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求められるのは資本拡充ではなく資本注入

欧州の銀行、中でも特にフランスの大手銀行が、どんどん事業売却を進めている。そんなニュースが毎日出るようになった。いわゆるデレバレッジだ。

仏クレディ・アグリコル、資本拡充に向け南ア子会社を閉鎖へ 2011年 11月 29日 09:00 JST ロイター

欧州の銀行、自己資本充実に向け貸出債権圧縮や事業売却を加速 2011年 11月 29日 12:14 JST ロイター

仏ソジェン、8億ドル相当の不動産ローン売却へ=報道 2011年 11月 29日 14:01 JST ロイター

彼らは日本のように貯蓄過剰だった訳でもないのに、ユーロ高を背景に、自己資本比率規制(銀行の経営の健全性を保つために、自行の資本以上にカネを貸さないようにする規制)をすり抜けるため、カネを投資銀行やヘッジファンド経由で、米国やPIIGS諸国、新興国に貸しまくった。

ところがまさか毀損しないだろう、と思って買い込んでいたソブリン債がヘアカット(債務を一律減らす、ギリシアは半分チャラ)される、しかもCDSによる保険金が入らない。すると当然自己資本比率は悪化するので、もう貸せない上に、それを改善しなくてはならなくなった。必要なのは約3兆ユーロだそうだ。ニュースに出る部分は事業部門の売却だが、表に出てこない投資銀行、ヘッジファンド経由の投融資の売却も同じく進むので、デレバレッジは米国やPIIGS諸国、新興国を直撃する。

リスク資産のために売れる優良資産を手放せば、さらに持っている優良資産も値下がりする。で、また手持ちを売却せねばならない悪循環にはまる。破綻したデクシアとて、直近の自己資本比率は規制をクリアしていた。日本の事例を見る限り、総資産に応じて資本注入して、毎年の利鞘でバランスシートを改善するのが、長いようで一番近道だろう。

しかし、欧米の認識では、どうも小泉・竹中路線が全面的に正しかったように思われている。一気呵成にやりすぎて、りそな銀行とUFJ銀行を破綻・国有化させたパターンでは、沈静化していた貸し渋りや貸し剥がしが再び横行したのだが、彼らの認識不足が世界中のカネの流れを止めることになりかねない。

参考URL:
特集 世界経済展望 ロイター

金融危機特集 ロイター
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“パンとサーカス”から脱出する最後のチャンス

公的資金を投入した太陽電池メーカー3社の破綻、一時国有化したGMの新型車「シボレー・ボルト」の発火事故と、鳴り物入りのオバマ政権の産業政策はことごとく失敗している。中国からの大量輸入を規制しなかったことや、韓国のLG化学からリチウムイオン電池を調達したことなど、それぞれの産業政策の不徹底が失敗の一因でもある。

また、原発新設に際しても、日本から機器を輸入せねばならないように、既存技術も相対的に失われている。そんな手間をかけるのならば、自由貿易よりも自国の技術水準を維持するために保護貿易の方がよい。

東芝が原発機器輸出へ、米34年ぶり原発新設再開 2011年 11月 28日 13:10 JST ロイター

要するにやっていることがちぐはぐなのだ。通貨安政策の影響で、輸出が増えると同時に国内に若干生産拠点が戻ってきている。生産拠点を戻す国内メーカーに優遇措置を行うことの方が下手な輸出倍増戦略よりも雇用創出に役に立つ。なのにその姿勢を明確に示せない。

結局、これから続く米国のドル安による輸出倍増による景気拡大は、かつての日本が味わった円安による実感なき景気拡大と同じことが起きる。米国民は借金を減らすために貯蓄を殖やし続けていく。土地家屋の値上がりが抑えられる分、可処分所得はそれほど増えない。雇用もGDPも増えるだろうが、低調な推移を見せるだろう。

左右の反オバマ政権の声は“パンとサーカス”から脱却するための最後のチャンスといえる。前回のそれは、クリントン政権第1期に行われ、失敗かつバブルによってさらに格差を広げた。オバマ政権が2期目を欲するならば、本筋ならば国内産業回帰路線だが、安易に考えればバブルを起こすことだ。

しかし、そもそも1%の富で99%にフードスタンプを渡すところまで行き着くとすれば、米国は健全な民主主義国家たり得るのか。1950年代の中間層が豊かであった時代へと、どう回帰するかが米国の最大の課題といえる。

フランス、ECBとドイツに屈す

ドイツ国債の札割れの結果、コール市場へのドル供給が滞り、レポ市場への債券の供給が滞る。CDSは機能せず、ユーロ共同債は発行されず、ECBが「最後の貸し手」として行動しないという手詰まりに陥っている。

大幅迅速な量的拡大を求める、要するに無制限に近いソブリン債の買い取りを求めるフランスが、ECBとドイツに屈した格好になった。EU条約を改正して各国の財政規律を厳格化した上でなければユーロ共同債などもってのほかという訳だ。ユーロ共同債という名称もユーロ圏安定債とかに変更されそうだ。

ECBの独立性は担保されるということだが、この力関係のまま推移すれば、ECBはドイツ連邦銀行(ブンデスバンク)に事実上従属する形に落ち着くのではないか。とすると、金融によるEU支配=第四帝国か。EUの政治的前提である独仏同盟およびベネルクス3カ国の連携が崩れることになる。残るは欧州における金融支配を巡る英国との戦いでも起きるのだろうか。バトル・オブ・ブリテン再びか。

あらゆる局面での財政赤字に敏感なまま、財政統合に向かうドイツの政策決定の姿勢が、ルール占領後のハイパーインフレに左右されているのは間違いない。フランスは1920年代の自らの失策にまたもや足元を掬われることになるとは思っていなかっただろう。

ドイツ国債入札で札割れ、「大惨事」の衝撃で危機懸念さらに高まる 2011/11/23 23:20 JST ブルームバーグ

ドイツ政府が23日実施した10年物国債の入札は、応札額が募集額を35%下回る「札割れ」となった。ドイツのメルケル首相は危機解決策としてのユーロ共同債発行への反対姿勢を崩さず、欧州中央銀行(ECB)は国債購入の拡大を拒否している。

10年債(2022年1月償還)入札では、募集額の60億ユーロ(約6200億円)に対し応札額は38億8900万ユーロにとどまった。ドイツ連邦銀行(中央銀行)の資料が示した。平均落札利回りは1.98%。

当局は36億4400万ユーロを投資家に割り当て、23億5600万ユーロ(39%)は独連銀が保持した。連銀はこれを流通市場で売却することができる。午前11時37分現在、2021年9月償還の既発債利回りが4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し1.96%を付けた。


仏大統領、ECBへの圧力やめると合意-独首相とドラギ総裁の勝利 2011/11/25 02:11 JST ブルームバーグ

サルコジ仏大統領は24日、フランスのストラスブールでメルケル独首相、イタリアのモンティ首相とともに記者会見し、「ECBのような機関について、同じ歴史を各国が共有していないのは事実だ」とし、ECBの危機での役割について「コメントしないと言明することには意味がある。われわれは前向きな妥協をした」と語った。

メルケル首相はこの日、検討されている欧州連合(EU)条約の変更はECBを関わらせるものにはならないと述べた。「サルコジ大統領が今述べたように、ECBは独立した機関だ。ECBの責任範囲は金融政策と通貨の安定だ」と強調した。


メルケル独首相:ユーロ共同債に断じてノー、札割れの「警鐘」後も不変 2011/11/25 02:08 JST ブルームバーグ

メルケル首相はフランスのストラスブールでフランスのサルコジ大統領、イタリアのモンティ首相とともに記者会見し、ユーロ共同債は「必要ではないし適切でもない」と言明した。共同債はユーロ圏内の各国の金利を一律にならしてしまうとして、「金利のかい離を無視することは、全く誤ったシグナルとなる。金利差はどこで一段の取り組みが必要かを示す指標だからだ」と述べた。


ドイツとフランス:EU条約改正で数日内に共同提案へ、財政規律強化 2011/11/25 02:23 JST ブルームバーグ

ドイツとフランスは数日内に、ユーロ圏諸国の財政規律を強化するための欧州連合(EU)条約改正案を共同提案する。投資家の信頼回復を図る。

メルケル首相はユーロ共同債の発行についての議論の前提条件として条約見直しを求め、支持を取り付けた。また、欧州中央銀行(ECB)により積極的な役割を求めるのをやめるようサルコジ大統領を説得することにも成功した。

モンティ伊首相は共同記者会見で「財政統合には規則が必要だ。その規則が実際に順守されるための信頼できる仕組みも必要だ」と述べた。「そのような脈略の中で、欧州委員会が『安定債』と呼ぶ共同債は重要な貢献をし得る。健全な財政同盟の中でならばあらゆることが可能だ」と語った。

メルケル首相はユーロ圏をより緊密な財政統合へ向かわせ、財政赤字についてより厳しい規則を課すためには条約変更が必要だと説明した。

サルコジ大統領は、より厳密なガバナンスと過剰な赤字に対する制裁が同一パッケージに含まれる必要があると述べるにとどめ、具体的には語らなかった。「われわれ3人は事態の重大さを十分に認識しており、協力して状況を打開する共同の解決策を模索している」と述べた。


欧州債:イタリアやベルギー債が下落-ドイツ首相が共同債構想を拒否 2011/11/25 02:24 JST ブルームバーグ

高債務国の借り入れコスト引き下げにつながる可能性のあるユーロ共同債構想を、ドイツのメルケル首相が排除したことが響いた。

伊10年債利回りは前日比16ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の7.12%。ベルギー国債は4日続落。10年債利回りは26bp上げ5.74%と、2000年9月以来の高水準となった。

独10年債(表面利率2%、2022年1月償還)の利回りは4bp上げ2.19%、価格は0.340下げ98.33となった。独2年債利回りは4bp上昇し0.48%。日本の財務省のデータによると、国内投資家がドイツ国債を売却し、英国債を購入していることが示された。
  
スペイン10年債は4日ぶりに上昇し、利回りは2bp低下の6.63%。

中国人民銀行の反転

中国人民銀行は預金準備率を0.5%引き下げた。2010年1月初頭の預金準備率引き上げ開始から、12回に分けて0.5%ずつ引き上げ続けてきた引き締めトレンドの反転が起きた。

当局は一部銀行に対してのみであり、預金準備率の引き下げではないと抗弁するが、地方政府の債務問題がEUのPIIGS危機と同じように中央政府の危機に発展することを怖れているからだ。

中国人民銀:一部銀行の預金準備率引き下げ-地方の20行余り対象(1) 2011/11/24 12:17 JST ブルームバーグ

11月24日(ブルームバーグ):中国人民銀行(中央銀行)は地方の農村合作銀行20行余りを対象に、預金準備率を50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げる。成長の伸び鈍化に伴い与信拡大を容認する方針への転換を新たに示唆するものだ。

人民銀杭州支店が23日に電子メールで配布した資料によると、預金準備率は16%に下がる。1年前に預金準備率の引き上げに動いた人民銀の「正常化」への措置になる。大手商業銀行の預金準備率引き下げに関しては言及していない。バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチは、大手銀の準備率引き下げが来年1月になると予想している。

世界経済が回復基調の維持が容易ではない状況で、中国政府はより「将来を見据えた」柔軟な金融政策を実施する方針を表明しており、今回の準備率引き下げもその流れに沿うものだ。中国では輸出需要の見通しに陰りが出ており、11月の中国製造業購買担当者指数(PMI)速報値は2009年以来の低水準に落ち込んだ。

キャピタル・エコノミクスのアジア担当エコノミスト、マーク・ウィリアムズ氏(ロンドン在勤)は「11月のPMIの予想に反した大幅な落ち込みが他の指標で裏付けられれば、政策当局者は、『微調整』の範囲を超えて本格的な緩和政策を推進する公算が大きい」と指摘。「人民銀が一部銀行の預金準備率を引き下げたことは、恐らくスタートにすぎないだろう」と述べた。


さらに、浙江省(67億元)、広東省(69億元)、上海市(71億元)、深セン市(22億元)が国内金融市場初の地方債をそれぞれ発行したが、焼け石に水の感がある。

実際に約2800に及ぶ地方自治体が抱える約1万社近くの開発公社などが持つ債務は、10兆7200億元になっているからだ。約80%は銀行からの借入である。これら債務は、2011~2012年までに4兆4000億元、2016年までには3兆2000億元を返済せねばならない。

これら債務は、実際には借り換えることになろうが、バブル崩壊は待ってはくれない。しかも、デフレギャップの拡大を防ぐためには我が国と同じように10年以上同規模で財政出動しなくてはならなくなる。

さらに、中央政府の債務は6兆8000億元で、中国の中央・地方債務を併せた対GDP比は43.9%(地方債務のみならばGDP比26.9%)となっている。

特別リポート:中国で膨張する地方債務、経済の「地雷原」に 2011年 10月 20日 12:59 JST ロイター

 [成都/武漢/東京 20日 ロイター] 中国における地方債務の拡大が深刻化の一途をたどっている。景気対策の名の下に行われた野放図ともいえる建設ラッシュの結果、地方政府が抱える債務は2010年末で10兆7000億人民元(1兆6700億ドル)に達し、少なくとも3割近くに不良債権化の恐れが出ている。

 中国経済の「地雷原」ともいえる借金バブルの膨張。だが、地方当局者の危機意識は薄く、投資収益が細る中で、事態がさらに悪化する懸念が高まっている。                 

 リーマンショックが世界を覆った08年、中国・四川省の省都、成都市で、英ロンドンのウォータールー駅をモデルにした鉄道ハブを建設するという大胆なプロジェクトが動き出した。中央政府は金融危機による国内経済の悪化を懸念、各地方都市に積極的な景気対策の実施を指令していた。その命をうけ、本家のウォータールー駅をはるかにしのぐ成都市の野心的な建設計画には、膨大な資金がつぎ込まれた。

 「実際にウォータールー駅を訪れた時には、ずいぶん小さいので驚いた」。成都新駅の建設を手掛けた成都交通投資集団の陳軍(Chen Jun)董事はこう振り返る。「成都の実情に合わせるには数倍大きな駅が必要になるだろうと思った」。

 中国におけるインフラプロジェクトの例に漏れず、新駅の規模は計画に比べて2倍以上に膨れ上がり、国有銀行からの融資額は30億人民元に達した。さらに工事スケジュールも、わずか2年後の完成をめざすという異例のスピードだった。

 だが、華々しく立ち上げられた新駅計画が国民からの称賛の的にはなっているわけではない。むしろ、他の多くの地方公共プロジェクトと同様、建設バブルの象徴として厳しい視線と批判にもさらされつつある。

 <目算なき建設ラッシュ> 

 リーマンショック後の08年11月9日、中国政府は2年間で4兆人民元におよぶ景気刺激策を実施すると発表。世界経済が急速に悪化した局面でいち早く打ち出した大規模かつタイムリーな経済対策は、その後の中国の2桁成長をけん引したほか、世界経済の立て直しにも貢献した。

 景気対策の大きな柱になったのは、地方都市における公共施設の建設だった。中央政府の意向をうけた各地方政府は喜々として大型プロジェクトに乗り出した。

 地方政府は債券発行や銀行からの直接借り入れを禁じられているため、資金調達の核になったのは各政府が設立した「地方融資プラットフォーム会社」と呼ばれる投融資企業。その数は中国全土で1万社に増加し、リーマンショック後に発生した地方債務はこうした企業向け融資の形で一気に積み上がった。

 「刺激策は中国の現状に合っており、タイムリーで強力、かつ効果的だった」、「正しい決定であり、われわれにとって、将来の世代にとって、そして世界全体にとり有益だった」。景気刺激策が終了する直前の昨年9月、温家宝首相はこう語り、その効果を高く評価した。

 しかし、「ハコモノ行政」の御多分に漏れず、多額の融資をつぎ込んだ建設物には、役立たずの橋など無用の長物も少なくない。新たに作った施設の収益が不足し、債務返済が滞る事態は現実になりつつある。

 中国の地方政府が抱える債務は10年末時点で10兆7000億人民元とみられ、中央政府ではそのうち2兆5000億─3兆人民元が不良債権化すると予測。一方、スタンダードチャータード銀行は不良債権額が8兆─9兆人民元に上るとみる。今年と来年が償還期限になる地方債務は、全体の約4割にあたる4兆4000億元に達する。

 <巨額の債務、不足する営業収益>

 成都のオフィスでソファに深く腰を下ろした成都交通の陳董事は、成都版ウォータールー駅の開発については、同市政府が資金の問題に行き当たる、と笑顔であっさりと認めた。陳董事は「市の鉄道網への投資から生じる可能性がある影響については、まだ自社の決算に反映させていない」と明かした上で、「ローン返済の期限が来たら、困難に直面するかもしれない」と述べた。

 成都交通は10年末時点で資産額が117億人民元であるのに対し、負債額は189億人民元に達する。それでも陳董事は解決策があると考えており、過度な心配は抱いていない。

 陳董事が期待する策とは、全国の地方政府が所有する資産、すなわち不動産だ。同市内で成都交通以外に国有企業6社の経営も手掛ける陳董事は、本家ウォータールー駅のように各駅周辺に大規模な住宅や商業施設を建設する計画を抱く。もちろん資金は借り入れで賄うつもりだ、という。

 湖北省の省都、武漢市。長江とその支流の漢江が交差する要所に位置する同市でも、成都市と同様に、リーマンショック後の景気対策として公共投資のラッシュが続き、そのツケをめぐる議論が巻き起こっている。

 交通ハブとしての機能をさらに高めるため、同市政府は過去3年間で橋梁や鉄道路線、高速道路の建設に熱を上げた。これらの公共投資のうち、ほとんどをファイナンスしたのが武漢市城市建設投資開発集団(UCID)。同市最大の地方融資会社であるUCIDは1万6000人の従業員を抱え、総資産額は1200億人民元に上る。

 UCIDが抱える銀行からの借入額は10年9月時点で685億人民元に達し、営業キャッシュフローの1億4800万人民元をはるかに上回る水準となっている。巨額の投資と営業収益の不足に対する市民の不満を気にした市当局者らは、長江に架けた橋梁について、これまでにない資金回収策を思いついた。通常の通行料に加えて、月に最低18日間利用する車両について、往復料金16人民元を徴収するという方法だ。

 さらに、人口980万人の同市では、地下鉄路線を17年までに215キロ延伸する計画も抱えている。大手国有銀行からの融資で建設費を賄う考えだ。融資の担保として土地販売に依存しているが、市によれば、高級住宅向け用地の価格は04年比で2倍以上に膨らみ、1平方メートル当たり1万1635人民元に高まっているという。

 UCID新聞弁公室(広報部門に相当)の申志忠(Shen Zhizhong)副主任は、債務の危機に直面しても、多額の赤字を責められるいわれはないと強弁する。

 「政府にやるべきことをすべて決められ、いずれのプロジェクトもわれわれには何ら権限はない」。さらに、申副主任は「われわれはスポーツ選手と同じで、監督やレフェリーではない。監督やレフェリーしか知らないことをなぜ選手に尋ねるのか」と語り、同社に市の借金返済計画を尋ねるのは「非科学的」と一蹴した。

 <危機感みせない当局者>

 成都市や武漢市も含め、ロイターが取材したいくつかの地方融資会社では、多額の債務にもかかわらず、担当者に懸念の色は見えなかった。単に中央政府の意向に沿った対応をとっているだけであり、中央政府は必ずや救済に乗り出すに決まっている、というのが彼から一様に戻ってくる答えだ。

 おそらく彼らの目論見は当たっている。中央政府は3兆ドル以上の外貨準備を保有しており、債務超過の投融資企業を救済するだけの資金は十分だ。実際、1990年代には主要行救済のために資産管理会社を設立した経緯もある。

 成都市発改委区域計画処の曽明友(Zeng Mingyou)処長は、債務は積み上がっているものの、市は支出やリスクをコントロールできると自信をみせる。「重要なのはわれわれにはリスクをコントロールする適切な対策があるということだ。ほかの都市に比べ、われわれには優れたコントロール機能がある」と強調する。

 曽処長によれば、市では3年前、利用者のいない高速道路が農業用地に建設されていることが判明、それを受けて投融資企業の引き締めに取り掛かったという。また、インフラ融資の担保として土地を利用することも既に中止しているという。

 「市の土地すべてを利用し、担保にすることは不可能」と曽処長は話す。「いつかは土地も枯渇する。そのため、今では持続的な発展に向けて努力しているところだ」。

 武漢市でも、金融規制当局である湖北銀監局新聞弁公室の謝作槐(Xie Zuohuai)副主任が債務マネジメントに対する自信を見せる。謝副主任はたばこをひっきりなしに吸いながら、「武漢は、地方債務に関する中央政府の規制を実施するにあたっては模範都市とされている」と話す。

 「中央政府がうまい具合にリスクを抑えると信じているから」とも語り、いざとなれば中央政府が救済に乗り出すという、世間に流布しているうわさを裏付ける証言も行った。

 <不動産規制の打撃>

 地方当局者にとって、債務をコントロールするカギのひとつは、不動産価格を高水準に保つことだ。上海に本拠を構える不動産情報・コンサルティング会社、中国房産信息集団によると、昨年の地方政府収入のうち、4割が土地販売によるものだった。土地はまた、地方融資会社に対するローンの担保としても活用されることが多いという。

 しかし、そこに大きな懸念材料が浮上している。中央政府が不動産ブーム抑制の動きを強め、国有銀行に融資カットを指導しているからだ。

 中国では昨年、国内投資がGDPの7割を占めたが、その多くが不動産市場やインフラ開発に流れ込んでいる。こうした投資ブームに乗って土地の使用権を売り、債務返済の財源としてきた一部の地方政府にとって、不動産取引の規制強化は、その計画を狂わせるだけでなく、新規融資に必要な信用力の低下にもつながる。

 実際に、銀行側は、地方プロジェクト向け融資への慎重姿勢を強めている。たしかに、地方債務の増大と返済能力の悪化にともなう融資リスクは、各行のバランスシートの健全性を考慮すれば、まだ低いレベルにとどまっているようにみえる。銀行業界の不良債権引当率は10年末に218%となり、08年末の80%、09年末の155%から上昇した。

 しかし、北京、武漢、成都の銀行の経営幹部は、利益を生むという保証がない場合、あるいは潰すことができないような巨大プロジェクトでない限り、地方政府への融資をストップしたと口をそろえる。北京のある中規模行の経営幹部は匿名を条件に、「現在、多くの銀行は地方政府に属する投融資企業への新規融資をカットしている」と明かす。

 地方政府や融資企業も、資金調達が難しくなったと認める。成都交通の陳董事は「銀行が知りたいと望むのは、明確な収入源だ」と指摘。「高速道路や鉄道路線といった大プロジェクト向けのローンは得ることが難しくなった」と打ち明ける。

 <影の銀行>

 中国の地方官僚は、共産党の評価を得るために、雇用や成長を促すプロジェクトを通じて好調な経済を維持することが求められる。不動産バブルを防止するために融資が引き締められれば、住宅・不動産市場の低迷につながりかねず、その使命は果たせない。そこで登場するのが「影の銀行」だ。

 彼らは闇の融資・信用業者として、正規の融資では不適格とされた個人や企業に信用を供与。供与した信用を細切れに別の投資商品に紛れ込ませる役割を担う。いわばアメリカの銀行がサブプライムローンで行っていたのと同様の手法だ。

 クレディ・スイスは最近のリポートで、中国でこうした闇の融資が急成長している事態を「時限爆弾」と表現した。同社は、中国の闇融資の市場規模を4兆人民元と推計。これは正規の銀行融資規模の約8%に相当する水準だ。

 闇市場では最高で利息が70%に達し、市場規模は1年で約50%拡大しているという。今年に限ってみると、影の銀行による不動産デベロッパー向け融資は2080億人民元に達しており、正規の銀行による同様の融資額2110億人民元とほとんど変わらない水準とみられる。

 正規の銀行は危険性のあるローンを闇市場に移してきた。アナリストによれば、公的銀行も財務をよく見せるため、ローンの再構築や組み換えを進めているところだという。例えば、地方政府向け融資を企業向け融資に分類し、引当金を減少させることで利益を水増しする行為がみられるとしている。国内メディアによると、分類しなおす予定のローン総額は2兆8000億人民元に達するという。

 「各行は一定水準の不良債権の存在を認めなくてはならないが、規制当局がこうしたローンの再分類を許しているため、あえて認めることはしないだろう」。米シカゴにあるノースウェスタン大学のビクター・シー教授は、中国の金融システムに関する著書でこう指摘した。

 そのような債権の再分類は、関係者全員に都合がいい方策といえるだろう。中央政府は金融システムの不安定化を警戒しており、不良債権の増大を望むはずもない。また地方政府にとっても、胡錦濤(Hu Jintao)氏から習近平(Xi Jinping)氏に国家指導者の交代が予想される来年秋の重要な党大会を控え、巨額の不良債務が発覚して成長軌道から外れるのは避けたい、という思惑もあるようだ。

 とはいえ、中国は世界景気の影響を受けやすく、不況を避けるためにあらゆる対策が必要になる可能性もある。建設ラッシュは08年に国内経済を守る役割を果たしたが、現在の中央政府に当時のような力はない。インフレ率は高止まりし、これ以上のマネー供給は事態を悪化させるだけだ。 バークレイズ・キャピタルは世界的な景気後退が中国の「ハード・ランディング」を招く可能性に言及。国内総生産(GDP)も、都市部に流入する地方出身者に十分な雇用を確保するのに必要とされる成長率8%を大きく割り込むとみている。深刻な経済不況に落ち込めば、地方政府の資金供給源となっている土地販売にも影響し、地方が抱える債務はさらに危機的な状況に追い込まれる可能性もある。

  (Kelvin Soh、Aileen Wang、翻訳/編集:川上健一、北松克朗、取材協力:Koh Gui Qing)

今もなお『メトロポリス』のテーゼが有効な世界

あるふたつの映画の断章から。

1927年のフリッツ・ラング監督作品『メトロポリス』(ドイツ映画)は、近未来のバビロンたる超高層の摩天楼に暮らす特権階級と地下都市で10時間労働制を強いられる労働者階級の対立を軸に進行する。

地下の悲惨な状況に目を開いた支配者の息子・フレーダーと特権階級との友愛を説く地下都市の娘・マリアが恋に落ちるが、それを引き裂こうとする支配者の企みによって娘そっくりのロボットがつくられ、地下都市の暴動を扇動させる。しかし地下都市の破壊はメトロポリスの破壊と同義であった。破壊のあとで、支配者の息子・フレーダーと地下都市の娘・マリアの仲介によって地上と地下の両者が和解して物語が終わる。

ストーリー的には陳腐と言えるのだが、のちのSFに多大な影響を与えた。『ブレードランナー』の未来都市、『スターウォーズ』のC3PO、『ピンクフロイド/ザ・ウォール』の行進シーンなど枚挙に暇がない。

この映画はオリジナルが紛失していたが、1984年に映画音楽家ジョルジオ・モロダーによって再編集(カラー着色・サントラ付加)上映された。筆者が見たのはこちらの『メトロポリス』である。

サントラには錚々たる面子がそろっていた。フレディ・マーキュリー(クイーン)、ジョン・アンダーソン(イエス)、ボニー・タイラー(『フットルース』の「ヒーロー」でも知られる。「ヒーロー」は『スクールウォーズ』でも使われた)、アダム・アントなど。どちらかといえばこれに触発されて行ったが、予想以上に面白かった。

そして、映画パンフに手塚治虫が寄稿していたのも初見で意外だった。

映画『メトロポリス』に触発された手塚治虫は、初期SF3部作となる『メトロポリス』を描く。ほかに『来るべき世界』『ロストワールド』がある。

2001年に映画化された『メトロポリス』はそれが原作である。おなじみの手塚キャラ総出演による物語は、超高層ジグラットが聳え立つ地上と3階層に渡る地下ゾーンを舞台とする。

探偵ヒゲオヤジと助手のケンイチ少年は、人造人間開発者ロートン博士を追ってこのメトロポリスを訪れるが、都市の実権を握るレッド公の義息ロックは、ロートン博士を殺害してレッド公の亡くなった娘を模したティマを破壊しようとする。

ティマはケンイチ少年と逃避行することになり、革命を起こそうとする地下住民と出くわす。記憶もなくロボットであることも知らないティマには秘密があった。ジグラットの真の目的である最終兵器の制御システムが内蔵されていたのだ。

蜂起はレッド公のクーデターに利用され地下住民たちは死んでいき、ティマも捕われる。そしてティマは兵器を起動させられるが、暴走が始まりジグラットは崩壊していく。ティマを目前にして救うことができなかったケンイチは、崩壊後の再建進むメトロポリスにとどまりロボットの修理工を始めるのだった。映画はこうして喪失と再生を感じさせながら幕を閉じる。

手塚治虫・大友克洋・りんたろうによる2001年版『メトロポリス』が、国内で公開当時それほど興行収入が振るわなかった一因は、物語の背景にある二項対立が陳腐化していたためかと思う。

ひとつにイノベーションによって職を奪われる人間と職を奪う自我を持たないロボットの対立、もうひとつにイノベーションによって富を独占する支配者階級とパンを与えられて地下に逼塞する無産階級の対立がある。

新自由主義の浸透で格差拡大が極端に進んでいれば、観る側のシンパシーも出て来ようが、我が国の2001年の時点では、いや今でもそこまで胸を打たないような気がする。各国と較べて、相対的には未だ健全な中間層を持つが故に日本文化には活力があるのだろう。

世界中がバブルになっていながら、特段、新しいサブカルチャーが育たなかったことは、欧米の中間層の弱体化を示しているのではなかろうか。実質的には、民主主義から寡頭制へと変わってしまった“パンとサーカス”の社会では、文化もまた与えられるものになり、画一的になってしまうようだ。

米国の格差拡大、裏付ける調査相次ぐ 大企業の納税回避も 2011.11.23 19:41 MSN産経

つまりは、二項対立など意味をなさなくなったポストモダンの我が国では、とうに時代遅れになったようなテーマだったからこそ、未だポストモダンにない欧米での興行収入も評価も高かったのだ。そのことの方が深刻に思われる。

世界中のいわゆる“フェイスブック革命”においても、訴える者たちは、イノベーションによって与えられたツールやサービスを駆使しているものの職は奪われ、富は独占されている訳だ。聳え立つ摩天楼の下で「ウォール街を占拠せよ」と唱える人々も、ウォール街のディーラーも、容赦なく排除している警察官も、生暖かく眺めている茶会党も、互いの手を取り合って友愛の名の下に和解する筋立ては、陳腐で高望みかもしれない。

2001年版『メトロポリス』のラストでは、崩落するジグラットをバックにレイ・チャールズの「I can't stop loving you」が流れていた。さて我々の友愛の行方は、どこへ落着するのであろうか。

首都圏は“第二東電”をつくる

もともと日韓間の利権に関するキックバックは、満州人脈の絡みで岸元首相以降は清和会系のものだったはずなのだが、韓国の民政移管以降は清和会の手を離れて分散化してしまったようだ。

韓国側の復興使節団は、環境・エネルギー、観光と銘打っているが復旧・復興の土木建設関連需要を狙っているのは間違いない。現地の需要をよく知りうる地元の中小建設業界にとってはコミュニケーションもとれない韓国人など邪魔者でしかない。

ほかに銘打つ環境・エネルギーでは、震災もなしに停電するようなOECD加盟国中エネルギー効率最低の国が仕事をとれるはずもない。観光では、ウォン安局面で来日する韓国人客などいないし、不法滞在して風俗業に流れるだろう。

【東日本大震災】韓国が仙台市に復興使節団 25日、首脳合意受け派遣 2011.11.21 13:44 MSN産経

 韓国政府は、東日本大震災の復興支援の一環として、韓国政府と民間企業で構成する「復興ミッション(使節団)」を25日に仙台市に派遣する方針を決めた。聯合ニュースが21日、外交筋の話として伝えた。

 使節団は、今年5月の日韓首脳会談で、李明博大統領と菅直人首相(当時)の間で「復興・観光支援のための日韓パートナーシップ」の推進で合意したのを受けた措置。同ニュースによると、24日に東京で開かれる日韓の経済協議に参加する約20人が仙台市を訪れ、現地企業や自治体と具体的に必要な支援策などについて論議する予定。

 韓国政府は、東京電力福島第1原発事故後に大幅に減少している韓国人観光客を増加させることや、環境・エネルギー分野の支援策についても話し合う方針という。(共同)


我が国には供給過多と需要不足によるデフレギャップが存在するが、少なくとも電力に関しては需要に対して供給が少ない。民主党政権における浜岡原発の停止、泊原発の再開、玄海原発の再開に対する一貫性のなさが、それらを助長して混乱だけを招いている。

東京都を中心とした首都圏各自治体の首長が集まって、天然ガスのコンバインドサイクル発電所を新設並びに老朽火力発電所のリプレースメント、さらに送電網まで整備するために官民ファンドをつくろうと、猪瀬副知事が動いている。ソフトバンクのメガソーラー構想より実現性の高く、収益性も効率性も高い上に、一定の環境配慮もできる事業になる。身動きの取りづらい東京電力にとっては大きな脅威だ。また、この事例が成功すれば、発送電分離や再生可能エネルギー至上の議論もこれで萎んでいくことになるだろう。

東京都、独自の電力政策で“第2東電”目指す 2011.11.23 23:56 MSN産経

 東京電力福島第1原発事故後の電力不安を受け、東京都が100万キロワット級天然ガス発電所の都内新設を提唱するなど、国が主導してきた電力政策への“物言い”を強めている。資金面など問題は多いが、首都圏の産業振興や都市整備に直接関わる都が自ら課題を洗い出すことで「東京発の環境エネルギー戦略を国に提起する」(石原慎太郎知事)狙いだ。(今村義丈)

 ◆“第2東電”作る?

 「東京で第2東電を作るしかないかもしれない」

 都の天然ガス発電所設置プロジェクトチーム(PT)リーダーで都副知事の猪瀬直樹氏は激しい言葉で危機感をあらわす。

 PTが想定するのはガスと蒸気のタービンを組み合わせた、コンバインドサイクル発電の発電所だ。天然ガスは石油よりCO2排出が少なく埋蔵量も豊富。2種類のタービンを同時に回すため発電効率も50%以上と高い。あくまで民間主体を想定し、都は「国に先んじてどんな規制があるかを探す」ことで旗振り役となる考えだ。

 PTでは、9月にガスパイプラインとの距離などから、東京湾内の中央防波堤埋め立て地など候補地5カ所を選定。付近を飛ぶ羽田空港発着便に発電所排気が影響しないことを確認したほか、政府に「電力政策の議論の場で最大の電力需要地の意見を聞いてほしい」と注文を付けた。

 ◆官民連携ファンド

 発電所新設と同時に都が着目するのは、既存の火力発電所の更新と、資金調達のための「官民連携ファンド」創設だ。

 原発再開がままならないなか東電は停止中の火力を再開したが、稼働約40年の老朽施設もある。こうした老朽火力は東京湾に7カ所、約1千万キロワット分が集中する。更新は新設より進めやすいが、巨額の賠償にあえぐ東電に資金余力はないのが実情だ。

 政府の第三者委員会「東電経営・財務調査委員会」も、10月の報告で「リプレース(更新)を進めるべきだ」とし、電力を卸売りしている独立発電事業者による入札を提案。同委のヒアリングに複数業者が積極的な姿勢を示したという。

 ◆新たな送電網計画

 都は首都圏の首長や経済界にも問題を投げかける。日本商工会議所の岡村正会頭が「発電所のファンドは魅力的な提案」と賛同したほか、今月22日には首都圏9都県市首脳で国に対し、火力発電所更新推進やファンド創設、電力事業への参入障壁解消を提言した。

 都の技術系職員で構成する「都技術会議」の「地域分散型発電検討ワーキンググループ」は21日、臨海副都心地区で熱供給システムを発送電に拡大し、数年後には東電とは別の送電網を構築する計画を提示したばかり。都庁舎では来年度、東電以外から夏季ピーク時の約4分の1となる3千キロワットを購入することを決めるなど、“脱東電”の動きを加速させている。


東京都は、電力のみならずインフラ全般に対しては明確な積極姿勢を見せている。水道水に関しては、三大水メジャー(ヴェオリア・エンバイロメント、スエズ・エンバイロメント、テムズ・ウォーター)に伍して東京都水道局が日本のメーカーと連携して海外市場を目指している。地下鉄に関しては、東京地下鉄(東京メトロ)と東京都交通局(都営地下鉄)の経営一体化を目指している、これもノウハウを蓄積したうえで、資金を手当てすれば海外での都市交通の運営を行うことができるだろう。

参考URL:
品川火力発電所と大井火力発電所視察の現場でのぶら下がり会見。写真を見ながら読んでください。2011年11月16日 (水) 猪瀬直樹Blog

霞が関にもの申す。電力供給をどうするか、東京の意見も聞け。2011年11月10日 (木) 猪瀬直樹Blog

首都圏はファンド創設で“第二東電”をつくる。九都県市首脳会議で新提案。2011年11月 9日 (水) 猪瀬直樹BLog

東京天然ガス発電所・国交省航空局での記者会見ぜんぶ公開。2011年10月26日 (水) 猪瀬直樹Blog

国交省航空局へ。東京天然ガス発電所は羽田空港への航路の妨げにならない。2011年10月25日 (火) 猪瀬直樹Blog

「東京湾に巨大ガスタービン発電所候補地発表…地産地消の電力目指して」と報道ステーションのテレビ欄。2011年9月14日 (水) 猪瀬直樹Blog

朝8時から勉強会。東京天然ガス発電所をつくる意味。2011年8月31日 (水) 猪瀬直樹Blog

東京天然ガス発電所プロジェクトチーム始動! 2011年8月 2日 (火) 猪瀬直樹Blog

江戸東京博物館「東京の交通100年博」で発電所を考える。2011年7月27日 (水) 猪瀬直樹Blog

アップルのiTVは“シャープ製”

アップルが、2012年半ばにiTVという新製品をリリースする見込みだと、米国の投資銀行ジェフリーズ・アンド・カンパニー(Jefferies & Co.)のアナリストが述べている。

Apple Shifts Support to Sharp From Samsung for 2012 TV Debut, Analyst Says Nov 24, 2011 6:11 AM BLOOMBERG

記事中にはiTVのTFT液晶は、おそらくシャープの堺工場のラインを使うであろうこと、フラッシュメモリーについては東芝からの調達を増やすこと、同時に小見出しに「Samsung Relationship」とあり、わざわざサムスンとの協調関係を見直すことが触れられている。どう見てもサムスン潰しの一環です。ありがとうございます。

そして、ブルームバーグ日本版も同じ記事を出してきた。ただし「Samsung Relationship」に当たる後段は省略されている。

米アップル、TV発売控えシャープに生産を移管-ジェフリーズ 2011/11/24 04:23 JST ブルームバーグ

11月23日(ブルームバーグ):米アップルはスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」とタブレット型コンピューター「iPad(アイパッド)」のディスプレー生産をシャープの日本工場に移管する。テレビにもシャープ製のスクリーンを採用して早ければ2012年半ばに発売する可能性がある。米投資銀行のジェフリーズが明らかにした。

ジェフリーズのアナリスト、ピーター・マイセク氏によれば、アップルがシャープへ移管する事業のほとんどは現在サムスン電子が抱えているものだが、サムスンはスマートフォンやタブレット型コンピューターでアップルの強力なライバルになりつつある。同氏は日本訪問や製造企業幹部との面談に基づいて調査書を作成した。

マイセク氏はインタビューで、「巨額の資金を投じて生産能力拡大や施設改装を行うため、シャープにとっては非常に大きな取引だ」とし、「アップルは製造を管理下に置き安価な供給を確保するためのパートナーを得ることになる」と説明した。

同氏によると、サムスンなどのテレビメーカーはアップルが発売するテレビのデザインや機能をめぐる情報入手にしのぎを削っている。アップルはシャープの堺工場のラインを使用する予定で、アモルファスTFTと呼ばれる液晶パネルの応用型を製造し、「iTV(アイティーヴィー)」として2月に量産を開始する可能性が高い。

マイセク氏は競合テレビメーカーについて、少なくとも6-12カ月遅れをとっている模様だとの見解を示した。また、競合の多くはアップルに対抗するためのソフトウェアやクラウド・コンピューティング技術を持っていないと指摘した。

アップルは既に5億-10億ドル相当の製造機械を購入し、シャープの施設一カ所をiPhoneやiPadの専用施設として押さえているという。

アップルの広報担当スティーブ・ダウリング氏はコメントを控えた。

陛下のいない新嘗祭

いくつかの戦前の祝祭日が名前を変えて存続している。四方節は元日、紀元節は建国記念日、春季皇霊祭は春分の日、秋季皇霊祭は秋分の日、明治節は文化の日、新嘗祭は勤労感謝の日となっている。

きょう新嘗祭 陛下ご不在は初めて 掌典長が代拝 2011.11.22 22:50 MSN産経

 天皇陛下が自らその年の収穫を神々に感謝する儀式で、宮中祭祀(さいし)の中で最も重要とされる「新嘗(にいなめ)祭」が23日、行われる。しかし、今年は陛下が祭祀にお出ましにならないことが決まっている。病気を理由に陛下がご不在となるのは初めて。今年の新嘗祭は、どのように執り行われるのか。

 新嘗祭は皇居・宮中三殿の近くにある「神嘉殿(しんかでん)」で行われる。殿上に上がるのは伝統的な装束を身につけられた陛下と皇太子さまに限られ、ほかの皇族方は庭から拝礼される。

 例年だと儀式は陛下が主体となって行われる。陛下は全国から献上されたり、皇居で収穫したりした米とアワの新穀、新米から造った酒などを神前に供えられる。続いて神前に拝礼、「御告文(おつげぶみ)」を奏上した後、供え物を神々とともに食べる「直会(なおらい)」の儀式に臨まれる。

 午後6時からの「夕(よい)の儀」と午後11時から未明にかけての「暁の儀」があり、各2時間ずつ、計4時間のほとんどを正座で過ごされるといわれる。皇太子さまは、自身の拝礼時以外は、陛下とは別の部屋で終了まで控えられている。

 今年は宮中祭祀をつかさどる掌典職のトップ、掌典(しょうてん)長が陛下に代わり供物を供え、祝詞を読み上げる「代拝」を行う。宮内庁によると、皇太子さまはご自分の拝礼時に殿上に上がり、皇族方のご拝礼前に退出される。昭和時代の前例に従ったものだという。

 祭祀関係者は「陛下が出られる場合、着替えるだけで30分の準備がかかる。その重い装束で神嘉殿まで歩くのも大変だ」と明かす。

 宮内庁によると、昭和天皇は69歳で暁の儀へのお出ましをやめ、70歳で夕の儀も途中からとなった。陛下は来月78歳を迎えられる。

 国事行為の臨時代行などを務める皇太子さまだが、新嘗祭では儀式を代わりに行われることはない。祭祀は明治時代に制定され戦後廃止された「皇室祭祀令」に準じて行われ、陛下の代拝は掌典長がするものとされているからだ。

 祭祀関係者は「神とともに供え物を食すのは陛下以外誰にもできない。それだけ重要な儀式だが、陛下のご健康が一番大切。今年はゆっくり休んでいただきたい」と話している。


今上陛下が即位されてからは、初めて新嘗祭の祭祀を欠席される。入退院を繰り返されたこともブータン国王夫妻の来日に合わせてのことでもあるが、この新嘗祭も念頭に入っていたことと思われる。

新嘗祭がいかに宮中祭祀ならびに我が国の伝統に鑑みて重要かは、即位後に大嘗祭を行うことでもわかる。首相始め大臣たちの多くは、平成の御代に入り、大嘗祭が行われたときにはすでに政治家だったはずだが、それがなんたるかを理解していないようだ。

民主党政権は、陛下の祭祀や体調を考えず国事行為の日程を組み、臣下という意識すらなくもっぱらその権威だけを利用してきた。彼らは、数々の失政に加えて東日本大震災の国難の対処も何らなすところがない。陛下の宸襟を悩ます正に国賊といって差し支えない。ひとりの勤皇家として彼らに対する怒りを新たにするものだ。

さらなる量的緩和のシグナル

欧州債務危機のため、リーマン・ショック以来のドル枯渇の状況に陥ることになりそうだ。明らかに量的緩和のシグナルとなる。具体的には米国がQE3を行い、EUは国債の買い取りと金融機関への資本注入とを行い、我が国も追随して量的緩和を行う好機となるだろう。この好機を逃すとむしろ安全な通貨の逃避対象となってさらに円高が進む。

特集リスクオフ市場:ドル不足「非常警報」、年末控え不安広がる 2011年 11月 22日 17:18 JST ロイター

<リーマンショック以来のドル調達難>

 「圧倒的にドルが足りない状況が続いている。調達コストがどんどん高くなって、環境が悪化している」(外資系金融機関マネー・トレーダー)。こうした悲鳴がいま市場のあちこちから聞こえてくる。為替スワップ市場では、欧州銀等のユーロ資金の保有者が為替スワップを通じてドル資金を調達しているが、その際のコストが、2008年のリーマンショック以来、3年ぶりの高水準に高騰している。 

 その背景にあるのは、欧州債務危機がもたらしたクレディビリティ(信用)の喪失だ。無担保の資金のやり取りは成立しなくなっているとされ、「いくら高い金利を受け取っても、デフォルトで元本が消えてしまったのでは補えない」と前出のマネー・トレーダー)は指摘する。

<長期ドル資金確保に走る金融機関> 

 短期市場でのドル不足を受けて、金融機関の間では長めの資金を確保する動きが広がっている。だが、カウンターパーティリスクや流動性リスクの高まりを受けて、長期のドル資金確保も容易ではない。

 「短期資金の調達には問題はない。ただ、長期資金をどのように確保できるのか、大きな疑問がある」。ドイツ銀行(DBKGn.DE: 株価, 企業情報, レポート)のアッカーマン最高経営責任者(CEO)は18日、投資家の間で長期投資に対する消極姿勢が高まっているため、欧州の銀行による長期資金の調達が一段と困難になっていることを認めた。 

 実際に、ドル/円の5年物ベーシススワップは21日、過去最高の100bpまでディスカウントが拡大した。ほんの数週間前の11月初旬の水準は75bp付近。急激な上昇は、円資金を持つ市場参加者が円との交換でドル資金を調達するコストが大幅に跳ね上がったことを示している。 

 具体的な動きとして、「普段はドル資金の出し手だった米銀が急に取り手にまわり話題になった」(邦銀)、短期のドル資金を調達し米国債などのドル資産に投資している邦銀が「ドル資金調達を長期化させた可能性がある」(外銀)などの声が市場から聞こえてくる。 

 一方、起債市場では、長期のドル流動性確保を目的とする非居住者の円建て外債(サムライ債)の起債が目立っている。円建て外債の発行者は、円での用途が無い場合には、調達した円資金をベーシススワップ等でドル資金に転換する。 

 米ゼネラル・エレクトリック(GE)(GE.N: 株価, 企業情報, レポート) の金融子会社GEキャピタル・コーポレーション(GECC) は17日、期間3年・5年の固定利付債・5年の変動利付債の3本建てサムライ債 (円建て外債)の発行条件を決定、総額681億円の調達をめざす。 オランダのラボバンク[RABO.UL] は、発行総額は895億円にのぼる期間3年・5年の固定利付・変動利付の4本建てサムライ債(円建て外債)の発行条件を8日に決定した。

<中央銀行はドル不足を緩和できるか> 

 こうした市場のドル調達難を緩和するため、欧州中央銀行(ECB)は無制限のドル供給オペを実施している。米連邦準備理事会(FRB)は通貨スワップ協定に基づき、11月16日までの1週間に外国中央銀行に対して8億9600万ドルを供給した。このうち8億9500万ドルがECB向けだった。 

 だが、市場では焼け石に水との指摘も聞かれ、ドル不足解消には目立った効果を上げていない。一方、金融機関は増資等による自己資本の拡充を急いでいるが、「自己資本をいくら膨らませても、市場で調達しなければならないドルの規模が大き過ぎ、オフセット(埋め合わせ)出来ない」(金融機関)との指摘が出ている。

生産性を上げたら負け

日米英独仏とPIIGS各国の金の貸し借りに地獄の連環を見るようだ。イタリア転けたらフランス転ける。フランス転けたらドイツと英国と米国が転ける。そうすれば必然我が国も転ける。しかも中国の数字は全くわからない。こんな状態で、イタリアやスペインが働けども働けどもこの地獄を回避できるかどうかもわからない。

Eurozone debt web: Who owes what to whom? 18 November 2011 Last updated at 09:20 GMT BBC NEWS

ただし、シエスタなど楽しんで全くもってけしからんと思ったりするが、イタリア人なりスペイン人なりが働かないのにも理由はある。

“働いたら負け”ではないが南欧諸国は“生産性を上げたら負け”なのだ。なぜなら生産性を上げたら、働く人はその分少なくて済む。要は余った人はクビになってしまう。クビになった人のキャリアに合った同じ仕事はそうはない。別の仕事に就くことももちろんままならない(新しい産業を社会が作れないこともある)。

だから生産性を上げてはいけない。そうした意識が社会にビルトインされている。働くためのインセンティブなど必要ないし、みんなが少しずつ働く一種のワークシェアリングが行われる。ワークシェアリングのためのシエスタだったりする。

そういう社会では、伝統的な生活を維持することに最大の眼目があるのだ。例えば米国の学者がインドの生産性を上げるために、最新の機械を導入して効率を倍にしたら、半分しか働かなくなったように。

生産性とか効率とかが身に付いていないイタリア南部からの移民が、マフィアをつくったのは相互扶助の側面もある。ほかの生産性の高い人々に太刀打ちできなかったからだ。

また、マフィアなどの地下経済が栄えるのも、集まる税金が少なく富の再分配機能がないからで、分配がなければますます誰も税金を納めなくなる。そのため財政はなかなか改善しない。そして、税を徴収するはずの官僚が満足な給料を貰えないから賄賂を取る。その賄賂で富の再分配を行わざるを得ない。

見事な悪循環で、以前のエントリーで触れた伝統的な支那社会と同じ訳だ。“働いたら負け”=“生産性を上げたら負け”の社会に産業基盤も作らず、ただ消費するための金を貸しすぎたのが問題の一因なのだが、はてさて欧州債務危機の結末はどうなることか。

通貨統合から財政統合までの時間稼ぎ

金融政策と財政政策の両輪を統合せずに、通貨の発行権のみ統合したことによる矛盾がPIIGS危機から欧州債務危機に発展した。ECBが、国債の買い支えを行うと同時にPIIGS各国の国債の発行権は事実上失われていく。

現状では、各国がユーロから離脱する可能性と、ユーロ圏の財政統合の可能性とを同時並行して模索している。その時間稼ぎのためにはECBが「最後の貸し手」として振る舞わなければならない。

しかし、権限拡大を行うには事態の進展が間に合わない。特に10年債の金利が7%をうろつくスペイン、特にイタリアどちらかがデフォルトすれば、フランスが立ち行かなくなる。それは独仏同盟としてのEUの終焉となる訳だ。ECBを救うためには、IMFを始めとした国際機関と主要国の緊急融資が必要になるだろう。

欧州国債は「負のスパイラル」、金利上昇と債務負担懸念が連鎖 2011年 11月 18日 13:58 JST ロイター

ECB当局者、最後の貸し手としての危機対応強化論に反発 2011年 11月 19日 05:25 JST ロイター

 [フランクフルト 18日 ロイター] ユーロ圏債務危機の深刻化を背景に、欧州中央銀行(ECB)に対し「最後の貸し手」として踏み込んだ対応を求める圧力が高まる中、ECB当局者などからは反論が相次いだ。 

 ドラギECB総裁は18日、政府の対応の遅れに不満をあらわにし、欧州金融安定化ファシリティー(EFSF)の運用をできるだけ早急に始めるべきとの考えを示した。

 総裁は欧州銀行関連の会議で、欧州連合(EU)首脳はEFSF創設を1年半以上前に決定し、EFSFの拡充を4週間前に決定したと指摘。「長期にわたる決定の実行はいつ行われるのか」と訴え、ECBの関与拡大要求を退けた。 

 バイトマン独連銀総裁も、政府が危機対応の前線に立つべきと主張。「危機の収束が成功していないからといって、ECBの責務を過度に拡大したり、ECBに問題解決の責任を負わせることは正当化されない」とし、ECBの責務に対する明確なコミットメントは、ユーロの未来にとって欠くことのできない要素の1つと述べた。

 ゴンサレスパラモ専務理事も「ソブリン債務危機は、根本的に各国政府の責任だ。ECBに対応を求めることは可能だが、ECBの責務内においての対応に限られる」との考えを示した。

 一方、欧州復興開発銀行(EBRD)のミロー総裁は「ECBの行動が求められているが、ECBだけですべての仕事を引き受けることはできない」と述べた。  

 <量的緩和めぐる議論> 

 域内政治家の意見対立で政府の危機対応が後手に回る中、ECBに対しては現在行っている限定的な買い入れではなく、一段と踏み込んだ対応を求める声が高まっている。

 ギリシャのベニゼロス財務相は同日の記者会見で「ECBは他の中銀と同様、あらゆる手段を用いて、ユーロ圏の危機脱却を支援すべき」と主張した。

 だがECBの関与をめぐっては、ECBの役割拡大を求めるフランスと、断固として反対姿勢を崩さないドイツの間で意見が対立している。 

 ECBは現在、国債買い入れにより市場に供給した資金を不胎化オペを通じて吸収している。そのためECBは買い入れについて、米連邦準備理事会(FRB)やイングランド銀行(英中銀)が実施している量的緩和策ではないとしている。

 ただロイターが欧米の債券ストラテジスト50人を対象に今週実施した調査によると、ECBが量的緩和政策の採用に追い込まれる可能性は、予想中央値で48%となった。

 実際にECBが不胎化オペを中止し、事実上の量的緩和政策に乗り出せば、既存の政策からは大きな方針転換となる。

 市場関係者によると、ECBはこの日もイタリア国債を買い入れた。だがイタリア10年債利回りはこれまで、危険水域とされる7%前後の水準に高止まっている。


経済統治強化案を23日公表、共同債の選択肢も提示=欧州委当局者 2011年 11月 19日 11:08 JST ロイター

 [ブリュッセル 18日 ロイター] 欧州委員会は、ユーロ圏の経済ガバナンス強化に向けた2つの法案を23日に提案する。ユーロ圏当局者が18日、明らかにした。ユーロ圏共同債の発行構想に関しても、3つの選択肢を提示する方針という。

 最初の法案は、ユーロ圏救済基金から支援を受ける際、欧州委による経済監視を支援の条件とする内容。監視受け入れを拒めば支援は得られないため、財政問題を抱える国は監視を受け入れざるを得ないとの前提に立っている。

 同当局者によると、現在支援を受けているギリシャ、アイルランド、ポルトガルに対する監視体制よりもさらに強化される。

 2つ目の法案では、欧州委に域内国の予算案を審査する権限を付与する。あらかじめ合意していた基準に沿わない場合には、欧州委は予算案の修正、もしくは新たな案を再提出させることが可能になる。

 必要ならば欧州委の当局者が当該国の議会に出席し、予算案の審議に加わるとしている。 

 欧州委はこのほか、ユーロ圏各国の予算案に関して、独立した機関の経済見通しに基づく予算案策定を義務付けることも提案する。

 当局者は「(当該国の)政府系でなければ、欧州委でも欧州中央銀行(ECB)、その他の独立機関などでも可能だ」と説明した。

 さらに財政規律強化に向け、数値目標を盛り込んだ財政健全化目標を法制化、もしくは憲法で明文化することも提案する見通し。

 当局者は、これらの財政規律強化策が奏功した場合には、「共同債発行もあり得る」との見方を示した。

 「欧州委は結論は示さずに、シンクタンクの提言などユーロ圏共同債構想に関するさまざまな案を提示する」と述べた。

 発行元はまだ不明だが、欧州委の傘下に債務管理局が創設される可能性があるとしている。

 ユーロ共同債に関する構想では、1)債券を共同で発行し保証することにより、返済義務を域内国全体で負う案、2)国内総生産(GDP)比60%など、一定の限度まで共同で債券を発行し、それを超える分は各国の責任で発行する案、3)共同保証をつけるような共同債の形をとらず、債券発行を協調して行う案が提案される見通し。

モンティ政権は敗戦処理内閣か

イタリアのモンティ政権が、財務相を兼務する首相(正式には閣僚評議会議長)を始めとして、各大臣に上院(元老院)、下院(代議院)の議員が一人もいない内閣というのは我が国の感覚からすると、奇異な印象を受ける。両院ともに内閣不信任決議権を持ち、議員による間接選挙で選出される大統領にも議院解散権がある点なども日本とは違う。

イタリア新政権が下院でも信任獲得、改革に向け本格始動 2011年 11月 19日 03:47 JST ロイター

モンティ政権は、バドリオ政権のような敗戦処理内閣となるか。それともタンジェントポリ(冷戦下における政官財の癒着した利権構造を指した言葉)を受けたチャンピ政権のような政界再編内閣となるか。

利害関係の調整者は本来、直接間接を問わず選挙によって選ばれる議会と大統領の役割である。実務家と聞こえはいいが、学者や官僚出身者が占める内閣は利害関係を正確に反映しない。両院とも内閣を信任してはいるが、国民の非難を避けるための弾除け、楯の役割を担わされているともいえる。

第二列島線を巡る攻防

日本人は往々にして忘れていていることだが、豪州人にとって忘れられないことは、豪州に攻めてきた外国は歴史上、大日本帝国だけという事実だ。彼らはニューギニア戦線で戦い、ダーウィンを空襲され、シドニー湾に特殊潜航艇の突入を許している。しかも、戦後は隣国インドネシアの独立を助ける日本人義勇兵までいた始末だ。

この歴史的トラウマに左右された豪州は、インドネシアの勢力を削ぐために東ティモールの独立を後援して、日豪安保共同宣言をしてようやく安心した。我が国は東ティモールにPKOを派遣しており、日豪の勢力範囲はそれぞれ日本の南限はインドネシアまで、豪州の北限は東ティモールとパプアニューギニアまでと画定したと考えられる。

しかし、さらに慢心した豪州は、中国に接近して反捕鯨で日本を叩いていたら、資源メジャーのリオ・ティントが買収されそうになって、議会の圧力で破談にしたら中国駐在のリオ・ティント社員がスパイ容疑で逮捕された。これが豪州の外交的転回点となった。そのため、労働党のギラード政権(2010~現在)は、親中・リベラルに偏りすぎた労働党のラッド政権(2007~2010年)よりも親米親日・保守的な自由党のハワード政権(1996~2007年)に近づいた。

ダーウィンにおける米国海兵隊駐屯の決定は、中国の自業自得の面もあるのだが、それだけに中国共産党の怒りも大きい。さらに明らかになった事実として、遡ること2007年、中国は東ティモールに対して、拒絶されたもののレーダー施設の建設を申し入れている。

なぜならASAEN諸国を手に入れても、帝国陸海軍のように兵站の届かないダーウィン空襲(現在ならばミサイルの射程圏か否かが重要)を繰り返さなければならないからだ。つまり、中国共産党も大日本帝国と同じ戦略的限界に到達する。となると、今のところ、中国はインドネシアとフィリピンのイスラム原理主義過激派を後援する他ないだろう。

[FT]米中対立のはざまで翻弄される豪州 2011/11/18 21:19 日経

(2011年11月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 日本軍は1942年、真珠湾攻撃よりも大量の爆弾でオーストラリア・ダーウィンを空襲した。それを機に、豪州は米国の確固たる同盟国となった。今月17日、豪北部のこの都市を訪れたオバマ米大統領は、新時代に即した同盟の形として米海兵隊の豪州への駐留計画を発表した。

 ダーウィンなどに駐留する米海兵隊員の数はつつましいが、その戦略的意味は大きい。米豪の安保強化策は、アジアの将来を巡って米中の地政学的な対立が激化する過程で起こった極めて重大な出来事といえる。

 豪州は過去30年、いわば中国の台頭への早期警戒システムのような役割を果たしてきた。豪州は中国が持ちつつある世界への影響力を理解する絶好の出発点となる。

 豪州は、中国の潜在的な経済力に気がついた最初の国の1つだ。当時のホーク豪首相は85年、中国の胡耀邦共産党総書記を豊富な鉄鉱石が眠る西部のピルバラに案内した。それこそが現在の商品ブームの先駆けだった。以来、中国に輸出される鉄鉱石の量は毎年増え続け、それが中国の大規模な都市化を支えてきた。

 豪州の研究機関は英語圏で最良の中国ウオッチャーを多数擁し、ラッド外相に至っては中国語を話す西側世界で最初の首相にまで上り詰めた。

 豪州は他国に先駆け、中国の国有企業の影響力に翻弄されることも体験した。2009年には、英豪資源大手リオ・ティントの豪州国籍の中国系社員が、国家機密を盗んだ容疑で中国に逮捕された(その後産業スパイ容疑に切り替え)。社員は収賄容疑を認めて10年の実刑を宣告されたが、起訴には鉄鉱石価格を巡るリオと中国の対立が絡んでいたとの疑いが残った。

 中国が経済に占める重要性から、豪州は第2次大戦のさなかに形成された対米同盟から徐々に距離を置くとの予想もあった。豪州のレイビー元駐中国大使は冗談めかして「どの国も今の豪州ほど中国と緊密にはなれないが、豪州はもっと緊密になれる」と語ったものだ。

 しかし豪州が現在、米国との同盟関係を格段に強化している事実は、この数年、中国が無神経な外交行動でアジア・太平洋地域の国々をいかにいら立たせてきたかを雄弁に物語る。

 オバマ大統領の豪州滞在中、クリントン国務長官はフィリピンを訪問していた。中国の振る舞いを懸念を持って見つめる比は米国との安全保障の条約締結60周年を祝い、クリントン長官は新たな軍艦の供与を約束した。

 豪州を含むアジア・太平洋諸国は、経済的な活況に沸く中国との貿易は継続しつつ、他方で引き続き米国が提供する安全保障の傘の恩恵にも浴したいと算段する。

 各国はこれまで以上に対中国で団結を掲げ、米国が改めてこの地域への関与を強めれば、中国の破壊的衝動が抑制される一方で、アジアの経済繁栄は続くだろうと望む。

 しかし、それには米中対立がこれ以上悪化しないことが前提だ。将来、もっと痛みを伴う選択が豪州を待ち構えているかもしれない。

 米中の艦船が南シナ海で小競り合いし、紛争に発展すれば、米海兵隊が駐留する豪州は、安全保障の同盟国である米国と、主要な貿易相手国である中国との紛争に巻き込まれかねない。

 同じことをすでに中国側も指摘している。人民日報系の環球時報は16日、「豪州は中国を侮ってはならない」と題する論文を掲載した。「米国が中国の国益を傷つけるのに豪州の軍事基地を用いれば、豪州も人ごとでは済まされない」という内容だ。豪州は再度、他国に先駆け、現代の2超大国のはざまでほんろうされる新たな地政学的な運命へ歩み出すことになるかもしれない。

By Geoff Dyer

ユーロ圏“南北分割”の既定路線化

ギリシアの1~10月の税収は前年同月比4.1%減少、財政赤字は前年同期比11%拡大した。財政緊縮策は税収を拡大させない、という当たり前の事実が再確認されただけではないか。例えばレストランで食事すると23%の消費税がかかれば外食は減るだろう。

1─10月のギリシャ財政赤字、前年比11%拡大 2011年 11月 17日 08:39 JST ロイター

イタリアの公的債務は1兆8000億ユーロだが、イタリア国債は約半分が国内投資家による保有、かつイタリア財務省は約350億ユーロの資金を有しているなどの点は支援策を作るまでの時間稼ぎにはなるだろう。

焦点:イタリア、来春に多額の国債償還控え国際支援の必要も 2011年 11月 17日 14:39 JST ロイター


(前段略)

 イタリア中央銀行は前月、利回りが8%、経済成長率がゼロとしても、その他のすべてが同じであれば、現在国内総生産(GDP)比120%となっている債務は向こう3年間、安定的に推移するとの試算を明らかにした。

 しかし問題は、ほぼ確実に数カ月以内に他のすべてが同じではなくなることだ。

 今後約2カ月間の資金調達ニーズは比較的低いものの、来年2─4月には1500億ユーロ規模の債券が償還期限を迎える。

(中段略)

 7%の利回り水準が債務の持続可能性の分水嶺と見なされている背景には主に、この水準を超えた場合、イタリア政府が削減を目指している公的債務が、逆に毎年増加してしまうほど利払い負担が増大するとの試算がある。

 ただ、これは経済成長や、政府の歳出と歳入の規模など見極めが困難な要因に左右される。

 アナリストは、ポルトガルとアイルランドの国債利回りが7%を超えた後、すぐに8%まで上昇が加速し、両国が市場での国債入札を続けずに国際支援を求めたことにも注目している。

 ただ、イタリアは、キャッシュポジションが依然として健全である上、提供できる証券はゼロクーポン債、インフレ連動債など幅が広く、債券市場の流動性も昔からかなり高いことから、両国よりも多くの時間を稼げるかもしれない。

 さらに、アイルランドとポルトガルの国債は80─90%が海外投資家の保有だったのに対し、イタリア国債は約半分が、海外投資家よりも入札を見捨てる可能性の低い国内投資家による保有となっている。 

 <キャッシュ> 

 イタリア財務省は現在、約350億ユーロの資金を有している。これは1年のこの時期の通常の状況に見合った適度に心地よい水準だ。

 おそらく、投資家が年末よりも前に入札を敬遠し始めるという最悪のシナリオの下でも2月までの債務返済を果たすのには十分だろう。だが、それ以降は厳しいとみられる。

(中段略)

 ただ、イタリアの公的債務は1兆8000億ユーロと巨額であるため、既存の救済メカニズムは、数カ月以上にわたる救済には不十分だ。

 こうしたことから、アナリストは、ECBが8月に開始した流通市場でのイタリア国債の買い入れを大幅に拡大する必要があると指摘する。

 債券コンサルタント会社、スピロ・ソブリン・ストラテジーのニコラス・スピロ氏は「短期的には、唯一イタリアを救うことができるのはECBによる大規模なコミットメントだ」と語った。

 ECBは8月に流通市場での同国債の購入を開始した際、利回りを5.5%程度に維持することを望んでいた。イタリアが市場の信頼回復を現実的に望めるようになるには、利回りがこの水準付近に戻る必要があるだろう。 

 (Gavin Jones記者;翻訳 佐藤久仁子 ;編集 佐々木美和)


ただしイタリアの財政緊縮策とそれに伴う支援もギリシア同様効果を生まない。所詮は時間稼ぎなので、PIMCOのエラリアンCEOの言を借りるまでもなく、ユーロ圏の南北分割は、世論を醸成していきながら既定路線となっていくだろう。

焦点:「秩序ある再編」探るユーロ首脳、ギリシャ離脱賛成も 2011年 11月 17日 15:35 JST ロイター


(前段略)

 ユーロ圏のあるべき姿論の中心にあるのは、ギリシャをユーロ圏から外すことだ。欧州連合(EU)の首脳は口々にギリシャ離脱はないと主張しているが、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長は、ギリシャはどんなに努力してもユーロ圏にとどまることはできないと述べ、事実上ギリシャの離脱に賛成を唱えている。

 そうした中でフランスのサルコジ大統領が打ち出したのが、一部の導入国で統合を加速、深化させ、その周りを緩い連合で固めるという構想だ。

 サルコジ大統領の案は、EU全加盟国は等しく統合されるべきというのが公式方針から逸脱したようにみえる。そういう意図はないかもしれないが、サルコジ案はユーロ圏で比較的経済状況の良い北部とぜい弱な南部という切り分けを、よりはっきりさせようとしている。

(中段略)

 UBSは、ユーロ再編にあたってECBが債務問題への取り組みでフリーハンドを得ると予想する。シニア経済アドバイザーのジョージ・マグナス氏は15日「最も可能性の高い変更はECB。われわれは、ドイツが最終的にECBにマネーサプライやバランスシートをさらに拡大する権限を持たせることを認めると考える。容認できるユーロ圏のインフレ率の引き上げも可能になると予想する」と述べた。

(後段略)


PIMCOエラリアン氏:ギリシャはユーロ圏から一時離脱を-FTD 2011/11/17 17:29 JST ブルームバーグ

11月17日(ブルームバーグ):米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のモハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)は、ギリシャは自国経済立て直しのため一時的にユーロ圏から離脱すべきだとの見解を示した。フィナンシャル・タイムズ・ドイツ版(FTD)が同CEOを引用して伝えた。

エラリアンCEOはFTDの姉妹誌キャピタルとのインタビューで、そのような動きは早ければ来年初めにも起こり得ると発言した。さらにギリシャは3-5年後にユーロを再導入できるとの見方を示したという。

TPPを『気違いのお茶会』にしてしまえ

TPPについて、カナダ、メキシコ、フィリピン、パプアニューギニア、中国などAPEC加盟各国が交渉参加もしくは自国の立場を表明してきた。

APEC21ヶ国による経済連携協定(FTAAP)締結が目標ならば、米国主導となったTPPはそうした枠組みの一つに過ぎない。日本主導のASEAN+6、ASEAN+3もあり、それぞれの枠組みにおいて各国が天秤にかけていることを念頭に置き続けていれば、外交上の動きも理解できる。

ASEAN+6推進のための東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)の出資金を事業仕分けによって半額以下に縮減した民主党政権は、本来鳩山政権下で持ち上がった中国との連携を強める東アジア経済共同体構想を推進する立場だったはずだ。

我が国にとって不利な経済圏ができることを防ぎ、我が国が二国間のFTA、EPA交渉を進めるために、TPPを遅延、瓦解させるべく利害関係国を増やすことは良いことと考えられる。

カナダもTPP交渉参加を検討 2011年11月13日 14:30 AFP

【11月13日 AFP】カナダ政府は11日、日本が同日、交渉参加方針を発表した環太平洋連携協定(Trans-Pacific Partnership、TPP)について、同じく交渉参加を検討すると発表した。しかし、現時点ではTPP交渉に参加することがカナダの国益となるかどうかは不明だとしている。

 11日の日本の参加表明は、インパクトに欠ける感があったTPPを一躍、世界経済の35%を占める協定へと拡大する大きな後押しとなった。

 日本の決定に影響を受けるかと質問されたカナダのエド・ファスト(Ed Fast)貿易相は、カナダ政府は状況の進展を「非常に細かく」追っているが、TPPがカナダ自身の国益になると確信できたときにのみ交渉に参加するだろうと述べた。(c)AFP


カナダ、メキシコもTPP参加表明 一気に拡大の可能性 2011年11月14日11時5分 朝日新聞

 米ホワイトハウスは13日、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に、カナダとメキシコも参加を表明したと発表した。日本に加えて、北米自由貿易協定(NAFTA)を構成する両国が参加表明したことで、TPPは一気に拡大する可能性がある。

 米政府によると、オバマ大統領と、カナダのハーパー首相との13日の首脳会談で、ハーパー首相は、TPP交渉に参加する意欲を示したという。ホワイトハウスは13日の声明で、メキシコも同じように意欲を表明しているとし、「日本とメキシコの同様の発表とともに、カナダがTPP参加国と協議を行う意欲を示したことは、TPPの勢いが広がっていることを証明するものだ」と、TPPの拡大に自信を示した。

 ロイター通信は、フィリピンとパプアニューギニアも交渉参加に関心を示していると伝えた。


日・加で対米共同戦線も…カナダTPP交渉参加 2011年11月14日13時20分 読売新聞

 【ホノルル=岡田章裕】環太平洋経済連携協定(TPP)交渉は、日本に加えてカナダとメキシコも参加を表明したことで、農産品などで貿易自由化の例外品目を求める動きが強まることも予想される。

 カナダのハーパー首相は13日、記者団に対し「オバマ大統領から極めて強く参加を求められた。12日の大枠合意の内容も、カナダは容易に適合出来る」と参加理由を述べた。

 しかし、カナダは過去にもTPP交渉への参加を米国などに打診したことがある。その際は、ニュージーランドなどの乳製品を警戒するカナダが、乳製品を関税撤廃の例外品目にするよう非公式に求めたため参加が認められなかった模様だ。

 日本にとってのコメと同様に、一部品目で関税を維持したいカナダの参加で交渉は難航も予想されるが、「カナダと日本が協調して米国などに撤廃の例外品目を認めさせることも可能ではないか」(日本政府関係者)との指摘が出ている。


中国が交渉に関与した国際協定であれば順守する=政府高官 2011年 11月 14日 18:01 JST ロイター

 [ホノルル 14日 ロイター] 中国政府高官は13日、中国は、合意に向けた交渉に中国が関与した国際協定であれば順守するとの立場を示した。

 オバマ米大統領が13日これより先、中国は経済問題で国際社会のルールを順守する必要があるとの見解を示したことへの反論とみられる。

 中国外務省の高官Pang Sen氏は、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議後の記者会見で「まず、どの規則についてかを確認する必要がある。もしその規則が合意のもと共同で策定され、中国もそれに関与しているのであれば、中国は順守する。仮に規則が一国か、もしくは特定の複数の国によって決定されたのであれば、中国には順守する義務はない」と語った。

 また中国は、日本、カナダ、メキシコが参加を表明した環太平洋連携協定(TPP)交渉について「真剣に検討する」との方針を表明。

 昨年のAPECの方針が、中国が関与している貿易協定を含む、アジア太平洋諸国の経済協力強化に向けた道筋を支援するものだったことに言及し、「この会議では、日本が交渉参加を表明し、一部の国がこれを歓迎している。他の一部の国もTPP交渉参加に関心を示している。中国はこの問題について真剣に検討する」と述べた。

液晶パネルの供給過剰に巻き込まれるか否か

パナソニックは、2008年に日立から譲渡された茂原工場を日立出資のジャパンディスプレイに譲渡することになる。家電エコポイント終了と地デジ開始前の駆け込み需要一巡、さらには米国のクリスマス商戦もデフレ下での叩き合いが予想される中で、プラズマパネルに続きテレビ向け液晶パネルの事業再構築は喫緊の課題であったから、この正式合意は市場で歓迎されるだろう。

パナソニック、TV事業縮小 尼崎第1、3工場停止 1000人超削減 2011.10.21 05:00 SankeiBiz

 パナソニックが主力のテレビ事業を大幅に縮小する方針を固めたことが20日、わかった。プラズマテレビ用パネルの尼崎第1、第3工場(兵庫県尼崎市)の生産を今年度中に中止、液晶パネルの茂原工場(千葉県茂原市)も売却する方向で検討し、1000人超の人員を削減する。韓国勢などとの競争激化で赤字が続くテレビ事業を抜本的に見直す。日立製作所が今年度にもテレビの自社生産からの撤退方針を固めるなど、テレビで一時代を築いた日本の家電メーカーが大きな岐路に立たされている。

 パナソニックは第1工場の生産設備の一部を中国・上海工場に移管する計画だったが、これも凍結する。プラズマパネルは尼崎の第2工場(42型換算で月産60万枚)に集約し、生産能力は月産115万枚から、半減することになる。

 パネル生産の縮小を受け、2011年度の全世界でのテレビ販売を当初の2500万台から2000万台程度に下方修正。12年度も2000万台を下回る水準に縮小する。

 一方、液晶パネルは茂原工場と姫路工場(兵庫県姫路市)で生産。茂原(32型換算で月産60万枚)は、東芝や日立製作所、ソニーなどが新設するパネル会社への売却を軸に検討。外部からのパネル調達を増やしていく。

 姫路工場(同月産81万枚)については50型以上の大型液晶パネルを生産することを検討する。これまで42型を境にして小さい機種は液晶、大きい機種はプラズマとすみ分けてきた。だが、プラズマの生産縮小に伴い、戦略転換し大型液晶パネルを生産する。

 サムスン電子など韓国勢の台頭により価格競争が激化、加えて円高も直撃し、日本のテレビメーカーの収益が急速に悪化している。パナソニックのテレビ事業は今年度で4年連続、ソニーも8年連続で赤字の見通しだ。

 採算悪化を受け各社は、テレビ事業の縮小を急ぐ。シャープは亀山工場(三重県亀山市)のテレビ用液晶パネルの生産を、需要が拡大するスマートフォン(高機能携帯電話)向けなど中小型パネルの生産に転換。ソニーもリストラを検討している。(大柳聡庸)


パナソニック、液晶茂原工場をジャパンディスプレイに譲渡 2011年 11月 15日 17:03 JST ロイター

 [東京 15日 ロイター] パナソニック(6752.T: 株価, ニュース, レポート)は15日、子会社で液晶パネルを生産する茂原工場(千葉県茂原市)を、官民ファンドの産業革新機構が中心となって設立する中小型ディスプレー会社、ジャパンディスプレイに譲渡することで基本合意したと発表した。

 ジャパンディスプレイは、産業革新機構が70%、ソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)、東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)、日立製作所(6501.T: 株価, ニュース, レポート)がそれぞれ10%ずつ出資する新会社で、2012年春の事業開始を目指している。同社は茂原工場内に新規の生産ラインを立ち上げる予定。


中型の液晶パネルは中国での生産が2012年に本格化する。これは日本、台湾、韓国の各メーカーによる叩き合いを意味する。第7.5世代から第8.5世代を中心とした液晶パネルの供給過剰に巻き込まれないためにスマホ向けの中小型液晶に国内メーカーのラインは切り替わる。サムスンも同様の動きを採りたいのだが、そう上手くいくのだろうか。

イタリアの南北格差はルネサンスの昔から

ベルルスコーニ首相は石持て追われる形で去ったが、8月頃には連立を組んでいた北部同盟と共にECBから要求された過度な財政緊縮策を取らなかった。政治的配慮から、高額所得者への課税を撤回、地方政府への補助金削減幅を縮小した。

少なくともベルルスコーニ首相は、ECBからの過度な財政緊縮策を退けると共に、ECBに「ユーロの最後の貸し手」としての行動を求める事はしてきた。

では、今のイタリア国民は更に厳しい財政緊縮策を受け入れる覚悟はあるのだろうか。イタリアの南北問題が財政緊縮策の足を引っ張ると考えられる。

辞任の伊首相に「ピエロ」の大合唱、屈辱的結末で政権に幕 2011年 11月 14日 10:16 JST ロイター

 [ローマ 13日 ロイター] 信用不安の混乱を機に辞任に追い込まれたイタリアのベルルスコーニ首相。群衆からの称賛を愛し優雅を極めた首相にとって、屈辱的な辞任となった。

 ベルルスコーニ氏が辞表を提出するため、大統領官邸に向かった12日夜、ローマの豪邸を出た同氏に市民らは「ピエロ、ピエロ、ピエロ」「牢屋に行け、牢屋に行け」とやじを飛ばした。

 一方、リムジンで出発したベルルスコーニ氏は、青ざめた表情を見せながらも資料をじっと見つめ、平静さを装っている様子だった。ただ、その表情からは、はっきりと苦しみとショックの念が伝わってきた。

 ベルルスコーニ氏が大統領官邸に着くと、市民らのボルテージはさらにエスカレート。1000人以上が同氏をののしる横断幕を掲げるなどし、ここでも「ピエロ」と大合唱が響き渡った。

 官邸前の広場には楽器を持ったグループの姿もあり、ヘンデルの「ハレルヤ・コーラス」を弾いて喜びを表現。演奏グループの1人は「お祝いのためにここに来た」と語った。

 首相が辞表を提出したことを聞いた市民らは喜びを爆発させ、官邸前は怒りから歓喜ムード一色に。官邸前に大挙して押し寄せていた市民らは、歌ったり、踊ったり、シャンパンのボトルを割るなどして首相辞任を祝った。

 17年にわたってイタリア政界の顔として君臨してきたベルルスコーニ氏。一般市民との直接対話を重視し、保守派からの支持を集めその力を誇示してきたが、ここ数週間でイタリアの財政危機がユーロ圏全体に波及する恐れが深まり、その力は消え失せてしまった。


ECBはユーロの真の後ろ盾か、「最後の貸し手」コールにも動かず 2011/11/14 13:35 JST ブルームバーグ

11月14日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)当局者らは、ユーロ防衛で果たす役割を強化するよう求める声を相次いで退けた。イタリアのベルルスコーニ前首相は政権を去るに当たって、ECBがユーロ圏の「最後の貸し手」として行動すべきだと訴えた。

イタリアでは新首相に指名された経済学者のマリオ・モンティ氏が今後、緊縮財政の課題をこなすことになる。同国をはじめとする高債務国は借り入れコストが上昇し、債務危機を食い止める対策の迅速な実行を求められているが、ECBの政策委員会メンバー、ドイツ連邦銀行のバイトマン総裁は、ECBが行動を起こす可能性を否定した。

バイトマン総裁は英紙フィナンシャル・タイムズに対し、「イタリア政府の行動意欲を低下させたのでは、危機を解決することはできないだろう」と発言。11日付のスイス紙とのインタビューで「ECBは決して最後の貸し手にならない」と述べたシュタルクECB理事に同調する姿勢を示した。

ユーロ崩壊の脅威が先週、政府の借り入れコストを過去最高水準に押し上げ、フランスなどの中核国も侵食し始める状況となったにもかかわらず、ECBは貨幣の増発によってユーロ圏を支援し、債務危機と闘うよう求める圧力に抵抗している。

■保証人のいない通貨

ベルルスコーニ氏は13日、イタリア国民へのビデオメッセージで、現在の危機が「ユーロが現実の通貨が持つべき支援を欠いている」ために起こったと発言。「ドルやポンドなど他の通貨が持っている通貨の保証人、最後の貸し手となる中央銀行が必要だ」と語った。

モルガン・スタンレーのチーフ・グローバルエコノミスト、ヨアヒム・フェルズ氏(ロンドン在勤)は13日付の顧客向けリポートで、「投資家や市場ウオッチャーの多くが先週叫んだスローガンは、ECBがイタリア危機によって、イングランド銀行(英中央銀行)や米連邦準備制度理事会(FRB)と同じような大規模な債券購入プログラムの発表に追い込まれるというものだった」と指摘。「市場の完全なメルトダウン(その可能性はもちろん否定できないが)がない限り、ECBの行動が近いとはとても言えない」との見方を示している。


イタリアの南北問題の起源はルネサンスの時代にまで遡るだろう。

ルネサンスの時代に欧州は余剰生産力を持つようになり、その中で冨を持ったブルジョワはまずイタリアの都市国家にいた。彼らはギリシア・ローマの古典を再発見して、中世的観念からの脱却を行った。そこでキリスト教的な善悪を超えた個人の能力を自由に開花させた。芸術、科学、商業技術の制約はなくなり、ルネサンスが起きた。

北部の都市国家、中部の教皇領、南部の両シチリア王国、それぞれにおける冨がもたらした自由の格差そのものが現在の南北格差の源という訳だ。

イランには核兵器開発を止める合理性がない

イランの核兵器開発疑惑に関するIAEAの報告書を受けた欧米、イスラエル、イランの反応をまとめてみた。

大量破壊兵器開発の疑惑を払拭できなかったイラクのフセイン大統領はイラク戦争で捕縛されて刑死した。また、大量破壊兵器開発を放棄したリビアのカダフィ大佐は内戦に軍事介入されて敗死した。

一方で、核兵器を開発保有したパキスタンはそれ以降インドとの全面戦争をしなくなった。北朝鮮は破綻した経済ながらも体制を維持している(ただし核兵器保有がすべての戦争を抑止するとは断言できない。例としてフォークランド紛争や南オセチア紛争などの地域紛争がある)

上記の視点で見る限り、イランの核兵器開発が止まる合理的な理由がない。焦点はその開発が平和目的があることを証明できるかに懸かっているが、そうなると我が国が受け入れている規模の査察が行われることになるだろう。そして、それは主権侵害として断ってくるに違いない。

IAEAの天野氏は、報告書でイランが行った複数の活動は「核兵器(開発)に特有のものだ」と結論づけた。報告書に基づき、IAEAは11月17日からの理事会でイランに関する協議を行う。

EUのアシュトン外交安全保障上級代表の報道官は「(報告書は)一貫し信頼できる証拠に基づいている」と評価。特に核開発計画の軍事的性格を強調した。

報告書を踏まえてオバマ米政権は11月8日、単独の追加経済制裁発動を検討し始めた。安保理での追加制裁(昨年6月に4回目の制裁決議を採択済み)には中国やロシアが消極的なため、また来秋の大統領選を前に新たな軍事行動に踏み出す可能性は低いためだ。

一方、イランのアフマディネジャド大統領は9日、国営テレビで(彼らの云うところの平和的な)核開発の継続を宣言。軍高官はイスラエルなどからの攻撃があった場合「報復対象は中東にとどまらない」と発言。

対するイスラエルのネタニヤフ首相は静観の姿勢を示した。バラク国防相は「戦争は望まない。いかなる作戦も決定していない」と発言。リーベルマン外相は「米国がイランに大打撃を与える制裁を主導しないなら、米欧はイランの核保有を容認したことを意味する」と警告した。

イランは核兵器開発に向け実験推進 IAEAが報告書 2011.11.9 10:27 MSN産経

IAEA天野氏は「米国の手先」 イラン大統領が批判 核開発はやめない 2011.11.9 14:00 MSN産経

イラン核開発の進展裏付け EU、IAEA報告で懸念 2011.11.9 20:27 MSN産経

IAEA報告書 米追加制裁を検討 安保理、中露の抵抗必至 2011.11.9 21:03 MSN産経

IAEA報告書 核開発疑惑に「証拠」イラン反発 周辺緊張も 2011.11.10 00:05 MSN産経

関税自主権回復から100年後に

小村寿太郎が日米通商航海条約締結によって関税自主権を回復したのが1911年のこと。それから100年を経た2011年に野田首相は、TPP交渉参加を表明した。歴史に対する無知が、先人の努力を無にする好例と云える。

TPPが国内最大の政治イシューになるのは間違いない。これを党内の議論で反対にまとめられなかった民主党は、次の総選挙で必ず議席数を減らし、政権を失う他ない。反TPPによって、自民党・公明党・社民党・立ちあがれ日本・国民新党・共産党の連立、閣外協力の可能性も出てくる。民主党の代議士は、誰もが落選することを怖れるから、おそらく衆議院は任期満了ぎりぎりまで続くだろう。

TPPの交渉妥結を出来る限り遅らせて、批准よりも前までに民主党政権を倒すことが必須だ。

第45回衆議院選挙による現在の衆議院の任期満了日は2013年8月29日、解散せず満了を迎える場合は30日以内に総選挙を行わなければならないので、7月28日が期限となる。任期満了ぎりぎりまで国会が開会しているなかで解散した場合は、10月18日が期限となる。

野田首相、TPP交渉参加の方針表明 2011年11月11日23時11分 朝日新聞

 野田佳彦首相は11日、首相官邸で記者会見し、環太平洋経済連携協定(TPP)について「TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入る」と述べ、参加国との事前協議から始まる交渉プロセスに参加する方針を表明した。首相は12日からハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、オバマ米大統領らTPPの関係各国首脳と会談し、交渉参加の方針を伝える。

 TPP交渉に正式参加するには、すでに交渉入りした米国など9カ国と事前協議を行い、それぞれ承認を得る必要がある。日本が各国と本格交渉を始めるのは、早くても来年春以降とみられる。首相が「交渉参加に向けた協議」と表現し、事前協議を強調したのは、民主党内の反対派に配慮した面もある。

 首相は会見で、農業や医療などの分野でTPP参加に反対する声が強いことを念頭に「世界に誇る日本の医療制度、日本の伝統文化、美しい農村、そうしたものは断固として守り抜き、分厚い中間層によって支えられる安定した社会の再構築を実現する決意だ」と強調。こうした懸念に配慮する姿勢をみせた。


そして野田首相は『バスに乗り遅れるな』と云われて、焦って乗ろうとしたら『次のバスにして下さい』と云われた。

TPP、首相さっそく厳しい洗礼 加盟国会合招かれず 2011年11月12日15時0分 朝日新聞

 オバマ米大統領が12日朝にホノルルで開く環太平洋経済連携協定(TPP)交渉9カ国の首脳会合に、野田佳彦首相が招待されない見通しであることが11日わかった。9カ国が積み上げた交渉の成果を大枠合意として演出する場に、交渉参加を表明したばかりの日本は場違いとの判断が背景にあるものとみられ、TPP交渉の厳しい「洗礼」を受ける形だ。

 日本政府の一部には、野田首相がアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議前に「交渉への参加」を表明すれば、TPP首脳会合にも招待される可能性があると期待があっただけに、落胆が広がっている。TPP交渉を担当する日本政府高官は「日本(の出席)は少し違うということだろう」と語り、現時点では、出席できない見通しであることを認めた。

 昨年11月に横浜であったAPEC首脳会議の際にも、TPP関係国の首脳会合が開かれ、当時の菅直人首相がオブザーバーとして招かれ参加していた。(ホノルル=尾形聡彦)

独仏同盟の基本に立ち返るべきEU

S&Pによるフランスのソブリン債格下げの誤情報配信を受けた市場の反応、それと独仏首脳によるPIIGS諸国などのユーロ離脱の可能性についての言及を見ると、政治的にも経済的にもEUの南北分割への地均しが始まったと考えても良いのだろうか。

ドイツの長期金利が約1.7%、フランスが約3.5%、イタリアが約7%と倍々ゲームになっている。ほぼ同じ規模のGDPを持つうちの1カ国が破綻すれば支えきれないのは自明の理だ。

EUの前身ヨーロッパ経済共同体、その南欧における唯一の原加盟国イタリア自体が南北問題を抱えている。イタリアが経済的な南北格差を解決出来なければ、EUもまた南北問題の解決は難しいだろう。おそらくはドイツが日本と同様の迂回貿易構造をEU全体に作りあげることが早道だとは思う。ただし最終的な売り先がよくわからない。

S&P:フランス格付けに関して誤情報を配信-市場を揺るがす(2) 2011/11/11 09:59 JST ブルームバーグ

(前段略)

誤情報を受け、ストックス欧州600指数は下げ幅を拡大し、一時1.5%安の234.11を付け、フランスの10年物国債利回りは28ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し3.48%と、7月以来の高水準に達した。ユーロは上げ幅を縮小、米株は一時下落したが、S&Pがその後、フランスの「AAA」格付けを確認する発表を行うと再び上昇に転じた。

フランスが格下げされた場合、救済基金である欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の格付けにも影響が及ぶ。EFSF債の利払いが大きくなれば、高債務国への融資能力も低下する可能性がある。

(中段略)

S&Pの誤情報はパリ時間10日午後3時57分(日本時間同午後11時57分)に配信された。その後、午後5時40分に先ほどの情報は誤りであり、フランスの最上級格付けを確認するとS&Pが発表した。

S&Pは発表資料で、「技術的な誤りで、当社の『グローバル・クレジット・ポータル』の一部契約者にフランスの信用格付けが変更されたと示唆する情報が10日に自動的に送信された」と説明。「フランスの格付けは『AAA/A-1+』、見通しは『ステーブル(安定的)』で変わりはなく、今回の出来事は格付け調査の活動とは関連していない。当社は今回の誤りの原因を調べている」と述べた。

(後段略)


ユーロ分裂「パンドラの箱」開けた独仏首脳-イタリアも例外ではない 2011/11/11 09:26 JST ブルームバーグ

(前段略)

英財務省の元当局者で、VTBキャピタル(ロンドン)でグローバル・マクロストラテジストを務めるニール・マッキノン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「これは危険な段階だ。われわれは全く突然、今の形の欧州通貨同盟(EMU)の将来について議論せざるを得なくなっている」と述べた。

■ギリシャだけではない

メルケル首相とサルコジ大統領はフランスのカンヌで2日深夜、ギリシャのパパンドレウ首相に対し、欧州の包括支援策受け入れの賛否を問う国民投票をユーロ圏にとどまりたいかどうかの投票と位置付けるべきだと迫り、ユーロ導入国の数が減る可能性があるとの観測に火が付いた。

英HSBCホールディングスのチーフエコノミスト、スティーブン・キング氏は今週、独仏首脳がギリシャ神話に出てくる「パンドラの箱」を開けたとの見方を示した。同氏は顧客向けのリポートで、「いったんユーロ圏に入った国の離脱は決してない」という前提を覆し、ユーロ圏のルールに従えない国は出ていく必要があることを意味しており、「ギリシャに言えることは、イタリアにも当てはまる」と警告している。


さて、現時点でイタリア救済のスキームを作るだけの政治的調整力はギリシアに使い切ってしまった。イタリアだけで今後の1年間に3000億ユーロ以上の借り換えが必要になる。

しかも破綻してもCDSイベントにならないので、当該国のソブリン債を保有する銀行ほか金融機関は丸損だ。この分だとフランス政府は、自国の大手銀行(BNPパリバ、ソシエテ・ジェネラル、クレディ・アグリコル)に1行当たり100億ユーロくらいは資本注入しなくては救えないのではないか。怖ろしいことに見込額は増えこそすれ減ることはない。

米国という『虎の尾を踏む鳩たち』

国際連盟を創設しておきながら加盟せず、京都議定書に署名しながら批准しなかった米国議会の例を持ち出すまでもなく、TPPの途中離脱は可能だし、締結後に批准しなければ発効せず廃案になる。開始が半年以上後になる交渉中におそらく日米で衆議院総選挙と大統領選が行われる。民意によって交渉離脱することも当然あり得るだろう。

何より普天間基地施設問題がこじれたのも民意に基づく政権交代の結果だ。またそれ故に、TPP参加表明後の離脱は外交的信用の失墜となるのは間違いないことも容易に理解できる。

「日本とのTPP交渉判断慎重に」、米超党派議員がオバマ政権に要請 2011年 11月 9日 14:28 JST ロイター

普天間基地の「県外移転・国外移転」を唱えた鳩山政権だが、調べてみたら年次改革要望書も鳩山政権で廃止されていた。ただし年次改革要望書に変わる枠組みは、日米経済調和対話(UNITED STATES-JAPAN ECONOMIC HARMONIZATION INITITAIVE)として復活した。

鳩山政権は、日米同盟を弱体化させ、一時的にせよ日米経済対話のチャンネルも閉ざしてしまった。結果、尖閣諸島を初めとする領土問題の紛糾と、併せて唐突にして性急なTPP交渉参加への動きとなった。なんのことはない鳩山元首相が跡を濁して去った後の後始末な訳だ。支払う代償の大きさを思い知らされる。

ちなみに、自主防衛や構造改革反対を唱える急進的な反米保守とは、まったく考えが異なりながら政策的な行動が同じという点は興味深い。つまり急進的な反米保守が政権を担った場合も同じ結果になる可能性があるということだ。

参考URL:
駐日米国大使館 日米経済調和対話

大義名分は“河賊”との戦い

中国は、ソマリア沖の海賊ならぬメコン川流域の“河賊”への対応に、水上警察や沿岸警備隊ではなく人民解放軍による国境警備隊(1000人規模)を新設するとのことだ。ミャンマー、ラオス、タイとの合意の下で行われるそうだがこの規模自体も合意されているのか。何より参加していないベトナムの反発は必至だろう。

メコン川の整備による貿易ルートの確立、メコン川上流域のダム建設による水源の管理、メコン川流域の国境警備隊派遣による安全保障の確保と、すべて行われたあとで、人口流入圧力を以てすればメコン川流域各地を事実上の中国領にしてしまうことができる。

いつもの中国の手ではあるが、一見戦略的に見えるこれらの動きは各自の共産党官僚の利権獲得の結果であることが多い。海外への覇権拡大と国内のバブル崩壊が同時並行していることもあり、最終的には破綻して永住国の習慣に従わない華僑と治安の悪いチャイナタウンが残るだけの気がする。

中国、メコン川流域に武装部隊を常時派遣へ 船員銃撃事件受け、巡視艇5隻に千人規模 2011.11.9 21:01 MSN産経

 【上海=河崎真澄】中国青海省を源流に、雲南省からミャンマー、ラオス、タイへ、インドシナ半島を南下しながら流れるメコン川流域に、中国が千人規模の武装部隊を派遣する方針を決めたことが分かった。中国共産党の機関紙、人民日報(電子版)が9日までに伝えた。部隊は人民解放軍兵士らで構成され、巡視艇5隻で12月から、国境を越えて警備を始める。

 メコン川流域で先月、商船2隻が襲われ、中国人船員13人が殺害された事件を受け、中国はミャンマーとラオス、タイと共同警備体制構築で合意していた。

 ただ、4カ国では圧倒的な軍事力をもつ中国が、治安維持で主導権を握るのは確実。中国による武装部隊の外国への常時派遣は初めてとみられ、メコン川最下流のベトナムなど周辺国は警戒を一層高めそうだ。

 同紙によると、すでに5隻の商船が中国政府によって買い上げられ、巡視艇への改造作業が進んいるという。巡視艇には水上警察ではなく、軍の国境警備部隊が配置される見通し。巡視艇の装備などは明らかにされていない。

 メコン川は古くからインドシナ半島の船舶による最重要の輸送ルート。だが、雲南省からミャンマー、ラオス、タイにかけての「黄金の三角地帯」と呼ばれる流域では麻薬や武器の密輸、人身売買、不法入国などが多発している。先月の商船襲撃事件をめぐっては、タイ警察が殺人容疑でタイ人兵士9人を逮捕している。

 中国の公安相とタイの副首相、ラオスの副首相兼国防相、ミャンマーの内相は先月31日、北京で「メコン川流域法執行・安全協力会議」を開き、流域の治安維持や取り締まり強化、12月からの正常な船舶の運航再開などで一致している。

 関係国と合意したとはいえ、自国の船舶の安全航行確保を理由に、中国が国境を越えてメコン川に武装部隊を常時派遣することに対し、南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島やパラセル(西沙)諸島で中国と領有権を争い、かつメコン川の最下流もあるベトナムが今後、どのような反応を示すかが焦点となりそうだ。

孫文は民主主義など考えてもいなかった

香港の区議会選挙で親中派が大勝、民主派が後退した。香港の区議会は諮問会議に近く、本来の立法府に近いものとしては立法会が存在する。ただし、どちらも直接選挙による民選議員と行政による一種の勅任議員が院内を二分する。いかにして民選議員の比率を増やすかが民主化の目安なのだが、それを訴える民主派の敗北から分かるのは香港人の民主主義に対する要求は弱くなりつつある、ということだ。では、中国本土の民主化もまた遠くなるのだろうか?

香港 薄れる民主化 経済の対中依存背景に親中派大勝 区議会選 2011.11.7 20:56 MSN産経

 【北京=矢板明夫】6日に投開票が行われた香港区議会(地方議会)選挙は7日、全議席が確定した。中央政府に批判的な民主各派は軒並み惨敗し、親中各派が大勝した。経済の対中依存が高まったことを受け、中国政府と良好な関係を求める香港人の意識の変化が選挙の結果に表れている。民主派勢力の退潮が鮮明となったことで、2017年の香港行政長官の直接選挙が実現できない可能性が高くなったとの指摘もある。

 民主派の最大政党、民主党は前回2007年の選挙時の59議席から47議席に減らし、同党にとって2回連続の区議会選挙の敗北となった。前々回(03年)の選挙では95議席を得ており、8年間で議席数をほぼ半減させた。他の民主各派もすべて議席を減らし、前回6議席を得た急進派の社会民主連線の当選者はゼロだった。

 一方、最大の親中勢力である民主建港協進連盟(民建連)は前回から21議席伸ばして136議席となり、民選合計議席(412)の約3分の1を占めた。民建連は03年の選挙時に獲得した議席数は62で、2回の選挙で議席倍増を実現した。

 近年、香港で民主派が退潮している原因は複数ある。08年の米国発の金融危機以降、中国政府による一連の支援策と中国人観光客の大量流入で香港は好景気を維持することができたほか、1997年の中国への返還後、中央政府が香港で実施した愛国主義教育により、多くの若者の中国への帰属意識が高まった。

 また、香港に進出した中国国有企業は中央政府に批判的なメディアに広告を出さないなど間接的な言論統制も奏功し、香港メディアが「民主化や人権問題について取り上げることが少なくなった」(香港紙記者)という。

 こうした中、行政長官の直接選挙の早期実現や天安門事件の再評価などを訴える民主各派の候補は、経済発展の継続や福祉の充実などの“実績”を強調する親中各派の候補に埋没し、支持は広がらなかった。

 香港の民主派は2017年に実施する香港トップの行政長官選挙で、現在の選挙委員(うち1割は区議会議員)による間接選挙ではなく、有権者全員が参加できる直接選挙の導入を求めている。中央政府は直接選挙に原則的に同意したが、具体的な実施方法などについては何も決まっておらず、香港問題に詳しい中国人研究者は「香港での民主化要求機運が今後も低下し続ければ、中国政府は直接選挙の約束をほごにするだろう」と話している。


辛亥革命から100周年の今年、国民党と共産党のそれぞれが孫文の偉業を称えた。たしかに孫文は『三民主義』を唱えた。それは民族主義、民権主義、民生主義の3つから成る。しかし、字義通り彼は民主主義など考えていなかった。と云うより民主主義の基盤である国民の生命と財産の自由を理解できなかった。

支那の伝統においては、統治者が国民の生命を守ることなど出来なかったし、多くの国民は租税を担うだけの私有財産など持ち合わせていなかったからだ。そもそも共通概念としてそれらを認め合う国民がいない。

生命と財産の自由のないところに、言論と信教の自由はなく、また集会と結社の自由もない。つまり国民が各政党から代議士を選び国を運営するような議会制民主主義など発生しない。

現在の中国がいかに経済発展したといっても、香港含めて中国において、租税を担うだけの私有財産を持つ者とはブルジョワジーであり、彼らが制限的な一種の身分制議会を作ればよいのだが、共産党支配下においては彼らは忌むべき存在である。よってここでも自由は萌芽のうちに摘み取られる。

一方で、支那の伝統には、統治者は民衆の直接行動に弱いという点がある。天安門事件などで弾圧し放題な例に気を取られがちだが、今年だけでも8月に遼寧省大連市の化学工場の撤去、10月に浙江省湖州市のミシン税導入の撤回などの事例がある。

民意を取り入れる間接的な仕組みが弱いため、特に直轄の軍事力が弱いため、支那の統治者は『民信なくば立たず』として要求を受け入れざるを得なくなる。時には理不尽な要求を民衆がしても、それに乗じることが支那の政府にはあり得るのだ。

例えば1900年の義和団の乱(北清事変)である。テロリストでもある新興宗教団体が外国人とキリスト教徒を襲い、その彼らに煽られて列強8カ国(日英米露独仏墺伊)に対して清朝が戦いを挑む、などと狂気の沙汰も起こりうるのは『民信なくば立たず』の考えからであり、民衆に考えるだけの認識力とそれを培うだけの財力があり、また私有財産を守り、それを稼ぎ出すための生命の保証があれば、狂気の沙汰など元より起きないだろう。

かくて堂々たる内政干渉を受け

ロイターの記事に臆面もなく、EUは1300億ユーロ規模の金融支援と引き替えに挙国一致内閣の樹立を要求した、とある。記事内でインタビューに答えた一教師・Michalis Skevofylakas氏が「選挙は、われわれが抱えるいずれの問題も解決しないだろう。これらの政党はもはや、われわれを代表していない」と語る。そうその通り、もはやギリシアの代表者とは独仏両国、その両国の有権者もしくは債権者と云うべきだろう。

ギリシャ首相と野党党首が連立で合意、パパンドレウ氏は退陣へ 2011年 11月 7日 12:52 JST ロイター

 [アテネ 7日 ロイター] ギリシャのパパンドレウ首相と野党・新民主主義党(ND)のサマラス党首は、挙国一致内閣となる新連立政権でパプリアス大統領と協議、合意した。パパンドレウ首相は新政権の首相にはならず、退陣する。
 大統領府は6日、声明を発表し、パパンドレウ首相とサマラスND党首が新連立政権について合意したと発表した。

 欧州連合(EU)は1300億ユーロ規模の金融支援策を実行する条件として、7日のユーログループ(ユーロ圏財務相会合)までに挙国一致内閣樹立の道筋をつけるよう要求。欧州委員会のレーン委員はロイターに対し、7日のユーログループで、ベニゼロス財務相から新内閣樹立について「納得の行く報告が必要」と述べていた。

 大統領府の声明は、パパンドレウ首相が新連立政権の首相として続投することはない、と表明。「誰が新政権のリーダーになるかについて、あす首相と野党党首があらためて協議することになる」とし、パパンドレウ首相とサマラス党首が新連立政権の首相について7日に再協議することを明らかにした。新連立政権は、前倒しで実施される見込みの選挙後に発足する政権までの暫定的な政権だが、声明は暫定政権の期間には触れていない。

 ギリシャ政府報道官は、新連立政権が予定通りに発足すれば一週間以内に信任投票が実施される見通しを示した。報道官は「きょうはギリシャにとって歴史的な日」と述べた。

 ただ、首相と野党党首の新連立政権合意は、新首相が決まっていないなど詳細に欠けている。過去2年間に年金の減額や深刻な失業に見舞われてきた多くのギリシャ国民は依然として、あらゆる政治家に不信感を抱いている。教師のMichalis Skevofylakas氏は「選挙は、われわれが抱えるいずれの問題も解決しないだろう。これらの政党はもはや、われわれを代表していない」と語った。

 また、マノス元財務相は「残念ながら、新政権には問題があることがすぐに判明するだろう」と懐疑的見方を示した。

 ギリシャのメディアによると、パパデモス前欧州中央銀行(ECB)副総裁が新首相候補に浮上している。

 パプリアス大統領は7日1800GMT(日本時間8日午前3時)、さらなる協議のため、主要政党の党首を招集する。
 また、パパンドレウ首相とサマラス党首が連立政権樹立で合意したことを受け、ベニゼロス財務相らが7日未明にND側と選挙日程について協議。2月19日に選挙を実施すべきとの見解で一致した。財務省が発表した。

 今回の連立政権合意でギリシャの政局が安定する見込みは薄い。マノス元財務相はロイターに対し、ギリシャの政界では政党党首が水面下で物事を取り仕切っているため、誰が新政権の首班となっても権限の行使で苦労するだろうと予想。「官公庁が決定を実施に移すことはなく、誰もが選挙を待つことになるだろう」と語った。

政治的妖怪としてのベルルスコーニ

欧州債務危機がPIIGS諸国の大本命であるイタリアにまで一気に及んだ。イタリアの緊縮財政措置はIMFの監視下に入る、と云う。第2次大戦後、共和制に移行してからは、最長の在任期間を持つベルルスコーニ首相の第3次政権は、ギリシア同様に諸外国(主に独仏)と与野党からの退陣圧力にさらされることになる。特に政権を連立する与党の圧力としては、1995年の第1次政権崩壊の引き金を引いた北部同盟の動向が注目される。

ベルルスコーニ首相は、冷戦終結後のイタリアの政界再編以降、中道右派及び保守が政権を担う際はすべて首相に就いた。G8サミットでも最も古株である。秘密結社ロッジP2の一員であったし、メディア企業のオーナーでもある。今年に入ってからは未成年との売春問題で訴追を受けている。彼はこれまでに100件以上の訴追を受けているが、イタリアの司法制度は裁判中に時効が進行するので、法廷引き延ばし戦術をもってすれば有罪が確定しない。彼の政治的生命が終わりを迎えるとは軽々に云えないように思える。

イタリア悲劇防げるか-IMF監視もベルルスコーニ政権足並み揃わず 2011/11/05 01:33 JST ブルームバーグ

11月4日(ブルームバーグ):イタリアのベルルスコーニ首相が進める債務削減策は、国際的な監視下に置かれることになった。しかし同国では連立与党内で足並みが揃わず、危機対策が妨げられる恐れがある。

イタリア政府は国際通貨基金(IMF)に対し、同国の緊縮策実施の監視を要請した。欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のバローゾ委員長が4日、20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)が開かれたカンヌで記者団に明らかにした。また、欧州委の専門家が来週イタリア入りして監視を始める予定だとも付け加え、IMFの評価は四半期ごとに実施されると説明した。

ベルルスコーニ政権は債務危機からイタリアを守ろうと努力を重ねているが、3日には与党から少なくとも2人が造反して野党側につくなど、向かい風に見舞われている。4日付の同国紙コリエレ・デラ・セラによれば、最大8人の連立与党議員が政権交代を訴えており、議会で過半数議席を失う可能性がある。

モニュメント・セキュリティーズの債券アナリスト、マーク・オストワルド氏(ロンドン在勤)は「ギリシャ悲劇がイタリアの悲劇に転じてユーロ圏に一段と深刻かつ多大な影響をもたらさないようにするには、ベルルスコーニ首相が即刻辞任する必要がある」と述べ、同首相は「イタリアを経済地獄へ突き落とした張本人として歴史に残る」可能性があるとも語った。

幕末維新の志士はもう一度鎖国するつもりだった

現代の日本人はもうすっかり忘れてしまったように見えるが、幕末維新の志士たちはもう一度鎖国したかったのだ。

最初は尊皇攘夷を唱えた。弱腰の幕府に憤り、朝廷の勅旨を守って攘夷を実行してみたら薩摩と長州は負けた。列強の武力に適わないことを幕府は知っていたが、薩長はやってみて分かったのだ。

ならば開国して列強の思想と技術を取り入れて軍備を整えてから攘夷すればいいや、と薩長は考えた。幕府のやり方はなまぬるい、これでは間に合わない、ならば倒幕して新政府を作ってしまえ、と幕府と奥羽越列藩同盟を倒してしまった。

再び鎖国するためには勢力圏を拡げてからでないとまずいだろう、と西郷たちが征韓論を唱えた。海外を見てきた大久保たちが待て待てまだ早いと、かつての同士をまとめて反乱者として討った。

満を持して清を倒したらロシアが邪魔するのでこれも押し返した。ところが勢力圏にするつもりの朝鮮半島は弱すぎてやばすぎた。併合したくなかったのに、なぜか慎重派の伊藤公を朝鮮人が暗殺して併合するよりなくなった。

満州まで獲ったら中国がうるさい。中国を叩いたら米国がうるさいので斬りかかった。そうしたらナチスを倒した米国に返す刀で大日本帝国が滅んでしまった。ただし他の列強みんな地獄に道連れにして逝きました。

無秩序になった地域は米ソが守らなくなければならなくなり、安全保障を任せた日本は晴れてカネ稼ぎに専念できました、と。言わばもう一度鎖国できたのが戦後の高度経済成長につながったのだ。

とすれば、伊藤元重・東京大学院教授は自らが体験してきた時代の成長要因すら本当は理解していないのだ、と思える。

東京大・大学院教授、伊藤元重 2011.11.3 03:13 MSN産経

 ■TPPは対症療法ではない

 市場を閉鎖して健全な経済発展をした国は歴史的には皆無である。何十年も国際経済学の世界で仕事をしてきた研究者としての私の実感である。アダム・スミスの重商主義批判から現代にいたるまで、保護主義と経済学の論戦は何百年も続いている。経済学の側に保護主義が優れているという議論が主流となったことはないが、政治の世界では保護主義は何度も頭をもたげてくる。戦前の大恐慌の時代のブロック経済化、1950年代に多くの途上国がとった輸入代替政策などが、その典型である。こうした保護主義は結局その経済を停滞させることになった。人類は保護主義の問題点を学んだはずであるが、しばらくたつとまた保護主義が頭をもたげてくる。

 TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)をめぐって、日本を開くか閉ざすかの大論争が続いている。これは小手先での政策運営の話ではなく、日本をどういう国にしたいのかという意思の問題である。TPP反対派の国会議員の方と対談したとき、TPPに参加したらいったいどれだけ日本のGDPが上がるのかと問われた。また、日本が貿易を拡大しているのは中国だから、米国などとTPPを結ぶよりも中国との経済連携を模索した方が好ましいのではとも言われた。

 しかし、問題の本質はそうしたすぐに数字に出るような利益ではない。TPPに参加すればGDPを押し上げる効果はあるだろう。しかし重要なことは即効性の効果ではない。例えてみれば、熱が出ているから熱を下げるというような薬ではなく、免疫を高め体質を強化する漢方薬のようなものだ、とその対談ではお答えした。そうしたらその方は「伊藤はTPPが漢方薬のようなもので、効果は30年も50年も先になると言っていた」と発言していると側聞した。漢方薬の効果はもっと早いだろうから30年も先というのは漢方医に失礼な話ではある。

 私たちの健康に例えてみればよい。熱や痛みが出たときの対症療法ではない。私たちの体を健康に保つためにどういう生活習慣を定着させるのか。食事、運動、そして必要があれば漢方薬やサプリメントの摂取があってもよい。TPPの交渉に参加するか否かも、日本が開かれた国という姿勢を積極的にとるのか、それとも市場を閉ざして閉塞(へいそく)感を高めていくのかの選択の問題である。

 TPPの側にとっても、日本が参加するかどうかは大きい。もし日本が参加すれば、世界のGDPの約40%を占める大きな自由貿易地域が形成されることになる。EUを超える規模である。TPPはいずれアジア太平洋地域全体の経済連携へつながる可能性があるし、これが起爆剤になって世界全体の貿易自由化がさらに進むだろう。将来的にはTPPがEUなど他の地域との経済連携に発展する可能性だって否定できない。

 世界の潮流を大きく変える可能性がある流れに背を向けるのか、日本が新しい経済秩序の形成に積極的に取り組む姿勢を見せるのか。海外諸国は日本の選択をじっと見守っているのだ。TPPに参加すれば米国の言うなりになってしまうなどという古いマルクスボーイみたいな話をしていないで、そろそろ世界に向けて打って出る外交を真剣に論じる時期なのだ。(いとう もとしげ)


開闢以来、内需で発展してきた我が国にとって、日米修好通商条約で関税自主権を失い、国内の資金循環も失われたことは大きかった。これを打開するための大日本帝国の努力が欧米列強の植民地主義を潰してしまった。ならば開国させなければ良かったのに。

戦後長らく資本面の鎖国は続いていたが、橋本政権下の金融ビッグバンで再び国内の資金循環は失われた。国内のカネは海外でレバレッジを掛けられ世界中でバブルを引き起こし、また破裂させた。欧米の金融機関は総崩れ、実体経済もガタガタとなった。ならば金融ビッグバンなどさせなければ良かったのに。

もう鎖国させてくれないか。その方が我が国の中産層だけでなく、欧米の支配階級にとってもメリットは高いはずだ。そうしないと我が国の産業資本が北東アジアから東南アジアに留まらず、インド亜大陸や中南米ほか世界中を覆い尽くす。

我が国を下手に追い詰めると鬼の攪乱となって、欧米を押し潰すことになるのをいい加減に理解して欲しい。

近代ギリシアの政治的様式美

ギリシアのパパレンドウ首相の発言は、国民投票の実施から暫定政権への移行、とトーンダウンした。自国で自国の運命が決定できない国家の行動としては様式美の世界ではある。

9月9日のエントリーでも取り上げたが、近代ギリシアの内政のパターンから俯瞰して見ると、3つに大別できる。

1つには、内戦が対立・内紛・分裂・暗殺に収斂して、国内のみで決着が付けられない。2つには、民意による政権が公約を貫徹できる能力がない(またその逆も然り)。3つには、列強による意志、もしくは方向性を覆すだけの国力(国富・技術力・軍事力)がない、という宿痾に陥っている。

今回のごたごたも、3つのすべてにぴったり当て嵌まっている。

ギリシャ首相、暫定政権を野党に打診-同意なら国民投票不要と示唆(1 2011/11/04 02:25 JST ブルームバーグ

11月3日(ブルームバーグ):ギリシャのパパンドレウ首相は3日、暫定政権を樹立する方向で野党に打診した。合意できれば救済融資が確保でき、国民投票の必要もなくなると示唆した。

パパンドレウ首相は数時間前にはユーロ圏にとどまりたいかを決めなければならないと発言したが、一転してギリシャはユーロ圏に属していると述べた。最大野党の新民主主義党が、欧州連合(EU)首脳らが先週合意した救済策への支持を示したという。

電子メールで配布された文書によると首相は閣議で「完全な同意か国民投票かのどちらかだ」とし、「同意があれば、国民投票は必要ない。野党が協議のテーブルに着き融資に関して合意するなら、国民投票は不要だ」と述べた。

救済についての国民投票を実施する首相の決定は与党内の亀裂を招き、欧州首脳らは救済融資を棚上げするに至った。

パパンドレウ首相は新民主主義党のサマラス党首と協議したことを明らかにした。同党首は暫定政権の樹立により救済融資を確保することを提案していた。

サマラス党首は国営のNETテレビが放映した演説で、国際支援を確保した後、直ちに選挙を実施する必要があると述べた。

また、ベニゼロス財務相はこの日、アテネの議会での与党議員総会で、国民投票は実施しないと発言した。

“天命”と“没法子”

支那人が挙げて追求したものが“福禄寿”だったのは昨日のエントリーで述べた。これの意味するところは、人間の生活とは本能から来る欲望を満たすだけで良く、血のつながりを何より優先し、残すところはそれらを実現させるために必要な財産だけとなる。この考えは徹底した現世主義といえる。

とすると、哲学でいう心、精神の問題はどう扱われるのだろうか? これについて乾隆朝の哲学者・戴震(たいしん)の説に拠れば、

「心は確かにあるが、その機能は目や耳と同じ働きをする感覚器官にすぎない。これに特別な身体を支配する高級な役割があると見なすのは間違いである。確実に存在するものは、味覚とか視覚とか五官から出る欲望だけで、これを満足させればよい」と、云うのだ。

次に、宗教でいう神仏や人間の良心や道徳、また過去から未来についての認識はどう捉えるのだろうか?

朱子学は仏教が説くこれらを攻撃して、一方で仏教の論理を援用して“道”という考えを説きだした。

その“道”には、始発もなければ終着もない。川の流れのようにたとえられる。この流れに身を任せた様を彼らが想像してみると、すべては絶えず変化していく相対的なものであると考える。ところがこれが虚無主義につながらないのだ。そんなものを考え出す元凶となる精神の存在を認めないからだ。

確実にあるのは、生命が入った肉体と肉体がその都度に求める欲望だけである。

彼らはこれらを率直に認めるから、徹底した現世主義となった。従って享楽的であり、底抜けの楽天主義者でありえた。また善悪の基準を持たない機会主義者たりえる。

人間関係もこの肉体中心論から割り出される。人間関係のうち、切っても切れない緊密な結びつきは親子関係である。ここを基準点として、一般の人間関係が拡大されていく。血縁による相互扶助である。従って支那では、家族的エゴイズムはあっても、個人主義は育たなかった。

好意的に見て、彼らは自然児だった。故に自然界を支配する法則を無条件に受け入れた。原因も因果もない。運命と偶然をそのまま認めた。論理的必然はない。弱肉強食を当然とした。喰う側を“天命”と云い、喰われる側を“没法子”(日本語で近いのが“仕方がない”)と云った。どちらの側にも矜恃はなく、ただ面子があった。

ひき逃げ放置の2歳女児死亡で党幹部はモラル向上指示 2011.10.22 11:06 MSN産経

人としての常識=中国では英雄行為?溺れた女性を救出した外国人女性に称賛の嵐ー中国 2011-11-01 17:46:50配信 レコードチャイナ

道端で死体が転がっていても生命の入っていない肉体は人間と見なされない、いわんや死に瀕していても家族的エゴの対象でなければ関心はない。どちらも機会主義者にとっては取引材料である。

だから水死体を引き揚げ保管して家族に高額で引き取りを迫る。交通事故で轢き逃げをした場合、生死の違いによる保険額の負担を勘定して二度轢いて殺してしまう。支那人がこうした事件で諸外国に気遣うのは面子の問題である。

これが支那人の云う“天命”と“没法子”の実際である。

支那社会の度し難い不変性

昨日のエントリーで支那人の平常運転ぶりを書いてみたが、どうにも書き足りない。今さらながらロイターの中国の地方政府債務に関する記事を読んで『官に封建なく、吏に封建あり』の言葉を思い出した。では、かつての支那社会の実情はいかなるものだったのか。

特別リポート:中国で膨張する地方債務、経済の「地雷原」に 2011年 10月 20日 12:59 JST ロイター

支那では一般的に“福禄寿”を求める。あくまでも血の繋がった“子沢山”・使い切れないが同時にすぐ換金できる“カネ”・仙人になれる位の“長命”の三つになる。それを富貴と呼ぶかは措くとしても、我が国でそれを最大限達成するには企業家として、新しい技術やサービスを作り出し、それを提供するのが早道だ。

ところが伝統的に支那社会ではそうではない。官吏になることが早道なのだ。そして、それは現在の中国共産党の支配下でも変わることがない。共産党幹部となって利権を貪ることが富貴への最適な道なのだ。

皇帝独裁が完成した宋から明・清の時代を例に挙げよう。

官僚は、科挙に及第した者のうち天子が直接任命する者を指す。彼らが地方に赴任する際には、必要経費は支給されず、書記・法律・会計の私設秘書、召使い、家族を自費で賄う。これには赴任費用の立て替え商人がいる。任地の租税収入を独自に調査して等級ごとに分けて利率や限度額を決めているのだ。

吏は胥吏(しょり)といい、下級役人で代々世襲であり地元の有力者の縁者で占められる。権利金を出して株を購入して任命されるのだが、なんと無給である。実は役所にある正確な帳簿は胥吏が把握している。租税は国税のみとされ地方税はないが、維持費をいくらか付加税として徴収してよいことになっている。これがからくりで国税の10倍近くが徴収されていた。

派遣される官僚は絶対的な皇帝の代理人と云えども、言葉も通じず、数字も把握していない赴任先においては、余程怜悧でなければお飾り同然になる。任期が終われば異動する官僚にその地域の租税能力を引き上げるモチベーションがあるか。もしもあったとしても、その威令をとどろかすための中央直轄の軍も警察も満足にない。ゆえに地方に中央権力由来の法治は届かない。皇帝独裁の法治の実体は朝廷の儀式を司る礼法に偏るのである。

過酷な税から逃れたければ庶民は胥吏に賄賂を渡して、自らにかかる税のみ減免されればよい。他からより多く取れば勘定の辻褄は合う。もともとその税収額に法的根拠はないのだから。官僚も共犯者として上前を撥ねる方が効率的ではある。

それに同じ中緯度地域にある列強(現在のG8)に比べて、支那は穀物生産地がやや南の長江流域にあったために生産性が劣り、租税能力は乏しかった。税収が少なければ冨の再分配もうまく機能しない。つまり、支那は伝統的に贈賄が富の再分配機能を一部担っていたのだ。

いかに綱紀粛正を唱え、罰則強化をして“三族誅滅”まで到っても賄賂や情実人事がなくならないのは、地下経済の大きい南欧諸国と同様にそれなりの理由があるのだ。

また、生産性の低さは技術開発とその擁護が生産性向上に資するのだ、と云う発想に結びつかない。となれば企業からの新規税収も生まれない。辛うじて生まれた企業家は、社会的に敬意も払われず財産没収か命すら奪われる可能性がある。常に法治が行われている諸外国に逃げる事を念頭に置いているのはそうした社会的背景による。

もう一度、国税に話を戻すと、租税能力の問題から清の朝廷は関税収入に頼っていた。穀物ではなく換金作物の茶や絹の輸出競争力は高かったのだ。

しかし、これが阿片戦争の遠因となった。英国は収支改善のため、阿片取引を民間企業に開放した。結果、清朝は関税収入以上に銀(しかもメキシコからの輸入銀貨)が流出していくのを食い止める必要に迫られたのであって、けして阿片蔓延がもたらす社会風紀の悪化を懸念したものではない。

当時の広州を現在の香港や上海に置き換え、当時の英国の阿片取引の民間開放を現在の米国のリーマン・ショック以降の輸出倍増戦略に置き換えると、案外と阿片戦争前と相似してきたではないか。

富貴を求めるのに官吏になること、言語の違いにより意志の疎通に齟齬が起きること、中央政府は正確な数字の把握ができないこと、地方の封建的体質が残り法治が行われないこと、中央の威令を及ぼすための軍・警察の強制力が弱いこと、法によらず便宜を受けるために賄賂を送ること、生産性が低く租税能力もまた低いこと、賄賂が冨の再分配を一部担っていること、新しい技術を生み出す企業家は尊敬も保護もされず財産を持って移住・亡命すること、これらは皇帝独裁の時代から共産党独裁の時代に移っても不変である。

この度し難い不変性こそ支那の支那たるゆえんである。

残るのは経常収支が悪化した場合、武力によってこれを改善しようとするのかと言う点だ。さて、あまたの歴史家の云うとおり歴史は繰り返すのだろうか。

支那人の平常運転

中国の「億万長者」、半数が移民検討 人材と財産流出 2011.10.31 20:31 MSN産経

次期主席に確実視されている国家副主席の習近平の親族からして外国籍を取っている。姉夫婦の国籍はカナダ、弟は豪州に永住しており、娘は米国に留学中でいずれ市民権を取れるだろう。

バブルが崩壊すると、バランスシート回復のために投資家は値の付く優良物件から売却していく。海外不動産の売却が進むことになるのは自明の理だ。なんの原野商法かと思っていたが、去年までは北海道の別荘すら中国人が購入していた。

海外に集住して現地のコミュニティを奪うのが支那人の流儀だが、同時に移住先においては威信と人脈なき富はなんの意味をなさない。母国あってのものであることを理解できるのだろうか。

中国鉄道建設、90%で工事ストップ 300万人への賃金未払いも 2011.10.30 20:51 MSN産経

鉄道省の負債額は今年6月で約2兆900億元(約25兆円)となっている。鉄道省のトップも更迭されており、北京と上海のせめぎ合いの部分もある。国家予算と別枠で使いたい放題の放漫財政と中抜きの汚職という意味では、地方政府の債務問題と同じ文脈にある。

上海万博跡地が“ゴーストタウン”化 利権争いで利活用進まず 2011.10.29 17:57 MSN産経

上海は不動産価格が2~3割下落している。不動産投機している人間は、2~3年待てば反転するはずだという楽観的、もしくは事態の深刻さを認めようとしない感覚の中にいるはずだ。かつての1990年代前半の我が国のように。

零細輸出業者怒り爆発 中国・湖州市で数万人抗議 地方政府の横暴 差別、人民元切り上げ… 2011.10.28 22:01 MSN産経

浙江省湖州市では「ミシン税」の増税が抗議者の直接行動で撤回させられることになった。今年8月に遼寧省大連市で公害の原因と考えられた化学工場が直接行動で操業停止、撤去の合意がなされたのと同様に、議会と法治に基づかず決定が覆された。支那は支配者も被支配者も『民信無くば立たず』の伝統からは脱却できていない。
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