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ユーロ圏の地域分割と部分的統合が望ましい

銀行セクターがその社会システムで果たさなければならない役割(間接金融による貸出)をせずに、ただただ不良債権の処理ばかりを優先させると、毎年の利鞘の中から不良債権処理の引き当てもできずに、逆にどんどん不良債権が増える悪循環に陥る、という我が国が橋本政権下と小泉政権下において経験したことをユーロ圏も追体験し始めている。彼らは我が国が先行した試行錯誤を学ぼうとしない。

ちなみに我が国が“失われた10年”を“失われた20年”に延長させ、今もなおデフレが解消できない原因のひとつには行政府と立法府の力関係をうまく再構築できなかったことがある。橋本政権が景気の二番底を招いたり、小泉政権が旧経世会系の利権を壊しに向かった面もあるが、彼らの構造改革の考え方にはそのような思惑もあった。

同じことを目論んだ民主党政権は彼らの思惑と力量に差がありすぎ、相対的に立法府の力を弱体化させ、行政府にいるキャリア官僚の裁量権を強大化させてしまった。この辺は欧州連合を政治的に牽引するフランスのグランゼコール出身の高級官僚、政治家、企業家の影響力の大きさを彷彿とさせるし、ユーロ圏の今後の混迷をも予感させる。

今の惨状を振り返ると欧州連合は(この場合厳密にはユーロ圏からだが)、通貨統合→財政統合→政治統合を進めなくてはならないのだろうが、統合を進めるに当たっての宗教的・思想的基盤と社会システムの根本をなす家族制度が違うことを考えただけでも、ユーロ圏内部で独仏ベネルクス・北部イタリア地域と南欧・バルカン半島地域、その他地域の部分的統合を別々に進める方が、各国の自由な政策上の立法面からも妥当なのではないだろうか(部分的統合の地域別組み合わせは家族制度を優先させた方が良いかもしれない)。

それこそ自国通貨防衛や緊急時の入国制限発動を検討しようとしている英国やスイスのような連邦国家の各制度や慣習に見習うべき点は多々あるだろう。

スペイン7大銀、7兆円の追加資本が必要に-RBS 2012/05/10 08:38 JST ブルームバーグ

5月9日(ブルームバーグ):スペインの7大銀行は、不良債権の引当金を積み増し、規制要件を満たすために680億ユーロ(約7兆円)の資本が追加で必要になる。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)が指摘した。

RBSの欧州クレジット戦略責任者アルベルト・ガロ氏はリポートで、「銀行は不動産のエクスポージャー3230億ユーロに対してのみ引当金積み増しが必要なわけではない。他分野の融資でも債務不履行は着実に増加しつつある」と分析した。

また、銀行への資金供給のために公的資金を使えば「緊縮の悪循環を生む」可能性があり、失業率と債務不履行率の上昇を引き起こしかねないとの見方を示した。

原題:Spain’s Top Seven Banks Need $88 Billion as Buffer, RBSSays(抜粋)


バンキア支援、スペイン見積もり甘さ露呈-「信頼ゼロ」の声 2012/05/28 11:37 JST ブルームバーグ

(前段略)
デギンドス経済・競争力相は11日、過去3カ月で2回目となる引き当て基準の強化に伴って必要になる公的資金が150億ユーロ(約1兆5000億円)を下回るとの見積もりを示していた。しかし、同じ週に部分国有化された同国銀行3位のバンキア・グループは25日、銀行再建基金 (FROB)に190億ユーロの追加支援を要請すると発表。過去2回の行政命令が義務付ける引き当てに加えて、巨額の追加引当金が必要になることを明らかにした。
(後段略)


スペイン、銀行債権整理などで300億ユーロ必要になる可能性-ムンド 2012/05/28 15:20 JST ブルームバーグ

5月28日(ブルームバーグ):スペイン政府は、銀行システムのバランスシート整理などのため、バンキア・グループへの190億ユーロの追加支援に加えて、さらに300億ユーロが必要になる可能性がある。同国紙ムンド紙が複数の政府関係者の情報として報じた。

同紙によれば、バランスシート整理のために100億ユーロ、資本増強のために200億ユーロが必要になることが予想されるという。


スペインの銀行が支えるゾンビ不動産業者-7.6兆円が必要か 2012/05/29 12:46 JST ブルームバーグ

5月29日(ブルームバーグ):スペインの銀行は、支払い不能に陥って実質的に破綻している「ゾンビ不動産開発業者」を支え続ける一方、不動産融資関連の不良債権の全貌を隠し、格付け引き下げと株価の急落を招いている。

銀行業界のバランスシートの整理を進めるスペイン政府は、メトロバセサのような開発業者向けで、不良債権に分類していない融資についても損失の可能性に備える引当金を積み増すよう金融機関に命じた。メトロバセサは、過去1年余りプロジェクトを完了した実績がなく、現在進行中の案件もない。

政府が求める引当金の積み増し額は約300億ユーロ(約3兆円)に上るが、不良債権でないとされる融資の多くが実は不良債権であるため、この額でも十分でないと不動産を専門に手掛ける金融会社イレアのミケル・エチャバレン会長は指摘する。

エチャバレン会長はインタビューで、「先送りして祈るというのがスペインの政策だ。真実を語らないよう求める非常に大きな圧力がかかっているため、誰も問題の大きさを数字として把握していない」と語った。
先送りして祈る

スペイン経済・競争力省は、同国の銀行が開発業者関連で問題のある融資・資産1840億ユーロ相当を保有しているものの、残り1230億ユーロ相当は不良債権ではないと説明している。ノムラ・インターナショナルのアナリスト、ダラー・クイン、ダンカン・ファーの両氏は14日付のリポートで、融資の損失をカバーする引当金がさらに必要になる可能性も排除できないと指摘した。

スペインの銀行がアイルランドと同じように開発業者向け融資の損失を吸収しようとすれば、最低でも89億ユーロ、最悪のシナリオでは765億ユーロ(約7兆6000億円)の引き当てが追加で必要になるとノムラは分析している。

原題:Spain Fails to Count Cost of Zombie Developers’ Loans:Mortgages(抜粋)


スペイン:バンキア救済で公債利用案を撤回、財政の負担にも 2012/05/29 22:31 JST ブルームバーグ

5月29日(ブルームバーグ):スペインは同国の銀行バンキアの資本増強のため公債を注入する案を撤回した。ラホイ首相は財政の重しにならない銀行救済の方法を見つけるのに苦戦している。

経済省の報道官は28日、政府がBFAバンキアに現金ではなく公債を注入することを検討していると明らかにしたが、スペイン国債利回りは上昇、投資家も同案を批判した。報道官は29日、同案は190億ユーロ(約1兆9000億円)規模のバンキア救済の中心的な選択肢ではないと述べた。
(後段略)


スペインの銀行の状況悪い、1000億ユーロ超必要にも-UBS 2012/05/30 00:33 JST ブルームバーグ

5月29日(ブルームバーグ):スイス銀行大手UBSのアレクサンダー・フリードマン最高投資責任者(CIO)は、スペインの銀行の状況は同国政府が認めているよりも悪く、欧州中央銀行(ECB)が支援を開始するまではさらに悪化する可能性があると指摘した。

同氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「ECBはまず、スペイン政府および銀行業界が、恐らくは1000億ユーロ(約10兆円)を超える資本増強が必要だと認めることを当然視するだろう」と語った。「ECBが役割を演じるのに十分な安心感を持つためには、国際通貨基金(IMF)が一連の条件を設定することも必要だろう」と付け加えた。
(後段略)


スイス中銀総裁:危機深刻化の場合フラン高抑制で資本規制も 2012/05/28 09:21 JST ブルームバーグ

5月28日(ブルームバーグ):スイス国立銀行(中央銀行)のヨルダン総裁は、ユーロ危機が深刻化した場合、スイス・フラン高を抑える措置として政府主導のワーキンググループが資本規制などを検討していることを明らかにした。

同総裁は27日付のスイス紙ゾンタークス・ツァイトゥングとのインタビューで、「ワーキンググループが政府と中央銀行の共同の取り組みとして、主にフラン高と戦う手段について検討している」と語った。その上で同総裁は「そういう事態は想定していないが、通貨同盟崩壊という事態にも備えておく必要がある」と述べた。マイアー中銀報道官は総裁の発言を確認した。

スイス中銀はフラン高抑制に向け2010年6月まで1年3カ月にわたってユーロ買いを実施。昨年にユーロ危機が悪化し、投資家のフラン買いにつながった際には国内経済を保護するため、1ユーロ=1.20フランの上限を設定した。

FXプロのチーフエコノミスト、サイモン・スミス氏(ロンドン在勤)は27日の電話インタビューで資本規制について、「特に欧州で資本逃避が見られる状況であれば、可能性として確かにある」と発言。「中銀はやりたくないことだろうが、表明している理由は理解できる。それを排除したくないのだ」と述べた。

原題:SNB’s Jordan Says Controls on Capital Inflows BeingConsidered(抜粋)


欧州危機悪化なら入国制限、英国が緊急計画準備-テレグラフ 2012/05/28 16:20 JST ブルームバーグ

5月26日(ブルームバーグ):英国のメイ内相は、ユーロ圏の債務危機が悪化し、英国に移住者が殺到した場合、緊急の入国制限を課す可能性があることを明らかにした。英紙デーリー・テレグラフとのインタビューで語った。

メイ内相は、欧州連合(EU)諸国からの入国を緊急時に制限する可能性があるかとの質問に対し、「この件で不測の事態に備える何らかの危機管理計画を準備することは適切であり、現在作業を進めている」と説明した。ただ、欧州大陸からの入国者が増える兆しは今のところないと付け加えた。

EU加盟国の国民は現在、英国への入国と居住のためにビザ(査証)を申請する必要はない。

原題:U.K. May Tighten Migrant Controls in Euro Crisis,Telegraph Says(抜粋)

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吉本のビジネスモデルを支える生活保護受給

90年代中盤のヒップホップ黄金期を彩ったのはギャングスタ・ラップだった。

言葉の弾丸が現実の弾丸に容易に代わるこの時代のラッパーに、黒人武装結社ブラック・パンサーの闘士を母に持つ2PAC(本名:トゥパック・アマル・シャクール)がいた。

1996年9月13日の金曜日、その夕刻に銃撃されて彼は死ぬ。彼の殺害に疑義を持たれた東海岸の雄ノトーリアスB.I.G.(別名:ビギー・スモールズ)も1997年3月9日に銃撃されて彼もまた死ぬ。

現実のギャング、ドラッグディーラーの凄惨な生活をキャッチーなバックトラックに載せてラップするのが彼らの特徴だった。

実際、西海岸のギャングスタ・ラップの先駆、N.W.A.の所属したレーベルはドラッグの売り上げで設立されている。ドラッグと銃がレーベルをつくるまでの彼らの生活を支え、ラップもドラッグと銃による戦いに触れ、その終焉もドラッグと銃によってもたらされた。いわばギャングスタ・ラップのビジネスモデルとはそういうものだった。しかし少なくとも不法であっても彼らは自身でリスクを負っていた。

キングコング・梶原の母も生活保護受給 2012.5.29 22:27 MSN産経

片山さつき議員、河本会見「弁護士とすごく打ち合わせした印象」 2012.5.26 10:20 MSN産経

「むちゃくちゃ甘かった」「僕がオカンの面倒みないといけないのに…」 2012.5.25 12:14 MSN産経

「恥ずかしい」 母親からは「しっかりしゃべってこい」と言われ… 2012.5.25 13:05 MSN産経

「道義的にも人としても未熟」と謝罪繰り返す 一時、年収100万円以下で… 2012.5.25 14:20 MSN産経

そんな殺伐とした逸話から、いきなり我が国のエンタテインメントの一角を支えるお笑いのエージェンシーの大手、吉本興業に話題は飛ぶ。

それは吉本興業の若手芸人、場合によっては中堅になっても生活保護の受給金が彼らと彼らの親族の生活を支えているからだ。ただし、彼らの漫才でもトークでもその話題はお笑いのネタにはならない。

それこそ乾いたお笑いだが、吉本の芸人の低い給与水準を支えていたのは大阪府と大阪市の生活保護に関する既得権益だった、という訳だ。米国のギャングスタ・ラップとは違い、自身で事業のリスクを負わず、国と地方自治体に寄生してその上、自己弁護と問題提起した議員の非難に終始する。

しかも吉本興業の非上場後の主要株主はテレビキー局と大手広告代理店である。まるでK-POPのビジネスモデルをさらに悪質で無様にしたようなものではないか。

それにしても前大阪府知事・現大阪市長の橋下氏は、吉本興業所属のタレント島田紳助氏が司会を務めた番組で知名度を上げ、府知事選に出馬し当選した経緯を思い起こすと、島田紳助氏は芸能界を引退する一方、橋下氏が吉本興業のビジネスモデルを崩していくという有為転変に皮肉を見る。

橋下氏は、政治家となったからには好むと好まざるに関わらず、デフレ下のポピュリストとして大阪の既得権益を破壊し、再分配する使命を帯びざるを得ない。意図した共闘ではなくとも、彼の存在なくして片山さつき参議院議員の追求はあり得なかった。その点では橋下氏のポピュリストとしての政治的役割は果たされている。

デフレの逆効用で加速するLNG転換

エネルギー政策の変更に関する国民のコンセンサスもまだ形成されていないうちに、国内の総合商社とメガバンクが圧倒的な資金量で海外の液化天然ガス(LNG)の権益を押さえにかかっている。民間企業が現預金を過去最高の水準で持っているからだとか、邦銀は欧州債務危機の影響を受けていないだとか、記事で指摘されているが要するにデフレの結果、人間万事塞翁が馬となった次第だ。

企業は投資先がないので現預金を貯めていく、そうしたらメガバンクも貸出先がないので国債を買っていく、そのために日本国債の格付けは意味をなさないので利率は下がっていく。ひどいカネ余りが功を奏して一気にLNGへの転換が進んでいる。

記事の予測だと、今後10年でLNGによる火力発電所が40%増強だそうだ。尋常なスピードではない。この民間主導の歪なLNG依存構造の急速な進展をもたらしているのが、民主党の各政権のエネルギー政策の度重なる変更と調整能力の不足にあるのは、先日のエントリーに取り上げた通りだ。

日本勢のLNG関連資産の買収急加速-高まる依存度に不安 2012/05/24 13:30 JST ブルームバーグ

 5月24日(ブルームバーグ):液化天然ガス(LNG)の供給確保という課題を背負い、日本企業は世界中でガス田権益や関連資産の取得を急激に増やしている。日本は世界の10大エネルギー消費国の中でも最も速いペースで、原油や石炭と比べて環境負荷の低いLNGへの転換を進めている。

三菱商事は今年に入って4カ国で天然ガス関連の資産を購入しており、ガス田開発に300億ドル(約2兆3800億円)以上を投入する方針を固めている。昨年3月の東京電力・福島第一原子力発電所の炉心溶融事故後、国内全50基の原発が運転を停止。代替発電燃料であるLNGの需要が一気に高まった。

発電燃料に占めるLNGの割合は50%に近づいており、依存度は他の主要な消費国に比べ最も高い。今後、価格が上昇すれば電力会社の発電コストが上がる可能性はあるが、権益や関連資産の取得を積極化させることで、国内のみならず海外でも需要増が期待されるLNGの取引で大きな収益を上げることができる。

ネクスト・キャピタル・パートナーズ(東京)の創業者、ケン・カーティス会長は「日本の大手商社はLNGの供給をしっかり確保しようとしている」とし、欧州債務危機の痛手が少ない邦銀があることから「現在、世界の中で日本ほど大型プロジェクトに取り組める国はない」と指摘した。

三菱商、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅、双日といった国内6商社は3月31日現在で620億ドルの現金を保有。三菱商事が抱える現金は1995年以降で最も高い水準にあり、三井物産も少なくとも過去20年間で最高水準に近い資金を抱えている。

■ガスの時代
レコフによると、三菱商など大手商社は昨年12月以降、原油やガス関連のM&Aで6520億円を投入。すでに昨年1年間全体の額に迫る勢いだ。

政府は今夏に新たなエネルギー基本計画を発表する予定だ。原発、火力、水力発電などそれぞれの電源の将来像をどう計画上で示すのかについて注目が高まっている。

経済産業省の資料によると、国内電力各社は10年以内にLNGを燃料とした発電設備を計2400万キロワット(40%)増やすことを計画している。供給の増加に備えるため、現在は28カ所あるLNGタンカーを受け入れる輸入基地の数は同期間に10カ所追加される。

国際エネルギー機関(IEA)のデータによると、エネルギー消費上位10カ国の中で、日本のLNG依存度は最も高くなることが見込まれている。石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)石油調査部の坂本茂樹氏は、火力発電用燃料でLNGへの依存度が5割を超えるような事態はリスクがあるとし、「売り手から足元を見られる」ことを避けるために石炭など他の燃料とバランスを取るべきだとの考えを示した。

CLSAアジア・パシフィック・マーケッツによると、すでにLNGが発電燃料に占める割合約50%に達している。同社のペン・バウアーズ氏は電話で「この水準を長く維持するのは非常に難しい。しかし、原発が再稼働しないと致し方ないのかもしれない」と述べた。

原題:Japan Gas Binge Ties Third-Biggest Economy to One Fuel:Energy(抜粋)

フェザーンを策源地として

フェザーンと聞くと『銀河英雄伝説』を真っ先に思い出してしまうのは筆者も含めて多いだろう。ただし現実世界のフェザーンとは、カダフィ独裁以前のリビアで連邦制国家を構成していた一領邦だった。アルジェリア南部、ニジェール西部、マリ北部を股に掛けて遊牧を営むトゥアレグ族が多く居住している。かつて、カダフィ大佐はフェザーンでの遊牧経験を基に自らの独裁思想を育んだ。そして今や、カダフィ大佐の打倒を経たトゥアレグ族とイスラム過激派は、フェザーンを策源地として、マリ北部に根拠地を誕生させた。

リビア内戦終結以降、リビアにおけるトリポリタニアとキレナイカの地域対立と部族対立が収拾していない間に、内戦で流出した重火器と豊富な戦闘経験とを手にしたトゥアレグ族がマリ北部を占領、彼らの組織であるアザワド解放民族運動(MNLA)が独立を宣言した。そして、トンブクトゥにある世界遺産の聖墓を破壊したイスラム過激派組織のアンサル・ディーンと合同して、新国家「アザワド」の成立を宣言した。

マリは、トゥアレグ族の攻勢に耐えかねて、軍部がクーデターを起こしたものの、北部の占領と独立宣言を防げず、すぐに民政移管、クーデター側が暫定政府を襲撃など、さらなる混乱を起こしている間に、トゥアレグ族と過激派組織の合同に到ってしまった。マグレブ(アラブ系・ムスリム)とサブサハラ(ブラックアフリカ・キリスト教及び土着信仰含む)との識字率の向上と出産率の低下のスピードに時間的な格差が存在することが、これら各地の革命・内戦など政治的混乱の背景となっている。

マリ軍兵士がクーデター、大統領府攻撃後に「権力掌握」 2012年 03月 22日 17:53 JST ロイター

[バマコ 22日 ロイター] 西アフリカ・マリの首都バマコで大統領府に攻撃を仕掛けた軍兵士らは22日、国営テレビを通じ、クーデターで権力を掌握したと発表した。

軍兵士らで作る組織のスポークスマンは「われわれは無能なトゥーレ政権を終わらせることで、責任を取ることを決断した」と表明。「この国が再統一され次第、民主的な方法で選出された大統領に権限を委譲することを約束する」と続けた。

また声明では、トゥーレ大統領の居場所は明らかにされなかった。

マリの政府軍はこれまで、同国北部を拠点とする遊牧民トゥアレグ人の反政府勢力と戦闘を続けているが、軍兵士らの間では武器や資材が不足しているとの不満が高まっていた。

*内容を追加して再送します。


マリ北部で反政府武装勢力が独立宣言、仏国防相は「承認せず」 2012年 04月 6日 18:08 JST ロイター

[バマコ/パリ 6日 ロイター] 西アフリカ・マリで6日、遊牧民トゥアレグ人の反政府武装勢力「アザワド解放国民運動(MNLA)」が、ホームページで北部の独立を宣言した。

MNLAはホームページに掲載した声明で、独立国家の承認を国際社会に対して即時に求めるとした。声明の発信地は北部の要衝都市ガオとなっている。

MNLAは、3月22日に同国南部の首都バマコで大統領府に攻撃を仕掛けた軍兵士らによるクーデターが発生して以降、ガオや世界遺産の都市トンブクトゥなど北部の主要都市を制圧していた。同勢力は、国際武装組織アルカイダとつながりを持つイスラム過激派組織から支援を受けているとされている。

一方、フランスのロンゲ国防相は6日、同勢力の独立国家を認めないと方針を発表。ロイターに対し「アフリカ諸国に承認されていない一方的な独立宣言は、何の意味も持たない」と述べた。


マリ大統領が辞任表明、クーデターの軍政から民政移管へ 2012年 04月 9日 11:19 JST ロイター

[バマコ/ヌアクショット 8日 ロイター] 軍兵士らによるクーデターが発生した西アフリカ・マリのトゥーレ大統領が8日、辞任を表明した。

トゥーレ大統領は声明で、「圧力をかけられたからではなく、祖国を愛するがゆえの辞任だ」と表明。調停関係者によると、大統領はリラックスした様子だったという。

マリ政府軍は、遊牧民トゥアレグ人の反政府武装勢力「アザワド解放国民運動(MNLA)」との戦闘における武器不足などをめぐって不満を高め、3月22日に同国南部の首都バマコで大統領府を攻撃。一方、このクーデター以降、MNLAは同国北部の主要都市を制圧したほか、6日にホームページで北部の独立を宣言するなど緊張が高まっていた。

この問題をめぐっては、軍事政権側と西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)が交渉を重ね、6日に民政移管で合意したと発表された。それによると、今後は議会議長を暫定大統領とする政府を樹立する方針だが、大統領選挙の詳しい日程などは分かっていない。


マリ北部のイスラム過激派、世界遺産の都市で聖墓破壊 2012年 05月 7日 15:37 JST ロイター

[バマコ 5日 ロイター] 西アフリカのマリ北部で、イスラム過激派組織アンサル・ディーンが、世界遺産の都市トンブクトゥにある聖墓の一つを破壊した。地元当局者らが5日明らかにした。

当局者によると、アンサル・ディーンの兵士らは聖墓の扉や門などに放火。また、ほかの聖墓を破壊するため、同地に戻ってくると語ったという。トンブクトゥは1988年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録された。

アンサル・ディーンは3月から4月にかけて、遊牧民トゥアレグ人の反政府武装勢力などと共に、トンブクトゥを含むマリ北部を制圧していた。

アフガニスタンの旧タリバン政権は2001年、偶像崇拝を禁止するイスラム教の教えに反するとして、バーミヤン遺跡で大仏2体を破壊している。


マリ暫定大統領が検査で渡仏、クーデター支持者の襲撃で負傷 2012年 05月 24日 11:05 JST ロイター

[バマコ 23日 ロイター] 3月に反乱軍によるクーデーターが発生した西アフリカ・マリの首都バマコで、トラオレ暫定大統領(70)が反乱軍支持者らの襲撃を受け、検査のため23日にフランスへ向かった。政府の広報官が明らかにした。

大統領府への襲撃は21日に発生。数百人の群衆が建物内になだれ込み、トラオレ氏は顔にけがを負った。負傷の程度は明らかになっていないが、複数の外交筋によると、ペースメーカーのチェックを受ける予定だという。

同国では3月22日に発生したクーデター以降、混乱が続いているが、今回の事件で同国の安定化を目指す国際的な支援が行き詰まる可能性もある。

国会議長だったトラオレ氏は、クーデター後の4月12日に暫定大統領に就任していた。


マリ北部の2勢力統合、独立イスラム国家建設で合意 2012年 05月 27日 12:17 JST ロイター

[バマコ 26日 ロイター] 3月に反乱軍によるクーデターが発生した西アフリカのマリで26日、遊牧民トゥアレグ人の反政府武装勢力「アザワド解放国民運動(MNLA)」とアルカイダ系のイスラム過激派勢力「アンサル・ディーン」が統合し、同国北部で独立したイスラム国家を建設することで合意した。

MNLAのスポークスマンはロイターの電話取材に応じ、(新国家)「アザワド」の幹部についてはこれから指名していくと述べた。

マリでは、政府軍がMNLAとの戦闘における武器不足などをめぐって不満を高め、3月22日に首都バマコの大統領府を攻撃。一方、MNLAはクーデター以降、北部の主要都市を制圧し、4月に入って北部の独立を宣言していた。

人の心理を読み取れない“反原発派”の心理とは

英国の科学誌ネイチャーの下記の記事によると、癌のリスクが非常に高まる100ミリシーベルト以上の放射線を浴びた福島第1原発の作業員は167人。この人数を多いと捉えるか少ないと捉えるかは、受け取る側の政治的立場と言うより受け取る側の心理によって変わるだろう。

ネイチャーの記事は筆致も冷静にチェルノブイリ事故と比較して、作業員と周辺住民、特に乳幼児の発癌(主に甲状腺異常の)リスクが低いことを述べている。そのほかにも放射性物質の除去、内部被爆予防のための研究結果が続々と出てきた。これに希望を見出したり、ビジネスチャンスを見出したり、信じなかったりするのも人それぞれの心理なのだろう。

Fukushima’s doses tallied 23 May 2012 Nature

さて、震災と津波と原発事故によって被災した地元の企業家の心理と地元の就業者の心理をまったく理解していない、と言う点で瓦礫の搬入にすら異を唱える反原発派は人として、もう一度素直に、そして謙虚になるべきだろう。

あなたが企業家だったとしよう。

この案件に関して万全のマネジメントができるだけのキャリアと、されるだけの人脈のどちらも揃っていると仮定する。

次いで震災と津波の被害を受けた地域に、新規の処理施設を建設するだけの用地が(あの狭隘な地形にも関わらず)確保でき、自治体と周辺住民の反対運動も金銭も伴わず全面的了解を受け、施設の建設と運営に関する規制法令の法案修正も特例認可も一両日にも通る、としよう。

この辺からすでに夢物語のようだが、まあいい、続けよう。

さらに次いで、施設の建設費用の融資全額と稼働前から稼働後の資金繰りのためのクレジットライン、新規採用される就業者のマッチングもすべて準備できるとしよう。

それでも一つだけ解決出来そうにない問題がある。稼働率の行方だ。

震災と津波の瓦礫はあくまでも特需だ。これは現地の行政も企業家も投資家も同意見だろう。真っ当な洞察力を持つ人間はそう思う、はずだ。思わない人がいるから、これらの拙文を書いてはいるが。

100%の稼働率で収益を考える前提からしてあり得ないが、いつか特需が終わり、瓦礫の搬入がその地域の通常の建設需要に見合う量まで縮小した時点で、設備投資額は回収できているのだろうか? いやそれ以前に100%の稼働率のため、決められた減価償却よりも速く使い物にならなくなっているかもしれない。あえてそれも大丈夫だとしよう。

しかし、稼働率が減る以上、それに応じて人員整理はせねばならない。そのとき解雇された人々に地元でかつ同業、同じ給与(保険・年金含む)水準の再就職先があるのだろうか? 就業者に無給でも構わないからと納得させられるか、もしくは雇用を守るための補助金活用などで時間が稼げて、その間に稼働率が上げられればよい、とは思うが。

それらが叶わず、現地の経営者が倒産した際、就業者が解雇された際、反原発派は某かの善意ですべての債務と再就職の補償でもしてくれるのだろうか。そう願いたい。

でなければ、もしも現地のみで瓦礫処理をする場合は、独占的かつ随意契約にしなければならないし、さらに稼働率が減少した際に、それらを補う量を他の地域の民間業者から需要を奪ってでも瓦礫搬入させる優先契約を結んでもらわねばならない。

反原発派には、安定供給を求められる電力各社などの独占的契約を非難する一方で、この瓦礫の安定供給を約束する独占的契約は非難しないことが求められる。

さすれば反原発派の方々は尊ぶべきかな、地球に優しき再生可能エネルギーのごとく利権を貪る人にも優しき彼らの心の広さを見ることができよう。

皮肉はさておき、全国各地の既存施設で分散処理することで、線量検査などの対応のため線量計の設置、放射性物質などの対応のためセシウム除去の装置など新規の設備投資が行われるだろう。全国各地で設備投資が平準的に行われる方がそれらに納入する企業、納入される企業にとってもリスクは少ない。線量の高い放射性物質に関しては、政府と地方自治体の予算と出資と地元企業への運営受託で、現地に処理工場がつくられるだろう。

また、あなたが現地の失業者だったとしよう。

震災と津波の前まで培ってきたキャリアや人間関係を捨てて、かつ前職もしくは再建される職場での給与水準(保険・年金含む)をも捨てる覚悟を以て、家族を説得することができて、できなくても単身赴任で瓦礫処理施設で働くだけの気力と体力を持ち合わせ、将来は解雇されても文句も言わず黙っている。「そういう人に私はなりたい」と有言実行できる、宮沢賢治ですらなしえなかった奇特な人でなければならない。

そも反原発派は、自らが「原発反対」と唱えることを許される人間の内面にある自由意志を被災地域の人々に対しては都合良く一切、無視して被災者の外面行動を強制しようとしている。

彼らは一方で人間の健康を考慮せよと叫ぶが、一方でこうして当たり前の人間の心理を無視する。彼らの中に、実に傲慢な人としての有り様をこれからも垣間見ることになろう。そして、それは人誰しもが心に潜ませているものなのだから。

セシウム99%除去の漆喰…近大、製品化検討 2012年5月24日 読売新聞

 近畿大(大阪府東大阪市、塩崎均学長)は23日、放射性セシウムを99%以上除去することができる漆喰を開発したと発表した。

 強度にも優れており、セシウムを含むがれきの密閉容器や、汚染水を濾過するフィルターとして、今後製品化を検討する。

 消石灰を主成分とする塗り壁材である漆喰に、セシウムを吸着する効果がある鉱物「ゼオライト」、カルシウムイオン水を混ぜた。同大工学部や薬学部などの研究グループが昨年10月~今年3月、セシウム水溶液の濾過実験を行い、セシウムの99%以上が吸着することを確認した。

 従来のゼオライト混合の漆喰は、強度が低く崩れやすかったが、カルシウムイオン水を混ぜることで2~3倍の強度を確保した。


黒豆茶かすがセシウム吸着 2012年5月19日 読売新聞

岡大准教授発表「放射性物質除去進む可能性」
 黒豆茶のかすが、放射性でないセシウムやストロンチウムを効率よく吸着できることを岡山大の石川彰彦准教授(有機化学)らが実験で確認し、18日、発表した。東日本大震災の被災地で、放射性セシウムやストロンチウムで汚染された河川やプールの水の浄化に活用できる可能性があるとみて、実証試験を目指す。

 被災地では、放射性セシウムやストロンチウムを鉱物のゼオライトに吸着させて除去している。石川准教授らは、より安価な吸着剤を作れないかと検討。黒豆茶、紅茶、ビールのかす、活性炭などを放射性でないセシウム、ストロンチウム水溶液に入れ、24時間後の除去率を測定した。

 その結果、黒豆茶はセシウムの97%、ストロンチウムの91%を除去した。ゼオライト(セシウム99%以上、ストロンチウム96%)より若干劣るが、使いやすさなどから利用価値が高いと判断、4月に特許を出願した。

 今月23、24日には岡山大の知財担当者が宮城、岩手両県を訪ね、放射能汚染された水に、黒豆茶のかすなどを入れた試験の実施を提案する。石川准教授は「試験の結果次第だが、放射性物質の除去が飛躍的に進むかもしれない」と期待する。

 日本放射線安全管理学会の研究班の一員として昨年、ポット型浄水器による浄化を検討した徳島大の三好弘一准教授(放射線化学)は「新しい除去剤につながる可能性があり、興味深い」としている。


ローヤルゼリーで内部被曝予防…岡山大チーム 2012年5月18日08時06分 読売新聞

 ミツバチから採取した「ローヤルゼリー」に、放射線の内部被曝を予防する効果があることを、岡山大の榎本秀一教授(核薬学)らの研究チームが裏付けた。

 マウスを使った実験で放射性ヨウ素の多くが短時間で排出され、放射性ストロンチウムの排出も大幅に早くなったという。東北大で開かれる「日本栄養・食糧学会」で20日に発表する。

 ミツバチ産品製造販売会社「山田養蜂場」(岡山県鏡野町)との共同研究。ローヤルゼリーを1週間飲ませたグループと、飲ませなかったグループを比較した。2グループのマウスに微量の放射性ヨウ素や放射性ストロンチウムを投与して被曝状態にしたうえで、体内の複数の放射性物質を同時に観察できる特殊なカメラで解析した。

 その結果、飲ませたグループはヨウ素の体内の蓄積量が被曝後8時間で半分以下になった。ヨウ素がたまりやすい甲状腺では、飲ませたグループでヨウ素がほぼ消滅したという。ストロンチウムも約50%多く排出された。チームはローヤルゼリーの投与で体内の代謝が活性化し、体外に排出されたとみている。

 榎本教授は「ローヤルゼリーに放射性物質の排除を促す機能があることが示唆された」としており、被曝後のマウスに飲ませた場合の効果についても実験を進めている。

誰かの隠れ債務は誰かの隠れ債権

いざ蓋を開けてみたら、スペインの自治州政府の借り換え(ロールオーバー)しなければならない負債額が、80億ユーロではなく360億ユーロでした、と。簿外だったのか時価会計の見直しだったのか、事の経緯はよく分からない。

しかし、誰かの債務は誰かの債権なのだ。

貸し手であるスペインの国内銀行に対して、借り手のスペインの各自治州政府(もしくはそれを担保する中央政府)の返すカネが増えても、銀行への貸し手であるスペイン国内の預金者に還元される場合には特に問題ない。預金者のカネをスペインのソブリン債で吸い上げて、もう一度スペイン国内で財政出動してしまえばよい。借金の棒引きも国内に留まっているうちはデフォルトだのと云われる心配もない。あくまでも自国の中でカネがやりとりされ、回っているからだ。

問題なのは、銀行への貸し手がスペイン国民ではないかもしれないことだ。それが同じ通貨ユーロを持つフランスやドイツの国民がスペインの銀行に預けていたのかもしれない。もっと悪いのはスペイン国民自身が資産防衛のためにフランスやドイツの銀行に口座を移してしまい、スペイン国内の資金循環から漏れ出してしまうときだ。

我が国でも似たことが橋本政権下の金融ビッグバン以降に起きた。失われた10年、そして20年はデフレになった。共通通貨でなくても近い事例は起きているのだ。ユーロであればどうなるか、容易に想像は付く。

ドイツはデフレに陥る。借り手のいないカネはドイツのソブリン債の購入に充てられてしまい、ドイツが自国以外の公共支出に「ハイどうぞどうぞ」と言えるものか? ドイツ国民がそれを許さないだろう。財政統合の必要性は畢竟、そこにある。“ユーロ国民”なる仮想の存在が成り立ちうるのか分からないが。

スペイン、地方債務問題への対処方法めぐり政府首脳の見解対立 2012年 05月 24日 09:31 JST ロイター

[マドリード 23日 ロイター] スペイン政府筋によると、スペインでは焦点となっている自治州の債務問題への対処方法について、政府首脳の見解が対立している。

スペイン17自治州が公表した予算案によると、17州は年内に360億ユーロの債務を借り換える必要があるが、これまで公表されていたデータでは80億ユーロ前後にとどまっていた。

この食い違いの理由は、自治州が国内銀行から直接借り入れた280億ユーロが当初のデータに含まれていなかったためで、スペインの公的債務削減や銀行セクター改革に関する能力への懸念が一段と高まっている。

政府関係者によると、政府は早ければ6月にも自治州の債務問題を支える新たなメカニズムを構築したい考えだが、新たなメカニズムの形態に関するデギンドス経済相とモントロ財務相の見解が異なっている。

デギンドス経済相は、地方に代わって中央が債務をコントロールおよび発行するメカニズムが望ましいと考えているのに対し、モントロ財務相は中央政府が赤字目標を達成した自治州に信用枠を供与するような、財務省が管轄する柔軟性の高いメカニズムを求めている。

ある関係筋は「モントロ財務相は地方の債務問題に対処する必要があり、自治州による赤字目標の達成を重視している。片方が厳密で、もう片方が無制限の流動性供給を主張していると言うことはできない」と語った。


1─4月ポルトガル財政赤字は30.59億ユーロに増加、税収減で 2012年 05月 24日 10:48 JST ロイター

[リスボン 23日 ロイター] ポルトガル財務省予算局によると、1─4月の公的部門赤字は30億5900万ユーロ(38億5000万ドル)となり、前年同期の24億5300万ユーロから増加した。景気後退(リセッション)で税収が減少したためとみられている。

税収は、全体では3%減少の98億8900万ユーロ。特に、今年引き上げられた付加価値税(VAT)などの間接税の税収は6.7%減少した。

ポルトガル政府は、780億ユーロ相当の国際支援を受ける条件を満たすため、賃金引き下げや増税を含む大々的な緊縮策を導入している。

1─4月の経常支出は1%増の131億4500万ユーロだった。


UPDATE1: スペイン・カタルーニャ州が中央政府に支援要請、資金繰り行き詰る 2012年 05月 26日 01:07 JST ロイター

[マドリード 25日 ロイター] スペイン・カタルーニャ州のマス知事は25日、今年の債務借り換えに向けた選択肢が尽きつつあるとし、中央政府からの支援が必要であることを明らかにした。 

知事は外国メディアに対し「中央政府がどのように対処するのかは知らない。だが月末には支払いを行う必要がある。支払いが滞れば、経済は回復しない」と述べた。

その後、政府報道官は知事の発言について、特定の支払いを今月控えているのではなく、月次の定期的な支払いを意図したものだと強調した。

カタルーニャ州はスペイン自治州の中でも最も裕福とされ、スペイン全体の国内総生産(GDP)の5分の1を占める。同州は今年、財政赤字に加え、130億ユーロ超の債務借り換えを手当てする必要がある。

自治州全体では、今年の借り換え必要額が360億ユーロ(450億ドル)、財政赤字(承認済み)が150億ユーロとなっている。

スペイン自治州の財政ひっ迫と同国銀行セクターの不良債権増加を受け、ユーロ圏第4位の経済規模を持つスペインが国際支援の要請を余儀なくされるのではとの懸念が高まっており、スペイン自治州財政と不良債権の2つの問題が欧州債務危機の震源地となっている。

自治州の多くは昨年、業者への支払いが遅れる状況に追い込まれており、中央政府は今年、緊急与信枠を設定した。だがこの与信枠は6月に財源が枯渇するため、中央政府は近く自治州財政の新たな支援策を打ち出すと表明しているが、政府筋によると、支援の枠組みをめぐり、デギンドス経済相とモントロ財務相の見解が対立している。

マス知事は中央政府への支援要請に当たり、資金調達の手段が尽きたと説明した。

スペイン自治州は、2010年のギリシャ救済以降、市場での資金調達がほぼ不可能な状況となっており、カタルーニャ州では過去2年、表面利率4.5─5.0%程度の愛国者国債(パトリオットボンド)を発行していた。だがカタルーニャ州全体の貯蓄額の25%がすでにパトリオットボンドに投じられており、同州の市民にそのような債券を買い支える余力はないと知事は語っている。

短期資金を銀行から調達する選択肢もあるが、隣のバレンシア州は最近、6カ月物融資に7%の高金利を要求されており、持続可能な手段ではないという。

ユーロ共同債への道程

金融政策と財政政策の両輪を統合せずに、通貨の発行権のみ統合したことによる矛盾がPIIGS危機から欧州債務危機に発展した。通貨統合(ユーロの発行)から財政統合(ユーロ共同債の発行)へ向かうことこそが、おそらく唯一穏健な形でEU(欧州連合)を存続させる道に違いない。

去年の11月以降、ECB(欧州中央銀行)は政策の自由度をむしろ狭めていった。財政規律を強化する協定に参加しなかった英国がこの場合、もっとも賢明だったことになる。

ギリシアはともかくフランスの政権交代は、我が国などが資金融通したIMF(国際通貨基金)に頼るのではなく、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)と欧州安定メカニズム(EMS)を活用すること、それとECBとドイツが量的緩和や共同債の発行など財政出動について積極的になる良い機会でもある。

フランスはボールを投げた。ドイツはそれをどう捉えるか。

仏大統領がEU首脳会議で共同債提案、経済統合に向けた措置で 2012年 05月 24日 10:24 JST ロイター

[ブリュッセル 24日 ロイター] フランスのオランド大統領は24日、欧州連合(EU)の非公式首脳会議閉幕後、記者団に対し、経済統合に向けた次の措置としてユーロ圏共同債を提案したと述べた。

「ユーロ圏共同債を支持したのは私1人ではなかった」とした上で「意見の相違があったことは事実」と語った。

「ユーロ圏共同債は成長促進のための手段にならないと主張したメルケル氏(独首相)の考えも尊重する。このため、今後も議論を継続する。衝突や対立はなかった。全員が自分の見解を述べたが、メルケル氏以上に強硬に(ユーロ圏共同債に)反対したメンバーも複数いた」としている。

自らが提案する成長促進構想について意見交換を行ったことも明らかにし、「成長の原動力をつけることにエネルギーを注ごうという考え方だ。すべての加盟国が私と意見を共有する必要はないが、一部の国からは同様の見解であることが示された。経済成長のための新たな切り口を与えることが重要だ」と語った。

また「プロジェクト債、EIB(欧州投資銀行)の資本増強、EU構造基金の活用など、いくつかの提案については既にコンセンサスができているが、私はさらに踏み込むことを提案した。特に、欧州のプロジェクトは再生可能エネルギーや産業プロジェクトといった新たなテクノロジーに焦点を当てるべきだと提案した」と述べた。

さらにギリシャ問題については、「ギリシャが約束を守る限り、ユーロ圏に残留させるとの文言で合意した」と説明。

「ギリシャがユーロ圏から離脱するというシミュレーションは認知していない。フランスはそのような仮説は立てていない」とした上で、「EU構造基金をギリシャの成長回復を支援するために活用すべきだ」との考えを示した。

*内容を追加して再送します。


ユーロ圏共同債、財政統合伴わなければ意味をなさない=ECB総裁 2012年 05月 24日 09:29 JST ロイター

[ブリュッセル 24日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は24日、ユーロ圏共同債を発行するアイデアについて、一種の財政統合が伴わなければ意味をなさない、との考えを示した。

同総裁は非公式欧州連合(EU)首脳会議後、記者団に「財政統合ができていれば共同債は意味があるが、そうでなければ意味がない。それは財政統合に向けた第1歩になる」と語った。


ユーロ圏共同債、危機の解決策にならず─オランダ財務相=テレビ 2012年 05月 23日 02:40 JST ロイター

[アムステルダム 22日 ロイター] オランダのデヤーヘル財務相は22日、欧州債務危機の解決に向けた一助として早期にユーロ圏共同債を導入することにあらためて反対の立場を示した。

財務相はオランダのテレビチャンネルRTL7でユーロ圏共同債の構想について「極めて長期的にみれば、(欧州の)統合成功の最終章となるかもしれない。オランダは常にこうした立場をとってきた」と述べた。

一方で「共同債は現在の危機の解決策にはならない」とし、現時点で導入すれば、財政難に陥った国にとっては金利の圧力が取り除かれることから、改革や歳出削減の取り組みを後退させる誤ったインセンティブになるとの見方を示した。


ユーロ圏、共同債発行へ財政・経済統合の行程表必要=欧州委員 2012年 05月 23日 02:13 JST ロイター

[ストラスブール 22日 ロイター] レーン欧州委員(経済・通貨問題担当)は22日、中長期的なユーロ圏共同債発行の実現に向け、域内諸国は財政・経済統合に関する具体策を盛り込んだ行程表が必要との考えを示した。

委員は欧州議会での演説で「すべてのユーロ圏諸国にとって共同債の発行が理にかなうよう、どのような欧州連合(EU)の経済・政治の統合深化が必要になるかなどを検討しなければならない」と述べた。

ギリシャに関しては、ユーロ圏残留を望むとしたが、改革を実施する必要があるとの見解を示した。

油濁保険の政府補償法案提出へ

EUのイラン産原油に関する保険、再保険を引き受け禁止(7月1日まで一部適用除外)の代替措置として国内損保大手が共同引き受けに乗り出したが、船舶沈没に備えた「船体保険」、海賊に原油が奪われる際の「貨物保険」が対象とされ、被害額がもっとも大きくなる流出事故向けの「油濁保険」は手つかずだった。

この「油濁保険」にまで対象が及んだ補償代行の法案が提出される可能性が高まってきた。行政府主導、関係各省の官僚が族議員や業界団体からの要請を受けてのものと思われる。中国・韓国も同様の措置を採ってくるだろう。韓国に到っては、我が国からの迂回輸入や何らかの形での保険補償金の援助を求めてくるかもしれない。

イラン原油の再保険引き受け禁止、EUが7月1日まで一部適用除外 2012年 03月 23日 11:39 JST ロイター

UPDATE2: 中国の海運保険引受団体、イラン産原油輸送タンカーの保険引き受け停止へ 2012年 04月 6日 09:53 JST ロイター

イラン産原油の輸送保険を共同引き受け、国内損害保険大手 2012.4.12 01:31 SankeiBiz

イラン原油輸入の再保険、政府肩代わりを検討-今月中にも法案提出へ 2012/05/17 12:20 JST ブルームバーグ

5月16日(ブルームバーグ): 政府は、7月1日に実施される欧州連合(EU)の経済制裁に関連して、イラン原油の輸入に必要となる最大76億ドル(6103億円)規模の再保険の肩代わりを検討している。タンカーからの原油流出事故発生時の賠償などに必要となる賠償責任保険の補償を代行する。複数の政府関係者が明らかにした。

EUは3月、イラン原油に関連する責任保険については7月1日まで制裁の対象としないことを決定。それ以降について、日本政府はEUに対して制裁開始時期の延期や免除を求めており、5月14日に開催されたEU外相理事会で追加的な猶予措置の決議を期待していた。しかし、同理事会でイラン制裁問題は議論されず、7月1日の本格制裁開始までの時間的な余裕がなくなったことから、今月中にも国会に法案を提出する方針が固まりつつあるという。

賠償責任保険では、海運会社の互助組織で国際的なネットワークを持つ日本船主責任相互保険組合が引き受けている。上限の補償額76億ドルのうち同組合が支払い可能なのは800万ドルまでで、残りの部分は同組合が欧州の市場で再保険契約を結んでいる。

責任保険に対する制裁猶予の期限が切れると、欧州域内で再保険の引き受け手を見つけられなくなる。事故が発生すると膨大な補償が必要になることから無保険での原油輸入は事実上不可能。そのため政府は再保険の引き受けの検討を開始していた。


参考URL:
再保険事業への参画について 丸紅株式会社 2012年4月24日

フランコ以後の民主化が仇に

スペイン内戦に勝利した独裁者フランコ総統の死後、後継者に指名されたボルボーン朝の国王は意に反して、1978年憲法の制定を通じた西欧型議会制民主主義と自治州の財政独立まで認めた地方分権を進めた。スペインのバブルは自治州政府の財政赤字が大きく関わっている。過度の保守化に対する過度の民主化がもたらした弊害だが、各地方の自由を認めなかったフランコの漸進性はこの点で正しかった訳だ。

EU、今週スペインに専門家チームを派遣-財政赤字修正で 2012/05/22 01:16 JST ブルームバーグ

  5月21日(ブルームバーグ):欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)は、スペイン政府による2011年財政赤字の上方修正が「包括的なものと見なせるか」どうかを調査するため、今週専門家チームをマドリードに派遣する。EUの報道官が明らかにした。

スペインの財務・公共行政省が18日に電子メールで配布した資料によると、同国は11年の財政赤字について地方政府の未払い金を含めた結果として、国内総生産(GDP)比8.9%と、従来の8.5%から引き上げた。

EUの行政執行機関、欧州委員会のエマー・トレイナー報道官は、21日に記者団に対し、今回派遣される専門家チームは、スペイン発表の数字が正確かどうかを「遅滞なく明らかにする」見通しだと説明。さらに、欧州委は「スペインに対しすでに、地方の財政を完全に明確にすることの重要性をすでに強く伝えている。そしてスペイン政府もそれに取り組んでいる」と述べた。

原題:EU Experts to Visit Spain This Week Over 2011 DeficitRevision(抜粋)


スペイン政府が地方債保証へ、均衡予算と引き換え-ABC紙 2012/05/21 11:13 JST ブルームバーグ

 5月20日(ブルームバーグ):スペインの中央政府は、地方政府が発行する債券について、要請があれば保証を付与する。スペイン紙ABCが財務・公共行政省のアントニオ・ベテタ次官(公共行政担当)の発言を引用して報じた。

それによると、中央政府は「ケース・バイ・ケースで各債券ごとに」保証を提供。その引き換えに均衡予算を地方政府に求め、順守されない場合には介入するという。


スペインの事例は、我が国の地方分権についての方向性に関して、多くの示唆を与える。大阪府と大阪市の統合構想や名古屋市の減税路線などを唱え、それらを支持する人々はどう考えるのだろうか。財政的に豊かな自治体だけがそれを云えるに過ぎない。

以前、夕張市の破綻についてコメントがあったが、スペインの自治州の将来がダブって見える。交付税の分配が減少して、地方債が増加した市の財政を破綻に追い込んだ要因のいくつか、例えばテーマパークの開設や映画祭の開催など、あの当時は多かれ少なかれ、どの自治体でも行っていたことだ。廃鉱以後の自治体運営としては、企業誘致がほとんど不可能だったことも考慮に入れて、当時は他の自治体に比べれば成功例と言われたものだった。

しかも、夕張市のそれは他の自治体に比べれば、ソフト(地場の物産)に対するハード(ハコモノ)の関連性は高かった。ハードに追いつくソフトの養成が追いつかなかったのは事実だろうが、その条件もどこでも同じものだった。

夕張では今でも「夕張メロン」の初競りは一玉50万円程度で取引されている。最近では、派生して“まったくゆるくない”ゆるキャラ「メロン熊」を地場の土産菓子メーカーの関連会社がプロデュースしたりしている。ソフトの養成に時間がかかるのはどこでも同じものだ。

スペインの自治州にもそれらは当てはまるだろう。企業家がいて自立心や持続力があり、彼らを容認する風土があれば、中央政府が均衡予算を強制するだけではなく財政援助を与えることにも妥当性はある。100%の正解ではないにせよ、我が国のように各地方の不均衡是正のために地方交付税などの政治的妥協や経済的な予防措置も導入すべきではないか。そうであれば中央と地方の政治的なダイナミズムも生まれるというものだ。

温暖化防止→反原発→電力自由化→そして・・・

経済産業省の電力システム改革専門委員会は、電力小売り自由化の方針で大筋合意した。この合意に従って委員会答申がなされ、さらにこの答申に従ってエネルギー政策が変更される運びとなる。

ただし、党内並びに議会、各省庁や各企業・業界団体の利害関係を調整せず、答申の思想的背景にある新自由主義のイデオロギーに忠実に政策変更される場合、何が起きるのか。

温暖化防止を唱える人たちに対しては、排出権取引やCDM(クリーン開発メカニズム)、JI(共同実施)に要するコスト高を容認し続けるか否かが問われる。京都議定書の期限切れとポスト京都議定書の交渉決裂により、温室効果ガスを取引するこれらの仕組み(ビジネスモデル)がなくなった場合、化石燃料による火力発電所が増加するばかりか、彼らの利害は大きく損なわれる。

再生可能エネルギーを主導する人たちに対しては、気象条件に左右される太陽光発電と風力発電のコスト高を容認し続けるか否かが問われる。太陽光発電の全量買取とその買取値段が反故にされれば、太陽光発電の収益上の存立基盤(ビジネスモデル)が一夜で瓦解してしまい、彼らの利害は大きく損なわれる。

原子力発電所の廃止を唱える人たちに対しては、政治的配慮により今まで計上されてこなかったコストを容認し続けるか否かが問われる。この見えないコストを見えないままにしておけば原発の電力は再生可能エネルギーなどよりも相対的に安いものとなり、差し迫った電力需給と貿易収支の不均衡の問題から再稼働の容認がなされた場合、彼らの利害は大きく損なわれる。

電力自由化に賛成する人たちに対しては、人件費や燃料費のコスト高を容認し続けるか否かが問われる。デフレ下での競争を推進すれば、保安・点検などの安全面のコストまでカットされる可能性が生まれ、労働環境と設備のメンテナンスは悪化し、JCO臨界事故やカリフォルニア電力危機に類似した事件・事故が再発する要因となり、もしも再発した場合、彼らの利害は大きく損なわれる。

電力小売り、家庭含め完全自由化…競争原理導入 2012年5月19日03時07分 読売新聞

経済産業省の「電力システム改革専門委員会」(委員長=伊藤元重・東大教授)は18日、電力小売りについて家庭向けを含め、全面的に自由化することで一致した。

 人件費や燃料費などに一定の利益を上乗せする「総括原価方式」も撤廃し、電力業界に競争原理を導入する。電力会社の発電事業と送配電事業の分離など電力自由化も加速する。一般家庭の電力購入の選択肢が増え、電気料金の引き下げにつながる可能性がある。

 家庭向け電力の自由化は、政府が今夏にまとめる新たなエネルギー基本計画に盛り込む。電力業界も受け入れる方向で、来年春にも電気事業法の改正案を国会に提出する。周知期間を経て早ければ2015年前後に実現する。

 電力の小売りが全面自由化されれば、消費者は電力会社のほか安価に電力を提供する新電力(特定規模電気事業者=PPS)や再生可能エネルギー専用の小売業者などから自由に購入先を選択できる。

 総括原価方式の撤廃で、経産省による料金値上げの認可制もなくなる。この結果、自由な料金設定が可能になる。

 電力会社の発送電分離などの電力自由化も加速させるのは、規制がなくなった後も、電力会社による事実上の地域独占が続き、電気料金が高止まりしないようにするためだ。


それにしても、なぜこうまでしてエネルギー・電力政策が二転三転するのだろうか? 一貫しているのはエネルギー及び電力の安定供給に対する視点が欠けていることだけだ。

それは民主党がイデオロギーがバラバラな集団の寄せ集めのため、政権が約1年ごとに、リベラル(鳩山)→極左(菅)→新自由主義(野田)へと交替し、前政権の決定した方針が政策となる頃には、主義・思想の違う現政権が別の方針を打ち出し、次の政権で実現の運びと相成るからである。

リベラルの鳩山政権は、地球温暖化防止の観点から原発推進の立場を採り、各国との原子力協定の締結と原発輸出にも熱心だった。

極左の菅政権は、大震災後、原発再稼働の基準なしのストレステストを実施して、火力発電をフル稼働させLNG(液化天然ガス)の大量輸入によって国富を流出させた。その国富の流出分で福島第一原発事故の補償金は充当できただろう。しかも原発の全面的廃止も漸減も決定した訳ではない。

新自由主義の野田政権は、前政権の方針を引き継ぐ形で太陽光発電の全量買取とその買取値段を決定したが、一方で電力の発送電分離、小売り自由化へと踏み出したことになる。しかし、政権は特例公債法案を通せずにそこで頓挫する、と思われる。

次の政権は旧経世会の誰か(おそらくは副首相の岡田氏)となる。そして、またもエネルギー政策は変更されることになるだろう。

自由化の意義は本来、インフレ環境下で安価な電気料金を促進するためのものだ。また法令の運用と改正次第で計上されるコストは変更可能だ。つまり見た目の安さはいくらでも変えられる(隣国の韓国がその好例だ)。となると、原子力発電でも(石炭、石油、液化天然ガス問わず)火力発電でも構わないことになる。

政策変更が度重なれば、原発賛成であろうがなかろうが、大幅な固定費負担を伴う発電所や送電網などに民間が投資できる訳もない。

利害を調整し、方針を定めつつ、急激な政策変更をせず継続性を担保するという当たり前の政治ができない政党に我々有権者の多くは投票した。これら民主党政権を誕生させた以上は、どうにも背負わなければならないコストとなっている。

統一主義者の自己投影の果てに

ギリシアの独立は、欧州のロマン主義者の自己投影に過ぎなかったのではないか。ギリシア・ローマの古典が欧州の根源であるという夢を抱く人々には、古代ギリシアの後継者であって欲しいと願望の産物が近代ギリシアだった。

同様にギリシアのEC加盟とユーロ圏加入も、欧州の統一主義者の自己投影ではなかったか。経済的な負担は明らかであったとしても、政治的にはかつてのローマ帝国の版図は含まれなければならないものだった、と。

フランス革命と大ナポレオンの巻き起こした戦争の惨禍を怖れて、メッテルニヒとタレーランという2人の外交家が創りあげたのが、ウィーン体制である。その体制崩壊の最初の楔となったのが、ギリシア独立であった。

カイザーとヒトラーの巻き起こした大戦の惨禍を怖れて、ドイツとフランスの2大国が、ベネルクス3カ国の承認を得て創りあげたのが、ヨーロッパ共同体、現在のヨーロッパ連合である。その連合崩壊の最初の楔となったのが、ギリシアのユーロ離脱であった、と後世の歴史家が云うのだろうか。

1821年に始まったギリシア独立戦争は、上述のようにヨーロッパの協調を図るために、あえて“反動”を選択したウィーン体制が崩壊していく過程でもあった。

のちの産業資本家と呼ばれるブルジョワジーが、自らの生命・財産の自由を守るために、言論・信教の自由、集会・結社の自由を獲得していった革命の世紀を彩った出来事であるが、当時、ギリシアにブルジョワジーが存在しなかった以上、その独立戦争の主役はフランス革命の洗礼を受けたナショナリストであり、脇役はヨーロッパ列強であった。

このナショナリストの主導、列強の後援という事実こそが、近代ギリシアを決定づけた桎梏であった。

いわゆる“反動”の時代にあっても、古典ギリシアが近代ヨーロッパの精神的母体であるとの認識は共有されていたから、ロマン主義者の実践の対象としてギリシア独立戦争に参戦することは、反動の立場を保つ列強の指導者からも少なくとも黙認されうることだったのかもしれない。

イギリスのロマン派詩人・バイロン卿が、1824年にギリシアのメソロンギにて客死したのは、そうした背景があろう。

意地悪く云ってしまえば、ロマン主義者のはけ口であった、と。

そうしてあくまでもヨーロッパ協調という監視の枠内にあれば、またその中で列強各国の利害が一致する限り、ギリシア独立は容認された。

しかしそれ故に、王家すらドイツの領邦からの輸入物であり、国内資本の産業は育たずブルジョワジーによる民主主義ではなく、過度なナショナリズムによって国家の統一を維持せねばならなくなった。

その糸の名を“大ギリシア主義(メガリ・イデア)”と云う。

ギリシア人の居住している地域のすべてを領有しよう、ということである。が、1863年のイオニア諸島併合は、新王の即位に際してイギリスからのご祝儀品であったし、1897年の希土戦争によるクレタ島の自治国化(後に併合)は、勝利の結果ではなく列強の介入の産物である。つまりは自らの軍事力によってではなく、列強各国の采配で領土を拡張したに過ぎないのだ。

この大ギリシア実現の手法、つまりは現地のギリシア系住民を煽動して内乱を誘発させ、派兵した自国軍隊が敗北しても最終的に列強の力を借用して、目的を達成すること。しかしこれは、トルコがスルタンの支配する帝国から、トルコ人による国民国家が成立した時点で不可能になった。

それが明らかになったのが、1919年から1922年までの希土戦争である。

中央同盟国に与したオスマン・トルコ帝国は、敗北の結果、アナトリア半島すら列強に分割される。ここにギリシアは追随して、イギリスの支援の元、エーゲ海沿岸のギリシア人居住地域を併合しようと図る。これに対して、トルコ人は、ケマル・パシャを首班とする共和国政府をアンカラに成立させ、徹底抗戦することとなった。彼らにとって歴史上「救国戦争」と呼ばれることとなる戦いであった。

かつてガリポリの戦いで、チャーチルに苦杯を嘗めさせたケマル・パシャは、塹壕を築き戦線を膠着させ、ゲリラ戦によって補給線を絶ち、優勢に立った時点でギリシア兵を文字通り、エーゲ海に蹴落とした。しかも、この戦争難民によって、ギリシア本国もギリシア人が多数派を占め、国民国家となったのだ、皮肉なことではないか。

焦点:ギリシャに迫る悪夢のシナリオ、「ドラクマゲドン」襲来か 2012年 05月 20日 14:01 JST ロイター

(前段略)
ユーロ圏から離脱した場合、ギリシャは単一通貨のユーロ導入前に使っていた「ドラクマ」を再び使用することになるだろう。新ドラクマの価値は最大で70%下落し、インフレが進行、金融機関は破綻し、貿易は崩壊すると推測される。だが、債務危機が一般的なギリシャ国民にどのような影響を及ぼすのかを予想するのは容易ではない。

ギリシャは国内で消費する食糧の約40%を輸入に頼っている。石油や天然ガス、医薬品の輸入依存率も非常に高い。ギリシャ中央銀行のプロボポラス総裁は、ユーロ圏から離脱すれば、その後の混乱で海外からの物資供給はなくなり、生活に必要な物が急激に不足することになると指摘する。何とか物資を調達できたとしても、価格は驚くほど高くなるだろう。

<悪夢のシナリオ>

「燃料がなければ、軍や警察は車両を動かすことさえできなくなる」。プロボポラス総裁は、ギリシャはユーロ圏離脱で、初めのうちは悪夢のシナリオを味わうことになると説明した。

元財務相のパパントニウ氏は昨年7月、ロイター・インサイダー・テレビのインタビューで移民問題について予見。「ギリシャは1100万人の国民を養うことができなくなる。大量の移民が生まれるだろう」と語り、完全な無政府状態が訪れると警鐘を鳴らしていた。実際、昨年ギリシャからドイツに渡った移民は、前年比90%増の2万3800人に上った。

また、ギリシャは5年目のリセッション(景気後退)に突入しており、国内のビジネスマンが置かれている状況はすでに厳しいものになっている。

「物資の不足が現れ始めた」。文房具などを輸入している女性が訴えるには、「フランスやスペインの業者は信用取引を継続してくれているが、ドイツの業者は特に厳しく、取引を拒み始めている」という。ギリシャの小売連盟ESEEは、「海外の取引先は、ギリシャのビジネスマン個人を信用していないのではなく、ギリシャの銀行を信用していないのだ」と指摘した。

ギリシャは機械類やソフトウエアなどを基本的に全て輸入に頼っているため、ユーロ圏から離脱して価値が下落した新ドラクマを採用するようになれば、企業は成長することができなくなるだろう。

輸入業者の1人は、「ドラクマが再び使われることになれば、誰も海外とは仕事ができなくなる」と語る。「(離脱の)翌日には会社を閉めなければならないだろうし、他の数千の企業もそうなる」と危機感を募らせた。
(後段略)


現在のギリシアの経済運営の手法、つまりは国内の供給力の不足のために経常収支の赤字を吐き出し続け、一方で海外(特に独仏)の資本供給に頼り続け、古代の遺産に胡座をかいて鞘を取る。列強の采配に左右される点では、軍事か資本の力の違いはあれど、時代を経てもなんら変わってはいない。

ギリシアの中央政府は米国の投資銀行の教唆を受け、国家予算の粉飾を行ってでも海外からの資本を導入して、国内経済を回してきた。情けなかろうが、それも彼らなりのビジネスモデルだったのだ。これがユーロ圏からの離脱、さらにはEUからの追放、または極度のポピュリズムによっては成立しえなくなる。その方が中長期的に見やれば、国家と国民の自立にとって健全な国民性を養うに足る可能性は高い(もちろん韓国のような無様な例もあるが)。

しかし、彼らはリーマン・ショック以降の経済面ではリセッション、また政治面では政権交代と大連立内閣と総選挙でもその決断を行うことができなかった。彼らギリシアが、EUから離れた経済的な国民国家となることを選択肢の中から選ぶのは、結局はドイツ国民であったり、フランス国民であったりするのだろう。それもまた欧州のナショナリストの自己投影、としての帰結だ。

スペインは中南米に踏みとどまれるか

紙幣や切手の印刷で知られる英国の印刷会社デ・ラ・ルーがドラクマの印刷準備を始めた。当事者のユーロ圏以外、特に英米や我が国にしてみれば、むろん影響は被るものの欧州債務危機とユーロ離脱もまたビジネスチャンスである。かくてユーロ圏各国の資産売却にハゲタカは舞い降りる。

ギリシャのユーロ離脱に備え、英紙幣印刷会社が旧通貨印刷を準備 2012年 05月 19日 00:46 JST ロイター

以前、HSBC(香港上海銀行の持株会社)が損保部門の売却を日本勢に打診、また韓国国内のリテール部門の売却を韓国産業銀行に打診、現在までに日本のリテール部門から撤退、韓国のリテール部門を韓国産業銀行に売却したニュースをエントリーで触れた。

HSBCは、欧州債務危機に際して格付けが引き下げられ、バランスシートが毀損したため、海外資産の整理を進め、すぐ現金化できる株式などの処分を行い、次に部門子会社や不動産などの処分を進めた。これらの動きは英米の金融機関すべてに云えた。

バランスシートの調整を進めた結果、植民地金融に起源を持つHSBCやスタンダード・チャータードなどは、極東アジアやインド・中東における貿易金融などの分野では、危機の渦中にある独仏勢よりも先んじて攻勢に転じ、我が国の金融機関とともに存在感を増している。大英帝国の遺産はまだ生きている。

独仏の金融機関とそれらに影響を与える南欧諸国の金融機関の格付け引き下げは、彼ら自身の海外資産売却を加速させる。そして、ECBは彼らへの資本注入と供給オペを拡大させなければならない。

ギリシャ銀5行の格付けを「CCC」に引き下げ=フィッチ 2012年 05月 19日 02:13 JST ロイター

[18日 ロイター] 格付け会社フィッチ・レーティングスは18日、ギリシャの銀行5行の長期発行体デフォルト格付けを「Bマイナス」から「CCC」に引き下げた。

前日にギリシャのソブリン格付けを「Bマイナス」から「CCC」に引き下げたことを受けた措置としている。

格下げの対象はナショナル銀行(NBGr.AT: 株価, 企業情報, レポート)、EFGユーロバンク(EFGr.AT: 株価, 企業情報, レポート)、アルファ銀行(ACBr.AT: 株価, 企業情報, レポート)、ピレウス銀行(BOPr.AT: 株価, 企業情報, レポート)、ギリシャ農業銀行(AGBr.AT: 株価, 企業情報, レポート)の5行。


スペイン銀行バンキアが14%安と急落~一時29%安、預金流出との報道 2012/05/18 07:17 JST ブルームバーグ

スペインの銀行16行を最大3段階格下げ-ムーディ-ズ 2012/05/18 07:37 JST ブルームバーグ

5月17日(ブルームバーグ):米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは17日、スペインの銀行16行の格付けを引き下げた。リセッション(景気後退)と貸し倒れ損失の拡大を理由に挙げた。同国最大手行のサンタンデール銀行とビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)は3段階引き下げられた。

ムーディーズは17日の発表資料で、9行を3段階引き下げ、7行はなお格下げ方向で見直すとした。サンタンデール銀行の英子会社も格下げされた。

ムーディーズは14日にイタリアの銀行26行を格下げしている。また2月13日にはスペインのソブリン格付けを引き下げた。ムーディーズはこの日のスペインの銀行格下げの主な理由として、融資の焦げ付きの急増とリセッション、困難な資金調達に加え、政府の銀行を支える能力が政府自体の信用力低下により弱まったことを挙げた。

ムーディーズは、「銀行は引き続き、経営や市場からの資金調達で極めて厳しい環境に直面する見通しであり、これは銀行の信用力へのリスクとなる」と分析。「スペイン経済は2012年1-3月(第1四半期)に再びリセッションに陥った」が、年内は「状況が改善しないと予想する」と説明した。

ムーディーズはサンタンデール銀とBBVAの格付けを共に従来の「Aa3」から「A3」に引き下げた。両行の広報担当者に取材を試み電話にメッセージを残したがこれまでのところ返答はない。
原題:Santander, BBVA Among Spanish Banks Downgraded by Moody’s(1)(抜粋)


スペイン銀行改革、350億ユーロ超の公的資金必要も-フィッチ 2012/05/16 07:18 JST ブルームバーグ

特にスペインの旧植民地地域に基盤を持つサンタンデールやBBVAなども国内の問題に目途を付けられないと、ポルトガルのようにかつての帝国の遺産を失い、スペインそのものが小国に転落する可能性がある。

ポルトガルは、貿易の人脈を活用しながら仲介加工貿易をするとか、植民地の利権を発展させながら多国籍企業をつくるとか、銀行や保険の情報を駆使しながら島嶼植民地におけるオフショア金融を発達させるとか、イギリスやオランダの採った道をたどれなかった。

それどころか、1975年のカーネーション革命によって、マカオを除く全植民地を一遍に喪失した。アフリカに植民していたポルトガル系(レトルナードス)が帰国して、労働需給が壊れ失業率が上昇した上に、石油など天然資源の豊富なポルトガル領西アフリカ(アンゴラ)・ポルトガル領東アフリカ(モザンビーク)といった領域植民地と、中継貿易拠点かもしくはオフショア金融の拠点になりうるポルトガル領ギニア・マカオ・ゴア・東ティモールなどを自国のために活用できなかった。

たとえばマカオの発券銀行である大西洋銀行の規模と名声は、香港のそれである香港上海銀行(HSBC)とは比べるべくもない。また2008年~2013年までの6年をかけてポルトガル語の正書法をブラジルに合わせるという逆転現象が起きている。イギリスのアメリカナイゼーションの比ではない。

かつてのポルトガルの没落を想起すると、ギリシアは論外として、スペインの正念場が今まさに訪れている。

一粒で三回美味しい貿易構造

以前、みずほコーポレート銀行と韓国中小企業銀行との間で円建てのシンジケートローンが締結されたニュースがあった。次も同様のニュースと考えて良い。オランダのラボバンクと韓国政府が関与する銀行(韓国輸出入銀行)が海外の投資銀行を通じて円建ての外債を発行する。またこれは、流動性の危機に陥っているギリシア同様、韓国も自国の銀行セクターが資金供給できなくなっている傍証といえる。

以前にもまとめたが、我が国と韓国との間には、まず資本財と中間財の韓国向け輸出で一回抜き、消費財の欧米からの韓国向け迂回輸出で一回抜き、それらを輸出入する企業向け運転資金の貸出金利で一回抜く、という貿易構造が出来上がっている。残余は、知的財産権で雁字搦めにしてやれれば申し分ない。

繰り返すが下記は、それを完全に裏付けるニュースである。

〔SB流通動向〕蘭ラボバンクと韓国輸出入銀行、サムライ債の起債に向けマーケティング実施=市場筋 2012年 05月 15日 13:55 JST ロイター

[東京 15日 ロイター] 複数の市場筋によると、オランダのラボバンク[RABO.UL]<0#1267=JFI>と韓国輸出入銀行は、サムライ債(円建て外債)の起債に向けたマーケティングを実施している。利率など発行条件はラボバンクが最速18日、韓国輸出入銀行が17日にも決まる見通し。

 ラボバンクは、期間3年の固定利付債と5年の固定利付債と変動利付債の3本建てで起債を準備。投資家に向けて15日実施しているマーケティングのスプレッドは、3年固定利付債がLIBOR(ロンドン銀行間貸出金利)に45─52ベーシスポイント(bp)、5年固定利付債がLIBORに60─67bp、5年変動利付債がLIBORに75─82bpを上乗せした水準。需要次第で3年変動利付債と10年固定利付債も発行する可能性がある。発行額は未定。主幹事はみずほ証券、大和証券、JPモルガン証券が担当する。

 韓国輸出入銀行は期間2年・3年・5年の固定利付債で起債を準備中。マーケティングのスプレッド・レンジは、2年債がLIBORに70─73bp、3年債がLIBORに83─85bp、5年債がLIBORに90─95bpを上乗せした水準。発行額は未定。主幹事はBNPパリバ証券、大和証券、ドイツ証券、JPモルガン証券、みずほ証券が務める。


韓国輸出入銀行、3本建て総額1000億円サムライ債の発行条件を決定 2012年 05月 17日 09:59 JST ロイター

[東京 17日 ロイター] 主幹事によると、韓国輸出入銀行は、期間2年・3年・5年の3本建てサムライ債(円建て外債)の発行条件を決定した。

発行総額は1000億円。

期間 発行額 利率 発行価格 スプレッド
2年 514億円 1.11% 100円 +0.70%
3年 412億円 1.25%  100円 +0.83%
5年 74億円 1.38%  100円 +0.90%

主幹事:BNPパリバ証券、大和証券、ドイツ証券、JPモルガン証券、みずほ証券


韓国輸出入銀行が円建て外債発行 総額1千億円 2012/05/17 17:53 KST 聯合ニュース

【ソウル聯合ニュース】韓国輸出入銀行は17日、アジアの機関としては過去最高額となる総額1000億円の円建て外債(サムライ債)を発行したと明らかにした。円建て外債とは、海外の企業が日本国内で円建てで発行する債券を指す。

 投資家の多様なニーズを考慮し、発行額は2年もの514億円、3年もの412億円、5年もの74億円とした。それぞれの利率は1.11%、1.25%、1.38%。

 今回の外債発行で、輸出入銀行は今年総額22億ドル(約1766億円)の外貨を日本で調達することになった。今年の外貨調達目標は65億ドル。


ラボバンク:3本立て総額1200億円のサムライ債条件決定 2012/05/18 09:57 JST ブルームバーグ

5月18日(ブルームバーグ):ラボバンク・ネダーランドが発行する3本立て総額1200億円のサムライ債の発行条件が決定した。大和証券が18日、ファクスを通じて発表した資料によると、3年固定債の利率は0.93%、発行額は378億円。5年固定債は1.142%、783億円。5年変動債は3カ月円ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)+82bp(1bp=0.01%)、39億円。

ドラクマの前に“軍票”が流通する

ギリシア政府が公的固定資本形成などの政府支出で不健全だったのに比べれば、比較的国内の銀行は健全だった。その銀行も独仏などに差し出さなければならなくなりそうだ。

再選挙が決まってから、預金流出が進んでいると同国の大統領が発言している。とすれば、当座預金や3ヶ月未満の定期預金すら流出しているか、もしくはそれ以上の定期預金などであっても、違約金を払っても見合う程度の元本が保証されれば構わないといった心理が働いている。

自己資本比率がマイナスになってしまった銀行も出てきたそうで、もはや企業や個人への貸出は不可となる(お隣の韓国では貯蓄銀行が平気で情実融資をしていたそうだが)。

ちょっと昔の話だが、コール市場で資金調達できずに拓銀や三洋証券が破綻したことを覚えている人もいるだろう。それから貸し渋り、貸し剥がしを覚えている人もいるだろう。どれだけ死人が出たことか。それどころかギリシアの場合、カネが一切回らない状況になるのかもしれない。

下記のコラムでは、ユーロから離脱を余儀なくされてもドラクマへの移行が間に合わず、米国カリフォルニア州が財政危機に陥った際に利用した期限付き借用証の「IOU」が貨幣の代替として流通するのではないか、と予測している。なんだか端から敗戦国の軍票のようなことになりそうだ。

ギリシャ:銀行から7億ユーロの預金流出、総選挙後-大統領 2012/05/16 08:46 JST ブルームバーグ

ECB、ギリシャの銀行への融資を凍結も-MNI 2012/05/16 21:50 JST ブルームバーグ

ギリシャ急進左派連合の支持率上昇、再選挙で第1党に躍進の見通し=世論調査 2012年 05月 16日 21:56 JST ロイター

ギリシャ、6月17日再選挙へ-ユーロ残留や救済で岐路に 2012/05/17 12:32 JST ブルームバーグ

ギリシャ世論調査で国際支援支持の新民主主義党が支持率拡大 2012年 05月 18日 04:53 JST ロイター

[アテネ 17日 ロイター] 来月に再選挙が行われることになったギリシャで、欧州連合(EU)・国際通貨基金(IMF)の支援策を支持する新民主主義党(ND)が支持を伸ばしていることが、世論調査の結果明らかになった。

MARC/アルファが15─17日に実施した世論調査によると、調査実施時点で選挙が行われた場合、NDの得票率は26.1%となり、反緊縮財政策を掲げて今月6日の総選挙で第2党に躍進した急進左派連合の23.7%を上回った。


焦点:ギリシャ、ユーロ圏離脱か残留か中途半端な状況が続く可能性も 2012年 05月 17日 15:23 JST ロイター

(前段略)ギリシャの有権者は反緊縮派の政党を支持したとはいえ、世論調査は75%超がユーロ圏にとどまりたいと考えていることを示している。

こうした中でギリシャの資金繰りが行き詰まった場合に何が起きるか、というのが最も重要な問題だ。ギリシャは、6月の再選挙で一段の対外資金確保について何らかの有権者のお墨付きをもらえるとしても、その前に支援プログラムから追加の資金が必要になる可能性が大きい。

<IOU発行なら新ドラクマの代用化も>

ギリシャ政府は、かつて米カリフォルニア州が財政危機に陥った際に利用した期限付き借用証の「IOU」を発行して、給与支払いやその他行政サービスの資金に充てる可能性があるとの見方が多い。

実現については、欧州中央銀行(ECB)がギリシャ中銀に対してIOUの受け入れを認めるかどうかにかかる面が大きく、見通しははっきりしない。

それでもストラテジストは、ギリシャ政府が何らかのIOUを発行すれば、即座に新通貨ドラクマの代用として働くことになり、そのユーロに対する価値は急落しそうだとみている。ギリシャ国民は、ユーロが流通している経済においてユーロ建ての債務を抱えたまま通貨が切り下げられるショックを垣間見ることになるだろう。

資産運用会社アライアンスバーンスタインのエコノミスト、ダレン・ウィリアムズ氏は「ギリシャが外国からの資金供与を打ち切られた場合に、非常に長い期間生き延びられるかどうかはわからない。ただ、IOUを経験すれば、平均的なギリシャ国民にとって支援プログラムとユーロ圏の外に置かれるのがいかに困難かがすぐに身にしみるだろう」と話した。

一方で、ギリシャがユーロ圏にとどまりながらもドラクマの代用が出回るような、不安定で不明瞭な領域にいる時間があと何カ月も続く可能性があるとの見方も出ている。

ウニクレディトのグローバル・チーフエコノミスト、エリック・ニールセン氏は「持続期間が半年から1年なのか、あるいはもっと長いのかはIOUの発行規模にかかっている。そしてどれだけ発行するかは、ギリシャ経済崩壊の深刻度を反映する」と説明した。

RBSのアナリストは14日、再選挙の結果、またしても議会の停滞が起きれば、ギリシャ政府のIOUが早ければ7月にも代用通貨として取引される可能性があると警告した。こうした事態により、ユーロ圏にとどまることへの賛成を呼びかける大規模な国民投票の動きが発生するかもしれないが、そうでなければユーロ圏離脱が視野に入ってくるという。(後段略)


ギリシャ暫定内閣が発足、急進左派連合党首は反緊縮の撤回拒否 2012年 05月 18日 03:21 JST ロイター

(前段略)最新の世論調査によると、急進左派連合は支持率24.5%でトップに立っている。ギリシャでは、規定により第1党にさらに50議席が上積みされる。


フィッチがギリシャを「CCC」に格下げ、ユーロ離脱リスクで 2012年 05月 18日 06:14 JST ロイター

サムスン電子のアップル依存が露わに

市況悪化時に逆張りの大幅投資→市況回復時にシェア総取りが、サムスン電子及びサムスン・グループの成功体験となっている。この感覚が自らの足を掬うことにもなる。有機ELに過大投資をしても回収できるか危惧を抱くニュースが入ってきた。

アップルのような顧客と特許訴訟を抱えて、ロイヤリティーを払う状況に追い込まれてもきつい。しかし、大幅投資を行ってシェアを総取りしようとしていても、顧客が品質や価格交渉力の維持目的で取引先を分散しようとする思惑だけで株価がこれだけ急落する。サムスン電子のアップル依存が露わになった形だ。

Apple reportedly books up half of mobile DRAM capacity at Elpida Hiroshima plant DIGITIMES [Tuesday 15 May 2012]

韓国半導体株が急落、アップルがエルピーダに大量発注との報道 2012年 05月 16日 19:45 JST ロイター

[ソウル 16日 ロイター] 16日のソウル株式市場で、米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)が大量の半導体をエルピーダに発注したとの報道を手掛かりに、サムスン電子(005930.KS: 株価, 企業情報, レポート)株が6.2%値を下げ、時価総額が100億ドル減少した。

1日としてはここ4年弱で最大の下げとなり、終値は9週間ぶりの安値となる123万ウォン(1100ドル)となった。

台湾のオンライン・ニュースサイト、Digitimesが業界関係者の話として、アップルが最近、大量のモバイルDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)をエルピーダに発注したと報道。アップル向けの主要半導体サプライヤー銘柄が打撃を受けた。

SKハイニックス(000660.KS: 株価, 企業情報, レポート)株も約9%安。ここ9カ月で最大の下げとなり、終値は20週間ぶりの安値となった。

LIGインベストメント・アンド・セキュリティーズのアナリスト、Choi Do-yeon氏は「アップルは、サムスンとハイニックスに半導体市場が支配されるのを望んでいないように見える。アップルとしては、エルピーダに事業を継続してもらうことで交渉力を維持したいのだろう」と述べた。

サムスン電子とエルピーダの管財人はコメントを拒否した。

SKハイニックスの広報担当者は「われわれは顧客から、一段と多くのモバイルDRAMの発注を受けている」と述べた。アップルが受注を減らしたかについてはコメントしなかった。


韓国SKハイニックス、携帯端末向けDRAMの受注増加 2012年 05月 16日 14:29 JST ロイター

[ソウル 16日 ロイター] 韓国のSKハイニックス(000660.KS: 株価, 企業情報, レポート)は16日、携帯端末向けのDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)受注が増加していると明らかにした。

台湾のDigitimesが業界関係者の話として、米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)がエルピーダに大量のDRAMを発注したと伝えたことを受け、サムスン電子(005930.KS: 株価, 企業情報, レポート)やSKハイニックスなど、アップルにメモリーを供給しているメーカーの株価が急落している。

SKハイニックスのスポークスマンは「われわれは顧客からより多くの携帯端末用DRAMの注文を受けている」と述べた。ただ、アップルからの発注が減少しているかどうかについてはコメントを拒否した。


アップル次期アイフォーン、液晶パネルはシャープなど3社=関係筋 2012年 05月 16日 23:27 JST ロイター

[東京 16日 ロイター] 米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)の次期「iPhone(アイフォーン)」の液晶パネルの供給は、シャープ(6753.T: 株価, ニュース, レポート)、韓国LGディスプレー(034220.KS: 株価, 企業情報, レポート)、ジャパンディスプレイの3社が行う方向で調整が進んでいることがわかった。

次期アイフォーンの画面サイズは現行の「4S」より大きくなる見込みで、アップルは液晶パネルの少量製造を発注したもようだ。複数の関係筋がロイターに明らかにした。

関係筋によると、次期アイフォーンの画面サイズは現行の3.5インチから4インチ程度に大型化する見込みという。液晶パネルの供給に向けてアップルと調整しているシャープなど3社は少量のサンプル生産を行っている段階で、早ければ6月にも液晶パネルの本格供給を開始できる見通し。順調にいけば、夏以降に本体生産を開始し、昨年の4Sと同じタイミングの10月にも発売が可能になるという。

バブルの残り香を狙う叩き合いのリングへ

「指導者の交代に伴う微妙な政治的移行期となる来年までの政策的課題は、成長率を8~9%に維持する一方、現行を下回る水準にインフレを抑制することだ」としながらも、その後は「固定資産投資と貯蓄を減らし、消費を拡大する」というより大きな難題が待ち受けており、うまく対処できなければ、13年よりも後にハードランディングが起きるとの見方を示した、と云うのが去年の6月のルービニ教授による指摘だった。

中国はハードランディングのリスク、過剰投資引き金-ルービニ教授 2011/06/13 11:36 JST ブルームバーグ

中国浙江省の不動産会社が経営破綻、規制下で初-第一財経 2012/04/10 15:52 JST ブルームバーグ

中国消費者物価指数、3月は3.6%上昇 2012年4月10日03時00分 朝日新聞

 中国国家統計局が9日発表した3月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月より3.6%上昇した。上昇率は1~2月平均の3.9%より小さくなり、中国政府が今年の目標としている4%前後を下回った。インフレが落ち着き、景気が減速するなかで、市場に出回るお金の量を増やして景気を刺激する金融緩和を求める声も出ている。
 ただ、原油の国際価格の値上がりを受けて、中国でもガソリンなど燃料が上がり、商品の運送費を押し上げている。また、工場で働く人々を中心に賃上げも続いており、物価を底上げしている。中国当局は庶民の暮らしに直結する物価や不動産価格の動向をにらみながら、慎重に判断するとみられる。(北京)


中国の3つの成長エンジン 輸出、都市化、消費 2012年04月14日00:59 Market Hack

中国人民銀行が預金準備率を0.5%引き下げ、景気下支え 2012年 05月 13日 08:12 JST ロイター

中国軍機関紙が共産党への忠誠訴え、相次ぐ不祥事で指導力に懸念も 2012年 05月 15日 17:46 JST ロイター

現時点での共産中国は、インフレ抑制に成功したものの、純輸出と固定資産形成という2つの成長ドライブを失った。

純輸出は、対米国と対欧州を考えるとこれ以上の伸びは不可能。固定資産形成は、都市化の進展を考えるとまだ余地はあるが、バブル崩壊と採算性の向上が課題になる。新たな成長ドライブとしては、国内の民間消費か政府支出しかない。

しかし、民間消費を刺激するだけの金融緩和を行っていない(上記のニュースは預金準備率の引き下げに過ぎない)上に、継続的に増やして行くには社会保障費を増やさなければならないのだが、軍事関連支出を増やしている。

結果として(共産主義にも関わらず)社会保障の整備されていない共産中国では、中間層の個人消費が伸びる要素がない。それ以前に国内では過剰供給力を持つ生産者の叩き合いと自らの製品・サービスに対する信頼性の欠如がある。そこにバブルの残り香を狙って、信頼性の欠如を補える外資が壮絶な叩き合いに加わっている。

トヨタ:中国の生産能力拡大で現地会社合意-TMCI執行副総経理(1 2012/04/24 13:41 JST ブルームバーグ

ホンダ、中国で460億円を投じ四輪車とエンジンの工場を新設 2012年 04月 23日 14:09 JST ロイター

日産、大連に新工場建設へ 14年稼働、中国で4カ所目 2012年4月13日19時22分 朝日新聞

フォード、中国に新工場建設を発表 2012年4月20日(金) 09時59分 レスポンス

ギリシアの政治的喜劇は何度でも上演される

ギリシアのパプリアス大統領による連立政権樹立最後の試み、その鍵を握る役回りは、獲得議席数が最も少なく汎欧州主義の立場を採る民主左派のFotis Kouvelis党首が演じている。第1党の新民主主義党と第3党の全ギリシャ社会主義運動、そして民主左派併せて168議席となり、過半数に達するからだ。

ただし、民主左派が第2党の急進左派連合の政権参加を条件にしているため暗礁に乗り上げている。急進左派連合は再選挙での有利が伝えられる中、参加を突っぱねている。

ギリシアの再選挙、6月中頃のソブリン債の借り換えの行き詰まり、緊縮財政の見直し、さらなる国有資産の売却、独仏の金融機関への資金供給などが織り込まれていくことになる。

欧州にとって欧州債務危機の隠された焦点は、むしろスペインにある。ギリシアの総選挙と連立工作のドタバタ劇は、スペインへの対処を織り込んでいくために目眩ましのような効果をもたらしている、と云える。

「歴史は繰り返す、一度目は悲劇、二度目は喜劇として」は、カール・マルクスの言葉だったと思うが、ギリシアの悲喜劇は何度でも繰り返される点に特徴がある。

ギリシアの総選挙結果
(定数300、過半数151)
新民主主義党(New Democracy) 108
→中道右派・保守主義:1974年結党
急進左派連合(Syriza) 52
→極左・反グローバリズム:2004年結党
全ギリシャ社会主義運動(Pasok) 41
→中道左派・社会民主主義:1974年結党
独立ギリシャ人(Independent Greeks) 33
→右派・ポピュリズム:2012年結党
共産党(KKE) 26
→左翼・共産主義:1918年結党
黄金の夜明け(Golden Dawn)  21
→極右・国家主義:1993年結党
民主左派(Democratic Left) 19
→左派・汎欧州主義:2010年結党

ギリシャ民主左派党首、6月の再選挙を見込むーアテネ通信 2012/05/14 22:54 JST ブルームバーグ

 5月14日(ブルームバーグ):ギリシャ民主左派党のクベリス党首は、6月の再選挙実施を見込んでいる。国営アテネ通信社(ANA)が、ラジオ局リアルでの発言として報じた。

ANAによればクベリス党首は、第2党の急進左派連合(SYRIZA)が挙国一致内閣に加わらないのであれば、民主左派も参加しないと発言。そのような政権は崩壊しやすいためだと説明した。SYRIZAは、挙国一致内閣への協力要請を2度拒否している。

原題:Greek Democratic Left Leader Sees June Elections, ANAReports(抜粋)


スペイン7大銀、7兆円の追加資本が必要に-RBS 2012/05/10 08:38 JST ブルームバーグ

5月9日(ブルームバーグ):スペインの7大銀行は、不良債権の引当金を積み増し、規制要件を満たすために680億ユーロ(約7兆円)の資本が追加で必要になる。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)が指摘した。

RBSの欧州クレジット戦略責任者アルベルト・ガロ氏はリポートで、「銀行は不動産のエクスポージャー3230億ユーロに対してのみ引当金積み増しが必要なわけではない。他分野の融資でも債務不履行は着実に増加しつつある」と分析した。

また、銀行への資金供給のために公的資金を使えば「緊縮の悪循環を生む」可能性があり、失業率と債務不履行率の上昇を引き起こしかねないとの見方を示した。

原題:Spain’s Top Seven Banks Need $88 Billion as Buffer, RBSSays(抜粋)


スペインの銀行、4月のECBから借り入れ2635億ユーロ 2012/05/14 20:20 JST ブルームバーグ

 5月14日(ブルームバーグ):スペインの銀行の欧州中央銀行(ECB)からの借入高が4月に前月から16%増え、過去最高の2635億ユーロ(約27兆1000億円)に達した。

4月の純ベースの平均借入高は、3月の2276億ユーロや前年同月の422億ユーロから増えた。スペイン銀行(中央銀行)が14日ウェブサイトにデータを掲載した。グロスの借入額は3169億ユーロで3月とほぼ同規模だった。ユーロ圏全体の銀行のECB借り入れのほぼ28%を占めた。

銀行の隠れた損失への懸念が資金調達コストを押し上げる状況で、スペインの銀行はECBによる3年物オペを活用した。政府は同国銀行への信頼回復を目指し、11日に不動産関連で300億ユーロの追加引き当てを命じた。

ウェストLBのアナリスト、ニール・スミス氏は電話インタビューで、「明らかに、スペインの銀行のバランスシート上にある資産についての不安がまだある」として、これがECB資金への依存につながっていると指摘した。

原題:Spanish Banks’ April ECB Borrowing Jumped 16%to $339 Billion(抜粋)


今一度、ギリシアの産業構造と政治構造を確認しておこう。

農業とその加工産業は、貿易収支の赤字の一要因となっている。山岳地域が多く、平野の少ない土地柄であり、地味が足らず農業生産の品質と余剰生産力を奪っている。

一次産品(オリーブ、ブドウ、たばこの葉)とその加工品(イタリア産より安いが質の劣る代替品としてのパスタ、オリーブ油など)を生産する。悪く云えば何かしら作っても相対的に付加価値の高いイタリアのデッドコピー止まりだ。

海運業は、輸送収支の黒字をもたらしている。ただし、船主が雇用できる船員の数は限られるし、便宜置船が多いので国税収入は少なくなるし、国内における大型造船発注は極東3ヵ国(日中韓)に流れている。

観光業は、旅行収支を黒字にしている。ただし大手旅行代理店、著名なホテルチェーン、クルーズ客船会社は外資などに押さえられ、寡占化している。

この3つの主要産業からあぶれた人々は海外への出稼ぎをするか、公務員(労働人口の4人に1人)になる。国富の創出が外需依存となっており、また国富の流出を止める方法がなく、すでに富裕層は国外に資産を移し終わっており、所得税の形で徴収できない。そのため国富の再分配も、税金ではなく賄賂に依っている。税を徴収するはずの公務員が満足な給料を貰えない(労働人口の4人に1人もいる)から賄賂を取る。その賄賂で富の再分配を行わざるを得ない訳だ。

そして、賄賂で事が済むのなら、新しい製品やサービスによって富をつくり雇用を生み出す企業家の誕生も疎外される。

さらに富裕層が、国家や郷土への利益還元を考慮に入れていない。ユーロによって為替リスクなしですぐに資産移転が可能になった上に、一朝事あれば、プライベートジェットかクルーザーで国外脱出する。欧州各国の貴族階級と姻戚関係にあれば税関フリーパスである。オナシス家の富がどこに行ったのかが良い例だろう。

他方、瀬戸内海に面した愛媛の今治や広島の福山や尾道の中堅造船業と海運業を思い起こしてみればいい。彼らは自ら船主となると同時にドックを持ち、政府及び民間から融資枠を提供してもらい、諸外国の海運業に船舶を輸出し、地元の雇用(彼らはまた地元でホテルなど観光業も行っていることが多い)を守っている。

また上記のように、富を生む経済構造の脆弱さは、政治構造の脆弱さをもたらす。

なぜなら国民全体各層に分配できるだけの利権がないと、利害を調整できるだけの社会的ダイナミズムが発生せず、国家・国民の体質が変化、向上しない。これが国際関係のなかにあって、列強の意志を覆すことが出来ない歴史的ループの原因になっている。

また、上記の歴史的ループを近代ギリシアの内政のパターンから俯瞰して見ると、3つに大別できよう。

1つには、内戦が対立・内紛・分裂・暗殺に収斂して、国内のみで決着が付けられない。2つには、民意による政権が公約を貫徹できる能力がない(またその逆も然り)。3つには、列強による意志、もしくは方向性を覆すだけの国力(国富・技術力・軍事力)がない、という宿痾に陥っている。

簡単に言えば、国力がない=軍事力がない=経済力がない=技術力がない=資本がない=以下繰り返し続く、のないないづくしなのである。通底しているのは、国内で利権分配を調整するだけの利害関係(つまりは金銭)に乏しく、国内政治と経済の力量だけでは、問題解決が図れない、と言うことである。

独立以降の歴史を要所要所で振り返れば、近代ギリシアの独立自体、列強の妥協の産物ではなかったか。第1次大戦においては、中立を保持しようと努力した国王は退位・亡命を余儀なくされたのではなかったか。第2次大戦においても、ファシズムに相似したメタクサスの八月四日体制は、ナチスドイツの圧倒的な軍事力に太刀打ちできなかったではないか。冷戦下では、資本主義陣営か共産主義陣営のいずれに加わるかは、戦時中のイギリスとソ連の秘密協定によってあらかじめ決定されていたのではないか。

そして、可能性の一つとして織り込み済みとなりつつあるユーロの強制的な脱退までもが、彼らの意志に依らないことは明らかだ。

緊縮財政は嫌、ユーロ離脱はもっと嫌

連立交渉が不調に終わり、大統領による最終調整を残すのみとなったギリシアの各政党の一致した見解は、たったひとつ、ユーロ圏に残留したい、と云うものだ。

政権樹立の可能性残っている=ギリシャ新民主主義党党首 2012年 05月 11日 18:07 JST ロイター

ギリシャ民主左派が連立政権への参加否定、再選挙の可能性濃厚 2012年 05月 11日 21:26 JST ロイター

ギリシャPASOK党首も組閣に失敗、大統領が最後の説得へ 2012年 05月 12日 05:36 JST ロイター

[アテネ 11日 ロイター] 全ギリシャ社会主義運動(PASOK)のベニゼロス党首は11日、挙国一致内閣の樹立に向けた他党との交渉が失敗に終わったことを明らかにした。

ベニゼロス党首は、急進左派連合(SYRIZA)のツィプラス党首と会談し、連立内閣への参加を呼びかけたものの拒否されたことを認め、「パプリアス大統領に委任を返上する」と述べた。

大統領府は、パプリアス大統領がベニゼロス党首と12日1000GMT(日本時間午後7時)に会談すると発表した。

大統領は全政党の指導者と会談し、組閣で合意するよう最後の説得を試みるが、成功する可能性は非常に低いとみられている。連立交渉がまとまらない場合、6月中旬に再選挙が行われる見込み。


ユーロから離脱した際のデメリット(輸入物価の上昇、新通貨でのデフォルト、それらが引き起こすインフレ)ばかりを怖れて、メリット(産品・サービスの輸出競争力向上、通貨発行権の回復)にまったく関心がない。

もはや自主独立の気概なし、と思われても仕方がない。

ギリシャ国民の78%はユーロ圏残留望む-カパ・リサーチ調査 2012/05/13 10:22 JST ブルームバーグ

大統領による最終調整による連立政権でも、再選挙による政権発足でも、おそらくはEU・ECB・IMFのトロイカ体制との緊縮財政合意(彼らの云うメモランダム)を完全破棄はできなくても、再交渉で譲歩を引き出す戦術を採ることになるだろう。

ドイツ最大人口州議会選:メルケル首相の国政与党敗れる 2012/05/14 06:15 JST ブルームバーグ

ドイツの政府と銀行と企業(ただしドイツ国民全体ではない。ノルトライン=ヴェストファーレン州の選挙では与党が敗北した)にしてみれば、この政治的混乱の余波がスペインに及ぶデメリットとユーロ安によるドイツ製品の輸出競争力維持のメリットを考えれば、その辺りが落着点だ。

20年振りなんて「素敵じゃないか」

小説『陽だまりの彼女』(越谷オサム・著)のなかで、ヒロインの渡来真緒は10年振りに出会えた主人公の「僕」を前にして、ビーチ・ボーイズのアルバム『ペット・サウンズ』(1966年)からシングルカットされた曲「Wouldn't it be nice(邦題:素敵じゃないか)」を鼻歌交じりに唄う。

『陽だまりの彼女』越谷オサム著 2012.3.10 07:53 MSN産経

Wouldn't it be nice if we were older
Then we have to wait so long
And wouldn't it be nice to live together
In the kind of world where we belong
もっと歳をとったら素敵だろうな
そうすりゃこんなに待たなくて済むよ
一緒に暮らせたら素敵だろうな
ふたりだけのものだよと言える世界でね

You know its gonna make it that much better
When we can say goodnight and stay together
うんとうんと素晴しいだろうなぁ
おやすみと言った後もふたりで一緒にいられるなんて

Wouldn't it be nice if we could wake up
In the morning when the day is new
And after having spent the day together
Hold each other close the whole night through
素敵だろうな 目をさましたら
朝になっていてふたりの新しい1日が始まる
1日をまるまる一緒に過ごした後も
夜通しふたりぴったり寄り添ってるんだ

Happy times together we've been spending
I wish that every kiss was neverending
Wouldn't it be nice
ふたり一緒に幸せな時を過ごす
ひとつひとつのキスが永遠に続くんだ
素敵だろうな

Maybe if we think and wish
and hope and pray it might come true
Baby then there wouldn't be a single thing we couldn't do
We could be married
And then we'd be happy
Wouldn't it be nice
ふたりで一生懸命になって考えたりお願いしたり
望みをたくしたりお祈りしたりすれば実現するかも知れないよ
そうすりゃふたりにできないことは何ひとつとしてない
僕ら結婚してしあわせになるんだ
たまらなく素敵じゃないか

You know it seems the more we talk about it
It only makes it worse to live without it
But lets talk about it
Wouldn't it be nice
こんなことを喋れば喋るほど
今すぐそうしたくてたまらなくなっちゃうね
でもどんどん喋ろう
素敵だろうな

Good night my baby
Sleep tight my baby
おやすみベイビー
ぐっすり眠るんだよ
(歌詞及び対訳ともにライナーノーツより)

歌に込めた願い通り、幼馴染みの「僕」こと奥田浩介と結婚できるのだけれども、突然ヒロインはいなくなってしまう。そればかりか「僕」以外の記憶からも一切消えてしまう。まるで語り手である「僕」が妄想の世界に閉じこもってしまっていたかのように。

結成50周年のビーチ・ボーイズ、20年ぶりに新シングル 2012年 04月 25日 11:54 JST ロイター

「Wouldn't it be nice(邦題:素敵じゃないか)」をつくったビーチ・ボーイズの中心メンバーだったブライアン・ウィルソンは、『ペット・サウンズ』の商業的失敗のあと、アルバム『スマイル』の制作中に重圧から精神に破綻をきたして、自己の世界に閉じこもってしまう。皮肉にも彼の隠遁中に『ペット・サウンズ』は歴史的傑作と評価されていき、『スマイル』は歴史上もっとも有名な未発表アルバムとされた。

未発表となった楽曲を断片的に収めた『スマイリー・スマイル』(1967年)所収の「Good Vibrations」が好きだった筆者が、当時『ペット・サウンズ』と相前後してレコード店で捜しつつ買った『ブライアン・ウィルソン』(1988年)は彼自身のセラピーの一環とされ、ライナーノーツのクレジットにはセラピストの名前も記載されていた。

ようやくソロ名義での『SMiLE』が発表されたのは2003年のことだった。そして、ついにブライアン・ウィルソンが参加するビーチ・ボーイズとして20年振りのシングル「That's Why God Made the Radio」が6月にリリースされる。彼らもぼくらも年を取り、国や社会の有り様も変わってしまったけれども、やっぱりそれは素敵なことだ。

さて、小説『陽だまりの彼女』のラスト、ヒロインの真緒はネコの姿で戻ってくる。

小説の表題や描写、それにビーチ・ボーイズのアルバムのタイトルからも、なんとなく、また段々とその理由は想像できるのだけれども、喪失感や疎外感が混じり合った憂鬱に長く苛まれていた「僕」の元にヒロインが戻ってくるとき、その情感はちょっぴり嬉しくてちょっぴり泣けるほど「素敵じゃないか」と想えてくる。

参考URL:
ビーチ・ボーイズ :: THE BEACH BOYS 50TH ANNIVERSARY EMI MUSIC

余命3ヶ月の予算を人質にする野田政権

原発稼働の全面停止という常識外れの事態が起きたので、財源枯渇で予算執行停止という事態が起きても驚かないように準備と心構えをしておこう。

今夏、下手な節電や無様な停電で熱中症で死ぬ人が出ても盲目的な反原発・即時全廃の人の認識が改まることはないのだろう。福島第1原発のメルトダウンによる放射線障害で直接死んだ人は一人もいない事実から未だに眼を背けているのだから。

当時の官房長官の言ではないが「直ちに影響はない」危険と、今そこにある生命の危機とでは優先順位も対応策も違ってしかるべきだ。そして、以下のニュースもまた優先順位も対応策も間違っている話だ。

野田政権が消費税増税関連法案へと「政治生命を懸ける」間に赤字国債によって賄われるはずの財源が手当できなくなると、このまま行けば8月半ばに予算執行が止まる。つまり行政サービスが止まる。

公共事業は工事が停まり、公務員は給料を貰えないし、役所の申請窓口は閉まることになる。米国カリフォルニア州の事例のように、にわか作りの約束手形をつくって凌ぐ可能性もあるが。

少なくとも参議院の審議を円滑に進める準備として、ゴールデンウィーク期間中に内閣改造を行って問責された大臣を事実上の更迭に処するべきだった。同様に問責大臣更迭目的の内閣改造の経験があるのに、それをしない理由がさっぱりわからない。

去年、菅前首相が予算を人質に辞めなかったのと同様に、民主党政権は予算を人質に解散しないのではなかろうか。

消費税だけじゃない! まだまだある置き去り法案 特例公債法案、規制庁、選挙制度… 2012.5.10 23:22 MSN産経

 野田佳彦首相が「政治生命を懸ける」消費税増税関連法案の陰で、国民生活に直結する数々の法案が置き去りにされている。首相が参院で問責決議を受けた2閣僚の更迭に踏み切らず、衆院では社会保障と税の一体改革特別委員会以外の審議がストップしているためだ。政府・民主党が積極的に事態打開に動く気配もなく、6月21日までの会期の延長は不可避な情勢だ。(村上智博)

■夏にも財源枯渇?

 積み残しの重要法案のうち、政府・民主党が最も気をもむのが特例公債法案だ。今年度予算の一般会計歳出約90兆円のうち約4割は国債発行によって賄われるが、国債発行の根拠となるのがこの法案。同法案を扱う衆院財務金融委は13時間審議しただけで3月7日以降は停滞している。このままでは「夏過ぎには財源が枯渇する」(財務省幹部)という危険な状況だ。

 同法案は昨年の通常国会でも大きな焦点となった。自民党が菅直人首相(当時)の退陣を法案成立の条件に掲げ、結局、8月10日までずれ込んだ。

 法案を所管する安住淳財務相は、消費税増税関連法案を審議する衆院特別委の審議に張り付きとなり、6月21日の会期内の審議再開は難しい情勢。自民党は協力の条件に衆院解散の確約を持ち出すとみられ、成立へのハードルはなお高くなっている。

■冬も電力不足?

 原子力発電所の再稼働と密接に絡む原子力規制庁設置関連法案も手つかずだ。

 首相は7日、民主党の城島光力国対委員長に「気になっているテーマだ」と懸念を示し、月内の成立を指示した。政府は再稼働手続きで、規制庁の基準による安全確認を担保とする方針。再稼働を急ぐ首相にとって規制庁設置は焦眉の急なのだ。

 政府は当初、規制庁を環境省の外局として4月に設置するはずだった。これに対し自民、公明両党は同月20日、「より高い独立性を持たせるべきだ」として、国家行政組織法に基づく三条委員会とする対案を衆院に提出。だが、民主党を交えた3党の実務者協議は進んでいない。設置が遅れれば、今夏だけでなく、冬の電力需給にも影響が出る。

■解散すらできない?

 首相が「4月中に与野党合意を得る」と明言した「一票の格差」是正などの衆院選挙制度改革関連法案も、まとまる気配がない。

 与野党協議の座長を務める民主党の樽床伸二幹事長代行は4月25日、衆院比例代表定数の75削減や、中小政党に有利な連用制の一部導入を盛り込んだ新たな私案を提示した。しかし、各党の主張を切り張りした内容に野党は猛反発。民主党は大型連休明けの与野党幹事長会談で仕切り直す予定だったが、具体的に決まっていない。

 最高裁が指摘した一票の格差の違憲状態を放置し続けて衆院を解散すれば、選挙無効という前代未聞の事態も招きかねない。首相の解散権をしばる可能性もあるが、9日の政府・民主三役会議で首相は「頑張るように」と人ごとのように指示しただけだった。

すべてがデジャヴュに満ちた事例

オランド次期大統領は、年収100万ユーロ(約1億300万円)超の富裕層に対する所得税率を75%にする、中小企業や新興産業支援のため公的な投資銀行を創設するなどの公約を掲げるが、バブル崩壊後の我が国が辿った動きではないかというほどの既視感がある。

フランスの起業家が国外脱出検討、富に否定的な国民感情台頭 2012/05/11 11:38 JST ブルームバーグ

5月11日(ブルームバーグ):プライベート・エクイティ(PE)マーケティング・サービス会社TBGキャピタル・アドバイザーズの創業者、ジェレミー・ルフェブル氏(30)は今年、パリからシンガポールへの転居を計画している。

ルフェブル氏によると、オランド仏次期大統領の増税公約が理由ではなく、オランド氏の当選が物語るフランスでの富に対する見方が原因だという。

同氏はインタビューで、「私に出国を促したのは、大統領選の間に浮上した野心や成功を拒否する価値観に、自分は共感できないという事実だ」と語った。

世界で5番目に裕福な国であるフランスには、高級ブランドのLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンのベルナール・アルノー最高経営責任者(CEO)など世界屈指の富豪も居住しているが、同国は裕福さを称賛しない。かつて「金持ちは好きではない」と発言したこともあるオランド次期大統領は、年収100万ユーロ(約1億300万円)超の富裕層に対する所得税率を75%にする計画で、金持ちは名誉にはならないというフランスの国民感情を裏付けている。

ルフェブル氏は「オランド氏は、金持ち非難を通じて特定の価値観を伝えるための象徴として、75%の税率を利用している」と指摘した。

オランド次期仏大統領の富や金融に対する発言を踏まえ、フランスでは出国を検討する人も出てきているが、他の欧州諸国はこうした人々を歓迎している。ロンドンのジョンソン市長は1月にフランス語でロンドンへようこそと語っており、スイスやベルギーでも温かい反応だ。

■物件探しは既にスタート
ベルギーの首都ブリュッセルの不動産仲介人、ジュリアン・ベルクマンズ氏は、6日の仏大統領選決選投票でオランド氏が現職のサルコジ大統領に勝利した後にフランス国民からブリュッセル市内の物件購入について照会する電話を5件受けたという。

不動産仲介会社ナイト・フランクによると、オランド氏が今年の大統領選で富裕層増税を発表したのをきっかけに、ロンドンのサウスケンジントンやチェルシーといった高級住宅街で住宅を探すフランスからの問い合わせは3割増加したという。

原題:Entrepreneurs in France Flee From Hollande’s Rejection ofWealth(抜粋)


富裕層の海外移住に関しては、日本語障壁の強い我が国ですら2007年~2008年の政策変更の頃に、「QBハウス」の経営者や「NIKKO」の創業者などに代表されるように起業家がシンガポールに移住する事例が相次いだ。

中小・ベンチャー企業向け公的な投資銀行の創設の提案についても、我が国の事例であったように、デフレ期に民間の資金需要を無理に喚起して不良債権の山を築き破綻した「日本振興銀行」や、石原都知事主導で始まり都議会の承認の下で資本注入せねばならなかった「新銀行東京」と同様になるだろう。

乱脈融資の果てに~スペイン編~

スペイン第3位の銀行バンキアと親会社バンコ・フィナンシエロ・イ・デ・アオロス(BFA)は、7つのカハと呼ばれる貯蓄銀行が合同して成立している。

ちなみにスペイン第1位の銀行はサンタンデール・セントラル・イスパノ銀行(BSCH)、第2位はビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)、これら銀行、たとえばサンタンデール・グループなどは旧植民地のラテンアメリカ諸国に強い影響力を保っている。

スペインの不動産バブル崩壊の余波は、中央政府よりも地方の自治州政府の方がひどい惨状だ。財政自主権をもつほど自治州の権限が強い。レコンキスタの歴史的経緯によるのだが、スペインはテレビ放送でも公用語のスペイン語以外にカタロニア語の番組が別途つくられているほどで、日本のサブカルの受容度はカタロニアの方が大きい印象を受ける。

中央政府が貯蓄銀行(カハ)の乱脈融資を整理するため、2010年末くらいからカハの再編を進めてきたが、地方の利害関係者の調整が進まず、国有化と資本注入がようやく端緒に就いたと云うべきだろう。蛇足だが、お隣の韓国でも貯蓄銀行が不動産バブル崩壊で全滅の状況だ。

このスペインの現状は、我が国で云えば北海道拓殖銀行や足利銀行、新潟中央銀行の破綻、朝銀(朝銀信用組合)や住専への資本注入が行われた頃の空気感を思い起こすと分かりやすいだろう。ただし、不動産バブルの元金はピレネー山脈の向こう側から来ているのであって、政府が資本注入してもそのカネはフランスやドイツなどに流れるようになっている。

スペイン政府:BFAバンキアを11日に国有化-コンフィデンシアル 2012/05/08 15:38 JST ブルームバーグ

 5月8日(ブルームバーグ):スペイン政府は11日にバンキアと親会社のBFAを国有化すると、スペイン紙コンフィデンシアルが政府の計画について知る金融業界の複数の関係者の話を基に報じた。同紙によると、政府の銀行再建基金(FROB)による偶発転換社債(通称CoCo)70億ユーロ相当の購入が計画の一部だという。


スペイン債保証料が過去最高、「ゾンビ銀行」バンキアの恐怖 2012/05/09 21:01 JST ブルームバーグ

 5月9日(ブルームバーグ):9日のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、スペイン国債を保証するコストが過去最高となった。同国3位の銀行バンキアを政府が救済しても、不動産融資の不良債権化に伴う銀行危機を解決できないとの懸念が根強い。

みずほインターナショナルのクレジットアナリスト、ロジャー・フランシス氏(ロンドン在勤)は「バンキア破綻の差し迫った危険性はないものの、長期にわたって欧州中央銀行(ECB)に依存し続けるゾンビ銀行となるリスクはある」と話した。

スペインの銀行は政府が「問題」資産と位置付ける不動産関連債権1840億ユーロを抱え、苦境下にある。スペインがこのためにユーロ圏で4番目の救済対象になるとの観測が高まりつつある。

ブルームバーグのデータによると、スペイン債のCDSスプレッドはロンドン時間午前10時55分現在、13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の512bp。スペイン10年債利回りはこの日、4月27日以来で初めて6%を超えた。

バンキア債のCDSスプレッドは9bp上昇し721bp。サンタンデール銀行とビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)債の保証コストも上昇している。

バンキアは2010年に7つの貯蓄銀行の合併によって誕生。最も質の劣悪な不動産資産を親会社に移した後、昨年上場した。

西欧の国債15銘柄のCDSスプレッドから成るマークイットiTraxx・SovX西欧指数も7.5bp上昇し282.5bpとなっている。

原題:Spanish Credit Risk Surges to Record on Bankia ‘Zombie’Peril(抜粋)


スペイン、BFAバンキアの一部国有化を計画-政府当局者 2012/05/10 03:31 JST ブルームバーグ

5月9日(ブルームバーグ):スペイン政府はBFAバンキアを一部国有化する計画だ。政府関係者の1人がまだ計画が発表されていないとして匿名を条件に明らかにした。国有化した場合、政府が同行の筆頭株主となる。スペイン経済省の広報担当官はコメントを避けた。

原題:Spain Said to Plan to Part Nationalize BFA-Bankia(抜粋)


スペイン債が上昇、バンキア公的管理の発表を好感 2012/05/10 17:56 JST ブルームバーグ

5月10日(ブルームバーグ):10日午前の欧州債市場でスペイン債は上昇。スペイン政府が9日、同国の銀行バンキアを公的管理下に置くと発表し公的資金注入を準備したことから投資家信頼感が高まった。
ロンドン時間午前9時37分現在、スペイン10年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の6.04%。一方イタリア10年債利回りは1bp上昇し5.61%。

原題:Spanish Bonds Rise After Bankia Takeover; Bunds Snap 2-DayGain(抜粋)

有権者自身がスケープゴート

バブル崩壊後のデフレ下で緊縮財政を行うには、スケープゴートを仕立て上げて、彼らの利権を再分配し、デフレと緊縮財政の不満を反らすほかない。我が国が小泉政権下で経験済みのことだ。

民主党も政権を獲るに当たってキャリア官僚をスケープゴートに仕立て上げたかった(編成能力もないのに予算配分を分捕るつもりだった)が、デフレが続き、すでに利権は再分配され尽くしたあとでは「ない袖は振れない」ということが分かっただけだった。そもそも民主党そのものが、ノンキャリア官僚とマスコミと労組という最後の既得権益者の擁護者だったではないか。

そして、民主党に票を投じた当の有権者がスケープゴートに供されようとしている。

ギリシアの総選挙も、フランスの大統領選挙もバブル崩壊後のデフレ下で緊縮財政、しかも利権の再分配先が国内ではなく外国(主にドイツ)であり、供されるスケープゴートは有権者自身と来れば、選挙に勝てるはずがない。

ギリシアの総選挙結果
(定数300、過半数151)
新民主主義党(New Democracy) 108
→中道右派・保守主義:1974年結党
急進左派連合(Syriza) 52
→極左・反グローバリズム:2004年結党
全ギリシャ社会主義運動(Pasok) 41
→中道左派・社会民主主義:1974年結党
独立ギリシャ人(Independent Greeks) 33
→右派・ポピュリズム:2012年結党
共産党(KKE) 26
→左翼・共産主義:1918年結党
黄金の夜明け(Golden Dawn)  21
→極右・国家主義:1993年結党
民主左派(Democratic Left) 19
→左派・汎欧州主義:2010年結党

左右の軸で常に対立していた2大政党が支援を受け入れるために大連立を余儀なくされ、政治家出身ではない経済学者が首相を務める中での総選挙は、1974年の軍事政権崩壊以降の2大政党が伸び悩むのに対して、21世紀以降に結成された新政党が躍進する結果に終わった。

興味深いのは、第1党が自動的に50の議席を配分される制度が導入されていることだ。つまり歴史的に多数派が形成されることが少ない不安定な政治が続いてきた訳だ。それでも第1党が過半数を取れない場合、第1党から第3党までの政党が連立協議を行えるが、期限が各政党ごとに3日間しか与えられていない。連立協議が不調の場合、大統領が仲介するが、これも失敗した場合は再選挙が行われる。

再選挙の可能性は濃厚、再選挙の場合はバンドワゴン効果で極左の急進左派連合(Syriza)が過半数を奪い、緊縮財政を取り消すために支援策の再協議を求め、受け入れられなければ支援策に甘んじるか、ユーロ圏からの離脱の不名誉な二者択一を迫られることになるだろう。

ギリシャ総選挙:急進左派連合が予想以上の躍進-緊縮策拒否 2012/05/07 12:24 JST ブルームバーグ

ギリシャ、6月末までに資金枯渇の恐れ=財務省筋 2012年 05月 8日 00:16 JST ロイター

ギリシャ:急進左派連合が政権樹立目指す、NDの連立断念で 2012/05/08 09:17 JST ブルームバーグ

アングル:欧州危機打開は民意が障壁に、市場はギリシャ離脱意識 2012年 05月 8日 11:22 JST ロイター

ギリシャ急進左派連合党首、支援合意破棄が連立の条件=側近 2012年 05月 8日 22:31 JST ロイター

ギリシャ第2党、救済支持2党に約束撤回を迫る-連立の条件 2012/05/09 01:20 JST ブルームバーグ

ギリシャ総選挙でゲーム大詰め、勝負の一手握るのは独-社説 2012/05/09 15:18 JST ブルームバーグ

サルコジからオランドへ

オランド次期仏大統領の政策骨子を読む限り、閣僚や自治体首長の経験皆無という不安点は措くとしても、政策面は意外と穏健な印象を受ける。我が国の小泉→安倍→福田→麻生の各政権の政策変化を考えると、緊縮財政からの脱却には時間がかかることは確かだろう。しかも、ちょっと手綱を緩めると民主党政権のような体たらくに逆戻りする。

政策骨子だが、たとえば2017年末の財政均衡の実現については、我が国のプライマリー・バランス(基礎的財政収支)の均衡を想起させる。必達にしていないこの公約は、いずれかの時期になし崩しになるだろう。また富裕層の課税強化をすると、ドイツとベネルクス3ヵ国に資金逃避されるので、これらの国々とアコード(協定)を締結しないと、この公約も難しいだろう。

もっとも、EUの本質がベネルクス3ヵ国を媒介とした独仏同盟であることを独仏首脳が忘れなければ何とかなるだろう。

となると、フランスと同時に行われたギリシアの総選挙→極左・極右台頭→連立交渉失敗→再選挙の流れの方に興味が移ってくる。

情報BOX:オランド次期仏大統領の政策骨子 2012年 05月 7日 11:51 JST ロイター

[パリ 7日 ロイター] 6日に実施された仏大統領選の決選投票は、内務省が発表した99%開票時点の結果によると、社会党のオランド前第1書記の得票率が51.67%で、サルコジ氏の48.33%を上回り、オランド氏が勝利した。以下はオランド氏が掲げる政策骨子。

◎緊縮のみを重視する経済政策には反対。欧州の財政協定を再交渉し、雇用や経済成長を促進するための条項を盛り込むことを約束した。

◎2017年末までの財政均衡の実現を約束。ただし、成長が弱い場合には、この目標を調整するとの立場を示しており、目標達成のために国益を犠牲にすることはしないと表明。赤字削減策としては、減税廃止や新税導入を掲げており、290億ユーロの追加税収を見込んでいる。

◎2017年までに1000億ユーロを節減すると約束。このうち半分は新たな歳入によるもので、うち200億ユーロはすでに議会で可決済み。残りの半分は歳出の伸びを年1.1%に抑制することで実現へ。

◎同時に、向こう5年間で200億ユーロの新たな支出を行うことも約束。これには、18歳で働き始めた人について、60歳で引退する権利を復活させることなどの措置が含まれる。また、若年層の失業対策として、任期中に6万人の教員を追加採用することや、年に1000人の警察官の採用、国家が支援する形での15万人の雇用創出を提案した。

◎富裕層の課税強化。100万ユーロを超える年収には75%の課税を行い、15万ユーロ以上の層には最高税率を45%とする。国営企業の幹部の報酬について、最も賃金が低い人の20倍に制限するほか、大統領給与の30%削減、最低賃金を経済成長に連動させることを約束。

◎差別解消を約束。同一賃金の原則を守らない企業に制裁を行うほか、「女性の権利省」の創設、閣僚の半分を女性とすることを表明した。また、憲法から「人種」という文言を削除、移民割り当てに関する議会の議論を開始する見通し。同性愛者による結婚や養子縁組を支持。

◎サルコジ大統領と同様、リテール銀行業務と投資銀行業務の分離、金融取引税導入など、金融規制の強化を約束。危険な金融商品禁止やストックオプションの禁止、ボーナス抑制、欧州格付け機関の創設、オフショアのタックス・ヘイブンでの銀行の活動禁止への支持を表明した。

◎産業や雇用向け対策としては、中小企業や新興産業支援のため公的な投資銀行の創設を提案。フランスに投資する企業、国内での生産を維持する企業に対しては、公的な支援や資金を付与する。大手企業が生産拠点を国内に戻すよう支援するほか、中小企業の税率引き下げを約束。

◎若年層の雇用促進。無制限の長期契約で若者を雇用するとともに、高齢労働者も引退まで雇用し続ける企業には、社会保障負担を軽減へ。

◎発電量に占める原子力の比率を現在の75%から、2025年までに50%に引き下げることを約束。老朽化したフェセネム原発は廃炉とするが、先進的なフラマンビル原発は完成させるとの方針を表明した。

戦え自分のために、そしてパーティへ繰りだそう

ビースティ・ボーイズのMCAが闘病死した。ギャングスタラップの面々はともかく、1998年にはファルコが事故死しているし、2002年10月にはRun DMCのジャム・マスター・ジェイも射殺されているし、またひとりREST IN PEACEを祈らなければならなくなった。

ビースティ・ボーイズのアダム・ヤウクさんが死去 2012/05/05-21:35 時事ドットコム

【ロサンゼルス4日AFP=時事】米ヒップホップ・グループ、ビースティ・ボーイズの創設メンバーの1人、アダム・ヤウクさん(写真)が4日、がんのためニューヨークで死去した。47歳だった。グループの広報担当が明らかにした。

 ビースティ・ボーイズは全世界で4000万枚以上のアルバムを売り上げている。1986年のデビューアルバム「ライセンス・トゥ・イル」がヒップホップとして初めて全米1位を記録するなど、計4枚が全米1位となった。グラミー賞を3度受賞。

 ニューヨークのブルックリン生まれ。17歳の誕生日にバンドを結成。これがビースティ・ボーイズとなる。2009年にがんと診断され、闘病中だった。今年4月にグループがロックの殿堂入りを果たしたが、病のため式に出席できなかった。チベット独立支持の活動に力を入れ、支援コンサートなどを行った。 〔AFP=時事〕


リック・ルービンのデフ・ジャムレーベルがなければ、筆者がヒップホップに興味を持つのはもうちょっと遅かっただろう。

LLクールJの『Radio』(1985年)、Run DMCの『Raising Hell』(1986年)、ビースティ・ボーイズの『Licensed To Ill』(1986年)のいわゆるリック・ルービン三部作のうち、最初に買ったアルバムが『Licensed To Ill』だった。所収のシングル「(You Gotta) Fight For Your Right (To Party)」を聴いてレコード店へ走ったものだ。

ちなみに初めて買ったラップ曲は、そうと認識していなかったがファルコの『Falco 3』(1985年)に所収されていた「ロック・ミー・アマデウス」だった。

イカ天全盛の頃は、40人編成のクラスに最低でも男子のバンドが2つ、女子のバンドが1つはあった空前絶後の時代だった。邦楽ではBOØWYやTHE BLUE HEARTS、プリンセス・プリンセス、洋楽ではスラッシュメタルのコピーやフォロワーが多かった。

そんな中で、それぞれ大江千里、パンク全般、YMO、R&B全般、メタリカ好きの嗜好がバラバラな面子でセッションしていたが、学校の催し「新歓」でハードコア・パンクをやることになり、新入生にメッセージを込める意味でビースティ・ボーイズの「(You Gotta) Fight For Your Right (To Party)」でMCのマイクを握ったことは懐かしい思い出だったりする。

これも一つの『図書館戦争』

メディア良化法によって特務機関が言論弾圧する“正化”時代の日本。この事態に対抗すべく図書館は、図書館法に依拠して図書隊と呼ばれる防衛組織をもってして言論の自由を守る戦いを行う。これが大まかな『図書館戦争』(有川浩・著)の物語の背景だ。

カルチュア・コンビニエンス・クラブは、佐賀県武雄市との間で指定管理者制度に基づく市図書館の企画・運営に関する委託で基本合意した。私企業が公的なサービス、特に言論を左右する書籍を扱うことで図書館が商業主義に染まる、と反対する人士もいるかもしれない。

ツタヤ運営企業に図書館委託 佐賀県武雄市 2012/05/04 16:16 【共同通信】

 TSUTAYA(ツタヤ)を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と佐賀県武雄市は4日、武雄市図書館の企画・運営に関する提携で基本合意したと発表した。CCCが指定管理者として来年4月から図書館を運営し、開館時間を延長するなどサービスの向上を図る。

 武雄市図書館の運営費は年間約1億4500万円かかっているが、同市はCCCへの委託で1割程度減らせると見込む。この日都内で会見した樋渡啓祐市長は「サービスを向上しつつも経費を下げるために、民間のノウハウを提供してもらう」と述べた。

 CCCが公立図書館を運営するのは初めて。


反対する人士がいた場合、その政治的傾向を必ず調べた方がよいだろう。指定管理者制度をもたらした新自由主義「民にできることは民に」とは詰まるところ、公社や公共事業体、地方自治体などに潜む左翼を自由競争の荒波で溺れさせるためのイデオロギーもしくは方法論だった。国鉄の分割民営化、社保庁職員の非公務員化などがその好例だ。

この側面から見た場合の問題は、図書館の司書の裁量権なのだ。彼らは自らの思想的傾向に従って書籍を購入して、書庫に収めきれない書籍を処分することができる。彼らの思想傾向が左翼的な場合、購入の対象から外し、処分される書籍が恣意的になり、右翼的な書籍が排斥される可能性は否めない。

その可能性が現実となるならば、そこはレイ・ブラッドベリの『華氏451度』(1953年)における架空の世界、要するに焚書が行われる世界だ。この場合、言論弾圧の憎むべき敵、倒すべき相手は司書となる。そこでは『図書館戦争』の特務機関は彼らの焚書を防ぐ言論の自由を守る組織となるだろう。

我が国の社会システムを歪める“団塊の世代”

ゴールデンウィーク期間中にもかかわらず、戸建てや高層建築の槌音は相変わらず響いている。30~40歳代の現場を担う中堅は休みがない。今年の年初は日本人が休み、旧正月は中国人が休みを取ったため、生産現場がその間ストップし、年度末は公共事業の滑り込み工事もなく、この時期にすべてがずれ込んでいる。休みに関係なく資金を融通する期限は変わりないのだから、休める道理もない。

筆者もブログを書ける程度の時間は作れるが、それはリーマン・ショック前後の2年間に事業縮小と事業撤退、破綻処理そのほか自分の身辺整理を済ませて、事業立ち上げなどに手を出していないからに過ぎない。オフィスに5~6日寝泊まりせず自宅に帰れるだけで幸せな部類だ。

20歳代も我々の世代に随伴する形で休みは取れないし取れているとしても、下記の“団塊の世代”のように自己充足するだけのカネを持ち合わせていない。

“団塊の世代”は、戦争に行った世代や銃後を守った世代の犠牲にフリーライドしている自覚がない。そして、我が国の社会システムを裏付ける家族制度に歪みをもたらしていることにも自覚がない。旧来ならば隠居などを通じて後進に財産を譲り、現場も任せるのだがそのような通念が欠けている。

むろん彼らを弁護すれば、社会システムがそうするべく作り替えられたことは確かだが、彼らは自ら作り替えるための投票行動を政治的に示してこなかった。

彼らの消費性向を高めて所得移転を進める昨今のマーケティング、もしくは贈与税の適用を緩和・免除するなどの政策構想はあくまでも対処療法に過ぎない。出産から相続に至る家族制度の伝統的ラインへの再調整こそが、エマニュエル・トッドの云うように本来の採るべき道なのだ。

超長期的には彼らは歪みとして認識され、修整の対象となる。それが我が国の社会システムが要求する必然だろう。

しかし、彼らは下記の記事中の一文に
「団塊の世代は、自分たちが実年齢より10~13歳若いと考えていて、年寄り扱いが大嫌い。子供時代に洋画やホームドラマでアメリカ文化の洗礼も受けている。年を取ったら控えめにするという従来の社会通念には当てはまらない」とあるように、話が通じない。

筆者は経験上、戦争に行った世代とは年齢を大きく超えて話が通じ合うことが多かった。

彼らのアドバイスは、曰く
「現状で打てる最善と思われる手を打て。その際失敗の結果、最悪死ぬかもしれない。とすれば、もうそれ以上考える必要はないからそれで構わないだろう。生き残っていたらその時点で打てる残余の手を打てば良し。所詮人生はそれの繰り返しに過ぎない」

運も体力も知恵も備わっていたからこそ生き残った彼らの言葉は胸に響いた。

そも筆者の祖父母の世代は、第1次大戦の大戦景気とその後の戦争恐慌、関東大震災と金融恐慌、世界恐慌による昭和恐慌、リフレーションによる昭和初期の好況、そして支那事変以降の統制経済と第2次大戦とをくぐり抜け、高度成長の基礎をつくった世代であることを忘れてはいけない。

比較して“団塊の世代”が、いかに平穏な時代を送った世代であるかは言を待たない。彼らが新左翼に身を投じ、数々のテロを起こさなければ、より社会は平穏だっただろう。

バブル崩壊後の最初の就職氷河期に出会した筆者が、同世代がリストラやベンチャー企業の名の下に2~3人分の仕事に疲れて鬱を病み、自殺していく現状を説明しても“団塊の世代”の多くは理解できず、精神論を説いた。それでもあの時分は情報通信や人材派遣、介護などの分野で新しい利権は生まれていたし、小泉政権下に代表される利権の再分配はあった。

“ゆとり世代”を就職氷河期が再度襲っているが、たとえば橋下大阪市長が利権の再分配をしようとしているものの成果はまだ出ていないし、利権の発生はあってもスマフォかSNS関連くらいしかない。より状況は悪い。

孫や曾孫の世代が苦難に陥っている原因を“団塊の世代”は、やはり理解できないだろう。今のところ打つ手は彼らが大々的に消費してもらうほかない。ただし、彼らの消費行動は体制そのものを変革してしまう“ポストモダン”のそれに到っていないのは、下記の記事から読み取れる。

シニア市場100兆円 団塊商戦再び 2012.2.4 23:11 MSN産経

スポーツカーとトンカツ好き…アクティブシニアに試行錯誤 2012.5.5 12:00 MSN産経

 トヨタ自動車が、4月に発売した新型スポーツカー「86(ハチロク)」。トヨタとして5年ぶりとなるスポーツカーは、「若者にもう一度のクルマ魅力を伝えたい」というコンセプトで開発された。価格も30歳前後の収入でも手が届くよう、売れ筋モデルは200万円台に抑えた。

 ところが、東京トヨペットのカーテラス渋谷店(東京都渋谷区)が発売後、最初の週末に開いた試乗・商談会に詰めかけたのは、60歳代前後のシニアが大半だった。2月の予約開始から1カ月間で受注が月間目標の8倍の8千台を突破し、うち50歳以上が25%以上を占めた。

 「家族はもう一緒に乗らないので、自分専用に」と、東京都調布市の男性会社員(58)。杉並区の会社員(61)は「足回りを自分なりに改造したい」と目を輝かせた。

 1980年代に型式番号の「86」の愛称で呼ばれ、若者に人気があった「カローラレビン」の復活として話題になった。ただ、シニア層は当時のブームを知らない。単に郷愁に誘われたわけではない。

 「実はわれわれの世代がほしい車。たぶんシニアが動くよ」。豊田章男社長(55)が、発売前にこう話したように、トヨタとしても、ある程度は想定内の反応だった。

 開発担当者は「リタイア後は、自分の楽しみを優先したいというシニアはスポーツカーを待っていた」と、してやったりだ。

 「大人は、『ひじき』より『とんかつ』でしょう」

 コンビニ大手ファミリーマートが平成22年に立ち上げた50~65歳向け商品の開発を手がける「おとなコンビニ研究所」。第1弾商品となる弁当の開発で、和食の総菜を主体にしようとしたファミマのスタッフに、シニアの交流ネットワーク組織「クラブ・ウィルビー」の男性会員が猛烈に反論した。

 結局、第1弾の3品には鹿児島産黒豚を使った「ロースとんかつ弁当」が採用された。昨年11月には東京・代官山にシニア向けコンビニの1号店をオープン。売り場には、有機食材を使ったボリュームたっぷりの弁当や、イタリアン総菜などが並ぶ。

 クラブ・ウィルビーを主宰し、ファミマの研究所の所長に招かれたメディアプロデューサー残間里江子氏(62)は、こう言う。

 「団塊の世代は、自分たちが実年齢より10~13歳若いと考えていて、年寄り扱いが大嫌い。子供時代に洋画やホームドラマでアメリカ文化の洗礼も受けている。年を取ったら控えめにするという従来の社会通念には当てはまらない」

 「若者のたまり場」というゲームセンターの“常識”も、大きく変わるかもしれない。

 「箱のすき間を狙えば取れますよ」。ゲーム大手のカプコンが千葉県印西市の大型ショッピングセンターで運営するゲームセンター。同県白井市の男性(78)は、孫と同世代の若いスタッフにクレーンで景品をつり下げるゲームの指南を受けていた。「平日は仲間と来ても面白いし、休日に孫と一緒に来れば格好いいところを見せられる」と、男性は見事に景品をゲットした。

 カプコンは、各地で開催しているゲーム教室でシニアの取り込みに力を入れている。1970年代後半に一世を風(ふう)靡(び)したテレビゲーム「スペースインベーダー」にはまった世代だけに、OP運営開発部の青木純也部長は「必ずゲームセンターに回帰する」と、自信をみせる。

 「アクティブ・シニア」と呼ばれる巨大な購買層のニーズをつかもうと、企業は試行錯誤は続けている。

 DVD・CDレンタルのカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の増田宗昭社長(61)は、自らも含め、60歳代以上を「プレミアエイジ」と名付けた。加盟する全国約4万5千店で約4千万人が利用する「Tポイント」サービスの膨大なデータも駆使し、その消費動態を探る。

 昨年12月には満を持して代官山に「おとなのTSUTAYTA」がコンセプトにした「蔦屋書店」をオープンした。

 店に置く映画や音楽は往年の名画や懐メロを重視する一方で、書籍フロアは、情報に敏感なシニアを意識し世界中から約3万冊の雑誌を集めた。カフェを併設するなど、店作りでは「上質」にこだわった。午前中から夕方はシニアや主婦層でにぎわい、夜には若者や出版・音楽業界関係者が集まる人気スポットになっている。

 増田氏は、一つの答えを見つけた。

 「日本の人口構成上、若い人を追いかけてもビジネスは成長しない。『韓流』は、時間とお金のある中高年女性が作ったブームだった。次は60歳代以上の男性が主役。『こういう風にかっこよく生きようぜ』と提案したい」

 終戦直後の昭和22~24年の第1次ベビーブームに生まれた巨大な団塊の世代が今年から65歳となり、完全リタイアの「適齢期」を迎えた。60歳以上の消費支出は100兆円を超え、日本全体の44%を占めると試算されている。高度経済成長を支え、厳しい競争社会を生き抜いてきた世代は、多様な価値観を持ち行動的で、従来のシニアの枠にははまらない。新しい経済のうねりを追った。

共産中国が結びつける“日印同盟”

大英帝国は、その最盛期であったヴィクトリア朝の末期、中央アジアを主な舞台としたグレート・ゲームのさなかにあって、ドイツを筆頭とした新興の帝国主義国家の台頭によって相対的な生産力を落とす中、ボーア戦争の泥沼に嵌ったことに加えて、極東で新興宗教のテロリストグループに便乗して連合8ヵ国に戦いを挑んだ清朝の義和団事件に介入せねばならず、伸びきった戦線につけ込んだロシアによって満州が奪われそうになる、そのロシアの南下政策が日英同盟を結ばせる契機となった。

日英同盟締結の歴史的経緯を現在に置き換えて、いくつかの単語を入れ替えると以下のようになる。

冷戦に競り勝ったアメリカ合衆国は、その<帝国>としてのブッシュ・ジュニア政権の末期、中央アジアを主な舞台とした対テロ戦争のさなかにあって、中国を筆頭としたBRICS諸国の台頭によって相対的な生産力を落とす中、イラク戦争の泥沼に嵌ったことに加えて、テロリストグループに与したタリバン政権が全世界に戦いを挑んだアフガニスタン侵攻に介入せねばならず、伸びきった戦線につけ込んだ中国によって南シナ海の南沙諸島が奪われそうになる、その中国の膨張戦略が日米・日印同盟を強化させる契機となった。

インドが初の長距離ミサイル試射、中国と欧州が射程圏内に 2012年 04月 19日 13:17 JST ロイター

対サイバーテロ連携 日印外相、規範づくり一致 2012.5.1 07:11 MSN産経

日印 海洋での安全保障協力で合意 4月30日 19時14分 NHKニュース

玄葉外務大臣は、インドの首都ニューデリーでクリシュナ外相と「戦略対話」を行い、両国の間で海洋での安全保障協力について協議する枠組みを設けることで合意しました。

日本とインドは、2007年以降、毎年、外相同士が「戦略対話」を行っていて、クリシュナ外相は「国際的な環境が変わりつつあるなか、日本とインドの関係は非常に重要だ。これからさらに高いレベルに持っていきたい」と述べました。

これに対し、玄葉外務大臣も「インドは戦略的な価値観を共有する重要なパートナーだ」と応じ、日印両国の局長級の間で海洋での安全保障協力について協議する枠組みを設けることで合意しました。また、両外相は、海上自衛隊とインド海軍がことし後半に初めて共同訓練を実施することや、サイバー攻撃への対処に関する対話を立ち上げることなどを確認しました。

さらに、両外相は北朝鮮が人工衛星としている事実上のミサイルの発射を強く非難したうえで、核実験などのさらなる挑発行為を行わないよう両国が連携して求めていくことで一致しました。

このあとそろって行った記者会見で、玄葉大臣は「インドは、日本と中東を結ぶ海上交通路の要衝に位置しており、両国が協力を強化することは、アジアや世界の平和と安定につながる」と述べました。


共産中国が純輸出と固定資産形成という2つの成長ドライブを失い、新たな成長ドライブとしての政府支出のうち社会保障か軍事かの二者択一で軍事関連支出を選択し、国内の軍管区の過度な軍閥化を怖れて、中央直轄の海軍に予算を振り向ける。この内政優先の政治的行動が日米・日印同盟をさらに強化させる。

歴史的経緯に学ぶなら、これはまたドイツ帝国が破滅に到った道でもある。

ドイツ帝国は、将校を輩出するユンカー(プロイセンの土地貴族)のためにロシアからの農作物に対して保護関税を掛け、それを元手として関税に不満を持つ産業資本家(クルップ家など)のために英国に対抗しうる建艦競争を繰り広げる。国内の利害関係者はそれで収まるかもしれないが、諸外国に対しては配慮のない機会主義に基づく外交の結果はドイツ包囲網であった。

『天路歴程』から読み取るアングロ・サクソン人

英国を英国たらしめるものの最たるものは揺るぎない階級であった。庶民が皇太子妃になったことは今までの英国の伝統からすれば驚天動地だったが、スノッブな彼らには頗る好評のようだ。英国の階級が揺らいでいるとしてもおそらく反作用を起こして、修正されるだろう。その根拠は彼ら、社会の根本をつくる家族制度に由来する。

英キャサリン妃、人気抜群 2012年 04月 27日 15:55 JST ロイター

英王子夫妻、1周年は友人らと 2012年 04月 29日 14:54 JST ロイター

ピューリタン文学の傑作『天路歴程』を一読したとき、家族を捨てて、ただただ己の救済を求めて遁走する主人公の有様が、まったく釈迦の行動原理と違っていたことに愕然とした。

彼の出奔の際の苦悩と煩悶は次のように描写される。

ここまで罪の重荷を負って来た。
わが悲しみを軽くする術もなく、ここへ来た、これは何という所だろう。
私の至福はここに始まるのか。
私の重荷はここで背から落ちるのか。
私を縛った紐はここで切れるのか。
尊き十字架よ! 尊き墓よ! むしろ尊きは
私のために恥を受けられたお方こそ!

彼は、このあと魂の荒野を延々と彷徨い天国へと到達するわけである。もしも一度でも自分の内面をとことん探究した経験を持つ人ならば、この話に横たわっている恐怖は伝わってくるはずだ。それはすさまじく答えのない虚無に近い何かへの問いかけだからである。ニーチェの狂気も思い起こさせる。そして、そこをくぐり抜けた人の確信がどれほど強靱なものであるかも想像はできる。

ジョン・バニヤン自身をモデルとされる主人公の精神的彷徨は“積極的逃避”のように思えてならなかったが、各々のピューリタンは逃避の煩悶の中で宗教的確信に到った。ピューリタン革命の立役者、護国卿クロムウェルの評伝にも煩悶の時期があったことが書かれていた。

ちょうどその頃、クロムウェルの評伝とフリードリヒ大王の評伝を読み比べていたので、宗教的確信をもった郷紳と啓蒙専制君主とでは、まずは神の存在を人格をもたぬ真理以上には考えられず一生を懐疑的に送ったフリードリヒ大王のほうにむしろ親近感を感じたものだ。

ピューリタンは、自分のなかの懐疑を神に預けている卑怯者のように感じたりもしたのだが、とは云え彼らはその懐疑(それは不安でもあろう)を究極にまで思いつめた人々であることを理解したとき、なるほど彼らの宗教的確信に到るまでの長い精神的彷徨はけして安易に退けられるものではないと知った。

印象としてはピューリタンをうらやましく思ったことは事実である。そうまで神を信じられるということに。もっともキリスト教的にいえば人は神を信じているのではなく、選びによって信じさせられているというのが正しいのだが。

彼らの宗教的確信とは「自分は神に選ばれた」、精神的彷徨とは「神は自分を道具とするために精神的な苦難を与えた」ということを意味する。

これらは教義上“信仰義認”や“予定説”から来ているものである。キリスト教の教義をつきつめれば、自分の意志でどんなに善行を重ねたとしても「神が“最後の審判”で選び取ってくれるか否か」は全然関係ない、神ははじめから救う人間と救わない人間を決めている。

つまり、神がその人を使わして神の栄光を増すためだけに悪行三昧をさせることもあり得るわけだ。信じがたいが、ヒトラーその人ももしかしたら神の栄光の道具だったかもしれない訳だ。

もう一度『天路歴程』に戻ろう。

「じゃあオレは救われているのか?」
という猜疑心が沸き起こってきて、主人公は家族を捨てて滅びの町を飛び出すはめになる。なんと無責任なやつなのだという批難は当たらない。

なぜなら救済と神の選びは個人単位であって家族単位ではないからだ。この異様さについては、エマニュエル・トッドの著作『世界の多様性 家族構造と近代性』に“家族的類型が社会システムを生む”とあるのを読んでようやく合点がいった。

イングランドとアングロ・サクソン人の社会が特徴的なのは、社会を構成する各人が血族や家族の間においても本質的に自由であるがゆえに、同時に自由の延長線上として著しい不平等な扱いも当然のごとく許容される点だった。

階級ごとの不平等はもちろん同じ階級に属している家族のなかでも、個人の意志と行動が尊重・優先されるために法の認める不平等が生じることがある。例えば財産贈与において、相続人の選定は財産所有者の自由だから、長男次男関係なく誰かが総取りすることもある。家族が1ペニーも貰えないこともあり得る訳だ。イギリスのミステリーで遺産相続ものが多いのはこのためでもある。

この奇妙な自由と不平等の共存こそ、イングランドとアングロ・サクソン人が分割統治の妙技によって、大英帝国を築いた社会的結合と社会的排除を両立させた所以だったのだろう。

東南アジアにおける“自由と繁栄の弧”の結実

小泉政権下において議論が活発化した集団的自衛権、安倍政権下において憲法改正と自衛隊のインド洋派遣、福田政権下から麻生政権下においてインド洋派遣の延長とソマリア沖での海賊行為に対処するための自衛隊派遣について、当時野党だった民主党や社民党などが反対姿勢を採り続け、政策決定までのプロセスが困難さを極めたことを考えると、この急展開は隔世の感がある。

民主党政権であることのデメリットが真逆のメリットと化した訳だ。自民・公明の連立政権であれば官僚のコントロールも効き、内外の手打ちができていたから、ここまで一気呵成に外交が進展することはなかった。もともと民主党内にまともな中国共産党幹部とのパイプがないこともこの事態を招いている。また民主党支持の多いマスコミが彼らの政策には徹底的な批判を加えられないこと、それと中国共産党が権力交代期であることも大きい。

ここに東南アジアにおける“自由と繁栄の弧”の結実を見る。麻生元首相の戦略構想の正しさが証明された、といえるだろう。

フィリピンなどに船艇供与 戦略的ODAで“対中包囲網” 2012.4.29 01:17 MSN産経

 政府は28日、フィリピン、マレーシア、ベトナムの3カ国を対象に、巡視船供与などを通じ海上保安機能の強化策を支援する方針を固めた。南シナ海におけるテロ・海賊対策への協力が目的だが、3カ国はいずれも南沙(英語名・スプラトリー)諸島をめぐって中国と領有権を争っており、同海域で覇権主義的な行動を強める中国への包囲網を構築する狙いもある。

 政府は、今回の支援策を「戦略的ODA(政府開発援助)」の一環と位置付けている。フィリピンには巡視船や通信システム、マレーシアには暗闇でも微光をとらえて視界を確保する「暗視装置(NVG)」を搭載する船艇を供与する。ベトナムに関しては同政府の要望を踏まえ供与内容を決める。

 フィリピンには5月中旬以降に国際協力機構(JICA)の調査チームを派遣する。同国政府の正式要請を受けて最終調整し、供与の枠組みは調達費の返済が必要な円借款の方向で調整。フィリピン政府が無償資金協力を希望すれば、40億~50億円の範囲内で行う。マレーシアに対しては円借款で供与する方針だ。

 フィリピンをめぐっては、米国が昨年7月に巡視船1隻を供与したほか、海兵隊配備を検討。シンガポール、ベトナムとも軍事協力を強化し、南シナ海への海洋進出を強める中国を念頭に同海域での抑止力向上を図っている。

 日米両政府は27日に発表した米軍再編見直しに関する共同文書で、アジア太平洋地域沿岸国に対するODAの「戦略的な活用」を明記。今回の3カ国への支援は、米国と連携して地域全体の対中シフトを底上げする狙いがある。玄葉光一郎外相は27日の記者会見で、「米国の軍事外交戦略の補完的な役割を果たすことができれば相当の相乗効果が期待できる」と強調した。

 政府は平成18年、インドネシアに巡視船3隻をODAで無償供与したが、巡視船は防弾用装甲が軍用船舶とみなされ、あくまで例外扱いだった。昨年12月の武器輸出三原則見直しで平和貢献・国際協力での防衛装備品供与が可能になった。

     ◇

 南沙諸島 南シナ海南部に浮かぶ約100の島や環礁。石油などの海底資源や漁業資源が豊富で、中国、マレーシア、フィリピン、ベトナム、ブルネイ、台湾が領有権を主張している。中国による威嚇発砲やケーブル切断など強引な動きが続いている。


「最弱」フィリピン海軍、対中警備を強化 南シナ海に新巡視船を配備 2011.12.17 06:15 MSN産経

南シナ海問題、日本関与を ベトナム首相が会見 2012.4.21 19:04 MSN産経

南シナ海めぐる対立先鋭化=中国に強気-フィリピン 2012/04/27-14:31 時事ドットコム

米とフィリピン、30日に初の「2プラス2」 中国を牽制 2012.4.28 10:11 MSN産経
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