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国際海洋法に華夷秩序を持ち込む支那

中国の最高裁に当たる最高人民法院は、国際海事司法センターを創設すると発表した。『国際』と名付けられてはいるが、もちろん国際機関ではない。南シナ海の実効支配の強化に使うのだろう。中国共産党は、フィリピンがオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所にて申し立てている提訴に参加していない。

南シナ海問題、国際仲裁手続きへ 中国は反発 2015年 10月 30日 15:39 JST ロイター

こうした国際法を蔑ろにする外交方針は、米国のブッシュ・ジュニア政権時に似ているが、国際法秩序よりも華夷秩序への傾倒が感じられるし、“戦後レジームからの脱却”を反映するように新しいレジームを自国に有利なように構築する動きのひとつと云える。

2000年代、ブッシュ・ジュニア政権とその外交方針を主導していたネオコンは、自衛権を行使する際には先制攻撃も可能と主張したし、国際連合やNATOが利害対立で機能不全に陥ると、利害が合致する国々を糾合して有志連合を結成した。しかし、その当時ですら、イラク戦争はいくつかの安保理決議(687、1154、1441)に依拠していた。

国際法上の法源を(国際連合関連では)国連憲章や総会決議、安保理決議に求めることができる。国際法は、ほかに様々な条約や先例など慣習法の積み重ねによってつくられている。ただし、国際法に従うか否かは主権国家の判断が優越する。それゆえに国際法の執行は列強の軍事力によって担保されてきた。

つまり、列強は軍事力を行使するとき、同時に国際法をつくることもできる。裏返せば、先例のない国際法をつくるには圧倒的な軍事力で以って秩序をひっくり返さなければならない。歴史的な蓄積を無視して、新しい国際法とその秩序をつくるには、彼らは結局戦わなくてはならなくなる。

中国、「国際海事司法センター」を設置へ 2016年03月14日 BBC日本版

中国の最高人民法院(最高裁)は13日、領有権問題を扱う独自の「国際海事司法センター」を設置すると発表した。

現在開催中の全国人民代表大会(全人代)で活動報告を行った最高人民法院の周強院長は、「中国の国家主権、海洋権益やそのほかの核心利益を断固として守らなくてはならない」と述べた。

周院長は、新組織の詳細や果たす機能について触れなかったが、中国が「海洋大国」になることに貢献すると述べた。

中国は資源が豊富な南シナ海で、近隣国と領有権をめぐって対立しており、中国が進める人工島の建設で緊張がさらに高まっている。日本とも尖閣諸島(中国名:釣魚島)の領有権を争っている。

中国は南シナ海、東シナ海で広範囲に領有権を主張しているが、フィリピンやベトナム、ブルネイ、マレーシア、台湾、日本の各国の領有権の主張と重なっている。

フィリピンは中国との領有権紛争で、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所に提訴。中国が「九段線」に基づいて主張する領有権は、両国とも署名した国連海洋法条約の下では無効だとしている。

一方で中国は常設仲裁裁判所に管轄権がないと主張し、訴訟に参加していない。

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中国共産党の怖れるソビエト連邦崩壊の影

もはや信じがたいほどに跡形がなくなったが、約25年前にはソビエト連邦とワルシャワ条約機構が世界の半分を支配していた。

政治や経済や思想の領域を含めて世界の半分に影響を与えていた帝国の滅亡。

その責めと咎を負うのはゴルバチョフ書記長ひとりか、やはりソビエトの硬直化したシステムを更新できなかったことが原因か、それともすべては西側の攻勢に帰せられるべきか、おそらくはそれらが複合的に重なっているのだろうが、中国共産党はソ連崩壊に己の運命を重ねるのだろうか。

China's Greatest Fear: Dead and Buried Like the Soviet Union March 11, 2016 The National Interest

ナショナル・インタレスト誌は「ソビエトのように滅び、歴史に埋没することを怖れる中国共産党」という表題で論説を書いている。論説はソビエトとは違う、と述べている。

経済的に立ち遅れた足手まといの同盟国を抱えていないこと、世界のサプライチェーンの一部として組み込まれていること、何より冷戦にさらされていないことを挙げる。

足手まといの同盟国を抱えていないのは、中ソ対立と中越戦争によって共産主義の同盟国を持ち得なかったことが幸いしたに過ぎず、“一帯一路”に伴う過大な投融資と上海協力機構がワルシャワ条約機構のように重荷になるかもしれない。

世界のサプライチェーンの一部として組み込まれているのは、米国が我が国のキャッチアップに対抗するために、産業を情報通信分野に集中させつつ、それらの非戦略部門の組み立てなどは海外へアウトソーシングした外的要因を忘れてはならない。

冷戦にさらされていないにせよ、米国のピボットとインド洋~南シナ海~東シナ海に面した国々の反発に人民解放軍の攻撃が組み合わさったとき、対中封じ込めが行われる可能性は否定出来ない。

特に世界のサプライチェーンの一部となったということは、日米資本主義の決戦における両者の廉価な労働力の供給源として見出されたからに他ならない。現在の中国の繁栄はその結果としてもたらされた。

米国の産業競争力回復のための戦略的要地として中国が見出され、我が国は迂回貿易構造に組み入れた中韓の二国に、基幹部品やサービス(付加価値)を輸出して、非戦略部門の組み立てをさせて、完成品の製品とサービスを米国に輸出する。我が国は米国のゲームに乗って、そのルールを最大限に利用したのだ。

OECDとWTOが発表した付加価値ベースから見た貿易統計では、我が国の最大輸出相手先は中国ではなく米国であることが明示されていた。

貿易収支を付加価値ベースで見た場合、2009年の日本の対米貿易収支に関しては、貿易総額で見た220億米ドルから、付加価値で見れば360億米ドルへと、60%も増加することとなる。また対中貿易黒字は、付加価値で見ると20.8億米ドルにまで下落し、対韓貿易黒字も3.6億米ドルまで下落する。つまり、中韓との貿易が東南アジア諸国と代替可能であることを示唆している。

日米が撤退するに至り、彼らはどうやら“中所得国の罠(中進国の罠)”に陥ろうとしている。人口ボーナスも終わり、付加価値もなく残ったのは国有企業の過剰供給力だけ、となる。

軍事力の拡張や社会保障の拡大を支える資金力は、FRBの量的緩和と連動していたが、バブル崩壊とFRBの利上げで急速に資本逃避が起きており、人民元の資金供給量も減る。人民元の国際化で加速しかねない資本逃避に抗する選択肢は、資本勘定を厳格化するか、人民元切り下げを容認するかのいずれかと見られている。

彼らのサプライチェーンは我々にとって必ずしも要るものではなく、過剰供給力の捌き先を“一帯一路”に求めるとき、インド洋~南シナ海~東シナ海に面した国々との対立は深まり、集団安全保障の核となる上海協力機構に比重を傾けねばならないし、ソ連と衛星国のように閉じた経済になる道が待っているかもしれない。そのとき初めて、中国共産党にソビエト連邦崩壊の影が差す。

ドイツ帝国の滅亡に学ぶ中国共産党

中国は、陸軍国が海軍国としても両立しようと努力して失敗したフランス、ドイツ、ロシア(ソ連)の事例をどう乗り越えていくつもりなのか?

ナショナル・インタレスト誌の論説は、中国共産党の海洋進出を第1次大戦前の英国とドイツの建艦競争から教訓を得ている、と述べた。ナショナル・インタレスト誌は、ネオコンの創始者アーヴィング・クリストルによって1985年に創刊された。

China's World War I Master Plan to Take on the U.S. Navy February 28, 2016 The National Interest

ドイツ帝国は、将校を輩出するユンカー(プロイセンの土地貴族)のためにロシアからの農作物に対して保護関税を掛け、それを元手として関税に不満を持つ産業資本家(クルップ家など)のために英国に対抗しうる建艦競争を繰り広げる。国内の利害関係者はそれで収まるかもしれないが、諸外国に対しては配慮のない機会主義に基づく外交の結果はドイツ包囲網であった。

当時の大英帝国も最初はドイツとの提携を望んだが、日英同盟から日露戦争とその勝敗の結果、英仏協商と英露協商とそれぞれ勢力圏における妥協が成立して、ドイツは孤立することとなり、二正面作戦(シュリーフェン・プラン)を余儀なくされ、その作戦も徹底できず、フランスを最初期のうちに撃破できなかったことが帝国の滅亡につながった。

ドイツ帝国を学んでいるという中共は、必ずしも自国のシーレーンに対する包囲網形成を阻害できていない。

オバマ政権初期にG2(アメリカと中国)体制の構築を唱える論文が、アメリカのシンクタンクCFR(外交問題評議会)の発行する雑誌フォーリン・アフェアーズに掲載されていたが、現状はむしろ逆の米中対立のコースへと向かっている。

米ソの冷戦と同じ状況になったとして、中共はかつてのソ連と同様に自らの足を引っ張る同盟国しか持ち得ない以上、封じ込め戦略を採られた場合、長期的に勝利はあり得ない。ロシアの向背が大きく左右することになるだろう。さらに中共にソ連と同様の自制心が期待できるかわからない。

ウクライナ危機以降の経済制裁などで反目と対立を深める一方で、シリア内戦においては妥協を図る米露と同様に、米中が反目と妥協を行えるか否か。もっともその妥協が、我が国とそのシーレーン線上の諸国を犠牲にして成されるのは避けねばならない。

ヘッジファンドVS中国共産党、3兆ドルの攻防戦

中共の外貨準備高の減少=資本逃避が続いている。2014年には1343億ドル、2015年には約1兆ドルが流出した。外貨準備高は、2015年1月には995億ドル減って、3兆2300億ドルとなった。

この急速な資本逃避は、約25年間続いてきた新興国への資本投下から、今後約25年間は続くと思われる先進国への資本還流の始まりだろう。

中国外貨準備は12月末3.33兆ドル、減少幅が月間・年間とも過去最大 2016年 01月 7日 20:15 JST ロイター

中国の外貨準備高、大幅減少続く 1月末995億ドル減 2016/2/7 20:14 日経

中国の資本流出が止まらない…1年間で1兆ドル! ソロス発言で元売りドル買いがさらに加速か? 2016.2.9 08:00 産経ニュース

資本逃避に抗する選択肢は資本勘定を厳格化するか、人民元切り下げを容認するかのいずれかと見られている。

人民元が切り下げられると見越して、著名なヘッジファンドのマネージャーが人民元をショートしている。ダボス会議で中国のハードランディングは不可避としたジョージ・ソロスほか、スタンレー・ドラッケンミラー、カイル・バスが挙げられる。

ソシエテ・ジェネラルによれば、国際通貨基金(IMF)の指針では中共が円滑に輸出入や対外債務の返済を行うには2兆8000億ドルの外貨準備が必要とされる。現在の推移では約半年でこの水準まで落ち込む。

一方、香港上海銀行(HSBC)のアナリストは理論上2兆ドルで充分とするなど、見方は様々だが、外貨準備の中身に流動性があるかでも変わってくる。外貨準備高3兆ドルのラインが心理的限界と指摘するアナリストもいる。

また、資本逃避は爆買いでも起こり得る。ソシエテ・ジェネラルのアナリストの試算によれば、全人口の約5%に相当する6500万人がそれぞれ国内から上限5万ドルを引き出した場合、2014年12月末の外貨準備高3兆3000億ドル(約398兆円)が消え失せる。ソシエテ・ジェネラルは中共は資本規制を導入する、と見ている。

習政権にとって“人民元自由化”は自滅の道 日本としては大いに結構 2016.1.9 10:00 産経ニュース

中国は恐らく資本規制を導入、外貨準備高が世界最大でも-ソシエテG 2016/02/02 15:53 JST ブルームバーグ

焦点:急減する中国外貨準備、いつ限界水準に達するか 2016年 02月 24日 14:38 JST ロイター

では、人民元をショートする側はどう見ているのか。

ヘイマン・キャピタル・マネジメントを創業したカイル・バスは、リーマン・ショックで米国の銀行が負った額よりも大きい額が不良債権となり、銀行のバランスシートが毀損して、資産を失えば、政府が救済せざるを得ず、人民元を増刷して人民元の切り下げに繋がると見ている。

Kyle Bass: China banks months away from ‘danger territory’ Wednesday, 3 Feb 2016 | 2:25 PM ET CNBC

中国の銀行が被る損失、サブプライム危機時の米銀の4倍超-バス氏 2016/02/11 14:09 JST ブルームバーグ

ドルとペッグしていた人民元は、2005年以来50%も上昇した。一方、中共の銀行の総資産は10倍に膨れ上がった。10年前に2兆9000億ドルだったのが、現在は(簿外を含めて)34兆5000億ドル余りにまで膨れ上がった、とカイル・バスは試算する。

簿外だった資産運用商品が破綻し始めており、銀行のバランスシートに戻されているが、貸し倒れを隠すために信託受益権を利用している。

しかし、スタンダード・アンド・プアーズによれば、1兆ドル相当に問題が生じている。これが表面化したとき、バランスシートが毀損した銀行を救済するために人民元を増刷する必要が生じ、人民元の対ドル相場を30%余り切り下げる圧力となるかもしれない、とカイル・バスは指摘する。

空母打撃群の代わりに洋上原発と人工島を

中共では、2020年までに洋上原発を建設して運用開始する、という計画が持ち上がっている。これは人民解放軍が提唱する、“接近阻止・領域拒否(Anti-Access/Area Denial, A2/AD)”の戦略を補完する目的として考えれば良い。

空母打撃群を整備・運用出来ない人民解放軍にとっては、その代替策となり得るのが洋上原発と人工島の組み合わせである。洋上原発によって、人工島に安定した電力と淡水を供給できるようになれば、その運用を強化できるからだ。

焦点:東シナ海で日本版「A2AD」戦略、中国進出封じ込め 2015年 12月 18日 12:53 JST ロイター

China’s Curious Dream of Floating Nuclear Plants on the Ocean FEB 17, 2016 Singularity Hub

彼らの戦略目標は、南シナ海のプレゼンスを強化し続けて、そのプレゼンスの排除が政治的にも軍事的にも困難であると思わせることによって、彼らの主張する“接近阻止・領域拒否(Anti-Access/Area Denial, A2/AD)”の軍事的境界線を拡張させて、近隣諸国に認めさせることにある。

「航行の自由」作戦は、このプレゼンスを無効化するために彼らの主張する人工島の領海・領空・防空識別圏を航行・飛行する。

2015年6月14日のエントリーで述べたように、

中国共産党が南シナ海で埋立を進めている人工島に滑走路や港湾を建設して、航空機や艦船の運用を開始した時点が戦争の阻止限界点になるだろう。おそらく2016年までには運用開始できる、と予測される。

人工島の埋立が第1段階、港湾などの建設が第2段階、艦船などの運用の開始が第3段階と、次第にエスカレートしていくが、周辺各国は復仇の原則に従って、同様に岩礁の埋立や港湾の建設や民間人の移住を進める。

現在審議されている安保法制の眼目は、南シナ海のシーレーン防衛のために集団自衛権が必須だという点にある。筆者は2015年の世界情勢を1939年のそれに近似する、と比定している。

すると、来たる2016年は1940年となる。日米戦争の阻止限界点として仏印進駐が挙げられるが、人工島の運用開始は中共VS日米豪・ASEANの阻止限界点として後世、挙げられるかもしれない。

手遅れの“魚蛋革命”

旧正月に賑わう香港の繁華街、旺角(モンコック)で警官隊と群衆が衝突する騒ぎが合った。路上で「Fishball」「魚蛋」と呼ばれる食べ物を商う屋台が排除されたのをきっかけにして、投石や放火、群衆の逮捕や流血が起きる事態となった。

本土派號召300人旺角撐小販 警開兩槍 2016年02月09日 蘋果日報

'Fishball Revolution' Creates Chaos on Hong Kong Streets During Lunar New Year Fest February 9, 2016 | 6:05 am VICE News

香港警察与抗议者爆发冲突 2016.02.09 14:50 VOA

「Fishball」「魚蛋」とは、魚肉の練り物でつみれやさつま揚げを連想すれば良い。ツイッターのタグには#FishBallRevolutionや#魚蛋革命が現れ、ストリーミング映像も配信されていた。しかし、オキュパイ・セントラル(中環)から雨傘革命の流れが頓挫して、大富豪の李嘉誠氏が「奔香投欧」(香港から奔走して欧州に投資する)して、香港から財産の自由を支える要素はなくなった。

また、銅鑼湾書店という独立資本の書店の関係者が続々と行方不明となり、香港から言論・出版の自由が無くなったこともあり、屋台を巡る乱闘が革命に直結する要素は見られない。

確かに支那の伝統には、統治者は民衆の直接行動に弱いという点がある。天安門事件などで弾圧し放題な例に気を取られがちだが、2011年8月に遼寧省大連市の化学工場の撤去、2011年10月に浙江省湖州市のミシン税導入の撤回などの事例がある。

ただし、屋台の営業ごときは賄賂で解決するのが支那人の流儀であるし、'Fishball Revolution'や“魚蛋革命”というのは気休めや戯れにしかならない。

サラフィー主義が浸透する回族

新疆ウイグル自治区からイスラム原理主義過激派の分派が発生するのではないか、と思っていたが、豈図らんや漢民族が9割を占める甘粛省にサラフィー主義(サラフィズム)が浸透して、ジハード主義(ジハーディズム)が蔓延するのではないか、と危惧されつつある。

甘粛省の臨夏回族自治州に属する臨夏市は人口25万人の60%がムスリム(いわゆる回族)である。リトル・メッカと呼ばれるこの都市にサラフィー主義が浸透し始めていて、中国共産党の警戒するところとなりつつある。

共産党はサラフィー主義の学校を閉鎖し、聖職者を拘束するなど、サラフィー主義そのものを監視下に置いている。臨夏市のムスリムはサラフィー主義に接するうちに格差と不平等解消にジハード主義が有効であることを見出すかもしれない。

原理主義と過激派の回廊が、新疆ウイグル~旧ソ連圏のチュルク系国家~トルコ~隣接するシリアのISIS(イスラム国)支配地域へと繋がるよりも先に、甘粛省~内モンゴル自治区(内蒙古)~河北省~北京市・天津市が繋がるかもしれない。

In China, rise of Salafism fosters suspicion and division among Muslims FEBRUARY 1,2016 2:00AM Los Angels Times

Experts say that in recent years, Chinese authorities have put Salafis under constant surveillance, closed several Salafi religious schools and detained a prominent Salafi cleric. A once close-knit relationship between Chinese Salafis and Saudi patrons has grown thorny and complex.

Locals in Linxia say that in the city, relations are good, but in the countryside, where traditions are more entrenched, spiritual disagreements have created a deep social divide.

Although many Chinese Salafi are avowedly nonviolent and apolitical, their faith is fraught with risk, underscoring an increasingly strained relationship between the Chinese state and its Muslim citizen

"China discriminates against religious people — not only Salafis, but also people from other religions," said a local Salafi man who, like many interviewees in Linxia, requested anonymity given the sensitivity of the subject. "We don't have equal rights."

“自由”に踏みとどまった台湾

台湾では総統選挙と立法院選挙が同時に行われた。下馬評通り、次期総統には蔡英文女史(民進党)が当選、立法院の与党には過半数以上を制した民進党が躍り出た。民進党の地滑り的勝利は北東アジアの地政学的変化を表している。

台湾総統選、民進党・蔡氏が圧勝 中国は独立の動きけん制 2016年 01月 18日 06:44 JST ロイター

台湾2016年立法院選挙結果(一院制 定数113・過半数57)
民主進歩党(中道左派・リベラル 泛緑連盟) 68
国民党(中道右派・保守 泛藍連盟) 35
時代力量(中道左派・ポピュリズム) 5
親民党(保守 泛藍連盟) 3
無党団結連盟(保守) 1
無所属 1
※泛緑連盟は台湾独立志向、泛藍連盟は中国統一志向

もともと民進党は反原発(台湾第4原発の凍結)、軍隊内部の人権擁護(洪仲丘事件)、LGBTの容認姿勢などを掲げており、左翼・リベラル的色彩が濃いにも関わらず、我が国の中道右派・保守が支持するというねじれ現象が起きていた。この現象は自由と民主主義の価値尊重、安全保障の必要性の観点から起きており、これらを無視する我が国の極左・リベラル勢力は民進党に目立ったアプローチをしていない。

支那大陸とその周縁部では政治的自由が死につつあることを考慮すれば、台湾が踏みとどまったことはもっと重要視されて良い。特に、“雨傘革命”(香港)と“ひまわり学生運動”(台湾)が起きた2014年は、両者の分岐点として記憶されることになるだろう。二つの運動は共に違法な示威行動であったが、それだけ切羽詰まった状況だったことを示しており、ここで反転攻勢できたかが違いを生んだ。

香港では中国共産党を批判する独立資本系書店の店員が当局に拘束されて、言論の自由はほぼ死んだ。韓国では従軍慰安婦問題で国内における主流見解と異なった論を著した大学教授が刑事告訴されて、言論の自由が怪しくなっている。

言論の自由の侵害とは、公に当たる行政府、立法府、司法府が言論機関の閉鎖、出版物の発刊停止、記事に対する事前閲覧と訂正削除の強制、記者の拘束をする場合を指すので、香港の自由が瀕死であることが窺える。

安全保障では台湾海峡が地政学的リスクとして急浮上する。注目されるべきは金門島であろう。金門島~福建省間の給水が2016年のうちに開始される予定だ。これに依存することになれば、給水制限を受けたり、給水停止されるだけで金門島は死命を決せられるようになる。

参考URL:
蔡英文候補、総統府前広場での最終演説全文(日本語訳) 2016年1月16日 日本李登輝友の会

日米のニュークリア・シェアリングを促進する北朝鮮

核兵器なかりせば体制の存続おぼつかぬ、と北朝鮮が考えることに一定の妥当性がある以上、彼らがそれを放棄する訳もなく。

大量破壊兵器開発の疑惑を払拭できなかったイラクのフセイン大統領はイラク戦争で捕縛されて刑死した。また、大量破壊兵器開発を放棄したリビアのカダフィ大佐は内戦に軍事介入されて敗死した。

そして、北朝鮮からの技術供与を受けて原子炉を建造していた(その後、イスラエルの空爆によって破壊された)シリアのアサド政権は内戦の渦中にあり、核開発の暫時凍結に合意したイラン・イスラム共和国はスンニ派との抗争に入っている。

一方で、核兵器を開発保有したパキスタンはそれ以降インドとの全面戦争をしなくなった。北朝鮮は破綻した経済ながらも体制を維持している。

North Korea nuclear test meets with familiar response from White House Wednesday 6 January 2016 23.21 GMT The Guardian

North Korea won't surrender its nuclear weapons – sanctions or no sanctions Wednesday 6 January 2016 10.43 GMT The Guardian

ガーディアン紙によれば、現在のオバマ政権が、北朝鮮に課している経済制裁は弱い。ユーゴスラビア内戦時のセルビア、つい最近までの軍政下にあったミャンマー、およそ半世紀ぶりに国交回復したキューバ、ムガベ独裁政権下にあるジンバブエ、そして核合意を果たしたイランのそれらより緩い。

今後、対北朝鮮の経済制裁を強めるとして、利害関係国の妥協点はどこに落着するのか。

2012年3月以降、イランは国際金融取引を停止され、イラン産原油に関する保険禁止措置を受けて事実上の輸出禁止措置を受けた。この措置に伴い、イランの外貨準備高は、2011年末の1060億ドルから2012年10月頃には500~700億ドルまで減少したと見られ、年率換算で政府発表20%、実態は50~60%のインフレに見舞われた。

イラン国内では抗議デモが何度か行われたが、一連の“アラブの春”のように体制が揺らぐことはなかった。アラブ・中東と同様の革命・内戦が起きるほど、イランの若年層はもはや多くはない。イラン・イスラム革命の時点が若年層人口のピークであり、またハタミ大統領の当選の時点が中間層の政治的高揚のピークだった。

結果、幾度かの交渉の延長を経て、2015年4月には約10年間の核開発の凍結にこぎ着けた。つまり、軍事力による圧力とその行使がなければ、ここまでが限界ということを露呈している。

“世界の警察官”であることを辞める、と宣言したオバマ政権から共和党の大統領に代わるとしたら、どうだろうか。

共和党内の伝統的な保守派とリバタリアン的な茶会党は、いずれも孤立主義の傾向があり、レーガン政権下に民主党支持から共和党に鞍替えしたネオコン(いわゆるレーガン・デモクラット)のような対外拡張主義を採っていない。それに米軍は人的被害を著しく嫌う。そもそも米兵の命の値段は北朝鮮兵の命の値段と釣り合わない。

民主党と共和党に共通した孤立主義は、地域ごとの覇権を目指す国家間同士の利害衝突、もしくは勢力均衡を促進する。この過程を利用して、我が国は“戦後レジームからの脱却”以後のレジーム・チェンジで勝利者になろうとしている。例えば北朝鮮や中共との勢力均衡のために、自国の核開発や日米のニュークリア・シェアリングを促進することもあり得るからだ。

言論の自由は書店員とともに消える

銅鑼湾書店という独立資本の書店の関係者が続々と行方不明となり、ひとりが英国市民であるとして外交問題となっている。我々は、香港から言論・出版の自由が無くなる瞬間を目の当たりにしている。

しかし、生命と財産の自由のないところに、言論と信教の自由はなく、また集会と結社の自由もない。つまり国民が各政党から代議士を選び国を運営するような議会制民主主義など発生しない。

オキュパイ・セントラル(中環)から雨傘革命の流れが頓挫して、李嘉誠氏の「奔香投欧」(香港から奔走して欧州に投資する)が象徴するように、財を成した資本家がキャピタル・フライトした2014年末に、香港の運命は決したと思われる。

英、香港の書店関係者不明に懸念表明 1人は英国市民 2016年 01月 5日 20:11 JST ロイター

香港銅鑼灣書店案:中英展開外交交鋒 2016年 1月 5日 BBC中文網

現在の中国がいかに経済発展したといっても、香港含めて中国において、租税を担うだけの私有財産を持つ者とはブルジョワジーであり、彼らが制限的な一種の身分制議会を作ればよいのだが、共産党支配下においては彼らは忌むべき存在である。よってここでも自由は萌芽のうちに摘み取られる。

一方で、支那の伝統には、統治者は民衆の直接行動に弱いという点がある。天安門事件などで弾圧し放題な例に気を取られがちだが、2011年8月に遼寧省大連市の化学工場の撤去、2011年10月に浙江省湖州市のミシン税導入の撤回などの事例がある。

民意を取り入れる間接的な仕組みが弱いため、特に直轄の軍事力が弱いため、支那の統治者は『民信なくば立たず』として要求を受け入れざるを得なくなる。時には理不尽な要求を民衆がしても、それに乗じることが支那の政府にはあり得るのだ。

ただし、理不尽な要求であってもそれが通るのは、あくまでも目に見えるモノだからであって、自由といった観念は彼ら支那人には扱いづらい。この辺は香港と台湾も大差なく、その政治的センスを磨き始めたのは、1995年から1996年の第3次台湾海峡危機(初の民選による総統選挙が1996年に行われた)と1997年の香港返還の前後からであった。

香港では、雨傘革命に発展した民主化デモの焦点となったのは、2017年の香港行政長官選挙だった。2011年11月の香港区議会選挙で中央に批判的な民主派が大敗して、行政長官の直接選挙は見込めなくなった上に、間接選挙の代理人から民主派が排除されたのも要因となっている。オキュパイ・セントラル(中環)・雨傘革命の敗因は、議会やメディアなど占拠できる場所がなかったことにもあるのではないか。

対して台湾では、両岸サービス協定の批准拒否に明確な利害関係が存在したし、学生は違法に議会を占拠したにも関わらず、世論の支持を受けており、鎮圧されなかった。また同国には、普通選挙の実績と機会が存在している。1996年の台湾の総統選挙と1997年の香港返還は、まさに両者の命運を分けたと云える。

信用を蕩尽する支那人、蝗害の如し

「子は怪力乱神を語らず」とあるように、孔子は形而上学的な存在について論じることがなかった。この儒者の態度は支那人一般に共通する、眼に見えないものは理解できない、という行動様式に繋がる。

挙げて“福禄寿”のみを追求し、人間の生活とは本能から来る欲望を満たすだけで良く、血のつながりを何より優先し、残すところはそれらを実現させるために必要な財産だけ、という徹底した現世主義に到達した。

とすると、哲学でいう心、精神の問題はどう扱われるのだろうか? これについて乾隆朝の哲学者・戴震(たいしん)の説に拠れば、

「心は確かにあるが、その機能は目や耳と同じ働きをする感覚器官にすぎない。これに特別な身体を支配する高級な役割があると見なすのは間違いである。確実に存在するものは、味覚とか視覚とか五官から出る欲望だけで、これを満足させればよい」と、云うのだ。

次に、宗教でいう神仏や人間の良心や道徳、また過去から未来についての認識はどう捉えるのだろうか?

朱子学は仏教が説くこれらを攻撃して、一方で仏教の論理を援用して“道”という考えを説きだした。

その“道”には、始発もなければ終着もない。川の流れのようにたとえられる。この流れに身を任せた様を彼らが想像してみると、すべては絶えず変化していく相対的なものであると考える。ところがこれが虚無主義につながらないのだ。そんなものを考え出す元凶となる精神の存在を認めないからだ。

かくて「子は怪力乱神を語らず」の呪縛によって、ついに時間と空間を超越するような精神的飛躍を、自家薬籠中の物とすることができなかった彼ら支那人は、例えば便宜的に人格を付与した法人(会社)に、永続的な生命を持たせて、その信用を継続させるという考え方そのものが成立するような契機を失ってしまった。

中国受注のインフラ、延期やトラブル後を絶たず 2016年01月01日 19時59分 読売新聞

発電所のボイラーが中国基準、部品を交換できず 2016年01月01日 22時19分 読売新聞

支那人の社会における信用形成の欠如は、自国の製品とサービスに対する信用の蕩尽に、そして海外での“爆買い”に繋がった。“爆買い”が信用形成の欠如と信用の蕩尽から発している以上、日本の小売店やレストラン、ホテルもまた信用を蕩尽されて、自社の信用毀損に晒される。まるで蝗害のように。

こうした支那人の信用の蕩尽は対外的な信用の毀損にも繋がっている。日中が競合する東南アジアのインフラ整備で早速、その信用を疑うに充分なトラブルが発生している。彼らの儒教的価値観からもたらされている以上、これは抜きがたい宿痾と云うべきだろう。

彼らの従軍慰安婦の物語

彼ら韓国人の従軍慰安婦にまつわる物語は客観的なストーリーにせよ、主観的なナラティブにせよ、シンパシーを感じる人々に訴えかける情緒やリアリティがなければならないし、外交的決着が図られた時にはその物語の効力は一旦無効化され、仕切り直しには新しいストーリーやナラティブを必要とする。

その意味で、最終的かつ不可逆的(finally and irreversibly)に解決した、という外相会談後の発言は彼らの物語を続けるためのハードルの高さを予感させる。

第2次安倍政権は、慰安婦の公権力による強制連行を否定し、河野談話を継承しながらもそれを検証し、朝日新聞の従軍慰安婦に関する誤報を追及し、同紙に謝罪及び訂正記事を掲載させてきた。

また、岸田外相は日韓の請求権問題は解決済み、との談話を出し、慰安婦問題については日韓外相会談で、最終的かつ不可逆的に解決した、とされた。

もともと従軍慰安婦問題の焦点は、公権力による強制的な連行があったか否かであった。そして、強制連行の事例はついぞ現れなかった。その後、強制の定義を修正しようと、吉見義明・中央大学教授は、その著作『従軍慰安婦』で、次のように述べている。

その女性の前に労働者、専門職、自営業など自由な職業選択の道が開かれているとすれば、慰安婦となる道を選ぶ女性がいるはずはない・・・たとえ本人が、自由意思でその道を選んだように見えるときでも、実は、植民地支配、貧困、失業など何らかの強制の結果なのだ。

『従軍慰安婦』[6,p103] 岩波新書 吉見義明・著 平成7年4月刊行より


かくて強制連行のストーリーは広義の強制性のストーリーに代えられて、河野談話とその外交的決着は強制性のストーリーに沿って進められた。韓国側が決着されたはずの従軍慰安婦問題を蒸し返したときには、強制性の文言はとうに陳腐と成り果てて、使えなくなっていた。

そこで性奴隷(Sexual Slavery)という新たな(主観的に語れる)ナラティブを作り出して、慰安婦に悲劇性を与えた。この虚構のナラティブに実在性を付与するため、また性奴隷に落とされた偶像を崇拝するがごとく、慰安婦像をカリフォルニア州やバージニア州に打ち立てた。このナラティブも日韓外相会談によって効力を失うこととなった。

三度、従軍慰安婦問題を持ち出すには強制連行や性奴隷を上回るだけのストーリーやナラティブを作り出さなくてはならない。依童としての慰安婦も寿命が尽きてリアリティを与えにくくなる。善意の第三者が耳を傾けるだけの何かが必要だからだ。

もちろんまだ見ぬ新たな物語は虚飾に満ちているだろうが、そうであるがゆえに彼らにとって作り甲斐もあるだろう。

日韓首脳3月会談浮上 最終決着共同文書を検討 慰安婦問題 28日外相合意なら 2015年12月27日 00時03分 西日本新聞

Japan and South Korea agree to settle wartime sex slaves row Monday 28 December 2015 12.19 GMT The Guardian

Japan and South Korea Settle Dispute Over Wartime ‘Comfort Women’ DEC. 28, 2015 The New York Times

Japan and South Korea agree WW2 'comfort women' deal 28 December 2015 BBC

South Korea, Japan reach agreement on 'comfort women' Updated 0852 GMT December 29, 2015 CNN

South Korea, Japan Hold Talks on Wartime Korean Sex Slaves Dec 28, 2015, 12:50 AM ET ABC

South Korea, Japan Reach Deal On Women Forced Into Sexual Slavery 12/28/2015 02:36 am ET AP/The Huffington Post

参考URL:
日韓両外相共同記者発表 平成27年12月28日 外務省

Announcement by Foreign Ministers of Japan and the Republic of Korea at the Joint Press Occasion December 28, 2015  Ministry of Foreign Affairs of Japan

Resolution of the Comfort Women Issue Washington, DC December 28, 2015 U.S. Department of State

台湾人のつくる『想像の共同体』

過日亡くなったベネディクト・アンダーソンが著した『想像の共同体(原題:Imagined Communities)』は、ナショナリズムの発生過程を紐解き、国民(ネイション)が想像によってつくられた政治的共同体である、と喝破・説明した。

政治的共同体には、過去と現在と未来を均質に貫く歴史的空間が存在している。そして、国語によって語られる神話と物語が国民を涵養する。

しかし、それが単なる想像の産物だと曲解されて、ナショナリズムを否定的に捉える人たちに、あくまでも虚構の存在であると云われる原因ともなった。ナショナリズムを否定する人たちが掲げる主義主張もまた、想像の産物である。

「想像の共同体」著者、アンダーソン氏が死去 2015年12月14日 12時51分 読売新聞

【ジャカルタ=池田慶太】インドネシアの英字紙ジャカルタ・ポストなどによると、ナショナリズム研究の第一人者で著書「想像の共同体」で知られる米国の政治学者ベネディクト・アンダーソン氏が13日、訪問先のインドネシア・東ジャワ州のホテルで死亡しているのが見つかった。

 79歳だった。病死とみられる。

 アンダーソン氏は1936年、中国・昆明で生まれた。米コーネル大でインドネシア研究の博士号を取得し、同大教授を務めた。専門は政治学と東南アジア研究で、開発独裁を進めたスハルト体制を批判し、インドネシア政府から一時退去処分を受けたこともある。


今なぜ台湾で「懐日映画」が大ヒットするのか 2015年12月02日 東洋経済オンライン

台湾では日本統治時代を舞台にした映画が作られ、往時の歴史的建造物の保存が進んでいる。またいくつかの神社を史跡として再建する動きもある。日本を抜きにして、彼ら台湾のアイデンティティを語ることはできないからだ。ただし、この70年前の国民の神話と物語を外省人とその子孫、最近婚姻などで流入してきた支那人は共有していない。

外省人がこの物語をどう受容するか。今のところ、映画の舞台や歴史的建造物の保存などは台湾南部に多い。この地域は本省人が多数派を占めている。この物語は本省人と外省人の分裂の火種になるかも分からない。

また『想像の共同体』が指し示すのは、台湾独立には公用語をマンダリンから台湾語に変更することが必要ということだろう。その時、本省人と外省人の決定的な分裂が到来するのかもしれない。

対テロ戦争に同調できない中国共産党

2015年11月29日のエントリーで取り上げた、マリの首都バマコのホテルにおけるテロでは、中国人も被害に遭っている。ISISに殺される中国人の人質も出てきた。

原理主義と過激派の回廊が、新疆ウイグル~旧ソ連圏のチュルク系国家~トルコ~隣接するシリアのISIS(イスラム国)支配地域に生まれつつある。

タイの首都バンコク郊外にあるヒンズー教寺院エラワン廟で起きたテロは、タイを経由してトルコに亡命するウイグル人を送還する措置をタイ政府が取り始めたことに、ひとつの原因があった。

これに対応する中国共産党のテロリスト掃討作戦では、洞窟に追い込んだテロリストの家族ごと火炎放射器で焼き払い、生き残った者たちも射殺した、と報じられている。常識的にウイグル人の独立闘争の激化を招くだろう。

しかし皮肉なことに、報復を狙って、原理主義と過激派の回廊からテロリストが襲来する、としても彼らのこの回廊地域に対する積極的政策は、我が国と同様に投融資による“一帯一路”の戦略に限られているのだ。覇権国として台頭しようとする意欲はあっても、軍事的展開能力や政治的力量は米露や英仏に及ばず、我が国同様、発展途上にあるということを示している。

China forces used flamethrower to hunt Xinjiang 'terrorists': PLA newspaper NOV 23, 2015, 6:49 PM SGT The Straits Times

ISIS: Chinese Hostage 'Executed' November 19, 2015 The Diplomat

What Is China's Plan for Fighting Global Terrorism? November 27, 2015 The Diplomat

中国の敵は「イスラム国」より少数民族 パリの同時テロ受け 撲滅口実に監視強化か 2015.11.27 06:15 産経ニュース

中国新疆で子供や女性11人の殺害情報 米政府系ラジオ 火炎放射器使用か 2015.11.25 21:01 産経ニュース

 米政府系放送局ラジオ自由アジアは25日までに、中国新疆ウイグル自治区アクス地区で9月18日に起こった炭鉱襲撃事件に関わった「テロリスト」として中国当局に殺害された28人の中に、11人の子供や女性が含まれているのではないかとする現地住民の話を伝えた。

 また中国人民解放軍の機関紙、解放軍報も25日までに、特殊部隊が「テロリスト」が隠れ込んだ山の洞穴の中に火炎放射器の炎を吹き付け、逃げ場を失った十数人が刀やおのを持って向かってきたところを射殺したと報じた。「十数人」は殺害された28人の一部とみられる。中国当局は事件を「国外の過激派組織の指揮を受けたテロ」としているが、実態が分かっていない。

 同放送局が現地住民らの話として伝えたところによると、「テロリスト」とされているのは5~6家族で、子供や女性は家族の男性と一緒に逃亡していたとみられる。(共同)

FTAAPの母胎はRCEPではなくTPPとなった

甘利経済再生担当相兼TPP担当相は
「TPPは安全保障の役割も果たしていき、それぞれの責任の下、良い方向に持っていくというルールの枠組みになっていくことも考えられる」
「狭義な見方での経済連携ではなく、東アジアの不安定要因を取り除き、共存共栄していく新しいルールづくりになる」
と、TPPに関する政府閣僚の見解としては、今までにはない発言をした。

これは2013年3月22日のエントリーからの抜粋であるが、当時は発言の真意・意図が不明であったものの、筆者は次のように考えていた。

安倍首相は“自由と繁栄の弧”を理念上の基礎として、“安倍ドクトリン”による外交原則を打ち出し、日米・日豪・日印同盟の集団安全保障化をもくろみ、“民主主義を擁護するダイヤモンド”による海洋国家群の安全保障再構築の構想を明らかにしてきた。

これら対外的な安全保障のイニシアチブを堅持しつつ、国内でも憲法改正を行い“戦後レジームからの脱却”を図る従来の路線に加えて、TPPによる貿易の新ルールがリンケージして、新しいレジームの一翼を担うと云うことなのだろうか。おそらく米国の自動的な歳出削減に伴う軍事への大幅な削減を危機と捉えるか、好機と捉えるかによって変わってくる。この推移だと、米国の代貸として中共と対決する見返りが“戦後レジームからの脱却”となりそうだ。

以前のエントリーで不明確だったのは、

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)は、我が国の中韓から米国へと向けられた迂回貿易構造の否定にも繋がる、ということだ。累積原産地規則が存在することで、TPPは中韓を排除する日米主導のブロック経済圏となるのである。

貿易ルートを守る者(米国)にとって、貿易額を増大させる者(中共)が、そのルートを脅かす側に回っている「ねじれ」の現状が起きている。法の支配から逃れつつも、自らは航行・飛行の安全と自由にタダ乗りして、不当利益を享受する中国共産党とその衛星国を排除する。

TPPの大筋合意にこだわり、中国共産党が主導して米国の参画しない東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に先んじる必要はここにあった。最終的にはアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構想がTPPとRCEPを統合すると見られているが、より高い交易の自由度を達成したTPPの成果を前にRCEPの交渉は停滞しつつある。もともと多国間交渉によるルールづくりを不得手とする中国共産党にRCEP妥結は不可能と思われる。

習外交“敗北” RCEP交渉の年内妥結を断念 TPP参加表明国が相次ぐ 2015.11.26 ZAKZAK

 中国が経済外交で手痛い敗北を喫した。東アジア地域包括的経済連携(RCEP、アールセップ)を推進してきたが、年内妥結を断念。新たな目標とした2016年の妥結も危ぶまれている。日米主導で大筋合意した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加を表明する国が相次いでおり、習近平政権の戦略は行き詰まっている。

 中国は一連の国際会議で、安全保障で火ダルマになった。南シナ海の軍事拠点化について、東アジア首脳会議で安倍晋三首相が「大規模かつ急速な埋め立てや拠点構築、その軍事目的での利用などの動きが継続している状況を深刻に懸念する」と指摘。オバマ米大統領も中国を厳しく批判し、多数の首脳も同調した。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の議長声明でも「軍事プレゼンスの強化やさらなる軍事拠点化の可能性について、複数の首脳が示した懸念を共有する」と明記した。

 経済面では中国はカヤの外だった。中国のほか日本やインド、韓国、ASEAN加盟国など16カ国で13年から交渉中のRCEPは、22日に発表した共同声明で、当初の目標としていた交渉の年内妥結を断念した。新たな妥結目標を16年中としたが交渉は難航する見通しだ。

 RCEPには米国が不参加のため、中国が主導権を握って交渉を妥結させ、TPPの対抗軸とする狙いだった。しかし、RCEPの関税をなくす品目の割合を示す貿易自由化率の当初目標水準は原則80%と、TPPの95%超に大きく見劣りする。そして中国やインドには例外として一段と低い自由化率が認められるというのだ。

 RCEP交渉参加国のうち、TPPには日本やオーストラリアなど7カ国が参加しているが、新たに韓国やフィリピン、インドネシアなどがTPP参加の意思を表明。タイも関心を示していると伝えられることも、RCEPの交渉停滞の要因となった。

 TPPを土台にRCEPの妥結と、その後のより大規模なアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)に向けて進むという日米の思惑通りの展開になってきた。

 こうしたなか、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)の初代総裁に内定している中国出身の金立群氏は10月下旬、米ワシントンでの講演で「中国はTPP参加に関心を持っている」と発言している。中国はTPPの軍門に下るしかないのか。

覇権国の国力が交差するとき、戦争の危機が来る

日米もし戦うとすれば、大陸政策で対立・激突したときに限られる。これは我が国が先の大戦で学んだことだ。

1980年代の日米経済摩擦を経て、1989年の冷戦終結と天安門事件を境目にして、当時は日米経済戦争が現実の弾丸に取って代わるのではないか、と結構真剣に考えられていた。あの当時の空気感を一言で云えば表すには『ザ・カミング・ウォー・ウィズ・ジャパン』という表題の本が出版されていたことで理解できるかもしれない。

現在の中国の繁栄は、その日米資本主義の決戦における両者の廉価な労働力の供給源として見出されたからに他ならない。この補助線として、1980年代当時の我が国では、単純労働と特殊な技能労働の給与水準に大きな差がないことの方が問題とされたことを忘れてはならない。

危惧されていたのは、その抗争のさなかにかつての日英同盟の破棄同様、日米安保条約が破棄されるかもしれない、ということだった。米国側の一部は“ビンの蓋”論を提唱したし、日本側の一部は“自主防衛”を提唱した。実際は日米安保の再定義が両者の決定的破滅を防いだが。

もちろん、我が国の日本型資本主義(いわゆる“日本株式会社”)は、バブル崩壊と金融ビッグバンとバランスシート不況、デフレを経て、大きくその様相を変えた。

製造業は資本財や基幹部品で競争力を維持しつつ、航空宇宙・原子力などインフラ部門でも米国にキャッチアップしてきた。また、脆弱とされたメガバンクなど銀行セクターの自己資本比率の強化、所得収支の黒字化、知財やソフトウェアのサービス収支の改善など、より強靱さを増した。

引き換えに多くの社会的代償(永続的な雇用関係の破壊や自殺率の上昇、出産率の低下)を支払ったし、その点では米国の勝利と云えなくもない。

しかし、中国のGDPが世界第2位となり、米国への挑戦者として浮上してきたことは我が国にとっても“日本株式会社”再興の契機でもあるのだ。強靱さを維持したまま、それが達成出来るならば、これを利用しない手はないだろう。

と、2012年7月30日のエントリーで詳述したように、

覇権国家の交替期、特に日米の経済力(国民一人あたりのGDP)が交差する時期に、我が国は合衆国との同盟の瓦解を回避した。

回避できなかった最悪の事例は、2度の世界大戦であり、パックス・ブリタニカの緩やかな衰えと軌を一にして、急速に工業生産額で英仏を凌駕していたドイツ帝国の挑戦を大英帝国が受けた。

これに大西洋の波濤の先にあった合衆国、グレート・ゲームを戦ったロシア帝国とボリシェヴィキによって支配されたソビエト連邦、日英同盟によって北東アジアの安全保障を担う大日本帝国などの国家が英独のいずれかの陣営に与しながら戦った。

かくて第2次大戦の結果、ドイツ帝国(第三帝国)は敗れ、大日本帝国は滅亡し、大英帝国は破産に瀕して、漁夫の利を得たパックス・ルッソ・アメリカーナの覇権が確立した。

資本主義と共産主義の覇権争いは冷戦と呼ばれ、核兵器による相互確証破壊の恐怖の均衡とNATO(北大西洋条約機構)とワルシャワ条約機構に代表される集団安全保障によって、全面戦争そのものは回避された。

では、日米対決が迫った危険な時期(石油危機前後の1971年頃~湾岸戦争前後の1991年頃まで)、戦争(言い換えれば日米安全保障条約の破棄)はどのように回避されたのか。

象徴的な事例は、両国の文明とその風土を形作った自動車とコメを巡る貿易交渉と、その後の米国の産業政策に見え隠れする。

カーター政権時には『大統領競争力白書』が取りまとめられ、農産物と生産財では優位ながら、消費財では日本のキャッチアップが進んでいる、とされた。

さらにレーガン政権時には産業競争力委員会が設立されて、1985年には『ヤング報告』が公表された。4つの提言では、主に挙げると「新技術の創造と実用化と知財保護」、「生産的な資本(マネー)の供給増加」、「人的資源の流動化に向けた労使協調とストックオプション導入と再教育支援」、「通商貿易における独禁法緩和と外国の不当な慣行への対処」がなされることになった。

この米国の方針は、政治的問題になる自動車産業以外の製造業を捨てて、資本効率とイノベーションの観点から、投融資を情報通信分野に集中させつつ、それらの非戦略部門の組み立てなどは海外へアウトソーシングして、世界中にサプライチェーンを作り上げた。つまり、産業と金融のアメリカナイゼーション=グローバリゼーションを行った。

我が国は従来、得意としてきた国内で完結されたサプライチェーンを使って、顧客からの要求に対応する“現場での摺り合わせ”を否定されて、一部の製品・サービスがコモディティ化させられたことによって、特に弱電系(家電)メーカーは凋落していった。

米国の産業競争力回復のための戦略的要地として中国が見出され、我が国もその戦いに応じたからこそ、天安門事件の弾圧をあえて無視して、天皇陛下を訪中させてまで接近したのだった。

我が国からは、迂回貿易構造に組み入れた中韓の二国に、基幹部品やサービス(付加価値)を輸出して、非戦略部門の組み立てをさせて、完成品の製品とサービスを米国に輸出する。我が国は米国のゲームに乗って、そのルールを最大限に利用したのだ。

以前、OECDとWTOが発表した付加価値ベースから見た貿易統計では、我が国の最大輸出相手先は中国ではなく米国であることが明示されていた。

貿易収支を付加価値ベースで見た場合、2009年の日本の対米貿易収支に関しては、貿易総額で見た220億米ドルから、付加価値で見れば360億米ドルへと、60%も増加することとなる。また対中貿易黒字は、付加価値で見ると20.8億米ドルにまで下落し、対韓貿易黒字も3.6億米ドルまで下落する。つまり、中韓との貿易が東南アジア諸国と代替可能であることを示唆している。

しかも、それらの国々と水平分業が進んでいる電機、自動車などの輸出品でも外国からの中間財・サービスの投入割合は、電機では42%、自動車では38%と、OECD平均の45%を下回っている。我が国は巨大な内需を背景とした規模の経済とバリューチェーンの川上(研究開発など)と川下(サービス)を押さえていることで優位性を保っている。

そして我が国の輸出に国内サービスが付加される割合が高い(製造業でも輸出の約30%をサービスが占める)ことも分かる。

この付加価値ベースから見た貿易は、TPPに参加する国々に適用される累積原産地規則である。累積原産地規則が存在することで、TPPは中韓を排除する日米主導のブロック経済圏となるのである。

この経済圏構築の過程では、石油危機前後の1971年頃~湾岸戦争前後の1991年頃までに日米貿易摩擦の焦点となった貿易収支の黒字・赤字は問題とされなくなった。なぜならば、世界中にサプライチェーンを拡げた現在では、貿易赤字になっているということはそれだけ自国の内需が旺盛であることを示していると、認知されるようになったからだ。

上記、現在の中国の繁栄は、その日米資本主義の決戦における両者の廉価な労働力の供給源として見出されたからに他ならない、と述べたのはこのためである。そして、日米が撤退するに至り、彼らはどうやら“中所得国の罠(中進国の罠)”に陥ろうとしている。残ったのは国有企業の過剰供給力だけ、となる。

中国共産党は、米国のドットコムバブル→サブプライムローンに象徴される不動産バブル→量的緩和によるバブルを見習い、株と土地で繰り返し循環を続け、不良債権問題を先延ばしして、内需を拡大するなかで徐々に処理を行いたい。

しかし“中所得国の罠”を突破する前に少子高齢化社会、いわゆる人口オーナス期に突入するのだ。これがバブルを起こせないボトルネックとなる。

一人っ子政策の放棄によっても、少子高齢化を防げないとすれば、いかほどの移民を必要とするのだろうか。多文化主義の採用や同化圧力の強さは別として、13億人~18億人のばらつきがある人口に対して経済成長を縮小・鈍化させないだけの移民を募ることなど出来るわけがない(2015年2月11日のエントリー参照)。

広大な支那大陸における日米資本主義の決戦はリーマン・ショックを経て終結した。これ以降、覇権国に挑戦しようとする中国共産党の独自戦略をいかにして受けるかが日米の主題となっており、日米同盟の強化に伴う、新しい日米協力ガイドラインの制定、安保法制の改正、そしてTPPの大筋合意はすべて、これらに沿った戦略に基づいている。

中国は見事に「中進国の罠」にハマった! 急ぎすぎた覇権国家化のツケ 2015年11月02日(月):高橋洋一 現代ビジネス

実は、中国の統計は、それを作成する組織もその作成手法も旧ソ連から持ってきたノウハウで行っている。中央集権・計画経済の社会主義国では、統計のいい加減さでは似たり寄ったりの事情だ。

ロシアでは、ペレストロイカの前まで経済統計は改ざんされていたが、批判はタブーだった。しかし、ペレストロイカ前後、ロシア人研究者などがそのでたらめ具合を明らかにした。

例えば、1987年、セリューニンとニーハンによる「狡猾な数字」が発表され、ソ連の公式統計では1928~1985年の国民所得の伸びが90倍となっているが、実際には6.5倍にすぎないとされた。平均成長率は年率8.2%から3.3%へとダウンだ。57年間にわたって、国内外を騙し続けたのだ。

公表されている統計からみても、そろそろ中国が経済成長の停滞期に入るだろう、というのが、ほとんどの学者のコンセンサスである。それは、「中所得国の罠」といわれる。

■中国も陥った「中所得国の罠」

「中所得国の罠」とは、多くの途上国が経済発展により一人当たりGDPが中程度の水準(中所得)に達した後、発展パターンや戦略を転換できず、成長率が低下、あるいは長期にわたって低迷することをいう。

この「中所得国の罠」を突破するのは結構難しい。アメリカを別格として、日本は60年代に、香港、シンガポールは70年代に、韓国は80年代にその罠を突破したといわれている。ただし、アジアでもマレーシアやタイは罠にはまっているようだ。

中南米でも、ブラジル、チリ、メキシコも罠に陥っているようで、一人当たりGDPが1万ドルを突破してもその後は伸び悩んでいる。

現状維持を換骨奪胎しながらの台湾独立

国民党が推進してきた“一つの中国”の原則に基づく“1992年コンセンサス(九二共識)”を李登輝元総統が否定するとともに、支那本土~台湾~日本~米国の迂回貿易構造のサプライチェーンは、TPP発効前にして、すでに壊れつつある。

我が国の“戦後レジームからの脱却”が果たされた今、否応なしに台湾は同じく“戦後レジームからの脱却”を果たさなくてはならなくなった。

今後の台湾の選択肢は、大きく2つ、まずは現状維持を換骨奪胎しながらの独立、もしくは支那大陸に呑み込まれる形での統一、そしてわずかな可能性として日本との連合国家、がある。

ただし、“戦後レジームからの脱却”とは戦前回帰と同一ではない。

安倍首相の行った“戦後レジームからの脱却”とは、先の大戦において、枢軸国の一員として敗者の列に並んだ我が国に向けて、連合国ですらなかった中国共産党と韓国から浴びせられていた不当なプロパガンダを跳ね返し、戦後の自由主義陣営に立って戦った我が国が勝利に貢献したという、その正当な評価を得ることにあった。

次いで、台湾を中華民国として自覚する台湾国民が10%程度に満たないことを考えると、先の大戦において帝国の臣民として敗者の列に加わった台湾人は、戦後の自由主義陣営に立ちつつ、かつ国内では長い戒厳令下の時代にあって、二重の意味で自由のために戦った国民としての自覚を持ち、現状維持を換骨奪胎しながら独立を目指すべきだろう。

国民の自覚を持たない外省人は台湾国民ではなくなり、心理的・社会的排除の対象となる。この軋轢は我が国の中の極左・リベラルのように過激化の一途をたどる、と思われる。

李登輝氏、「92年コンセンサスは存在しない」/台湾 2015/11/15 13:22 フォーカス台湾

(台北 15日 中央社)李登輝元総統は14日、民間団体主催の座談会に出席し、1992年に台湾と中国大陸が確認した対話の基礎「92年コンセンサス(九二共識)」について、「存在しない」とする認識を示した。

李氏は、自身が総統だった際、“一つの中国”の立場で両岸(台湾と中国大陸)問題を処理することに反対だったと回顧。同コンセンサスには共通認識がないとする考えを語った。

座談会の直前に取材に応じた李氏は、今月7日にシンガポールで行われた馬英九総統と中国大陸の習近平氏との会談について、「事前に立法院(国会)で報告をすべきだった」とし、馬氏の対応を批判。

大衆に知らせ、立法院に報告することは民主主義の順序だとし、シンガポールからの帰国後にも再度報告が必要だと強調した。

一方、カナダ台湾国会友好協会は14日、台湾と中国大陸の会談を肯定する声明を発表している。

(呂欣ケイ、張若霆/編集:齊藤啓介)


台湾輸出受注、10月は7カ月連続減少 日中からの受注が大幅減 2015年 11月 20日 19:18 JST ロイター

[台北 20日 ロイター] - 台湾経済部が発表した10月の輸出受注は前年同月比5.3%減少し、7カ月連続のマイナスとなった。中国と日本からの受注が落ち込んだ。

減少幅は9月の4.5%から拡大したが、ロイターがまとめたアナリスト予想の5.82%よりも小幅だった。

国別では日本からの受注が24.4%減少した。前月は16.7%減だった。中国からの受注は10.6%、欧州は2.1%減少した。

その一方で米国からの受注は5.6%増加した。米アップル製のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」向けの受注が寄与したとみられる。

経済部は情報通信関連の受注が主要スマホメーカーからの受注により11%増加したと説明したが、受注先は明らかにしなかった。

台新証券投資顧問のアナリスト、ケビン・ワン氏は「iPhone6Sの部品の需要が前月に続いて輸出受注を押し上げ、IT(情報技術)関連の受注が過去最高水準となった」と分析した。

エレクトロニクス関連の受注は4%減だった。

*内容を追加しました。

“累積原産地規則”による中韓の排除

経済協力開発機構(OECD)と世界貿易機関(WTO)が2013年に発表した、付加価値の流れを追う新しい貿易統計(Trade In Value-Added database)によると、日本の最大輸出相手国は中共ではなく米国であった(2013年2月10日のエントリー参照)。

ウルグアイ・ラウンド以降のドーハ・ラウンド交渉の膠着に見られるWTOの機能不全は、利害関係を調整しやすい諸国同士によるFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)締結を加速させた。FTAとEPA、特に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)は、我が国の中韓から米国へと向けられた迂回貿易構造の否定にも繋がる。

その鍵となるのは、累積原産地規則である。

グローバリゼーションの進展によって、広大な地域にまたがったサプライチェーンが作られた。仮に、ある製品とサービスがあって、99%の素材・部品とその加工がFTA/EPA締結国以外で行われ、残り1%の部品提供と加工のみが締結国で行われ、最終製品と完成されたサービスが締結国に輸出されて、それで無税・無制限となるのでは、膨大な内政と外交努力で締結されたFTA/EPAが持つ非加盟国への差別待遇(ある意味で最恵国待遇の反対)が成立しない。

そうしたFTA/EPAの理念を逸脱した不実と不正を回避するには、累積原産地規則に基づく付加価値の基準が重要になってくる。

FTA/EPA締結国同士の関税を撤廃して、その他の国に対する非関税障壁となるのが、製品とサービスの価値がどの国で付加されたのかを示す累積原産地規則である。

累積原産地規則が存在することで、TPPは中韓を排除する日米主導のブロック経済圏となるのである。

一見、TPPと被っているので分かりづらいが、我が国は独自のブロック経済圏を構築している。

既に発効済、署名済のFTA/EPAはシンガポール、メキシコ、マレーシア、チリ、タイ、インドネシア、ブルネイ、ASEAN全体、フィリピン、スイス、ベトナム、インド、ペルー、オーストラリア、モンゴルと、15カ国(地域含む)に及んでいる。また、ASEAN全体とはサービス部門の関する交渉も完了している。

ブロック経済圏を可能にしているのが我が国がハードカレンシーを有している、という事実である。世界中のどこでも円が決済可能であればこそ、これらのFTA/EPAは主導権と実効性を持ちうる。

合衆国が現在、20カ国とFTAを締結しているように、TPPには、我が国のブロック経済圏と合衆国のブロック経済圏との同盟という一側面を持っている。これを軍事面で担保するのが日米同盟であるのは言を俟たない。

TPPの影響、精査している=中国商務省 2015年 11月 6日 19:14 JST ロイター

TPP累積原産地規則による日韓競争力逆転の可能性 2013.09.17 キャノングローバル戦略研究所

 原産地規則とは、ある産品がどの国や地域で作られたかを判断するための規則である。世界中の加盟国を平等に扱うことを原則とするWTO(世界貿易機関)では重要な規則ではないが、複数国間の関税撤廃などを目的とするFTA(自由貿易協定)では極めて重要な規則となる。なぜなら、FTAの本質が「差別」にあるからである。

 FTAは加盟国間だけの貿易を自由化するものである。A、B、Cの国のなかで、A国とB国がFTAを結んだとする。A国はB国からの無税での輸入は認めているが、C国からの無税輸入は認めていない。

 しかし、FTAに参加しないC国からB国へ完成度の高い製品が輸出され、B国でわずかな加工が加えられただけでA国に輸出されると、このような実質的にはC国産の製品も無税でA国は輸入せざるをえないことになりかねない。原産地規則とは、このような場合を排除しようとするものである。

 原産地規則には、協定や品目によって、異なる方法がとられる。関税分類番号が変更されたかどうかとか、特別の加工が加えられたかどうかで、どの国の産品かが判断される場合もある。自動車や機械などでは、B国での付加価値が基準値以上の場合に実質的変更が行われたと考えてB国産と認定する、それ以外はC国産として無税での輸入を認めないという方法(一部は関税分類番号方式と併用)が、とられている。この付加価値の基準値をどこに置くかも、協定や品目によって異なり、例えば、日本とASEANのFTAでは40%など、北米自由貿易協定では60%などとされている。

 累積の原産地規則とは、仮にTPPで付加価値の基準が50%とされた場合、加盟国全ての付加価値を合計したものが50%以上であれば、TPP域内産であるとして、無税での輸入を認めようというものである。現在の国際貿易の特徴は、素材や部品の貿易が最終製品の貿易よりも活発になっていることである。

 東日本大震災で東北の自動車部品工場の生産が中止された結果、アメリカ・デトロイトの自動車工場の生産が困難になったのは、その一例である。つまり、現在の最終製品は、どの国の産物かわからないほど、さまざまな国や地域の素材や部品から構成されている。別の言い方をすれば、さまざまな国や地域をまたがる広大なサプライチェーンが形成されているのである。多数の国から成るTPPが累積の原産地規則を採用することは、無税対象の貿易が拡大することとなり、二国間のFTA以上に大きな貿易促進効果を持つことになる。

 これまで、韓国がEUやアメリカとFTAを結んでいるために、韓国企業はこれらの国や地域に無税で輸出できるのに、日本企業は関税を払わなければ輸出できないという競争条件の不利が指摘されてきた。今我が国は、アメリカ市場を含むTPPだけでなく、EUともFTA交渉を開始している。競争条件の不利は克服されようとしている。

 それだけではない。TPPの累積原産地規則によって、韓国企業よりも日本企業の方が有利になる可能性が出てくる。例えば、付加価値の基準が50%の場合、韓国企業は自国内だけで50%以上の付加価値を付けなければ、アメリカに無税で輸出できないが、日本企業は他のTPP参加国の部品を40%集め、日本国内で10%の付加価値を付けるだけでよいことになる。もちろん、付加価値の基準が米韓FTAよりもTPPの方が相当高いと、このような効果は減殺されるが、ある程度の違いは「累積」によって克服することが可能である。

 もし、このような事態が起きれば、韓国にTPPに参加するインセンティブが高まることになる。自由貿易地域が拡大すればするほど、これに参加しないことのデメリットが高まり、周囲の国に参加しようとするドミノ効果が生じる。累積原産地規則はTPPのドミノ効果を一層大きくしようとしている。


参考URL:
経済連携協定(EPA)/自由貿易協定(FTA) 平成27年10月19日 外務省

第三次国共合作の結末に

共産党と国民党の首脳会談が1949年以降初めて行われる。

1990年代後半~2010年代までのいわゆる両岸関係は、支那本土の経済発展によって、台湾の経済界が取り込まれ、なかなか支那から足抜けできない状態にまで陥った。

現在の馬英九政権は、第三次国共合作と云える状態を現出させた。

中韓の主張に沿った従軍慰安婦問題の追従や、学生運動(ヒマワリ運動)によって批准拒否された両岸サービス貿易協定や、同じく学生運動が起きた「中国史観」に基づく学習指導要領の改定などは、具体的な合作の動きとそれらに対する反発と云えるだろう。

しかし、誰も好き好んで、支那本土のバブル崩壊と予想される政治的混乱の直撃を受けたくはない。

来年の総統選挙では候補者差し替えをしてでも、なお敗北が濃厚な国民党の馬英九総統は、国民党が推進してきた“一つの中国”の原則に基づく“1992年コンセンサス(九二共識)”を民進党の蔡英文主席が維持するように釘を差した。

一方で、“終極統一”の概念を進めて、何らかの国共統一宣言を行って、発足した後の民進党政権の手足を縛ろうとするだろう。

中台首脳が7日に会談、分断後初めて 台湾野党は反発 2015年 11月 4日 13:15 JST ロイター

もともと国民党と中国共産党は歴史的に親しい関係にある。

1923年、コミンテルンのエージェントだったボロディンは国民党の顧問となり、「連ソ共容」の方針に従って、ボリシェビキ型の党組織に改編させた。党員名簿を秘密にして、民主集中制(独裁)を採用して、党軍を設立することにした。

1924年、第一次国共合作が成立して、党軍の士官を養成する黄埔軍官学校が設立された。黄埔軍官学校は、蒋介石が校長に、周恩来が学校の政治部副主任に、毛沢東も面接試験官になった。

しかし、北伐の過程で第一次国共合作は破れた。

1937年、支那事変勃発で第二次国共合作が成立した。1945年の大日本帝国の敗北によって、第二次国共合作の意味もなくなり、以後の国共内戦に敗れて、国民党は台湾に逃れた。

おおまかに外省人の移住した、北京語(マンダリン)の普及している北部と、本省人の多い、台湾語が話される南部に地域対立が存在している。もしも台湾に内戦が起こるとすれば、北部と南部の相違が原因となるだろう。

二人っ子政策の果実は2030年までお預け

中国共産党は、党中央委員会第5回全体会議(5中全会)において、いわゆる一人っ子政策の廃止を決定した。2013年11月から関連法制を緩和してきた上での制度変更となる。

一人っ子政策の廃止に伴って、すべての夫婦に第2子の出産を認める二人っ子政策へと新しい制度が施行される。しかし、生産年齢人口に該当する15歳になるまでのタイムラグは、2030年以降である。

従来、一人っ子政策を管理してきた既得権益側に立つ、国家衛生・計画出産委員会は、2016年3月の全国人民代表大会(全人代)において、制度変更が承認されるまでは、現状の制度を運用し続ける、とアナウンスしている。

ロイター電によれば、2012年には既に中共の生産年齢人口が減少に転じた、とされる。国連のデータでは、15歳~59歳が占める割合は67%以上であるが、2050年までには50%に減少して、60歳以上は30%を超える見通し、となっている。

筆者は以前、2012年11月9日のエントリーで、

さて、彼らの人口ボーナスのピークは速い人の見解ではもう過ぎており、中間意見では2013年、遅い人でも2015年とあり、この辺りでどう足掻いても、皆バブルが終焉したと認めるようになる。バブル崩壊と潜在成長率の低下の影響を抑えつつ、5カ年計画で7%成長を持続させるためには最低限、財政金融政策は欠かせない。

また、生産年齢人口が従属人口を下回るのは2030年頃と見られる。残り約20年で産業構造の転換と社会保障制度の整備を先進国並にしなければならない。しかもこれは筆者がありったけの希望的観測が実現するものと好意的に解釈したものだ。

と指摘させてもらったが、

確かに、バブル崩壊の認識と周知は2015年までに訪れた。ただし、生産年齢人口と従属人口の関係性は、今後の産業の高度化とともにすべての労働者が、15歳から働くのでもなく、59歳までで働かなくなる、といった前提はなくなるだろうから、政策上の幅は持てる。さらに、いくつかの資料によれば2050年が転換点、とされるものもある。

二人っ子政策の採用は一世代遅いと思われるが、それでも現在、結婚適齢期を迎えた都市の女性は、出産ラッシュを迎えている地域もある。

筆者の知る地域では、旧関東州の大連がそれである。同地には、アウトソーシング業界の企業多数が進出していたのだが、産休によって業務水準が維持できないことすら一因になって、撤退しているか、もともと自社連結からオフバランスしているところが多い。

もちろん地域差はあるのだろう。最先端を往く上海の合計特殊出生率が0.7というのは、全国平均の1.7を大きく下回っている。

2012年の第18回中国共産党大会でも、2020年までに10年間で人民所得を倍増させる目標を確認していたが、再度、人民1人当たりの所得について、2020年までに2010年比で倍増させる、との目標を表明した。都市戸籍と農村戸籍の人民双方で、高齢者向け保険制度を適用対象とすることも明らかにした。

社会保障費含めた人件費、配当と税から見て、各国のリショアリングもしくはチャイナプラスワン待ったなし、となる。日米により育まれた世界の工場(仮)の終焉は間違いない。

コラム:中国「二人っ子政策」の死角 2015年 11月 2日 17:08 JST ロイター

中国「一人っ子政策」、新制度施行まで当面続ける=計画出産委 2015年 11月 2日 16:34 JST ロイター

UPDATE 3-中国、今後5年は中高速の成長目指す 「一人っ子政策」廃止へ 2015年 10月 29日 23:35 JST ロイター

How China’s Working-Age Population Has Changed Published Oct. 29, 2015 at 10:00 p.m ET WSJ

China’s ageing population REUTERS GRAPHICS

相互信用が失われた社会の末路

中国共産党の支配する国有企業の動きは盛んだが、民間企業と支那本土に投資する外資の動きは鈍い。そして、バブルは不動産市場が破裂して、株式市場も破裂して、債券市場に逃げ込んでいる。

High leverage shifts to China's bond market after equities deflate Tue Oct 27, 2015 5:03pm EDT Reuters

ハイレバレッジを掛けて、すぐにでも投融資を回収しなければならない理由を思い浮かべてみよう。

起業家が、今まで培ったキャリアや、そこで掴んだ新しいイノベーションを頼りに投融資を受けて、事業を起こす。その後、給与を支払い、利息を支払い、税を支払い、配当を支払い、最終利益を確定しながら、徐々に企業が大きくなる。

こうした好循環が起きないのは、国内市場で官僚と企業と人民の間の相互信用が失われている、という根深い問題が横たわっているのではないか。

米ヤム・ブランズ、中国の未熟なフランチャイズ市場が成長の壁に 2015年 10月 26日 19:15 JST ロイター

米国のヤム・ブランズ社は「ケンタッキー・フライド・チキン」「ピザハット」「タコベル」のブランドを展開するファストフードチェーンの大手企業である。

しかし、フランチャイザーの出すマニュアル通りに動かない蓋然性の高さ、マクドナルドがゾンビ肉で被害を受けたような食材の安全性への懸念、毒餃子事件に見られるようなサプライチェーンの過程で毒物が混入される危険性すらあり、信頼に足る合弁パートナーに巡り会える可能性の低さから、直営店主体の経営を迫られ、国内6900店舗のうち、フランチャイズ店は7%に留まっていて、解決策として、地域のサブフランチャイジーになる香港や台湾の企業を合弁相手として探そうとしている。

What does BAT’s hiring freeze really mean to the entire internet industry? Sunday, 25 October, 2015, 2:36pm South China Morning Post

仕舞いには、支那人が運営する店舗での相対取引が信用出来ないと考える支那人は、電子取引に急速にシフトした。Alibaba Group傘下のtaobaoなどが急成長する理由にもなった。しかも、電子取引の宅配便を装ったテロが起きている。これは、我が国のドラッグストアくんだりまで来て、乳児用オムツを買い占める理由でもある。

この流れを受けてかは知らないが、Alibabaを始めとするBaidu、Tencentは新規雇用を停止して、将来的な緊縮に備えているように思われる。Alibabaは4月に停止、Baiduは10月中に停止、Tencentも停止した、と云われている。

こうした民間企業の動きと比べると、中国共産党と国有企業のビッグビジネスが目立つ。

訂正-UPDATE 1-中国、エアバスから130機購入へ 独中首相が合意 2015年 10月 29日 17:23 JST ロイター

インドネシアの高速鉄道計画、中国受注へ  2015年 09月 30日 03:16 JST ロイター

ボーイング、中国から380億ドル相当の受注獲得 2015年 09月 24日 08:38 JST ロイター

中国が米ボーイングにジェット機300機発注、施設建設も合意-新華社 2015/09/23 17:18 JST ブルームバーグ

ベガスとロス結ぶ高速鉄道、米中合弁で建設計画 2015年09月18日 09時14分 読売新聞

米加州の高速鉄道受注競争、中国勢優勢か 資金調達力に強み 2015年 05月 21日 17:58 JST ロイター

このビッグビジネスの背景には、TPPに参画できないほど、ルールを守れない国家と人民の信用の無さがある。下記の記事によれば、中国人民銀行の研究者の予測では、香港資本の工場はベトナムやブルネイに逃避するのではないか、と。であれば、台湾資本も同様の動きを取るだろう。

The biggest losers: Beijing and Hong Kong economy to suffer from Washington-led free-trade deal  Friday, 09 October, 2015, 11:51pm South China Morning Post

モンゴルにおける日中角逐続く

安倍首相のモンゴル訪問に際して、モンゴルの議会は日本とモンゴルの間の経済連携協定(日蒙EPA)の発効手続きを行っている。基本合意には幾分かの取引、発効には幾分かの取引という訳だ。

以前、モンゴルは日蒙EPAの基本合意の直後、中共との間に全面的戦略パートナーシップを宣言して、両国間のスワップ協定も締結している。両国間の貿易額は2002年の3億2400万ドルから2013年には60億ドルに拡大し、モンゴルの貿易総額の半分以上を占めている。

日蒙EPAの目的のひとつは、中共との過度な経済依存からモンゴルを引き剥がすことにある。もうひとつ面白いのが日蒙EPAの「ソースコード」の開示要求を禁じる規定がTPPの同様の規定の叩き台になっていることだろう。

日本と中共いずれにとっても、資源国モンゴルからの輸入はタバン・トルゴイ炭田とオユ・トルゴイ銅鉱山が焦点になる。我が国とモンゴルの貿易は陸路と空路となるが、中共を介さない陸路は一般的に鉄道となり、ロシアのバイカル湖のウラン・ウデからシベリア鉄道に接続する。

下記記事にある「東進鉄道」とは、タバントルゴイ炭田~モンゴル北東部のフートまでの区間、フート~中共国境のビチクト間の路線と、フート~チョイバルサン~ロシア国境エレンツェブまでの路線の新設路線と既設路線の改良部分を指す、と思われる。

コモディティ価格の長期低落傾向と5年物チンギス債の償還が2016年に始まることと併せて、デフォルト危機の怖れのあるモンゴルにおける日中角逐は来年、次の局面を迎える。

EPA早期発効を確認=鉄道・炭田開発で協力—日モンゴル首脳 2015年 10月22日 19:27JST 更新 WSJ日本版

【ウランバートル時事】安倍晋三首相は22日午後(日本時間同)、モンゴルの首都ウランバートルを訪れ、迎賓館でサイハンビレグ首相と会談した。日本とモンゴルが2月に署名した経済連携協定(EPA)について、モンゴル側は関連国内法が国会で同日に成立したと報告。日本の国会手続きは完了しているため、両首相は速やかに発効させることを確認した。

 両首相は、モンゴル国内で計画されている「東進鉄道」や炭田の開発について協力を進めることで合意し、覚書を交わした。日本企業の資本参加を促していくことでも一致した。

 また、モンゴル側は2020年の東京五輪・パラリンピックの開催準備に関し、建設労働者を派遣する用意があると表明。日本側は特別な技能を持つ人を受け入れる方針だ。

 安倍首相は北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向け、モンゴル側の協力を要請。サイハンビレグ首相は、安倍政権の「積極的平和主義」や、国連安全保障理事会改革での日本の常任理事国入りを支持する考えを伝えた。 

[時事通信社]


TPPでIT機密の開示要求禁止…中国をけん制 2015年10月22日 03時00分 読売新聞

 環太平洋経済連携協定(TPP)で参加12か国がソフトウェアの機密情報に当たる「ソースコード」の開示を民間企業などに求めることを禁じることで一致したことが分かった。

 ソフトウェアは自動車や携帯電話、家電など身の回りの製品に組み込まれており、ソースコードはその「設計図」に当たる。ソフトを使いやすくするなどのノウハウが詰まっているが、中国が外資系企業に開示を義務づけ、各国から強い反発を招いている。TPPで開示要求を禁じることにより、中国の動きをけん制する狙いがあるとみられる。

 12か国はTPPの「電子商取引」の章で、参加国政府が量販するソフトについて、ソースコードの開示を要求するのを原則禁止した。

 経済産業省によると、ソースコードの開示要求を禁じる規定は日本とモンゴルが今年2月に署名した経済連携協定(EPA)にあるほかは、世界でもほとんど例がないという。


参考URL:
モンゴル国で1,600キロメートルにおよぶ貨物鉄道建設計画に係る業務を受注 (2013年7月4日)日本工営

TPPによる“対中封じ込め”

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が“対中封じ込め”とリンケージした安全保障の役割を担う、と閣僚が言及したのを筆者が確認したのは、2013年3月の甘利経済再生担当相兼TPP担当相の発言からだった(2013年3月22日のエントリー参照)。

“対中封じ込め”にとって障害だったのが、ASEAN諸国やオセアニアなどは、経済(貿易額)では中共に依存し、安全保障(貿易ルート)では米国に依存している、ということだった。いわゆるG2(米中による太平洋分割支配)の提唱もここから派生している。しかし、貿易ルートを守る者(米国)にとっては、貿易額を増大させる者(中共)が、そのルートを脅かす側に回っている「ねじれ」の現状では、G2も成立し得ない。

TPPは上記の関係国を経済面における中共依存から引き剥がす役割を担っている。いずれはTPPの貿易圏内で中共との交易を上回るようにすることで、経済と安全保障で日米に依存させて、貿易額を増大させる者が同時に貿易ルートを脅かす、という情勢下で発生している関係国の経済と外交・軍事の緊張状態を解消させる。

これがTPPの安全保障とのリンケージの本質となる。こうしたリンケージの戦略的発想がなければ、TPPに賛意を示す気にはなれないだろう。

中国の資源輸入増加、裏で鉄鋼や石油製品の輸出伸びる-9月貿易統計 2015/10/14 09:36 JST ブルームバーグ

中国の貿易額7カ月連続マイナス 9月は11%減、成長に打撃 通年目標達成は絶望的 2015.10.13 20:19 産経ニュース

UPDATE 3-中国の9月輸出は予想より小幅な減少、輸入は大幅減 2015年 10月 13日 17:15 JST ロイター

中国:9月の輸入、11カ月連続で前年割れ-世界経済に逆風 (2) 2015/10/13 15:19 JST ブルームバーグ

TPPの大筋合意は、日米ともに年内の批准に向けた議会工作を考えれば、上海株式市場のバブル崩壊が明らかになった7月初めが望ましかった。それでも、中国の輸入が9月は11ヶ月連続のマイナス、前年同月比20%減となっていることから、経済(貿易額)から見たタイミングとインパクトとしてはまずまずと云える。しかし、政治的日程としては、来年の参院選を控えた通常国会と大統領選を控えた米国議会の動向如何では発効しない可能性はある。

中国紙「敗者となるのは米国だ」 TPP交渉の大筋合意 2015.10.12 13:50 産経ニュース

さて、自民党外交・経済連携調査会が採択したTPPに関する決議にあった国益6項目は、
(1)農林水産品の関税
(2)自動車の安全基準、環境基準、数値目標
(3)国民皆保険、公的薬価制度
(4)食の安全・安心の基準
(5)ISD(投資者・国家訴訟制度)条項の拒否
(6)政府調達・金融サービス業
だった。

これらについて、内閣官房から発表されている概要で見ていこう。

まず、農産品(米、麦、砂糖、牛肉、豚肉、乳製品)の関税については維持されている。

ISD条項に関しては、そもそも仲裁法廷の権限かどうかの異議申し立て、すべての事案の公開、申し立て期間の制限を濫訴防止措置として組み込んでいる。

ラチェット条項に対する包括的留保=将来に渡る国内政策変更を認めるものに、社会事業サービス(保健、社会保障、社会保険等)、政府財産、公営競技等、放送業、初等及び中等教育、エネルギー産業、領海等における漁業、警備業、土地取引等が挙げられており、いわゆる国民皆保険、自動車の安全・環境基準、食の安全基準は含まれている、と見て良いだろう。

金融サービスでは、公的年金及び公的医療保険は適用対象外となっている。

工業製品の数値目標は設定されていない。むしろ輸出額で、関税の即時撤廃の割合は76.6%に達している。

政府調達に関しては、外国企業の参入を規制する法律がもともと無い。むしろマレーシア、ベトナム及びブルネイに対して内国民待遇が得られた。

参考URL:
環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)の概要 平成27年10月5日 内閣官房TPP政府対策本部(PDF)

第四次台湾海峡危機は2016年1月に始まる

辛亥革命を記念する双十節の式典に出席した民進党の蔡英文女史に対して、馬英九総統は名指しは避けながらも統一も独立もしない現状維持政策を掲げる女史を批判した。

国民党が推進してきた“一つの中国”の原則に基づく“1992年コンセンサス(九二共識)”を念頭に「誰が総統となっても“1992年コンセンサス”を守らなければならない」旨を強調した。

中共との統一に度々言及して、国民党の総統候補から引きずり降ろされようとしている洪秀柱女史を含め、新たな候補と目される国民党の朱立倫氏や親民党の宋楚瑜氏が一堂に会する席上での発言には、“終極統一”の概念を国民党が捨てていないことを示している。この概念は、2015年5月の習近平国家主席と朱立倫国民党主席の会談でも確認されている。

大戦後、支那大陸から渡った外省人系は統一を諦めてはいない。ただし、総統選と同時実施される立法院(定数113、一院制議会)で議席が3分の1を下回り、憲法改正のイニシアチブを奪われる恐怖感を抱いているために、総統候補の混乱が起きている。

一方、台湾人の6割近くは現状維持政策を支持している。世論に呼応して国民党は、レトリックとしての現状維持政策支持を訴えない洪秀柱女史を総統候補から更迭して、朱立倫党主席を擁立しようとしている。従軍慰安婦問題などで馬総統が中韓と協調してきた経緯を考えれば、国民党の大勢は“終極統一”である。いずれの候補であろうとレトリックの違いしかない。

【更新】台灣大選在即 中國大砍陸客來台數95% 2015年10月06日16:57 蘋果日報

史上初の直接選挙となった1996年の総統選を巡っては、第三次台湾海峡危機が起きた。国民党の圧倒的不利が予測されている以上、総統選以降に第四次台湾海峡危機が発生する、と思われる。中共は12月16日から総統選と立法院選当日の1月16日まで台湾への観光客へのビザ発給を制限する。

また、民進党の政権担当能力の弱さから、政治的謀略が多数工作される怖れがある。誘発された暴動と内乱の懸念も考慮すべきだろう。しかし、直裁的な火蓋は金門島で開かれる可能性が高い。

2015年7月21日のエントリーで触れたが、国民党の馬政権は、1949年と1958年に共産党と攻防を繰り広げた金門島~福建省間の給水契約を締結、給水は2016年末にも開始される見込み、とされる。政権が民進党に代わった場合、この給水契約を破棄しない限り、金門島の陥落は予め決定的である。

台湾人は未だに統一も独立もしない現状維持政策を望んでいるが、どっちつかずの選択肢は激変する世界情勢の前には意味をなさないばかりか危険である。民進党は日米同盟との連携を明確にしているが、この危機感が台湾人に共有されているかは分からない。

望むと望まざるに関わらず、“戦後レジームからの脱却”は台湾にも適用される。激変する歴史の荒波が彼らには見えているだろうか。第三者の目からは、“対中封じ込め”の潮流に乗りきれず、全体として国益を毀損する可能性が高い。

台湾国民創生のダイナミズムが起こせるか否か。

彼らはいくつかのエスニック・グループを統合したひとつのネイションを創る必要に迫られている。政治的に激しい内戦を経て、どちらの側に付くか明快に表明した方が良い。そうしなければ、自国の運命を決定できず、日米や中共の決定に従わざるを得ず、ついに独立国家となる機会を失うだろう。

馬総統、民進党主席に注文 次期有力候補・蔡英文氏に対中政策の継続迫る 台北の式典で顔合わせ 2015.10.10 19:46 産経ニュース

安倍首相、台湾・次期総統最有力の蔡英文氏と非公式に接触か 政権交代見越し日台関係改善の兆し 2015.10.9 13:49 産経ニュース

蔡英文氏、会談相手は「答えられない」 派手な演出避け、日本からの“厚遇”勝ち取る 2015.10.9 19:26 産経ニュース

洪秀柱氏に国民党公認候補辞退を要求 馬英九総統も引導 2015.10.8 19:30 産経ニュース

国民党、分裂の危機も 「国共内戦」敗北以来の衝撃か 公認候補すげ替えの異常事態 2015.10.7 20:07 産経ニュース

与党・国民党の洪秀柱氏、候補者交代を拒否 2015.10.6 19:58 産経ニュース

民進党の蔡英文主席が来日「対日関係重視を示したい」 安倍首相の地元・山口も訪問へ 2015.10.6 12:40 産経ニュース

与党・洪氏「最後は中国との統一必要」 「憲法の精神を分析」と弁明 2015.10.2 19:08 産経ニュース

訪日では政治避け経済特化? 総統選候補の蔡英文民進党主席が会見「日本の経験に学びたい」 2015.10.1 19:17 産経ニュース

最大野党の蔡英文候補、安倍首相の地元・山口訪問へ…親日をアピール 2015.9.29 12:00 産経ニュース

Taiwan allocates NT$3 billion budget to build its own submarines Thursday, 03 September, 2015, 4:23pm  South China Morning Post

親民党主席の出馬表明、与党国民党には不利か 世論調査では「1強2弱」で蔡英文氏優勢 2015.8.6 19:16 産経ニュース

女性対決に、国民党が洪氏を正式決定 支持率は民進党・蔡氏47%に対し、洪氏は27%… 2015.7.19 18:51 産経ニュース

台湾の「日の丸原発」建設を凍結 世論高まり受け 来年1月の総統選後には「建設中止」の可能性も 2015.7.1 20:31 産経ニュース

台湾・総統選は「女性同士の戦い」か 国民党の洪氏、支持率要件をクリア 2015.6.14 13:39 産経ニュース

中国「安定に反する」 台湾野党との会談で米批判 2015.6.10 14:12 産経ニュース

「10月に記念館開館」台湾・馬総統 2015.6.4 07:00 産経ニュース

台湾・馬総統、記念演説に元慰安婦を招待 「悲しい物語思い出す…」 2015.5.20 17:44 産経ニュース

「日本の侵略者による国辱忘れるな」 中国で慰安婦映画発表会 対日歴史宣伝戦の一環 2015.5.18 19:51 産経ニュース

緩慢な死が新興国にもたらされる

中共の製造業購買担当者景気指数(PMI)は、今年4月以降、景況悪化の境目である50を割り込んできた。そして財新とマーク・イットによる民間のPMI速報値は10月から発表されなくなる。世界最大級のデビットカードである銀聯の海外ATM引き出し規制は、プレスリリースが9月29日発表で10月1日から適用された。

PMI速報値発表を中止 中国・財新など、今月から 2015/10/1付 日本経済新聞

中国経済の失速が、ほかの新興国経済と先進国経済に影響を与える。

新興国のヒト・モノ・カネの流れのうち、最初にカネの流れが滞り、回収できた資本は先進国に還流し始める。回収できなかった江守グループホールディングスは破綻した。

次いでモノの動きに現れ始める。景気減速によって、原油を筆頭にコモディティ価格の低落傾向は続く。商船三井傘下の第一中央汽船の破綻の一因はコモディティのスポット価格が下がり、さらには動かなくなっていることにある。

最後にヒトの流れが少なくなる。カネとモノの再分配がなくなれば、その地域では利権再分配を巡る政治闘争が暴動・テロ・内乱・内戦・対外戦争に発展して、利権を失った人々は死ぬか逃げ出すしかない。

レバントとマグレブ方面からの難民と不法移民の流出は、ヒトの流れとしては最終局面に差し掛かったものであり、いずれ“爆買い”を続けている中韓からの難民と不法移民を防ぐ必要性に我が国は迫られる。

リーマン・ショックは突発性の流動性危機だったが、中国経済の失速は緩慢な危機を世界にもたらす。新興国のなかには冷戦時に呼ばれていた開発途上国に逆戻りする国が現れるかもしれない。

新興国への資金流入、今年は1988年以来のマイナスに=IIF 2015年 10月 1日 23:19 JST ロイター

アングル:コモディティ大手の経営危機は市場の転機か 2015年 10月 2日 16:53 JST ロイター

コラム:商品相場の「スーパーサイクル」終焉か、途上国に暗雲 2015年 10月 2日 17:42 JST ロイター

第一中央汽船、5日に債権者向け説明会 2015/10/1 19:26 日経

コラム:リーマン危機と違う「緩慢なショック」進行か 2015年 10月 2日 12:58 JST ロイター

(前段略)

<8月の国内生産計画、大幅下振れの裏側>

市場では、1日発表の日銀短観での業況判断の悪化が小幅で、設備投資計画も強気が維持され「想定より強めの内容」(国内銀関係者)との声が漏れている。日経平均.N225も1万7500円台を回復し、「地固め」という見方さえ一部の市場関係者から出ている。

だが、私の目からは、そうした楽観的な見方に立っている市場関係者が、日本の鉱工業生産の「変調」に気付かない素振りを見せていることに強い違和感を感じる。

多くの市場関係者は、8月生産が事前のプラス予想から前月比マイナス0.5%と減少したことに注目。「単月の振れが大きいので一喜一憂しない」(国内市場関係者)との受け止めが多かった。

だが、その見方は表層的だ。同時に発表された9月予測値は同プラス0.1%、10月が同プラス4.4%だが、経済産業省の試算では、7─9月は前期比1.1%低下と、2期連続の減産となる見通し。

(後段略)


参考URL:
米国は中国発の世界経済の減速を乗り越えられるか 2015年9月30日 みずほ総合研究所(PDF)

“爆買い”を止めてはならぬ

外貨流出に悩む中国共産党は、銀聯(Union Pay)カードの海外ATMでの現金引き出しに総額規制を掛ける。

2015年10月1日から12月31日までの期間は上限5万人民元、2016年1月1日からは1年間の上限10万人民元とする、と9月29日のニュースリリースで発表した。ただし、銀聯カードそのものの使用制限は現時点では掛かっていない。10万元(RMB)は現在のレートで約188万円。

この措置で迷惑千万だった銀聯カードの使えない普通のドラッグストアや総合スーパーでの“爆買い”は減少するだろう。もっとも外貨流出に歯止めが掛からないと、いずれ銀聯カードの使用制限が行われ、次いで渡航制限が行われるだろう。

さて、筆者の回りでは、インバウンド案件に関しては2013年第4四半期から2014年第1四半期までに実験店舗などの先行投資を終えて、2014年末までにはノウハウの浸透と拡散を行った(2014年12月8日のエントリー参照)。

彼らの債務のロールオーバーから考えて、“爆買い”の最大ピークは2015年上半期の終わり、と踏んでいた。中共の人口ボーナスのピークは速い人の見解ではもう過ぎており、中間意見では2013年、遅い人でも2015年(2015年2月11日のエントリー参照)。

あとはバブル崩壊後のラチェット効果で最長5年“爆買い”の余波が続き、一人っ子政策の第1世代が40歳になる東京オリンピックの前年までに投資回収と見ていた(2015年6月23日のエントリー参照)が、この想定が早まることになりそうだ。

しかし、支那本土に日米両国が資本投下した分の利益を回収するまでは“爆買い”を止めてはならぬ。それが“世界の工場”に仕立て上げた当方の最低条件となる。

振り返れば2012年の反日暴動を契機として多くの日系企業が引き揚げ始めたが、大抵は人員と設備を協力工場に売却して、取引先として利潤を吸い取っている。

“爆買い”による利潤の吸い上げもこの流れのひとつである。何せ、日本政府の統治の及ぶところならば喜んで彼ら自身が納入した日系ブランドの「Made in China」を買う始末だ。

そして、これら回収した資本は“対中封じ込め”に充当される。例えば支那人の不法移民の流入防止に充てられるだろう。

Tips on Card Usage:New Annual Cap on Cash Withdrawal Overseas with UnionPay RMB Cards Issued in Mainland China 2015-09-29 Union Pay

According to the requirements of the State Administration of Foreign Exchange, a cap on annual cash withdrawal overseas (including Hong Kong, Macao and Taiwan, the same applies hereinafter) is newly imposed for UnionPay RMB cards issued in mainland China, in addition to the currently cap requirement of ten thousand RMB equivalent on cash withdrawal per card per day. From January 1st 2016 onwards, cumulative annual cash withdrawal overseas for each mainland China-issued UnionPay RMB card shall not exceed the equivalent of one hundred thousand RMB. From October 1st to December 31st 2015, the cap shall be the equivalent of fifty thousand RMB.

Tips:
1.The issuing banks may set limits individually for credit cards due to credit limits and other reasons. The cardholders may consult with the issuing banks for details. Besides, countries and regions overseas may have different caps on ATM cash withdrawal per transaction and the applicable cap is subject to the prompts on local ATM machines.

2.UnionPay cards can be used in 150 countries and regions outside mainland China, covering almost places frequently visited by Chinese tourists. Cardholders can pay with UnionPay credit cards and debit cards for purchase in duty free shops, shopping malls, hotels, scenic spots, supermarkets and restaurants etc., which are frequently visited by tourists.


中国、海外での現金引き出し制限へ 上限年間10万元=関係筋 2015年 09月 29日 19:34 JST ロイター

[上海/北京 29日 ロイター] - 中国は銀行・クレジットカード「銀聯カード」による海外での現金の引き出しを年間10万元(1万5719ドル)に制限する。中国銀聯(ユニオンペイ)関係筋がロイターに明らかにした。マネーロンダリング(資金洗浄)や資本流出を抑制する狙いがある。

同筋によると、10月1日から年末までは5万元を上限とする。

現在は1日当たりの引き出しのみが制限され、上限は1万元となっている。

新たな規制は現金の引き出しが対象で、カードを使った商品やサービスの購入は制限されないという。

中国では年間5万ドルを超える資金を個人が海外に移すことは禁じられているが、海外でのカードによる引き出しは事実上抜け穴となっていた。

中国国家外為管理局(SAFE)はロイターの取材にコメントしなかった。


【お金は知っている】経済的に八方ふさがりの習政権 中国人の“爆買い”はいつまで続くのか 2015.09.25 ZAKZAK

 北京や上海で売られるブランド物の値段は東京などの2倍近い。8月11日には元をドルに対して4%強切り下げたが、外国為替市場での対円基準レートは1元=20円で以前と変わらない。元預金をそのまま使える銀聯カードさえ持っていけば、銀座で手軽に買い物できる。

(中段略)

 中国の預金量は急増している。正常に景気が回転している場合、預金は貸し出しと連動する。預金が増えれば銀行は貸し出しを増やし、貸し出されたカネは預金となって還流するからである。ところが、中国では貸し出しの伸び率を上回る速度で預金が増えている。株価の上昇局面と連動している。株価がいい加減上がったとみた、抜け目のない投資家はさっさと株を売って利益を出して、とりあえず預金口座に振り込んだのだろう。

 グラフは預金残高から貸し出し残高を差し引いた余剰貯蓄の兆円換算データで、7月時点で838兆円、日本の同216兆円の4倍近い。すさまじいばかりの余剰マネーである。

 これらの預金の大半を持つとされる中国の中間層以上の階層は食料品、医薬品から家電製品など国内製品を信用しないし、輸入物はとにかく値段が高すぎる。海外向け爆買いは当然の結末だ。

 爆買いブームはいつまでも続くだろうか。鍵になるのは、やはり元相場と景気動向である。

 習近平政権は過剰生産と需要不足からくる景気低迷対策のために、預金金利を下げ、元安に誘導を試みたが、資本逃避が加速し、銀行間で資金を相互融通する短期金融市場では資金が不足する始末である。中国人民銀行はあわてて人民元押し上げ介入に出動する羽目になっている。したがって、当局のほうは元安を進めたくてもできない。だが、元高水準が続くと、輸出は伸びず、過剰生産不況は続く。中間層は海外に出かけて「強い元」による買い物を楽しむのだが、使われる預金は外に流出し、景気の足を引っ張る。

 当局が海外への旅行と買い物に規制を加えるときが、いずれ来るのではないか。八方ふさがりの習政権ならありうる事態だ。 (産経新聞特別記者・田村秀男)


中国金融市場の自壊は変えようがない 外貨準備は「張り子の虎」 2015.09.11 ZAKZAK

ことごとく裏目に出る中国のテコ入れ この国に“経済学の処方箋”は通用しない 2015.09.04 ZAKZAK

崩壊する中国“成長の方程式” 不動産ブーム支えた外準の減少が止まらない 2015.08.07 ZAKZAK

中共の外貨準備高のピークは、2014年6月で3兆9932億ドル(約495兆円)だった。2014年9月から減少し始め、2015年1月は531億ドル減、2015年6月は2993億ドル減を記録した。2015年8月の時点で、2014年6月のピークに比べ4358億ドル(約52兆円)減となった。

過去1年間で6000億ドル(約72兆円)近い資金の海外流出が起きた訳だが、現在の外貨準備高は3兆5000億ドル(約420兆円)以上あり、日本の3倍以上とされるが、対外債務は5兆ドル(約600兆円)を超えている、と上記のコラムで指摘されている。つまり、共産党は国まるごと借金で“爆買い”していることになる。将来のキャッシュフローが見込めない彼らに追い貸しする訳がない。あるとしたら、全く別の思惑が働いている。

新興国に拡がる量的引き締めが招く“縮む世界”

米国を筆頭に先進国では量的緩和(Quantitative Easing)が続けられてきた。しかし、米国の量的緩和終了と軌を一にして、新興国では量的引き締め(Quantitative Tightening)が始まっていた。

Welcome to Quantitative Tightening as $12 Trillion Reserves Fall September 2, 2015 — 4:44 PM JST Bloomberg

ブルームバーグ電の記事の表題は「“量的引き締め”へとようこそ、外貨準備高12兆ドル台からの転落」と、世界の外貨準備高が、昨年の約12兆ドルから今年第1四半期には11兆ドル台に減少したことを引き合いに出して、新興国の中央銀行が量的引き締めに奔っている現状を伝えている。

新興国は先進国の量的緩和を受けて、特にドル建ての債務を増やすことができた。しかし、FRBのゼロ金利政策の終了が取りざたされるに従って、新興国の景気の先行き不安から、米国への資金の巻き戻し(リワインド)が始まっており、その象徴的な動きが人民元の切り下げの影響で資本流出が加速した中国共産党である。

自国の通貨安と資本流出を喰い止めるために、各国の外貨準備を占める米国債が売却されれば、米国の中長期金利の上昇が起きる。ダウ平均株価も乱高下する。債券がダメ、株式もダメという投資環境の変化に米国の個人投資家が株式市場と債券市場両方から撤退している。

債券市場で崩れる常識、中国が米国債売り-もう安全でないのか 2015/08/28 11:49 JST ブルームバーグ

チャイナ・ショックに代表される新興国の量的引き締めは、リーマン・ショックのときのような突発的な流動性危機を招く訳ではない。しかし、緩やかながら確実に、グローバリゼーション=アメリカナイゼーションの時代に倍増した世界の貿易を縮小させていくに違いない。

株と債券の両方から米世帯が脱出、まるで2008年-現金に向かうのか 2015/08/31 06:48 JST ブルームバーグ

アングル:中国河北省の信用保証会社が経営危機、焦げ付き急増 2015年 08月 21日 15:47 JST ロイター

9・3天安門発のブラックジョーク 党指令型不況に気付かぬ首脳たち 編集委員・田村秀男 2015.9.6 11:00 産経ニュース

(前段略)

 中国当局の政策はことごとく逆効果、あるいは裏目に出ている。中国人民銀行は8月下旬に預金金利を追加利下げした。「金融緩和策」と全メディアが報道したが、精査してみると真逆の「金融引き締め」である。短期金融市場では銀行間融通金利上昇が止まらず、6月初めに1%強だった金利は9月2日、2%を超え、預金金利より高くなった。銀行は低い金利で集めた預金を短期金融市場で回せばもうかることになるので、景気てこ入れに必要な貸し出しは増えないだろう。

 量のほうはどうか。中国人民銀行は一貫して発行する資金量(マネタリーベース)を増やす量的緩和を続けてきたが、この3月以降は減らし続けている。つまり、量的引き締め策をとっている。建前は金融緩和なのだが、内実は金融収縮策であり、デフレ圧力をもたらす。

 政策効果を台無しにする主因は資本の対外逃避である。資本流出は2012年から13年の不動産バブル崩壊以降、起こり始めたが、昨年秋から加速している。中国当局は厳しい資本規制を敷いているはずだが、抜け穴だらけだ。党の特権層を中心に香港経由などで巨額の資金が持ち出される。預金金利が下がれば、あるいは人民元安になりそうだと、多くの富裕層が元を外貨に替えて持ち出す。

 資本流出が怖い当局は金融緩和を表看板にしながら、実際には引き締めざるをえない。8月中旬、元相場を切り下げたが、その後は元相場の押し上げにきゅうきゅうとしている。どうみてもめちゃくちゃだ。

(中段略)

 過剰生産能力はすさまじい規模だ。自動車生産台数はリーマン前の3倍の年産2400万台、国内需要はその半分である。粗鋼生産の過剰能力は日本の4年分の生産量に相当する。

 過剰投資がたたって国有企業などの債務は急増している。習政権は株式ブームを作り上げ、増資や新規上場で調達した資金で企業の債務を減らそうとしたが、株式バブル崩壊とともにもくろみは外れた。不動産開発の失敗で地方政府の債務も膨れ上がっている。党中央は危機を切り抜けようと、円換算で70兆円に達するともみられる資金を株価てこ入れ用に投入したが、不発だ。株価が下落を続けた分、不良債務が増える。

(後段略)


アングル:中国などが「量的引き締め」、経済防衛へ外貨売却 2015年 09月 1日 10:04 JST ロイター

(前段略)

シティグループのアナリストチームの推計では、過去1年程度で見ると世界の外貨準備額は毎月平均590億ドルのペースで減少し、この数カ月間では減少ペースが1000億ドルに迫っている。

別の大手グローバル行筋は、新興国は8月だけで計2000億ドルの外貨を売却し、そのうち1000億─1500億ドルは中国だった可能性が大きいとの見方を示した。

ドイツ銀行の通貨アナリスト、ジョージ・サラベロス氏は「中国からさらに資金が流出する可能性は相当に大きい」とした上で、QTがもっと進むと懸念される点が重要だと述べた。

中国の外貨準備は世界で群を抜く規模で、大半は米短期国債や米国債などのドル建て資産。6月末時点では総額は3兆6900億ドルだった。ただ1年前に過去最大の約4兆ドルを記録した外貨準備はじりじりと減少傾向にあり、一部はドル高を受けた為替介入に回されているものの、最近は完全な資産売却が主因となりつつある。

こうした中国やその他新興国による米国債売却は大きな影響をもたらす可能性を秘めている。

シティがさまざまな調査研究をもとに試算したところでは、米国の国内総生産(GDP)の1%相当の外貨準備が減少すると、米10年国債利回りは15─35ベーシスポイント(bp)押し上げられるとみられる。

ノムラの中国チーフエコノミスト、Yang Zhao氏は、中国人民銀行(中央銀行)が7月と8月に1000億ドルに迫る外貨準備の売却に動いたと見積もっている。

同氏は「われわれの計算によると中国から7月に900億ドルの資金が流出したが、為替レートは変化しなかった。これはつまり人民銀行が1000億ドル近くの外準を売ったと推察される。人民銀行は人民元を3%安く誘導した後は、下支えのために積極的な介入を始めた。だから8月も、売却額は1000億ドル目前になっただろう」と説明した。

コモディティ価格の急落と中国などの成長懸念を背景に、新興国から資金が逃げ出している。調査と資産運用を手掛けるクロスボーダー・キャピタルによると、過去1年間に新興国から出て行った資金は約1兆ドルで、そのうち中国からが7500億ドル強を占める。

これに伴って多くの新興国の中銀は、通貨安を食い止めるために外準を使わざるを得なくなった。

一方で人民元切り下げをきっかけにした世界的な「通貨戦争」が激化するとの懸念が広がり、新興国通貨が値下がりする流れが再び強まって、ベトナムドンやカザフテンゲなどが切り下げに追い込まれる事態も生じている。


コラム:外貨準備取り崩しが招く中国発「量的引き締め」 2015年 08月 28日 13:49 JST ロイター

(前段略)

中国人民銀行は2003年からの10年間で外貨建て資産を約4兆ドル積み上げた。貿易によって流入したドルは米国債などの証券に投資され、人民元の上昇を抑える役割を果たしてきた。

しかし今、そのマネーの流れが逆転している。中国が人民元を切り下げ、半ば変動相場制に踏み出すという実験を行って以来、逆流は加速した。

中国は7月に外貨準備を前年同月比5000億ドル超も取り崩した。一方で様々な報道によると、人民銀行は8月11日の元切り下げ以来、1000億ないし2000億ドルを費やした可能性がある。

ドイツ銀行のストラテジスト、ジョージ・サラベロス氏は顧客向けノートで「人民銀行は外貨準備を売却し、世界の固定利付資産の保有を減らすことによって人民元を防衛している。この行動は量的緩和(QE)の巻き戻し、言い換えれば量的引き締めに相当する」と指摘した。

人民銀行が買って抱え込んでいた資産の規模は、米連邦準備理事会(FRB)のQEをすべて合わせた額より大きいことを銘記したい。

中国による外貨準備の蓄積は世界的な金融環境の過度な緩和に手を貸し、金融危機という形でそれが爆発した。この流れが反転すると、金融危機ほどの一時的衝撃はもたらさないにせよ、じわじわと影響が広がってくる可能性がある。

(中段略)

中国発の量的引き締めという考え方に基づけば、過去数週間の市場の乱高下はかなり説明がつく。リスク資産は打ちのめされ、債券も逆流に遭った。安全資産としての、また引き締めは成長を押し下げるという理由での米国債の需要はある程度存在しそうだが、外貨準備による売りという現実と、それが今後も続くかもしれないとの恐怖によってそれは減殺されている。

一連の状況から簡単に抜け出す道は無いかもしれない。中国経済が速やかに針路を転じて資金流入を呼び込むことはなさそうだし、単純に大幅な通貨切り下げを容認する可能性も低い。現実には、中国が資本を引き付け、世界の金融環境を刺激し続けてきた10年余が終わり、中国と諸外国は長期間にわたって道を引き返すことになるのかもしれない。

それはバブルが弾けるというよりは、長くゆっくりとしたデフレに例えた方が正しそうだ。

戦後レジームの継承者と振舞うか、破壊者と現るか

我が国の「戦後70年談話(安倍談話)」と中国共産党の「抗日・対ファシズム戦勝利70周年」のふたつには同じく“戦後レジームからの脱却”及び新しいレジームの構築を目指す両国の戦略の違いが大きく表れている。

中国、「抗日」で初軍事パレード  2015年 09月 3日 13:01 JST ロイター

情報BOX:安倍首相の「戦後70年談話」全文 2015年 08月 14日 21:13 JST ロイター

両国の違いは歴史的事実に対する姿勢に見られる。

我が国は戦後70年の歩みを否定的に捉えることなく、戦後レジームの言説が肯定的に取り上げることのなかった戦前を評価しつつ、概ね歴史的事実を踏襲している。一方、中共は抗日戦勝利の正統性を国民党から簒奪して、歴史的事実を改竄している。

蛇足だが、共産党の随伴者として韓国が現れるのは彼らもまた、戦後レジームを否定する思惑があるからで、当時の連合国から交戦団体として一切、認められることのなかった大韓民国臨時政府に統治の正統性を求めているため。

この姿勢は新しいレジームを構築する際の戦術に大きな差をつくる。

互いに自国に有利なレジーム・チェンジを行うのに、我が国は既存のレジームを継承しつつ換骨奪胎していくが、中共は既存のレジームを破壊する挑戦者として国際法無視のパワーゲームを仕掛けていく。

毛沢東は抗日戦勝記念を祝ったことがない 2015年8月26日(水)18時00分 ニューズウィーク日本版

中国・新華社、天皇陛下に謝罪を要求 「昭和天皇が戦争指揮」 2015.8.26 21:14 産経ニュース

【北京=矢板明夫】26日付の中国紙、光明日報は「昭和天皇には中国への侵略戦争の主な責任があり、その後継者である天皇陛下は先の大戦について謝罪するべきだ」と主張する記事を掲載した。記事は国営新華社通信が配信した。中国はこれまで安倍晋三首相ら日本の政治家に対し、歴史問題について反省や謝罪を求めることはあったが、天皇陛下に対し直接、謝罪を求めることは異例だ。

 記事は、「昭和天皇は中国への侵略戦争と太平洋戦争を発動し、指揮した」と強調した上で、「昭和天皇は亡くなるまで被害国とその国民に謝罪を表明したことがなかった。その皇位継承者は、謝罪で雪解けを、悔いることで信頼を手に入れなければならない」と主張している。

 8月14日の安倍晋三首相の談話内容に不満をもった共産党指導部が、陛下の戦争責任を間接的に追及する方向に調整した可能性もある。

 陛下は1992年に中国を初訪問した際、「わが国が中国国民に対し多大の苦難を与えた不幸な一時期がありました。これは私の深く悲しみとするところであります」と、お言葉を述べられた。

21世紀の阿片戦争

阿片戦争の遠因となったのは清朝の経常収支の悪化であった。ときの道光帝は阿片の対価に支払われる銀貨の流出に危惧を抱き、林則徐を大臣に任命して、英国民間商人の私有財産であった阿片を没収して、見せしめに焼却処分した。

自国貨幣「圓」の信用の基礎は外貨であるメキシコドルが担っていた。

清朝は外貨流出を怖れて、実効的な阿片貿易・販売・所持・吸引などを制限~禁止する経過措置を取らず、突如として英国の商館に矢を射ち込み、公海上の船舶を拿捕して、阿片の没収焼却を立て続けに行って、“法の支配”がなければ成立しない自由貿易を否定した。

歴史は繰り返す。

上海株式市場の暴騰の始まりは米国の量的緩和のテーパリングと軌を一にしている。不動産バブル形成に投資されたドルの還流に危惧を抱き、李克強の改革路線に追随して、香港市場と上海市場の相互乗り入れを行って、市場の歪みを突いた海外勢の空売りで暴落した。

人民元の信用の基礎は外貨である米ドルが担っている。

中共は外貨流出を怖れて、上海株式市場の取引を国際金融センターとしての信用の維持を全く考慮せず、突如として約7割の銘柄の売買停止、大株主が保有する株式の6ヶ月のロックアップ、遡及して空売りを違法と見做し、逮捕される人の弁護に当たる人権弁護士の拘束を立て続けに行って、資本主義と自由主義に対する不適格性を露わにした。

7月の中国外貨準備高、前月から425億ドル減少 2015年 08月 7日 18:37 JST ロイター

崩壊する中国“成長の方程式” 不動産ブーム支えた外準の減少が止まらない 2015.08.07 ZAKZAK

支那は昔も今も自国の信用を外貨に頼っている。メキシコ銀貨の流出が阿片戦争を招来させたのならば、ドルの流出は中国共産党の侵略を招くのもあながち不思議なことではない。

そして、戦争の帰趨は大抵、交通の要衝が抑えられて支那側の戦争継続が不可能になり、講和条約を締結するものの、一向に履行されずに終わる。

阿片戦争では、英国海軍が揚子江を遡上して鎮江を陥落させて、北京への水運(京杭大運河)を断たれて負けた。しかし、講和条約の南京条約と虎門寨追加条約は履行されず、アロー号戦争につながった。

アロー号戦争では、英仏軍が天津を陥落させて、北京への陸路が抑えられて負けた。しかし、講和条約の天津条約にあった外交官の北京駐在とキリスト教布教の自由が義和団の乱につながった。

過去の戦争の事例から、天津の港湾での爆発事故が北京の流通を停滞させることは間違いない。港湾の復旧までに時間が掛かり、代替する港湾のサプライチェーンの再構築にコストが掛かる。

天津爆発、死者104人に 有害物質拡散の恐れ 2015/8/15 20:31 日経

天津爆発事故、死者56人に 税関大破、通関業務に影響 2015年8月15日01時47分 朝日新聞

FRBの利上げ観測に先手を打つ形で、筆者が考えていたよりも早く人民元の切り下げがなされた。ドル高の昂進によってはFRBの利上げも遠のくかもしれない。また、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の成功と人民元のSDR採用もやや遠のいた。それでも、中共の外貨準備高の減少傾向を喰い止められるか分からない。

中国、2~3年で実質変動相場制に移行を IMF年次報告書 2015/8/15 10:40 日経

アングル:リスクオフでも円売り、人民元引き下げで見えた新潮流 2015年 08月 14日 18:27 JST ロイター

コラム:人民元、あと5%下落の可能性も 2015年 08月 13日 18:56 JST ロイター

UPDATE 2-中国7月鉱工業生産や固定資産投資、予想下回る 減速懸念に拍車 2015年 08月 12日 17:31 JST ロイター

IMF:人民元の新たなメカニズム歓迎-SDR採用に影響なし 2015/08/12 13:15 JST ブルームバーグ

以下、2012年9月21日のエントリーの一部を再掲しよう。

今一度確認するが、中共を近代化(資本主義化)したのは、あくまでも日米など列強の資本と技術だった。チャイナリスクが深く静かに浸透し、外資が撤退していくことで、中共は前近代へと逆戻りする可能性すらあるだろう。さて、ここで留意せねばならないことがある。

当時の広州を現在の香港や上海に置き換え、当時の英国の阿片取引の民間開放を現在の米国のリーマン・ショック以降の輸出倍増戦略に置き換えると、案外と阿片戦争前と相似してきたではないか。資本収支は出超となっていき、貿易収支が悪化していけば、自ずと導き出される彼らの解決策とは戦争である。

不良債権額で日米を超える

IMFのスタッフが人民元のSDR採用の可否のために調査入りしたのが今年の6月で、その報告書がまとまった。

最終的には理事会の判断に委ねられるとしながら、2016年9月末までは現状維持、つまり人民元をSDRに組み入れることを延期するように提言した。人民元のSDR採用はあり得るとの含みを残しているので、中共の面子は保たれた形になる。

ロイター電によれば、国際決済で活発に利用されているという条件は満たしていると指摘。「自由に使用可能」という要件をクリアしているかどうか、が焦点となる。

日米が反対しても、英仏独などが賛成に回れば、人民元のSDR採用の可能性も残っている。ドルペッグの人民元をSDRに組み入れても、それはドルの影ではないのか、という疑問は残るが、金融市場を自由化、変動相場制にして自立した通貨にすべきだ、とまではIMFは考えていない。

少なくとも人民元のウエイトを見かけ上でも増やすために、人民元高の政策は続く。輸出主体の経済政策は取れない上に、消費支出の少なからぬ部分が海外の“爆買い”に回る。

2013年末の政府債務は、56兆5千億元(約1130兆円)と下記の記事にある。シャドーバンキングが販売した理財商品で見えなかった地方政府の債務は、債券発行による借り換えで表に出てきているので、さらに増加する。上海市場のバブル崩壊で家計債務も増えている。

我が国のバブル崩壊時の不良債権額は約100兆円、米国のリーマン・ショック時の不良債権額は約200兆円。リーマン・ショック以降、中央政府が行った財政出動(約50兆円)に呼応して、世界中から中共へと流れ込んだ過剰流動性(ホットマネー)は約500兆円~約580兆円にも及んだ。

不良債権額で日米超えは決まったように思う。死命を決するのはFRB(FOMC)の利上げになる。

IMF調査団が中国訪問、SDR構成通貨見直しで 2015年 06月 13日 07:03 JST ロイター

IMFスタッフ報告、人民元のSDR採用先送りを提言 2015年 08月 5日 12:33 JST ロイター

[ワシントン 4日 ロイター] - 4日公表された国際通貨基金(IMF)スタッフ報告は、現在の特別引出権(SDR)構成通貨を2016年9月30日まで維持すべきとの見解を示した。それまでは、人民元のSDR採用に関する動きは控えるべきと提言、元が早期にSDRに採用される可能性は事実上なくなった。

人民元のSDRへの採用を先送りすべきとした理由については、2016年最初の金融市場の取引を混乱させないため、と説明している。

報告は人民元について、国際決済で活発に利用されているという条件は満たしていると指摘。「自由に使用可能」という要件をクリアしているかどうかについては、理事会が今後判断するとしている(訂正)。

「自由に使用可能だと認められれば、元はIMFでより中心的な役割を果たすようになり、SDRへの採用条件も満たす」という。

IMFの関係者らによると、ドイツと英国、フランス、イタリアは、人民元を年内にSDRに採用することについて、前向きな姿勢を示しているが、米国と日本はより慎重なスタンスをとっているという。

一方、スタッフ報告は、人民元が国際決済に占めるシェアで5位になっていることを指摘、中国政府の改革が進展していることは認めた。

中国は人民元のSDR採用に向けて、積極的な外交活動を展開。中国の李克強首相は今年3月、IMFのラガルド専務理事に対して、資本勘定における元の交換性実現を加速すると約束、SDR採用を訴えた。

*内容を追加します。


習政権に大打撃 IMFが「人民元の国際化」決定時期を延期 2015.08.05 ZAKZAK

IMF 人民元を主要通貨に加えるか検討始める 8月5日 14時50分 NHK NewsWEB

中国の政府債務20%増 13年末で1130兆円 地方の借り入れ急増 不動産市況悪化で返済厳しく 2015.8.6 05:00 産経ニュース

参考URL:
REVIEW OF THE METHOD OF THE VALUATION OF THE SDR—INITIAL CONSIDERATIONS August 3, 2015 IMF
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