スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

論理ではなく現実を認識する機会

ギリシアのデフォルト回避に向けての動きがあった。ギリシア議会で緊縮財政案が可決されるとともに“自主的な借り換え”についてドイツの金融機関と政府が基本合意した。さて、このロールオーバーを格付け機関がデフォルトと見なし、CDSの精算を求めてくるかどうか?

ギリシャ議会:緊縮財政案を可決-デフォルト回避へ一歩前進 (2) 2011/06/30 00:24 JST ブルームバーグ

300議席の議会は155対138で同案を可決。一部の野党議員が反対より棄権を選んだ結果、賛否の差は先週の信任投票より大きかった。歳出削減と資産売却を盛り込んだ780億ユーロ(約9兆円)規模のパッケージが可決されたことで、首相は次にこれらの措置の実施を承認する第2の法案の通過を目指す。


ギリシャ資産売却は予定の4分の1強しか調達できない公算-英紙FT 2011/06/29 10:06 JST ブルームバーグ

ギリシャは国家資産売却で2015年までに500億ユーロを調達する計画だが、さらに一等地や文化遺産が売却リストに加えられない限り、予定額の4分の1強しか集められない可能性がある、と英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が伝えた。FTはミラノにあるプライバティゼーション・バロメターの報告書を引用している。同報告書によれば、売却が期待される資産は130億ユーロだけで、370億ユーロが不足することになる。


欧州の保険会社、ギリシャ危機で巨額損失リスクに直面-WSJ紙 2011/06/29 09:43 JST ブルームバーグ

同紙によれば、昨年春に欧州金融危機が表面化するまでは、保険会社の多くはユーロ圏周辺国の国債や銀行債を、高いリターンが得られる手軽で低リスクの投資先とみて積極的に購入していた。


独銀行・保険会社、ギリシャ債借り換え案で対象拡大を協議-関係者 2011/06/30 07:00 JST ブルームバーグ

ロールオーバーの対象を償還が2014年までの国債だけでなく20年までとすることが検討されている。協議が非公開であることを理由に同関係者らが匿名を条件に語った。同関係者の1人によると、ドイツの銀行が保有している14年までに償還を迎えるギリシャのソブリン債は少なくとも20億ユーロ(約2300億円)に上るもようという。


ドイツの銀行と政府:ギリシャ債ロールオーバーで大筋合意-関係者 2011/06/30 19:14 JST ブルームバーグ

関係者が匿名を条件に述べたところによると、金融機関はギリシャ救済パッケージに資金を出すことを約束する。合意は30日午後に発表される予定だという。計画は草案の段階で、内容はこの日の金融機関トップとショイブレ財務相の会合で変更される可能性があると関係者らは述べた。


ギリシア人が論理ではなく現実を認識する機会としては、キプロス紛争の敗北に伴う“大ギリシア主義(メガリ・イデア)”の完全なる終焉に次いでのものとなるだろう。

筆者がギリシアについての印象が決定的に変わったのは『複合民族国家キプロスの悲劇』(著:大島直政 新潮選書)と云う本を読んでからだった。以下はその内容である。

キプロス島は東地中海に浮かぶ戦略的要衝。角のように突き出した島の東端はシリア・レバノン・イスラエルを指差している。ギリシア人、ヴェネツィア人、トルコ人の支配を経て大英帝国の掌中におさまる。

そのあとはイギリスお得意の分割統治(これを悪意と受け取る向きもあるが、法体系や言語の違う国をそのままひとつの国にしている彼らにはむしろ普通のことなのかもしれない)で、多数派ギリシア人と少数派トルコ人の対立が深化していく。独立は1960年、それから現在の分裂状態を生む紛争は14年後のこととなる。

同国の指導者マカリオスは羊飼いの子として生まれ、ギリシア正教の五大ポストのひとつキプロスの大主教に任命された。対英独立闘争を指導し、独立と同時に初代大統領となった。

マカリオスは中道左派路線を取っていたので、極右のギリシア系組織がギリシア併合を目論んでクーデターを計画していた。当時ギリシア本土は軍事独裁政権でデモクラシーの発祥地とは思えないほどの弾圧を繰り広げていた。クーデターの背後には大ギリシアを願う本国の将軍たちと彼らを黙認するアメリカがいた。

こうして彼らの後押しでクーデターの火ぶたが切られる。マカリオス大統領は命からがら逃げ延びた。クーデター側のこの誤算に加えてさっそく少数派のトルコ系を保護するために、対岸のトルコ艦隊が動き始めた。

それでもギリシアはまだ余裕があった。アメリカ第六艦隊がトルコの動きを妨害すると思っていたからだ。 しかも当時のトルコの首相エジェヴィットはアメリカ外交の要キッシンジャーの愛弟子でもあった。師弟のばかしあいが始まる。

キッシンジャーは言う。「トルコ軍は絶対戦争に踏み切りません。1964年と67年のキプロス危機と同じようにこれは示威行為に過ぎず、やがてキプロスを目前にして引き返すはずです。見ていてごらんなさい。過去二回のデータによると、この辺がトルコ艦隊の引き返し点となるでしょう」

予言通りトルコ艦隊はキプロス目前に引き返し、満足げなキッシンジャーは全偵察をソ連に振り向けた。しかしそれはエジェヴィットの詭計であった。Uターンしたトルコ艦隊は約二十分後に再び進路を百八十度変更し、最高速度を持ってキプロスに向かったのである。同じころ、地中海沿岸部のトルコ空軍基地ではすべてが出動態勢に突入していた。

トルコは電撃戦に勝利する。なにしろキプロスとギリシア本土とは、最短距離でも約千キロ離れていて、ギリシア空軍も主力にしていたファントム機の航続距離では、本土からの攻撃は不可能だったからだ。

さらにはギリシア・トルコの国境付近もきな臭くなりはじめた。ギリシアは国家総動員令を発令して予備役まで召集する。ところがそこまででギリシアは腰砕けになって全面戦争に踏み切らない。

なぜなのか? このキプロス紛争最大の笑い話がここにある。

兵舎に集めた兵士に武器を配ろうと武器庫の箱を空けてみたら銃も弾薬もなくなっていたのである。箱の上段は入っていてもあとは石ころだらけ。腐敗将校によって密売されていたのだ。戦争ができるわけがない。しかも鉾先は首都にいる独裁将軍に向かって突進する。まともな将校が怒り狂って「敵はアテネにあり」と進軍し始めた。こうなるとまさしく石ころのように独裁政権の転落が始まる。

独裁者は逮捕され、軍は政治から手を引き、亡命政治家が帰還して首相になる。そしてキプロスにおける和平会談は決裂してこの島の南北分断は決定的になるのである。

しかしこの戦いに勝者はいなかった。キプロスは戦火で荒廃してマカリオスが再び政権に就いてもいかんともしがたい。敗戦国ギリシアは海運不況でさらに経済が落ち込んでしまう。トルコにしても戦費負担でベトナム・中東戦争で稼いだ外貨を吐き出して失業者が溢れだす始末。彼らの生活が持ち直すのはこのあとのレバノン内戦、イラン・イラク戦争になってからである。

そしてキプロスは南北分裂したまま、ギリシア系住民の国家のみがEUに加盟している。トルコ系住民の国家は統合に融和的だったにも関わらずそれを突っぱねたのはギリシア系だった。どうにもギリシア人は論理を優先させて現実を認識しないようにも思える。古代ギリシア人と近代ギリシア人は違う民族と云えるのだが、悪い面で継承者なのだろうか。もっとも近代ギリシアはオスマントルコ帝国から正教徒が分離もしくは強制移住させられた人工国家とも云えるが。
スポンサーサイト

征服ではなく消費する帝国

リビア内戦介入(既に90日経過)の空爆出撃回数が、コソボ紛争介入(78日間)のそれの約3分の1に留まっている。コソボでは約1000機が投入され、リビアでは当初約350機、NATOへの指揮権委譲後は約160機(実稼働はさらに低い可能性がある)が投入されている。この作戦へ投入された機数がすべてを現している。

カダフィ政権の打倒(体制変更)を戦争目的に置いてから、未だになし得ていないのはアメリカが空爆参加を止めた(無人機での攻撃などは継続)からに他ならない。しかも後方支援に対する米国議会の承認ですら、下院で否決(暫定予算は可決)しており、上院では1年間の限定介入の決議案がようやく上程されるという。

今すぐに行き詰まりを打開するためには、アメリカの本格介入を再度実施するか、新たな安保理決議によって地上軍を派遣するしかないだろう。それが不可能ならば現状の戦線維持しかあるまい。カダフィ政権が持久戦に耐えきれず崩壊するのを待つことになる。また和平は時期的に早すぎるだろう。

結局、介入時に政治目的を定めず、フランスが半ば独走して空爆を開始したことが長期化の直接的な要因である。もっともあの時点ではベンガジの暫定政権は風前の灯火だった。一方でアメリカは露払い役には応じたが、ケツ持ちは自分でやれよ、と手を引いてしまっている。

カダフィ政権打倒、めど立たず=リビア空爆から3カ月-NATO 2011/06/28-17:23 時事

(前段略)
 NATOによると、リビア空爆のために戦闘機が出撃した回数は27日までに約1万3000回に達した。ただ、この回数は1999年のコソボ紛争介入で米戦闘機などNATO軍が行った78日間に及ぶ空爆時の約3分の1にとどまっている。
(後段略)


米のリビア攻撃を承認 上院外交委が決議案可決 2011.6.29 10:07 MSN産経

 米上院外交委員会は28日、米軍が北大西洋条約機構(NATO)軍によるリビア攻撃に限定的に参加することを1年間に限って承認する決議案を14対5の賛成多数で可決した。今後、上院本会議に上程される。下院本会議は24日、同様の法案を否決しており、米軍のリビア軍事介入をめぐり賛否が分かれる議会の内情が浮き彫りとなっている。

 上院外交委の決議案は、党派を超えてオバマ政権の対リビア攻撃を承認する姿勢を明確にしているケリー委員長(民主党)とマケイン議員(共和党)が主導。反対した5人はルーガー筆頭委員らいずれも共和党議員だった。
(後段略)


対テロ戦争時のアメリカはサブプライムローンに代表される不動産バブルによって、征服者というよりは消費者として世界に依存してかつ貢献していた。無遠慮な軍事介入と受け取られ、怨嗟の的となっていたにもかかわらず、欧州も日本も新興国もすべてがアメリカの際限のない消費によって少なからず恩恵を受けた。貿易量をまさしく倍増させたのが、この対テロ戦争の裏面なのだ。各国は思想的には批難することで、経済的には生産することで以てアメリカに依存していたことを忘れてはならない。奇妙なこの生産と消費の相互依存に両者が無自覚か、あえて触れようとしないのは何故なのだろうか?

勿論現在では、不動産バブルは崩壊して、また対テロ戦争に一区切りが付けられようとしている。アメリカは消費も征服もままならないだろう。入れ替わる中国は消費意欲よりも征服意欲が見える。これを帝国としてのアメリカの崩壊過程と考えるならば、むしろより悲惨な影響を被るのはその周縁国であるのは、歴史の教えるところである。

NAFTAが招いたメキシコ麻薬戦争

メキシコの女子大生署長の就任から亡命騒ぎの記事中に、昨年2010年における麻薬組織による殺人が1万5273人とある。なるほど戦争と呼ばれるわけだ。このメキシコ麻薬戦争は、北米自由貿易協定(NAFTA)によってもたらされた利権の再分配の過程で引き起こされたもののひとつと言えるだろう。

メキシコ元女子大生署長が記者会見 「自分は無知だった」2011.6.26 09:40 MSN産経

メキシコでは長らく制度的革命党(PRI)が事実上の一党支配によって、メキシコ革命によって構築された利害関係を維持・分配する役割を担ってきた。それは中南米に多いポピュリズム政権の一典型であった。政治的思想では対立した(スペイン内戦では人民戦線側に派兵した)かつてのスペインのファランヘ党とも似通っている。

しかし、1980年代以降は利権構造の硬直化による腐敗が進む。この時期はまたメキシコを含む中南米諸国が債務危機に直面していた。その打開策のひとつとしてNAFTAが締結されたと言える。

1994年のNAFTAの発効以後、その恩恵を受けた中間層が勃興する一方、没落する農民や先住民の支持を受けたサパティスタ民族解放軍が最南端のチアパス州で蜂起するなど、従来のメキシコ革命の利権構造が壊れていった。利権の再分配を適切に進めることが出来なかった制度的革命党は徐々に議会多数、大統領職を失い、現在は野党へと転落している。

メキシコ麻薬戦争も、そうした利権の再分配過程で起きている。目前に米国という大市場が存在しない限り、麻薬カルテルの肥大化もあり得ない。

政治的対立のすべてはNAFTAが中心軸にあるのだ。新自由主義的な国民行動党(PAN)は、貿易上の利点の大きい北部及び首都周辺の地域に地盤を持つ。左派・左翼的な民主革命党(PRD)は、逆に貿易上の利点の少ない南部に地盤を持つ。制度的革命党(PRI)はそれ以外の地域に地盤を持ちかつ他の党が進出している地域でも一定の議席を有している。

メキシコの女子大生署長、半年もたず米へ亡命 麻薬組織の恐怖痛感 2011.3.5 17:32 MSN産経

 麻薬密売組織が絡んだ凶悪事件が頻発しているメキシコ北部、チワワ州の米国との国境の町、プラセディスの警察署長に昨年10月に就任した女子大学生、マリソル・バジェスさん(20)が3日、亡命を求めて米国に渡ったことが明らかになった。

■「従わなければ殺す」脅迫受け
 親族がフランス通信(AFP)に語ったところによると、バジェスさんは「犯罪組織から便宜を図るよう要求され、さらに従わなければ殺すと脅迫を受けていた」という。このため、親族2人とともに国境を越えて渡米。今後、亡命を申請する方針という。

 プラセディスは、昨年1年間で約3100人が麻薬取引をめぐる抗争とみられる暴力事件で死亡した「世界で最も危険な都市」シウダフアレスの南東65キロにある町。人口約8500人、かつては農耕地帯にある静かな町だったが、フアレスカルテルとシナロアカルテルの2つの麻薬組織が輸送ルートの道路をめぐって抗争を始めてから一気に治安が悪化、警察官らが殺害される事件が頻発している。

 昨年6月にはヘスス・マヌエル・ラーラ町長が息子とともに暗殺され、恐怖の余り、署長以下8人の警察署員(全員で11人)が辞職。生後数カ月の男児の母で、プラセディス近郊のグアダラハラ大学で犯罪学を専攻するバジェスさんが10月に署長就任を引き受けたばかりだった。それまでバジェスさんは、警察業務といえば、幹部の秘書をアルバイトで務めたことがあるだけだったが、ホセ・ルイス・ゲレーロ新町長が「若いが、勇気と優れた行動規範を持ち合わせた適任者」として就任を懇願していた。

 就任の際、バジェスさんは「就任を受けるまで、1カ月家族と悩んだ。確かに恐怖心もあるし、これからもなくならないだろう。しかし、この町の平穏と安全を取り戻したい。少なくとも10年前は、危険で夜道が歩けないなんてことはなかった」と語っていた。さらに10人の新署員(全員女性)を雇い、銃や武器を携行するのは3人の男性署員だけで、自身を含めて女性は銃を携行しないという姿勢を貫いていた。

 住民との交流を深める方針も示し、「私の部下が一軒一軒訪問し、犯罪者を見つけたり、市民にふさわしい価値観を教えたりするようになれば」とも抱負を話していた。

 しかし、昨年12月、28歳の女性署員が武装集団に拉致される事件が発生。現在も、署員の行方は分かっておらず、バジェスさんはショックを受けていたという。

■選挙控え治安さらに悪化へ
 メキシコでは昨年1年間で麻薬組織に殺害された人の数が、カルデロン政権が誕生した2006年以降最悪の1万5273人に上っている。犠牲者の半分は米国に近いチワワ、タマウリパス、シナロアの北部3州に集中し、専門家は、麻薬組織が今年の州選挙や来年の大統領選などに影響を及ぼそうと暗躍するため、当面はさらに治安悪化が続くだろうと警告している。

 フェリペ・カルデロン大統領(48)は就任以来、軍を動員して麻薬カルテル撲滅作戦を展開。この2年間で37人のボスのうち、半数を逮捕または殺害したと成果を誇っているが、市民が犯罪に巻き込まれるケースは一向に減っていないのが現状だ。

 バジェスさんの親族は「こんな危険なところで、若い女性に警察署長が務まるわけがない。だれが本当に無責任なのか、考えて欲しい」と話している。

敢えて泥舟に乗る蛮勇

枝野官房長官が「内閣改造に伴う初閣議は招集していない」と、今回は内閣改造ではないとの認識を示したとの報道もある。これは第3次改造内閣ではないと云うのか? それと自民党の浜田参議院議員を政務官として引き抜くメリットも分からない。与野党協力の見込めなくなった民主党の国対委員長は頭を抱えていることだろう。

【首相会見詳報】(1)「2次補正、再生エネ法、特例公債法の成立が一つのメド」(27日夜)2011.6.27 23:01  MSN産経

【首相会見詳報】(2)再生エネ法案「なんとしても私の内閣の責任で成立させたい」(27日夜)2011.6.27 23:03 MSN産経

【首相会見詳報】(3)原発の青写真「一定のめどとは関係ない」(27日夜)MSN産経

【首相会見詳報】(4)自民・浜田氏引き抜きは「政党間の問題ではない」(27日夜)MSN産経

【首相会見詳報】(5完)「原発の安全性を徹底的に検証する」(27日夜)2011.6.27 23:28 MSN産経

自民・石原幹事長、浜田氏離党「菅首相の政治手法にあきれる」2011.6.27 22:14 MSN産経

それにしても鳥取選挙区から選出されてきた参議院議員は政局の流れをつかむのには無能揃いと言える。

今回離党届を提出した浜田和幸氏は、2010年の選挙で当選している。任期を務めている間に自民党主体の政権に戻ることは確実なのに、政務官如きで泥舟に乗る理由が分からない。

2009年に離党した田村耕太郎氏は、民主党の参議院単独過半数越えのために民主党に引き抜かれる形で入党したが、2010年の選挙では当然の如く落選している。

2007年の選挙で当選している川上義博氏は、郵政造反組で衆院選挙落選後に民主党に入党して、民主党への追い風のおかげで当選している。おそらく次の参議院選挙で勝てる見込みはないだろう。

自民党県連の力が強すぎるのも一因だが、人選を誤っているのかもしれない。

K-POPは“組立加工貿易”の一形態

自国資本を無くしても外国資本によって、自国民に仕事が与えられれば良いではないか? そんな発想が、米韓FTA及びEU・韓国FTAの締結と発効から感じられる。

たしかにひとつの考え方だが、それは狂信的な愛国心を垣間見せる国民性とは本来相容れないはずなのに、相変わらず歴史的に間違った選択肢を常に選び続けるのも国民性と云うべきか。

ともかくFTAによって、米国→韓国→EU、EU→韓国→米国が成立する。であれば日本→韓国→中国→欧米と何ら違いはないではないか。いやむしろ組立加工貿易から中継貿易になりうる。そのことは(シンガポールや香港などと云った都市国家とは領域と人口が違う)国家として正しい在り方なのだろうか?

EU「韓国、非関税障壁の追加撤廃を」…FTA発効控えて圧力 2011年06月25日07時46分 中央日報日本語版

駐韓欧州連合商工会議所(EUCCK)が来月1日の韓国・欧州連合(EU)自由貿易協定(FTA)発効を控え、韓国政府に対して非関税障壁の追加撤廃を要求した。

EUCCKは24日、ソウル獎忠洞(チャンチュンドン)の新羅ホテルで「2011市場障壁白書」を発表する記者会見を行った。

白書は酒類、自動車、銀行、資本市場、建設、化粧品、化学および農作物、環境およびエネルギー、ファッションおよびラグジュアリー、食品および飲料、商用車、製薬、医療機器、人的資源、保険、知的財産権、物流および運送、海洋および造船、不動産、租税の20分野別に市場障壁を指摘した。

EUCCK会長のウィルティジェ・ルノー三星(サムスン)自動車社長は「韓EU間FTA締結でEU企業の韓国市場進入を防ぐ貿易障壁が解消されるものと期待されるが、依然として解決されなければならない市場進入障壁が存在する」と述べた。

続いて「欧州製薬会社は今も毎年解決されない同じ問題(保険給与など)で困難を抱えている」とし「FTA締結にもかかわらず、多国籍化粧品会社の市場進入を妨げる規制(化粧品1次包装ハングル表示義務化など)が相変わらず存在する」と主張した。

ウィルティジェ氏は「EU自動車業界も規制(乗客座席の規格制限など)に直面している」とし「知的財産権の保護のための規制があるが、知的財産権侵害が蔓延している」と話した。


20分野に及ぶ市場障壁の中で、ハングル表示義務化の是非と知的財産権侵害の蔓延について指摘されているのが興味深い。これは現在の韓流ブーム(韓国文化の事業サービス・著作権としての輸出)が持つ一方の指向性“文化のオリジナリティ”に真っ向から対立し、もう一方の指向性である“文化の組立加工”を露わにするだろう。

K-POPのビジネス的一側面として注目すべきなのは、その楽曲の作曲、外国語版の作詞、振付において外国人に(無論全部ではないが)依存している点だ。これでは貿易収支に見られる日本から資本財を輸入して組立加工して輸出する構造と何ら変わりがない。

唄って踊っている(ある意味で組立している)のが人件費の安い韓国人で、あとは楽曲と振付と云う資本財を高値で外国人のアーティストから買い取り、海外の市場で各国の広告代理店(エージェンシー)を通して、そのプロモーションに国税を投じて不当廉売(ダンピング)する。

不当廉売について報復を受けるかはともかく、海外の嗜好に合わせていくのだから、オリジナリティも相対的に失われていくだろう。しかも(往々にして海外の音楽出版社に押さえられている)著作権のロイヤリティ収入ですべての国民を食わせられる訳もない。マーケティングも徹底した日本のフォロワーである上に、稚拙な組立加工の“パクリ”で悪感情を捲き散らす。

何をしたいのか分からないが、自分で書いていて本当に意図が分からない。意図として、海外市場に他の産品を売るためのイメージ戦略だと考えているのなら片腹痛い。そんなことで国際収支が改善できるものか。少なくとも自国民がどれだけ中抜きされているのかを知らずにいられるイメージだけは自国民の中で確立できるだろう。

対テロ戦争から米中冷戦への分水嶺

2009年12月に打ち出されたオバマ政権の戦略通りに、増派分の撤退計画が始めることが大統領によって表明された。ビンラディンの暗殺で対テロ戦争の目的のひとつは明らかに達成されたと、米国国民は認識しているのだろう。

ただし現時点での撤退開始は必ず力の空白を生む。その空白がどのような事態を招くのか、戦争という最後の手段をどのように駆使すべきなのか、またそもそもこれらを理解できるのか、現在のオバマ政権の外交的センスに関しては、前のブッシュ政権と比べるとどうしても劣るように思われる。

アラブ・中東地域の革命と混乱に対する理想的な演説と現実的な力の行使には明らかな乖離が見られる。

特にリビア内戦への介入に関しては、英仏に引きずられる形で軍事力を投入した経緯もあるために、その介入の政治的理念が伝わらず、共和党優勢にある議会の承認を得ることが出来ないでいる。一方で現実的な問題として軍が動けなくなる最悪の事態は避けるために、リビア介入の軍事予算は何とか通っている。

つまりは、ベトナム戦争の反省にたって制定された戦争権限法から云えば、現在のリビア介入は違法の状態が続いている。これは前のブッシュ政権ですら行わなかった。この点から内政に対するセンスも後退していると言えるだろう。

アフガニスタンとパキスタンにおけるアメリカの影響力(軍事的プレゼンス)が低下するのは避けられないとして、その間隙を埋めるのが中国であれば、対テロ戦争の終結は米中冷戦への分水嶺と成り得る。ただし米国の国論は、対中国共産党へと向かうことが出来るだけの利害調整を終わらせてはいない。

特に過度に消費財輸入を中国に依存する体質からは脱却すべきだろう。それだけでも国内に雇用を取り戻すことが出来る。もしくははっきりと中国を自由と民主主義の敵と見なして、更なる軍事支出の増大を行うことで雇用を増やすことでも構わない。

しかしそうした路線の明確な変更や位置づけは、リビア介入に関してすら議会を説得できない現在のオバマ政権には、到底不可能と思われる難事であろう。

来年9月までにアフガンから3万3千人撤退 米大統領が国民向け演説 2011.6.23 10:34 MSN産経

アフガニスタンをめぐる主な動き

2001年9月 米中枢同時テロ 

10月 米軍主導でアフガン攻撃始まる

12月 タリバン政権が崩壊、カルザイ氏(現大統領)が暫定行政機構議長(首相)に就任

04年12月 カルザイ氏が大統領就任

06年10月 北大西洋条約機構(NATO)が米軍から、アフガン全土での国際治安支援部隊(ISAF)の治安指揮権を引き継ぐ

09年1月 オバマ米大統領が就任

3月 オバマ大統領がアフガン包括戦略を発表

8月 アフガン大統領選

11月 カルザイ大統領再選決定、2期目就任

12月 オバマ大統領がアフガン新戦略を発表。米軍3万人の増派と11年7月の撤退開始を表明

10年2月 開戦以来、最大規模となるタリバン掃討作戦を南部へルマンド州マルジャで開始。アフガン駐留米軍の死者総数が1000人を突破

6月 政権批判を展開したアフガン駐留米軍トップのマクリスタル司令官を解任し、後任にペトレイアス中央軍司令官を起用。

9月 タリバンの拠点、南部カンダハル州の掃討作戦開始

11月 NATOが2014年末までに治安権限をアフガン側に移譲することを目指す出口戦略で合意。

11年5月 オバマ大統領が米軍による国際テロ組織アルカーイダの指導者、ウサマ・ビンラーディン容疑者の殺害を発表

6月 オバマ大統領がアフガン駐留米軍の撤退計画を発表


大統領選視野に国民の厭戦ムードに配慮 オバマ大統領のアフガン撤退計画 2011.6.23 11:02 MSN産経

政治優先の決断に批判も 2011.6.23 20:43 MSN産経

“封じ込め”られることを望む支那

中国共産党政権の外交政策の結果が『米中冷戦』を招いている。我々は何故だか“支那は外交巧者”との印象を持っているが、存外勝手な思い込みであろう。それともやはり、あくまでも外交は内政に左右されていると見るべきなのだろうか。そうすればこの衝突を回避しない、または出来ない方針にも一定の理解は出来る。

支那が、次代の覇権国家になりたいと願うなら、2度の世界大戦で敗れたドイツ、1940年代後半から1980年代後半までの冷戦に敗れたソ連の事例を学んでいるはずなのだが、実際にはいたずらに現在の覇権国家・米国を刺激して“封じ込め政策”へと進ませている。まるでそれを促進させることこそが、共産党が政権を維持するがための内政方針であるかのように。

米、フィリピン支援鮮明に 中国覇権拡大に対抗、 2011.6.24 20:38 MSN産経

 【シンガポール=青木伸行】米、フィリピン両政府は、南シナ海での中国の覇権拡大に対処するため、同盟関係のテコ入れに本格的に着手した。23日(米東部時間)にワシントンで開かれた外相級会談で、「米比相互防衛条約」を南シナ海での「有事」にも適用し、比軍の装備の増強、更新を米側が支援することで合意した。南シナ海は「米中冷戦」の様相を呈している。

 クリントン米国務長官との会談などで、デルロサリオ比外相は、中国の脅威に対し「いかなる攻撃的な行動をもとる用意がある」と強調。米側は、南沙(スプラトリー)諸島の領有権をめぐる中比の武力衝突を念頭に、米比相互防衛条約(1951年)に基づきフィリピンを防衛することを明確にした。

 また、フィリピンの老朽化した艦船など装備を増強、更新するため、米側は装備などを供与する。クリントン長官は「必要な装備をどう供与するかを決める作業をしている」としている。同外相はゲーツ米国防長官とも会談し、具体的な「装備リスト」を基に協議したとみられる。

 フィリピンの装備は質量ともに脆(ぜい)弱(じゃく)で、旗艦であり唯一のフリゲート艦「ラジャ・フマボン」にしても、第二次大戦中に就役した米海軍の“お古”だ。アキノ大統領は約2億5200万ドルの予算を、装備の増強、更新などに割り当てる方針で、すでに米沿岸警備隊の退役した巡視船を数隻購入している。

 合意の重要なポイントはしかし、米比相互防衛条約は南シナ海にも適用されるとの認識を、米側が明示したことだ。これまでは、南シナ海に米国が「手を出す」かどうか、「戦略的な曖昧さ」が残されていた。合意は、中国の覇権拡大に対する米比両国の認識が、「安全保障上の課題」から「軍事的な脅威」に移行したことを意味する。

 今後は、同盟関係の強化が、運用面にどう反映されるのか、注目される。

 振り返ると、米軍のスービック海軍、クラーク空軍両基地からの撤退(91年)に伴い、米比基地協定が失効し、同盟関係とフィリピンの軍事力は弱体化した。

 その間(かん)隙(げき)を縫い、中国が南シナ海に進出すると、米比両国は「訪問米軍に関する地位協定」(VFA)などを結び、関係回復に動いた。だが、米国は後方支援基地の復活を望んでいるとの観測もあり、それを模索する動きが浮上する可能性もある。


思い返す事例としては、ドイツ帝国が破滅に到った道だ。

ドイツ帝国は、将校を輩出するユンカー(プロイセンの土地貴族)のためにロシアからの農作物に対して保護関税を掛け、それを元手として関税に不満を持つ産業資本家(クルップ家など)のために英国に対抗しうる建艦競争を繰り広げる。国内の利害関係者はそれで収まるかもしれないが、諸外国に対しては配慮のない機会主義に基づく外交の結果はドイツ包囲網であった。

当時の大英帝国も最初はドイツとの提携を望んだが、日英同盟から日露戦争とその勝敗の結果、英仏協商と英露協商とそれぞれ勢力圏における妥協が成立して、ドイツは孤立することとなり、二正面作戦(シュリーフェン・プラン)を余儀なくされ、その作戦も徹底できず、フランスを最初期のうちに撃破できなかったことが帝国の滅亡につながった。

当時の英国と日本の関係を、現在の米国とベトナムの関係に当て嵌めて見ても良い。再度の中越戦争が起きるならば、利害関係を整理する契機になるかもしれない。最も注目すべきは上海協力機構に加盟するロシアの動向になるだろう。

避けられない米国の“失われた10年”

米国民の金融資産は、日本国民の現預金指向よりも株式・債券・投信・年金・保険に比重が置かれている。とは云ってもやはり個人の資産形成の核となるのは土地家屋であることに変わりがない。

日本では家屋は減価していくが、米国ではそうでもない。家屋のメンテナンスは直接的な売買価格と間接的な治安コストの維持に関わりがある。一般的には値上がり益を以て、学費などの消費の一時的増大や老後の蓄えにしてきたのだ。この好循環が失われてしまっている。

今後はデフレ下で、安価で低品質な中国産などの建材を使用したり、設計の簡略化(要は安普請)によって、家屋の価値を継続すること自体が見込めなくなる事例が増えるだろう。

つまりは不動産バブルが崩壊したことで我が国と同様になって行かざるを得ない。

先安感の中で中古住宅への購買意欲は低下するし、土地資産の担保価値について選別が進み、産業基盤の弱い地方の土地取引価格はなかなか上がらなくなる。当然カネが回らない。誰もカネを借りなくなる。地方の中堅金融機関が倒産し続ける中で、バランスシートの毀損を回復させるまで、量的緩和と財政出動が景気を下支えするほかない。

この不満が茶会党の台頭の一因となっている。ベビーブーマーが引退し、その子供たちの雇用と年金が喪失し、孫の世代は就職難に直面している。特に就職できない学生にとって学費ローンは死活問題になる。住宅ローンと違ってその住宅を手放せば棒引きできるものでもないからだ。親が払うにも住宅価格が下がっていては、その値上がり分で借り入れも出来ない。彼らが茶会党に加わっていく。

個人消費を中国などの輸入から国内生産に切り替え、雇用を産み出さねばならないことはエスタブリッシュメントは理解していても、利害関係を整理できるかまだわからない。失われた10年は既に始まっていると見るべきで、そのために量的緩和の第3弾(QE3)と財政をめぐる共和党・民主党のつばぜり合いがつづくだろう。

米FHFA住宅価格:4月は前年比5.7%低下、前月比0.8%高(1) 2011/06/23 00:30 JST ブルームバーグ

米国民、「アメリカンドリーム」期待せず-ブルームバーグ世論調査 2011/06/22 13:00 JST ブルームバーグ

グロース氏:米政府は一段の雇用対策を-脱金融と製造業強化で (1) 2011/06/22 04:31 JST ブルームバーグ

5月米中古住宅販売:3.8%減の年率481万戸、6カ月ぶり最低(2) 2011/06/22 01:41 JST ブルームバーグ

全米48都市が「失われた10年」に、雇用は戻らず-市長会が報告 2011/06/21 01:09 JST ブルームバーグ

米労働者の3人に1人は離職を検討、若年層は40%以上-米調査会社 2011/06/21 02:33 JST ブルームバーグ

ギリシアの内閣不信任案否決

瀬戸際の内閣不信任案否決を菅政権のそれと比較すると、少なくともパパンドレウ政権のそれは政治の本道として道理に適っていることは認めなくてはいけない。次のハードルは緊縮財政策の承認であろうが、同国議会の300議席のうち与党155議席、野党143議席、今回は与党の造反がなかったことを考えて、与野党合意が望ましいが与党単独でも可能性は出てきたと云うべきだろう。もちろんアイルランドやポルトガルのように選挙後に反故にされる可能性もあるが。

パパンドレウ内閣を信任、ギリシャ議会-国際支援確保の公算強まる(3 2011/06/22 09:45 JST ブルームバーグ

緊縮財政策が国内外で承認されれば、かつてのサラ金金利並みになっているソブリン債に対して、つなぎ融資で最長3年間の猶予が与えられる。その際には、公務員改革が焦点になるだろう。けして改革が進む保証はない。むしろ猶予期間によって、借金が増えることもあり得る。

なぜわざわざ借金を増やす可能性を背負わなければならなくなっているのは、デフォルトによって貸し手であるドイツ、フランス、ベネルクス3カ国及び英国の金融機関のバランスシートを毀損させてしまい、その各国が政府の資本注入(つまりは税金)を余儀なくされることで、国内世論の反発(我が国や米国の事例から見て明らかに選挙に不利)が予想されるためにギリシアに負わせるだけ負わせようとしたいからだ。

今のところ、産業資本と比較すると金融資本ではPIIGSにも競争力のある銀行は多い。ギリシアは不動産バブルで死に体になりつつある中小金融機関の多いスペインより問題は少ない。しかしEUの南北問題の深化と云う過程の中で、韓国のように銀行も外資支配されるようであれば南欧の事実上の金融植民地化が完成すると云って良いだろう。

“菅降ろし”なら臨時国会でどうぞ

6月22日が通常国会の会期末である。会期延長をめぐって未だ与党内での合意も出来ていない。菅首相の退陣時期と国会会期延長がバーターのように云われているが、たとえ民主党執行部内で何らの合意を取り付けたとしても、それが履行される保証がないことは、菅首相の性格として容易に予想できる。

本気で“菅降ろし”をしたいのならば、現在の国会を閉会して臨時国会を開き、そこで再度、内閣不信任案を野党が提出して、与党の一部が乗り可決する。そのとき、ようやく内閣総辞職か解散総選挙を菅首相が選択する。彼の性格からすると、一日でも長く政権の座にあるために解散総選挙を選ぶだろう。もしくはどちらも選ばないかもしれない。つまり違憲でも居座る可能性さえある。そして、高度な統治行為を司法は判断できない。

民主執行部「菅降ろし」失敗 首相は余裕たっぷりに「まだ、やらねば」2011.6.21 08:00 MSN産経

自民・谷垣総裁「立法府を侮辱」 菅首相のエネ特措法「早く通せ」発言で 2011.6.21 11:17 MSN産経

異常と思われるかもしれないが、極左政権の考えることは常識の範疇で考えても仕方がない。既に議会政治の信義則は破られている。本来、首相が“重大な決断”に言及することは、辞職か解散のどちらかである。おそらく不信任案否決前の会見では、この文言は使っていないのだろう。非主流派・中間派のツメが甘かったと云うべきだ。

留意しなければならないのは、現在の首相の権限は戦前の大日本帝国憲法下の首相よりも強いことである。首相、陸軍大臣、のちに参謀総長をも兼任した東條英機ですら、岸信介軍需大臣(正確には次官、国務大臣扱い)が造反すると内閣総辞職を選択せざるを得なかった。驚くべきことに、当時の首相は閣僚を更迭することすらできなかったのだ。

これを郵政解散時の小泉首相が島村農林水産大臣を更迭して即兼務、即解散したことと比較すると、戦前を安易に軍国主義、軍部独裁と云うことは出来ない。当時の軍部は陸海軍省の大臣が現役武官制であった場合、首相が事実上任免権を持たないことを逆利用していたに過ぎない。戦前の首相は内閣の一員としての性格が強かったのだ。

そして、現在はその反省を踏まえて高められた首相権限の強力さを極左の首相が逆利用している。ここに歴史の皮肉を見ることが出来よう。

欧州の“南北問題”

まるで1960年代以降の先進国と発展途上国の経済格差を指した南北問題がEU内で起きているような感覚を覚える。幾つかの発展途上国は対外債務を抱えインフレーションに悩まされ、独裁もしくはポピュリズムの政権によって混迷を深めていった。PIIGS諸国も同様のコースを辿るのだろうか?

IMFがギリシア支援の前に更なる財政削減計画を要求している。ベルギーの財務相は、ギリシア国内の利害調整が難しいことを織り込んで、支援額の減額(120億ユーロから半額の60億ユーロ)などの圧力を掛けている。一方で現在のパパンドレウ政権と野党は、それぞれ緊縮財政について国民の信任を得るための憲法改正、総選挙を訴え始めた。

緊縮財政に立ちはだかるこの国の最も大きな利害関係とは何か?

首相が述べる『同国の債務の根本的な原因に取り組むこと』『赤字は「病気の症状であり、原因ではない」』とは、公務員制度のことを指すのだろう。国民(労働人口)の25%が地位の保全された公務員で占める。であるからこそ、公務員の地位保全の法的根拠を崩すために憲法改正を唱える。その一方で、野党は政権を奪取するために総選挙によって公務員票を取り込もうとする。ところが与党・全ギリシャ社会主義運動(PASOK)自体が、公務員票を基礎としているのだ。

公的セクターの非効率性が経済の重荷になっていると云う判断は正しいとして、パパンドレウ首相は国民を説得できるのだろうか? この既得権益を失ったあと、それを補うだけの利権を見出せないからだ。経済合理性だけ考えれば、おそらくユーロ離脱によって輸出競争力を上げることでしか失業した公務員を吸収できないと思われるが、EU全体の政治的思惑は今のところそれを許していないようだ。

スペイン首相:ギリシャはEU・IMFからの支援で危機乗り切ろう 2011/06/19 11:43 JST ブルームバーグ

ルービニ教授:ギリシャとポルトガルのユーロ離脱の可能性否定せず 2011/06/19 13:01 JST ブルームバーグ

IMFはギリシャ支援第5弾実行前に財政計画承認求める-地元紙 2011/06/19 19:13 JST ブルームバーグ

ギリシャ首相:憲法改正のための国民投票の年内実施を提案 2011/06/19 19:48 JST ブルームバーグ

ギリシャ最大野党のサマラス党首:早期選挙の実施求める 2011/06/19 20:46 JST ブルームバーグ

独財務相:ギリシャ債券保有者の自発的参加でインセンティブない公算 2011/06/20 06:10 JST ブルームバーグ

オランダ財務相:19日にギリシャへの新たな支援での合意ないだろう(1 2011/06/20 06:24 JST ブルームバーグ

ベルギー財務相:ギリシャ支援第5弾、半分の60億ユーロのみ承認も(2 2011/06/20 07:35 JST ブルームバーグ

6月19日(ブルームバーグ):ユーロ圏各国は、ギリシャ向け第1次支援枠の第5弾について、予定の120億ユーロ(約1兆3700億円)の半額にとどめることを検討している。ギリシャの支払い能力を支えると同時に、欧州のソブリン債危機を招いた債務の削減を求め同国に引き続き圧力を加えるのが狙い。

ベルギーのレインデルス財務相は19日、ユーロ圏財務相会合の前に記者団に対し、ギリシャ支援第5弾は7月の国債償還を乗り切るための60億ユーロだけを承認し、残りはギリシャの予算削減次第とする可能性があると発言。「われわれはいかなる場合でも、短期的に必要な資金を提供するよう努める」と語った。

欧州が金融の瀬戸際政策に乗り出す中、ギリシャのパパンドレウ首相は政権の崩壊を防ぐとともに、追加救済資金の確保に必要な歳出削減と増税、国有資産売却に対する議会の支持を得ようとしている。

ユーロ圏財務相会合が開かれる19日、ギリシャでは新内閣の信任投票をめぐる3日間の議会審議が始まった。パパンドレウ首相はこの日、議会で、「ギリシャは極めて重要な岐路に立っている」と述べた。与党・全ギリシャ社会主義運動(PASOK)は300議席中155議席を有している。

パパンドレウ首相は、同国の政治制度を改革するための憲法改正を目的とした国民投票を年内に行う計画だと述べた。また、自分の目標は同国の債務の根本的な原因に取り組むことで、赤字は「病気の症状であり、原因ではない」と指摘した。

終わりの見えないリビア内戦への軍事介入

英仏主導によるNATO及びアラブ連盟の有志国のリビア内戦への軍事介入から3ヶ月が経過した。介入当初、その目的がトリポリにあるカダフィ政権の打倒か、ベンガジにある暫定政権の支援か明確ではなかった。

安保理決議に沿って考えれば、NATO事務総長が述べるように「(1)市民への攻撃停止(2)全ての軍部隊の撤退(3)人道支援の普及の三つの目標が達成された時点で『NATOの使命は完了する』」とのことだが、事実上カダフィ政権の打倒を目的としている。カダフィ大佐個人を狙った空爆で、そのように受け取られるだろう。

何故ならば、イラク戦争におけるアメリカ・当時のブッシュ政権と同じく、和平の交渉相手となるべき人物に攻撃を行っている。それの是非はともかく、その攻撃の意図は体制変更(レジームチェンジ)である。問題は体制を力尽くで変更させるだけの戦力を投入していない点である。

既にノルウェーがリビア内戦介入からの撤退を決定している。フランスの空母でも艦載機すら定数に達していない上に、それが空爆の主力なのだ。加えてリビアの旧宗主国であるイタリア国防相が、作戦参加への中止の可能性を表明してきた。

ユーゴスラビア内戦への介入(特にボスニア・ヘルツェゴビナ紛争及びコソボ紛争)と明確に違うのは、1つに投入戦力の質量、2つに攻撃対象の政権を打倒しようとはしなかった点である。作戦の主力はアメリカであり、後に国際法廷にかけられるセルビアの指導者や民兵の指揮者は交渉相手だった。

今回の介入にはそのどちらもない。

またイラク戦争と比較しても、イラクに民主主義をもたらそうとした、あるいはそれが可能だと思い込んでいたアメリカの無邪気なまでの意気込みもそれを裏付ける戦力も財政力もない。少なくともアメリカは形だけでもそれを成し遂げた。かつてアメリカを非難したフランスとそれに同調した知識人は何を思い、主張・弁明するのだろうか。

リビア作戦参加中止も 伊国防相 2011.6.19 00:14 MSN産経

 イタリアのラルッサ国防相は18日付の同国有力紙コリエレ・デラ・セラとのインタビューで、北大西洋条約機構(NATO)による対リビア軍事作戦への参加を秋以降にイタリアが取りやめる可能性もあると示唆した。

 国防相は仮定の話と断りながらも「(イタリア)政府や議会がわれわれの積極的な参加の終了時期について検討するなら、英国やフランス、米国など同盟国が外交的な解決策を模索する助けになるかもしれない」と述べた。

 NATOは対リビア軍事作戦を7月から90日間延長することを決めているが、この期間の参加は全うするとした。

 ベルルスコーニ首相率いる与党、自由国民と連立を組む北部同盟はNATOの軍事作戦参加に批判的。国防相の発言は最近不協和音が目立ってきている北部同盟との関係に配慮したものとみられる。(共同)

反米国家を糾合する中国共産党

オバマ政権初期にG2(アメリカと中国)体制の構築を唱える論文が、アメリカのシンクタンクCFR(外交問題評議会)の発行する雑誌フォーリン・アフェアーズに掲載されていたが、現状はむしろ逆の米中対立のコースへと向かっている。

中国共産党政権は、太平洋分割提案など実力の伴わない冗談を本気で実行しようとしているのか?

伝統的な華夷秩序の意識と、かつての帝国主義の犠牲になったと思い込んでいるかの如き復讐心の混合物は、どう見ても誇大妄想にしか見えない。

また中国共産党政権は、陸軍国が海軍国としても両立しようと努力して失敗したフランス、ドイツ、ロシア(ソ連)の事例をどう乗り越えていくつもりなのか?

西太平洋・東シナ海・南シナ海での海軍力展開は牽制として、現実的にはパキスタン、ミャンマー、スリランカ、バングラデシュ及びインド洋島嶼国に軍港を保持して、地続きのパキスタン、ミャンマーにパイプラインを引き、かつての援蒋ルートを再現することになるだろう。

皮肉なことに中国共産党政権が、アメリカの求める世界秩序の安定に責任を持とうとしないことで、反米国家・軍事独裁政権を糾合していく核になりつつある。

もしもこれが米ソの冷戦と同じ状況になったとして、中共はかつてのソ連と同様に自らの足を引っ張る同盟国しか持ち得ない以上、封じ込め戦略を採られた場合、長期的に勝利はあり得ない。ロシアの向背が大きく左右することになるだろう。さらに中共にソ連と同様の自制心が期待できるかわからない。

支那は、伝統的に内政における派閥抗争をそのまま外交に持ち出す。文化的な黄河流域と長江流域の違いはそのまま共産党内の北京閥と上海閥の対立につながる。ベトナムとの対立が再度の中越戦争にまで発展するかについては、派閥抗争が影響してくると思われる。

特別記者・千野境子 西太平洋の制海権と米中 2011.6.18 02:46 MSN産経

 ◆東・南シナ海の彼方に

 東・南シナ海で拡大する中国の軍事活動に、批判や抗議行動が増している。

 来月開催の東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)は、昨年につづいて南シナ海の「航行の自由」を俎上(そじょう)に載せ、東アジア・サミットも同様だ。中国の嫌う多国間で問題に対処する形が定着しつつある。

 結構なことだが、東・南シナ海だけに目を奪われていてはいけない。なぜなら中国が合わせる照準はもっとずっと先にある。

 南シナ海より西のインド洋、東シナ海より東の太平洋、そう、中国が目指すのはインド洋から太平洋までの広大な海域だ。歴史を思い起こせば、スペイン、大英帝国、米国…海を制した国が世界を制してきた。

 中国は、初参加の梁光烈国防相がアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)で、中国脅威論を否定した舌の根も乾かぬうちに海軍艦艇が連日、沖縄・南西諸島近海を通過した。もはや太平洋への並々ならぬ関心を隠しはしない。国営新華社通信は近く西太平洋(ミクロネシア地域)で軍事演習を行うと伝えている。

 伝説の桃源郷シャングリラが、中国の脅威を云々(うんぬん)する場となったのは何と皮肉なことだろう。

 ◆分割管理提案から3年

 キーティング元米太平洋軍司令官が訪中した際に、中国高官から太平洋の米中による東西分割管理を提案されたと米上院公聴会で証言したのは2008年3月。同氏は当時、冗談と受け止めたと述べたが、3年後の現実は冗談どころか真実そのものだったことを示している。

 シャングリラ・ダイアローグを主催する英国際戦略研究所(IISS)は今年の「ミリタリーバランス2011」で、中国海軍が米第七艦隊の支配する西太平洋で制海権確立のため、能力向上に全力を挙げていると分析した。

 今年4月に刊行の防衛省防衛研究所の「中国安全保障レポート」も、「外へ向かう人民解放軍」や「役割を増す軍事外交」について特記する。人民解放軍は国連平和維持活動やソマリア沖・アデン湾の海賊対策活動などに熱心だ。あらゆる機会を利用して能力向上を図ると同時に、国際協調をアピールするのも狙いなのである。

 大構想(西太平洋の制海権)を秘め、目標達成のためには労を惜しまず、高い波浪をものともしない。その努力と周到ぶりはなかなかのものだ。米国との過度な軍拡競争により体力を失い、結局は崩壊した旧ソ連の愚を、中国は反面教師としているに違いない。

 ◆太平洋と日本の国益

 中国の影響力はすでに太平洋全域に広がっている。

 太平洋島嶼(とうしょ)国の半数をこす7カ国と国交を結び(他は台湾)、温家宝首相や習近平副主席などの首脳訪問から中国艦船の訪問や軍装備品の供与、見返りとしての資源獲得まで、対アフリカと同様の貪欲な外交を展開する。

 経済援助は日本はもとより米国をも超えた。米国もさすがに気づいて、クリントン国務長官は今年3月、議会公聴会で米国が中国と太平洋島嶼国地域で影響力を競っていることを認めた上で、資源大国パプアニューギニアやフィジー独裁政権に対する中国の支援に懸念を表明した。

 日本も米中の競争に割って入るなどという身に余ることをせずとも、せめて太平洋の現状にもう少し敏感になりたい。先頃、かつて日本の委任統治領だったミクロネシア・パラオのトリビオン大統領が、密漁船対策に反捕鯨団体で国際指名手配中のシー・シェパードの支援を取り付け、日本の水産庁はじめ関係者を驚愕(きょうがく)させた。

 大統領が翻意し支援は反古(ほご)になったが、経済的に脆弱(ぜいじゃく)な太平洋島嶼国はまた広大な排他的経済水域(EEZ)の警備に悩んでおり、パラオが特別なのではない。助けてくれるなら、中国でもシー・シェパードでもありがたい。

 こうした危うい状況に、太平洋地域も多国間連携が重要性を増している。パラオ、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦の3カ国と日米豪計6カ国による海上保安能力強化もその一つだ。人口約18万、陸地面積1370平方キロのミクロネシア3カ国のEEZは550万平方キロ。一国では手に余る。

 特徴は、豪州海軍以外は海上保安庁(日)や沿岸警備隊(米)が主体なことと、笹川平和財団や日本財団という民も参加しての官民共同事業であることだ。

 海軍よりコーストガードの方が現地に受け入れられやすい上に、密漁も海賊もソマリア沖ほど凶暴ではない。しかしたとえ非軍事でも、海上保安能力の向上は台頭する中国に有形無形の牽制(けんせい)球となるだろう。(ちの けいこ)

ロシアからのラブコールに応じない日本

冷戦終結後のロシアの人口減に歯止めがかからない。それでいてエネルギー産業主体のロシアの経済成長は続いている。これは人口減は必ずしも経済成長を阻害しないことを示しているが、同時に人口増に寄与するであろう中間層が育たないエネルギー産業主体の経済成長の限界をも示している。これはそもそも、その広大な国土ゆえのインフラの弱さというロシアのボトルネックによって引き起こされる。

このボトルネックの解消のため、ロシアは我が国からの資本・技術導入による産業構造の転換を目論んでいるが、同時に我が国をロシアからのエネルギー依存体質をつくろうとすることで両国のバランスを採りたい。しかし、我が国がそれに応じていない現状である。実際、浜岡原発の運転停止による液化天然ガスの緊急輸入(約320万トン)に際してもロシアからの輸入はわずか7万トンに過ぎなかった。

ロシアのラブコールに、日本は振り向いてくれないのだ。その原因としては大きく三つあると思う。

我が国にとって、前提条件として北方領土の返還を考えると、返還された領土を守備する兵力が全く足りない。何より陸上自衛隊の定員数が少なすぎることは震災後の動員で再確認されたと思う。

次いで講和条約を締結することで、世界のパワーバランスが大きく変化する可能性がある。つまり日本とロシアが協商などの了解関係になると、日本を仲立ちとしたロシアとアメリカとの間接的同盟となる。ロシアとアメリカ間の懸案としては、グルジアとアフガニスタンはほぼ解決しているが、まだミサイル防衛における問題などが残っている。

最後に、大陸国家にありがちなロシアの機会主義が我が国にとっての気がかりである。支那や朝鮮は言うに及ばず、ドイツですら、支那事変において国民党を援助しながら、南京陥落後には和平仲介をし、そして最終的に枢軸の一員となったことを思い返す。

この三つが解消されるか保証されない限り、ロシアのボトルネックも解消されないだろう。

進む人口減 ゆがむ発展 2011.6.17 00:31 MSN産経

 ロシアで昨年10月、8年ぶりに行われた国勢調査の暫定結果が公表された。ソ連崩壊後の1990年代から続く深刻な人口減少に歯止めがかからず、旧ソ連周辺国からの移民流入で、労働力の穴を埋めている実態が改めて鮮明になっている。地方から大都市部への深刻な人口流出が続く一方、イスラム過激派によるテロが多発する南部の北カフカス地方では人口が急増しているなど、不均衡な人口動態が経済・社会に与える影響は大きい。

 国家統計局の暫定集計によると、ロシアの人口は約1億4290万人で、2002年の前回調査時から226万人(1・6%)の減少。この間の流入移民者数は247万人増加しており、これがなければ人口は473万人以上も減っていたことになる。

 人口は93年の1億4856万人をピークに減少の一途をたどってきた。最大の理由は、死亡率が出生率を大きく上回る「自然減」だ。体制転換期の混乱と経済的困窮、それに伴うアルコールや麻薬の乱用、家庭崩壊などが響いていると指摘されている。

 95年には平均寿命が64歳まで落ち込んだが、09年には69歳まで改善。政権が07年、第2子を出産する母親への奨励金(約30万ルーブル=86万5000円)を導入した効果もあって出生率は微増しているものの、自然減を止めるには至っていない。この状況が25~30年まで続くとの見方も有力だ。

 人口減少を補(ほ)填(てん)する方策として、専門家らは医療水準の向上などと並んで「移民労働者の活用」が不可欠だとの点で一致する。とりわけ、労働適齢人口の減少に伴って、高等教育を受けた技術者の不足が問題だ。

 これに対し、ロシアに流入する外国人労働者の多くは、タジキスタンなど中央アジア諸国をはじめ旧ソ連圏の貧国出身者だ。その大半が清掃や建設、除雪などのいわゆる「3K労働」に従事し、ロシア社会への同化策は何らとられていない。有力週刊誌「プロフィリ」は、外国人労働者への高等・職業教育など抜本的な移民受け入れ策の立て直しが必要だと指摘する。

 ソ連崩壊後に始まった地方からの人口流出も収まっていない。極東部では02年の前回調査から6%の人口減で、マガダン州ではマイナス幅が15%にも及んだ。

 一方で、首都モスクワの人口がこの間に11%増になるなど、住民らは主に西部の大都市に流出している。

 イスラム教徒の多い露南部・北カフカス地方も人口増加の例外的な地域だ。チェチェン共和国は、02年から15%増、ダゲスタン共和国も16%増となっている。

 問題は、北カフカス地方がロシアでも経済水準の低い地域であり、イスラム過激派の浸透という問題も抱えていることだ。

 北カフカス連邦管区には人口の約6・5%が住むが、国内総生産(GDP)に占める割合は2%、国家税収に占める割合は1%に満たない。イングーシ共和国で住民の53%、チェチェン共和国では42%が失業状態だ。モスコフスキエ・ノーボスチ紙によれば、両共和国では予算に占めるロシア中央からの“補助金”が9割、北カフカス全体でもそれが66%に達する。

 昨年12月の発表によると、北カフカスではイスラム過激派による攻撃で死亡した治安当局者が年初から218人と事実上の戦闘状態が続く。政権は社会的支出を増やして情勢を安定させたいところだが、モスクワでは「カフカスを食べさせるのはたくさんだ」とロシア民族主義者の反発も強まっている。

 国勢調査には、世界最大の領土を抱えるロシアの矛盾と苦悩が如実に表れている。(モスクワ 遠藤良介)

新グレート・ゲームの“打つ手なし”

英露のグレート・ゲームのさなかにおけるアフガン戦争と同様に、米ソの冷戦とその後の対テロ戦争におけるアフガニスタン紛争も誰も決定的な勝者がいないまま終わりそうだ。これを新グレート・ゲームと呼ぶ向きもある。ゲームは両者“打つ手なし”で終わることになる。ただしゲームのプレイヤーに中国がどう参加してくるかで、ゲームの継続もしくはやり直しが懸かってくるだろう。

アメリカがアルカイダの主要メンバーをほぼ暗殺したことで、その戦争目的を達成したと考えることも出来る。アメリカ軍含めNATOが撤退すれば、政治的な力の真空状態を防ぐためにもアフガニスタンにおける現・北部同盟政権と旧・タリバン政権との(一時的にせよ)妥協は成立せざるを得ないだろう。

アメリカの最大の戦争目的に『自国内でのテロを再度起こさせない』ことがあった以上、アフガニスタンとパキスタンでテロが続こうが、それ先進国・主要国にとっては許容もしくは無視できる。両国は最悪ソマリアのような失敗国家になるかもしれない。

【パキスタン関連】
無人機爆撃で25人死亡 パキスタン北西部 2011.6.8 23:53 MSN産経

武装勢力と戦闘、20人死亡 パキスタン北西部 2011.6.9 20:13 MSN産経

カルザイ氏、パキスタン訪問 タリバンとの和解を協議 2011.6.10 23:10 MSN産経

自爆テロなどで36人死亡 パキスタン北西部 2011.6.12 17:28 MSN産経

パキスタン当局、CIA協力者5人逮捕 米紙報道 2011.6.15 13:07 MSN産経

パキスタン軍トップ窮地 反米強める部下が突き上げ 2011.6.16 14:06 MSN産経

【アフガニスタン関連】
アフガン、パキスタン国境で銃撃戦 63人死亡 2011.6.3 00:19 MSN産経

アフガン国軍兵士、3割が離脱 米軍中将明かす 2011.6.7 10:44 MSN産経

米アフガン支援の効果疑問 部隊撤退で経済打撃も 2011.6.9 01:23 MSN産経

巨額のアフガン支援、効果を疑問視 米上院外交委が報告書 2011.6.9 20:03 MSN産経

自爆テロで警官3人死亡 アフガン北部、州長官狙う 2011.6.10 19:50 MSN産経

アフガンで自爆テロ、7人死亡 タリバン犯行認める 2011.6.15 19:37 MSN産経

マグレブとサブサハラの分断線

南北スーダンのアビエイをめぐる紛争はひとまず収まった。停戦監視にエチオピア軍が駐屯するとのことである。この地域におけるキリスト教国かつ陸軍国であるエチオピアの重要性を再確認することにもなった。

係争地からの軍撤退合意 南北スーダン 2011.6.14 20:11 MSN産経

アフリカ連合(AU)当局者は13日、スーダンのバシル大統領と同国南部自治政府のキール大統領が、南北係争地の油田地帯アビエイ地区から軍部隊を撤退させ、同地区を非武装化することで基本合意したと記者団に述べた。AP通信などが伝えた。

 南部は7月に分離独立する予定だが、北部軍が5月に同地区を武力で制圧、南北間の緊張が高まっていた。AU当局者によると、バシル氏とキール氏は同地区にエチオピア軍の平和維持活動(PKO)部隊を受け入れることでも合意した。

 両氏は12~13日、エチオピアの首都アディスアベバで南アフリカのムベキ元大統領を仲介役に会談。同地区の政治的な扱いや石油収益の分配に関しては合意に達していない。(共同)


スーダン内戦は、アフリカが抱える問題の典型である。まずひとつにスーダンは、マグレブ(アラブ系・ムスリム)とサブサハラ(ブラックアフリカ・キリスト教及び土着信仰)の分断線上に存在している。次に天然資源・一次産品(スーダンでは油田)をめぐる利権分配について民族・部族間で対立している。そしてマグレブとブラックアフリカとの識字率の向上と出産率の低下のスピードに時間的な格差が出来ている。これがスーダン内戦の要因になっている。またこれらがアフリカ大陸全土で起きているのだ。

マグレブを含むアラブ・中東地域での革命と内戦は、ブラックアフリカよりもこれら地域が社会的に発展していることを示している。今後30年と云った長期的に見ればだが、ブラックアフリカ(サブサハラ)の人口移動の圧力にマグレブはさらされることになる。現時点では、より先進地域である欧州に向かって移民しようとしているアラブ人を考えると人口移動のドミノ倒し、現代に蘇るゲルマン民族大移動のようなものだ。

壮大なハコモノ投資を“チャイナボカン”

中国当局が消費者物価指数(CPI)の商品別指数を変更した1月には前年比4.9%上昇だったのが、今回5月には前年比5.5%上昇となった。工業生産が13.3%増なのだから、食料・資源エネルギーはインフレなのに、工業製品はデフレの傾向は変わっていない。これが民衆暴動の温床となっている。日替わりで我々を楽しませてくれる“チャイナボカン”には官庁の爆破テロすら含まれている。

中国:5月CPI、前年比5.5%上昇に加速-約3年ぶり高い伸び(3) 2011/06/14 12:46 JST ブルームバーグ

6月14日(ブルームバーグ):中国の5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.5%上昇と、約3年ぶりの高水準になった。4月は5.3%の上昇だった。同月の工業生産もエコノミスト予想を上回る伸びを示した。中国国家統計局が14日発表した。

CPIの5.5%上昇はブルームバーグが集計したエコノミスト予想の中央値と一致した。5月の工業生産は13.3%増となり、市場予想の中央値(13.1%増)を上回った。

中国株の指標である上海総合指数は、利上げと不動産規制後も同国景気が勢いを維持している兆候が見られることから、上昇している。製造拠点が集中する広東省で今月、出稼ぎ労働者の暴動が発生し、社会不安のリスクが表面化した後、中国共産党は物価抑制と成長維持の両立を目指している。

ソシエテ・ジェネラルのエコノミスト、ヤオ・ウェイ氏(香港在勤)は指標発表前に、「物価上昇が当初の想定よりも厄介なことが分かったため、中国中銀はインフレ抑制を粘り強く続ける必要がある」と指摘。「物価は小康状態となっても、すぐに上向くだろう」と予想した。同氏は6月にインフレ率が6.5%とピークに達し、その後鈍化するとみている。

上海総合指数は現地時間午前10時13分(日本時間同11時13分)現在、0.5%高で推移している。

■インフレ目標上回る

4月の工業生産は前年同月比13.4%だった。5月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比6.8%上昇。5月の小売売上高は同16.9%増と、4月の17.1%増から伸びが鈍化した。1-5月の都市部固定資産投資は前年同期比25.8%増と、市場予想の中央値(25.2%増)を上回った。

この日の統計発表に先立ち、中国経済の伸び鈍化を示す兆候が見られていた。13日に中国人民銀行(中央銀行)が発表した5月の新規融資は市場予想を下回り、マネーサプライの伸びは08年以来の低水準にとどまった。中国政府はインフレ目標を4%に設定しているが、企業の値上げなどが影響し、今年は毎月この目標を上回っている。

中国は昨年9月以降、利上げを4回実施したほか、銀行の預金準備率を過去最高水準に引き上げた。人民元の対ドル相場は今年、約1.6%上昇している。


上記の記事に『5月の小売売上高は前年同月比16.9%増と、4月の17.1%増から伸びが鈍化した。1-5月の都市部固定資産投資は前年同期比25.8%増と、市場予想の中央値(25.2%増)を上回った』とある。

下記の記事にルービニ教授が『「中国は現在、純輸出だけでなく、固定資産投資への依存をますます強めている」とした上で、固定資産投資は国内総生産(GDP)の半分程度にまで拡大していると指摘。「将来的に中国は2つの問題に直面することになる。銀行システムが抱える莫大(ばくだい)な不良債権という問題、そして深刻な生産能力の過剰がハードランディングを引き起こすだろう」と語った』とある。

中長期的に社会保障の整備されていない共産中国(共産主義にも関わらず)では、中間層の個人消費が伸びる要素がない。それ以前に国内では生産者の叩き合いと自らの製品・サービスに対する信頼性の欠如がある。

過剰生産力を個人消費でなく純輸出で捌いてきたが、今後も欧米各国が受け入れする要素もない。むしろ世界全体の過剰生産力を調整する意味で、所詮日本の迂回貿易構造に組み込まれている中国と韓国の存在は必要なのか、と云う疑問が湧く。

大恐慌及び第二次世界大戦と冷戦におけるアメリカが、ドイツと日本を潰す過程で得た過剰生産力の調整と繁栄と同じ条件が全部ではないが揃い始めている。誰の過剰生産力を調整すべきだろうか? 取り敢えず韓国がターゲットになっていると思われる。戦争などしなくてもいいからだ。サムスン外しだけである程度効果が見込める。

ルービニ教授が指摘するもう一つの問題、支那全土に固定資産投資を行き渡らせても限界はある。内蒙古のオルドスのゴーストタウンなど典型だ。となれば共産党に残るのは軍備増大であろう。そして果てに、別の意味での“チャイナボカン”が起こるわけだ。もしも自ら過剰生産力を調整するとして、内戦と外征のどちらだろう。それもハードランディングと云うのだろうか?
 
中国はハードランディングのリスク、過剰投資引き金-ルービニ教授 2011/06/13 11:36 JST ブルームバーグ

6月12日(ブルームバーグ):米ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授は、中国経済について、投資を通じて成長を押し上げる政策が過剰生産能力を生み、2013年よりも後に「ハードランディング」に直面するリスクがあると警告した。ルービニ氏は、世界的な金融危機を予測したことで知られる。

ルービニ教授はシンガポールで11日、「中国は現在、純輸出だけでなく、固定資産投資への依存をますます強めている」とした上で、固定資産投資は国内総生産(GDP)の半分程度にまで拡大していると指摘。「将来的に中国は2つの問題に直面することになる。銀行システムが抱える莫大(ばくだい)な不良債権という問題、そして深刻な生産能力の過剰がハードランディングを引き起こすだろう」と語った。

フィッチ・レーティングスは、中国の記録的な貸し出しと不動産価格の急騰を受けて、同国が13年半ばまでに銀行危機に直面する確率を60%と予想している。

ルービニ教授は「指導者の交代に伴う微妙な政治的移行期となる来年までの政策的課題は、成長率を8-9%に維持する一方、現行を下回る水準にインフレを抑制することだ」としながらも、その後は「固定資産投資と貯蓄を減らし、消費を拡大する」というより大きな難題が待ち受けており、うまく対処できなければ、13年よりも後にハードライディングが起きるとの見方を示した。

“完全に自発的”な強制

ギリシアのソブリン債危機が、リーマン・ブラザーズの破綻直前の迷走と同様の状態を呈してきた。一歩間違えるとリーマンショックの再来になりかねない。しかも今回は最大の債権国である我が国は、民主党政権下で機能不全である。

既に投資不適格の国債を買うことの出来る機関投資家がいないことを鑑みると、ECBが表明する『民間に“完全に自発的”な借り換え』を要求しつつ『自らは借り換えしない』姿勢は、形容矛盾だけでなく責務放棄となりかねない。

この場合、ECBの表明の背後には、ひとつに格付け会社が『半強制的な借り換えはデフォルトと見なす』としていることにあるが、もうひとつに貸し手側の国民(特にドイツ)の対ギリシア感情『奴らは働かないではないか』と云う至極真っ当な意見があるのだが、大損するのはやはり貸し手側なのだ。

ギリシアにせよ他のPIIGS諸国も借り換えをしながら、問題を先送りすべきだろう。歴史によって形作られた国民性が一朝一夕に変わるわけもないからだ。

ただし、格付け会社の判断からすると『借り換えしてもその金額分が実際に(政治的にも経済的にも)精算可能なのか』と云う問いかけも理解は出来る。これも国民性に由来しているからだ。

ECBウェリンク氏:ギリシャ債券保有者の関与は完全に自発的な必要 2011/06/12 13:38 JST ブルームバーグ

6月11日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、オランダ中銀のウェリンク総裁は、ギリシャ債務危機の解決のための銀行など債券保有者の参加は「完全に自発的」な必要があると述べた。

同氏は11日、オランダのラジオ1とのインタビューで、「民間投資家の関与を望むことは理解できる」と発言。「そうした希望を非自発的な貢献によって実現すればデフォルト状態につながるとわれわれは指摘する」と語った。


ユンケル議長:民間投資家の関与でECBの賛成必要ーインタビュー 2011/06/12 13:01 JST ブルームバーグ

6月11日(ブルームバーグ):ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国庫相)はギリシャ救済について、投資家の「自発的」な参加が必要であり、中央銀行の賛成を得なければならないとの認識を明らかにした。ギリシャへの新たな支援策をめぐる議論で意見の相違を縮小しようとしている。

同議長は11日、ベルリン・ブランデンブルク放送とのインタビューで、「民間債権者の参加が必要だ」と指摘。「それは自発的でなければならない」と強調した。

同議長はまた、「われわれはECB抜きやECBの意に反して、民間投資家の参加を押し進めることはできない」と言明した。

ドイツのショイブレ財務相はギリシャ国債の保有者に償還期間の7年延長を求めているのに対し、ECBのトリシェ総裁は民間債権者に損失を強いることはデフォルトに等しいとして反対しており、ユンケル議長は意見の相違を埋めようとしている。


ギリシャ危機解決する責務はECBにはない-コンスタンシオ副総裁 2011/06/10 19:10 JST ブルームバーグ

ギリシャ借り換え、ECBは一歩も譲らず-流通市場で応分な負担主張 2011/06/10 10:56 JST ブルームバーグ

6月10日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は、ギリシャ救済策第2弾にECBが直接参加する可能性を完全に拒否した。欧州各国政府は民間投資家も関与する解決策の策定を急いでおり、ECBとの衝突がエスカレートすることになりそうだ。

欧州の政治家らは、債券保有者にも負担を求める新たな救済策を欧州連合(EU)が23、24日に開く首脳会議までにまとめることを目指している。トリシェ総裁は9日、ECBが自ら保有する資産を通じて、民間投資家に模範を示す可能性を否定した。満期を迎えるギリシャ国債の保有者が新たな国債の購入に自主的に応じる案をECBは受け入れ可能としているが、トリシェ総裁は、ECB自身が保有するギリシャ国債の借り換えに応じる考えはないと強調した。

トリシェ総裁は「自発的でない要素を受け入れる余地は全くない」と発言。民間投資家が同意すれば、ECBも借り換えに応じるかとの質問に対して、「もちろん、それはわれわれが意図するところではない」と語った。

ドイツのショイブレ財務相が既発のギリシャ国債と償還期間がより長い国債とのスワップを国債保有者に求める提案を行ったことについて、トリシェ総裁は、民間部門に関与を強制する解決策が「クレジットイベント」(信用事由)に該当し、ユーロ圏にとって「非常に大きな過ち」を犯すことにつながると警告した。

大和証券キャピタル・マーケッツヨーロッパのエコノミスト、トビアス・ブラトナー氏は「トリシェ総裁はまさに一歩も譲らない構えだ」と指摘。「ECBは危機の主な負担を既に背負っている。去年の段階でちゅうちょした揚げ句、ECBが事態を収拾せざるを得なくしたのは当の政治家たちだ」と話す。

■流通市場で購入再開も

EU当局者の間では、満期を迎える国債の借り換えを促す案が支持を得ている。しかし、投資家がギリシャの財政破綻を懸念し、そのような提案を受け入れざるを得なくなるとみられるため、やはりデフォルト(債務不履行)とみなす可能性があると格付け会社は示唆している。

ECBは昨年5月以降、債券市場プログラム(SMP)を通じて、流通市場で750億ユーロ相当のユーロ圏高債務国の国債を購入しており、バークレイズ・キャピタルの試算によれば、ギリシャ国債は約400億ユーロ相当を買い入れているとみられる。

ドイツ銀行のエコノミスト、ジル・モーク氏は、ECBは設立時の取り決めによって発行市場で国債を購入することはできないとしながら、「ECBが流通市場でSMPを再開すれば、借り換えに応じるよう民間の債券保有者を説得する上で、役立つ可能性がある」と述べている。

第三次スーダン内戦の序章となるか?

南部スーダンの7月の独立が決まっている中で、スーダン政府が油田の絡む係争地帯(アビエイ)への侵攻に続き南部スーダンへの空爆を行った。

係争地帯確保のための条件闘争と考えるのが自然だが、南部スーダン独立の後援者であるアメリカがリビア内戦への空爆参加などアラブ・中東地域に対する介入が限定的なのを値踏みして、スーダン政府が小出しに軍事力を行使しているとも思われる。

これが第三次スーダン内戦(南部スーダンの独立は決まっているが)の序章となるのだろうか。

スーダン北部軍、南部空爆3人死亡 2011.6.12 00:25 MSN産経

 スーダンからの報道によると、7月に同国から分離独立する予定の南部のスーダン人民解放軍(SPLA)報道官は11日までに、北部軍が9日に南北境界に近い南部のユニティ州の村を空爆、3人が死亡したと述べた。

 北部軍は南北係争地の油田地帯アビエイ地区を5月に武力で制圧。境界に近い北部の南コルドファン州でも北部軍と南部勢力との戦闘が続いており、南部の独立を前に双方の緊張が高まっている。(共同)


スーダン南北緊張 係争地の中部油田地帯に政府軍進駐 2011.5.22 17:42 MSN産経

制圧の町で「略奪や放火」 スーダンの南北係争地 2011.5.24 00:34 MSN産経

敵は敵によって認められる

交戦国の一方の政府が倒れたとき、和平の道は遠ざかる。しかし、(革命政府なり臨時政府なり)新たな政権が生まれて講和条約にサインすれば、その政権は敵によって正統性を付与されることになる。敵も終わりの見えない戦争に終止符を打つことが出来る。

プロイセンがフランス第二帝政をセダンの戦いで消滅させたあと、パリ・コミューンではなく第三共和政と講和して、ホーエンツォレルン家はボナパルト家の帝位を受け継いでドイツ帝国となった。そのドイツ帝国は十月革命で成立したソビエト政府とブレスト=リトフスク条約を結び、赤軍は白軍よりも正統性を持つことが出来た。

最初から分裂している国に介入すると、和平はおぼつかない。南北朝鮮、南北ベトナムの例に及ばず、最近のアフガニスタンの北部同盟政権とタリバン政権の関係も同様だ。敵が敵によって認められるだけの実力がない限り、国内を抑えられないのは当然の理と云える。

リビア内戦のコースはアフガニスタンやイラクとダブって見えるのだが、主導しているフランスはベトナムを投げ出してアメリカに任せたかつての失敗を繰り返したいのだろうか。

カダフィ政権崩壊に近づく 米国務長官が強調 2011.6.10 10:18 MSN産経

政府軍砲撃で80人以上死傷 リビア西部 2011.6.11 10:32 MSN産経

カダフィ大佐に出国説得 トルコ首相 2011.6.11 13:23 MSN産経

カダフィ大佐を名乗る人物、米に「攻撃停止求める書簡」2011.6.11 13:32 MSN産経

多国間交渉を拒む支那の伝統

南沙諸島をめぐる状況が徐々に悪化している。

国際法を無視する支那の伝統の根底には華夷秩序の意識がある。近代日本は支那の意識を利用しつつ、欧米各国との間で国際法に従うことで、利益を拡大してきた。そして国際法上の合法性から逸脱していくことで帝国を崩壊させた。

支那を押し込めるには、畢竟国際法に準じた行動を各国が採るしかない。これは現在にも当て嵌まる。

中国と東南アジアのいずれか一国と比較すると如何にも中国が大国に見える。その錯覚を共産党政府が利用している訳だが、19世紀末から20世紀前半においては人口と領土が過大なため錯覚に陥ったのと同様、21世紀初頭にGDPが過大になったからと云って、現実に人民元がハードカレンシーになった訳ではない。

何より、もしも戦争が起きたときに戦場に戦闘が開始するまでに戦力を投入できなければ意味はないし、戦線を維持するための補給が続かなければ敗北する。

別段、戦争をするまでもない。支那を多国間で封じ込めれば済むだけだ。その際には、支那の見かけの大きさをことさらに煽っても構わないが、本質は見誤らないようにすべきだ。支那はけして強い訳ではない、と云うことを。

ベトナム海軍が実弾演習へ 南シナ海、中国を牽制か 2011.6.10 22:25 MSN産経

中国 独自の論理で海上での影響力拡大 2011.6.9 20:13 MSN産経

 【ワシントン=古森義久】東シナ海や南シナ海における中国軍の攻勢的な行動について米海軍大学研究部門の「中国海洋研究所」のピーター・ダットン所長は産経新聞との会見で、中国は国際法に反する形で独自の海上管轄権を拡大しており、防衛ラインの拡張や近隣諸国への影響力を強める目的で海洋進出に努めていると指摘した。

 中国の海洋戦略研究で全米有数の権威とされるダットン氏は、中国の軍事動向について「制海権を強める目的でミサイルシステムの強化を目指しており、水上艦と潜水艦の能力を高めている」と述べ、とくに022型高速ミサイル艦とウクライナから購入した空母ワリャーグを警戒すべき対象と指摘した。

 同氏は中国の海洋戦略の長期目標として、▽海洋の防衛ラインを沿岸からより遠方へ動かす▽海洋資源のコントロールを強める▽近隣諸国への影響力を強める-ことなどをあげた。近隣への影響力に関しては「中国は、東南アジア諸国を中国の主導を受け入れる集まりにまとめようという意図」を有しており、その意図が海洋戦略の重要部分になっていると分析した。

 ダットン氏はこうした戦略を実現する手段として、「軍事力増強で制海権を広め、紛争を中国の望む形で解決できる能力を高めることを重視している。そのためには海軍力に加え、衛星での情報収集や通信、サイバー攻撃の能力強化を図っている」と述べた。軍事手段以外にも国内法を根拠に国際的な「合法性」を主張していくのが定型だという。

 同氏はまた、中国の海洋の主権と管轄権の解釈が根本的に「国際的に異質だ」と強調した。具体的には(1)200カイリの排他的経済水域(EEZ)で、沿岸国は経済資源の利用以外は独占的権限を持たないことが国連海洋法の解釈だが、中国は外国軍の艦艇の航行を認めない(2)中国は過去の帝国や王朝時代の版図という歴史要素を領有権主張の根拠とし、現在の国際秩序に挑む傾向が強い-ことなどを指摘した。

 中国が東シナ海や南シナ海の領有権紛争で国際機関の裁定や多国間交渉を拒んでいることも「永続的な摩擦」を生む結果になっているという。

 ■ピーター・ダットン氏 米海軍でパイロットや法務官、戦略研究員を務めて退役。2006年から海軍大学の中国海洋研究所で勤務、今年春から現職。

経常収支は“二頭立ての馬車”

震災の影響から4月の貿易収支が赤字に転落した。その改善はサプライチェーン寸断、電力不足、民主党政権といったボトルネックをそれぞれ解消出来るかどうかに懸かっている。

経常収支を黒字に維持している所得収支では、配当金が前年同月比3536億円増加するなど、海外への直接投資が実を結んだ格好だ。国家全体で見ると、見事にリスク分散ができている。

二頭立ての馬車のような理想的な姿なのだが、これを貿易収支の赤字のみで見て貿易立国は終わったと考えるか、迂回貿易構造を温存しつつ直接投資を主とする投資立国になったかを認めるかで全く話は変わる。

4月の経常黒字額は2カ月連続縮小、7割減-大震災で貿易赤字(2) 2011/06/08 10:33 JST ブルームバーグ

6月8日(ブルームバーグ):4月の日本の経常収支黒字額は2カ月連続で減少した。東日本大震災後のサプライチェーン(供給網)の寸断や電力不足を背景に生産が滞り、輸出が大幅に減少した一方、原油や鉄鉱石など原材料価格の上昇で輸入額が膨らみ、貿易収支が赤字に転じたことが要因。

財務省が8日発表した4月の国際収支状況(速報)によると、海外とのモノやサービスの取引状況を示す経常収支黒字額は前年同月比69.5%減の4056億円となり、4月としては比較可能な1985年以降、過去最低を記録した。このうち貿易収支は3カ月ぶりに4175億円の赤字となった。

ブルームバーグのエコノミスト調査によると、経常収支の予想中央値は2000億円の黒字、貿易収支は3790億円の赤字だった。

海外投資からの収益を示す所得収支は、配当金の増加などで黒字幅が2カ月ぶりに拡大し、前年同月比34.9%増の1兆3308億円となった。直接投資のなかでも海外からの配当金が同3536億円増加。うち日本の投資家への投資信託の収益分配金が同1670億円増とほぼ半分を占めている。

モルガン・スタンレーMUFG証券の佐藤健裕チーフエコノミストは発表前のリポートで、先行きについて「生産の回復とともに輸出も緩やかに増加に転じるが、足元の輸出の減少額が大きいため、短期的には貿易収支は赤字圏内で推移する可能性が高い」と指摘。一方で、安定した所得収支の黒字が見込まれることから経常収支が恒常的に赤字に転落するリスクは小さいと見ていた。

貿易収支の内訳をみると、輸出額は前年同月比12.7%減の4兆8770億円と2カ月連続で減少。輸入額は同12.3%増の5兆2945億円で、16カ月連続で増加した。一方で、サービス収支は日本への入国者が同62.5%減と大幅に減少したことから4213億円の赤字と赤字幅が拡大。これらを合わせた貿易・サービス収支は8388億円の赤字と3カ月ぶりに赤字に転落した。


国際収支の推移:財務省

国際収支全体で見ると、普段であれば赤字の資本収支が大幅な黒字となっている。これは震災復興を見込んだ外国人の証券投資と見て良いだろう。またサービス収支は日本への入国者が前年同月比62.5%減と大幅に減少したことから4213億円の赤字となった。最近のサービス収支の改善傾向に水を差した格好だ。

とは言え中国・韓国からのインバウンドを誘致しても国防や治安、社会保障のコスト増につながるのではないかと云う危惧もある。観光ビザのまま不法滞在するだけのコミュニティが彼らにはあるからだ。

今後サービス収支は、特許・ライセンス・著作権の収入をより増やすことで観光収入との両輪を持ち、貿易収支と所得収支におけるリスク分散の関係と同様な二頭立ての馬車をその収支内で目指していくことになるだろう。

革命の熱狂は過ぎて

米国がアフガニスタンとイラクに介入し始めた10年前に反米の機運と同時に力尽くの統治体制変更を目の当たりにしたアラブ・中東地域の識字率の向上した世代、彼らが高等教育に就学、また就職する段になって、世界中でバブルが崩壊して、職が無くインフレ局面に入った。

米国自身が最早軍事的に介入余力がないことを理解して、かつアフガニスタン、イラクからの撤退を望んでいるなかで、この地域で現状不満から自由や民主主義への欲求が高まり、革命と内戦が起きることに歴史の皮肉を感じる。

フランス革命の精神を伝えた後、諸国民の解放戦争に敗れ去っていくナポレオンを彷彿とさせる。その意味で米国はこの地域の民主化に貢献しているとは云えるのだろう。

革命と内戦の渦中にあるアラブ・中東各国の状況だが、4月中旬くらいにはそれぞれ混乱を収拾する機会があったのだが、最近では長期化の様相ばかり呈している。

ゴラン高原で再びデモ イスラエル発砲で11人死亡 2011.6.6 00:26 MSN産経

シリアでは、妥協の機会は非常事態法の撤廃だった。この時点で反体制側はバーターとして違法デモを止めて遵法路線に切り替えるべきだった、と思う。結局、弾圧で難民が流出する事態になっている。

エジプト、ムスリム同胞団の政党を承認 初の政治参加へ 2011.6.7 09:30 MSN産経

エジプトでは、ムバラク氏をスケープゴートにする一方でムスリム同胞団が合法的政党をつくった。これは予想できたが、より少数派のコプト教徒の利害を代弁する政党が出来るかどうかが注目すべきだろう。

親アルカーイダ? 部族勢力が主要都市を制圧 イエメン 2011.6.7 20:31 MSN産経

イエメンでは、湾岸協力会議の調停が土壇場で蹴られた後、武力衝突、大統領の出国、停戦合意の事実上の破棄と続き、まだまだ和平への着地点が見えない。

労相も政権離脱、反体制派に合流へ 2011.6.8 08:52 MSN産経

リビアでは、英仏の攻撃ヘリの戦闘参加がある程度効果を生むだろう。とは言えカダフィ政権の打倒という目標とそれを実現する戦力のギャップは未だある。さらにたとえ今カダフィ大佐が死んだとしても、暫定政権の統治能力が問題になる。さらに部族間で内戦が継続するのだけは避けたい。

どれも長期化する要素の方が勝っている。できれば希望的観測を持ちたいものだ。

デフォルトだけどデフォルトとは云わないで

我が国と米国、中国があの隣国を通貨スワップで延命させたように、ギリシアの延命措置を欧州が模索している。生きているように見せかけなければならない。

民間銀行の増資、ソブリン債のロールオーバー、国有資産の売却など別に間違ってはいないが、欧州はリーマンショック後に早めにやっておけば良かったと反省しているのか、そうでないのか。デフォルトをデフォルトと云わずにやり過ごすことには一定の政治的効果があるのだろう。

結局、PIIGSのソブリン債の保有者は欧州の銀行(英国は除くのだろうか?)で、デフォルトリスクに関して相殺するためのCDSの販売者が米国の銀行が大本であれば、デフォルトした方が良いような判断もあり得るのだが、まともなストレステストをしなかった欧州と、ある程度はした米国との差がここで響いている。

EUとIMF、対ギリシャ融資第5弾を承認-欧州は新支援策を準備 2011/06/04 11:04 JST ブルームバーグ

欧州の銀行、ストレステスト後に3.4兆円増資必要か-ゴールドマン 2011/06/06 22:46 JST ブルームバーグ

ギリシャはデフォルトできない、その理由は欧州銀行の「脆弱」な資本 2011/06/07 16:05 JST ブルームバーグ

トリシェECB総裁、ギリシャ債ロールオーバーへの支持を初めて示唆 2011/06/07 11:19 JST ブルームバーグ

“水がないならワインを呑めばいいじゃない”

1989年の天安門事件から25年が経った。当時からの民主化の要求も遅々として進んでいない。学生中心の運動に大衆が参加して大きくなった原因はインフレだったが四半世紀後の今、生活必需品の食料・燃料はインフレ、耐久消費財の電機製品・自動車はデフレと、明らかな供給過剰とコストプッシュインフレが併存して起きている。必需品のインフレを抑えるため資産バブルとなるわけだ。そのバブルを謳歌しているのは当時の天安門事件を体験した学生の世代なのだが、彼らは何を思うのだろうか?

天安門事件から22年 中国の人権状況は最悪の状態 2011.6.4 17:35 MSN産経

“水がないならワインを呑めばいいじゃない”と何処かの革命の一コマの如く、旱魃を尻目にボトルを空けていく。

環境破壊と飽食と見事なまでの歪みをまざまざと見せてくれるではないか。成金が舌鼓を打っている間に自分らの住んでいる土地が、砂漠化し、河川の汚染と地下水の枯渇と地盤沈下が同時に起き、汚染物質の濃縮化に農薬の大量投与で地味が失われ、収量が慢性的に逓減していく上、健康被害が起きるのだろう。住環境が悪くなる一方の土地価格が暴騰しているのは常識で考えればおかしいはずだが、常識とは何なのかと自問自答する。

中国で干魃被害が拡大、420万人が飲料水不足に 2011.6.5 17:13 MSN産経

高級Wineでステータス誇示 中国が飲み干す 2011.6.5 11:54 MSN産経

 富裕層の増加を背景に、中国で高級ワインの消費量が急増している。オークションでは、金に糸目を付けない中国人たちにより“狂乱価格”がつき、上海など大都市の有名レストランでは、1本20万円以上のワインが当たり前のように注文されているという。中国人の買いあさりによって国際市場価格も上昇。世界の高級ワイン100銘柄の価格から算出されるワイン指数「Liv-ex100」は、この5年間で3倍近く上がっており、欧州を中心としたワイン文化に地殻変動すら起こしている。チャイナマネーが世界の高級ワインをがぶ飲みする。

■輸入量は前年比51.8%増

 世界的な景気後退で、欧米でのワイン消費量は落ち込んでいるにもかかわらず、中国ではここ7~8年、年20%以上の増加率を示している。中国の杭州(こうしゅう)税関によると、上海経済圏に属する浙江(せっこう)省が今年第1四半期(1~3月期)に輸入したワイン量は、前年比51.8%増の677万リットル、金額にして70.9%増の2845万ドル(約23億円)に達した。量の伸び以上に金額が上昇している点に、高級志向がうかがえる。

■香港、世界最大の取引場所に

 今や世界最大の高級ワインの取引場所となった香港で昨秋に行われたオークションでは、中国人富裕層が別格扱いする名産地ボルドーの仏ワイン「シャトー・ラフィット1869年」1本が、史上最高値の23万ドル(約1900万円)で中国人に買い取られ、欧州の愛好家たちに「気が狂ったのか」と衝撃を与えた。予想価格の約30倍、グラス1杯約400万円にもなる値段だった。

 上海の高級レストランでは現在、1本25万円前後の仏産ワインが一番の人気で、シャトー・ラフィットの類いなら、空ビン(ラベル付き)でも5万円前後の値が付く白熱ぶりだという。富豪たちは高い金を平気で出すわりには味に頓着がなく、高いワインボトルに安いワインを入れて売っても気付かれることが少ないためだ。

 今月1日まで香港で6日間にわたって行われたクリスティーズ・インターナショナルのオークションでは、落札総額が予想のほぼ1.5倍に当たる36億5000万香港ドル(約380億円)に達したが、古美術品と並んで中国人の買い手が落札を競ったのが高級ワインだった。

■ステータス誇示のアイテム

 古来、酒を好む中国人にとって、高級ワインはステータスを誇示する格好のアイテムのようだ。中国のシンクタンク胡潤研究院が昨年、資産1000万元(約1億2400万円)を超す富豪400人に行った対面調査では、富豪たちがコレクションの対象にしているアイテムの人気上位は(1)高級腕時計(2)古美術品(3)高級ワイン(4)高級車-という結果が出た。

 また、ボストン・コンサルティング・グループの調査によると、中国の資産100万ドル(約8000万円)以上の世帯数は、昨年は111万戸に達し、米国の522万戸、日本の153万戸に次ぎ世界3位に浮上した。しかも、6年前は19万戸、一昨年は85万戸だったことを勘案すると、急激な伸びを示しており、今年か来年には日本を抜くのは必至だ。中国の富豪は若いのも特徴で、百万長者の8割以上が40代前半以下の年齢とされ、購買意欲も高い。中国経済の勢いが続く限り、世界の高級ワインが中国人に飲み干されかねない。


中国人には、自国でワインもウイスキーをもつくると云う発想はないのだろう。甲州ワインやジャパニーズウイスキーの海外評価がここまで高くなると思ってなかった日本人の方が奇特なのかもしれない。

海外で注目の「甲州」ワイン、意外な実態浮き彫りに 2011.4.17 07:00 MSN産経

1980年代後半から90年代前半までの日本におけるバブルにも功罪があろうが、今世界中で持て囃される日本のサブカルチャーの祖型は大体この時期までに整った。中間層が存在し、自分たちの好きなことにカネを回すことが出来たので、市場が形成され、またデフレのなかでも維持されてきた。

現在の欧米や新興国に限らず、金持ちとインテリ層は、他の文化を解釈したり評価したりして、自らの価値基準を列ねた文脈の中に置くことは出来る。そもそも彼らにとって最も遠いところにあるサブカルを彼ら自身作り出す訳がない。

リーマンショックまで続いた欧米と新興国のバブルだが、結局中間層が自分たちで新たな文化とその市場を創り出すことが出来なかったようだ。もしくは中間層に富は行き渡らなかったのか。いずれにせよ、そのために日本のサブカルチャーに注目せざるを得なかったのだろう。

のちに“官邸立て籠もり”と云われる事件

菅首相に対する包囲網が狭まってきた。しかし彼の辞表を誰か側近が書いたとしても、彼本人がサインするのか疑問は残る。なんとすれば彼には全閣僚を罷免した上で、解散総選挙をするだけの権限がある。

首相退陣視野に…民主・自民のあのコンビが夜の会談 2011.6.5 01:21 MSN産経

岡田氏、菅首相退陣後は「大連立が望ましい」2011.6.5 12:27 MSN産経

前原氏、民主党代表選の出馬否定せず 2011.6.5 14:05 MSN産経

菅首相の歴史的役割は“小沢氏その一派の打倒”であろう。しかし彼自身の目標は“一日でも一分一秒でも長く首相であること”と考えられる。この乖離を埋めるには、二つの手段のどちらを彼が選びたいかで考えてみる。ひとつは内閣総辞職をするものの後継内閣は現在の主流派が居抜きで残り、小沢派がその勢力を摩耗し漸減していく選択肢であり、もうひとつは解散総選挙をして現在の主流派が(今回は官公労系しか頼れないが)労組票で一定数生き残り、小沢派が壊滅的打撃を受ける選択肢である。

ところがどちらも彼は選びたくない。彼の目標とは合致しないからだ。どちらの書類にもサインはしたくないだろう。さて、ここで連合赤軍のあさま山荘事件が思い起こされる。今や彼は全国民を人質として官邸に立て籠もる一人の極左である。

“尻ぬぐい外交”のお手本

菅首相の尻ぬぐいで中部電力が天然ガスの確保にまさしく東奔西走したが、助け船を出してくれたのはカタールだった。第1回調達で135万トン、第2回調達で148万トンとカタールが負ってくれた。ロシアからの調達量が7万トンに過ぎない事実から見ても、我が国の外交の基本線は変わっていない点に好感が持てる。

アラブ・中東外交のルートならばコスモ石油出身の福田元首相と、アラビア石油出身の藤井孝男参議院議員などが関わっているだろうから、本当に尻ぬぐいだ。とは言え、菅首相の行き当たりばったりが、カタールとの関係強化につながると考えれば、それもまた良しであろう。

中部電、LNG調達にめど カタールと追加供給に合意 2011年6月2日8時1分 朝日新聞

 中部電力は1日、浜岡原子力発電所の全炉停止に伴い、今年度中に火力発電を増強するのに必要な液化天然ガス(LNG)の約320万トンについて、全量を確保できるメドがついたことを明らかにした。「原子力の分を火力で埋める」対策がこれで可能になる。

 中部電は浜岡原発停止で失われる発電能力を、主に火力発電所の増強で補う方針。燃料となるLNG確保のため、まずは5月7~9日に三田敏雄会長が以前から大量の供給を受けている中東・カタールを訪問、135万トンの追加調達で合意した。さらにロシアから7万トン、資源メジャーから30万トンと計172万トンは確保したものの、残る148万トンについては、確保の見通しが立っていなかった。

 中部電によると、三田会長が5月28日からカタールを再訪問。30日に国営カタールガスの首脳と会談し、新たにLNG148万トンについて追加供給を受ける方向でほぼ合意したという。

“内ゲバ”こそ民主党のダイナモ

云わずとも良いことを云う。口の軽さは執行部のみならず党全体を覆っている。そのおかげで、誰もが欺瞞だと思っていることに早速に裏取りした記事が出る。民主党は内ゲバをせねば党を維持できない、その矛盾したダイナミズムをさらけ出している。その意味では民主党が民主党らしくなってきた、と云うことでもある。

ただし、その内ゲバの行き着く先はかつての連合赤軍のようなものだろう。極左の栄華と墜落を対比させてくれることがある。菅首相が人臣で最高の地位に就く一方で、連合赤軍の生き残りが獄中でひとりまた一人と死んでいくことだ。先鋭的に行動した極左は早々に退場を余儀なくされたが、のらりくらりと躱してきた卑怯者良く言えば慎重居士が権力を手に入れたのも、一種の感慨を催す。頂点に立った以上、あとは落ちていくだけだが、落ちていく際の内ゲバは民主党の崩壊過程でしかない。

「退陣」ほのめかし、前夜作戦=不信任否決の舞台裏-民主執行部(2011/06/03-23:23)時事 

 内閣不信任決議案否決に大きく響いた菅直人首相の「退陣発言」。その作戦は、採決を翌日に控えた1日夜、民主党の岡田克也幹事長や枝野幸男、仙谷由人正副官房長官ら政府・民主党の幹部10人で練られたものだった。採決前の舞台裏を追った。
 民主党の小沢一郎元代表と小沢氏に近い議員計71人は1日夜、都内のホテルに結集し、「不信任案可決」へ気勢を上げた。会合を終えた小沢氏は記者団に、不信任案賛成を表明。同時に「政党、党派のレベルでうんぬんする問題ではない」と自発的離党を否定した。

 ◇「小沢切り」想定
 衆院の民主党会派はその時点で305人。53人欠けても委員長ポストを独占し、委員数でも野党を下回らない安定多数252人を維持できる。
 「造反が40~50人なら厳しく処分すべきだ」。岡田氏らの会合では強硬論が相次ぎ、結局、賛成者を即日除籍(除名)する「小沢切り」の方針を決定。その一方、造反者が、衆院の過半数を失わない66人までにとどまるよう、ぎりぎりまで努力することを確認した。
 岡田氏らは、そのための作戦を協議。被災地の状況から衆院解散は困難との思いは共有していたが、「けん制のために解散風を吹かせる」として、採決が予定されていた2日の衆院本会議後に臨時閣議をセットすることが決まった。「解散を決める閣議ではないか」と連想させるためのものだった。
 さらに、「造反予備軍」の軟化を誘う手段として、採決前に菅直人首相が「退陣」をほのめかす案が出され、2日昼の党代議士会で首相が発言する内容の調整に入った。内容は最後に首相が筆を入れた上で、同日朝に芝博一首相補佐官から岡田氏らにメール送信された。

 ◇北沢、平野氏が調整
 岡田氏ら10人の会合が開かれていたホテルには、別に、首相が信頼する北沢俊美防衛相と、鳩山由紀夫前首相に近い平野博文元官房長官の姿もあった。鳩山氏が不信任案賛成を表明したことで党分裂への危機感を強めていた平野氏が、北沢氏と打開策を話し合った。北沢、平野両氏は翌2日朝も衆院議員会館で協議して首相と鳩山氏の間で交わす3項目の「確認事項」の文案を固め、北沢氏は茶封筒に入れて首相官邸に向かった。
 同日午前11時すぎ。鳩山氏が平野氏を伴って官邸に現れ、首相は立会人として岡田氏を呼んだ。文書には「退陣」の文言も日付もなかったが、できるだけ意義を強めようと、鳩山氏が「署名をいただけますか」と迫った。これに対し、首相は「2人の信頼関係の中ですから(署名なしでも)全く問題ありません」とかわした。結局、鳩山氏が「信じます」と折れた。
 こうして迎えた2日正午の党代議士会。野党多数の参院の円滑運営のために、首相が身を引くことを期待していた輿石東参院議員会長は、首相と鳩山氏のやりとりをテレビ画面で見詰めていた。首相が最後まで退陣時期を明確にしなかったことを確認すると、電話を取り上げ、怒鳴った。「何てことをしてくれたんだ」。相手は平野氏だった。


調整に失敗したのは平野氏だった、と記事中にはっきりと書かれているが彼としては、問責決議案の主戦場となる参議院民主党にどう弁解していいのかわからない状態だろう。もしもこれをリークしたのが彼自身だとしたら喜々としていられる感覚がわからない。

政権交代と云う最大目標を達成し、次に小沢氏が目論んだ属人的な利害関係の一括管理システムが崩壊した今、内外に対する攻撃こそが民主党を維持するダイナモだった。震災以降そのダイナモが停止していたのだが“菅下ろし”の名目で民主党が回転し始め、活気づくのは皮肉な限りだ。政権交代を望んで一票を投じた国民自身のなかで最も弱い立場の人から倒れていくのは痛々しい。民主党を第1党に押し上げたのが国民である以上、引き受けなければならない代償だとしても。

菅首相の勝利“極左の一匹狼の勘”

内閣不信任案は否決された。菅政権は信任された形となり、今の国会会期中及び次の国会が開かれるまでは首相を辞めさせる手段はなくなった。野党は問責決議案と公債特例法案によって菅政権を揺さぶる2つの手段が残されている。

民主党は分裂を回避した。鳩山前首相との合意による“適当な時期”での辞意表明によって、民主党非主流派の勢いが殺がれた結果だ。

合意と云えども、震災対応の収束についての基準を決めるのは首相、退陣日程を決めるのも首相である。菅首相の勝利、非主流派、自公など野党の敗北と云えるだろう。

不信任案は反対多数で否決 菅首相の退陣表明受け造反少なく 2011.6.2 15:26 MSN産経

菅首相は、好機と感じて行動した際は状況を危機に陥れるが、危機と感じて行動した際は好機に変えることが出来ている。つまり、自らの政治的生存が懸かっている状況では、政界を渡り歩いてきた極左としての一匹狼の勘が冴えわたる訳だ。順境に弱く逆境に強いことは間違いない。

政治的対極にありながら、少数派閥を率いながら総理の座に就いた麻生元首相や、旧田中派との抗争を続けた小泉元首相と勝負勘においては比類するものがあるようだ。その点は認めざるを得ないだろう。

次に“死ぬのは奴らだ”

民主党の分裂は避けがたい状況になった。かくて小沢派はカネの目処が付かないまま放り出される。民主党代表選挙の経緯から見て、菅政権の歴史的意義は“小沢氏の打倒及び小沢派の撃滅”であるから、これで菅首相の役割も終わる。最良とまでは行かないが望むにたり得る展開になっている、と言える。

共産棄権で、可決に必要な造反は「82人」に 2011.6.1 22:01 MSN産経

 自民、公明、たちあがれ日本の3党が提出した内閣不信任決議案が可決されるには、民主党議員の大量造反が不可欠だ。1日夜になって社民党と共産党が、棄権の方向に傾いたため「可決ライン」微妙に動いている。

 衆院の定数は480。ここから、採決に加わらない横路孝弘議長と欠員1、さらに棄権を決めた共産党9人、社民党6人をひくと、投票総数は463で過半数は232となる。これをもとに不信任案を可決するには、賛成の野党側150人に加え、与党と与党系無所属から82人が賛成に回る必要がある。

 もし賛成と反対が同数となると、横路議長の判断で可決か否決のいずれかが決まる。衆院事務局によると、衆院では法案を含め可否同数や議長判断の先例はない。


さて、以前4月11日のエントリーで統一地方選挙の埼玉南2区を取り上げた。前回「民主党」公認でトップ当選を果たした松本佳和氏(みんなの党)が、共産党候補にわずか57票差で次点に終わり、落選した。彼が民主党からみんなの党での鞍替え出馬の経緯と考えを石田勝之代議士(埼玉県第2区・民主党)との確執も含めて、そのブログで開陳している。ポール・マッカートニー率いたウィングスの同名曲ではないが、次はお前たちの番だとでも言いたげな雰囲気が漂っているのはご愛敬としたい。

民主党の地方組織が如何に脆弱か、そして如何にして崩壊していったのかを知るには良いサンプルとなる。書かれていることがその地元の事情も踏まえているので、筆者が時系列ごとに調べたことを補足しておきたい。利害関係が理解しやすくなるだろう。

時は“最初の政権交代”となった1993年の第40回衆議院議員総選挙に遡る。

触れられている当時の永瀬(川口)市長は、川口の主要産業である鋳物業を代々営む家の出身。川口の本来の中心地とは、荒川の渡し場から川口神社と錫杖寺までの付近に点在する鋳物工場と宿場の頃から商いをしていた商店街を指す。現在の川口駅近辺は、本来の中心地ではない。

事実であれば石田代議士は、最初の出馬から川口の主要産業の支持を受けることが出来なかった訳だ。

次に触れられている出向いた先である田中徳兵衛邸とは、国道122号線(埼玉高速鉄道もその地下を通る)沿いに地所を持っていた、川口では最後まで味噌醸造蔵を残していた素封家で、貴族院に議席を有したこともある。邸宅は現在、一般公開されている。先代の田中徳兵衛氏(代々徳兵衛を襲名する)が存命であった頃の話となると、埼玉高速鉄道着工前でもあるのが興味深い。

石田代議士は、この利害関係を未だ維持できているのだろうか?

その次に旧サイボー講堂で演説したとある。紡績業発祥のサイボーであるが、現在の利益の中心は、その工場跡地に誘致されたイオンモール2店からのテナント収入である。現在の石田代議士の事務所はイオンモール川口キャラの前にある。代議士の元々の地盤が鳩ヶ谷市(川口市に合併予定)であることを念頭に置くと、現在の彼の党内におけるスタンスが想像できる。

鳩ヶ谷市は、戦時統制の際に川口市に一度合併されて、戦後分離独立している。今回の再合併は事実上の川口市への吸収合併である。川口市から離れていたため、川口中心地からの工場移転及び新規誘致の工業団地整備の対象地に入らず、税収が伸び悩んだ結果の合併である。

そして、2009年の川口市長選挙の松本安弘氏(前県議の実父)出馬と敗北が亀裂を生んだことが示唆されている。石田代議士が岡村氏(現川口市長)推薦をした、とある。その後、今回の統一地方選挙での民主党推薦が却下されたため、みんなの党へと鞍替え出馬し、落選した。

ちなみに落選した松本佳和氏は運送会社を経営している。会社は旧北足立郡新郷村に立地している。当然、運輸旅客業界の利害代弁者でもある。となると、石田代議士はこの方面からの支持を期待できるのだろうか?

現実に今、解散総選挙が行われた場合、自民党・公明党の合計基礎票約9万票(川口市のみ)に対して、民主党の基礎票はおそらく好意的に見積もっても約4万票(川口市のみ)。残りはいわゆる“埼玉都民”を対象とした浮動票となる。産業基盤の故にブルーカラーが多く公明党のみならず共産党(共産党がここに独自候補を立てると約2万票)も固い地盤を持つこの選挙区では、この差は致命的な結果を生むだろう。
プロフィール

vanshoo

Author:vanshoo
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。