新的企業100社「グローバル・イノベーター2013」では、ドイツの企業が3社(ほかは米国45社、日本28社、フランス12社、スイス4社、韓国3社、スウェーデンと台湾及びカナダそれぞれ1社)しか選ばれなかったことだ。指標のひとつに過ぎないものの、ユーロの好条件下でドイツ企業はイノベーションを重視しなくなっている証左ではないのか。

共通通貨ユーロの縛りがイタリア国民の生活水準を落とす(ついでにベルルスコーニ氏の政治的生命も終わる)、一方でドイツ企業は緩やかに技術力を失っていく。

革新的企業100社、米国が最多・2位は日本=トムソン・ロイター 2013年 10月 7日 13:14 JST ロイター

伊上院委員会、ベルルスコーニ元首相の議員資格剥奪手続き開始へ 2013年 10月 4日 12:50 JST ロイター

イタリア上院がレッタ政権を信任、政権基盤に不安残る 2013年 10月 3日 07:33 JST ロイター

ベルルスコーニ元伊首相、レッタ政権への支持表明 2013年 10月 2日 22:05 JST ロイター

ベルルスコーニ元伊首率いる中道右派政党、上院議員25人が離脱へ 2013年 10月 2日 18:40 JST ロイター

伊首相、安定した連立政権運営に向け議会の支持要請へ=大統領 2013年 10月 2日 06:36 JST ロイター

伊PDL、レッタ政権の信任投票で賛成票投じるべき=幹事長 2013年 10月 2日 01:33 JST ロイター

イタリア自由国民党の強硬派、党の結束守るため譲歩を表明 2013年 10月 1日 22:40 JST ロイター

イタリア政局、ベルルスコーニ元首相の党で穏健派議員が離脱の構え 2013年 10月 1日 08:53 JST ロイター

イタリアPDL議員、ベルルスコーニ氏との会合に満足せずと表明 2013年 10月 1日 06:43 JST ロイター

ベルルスコーニの罪こそがイタリアの景気を救う

我が国の消費税増税が政局化しているのと同様、イタリアも付加価値税(VAT)引き上げが政局化していた。

同国のレッタ政権は、連立を組む中道右派の反対を受け、閣議で合意を取り付けられず、年内の付加価値税引き上げは見送られ、ガソリン税と前払い法人税引き上げが先行することとなった。

EUには財政赤字基準があり、歳出削減が求められる政権は危機打開のために、議会の信任投票を求める見込みだ。失敗すれば連立政権は瓦解するだろう。

つまり、景気後退局面の付加価値税引き上げはひとまず避けられた。

しかし、この背後のいるのが誰あろう、有罪判決が確定して、議員資格剥奪の危機にあるベルルスコーニ元首相なのだ。

冷戦終結後のイタリアの政界再編(タンジェントポリ=汚職の町)以後、中道右派及び保守が政権を担う際はすべて首相に就いた男、100件以上の訴追を受けても刑務所の塀の上を軽やかに歩き続ける男、皮肉にも首相に就けなかった男の怨念のようなものがイタリアの景気動向の鍵を握っている。

伊大統領、ベルルスコーニ氏率いる中道右派の揺さぶりを非難 2013年 09月 27日 00:16 JST ロイター

混迷続くイタリア政局、レッタ首相とナポリターノ大統領が27日会談 2013年 09月 27日 11:09 JST ロイター

対立続くイタリア連立政権、27日に赤字削減策など協議 2013年 09月 27日 13:40 JST ロイター

イタリア10年債入札、利回りが6月以来の高水準に 2013年 09月 27日 18:39 JST ロイター

イタリア政府、VAT増税を年初に先送りへ 2013年 09月 28日 08:27 JST ロイター

[ローマ 27日 ロイター] - イタリア政府は付加価値税(VAT)増税を来年初頭に延期する一方、ガソリン税と前払い法人税を引き上げる。27日の閣議で協議される法令の草案が明らかになった。

ロイターが入手した草案によると、VAT引き上げは来年1月初めに延期される。政府は、VATの税率を21%から22%に引き上げることで10億ユーロの税収を見込んでいた。

VAT引き上げには自由国民党(PDL)が反対しており、実施されれば連立を解消すると警告している。引き上げは当初7月から実施する予定だったが、10月に延期されていた。

ガソリン増税については、まず1リットル当たり2セントの引き上げを年末まで実施し、年初からさらに2.5セント引き上げる。

12月を期限とする法人所得税(IRES)と州事業税(IRAP)の前払い申告については、税率を通年見込み額の101%から103%に引き上げるとしている。

ただ、前払い法人税の引き上げにより年末時点の税収入は増えるものの、2014年半ばを期限とする次回申告は減るため、14年の税収は減少することが見込まれる。

PDLの下院財政委員長は、VATを引き上げる代わりに他の税を引き上げることは「断じて容認できない」とし、法令は連立政権を終わらせる時が来ていることを示していると述べた。


2013年のイタリア財政赤字、EU上限超過の公算=IMF 2013年 09月 28日 08:28 JST ロイター

伊首相が議会の信任投票求める方針、課税法案で合意得られず 2013年 09月 28日 08:31 JST ロイター

生産と消費と所得の4分の1が消えた

すでにギリシアは、PIIGS危機以降にGDPを25%近く喪失している。国民の生産と消費の循環、その4分の1が消えた。

ギリシャ第2四半期GDPは前年比4.6%減、マイナス幅縮小 2013年 08月 13日 00:18 JST ロイター

2012年3月9日のエントリーでは、以下のように書いた。

すでにデフォルト織り込み済みのギリシアが、(ユーロ加盟のままでも怪しいが)共通通貨のユーロを離脱して独自通貨のドラクマに戻った場合でも、いかなる産業を以て外貨を稼げば良いのだろうか。

期待できるのは、海運と観光と一次産品(オリーブ、ブドウ、たばこの葉)とその加工品(イタリア産より安いが質の劣る代替品としてのパスタ、オリーブ油など)、あとは安価な電気代を利用したアルミ精錬やセメント・鋼材などの建築資材くらいか。当然それだけでは喰えないから、海外に出稼ぎに行く羽目になる。

そも企業を興し、雇用を生み出し、外貨を稼ぎ出す産業を作り出す企業家がこの国には決定的に不足している。

我が国と比較すると、同じく海運で大きな財を成した点で、オナシス家と三菱財閥を創業した岩崎家の違いだ。

現在の三菱グループが比較対象として巨大であれば、瀬戸内海に面した愛媛の今治や広島の福山や尾道の中堅造船業と海運業を思い起こしてみればいい。彼らは、自ら船主となると同時にドックを持っている。

一方で、ギリシアの資本家(言い換えれば富裕層)は、産業資本家というよりは商業資本家の色彩が強い。

しかもギリシアの富裕層には、ユーロ離脱のメリットは特にない。ユーロによって為替リスクなしですぐに資産移転が可能になったからだ。一朝事あれば、プライベートジェットかクルーザーで国外脱出する。欧州各国の貴族階級と姻戚関係にあれば税関フリーパスである。

そして、あらゆる階層の人間が逃散している。2013年7月1日のエントリーでは、セウタ、メリリャやレユニオン島など欧州以外の海外領土を除くとして、スペインのアンダルシアは2012年の失業率は34.6%(15~24歳の失業率は62.3%)、ギリシアの西マケドニアは同じく29.9%(15~24歳は72.5%)と、特に大卒以外の若年層は技術継承の道が閉ざされ、中長期的に社会が崩壊するレベルだろう、と推測した。

たとえば、今治や尾道の造船業・海運業・船主も苦境にある。常石造船も国内の造船所ひとつ閉鎖する方針だ。造船業には受注ゼロへの危機、海運業には船腹の過剰、船主には税制の重荷や内部留保の不足などあるが、この地域は人的交流の強い産業クラスターと化しているために、シンガポールや香港にまるごと国外脱出などしたりしないだろう。

単純比較出来ない部分も多いが、ギリシアは確実に途上国へと転落しつつある。

ギリシャ政府が民営化庁会長を更迭、接待報道受け 2013年 08月 19日 11:20 JST ロイター

[アテネ 18日 ロイター] - ギリシャ政府は18日、倫理上の理由から民営化庁会長のステリオス・スタブリディス氏を更迭した。同氏が国営企業株を取得したばかりの実業家の自家用機で休暇に出かけたと報じられたことを受けた措置。

財務省は18日、短い声明を発表し、「ストゥルナラス財務相がきょう、ステリオス・スタブリディス民営化庁会長の辞任を求めた」ことを明らかにした。

同庁責任者の交代は半年足らずで2回目で、ギリシャの民営化プログラムをめぐる議論が再燃するのは必至の情勢だ。


同国に支援を行っている欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)にとっては、ギリシャの民営化の遅れや収入未達が頭痛の種になっている。

国際支援団は7月、2013年の民営化収入目標を10億ユーロ引き下げ、民営化庁の運営方法を見直すと発表した。

ただ、民営化庁のヤニス・エミリス最高責任者はロイターに対し、スタブリディス会長の辞任で民営化プログラムで影響を受けることはなく、「プログラムの遅れも絶対に発生しない」と述べた。


ギリシャ、国有資産売却の責任者にアサナソポロス氏を指名 2012/07/26 08:01 JST ブルームバーグ

ギリシャ国有資産の売却責任者が辞任へ-政府の支援不足嘆く 2012/07/21 02:26 JST ブルームバーグ

ギリシャ:債務危機で2014年までに鉄道売却か 2013年4月2日 23時17分 更新 IBT

ギリシャ政府は巨額の財政赤字から脱却するために、近年は歴史的遺産であるパルテノン神殿まで売却しようと試みてきた。ギリシャは日本の3分の1ほどの国土をもち、人口約1132万人(2011年/外務省ホームページより)の国である。

政府は直面している債務危機を回避し、迅速に債務を削減することを目指して、今年第2四半期末までにギリシャ鉄道(OSE)を売却するための入札を開始すると発表した。

 ギリシャの保守派議員コスティス・ハジダキス(Costis Hatzidakis)元運輸・通信相開発大臣と、ギリシャ民営化ファンドのギリシャ共和国資産開発基金(HRADF)マネージングディレクターのイアニス・エミリス(Yiannis Emiris)氏は、「政府は2014年初めまでに落札者を決定したいとしている」とニュースサイトekathimerini.comに語った。

 ギリシャ政府は広範囲にわたる資産の売却計画を進めている。HRADFは、資産売却を円滑に進めるための工夫として売却プロセスを一括して担う機関で2011年7月に設立され、ギリシャ政府から出資を受けた6年間の時限組織である。

 昨年、ロシア、ルーマニア、フランスが、すべてまたは一部の鉄道路線ネットワークへ興味を示した後に、当局は鉄道資産を分割し売却するように検討しているとロイター通信が報じた。

 ロイターによると、ルーマニア最大の民間鉄道会社GFR(Grup Feroviar Roman)が貨物事業に関心を表明している。ロシアは、ギリシャの鉄道ネットワーク全体とその運行部門(TrainOSEと呼ばれる)の購入を検討している。フランスの鉄道会社SNCFは旅客・貨物ルートを望んでいるという。

 OSEは、アテネ高速輸送鉄道を除く国内の鉄道インフラを維持管理している。約500の貨物・旅客路線からなる総延長2500キロの鉄道路線である。ギリシャ政府は英国が行ってきた鉄道事業の分割民営化戦略も視野にいれてきた。英国では1990年代に鉄道が民営化されたが、日本のように地域分割ではなく、線路と車両と運行会社がそれぞれ別々に分割された。

 しかしギリシャ政府は現在、鉄道事業すべてを対象にした入札を希望しているようだ。

 米ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、ギリシャは2011年当初、年末までに150億ユーロ(約1兆7885億円)、2015年までに500億ユーロ(約5兆9616億円)の国有資産の民営化を予定していたという。これは、ギリシャが欧州中央銀行(ECB)、欧州連合(EU)、国際通貨基金(IMF)から受けた救済資金3800億ユーロ(約45兆3079億円)に比べればわずかな金額だ。

 その後、ギリシャ政府は民営化目標を2015年までに190億ユーロ(約2兆2654億円)と下げた。そして昨年12月には、2016年までに110億ユーロ(約1兆3115億円)と目標値をさらに引き下げた。昨年は、国有資産の売却によりわずか17億ユーロ(約2027億円)を調達した。

 昨年12月に政府は財政再建のため、国の宝くじ事業を1億9000万ユーロ(約226億円)でギリシャのスポーツくじなどを手掛ける賭博事業会社OPAP社などに売却した。

 ギリシャ政府は、昨年9月にアテネの国営ショッピングモールをわずか8100万ユーロ(約96億円)で売却したとロイター通信は報じた。

 *この記事は、米国版 International Business Times の記事を日本向けに抄訳したものです。

政治的妖怪としてのベルルスコーニ 新章

冷戦終結後のイタリアの政界再編(タンジェントポリ=汚職の町)以後、中道右派及び保守が政権を担う際はすべて首相に就いた男、ベルルスコーニ氏。ただし、現在の大連立政権では、側近を副首相に送り込むに留めた。

そして、100件以上の訴追を受けている男が、公訴中に時効が進行する特異なイタリアの司法制度を以てしても、ついに有罪確定となった。

しかし、大連立政権が出来るまでの奮闘を考えると、現時点でのベルルスコーニ氏の政界追放は不可能と云って良い。

中道左派・中道穏健派・中道右派の大連立までの流れをかいつまんで説明すると、まず総選挙はベルサニ氏率いる中道左派が下院の過半数を制したものの上院はどの党派も過半数を制することが出来ず、下院優越原則のないイタリア議会では連立政権樹立か再選挙の必要性に迫られた。

最後のナポリターノ大統領斡旋による連立工作も失敗し、任期が間近の大統領は再選挙の決定が出来ず、そのまま次期大統領選挙が行われた。

大統領選は、中道右派と中道左派双方の候補推しのなかで党内の支持を失ったベルサニ氏が党首を逐われ、現職のナポリターノ大統領が再選した。

仕切り直しとなった連立工作は、中道左派で右派にも近いレッタ氏が首相指名を受け、ベルルスコーニ氏は内閣に入らないものの側近を副首相に据えた。

なぜか総選挙で下院を制した指導者がいなくなり、ベルルスコーニ氏が生き残っているという摩訶不思議な結末を迎えていた。

これが4月末の出来事だった。この政治的復活劇から舞台は暗転する。

イタリア最高裁は、ベルルスコーニ氏に対する脱税容疑について、禁錮4年(減刑1年)の下級審判決を支持した。一方、5年間公職禁止の判決は、下級審に差し戻す。

議会開催中の不逮捕特権はあるが、年齢を考慮した1年間の地域奉仕活動への従事または自宅軟禁の対象となり、選挙活動禁止、そのまま上院議員失職の可能性がある。差し戻し審の如何ではさらに一定期間公職禁止の可能性も残っている。

ベルルスコーニ元首相の有罪確定、連立政権に影響か 2013年 08月 2日 08:13 JST ロイター

イタリア国債上昇、ベルルスコーニ氏の有罪確定で混乱は想定されず 2013年 08月 3日 03:41 JST ロイター

ベルルスコーニ氏、「司法制度改革されなければ総選挙」 2013年 08月 3日 08:43 JST ロイター

焦点:有罪確定のベルルスコーニ氏、土壇場から起死回生なるか 2013年 08月 5日 14:28 JST ロイター

イタリア政権崩壊のリスク後退、ベルルスコーニ氏が事態鎮静化図る 2013年 08月 6日 09:03 JST ロイター

ECB、フォワードガイダンスで低金利をコミット

ギリシアとポルトガルから再燃しかねない欧州債務危機に対して、ECBは先手を打ってきた。先例を破って将来にわたる政策指針(フォワードガイダンス)を出して、低金利を継続することを約束した。

ユーロ圏、68億ユーロの対ギリシャ融資承認 分割で実施=関係筋 2013年 07月 9日 04:02 JST ロイター

ポルトガルの債務再編リスク高まる、デフォルト確率は約3割強 2013年 07月 9日 06:13 JST ロイター

ECB総裁、低金利の長期間継続を再表明 フォワードガイダンスの効果は見守る必要 2013年 07月 9日 04:06 JST ロイター

2011年11月30日のエントリーでは、

日本のように貯蓄過剰だった訳でもないのに、ユーロ高を背景に、自己資本比率規制(銀行の経営の健全性を保つために、自行の資本以上にカネを貸さないようにする規制)をすり抜けるため、カネを投資銀行やヘッジファンド経由で、米国やPIIGS諸国、新興国に貸しまくった。

ところがまさか毀損しないだろう、と思って買い込んでいたソブリン債がヘアカット(債務を一律減らす、ギリシアは半分チャラ)される、しかもCDSによる保険金が入らない。すると当然自己資本比率は悪化するので、もう貸せない上に、それを改善しなくてはならなくなった。必要なのは約3兆ユーロだそうだ。ニュースに出る部分は事業部門の売却だが、表に出てこない投資銀行、ヘッジファンド経由の投融資の売却も同じく進むので、デレバレッジは米国やPIIGS諸国、新興国を直撃する。

リスク資産のために売れる優良資産を手放せば、さらに持っている優良資産も値下がりする。で、また手持ちを売却せねばならない悪循環にはまる。破綻したデクシアとて、直近の自己資本比率は規制をクリアしていた。日本の事例を見る限り、総資産に応じて資本注入して、毎年の利鞘でバランスシートを改善するのが、長いようで一番近道だろう。


と、述べたが、ECBは資本注入ではなく、2011年12月22日のエントリーにある通り、資金供給オペを行い、果ては2012年2月8日のエントリーのように、不胎化オペでユーロを吸収してしまった。つまり、ドイツが政策上の足枷になっていたのだ。

しかし、QE3まで続けた米国は、株式市場への資金流入によって、金融機関のバランスシート改善と個人資産家の消費増加が起きた。また、住宅ローンの借り換えと住宅市場価格の反転によって家計のバランスシートも改善した。アベノミクスの量的緩和でも、資産効果による高額商品の消費増加が起きている。

ドイツがいかに反対姿勢を採ろうともこれだけの実例があっては反対しづらい。ともかくこれで、G7の中央銀行すべてが政策目標に対するコミットメントを伴う量的緩和の方向へと舵を切った。

ただし、米国は出口戦略を模索しているので、かつてのドル高円安を利用した円キャリー・トレードの巻き戻しと同様、ドル高観測によって、新興国市場とコモディティ市場から資金が米国に戻る(ゴールドマン・サックスなどが提唱する)“グレート・ローテーション”が起き始めている。

リーマン・ショック以降、QE1からQE3までの量的緩和の副次的効果で、新興国市場とコモディティ市場にドルが流れ込んだ。これが各国の政治経済に激烈な作用をもたらした。

たとえば政治的には“アラブの春”であり、経済的には中共のバブル拡大であった。潮が満ちるときも引くときも(外貨準備が少ないなど)足腰の弱い国家から内政の危機に陥っていく。ブラジル、トルコで新しい政治的混乱の火の手が上がってくることは決して無関係ではない。つまり“アラブの春・革命戦争篇”なり、中共のバブル崩壊となる訳だ。

米国の財政当局と金融当局と外交当局が、バラバラに行動することも混乱に拍車を掛けるだろう。
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