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“南スーダン~ケニア”新パイプライン建設合意

南スーダンとケニア両国間で石油パイプラインの建設合意がなされた。始まったばかりの我が国のPKO派遣が持つ政治的目的は、半ばこれで果たされた。

ただしPKO派遣の困難はここから始まる。ウガンダのエンテベ空港から陸路しか兵站補給できない。しかも雨季の陸路(旧軍としてはインパール作戦)とマラリア感染(征台の役)は体験してみなければわからない。武器使用基準、自衛隊員の休養施設の課題も解決されていない。

米軍すらPKO派遣を見送った地域だけに、南スーダンには早めに軍備を整えてもらう必要があるだろう。現状、全面戦争となればスーダンに制空権は獲られ、3個師団が南スーダンを蹂躙することになる。

対南スーダン武器輸出解禁 オバマ米政権 2012.1.7 10:00 MSN産経

南スーダン独立の際のエントリーに書いたように、もともと互いに主権国家となった南北スーダン間の最大の懸案は石油利権の均等配分が続けられるか、であった。分裂前のスーダンの原油の売却益は政府収入の5割、輸出収入の9割を占めてきた。油田の7割は南スーダン側にあるが、輸出に必要な精製施設や港湾施設は北スーダン側にある。

しかし南スーダンの独立から1ヶ月と経たずに、南スーダン側が輸出に必要な通関料の支払いを拒否した、としてスーダン側がポートスーダンから出航するのを差し止めている。懸案はやはり両国の政治的闘争となった。報復措置として南スーダンは石油生産を一時停止した。

それゆえ“南スーダン~ケニア”パイプライン合意は、南北スーダンの将来的な懸案解消と同時に潜在的な紛争事由となるだろう。引き金は、帰属未決定のアビエイと北スーダンに属するキリスト教徒の多い南コルドファン両地方での衝突となるのが自然だ。

筆者は、南スーダン(内陸国・キリスト教)~エチオピア(内陸国・キリスト教)~ジブチ(アデン湾に面した港湾国・自衛隊基地あり)間に鉄道とパイプライン、精製施設と輸出港をつくるのが望ましいと考えている。

南スーダン石油生産停止へ 隣国の差し押さえに反発 2012.1.21 01:21 MSN産経

南北スーダンは協定締結を 石油輸送対立で米国務省 2012.1.22 12:37 MSN産経

パイプライン建設で合意 南スーダンとケニア 2012.1.26 00:04 MSN産経

 昨年7月にスーダンから分離独立した南スーダンとケニア両政府は25日までに、南スーダンからケニア東部ラムに通じる石油パイプラインの建設に合意する覚書に署名した。署名は24日付。ケニアの地元メディアなどが報じた。

 南スーダンは石油資源が豊富だが内陸国で、輸出用パイプラインは現在スーダンを通るものしかない。両国はパイプライン使用料をめぐり対立中で、南スーダンは20日、スーダンが無断で南スーダン産の石油を差し押さえているとして石油生産の停止を表明した。

 ケニアを通るパイプラインの建設時期や受注企業は不明。南スーダン政府幹部によると、これまでに日本の商社が建設に関心を寄せている。南スーダンには国連平和維持活動(PKO)のため陸上自衛隊先遣隊が派遣されている。(共同)


南スーダンPKO 先遣隊ら現地入り 支援調整任務も始動 1/19日付 朝雲新聞

 国連平和維持活動(PKO)協力法に基づき、国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)に派遣される南スーダン国際平和協力隊の現地支援調整所と派遣施設隊先遣隊の計34人が1月14日、成田空港を出発した。

 このうち、現地支援調整所長の生田目徹1陸佐以下、施設隊先遣隊の13人を含む23人が翌15日、同国の首都ジュバに、残る11人も同日、隣国のウガンダのエンテベ空港に到着した。これに先立ち同11日に成田を出発した現地支援調整所ウガンダ班の平井直樹3陸佐以下5人も翌12日、一足早く現地入りし、ジュバとエンテベの各空港に分かれて、日本から輸送される要員や物資の受け入れ任務を開始した。

 現地支援調整所(生田目1佐以下約30人)は本部をジュバに置き、ウガンダのエンテベにウガンダ班、ケニアのナイロビに必要に応じて出張で対応するケニア班を設け、派遣国代表として施設活動全般についてUNMISSや南スーダン政府などとの調整を行う。

 15日、ジュバに到着した生田目1佐は報道陣に対し、「南スーダンで新しい国づくりに人々が努力している。(東日本大震災の)復興に頑張っている日本の姿とも重なる」と述べ、「日本の存在を世界にアピールしたい」と語った。

 また、施設隊先遣隊の責任者を務める山口尚2陸佐は「新しい国づくりに日本が最初から汗を流して貢献したという実績になればよいと思う」などと話した。

 一方、陸自が現地で使用する資器材等の空輸第一弾として、防衛省がチャーターしたアントノフ124大型輸送機には、国連(UN)仕様に白塗りされた陸自の大型トラックや水タンク車、糧食、天幕などが積み込まれ、同機は13日夜、成田を出発、翌14日にウガンダのエンテベ空港に到着。宿営用の天幕や食料は別の中型貨物機に移し替え、16日午前、ジュバ国際空港に到着した。車両などは現在、大型トレーラーで約1週間かけてジュバに向け陸路を輸送中。

 今後、施設隊の本隊は1月下旬に先発の約40人、2月中旬に派遣施設隊長の坂間輝男2陸佐以下の主力1波の約120人、3月下旬に主力2波の約30人が出発する予定で、1次隊の計約210人は宿営地設営などの基盤整備に当たる。

 これと並行して、油圧ショベルなどの重機が1月21日に成田からアントノフ大型輸送機で出発、その後も順次ドーザーなどが同輸送機でエンテベ空港に空輸される。同空港からは大型トレーラーにより陸路で逐次ジュバまで運ばれる予定。


南スーダン 渡辺副大臣出張報告  ジュバの治安は安定 南北関係は注視を 1/5日付 朝雲新聞

 1 ジュバ周辺の治安状況の概要
 最も活気のある市場を訪問するなど現地を直接視察。南スーダン政府要人やUNMISS関係者の情報からも、ジュバ周辺地域の治安状況は安定。南スーダンの北部を中心とする部族間対立は、富をめぐる争いであり、反政府・反国連につながる動きにあらず。

 2 ルワンダ軍との協力
 当方より、現在、ジュバ等における全般的警備を担当しているバングラデシュ軍の後任の可能性があるルワンダ軍について情報を持ち合わせていない旨伝えたところ、ウガンダ政府から「ウガンダ軍から訓練を受けており、ルワンダ軍の規律や練度は良好との評価。ジュバ周辺で自衛隊と協力することになったとしても、問題はない」との回答。

 3 兵站支援・休養地としてのウガンダ・ケニアの適格性
 不安定要素を多く抱える東アフリカ地域の中で比較的安定しているウガンダの役割は大きい。米国もアフリカで有数の規模の大使館を設置。訪問中は、ビクトリア湖畔の諸国によるサミットが開催されており、厳重な警戒態勢。気候もよく治安も良い。南スーダンで活動する自衛隊の後方支援地域としては申し分なし。

 ケニアについては、同行予定の記者が強盗に遭うなど治安情勢は必ずしも良好とは言えず、活動支援拠点として利用する場合は相応の注意が必要。

 4 自衛隊の活動後の中長期支援の重要性
 自衛隊による緊急かつ応急的なインフラ整備は、南スーダンの国づくりの重要な一部と位置づけるべき。DDRや雇用対策、専門家の育成といった分野における自衛隊以外の支援と合わせて日本国全体として貢献することが必要。

 5 南北スーダン関係の推移は要注目
 南北スーダン間における包括的和平合意の実施には国境問題、資源問題などの課題が山積。現在当事者の間で行われている交渉を見守る必要があるが、事態の推移によっては、南北スーダン間の国家間の緊張が高まる可能性があり。国際社会とともに今後の動向に注視すべき。

 6 医療体制の充実
 バングラディシュの医療部隊は今後撤収予定。医療部隊の交代はシームレスに実施される予定であるが、状況に応じて自衛隊の自己の医療体制は可能な限り充実させるべき。

 7 派遣海賊対処行動航空隊の活動状況
 ジブチに設置した活動拠点は、安定的に運営。ジブチ政府は日本に友好的であり、自衛隊の活動を歓迎。隊員の士気は高く、この地での日本のプレゼンスに大きく寄与。

 このほどのジブチ軍のソマリア派兵決定に伴いアル・シャバーブが報復テロの可能性を示唆するなど、今後の治安情勢には注視すべき。現地の隊員は夜間外出を自粛するなどの安全対策。 

1 ウガンダにおける主要日程の概要

○13日(火)
 ・エンテベ国際空港の視察
 民間航空局長より、エンテベ国際空港について説明を受けた後、民間業者が同空港内に保有している倉庫やメンテナンス施設を視察。常温・冷蔵倉庫共に一定の容量が使用可能であることを確認。

 ・エンテベ国連兵站基地(ESB)の視察
 ESB副所長より、同基地が主としてコンゴ(民)のPKO活動に対する支援を任務としており、同活動が基地の任務の約9割を占めること、また同活動以外への支援に対応できる施設の能力は限られていることなどについて説明を受けた後、倉庫施設、教育施設、一時宿泊所、医務室などを視察。

○14日(水)
 ・キヨンガ国防大臣との会談
 兵站支援・隊員の休養先としてウガンダを活用する旨説明し、先方に協力を依頼。先方はこれを受け入れるとともに、人材育成に係る防衛協力への関心を表明。また、ルワンダ軍の上級幹部の多くは、ウガンダで訓練を受けており、南スーダンで自衛隊とルワンダ軍が共に活動することになった場合、協力していけると確信しているとの発言があった。

 ・オケロ外務大臣代行との会談
 兵站支援・隊員の休養先としてウガンダを活用することにつき先方に協力を依頼。先方は、兄弟国ともいえる南スーダンのために日本が活動することはありがたく、このための支援は惜しまない旨回答。この際、先方から隊員の法的地位について、事務的に整理したい旨言及。また、ルワンダ軍の幹部の多くは、ウガンダ軍で教育・訓練を受けており、規律・練度に前向きな評価。

 ・休養施設・市内施設の視察
 兵站支援で滞在する要員のための市内施設(カンパラ市内のマーケットやショッピングモール等)及び休養のために滞在する要員のための施設(ビクトリア湖畔のリゾートホテル等)を視察。

2 南スーダンにおける主要日程の概要
 ○15日(木)
 ・トンピン地区(旧ジュバ1)視察
 現在国連側と最終調整中である日本隊の宿営予定地を視察し、排水、警備及び整地の状況などを確認。このほか、バングラデシュ軍のレベル2医療施設、軍事部門司令部を視察。軍事部門司令部ではUNMISSの概要に係る説明を受けたほか、司令部要員(兵站幕僚)の激励を行った。

 ・デン・アロル内閣担当大臣との会談
 自衛隊の施設部隊等がUNMISSに参加し、来月から南スーダンでの活動を開始する旨説明し、先方に協力を依頼。先方はUNMISSへの自衛隊参加を歓迎するとともに、支援を惜しまない旨回答。ジュバ周辺の治安情勢については、非常に安定していると評価。国境の画定、石油の配分及びアビエイの帰属の問題は、事態の推移によっては、南北スーダン間の緊張を高める可能性がある旨指摘があった。南スーダンには、民間部門が存在せず、政府しか雇用を生み出すことができないため、海外からの資本を呼び込み、雇用を創出する必要がある旨説明を受けた。また、DDR(武装解除、動員解除、社会復帰)が必要であり、日本の支援への期待を表明。

 ・アグート国防・退役軍人副大臣との会談
 自衛隊の施設部隊等がUNMISSに参加し、来月から南スーダンでの活動を開始する旨説明し、先方の協力を依頼。先方は、苦しい状況の中、日本がUNMISSに参加したことを歓迎すると共に、自衛隊とは緊密に連携していきたい旨回答。この国は未だに多くの元戦闘員を抱えており、国家予算に大きな負担となっているとして、日本を含む国際社会からの支援への期待を表明。また、南スーダンにおける部族間の対立は政治的なものではなく、経済的な性格のものである旨指摘があった。

 ・ジュバ市内視察
 スーパーマーケット、現地のマーケット、内閣府連絡調整事務所、JICA現地事務所を視察。

 ・在留邦人との夕食会
 南スーダンで活動する国際機関、JICA、NGO等の関係者との意見交換会を兼ねた夕食会を開催。

 ○16日(金)
 ・ジュバ3視察
 UNMISS本部庁舎や建設中の宿舎地区などを視察。また、本部庁舎においては、司令部要員(情報幕僚)の激励を行った。

 ・ギルモアUNMISS副特別代表との意見交換
 自衛隊の施設部隊等がUNMISSに参加し、来月から南スーダンでの活動を開始する予定である旨説明。先方からは、国連軍事部門の要員に対する危険が低いことや南スーダンにおける支援のニーズ等について説明があった。また、雨期までに展開する重要性について指摘があった。

 ・オビUNMISS軍事部門司令官との意見交換
 先方からは、自衛隊がジュバにおいて活動すること、ジュバ周辺に脅威が存在しないこと、施設部隊に期待する活動、施設部隊には戦闘任務が付与されないこと等について説明があった。施設部隊の警備については、司令官としての権限であらゆる部隊を活用して守ることになる旨言及。また、バングラデシュ医療部隊が今後撤収する予定であるが、医療部隊の交代はシームレスに実施される予定である旨説明があった。

 ・JICAプロジェクト視察
 河川港、道路橋梁及びナイル架橋の各整備計画現場を視察。

3 ジブチにおける主要日程の概要(略)

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雇用、雇用、そしてインフレターゲット

オバマ大統領の一般教書演説は一言で云えば「雇用、雇用、雇用」だった。幸いにしてQE2で供給されたドルが投資先を探して欧州や新興国に流れていたものの、欧州債務危機で米国に環流してきており、株式資産の値上がりで年末のクリスマス商戦の消費が下支えされた、と考えられる。

また今回FRBがインフレターゲットを導入し、インフレ目標2%とした。バブル崩壊後にデフレギャップが発生する以上、FRBの政策目標はやるだけの価値はある。オバマ大統領の再選の芽もまだ充分にある。

現在の白川総裁(ガチガチのシカゴ学派)では難しいのだろうが、日銀も同様の政策変更を行ってもらいたい。正直、バーナンキ議長の手腕がうらやましい。

今週の米経済指標:1月の非農業部門雇用者、前月比15万人増か  2012/01/30 07:25 JST ブルームバーグ

再送:UPDATE1: 米FRB、2%のインフレ目標導入 毎年1月に見直し 2012年 01月 26日 06:37 JST ロイター

バーナンキ議長、「悲願のインフレ目標」導入-期待に働き掛ける試み 2012/01/26 15:52 JST ブルームバーグ

1月26日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は25日、インフレ率の数値目標を設定することで、FRBの透明性向上という自らの遺産を発展させ、FRB議長としての主要な目的の一つを達成した。

連邦公開市場委員会(FOMC)は、個人消費支出(PCE)価格指数の年間上昇率を2%に維持するインフレ目標を導入すると表明。バーナンキ議長は2006年の就任後、何年も進めてきた議論に結論を出した。05年の指名公聴会以降、バーナンキ議長はインフレ目標が政策決定をめぐる長期的な期待をしっかりと固定し、「一般国民の不安」を抑える効果があると主張してきた。

バーナンキ議長は25日の記者会見で、「政策の透明性の重要な側面は、その目標が明確になることだ。この2%という長期的なインフレ目標を一般国民にはっきりと伝えることが、物価安定を促進し、長期金利の抑制に寄与するはずだ」と強調した。

FRBはニュージーランド準備銀行(中央銀行)やスウェーデン中央銀行、メキシコ銀行(中銀)など、インフレ目標を既に設定している他の少なくとも12の中銀の仲間入りすることになるが、他の多くの中銀とは異なり、完全雇用の促進ないし雇用の最大化という責務を同時に遂行することが求められる。

初の試み
FRBはまた、FOMCのメンバーによるフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の見通しを初めて公表し、今後3年間は1%を下回る水準にとどまると大半のメンバーが予想していることを明らかにした。

FRBの元理事で、現在はコロンビア大学経営大学院の教授を務めるフレデリック・ミシュキン氏はインフレ目標に言及し、「政策金利の今後の道筋は、金融政策を実行していく長期的な流れにどのように合致するかを理解しない限り、その意味が分からない。このため、政策金利見通しの公表と同時にこのようなインフレ目標の設定を行うことが極めて重要だ」と話している。

ドイツによるギリシアの保護国化

下記の記事にあるドイツの主張は「主権国家であるギリシアの財政政策にEUが拒否権を持つ、もしくは管理下に置く」というものだ。

条約(国際法)は国内法に優先する。EU、ECBの内政介入が条約で定められるならば、条項に違反した国は主権の一部を制限されることになる。ギリシアだけに限られるのかは不明だが、主権の一部を失う保護国化への道が敷かれている。

交渉参加・不参加で論議となったTPPの問題点は、上記と同じだ。

ドイツ政府とドイツ国民は、EU(ユーロ圏)の他の国の債務について負担する意志を未だ持っていない。

もちろんEU の取るべき最善は財政統合しかないのだろう。次善の策はECBの資金供給オペを継続するか(ドイツが納得しない)、各国の銀行をドイツ中心に再編統合するか(フランスとイギリスが納得しない)だろう。

南欧諸国の政府と国民に対して、背負ってやる前に“おまえたちは働け”と云っている訳だ。道理ではあるが、それぞれの国民性と歴史を否定している気もするし、それに見合うだけの迂回貿易構造(産業基盤)をつくってやる、などしないと難しい。

ドイツ、ギリシャ予算決定に拒否権持つEU新委員の設置を提案-FT 2012/01/28 14:07 JST ブルームバーグ

ギリシャ支援、ドイツが財政政策めぐる決定権委譲を要求=関係筋 2012年 01月 28日 07:02 JST ロイター

 [ベルリン 27日 ロイター] ギリシャ向け第2次支援をめぐる交渉で、ドイツはギリシャに対し、財政政策に関する権限の一部を欧州の機関に譲るよう求めている。関係筋が27日、ロイターに明らかにした。

 同筋によると、支援の条件となっている財政目標を継続的に達成できない国への対応をめぐり、ユーログループで協議が行われており、ドイツを含む複数の国が提案を示した。

 これまでにギリシャ政府内で活動している欧州の機関に対し、同国の財政政策に関し「一定の決定権」を与え、「外部の専門家によって、これをより厳格に実行する」ことが盛り込まれているという。

 同筋はまた、ギリシャでは財政政策の決定が一元的に行われていないことが問題と指摘し、財政赤字削減について、法的拘束力のあるガイドラインを作成し、明確な優先順位を設けることが検討されていると述べた。

 ギリシャ財務省筋は「ユーログループに対するそのような提案は、どの国からも出ていない」と語った。


EU・IMF、第2次支援の実施前にギリシャに一連の改革を要請 2012年 01月 27日 19:31 JST ロイター

(前段略)
 EU、IMF、欧州中央銀行(ECB)の3機関(トロイカ)は今週、ギリシャに実施を求める一連の措置をリストアップしたリポートを作成。そのリストのトップには、2012年の財政目標達成に向け、一段の赤字削減を盛り込んだ補正予算を通過させることが挙げられている。トロイカは、国防・医療関連支出の大幅削減に加え、重複する政府関連事業の削減を提案した。ただ、必要な削減の規模には言及していない。

 EUとIMFはまた、かなり遅れている補足的年金の改革を進めることや、退職する公務員5人に対して1人の公務員を新規採用する計画を確実に実行することなどもギリシャに求めている。

 ギリシャ中央銀行に対しては国内銀行の資本不足に関する評価を完了させることを要請。政府には賃金の柔軟性向上と製品・サービス市場の一段の自由化に向けた法律制定を求めている。
(後段略)


ギリシャ協議は数日中に合意へ、デフォルトない=パパデモス首相 2012年 01月 28日 08:47 JST ロイター

ECBのギリシャ債損失受け入れ拒否、ドイツは支持-IMFは圧力(2 2012/01/26 02:34 JST ブルームバーグ

ギリシャ債務交換協議の難航、アルゼンチンのデフォルト想起させる=民間債権者 2012年 01月 25日 06:05 JST ロイター

それを人は墓穴と云うんだぜ

レアーアース輸出制限について2011年下半期から2012年初頭のトピックをまとめてみた。

尖閣諸島中国漁船衝突事件(2010年9月7日)に端を発し、中国当局がレアアースの対日輸出を制限し、税関検査を厳格化するなどの報復措置を実施した。

→環境保全などを名目とした中国の採掘制限により価格高騰
→投機資金も加わりさらに価格高騰
→レアアースを使用する部品メーカーが耐えきれず価格転嫁
→部品購買者である自動車メーカーも価格転嫁
→価格高騰で採算見込みの立った代替鉱山と商社による供給契約・共同開発交渉が進展する
→最終商品価格値上げにより需要減少及び代替鉱山からの供給増加の見込みから価格低落・安定する
→さらに部品メーカーの中国以外の産出国での現地生産が進む
→またレアアース使用量削減もしくは不要な代替技術の開発が進み商品化の目途も立つ
→環境保全の目処も立たないまま価格及びシェア低下を招き、中国のレアアース輸出制限の意味合いがなくなる

中国の内政外交が必ずしも優秀ではないことを端的に示す例になった。

中国のレアアース輸出政策はWTO規則に違反してない-商務省  2011/08/24 13:43 JST ブルームバーグ

レアアース「想定外」の暴騰、一部3カ月で約4倍に-企業は対策急ぐ 2011/08/29 09:50 JST ブルームバーグ

レアアース取り扱い大手の双日によるとネオジム価格は1キロ当たり450ドルと5月に比べて6割、ジスプロシウムは同3500ドルと3.8倍に高騰。1年前と比べるとそれぞれ10倍の水準。ジスプロシウムの価格はニューヨーク先物市場に上場されている銀(シルバー)の価格を上回る高値となっている。

ハイブリッド車や電気自動車の駆動モーターやエアコンなど省エネの家電製品にはレアアースを原料とする磁石が不可欠だ。ネオジムとジスプロシウムを加えることで高い磁力と耐熱性に優れた高性能の製品を生み出している。

「急激に上がっており想定外だった」--レアアースを使用する磁石を製造するTDKの桃塚高和執行役員経理部長は先月27日の決算会見で懸念を示した。顧客に対して製品値上げを要請しているというが「今の水準でいけば業績には影響が出る」と予想する。

信越化学工業は3-6カ月ごとに改定していたレアアース磁石の販売価格を月ごとに改定する方式に見直す。広報部の小石川哲也氏は「あまりにも価格上昇の幅が大きく対応に苦慮している」と説明。レアアース磁石最大手の日立金属コミュニケーション室の西家憲一室長によると同社も10月からメーカーとの価格改定の期間を6カ月から3カ月単位に改める。

一方、対策も進む。レアアース磁石を戦略商品と位置付けるトヨタグループの愛知製鋼は2013年1月以降に南アフリカからネオジム合金を調達する。同国でレアアース鉱山を開発するカナダのグレート・ウエスタン・ミネラルズ社から供給を受ける契約を4月に結んだ。本蔵義信専務は「中国一国依存から脱却する」と語り、同社の使用量の半分程度を南アから調達する方針だ。

信越化学はレアアースの使用原料の約1割を再利用しており今後自動車や家電からのリサイクルを進めることで将来的に3割以上に高める方針。TDKはレアアース使用量を50%削減した磁石を来年度から量産予定。5年後にはレアアースを使用しない製品の販売を目指す。


米モリコープ:住友商事とのレアアース供給契約交渉を打ち切り 2011/09/17 00:19 JST ブルームバーグ

中国以外で最大規模のレアアース(希土類)鉱床の権益を持つ米モリコープは、住友商事との提携交渉を打ち切った。同社は十分な資金を持ち合わせており、住友商事の投資は必要でなくなったことを理由に挙げている。

モリコープの16日の発表によれば、カリフォルニア州マウンテンパス鉱山でレアアース鉱床と生産施設拡大のために必要としていた7億8100万ドル(約600億円)の資金について、他の調達元を確保したという。住友商事は、レアアースの供給提携を条件に、モリコープに1億3000万ドルの出資を検討していた。


中国:江西省贛州市、レアアース鉱山3カ所での生産停止命令-新華社  2011/09/06 07:16 JST ブルームバーグ

レアアース価格:さらに下落か-トヨタやGEが代替原料への移行図る 2011/09/29 11:09 JST ブルームバーグ

米モリコープ:重レアアース鉱床を発見-カリフォルニア州で 2011/10/05 13:03 JST ブルームバーグ

豊田通商、双日:ベトナムでレアアース開発へ-2013年生産目指す 2011/10/28 15:41 JST ブルームバーグ

開発するのはベトナム北西部にあるドンパオ鉱床。セリウムやランタン、ネオジムなど軽希土類と呼ばれるレアアースを生産する。豊田通商の高梨建司副社長は28日の決算会見で、13年の生産開始時には年間3000トン、1-2年後にはフル生産となる7000トン規模に引き上げたいとの考えを示した。

生産したレアアースは日本向けに供給する方針。日本国内の総需要の約2割に当たる。事業参加に向けて検討を進めている双日・広報部の藤慶英氏は「年内をめどに最終的な投資判断を行う」としている。


レアアース共同開発や原発建設での協力を確認-日越首脳会談 2011/10/31 20:18 JST ブルームバーグ

米モリコープ:レアアース価格の下落、新規鉱山開発資金調達の障害に 2011/11/18 15:52 JST ブルームバーグ

米モリコープと大同特殊鋼、三菱商事がレアアース合弁事業で合意  2011/11/29 07:08 JST ブルームバーグ

豊田通商:カナダ鉱山会社と合弁設立で協議、レアアース確保へ 2011/12/13 04:33 JST ブルームバーグ

豊田通商はカナダの鉱山会社マタメック・エクスプロレーションズが保有するキパワ鉱山でのレアアース(希土類)の生産拡大を支援するとともに、同鉱山で生産されたレアアースをすべて買い取る。マタメックは12日、両社が合意覚書(MOU)を締結したと発表した。

マタメックの発表によると、両社は合弁企業を設立し、豊田通商の出資比率は49%。ブルームバーグの算出に基づくと、出資額は約1770万ドル(約13 億8000万円)に相当する。


政府:JOGMECの金融支援機能を強化、国の資源戦略も策定へ 2011/12/20 17:22 JST ブルームバーグ

中国:2012年レアアース輸出枠、ほぼ前年並みへ-販売低迷で 2011/12/28 15:17 JST ブルームバーグ

12月28日(ブルームバーグ):世界有数のレアアース(希土類)供給国である中国は、2012年のレアアース輸出枠を今年とほぼ同じ水準にする方針だ。同国の輸出規制策に対して、ユーザー企業が使用を抑制する動きを強めたことや欧米などから非難が集まる中、販売の低迷で輸出が規制値の半分程度にしか達していないことを受けた。

中国商務省が発表した第1弾の輸出枠の数値を基にブルームバーグ・ニュースが算出したところによれば、レアアースの年間輸出枠は3万1130トン程度となるもよう。11年は3万184トン、10年は3万258トンだった。世界のレアアース産出に占める中国のシェアは90%以上。

米ボーイングのヘリコプターの回転翼やトヨタ自動車のハイブリッド車などに使用されている中国産レアアースの価格が伸び悩んでいる。豪資源会社ライナスによれば、この日に同社が示した指標価格は第3四半期と比べ46%低い水準。


ネオジム磁石 大同特殊鋼、来年1月から生産 レアアース“脱中国”本格化 2012.1.14 05:00 SankeiBiz

 中国政府によるレアアース(希土類)輸出規制を受け、国内非鉄各社の“脱中国”が本格化してきた。大同特殊鋼が来年1月から国内でレアアース使用量を大幅に削減した高性能のネオジム磁石の生産に乗り出すほか、日立金属も原料を米国で調達して現地生産を始める。ネオジム磁石はハイブリッド車(HV)用モーターや省エネ家電向けなどに急激に需要が伸びているが、中国の輸出規制で価格も高騰しているため、各社とも早期に生産を軌道に乗せる考え。

 大同は昨年11月、従来製法よりレアアースの使用量を4割削減したネオジム磁石の開発に成功、2013年1月から生産を開始することを決めた。新工場は岐阜県中津川市に建設し、年間500トンを生産する。

 経済産業省もレアアース総合対策補助金などで支援する方針だ。原料は米鉱山会社モリコープから供給を受ける見通しで、「新工場を早期に軌道に乗せ、米国などでも生産したい」(同社)としている。

 ネオジム磁石世界首位の日立金属も昨年12月、米国でネオジム磁石工場を新設し、13年4月の稼働を目指すと発表。当初は月産40トンを見込み、順次拡大する計画だ。大同同様、原料はモリコープから調達するという。

 最も強力な永久磁石であるネオジム磁石は電気自動車(EV)やHV用モーターなどに不可欠な部材で、レアアースであるネオジムを原料に生産している。

 ただ、ネオジム産出量の9割を握り資源囲い込みを狙う中国は10年以降、レアアースの日本向け出荷を制限、価格高騰を招いている。これに伴い、トヨタ自動車は昨年12月に発売したHV「プリウス」の値上げに踏み切るなど、影響が広がっている。


日本電産、レアアース不要なモーター量産 13年にも エコカー向けに供給 2012/1/10 20:20 日経新聞

日本電産は10日、レアアース(希土類)を使わない次世代モーター「SRモーター」を、電気自動車(EV)やハイブリッド車の駆動用として量産する方針を明らかにした。2013年にも国内外の自動車メーカーに供給する。レアアースの価格高騰に対応し、代替技術の投入で自動車市場の開拓を加速する。

永守重信社長が本社(京都市)で会見し、明らかにした。SRモーターはレアアースを使った永久磁石を使わず、軸の周囲の電気の流れを切り替えて回転させる仕組み。構造が単純で発熱が少ないうえ、低コストで量産できるのが特徴。ただ電流の制御が難しく、振動や騒音が大きい欠点があり、自動車向けの実用化が難しかった。

日本電産は10年に米電機大手エマソン・エレクトリックのモーター事業部門を買収。同部門が保有していた特許技術を活用し、製品化にメドをつけた。エマソンはこれまで振動や騒音をある程度許容できる建機や農業用大型トラクター向けに開発を進めてきた。

ジスプロシウムやネオジムなどのレアアースはモーターの性能を高めるのに不可欠だが、中国が生産の9割以上を占める。中国が輸出規制を強化していることから、TDKがジスプロシウムを使わない磁石の実用化を目指すなど、日本企業の間で「脱レアアース」の動きが広がっている。


豪レアアース鉱山のライナス、転換社債発行で2.25億ドル調達へ 2012年 01月 24日 18:21 JST ロイター

貿易赤字から何を読み取るか

2011年の貿易収支が1980年以来の赤字になった。この赤字をどう受け止め発言・行動するかによって、それぞれの識者と政治家の認識と理解、それから信用度がわかる。

前回の主因が第2次石油危機(イラン・イスラム革命)による原油輸入額の値上がり、今回の主因が東日本大震災による原発稼働の順次停止に伴う液化天然ガスの輸入増加となれば、赤字の原因は電力需要をまかなうエネルギーにあるのは明らかだ。

また先帝陛下が『昭和天皇独白録』において第2次大戦への参戦の遠因は米国の人種差別(排日移民法)と近因は米国の対日戦略物資の禁輸(石油、屑鉄など)と言及されている。

戦前も戦後も、我が国において最重要なのは“貿易立国”と称され外需で稼ぐかなどではなく、我が国に乏しい資源エネルギーに対するアクセスをどう確保し、代替輸入先や代替技術開発でどうリスクを分散するかだ。

敗戦から30年の間に、また石油危機から30年の間に対応してきたのだから、今後も同様に行うだけだ。今後原発の比率を抑えるにせよ、少なくとも現時点では原発の運転再開を進めるべきだし、識者も政治家も国民のコンセンサスを得るべきだ。

もとより原発の全面廃止ができるほど、電力需要も世界情勢も甘くない。旧東側以外の原発に関する技術は日立=GE、三菱=アレバ、東芝=ウェスティングハウスの3社連合しかなく、いずれも我が国が関わっている。今回の震災・津波による事故とその解体までのノウハウも我が国が得るだろう。各国が原発を廃止しない以上、我が国のみの原発廃止の選択肢は安全面からも合理的ではない。

2011年貿易収支は31年ぶり赤字転落、過去2番目の赤字額 2012年 01月 25日 11:17 JST ロイター

[東京 25日 ロイター] 財務省が25日に発表した2011年貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は2兆4927億円の赤字となった。東日本大震災や歴史的な円高、海外経済の下振れなどで輸出が2年ぶりに減少に転じる一方、原油価格の高止まりなどで輸入が増加したことが影響した。

暦年での貿易赤字は、第2次石油危機で原油輸入額が膨らんだ1980年以来、31年ぶり。

暦年の貿易赤字は、比較可能な統計となる1979年以降では、第2次石油危機の影響を受けた1979年と1980年の2回で、今回で3度目。過去最大の赤字額は1980年の2兆6129億円で、2011年の赤字は過去2番目の大きさだった。2010年の貿易収支は6兆6347億円の黒字だった。 先行きについて財務省では「輸出は震災、円高、経済下振れが影響。輸入は原粗油価格の高止まりなどが影響した。これら様々な要因がどう変化するか見極めることが重要で、とりわけ輸出動向に注視していく」としている。

2011年は輸出が自動車、半導体等電子部品などの減少で、前年比2.7%減の65兆5547億円となった。減少は2年ぶり。四半期ベースでは、4─6月に震災の影響で自動車輸出が低迷、7─9月にサプライチェーンの復旧で輸出全体が回復に転じたが、10─12月に欧州債務危機を背景とする欧州の需要減で再び減少に転じた。

輸入は原粗油、液化天然ガス(LNG)などの増加で同12.0%増の68兆0474億円。2年連続で増加した。原油価格の高止まりや原発の稼働停止で、火力発電所向け液化天然ガスの需要が影響した。液化天然ガスの輸入は額・伸び率とも過去最大。

11年の為替レート(税関長公示レート平均)は、79.97円/ドルで対前年比9.2%の円高だった。

11年の輸入原油単価は前年比24.7%上昇の5万4645円/キロリットルで、ドルベースでは同37.3%上昇の108.6ドル/バレルだった。ドル建単価は過去最高だった。

<12月貿易収支は3カ月連続赤字、欧州は12月として過去最低>

12月の貿易収支も2051億円の赤字となった。世界経済の減速などで輸出が伸び悩み、3カ月連続の赤字。輸出は前年比8.0%減の5兆6237億円と3カ月連続で減少、輸入は同8.1%増の5兆8288億円と24カ月連続で増加した。

輸出は世界的なIT需要減の影響で半導体等電子部品(同13.0%減)が低調。プラスチック(同17.3%減)の減少も響いた。

地域別では、米国向け輸出は前年比3.9%増の1兆0083億円で、2カ月連続で増加した。2008年10月以来の1兆円台を回復した。中国向け輸出は同16.2%減となり、3カ月連続の減少となった。

欧州連合(EU)向け輸出は前年比12.7%減で3カ月連続で減少した。輸入は同3.2%増で9カ月連続で増加。輸出・輸入の差し引きは前年比47.8%減の1147億円で、12月としては過去最低の水準となった。

為替レート(税関長公示レート平均)は、77.59円/ドルで対前年比7.2%の円高だった。

輸入の増加品目は原粗油(19.5%増)、液化天然ガス(同59.3%増)など。

輸入原油単価は前年比22.9%上昇の5万5693円/キロリットル、ドルベースでは同32.4%上昇の114.1ドル/バレルだった。

ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では、予測中央値は1397億円の赤字だった。

<新興国経済主導で、貿易黒字回復か>

先行きについてエコノミストは、しばらくは貿易赤字が続くが、海外経済が新興国主導で持ち直しいずれ黒字を回復するとの声が聴かれた。

みずほ証券のチーフマーケットエコノミスト、上野泰也氏は「このまま毎月赤字が続き、黒字に戻らないという見方はしていない。輸出は供給態勢のたて直し、新興国主導の海外経済の成長持続、日本企業の努力もあり、今年秋以降のイメージで前年比でプラスに戻ると考えている」と指摘。原発が一部再稼働すれば燃料の輸入が落ち、貿易黒字に戻るとみている。

岡三証券の日本株情報グループ長、石黒英之氏は「貿易赤字はしばらく続くとみているが、金融緩和の実施などで中国など新興国の経済が回復すれば、貿易収支の改善につながる」と予想。円高が続けば個人資産や企業の海外投資が活発化し、その投資収益がいずれ国内に戻るため、経常赤字に落ち込むことも想定しづらいと分析している。

*内容を追加します。

40年前の我が国をなぞる中国の中東外交

予想通り、EUがイラン産原油の禁輸を決めた。イタリア、ギリシア、スペインなどに配慮して猶予期間を設け、7月1日からの措置となる。

EUがイラン産原油禁輸で合意、イランはホルムズ海峡封鎖を警告 2012年 01月 24日 05:16 JST ロイター

中国は、イラン産原油の代替先を求めて、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタールを訪問した。

おそらく温家宝首相が提示できるのは、石油精製施設の現地建設契約及び投融資すること、見返りに要求できるのは供給余力を回してもらった上、一部の原油輸入だけでも人民元取引を可能にすることくらいだろう。

素早い外交と褒める向きもあろうが、日本がすでにやり尽くして、さらに深化させていることをようやく始めたに過ぎない。

中国の温家宝首相、14日から中東3カ国歴訪へ 2012年 01月 10日 14:49 JST ロイター

我が国は、民間と野党・自民党のイランとのパイプを細々と継続させればよい。そのために大々的なイラン産原油禁輸の発表などせず『いつの間にかイランからの輸入量ゼロになっていました』とすればよい。

さて、かつての二度の石油ショック後の我が国をなぞるような中国の動きが目立つが、すでに安倍・福田政権までに蒔いた政策も実を結んでいる。

太平洋の要石である沖縄に、ブラジル資本(ペトロブラスによる南西石油の買収)やサウジ資本(サウジアラムコによる石油備蓄基地の備蓄原油供給)を引き込み、また中国側が領土と主張する尖閣諸島沖のガス田共同開発(事実上、日中中間線を中国側に認めさせた)、などがある。

この場合、深刻なのは野田政権及び与党・民主党の利害調整力の皆無さだ。

下記の記事にある石油連盟の天坊昭彦会長(出光興産会長)の発言は以下の通りだ。

イラン産原油の禁輸について
「いまの時点で、政府とそういう具体的な話をしていない。石油連盟という立場でそういう話をしていないし、出光としても話していない」
「(イラン原油の輸入を削減するという安住財務相の発言は個人的な考えで)国としてそういうことは決めていないと総理も言っている」
さらに、米国の制裁はコルレス口座を閉めることを指すので
「我々が買いたいと思っても買えなくなる」
「現実的な対応として、各社がなるべく減らして他から取る努力をしていると思う」
「(イラン原油の輸入量は3カ月後には)少なくなっているだろう」
代替先には
「(サウジアラビアに)供給余力がある。現実的にサウジもそういう話をしている」

政府と与党・民主党は、米国に対しても、諸外国に対しても、内閣に対しても、党内に対しても、野党に対しても、財界に対しても、特に石油業界に対しても、何より国民に対してもいかなる説明(根回し)も、もちろん調整能力をも発揮していない。

親日国・イラン制裁で官民異論百出、日米協議は結論持ち越しへ 2012年 01月 19日 21:20 JST ロイター

石連会長:イラン原油輸入削減「政府と具体的な話をしていない」(1) 2012/01/19 17:15 JST ブルームバーグ

興味深いのはインドの動きだ。イラン産原油の代金の一部を円決済できるか模索している。

中央銀行であるインド準備銀行が、2010年12月にユーロとドルによる支払いを決済するメカニズムを廃止したためトルコの銀行で仲介取引している(イラン産原油に関しては韓国も自国の銀行支店をイラン国内に開き、似たようなことをしている)、とのことだが、制裁でドル取引が禁止されればその銀行が即死する。

インドの事例を考えると中国が人民元での取引を考えても、なんらかの保証金を積み上げるような仕組みを作らないと難しそうだ。

イラン:インドに日本円での原油代金支払いを要請、制裁受け-関係者 2012/01/23 08:38 JST ブルームバーグ

1月23日(ブルームバーグ):イランはインドに対し、原油代金の一部を日本円で支払うよう要請した。イランに対する国際的な制裁措置が強まる中、両国は取引を維持する方法をめぐり合意を目指している。事情に詳しい3人の関係者が明らかにした。

情報が非公開として匿名を条件に語った関係者によると、インドは先週のテヘランでの会談で、イランに対しインドの銀行口座を通じてルピーで支払うことを提案した。インドにとってイランは第2位の原油供給元。ルピーが完全に交換可能な通貨ではないことから十分な価値を得られない可能性があるため、イランの当局者は支払いの一部を円で行うよう求めたという。

インド準備銀行(中央銀行)が2010年12月にユーロとドルによる支払いを決済するメカニズムを廃止したため、両国は年間95億ドル(約7310億円)規模の原油取引を維持しようと苦戦している。事情に詳しい4人の関係者が10日明らかにしたところによると、現在はトルコのハルク銀行を経由して取引が行われているが、同行はもう仲介先になれない可能性があるとインドの石油会社に伝えたという。

インド政府は円での支払い方法を検討しているが、まだ決定していないという。ブルームバーグがまとめたデータによると、過去1年間にルピー相場が9.7%下落したのに対し、円は6.5%上昇している。


イラン情勢のトピックについては、ロイターの特集が参考になる。

ロイター:特集 イラン情勢 

子ども手当という名の“大人手当”

民主党は“子ども手当”改め“子どものための手当”とした法案を今通常国会に提出予定だ。記事によれば、3党合意を骨抜きにしており、自民党と公明党の反発は必至、とある。おそらく両党は開いた口がふさがらないだろう。

民主党は、子ども手当という名前にこだわるべきか、手当の中身にこだわるべきかの二者択一もできない訳だ。

名を取って体裁を整えておきたいなら、自民・公明の児童手当丸呑みでかまわない、そのための与野党の利害調整だったはずだ。

実を採りたいなら、児童手当という名前にしてかまわないし、児童手当拡充の方向に乗って党内調整を図るべきだった。

政治が“集められた利権を分配するための利害調整”であることに立脚して意識的に行動できない(もしくは認識できない)から、どの方面とも調整ができないまま破綻するのが民主党の政治家の特徴だ。

そも献金をもらっても、一票を投じられても、何か有権者に対価や便宜を与えることをどこか恥辱や忌避すべき考え(たとえば自分は有権者を導く無謬のごとき存在)のように思っていないか。政治家は喜捨を受ける上座部仏教の僧侶ではない。

“子ども手当”だろうが“子どものための手当”だろうが、もしくは“児童手当”だろうが、本質的には子供を持つ有権者の票を買うための“大人手当”であることに変わりはない。この点、原発反対派の一部にも云えることだが、子どもの健康と将来のためとか、自分の無知や恐怖や思い込みを隠して楯のように美辞麗句を並べる必要はない。

むしろ美辞麗句を並べられる、と心底思っているから未だごり押しできるのだろう。

つまり同じように、高速道路無料化や八ッ場ダム建設停止や普天間基地県外移転についても、美辞麗句(たとえば平和とか自然を守るとか一部の既得権益だけに得をさせないとか)が使え、かつ説得力があると思っているうちは続けたいということだ。

しかし繰り返すが、政治は美辞麗句ではない。本質的に政治とは、生命と財産の自由を守ってもらうために、税金を納めるべく(その意志と過去も含めて)働いてきた国民のための“集められた利権を分配するための利害調整”なのだ。

新手当法案の全容判明 名称は「子どものための手当支給法」 自公、反発必至 2012.1.23 11:17 MSN産経

 子ども手当に代わる新手当を平成24年度から支給するため、政府が通常国会に提出する児童手当法改正案の全容が22日、明らかになった。法律名を「子どものための手当支給法」に改め、法律の定義や支給要件を旧子ども手当支給法と同じ条文に置き換えるなど、子ども手当“継続”を強く印象づける内容となっている。子ども手当を廃止した上で児童手当を拡充するとした民主、自民、公明3党の昨年8月の3党合意を骨抜きにしており、法案成立を目指す3党協議で自公両党が反発するのは必至だ。

 改正案は3党合意に基づき、3歳未満に月1万5千円、3歳から小学生の第1子と第2子に月1万円(第3子以降は月1万5千円)、中学生に月1万円の新手当を支給することが柱。自公両党の反対を押し切り、手当の名称を「子どものための手当」とし、住民税の扶養控除が廃止される6月以降、所得制限世帯(夫婦と子ども2人の世帯で年収960万円以上)に月5千円を支給することも盛り込んだ。

 改正案が成立した場合、自公政権時代の児童手当に比べ、主たる世帯主の年収500万円世帯で手取り月額375円減、800万円世帯では同4083円減(いずれも夫婦2人と子ども1人の場合、住民税扶養控除廃止分と相殺)となる。高所得者層ほど負担が増える構図だ。

 また、改正案では法律の目的に旧子ども手当支給法と同じ「次代の社会を担う子どもの健やかな育ちに資する」との文言を挿入した。支給対象については、子どもに関しても留学を除き国内居住要件を設けるなど、児童手当法の条文をこれまでの子ども手当の条文に全面的に書き換えた。

 今年3月末で期限が切れる子ども手当支給特別措置法に盛られた(1)自治体が保育料や給食費などの滞納分を天引きできる仕組みの導入(2)児童養護施設の子供への支給-の継続も明記。改正案は、名称を「子どものための手当」に変更しただけで「子ども手当」が存続したといえる中身だ。

 政府は近く改正案を閣議決定し、24日召集の通常国会に提出する。3月末までに成立しなければ旧来の児童手当に戻るだけに、民主党は速やかに自公両党との修正協議を始めたい構えだ。だが、児童手当をベースにするよう求めてきた自公両党の主張との隔たりは大きく、3党協議のハードルはさらに高くなったといえそうだ。

1985年と1988年の「Glory Days」

初めてビリー・ジョエルを聴いたのは『イノセント・マン』(1983)からシングルカットされた「あの娘にアタック(原題 Tell Her About It)」や「アップタウン・ガール」だった。10代にもならない頃には、悪く云えば泥臭いR&Bを受け付けられなかったから、白人のダリル・ホール&ジョン・オーツのような軽いR&Bは入門編としてすごく耳になじんだ。そして徐々に時間をかけてR&Bに嵌っていったものだ。

そのほかのアルバム所収の「素顔のままで(原題 Just the Way You Are)」や「オネスティ」はウェットすぎてもピアノマンらしいビリー・ジョエルの面目躍如として聴けたが、社会的メッセージの強い『ナイロン・カーテン』(1982)所収のいくつかの曲「グッドナイト・サイゴン」「プレッシャー」「アレンタウン」は心地良く思えなかった。

ただ今振り返れば、ブルーカラーが支えた健全な米国の鎮魂曲を集めた傑作アルバムであることは間違いない。

「アレンタウン」の歌詞はこう始まる。

Well we're living here in Allentown
俺たちはアレンタウンで暮らしている
And they're closing all the factories down
工場はみんな閉鎖されちまってる
Out in Bethlehem they're killing time
ベスレヘム・スチールから追い出され
Filling out forms, standing in line
日がな一日職安に並んでいる
Well our fathers fought the Second World War
親父たちは第2次大戦を戦い
Spent their weekends on the Jersey Shore
ジャージーの海岸で週末暮らし
Met our mothers in the USO
USOでお袋たちと出会い
Asked them to dance, danced with them slow
チークダンスを踊ったのさ
And we’re living here in Allentown
俺たちはアレンタウンで暮らしている
But the restlessness was handed down
安らぎなんてなんにもなく
And it’s getting very hard to stay
ますます居づらくなっていく

註:USO(United Service Organizations)は軍人へのサービス提供機関

ニューヨークのロックフェラー・センター、マディソン・スクエア・ガーデン、サンフランシスコのゴールデン・ゲート・ブリッジなどの鋼材を生産した製鉄所は今やカジノリゾートになっている。当然、唄のなかで職安に並んでいたであろう、製鉄所で働いていた人間がカジノのディーラーになれた訳ではない。

オバマ米大統領、無党派層から厳しい評価=世論調査 2012年 01月 19日 16:17 JST ロイター

ペリー・テキサス州知事、米大統領候補指名争いから撤退表明 2012年 01月 20日 03:36 JST ロイター

アイオワ州党員集会はサントラム氏勝利と修正、ロムニー氏は2位 2012年 01月 20日 10:57 JST ロイター

米大統領選指名争い、サウスカロライナ州ではギングリッチ氏が猛追 2012年 01月 20日 14:03 JST ロイター

米大統領サウスカロライナ州予備選、ギングリッチ候補が勝利 2012年 01月 23日 08:49 JST ロイター

ちょうどレーガン大統領の再選時にイメージが誤読されたブルース・スプリングスティーンの「Born in the U.S.A.」と、その同名タイトルのアルバム『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』(1984)の中の「My Hometown」「Glory Days」であるとか、ジョン・クーガー・メレンキャンプ(現在はジョン・メレンキャンプ)のアルバム『スケアクロウ』(1985)の「Small Town」「Rain on the Scarecrow」「R.O.C.K. in the U.S.A.」を聞くと、そのセールスの大きさと裏腹に米国の何かが終わっていったのが如実にわかる。

太平洋の反対側にいた当時のぼくには過ぎ去っていくものへの感傷にしか思えなかったし、「ベストヒットUSA」や「ポッパーズMTV」を見るために夜更かしもしたし、ベトナム帰還兵の『ランボー』(1982)はその強さしか見えていなかったし、70年代後半の西海岸ブームの余韻は続いていた。でなければ鈴木英人、わたせせいぞう、まつもと泉も好きにならなかったろう。何より日本はプラザ合意後の円高不況のあとバブル景気に突入していったのだ。

バブルが崩壊して、ようやく大江千里の「GLORY DAYS」(1988)ではなく、ブルース・スプリングスティーンの「Glory Days」(1985)の日々が追いついたようなものだ。このなかなか埋まることのなかった隔絶の感覚は大江千里のデビュー時期と槇原敬之のデビュー時期のような時間差を思い起こさせる。

大江千里は、セールス的にピークだったアルバム『APOLLO』(1990)や、シングル「格好悪いふられ方」(1991)よりも、ぼくの気持ちの上でのピークが、アルバム『redmonkey yellowfish』(1989)だったのは、バブル崩壊直前の残り火が燃え尽きた瞬間を表しているのかもしれない。それこそが「GLORY DAYS」だ。

ブルーカラーを受容する共和党

サウスカロライナ州の共和党予備選はニュート・ギングリッジ元下院議長が制した。茶会党の先駆的存在と彼を考えるならば、彼は優れたポピュリストでもある。

予備選本命の穏健派ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事は、PEファンドの「ベインキャピタル」の創業メンバーである。ビジネス経験から云えばオバマ大統領に対抗できるはずだが、これをギングリッジ元下院議長は誇張・要約して

「所詮、ミット・ロムニーのやったことは“ハゲタカ・ファンド”と同じだ。公開企業を買収して上場廃止する。公的な監視がない中で、企業価値を高めるといっては人員を削減したり、資産を売却してまず利益を上げる。帳簿の見た目をきれいにして再上場してさらに利益を上げる。一度、減らした正社員の雇用を非正規雇用にして雇用創出、と嘯いているだけだ」

と、まるで我が国で云えばナショナリスト的傾向の強い反米保守が主張するネガティブキャンペーンを打った。

これが功を奏して、従来は民主党を支持していたはずのAFL/CIO加盟の労組から離れたブルーカラーや非正規雇用に落とされたホワイトカラーの支持を受け、予備選に勝利した形だ。

また下記の記事では、アイオワ州やニューイングランド地方のニューハンプシャー州でも共和党の予備選候補が、ブルーカラーの支持を集め始めている、と云う。

となると、やはり1964年の大統領選挙で、各州の権限を大きく抑える公民権法に反対を唱え、L・ジョンソンに大敗したバリー・ゴールドウォーターが、それまで民主党の強固な支持基盤(そもそも民主党は奴隷制支持の背景から誕生した)であったディープサウスを奪ったように、再び米国内の二大政党の支持基盤が大きく入れ替わり始めた。

すでに前回オバマ大統領の地滑り的勝利を演出した若年層がロン・ポール下院議員を支持していることと併せて、米国は歴史的な転換点にある。

混沌の共和党 底流に路線対立と党の質的変化 2012.1.22 20:51 MSN産経

 【コロンビア(サウスカロライナ州)=佐々木類】保守的な土地柄の南部サウスカロライナ州の有権者が21日の共和党予備選で選んだのは、経験と知名度の高さを売りにする保守派の論客ギングリッチ氏だった。勝者が猫の目のように入れ替わる共和党の内部で何が起きているのか。予備選などを通じて浮かび上がってきたのは、政策をめぐる路線対立と党の質的変化だ。

 米CNNテレビの出口調査によると、最重要政策について景気回復と答えた人が61%、次いで財政再建(23%)などが続く。景気回復の重要性は有権者も候補者も認識しているが、政策の優先順位が必ずしも候補者選びに結びついていないのが今選挙戦の特徴だ。

 その底流には、日増しに険悪化する共和党内の複雑な路線対立がある。一連の討論会や予備選などで明らかになってきたのは、(1)景気重視派(2)財政再建派(3)社会問題派(4)安全保障重視派-の4つの路線が存在し、それぞれが糸のように絡み合っている現状といえる。

 景気重視派の番頭格はロムニー氏だ。経営者の実務経験をアピールし、法人税率の引き下げや年収20万ドル(約1540万円)以下の国民の利子・配当税の廃止を主張。景気拡大と雇用創出を掲げ、高い失業率にあえぐオバマ大統領に「勝てる候補」を前面に押し出す戦略を立てている。

 これに異を唱えるのが財政再建派のポール氏。政府機関の極端な縮小や廃止が先だというリバタリアン(自由至上主義者)だ。

 次に、同性婚や人工中絶などの社会問題。双方に反対するサントラム氏は、聖書の教義に忠実なキリスト教福音派や保守系草の根運動「ティーパーティー(茶会)」の支持が厚い。これに関してロムニー氏は中絶に理解を示したことがあり、福音派や茶会の反発を招いている。

 さらに党内事情を複雑にしているのが、安保問題に対する各候補の異なるアプローチだ。社会問題では穏健的なロムニー氏だが、核開発疑惑のあるイランについては「いずれ核武装する」とし、軍事攻撃も示唆。「米国の敵は殺すだけ」(ギングリッチ氏)という保守派と足並みをそろえる。ポール氏は逆に、米軍撤退など外交的な孤立主義と左派色を漂わせており、安保政策に敏感な保守層が反発しているようだ。

 こうした路線対立とは別に、共和党内で進む“化学反応”を指摘する向きもある。米紙ウォールストリート・ジャーナルは、アイオワとニューハンプシャー両州での出口調査をもとに、共和党支持層が「比較的裕福なホワイトカラー」だけでなく、ブルーカラー色も強まり、党が「大衆政党化」していると分析。これが個人資産約2億5千万ドル(約192億円)を誇るロムニー氏の伸び悩みにつながっていると指摘している。

 サントラム氏が集会などで炭鉱労働者だった祖父の苦労話をたびたび引用しているが、これも、共和党の質的変化をとらえて、ブルーカラー色を出して選挙戦を有利に運ぶ狙いがあるとみられている。


参考URL:
米国大統領選1 共和党の指名争い序盤戦の評価と展望:ロムニー氏前進 丸紅ワシントン報告 2012年1月13日(PDFファイル)

東電値上げNG、消費税値上げOKの矛盾

東京電力が企業向け電気料金を値上げすることでGDPが0.2%押し下げられる、との試算を古川経財相が示して懸念を表明し、併せて家庭向け電気料金の値上げについて、東京電力と調整や容認していない、と語った。

東電値上げはGDPを0.2%押し下げ 古川経財相が試算公表 2012.1.20 13:19 MSN産経

 古川元久経済財政担当相は20日の閣議後の記者会見で、東京電力が企業向け電気料金を4月から値上げするのに伴い、国内総生産(GDP)が年間0.1~0.2%押し下げられるとの試算を明らかにした。

 その上で「景気をさらに冷え込ませ、産業空洞化の背中を押すことにならないか」と懸念を表明。「東電はどこまで徹底的な経営努力をしたのか」と不満を示した。

 家庭向け電気料金に関しては「政府として東電と値上げの調整に入ったり、容認したりした事実はない」とした。

 一方で、環太平洋連携協定(TPP)に関し、担当者を24日にペルーに、25日にはチリに派遣して協議することを明らかにした。


電気料金値上げがGDP引き下げ効果を持つのならば、消費税増税(値上げ)がGDP引き下げ効果を持つと考えるのが自然なのだが、その点については野田政権は全く触れてない。

現在までのところ、民主党政権が始めた経済政策はすべてGDP引き下げを促す政策である。たとえば“コンクリートから人へ”の八ッ場ダム建設停止、子ども手当の支給から、円高とデフレの進行を放置し続け、加えて消費税増税の意向、などだ。

政策には一貫性がなければならない。もしも一貫してGDPを引き下げたいのであれば、この東京電力への懸念は政策的に明らかな矛盾ではないか。

コダック、チャプター11申請

著名な大手写真フィルムメーカーのうち、イーストマン・コダックとポラロイドはチャプター11を申請して破綻、コニカはミノルタと合併(現在はコニカミノルタHD)して写真事業から撤退、アグフア・ゲバルトも写真事業から撤退(移管されたアグフア・フィルムは破綻)、富士フイルムだけが細々と写真フィルムを生産している。

下記の富士フイルムHDの社長インタビューを読むと、米国の企業体が永続性を持たないのは社会全体の観点から望ましいこととは思えない。

大企業ですら急激な事業環境の変化に対して緩やかな配置転換をせず、労働市場に全部流出させてしまう米国流の経営をもてはやす一方、ベンチャー企業の設立を促したところで、カメラ業界のようにアナログからデジタルへの変化が激しかった業界などではそれが通じるものではない。コダックのアナログ・デジタルどちらの技術も失われ、パテントだけが売られることになりそうだ。

また労働市場に投げ出された格好になる従業員が、それまでの給与水準を維持できるなどとは思えない。解雇された彼らを待つ“再雇用のための再訓練”をされても全く畑違いの分野では従前の給料にはならない。まるでその再訓練の時間が自分の給与水準は下がるのだと認識させるための経過措置のようになってしまう。

たしかに米国ではスタートアップがしやすい環境であることは認めるが、その環境は後付けであって、企業体が永続性を持たないために自然にではなく人為的に整備せねばならなかっただけだとしたら、新たに投入される金融面からも雇用面からも米国社会が効率的だとは云えない。

取引先の立場としてもすべて米国のやり方では困る。たとえ市場規模が小さくて利益が出にくくてもその企業にとっては死活的な製品やサービスも存在するからだ。富士フイルムのような規模(もしくはその傘下)であればこそ細々と供給してもらえることが、どれほど助けになるか。それに関連する商売をしていれば理解できる。

筆者も経験したことがあるが、継承者がなく、一度失われた技術を復活するために行われる労力とはそれを作り出すのに等しい(要は形だけ真似ても同じ結果が出ないので試行錯誤しなければならない)のだから。こうした事例が我が国でもリストラが流行った90年代後半から2000年代前半に起きたのだ。まったく非効率きわまりない。

米コダック、破産法第11条による事業再編を申請 2012年 01月 19日 18:03 JST ロイター

コダック経営危機、デジタル化と多角化で明暗=富士フイルム社長 2012年 01月 18日 22:54 JST ロイター

[東京 18日 ロイター] 富士フイルムホールディングス(4901.T: 株価, ニュース, レポート)の古森重隆社長は18日、ロイターとのインタビューで、かつて写真用フィルムで世界市場を二分した米イーストマン・コダック(EK.N: 株価, 企業情報, レポート)が経営危機に陥っていることについて、2000年代に入って急速に進んだデジタル化への対応が明暗を分けたと指摘した。

写真フィルム事業の縮小に伴い、両社とも構造改革を進めてきたが、富士フイルムはデジタルカメラ事業を展開するだけでなく、液晶フィルムや医薬品に新規参入するなど多角化路線が成果を上げたと強調した。

インタビューの主なやり取りは以下の通り。

──為替の影響が厳しいが、超円高で工場の海外移転など対策の余地はあるか。

「われわれはすでに1980年代のプラザ合意のあとに海外生産を進めて、世界中の会社を買ってきたので、今は半分以上が海外生産だ。国内工場は、研究開発と協力してやる製品が多いので、国内でやった方がメリットある。円高になったからといって、今の国内工場を海外に移すつもりはない」

──円高対策で政府に求めるものはあるか。

「スイスのように不退転の決意で円高に立ち向かってほしい。円はやはり90円くらいがフェアな水準。著しくアンフェアな競争を強いられているが、驚くべきことにほとんどの日本の一流企業は耐えている。これだけのことが他の国で起きたら大変なことになる。輸出立国の為替レートが3─4年で35%も上昇したらどうなるか。ぜひとも政府には対応を求めたい」

──中期経営計画で、M&Aは毎年500─1000億円を目指すとしているが、どのような分野を考えているか。

「(医療機器、薬品、健康食品、スキンケアなど)メディカル・ライフサイエンスの事業を想定している。薬品は、富山化学工業などずいぶんやってきた。薬の分野は、この中期計画のあとの時代に、企業のコアになると思う」

──オリンパス(7733.T: 株価, ニュース, レポート)の資本提携先として富士フイルムの名前が浮上しているが、医療機器事業の強化で検討の余地はあるか。

「われわれのような会社なら皆、検討するのは当然。シナジーもある。医療機器は毎日メンテナンスしないといけないビジネスだから、(専門知識のある)うちなどが引き受けて一緒にやろうというのは社会的に価値があることだと思う。思ってはいても、いろいろな事情があるだろう。今の段階では検討はする、ということしか言えない。医療機器をやっている会社なら、買うか買わないかは別の問題として興味を持つのは当然だ」

――写真用フィルムで競合関係にあったコダックが経営不振に陥っている。

「写真フィルムに代わる成長事業を探してきたのはコダックも富士フイルムも同じだが、デジタルへの取り組みが少なかったのではないか。2000年代に入って写真事業がデジタルカメラに移ったとき、現像をやっていた一般の写真屋さんはデジカメのプリントをやることになったが、コダックは自社の機械を持っていなかった。うちは自社製品を全世界の写真屋に入れた。ここでコダックは富士フイルムに後れをとったのが大きかった」

「コダックは、写真がなくなったら『デジタルカンパニー』を目指すと言っていたが、デジカメ、デジタルミニラボ、デジタルプリントだけの事業では足りなかったのではないか。うちは(デジカメやプリントだけではなく)、薬品、検査機器、液晶パネルの材料、富士ゼロックスのコピーマシン事業などに多角化し、会社のサイズを維持して拡大しようとした。コダックは、従来のアナログ技術を生かした事業拡大が足りなかったのではないか」

「過去最高の営業利益は07年度の2073億円。11年度の営業利益予想は1365億円だが、07年度と同じ為替と原料の水準に換算すると過去最高を更新する。13年度の計画は1800億円だが、07年度の為替・原料水準なら2900億円くらいになる。これは十分に成長路線に乗っている。過去の構造改革は正しかったと言える」

──2000年6月の社長就任から11年が経過しているが、後継者に求めるものはあるか。

「今はそれを話す段階ではない。ただ、これまでに(写真縮小とリーマンショックの)大波を2つを越えて、東日本大震災も含めれば3つの大きな波は泳ぎ切ったと思う。しかし、円高の厳しい状況の中で成長路線を伸ばしていかなければいけない。私の力はもうちょっと会社にいるのではないか」

(ロイターニュース 村井令二 編集:吉瀬邦彦)

サムスン企業国家の成立まであと何年?

サムスンは、ソニーとの液晶パネル合弁解消に伴い工面しなければならない現金の約90%に相当する額面の5年物社債を発行する。調達資金の充当先はテキサス州オースチンの半導体工場の運転資金とのことだが、192億ドルの現預金があるから問題ないのでは?

サムスンが米市場で10億ドルの社債発行へ、半導体工場運転資金に 2012年 01月 16日 13:09 JST ロイター

と、思っていたらサムスングループ各社全体で、約3.2兆円の設備投資と新規採用2万6千人って何だ、とまた疑問符を付けてしまう。もちろん設備投資の詳細は不明だ。CESでお披露目した有機ELディスプレイの生産ラインをつくるのか。いやまずもって第11世代の液晶はどうしたんだと誰か聞いてほしい。

そもそもなぜサムスン電子のみでも、約2.1兆円の設備投資ができるのに、約800億円の運転資金を回せないのか。昨年の売り上げ規模が韓国のGDPの5分の1相当に達したそうだが、この前上場したネットゲームのネクソンは本社を日本に移し、LGも生産拠点のみならず本社機能を日本に移している。サムスン以外の企業は国外脱出を鮮明にしている。

ウォン安下で、韓国国民はスタグフレーションに見舞われているし、韓国の不動産バブルに関わらなかった中小企業ですら、大企業に部品納入するのに、素材は品質指定からどうあがいても日本製一択で円高による利益相殺、むしろ赤字だったりする。

韓国の12月消費者物価指数(表)2011/12/30 08:13 JST ブルームバーグ

世界中バランスシート不況に突入するのに、サムスンだけが前向きすぎて前のめりだろう。しかもアジア通貨危機後の“選択と集中”ではなく、単なる“拡大に次ぐ拡大”ではないか。少なくとも前提条件に競合のLGの市場からの退場が含まれてなければ成立しない。

もはや韓国政府はサムスンと心中上等のような気がする。南が“サムスン財閥”による資本主義独裁国家、北が“金氏朝鮮”による共産主義独裁国家とか、つまらない設定の近未来SFでしかない。

サムスン・グループ:12年支出、過去最高の3.2兆円-2.6万人採用へ(1 2012/01/17 11:53 JST ブルームバーグ

韓国サムスン、2012年投資額は過去最高47.8兆ウォン 2012年 01月 17日 10:59 JST ロイター

コラム:サムスンの巨額投資、アップルを揺さぶるか 2012年 01月 19日 14:57 JST ロイター

By Wayne Arnold

[18日 ロイター BREAKINGVIEWS]韓国サムスン・グループが発表した総額410億ドル(約3兆1500億円)に上る2012年の投資計画は、競合他社に警鐘を鳴り響かせたに違いない。その莫大な投資金額の少なくとも半分は、スマートフォン(多機能携帯端末)や半導体、フラットスクリーン分野での主導権を加速するために費やされるとみられる。

世界景気減速下での、この大胆な賭けに成功すれば、サムスンは米アップルなどの競合他社に対するリードを広げられるだろう。

総額410億ドルのうち、グループ傘下のサムスン電子にどれぐらい回されるのか、具体的な金額はまだ明らかになっていない。しかし、過去の実績からひもとけば、サムスン電子には今年、生産能力の強化や研究開発(R&D)に少なくとも210億ドルが投資されるとみられる。予想年間売上高との比較では、この数字はアップルの今年の投資計画に比べて約26%多い。ハイテク業界の競合他社にとって脅威となるのは、サムスン電子がこうした攻めの投資を、電子レンジや食洗機といった分野ではなく、より利益率の高いスマートフォンやフラッシュメモリーに費やすはずだからだ。

韓国のハイテク企業は、日本や米国のライバルメーカーを相手に飛躍的な進歩を遂げてきた。通貨ウォンが過去20年で対円では60%下落したことも、韓国勢が世界の家電市場に食い込むのに寄与してきた。サムスン電子は今や、テレビとメモリーチップ、スマートフォンで世界最大手に君臨するまで成長した。また、フラッシュメモリードライブや最先端デジタルスクリーンでも市場をリードしているため、同社にとってアップルは競合相手なだけではなく、部品供給先でもある。

売上高に対する設備投資・研究開発費の比率が13%に上るのは、世界経済の減速時にはリスクにも映るが、サムスンには十分な余力がある。大和証券によれば、同社のバランスシート上には推計100億ドルの現金資産があり、2012年の利払い・税・償却前利益(EBITDA)は290億ドルと予想されている。同社が米国の低金利環境を利用し、5年物の社債発行で10億ドルの資金調達を計画していることも、攻めのバランスシートの一段の強化に動いていることを示している。

大きなリスクがあるとすれば、スマートフォンのように流行の移り変わりが早い市場では、巨額な投資でさえも間違った方向に行きかねない点だ。モトローラやノキア、リサーチ・イン・モーションがいい例だ。しかし、スマートフォン市場は今年も34%の成長が見込まれており、サムスンの強気の投資は前向きに解釈すべきだろう。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

意図はわかるが無理筋なハンガリー

デフォルトをするのはギリシアが先か、ハンガリーが先かの様相を呈してきた。

下にまとめたが、ハンガリーのオルバーン政権は、国民国家としての経済を何とかしたい意図はわかるものの、EUに加盟している制約がありながら、中央銀行の独立性を阻害したりなどと行動が常識の範疇を超えている。

まあ、我が国などは中央銀行の独立性を高めすぎてしまっているが(日銀総裁の任命権はあっても罷免権が立法・行政・司法のいずれにもない)。

フィッチ:ギリシャは支払不能、3月20日償還できずデフォルトへ(1) 2012/01/17 23:33 JST ブルームバーグ

欧州委、ハンガリーが中銀法など改めない場合は提訴へ 2012年 01月 18日 04:10 JST ロイター

[ストラスブール(フランス)/ブダペスト 17日 ロイター] 欧州委員会は17日、ハンガリーが中央銀行の独立性を損なう恐れのある中銀法などを1カ月以内に改めない場合、欧州司法裁判所(ECJ)に提訴する意向を固めたことを明らかにした。

欧州連合(EU)の執行機関である欧州委は、ハンガリーの中銀法に加え、裁判官の定年年齢に関する法律、さらに同国の情報保護機関はEU規則に違反すると指摘。ハンガリーが1カ月以内にこれらを改めない場合、EUにおける最高裁判所であるECJに提訴するとの姿勢を示した。

ハンガリーがEUの規則を順守しない場合、金融支援に関する協議も再開されない。

バローゾ欧州委員長は声明で「EU規則との整合性の維持を確実にするため、欧州委はいかなる法的手段も行使する」とし「ハンガリー当局が欧州の規則を尊重するよう必要な変更を行うことを期待していたが、今のところは対応されていない。このため、違反行為に対する手続きの開始を決定した」とした。

こうしたなかハンガリー政府は、欧州委の懸念に対応し法的措置を回避したいとする声明を発表。声明は「ハンガリー政府は、違反手続きを経ずに、欧州委が示している懸念に対し完全に回答し、できるだけ早く問題に対する解決策を見出すことを目標としている」としている。


ハンガリーのフォリント下落とデフォルト騒ぎで、中東欧の旧ソ連圏諸国の政治的・経済的特徴を概括してみようと考えてみて、ハンガリーの政党の状況を簡単に把握した。そこには冷戦終結後、グローバリゼーションと新自由主義に頭から突っ込んだ中東欧諸国の典型が示されていた。

ハンガリーを始めとした中東欧諸国では、旧共産党のテクノクラートがむしろ急進的な新自由主義に基づく経済運営を行い、民営化と外資導入の際に利権を保持している。彼らがそのまま富裕層に移行している。彼らが政権を維持する場合、貧困層に対して彼らの持つ利権を年金などで分配することができる。

同様にロシアでは、テクノクラートの一部がオリガルヒ(ロシア経済を寡頭支配した資本家)を形成したが全くといっていいほど税金を納めなかった。その後、シロヴィキ(治安・国防官僚出身者による勢力)がオリガルヒを国外追放・逮捕するなど政治的に粛正した。これを主導したプーチン前大統領(現首相・次期大統領候補)の圧倒的な人気は、これによって貧困層に対して年金など利権が再分配されるようになったのが一因。

中東欧諸国に戻って、中産層は新自由主義に引きずられる形で、たとえば外貨建てのローンを組んで現在の自国通貨安に見舞われて苦境に陥っている。新自由主義、グローバリゼーションと言い換えても良いが、これらの経済発展から阻害された若年層は国民経済の復興を求めるか、より過激な排外主義を求めることになる。

この場合、現政権の積極財政への姿勢だけは、国民経済の復興の観点からは正しいのだが、ユーロ圏に引きずられてそれどころではない。

以下、ハンガリーの主要政党を記す。

新しい政治の形(極左・環境政党)→先進各国に存在するエコテロリストに共感する層が支持層。

ハンガリー社会党(中道左派)→国有企業の民営化・外資導入で利権を保持した旧共産政権の富裕層とその配分を受ける貧困層が支持層。前政権の与党。

自由民主同盟(リベラル)→インテリ層が支持層。

フィデス=ハンガリー市民同盟(中道右派)→独立自営業者・農家など過度の民営化・外資導入に難色を示す中産層が支持層。現政権の与党。

ヨッビク(極右・ナショナリズム)→民営化・外資導入による経済発展から疎外された若年層が支持層。

帝国の再編か、国民国家への回帰か

2012年の米国大統領選挙についてエントリーしたい。結論から言うと、民主党・共和党どちらの候補が大統領になっても右の茶会党と左の「ウォール街を占拠せよ」を満足させられない。なぜなら選挙資金の出所が同じウォール街だからだ。米国は事実上の帝国としての地位に安住して脱却することができずに、中間層をさらに弱体化させていくことになりそうだ。

民主党はオバマ大統領再選を目指すが、以前のエントリーでも繰り返し述べたとおり、就任当初のエネルギー産業を軸とした国内産業復興をあきらめ、量的緩和を通じてウォール街の利害を代弁する方向に傾いている。オバマ当選を後押しした人々が「ウォール街を占拠せよ」運動に奔ったのはそのためである。

前駐中国大使が選挙戦撤退 ロムニー氏を支持へ 2012.1.16 12:46 MSN産経

共和党は予備選挙レースが佳境に入っている。

本命は穏健派のミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事である。彼はモルモン教で、またPEファンドの「ベインキャピタル」の創業メンバーであり、ウォール街の受けも良い。撤退してロムニー支持を打ち出したジョン・ハンツマン前駐中国大使も同様の出自(モルモン教徒・実業界出身)である。

対して宗教右派などを含めた保守派は候補が乱立していたが、カソリックのリック・サントラム元上院議員が頭一つ抜け出してきた。

中間選挙で旋風を巻き起こした茶会党を主導したミシェル・バックマン下院議員は撤退、茶会党の先駆的存在と云えるニュート・ギングリッチ元下院議長は支持が伸び悩んでいる。

注目すべきは、リバタリアンのロン・ポール下院議員が右の茶会党と左の「ウォール街を占拠せよ」運動の人々(もしくはそれらに近い無党派層)の支持を受けて予備選レースで2位か3位の位置に必ずつけてくることだ。

なぜならば民主党のオバマ大統領と共和党の穏健派ミット・ロムニーの最大献金先が、どちらもウォール街の金融機関(たとえばゴールドマン・サックスなど)だからである。この不満を吸収する形で過激なリバタリアンのロン・ポールが予備選レースで生き残っているのだ。

この政治的現象は見方を変えれば、帝国としての米国を選ぶか、国民国家としての米国を選ぶかの二者択一と云える。

かつてペルシア戦争で勝利したギリシアのポリスはアテネを盟主と仰ぎ、デロス同盟を結んだ。いつしかペルシアの圧力が薄れると、その同盟の課徴金を流用する形でアテネは事実上の帝国となった。

米国は第2次大戦後、ソ連との冷戦における資本主義国の軍事的・経済的盟主となった。冷戦終結後も、その盟主の立場を利用して世界中に経常収支の赤字をはき出す代わりに、資本収支の黒字を集めてきた。米国はかつてのアテネ同様の事実上の帝国となったのだ。

もちろん冷戦終結後、すぐにこうした帝国を選択したわけではない。

ブッシュ・シニア政権は、冷戦終結による“平和の配当”を求めた有権者によって再選を阻止された。それを受けたクリントン政権は、最初は保護貿易の対日圧力を強め、国内産業復興とそのための背骨となる国民皆保険制度を進めたが中間選挙に敗北して、安易に金融経済への傾斜を強め、事実上の帝国への道を歩み始めた。そしてオバマも当初のG2(米中協力)体制構築を翻して、対中封じ込めに舵を切り、帝国再編への道を進めている。

ロン・ポールが共和党の候補になれる可能性は薄いし、また大統領選挙で勝てる見込みも薄い。最終的に勝つには選挙資金の量(政治献金)がものを云うからだ。また現実的に帝国として世界中から資本を集める方が安易でもあり、産業を復興する国民国家への回帰は難しい。

しかし今回の彼の台頭は、1964年の大統領選挙でL・ジョンソンに大敗したバリー・ゴールドウォーターがのちのレーガンの登場を促し、宗教右派など南部への勢力拡張への道を開いたように、国民国家を希求する右の茶会党と左の「ウォール街を占拠せよ」運動を糾合するかもしれない。

おそらくは勝敗を別としてロン・ポールの台頭は、時代を画するものになるだろう。

三度、失敗するスタンダード&プアーズ

S&Pによって、フランスのソブリン債格付けが引き下げされた。焦点はフランス自体にはなく、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の枠組みを維持して、南欧諸国を救済できるかにかかってくる。

なぜならば、米国債の引き下げの際(このときもS&Pだった)にもエントリーに書いたが、バブルが崩壊したあとでは企業と家計が借金を完済するまで、政府の債務がどれだけ増えても長期金利は上昇しないのは、我が国の事例で証明済みだからだ。

リチャード・クー氏の唱える“バランスシート不況”を知った後では、政府債務の対GDP比が高くなっても、民間(市中銀行含む企業と家計)に借り手がいない間は長期金利は低落傾向が続く、と予測できる。我が国と同じ道を米国も独仏も辿る訳で、格付け会社の判断が間違っていることを再確認していくだろう。

借金を返済すること、つまり貯蓄することをバブル崩壊後の民間が優先するならば、貯蓄率は上がり、ソブリン債を発行するだけの原資が生まれる。民間への貸出先のない(もしくは自己資本比率を悪化させられない)銀行は安心してかつ喜んで(もしくは仕方なく)ソブリン債を買う。

実際そうなっているからこその長期金利の低金利なのだ。むしろ国内経済の資金循環から貯蓄分が漏れていくのを防ぐために、政府は財政赤字を増やさなければいけない。

財政赤字の拡大をしないでいると、我が国のようにデフレが悪化し各国に資本が流出していくことになる。米国は幸いと云うべきか、欧州の債務危機によって海外流出したQE2の量的緩和分が環流して来て、土俵際でデフレを抑えている。

さて量的緩和を始めた独仏(もしくはECB)の事態はどう推移していくのだろうか。

フランス「AAA」格付け1段階下げ、ドイツは維持-米S&P発表(2 2012/01/14 14:29 JST ブルームバーグ

S&Pは13日、フランスとオーストリアの格付けを「AA+」と、これまでの「AAA」からそれぞれ1段階引き下げ、さらなる格下げのリスクがあると発表した。フィンランドとオランダ、ルクセンブルクは「AAA」格付けを維持したものの、引き下げ方向で検討する「ウォッチネガティブ」に指定。スペインとイタリアも、今回格下げされた9カ国に含まれている。

今回の発表の影響が最初に試されるのは16日にフランスが実施する最大87億ユーロの証券入札となる。過去の経緯を見ると、利回りは少なくとも最初はさほど上昇しないとみられる。JPモルガン・チェースによると、1998年から昨年8月の米国債格下げまでの期間にAAA格付けを失った9カ国の10年債利回りは格下げから1週間の上昇率が平均で2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)にとどまっている。

(中段略)

S&Pのソブリン格付け担当マネジングディレクター、ジョン・チェンバース氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、EFSFの格付けは「保証を提供する国、特にトリプルA格付けの国に依存している」と語った。

コメルツ銀行の債券ストラテジスト、デービッド・シュナウツ氏(ロンドン在勤)は、「EFSFに関する戦略がどうなるのかは興味深いだろう」と語り、格下げで「AAA格付けのEFSF債の発行額が減少したり、あるいはEFSFがAAA格付け以外の債券の発行を始める可能性がある」と指摘した。


EFSF、トリプルA国の保証拡大か融資能力引き下げの選択肢=ユーロ圏高官 2012年 01月 16日 09:36 JST ロイター

[ブリュッセル 15日 ロイター] ユーロ圏高官は、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)について、トリプルA格の4カ国による保証拡大で格付けを維持するか、あるいは融資能力を引き下げるかの選択があるとの見解を示した。

EFSFはユーロ圏各国の保証により実質的に4400億ユーロの融資能力がある。

(中段略)

EFSFに詳しいユーロ圏高官は「トリプルA格を維持するため、EFSF出資者(ユーロ圏諸国)には2つの選択肢がある」と指摘。

ひとつはドイツ、オランダ、フィンランド、ルクセンブルクのトリプルA格4カ国の保証を引き上げることだ。ただドイツとフィンランドの世論が反対に傾いているためハードルは高い。同高官は「政治的に最も困難な選択とはっきり予期できる」と述べた。

2つめの選択肢は、資金余力を厚めにし、1800億ユーロの融資能力減を容認することだ。


フランス入札:借り入れコスト低下、投資家はS&P格下げ意に介さず 2012/01/17 00:23 JST ブルームバーグ

1月16日(ブルームバーグ):フランス政府が16日実施した入札で、借り入れコストは前回の入札時に比べ低下した。格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は13日にフランスの格付けを最上級から引き下げたが、投資家は意に介さなかったもようだ。

18億9500万ユーロ(約1840億円)相当の1年物の利回りは0.406%と9日の入札時の0.454%を下回った。政府は3カ月物と6カ月物も発行。利回りはいずれも低下した。発行総額は85億9000万ユーロとなった。

(中段略)

S&Pが昨年米国を格下げしたときも、投資家は米国債を買い続け、10年債利回りは7週間後に過去最低を付けた。格下げ後で最初の取引となったこの日、フランス10年債利回りはパリ時間午後3時14分現在3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.04%。昨年11月17日には約2年ぶり高水準の3.82%を付けていた。


EFSFを格下げ、「AAA」から「AA+」に1段階-S&P(1) 2012/01/17 06:35 JST ブルームバーグ

1月16日(ブルームバーグ):米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は16日、ユーロ圏の救済基金である欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の最上級格付けを引き下げた。S&Pは13日に、EFSFを保証するフランス、オーストリア両国の「AAA」格付けを下げている。

(中段略)

EFSFのクラウス・レグリング最高経営責任者(CEO)は、この格下げによって4400億ユーロ(約42兆8000億円)の融資能力が損なわれることはないとの見方を示した。

同CEOは電子メールを通じて配布した資料で、「EFSFは欧州安定化メカニズム(ESM)が今年7月に発足するまでの間、現行および今後調整もあり得るプログラムの下で、その使命を全うするのに十分な力を有している」と表明した。ESMはユーロ圏の恒久的な救済基金。

“ホルムズ海峡危機”を和平仲介する存在がいない

1996年の台湾総統選挙の際には、米中間の台湾海峡ミサイル危機となり2つの空母打撃群が展開した。しかし、今回の総統及び立法院のダブル選挙では米中の目立った軍事的な動きはなかった。

台湾国民は現状維持を選択した。ただし立法院が民進党が比較第1党か、もしくは議席を国民党に肉薄できなかったのはやや惜しまれる。今後、米国の対中封じ込めと中国の台湾併合の思惑は、朝鮮半島情勢含めて同時進行といったところだろう。

一方、今回のホルムズ海峡危機では米国は3つもの空母打撃群を展開させている。現時点の米国にとって、どちらが緊急性のある危機かはこれで理解できる。英国も最初の演習となる最新鋭の駆逐艦デアリングを派遣した。

原油:ホルムズ海峡迂回油送管、稼働へ UAE 毎日新聞 2012年1月13日 9時32分

 イランの核問題をめぐり、原油輸送の大動脈ホルムズ海峡の緊張が高まる中、産油国アラブ首長国連邦(UAE)のハミリ・エネルギー相は13日までに、ホルムズ海峡を迂回(うかい)し原油を送る同国の陸上パイプラインが「ほぼ完成し、5~6月までに稼働できる」と述べた。ガルフニューズ紙が伝えた。

 米エネルギー省によると、ホルムズ海峡は2011年の世界の海上輸送原油の35%が通過。日本向け原油も多くが通過する。UAEは日本の原油輸入先の第2位(20.4%)を占め、稼働が始まれば、海峡封鎖などの危機が発生しても、UAEの原油を輸出できる重要な代替ルートとなる。(カイロ共同)


イランが核兵器を保有した場合、これがシリア、レバノン、パレスチナに渡ればイスラエルの死活問題になる。イスラエルによるシリアとイラクへの核施設単独空爆の場合と違い、イランまでの距離と複数及び地下施設の存在を考えると実行不可能だろう。イスラエルの選択肢は少ない。

また、イランの核兵器が同様に中南米・カリブ海の反米国家(キューバ、ベネズエラ、エクアドル)に渡れば米国の威信と国防そのものに関わる。“キューバ危機再び”となりかねない。

北朝鮮の核開発の1994年第一次危機では、カーター元大統領が金日成との交渉に乗り出して収拾したが、今回の危機では当時のイラン帝国を失ったのがカーター政権そのものなので交渉に乗り出すことは難しい。

歴史上、第一撃を敵国に放ってもらわない限り、米国は軍事行動に打って出にくいこともまた事実であろう。イラン海軍の高速艇ごときが米国海軍の揚陸艦に接近するくらいでは米国世論は動かせない。

英国以外の欧州は現在の債務危機の収拾が優先するとともに、リビアから原油を輸入依存していた南欧諸国(イタリア、スペイン、ギリシア)がイランからの輸入にも依存している。リビアに続きイランからも輸入ストップ、となればただでさえ厳しい経済状況が如何ともしがたくなる。

ロシアはエネルギー資源の収入に依存している以上、間接的にはホルムズ海峡危機が限定的な戦争にまで発展してもそれほどの痛手はない。アフガニスタンへの直接侵攻がソ連滅亡の一因になったことを考えれば、現在の中央アジアの旧ソ連圏を守れれば、直接介入の可能性もほとんどない。この前のシリアへのロシア海軍の空母寄港自体、シリアのアサド政権への支援の意味合いよりも空母訓練の一環の意味合いの方が強かった。

中国にしてみれば、イランとの緊張が高まることで対中封じ込めのスピードが弱まり時間稼ぎができる点では好ましい。原油禁輸に同調しなければコルレス口座への締め付けが予想される点では苦しい。さすがにハードカレンシーでもない人民元で原油輸入を拡大できるとも思えない。

イランが自国のイスラム共和政の維持のために核兵器を所有することが目的だったとすれば、そのほかのスンニ派主流のイスラム国家がイスラム教に基づく民主主義になろうとしている現在、もはやイスラム革命によって利権を獲得した法学者と革命防衛隊などの権益保持(体制維持)の道具にしかなりえなくなる。つまり北朝鮮と同じ程度の政治的目的しか有しない。

おそらくスンニ派とシーア派、ペルシア人とアラブ人の相違もあり、アラブ連盟などの仲介も期待できない。

我が国にとっても自民党政権下で友好関係を保ってきたイランとの外交的パイプは、普天間問題の混乱で米国に譲歩した鳩山政権のときに断たれた、と考えるべきだ。ともかくUAEのホルムズ海峡迂回パイプラインが稼働するまで危機が海峡封鎖にならないことを願う。

各国の内政事情を鑑みると、意外とホルムズ海峡危機を利害の関わらない第三者として仲介する大国がいないことがわかる。外交的行き詰まりが各国の内政に自家中毒を起こすのもまた危険なのだが、とは云え自家中毒が戦争へと結びつくのも望ましくない。

次期、すなわち最期は岡田“旧経世会”政権

野田内閣が改造され、予想通り通常国会召集前に問責された閣僚が事実上更迭された。注目すべきは副総理として岡田氏が入閣したことだ。これで鳩山政権の例に倣い、野田政権下で解散総選挙にならず、内閣総辞職となる場合、次期首相は岡田副総理がなる、と見て良いだろう。

リベラル(鳩山)→菅(極左)→野田(新自由主義)→岡田(旧経世会)の政権たらい回しで民主党は終焉を迎えることになる。

副総理に岡田氏、消費増税へ態勢強化、一体改革担当-野田改造内閣(2 2012/01/13 13:44 JST ブルームバーグ

1月13日(ブルームバーグ):野田佳彦首相は13日、内閣改造を断行した。民主党の岡田克也前幹事長が副総理兼社会保障・税一体改革担当相に就任するなど5人を入れ替えた。消費税増税が最大の焦点となる24日召集の通常国会に向けて態勢を強化するのが狙いだが、昨年9月に発足した野田内閣が、わずか4カ月で一部閣僚を交代させることになった。藤村修官房長官が同日昼、会見し閣僚名簿を発表した。

政権ナンバー2の副総理となる岡田氏は政治資金規正法違反の罪で強制起訴されている小沢一郎元代表への党員資格停止処分を主導した。これに対し、参院で問責を受けて退任することになった一川保夫防衛相と山岡賢次消費者行政担当相は共に小沢氏が率いていた旧自由党の出身で、同氏に近い議員が閣外に去ることになる。

藤村官房長官は会見で、岡田氏の入閣について「社会保障・税一体改革という大テーマを抱えて、それに向けての岡田副総理という狙いもあったと思うが、態勢の強化、こういうことだと思う」と説明。同氏の要職起用で今後の党内融和への影響を懸念する声があるとの質問に対しては、「さまざまな見方があって、どれが正しいとは言わないが、しっかりと党内をまとめていける、十分に配慮された人事だ」と反論した。

問責閣僚
政治評論家の有馬晴海氏は「内閣改造の意味は問責閣僚を排除することだ。それだけだと後ろ向きの改造なので、安定感のある岡田氏の起用で重量感のある内閣に見せたいということだ」と分析。「岡田氏がくれば消費税増税が進むという話でもないが、進めようとしている姿勢を示す意味は多少あるだろう」との見方を示していた。

一川氏の後任の防衛相には田中直紀参院議員、山岡氏の後任の消費者行政担当相には松原仁国土交通副大臣が就任する。このほか、法相に小川敏夫民主党参院幹事長、文部科学相に民主党国対委員長だった平野博文元官房長官が再入閣する。安住淳財務相、玄葉光一郎外相ら12人は留任する。田中直紀氏は民主党の田中真紀子元外相の夫で、参院外交防衛委員長を務めたことがある。

改造で交代する閣僚は一川、山岡の両氏に加え蓮舫行政刷新担当相、平岡秀夫法相、中川正春文部科学相の計5人。藤村氏は5閣僚交代の理由については「今日までの大きな足元の課題に加えて、さらに一体改革という逃げて通れない、避けて通れない大きな課題に対する態勢の強化をしたいということだ」と述べるにとどめた。岡田氏は一体改革のほか、新設した行政改革担当や蓮舫氏が担当していた行政刷新なども兼務する。

共同通信が8日に公表した世論調査(7、8両日実施)によると、野田内閣の支持率は35.7%と昨年12月の調査より8.9ポイント減少。不支持率は10.2ポイント増の50.5%と増え、支持率と逆転した。政権発足当初の昨年9月2、3両日の調査では支持率が62.8%に上っていた。

民主党は11日の与野党国会対策委員長会談で通常国会を24日に召集する方針を伝達。各党ともこれを了承したが、自民党の岸田文雄国対委員長は一川、山岡両氏が閣僚を続ける限り、本会議の日程調整などには応じない考えを示していた。民主党は召集日に首相の施政方針演説など政府4演説を行いたい考えだ。


消費税増税にならなければ解散総選挙で『信を問う』にしても大敗必至の民主党の代議士が受け入れるとも思えない。必ず民主党内で倒閣のモメンタムが働き、党代表選挙の間がないため副総理がそのまま横滑りして政権を握るシナリオが考えられる。

よしんば(かなりのナローパスだが予算関連法案を含めて)増税が通った場合、任期満了近くまで粘っての解散総選挙は、橋本政権の消費税増税後の消費不況と同じくらいの逆風下で戦うことになり、民主党の代議士は全滅に近い議席になるだろう。

さらに岡田副総理が政権を握る場合、再びマニフェストを持ち出してさらなる混乱のなかで衆院の任期満了総選挙を迎える公算が高い。

野田首相が一体改革に「政治生命賭ける」 解散の可能性も示唆 2012.1.14 13:07 MSN産経

名目成長4%の脱デフレ条項を 消費増税災厄を避けよ(編集委員・田村秀男) 2012.1.15 09:12 MSN産経

 野田佳彦首相は消費税率引き上げが不成立となれば衆院解散・総選挙で国民の信を問う構えのようだ。野田氏は深刻化する超円高デフレにお構いなく、消費税引き上げ法案という爆弾を抱え、いわば「自爆」してまで増税を実現する覚悟だというわけだが、国民が自爆の道連れにされてはかなわない。

可処分所得の減少

 増税爆弾はどのくらいの災厄を日本国民と経済にもたらすのだろうか。財務次官OBで増税派と目される武藤敏郎理事長の大和総研が、消費増税を柱とする「社会保障と税の一体改革」について大変参考になるリポートを出した。それによると、子供が2人いる年収500万円の標準世帯では消費税分16万円など負担増で可処分所得が約31万円も目減りする。可処分所得とは、家計の収入から税、社会保険料などを差し引いた手取りのことだ。それが月額平均で2万5833円、勤労日ベースで1日約1千円も減るではないか。

 コンビニ弁当で昼食を済ませていたサラリーマン・ウーマンは、朝食や晩飯の残りを弁当に詰めて出勤しても、まだ600円以上も足りない。月に1、2回にとどめていた居酒屋にもめったに行けなくなる。さらに復興増税も加わるので、家計負担はもっと増える。

 火の車の家計は家族が倹約に努めてなんとかやりくりできるかもしれないが、国全体としてはどうにもならない怖いことが起きる。すでに始まっている超円高・デフレ不況の深刻化である。

 日本の慢性デフレの症状は、需要不足のために起きる物価の下落以上に可処分所得が下がることである。勤労者世帯の2010年のひと月当たり可処分所得は13年前の1997年に比べ6万6700円、13・4%減ったが、前年比平均で1%、4770円ずつ下落してきた。日本型デフレ病は極めて緩やかで超長期にわたり所得が縮むのが特徴だった。

 そこで筆者はこのデフレを「茹(ゆ)で蛙」の寓話(ぐうわ)に例えた。蛙は常温の水を入れた鍋に入れられ、時間をかけて熱せられてもじっとしている。日本の勤労者は蛙と同じように、少しずつデフレ水の温度を上げられているために、何かおかしい、懐具合がどうも悪いな、と思いつつも、そんな日常に順応してしまっていたのだが、今度は一挙に火勢が強くなり、熱い、と叫ぶが、それまでの慢性デフレのために飛び出す気力も体力もうせている。

税収減少で財政悪化

 日本は海外に対して260兆円もの純債権を持つ世界最大の債権国なのに、大増税までして国民の所得を召し上げるのだから、海外の投資家は率先して日本国債を買い、円相場をつり上げている。超円高は止まらず、企業は国内投資、国内雇用をあきらめる。リーマン後40兆円も縮小した国内総生産(GDP)はもっと下がり、所得税、法人税の合計税収の減少額は消費税の増収分を上回るだろう。

 現に、1997年度の消費増税と社会保障負担引き上げ後にはデフレが再発し、全体の税収が大幅に減った。今回も財政は悪化し、2010年代半ばには消費税を15%、20%にせよと財務官僚が騒ぎ立てる姿が今から目に浮かぶ。

 経済のパイそのものであるGDPの名目値が増加しない限り税収は増えない。少子高齢化が進み具合からみて、いずれ消費増税はやむをえないとしても、財政収支均衡化は脱デフレなくして達成できない。社会保障財源と財政健全化の同時達成のためには適正な物価の上昇と経済成長が欠かせないことを、政治家は再認識してほしい。

 野田首相が本気で「日本再生」を達成したいなら、消費増税の発動条件として、名目成長率4%以上を明記した脱デフレ条項を盛り込むべきだ。野田政権自体、国家戦略会議を通じて成長戦略を策定するようだが、作業は極めてのろい。名目成長率の押し上げに向け、それこそ「不退転の決意」で臨むのが政治責任というものなのに、増税実現しか頭にないようだ。

 岩田規久男学習院大学教授の試算によれば、名目成長率4%が11年度以降継続すれば、15年度の国税収入は10年度(41・5兆円)比で23兆~37兆円も増える。もちろん、インフレ率がプラスに転じると、金利が上昇し、国債利払い費が増える可能性がある。財務官僚はそれを理由に、脱デフレに背を向ける。ならば消費増税の余地を残せばよい。金融機関や投資家は安心して日本国債を買い続けよう。

 野田首相が耳を貸さなければ、与党内の批判勢力も政権奪回をめざす自民党も、明確な脱デフレ条項条件付きの消費増税法案を逆提案すればよい。政局の道具にするだけではなんにもならない。

貿易収支の赤字定着の要因

11月の国際収支状況(速報)が発表された。

東日本大震災後の貿易収支の赤字傾向が変わらない。もはや定着したといえる。主要因はやはり原発の運転停止に伴う液化天然ガス(LNG)の輸入増加だろう。貿易収支の再黒字化への観点からは原発の運転再開の政治的コンセンサスが必要になる。

それ以外の経常収支の傾向は望ましい。サービス収支では平成15年以降に「特許等使用料」が黒字化し、リーマン・ショック後のここ2年を除けば増加傾向にある。所得収支も円高にもかかわらず同じくリーマン・ショック前後を除けば増加傾向にある。

経常黒字額は9カ月連続減、予想上回る減少率-貿易・サービス赤字(1  2012/01/12 09:18 JST ブルームバーグ

1月12日(ブルームバーグ):11月の日本の経常収支黒字額は9カ月連続で減少した。貿易とサービス両収支が赤字となったことが主因で、輸出は2カ月連続で前年割れとなった。

財務省が12日発表した11月の国際収支状況(速報)によると、海外とのモノやサービスの取引状況を示す経常収支黒字額は前年同月比85.5%減の1385億円だった。貿易収支とサービス収支の赤字額はそれぞれ5851億円、1151億円。一方、海外投資からの収益を示す所得収支は、配当金や直接投資収益の増加などで黒字幅が拡大、同13.0%増の9340億円となった。

ブルームバーグのエコノミスト調査によると経常収支の予想中央値は同74.8%減の2468億円の黒字、貿易収支は5994億円の赤字。

第一生命経済研究所の星野卓也エコノミストは統計発表前のリポートで、経常黒字が9カ月連続で前年割れすると予測。輸出の弱含みなどによる貿易赤字が主因とし、「今後も外需の減速を背景に輸出は伸び悩みが予想され、貿易収支が経常黒字拡大の足を引っ張る構図は続こう」との見方を示した。

貿易収支の内訳は、輸出額が前年同月比3.1%減の4兆9909億円と2カ月連続で減少。輸入額は同14%増の5兆5760億円で、23カ月連続で増加した。

政府は12月の月例経済報告で、景気が「依然として厳しい状況にあるなかで、緩やかに持ち直している」として総括判断を据え置く一方、先行きは欧州の政府債務危機を背景とした海外景気の下振れや為替相場・株価の変動をリスク要因として指摘した。


むしろ、11月の国際収支で特筆すべきなのが、資本収支と外貨準備高増によってバランスされている約8兆円もの巨額なカネの動きだ。為替介入の結果であるのは云うまでもないが、これでは経常収支全体が誤差脱漏のように見える。

参考URL:
国際収支の推移:財務省

“利権分配の代理人”

前日のエントリーでヒップホップのことを書いたので、年頭にユッスー・ンドゥールがセネガルの大統領選に立候補表明したことと併せて、ワイクリフ・ジョンがハイチの大統領選に立候補したことを思い出した。そこでややもすると新鮮味を欠いているが、このニュースを取り上げたい。

フージーズのリーダーだったワイクリフ・ジョンがハイチの大統領選に立候補したとき、率直に「それは無理があるだろう」と思った。彼の立候補は憲法の規定上、資格なしとされたので、最終的に同じく政治経験皆無のミュージシャンであったミシェル・マテリが当選した。

そもそも独立以来“失敗国家”であり続けるハイチの大統領に誰がなっても変わらない気もする。特段の産業もなく海外からの援助利権しかないハイチにおいて、政治家が限られた“利権分配の代理人”であることを理解しない限り、なんの利害関係を持たない故に選出されたこの大統領は、なんの成果も上げられないだろう。それはセネガルも同じことだ。

ユッスー・ンドゥール、セネガル大統領選に出馬へ 2012年 01月 4日 13:16 JST ロイター

[ダカール 3日 ロイター] セネガル出身のグラミー賞受賞歌手、ユッスー・ンドゥール氏が、2月26日に行われるセネガル大統領選への出馬意向を表明した。現職のアブドゥラエ・ワッド大統領に挑むことになる。

1988年のサッカーワールドカップ(W杯)フランス大会の公式テーマ曲を担当し、2004年にはアルバム「エジプト」でグラミー賞を受賞したンドゥール氏は、セネガルの若年層に強い人気がある。また、過去11年にわたって政権の座に就き、再選を目指すワッド大統領を声高に批判してきたことでも知られる。

ンドゥール氏は2日遅く、自身が所有するテレビ局TFMで「私は候補者だ。大統領選に出る」と表明。国民の平均所得が1日3ドルと言われるセネガルで政権交代を目指すことを明らかにした。

ただ、専門家の間では、ンドゥール氏に一定の票が流れるとみられる一方、対立候補の乱立で票が分散すれば、現職ワッド大統領に有利に働く可能性も指摘されている。


ユッスー・ンドゥールを知ったのは、ピーター・ガブリエルの傑作アルバム『So』(1986)の一曲「In Your Eyes」に客演したときだった。その後、1990年代のワールドミュージックの高揚のうねりのなか「7 Seconds」(1994)で商業的な成功を収めた。

ブラックアフリカの国家元首に多選による長期政権で老人が多いのは、単純に新しく分配できる利権が生まれたり、育つ機会がなく、過度な利害関係の調整が必要ないからにほかならない。硬直化した利権を分配し続ければいいのであって、そのためには同じ政治家が支配者の地位にいた方がいいに決まっている。下手に分配の仕組みを変えるだけで部族間の利害闘争が生じる。

出自がミュージシャンであるかどうかは別として、一次産品などの利権しかない国家では“ポピュリスト”としての嗅覚を持たなければ、政治経験皆無の素人は議会と折衝ができず、収拾の付かない状態へと持って行ってしまうだろう。

メキシコ革命(メキシコのNAFTA加盟はこの利権構造を変更させた)やソ連の崩壊からプーチンの台頭(プーチンの日本に対する外交的アプローチは、この利権構造を脱却するための技術・資本導入が目的)などの例を見れば容易に想像が付く。

ハマーもエコカーです! MCハマーではありません!

米国の自動車関連団体は「日本市場が平等でなく閉鎖的だ」と、民主党・山田前農水相らに述べたそうだ。一方、2011年の輸入車新規登録台数は、前年比22.5%増の27万5644台と好調で2年連続で前年を大幅に上回った。12月に限れば、タイの大洪水の影響によって日本メーカーの海外生産車の輸入が減るなか、外国メーカー車は同26.5%増の2万2985台と大幅プラスとなっている。

何をか況んや。要するに円高ドル安の昨今、市場参入の努力をするよりも議会や政府へのロビー活動の方が費用対効果が高いと見込んでいる訳だ。実際、エコカー減税・補助金の指定の際に「ハマーH3 V8」をごり押ししてきたことは忘れられない。

全く脱線するが、MCハマーがリック・ジェームズの曲「Super Freak(Part1)」をサンプリングした「U Can't Touch This」(1990)をリリースしてブレイクしたら、ほかのラッパーたちにディスされまくった。当のラッパーたちもダンサーをフィーチャーしたPVを作りまくっていたのにも関わらず。

その後のヒップホップは、専門雑誌などの批評空間は整えられたものの、MCハマーに代表されるダンス要素を排除したり、ギャングスタ・ラップの台頭と抗争によりライミングの質低下を招いたり、サンプルの音源枯渇と版権問題からトラックが難解になり、限定されたジャンルとなって市場規模が縮小、かつてのSFに見られた“浸透と拡散”の事態を迎えてしまった。

その音楽ジャンルが“唄って踊れるもの”の座から転落すると“ジャズからロック”へとポップミュージックの主流が変遷したような現象が起きる。それがヒップホップにも起きたのだ。

要するに一般のリスナーを無視した米国のヒップホップは市場を拡げる機会を自ら潰したのだ。脱線したようでいて実のところ、日本の消費者を無視した日本の輸入車市場における米国車も同じ文脈で理解できるような感がする。

米自動車関連団体、日本のTPP参加に反対 2012年1月10日 11:00 NEWS24

 TPP(環太平洋経済連携協定)の交渉に参加することに反対している民主党・山田前農水相らが9日、アメリカの産業界などと意見交換するためワシントンを訪問し、自動車関連団体の幹部から日本のTPP入りを反対されたことを明らかにした。

 山田前農水相らは9日、コメや小麦などの業界団体幹部と意見交換した。このうち、全米自動車政策協議会との会談では「日本市場が平等でなく閉鎖的だ」として、TPP参加を反対されたことを明らかにした。山田前農水相は「日本が参加しても何のメリットもないし、日本に対しては非常に懐疑的だと」と話した。

 一行は、日本が交渉に参加する場合、アメリカが何を条件にしようとしているのか、情報を収集することを目的に、10日以降も牛肉や製薬などの業界団体を訪問する予定。


輸入車販売、外国メーカー車販売好調で5か月連続プラス…12月 2012年1月11日(水) 21時48分 レスポンス

日本自動車輸入組合が発表した12月の輸入車新規登録台数は前年同月比16.3%増の2万6265台と、5か月連続で前年を上回った。

日本メーカーの海外生産車が低迷したものの、BMWやフォルクスワーゲン、メルセデスベンツ、ボルボなどの販売が好調で全体を押し上げた。

外国メーカー車は同26.5%増の2万2985台と大幅プラスとなった。日本メーカーの海外生産車は同25.7%減の3280台と低迷した。

車種別では乗用車が同17.2%増の2万5063台、貨物車が同1.1%増の1201台だった。


輸入車新車販売、2年連続でプラス…2011年 2012年1月11日(水) 18時28分 レスポンス

日本自動車輸入組合が発表した2011年の輸入車新規登録台数は、前年比22.5%増の27万5644台と好調で2年連続で前年を大幅に上回った。

日系自動車メーカーが東日本大震災の影響で自動車の生産を減産、新車の供給に大幅な遅れが出た中で、輸入車は順調に販売を伸ばした。

外国メーカー車は同13.1%増の20万5857台と2ケタの伸びとなった。フォルクスワーゲンやBMW、アウディなどの主要モデルの販売が好調だった。

日本メーカーの海外生産車も依然として日産のマーチ効果で同62.3%増の6万9787台と高い伸び率となった。

車種別では乗用車が同22.2%増の26万0707台、貨物車が同27.3%増の1万4879台だった。

ドイツも“デフレの世界にようこそ”

欧州の債務危機(カネの流れ)が“景気後退”として実体経済(モノの流れ)の指標に現れ始めた。ドイツの11月製造業受注は前月比4.8%低下、ドイツの11月鉱工業生産は前月比0.6%低下、一方でドイツの11月輸出は前月比2.5%増加で景気を下支えした。

リスクを嫌う資金はドイツのソブリン債に流れ込み、ドイツの6ヶ月物証券の利回りは-0.01%、2年物は0.138%となった。民間銀行は資金増強を迫られており、国内1位のドイツ銀行が100億ユーロ、2位のコメルツ銀行は60億ユーロが必要額と表明している。

バブル崩壊後の政府は、公共事業による財政出動で内需を下支えするとともに、市中の民間銀行に資本注入をして企業への貸し渋り・貸し剥がしを防ぎつつ、貸し出しによる利鞘によって、銀行のバランスシートを改善(不良債権処理)させなければならない。GDPの規模を保つにはこれが最善であることは我が国の経験から明らかだ。

しかし、ドイツ政府は財政均衡をもくろみ、銀行への資本注入を避けている。ドイツの各銀行は国内外の優良資産売却か市場から資本調達するとともに、ECBの量的緩和によってなんとか利鞘を稼ぐことになる。おそらくドイツ国内の中堅・中小企業から貸し渋り・貸し剥がしの被害が及んでいくことになる。

ドイツの各企業も借金返済・内部留保を優先するとともに、デフレとユーロ安のなかで可処分所得が減るために内需が伸び悩み、輸出に頼らざるを得なくなる。ドイツのみがユーロ安による“実感なき景気拡大”を享受するかもしれないが、南欧などのユーロ圏諸国は若年失業率50%の地獄が続くことになる。また、銀行や市場から資金調達ができない経験によって現金収入しか信じなくなった企業は、大企業から順繰りに資金調達の意欲が減退・回復しなくなり、銀行は預金を集めても元本が100%保証されたドイツのソブリン債しか投資先がない状況になる。

ドイツもまた“デフレの世界にようこそ”としか云いようがない。

11月の独製造業受注、前月比4.8%低下-3年で最大の落ち込み(1) 2012/01/06 21:03 JST ブルームバーグ

1月6日(ブルームバーグ):ドイツでは昨年11月の製造業受注が前月から減少し、約3年ぶりの大幅低下となった。ユーロ圏がリセッション(景気後退)の瀬戸際にあるほか、世界的な需要の落ち込みが響いた。

独経済技術省が6日発表した2011年11月の製造業新規受注指数(季節調整済み)は前月比4.8%低下し、2009年1月以来で最大の落ち込みとなった。10月は5%上昇(改定前=5.2%上昇)だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト25人の調査中央値では1.8%低下が見込まれていた。11月の指数は前年同月比では営業日数調整済みで4.3%低下した。

キャピタル・エコノミクス(ロンドン)のエコノミスト、ジェニファー・マキューン氏は「ユーロ圏の中で最も経済が強い国の一つであるドイツでさえも、かなり大幅な下降局面に向かっているのは明らかだ」と指摘。「受注は非常に明確に下向きトレンドとなっている。鉱工業生産もそうだ」と付け加えた。

発表によると、ユーロ圏諸国からの受注は4.1%減と、10月の8.2%増から落ち込んだ。ユーロ圏外からは10.3%減り、国内は1.1%減少した。投資財は6.5%、消費財は2%それぞれ減った。


11月のドイツ輸出:予想上回る回復-債務危機の下で経済下支え  2012/01/09 16:59 JST ブルームバーグ

1月9日(ブルームバーグ):ドイツの11月の輸出は前月の落ち込みから回復した。欧州債務危機が成長見通しを曇らせる中で独経済の下支えに寄与した。

ドイツ連邦統計庁の9日の発表によると、11月の輸出(営業日・季節調整済み)は前月比2.5%増加した。10月は2.9%減(改定値)。ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト13人を対象に行った調査の予想中央値は0.5%増だった。輸入は0.4%減(10月は0.1%増)。

コメルツ銀行のエコノミスト、ウルリケ・ロンドルフ氏は11月の輸出について、「10月の大きな落ち込みの反動とみるべきだ。ドイツの輸出の伸びは鈍化しており、企業は需要の減少に直面している」と述べた。

11月の貿易黒字は162億ユーロと、10月の115億ユーロから拡大。経常黒字も143億ユーロと、前月の100億ユーロを上回った。


ドイツ:11月鉱工業生産、前月比0.6%低下-予想以上の落ち込み(1) 2012/01/09 20:34 JST ブルームバーグ

1月9日(ブルームバーグ):ドイツでは昨年11月の鉱工業生産がエコノミスト予想以上に落ち込んだ。投資財と消費財の生産減少が響いた。

独経済技術省が9日発表した2011年11月の鉱工業生産指数は前月比0.6%低下した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト30人の予想中央値は0.5%低下だった。前年同月比(営業日数調整後)では3.6%上昇した。

10月は前月比0.8%上昇、前年同月比4.2%上昇(改定値)だった。

ベレンベルク・バンク(ロンドン)のエコノミスト、クリスチャン・シュルツ氏(ロンドン在勤)は「受注残はもうすぐなくなる。だが、ドイツの経済状況は極めて堅固で、急速に回復するだろう」と語った。

11月の生産は投資財が前月比1%減少、消費財は0.7%減となった。エネルギーが0.4%減少した一方、建設は4.5%急増した。


ドイツ入札:6カ月物証券利回り、初のマイナス-危機懸念の高まりで 2012/01/09 21:21 JST ブルームバーグ

1月9日(ブルームバーグ):ドイツ政府が9日実施した証券入札で、落札利回りが初めてマイナスとなった。欧州各国が債務危機封じ込めで苦戦する中、比較的安全とされるドイツの証券を求める投資家の動きが示された。

当局が電子メールで配布した資料によれば、6カ月物証券の平均落札利回りはマイナス0.01%。発行額は39億ユーロ(約3820億円)、応札倍率は1.8倍だった。

ロンドン時間午前11時40分(日本時間午後8時40分)現在、独2年債利回りは0.16%で、前週末からほぼ変わらず。独10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.88%となっている。

欧州債(9日):独2年債が上昇、利回り過去最低-ギリシャ債は軟調 2012/01/10 02:46 JST ブルームバーグ

1月9日(ブルームバーグ):9日の欧州債市場ではドイツ2年債相場が上昇し、利回りは一時、過去最低を記録した。メルケル独首相とフランスのサルコジ大統領が会談したものの、債務危機波及への懸念を和らげるには至らなかった。

独政府がこの日実施した6カ月物証券入札で、落札利回りが初めてマイナスとなり、安全性を求める投資家の動きが示された。独10年債は下げを消した。同国の昨年11月の鉱工業生産が前月比で減少し、成長失速の兆候が強まったことが手掛かり。

ギリシャ国債も軟調。同国債を保有する民間債権者との話し合いが物別れに終わるとの懸念が売り材料。

クレディ・アグリコルCIBの欧州金利戦略責任者、ルカ・イェリネック氏(ロンドン在勤)は「不透明な環境下で流動性を投じる対象として短期債が重宝されており、そういう点で短期債は金融市場の主流からやや遊離しつつある」と語った。

ロンドン時間午後4時2分現在、独2年債利回りは前週末比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.14%。一時は0.138%まで下げ、ブルームバーグがデータ集計を開始した1990年以来の最低となった。同国債(表面利率0.25%、2013年12月償還)価格はこの日、0.045上げ100.205。独10年債利回りは1.86%と、前週末からほぼ変わらず。

メルケル首相とサルコジ大統領がこの日説明した債務危機への対応策によると、ユーロ圏首脳は新たな財政規則に月内に署名する可能性がある。また、今年設立される恒久的救済基金である欧州安定化メカニズム(ESM)への資本払い込みを迅速化することも検討されている。

ドイツ当局によると、6カ月物証券の平均落札利回りはマイナス0.01%。発行額は39億ユーロ、応札倍率はほぼ2倍だった。また、独経済技術省が同日発表した2011年11月の鉱工業生産指数は前月比0.6%低下。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト30人の予想中央値は0.5%低下だった。

ギリシャ2年債の利回りは前週末比41bp上昇し176%と、過去最高を記録。価格は20.975に下落した。


ドイツ銀、100億ユーロ資本増強か、3月に発表も-メディオバンカ 2012/01/10 00:59 JST ブルームバーグ

1月9日(ブルームバーグ):独銀最大手のドイツ銀行は、資本不足に関する投資家と規制当局の懸念を払拭するため資本を100億ユーロ(約9800億円)増やす可能性があると、メディオバンカのアナリストらが指摘した。

クリストファー・ウィーラー氏らメディオバンカのアナリストは9日のリポートで、ドイツ銀が資産運用事業の80%の売却で15億ユーロを調達し、85億ユーロ相当の新株を発行する計画を3月初めの2011年決算発表後に明らかにする可能性があるとの見方を示した。

監督当局は銀行に資本強化を迫る新規則の導入を急いでいる。ドイツ銀はバーゼル銀行委員会の新規則を目標の2019年よりも前に達成することを迫られる可能性があるとアナリストらは指摘。ドイツ銀の新経営陣は相対的に弱い資本基盤の問題に「どちらかといえば早期に」対処しようとするだろうと書いている。メディオバンカはドイツ銀の投資判断を「ニュートラル」から「アンダーパフォーム」に引き下げた。

ドイツ銀の広報担当者、ロナルト・ワイヒェルト氏はコメントを控えた。


独コメルツ銀:今年の必要資金調達額が低下-最大で60億ユーロ 2012/01/10 09:41 JST ブルームバーグ

1月9日(ブルームバーグ):ドイツの銀行2位コメルツ銀行は、2012年に必要な資金調達の最高額が60億ユーロ(約5900億円)に低下したことを明らかにした。ウェブサイトに9日掲載したプレゼンテーション資料で示している。

コメルツ銀は昨年11月のプレゼンテーションで、今年必要とする資金調達額が60億-80億ユーロになるとの見通しを示していた。同行は昨年の段階で今年のために20億ユーロ余りを調達済み。来年からは調達ニーズが一段と低下するとの見方を繰り返している。

同行はまた、計画する調達手段の構成を変更。60億ユーロのうち約3分の1をカバード債とし、残りを無担保債による調達に切り替えた。昨年11月時点では4割を無担保債、6割をカバード債としていた。

エリック・シュトラッツ最高財務責任者(CFO)はニューヨークでのプレゼンテーション用の資料で、市場が「受け入れ可能」かつ価格が「魅力的」な場合に限り、公募を実施するだろうと説明している。

クリントン第1期政権とオバマ政権の類似性

クリントン元大統領とオバマ大統領の政権発足当時の政策には非常に似通ったものがあった。国内産業の再興、そして産業を担う労働者を支える国民皆保険制度の創設がまさにそれだった。

現在の国務長官でもあるヒラリー・クリントンは、クリントン第1期政権で国民皆保険制度の創設に取り組んだが失敗した。オバマ大統領は予算の裏付けなしの形だけでも制度は作った。その代償は、故テッド・ケネディ上院議員の強固な地盤であった議席を失ったことと、のちの茶会党の活動を勢いづけたことだろう。

オバマ政権の中間選挙とクリントン政権の第1期の中間選挙とも、民主党大敗・共和党躍進の結果となった。

オバマ政権の中間選挙で政治的高揚のピークを迎えた茶会党同様に、当時のクリントン政権の中間選挙の共和党の大勝は、下院議長ニュート・ギングリッチ氏(共和党)の政治的キャリアのピークでもあった。

彼は“アメリカとの契約”を打ち出し、財政均衡予算案を押しまくり、その対立から暫定予算が通らず、同年の冬に政府機関を一時運営停止させた。茶会党は彼の主張・行動と同じことを繰り返しているのだ。

クリントン第1期政権は共和党の主張を丸呑みする形となり、発足当時の保護貿易・国内産業復興の政策を引っ込めてしまい、再選支援と引き替えにウォール街に便宜を図った。1999年のグラス・スティーガル法の一部無効化によってドットコムバブルを引き起こし、不動産バブルまでの流れを余儀なくした。クリントン第2期政権の末期には貿易収支の赤字を第1期開始時の倍にしてしまった。

オバマ政権がクリントンの悪しき轍に倣うのであれば、オバマ再選もあり得る。

新エネルギーを中心とした国内産業振興の政策は、東日本大震災による福島第一原発事故と国内太陽電池メーカーの破綻、「シボレー・ボルト」の事実上のリコールで頓挫した。少なくともQE3による量的緩和で家計における株式の資産価値を高めて、消費を喚起するしかなさそうだ。オバマ大統領は資金面においてはウォール街、支持者面では『ウォール街を占拠せよ』の人々に依存しなければならないジレンマを抱えているのだ。

となると、もっともラディカルに思えるリバタリアンのロン・ポールの経済政策の方が、国民国家のそれとしては正しく聞こえるのが皮肉の極みだ。

オバマ米大統領の再選の可能性上昇か-雇用改善に伴う失業率低下で 2012/01/07 15:44 JST ブルームバーグ

12月米雇用統計:非農業部門雇用者数20万人増、失業率も低下(2) 2012/01/07 01:33 JST ブルームバーグ

1月6日(ブルームバーグ):昨年12月の米雇用統計は、雇用者数が予想以上に増加し、失業率も低下した。

米労働省が6日に発表した昨年12月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比20万人増。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は15万5000人増だった。家計調査に基づく失業率は8.5%に低下した。

米銀JPモルガン・チェースのシニアエコノミスト、ジェームズ・グラスマン氏は、「今回は雇用者増、賃金上昇、労働時間延長の3つがそろった」と指摘、「これが労働市場の大幅な回復を示唆していないとは言い難い」と続けた。

2011年の年間ベースでは、164万人の雇用増と2006年以来の最高。その2010年は94万人増だった。それでも2009年6月に終了した前回のリセッション(景気後退)で失われた875万人の雇用を取り戻すまでは、まだ厳しい道のりが残されている。

年間改定によって2011年の失業率平均は8.9%となり、それ以前の2年間に記録した9.6%と9.3%からは改善された。

■労働力人口も減少

労働参加率は64%で前月と変わらず。失業者の減少が失業率の低下につながったものの、職探しをあきらめて労働市場から退出した労働者も多い。その結果、非労働人口が前月比でやや増加、労働力人口は減少した。

民間部門の雇用者数は21万2000人増と、前月の12万人増から雇用ペースが加速した。市場予想では17万8000人増だった。

製造業部門の雇用者は2万3000人増と、前月の1000人増から伸びが拡大した。小売りは2万7900人増加。建設部門も1万7000人増えた。一方、政府職員は1万2000人減少した。

時間当たりの平均賃金は前月比で0.2%増加して23.24ドル。週平均労働時間は34.4時間に増えた。

失業者に加え、経済悪化でパートタイム就労を余儀なくされている労働者や職探しをあきらめた人などを含む広義の失業率は15.2%と、前月の15.6%からは低下した。


米雇用動向:配送会社は年末商戦で急増、翌年1月に解雇で帳消しも 2012/01/07 05:42 JST ブルームバーグ

1月6日(ブルームバーグ):フェデックスやユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)など米小荷物配送会社は昨年12月に4万2200人雇用を増やした。この数は同月の非農業部門雇用者数増加分の約5分の1に当たる。ただ過去の例は、この12月の雇用増加も年明けの1月には帳消しになることを示唆している。

年末商戦におけるインターネットでの買い物がここ3年間で急増しており、小荷物配送会社は繁忙期対応で通常より多くのトラック運転手や倉庫の従業員を雇っている。政府の統計でこうした季節的な傾向をならすための調整を施すには時間がかかるため、雇用には著しい変動パターンが生じる。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の世界経済調査共同責任者、イーサン・ハリス氏は「多少の反動が出ても不思議ではない」とし、「買い物がネットショッピングにシフトしているが、季節調整の要素に完全に組み入れられることはないだろう」と述べた。  

米労働省が6日に発表した昨年12月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比20万人増で、増加幅はエコノミスト予想を上回った。民間部門の雇用者数は21万2000人増だった。

労働省のデータによれば、小荷物配送・速配サービス関連企業は2010年12月に4万6300人雇用が増えたが、翌月には4万8700人減っている。その前年は3万100人増加の後、4万800人減った。

中国共産党は、GDP8%成長戦略を放棄するか?

先達の資本主義国家は、植民地から富を収奪して資本を蓄積させて資本主義経済を始めていった。

たとえば英国はインド人織工の腕を切り落とした上で、輸入したインド産綿花からマンチェスターの紡績工場で作った綿織物製品をインド各地に売り込んでいった。

スターリン統治下のソ連はウクライナの農産物を文字通りの飢餓輸出(“ホロドモール”と呼ばれる。諸説あるが400万人から1,450万人が死亡した)した富を元手に資本蓄積させて、五カ年計画などで重工業経済をつくりあげた。

共産主義下の国家ですら経済を動かすためには資本は絶対不可欠だ。

そこで翻って中国共産党の資本蓄積はどのように行われたのか? 主に中央政府は外資導入、地方政府は土地の使用権売買によってなされた、と云える。

そして今始まりつつあるもしくは今後予想される、外資引き上げと不動産バブルの崩壊により、蓄積したはずの資本が逆ざやを生み出そうとしている。

外資導入、つまりは8%で外資を借りているから8%の成長が絶対不可欠なのだ。経済成長以外の代案がなければ、GDP8%成長目標の放棄は中央政府の政権放棄に等しいこととなる。

中国4大銀行:昨年の新規融資、年間目標を下回る-財新網 2012/01/06 11:41 JST ブルームバーグ

中国:1-6月の成長率は7-7.5%に、景気減速期入りか-クレディ 2012/01/06 13:58 JST ブルームバーグ

中国:昨年12月の新規融資とマネーサプライ、予想上回る伸び 2012/01/09 11:47 JST ブルームバーグ

ソニーとサムスンの対比

まずはソニーの2011年下半期の事業部門における買収・売却の動向をトピックする。

中小型液晶部門を新会社「ジャパンディスプレイ」に譲渡・10%出資、事実上の政府系ファンドである産業革新機構(INCJ)に70%出資させてリスク分散する。

サムスンとの液晶パネル生産合弁会社「S-LCD」を全株式サムスンに売却し、合弁株式を現金化するとともに液晶パネルの調達費用を約500億円削減する。

エリクソンとの携帯合弁会社「ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ」の全株式買い取りに合意し、ソニーのほかのコンシューマ製品との連携を図りやすくする。

投資コンソーシアムを通じて音楽出版社「EMI Music Publishing」の持ち分株式38%を取得する。ソニーは傘下に故マイケル・ジャクソンとの合弁会社「SONY/ATV Music Publishing」を持っており、これで世界最大の音楽版権所有者となる。

ここからわかるのが、コンシューマにとっては毀誉褒貶のあるソニーは、ともかくもその投資ポートフォリオの明快さで機関投資家やデイトレーダーにとっては、売買しやすい企業ではあることだ。

韓国勢に押され…ソニー、有機ELテレビ撤退 2012年1月7日14時33分 読売新聞

 ソニーは、次世代薄型テレビの主力となるとみられている有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)テレビの生産を終了した。

 業務用モニターの販売は続けるが、家庭向けは液晶テレビに集約する。一方、韓国メーカーは家庭向け大型有機ELテレビの販売を強化する。テレビ事業を巡る日本勢の苦境が鮮明になった。

 ソニーは2007年に世界初となる有機ELテレビを発売。液晶テレビやプラズマテレビより画像が鮮明で、パネルの厚みも3ミリと薄く、「技術のソニー」の復活を象徴する商品といわれた。小型でも1台約20万円と高額ながら、発売当初は注文が殺到した。

 ソニーは日本メーカーでは唯一、有機ELテレビを製造してきたが、その後の業績不振も背景に、設備投資を抑えていた。このため、韓国勢に対してコスト面や画像の大型化を巡る競争で劣勢に立っていた。

 ソニーは10年に国内販売を終了したが、欧米向け輸出は続けていた。今後は放送局などで使うモニターの販売や研究・開発を除き、国内外で家庭向け有機ELテレビから事実上撤退する。

 韓国・サムスン電子とLGエレクトロニクスは55型の有機ELテレビを12年中にも国内外で販売する方針だ。両社は10日から米国で始まる世界最大の家電見本市「国際家電ショー(CES)」で商品を初公開する見込みだ。


ソニー、サムスンとの液晶パネル合弁事業解消へ 2011年12月26日14時07分 読売新聞

次いでサムスンの話題だ。

プラズマディスプレイと液晶ディスプレイの戦いが、液晶陣営の勝利に終わるなか、液晶パネルの生産もPDPの生産もやりながら有機ELディスプレイの事業を立ち上げようというサムスンの意欲は買うが“集中と選択”という文句はどこへ行ったのか。

今年から中型液晶パネルの中国本土の大量生産が本格的に開始するなかで、両社ともちゃんと有機ELディスプレイの生産販売ができるのか正直不安でいっぱいだ。

歩留まり率や画面の焼き付けによる耐久性や液晶の5倍近いコストなど有機ELの問題点をどう解決していくのか、興味は尽きない。

サムスン(ここではLGもだが)のこうした続報のないニュースリリースや見本市での展示品止まりが多いやり方は信用がおけない。

コンシューマにとってはどこの提携先企業の技術を導入しているかわからないと手出ししづらいし、機関投資家にとっては国内の政治的力学がわからないと配当性向が掴めない投資先である。

しおらしくなってきたハンガリー首相

ハンガリーは、中道左派のジュルチャーニ社会党政権(2004~2009年)が政権獲得の後、選挙公約に反した緊縮財政政策を行った上に、2006年に経済数値を虚偽捏造をしていたことが暴露されて中間選挙となる地方選挙で敗北、2008年に保険制度改革の方針対立からリベラルの自由民主同盟が連立離脱、社会党の協力のもと無所属のゴルドン政権(2009~2010年)が「つなぎ」を担ったあと、中道右派のフィデス=ハンガリー市民同盟によるオルバーン政権(2010~)が誕生した。

オルバーン政権は積極財政を公約に政権獲得したことに加えて、経済数値の虚偽捏造も前政権のせいであると一蹴したため、市場から信頼を失い、緊縮財政拒否のままIMFに支援を申し込む羽目に陥る。

IMFは当然、緊縮財政を要求するため、政権の支援要求との間で話が全く進まなくなる。その間、自国通貨とソブリン債は下落し続けていった。しかも中央銀行の独立性を無視して外貨準備高を景気刺激策に活用と、IMFと市場を大混乱に陥れた。

年末年始にかけて、デフォルトが現実味を帯びだしてきたので、オルバーン政権の発言が日替わりメニューのようになってきている。

ハンガリー:IMFからの融資なくても、足元は堅固-オルバン首相 2011/12/30 16:38 JST ブルームバーグ

ハンガリー政府:IMFの融資が必要、中銀を支える-オルバン首相 2012/01/06 19:04 JST ブルームバーグ

ハンガリーを投機的等級の「BBプラス」に格下げ=フィッチ 2012年 01月 7日 05:01 JST ロイター

焦点:ハンガリーのデフォルトリスクを意識、地域影響は限定的か 2012年 01月 6日 12:49 JST ロイター

[ロンドン 5日 ロイター] ハンガリーの金融市場ではこのところ、通貨フォリントが大幅に下落、国債利回りも急上昇している。こうしたなか、市場ではハンガリーのデフォルト(債務不履行)リスクが意識され、欧州のほかの地域への影響波及を警戒する声も上がっている。

ハンガリーに対するエクスポージャーを理由に、近隣国のオーストリアで国債や銀行社債の保証料率が上昇していることも、注目に値する。

ハンガリーは今年、国債保有者や国際通貨基金(IMF)に対して約165億ドルを返済する必要があるが、政策をめぐる不信感から借り入れコストは高騰、国際資本市場から事実上、締め出されている状態だ。

さらに、ハンガリーでは昨年末、中央銀行の独立性を損ないかねない中銀法が可決されている。これを受けて、欧州連合(EU)やIMFとの摩擦が拡大しており、支援が受けにくくなる、との懸念も出ている。

アバディーン・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、ビクトル・サザボ氏は「デフォルトの可能性はもはや排除できない。わずかとはいえ、リスクはリスクだ。投資家心理にも影響している」と述べた。

大半のファンドマネジャーと同様、同氏も2012年のデフォルトをメインシナリオとは考えておらず、ハンガリーは最終的にはIMFの条件を満たし、融資契約に調印するとみている。ハンガリー政府は4日、国際社会から批判の強い政策を、部分的に見直す可能性を示唆している。

通貨フォリントは過去最安値圏にあり、10年物と5年物の国債利回りは11%を突破、1カ月前の水準を2.5%ポイント上回っている。

JPモルガン債券指数によると、ハンガリーのドル建て債の対米国債利回りスプレッドは800ベーシスポイント(bp)に迫る。

中銀のデータによると、昨年11月時点のハンガリー政府の中銀預金残高は、1兆5000億フォリント(約60億4000万ドル)。それ以外にも、6000億フォリント(約24億1000万ドル)相当の資産を持ち、石油・天然ガス大手MOLの株式を売却することも可能だ。

これを見ると少なくとも今年前半の返済には足りる計算だが、国債は国全体の債務のほんの一部でしかない。あまり知られていないことだが、ハンガリーの銀行は今年約250億ドルの対外債務を抱えている。

ユーロ圏債務危機を背景に市場の緊張感が高まるなか、IMFからの相当な融資がなければハンガリーが2012年を乗り切るのは厳しい。
(後段略)

イラン原油の段階的禁輸措置

下記記事によれば、イタリアのモンティ首相は「段階的に導入されるのであれば、輸入禁止を支持する用意がある」と発言しているので、イラン産原油の輸入は漸減していくことになるだろう。イランは未だに自国のガソリン消費量の半分程度も自国精製できないくらいだ、貿易制限はそのまま自国経済に跳ね返ることになる。

イランをアラブ・中東の少数派シーア派に属している観点から見ると、同じくシーア派が政権を握るイラクとアラウィ派が政権を握るシリア、ヒズボラの強いレバノン、ハマスの強いパレスチナ以外は味方になる可能性がほとんどない。“アラブの春”の影響は未知数として、対岸のUAEなどとの貿易が細っていることからもイランの孤立は深まっている。今後、中国と接近するものと考えるのが自然だ。

EU、イラン原油の輸入禁止で基本合意 2012年 01月 5日 08:55 JST ロイター

情報BOX:主なイラン産原油輸入国 2012年 01月 5日 16:19 JST ロイター

[ロンドン 2日 ロイター] イランは石油輸出国機構(OPEC)加盟国で2番目に原油生産量の多い国だが、最近、同国をめぐる地政学的リスクが再び台頭している。

イラン海軍は昨年12月下旬に軍事演習を実施。米国では12月末にイラン制裁法が成立した。

国際エネルギー機関(IEA)の推計によると、イランの原油生産量は日量約350万バレル、輸出は日量約260万バレル。

以下は、イラン産原油を多く輸入している10カ国。データは2011年第2・四半期のもので、出所はIEA。ただしIEAに加盟していない中国、インド、スリランカ3カ国のデータは2011年上半期で出所は米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)。

国 輸入量(日量バレル)

1. China 543,000

2. India 341,000

3. Japan 251,000

4. Italy 249,000

5. South Korea 239,000

6. Turkey 217,000

7. Spain 149,000

8. Greece 111,000

9. South Africa 98,000

10.France 78,000

異人さんたちの日本観、二者二様

海外のアナリストの対照的な二つのコラムを読んだ。ただし共通点は「官僚が悪い」の一点であるが。

ひとつは日本は欧米に比べて遅れているから開放しろ。もうひとつは日本は“失われた10年”を失っていないのに「失った」と言いふらしているのではないか、とのことだ。

ウィリアム・ペセック氏のコラムは「東北地方を震災特区にしてサプライサイダーどもの実験台にしろ、もはや中国にすら日本は立ち遅れている。その元凶である頭の固い官僚や政治家たちを追い出してしまえ(要するに東北地方の利権に俺たちも咬ませろ)」だそうだ。

世界中が日本と同様のバブル崩壊に伴うデフレ環境(供給過剰)に入っているのに、法人税や所得税を無税にしようが、安定した雇用環境下に戻して需要を満たさなければ、我が国にとっても全世界にとっても何の意味もなさない。

【コラム】経済活性化の特効薬:東北を日本の「深圳」に-ペセック 2012/01/04 15:11 JST ブルームバーグ

Eamonn Fingletonのコラムは「1990年から2010年、日本は“失われた10年”と云うが、日本の経常収支の黒字は360億ドルから1940億ドルになった。円はドルに対して65%上昇した。日本は生産財を輸出して対中国(香港含む)貿易で黒字ではないか。中国の組み立て工場でつくられたものを米国は買っている。日本の官僚や政治家たちは意図して低い数字を見せたり、停滞しているような言動を吐いている(要は俺たちを欺しているだろ)」と。

The Myth of Japan's 'Lost Decades' FEB 26 2011, 3:30 PM ET The Atlantic

少なくとも冷戦終結後に、いち早くバブル崩壊とデフレに直面した日本が、いち早くその状況に対応しているのは間違いない。となればこの場合、日本より中間層の厚みの少ない欧米や中国の方が状況は深刻にはなるだろう。

真珠の首飾りとダイヤのネックレス

下記の記事は、中国の膨張戦略と米国と同盟国の封じ込め戦略をわかりやすく説明してくれている。

とはいえ、陸軍で大国になった国家が海軍でも大国になった歴史的事例が思い当たらない。ユーラシア大陸にあった列強のフランス、ドイツ、ロシアのいずれも海軍国として一流になったわけではないのだが。“第二列島線”とか“真珠の首飾り”とか勇ましいことを云っているが、東シナ海のシーレーン防衛ができければ意味がない。実際、台湾どころか金門島と馬祖島を攻略してもいない。

ソ連は軍拡競争と同盟国の負担に耐えかねて崩壊したのだが、相互確証破壊が通用しなさそうな相手であることを除けば冷戦とあまり変わらない気がする。スターウォーズ構想と呼ばれたSDI(現在のMDに引き継がれる)がソ連にとどめを刺したのだとソ連崩壊当時は思っていた。

結局、技術的にブレイクスルーを生み出せることとそれらの成果を安定的に生産できる側が勝つと思われる。

アジア太平洋地域における各国の戦力比較(画像)

中国 軍部増長狙いは第二列島線 2012.1.1 12:00 MSN産経

米国 中東から軸足「一正面」戦略 2012.1.1 12:00 MSN産経

周辺国 韓国、インドなど海軍強化 2012.1.1 12:00 MSN産経

海洋安保強化への布石 中国「真珠の首飾り」に「ダイヤのネックレス」戦略で対抗 2011.12.16 01:38 MSN産経

『アルジェの戦い』と『ベン・トー』

今日のエントリーは、記事にあるエジプト・カイロではなくアルジェリア・カスバから日本のどこかのとある町へとつながる話。

エジプト、選挙期間を短縮 2月下旬終了…批判受け民政移管急ぎ 2012.1.2 09:21 MSN産経

映画『アルジェの戦い』(1965)の冒頭、首都アルジェでテロを繰り返す組織の最後の幹部が潜むアジトを、苛烈な拷問によって突き止めたマチュー大佐率いる空挺部隊は強襲のためカスバへ突入する。このシークエンスでは、エンニオ・モリコーネの楽曲が緊張感を与えていた。またカスバ強襲のいくつかのシーンでは繰り返し使われていた。

録り貯めていたライトノベル原作のアニメ『ベン・トー』を見ていたら、半額弁当の戦いに身を投じる“ハーフプライサー同好会”の同級生とその彼女を溺愛する委員長が、主人公を詰めるシークエンスで『アルジェの戦い』の冒頭を飾るこの曲が使われていた。重厚さを奏でるホーンセクションがリコーダーの安っぽい音に差し替えられていて思わず吹いた。

地底に押し込まれた人間が地上を支配する獣人、次いで宇宙を支配するアンチスパイラルとの戦いを描いた『天元突破グレンラガン』(2007)で、異才を遺憾なく発揮した岩崎琢が音楽担当と聞いてさもありなん、と思った。

さて、1966年のヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞を受賞した名作『アルジェの戦い』は、アルジェリア独立戦争におけるアルジェリア民族解放戦線(FLN)とコロン(ピエ・ノワールとも呼ばれるフランス人入植者)のテロの応酬、そして空挺部隊による掃討戦を描いている。

普段ブルカやベールを被る女性テロリストたちにカスバの検問を突破させるため、ピエ・ノワールのようにメイクやファッションや仕草、言葉遣いで偽装させる手口のリアリティなどは、自身もパルチザンに身を投じた監督ジッロ・ポンテコルヴォの面目躍如というべきだろう。

のちのド・ゴールの第五共和政樹立や五月革命の鎮圧に貢献した大佐(史実ではジャック・マシュー准将)が、全容を把握できないように構築されたテロ組織を自由フランス軍で培ったレジスタンスの経験を下に、ゼネストの一斉検挙と容疑者への拷問によって壊滅させていくのは圧巻だった。

またピエ・ノワールの群衆が目の当たりにしたテロに憤慨して、実行犯でもない現地人の売り子の少年に暴行を加え、警官が救い出す様などはフィクションながら云いようのない不条理を感じさせた。

“自由と独立の戦い”と“半額弁当の戦い”ではどちらが高潔か。そんな大層なことを考えずとも両作品とも楽しめます。もちろん物語としての『ベン・トー』が成立する時代背景は“デフレとの戦い”であったりする。みんなが失血死していくようにじわじわと忍び寄るデフレが、定額290円弁当を産み出して“半額弁当の戦い”をも終結させてしまいかねない勢いも、また不条理を感じさせる。

『火星の大統領カーター』が冷戦を終わらせた

核開発を巡り米国とイラン双方のつばぜり合いが続いている。もともと親米国家だったイランがイスラム革命を起こし、反米国家になったのは民主党カーター政権のときのことだった。

歴史の皮肉か、カーター政権の大統領補佐官だったブレジンスキーが現在のオバマ政権にも影響力を保持している。親米国家イラン失陥の責任の一端はこの人物にもあるだろう。

イラン、核協議再開の意向 外相表明、実現は不透明 2011.12.31 18:18 MSN産経

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イラン原油制裁法が成立 対日発動は当面猶予 2012.1.1 07:43 MSN産経

ハヤカワ文庫の『火星の大統領カーター』(栗本薫)を読んだ当時、子供心にもジミー・カーターは役者上がりのレーガンにさえ負けたどうしようもない人だ、と印象を持っていた。その印象は、客観的に功罪を評価できるようなった今でも大きく変わってはいなかったりする。

歴史に「もしも」を云いだすと切りがないが、米国のイラン失陥がなければ、ソ連のアフガニスタン侵攻→イスラム原理主義の台頭→911テロはなかったかもしれないし、イラン・イラク戦争→湾岸戦争→イラク戦争もなかったかもしれない。

こんな経済政策(レーガノミクス)を主張する奴、とまでブッシュ・シニアに酷評されたレーガンが大統領になることもなく、当時は「カーター以外なら誰でもいい」みたいな世論だった、となれば冷戦終結も遅かった可能性もある。その意味では“最強の元大統領カーター”こそ、冷戦終結の陰の功労者といえるのでは? そして40有余年の想いも込めて、彼が和平のためイランを訪れたりするのだろうか。
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