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大ナポレオン曰く「スペインの潰瘍が私を滅ぼした」

大ナポレオンは「スペインの潰瘍が私を滅ぼした」と云った。いわゆる“半島戦争”で、決戦を回避されて、ゲリラ戦を展開されて、後のウェリントン公含む英国軍の反攻を受けて、かつ軍を養う食糧の現地調達が出来ず、敗北を喫したからだ。これがロシア遠征の大敗の伏線となった。

ユーロ救済のESMとEFSFもギリシアとポルトガルの規模までなら救済可能だが、スペインとイタリアの規模ならば救済不可能だろう。スペインの動向がナポレオンの帝国同様にユーロ圏を滅ぼしかねない。

来日したイタリアのモンティ首相の会見は、一言で「カネくれ」に要約できる。スペインのゼネストと暴動のニュース映像を見る限り、会見の「ほぼ収束」に何の説得力もない。どうにもスペインの様相はギリシアに相似してきた感がする。

伊モンティ首相、都内の講演で欧州危機「ほぼ収束」と言明 2012.3.28 19:00 MSN産経

 来日しているイタリアのモンティ首相は28日、東京都内で講演し、欧州連合(EU)の対応によって欧州債務危機が「ほぼ収束しつつある」との考えを示した。またイタリアについて、みずから主導する財政再建などで変革が進んでいることを強調し、労働市場改革などの成長戦略もあわせて進めるとした。一時は利回りが危機的水準に上昇したイタリア国債についても、日本の投資家による購入を訴えた。

 EUの危機対応について、モンティ首相は「早くはなかった」と遅れを認めたものの、今月、ユーロ導入国などに財政均衡を義務付ける「新財政協定」にEU首脳が署名したことで、「将来の危機を防ぐことが可能になった」と指摘。欧州中央銀行(ECB)について「役割の見直しを進めている」ことも、危機対応の強化につながるとの見方を示した。

 イタリアについては、首相就任後、財政再建や、年金を含む構造改革などを進めたことで、「ここ数カ月で、欧州の危機対応にとってプラス要因になった」とコメント。

 改革案の具体例としては、平均寿命と連動させて退職年齢を引き上げる制度を紹介し、解雇を容易にするための労働市場改革案には組合の反発が強いものの、「夏前の法制化を目指したい」と述べた。

 一方、イタリア国債については、「欧州経済への信用が失われた結果、日本の機関投資家による保有はほぼゼロになった」と指摘。EUやECBの対応で「そうした懸念はあてはまらなくなった」として、日本からの投資を求めた。

 モンティ氏は、EUの欧州委員もつとめた経済学者で、昨年11月、ベルルスコーニ前首相の後継として大連立内閣のトップに就任。閣僚はモンティ氏を含め全員が有識者で、政治家はいない。


モンティ伊首相:日本の構造改革は重要-EUとの貿易促進も 2012/03/28 19:55 JST ブルームバーグ

 3月28日(ブルームバーグ):イタリアのモンティ首相は28日、日本の経済改革の取り組みは貿易障壁の克服に役立ち、欧州連合(EU)との商取引を促進させる可能性があるとの見方を示した。

来日中のモンティ首相は都内で野田佳彦首相と会談後、「日本の構造改革や規制緩和の取り組みについて聞くことに非常に関心を持っていた」と述べ、「こうした取り組みは日本が非関税障壁を取り除く上で非常に重要であり、貿易と成長の発展に役立つEUと日本のパートナーシップをイタリアが支持する上でも不可欠な条件だ」と付け加えた。


スペインの債務問題波及に懸念なし、ユーロ圏危機ほぼ終息=伊首相 2012年 03月 28日 19:07 JST ロイター

[東京 28日 ロイター] 訪日中のモンティ伊首相は28日、現時点ではスペインの経済的混乱の影響が欧州周辺国に波及することを懸念していないと語った。またユーロ圏危機はほぼ終息したとの認識を示した。

同首相は前週末の24日、スペイン政府が抱える財政問題がユーロ圏債務危機を再燃させ、その影響がイタリアを含む周辺国に波及する恐れもあるなどと発言していた。

東京で記者会見したモンティ首相は「私はスペインが財政再建に向け、確実な軌道に乗っていると確信している。(ユーロ圏の)加盟国の大半がより厳しい規律を順守するようになり、ファイアウオール(防火壁)の強化も図られつつあることから、全体的な悪影響も近いうちに過去のものとなるだろう」と述べた。

これに先立つ講演で同首相は、「ユーロ圏は大きな危機を越えつつあり、この危機はほぼ終息したと考えている」と述べた。

イタリアの労働・経済改革策には国内で労組などから反対の声がでているが、改革は進むとの見方を示した。

*内容を追加して再送します。

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松下幸之助翁のつくった最悪の製品群

松下電器産業(現パナソニック)の創業者、松下幸之助のつくった最悪の製品群は、松下政経塾と同塾出身の政治家だった、というオチが付きそうだ。

消費税増税法案は、法案を通すために民主党内をまとめ、閣内をまとめ、衆議院をまとめ、参議院をまとめなくてはならない。現在までに民主党内は経済成長率の努力目標の盛り込みと前原政調会長への一任、閣内は国民新党の事実上分裂によって通った。残りは二つの関門となる。

衆議院か参議院の可決、もしくは衆議院の再可決までに経済成長率(インフレ率でも良い)の努力目標が必達目標として修正されるか、期限付きの見直し条項が盛り込まれれば、法案は骨抜きになる。

また、法案成立から施行までの間に解散か任期満了に伴う衆議院総選挙がある。与党が変わった場合、法案の執行停止か法律の改正が行われれば、消費税増税はなくなる。実際に麻生政権下に成立した補正予算は執行停止されたし、郵政民営化の金融二社の完全売却も見直された。

野田政権は、明らかに政策の優先順位を間違えている。通常予算が年度内成立できないための暫定予算と通常予算のための特例公債法案(赤字国債)が通らなければ、何の意味もない。

首相、“準決勝”で大きなハンディ 背に腹変えられぬ大幅譲歩 2012.3.28 01:59 MSN産経

関連法案を閣議決定 国民新党の分裂、決定的に 2012.3.30 09:11 MSN産経

 政府は30日午前、野田政権が最重要課題とする消費税率を2段階で引き上げる消費税増税関連法案を閣議決定した。これに先立ち野田佳彦首相は、閣議決定反対を理由に連立政権からの離脱方針を表明した国民新党の亀井静香代表と会談し、再度慰留したが、亀井氏は応じなかった。一方、同党から入閣している自見庄三郎郵政改革担当相は法案の閣議決定に署名し、同党の分裂が決定的になった。

 首相は同日夜に記者会見し、野党側に改めて協議を呼びかける方針。自民、公明両党など野党は国会審議に応じる構えだが、早期解散を求めて対決姿勢を強めており、参院で与党が過半数割れする「ねじれ国会」の中で法案の成立の見通しは立っていない。

 民主党執行部は、定例日に縛られず集中的に審議できる特別委員会の衆院設置を検討しており、4月上旬にも審議入りしたい考え。状況によっては6月21日までの会期を大幅延長するとみられるが、小沢一郎元代表グループの政務三役や党幹部の中には閣議決定に抗議して辞任する動きがある。今後の政局は民主党分裂や衆院解散もにらんだ緊迫した展開となりそうだ。

 消費税増税関連法案は現行5%の消費税率を26年4月に8%、27年10月に10%へ引き上げる内容。増税にあたり「経済状況の好転」を条件とし、税率引き上げの直接の前提とはしないものの、「名目経済成長率3%、実質2%程度を目指す」ことが政府の努力目標として盛り込まれた。税率10%引き上げ後の追加増税条項は民主党の事前審査で削除された。

 閣議では、社会保障と税の一体改革の関連として、低所得者向けの基礎年金加算を盛り込んだ年金機能強化法案や幼保一体化施設創設を柱とする新子育て施策関連法案も決定された。

保守再統合への胎動

野田政権が消費税増税案を優先している間に、保守を分裂させていた最大の利害対立要因だった郵政民営化の問題が解消される。

自民、郵政改正案を了承 2012年 03月 27日 16:19 JST ロイター

 自民党は27日、総務会を党本部で開き、小泉純一郎元首相が進めた民営化路線を見直す郵政民営化法改正案を了承し、党方針として正式決定した。05年の郵政解散から約7年を経て、自民党の看板だった小泉改革は大きく方針転換する。改正案には、民主、公明、国民新各党が賛成する意向を示し、今国会で成立する見通し。自民党執行部は他党にも共同提出を呼び掛けて12年度予算成立後に審議入りし、4月中に成立させる方針。


郵政民営化改正法案に関して、自民党が党方針として郵政の金融部門(郵貯と簡保)の完全民営化を努力目標に後退させたことで、国民新党が民主党と連立を組む理由付けもまた後退した。これで保守系の連立などによる再統合の可能性が出てきた。

一方、民主党は消費税増税案に、経済成長率の数値目標ではなく努力目標を盛り込んだ。党内をまとめきれずに、焦点は閣内に移ることになる。

消費増税法案を決定 2012年 03月 28日 19:37 JST ロイター

 野田佳彦首相と民主党の輿石東幹事長らは28日夕、政府・民主三役会議を官邸で開き、経済成長率を努力目標として盛り込むなど修正した消費税増税関連法案を月内に閣議決定する方針を確認した。30日の決定、国会提出を目指す。民主党は国民新党に法案を説明、協力を要請。亀井静香代表は連立政権離脱も辞さない構えで増税法案に反対しており、調整は難航必至だ。野田首相は三役会議で「一歩ずつ前に進んでいきたい」と述べた。

イランを滅ぼす者はサウジアラビア

イランにおける議会選挙で、現職のアハマディネジャド大統領よりも強硬な一派が多数を占めた。経済制裁が逆にイランの核兵器の開発を促進していることになる。

核兵器開発を放棄する(リビア)、もしくは厳しい査察を受ける(イラク)よりも核兵器を保有する(北朝鮮、パキスタン)方が現在の体制が維持される確率が高い点で、イランの核兵器開発が止まる合理的な理由がない。既得権益層としての法学者と革命防衛隊(準軍事組織)にとっては特にそうだろう。

では、ポピュリストであるアハマディネジャド大統領ですら、制御できなくなりつつあるイランにとどめを刺す存在はいずれの国か? おそらくはイスラエルでも米国でもなく、サウジアラビアだろう。

なぜにサウジかと想起する所以は、ソ連のアフガニスタン侵攻からだ。かつての英国とロシアはその覇権争い“グレート・ゲーム”をアフガニスタンからペルシアにかけて行った。アフガニスタンとイランの独立は、その両列強の痛み分けで果たされたものだった。

その歴史的経緯を考えると、ソ連がアフガニスタンに侵攻したのは、明らかに自国の勢力圏からの逸脱だった。これに最も脅威を感じた中東・アラブの国がサウジアラビアだった。さらに同時期、シーア派のイランでイスラム革命が起きたのも脅威だった。第4次中東戦争で原油価格を武器に使ったサウジは、これ以降は原油増産・価格低落へと方向を転じた。10年を経ずに、ソ連は原油価格の低落によって、当時の西側からの食糧の確保に行き詰まった。これがソ連滅亡の一因となった。

これに倣えば、原油価格が高止まりしている間は、イランの現体制が存続し続ける可能性は高くなる。つまりは、その可能性の高低を決めるのは、サウジアラビアの原油の余剰供給力といえるだろう。

原油の高騰招く対イラン制裁、予期せぬ「副作用」も 2012年 03月 25日 14:23 JST ロイター

[ロンドン 23日 ロイター] イランの核開発をめぐって欧米諸国が同国に科している制裁は、これまでのところ、成功しているとは言い難い。イランは核開発をやめておらず、制裁がもたらした思わぬ副作用により、新たな問題すら生じている。

イラン産原油が減少するとの見通しは、世界経済を脅かすレベルに原油価格を高騰させている。石油コンサルティング会社ペトロロジスティクスや欧州石油会社などの推計によると、すでに3月のイラン産原油輸出は日量30万バレル(14%)程度減少する可能性があるという。

米国と欧州連合(EU)は、イランの中央銀行も対象とする新たな制裁を打ち出しているが、西欧当局者を含むイラン専門家の多くは、経済的圧力の強化がイランをさらに不安定にし、予測不可能な危険な状態に追い込みかねないと懸念している。

ロンドンにある国際戦略研究所(IISS)のリサーチアナリストで、イラン専門家のディナ・エスファンディアリ氏は「制裁は、意図していた影響をイラン政府に与えておらず、予期せぬ効果だけ生み出している」と指摘する。

制裁により、イラン国民は経済的苦痛を負わされているが、他の国の市民もまた、燃料や食料の価格高騰など「波及効果」を感じている。

<袋小路にはまった国際社会>

米国と英国は、戦略石油備蓄放出の検討を始めるとしているが、中東情勢がさらに緊迫化するリスクがある中、現段階で米英に追随する動きはみられない。

米海軍大学のハヤット・アルビ准教授は、制裁が国際社会をどうしようもない状況に陥らせていると指摘。「相互依存する世界で、経済回復に取り組む多くの国々に打撃を与えることになるが、すでに制裁による影響が一部で見え始めている」と語った。

アジアの大国である中国とインドは、制裁強化に反対の意向を示唆している。また、イランの長年の敵であるサウジアラビアは、制裁に伴う原油の供給不足を補うとしているが、市場にはサウジに余剰生産能力が本当にあるのか、懐疑的な見方も広がっている。

しかし、制裁が成功しているか否かにかかわらず、欧米諸国にとって、今さら制裁を解除したり和らげたりするといった大きな方針転換は簡単なことではないだろう。

<イランに与える影響>

専門家らは、制裁がイランにどのような影響を与えるかについて、正確に予測するのは難しいと語るが、国際エネルギー機関(IEA)によると、もしアジアの主要な国々がイラン産原油の禁輸に参加するなら、イランの輸出量は年内に日量100万バレル減少することもあり得るという。

世界的な原油価格の高騰により、イランが1バレル当たりで以前より稼いでいる可能性はあっても、輸出量の減少でそれは相殺されるかもしれない。中には、制裁をイランとの価格交渉に利用する外国のバイヤーもいるという。イランの原油セクターは外国からの投資がなければ、向こう数年にわたり、生産高がさらに劇的に落ち込むことも予想される。

一方、高まる経済的圧力はイラン国内の権力争いを激化させ、在イラン英国大使館へのデモ隊乱入や、グルジアやインドのイスラエル大使館職員を狙った攻撃などは、イランがますます予測不可能になっていることを示しているとの見方もある。

欧米当局者の中には、イランがペルシャ湾で輸送船を攻撃するなどの戦略に出ることを懸念する者もいる。そうなれば、制裁を科すことで避けられるはずだった戦争も起きかねない。

米海軍大学のアルビ氏は、時の経過とともに、制裁がイラン経済と社会に耐えられないほどの打撃を与えるかもしれないと指摘。一方、「ますます苦境に立たされても、イランが戦わずして核開発をやめるとは思えない」と述べた。

対テロ戦争の前線はフランス国内に

米国の対テロ戦争の目的の根本は、自国民の生命と財産を守ることにあった。と云うより国民国家の戦争の目的は究極にはそうである。国内でイスラム原理主義による目立ったテロが今のところ再発していないことを考えて、その目的は達成されている。

となると、アフガニスタンで国際治安支援部隊(ISAF)を構成する米軍が、タリバン所属員の死体冒涜、コーラン焼却、銃乱射と続々失態を犯し続けているが、出口戦略は変更されまい。

米国は、GDP世界第2位となった中国の封じ込めにシフトしつつある。

一方で、多数のイスラム系移民を抱える欧州、特にフランスが対テロ戦争の前面に立たざるを得なくなったようだ。

ライシテ(政教分離)に基づく「ブルカ禁止法」の制定と施行、イスラム系移民の流入を防ぐためのEU内の移動の自由を保証したシェンゲン協定の改正案の提出、アラブの春に伴う難民の国内流入を怖れた(もちろん要因はそれだけではないものの)リビア内戦への介入、そして今回のユダヤ人を対象としたテロ事件の発生。

これらを見る限り、イスラム原理主義・過激派との対テロ戦争の主役は交代した、と考えて良さそうだ。

アフガン銃乱射の米兵、17件の殺人容疑などで訴追へ 2012年 03月 23日 11:12 JST ロイター

仏特殊部隊が連続銃撃事件の容疑者射殺、30時間立てこもりの末 2012年 03月 23日 07:31 JST ロイター

仏銃撃事件の容疑者、米当局の搭乗禁止リストに掲載 2012年 03月 23日 10:17 JST ロイター

仏大統領選、学校乱射事件後にサルコジ氏追い上げ=世論調査 2012年 03月 23日 10:32 JST ロイター

焦点:仏大統領選でサルコジ氏が反転攻勢、乱射事件が追い風に 2012年 03月 23日 17:31 JST ロイター

貿易収支の動向に見るNAFTA及びASEANシフト

米国は、財政政策は共和党優勢の議会の抵抗により阻まれているが、金融政策は順調であることを背景に、我が国がかつて体験した“実感なき景気回復”=“ドル安景気”に突入しつつある。

欧州(ユーロ圏)は、インフレ恐怖症のドイツが主導するため、財政・金融両面で採るべき政策を行っていない。ユーロ圏内では相対的には“ひとり勝ち”のドイツに引きずられる形で、他の国は景気後退局面に入っている。

中国は、バブル崩壊やむなしで人件費高騰を認め、インフレ抑制には成功したものの、去年の11月に中国人民銀行が預金準備率を引き下げに転じて以降、もっと大幅な金融緩和を行うべきなのだが、目立った動きがない。ポピュリストの薄煕来を解任した判断は措くとしても、権力移行期で身動きが取れないのか?

我が国は、国内では震災後のエネルギーコストの上昇に加えて、米国の景気回復による堅調さからメキシコ・米国本土(NAFTA)への生産地のシフト、国内の安価な消費財のために中国から東南アジア(ASEAN)への生産地のシフト、つまりサプライチェーンの再構築が起きている、もしくはリスク分散のために各経済圏内での現地最終生産・現地最終消費が進んでいる、と考えるべきだろう。

2月の貿易収支の内容は、こうした動きを反映し始めている。

2月の貿易収支は予想に反し5カ月ぶりの黒字-自動車輸出が増加 (3) 2012/03/22 12:14 JST ブルームバーグ

3月22日(ブルームバーグ):2月の日本の貿易収支は5カ月ぶりの黒字となった。市場の事前予想は赤字だった。輸出全体では引き続き前年割れとなったが、タイの洪水被害の影響が一巡したことなどから米国向けを中心に主力の自動車輸出が増加。一方で、原油価格の高止まりや、原子力発電を代替する火力発電向け液化天然ガス(LNG)の需要増で引き続き輸入が増加した。

財務省が22日発表した貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額は前年同月比2.7%減の5兆4409億円と5カ月連続で減少したものの、前月(同9.3%減)に比べて減少幅は縮小した。輸入額は同9.2%増の5兆4079億円だった。差し引きした貿易収支(原数値)は329億円の黒字。中華圏の春節(旧正月)休暇などの影響で過去最大の赤字を記録した1月から一転して黒字を確保した。

ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査による予想中央値は、貿易収支が1200億円の赤字、輸出額は前年同月比6.5%減、輸入額は同8.2%増だった。

第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは統計発表前のリポートで、「1月は中華圏の旧正月のタイミングのずれにより輸出が押し下げられたが、2月はその反動が出るため、輸出は1月から持ち直す」と予想。ならしてみれば横ばい圏内で推移しているとの見方を示していた。

統計発表後、東京外国為替市場では貿易収支の黒字化を受けて円が上昇。一時1ドル=83円14銭まで円買いが進み、対ドルで3営業日ぶりの高値をつけた。

■米国向け輸出が増加

輸出の内訳を見ると、自動車が前年同月比7.4%増と3カ月連続で増加。なかでも米国向けが同26.9%増と急増しており、同国向けの全体の輸出額も同11.9%増と2010年12月(同16.5%増)以来の水準となった。同省ではタイの洪水被害からの生産回復による上振れの可能性も指摘している。

アジア向け輸出も、対フィリピンの前年同月比18.9%増をはじめ、タイやインドネシア、ベトナムといった東南アジア各国の伸び率は、いずれも2けた台と好調だった。

ただアジア全体では、政府債務問題を抱えている欧州経済の需要減が波及し同6.6%減と5カ月連続の減少となった。特に中国向けは春節休暇の影響も残っていることから同13.9%減と3カ月連続で2けた台の減少だった。対EU(欧州連合)向け輸出も前年同月比10.7%減と5カ月連続で減少した。

伊藤忠商事の丸山義正主任研究員は統計発表後、主要地域向けで輸出が明確に上向きなのは対米と対ASEAN(東南アジア諸国連合)に限られていると指摘。「輸出の本格復調は海外経済の持ち直しが明確化し、円安の影響が数量面に及ぶ2012年半ば以降」とみている。

季節調整済みの前月比では2月の輸出額は2.9%増の5兆4869億円と3カ月連続で増加。一方で、輸入は同0.4%減と3カ月ぶりに減少したものの、差し引きした貿易収支は3132億円の赤字だった。


銅トレーダー:2週連続で弱気姿勢-中国と欧州の製造業縮小 2012/03/23 11:30 JST ブルームバーグ

3月23日(ブルームバーグ):銅トレーダーは2週連続で弱気姿勢を示している。中国と欧州の製造業活動が縮小したことを受け、需要が軟化するとの懸念が高まっているためだ。

ブルームバーグがアナリスト29人を対象に実施した調査では、12人が来週の銅相場は下落すると予想し、7人が中立姿勢を示した。トレーダーやアナリスト7人を対象にした調査によると、上海の保税倉庫の銅在庫は昨年10-12月(第4四半期)以降、2倍以上に増加した。上海先物取引所のデータによれば、同取引所の指定倉庫の在庫は少なくとも9年ぶりの高水準に膨らんでいる。中国は世界の銅消費の約40%を占める。

ダブルライン・キャピタル(ロサンゼルス)で約300億ドル相当の運用に携わるジェフリー・シャーマン氏は「欧州と中国の減速は長期的な見通しにとってプラスではない」と指摘。「上期(1-6月)は好調で、その後、修正局面に入った昨年と同様の状況になりそうだ」と述べた。

“死が本質的に不可能性を帯びるかもしれぬ”

欧米の“メメント・モリ”について、先日のエントリーで述べたので、日本人の死生観についても触れたい。それはキリスト教以前の、例えば共和政ローマに殉じたカトーに通じるものがある。

ウォーホルの「ダブル・エルビス」競売に、41億円超で落札も 2012年 03月 16日 15:50 JST ロイター

そこで、モーリス・パンゲ著、竹内信夫訳の『自死の日本史』を再読した。

第7章から武士の興隆とともに、自死が敗北を超越した栄光への跳躍のように描写されていく。印象深いのは『太平記』に出てくる南朝方の武将、村上義光の切腹だ。彼は護良親王を逃がすため、名乗りを上げ腹を十文字に切り、はらわたを敵兵に向かって投げつける。

同じく後醍醐帝に付き従った楠木兄弟の湊川の戦いでの逸話で、武士の倫理が確立されたことをモーリス・パンゲは叙述する。

かくて“死が本質的に不可能性を帯びるかもしれぬ”として、人間がだれしも抱える不安の根源に眼を見開くとき、人間の意志は残余の一切のものから解き放たれ、可能性自体が(人間の生きる時間の概念からすれば)虚無に等しい時空のなかに拡がっていることを理解する。

もはや(人間の生きる時間の概念において)未来にも計画にも成功にも利益にも関心を示す必要はなくなる。死すらも膨大なる可能性のなかの一片の事象でしかない。ただ今ひとたびの死すべき理由のみ関心の対象として求められるべきである、と。

そこで『葉隠』の聞書第一の二は
「武士道と云うは死ぬことと見つけたり」と、喝破する。

かつて武士は、生と死の葛藤を統一止揚する経験を通じて、自由と晴朗の境地に近づいた。なぜなら武士の暴力は極限において、仏教の非暴力と同じ果実を摘み取るからだ。極限に到って武士は(そしてまたすべての人間が)自分の追究する目的や、自分の果たす務めに隷属しているのではないと気付く。

「事を仕損じたと云えども死すれば、犬死、気狂いとそしられようとも恥にはならない」
と、つづけて『葉隠』は打算を戒めて云う。

この超越によって、人は初めて肉体の奴隷でも命の奴隷でもなくなり、おのずと非可逆的な運命への愛を持つことができる。それは(人間の生きる時間の概念における)不可能性の死を受容することによって(人間の生きる時間の概念を超えた)可能性の死を掌中にすることでもあるのだ。

アウグスティヌスが自殺を禁じて以降の欧州とは、実に対照的な我が国の死生観ではある。自殺者数が多いからと云って、その国民の生命力自体が減じる訳ではない。ポスト・モダンに迷い、バブル崩壊に直面し、苦悩する欧米を見て、そう思う。

ダンテは『神曲』の作中で、自殺したカトーに煉獄で出会う。彼の行為が時代を超えた普遍性を持ち、いかに高潔な人物であることをダンテも認めようとも、キリスト以前に自殺した彼は天国に行くことはかなわない。天地創造できるほどの絶対唯一の神は、時空を枉げて彼を救うことはできない、のではなく一切しない。

神が予め定めたことだから、と神父や牧師が説いても、その理不尽さに日本人は誰も納得できない。我が国でキリスト教が布教できない訳である。

サッカーくじ会社が時価総額3位の国

今年に入ってからのギリシア政府の民営化のスケジュールに特に変化はないようだ。FTSE/Athex 20指数に採用されているヘレニック石油(Hellenic Petroleum)とサッカーくじ公社(OPAP)の株式売却を推進するとの続報があった。それにしても、サッカーくじの会社が時価総額3位とか改めて聞くと目眩がする。

ギリシャ:29日にスポーツくじ運営会社の保有株入札-現地紙 2012/03/21 07:27 JST ブルームバーグ

Greece to sell major listed companies this year Wednesday March 21, 2012 (10:58)  ekathimerini.com

ギリシャ、OPAPなどの民営化計画を推進へ 2012年 03月 21日 19:27 JST ロイター

[アテネ 21日 ロイター] ギリシャ政府は、5月までにくじ事業運営のOPAP(OPAr.AT: 株価, 企業情報, レポート)と石油精製のヘレニック・ペトロリアム(HEPr.AT: 株価, 企業情報, レポート)の株式売却プロセスに着手する方針。

ギリシャ民営化庁のチーフエグゼクティブ、コスタス・ミトロポウロス氏が21日、ロイターとのインタビューで明らかにした。

両社はそれぞれ時価総額ベースでギリシャ3位と4位の上場企業。売却は大幅に遅れている民営化計画をあらためて推進し、同国の債務削減に向けた重要なステップとなる。

同氏によると、政府はOPAP株の29%を売却する計画で、5月初めまでに予定されている総選挙前に売却プロセスに着手し、年内に売却を完了したい考え。ギリシャ政府はOPAP株の34%を保有している。同社の時価総額は23億ユーロ(30億4000万ドル)。

OPAP株の売却は昨年実施する計画だったが、株価の急落やギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥る懸念が高まったことから、2012年に延期されていた。

ヘレニック・ペトロリアムについては、政府保有株の残り35.5%の株式を売却する方向で、5月に投資家に購入意欲を打診する計画。同社の現時点における時価総額は約5億8000万ユーロ。

ギリシャが昨年国有資産の売却を通じて調達した金額はわずか16億ユーロで、その半分はOPAPへのライセンス売却によるもの。

ミトロポウロス氏によると、ギリシャ政府は欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)との間で、民営化により約30億ユーロの調達を目指すことで合意している。同氏は「これまでのところ、それは実現可能な目標だ」と語った。

ギリシャ政府は当初、2015年までに民営化を通じ500億ユーロの調達を目指していたが、民営化プログラムの遅れを受け、目標を190億ユーロに縮小している。

日蒙EPA交渉開始と権益確保の動き

我が国の内需が大きかろうと、輸出依存度は低かろうと、手当しなければならない戦略物資のためには、必要最低限の外貨を稼がなければならない(“貿易立国”である必要はない)し、諸外国にしかない資源は権益確保をして、その産出地から自国までの交易路の安全を守らなければならない道理は今も昔も変わらない。

そこで、我が国とモンゴルの経済連携協定(EPA)交渉が始まるとともに、モンゴルにおける中国との資源争奪戦が始まっている。ただ、モンゴル(外蒙古)が長らくロシア(旧ソ連)の勢力圏だったことを考えると隔世の感はある。

日・モンゴル首脳:EPA交渉開始を決定、鉱物資源開発でも協力 (1) 2012/03/12 20:13 JST ブルームバーグ

3月12日(ブルームバーグ):野田佳彦首相は12日夕、来日中であるモンゴルのバトボルド首相と官邸で会談し、両国間の経済連携協定(EPA) 交渉を開始することで合意した。会談後に日本政府が文書で発表した。

発表文で両首脳はEPA交渉を「可能な限り速やかに開始すべきことを決定した」と明記。モンゴルの鉱物資源開発での協力が「双方の国益にかなう」との認識を確認している。その上で、モンゴル側は良質な石炭鉱区とされるタバン・トルゴイ炭田の開発への「日本の参画を確保する政策をとる」との考えを伝えた。

日本の外務省のウェブサイトによると、同炭田の埋蔵量は世界一の規模になるとされる64億トン。外国資本も参画して開発予定で、昨年の入札には伊藤忠商事や三井物産など日本の商社が参加するグループが応札していた。


モンゴル首相:日本と「互恵的な経済協力が可能」、サムライ債発行も 2012/03/13 17:45 JST ブルームバーグ

3月13日(ブルームバーグ):来日中のモンゴルのバトボルド首相は13日、「日本と互恵的な経済協力が可能」と述べ、日本企業の持つ技術力を活用して、原材料にとどまらず付加価値の高い製品の輸出を行いたいとの考えを示した。鉄道敷設などのインフラ整備のための資金調達では、サムライ債を起債する意向も示した。

バトボルト首相は、日本貿易振興機構(ジェトロ)などが同日主催したセミナーで、「モンゴルの輸出の大部分は原料や半製品。モンゴル政府には付加価値の高い製品を製造するための役割が課せられている」と指摘し、技術力を持つ日本企業の投資参入を促した。また、今年から1000キロメートル以上の鉄道建設や住宅建設などのインフラ整備に関して、資金調達の一環として「サムライ債を起債することで資金を調達する」と述べた。

野田佳彦首相とバトボルト首相は 12日夕に会談し、両国間の経済連携協定(EPA)交渉を開始することで合意している。


モンゴル:シェールガス・オイル開発に意欲、再生エネルギー輸出も(1) 2012/03/13 17:41 JST ブルームバーグ

3月13日(ブルームバーグ):来日中のモンゴルのダシドルジ・ゾリグト鉱物資源・エネルギー相は13日、日本貿易振興機構(ジェトロ)などが主催したセミナーに出席し、同国のシェールオイルとシェールガスの開発に意欲的な姿勢を示した。風力や太陽光発電などの再生可能エネルギーについては中国など海外向けにも輸出する方針という。

モンゴルは現在、原油の大部分をロシアからの輸入に依存している。また、再生エネルギーの輸出については1400キロメートルの送電線を中国の天津まで敷設することを検討中。日本や韓国向けに輸出する案もあるという。

また、ゾリグト氏は、石炭事業について「良質な石炭を埋蔵しており、今後20年でモンゴルの石炭産業は飛躍的な発展を遂げる」と強調した。

世界最大の埋蔵量を誇る同国のタバン・トルゴイ炭田の開発については、商社連合や三井物産が中国・神華集団と共同でそれぞれ参画を目指している。


日・モンゴルEPA交渉開始で合意 15億円長期低利融資の円借款供与など 2012.3.12 19:24 MSN産経

野田佳彦首相は12日、首相官邸で、来日中のモンゴルのバトボルド首相と会談し、両国間の経済連携協定(EPA)締結に向けた交渉を開始することで合意した。両首脳は、日本が15億5千万円の長期低利融資の円借款を供与することなどを盛り込んだ交換公文に署名した。


三井住友銀がモンゴル開発銀と提携 インフラ開発など支援へ 2012.3.12 16:22 MSN産経

 三井住友銀行は12日、モンゴルの政府系金融機関のモンゴル開発銀行と、地球温暖化対策やインフラ投資などに関する業務提携を締結したと発表した。モンゴルで拡大する資源開発や鉄道・道路建設について、三井住友銀が日本の企業や技術を紹介したり、資金供給などで協力する。

 モンゴルは石炭や銅などの資源が豊富で、採掘後の運搬に必要な鉄道や道路建設が急がれている。また、首都ウランバートルでは人口が急増し、電力不足や大気汚染が深刻化しているという。

 今回の提携では、急増するモンゴルのインフラ整備案件などに対し、三井住友銀が日本の先進技術や企業を紹介することでビジネス機会を発掘し、モンゴルの環境負荷低減や温室効果ガスの削減にも協力する。日本とモンゴル間では、他国に技術などを輸出して温室効果ガスの排出権を得る「2国間クレジット制度」の構築を目指す動きもあり、今回の業務提携の対象案件は増大が見込まれる。

 モンゴル開発銀は、同国のインフラ整備の資金供給を担う目的で昨年設立された。国外の民間金融機関との業務提携は今回が初めてとなる。昨年12月には、日本の環境省とモンゴルの自然環境観光省との間で環境協力覚書が締結されるなど、両国間の関係は深まっている。


ゴビ砂漠で風力・太陽光発電を ソフトバンクがモンゴル投資会社と合意 2012.3.12 14:42 MSN産経

 ソフトバンクの孫正義社長は12日、モンゴルの投資会社ニューコム社と、ゴビ砂漠での風力・太陽光発電開発に向けた合意文書に調印した。都内で行われた調印式には、来日中のバトボルド首相も立ち会った。開発予定地は24万ヘクタールで山手線の内側面積40個分に当たり、東京都を上回る広さとなる。

 砂漠の風況や太陽光の発電能力などに関する調査会社「クリーン・エナジー・アジア」を来月、モンゴルに立ち上げる。出資額や出資比率など「詳細は未定」(孫社長)だが、折半出資を想定しており、提携企業を募っていく方針だ。

 孫社長が会長を務める自然エネルギー財団は、日本各地とアジアを海底ケーブルなどでつなぐ送電網「スーパーグリッド構想」を打ち出している。将来的には、モンゴルの風力や太陽光で発電した電力を、韓国電力公社の送電網で日本に送電することを視野に入れている。


外務省、「中国・モンゴル二課」を新設 2012.3.8 01:30 MSN産経

 外務省は7日、現在の日中経済室を改組し、8月1日付で「中国・モンゴル二課」を新設する方針を固めた。日中国交正常化40周年を機に態勢を拡充して経済交流の拡大にあたる。これに伴い、政治関係を主に担当する現在の中国・モンゴル課は「中国・モンゴル一課」に改称する。


蒙古PEファンド、オランダ病回避へ始動-「ユニクロカシミヤ」の社長 2011/08/31 11:26 JST ブルームバーグ

8月31日(ブルームバーグ):モンゴル初のプライベートエクイティ(PE、未公開株)ファンドが今秋から動き出す。三菱商事や世界銀行グループから2500万ドル(19億円)を集めており、10月までに運用を開始する。投資が集中する資源関連以外の産業も重視する同国の政策に合わせ、インフラ関連企業などに投資していく方針だ。

モンゴリア・オポチュニティーズ・パートナーズのバット・サイハン社長が30日、ブルームバーグ・ニュースとの電話インタビューで明らかにした。バット氏は、モンゴルは資源開発に偏る投資とその輸出で自国通貨高を招き国内産業が空洞化する「オランダ病にかかるリスクがある」と指摘し、他産業への分散投資の重要性を強調した。

バット氏は2002年のユニクロ在籍中、高品質・低価格でヒットしたカシミヤセーターを発案した人物だ。95年に来日し、一橋大学卒業後、コンサルティング会社のATカーニーを経て、ファーストリテイリングに入社した。現在はモンゴルの経団連にあたるモンゴルCEOクラブ代表を務めている。

ファンドでは12年6月までに7500万ドル(約58億円)を集め、道路、鉄道、建設などのインフラ関連や金融サービス業を含め、5-8社への出資を目指す。投資期間は8年、投資先企業の上場などで内部収益率(IRR)30%を目指す。現在は三菱商事、世銀傘下の国際金融公社などが出資、日本の機関投資家にも参加を呼び掛けている。

モンゴルは、銅、金、ウラン、石炭など天然資源が豊かで、国際通貨基金(IMF)では11年から16年の国内総生産(GDP)成長を年率9-23%と見込む。資源輸出に伴う成長期待を背景に株価指数は過去1年で世界1位の上昇率だ。こうした一方、モンゴル政府は金属価格の変動の影響抑制を図る法律の制定などに動いている。

バット氏はモンゴルに進出したい日本企業と現地企業との技術協力など橋渡し役になることにも意欲を見せる。ファストリ元社長で現在はローソンの玉塚元一副社長はバット氏について「真面目でガッツ、センスもあり人の気持ちが分かる人。みんなが応援したくなるタイプで投資家からの資金も集まりやすいのではないか」と述べた。

毛沢東復古主義者の脱落

中国共産党・全人代で、薄煕来が完全に失脚した。

彼の主張は毛沢東復古主義とでも云うべきもので
「資本主義化した中国をもう一度、共産主義に戻そう」
「文化大革命再び」
と、現在の経済成長に取り残された人々、インフレに苦しむ人々からの一定の支持を受けていた。そして、これからバブル崩壊に苦しむであろう人々の支持も受けられただろう。

薄煕来は、その意味で共産中国におけるポピュリストだった。

中国共産党は、胡錦濤から習近平への権力移行の前に、波乱要因になりかねない(次期首相を狙う中央政治局委員でもある)彼を排除するという意外にまともな行動を取った。

側近の王立軍が更迭、亡命騒ぎを起こした時点で、彼の失脚は確定的だったようだが、現在の指導部も「文革再び」が余程、嫌なのだろう。

重慶市前書記の薄煕来氏、家族絡む犯罪の捜査妨害で解任=元当局者 2012年 03月 21日 13:39 JST ロイター

[北京 20日 ロイター] 中国・重慶市の前党委員会書記、薄煕来氏の解任をめぐり、中央政府は、同氏が自身の家族に絡む犯罪捜査を妨害しようとしたことを受け、解任に乗り出したことが分かった。2人の元当局者が匿名を条件に明らかにした。

元当局者によると、中央指導部は週末、薄氏と、腹心だった同市の前公安局長の王立軍氏の確執をめぐる内部報告書を回覧した。

この報告書は、犯罪捜査をめぐる両氏の意見の相違が、王氏の2月の米国総領事館駆け込み事件につながったと指摘。王氏の証言に基づいて作成され、重慶市などでの内部会議に送付された。薄氏の次期最高指導部入りの望みがついえたことを示すには十分な内容となっており、同氏は職権乱用の罪に問われる可能性がある。

中央指導部に近いこの元当局者のうちの1人は、重慶市の関係筋の話として、「中央指導部は、薄氏が王氏の駆け込み事件の主要な責任を負っている、と話していたそうだ」と述べた。

王氏が指揮していた犯罪捜査には、薄氏の妻である谷開来氏がかかわっていたとされるが、この元当局者は詳細については把握していない。同元当局者によると、薄氏と王氏の対立から間もなく、王氏は公安局長から教育担当の副市長に異動させられ、粛清されるのではないかとの恐怖を募らせた。

もう1人の元当局者は「この犯罪事案は一定の期間、捜査を受けていた」と指摘。「王氏は、保身のためにこの事案を利用しようとしていたとみられるが、逆に薄氏は王氏に敵意を見せたため、王氏は恐怖感を抱き始めたようだ」と述べた。


さて、純輸出と固定資産形成の二つの成長ドライブが失われているなかで、残るは政府支出しかなくなっている。

それで国防費と治安対策費を増やさざるをえない。しかも、次の国家主席と首相が各軍管区を抑えられなければ、不動産バブルが崩壊する地方で軍閥が形成される可能性もあり、予算の振り向け先を海軍増強へと優先すると、米国を中心とした対中封じ込めが待っている。

普通に中国人民の可処分所得を上げ、バブル崩壊後に必要となる継続的な財政出動と量的緩和を行い、内需で食べていける道を進めれば、中進国の経済規模から脱皮可能なのだが、ここら辺が共産中国の運命の分かれ道といえる。

イラン、事実上の国際金融取引停止

グリニッジ標準時で3月17日、イラン国内の金融機関は、民間金融機関の国際間送金・通信取引ネットワーク・システムから遮断された。EUの決定に従って、SWIFT(国際銀行間通信協会)と呼ばれる業界団体が今回、この措置を行った。しかも、この法人はベルギーの国内法に依拠している。

この措置で、ハードカレンシーでは日本円やロシア・ルーブルでの支払いを余儀なくされていたであろう、イラン国内外の法人・個人は、今後、合法的にはバーター取引、もしくは国際的に不穏当な国々を介した取引か、そうした国々のローカルカレンシーによる取引以外の国際貿易決済から疎外されていく。また、非合法な地下銀行のネットワークを利用すれば、即テロリスト扱いとなる。

経済におけるカネの流れは、人間でいわば血の流れにたとえられるものだ。原油というカネのなる木を持っていても、換金して他の戦略物資(食糧・医薬品など)を手に入れられなければ、木は立ち腐れて果実を食すことはできない。

おそらく人道的措置を考慮すれば、食糧や医薬品の原油とのバーター取引は、かつての対イラク制裁の時と同じように推移するだろう。

我が国にとっては1月中旬の時点で、石油元売り各社は「3ヶ月後にはイランからの輸入が少なくなる」と予測していた。それよりも事態は速く進んでいる。制裁適用除外が検討されても、銀行間取引に続き、ロイズなどの再保険も高騰して掛けられなくなるか、再保険そのものが経過措置を経た上での禁止措置が採られ、イランからの原油輸入はEUの制裁措置発動の7月以前にほぼ不可能になるだろう。

米、日本など11カ国のイラン制裁適用除外を検討=関係筋 2012年 03月 21日 03:49 JST ロイター

イラン産原油輸送への保険提供禁止、適用除外で合意に至らず 2012年 03月 21日 00:53 JST ロイター

下記、SWIFTのプレスリリースを拙訳した。

SWIFT instructed to disconnect sanctioned Iranian banks following EU Council decision Published on 15 Mar 2012 SWIFT


SWIFT instructed to disconnect sanctioned Iranian banks following EU Council decision
■SWIFTは、EU理事会の決定に従ってイランとの銀行間サービスを遮断することを裁可・指示した

Brussels, 15 March 2012
ブリュッセル、2012年3月15日

Following an EU Council decision, SWIFT is today announcing it has been instructed to discontinue its communications services to Iranian financial institutions that are subject to European sanctions.

EU理事会の決定に従って、SWIFTは本日、欧州の経済制裁の対象となるイランの金融機関への通信サービスを停止するように指示されたことを発表した。

The new European Council decision, as confirmed by the Belgian Treasury, prohibits companies such as SWIFT to continue to provide specialised financial messaging services to EU-sanctioned Iranian banks. SWIFT is incorporated under Belgian law and has to comply with this decision as confirmed by its home country government.

この新たな欧州の理事会決定は、ベルギー財務省においても追認されており、SWIFTのように専門的な金融メッセージング・サービスを提供する企業が、EUが認可していたイランの銀行との業務継続を禁止するものとなる。SWIFTはベルギーの国内法に基づき設立されており、本国政府によって追認された今回の決定を遵守する必要性がある。

“This EU decision forces SWIFT to take action” said Lázaro Campos, CEO of SWIFT. “Disconnecting banks is an extraordinary and unprecedented step for SWIFT. It is a direct result of international and multilateral action to intensify financial sanctions against Iran.”

「この強制力を有するEUの決定に従い、SWIFTはアクションを起こします」と、SWIFTの最高経営責任者(CEO)であるラザロ・カンポスは述べる。「この銀行間の取引停止は、SWIFTにとって異例で、かつ前例のないステップではありますが、これはイランに対して金融制裁を強化しようとする国際的かつ多国間の直接的行動の結果でもあります」

The EU-sanctioned Iranian financial institutions and the SWIFT customer community have been notified of the disconnection, which will become effective on Saturday 17 March at 16.00 GMT.

EUが認可していたイランの金融機関とSWIFTとの間で持たれていた取引先同士としての関係性は、“グリニッジ標準時 の3月17日(土曜日)の16:00時”を以て、その遮断が発効する旨、通知されている。

SWIFT has been and remains in full compliance with all applicable sanctions regulations of the multiple jurisdictions in which it operates, and has received confirmation of this from the competent regulatory authorities.

SWIFTは、業務を行う複数の管轄区に該当するすべての制裁規制に完全に準拠しており、また規制当局からの確認も受けている。

As a global provider of secure messaging services, SWIFT has no involvement in or control over the underlying financial transactions that are contained in the messages of its member banks.

なお、安全なメッセージング・サービスのグローバル・プロバイダとして、SWIFTは本件に関与しない取引、もしくは加盟銀行のメッセージを含む基本的な金融取引に関して、これらを制御することはありません。


SWIFTの説明によれば、その役割は以下の通り。

SWIFTは、合計210ヶ国で10,000以上の金融機関と企業を接続する通信プラットフォーム、製品およびサービスを提供するメンバーが所有する協同組合です。SWIFTは、そのユーザーがコストを削減し、オペレーション・リスクを削減し、業務の非効率を排除し、安全かつ確実に自動化され、標準化された金融情報を交換することを可能にします。SWIFTはまた、相互に関心のある基準や議論の問題を定義し、市場慣行を形成するために共同作業するために金融業界をサポートします。

“黄金の自由”がポーランドを滅ぼした

3月20日のデッドエンド(145億ユーロの国債償還の日)を回避するための債務スワップに応じなかった民間金融機関のCDS決済が、約26億ドル(約2170億円)になるとのことだ。今回の債務スワップでは、民間金融機関は1000億ユーロ強の減免に応じる代わりに投資元本の31.5%相当の新発債を受け取った。

ギリシャ国債CDSで26億ドルの支払い発生へ-新発債が示唆 2012/03/16 07:06 JST ブルームバーグ

昨日のエントリーでは、ポーランドのシコルスキ外相(2011年のEU議長)の昨年11月28日に行われたベルリンのブランデンブルク演説の冒頭部分を紹介した。

当時の記者であった第三者の視点として、通貨統合のほころびからユーゴスラビア連邦の統合がいかにして失われていったか、が語られていった。敷衍して現在の政治家である当事者の視点として、ユーロはその悲劇を繰り返すべきではない、と語りかけたいのだろう。込められている一節一節ごとに、今やEUがひとつの国民国家として脱皮しなければ存続し得ないのではないか、という悲壮さが伝わってくる。

ポーランド人である彼はこの演説の締めくくりに、プロイセン、オーストリア、ロシアに分割されて歴史の波間に消えたポーランド・リトアニア大公国(もしくはポーランド・リトアニア共和国)を取り上げた。

その当時、ほかの欧州諸国のみならずいかなる欧州以外の諸外国においても実現されていなかった“黄金の自由”を謳歌したがゆえに改革が遅れ、啓蒙専制君主国家に併合されたポーランドの事例を挙げ、統合を維持するためにも改革のスピードが肝要であることを説いている。

『ポーランドと将来の欧州連合』(抄訳・「時を逸した改革の危険性」部分)
ポーランド外相ラデク・シコルスキ
2011年11月28日 ベルリンにて

私はひとつの政治的結合体、共産主義のユーゴスラビアの実験からこの話を始めた。

そこで話の終わりに、欧州のあまり知られていない別の連邦国家、ポーランド・リトアニア大公国について触れたい。その国家は1385年から約4世紀以上の命脈を持った、つまり現時点では、EUは言うに及ばず、合衆国、連合王国となってからの英国、ドイツ連邦共和国といった連邦国家よりも長く続いていた、と云える。

このコモンウェルスはEUのように時代の先端を行くものだった。合同された議会と選出される国家元首を有し、その国家における有権者は人口の10%と、同時代を包括しても最も高い割合から成っていた。宗教的には寛容であり、三十年戦争の恐怖からの人々の救い手だった。都市はマクデブルグ法に則って、私の故郷であるブィドゴシュチュのように、その多くがドイツ人の移民によって築かれた。ユダヤ人、アルメニア人、そしてありとあらゆる欧州中からの反体制派がこの連合体に自らの足で踏み入れることによってその意志を示し、その運命を切り開こうとした。

自由は軍事的な勇猛さと手を携えていた。今もドイツ軍の紋章に息づく、かのドイツ騎士団を1410年にグリュンワルドにおいて破り、1683年にはウィーンの城門においてオスマン帝国を破り、欧州がイスラム教徒の旗の下に統一されることを防いだ。

しかしながら17世紀から18世紀にかけて状況は変わった。選出された王、ばらばらの軍隊と通貨とでは、重商主義と権威主義によって統一された国民国家との競合に打ち勝てなくなったのだ。一地方の反対票によって法制化が阻止されうるコモンウェルスの最も民主的な特徴こそが、コモンウェルス最大の脆弱性となったのだ。連邦国家においては称賛されるものだった全会一致の原則は、無責任さと腐敗の温床となることを明確にしてしまった。

ポーランドはついには自ら改革を成し遂げた。我々の1791年の「5月3日憲法」は全会一致を廃止し、国家を統一し、永続的な政府を打ち立てた。しかし改革はときすでに遅すぎたのだ。我々は憲法を守る戦いに敗れ、1795年には1世紀以上つづくポーランド分割に陥った。

このポーランドの物語の教訓とは何か? 世界が変容し新たな競合相手が現れたときには、留まると云うことは得策ではない。過去に運用されていた制度や手続きでは対応できない。段階的な変化でも充分ではない。自らの地位を守るのにでさえ素早い適応性を持たなければならない、ということだ。

我々には、偉大な連合がかつてのユーゴスラビアや古きポーランドのコモンウェルスがたどった運命から守る責務がある、と信じてやまない。


参考URL:
“Poland and the future of the European Union” (PDFファイル)

欧州国民は創生され得るか否か

国際通貨基金(IMF)は、ギリシアについて報告書をまとめた。

国内の政治リスクによって、経済改革や歳出削減が遅れ、国際公約が履行できなければ、公的部門の継続的支援を受けられず、欧州中央銀行(ECB)による資金供給オペを利用することもできなくなり、ギリシャはユーロ圏からの無秩序な離脱が避けられなくなるとの見方を示した。

また、他の欧州諸国に経済的コストや波及リスクが及び、世界全体にも影響を与える可能性があるとしている。つまり、まだ危機は終わっていない、と云う総括だろう。

我が国の野田政権も緊縮財政及び増税を唱えているが、ただでさえ収税能力の低いギリシアでこれをやれば、税率以上の税負担がのしかかる。当然、他のユーロ圏の国に資本逃避するので「ドイツが昨日つぎこんだものが、ドイツに翌日環流してくる」永久機関の完成となる。もう笑うしかない。

ギリシャのユーロ圏離脱、継続的支援ないなら公算大=IMF報告書 2012年 03月 17日 08:59 JST ロイター

今年に入って、IMF(国際通貨基金)が最大5000億ドル(約38兆4000億円)の調達を目指すと発表した。現在の融資可能な資金は約3850億ドル。ユーロ圏諸国は1500億ユーロ(約14兆8000億円)の貢献を約束しているものの、米国は追加拠出の計画はないとし、20カ国・地域(G20)の首脳らも昨年、合意に至らなかった。

IMFは外貨不足に陥った国家に外貨を貸し付けるための救済組織であって、欧州債務危機を救済するための組織ではない。EESF(欧州金融安定ファシリティー)とESM(欧州安定化メカニズム)がそれに相当する。ドイツが拠出に否定的なため、IMFを迂回しよう、しかも欧州以外の資金を原資にするというさもしさが見え隠れする。キャピタルフライトで可能性は日に日に少なくなっているもののBRICSなど新興国の議決権拡大につながりかねない場合、我が国や米国、英国は合意できる余地がさらに少なくなる。

そして、当のギリシアにはカネを返す実行力が疑われている。そもそもカネを返すという概念もないのではないか、と思われている節がある。

IMF:5000億ドルの資金増強を目指す-必要額1兆ドル視野に (1) 2012/01/19 01:44 JST ブルームバーグ

ポーランド財務相:IMF支援能力増強のための資金拠出は可能 2011/12/22 16:14 JST ブルームバーグ

ギリシャ支援、これまでのほとんどは無駄銭-スウェーデン財務相 2012/02/01 02:13 JST ブルームバーグ

こうしたニュースを再読してみて、以前のエントリーで触れたポーランドのシコルスキ外相の演説を思いだした。彼は2011年のEU議長としての任期の最後に当たり、昨年11月28日にベルリンのブランデンブルク門を背に演説し、EUの命運を握るであろうメルケル独首相に行動を求めたが、その全文を読んでみた。長いので印象的なまず最初の部分を抄訳した。

その演説は、彼が記者としてユーゴスラビア連邦を訪れた際のエピソードから始まる。1990年代に激しい内戦によって滅亡したユーゴスラビア連邦の崩壊の最初のくさびが打ち込まれた瞬間の出来事の臨場感を、現在進行形のユーロの苦境とダブらせながら語り始めていく。

『ポーランドと将来の欧州連合』(抄訳・冒頭部分)
ポーランド外相ラデク・シコルスキ
2011年11月28日 ベルリンにて

大統領閣下、親愛なるギド・ウェスターウェレ外相並びにお集まりの紳士淑女の方々、さて、ある思い出話から始めることとしたい。

20年前の1991年、私(現在のポーランドのシコルスキ外相)は記者としてユーゴスラビア連邦を訪れていた。(連邦を構成していた)クロアチア共和国の中央銀行総裁にインタビューしていたとき、彼の電話にどうにも形容しがたい一報がもたらされた。それはユーゴスラビア連邦を構成する別の共和国、セルビアの議会が共通通貨であるディナールを連邦の承認を受けずに発行する決議を通した、ということだった。

受話器を置くと彼は云った、「これは“ユーゴスラビア連邦の終わり”ということですよ」

彼の言は正しかった。ユーゴスラビア連邦は崩壊した。そしてまた“ディナール圏”も崩壊した。我々はその後で何が起きたかも知っている。ときに貨幣の問題とは戦争と平和の問題ともなり、連邦国家の生と死とにもなり得る、のだと。

今日ではクロアチア、セルビア、マケドニアのそれぞれが独自の通貨を持つ。

モンテネグロとコソボはユーロ圏ではないもののはっきりとユーロを流通させている。ボスニア・ヘルツェゴビナでさえ“兌換マルク”をユーロにペッグさせている。

この連邦崩壊の物語は欧州の統合ではなく、欧州の分裂を顕すものだろう。

分裂はひどい人的コストを伴う。欧州の潮流を緩やかな統合へと回帰させるには今しかない。

ユーゴスラビア連邦のたどった運命は、貨幣が技術的な装置であるのと同じく、“交換の手段”でもあり、統一を、もしくは非統一を象徴するものであることを我々に想起させる。

それはなぜか? 貨幣が存在するのはそこに共同体が存在するからで、人々が生活し交易する共同体においては、とくに自由に取引がおこなわれるところでは、価値が創出される。共同体における貨幣とは、その価値を象徴しているものなのだ。

この貨幣の道徳的重要性はイマヌエル・カントの興味を刺激した。貨幣を貸し出すには、少なくとも前提条件として誠実に返済する意図が社会全体の習慣としてある、と彼は書いた。もしもこれらの前提が一般に無視される状態となれば、富の貸与や共有といった概念が損なわれることになるだろう。

カントにとって誠実や責務は、無条件にそうせねばならない社会的命令(定言命法)であり、道徳的な社会秩序の基礎であった。それはEUにとっても同様に社会の礎である。私はふたつの根本的な価値、責務と一致団結について指し示したい。責務は決断と手順に関し、一致団結は責務からくる負担の受け皿となるからだ。


統一された通貨は、統一された国家における国民の、共同体として苦楽をともにし分かち合う人々においては単なる取引手段というだけでなく、価値観を共有するものなのだ、とシコルスキ外相は説いている。

逆を云えば、価値観の共有もなく、苦楽をともに分かつ気持ちもなく、共同体もしくは一体のネイションとしての感情が醸成されていないEUにおいては、通貨統合が先に、国民統合は後にとなっているのは危険なことなのだ。もちろん先憂後楽をしなかった云えばそれまでだが。

かつて、イタリアを統一したカヴールが、オーストリア皇帝やローマ教皇との戦いと同様にイタリア国民をつくる戦いがいかに困難かを説いたように、10年単位で終わりようがない統合が簡単な戦いでないのはたしかだ。

一例を挙げるに、現在のギリシア人とドイツ人にどのような犠牲をともにする連帯感があるのだろうか。我が国の例で云えば、沖縄に対して本土が“沖縄県民斯ク戦エリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ”と憶えていればこそ、インフラの整備や基地移転に多額の税金を投じても許容できるようなネイションを形成する何か神話のような物語が、彼らには欠けている。

参考URL:
“Poland and the future of the European Union” (PDFファイル)

最後に党の財布を握るのは誰か?

小渕元首相が自自公連立を組むまでに、金融再生法案を野党案丸呑みしたり、さんざん揶揄された公明党の地域振興券案を受け入れたりしたことを想起すると、下記のニュースにある大連立打診は拙速すぎるだろう。

筆者は、小渕元首相を平成に入ってからでは、最も優れた宰相だと考えている。外交・安全保障政策と内政・経済政策の両面でバランスが取れていた、と思う。

バラマキと非難されたものの公共事業関連で土木建築は息を吹き返した。金融も回りだして、規制緩和も行った結果、IT関連や人材派遣業などで現在、上場しているベンチャー企業の多くは1997年~98年くらいまでに創業している。

小沢氏の自由党が連立離脱する際、インタビューで彼がうつろな表情だったのは今でも忘れられない。その翌日、彼は倒れて職務に戻ることはなかった。

岡田副総理が大連立打診 自民断る 3月17日 4時6分 NHKニュース

岡田副総理が、今月上旬、消費税率を引き上げるための法案を成立させるため、自民党の谷垣総裁に近い党幹部と会談して大連立を打診し、この党幹部が「野田政権の延命につながるだけだ」として、断っていたことが分かりました。

消費税率を引き上げるための法案を巡っては、民主党内で反対論が根強いうえ、参議院では野党が多数を占めていることから、成立の見通しはたっていません。

野田政権は、法案の成立には自民党の協力が必要だとしており、先月25日には、野田総理大臣が自民党の谷垣総裁と2人だけで会談しました。

関係者によりますと、これに続いて、岡田副総理が今月上旬、谷垣総裁に近い自民党の幹部と会談し、消費税率を引き上げるための法案や赤字国債発行法案などを成立させるため協力を求めるとともに、連立政権への参加も打診したということです。

これに対し、この党幹部は「連立政権は野田政権の延命につながり、民主党にとっての利点はあるが、自民党には利点がない」として、断ったということです。

自民党執行部は、衆議院の解散・総選挙を行ったあとならば、民主党と協力する余地はあるものの、選挙前の大連立は受け入れられないとして、法案の成立前の解散を求める姿勢を崩しておらず、今後、民主・自民両党の駆け引きが活発化する見通しです。

一方、民主党内では、大連立について、次の衆議院選挙で、民主党と自民党の違いが分からなくなるといった意見があるほか、小沢氏に近い議員の間から「消費増税に反対する議員を排除しようとしているのではないか」と警戒する声もあり、波紋が広がることも予想されます。


このリークが正しく、岡田副首相が大連立を打診した、とすれば、まだ消費税増税案に関しても党内をまとめ切れていない可能性が高い。

直言すれば民主党、と云うよりは岡田副首相は優先順位を変えるべきだろう。消費税増税案をあきらめ、暫定予算案も赤字国債法案も自民党・公明党の案を丸呑みした方が良い。その時点で、たとえ野田政権は倒れても、少なくとも解散は遠ざかる。

民主党、または岡田副首相にとって一番重要なのは年末に金額が確定する政党助成金だ。これこそ民主党の最後の、そして最大の利権だ。党の幹事長職をどの派閥が手にするか? このカネを持って逃げ切った者が“民主党バトルロワイヤル”の勝利者となる。

アンディ・ウォーホルと“メメント・モリ(死を想え)”

日本のサブカル好きが嵩じて流暢すぎる日本語をしゃべる外人さんが、大体口をそろえて云うのが自国のサブカルが“画一的”だの“多様性に乏しい”との言葉だ。

「我が国を表すレッテルとして“そっくりお返しします”」と反論したとしよう、100%突っ込まれる。

結論としてはひとまず
「日本だけが“ポストモダン”の時代に入っているんだ」
「フランスは神を排除して、理性に置き換えて崇拝する“モダン=近代”に最初に突入したから、日本を模範にしようと、もがいているんだ」
ということだ。

退屈すぎて死にそうで、サッカーを観てビールを飲むか、クラブ通いとドラッグしか消費の選択肢がない。とはいえ、今さら神様にすがれない。

まるで退屈と死は、ともに携えて欧米文明を覆う影となっているかのように嘆く。特に欧州は宗教右派が存在する米国と比べて宗教の影響力が落ちている。

しかし、1960年代くらいからその傾向があったのではなかろうか。

最晩年のアンディ・ウォーホル(1928年~87年)は、デビュー仕立てのイギリスのバンド「キュリオシティ・キルド・ザ・キャット」の“Misfit”(1987年)のPVに客演して、おそらく演出もしていた。

その直後だったか、胆嚢手術後の合併症で急死してやたら唐突だったのを思い出す。モノクロっぽい映像に、歌詞が書かれた紙を持つウォーホルの姿は紙をめくって、落とす以外はほぼ不動で、彼のミニマルな映画を彷佛とさせた。

ウォーホルのファイン・アートの中でもとりわけ退屈なのが、初期の実験的な映画だ。

『イート』(1964年)では、ただひたすらマッシュルームを食べる。『エンパイア』(1964年)では、8時間かけてひたすらエンパイア・ステート・ビルディングを映す。『ヘンリー・ゲルツァーラー』(1964年)では、椅子に坐ったヘンリー・ゲルツァーラーをただひたすら映す。画面のゲルツァーラー自身が退屈そうに顔をしかめる。反復するミニマリズムの極致であろう。

その退屈さに耐えられなくなったら、ドラッグやセックスに溺れた群像劇を見るのが良い。『プア・リトル・リッチ・ガール』(1965年)で、マリファナを吸っていたイーディ・セジウィックは1971年に睡眠薬の飲み過ぎで死亡する。

それに、ポップ・アーティストとしてのウォーホルの名声を確立したのは、シルクスクリーンに印刷された32の『キャンベル・スープ缶』のシリーズである。ここに退屈きわまりないミニマルな初期の実験的映画と同じ反復を見い出すことができる。

また『マリリン』(1962年)、『ジャッキー』(1964年)の連作もある。

マリリン・モンローの睡眠薬の飲み過ぎによる死、JFKの暗殺を受けて発表されたこれらの作品には死の影が濃厚にあらわれている。ドラッグとセックスの暴走の果てが死であることを思うとき、表現手段の相違にも関わらず作家の一貫性を見い出すことができる。

ようするにウォーホルは、そのポップ・イコンとしての生涯とは裏腹に“メメント・モリ(死を想え)”を生涯のテーマとした作家であった。彼自身、現在のスロバキア共和国に住んでいたカルパト=ルシン系、宗教は東方典礼カトリック教会の移民の子だった。

さて下記の記事によれば、彼の作品で、エルビス・プレスリーが銃を構えた立ち姿を二重写しにした『ダブル・エルビス』が競売に掛けられ、高値で落札されるのではないか、と期待されている。

ウォーホルの「ダブル・エルビス」競売に、41億円超で落札も 2012年 03月 16日 15:50 JST ロイター

[ニューヨーク 15日 ロイター] 米ポップアートの代表的な画家である故アンディ・ウォーホルの作品「ダブル・エルビス」が、5月9日に競売にかけられる。競売大手サザビーズが15日明らかにした。同社は最高で5000万ドル(約41億7000万円)の値が付くと予想している。

出品されるのは、カウボーイの格好をして銃を構えている米ロック歌手の故エルビス・プレスリーを描いたもので、1963年に発表された作品。

同作品はオークション前にロサンゼルスやロンドン、香港で展示されるという。

ウォーホルの作品でこれまでの最高落札額は、2007年に競売にかけられた「グリーン・カー・クラッシュ」の7170万ドル。


上記のモチーフとなったのは、エルビス・プレスリー主演の映画『燃える平原児』(原題:Flaming Star/1960年)だ。ストーリーは、白人とインディアンのハーフとして生まれた主人公が、人種間の抗争に巻き込まれ、白人の父とインディアンの母を殺され、両人種のコミュニティに裏切られ、ひとり死を覚悟する絶望的な復讐へと赴いていくところで終わる。

記事中に触れられている『グリーン・カー・クラッシュ』もそうだが、『自殺<身投げ>』『電気椅子』『十字架』『最後の晩餐』などもっと直接的なモチーフを使った作品もある。ここでは退屈の果てに訪れる“死を想う”こともまたポップの名を借りて流通する商品となっている。

欧米は「宗教が理性に置き換わっただけで“モダン=近代“も、“メメント・モリ(死を想え)”からは脱却できなかったのでは?」

とすると、この点において消費の選択肢は変わらなかったことになるではないか。

つまり、欧米を覆う影“退屈と死”は、宗教とそこから宗教色を抜いた社会そのものに起因していることになる。日本だけが到達したポスト・モダンが、宗教と理性の二項対立構造から両者の自然な混淆とすれば、たしかに欧米にとって、近代そのものが振り払うことの出来ない影になっているのが分かる。

「FTAハブ」ではなく「FTAトランジット」

第2次大戦後の米国の安全保障の下に、戦前に社会基盤制度をつくってくれた日本から資本財・中間財を輸入して、消費財を輸出するための財閥を育成して、これらの企業が外貨を稼ぎ、中間層を勃興させて、経済的に安定した社会をつくろうとしたのが、漢江の奇跡と呼ばれた“朴正煕モデル”だった。

発効した米韓FTAは、アジア通貨危機以降、揺らいでいったこのモデルの最終的瓦解を招くだろう。

建国当時からの“李承晩ドクトリン”とでも云うべき、 反日政策に基づいて、日本由来の文物を自国の文字に書き換えるか、自国起源と主張する思想教育が、徐々に日本がつくった社会基盤制度のソフト部分を崩していったことも忘れてはならない。

おそらくは、満州国の軍人だった朴正煕と上海租界に亡命していた李承晩の違いだろう。

もっともNAFTAが、メキシコの社会構造に与えたインパクトを考えれば、社会の流動性(ダイナミズム)が高まる分、彼らにとってチャンスと云えなくもない。“メキシコ革命”によってつくられた体制が瓦解したとき、起きたのは新たな富裕層・中間層の勃興と麻薬戦争の勃発、サパティスタ民族解放軍の蜂起だった。

東亜日報の社説子は「FTA大国」とぶち上げ、記者は今回のチャンスを「FTAハブ」と称しているが、実態は「FTAトランジット」だろう。我が国は、仲介貿易国家でもあるオランダをドイツやフランスへの迂回路として利用しているが、そのオランダの2倍以上もの人口を抱える隣国・韓国の壮大な実験を横目で見やることになる。

かつ我が国は韓国に対して、自国からの資本財と中間財の輸出で一回抜き、欧米からの消費財の迂回輸出で一回抜き、それらを輸出入する韓国企業向け運転資金の貸出金利で一回抜く、ということになる。

そもそも我が国は、韓国人の労働生産性や中間層による消費市場などこれっぽっちも期待していない。そこそこカネが回っていさえすれば、最低限メシは喰える。彼らが食いっぱぐれて、大挙して我が国に不法入国しなければ、それだけでもまずは良しとしよう。

世界3大経済圏とFTA、韓国が「FTAハブ」に浮上 MARCH 13, 2012 08:31 東亜日報・日本語版

米国や欧州連合(EU)、東南アジア諸国連合(ASEAN)の世界3大経済圏と自由貿易協定(FTA)を交わした唯一の国である韓国が、各国からの直接投資を吸い込む「FTAハブ」として浮上している。

世界経済の低迷や欧州財政危機の中でも昨年、欧州企業の韓国への直接投資は急増し、日本や中国企業もその後を追っている。海外に流れた国内企業各社が次々とUターンの準備をしており、若者失業問題の解決に向けた雇用創出に大きく役立つものと見られる。

政府は、15日に発効する韓米FTAを機に海外投資説明会を開き、Uターン企業に対し補助金を支援することを決定した。

12日、知識経済部(知経部)によると、昨年、外国人の直接投資(FDI=届け額基準)は、EUが50億3200万ドルで、前年より57.4%が増加した。日本は22億8900万ドルで9.9%、中国は6億5100万ドルで57.2%がそれぞれ増加した。

これは昨年7月の韓EU間FTAに次ぎ、今度は韓米FTAの発効まで控えており、韓国の投資魅力度が高まったことによるものと見られる。外国企業が韓国に工場を建設すれば、原産地規定を受け、韓国とFTAを交わした米国などに輸出する際は、非関税の恩恵を受けることになる。

中国に進出している韓国の中小企業も、FTA効果などを狙い、生産施設を国内に再び移転する案を推進している。知経部とKOTRAが先月、中国の上海や北京、青島、天津などに工場を保有している韓国の中小企業400社を対象に調査を行った結果、27社(6.8%)が、「生産施設を韓国に移転する用意がある」と答えたことが分かった。特に、韓米FTAを受け、非関税恩恵を受ける繊維や靴業種の企業各社は、Uターンに積極的だった。

知経部は、FTAハブ効果を最大化するために、12日から、ドイツのハンブルクやニュルンベルクで、地元の企業家を対象に投資説明会(IR)を開き、投資誘致に乗り出している。5月、中国で行われる韓中日首脳会談にあわせ、政府レベルでも投資説明会を行う計画だ。

政府は早ければ来月、非首都圏に生産施設を建設するUターン企業に対し、地方自治体と一緒にテナント補助金を支援し、法人税や所得税の恩恵を延長する内容の、「Uターン企業向け支援対策」もまとめる予定だ。

米投資銀行・モルガンスタンレーも最近、「FTAの重要性」と題した報告書の中で、「韓国のFTA締結は、国の競争力の強化や外国人からの投資増大、消費者購買力の拡大につながるだろう」とし、「韓国は、FTAの『ファーストムーバー(First Mover)』として、確実に恩恵を受けることになるだろう」と分析した。


[社説]韓米FTAがなぜ国益なのかを示すべき時期にきている MARCH 15, 2012 08:08 東亜日報・日本語版

本日0時を以て、いよいよ韓米自由貿易協定(FTA)が発効した。反米意識を心の中に隠し、韓米FTAの発効に極力反対してきた勢力が、無理強いを主張していたことを裏付けることのできる「新しい時間」に差し掛かっている。韓米FTAが、輸出や貿易収支の改善効果を示し、新たな雇用創出の機会を増やし、消費者らの価格面でのメリットや便益を増大させる協定であることを示すべき時期に来ている。中国や日本など、米国といまだにFTAを交わしていない国々との対米貿易競争で、韓国の競争力がかつてより高まったことを、具体的に裏付けなければならない。そのためには、政府や企業各社は、韓米FTA効果の最大化を図るため、不備な部分の準備を急ぎ、補足しなければならない。

米首位のドラッグストア・ウォルグリーン社のグローバル購買責任者が、韓国製商品の購買交渉のため、来月、韓国を訪問する。世界最大手の通販会社・米QVCやコストコなどの大手スーパー、ラルフローレンなど5つのグローバルファッションブランドの購買責任者は6月に来韓する。KOTRAの仲介で、韓国メーカーとの購買商談を行うグローバル大手企業各社のリストが増え続けている。

韓米FTAの発効を受け、世界の国内総生産の23%を占める米国との間で関税が撤廃され、米国向け輸出の増加やGDP増加、雇用創出の効果が期待される。国内消費者は、米国産9061品目の関税の廃止を受け、ワインや果物、衣類、カバン類の価格が値下がりする効果を享受することができる。米自動車メーカー各社は、一部のモデルの国内販売価格を、100万ウォンから200万ウォン値下げした。輸出メーカーは、米市場で関税廃止と言う恩恵を受けることになる。中小の輸出企業が関税恩恵を受けるためには、原産地規定をうまく活用しなければならない。我々との間でFTAが発効している米国や欧州連合(EU)、アセアン、インドなどの原産地規定はそれぞれ異なっており、中小企業各社もコンピューターでの処理することが求められている。

関税庁は、適合型FTA向けコンサルティングを行い、通関支援チームを24時間体制で運営する。農村経済研究院の金ジョンホ研究員は、「国内農業が頭打ちの状態である国内市場から脱し、海外市場を開拓できるチャンスだ」と主張した。米西部に向け進出し、東部市場にまで狙いを定めている牙山(アサン)の梨や安城(アンソン)のしめじも、跳躍できるチャンスをつかんだことになる。最大5日間も掛かった米国向け輸出の通関手続きが48時間以内へと短縮され、年間8000万ドルにのぼる様々な手数料がなくなったことも、韓米FTAの効果だ。

KOTORAは、「韓米FTA発効直前から、米国や日本企業各社の国内への投資を巡る関心が高まっている」と伝えた。米自動車部品メーカーが、中国から韓国への工場移転を検討している。日本の工作機械機器メーカーは今月、大邱(テグ)に工場を着工する予定だ。外国人投資が増えることになれば、雇用も増える。失業者でなくても、「何もしていない」20代や30代のフリーターが、2月現在56万人と、史上最高を記録し、1件の雇用でもほしいのが現状だ。

梨花(イファ)女子大学の崔源穆(チェ・ウォンモク)教授は、韓米FTAを受け、国内経済の体質改善や構造調整に踏み切るべきだと強調した。政府が二の足を踏んでいるサービス産業の再編などの国内改革が伴われるべきだ。ここから出る韓国経済の生産性向上効果は、丸ごと我々のものになる。政府も、「韓米FTAを通じ、米市場へのアプローチを拡大するよりは、中長期的な目線で、サービス産業の有効性や競争力を高めることのほうがより重要だ」とし、「米国からの投資やテクノロジーを受け入れ、医療や法律、教育、会計サービス分野の雇用創出を図ることができるはずだ」と分析した。

法律市場の段階的な開放にあわせ、米法律事務所の韓国上陸が開始され、国内サービス産業の「ビックバン」を予告している。関連業界は、崩れつつある業種別の参入壁を立て直すよりは、開放の現実にあわせ、競争力を強化するしか手はない。一部の韓米FTA反対派は、形骸化したデマを再び持ち出し、ソーシャルネットワークサービス(SNS)に掲載している。統合民主党は、韓米FTAの破棄を主張し、逆風に当たると、「全面反対」、「再度の交渉」などへと批判レベルを下げている。反対派らが問題と主張した投資家ー国家訴訟制度(ISD)は、世界的に数千件の交渉に含まれており、韓国がかつて交わした大半の協定にも含まれている。彼らの反対は、反米のほか、説明できるすべがない。ISDは、韓国企業による海外投資を守る機能も重要だ。

韓米FTAは、両国間の同盟を強化させる接着剤の役割を果たす。米ピーターソン国際経済研究所のジェフリー・ショート先任研究員は、「米国は、韓米FTAと言う経済同盟を受け、韓国や東南アジアに深く関わることを宣言した」とし、「通美封南」しようとする北朝鮮に対し、厳重なシグナルを送ったと解釈した。外交安保研究院の李俊揆(イ・ジュンギュ)院長も、「韓米関係は軍事同盟という一つの柱に、FTAと言うもう一つの柱が59年ぶりに加わり、二輪で立つようになった」と診断した。

韓米FTAは、韓国の3万ドル所得時代へと跳躍する足掛になりうる。成長エンジンが萎縮し、潜在成長率が下落した韓国経済にとって、活力の回復剤になるだろう。政府や企業、国民が一緒に力を合わせ、ゆるぎなくFTA大国へと進むべきだ。

世界は7秒で変わりはしない

ネナ・チェリーとユッスー・ンドゥールのデュエット曲「7 Seconds」(1994年)は、人間がこの世に生まれ出でてから、7秒までは世界を認識もせず、完全な無垢なままであり、この世のあらゆる不条理から自由で無縁の存在である、と唄っていた。

冷戦終結の頃からだろうか、筆者が好きだったポリスのスティング、トーキング・ヘッズのデヴィッド・バーン、ジェネシスのピーター・ガブリエルがワールド・ミュージックへの傾倒をより露わにし始めた。

ジャンルとしてのニューエイジも生まれた。1980年代後半にはエンヤがブレイクし、1994年~1995年くらいには、エニグマやアディエマス、ディープ・フォレストなどが出揃った。「7 Seconds」も同時期のリリースだった。

彼らインテリ出身のミュージシャンに共通して見られる(ワールド・ミュージックの源泉となる)民族音楽に対するスタンスは、ハイ・カルチャーの側がポップ・カルチャーやサブ・カルチャーを自らの批評によって、文化的な位置づけを決める姿勢に似ている。

一歩間違えると、それは傲慢さにもつながるものではあるが、ジャマイカ発のスカやレゲエのようにビッグ・ビジネスにつながるものもある。余談だが80年代~90年代当時のスカのバンドでは、かなりマイナーなフィッシュボーンやジ・アンタッチャブルズ、レピッシュが好きだった。

さらに同時期、我が国でも沖縄音楽の再評価が行われ、韓国のポンチャックが紹介されたりした。

たぶん「カシオトーン」を使った李博士(イ・パクサ)のチープなグルーヴ感を韓国人が正当に評価して、後継となるフォロワーが発展させていれば、あるいは2トーンスカのようになったかもしれないし、K-POPのオリジナリティも高まっただろうと、惜しまれる。

李博士(イ・パクサ)は、観光バスツアー付きの歌手だったそうで、旅回りの芸人に近いのだろうか。インテリという訳ではないが、大衆に根ざしていることは間違いない。

話は戻って、ピーター・ガブリエルが1986年にアルバム『So』の大ヒットとともに来日し、ライブ「JAPAN AID」のラストで、ユッスー・ンドゥールと一緒に「In Your Eyes」を唄い、最後は出演者全員で合唱していたことを思い出す。

セネガル歌手ンドゥール氏、大統領選で現職敗北なら音楽再開へ 2012年 03月 2日 13:52 JST ロイター

ユッスー・ンドゥールは、セネガルで“グリオ”と呼ばれる世襲の口承音楽家の家系に生まれたそうだ。文学や歴史を語りつぐ吟遊詩人のようなものだろう。伝統社会におけるインテリとも云える存在で、欧米のインテリ層出身の音楽家との親和性も高かった訳だ。彼自身、セネガル国内にラジオ局とテレビ局を所有し、マスコミを通じて一定の影響力を行使できる立場にある。

彼は大統領選への立候補断念後、現大統領の対立候補を支持している。たとえ、対立候補が当選したところで、全体のパイが拡大していない国の経済においては、現体制側の利権を奪取し、再分配せねばならない。それは内紛や内戦の火種になりうる。

不条理きわまりないこの世の現実において、この世に生まれ出でた7秒間の赤子のように無垢なままでは、物事を解決するなど出来はしないだろう。かと云って、7秒後には自らの正義だけを信じかねず、これもまた物事を解決には導かない。得てしてインテリが陥りやすいこの罠は誰もが自戒としなければならないものだ、と思う。

“保八”は破れた

全国人民代表大会(全人代、国会に相当)において、GDP成長率を8%に維持するいわゆる“保八”を放棄して、2012年の目標を7.5%とした。一方、インフレ率目標を前年と同じ4%とした。

中国:今年のGDP成長率目標は7.5%、インフレ率は4%  2012/03/05 11:34 JST ブルームバーグ

経済成長のエンジンだった純輸出と固定資産形成のいずれもが頓挫しつつあり、国内消費をまともに形成できるかは危ぶまれる。

中国:2月貿易赤字は315億ドル-89年以来最大の赤字幅 2012/03/10 12:52 JST ブルームバーグ

輸出では、貿易収支が春節(旧正月)の季節要因もあるものの315億ドル(約2兆5800億円)の赤字となった。

例年のことだが、春節の際に国内外の中国人が故郷に帰るので生産ラインに支障を来すことが多い、そして何人かは帰ってこない。これを防ぐために安易な賃上げと内陸部移転をすると、もはや輸出拠点としての中国のメリットがなくなる。

中国:高速鉄道の未開通部分が崩壊、湖北省-安全懸念が再燃 2012/03/12 15:12 JST ブルームバーグ

中国:北京の新築住宅販売、1-2月は37.5%減-面積ベース 2012/03/12 16:53 JST ブルームバーグ

固定資産形成では、高速鉄道で5月に開通予定だった湖北省の漢宜高速鉄道(武漢市と宜昌市を結ぶ)が300メートルにわたって崩壊。さらに北京市の新築住宅販売は前年同期比37.5%減、新築不動産販売は同40.4%減、新築住宅建設は同77.2%減となった。

バブルを維持するための足元が文字通り、崩れ始めている。

中国の景気減速感が強まる、緩和策導入も-アジア各国も検討 2012/03/12 14:29 JST ブルームバーグ

中国の銀行システム、資本不足に今年直面する可能性-人民銀総裁 2012/03/12 12:40 JST ブルームバーグ

国内消費では、1~2月の工業生産は2009年以来の低い伸びで、小売売上高はエコノミスト予想の中央値を下回った。

積極的な財政出動と、預金準備率引き下げに加え、利下げを行い、いずれはゼロ金利を目指した金融緩和を打たなければならなくなる、と思われる。

中国の12年国防費は11.2%増、公安関連支出は11.5%増 2012年 03月 5日 15:11 JST ロイター

国内治安対策費は前年度11.5%増の7018億元(1114億ドル)と国防費は11.2%増加し6703億元(1064億ドル)と、それぞれ例年とほぼ同規模で約10%以上増やしている。治安予算の方が国防予算より多い点は、実に興味深い。

当局発表の暴動や抗議活動などの事件件数は、1993年の8700件から2010年には9万件に増加した。また、当局はここ2年来の数字を公表していない。

製造業の海外移転、その最終帰結は“自動化工場”

プラザ合意後の円高以降、国内の産業空洞化が叫ばれた。しかし短い円高不況の後、実際に起きたのはバブル景気とバブル崩壊による供給過剰とそれに伴うバランスシート不況、金融ビッグバンによる国内の資金循環の海外流出だった。

産業は空洞化しなかったが、デフレと円安による景気拡大で、それまで中間層を生み出してきた雇用体系は形骸化してしまった。国内の製造業は海外で雇用を創出して、諸外国に中間層をつくるのかと思いきや、さにあらず、今やほとんど雇用を創出しない“自動化工場”にまで到ろうとしている。

キヤノンは、トナーカートリッジの自動化工場を需要の大きい欧米に建設していく方針を明らかにした。稼働中の米国工場(ヴァージニア州)に続いて、オランダ・フェンロー市に2ヶ所目の工場を建設予定とのことだ。

また、レンズ生産の自動化実験を国内の宇都宮工場で始めている。国内で実験成果が得られた自動化工程は順次、人件費の相対的に安いタイなどの海外の工場でも導入していく方針とのこと。

この記事で思い出したのが、東レが炭素繊維工場を韓国に建設する、とあった去年のニュースだ。実のところ、炭素繊維の生産にもほとんど人員は必要ない。下記の記事にある「年産2200トン」ならば50人くらいか。もしかするとそれでも多いかもしれない。

キヤノンのロイター電と同日に出た東レのニュースリリースも一読すると、さらに興味深い。フランスの子会社Toray Carbon Fibers Europe S.A.(CFE)から、韓国子会社Toray Advanced Materials Korea Inc.(TAK)に原糸(プリカーサ)を供給する計画とある。

つまり、日本から炭素繊維の原糸の生産設備を送り、フランスで原糸をつくり、韓国で炭素繊維をつくり、日本で顧客向けの複合材料をつくり、国内と欧米の最終消費地に送る。ここでは日本→欧米→韓国→日本→欧米の迂回貿易構造が見られる訳だ。

同じく炭素繊維をつくっているクレハ社長のインタビュー記事も併せて読むと、国内メーカーのスタンスがよく分かる。消費財をつくるために現地需要のある国、もしくは人件費の安い国への海外移転は進むが、その場合でも資本財、中間財の輸出は同時に増えていく傾向自体は変わらなさそうだ。

キヤノン、オランダにトナーカートリッジの自動化工場を建設へ 2012年 03月 9日 15:21 JST ロイター

震災1年:「秘伝のタレ」は外に出さず、素材に商機=クレハ社長 2012年 03月 8日 13:38 JST ロイター

UPDATE1: 東レ<3402.T>が韓国に年産2200トンの炭素繊維工場を建設へ、投資額は50億円 2011年 01月 17日 13:56 JST ロイター

炭素繊維のグローバル生産能力増強について -世界4極で年産6,000トン増強 2014~2015年稼働開始- 2012年3月9日 東レ株式会社

炭素繊維のグローバル生産能力増強について
-世界4極で年産6,000トン増強 2014~2015年稼働開始-

 東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:)は、このたび、日本・米国・フランス・韓国の世界4極で炭素繊維の生産能力を増強することを決定しました。4拠点に総額約450億円を投じて合計年産能力6,000トンの生産設備を導入し、2014年から2015年にかけて順次生産を開始する予定です。

 東レグループでは現在、年産17,900トンの炭素繊維生産能力を有しており、2013年1月までに年産21,100トンに拡大します。今回決定した大規模増設により、グループ全体の生産能力は2015年3月に年産27,100トンまで拡大し、世界各地のお客様に高品質・高品位の当社炭素繊維を安定的に供給する体制が拡充されます。

 日本では総投資額の約50%を投じ、2015年3月稼働を目指して、愛媛工場に年産能力1,000トンの、航空機・高級自動車用途向けを中心とする高機能細物炭素繊維生産設備を原糸(プリカーサ)からの一貫で建設します。愛媛工場では現在、本年9月稼働の予定で年産能力1,000トンの高機能細物炭素繊維生産設備の増設工事を進めていますが、市場では細物糸をはじめとする高機能炭素繊維の需給が逼迫しており、今回の増設は、こうした旺盛な需要に対応するものです。本設備建設については、経済産業省の「平成23年度国内立地推進事業費補助金」の交付事業者として採択決定をいただいています。

 東レグループでは、国内生産拠点をグローバルマザー工場と位置づけ、新技術・新製品開発とともに先端素材・高付加価値品の生産拠点として維持・強化していくことを基本方針としています。炭素繊維の需要はその約9割が日本国外にあり、昨今の円高定着により、日本からの輸出については厳しい事業環境が続いていますが、上記補助金をはじめとする政府の国内立地環境改善政策を活用し、こうした基本方針を引き続き堅持して参ります。

 海外3拠点では、ボーイング787の生産本格化により、既存生産系列での航空機用途生産比率が高まる中、産業・スポーツ用途市場への安定供給体制を拡充するため、同用途市場でデファクト・スタンダードとなっている汎用高強度普通弾性率糸の生産設備を増強します。

 フランスの子会社Toray Carbon Fibers Europe S.A.(CFE)では、世界第5位のオイルメジャーであるTOTAL(トタル)社から同社Lacq(ラック)工場の土地約16万m2を新たに購入し、日本、米国に続く3番目の拠点として、原糸(プリカーサ)生産設備を建設します。CFEは現在、日本から原糸(プリカーサ)を輸入していますが、本設備稼働後は自社生産品に切り替えるとともに、韓国子会社Toray Advanced Materials Korea Inc.(TAK)に原糸(プリカーサ)を供給する計画です。

 また、米国子会社Toray Carbon Fibers America Inc.(CFA)では、2014年9月稼働予定で、年産能力2,500トンの焼成設備を増設します。米国でのシェールガス実用化に伴って需要が拡大している天然ガス圧力容器向け等、環境・エネルギー関連産業用途の市場拡大に確実に対応するとともに、将来飛躍的な市場拡大が期待されるブラジル等の南米市場への供給体制を拡充する計画です。

 更に、韓国TAKにおいても、亀尾第3工場(慶尚北道亀尾市)に2014年3月稼働予定で、CFAと同仕様の年産能力2,500トンの焼成設備を建設します。TAKでは現在、2013年1月稼働予定で、年産能力2,200トンの汎用高強度普通弾性率糸生産設備を建設中ですが、「グリーン技術産業」の育成を掲げる韓国や中国での産業・スポーツ用途市場の拡大に対応する体制を強化します。

 2011年のPAN系炭素繊維の世界需要は37,000トンに拡大したと推定され、今後も年率15%以上の高成長が見込まれています。

 東レグループは今後も、炭素繊維市場の本格拡大に向け、航空・宇宙、産業、スポーツの各用途において用途開発を加速するとともに生産体制を強化・拡充し、中期経営課題“プロジェクト AP-G 2013”で掲げる「グリーンイノベーション事業拡大(GR)プロジェクト」の中核事業として、炭素繊維複合材料事業の更なる拡大を目指して参ります。

以上

捨て置かれたNUMMI

再建されたGMから興味深いニュースがいくつか出ている。過去最高益、プジョー・シトロエン・グループ(PSA)との提携、ボルトの生産調整などだ。

GM過去最高益、62%増6000億円 11年、米国で販売好調 2012.2.16 23:10 MSN産経

GMがプジョー株7%取得 包括提携で合意 2012.3.1 08:33 MSN産経

GMが「ボルト」を5週間生産中止 発火問題も影響 2012.3.3 09:58 MSN産経

振り返ると、トヨタに対する大規模なバッシングは、GMの倒産と相前後として始まった。当時、トヨタ労組出身の経産相がトヨタ擁護をしなかったことも記憶に留めておくべきだろう。

経過を見る限り、国営化されたGMの再建を側面から助ける効果があり、またトヨタのハイブリッド車の技術移転(電子制御のソースコードを当局に公開せねばならなかった)の思惑があったと見られる。確証はないにせよ事実、GMのEV車・シボレー「ボルト」の国内販売はソースコード解析後の2010年末だった。

トヨタとGMとの合弁だったNUMMIでテスラが生産予定とされたトヨタ「RAV4 EV」はトヨタのカナダ工場で生産されることになり、シボレー「ボルト」の販売台数はトヨタ「プリウス」や日産「リーフ」のそれを下回っている。現在、シボレー「ボルト」の発火事故に関して、当局が「問題なし」と側面援助している。

結局、GMの再建で整理されたブランドのディーラーや工場の従業員にとって、この一連の騒ぎは何の慰めになったのだろう。

トヨタ「プリウスV」、11年米国販売でGMボルト上回る-発売10週で 2012/01/19 07:51 JST ブルームバーグ

トヨタ車急加速の調査終了は妥当、電子系統形跡残らず-米委員会(1) 2012/01/19 08:16 JST ブルームバーグ

【トヨタバッシングとGM再建の経過】
2009年6月1日:GMがチャプター11を申請(7月10日に手続き終了)

2009年6月29日:GMがトヨタとの合弁会社NUMMI(New United Motor Manufacturing Incorporated)の解消を発表

2009年8月28日:カリフォルニア州サンディエゴでトヨタ「レクサスES350」の4人死亡事故が発生(原因は、規定にないフロアマットを二重敷きにした状態で、アクセルペダルを踏むと加速が続き減速できないためだった)

2009年8月28日:トヨタはNUMMIの2010年3月末の閉鎖を発表

2009年8月31日:NUMMIでのポンティアック・ヴァイブ(トヨタのバッジエンジニアリング車)生産終了

2009年11月25日:トヨタは当該車両約380万台に対して自主回収措置による事実上のリコールを発表

2009年12月7日:米道路交通安全局(NHTSA)がトヨタ・カローラとマトリックスのエンジン急停止について調査開始

2010年1月5日:トヨタは2009年米国新車販売を前年比20.2%減と発表

2010年1月21日:トヨタはアクセルペダルの不具合で約230万台をリコール

2010年1月26日:トヨタはリコール8車種の販売を一時停止、それに伴い工場生産も約1週間停止

2010年1月27日:トヨタは追加約109万台の自主回収を発表

2010年3月8日:カリフォルニア州サンディエゴでジェームズ・サイクス氏の運転するトヨタ「プリウス」が144km/hで暴走

2010年3月9日:ニューヨーク州ウエストチェスター郡で、56歳女性の運転するトヨタ「プリウス」が急加速、石垣に衝突

2010年3月11日:電気自動車ベンチャーのアウリカ・モーターズがNUMMIの買収を提案

2010年3月18日:トヨタはUAW(全米自動車労組)との間でNUMMIの 4月1日の閉鎖及び追加2億8千万ドルの資金供与で最終合意

2010年4月1日:NUMMI閉鎖

2010年4月5日:トヨタは民事制裁金1637万5000ドルの支払いで米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)と合意

2010年4月21日:GMが公的融資返済完了

2010年5月20日:トヨタはテスラモーターズと業務・資本提携、5000万ドルの出資分によりテスラがNUMMIの一部を買収し、EV車を生産予定

2010年5月23日:トヨタとテスラの提携発表の公式会見にシュワルツェネッガー・カリフォルニア州知事も立ち会い

2010年11月18日:GMはニューヨーク証券取引所に再上場を果たした

2010年11月30日:トヨタは旧GM(清算会社モーターズ・リクイデーション)に、合弁解消の違約金7380万ドルを含む損害賠償請求を米連邦破産裁判所に申し立てた

2010年12月20日:トヨタは第2次の民事制裁金3242万5000ドルの支払いで米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)と合意

2011年2月9日:トヨタの大規模リコールにつながった急加速問題について、米運輸省が「電子制御システムの欠陥は見当たらなかった」との最終報告をまとめ記者会見をした

2011年2月24日:トヨタはアクセルペダルの不具合で約239万台を追加リコール

2011年5月21日:米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、トヨタ「カローラ」などの電動パワステ欠陥なしで調査終了したと発表

2011年8月5日:トヨタとテスラモーターズは「RAV4 EV」を2012年からトヨタのカナダ工場で生産すると発表

2011年8月22日:トヨタとフォードは新型ハイブリッドシステムの共同開発で合意

2011年9月29日:米国カリフォルニア州サンタアナの連邦地方裁判所は、2010年にユタ州でトヨタ車を運転中、事故死した遺族からの訴えを却下すると発表

2012年1月18日:米国科学アカデミー(NAS)委員会は、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)が「トヨタ車の急加速問題で電子系統の欠陥が見つからなかったとして調査終了したことは妥当」との報告書をまとめた

2012年1月6日:日産「リーフ」2011年販売台数は9674台、対するシボレー「ボルト」は7671台

2012年1月18日:トヨタ「プリウスV」発売10週間の統計(8399台)で通年販売されたシボレー「ボルト」を上回った、と発表

2012年1月20日:米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、バッテリーから発火の危険性が指摘されていたシボレー「ボルト」について、事実上「安全性に問題なし」との判断を下した

2012年1月25日:GMのCEOは米下院監督・政府改革委員会の公聴会で「ボルトは安全」と発言

参考URL:
トヨタ リコール問題 特別編集 レスポンス

シボレー ボルト 特別編集 レスポンス

徴税請負人、ドイツより来たる

ドイツがギリシアの徴税システムの再建に人材を派遣するニュースを見つけた。現代版“お雇い外国人”か“砲艦外交”のどちらなのか、文面からは判然としない。

例えば、カンボジアのポル・ポト政権後の司法制度の(虐殺による)壊滅状態に、我が国が司法関係者を派遣したエピソードを想い出したが、ちょっとそれと比肩するべき類のものとは考えられない。

云うならば、保護国化前の李氏朝鮮が各国の財務顧問や軍事顧問を受け入れ、国内の利権をそれぞれ売却していった過程のひとつにむしろ似ている。

German tax collectors in Athens 25 Feb 2012 Athens News

More than 160 German financial services executives are willing to come to Greece in order to strengthen the Greek tax mechanism, according to a report to be published in the German magazine 'Wirtschafts Woche', which will be released on Monday.

月曜日にリリースされるドイツの雑誌“Wirtschafts Woche ”のリポートによれば、160人以上ものドイツの金融財務サービスの幹部職員たちがギリシアの徴税システム強化を目的に労をいとわずにやってくる、という。

The magazine cites German deputy finance minister Hans Bernhard Beus, who explains that a key factor is the knowledge of a foreign language - some of them speak Greek - while the return to active duty of retired tax collectors should not be ruled out.

雑誌からの引用では、ドイツの財務相の代理使節としてハンス・ベルンハルト・ベウスが候補に挙がっている。彼が外国語を解する、いくらかはギリシア語も話せることからも、すでに引退したこの税務官の現役復帰を除外すべきではない、と論説している。

Many come from the state of North Rhine-Westphalia, whose finance minister, Norbert Walter-Borjans, compares Greece's with 90s East Germany, noting that even the East Germans at the time were suspecious towards the West. "In Greece suspicion will be greater, in part because of the inappropriate language used by some in Germany," he said.

ノルトライン=ヴェストファーレン州から派遣される幹部職員は多いが、その州の財務大臣であるノルベルト・ヴァルター=ボルヤンスは、ギリシアを90年代の東ドイツと比較した上で、当時の東ドイツ人でさえ西側に対して疑念を抱いていたことに留意しつつ「ギリシアに対していくらか不適当な表現がドイツで巷間云われていることもあって、ギリシアでも我々に対して大きな疑念が抱かれているだろう。」と述べた。

The article also refers to a confidential report from the European Commission, according to which the mechanism of tax collection in Greece is especially problematic.

この記事では欧州委員会の内部報告書を参照して、ギリシアの徴税システムは著しくあやふやなものであることを述べている。

急募:製造業の仕事ができるアメリカ人

先日のエントリーに載せた記事を勢いで拙訳してみた。

内容を駆け足でまとめてみる。

ドル安局面で中国で部品生産、製品を組立加工して輸送するよりも国内生産する方が、コストが安くなっていることが、まず背景(それは記事に触れられてはいない)にある。

しかし、長年海外(特に中国)にアウトソーシングしてきたために、熟練工は高年齢化し、技術継承できる人材層が薄くなりすぎている。

また、技術力を有した企業よりも『ジョブ・ショップ』と呼ばれる製造請負業者が活況を呈しており、そこでも労働者のミスマッチが起きており、派遣業者ですら充分に人材を供給できていない有様らしい。

Desperately seeking Americans for manufacturing jobs CNNMoney.com – Thu, Feb 16, 2012 5:21 AM EST

Desperately seeking Americans for manufacturing jobs
急募:製造業の仕事ができるアメリカ人


U.S. factories are creating many new jobs. But owners are hard pressed to find skilled American workers to fill them.

米国国内の工場では多くの新しい職を生み出してはいるが、工場主たちは米国人の熟練工を見つけられるかの窮地に陥っている。

There is a "critical shortage of machinists," a common and crucial position in factories, said Rob Akers, vice president at the National Tooling and Machining Association. "Enrollment in this field in technical schools has been down for a long time."

米国機械部品協会の副会長であるロブ・エイカーズ氏は「こうした“機械工の決定的不足”は、国内の工場が共通して置かれている重大な現状である」と述べた。「専門学校におけるこの分野の登録者数は長期間減少し続けている」

The problem comes at a terrible time. Domestic contract manufacturers -- known as "job shops" -- are seeing a boom in business.

問題はひどい局面にまで至っている。『ジョブ・ショップ』の名で知られている国内の請負製造業者は彼らのビジネスにブームが訪れたと見ている。

In the case of Win-Tech, a Kennesaw, Ga., manufacturer, orders are coming in fast and furious from its customers in the defense and aerospace industries.

ジョージア州、ケネソーにあるウィン・テック社という製造業者の場合では、防衛及び航空宇宙産業の顧客から猛烈な勢いで受注の引き合いが来ている。

But the company's owner Dennis Winslow is more concerned than elated.

しかし、同社のオーナーであるデニス・ウィンスロー氏は引き合いに大喜びかと思えば、むしろ案じているといった様子だ。

Winslow's been trying to add 12 more workers to his staff of 42 to meet the increased demand, but he's struggling.

ウィンスロー氏は、増加する需要に充てるため、42人いる従業員に加えて12人以上を採用しようとしているが、難儀している。

Dumping China for American job shops
■ダンピングする中国からアメリカの『ジョブ・ショップ』へ

"I'm facing a real conundrum," he said. "There are so many unemployed people in the country. But I can't find the skill sets that I need. I would hire tomorrow if I could."

「本当に難問に直面しています」と、彼は云った。「失業者はこの国に大勢いるにも関わらず、雇うに見合った技術を持っている労働者を見つけることが出来ないんです。それが出来れば明日にでも雇うというのに」

For more than a year, Winslow has been looking for manual machinists, quality control inspectors and machinists trained to use computer-controlled systems.

1年以上、ウィンスロー氏は手作業の出来る機械工と品質管理担当、それにNC加工が扱えるように訓練された機械工を捜してきた。

He said he may be forced to hire people who are not fully skilled, and then train them.

雇った人々が充分な技術を持たないため、訓練することを余儀なくされるかもしれない、とも彼は云った。

"I am coming to the conclusion that this [situation] has become the new normal," said Winslow.

「こうした状況は今や新しく常態化しつつあるんだ、との結論に達しましたよ」と、ウィンスロー氏。

"Being a machinist once was considered a respectable trade. But young Americans just don't consider manufacturing to be a sexy vocation."

「機械工になることは、かつては尊敬されうる選択肢だったのですが、今や若い米国人たちは製造業に携わることを魅力ある職業とは考えなくなってしまったのです」

He noted that most people possessing the skill sets he needs today are baby boomers, many of whom work at his factory.

必要とされる技術を有している機械工のほとんどが、ベビーブーマーの世代に属していることを、彼の工場で働く人々から見ても指摘できる。

As the United States outsourced its manufacturing jobs over the last few decades, the country lost a significant chunk of its manufacturing talent pool, said Mitch Free, CEO of MFG.com, an online directory that matches businesses with domestic manufacturers.

ここ最近数十年に渡って、米国から製造業の仕事が国外に外注された結果、製造業の人材をプール出来ていた厚みがこの国から失われてしまった、と国内の製造業者にビジネスマッチングするためのオンライン業者網を運営するMFG.comのCEOであるミッチ・フリー氏は語った。

"Now, as manufacturing is slowly coming back, we just don't have this talent quickly available," said Free, a machinist by training.

「現在、製造業はゆっくりと米国に戻ってきてはいるが、すぐに活用できる人材を我々は持ち合わせてはいない」とは、自身現場で経験してきた機械工でもあるフリー氏の言。

Every factory needs a machinist to operate it, whether it's to operate machines or to create machine parts. And machinists also create molds and casings to make plastic parts that are used in everyday products, such as computers and cell phones, said Free.

あらゆる工場では、単なるオペレーターであるか部品が作れる熟練工であるかを問わず、機械工を求めている。そして機械工たちは日常使われている製品、コンピュータや携帯電話などのプラスティック部品の金型や筐体をつくりだしている、とフリー氏は続ける。

It takes about a year in trade school to become a machinist, followed by a few years of apprenticeship at a manufacturing facility, said Free.

機械工になるための訓練校で約1年、製造設備のある実地で数年間見習いを要します、とフリー氏。

Machinists make about $60,000 a year. But with many logging overtime lately, Free said that income can get close to $100,000 a year.

機械工は年収約6万ドル、しかし、最近では残業も多くなり、フリー氏が知るところ年収10万ドル近い年収を稼げるとのことだ。

"This is also a highly technical craft," he said. "It requires knowledge of computers, programming, even geometry. You can't hire someone off the street and turn them into a machinist."

「こうしたものは匠の技による工芸品なんですよ」と彼は云う。「コンピュータに、プログラミングに、さらには幾何学に関する知識も必要なんです。そこらの通りを歩いている誰かを雇っても、機械工にさせることはできないでしょう」

Revive Made in USA? Easier said than done
■メイドインU.S.A.復活は云うほど簡単か

Mark Engelbracht, owner of Omni Machine Works in Covington, Ga., is trying to hire just three new machinists. He, too, is having a hard time, a situation that will worsen as his older machinists retire.

ジョージア州、コヴィントンにあるオムニ・マシン・ワークスのオーナー、マーク・エンゲルブレット氏は、3名の機械工を新たに採用しようとしている。定年間近の機械工よりも技能が劣るであろう状況に、あまりにも大変な時間を割くことになる。

"Finding more work isn't the problem for our business," he said. "Getting the worker is becoming a problem."

「新規開拓をすることは当社のビジネスにとって問題とはなっていません」と、彼は云う。「新規雇用を円滑に進めることが問題となりつつあるのです」

Omni Machine Works makes parts used by machines that manufacture consumer products, such as tires and phone plates. "But we're also a job shop. So we do a little bit of everything," he said.

オムニ・マシン・ワークスは、タイヤや電話のプレートなどのコンシューマ向け製品の製造機械の部品をつくっている。「しかし我が社は『ジョブ・ショップ』に過ぎません。すべてがかなうなどとは少しも思ってはいません」と、彼は云う。

Engelbracht has hired headhunters and temp agencies to fill the slots, but has had no luck. He's now thinking about starting an in-house apprentice program to train hires himself.

エンゲルブレット氏は、ヘッドハンティングの会社と派遣会社と契約してシフトの穴を埋めようとしているが、運に見放されているようだ。今のところ、社内に訓練プログラムを導入しようと考えている。

"I've been trying to hire for a year," he said. "It's not that people aren't applying. But many are claiming to be machinists when they aren't exactly."

「1年間は試用期間を置きたい」と、彼は云う。「できない人々も出てくるのでしょうが、適正ではない機械工でも技能を持っていると主張するのでしょうね」

この引き金を引くにはそこそこの理由が要るんだよ

「この引き金を引くにはそこそこの理由(いいわけ)が要るんだよ」
冒頭に飾られるこの言葉が、右記題名のライトノベルの主題である。『あなたは虚人と星に舞う』(上遠野浩平・著 中澤一登・イラスト 12ページより抜粋)

さて同じ引き金でも、いきなりCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)に関する引き金の話に飛ぶ。ギリシアのソブリン債がデフォルト格付けになったが、CDS決済の引き金を引くためには、ギリシアの国内法によって定められた集団行動条項(Collective Action Clauses)が発動されなければならない。

一方、ヘアカットのため債務スワップが行われるが、既発債に変わり発行される新発債が(コモン・ローの体系を有する)英国法に依拠する、という摩訶不思議なことが起きている。要はギリシアの国債にも関わらず、訴訟事案があれば英国の法廷で裁かれる。

ギリシアの財政主権は、明らかに制限され始めている。

ギリシャ債CDSの決済起こらず、信用事由なし-ISDA 2012/03/01 23:35 JST ブルームバーグ

ギリシャ議会:年金・医療修正案を可決-支援確保に前進 2012/03/01 14:51 JST ブルームバーグ

欧州国債の保証料が上昇、ギリシャ債交換に参加不十分の恐れ 2012/03/05 21:52 JST ブルームバーグ

ギリシャ債務スワップ、参加表明金融機関の保有比率は約20% 2012/03/06 10:00 JST ブルームバーグ

ギリシャの無秩序デフォルトのコストは107兆円以上も-地元紙 2012/03/06 19:01 JST ブルームバーグ

ギリシャ、十分な同意あれば集団行動条項発動へ-財務省 2012/03/07 15:40 JST ブルームバーグ

ギリシャ債務交換、ドイツは14金融機関参加-保有額2兆円超 2012/03/08 10:01 JST ブルームバーグ

ギリシャ債交換、約60%の保有者が参加表明-再編に前進 2012/03/08 09:40 JST ブルームバーグ

すでにデフォルト織り込み済みのギリシアが、(ユーロ加盟のままでも怪しいが)共通通貨のユーロを離脱して独自通貨のドラクマに戻った場合でも、いかなる産業を以て外貨を稼げば良いのだろうか。

期待できるのは、海運と観光と一次産品(オリーブ、ブドウ、たばこの葉)とその加工品(イタリア産より安いが質の劣る代替品としてのパスタ、オリーブ油など)、あとは安価な電気代を利用したアルミ精錬やセメント・鋼材などの建築資材くらいか。当然それだけでは喰えないから、海外に出稼ぎに行く羽目になる。

そも企業を興し、雇用を生み出し、外貨を稼ぎ出す産業を作り出す企業家がこの国には決定的に不足している。

我が国と比較すると、同じく海運で大きな財を成した点で、オナシス家と三菱財閥を創業した岩崎家の違いだ。

現在の三菱グループが比較対象として巨大であれば、瀬戸内海に面した愛媛の今治や広島の福山や尾道の中堅造船業と海運業を思い起こしてみればいい。彼らは、自ら船主となると同時にドックを持っている。

一方で、ギリシアの資本家(言い換えれば富裕層)は、産業資本家というよりは商業資本家の色彩が強い。

しかもギリシアの富裕層には、ユーロ離脱のメリットは特にない。ユーロによって為替リスクなしですぐに資産移転が可能になったからだ。一朝事あれば、プライベートジェットかクルーザーで国外脱出する。欧州各国の貴族階級と姻戚関係にあれば税関フリーパスである。

と、ここまでで話は冒頭の台詞を挙げたライトノベルに一旦戻ろう。

上遠野浩平の作品『あなたは虚人と星に舞う』“The Night Watch against The Star-Crossed Star”は、外宇宙からやってくる侵略者・虚空牙に対峙する主人公・鷹梨杏子が戦う理由を見出し、死が約束された戦いへと赴くまでの物語だ。

戦う理由とは死すべき理由でもあって、戦いの運命を受容した者には死が待っている。

たしかに、虚人の名を持つナイトウォッチ<ヴルトムゼスト>を駆る鷹梨杏子は苛立っていた。ただし苛立つのは、運命を受け入れるだけの理由・価値がなければ人は戦えないからだ。彼女には、死すべき運命を捜す必要があった。もしくはここで戦うのをやめてもよい、というだけの理由でもある。それは傍目からは単なる言い訳であっても構いはしない。

煩悶の果てに、自分の精神を安定させるため作り出された仮想世界に守るべきもの(帰るべき故郷とそこで待っている人々)を見い出したとき、戦い死すべき理由を再び見い出す。

運命を受け入れることには不満はない。彼女は悔いることなどない。かくてそこに“運命への愛”が見い出される。

そして、話は民間の債務スワップ申請が締め切られるギリシアに再度、戻る。

たかが(と云っては失礼かもしれないが)ライトノベルが主題とする戦いと死にまつわる“運命への愛”、守るべき故郷を求める問いかけについて、それらをないがしろにする存在、故国を逃げ出し、財産を他国に持ち出すことを躊躇しない富裕層が国政を左右するとすれば、一体どのようにして国を再建するのか。大多数のギリシア国民に訊いてみたいものだ。

選択肢は“富の国外流出か、闇経済の国内拡大か”

ロシアの大統領選は、プーチン首相が返り咲き当選を果たした。これはオリガルヒの再来ではなくシロヴィキの継続を意味する。

プーチン首相が勝利宣言、対立候補は不正主張=ロシア大統領選 2012年 03月 5日 07:20 JST ロイター

ロシア国民は、オリガルヒ(ロシア経済を寡頭支配した資本家)が税金を納めず海外に資本流出させてしまうか、シロヴィキ(治安・国防官僚出身者による勢力)が賄賂を取り国内でアンダーグラウンドマネーとして循環させるか、苦渋の二者択一を迫られ、後者を選んだということになる。

少なくともプーチン新大統領も賄賂が国外に流出する場合は、容赦なく粛正するだろう。

エネルギー産業に依存した経済構造の限界は、プーチン自身、前回の大統領任期の最後にイノベーティブな経済構造への変換を求めた演説をしているように、その点理解はしている。

しかし、イノベーションを担う企業家精神とそれを守る法秩序が欠如している。伝統的な支那社会と同様に、官吏となって利権を貪ることが富貴への最適な道なのだ。我が国や欧米など先進国と違い、新しい技術やサービスを作り出し、それを提供する企業家となることが富貴への最短ルートではない。

また、ロシアのボトルネックとは、その広大な国土ゆえのインフラの弱さである。特にウラル山脈の西側と東側の人口比重の違い、エネルギー資源の分布比重の違いがそこに拍車を掛ける。これが過度のエネルギー資源に依存した経済構造と効率性の悪さ、所得格差と男性の平均寿命低下・人口減少を生じさせている。

これらのブレイクスルーを与えてくれる外国がひとつだけある。それが中国をわずか20年でGDP世界第2位に仕立て上げた我が国なのだ。ロシアは日本の資本と技術を求めている。たとえ迂回貿易構造に組み込まれるとしても、自国の国防力である程度、押し返せると判断しているのかもしれない。

もっともエネルギー供給で過度に依存することと、領土問題を抱え講和条約未締結の状態にあり、安全保障を危惧する我が国は、ロシアを迂回貿易構造に組み込むことに非常に慎重である。

極東開発の国営企業設立を プーチン首相が構想 2012.2.8 22:00 MSN産経

ロシア語公用語化を否決 ラトビア国民投票 2012.2.19 21:29 MSN産経

焦点:ロシアの国営企業、プーチン首相の不正撲滅策も期待薄 2012年 02月 17日 17:07 JST ロイター

[モスクワ 16日 ロイター] ロシアのプーチン首相が国営企業に不正浄化を命じたが、根本的な改革に手を付けないなら、肥大化した国有企業を汚している同国特有の不正と背任行為の表面をひっかく程度に終わりそうだ。

根本的な改革には、不正や利益供与、縁故主義が絡み合った体制を解体する必要がある。こうした体制の中でプーチン首相の多くの盟友が、取り締まりの対象になる大手国営企業と複雑に関係している。

腐敗監視団体トランスペアレンシー・インターナショナルのエレーナ・パンフィロワ・モスクワ事務所長は「問題はすべての国営企業が密接につながり合い、うまく管理されていないことだ」と話す。

プーチン首相が目指しているのは、3月4日の大統領選挙での再選だ。首相は嫌われている新興財閥(オリガーキー)を厳しい口調で批判し、エネルギーやインフラ、銀行の各業界で独占的な国営企業を標的にしている。

首相寄りの全ロシア人民戦線に助言している政治コンサルタント、ドミトリー・オルロフ氏は「もちろん、不正に効果的対策を掲げるのは、選挙前の対応だ。しかしこれは単なるPRではない。国営企業とその納入業者の数千人の幹部に影響する現実的な対応だ」と説明した。

プーチン首相は、任命した国営企業の幹部に私腹を肥やさせず、縁故者が儲かる契約をさせないため、すべての国営企業に対してあらゆる取引企業の詳細な権利関係を明らかにするよう命じた。

最大級の国営企業については、首相が国営監査法人に調査を指示した。対象となるのは天然ガス会社のガスプロム(GAZP.MM: 株価, 企業情報, レポート)、パイプライン会社のトランスネフチ(TRNF_p.MM: 株価, 企業情報, レポート)、鉄道会社RZhDのほか、銀行のズベルバンク(SBER.MM: 株価, 企業情報, レポート)、VTB銀行(VTBR.MM: 株価, 企業情報, レポート)などだ。

昨年12月のロシア議会選挙では不正があったとして国民の抗議行動が広がった。首相が国営企業の不正に取り組んでいないという国民の不満も背景にあった。

国有企業の不正疑惑拡大防止は、そういう風に見られるだけでも、プーチン首相にとって選挙運動上、有利に働く。しかし首相自らが密接に絡んでいる既得権に、どこまで首相が真剣に切り込むかについては疑問の声もある。

<重体な不正リスク>

ロシアの企業不正が外資の流入を妨げる最大の要因であることは、広く知られている。昨年は840億ドルの資本が純流出し、国内総生産(GDP)に占める設備投資の割合は20%程度と、多くの新興市場国よりかなり低い。

プーチン首相は昨年12月、電力業界の幹部との会合で、地位を悪用して私腹を肥やす幹部をやり玉に挙げた。

首相によると、電力会社の幹部に政府が指名した352人を調べた結果、少なくとも169人は本業と関係ない個人事業に手を染めていた。こうした「私腹を肥やす」企業は納入業者や下請け業者、斡旋業者の形で、国外で数億ドルを受け取っている。首相は、これには重大な不正のリスクが伴い、最低限でも利益相反があるとし、「ここに秩序を導入する必要がある」と憤りを隠さなかった。

首相に名指しされて何人かの幹部は辞任した。国営送電会社FSK(FEES.MM: 株価, 企業情報, レポート)の地方発電所長や2人の次長、送電管理会社MRSKホールディングス(MRKH.MM: 株価, 企業情報, レポート)の次長がこれに含まれていた。

<自らを省みて>

不正幹部の粛清が他の業界に広がる気配の中、ここ数週間で数人の国営企業幹部が辞任した。ガスプロムの生産部長やロスネフチ(ROSN.MM: 株価, 企業情報, レポート)の調達部長らだ。

しかし、元エネルギー省次官で現在は野党政治家のウラジーミル・ミロフ氏は、こうした人事異動は大統領選挙前の権力闘争に関係しており、背任行為の取り締まりに真剣に取り組んだ結果ではないと指摘する。

同氏は「プーチン氏には鏡を見ろと強く言いたい。彼自身の盟友が大手国営企業と大きな取引をしているからだ」と述べた。

ミロフ氏が例に挙げたのはプーチン首相の元柔道仲間のアルカジー・ローテンベルク氏。同氏は現在ガスプロムへの最大規模の鋼管納入会社を経営し、米フォーブス紙によると、保有資産額は11億ドルに達する。

同氏とガスプロムはすべての納入が競争入札の結果だとし、法律違反を否定している。

米ワシントンにあるピーターソン国際経済研究所のシニアフェローで、以前ロシア政府の経済顧問を務めていたアンダース・アスルンド氏は「ガスプロムは毎年約400億ドルの設備投資がある。その3分の2は価値を創出していない。ロシアでのパイプライン建設費はノルウェーの3倍になる」と批判した。

<監視体制の欠如>

こうした問題に対処するために、プーチン首相は最終的に、収賄癖のある幹部を更迭したり、厳しい規則を掛けるだけでは済まないだろう。国営企業のガバナンスが慢性的に緩くなっているのは、ある程度は監視体制の欠如を反映したものだ。

ロシアの電力業界に投資しているスペシャライズド・リサーチ・アンド・インベストメント・グループのディレクター、デービッド・ハーン氏は「首相に報告する人があまりにも多いため、首相はすべてを克明に監督できない。そして首相より下では、権力ラインが拡散しているので、国営企業の幹部は裁量の余地がある」と説明した。

さらにもっと大きな問題は国内の監視体制が弱いことだ。腐敗防止運動家の見方では、真に自由な報道、より独立した議会、民間組織の役割拡大がなければ、進歩は期待できないという。

こうした問題が解決されない限り、多くのロシア人や外国人投資家はプーチン首相の今回の試みを信頼できないだろう。

投資会社ダシェフスキー&パートナーズのディレクター、スティーブン・ダシェフスキー氏は「過去10年間、ロシアでは何回か不正撲滅運動が見られたが、そのたびに後に続くのは不正の拡大だった」と語った。

(Jason Bush記者)

産業育成の放棄による米国国内への産業回帰

表題は矛盾している。しかし、技術開発を伴う産業政策に失敗しながらも、それ故、量的緩和による通貨安に大部分、経済政策の依存を余儀なくされたため、米国国内に産業回帰の傾向が見られている。つまり、正確には『通貨安政策による米国国内への産業回帰』である。

オバマ政権は発足以来、エネルギー産業を中心とした国内産業重視の政策を採用してきた。

スマートグリッドに代表される公共インフラの再整備、シェールガスに代表されるエネルギー資源の開発と輸出、太陽光発電3社への資金援助に代表される新規雇用の創出が行われた。それ以外では、GMとクライスラーの一時国有化による救済、国民皆保険制度の導入による労働者の民生向上などが挙げられる。

今年の予算教書演説でもこの傾向は変わらない。ただし、そのすべてが成功した訳ではない。全般的に見て、技術開発力と量産技術の低下に伴う政策の失敗が多々見受けられる。

中国からの安値攻勢による太陽光発電3社(ソリンドラ社、エバーグリーン社、スペクトラワット社)の破綻、韓国LG化学から調達したリチウムイオン電池が一因となった「シボレー・ボルト」の発火事故・自主回収から続く売り上げ低迷・一時生産休止、テスラ・モーターズなどの電気自動車ベンチャーの成長伸び悩み、などがそうだ。また原発新設の際には、関連機器を日本から輸入せねばならなかったりする。

これら技術力を伴う産業政策よりも、量的緩和に基づくドル安バブルの方が国内産業の回帰と輸出の増大、そして雇用の回復に役立っている、という皮肉を見ることが出来る。

幸いにして、バーナンキFRB議長の不動の決意が功を奏し、欧州債務危機、中国のバブル崩壊によって量的緩和分のドルがようやく国内に循環し始め、輸出ドライブもかかり始めているからだ。統計によれば、2011年第4四半期の財とサービスの輸出は4.3%増加している。

米国:石油製品の純輸出国に、1949年以降で初-世界の需要拡大で 2012/03/01 08:52 JST ブルームバーグ

National Income and Product Accounts Gross Domestic Product, 4th quarter 2011 and annual 2011 (second estimate) FEBRUARY 29, 2012 Bureau of Economic Analysis

ただし、ドル安による輸出倍増の景気拡大は、かつての日本が味わった円安による実感なき景気拡大に相似してくる。小泉政権下、あの既視感に満ちた状況がすでにいくつか起き始めているようだ。

下記の記事によれば、製造業に携わる労働者のミスマッチが起きており、製造請負業者や人材派遣業者が活況を呈しているそうだ。

とすれば、低賃金と不安定な雇用により、米国社会ではフードスタンプの支給は減らず、まだまだ“パンとサーカス”の世界から脱却出来ないかもしれない。

Desperately seeking Americans for manufacturing jobs CNNMoney.com – Thu, Feb 16, 2012 5:21 AM EST

“反イラク戦争”から“反原発”へスライドした人たち

4月中に残り2基の原発も運転停止する。今年の夏の電力需給はどうするのか、政府と与党の方針は、またも野党と官僚と民間に丸投げするつもりか?

全原発が停まる夏、日本経済に暗い影-海外移転加速か  2012/02/29 12:55 JST ブルームバーグ

関電の原発全11基が停止、運転中の国内原発は2基に 2012年 02月 20日 16:10 JST ロイター

反原発を唱える人々はどうにも反イラク戦争を唱えていた人々に被る。

主導しているのが、一方は反米保守のいきなり自主防衛を求めるナショナリストで、一方は人命尊重の非現実的な極左という辺りではないか。とすれば前回同様、彼らの心情はそれなりに理解するにしても、彼らの政治的立場は中庸に歩み寄ることがないので妥協点が見出せない。

人命尊重の観点からイラク戦争に反対していた人たちの主張の出発点は、以下のようなものだった。
『自分がもし戦わなければならないとしたら?』
『自分がもし爆撃にあわなければならないとしたら?』
『自分の子どもが戦火に巻き込まれるとしたら?』
といったことである。

それは反戦や政治的問題を思考するための導入に必要な情念の出発点ではある。しかし、その主観にとどまって客観的な思考をとることができなければ、問題の本質を突き止め正しい努力をすることは到底おぼつかない。

平和主義者がおこなっていた客観視とは、戦地に赴く無名の兵士や罪なく死んでいく子らを対象とした心情的自己編入であって、それは結局傲慢な自己中心主義にほかならなかったのではないか。

放射能汚染を危惧する観点から原子力発電に反対している人たちの出発点は、イラク戦争反対のときとそう変わりない。
『自分がもし放射線を浴びてしまうとしたら?』
『自分がもしメルトダウンした原発の隣接地域に住んでいたとしたら?』
『自分の子どもが放射線による障害にかかってしまうとしたら?』
といったことである。

それは反原発やエネルギー政策を思考するための導入に必要な情念の出発点ではある。しかし・・・以下略。

現実の問題を解決するため、必要な対策に彼らが協力するわけではない。なかには自分だけ東北・関東圏以外に移住してしまうほどの近視眼な人もいる。

さらにエコロジーに盲目的な協力をしても、合成の誤謬が起きることはある。

何しろドイツでは、太陽光ソーラーパネル発電の補助金が財政負担となり、3月中に補助金引き下げの事態を迎えている。後には全面廃止の予定だそうだ。それでいて自国の原発全廃も達成できず、フランスなど近隣国から原発で発電した電気を購入し続けている。

独、太陽光全量買取13年廃止へ 買取負担重荷に 2012/02/28 電気新聞

ドイツ政府は太陽光発電の全量買取制度を2013年から廃止することを決めた。 同制度のもとで太陽光の導入量が急拡大し、電気料金を通じた電力消費者の買取負担額が膨らんでいるためだ。 今年4月以降に電力系統に連系する太陽光については13年1月以降、各設備の発電量の10~15%を買取対象から外す。 買取価格は今年3月上旬に数割下げた後、5月以降はさらに毎月引き下げていく。 再生可能エネルギーの導入先進国でも、太陽光の大量導入に伴う費用負担に耐えかねる状況が生じている。 日本で進むエネルギー政策の見直し論議にも一石を投じそうだ。

ドイツ政府が23日に発表した素案によると、太陽光設備の価格低下にあわせて買取価格を下げ、設備設置が過剰にならないようにする。 全量買取をとりやめ、一部の発電量については自家消費や電力市場での売却を促す。 買取価格の改定前に駆け込みで系統連系に殺到する事態を防ぐため、買取価格の改定頻度を半年ごとから毎月に変える。年間の太陽光設置量には目標値を設け、目標値からかけ離れた実績となった場合は省令によって買取価格を修正できる。 (本紙1面より抜粋)


では、反原発の一角を占めるナショナリストの云う通り、日米同盟破棄と自主防衛になれば、核兵器の開発・保有と原子力空母と原子力潜水艦の開発・保有は必須となる。特に国土の縦深から考えて、海中に潜む戦略原潜は絶対不可欠となる。それが主張される時点で、右のナショナリストと左の平和主義者の両者は相容れなくなる。

また、両者とも理性的な言説を受け止めるほど度量は広くない。

たとえば原理原則にうるさいナショナリストは、安倍政権が訪中しただけで離反し、小泉元首相の路線を修正しようとしていた安倍元首相を背後から攻撃し、政権の命脈を縮めさせる一因を担った。あげく福田、麻生政権も短命に終わり、民主党政権の誕生を招いた。本末転倒だったのではないか?

エネルギー政策の変更に関する国民のコンセンサスもまだ形成されていない。よしんば時間を掛けて形成されたとしても、変更のために要する年月はおそらく1世代分、30年といったところだ。それが原発利権ではなく、別のエネルギー利権をつくることになって、利権のおこぼれに預かり得ない人々がまた文句を言い始めるとしても、だ

そして今、必要なのはコンセンサスの形成ですらない。ストレステストを通過後、原発運転を順次再開することなのだ。大地震・大津波による原発のメルトダウンが再発する可能性と、福島第1原発事故の放射性物質による2次被害と、直近のエネルギー需給とをそれぞれ分けて考えないと、経済全体が縮小して、エネルギー政策の変更を促進するダイナミズムすら失われてしまうだろう。

集金能力の強弱が大統領の座を左右する

米国、共和党の大統領候補を決める天王山「スーパー・チューズデー」がいよいよ迫ってきた。

ロムニー氏、ワシントン州共和党員集会で勝利-大統領選候補指名争い 2012/03/04 18:17 JST ブルームバーグ

金融業界からの集金能力の強弱が、そのまま大統領の座を約束する米国にあっては、現政権にある民主党のオバマ大統領か、共和党の最有力候補ロムニー前マサチューセッツ州知事のどちらかがなるだろう。

とすると、資金調達額の桁が一つ違うサントラム元上院議員が、ロムニー氏と支持が拮抗するところまで行った事実は、集金能力が集票能力にはなり得ても、もともとの集票基盤の大小さまでは約束していないことになる。

情報BOX:米大統領選、オバマ氏と共和党候補者の資金力 2012年 02月 2日 09:15 JST ロイター

[ワシントン 31日 ロイター] 米大統領選に向けた各陣営の集金状況などをまとめた報告書が31日、連邦選挙委員会(FEC)に提出され、再選を目指すオバマ大統領と共和党指名獲得を狙う候補者の資金の内訳が明らかになった。

以下は、昨年12月31日時点のオバマ大統領や共和党候補者の政治資金の詳細。

◎バラク・オバマ大統領(民主党)
資金調達額:9690万ドル
大統領選と民主党への献金からの資金:3290万ドル
支出額:1億0590万ドル
手元現金:8180万ドル
借入額:300万ドル

◎ミット・ロムニー候補(共和党)
資金調達額:5680万ドル
支出額:3660万ドル
手元資金:1990万ドル

◎ニュート・ギングリッチ候補(共和党)
資金調達額:1270万ドル
支出額:1070万ドル
手元資金:210万ドル
借入額:120万ドル

◎リック・サントラム候補(共和党)
資金調達額:220万ドル
支出額:190万ドル
手元資金:27万8934ドル
借入額:20万4836ドル


金融界からの米大統領選向け献金、ロムニー氏が首位 2012年 02月 2日 14:24 JST ロイター

[1日 ロイター] 31日に公表された資料によると、米大統領選に向けた金融業界からの献金額は、共和党から出馬しているロムニー前マサチューセッツ州知事がトップで、オバマ大統領を大幅に上回った。

政治献金の監視団体である責任政治センター(CRP)によると、2011年のロムニー氏への献金元上位6は、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレー、クレディ・スイス、シティグループ、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)各社それぞれの幹部、家族、系列の政治活動委員会。6社首脳の献金は計180万ドルだった。

オバマ大統領への献金では、2011年の上位20のうち大手金融機関はゴールドマン・サックス1社で、6万4000ドルだった。ゴールドマンは、ロムニー氏に対しては49万6000ドルを献金している。

一方、共和党のギングリッチ元下院議長、サントラム元上院議員、ポール下院議員への金融業界からの献金は、非常に限られた額という。

献金額をセクター別にみると、通例どおり金融/保険/不動産セクターが首位。CRPによると、12月5日時点で、2300万ドル以上を献金した。


米共和党ミネソタ州党員集会、サントラム氏が勝利=TV予測 2012年 02月 8日 13:08 JST ロイター

共和党コロラド州党員集会、サントラム氏が勝利─党幹部=報道 2012年 02月 8日 15:54 JST ロイター

米共和党アリゾナ州予備選でロムニー氏勝利、予想通り=TV各局 2012年 02月 29日 11:33 JST ロイター

米ミシガン州予備選でロムニー氏が勝利、接戦の末=TV各局 2012年 02月 29日 13:01 JST ロイター

米大統領選、ロムニー氏がミシガン・アリゾナで勝利 2012年 02月 29日 14:53 JST ロイター

[ノバイ(米ミシガン州) 28日 ロイター] 28日に実施された米大統領選の共和党ミシガン州予備選、アリゾナ州予備選は、ロムニー前マサチューセッツ州知事が勝利した。特に注目度の高かった地元のミシガン州で勝利したことは、10州で予備選・党員集会が行われる「スーパーチューズデー」に向け、ロムニー氏に追い風となりそうだ。

TV各社によると、ミシガン州予備選では、91%の選挙区の結果に基づく得票率はロムニー氏が41%、サントラム元上院議員が38%。

ポール下院議員は12%で、ギングリッチ元下院議長は7%だった。

サントラム氏は、今月上旬に実施されたミズーリ州予備選とミネソタ・コロラド両州の党員集会で勝利。それ以来、世論調査でロムニー氏をリードしていた。今回のミシガン州・アリゾナ州の予備選でも、保守派やブルーカラー層はロムニー氏を敬遠したもようだが、討論会での評価や、景気回復を全面に押し出した戦略がロムニー氏を勝利に導いた。

サントラム氏には、候補者の宗教観を重視する層や、経済的にあまり豊かでない層、教育水準がさほど高くない有権者が投票した。一方、ロムニー氏に投票したのは、大学の学位保有者や、年収10万ドル以上の層が中心で、大統領選での勝利可能性を重視する有権者の票も集めた。


GM、フォード、クライスラーのビッグ3の本社があるデトロイトを抱えるミシガン州での接戦は、ブルーカラーの支持がサントラム氏にも流れた証左と捉えて良さそうだ。そして、リバタリアンのロン・ポール氏は常に一定層から支持を受けているのも見て取れる。

民主党のオバマ第2期政権、もしくは共和党のロムニー政権になったとしても、この傾向が変わらないとすれば、両党における集金基盤として金融業界の地位は健在でも、集票基盤として製造業界は、どちらの党のものになるかまでは一概に言えない訳だ。

ただし今のところ、AFL/CIO加盟の労組から離れたブルーカラーや非正規雇用に落とされたホワイトカラー、そして宗教右派の支持を集める役割は、共和党の保守派が担っている。また中央政府の関与を薄めたい右の茶会党と、富の一極集中を弱めたい左の「ウォール街を占拠せよ」それぞれの支持を集める役割は、共和党のリバタリアンが担っている。

“ポピュリズムに毒されているか”のリトマス試験紙

公務員給与削減法に自民党の西田昌司参院議員が造反した。これを是とするか非とするかで、あなたの経済政策に対する理解の度合いとポピュリズムに毒されているか否かが判断できる。

自民・西田氏が造反 公務員給与削減法に反対 2012.2.29 11:14 MSN産経

 自民党の西田昌司参院議員は29日午前の参院本会議で行われた国家公務員給与を平均7・8%削減する特例法案の採決で反対した。同法案は民主党や自民党などの賛成多数で成立したが、西田氏は自民党でただ1人造反した。西田氏は本会議で行われた裁判官や検察官の給与削減法案の採決でも反対した。

 国会議員の秘書給与を削減する法案では、自民党の石井みどり、礒崎陽輔両参院議員が党方針に従わずに反対した。3人は今後、党の処分を受ける可能性がある。


直近の経済政策の最大問題はデフレであり、その解消である。もしも公務員の給与(政府支出)を削減すれば、彼らの給与所得が減った分だけ、彼らの消費支出も縮小する。つまり、名目GDPは縮小して、税収も減少する。ただのデフレスパイラルではないか。西田昌司参院議員の造反の要諦は、訊くまでもなくこの点にあろう。

“公務員憎し”のポピュリズム的発想だけで、この法案を通すことがいかに危険か。むしろ失業対策ならば、若年層向けに自衛隊員を増員することの方が、安全保障強化のメッセージを中国共産党に送る意味からも正しい。

橋下前大阪府知事が大阪市市長にスライド当選したのは、単に大阪が石原都政や小泉政権より10年~15年遅れで左派を追い落とす政治改革の必要性を見い出し、かつ市長選で対抗馬を左派とリベラルが応援したため、保守がポピュリストである橋下氏を推さざる得なかったからである。

以前、ゴミ問題で紛糾する小金井市でタクシーに乗ったとき、ゴミ節減を呼びかける市の広報看板を見かけたので、なぜかを運転手に訊ねたことがあった。

そのときは、小金井市民の焼却場建設反対による自滅などの事情は知らなかったからだ。話をするうちに、運転手は市の公務員の高給取りにまで不満が及んだ。筆者は
「公務員の給料を減らしたら、その分、彼らもお金を使わなくなりますよ。タクシーに乗る人が余計に減っちゃいます。私が住んでいる市の職員なんかは、残業したあと、自腹でタクシー帰宅することもありますしね」
と答えたら、運転手は黙りこくってしまった。

タクシー運転手の感情とすれば、デフレ下にサプライサイダーの思惑で車両供給を増やされて、乗客も減って、給与水準も下がってダブルパンチを食らった経験があるから、比較すれば高止まりした給与水準である公務員のそれを妬むのはある意味、はけ口として必然である。だからと云って、その妬みに乗って、彼らの給与を下げれば国民全体の行く先はさらなるデフレ貧乏にしかならない。

法律をつくる立場にある政治家が安易にポピュリズムに迎合することで、より経済が悪化するのでは何の解決にもならない。政治家は迎合せず、有権者もまたポピュリズムを求めないことが肝要であろう。

カネを回すにもカネはいる

従来の日本→韓国(ほかに中国・ASEAN諸国)→欧米の迂回貿易構造に次いで、日本→欧米→韓国の迂回貿易構造が完成したことは、先のエントリーで述べたが、ほぼ同日付けの記事に、みずほコーポレート銀行と韓国中小企業銀行との間で円建てのシンジケートローンが締結されたニュースがあった。

これらをまとめると、我が国は韓国に対して、まず資本財と中間財の輸出で一回抜き、消費財の迂回輸出で一回抜き、それらを輸出入する企業向け運転資金の貸出金利で一回抜く、ということになる。

これで日韓通貨スワップの意義に対する不満も和らぐというものだ。

みずほコーポ銀:韓国中小企業銀行と円建て協調融資210億円を契約 2012/02/23 19:42 JST ブルームバーグ

2月23日(ブルームバーグ):みずほコーポレート銀行は23日、韓国の中小企業銀行との間で、210億円の円建てシンジケートローン(協調融資)契約を結んだ。事情に詳しい関係者によると、総額210億円のうち、50億円は期間1年、160億円が期間2年で、主幹事のみずほコーポレート銀行のほか、地方銀行やリース会社など5社が同融資に参加した。


去年10月、日韓通貨スワップが、IMF支援下でのチェンマイ・イニシアティブ枠(30億ドル相当と100億ドル)の合計130億ドル相当から合計700億ドル相当まで拡充された。

内訳は、
1.財務省の外為特会から円ドル(ドルウォン)通貨スワップが新たに300億ドル追加
2.日銀から円ウォン通貨スワップが30億ドル相当から300億ドル相当に増額
3.IMF支援枠の100億ドル
と、併せて合計700億ドル相当となる。

発動可能な期限は、
1.無期限
2.2012年10月まで、それ以降は30億ドル相当に戻る
3.無期限
であり、
発動から終了までの期限は、すべて1年間。

この範囲で、借りては返すを回し続ければ生きていけるのだから、それを卑下さえしなければうらやましい限りだ。このシンジケートに参加したみずほコーポレート銀行ほかは、為替変動リスクがないローンをLIBOR+1.0%~LIBOR+1.1%で鞘取りができる。海外向け貸出が増えている邦銀にとって、円建て取引はさらに魅力的なものだろう。それは本来ならば、自国内の中堅・中小企業により貸出すべき類のものではあるが。

焦点:大手銀、海外貸出資産の急増が収益底支え要因 2012年 02月 1日 19:06 JST ロイター

韓国は、欧州債務危機に見舞われている欧州勢が自国の市場から撤退する一方、日本勢から外貨借入を増やさざるを得ない。おそらくは、サムライボンドでのロールオーバーすら難しかったので、シンジケートローン(ニンジャローンと呼ばれる)になったのではないか。

韓国の対日借入金は、147億ドル(2010年末)から202億ドル(2011年末)へ、1年間で約60億ドル(37%) 増加した。韓国の全体外貨借入に日本が占める比率も2010年末は12.9%から2011年末は15.9%に高まっている。

インド海軍の対中国牽制

沖縄・那覇にインド海軍の駆逐艦「ランジット」が寄港した。目的は対中国牽制とロシアからリースされる原潜「チャクラ(ロシア名:ネルパ)」の出迎えと考えるのが自然だろう。

インド海軍駆逐艦「ランジット」が那覇初入港 2012年2月28日 19時17分 沖縄タイムス

インド海軍の駆逐艦「ランジット」(4974トン)と、ホスト役として同行している海上自衛隊の護衛艦「じんつう」(2千トン)が28日午前、那覇新港に入港した。

海自との交流などが目的で、インド艦艇の日本寄港は3年ぶり19回目、那覇新港への寄港は初めて。


参考URL:
ロシアの原潜「ネルパ」が3月末にインドに到着する旨を伝えるノボースチ通信のニュース
Российская подлодка "Нерпа" прибудет в Индию 30-31 марта - источник НЬЮ-ДЕЛИ, 21 фев- РИА Новости.

ロシアの原潜「ネルパ」がロシア太平洋艦隊にて引き渡し式典が行われた旨を伝えるノボースチ通信のニュース
Церемония передачи Индии АПЛ "Нерпа" прошла на Тихоокеанском флоте ВЛАДИВОСТОК, 23 янв - РИА Новости.
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