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“対テロ戦争”から“対中封じ込め”への軋み

民主党・カーター政権の失政が結局、現在の米国の内政外交にまで悪影響を及ぼしている、という話。それでいて今回の大統領選においては外交と軍事はあまり争点になっていない、という話。

オバマ政権は、保守メディアや共和党から駐リビア米国大使の殺害事件の後手後手の対応を非難された。それでも支持・不支持を大きく揺るがすことになっていない。リベラルメディアと民主党のガードも堅固な上に、国民経済が焦点であることに変わりはないからだ。同様にハリケーン「サンディ」の対応についても手ぐすね引いて待っているが、さてどうなるか。

通称、ベンガジ事件といわれるこの事件は“対テロ戦争”から“対中封じ込め”への軋みと云える。過去を振り返ればブッシュ・ジュニア政権の所為だという向きもあるかもしれない。しかし、こと米国のアラブ・中東政策に関してはカーター政権の昔から見直さなければならない。

オバマ政権のリビア治安対応に不備か 元治安部隊員が議会証言 2012年 10月 11日 20:46 JST WSJ日本語版

コラム:米大統領選、サンディの追い風はどちらに 2012年 10月 31日 13:41 JST ロイター

今や「史上最強の元大統領」と呼ばれるカーターの時代、米国は外交面では共産圏とデタントを進めたが、一方でイラン革命への対応失敗とソ連のアフガン侵入を許し、内政面では第2次石油ショックの石油価格の暴騰によるインフレに悩まされた。

米国企業は大恐慌時の経験から伝統的に内部留保を貯めて、設備投資を行っていたために、この高いインフレにより、これ以降インフレ基調・銀行借入前提の日本企業の設備投資に大きく後れを取ることになった。レーガノミクスやプラザ合意、日米貿易摩擦の激化、パテント戦略の開始から、のちの年次改革要望書の提示など米国による日本経済の弱体化政策の数々、それと米国の新自由主義の採用と金融偏重の弊害、これらはカーター政権の経済政策の失政なしでは背景を語れまい。

人権外交の推進は、エジプトとイスラエルの和平につながるキャンプ・デービッド合意を成果としてもたらした。しかし、これによってサダト大統領暗殺の原因をつくり、その報復としてエジプト国内におけるイスラム原理主義過激派の抑圧を招き、監獄に入れられた過激派思想家のさらなる過激化と国外脱出と思想流出へとつながり、アルカイダ誕生の遠因をつくった。

またCIAの予算削減によるヒューミント能力の低下は21世紀の今日まで尾を引いている。アルカイダの同時多発テロを防げず、イラクの大量破壊兵器の有無を確証させるに足る証拠も掴めなかった。そして、安保理決議1441がイラク戦争の開戦理由とされる結果となった。フセイン政権の立場からすると、確かに悪魔の証明に限りなく近似していることは事実だ。余談ながら、このことがまたハル・ノートを連想させて反米保守を刺激した。

カーター政権下、アラブ・中東地域最大の親米国家であったパレービ朝イランを失ったことがのちの対症療法としての政策と云うべきイラン・イラク戦争~湾岸戦争~イラク戦争までの要因となったことは忘れてはならない。同様にソ連のアフガン侵入を許したことも現在までのアフガン内戦の要因になったことは云うまでもない。1953年のモサデグ政権の転覆(アジャックス作戦)以降、英露角逐のいわゆるグレート・ゲームの舞台の配役が米ソに変わったのを軽視したのだ。

最終的にカーター再選を阻んだのが、イラン駐在米国大使館人質事件であった。ホメイニ政権によって後援されたテロリストが大使館を占拠した事件だが、奪還作戦(イーグルクロー作戦)は失敗し、米国の威信を傷つけた。人質の解放日は彼の任期満了日と重なったことは当時、皮肉と受け取られた。公開中の映画『アルゴ』の顛末は少しはCIAとカーター政権の汚名をそそぐものになるのだろうか。

これらが軍事外交上の失策がレーガン政権の対外強硬政策の出発点となった。大国における誠実さは言葉ではなくむしろ武力によって担保される、そのことをカーター政権は証明したがゆえの結果である。

ブッシュ・ジュニア政権の対外強硬政策の帰結がオバマ政権の弱腰とも捉えかねない消極性に繋がっているのは事実としても、“アラブの春”が訪れたからと、敵が米国への見方や姿勢をすぐに変えてくれるほど、民主的でも誠実でもなかったことをオバマ政権は忘れていた、と云えるだろう。
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政治的妖怪としてのベルルスコーニ 第二部

イタリアのベルルスコーニ前首相に対する脱税容疑の裁判で禁固4年の判決が出た。彼にとって初めての有罪判決だ。で、彼が牢獄に入るか、と云うとそうではない。まだ一審目ということもあるが、イタリアの司法制度では、裁判中であっても公訴時効が進行するので、残り上訴2回含めて法廷引き延ばし戦術をもってすれば有罪が確定しない。このままの推移で行くと、来年時効が成立する。

ベルルスコーニ伊前首相に4年の禁錮刑-脱税裁判で 2012/10/27 00:52 JST ブルームバーグ

10月26日(ブルームバーグ):イタリアのベルルスコーニ前首相は、自身のテレビ放送会社メディアセットが関与する放映権をめぐる脱税問題の裁判で有罪判決を下され、4年の禁錮刑を言い渡された。

ミラノの裁判官が読み上げた判決によると、ベルルスコーニ被告(76)は一定期間、公職に就くことを禁じられる。

複数の法律の専門家は被告の年齢と上訴プロセスを考慮すると、実際に収監される可能性は低いとの見方を示している。

原題:Berlusconi Sentenced to 4 Years in Prison for Mediaset TaxFraud(抜粋)


議員に与えられる会期中の不逮捕特権や事実上の首相免責特権は我が国にもあるので理解できる。たとえば閣僚を逮捕するには首相のサインが必要なので、首相を逮捕するには首相自身がサインする理屈になる。誰が自分の政治生命の死刑執行書にサインするものか。鳩山元首相はこれで逃げ切った。

各国の司法制度はそれぞれに特徴がある。

たとえば米国の連邦最高裁の判事の任期は終身だから、ときの政権がリベラルでも最高裁が保守だと違憲判決が乱発される。ひとり空席ができたときには左右両派の対立で疑惑やスキャンダルが飛び交う。保守派のクラレンス・トーマス判事の就任時は、追い落としにセクシャル・ハラスメントが使われ、セクハラが一般化した。

個人的に驚いたのが、シャリーアに基づく厳格なイスラム圏の場合、たとえば殺人事件は民事扱いになる。起きても加害者と被害者の関係者双方で合意が成立すれば、損害賠償だけで刑事罰によって服役しなくても良いことがあるとかだ。

政治経済においても、その国の文化や文明や宗教、歴史風土の問題は避けて通れない訳だ。

話を戻して、ベルルスコーニ前首相は、冷戦終結後のイタリアの政界再編以降、中道右派及び保守が政権を担う際はすべて首相に就いた。秘密結社ロッジP2の一員であったし、メディア企業のオーナーでもある。彼はこれまでに100件以上の訴追を受けているが、彼の政治的生命が終わりを迎えるとは軽々に云えないように思える。

政治家の世襲を批判する人々の思惑とは

衆院鹿児島3区の補選は与党敗北の結果に終わった。民主党ではない保守寄りの連立与党(国民新党)の候補、自殺した代議士の堅い地盤を継いだ形のいわゆる弔い選挙、比例復活のない一発勝負を受けての総力戦であっても負けた。

次回の総選挙ならば今回惜敗した候補は議席を得ることができるだろうが、利権分配の能力が弱い=地盤が弱く当選回数の少ない民主党の代議士は逆風に抗することが出来ない。そこで、さらに2名の代議士が離党届を提出した。与党の衆院過半数割れまであと6人。さしたる利権を持たない代議士にとっては議席こそが利権そのものだ。手放したくない心情はよく解る。

衆院鹿児島3区補選 自民・宮路氏が制す 2012.10.28 22:14 MSN産経

熊田、水野両氏が民主離党届 あと6人で過半数割れ 減税日本に合流へ 2012.10.29 12:29 MSN産経

畢竟、利権を持つ者だけが利権を手放すことが出来る。

封建社会であった江戸時代における官吏は人口の5%を占めるに過ぎなかった武士が基本的に独占・世襲していた。石高に応じて支払われる給与(換金作物)は、年貢率が一定してしまう幕藩体制による泰平の世のなかで信用経済が発展して、貨幣の金含有率も減らされていくため、実質所得は下がる一方だった。

もしも付加税や賄賂を採る余地があったならば、各藩が大商人から「大名貸し」など受けることもなかっただろう。

こうした背景もあってか、維新回天のあと世襲武士は官職に拘泥せず恬淡と辞めていった。一方、支那の科挙によって選ばれた高級官僚はその地位にしがみつけなければその権威を保てない。ここに一代限りの官僚と世襲の武士の違いが現れている。

我が国の現代の政治家も世襲政治家である方が地位に恋々としない。

そもそも一代、二代と重ねて政治に関わるのは周囲の利害関係者が彼らの利権を維持したいからであって、政治家自身が利権を求める訳ではない。

その典型例が小泉純一郎だろう。三代目の政治家である彼は各種の既得権益を再分配したが、彼自身の手にその利権そのものは渡っていない。これが彼のポピュリストとしての強さを助長した。

なぜ周囲が世襲政治家を守り立てるかは、伝統的に血縁カリスマを尊び利用する我が国の歴史風土に根差しているからだ。つまりは源氏長者を将軍に据えた関八州の土着武士たち、戦国時代の下克上のさなか勝てる殿様を擁す武士団の昔となんら変わることがない。

現在において政治家の世襲批判をする者は結局、自らも代議士・議員に成り上がりたい欲求があるから、批判をマスコミ通じて口にするのであって、マスコミ関係者自体、その動機で動いている。かつては政治家の番記者、昨今ではテレビ局のアナウンサー上がりの多さがそれを証明している。

その他の政治家のリクルーティング先は投資銀行・コンサルタント出身者やキャリア官僚、地方議員である。彼らもまた自らの能力と努力で実績を重ね、代議士になる。それでも政党の公募に落ちたり、既存の政治家との姻戚関係を結べなければ世襲批判を煽る場合がある。小選挙区制になって、より入り口は狭まり批判も俄然強まる訳だ。

ところが本当に改革を欲するならば、それらの利害とその関係者に直接アクセス出来る豊富な資金源と人脈がなければ、説得も調整も出来ない。

米国では共和党の“進歩派”だったセオドア・ルーズベルトはトラスト叩きを行った。その従兄弟で民主党のフランクリン・ルーズベルトはニュー・ディールを推し進めた。第2次大戦後のリンドン・ジョンソンは「偉大な社会」を提唱して、公民権法の制定とメディケアやフードスタンプなど福祉制度を充実させた。

これらの進歩的な政策が実現できたのは彼らがエスタブリッシュメントだったり、議会の重鎮として実績があったからだ。フランクリン・ルーズベルトはジョン・F・ケネディ大統領の父、ジョゼフ・ケネディを証券取引委員会(SEC)の初代委員長に任命してインサイダー取引を取り締まった。内部事情を知るインサイダーでなければ利害調整が出来ない好例だ。

ならば翻って現在の我が国の民主党政権、最近の米国の民主党政権が改革の実を挙げ得ないのは当然の理だろう。

「47%」に背を向けて

昨日のエントリーに関連して、以前のエントリーとロイター電(2012年9月30日のエントリー)を読み返したら、現在の民主党・オバマ大統領の支持率「47%」は、そのまま共和党・ロムニー大統領候補がオバマ支持者の数字として指摘した「47%」と合致していた。

つまり、有権者の約半数を切り捨てた発言と思いきや、意外と正鵠を射たものだった、と。

発言の通り、ロムニー氏は初回の討論会で攻撃的に出て無党派層の5~10%の一部を確保した。一方でオバマ大統領の支持率はこれ以上の伸び代がない。堅い支持者は期日前投票を行う。

これらの事実はロイターのコラム同様、すでにある程度、米国社会の流動性は失われている証左と云える。

米大統領選の支持率、オバマ氏47%・ロムニー氏46% 2012年 10月 27日 04:36 JST ロイター

[ワシントン 26日 ロイター] 26日に公表されたロイター/イプソスの世論調査によると、オバマ大統領の支持率が47%、共和党のロムニー候補が46%となり、選挙まで2週間足らずとなった今も接戦が続いている。

両候補の支持率は、10月3日の初回討論会以降ほぼきっ抗しており、有意な差はみられない状態が続いている。

調査に協力した有権者の18%が期日前投票を行ったと回答した。期日前投票は全米50州とコロンビア特別区ですでに始まっている。


「オバマ氏支持者は政府に依存」とロムニー氏発言、隠しカメラで判明 2012年 09月 18日 15:34 JST ロイター

コラム:「貧富の住み分け」から占う米大統領選 2012年 10月 25日 14:48 JST ロイター

ゲーテッド・コミュニティが民主党を有利にする皮肉

米国大統領選は終盤になっても両者の支持率が拮抗したままで投票日を迎える様相だ。2000年と2004年の大統領選と同様に接戦で決まるのだろう。選挙人の数を左右するのは運動資金の残額か、期日前投票の動向だろうか。

そんな中でゲーテッド・コミュニティによって富裕層と貧困層の居住地区が分断され、その後も学校や職場など軋轢を生むような社会的接点を持たない州では、富裕層は現実感覚から遊離した理想主義のリベラルになって民主党支持になりやすい、というコラムがロイター電に掲載されていた。

つまり、ここに貧富の差が拡大すればするほど、固定化すればするほど、民主党には有利な政治的状況が醸成されるという皮肉を見る。

この研究が追跡調査で概ね正しいと証明できれば、米国・民主党は口先だけ貧富の格差解消を唱えれば良いことになる。なんとも暗澹たる気持ちだ。結局、下手な善意は明確な悪意よりも害をもたらすことになるようだ。

米大統領選、10月1─17日の政治献金総額はロムニー陣営が上回る 2012年 10月 26日 15:30 JST ロイター

米大統領選の支持率、オバマ氏47%・ロムニー氏46% 2012年 10月 27日 04:36 JST ロイター

米大統領選、最大40%が期日前投票との見方も 投票済み有権者調査はオバマ氏優勢 2012年 10月 27日 07:10 JST ロイター

コラム:「貧富の住み分け」から占う米大統領選 2012年 10月 25日 14:48 JST ロイター

By James K. Galbraith and J. Travis Hale

ラッセル・セージ財団が最近発表したリポートによると、米国社会では過去40年にわたり、所得による住み分けが急速に進んでいる。中間所得層居住区に住む世帯の割合は、1970年当時は約65%だったが、現在は44%にまで減少。残りの約6割の世帯は、明らかな富裕層地域もしくは貧困層地域に住んでおり、特に富裕層は同程度の所得の隣人たちに囲まれて暮らす傾向が強いという。

これらの指摘は、われわれが2005年から別のデータを使って立ててきた推測とも一致する。貧富の住み分けによる空間的な二極化は、米国社会のまぎれもない事実となっている。

このことに政治的な意味合いはあるだろうか。私たちはあると考える。実際、所得による居住地の住み分けが進むことで恩恵を受ける政党はある。奇妙に聞こえるかもしれないが、それは民主党だ。

コロンビア大学の政治学者アンドリュー・ゲルマン氏は、米大統領選挙でみられる明白な矛盾をこう指摘する。「富裕層は共和党に投票する傾向があるが、裕福な州では民主党が強い傾向にある」。

こうしたことが起きるのは、所得と投票の関係が州によって異なるからかもしれない。裕福だが民主党色の強いコネティカット州では、裕福ではなく共和党色の強いミシシッピ州に比べ、所得と投票の関係はかなり弱いと言える。

しかし、ミシシッピ州の富裕層が民主党寄りになることはめったにないのに、なぜコネティカット州の富裕層は民主党寄りになるのだろうか。

所得格差は、コネティカット州よりミシシッピ州の方が大きい。一方で、所得による居住地の住み分けはコネティカット州の方が顕著だ。ミシシッピ州では、富裕層と貧困層は同じ町の同じ学区で互いに隣り合わせで生活しているが、コネティカット州ではそうではない。

このことが意味するのは、コネティカット州の少なくとも地方政治の場では、富裕層と貧困層が政治的に直接対立することは少ないということだ。彼らは同じ町に住んでいないため、そこでは社会階級(または人種)に根差した衝突は議題に上りにくい。それが貧困層を共和党寄りにすることはないにしても、富裕層が民主党寄りになる一因にはなるだろう。

もしこの説明が正しいとすれば、大統領選挙においては、居住区によって貧富が分断された州では民主党が強くなり、分断されていない州では共和党が有利になるはずだ。

仮説が正しいかどうか、2000年と2008年の結果を見てみよう。

2000年の大統領選では、貧富による住み分けが最も顕著だった10州は、順番にニューヨーク州、コネティカット州、カリフォルニア州、マサチューセッツ州、ニュージャージー州、ワシントン州、メリーランド州、イリノイ州、バージニア州、ミシガン州だった。このうち共和党のブッシュ候補が勝てたのはバージニア州だけで、民主党が圧勝した。

一方、貧富による住み分けが少なかった州は、サウスダコタ州、ノースダコタ州、モンタナ州、ウェストバージニア州、バーモント州、アイオワ州、ケンタッキー州、ミシシッピ州、アーカンソー州、ワイオミング州。民主党のゴア候補が勝てたのはバーモント州とアイオワ州のみだった。

2008年は州の内訳こそ若干変わったが、結果は同じだった。所得による住み分けが顕著な10州のすべてで民主党が勝ち、住み分けが少なかった州で共和党が落としたのはバーモント州とアイオワ州だけだった。

では、今年11月の選挙がどんか結果になるか占ってみよう。

2010年時点で、貧富による住み分けが目立たなかった州は、サウスダコタ州、ノースダコタ州、モンタナ州、ウェストバージニア州、ケンタッキー州、アイオワ州、バーモント州、ミシシッピ州、ネブラスカ州、アーカンソー州、オクラホマ州、ワイオミング州、ルイジアナ州、アイダホ州、メーン州、アラバマ州、アラスカ州。

世論調査を基にすると、バーモント州とメーン州、恐らくアイオワ州もオバマ陣営が取りそうだが、残りはほぼ間違いなくロムニー陣営が勝つだろう。

一方、貧富による住み分けが顕著だったのは、ニューヨーク州、コネティカット州、マサチューセッツ州、カリフォルニア州、ニュージャージー州、メリーランド州、ワシントン州、バージニア州、ペンシルベニア州、イリノイ州、フロリダ州、ハワイ州、アリゾナ州、ミネソタ州、デラウェア州。

この中にロムニー陣営が勝てそうな州はあるだろうか。フロリダ州は激戦になるだろう。バージニア州は一部世論調査では接戦となっている。アリゾナ州は過去2回は共和党が取っているが、今回は難しそうだ。

貧富の住み分けと選挙結果が示す関係は、ただの偶然なのだろうか。それは否定できない。われわれは別の統計モデルを試していないし、両者の関係には、根底に別の理由があるのかもしれない。しかし、何がしかの巡り合わせがそこにはあると信じている。

そして仮にこれが正しいとすれば、米国社会で貧富の住み分けが進んで行くと、興味深い副次的効果も出てくるかもしれない。将来、社会がますます不平等になる一方、住み分けによって階級間の対立が緩和すれば、共和党は大統領選挙でもう勝てなくなるかもしれない。

(22日 ロイター)

青嵐会、その最後の戦い

街角で真新しい公明党のポスターを見る度に解散総選挙は臨戦態勢だなあ、と日々感じている。そして、いわゆる第3極の役者も全員揃った訳だ。政策的には真逆な党が連携するかどうかはともかく、無党派層と民主党からの離脱組の選択肢が増えるのは良いことだろう。

しかし、たちあがれ日本が解党して石原新党立ち上げとなると、来年の政党助成金を狙っていると思われる。とすると冒頭解散、年内総選挙はない、と判断していることになる。

石原新党・維新・みんな 「第三極連合」、険しい政策一致 2012.10.26 23:54 MSN産経

「西は橋下、東は石原で」 たちあがれ・平沼氏 2012.10.17 21:03 MSN産経

我が国の議会制民主主義の本流からは、すでに外れてしまった石原氏や亀井氏、平沼氏たちの選択肢について、以前取り上げた記憶がある。

「ひとつは保守再合同へと向かい自民党の中でナショナリズムの強い派閥として一定の勢力を保つか。もうひとつはポピュリズムの旗手(今のところ、橋下大阪市長)を仰いで前回は民主党に投票した無党派層を取り込み一種の受け皿・防波堤となるか。現状の政局の観点からは後者を選択せねばならない様な気がする」

と、書いたがその通りになった。どうあれ青嵐会の最後の戦いとなるのだろう。筆者が生まれた頃からの政治的目標が未だ達成されていないことこそ、我が国の宿痾というべきだが、ようやく一定の落着点が見えてきた。

人民解放軍とファーウェイと超限戦

レーガン政権の昔、1986年に富士通のフェアチャイルド・セミコンダクター買収が差し止められたことがあった。翌年には東芝機械の工作機械が共産圏に輸出され、原潜のスクリューの静粛性向上に役立ったと、ココム規制に引っかかり、輸出停止処分を受けた。

振り返れば冷戦の最終局面だったこの時期、もちろん日米貿易摩擦も絡んではいたが、同盟国の企業でも安全保障上の問題については容赦しなかった。

ファーウェイ(華為技術)とZTE(中興通訊)のアングロ・サクソン各国からの締め出しは、同盟国ではない以上、もっと積極的に行われてもなんらおかしくない。

共産党の提唱する超限戦のひとつの具現化が、人民解放軍とファーウェイの昵懇な関係だとすれば、彼らが海外の通信インフラ構築に関わり、かつ悪意を以て情報収集に当たるだけで安全保障上の問題になりかねないと、懸念するのは自明の理だ。

実際、出荷前のPCにプリインストールされているOSの中にバックドアが仕込まれているのが発覚した事例などまだましで、チップセットにバックドアが仕込まれている事例に至っては個人レベルではお手上げだ。

チップセットを含んでいるマザーボードにボタン電池が付いている以上、待機用電源をリモートコントロールしてPCをたたき起こすことができる上に、OS稼働中も関係なくBIOSプロトコルを動かすことができる。おそらくスマフォやタブレットにも類推できる事例が出てくるだろう。

今後の戦争が無人の戦いになる以上、遠隔操作され放題では洒落にならない。中共に技術移転した以上、最悪、核兵器のシステムごと乗っ取られたらどうするか。中共の工場とサプライチェーンを内乱で完全に破壊させなければならなくなる。そして、米国に投資移民でやってきた連中の富を威信なき富として、全部取り上げていくようになるだろう。

中国・華為技術、豪政府に海外メーカーの差別撤廃求める 2012年 09月 14日 18:10 JST ロイター

[キャンベラ 14日 ロイター] 中国の華為技術HWT.ULはオーストラリア政府に対し、国内の通信事業で海外の通信機器メーカーを差別しないよう求めた。豪政府は先に、全国ブロードバンド網(NBN)整備計画で、同社への業務発注を見送った。

同社は安全保障上の懸念から、米国などの市場で受注獲得に苦戦している。

同社はアジア、アフリカ、欧州の大手通信事業者に機器を販売しており、ノキア・シーメンス・ネットワークスNSN.UL、アルカテル・ルーセント(ALUA.PA: 株価, 企業情報, レポート)、中興通訊(ZTE)(000063.SZ: 株価, 企業情報, レポート)(0763.HK: 株価, 企業情報, レポート)などと競合しているが、大半の企業顧客は中国国内で確保している。

華為技術の豪部門のジョン・ロード会長は諜報に関する豪議会委員会の席上、NBNの発注見送りの決定について「失望した。決定の理由は知らされなかった」と述べた。

また、政府が重要なインフラを保護する権利を持つことは受け入れるが、華為技術は発注見送りの理由について説明を受けていないほか、懸念に対処する機会も与えられなかったと指摘した。


中国の華為技術、IPOに向け投資銀行と接触=WSJ 2012年 10月 5日 12:27 JST ロイター

[シンガポール 5日 ロイター] 米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙は、中国の通信機器大手の華為技術[HWT.UL]が新規株式公開(IPO)に向け、投資銀行に接触していると伝えた。

 同紙が関係筋の話として伝えたところによると、華為技術は会社の透明性を高め、米国などの市場で大型契約を獲得する手段として、IPOを検討している。IPOを実施するかどうかや、どの投資銀行に幹事を依頼するかなどにつては、まだ決定していないという。

 WSJによると、華為技術は米市場に上場したい意向だが、香港やロンドン市場も選択肢として検討している。

 華為技術は安全保障上の懸念から、米国やオーストラリアなどで大型契約の獲得が困難になっている。

 オーストラリア政府は、全国ブロードバンド網(NBN)整備計画の入札で、サイバーセキュリティー上の懸念を理由に、華為の参加を拒否していた。

 米国でもオバマ政権の反対により、小規模な買収案件の断念を強いられていた。

 華為技術スポークスマンのコメントは得られていない。


中国の華為技術とZTE、米から締め出すべき=下院委 2012年 10月 8日 22:34 JST ロイター

[ワシントン/香港 8日 ロイター] 米下院情報委員会は11カ月間におよぶ調査の結果、中国の通信機器大手、華為技術HWT.ULと中興通訊(ZTE)(000063.SZ: 株価, 企業情報, レポート)(0763.HK: 株価, 企業情報, レポート)に対する中国当局の影響力が米国の安全保障上の脅威となる恐れがあると結論付け、米市場から両社を締め出すべきとの報告をまとめた。

委員会のメンバーによると、同報告を8日に発表する。

報告では、米情報機関は華為とZTEの米国での活動拡大の動きを注視し、両社に関してうわさされるスパイ行為の脅威を可能な限り民間セクターに周知する必要があるとしている。

野村証券のアナリスト、Huang Leping氏は「報告書に言及されるのが通信機器だけであれば影響は限定的だろうが、もしも携帯電話も含まれている場合は話が別だ。華為とZTEの電話機の米国での市場シェアは拡大を続けている」との見解を示した。

これに対し、華為の広報担当者ウィリアム・プラマー氏は、情報委員会からかけられた嫌疑について「根拠のない指摘だ」などと否定した。

またZTEは8日、先月の公聴会の後に同委員会に送付した「大いに異議を唱える」などとする書簡の写しを公表した。

このほか、中国外務省の洪磊報道官は米国に対し、華為とZTEの問題に関して「偏見を捨てる」よう要請した。

香港市場に上場するZTE株は8日の取引で6%近く急落した。


中国の華為技術とZTEは安全保障上の脅威、取引解消を=米下院委 2012年 10月 9日 02:52 JST ロイター

[ワシントン 8日 ロイター] 米下院情報委員会は8日、中国の通信機器大手、華為技術HWT.ULと中興通訊(ZTE)(000063.SZ: 株価, 企業情報, レポート)(0763.HK: 株価, 企業情報, レポート)に対する中国当局の影響力が米国の安全保障上の脅威となる恐れがあるとする報告を公表し、米通信会社に両社との取引を控えるよう促した。

委員会は11カ月にわたり2社に対する調査を実施した。今回の報告書は、米市場での事業拡大を目指す両社にとって痛手となるほか、米中関係の緊張のを招く可能性もある。

委員会を率いるロジャース委員長は報告書の発表に合わせて開いた会見で記者団の質問に答え、委員会の警告は大量のデータ処理に関連する機器のみが対象であり、携帯電話やその他携帯機器は対象外と説明した。

ただ、米通信大手のベライゾン・コミュニケーションズ(VZ.N: 株価, 企業情報, レポート)やスプリント・ネクステル(S.N: 株価, 企業情報, レポート)に対する両社の携帯電話販売に影響が出るかどうかは不透明だ。

報告書では、中国当局との関係や規制上のやり取りなどについて華為技術とZTEが提出した文書はいずれも安全保障上の懸念払しょくに不十分とし、米通信プロバイダーとシステム開発業者に対し別のベンダーを模索するよう強く求めるとしている。

また、両社の機器やサービスに関連しているとみられる長期的な安全保障リスクに言及。公開された報告書では具体的な内容に触れていないが、機密扱いの付属資料の内容も踏まえ、両社が外国政府の影響を受けていないと判断することはできないと結論付け、米国と米システムに安全保障上の脅威をもたらす恐れがあるとの見解を示した。


米シスコ、中国ZTE<000063.SZ>と取引解消、イラン向け輸出めぐる問題で 2012年 10月 9日 02:21 JST ロイター

[ロンドン 8日 ロイター] 中国の大手通信機器メーカー、中興通訊(ZTE)(000063.SZ: 株価, 企業情報, レポート)(0763.HK: 株価, 企業情報, レポート)が、米ネットワーク機器大手シスコシステムズ(CSCO.O: 株価, 企業情報, レポート)の製品を制裁対象となっているイランに輸出したとされる問題で、シスコはZTEとの販売提携を解消した。

 ロイターは3─4月、ZTEがイラン最大の通信会社にシスコなど米社のコンピューター機器を販売し、昨年には数百万ドル相当の米企業製機器をイランに輸出することで合意していたことを伝えた。

 報道を受けて米企業は内部調査を行い、米商務省や連邦捜査局(FBI)なども調査・捜査に入っていた。

 米下院情報委員会は、ZTEと中国の通信機器大手、華為技術に対する中国当局の影響力が米国の安全保障上の脅威となる恐れがあると結論付け、米市場から両社を締め出すべきとの報告をまとめた。

 ZTEの広報担当者は、シスコの取引解消について「大きな懸念を持っており、シスコと意思疎通を図っている。同時に、イランに関わる調査では米国政府に積極的に協力している。適切に処理されると信じている」と話した。

 シスコのジョン・チェンバース最高経営責任者(CEO)は最近のインタビューで、内部調査結果について言及を避けたものの、イランなど輸出が禁じられている国への自社製品の販売は、直接・間接を問わず容認しない考えを示している。「そうしたことが起きた場合は、相当厳しく対処する。同様のことが再び起きないと考えてもらって良い」と語っていた。


カナダ政府も中国華為技術を排除か、安全保障上の懸念で 2012年 10月 10日 09:21 JST ロイター

[オタワ 9日 ロイター] カナダ政府は9日、政府の通信ネットワーク構築において、安全保障上の懸念から中国の華為技術(ファーウェイ)HWT.ULを発注先候補から排除する可能性を強く示唆した。

政府内の電話や電子メールのやり取り、データセンターサービスの安全を期すのが目的。カナダには国際貿易ルールに抵触せずに、国家の安全保障上懸念があるとみなした企業を排除できる例外条項があり、今回この条項を行使するとした。

首相の報道官は記者会見で「政府はこのネットワーク構築において、注意深く選定を行う。それにあたり国家の安全保障上の例外条項を行使した」と述べ、「カナダ政府のセキュリティシステムの一部をファーウェイが担うべきかどうかは、みなさんの判断に任せる」と付け加えた。

8日には、米下院情報委員会がやはり安全保障上の脅威となる恐れがあるとして、米国企業に華為技術HWT.ULと中興通訊(ZTE)(000063.SZ: 株価, 企業情報, レポート)(0763.HK: 株価, 企業情報, レポート)との商取引を止めるよう促すレポートを公表した。

CBCテレビは、同委員会のロジャース委員長がカナダ企業にも同様な対応を促していると伝えた。

華為技術のカナダ事業は好調。2008年に通信事業者テラス(T.TO: 株価, 企業情報, レポート)、BCE(BCE.TO: 株価, 企業情報, レポート)傘下のベル・カナダのネットワーク構築契約を受注。オンタリオ州からリサーチ関連の認可も受けている。

華為技術のカナダ法人の広報担当者は、国家安全保障関連の例外条項は外国企業のみに適用されるとしたうえで「ファーウェイ(Huawei Technologies Canada Co Ltd)は完全なカナダ法人で、カナダ子会社として事業を行っている。よって事実上われわれは、調達機会があれば受注を目指すことが可能」と述べた。


参考URL:
Investigative Report on the U.S. National Security Issues Posed by Chinese Telecommunications Companies Huawei and ZTE U.S. House of Representatives October 8, 2012

湯水のように財政出動を続けよ

中国の製造業PMIが12ヶ月連続で50を割り込んでいる。またロイターの調査では、日本企業の対中マインドの変化も如実に表れている。PMIの推移を在庫調整中と見て、日本企業の投資意欲の低下も在庫調整に役立つと見ることで希望的観測を持つことは出来る。ただし、企業努力だけの回復では何かもう一段足りない気がする。

10月のHSBC中国製造業PMIは49.1、緩やかな回復示唆 2012年 10月 24日 14:20 JST ロイター

ロイター調査:日中悪化で認識変化、「消費地・中国」の魅力後退 2012年 10月 24日 10:48 JST ロイター

以前、コメントで共産党中国は7%成長を維持できるか、という疑問を頂いた。答えは可能だ。その意味で投資銀行やアナリストの予測はポジショントークではあるが正しい。もちろん、筆者も何らかのポジショントークをしている。ただし最低限条件がある。我が国がバブル崩壊後に行った同規模の金融緩和と財政出動を継続的に行わなければならない。

たとえば、我が国はバブル崩壊後の92年から95年で約66兆円投入、消費税増税後の97年から00年までで約62兆円投入した。当時は、やれハコモノだ、などと非難をされたが、ハコモノの営業収益が不足し利息返済が滞るか否かが重要なのではなくて、ハコモノを作り続けることで、景気を下支えして、雇用を維持し、税収を維持することが第一義にあったことを忘れてはいけない。

リーマン・ショック後の2年間に共産党は、約57兆円を経済対策で投入した。しかし、後が続かなかった。金融緩和では、人民銀行の預金準備率の引き下げ(0.5%)は2011年11月にあり、2012年3月、5月にも0.5%ずつ引き下げ。金利も6月と7月に連続で引き下げたものの、大規模な財政出動がない。指導部交代の混乱によるのか、対策が滞っているのが現在の中共の内政外交の混迷に現れている。

それとは別に、中国鉄道省が2011年~2015年までの5カ年で2兆3千億元(約28兆7千億円)を投じると発表した。2006年~2010年までの投資額は1兆9800億元であり、これらは共産党中央政府とは別会計である。ちなみに鉄道省の負債額は2011年6月で約2兆900億元(約25兆円)となっている。

中国、鉄道建設に28兆円投資 5年間で 2012.10.9 19:15 MSN産経

 9日付の中国紙、経済参考報は、中国の第12次5カ年計画(2011年~15年)期間中の鉄道建設投資は2兆3千億元(約28兆7千億円)に上る計画だと報じた。

 浙江省温州市で11年7月に起きた高速鉄道追突事故を受けて当初計画(2兆8千億元)よりも5千億元減るが、10年までの5年間に投資された1兆9800億元を上回る額で整備を進める。

 11年に約9万3千キロに達した鉄道の営業距離を、15年には約12万キロに延ばし、高速鉄道の新線建設や、既存の路線の複線化、電化も進める。(共同)


中央政府予算と別枠で使いたい放題の放漫財政と中抜きの汚職という意味では、地方政府の債務問題も同じ文脈にある。地方政府は2011~2015年のインフラ・公営住宅プロジェクト投資で約34兆元(約418兆円)を投じるとの報道が出た。こちらは2006~2010年(16兆6000億元)の2倍以上の水準となる。

中国地方政府のインフラ支出、11-15年に急増へ-経済参考報 2012/09/14 14:16 JST ブルームバーグ

9月14日(ブルームバーグ):  中国の地方政府は2011-15年のインフラ・公営住宅プロジェクト投資で約34兆元(約418兆円)が必要になる見通しだ。

・経済参考報が国家発展改革委員会(発改委)の研究員、羅松山氏の調査を基に伝えた・同紙によれば、これは06-10年(16兆6000億元)の2倍以上の水準

原題:China Local Gov’t Infrastructure Spending to Surge: InfoDaily(抜粋)


地方政府は、直接銀行借入をせず、ストラクチャード・インベストメント・ビークル(SIV)のような簿外債務用の特別目的会社となる開発公社をつくり、そこから約2800に及ぶ地方自治体が約1万社近くの開発公社で公共投資を行った。投資銀行が行ったサブプライムローンと借入手法は変わらない。やり口が同じと知っている投資銀行やアナリストにしてみれば、ポジショントークの正しさに自信は持てる。債権が債務を上回っているのならば。

一例として、武漢市城市建設投資開発集団(UCID)は、従業員は約1万6000人、総資産額は1200億元、銀行借入額は2010年9月時点で685億元、営業キャッシュフローは1億4800万元だ。

これらの地方政府の簿外債務は、10兆7200億元になっている。約80%は銀行からの借入である。これら債務は、2011~2012年までに4兆4000億元、2016年までには3兆2000億元を返済せねばならない。約3割(約2兆5000億元~3兆元)が不良債権化すると云われている。もっとひどい予測もある。これら債務は実際には借り換えることになろう。

中央政府の債務は6兆8000億元で、中国の中央・地方債務を併せた対GDP比は43.9%(地方債務のみならばGDP比26.9%)となっている。地方政府は、最後は中央政府が尻ぬぐいをしてくれると信じている。約3兆ドルの外貨準備がその中央政府信仰の根拠となっている。そもそも平均的な地方政府の収入の約4割は土地の使用権売却によるものだ。不動産バブル崩壊といえども止められる訳がない。取引規制強化がそのまま収入源と担保が持つ信用力の低下に繋がる。民間銀行の不良債権引当率は2008年末に80%、2009年末に155%、2010年末に218%と上昇を続けている。

地方政府はともかく民間商工業者は借入は不可能に近くなってくるから、事実上のヤミ金融に奔る。我が国では個人の信用を細切れにして名義の飛ばし屋が介在する商工ローンが横行したが、あちらでは細切れにした信用不適格な債権を優良債権と併せた商品にして、飛ばしている。またここでも、サブプライム張りの怪しいものが出てきた。正規の銀行融資規模の約8%に相当する約4兆元にまで市場規模があり、1年で約50%ずつ拡大しており、最高利息は70%に達する。となると、夜逃げどころか民族大移動が起きかねない。

ダメだとわかっていても勝負に出なければならないときがあるとすれば、中共のそれこそが今だ。

中国海洋石油のネクセン買収認可未だ下りず

未だに中国海洋石油(CNOOC)によるカナダのエネルギー会社ネクセンの買収案件に認可が下りていない。10月11日の時点で当局が審査期間を30日延長するとの報道があった。

2012年8月25日のエントリーから、むしろアングロ・サクソン各国の中国共産党に対する心証はより悪化して、内政外交・経済・軍事ともに“対中封じ込め”の流れは加速している。

豪州が対中政策を転換したきっかけにリオ・ティント(英豪資本の資源メジャー)をめぐる産業スパイ事件があったが、同様にこのネクセン買収案件の成否がカナダの対中政策の転換のきっかけになるかもしれない。

カナダ・アルバータ州首相は、ネクセン買収に取締役経営陣の半数をカナダ国籍、最低5年間の雇用維持、設備投資計画の維持と研究開発計画の説明責任を課そうとしている。カナダ首相もこれが政策上の問題であることを認めた。一方、前カナダ中央銀行総裁は60%ものプレミアムを乗せて買収しようとしていることから、利益があるとしている。

エネルギーと情報通信に関する米国の対中政策の変化からカナダが認可するか、微妙な情勢になってきた。ネクセンのシェールガス権益を国際石油開発帝石が一部取得していることもあり、我が国としてはこの案件が頓挫することが望ましい。

中国海洋石油の加ネクセン買収、州首相が前提条件の強化要請 2012/10/04 02:44 JST ブルームバーグ

カナダ首相:中国海洋石油のネクセン買収、政策上の問題提起 2012/10/05 16:33 JST ブルームバーグ

中国海洋石油によるネクセン買収承認を-前カナダ中銀総裁 2012/10/11 14:38 JST ブルームバーグ

米大統領の風力発電所阻止は「政治目的」-中国の三一集団 2012/10/19 11:38 JST ブルームバーグ

参考URL:
国際石油開発帝石によるネクセン社からのシェールガス鉱区一部権益の取得にデイビスLLPが関与しました Published: Friday, 10 August 2012 デイビスLLP

カナダ シェールガス開発生産プロジェクト ネクセン社(カナダ)からの鉱区権益取得手続きの完了について 平成24年8月8日 国際石油開発帝石株式会社(PDFファイル)

日米印の鎖による“対中封じ込め”

それぞれ2個の空母打撃群による尖閣諸島をにらんだ西太平洋展開から、インド洋での米印合同演習が相次いで行われた。先だっては東シナ海から南シナ海までの離島奪還を念頭に入れた日米フィリピンなどによる逆上陸演習が行われ、沖縄・普天間基地へのMV-22オスプレイの配備が行われた。

日米同盟と日印安保共同宣言で間接的にインドを米国に引き入れることが出来た。これは小泉政権から麻生政権にかけての成果と云える。

しかも、対中封じ込めの最も弱い円環と見られていたフィリピンへの米海軍・海兵隊の基地整備とローテーション展開とフィリピン海軍の海兵隊によるパラワン島における増強、我が国のフィリピンに対する巡視艇供与、フィリピン政府のムスリム反政府組織との和平枠組み合意は、筆者が約1年前にフィリピンの脆弱性(2012年4月14日のエントリー参照)を指摘したことを考えると、怒濤の速さで進んでいる。

地勢的に反中共だったベトナムに加え、中共寄りだったミャンマーに対する日米英の接近と我が国の迂回貿易構造編入(2012年6月29日のエントリー参照)に向けた対ミャンマー借款の棒引きなど、これらがわずか1年足らずで進行している。ミャンマーを抑えられればバングラデシュにも睨みがきき、タイがポピュリズム(2011年5月17日のエントリー参照)で変動し続けても、カンボジア・ラオスなど親中共の弱小国の出口を海洋国のマレーシアとインドネシアで塞ぐ対処方法は変わらない。

米国の大統領が共和党・民主党いずれになろうとも上下両院は軍事予算の縮小には超党派的に反対するであろうから、対テロ戦争から対中封じ込めの転換は予算面では順調に進むだろう。むしろ問題は経済の潮流や予算面で表れているのに、戦略マインドが変化に追いつかない点にあるかもしれない。

現在、オバマ政権の対テロ戦争からの引き際におけるアラブ・中東政策の消極性が米国の国益を損なう、と共和党側が感じている。そのため、大統領候補同士の第1回ディベートで駐リビア米国大使の殺害事件への対応が争点となった。もちろん全権大使の殺害は戦争事由そのものになり得る。報復をしないからこそ対テロ戦争の終わりとアラブ・中東政策の消極性を如実に示しているだが、この事案は大統領選の行方含め今後どう影響していくのだろうか。

米空母、西太平洋に展開 中国軍抑止へ2個部隊 2012.10.3 06:57 MSN産経

 米第7艦隊は2日までに、海軍横須賀基地(神奈川県)を拠点とする空母「ジョージ・ワシントン」と「ジョン・C・ステニス」を中心とした2個の空母打撃群(空母部隊)を西太平洋上に展開し、警戒監視に当たっていることを明らかにした。アジア太平洋地域で遠洋作戦能力の拡張を図り、動きを活発化させている中国軍の戦略を牽制(けんせい)、抑止する狙いがあるとみられる。

 米太平洋艦隊によると、ワシントン空母部隊は9月11日から19日までグアム近海で実施した統合軍事演習「バリアントシールド2012」に参加。中東に戦力展開するため母港の米西海岸を出港したステニス空母部隊と西太平洋上で合流し、引き続き警戒監視に当たっているもようだ。

 米海軍の西太平洋上での任務は、アジア太平洋地域での抑止力強化を進める米軍の戦略の一環とみられる。紛争地域などに派遣される空母部隊の数は、脅威のレベルの高さに応じて増加するとされており、アジア太平洋地域で、2個以上の空母部隊が合同で任務に当たるケースは珍しい。

 海上自衛隊幹部は「米国は尖閣諸島(沖縄県)など同盟国の領有権問題に深く関与しないというが、何らかの政治的メッセージが含まれているはずだ」と指摘する。

 日本政府による尖閣諸島の国有化をめぐり、中国は公船による領海侵犯に加え、同諸島北方海域に海軍のフリゲート艦2隻を展開。9月25日には「遼寧」と命名した同国初の空母を正式に就役させ、内外に大きくアピールしたばかり。

 米軍は1996年の台湾総統選の際にも、中国軍が台湾海峡で軍事演習により威嚇したのに対し、空母「インディペンデンス」と「ニミッツ」の2隻を現地に急派、中国軍を牽制した。


中国にらみ米空母2隻が初統合演習 インド洋アンダマン海 2012.10.12 20:24 MSN産経

 【ニューデリー=岩田智雄】米第7艦隊は12日、海軍横須賀基地(神奈川県)を拠点とする空母「ジョージ・ワシントン」と米本土が母港の「ジョン・C・ステニス」の空母打撃群(空母部隊)をインド洋北東部アンダマン海に展開し、統合軍事演習を行った。インド洋で影響力を強める中国や混乱が続く中東情勢をにらんだ動きといえそうだ。

 米海軍は、空母2隻がアンダマン海で統合軍事演習をするのは恐らく初めてとしており、「相互運用性の向上に加え、人道支援から戦闘任務に至るあらゆる軍事行動への準備に不可欠だ」と強調した。演習では、飛行訓練や海上、対潜水艦訓練を行った。

 中東に戦力展開するために米西海岸を出港したステニスは、マラッカ海峡を通過してジョージ・ワシントンと合流した。

 中国は、スリランカやパキスタンなどインド洋周辺国で港湾建設に協力し、艦船を展開する拠点の開拓を進めており、米印両国を警戒させている。米海軍は西太平洋上に同空母2隻などを数週間前から展開し、警戒監視に当たっていた。

 一方、中国メディアによると、中国海軍の空母「遼寧」が遼寧省の大連港から12日、初出港した。

共和党が支持するクリントンとはどの時期の彼か

「クリントン元大統領から学ぶことは多い。強力な共和党員としてこう言うのはつらいが、クリントン氏は私の生涯で最も効果的な政権運営した大統領だ」
と、シスコ・システムズのCEOが評価するのは、第1期クリントン政権(1993~1996)の発足当初からか、それとも第1期の中間選挙(民主党大敗・共和党躍進)以降か、第2期クリントン政権(1996~2000)からを指すのだろうか。評価の時期が重要だろう。

次期米大統領はクリントン元大統領に学ぶべき=米シスコCEO 2012年 09月 26日 15:14 JST ロイター

[ニューヨーク 25日 ロイター] 米シスコ・システムズ(CSCO.O: 株価, 企業情報, レポート)のジョン・チェンバース最高経営責任者(CEO)は、次期米大統領について、企業と協力して雇用創出を図り、財政収支黒字化に成功したビル・クリントン元大統領(民主党)にならうべきとの考えを示した。同CEOは、共和党の大統領選候補ミット・ロムニー氏を支持している。

同CEOはロイターとのインタビューで「クリントン元大統領から学ぶことは多い。強力な共和党員としてこう言うのはつらいが、クリントン氏は私の生涯で最も効果的な政権運営した大統領だ」と述べた。

さらに同CEOは「財界はロムニー氏に極めて満足している」と述べたが、大統領選で誰が勝利しても厳しい試練が待ち受けていると指摘した。


当時、第1期の中間選挙勝利の勢いをかって(今回の共和党大統領候補レースにも登場した)下院議長だったニュート・ギングリッチ氏は“アメリカとの契約”を打ち出し、財政均衡予算案を押しまくり、その対立から暫定予算が通らず、同年の冬に政府機関を一時運営停止させたほどだった。

オバマ政権で茶会党が同じ政治的混乱の演出者となった記憶も新しい。

結果、クリントン第1期政権は共和党の主張を丸呑みする形となり、発足当時の保護貿易・国内産業復興の政策を引っ込めてしまい、再選支援と引き替えにウォール街に便宜を図った。1999年のグラス・スティーガル法の一部無効化によってドットコムバブルを引き起こし、不動産バブルまでの流れを余儀なくした。クリントン第2期政権の末期には貿易収支の赤字を第1期開始時の倍にしてしまった。

この時期に経常収支をバランスするために資本収支の黒字が増大したし、資本を呼び込むためにもドットコムバブルに加えてインダストリアル・アメリカの証券化とその売買が盛んに行われ、工業国家としての復活もしくは保護主義への回帰は失敗したのだ。

リターンマッチを挑んだオバマ政権の取り組みは、FRBの金融緩和政策(QE1~QE3)という通貨安によって産業回帰傾向の実を結びつつある。

しかし、産業を担う労働者を支える国民皆保険制度の創設(オバマケア)とまったく連動していないことからも彼の意図しない結果であるのは明らかだ。そもそもオバマケアも現在のクリントン国務長官が大統領夫人であったときのリターンマッチだった。法案の代償は、故テッド・ケネディ上院議員の強固な地盤であった議席を失ったことと、のちの茶会党の活動を勢いづけたことだろう。

ロムニー大統領候補に期待できることは、彼がウォール街の利害代弁者であるという皮肉そのものにある。インサイダーであればこそ、政治資金を提供するウォール街と交渉して、改革の実を挙げることもできるのだ。そのためには金融緩和と財政出動に対して米国民にその重要性を説かなければならないだろう。

民主党と共和党の支持基盤が大きく入れ替わりつつある現状を考えれば、大敗を覚悟で1964年大統領選挙のバリー・ゴールドウォーターの顰みに倣うのも良いかもしれない。バリー・ゴールドウォーターの不変の意志こそがのちのレーガノミックスの先駆となったのだから。

NECがThinkPadを作るカンパニー・ショアリング

NECの縮小均衡が留まるところを知らないのはここではひとまず措く(もちろん大問題なのだが、それはそれ)として、レノボがThinkPadを日米両国で生産する記事を読むにリショアリングの流れも、それ自体留まるところを知らない。

NEC、4─9月期予想を上方修正 当期損益は一転黒字に 2012年 10月 19日 11:51 JST ロイター

[東京 19日 ロイター] NEC(6701.T: 株価, ニュース, レポート)は19日、4─9月期の当期損益予想を従来の240億円の赤字から80億円の黒字に修正した。営業利益予想は従来の10億円から470億円に引き上げた。国内企業のIT投資が堅調に推移し、売上高が従来予想を480億円上回る1兆4480億円になるため。

構造改革効果や液晶ディスプレイ関連の特許売却による影響なども要因。

通期業績予想については「景気の先行き不透明感が増している」ことなどから、変更はないという。


リショアリングでポストチャイナを探る 10年の生産革新がNEC工場にThinkPadを呼び込む 2012年9月11日(火) 日経ビジネス

レノボ、米国初のパソコン製造工場を2013年稼働 2012年 10月 3日 13:46 JST ロイター

リショアリングによる産業回帰が、中共では1000人単位の従業員だった人数が日米では100人単位の従業員と、ささやかな雇用創出と維持に過ぎないとしても、まずは全体として歓迎すべきだろう。工業製品の地産地消が進めば、当然ながら中共は世界の工場の地位を失っていく。台湾メーカーを通じたEMSの受託維持もままならず、民族資本系メーカーが自社開発ブランドによる高付加価値製品への生産移行に失敗していく潮流が予測される。

そもそもThinkPadは初期モデルから現行モデルに至るまで日本国内で企画設計開発を行っている。国内生産のThinkPadの品質には定評があったから、NECパーソナルコンピュータ(米沢事業所)での生産は消費者として歓迎する。となると、これは厳密にはリショアリングというより“カンパニー・ショアリング”と云うべきなのだろうか。

もっとも合弁のLenovo NEC Holdings B. V.(レノボ51%、NEC49%)の出資比率からして、もうすでにNECパーソナルコンピュータはレノボ傘下ではあるが。縮小均衡の落としどころを捜す日本のメーカーと自社ブランドの価値向上を容易に出来ない中国のメーカーの縮図と云える。

カネとモノとヒトが混乱の三重奏を奏でるイラン

経済におけるカネの流れは、人間でいわば血の流れにたとえられるものだ。原油というカネのなる木を持っていても、換金して他の戦略物資(食糧・医薬品など)を手に入れられなければ、木は立ち腐れて果実を食すことはできない。

イランの外貨準備高は、昨年末の1060億ドルから500~700億ドルまで減少したと見られ、年率換算で政府発表20%、実態は50~60%のインフレと云われていたが、1週間で対ドル30%下落となってくると社会混乱が惹起されるのは当然だろう。

輸出入の減少が供給力を弱らせて、モノの流通が滞りインフレを起こしている、と思われる。政府に不満を抱えた国民は、闇両替商から外貨(ドル)を買いあさり、抗議デモの取り締まりにまで発展した。

カネという楽譜が散らばり、モノという楽器が調律できず、ヒトという演者が困惑する三重奏を奏でている。

欧米主導の原油の輸入削減と金融機関の取引停止、再保険の停止など経済制裁が直撃していると見て良いだろう。

アングル:イラン通貨暴落が砕く「学びの夢」、祖国見限る学生も 2012年 10月 19日 12:45 JST ロイター

イラン大統領、「西側の経済制裁には対応できている」 2012年 10月 3日 11:37 JST ロイター

[ドバイ 2日 ロイター] イランのアハマディネジャド大統領は2日、西側による経済制裁で同国の石油関連収入は減少しているが、同国はこれに対応できており、中央銀行は輸入資金調達に充分な通貨を供給していると述べた。

リアルの対ドル相場は2日、過去最安値を付け、リアルの価値は過去1週間で約3分の1低下した。国民はパニックに陥り、高インフレとこれ以上の通貨価値目減りを回避しようと外貨への交換を急いでいる。

アハマディネジャド大統領は記者会見で、上半期の同国輸入が260億ドルで、前年同期の290億ドルをわずかに下回ったと指摘したうえで「輸入に必要な通貨は、すべて中銀が提供している」と述べた。

大統領は、敵国が同国に「心理戦」を仕掛けているとし、「敵国は我が国の石油輸出を押し下げることに成功したが、われわれはそれを相殺できるだろう」と付け加えた。

イランの財界や一般市民からは、通貨危機の責任は政府にあるとの声がでており、議会でも反大統領派が大統領を批判している。

リアルは過去1年以上にわたって下落し続け、2011年6月以降で約3分の2の価値を失った。政府は9月24日、一部基本的品目の輸入業者にドルを供給することを目的とする「為替センター」を立ち上げたが、企業からは同センターがドル需要を満たしていないとの不満の声が上がっており、リアル相場の下落に拍車がかかっている。


テヘランで通貨暴落の抗議デモが警察と衝突、闇市場で逮捕者も 2012年 10月 4日 09:31 JST ロイター

[ドバイ 3日 ロイター] イランの首都テヘランで3日、通貨リアル急落に抗議するデモがあり、機動隊と衝突した。また、闇の両替市場では業者らが逮捕された。目撃者が明らかにした。リアルの対ドル相場は過去1週間で約40%下落している。

デモ隊は、アハマディネジャド大統領を「売国奴」と非難しながら抗議。警察側はデモ隊制圧に催涙弾を使用した。闇の両替業者への取り締まりも行われ、多数が逮捕されたという。

核開発疑惑をめぐる経済制裁でイランの原油輸出収入が減少し、中央銀行が相場を下支えする能力も低下する中、リアルはこのところ、対ドルでほぼ連日最安値を更新している。

在テヘランの西側外交官は、誰もがドルを入手したがっていると指摘し、「両替商や投機家の取り締まりに警察を動員するという大統領の発表は何の役にも立たない。市民の不安はさらに大きくなっている」と語った。


たとえばイランとしては、戦費を賄うに内債を発行するのか、貨幣を発行するのか。通貨の信任に対する暴動がやぶれかぶれの反乱になりかねない。ただし、ほかのアラブ・中東諸国と比べて若年層人口が少なく革命・内戦までには発展しづらいだろう。

しかも今回は軍事的行動をするのにあたって、シーア派政権となったイラクと戦端を開く訳ではなく、主たる戦場はホルムズ海峡のシーレーン封鎖であり、まともな海軍のないイラン軍と革命防衛隊に実際の戦闘は不可能だ。

経済制裁を主導する米国からの空爆は考えにくい。ただ、イスラエルは単独空爆するオプションは捨てていない。そのときの反撃たるや、やられたら何かやらないよりはマシだと、微々たる形でのテロか、かつてのイラクのフセイン大統領によるスカッド・ミサイル攻撃の再現など、竜頭蛇尾に終わる。行き詰まりを打破するには敢えて核兵器開発を加速した方が良い、との政治的判断を採るかもしれない。

去年12月14日のエントリーでは、イランは自ら内政外交の両面で局面打開ができず弱体化する可能性があると考え、
「イラン国内の閉塞状況が社会的な自家中毒に陥ると、既得権益層内での権力抗争、つまり法学者と革命防衛隊の対立などから、それ以外の国民に対米戦争を歓迎する空気が醸成される」
と、書いた。そのシナリオが実現性を帯びてきた。

もしくは核兵器保有(核実験の成功が条件)により、北朝鮮やパキスタンのような内向きの貧しい安定(裏返せば慢性的な政治経済不安定)の状況に陥るパターンも想定範囲に入ってきた。

自由のせめぎ合いが絶対君主を生んだ

欧州では、各国の資本主義の進展によって異なるが、ブルジョワの勃興が絶対君主を生んだと言える。ブルジョワの台頭初期の国家における絶対君主の役割とは、その権力の集中によって彼らの生命と財産の自由を擁護することだった。

しかし、ブルジョワの台頭そのものはさらなる自由のせめぎ合いへと発展し、王権を制限する政治的闘争へとつながった。

では、ブルジョワが勃興しなかった国・ロシアでは絶対君主制をどう受容していったか。それが現在に至るまでどう影響しているのか。未来はどうなるのか。

ロシアの首相がフェイスブックのCEOに国内投資を呼びかける記事に際して、改めて各国の歴史から比較・検討してみたい。

ロシア首相、フェイスブックCEOに国内投資を呼び掛け 2012年 10月 2日 09:01 JST ロイター

[ゴルキ(ロシア) 1日 ロイター] ロシアのメドベージェフ首相が1日、米フェイスブック(FB.O: 株価, 企業情報, レポート)のザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)とモスクワ郊外で会談し、同国のIT(情報技術)産業への投資を呼び掛けた。

メドベージェフ首相は、ロシアの国内産業について「石油やガス、金、ダイヤモンドだけでなく、IT産業もあることをご存じだろう」と、笑顔でザッカーバーグCEOに説明。

同席したニキフォロフ通信情報相によると、フェイスブックがロシアにリサーチセンターを建設する計画も話し合われたという。

ロシアの世界的なIT企業には、検索大手のヤンデックス(YNDX.O: 株価, 企業情報, レポート)やアンチウイルスソフトのカスペルスキーなどがある。

ザッカーバーグCEOもフェイスブック上で、メドベージェフ首相との会談は「良好」だったと述べ、赤の広場の聖バジル大聖堂で撮った自身の写真を投稿した。


英国は、イングランドとスコットランドの同君連合になったスチュワート朝の頃には、教会財産を入手した新興のブルジョワがジェントリ、ヨーマンとして台頭、旧来の貴族や大地主とも利害調整を進めていく。その過程で新規課税により王と議会は対立、ピューリタン革命を経て護国卿クロムウェルの独裁となり、最も早くブルジョワが産業資本へと変貌する。

フランスは、ブルボン朝が誕生し、ナントの勅令以後の重商主義政策によって商業的ブルジョワが台頭、旧来の貴族は王権に吸収、ルイ14世に最盛期を迎え、ルイ16世の治世までに財政問題が解決されず、新規課税のために三部会が召集され、これが大革命へとつながった。その時点でも商業資本が主流であったため、ブルジョワの力が弱く、その後も帝政から王政復古や幾度かの革命を繰り返しながら、第二帝政の頃までに産業資本が形成されていく。

オランダは、スペインからの独立戦争を戦うが、これ自体が商業的ブルジョワの王権への反抗であった。ブルジョワを基盤とするホラント州の貴族と農民を基盤とするオラニエ公との利害対立を軸に世界最初の自由貿易国家が誕生するが、商業的ブルジョワの限界から、ウィリアム3世以降は英国に従属していくことになる。

ドイツは、三十年戦争の惨禍により、国土が分裂・荒廃してブルジョワの育成条件を大きく欠くことになった。それ故に国家意志の自由(つまり軍事力)を作り出すための資本主義発生が遅れることになり、自由の名の下に啓蒙専制君主が登場、ユンカー制度は固定化されて、思想界では合理主義を忌避した“疾風怒濤”の感情が巻き起こるものの、観念的な大陸思想が醸成され、ブルジョワの台頭と産業資本の形成はドイツ統一の進展と並行していく。

ロシアは、大空位時代ののち、1613年にロマノフ朝が誕生する。アレクセイ帝(厳密にはロシアのツァーリ)のときは地主と農民は契約関係であったが、ピョートル大帝(ここからインペラトール)のときに人頭税導入によって土地に縛られ、啓蒙専制君主として名高いエカテリーナ女帝のときに完全な農奴制となった。

ロシアの農奴制は、英国のエンクロージャーによって逐われた農民が賃金労働者となったのとは真逆である。当時のスウェーデン、トルコ両帝国に対抗する国力を得るためにブルジョワのまったくいない国家においては、こうした逆コースもやむなしであったかもしれない。そして、ブルジョワも産業資本が充分に育たないまま、第1次大戦と二月革命と十月革命を迎える。

新規税収とイノベーションの源にして国力を増大させる原動力たるブルジョワ(のちの産業資本、今で云えば企業家)が存在しない国々では、上からの近代化を進める絶対君主=啓蒙専制君主が現れたが、今に至るまでロシアを悩ませる決定的な歴史上最大の失敗は資本主義を経ないで共産主義に移行したことだった。

資本主義を経なかったロシアは、イノベーションを担う企業家精神とそれを守る法秩序が欠如している。これらは中韓も同様だ。そして、中共が均一化された労働力、もしくは均一化の選別に耐えうる労働人口さえあれば、資本主義の精神がなくとも、先進国の資本と技術によって近代化されうる実証例となった。

ロシアはただそれに倣いたいだけなのだ。プーチン大統領は自動車産業を、メドベージェフ首相はIT産業を誘致したい違いがあるだけで思惑は変わらない。

その倣いの先に拡がるのは生命と財産の自由がなく、言論と信教の自由がなく、また集会と結社の自由がない、ツァーリと大貴族とコサックと農奴が存在したロシアの歴史の変奏曲となる可能性は高い。

フィリピンに見る“対テロ戦争”から“対中封じ込め”

フィリピン政府は、「モロ・イスラム解放戦線」(MILF)との間で「ムスリム・ミンダナオ自治区」(ARMM)を自治政府に格上げする和平枠組みに合意した。フィリピンにおけるイスラム原理主義の過激派との対テロ戦争を終結させて、同政府は対中封じ込めへと注力することになる。

去年11月18日のエントリーの時点で、中共は自ら主張する第一列島線と第二列島線を巡る攻防で劣勢を強いられているため、インドネシアとフィリピンのイスラム原理主義の過激派を後援する他ないだろう、と筆者は考えていたが、またもや米国に先手を打たれた。さらに豪州とインドネシア(ある意味では日本)の勢力圏も固まっているため、アチェ独立などで後援するのも難しいだろう。

さて、対テロ戦争とグローバリズムはともに手を携えながら、冷戦終結後の世界を形作ってきた。

しかし、中韓の反日やアラブの反米はグローバリズムからナショナリズムへと日米が向かう反作用の中で起きている現象と云える。もはやグローバリズム=新自由主義=アメリカナイゼーションは終わったのだ。

グローバリズムとは、経済的には冷戦終結後の中国を舞台にした日米資本主義の決戦だった。米国は“消費する帝国”として君臨しつつ、繁栄を謳歌した。日本は迂回貿易をしつつ、円キャリートレードで世界中にバブルをまき起こし崩壊させた。日米の痛み分けで漁夫の利を中共が得たように思われるが、既にバブル崩壊が進んでいる彼らは次の確たる一手が見出せていない。

政治的には米国は対テロ戦争を主導し、NATOの独仏などもイラク戦争では反米の姿勢を打ち出した。しかし、無遠慮な軍事介入と受け取られ、怨嗟の的となっていたにも関わらず、欧州も日本も新興国もすべてが米国の際限のない消費によって少なからず恩恵を受けた。貿易量をまさしく倍増させたのが、この対テロ戦争の裏面なのだ。

各国は思想的には批難することで、経済的には生産することで以て米国に依存していたことを忘れてはならない。これは名誉あることに対中、対韓では我が国も当てはまる。奇妙なこの物質と思想における生産と消費の相互依存を解消する日が来た。

オフショアとアウトソーシングはリショアリングと内製化へと逆回転を始めている。現在の中共の繁栄は、その日米資本主義の決戦における両者の廉価な労働力の供給源として見出されたからに他ならない以上、反動が中共の政治外交及び軍事的圧力へと変化する。

本質的には、米国が戦争を欲しているからではなくて、グローバリズムからナショナリズムの反作用として戦争が起きるのだ。つまり、中共がその過剰供給力を軍備へと蕩尽させることによって。もちろん米国の1950年代の繁栄の源は、大恐慌からつづいた過剰供給力の問題を戦争によってフル回転させ、かつ日独の供給力を奪い去ったことでもたらされた。支那大陸が内戦と外征で同様の惨状になったとしても米国の不利益にならないことは確かだ。

現在の米国は国民国家への回帰を求めてむしろ足掻いている。現実的に帝国として世界中から資本を集める方が安易でもあり、産業を復興する国民国家への回帰は難しいからだ。

クリントン政権は、最初は保護貿易の対日圧力を強め、国内産業復興とそのための背骨となる国民皆保険制度を進めたが中間選挙に敗北して、安易に金融経済への傾斜を強め、“消費する帝国”として終わった。

リターンマッチを挑んだオバマ政権の取り組みは、FRBの金融緩和政策(QE1~QE3)という通貨安によって産業回帰傾向の実を結びつつある。しかし、産業を担う労働者を支える国民皆保険制度の創設(オバマケア)とまったく連動していないことからも彼の意図しない結果であるのは明らかだ。対中封じ込め自体はリショアリングのためとも言い切れない。

のちに対中封じ込めとナショナリズム(国内への産業回帰)が連動していたと分かるのかもしれないが、判別するのは時期尚早だろう。

対中国の拠点にパラワン島 米と比が基本合意 米軍の後方支援施設を整備 2012.10.6 01:21 MSN産経

 【シンガポール=青木伸行】東南アジア軍事筋によると、米国、フィリピン両政府は5日までに、フィリピン南西部パラワン島を対中国の最前線基地と位置づけ、米軍の拠点とすることで基本合意した。米海兵隊をローテーション展開し、米軍に対する後方支援施設を整備するほか、合同訓練の頻度を増やす。北部ルソン島のクラーク旧米空軍基地を含め、他の後方支援施設の選定も急いでおり、対象は広域にわたっている。

 米軍はアジア・太平洋地域で海兵隊のローテーション展開を開始しており、パラワン島はその拠点の一つとなる。中国と領有権を争う南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島と、中国がレーダー施設を完成させ実効支配するミスチーフ環礁に近く、要衝だ。

 米海兵隊の拠点となるのはパラワン島のウルガン海軍基地。これまでも米比合同軍事演習の際、両軍の海兵隊による上陸訓練に使用され、沖縄の米海兵隊も参加してきた。海兵隊の展開と並行し、プエルトプリンセサ、サマリニアーナ空軍基地、バラバック島などの施設も整備し、後方支援機能をもたせる。偵察機も配備される見通しだ。

 パラワン島以外では、両政府は米艦船の修理や燃料、食料の補給拠点として、ルソン島のスービック旧米海軍基地を使用することで基本合意している。このほかクラーク旧米空軍基地、ポロポイント海軍基地(ラウニオン州)、ミンダナオ島サンボアンガ、フィリピン最北端のバタネス諸島などの施設の使用、整備が検討されている。

 一方、合同軍事演習は4月にパラワン島の周辺で定期合同演習「バリカタン」が、7月にはミンダナオ島で「協力海上即応訓練」(CARAT)が、それぞれ実施された。今後は演習を増やす方針で、今月8日からは11日間にわたり、パラワン島の周辺海域を舞台に、米軍から駆逐艦、潜水艦、強襲揚陸艦など少なくとも7隻、兵員2600人、フィリピン軍から1200人が参加しての演習が行われる。このうち2隻の米駆逐艦は演習に先立ち、スービック港に入港する。


新自治政府2016年に発足 比政府とイスラム武装勢力、40年超の紛争に和平合意 2012.10.7 19:19  MSN産経

 【ジャカルタ=青木伸行】フィリピン政府と、南部ミンダナオ島を拠点とする反政府武装勢力「モロ・イスラム解放戦線」(MILF)は7日、和平の枠組みに合意した。既存の「ムスリム・ミンダナオ自治区」(ARMM)の領域拡大を認め、2016年までに新自治政府へ移行し、「移行委員会」を設置して、新自治政府の統治機構と「基本法」を策定することが柱だ。

 軍とイスラム武装勢力との紛争が40年以上続き、十数万人が犠牲になったとされるミンダナオ問題は新たな局面を迎えたといえる。

 双方の和平交渉は2日から、仲介国マレーシアの首都クアラルンプールで、日本などもオブザーバーとして参加し続けられていた。交渉の焦点のひとつは、MILF側が要求するARMMの領域拡大を、政府側がどこまで認めるのかという点にあった。

 ARMMは1990年に住民投票を経て発足し、南ラナオ、マギンダナオ(以上ミンダナオ島)、スルー、タウィタウィ、バシラン(以上スルー諸島)の5州などで構成されている。これに今回の枠組み合意では、自治区の領域にミンダナオ島中部コタバト市と、バシラン州イサベラ市を加えることとした。

 MILF側は2市以外にも、複数の州などを編入するよう主張していたが、これについては結局、住民投票を今後、実施し民意に委ねることで落ち着いた。

 双方はまた、新自治政府への移行へ向けたロードマップ(工程表)も作成した。具体的には、(1)政府とMILFのメンバーで構成する移行委員会を設置する(2)2年間で新自治政府の統治機構と基本法を策定する(3)そのうえで基本法を住民投票にかける-などだ。

 だが、不透明な点や課題は多い。一例を挙げれば、ミンダナオ島の豊富な石油や天然ガスの開発権などを、中央政府が新自治政府に一部移譲するか否かという問題がある。MILFの軍への編入、武装解除の行方も不明だ。

 また、政府との徹底抗戦を主張し、MILFから離脱した強硬派「バンサモロ・イスラム自由戦士」によるテロが、激化する恐れもなしとしない。



 モロ・イスラム解放戦線(MILF) フィリピン南部ミンダナオ島の反政府武装勢力。政府との和平へと向かう「モロ民族解放戦線」(MNLF)に反発する分子が1970年代に分派し、84年に結成された。活動拠点の「キャンプ・アブバカル」には、ジェマ・イスラミア(JI)や国際テロ組織アルカーイダ系の訓練キャンプもあったとされる。97年から政府との和平交渉を始め、決裂と戦闘を繰り返していた。

“反米国家”ベネズエラを支える米国

ベネズエラ大統領選で反米で名高いチャベス大統領が4選を果たした。任期は2019年までとなる。ベネズエラは、米国に政治経済及び文化で近付きすぎた国家群の類型のひとつとして見ることが出来る。

年度ごとの違いはあっても、米国が輸入している原油の約10%はベネズエラから、ベネズエラが輸出している原油の約50~60%は米国へ、というデータを踏まえないと、この二国の特殊な関係性は語れまい。

ベネズエラは反米を唱えながら、その実際は米国に経済的に依存している。また文化的にも米国の影響は色濃い。たとえばサッカーの盛んな中南米各国で、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の出場国に名を連ねるのはメキシコ、プエルトリコ(米国の連邦自治区)、キューバ、ベネズエラである。中南米諸国の反米の度合いはその歴史的経緯、政治経済的依存度、文化的影響度の多寡に左右されていることが分かる。

話を戻すと、ベネズエラの手厚い社会保障政策の原資は米国民の財布から出ているのが現実だ。チャベス政権は国家予算の約40%を社会保障に回し、乳児死亡率の減少、初等教育の充実を達成した。これは功績と云って良い。

はて我が国の資本財と基幹部品に依存している、どこかの半島国家や大陸国家を彷彿とさせるが、ベネズエラは米国を汚く口で罵っても実効性のある反米政策は採ってこなかった。一線を踏み越えさえしなければ、米国も対抗策を採ることはないだろう。

そもそも社会保障政策の原資を増やそうと思えば、それだけ原油生産量を増やさざるを得ず、日量1000万バレルを突破したサウジアラビア、ロシアと同じく増産の列に続くことになれば、それだけ共闘するイランの首を絞めることになる。その意味においても米国は対抗策を採ることはない。

ベネズエラ大統領選 野党、チャベス氏を猛追 反米の盟主ピンチ! 2012.10.3 22:18 MSN産経

 【ニューヨーク=黒沢潤】南米の産油国ベネズエラで7日、大統領選が行われる。4選を目指す反米左翼チャベス大統領(58)が戦いを優位に進めているが、主要野党統一候補のカプリレス前ミランダ州知事(40)が激しく追い上げ、両者の差は縮小傾向にある。政権交代は中南米地域における反米勢力の“盟主”の退場を意味するだけに、米国や域内各国は選挙の行方を注視している。

 チャベス大統領は前回選(2006年)では得票率63%で圧勝した。今回は主要世論調査によれば、カプリレス氏に対し10ポイントほど優勢だが、カプリレス氏は終盤に入って猛追している。

 約14年間にわたり、独裁体制を敷いてきたチャベス大統領は、豊富な石油資源を背景に衣料や教育の無償化、貧困層への住宅提供や現金支給など、広範な“バラマキ”を実施してきた。

 しかし年間のインフレ率は30%近くへと上昇。相次ぐ企業の国有化で、産業界からは反発を買っている。

 マフィア同士の抗争などを除く殺人事件は昨年、前年比約30%増の約1万9千件に達した。昨年確認された誘拐事件も1999年の政権発足時に比べ26倍(1150件)で、治安悪化への国民の不満は小さくない。チャベス大統領は過去数回、腫瘍摘出手術も受けるなど、健康不安ものぞかせている。

 一方、25歳で政界入りし、若くして国会議長も務めたカプリレス氏は基本的に市場重視派だ。ただ、国営石油会社(PDVSA)を早急には解体せず、財務・運営面で政府からの独立を強化させていく方針。油田開発分野で外国投資も積極的に受け入れ、日量300万バレル弱の現在の石油生産を倍増させたい考えだ。

 石油資源をもとに貧困対策も当面は堅持し、政権交代に伴う急激な社会変革は回避する意向とみられる。

 政権が交代した場合に注目されるのは外交政策だ。

 ベネズエラはキューバ、ニカラグア、ボリビア、エクアドルといった中南米の反米諸国の急先鋒。しかし「(カプリレス政権誕生なら)6カ月以内に駐ベネズエラ米大使が復帰するのは確実」(ベネズエラ・オリエンテ大学の米国人教授スティーブン・エルナー氏)とされるなど、対米関係改善が劇的に進む見通しだ。

 さらに、石油提供などの見返りに維持されてきた中南米地域の反米同盟は、“盟主”を失うことで存在基盤を弱めることになる。チャベス政権の経済支援に頼ってきた中南米諸国も、政権交代の影響を免れることはできない。

 ベネズエラは、核兵器開発疑惑で国際社会から非難を浴びるイランとも共闘してきた。アフマディネジャド大統領は今年2回、ベネズエラを訪問し、共闘姿勢を再確認している。


チャベス大統領が4選 ベネズエラ大統領選 2012.10.8 11:59 MSN産経

 【カラカス=黒沢潤】南米の産油国ベネズエラの大統領選は7日投開票され、チャベス大統領(58)がカプリレス前ミランダ州知事(40)を破って4選を果たした。

 中央選管によれば、チャベス氏の得票率は54.43%、カプリレス氏は44.47%。開票結果が発表されると、カラカスではチャベス大統領支持派が数カ所で一斉に巨大な花火を打ち上げ、歓喜の声を上げた。

 チャベス大統領はこれまで3期にわたり、貧困層への“バラマキ”政策で貧困層から絶大な支持を得た。4選を決めたことで、在職期間は2019年までの計20年間に及ぶことになる。

 一方、カプリレス氏は、国営石油会社(PDVSA)への民間投資導入や、企業の国有化反対を訴えるなどして中産階級への浸透を図ったが、当選は果たせなかった。


チャベス政権の歴史的役割は、メキシコ革命(1910年~1920年)、もしくはキューバ革命(1953年~1959年)を彷彿とさせる。両革命は、米国の利害関係から脱却しようとする内戦と米国からの軍事介入をはねつける戦いでもあった。

メキシコにおいては、最終的に革命の成果を制度的に擁護する、制度的革命党(PRI)が結成され、事実上の一党支配となる長期政権によって、内戦は終結した。政策的には1934年、ラサロ・カルデナスが大統領の座に就き、1937年の鉄道国有化、1938年の石油産業国有化(これは米国のサウジアラビア進出にも影響を与えた)によって完成した。

つまり、超長期的な視点からベネズエラの未来を予測すると、約30年~50年後、キューバのように反米のまま推移することで満足し続けるか、メキシコのように利権構造の硬直化によって腐敗が進み、中間層が左派リベラル的な政策の転換を求め、米国とNAFTAのような自由貿易協定を締結する。そんなふたつの選択肢が見えてくる。

参考URL:
『ラテンアメリカの一次産品輸出産業 ―資料集 ―』 ベネズエラの石油輸出 アジア経済研究所 2006 年

“ニューノーマル”を受け入れる米国の富裕層

左の「ウォール街を占拠せよ」運動を主導したのは、オバマ大統領誕生に貢献しながら、その後就職先に恵まれることのなかった元学生たち、と云って良い。彼らが学んでいたのもITや金融に関してであって、今さら専攻を変える学資ローンもない。そう、自分たちもウォール街に就職して、投資銀行のディーリングルームで働いたり、ベンチャーのIPOに一枚加わりたかっただけなのだ。

1%になれると信じていた、すくなくともその機会が与えられると信じていた人たちが99%のまま1%の機会の門前を閉じられてしまったことが激情につながっている。

本質的には1%を打倒して富の平準化をもたらしたいのではなく、まず出発点として1%に加わりたい欲求があり、そのために1%の富を合法的なディールで増やして分け前に預かりたいか、ディールにおけるゲームで勝って奪い取りたいか、ならば最低限1%になれるための機会を与えて欲しい、つまり投資銀行の中のディーリングルームの席が欲しいという思惑が彼らにあることを忘れてはならない。

米富裕層は1年前より資産管理に自信、投資は保守的スタンスが後退=調査 2012年 09月 27日 15:03 JST ロイター

[27日 ロイター] メリルリンチ・グローバル・ウェルス・マネジメントが発表した半年毎の調査によると、米国の富裕層は、1年前と比較して資産管理に自信を強めている一方、投資については保守的スタンスが後退している。

 富裕顧客担当部門の責任者、テッド・ダーキン氏は、富裕層の投資家は、大統領選、財政の崖、欧州危機の先行き不透明感などの影響で今後不安定さが増すことは認識しているものの、資産管理に自信を持っていると指摘した。

 これは、自身の姿勢の変化が一因になっているという。

 調査は8月に、25万ドル以上の投資資産を持つ1000人を対象に実施されたもので、「以前より収入に応じた生活をしている」、「投資について配偶者と一緒に決めることが増えた」、「将来の具体的な目標を立てている」といった回答が多かった。

 また、今年の投資アプローチは保守的との回答は30%で、2011年の36%、2010年の50%から減少した。

 これは、経済状況の具体的な改善というよりも、投資家が不安定な状況に慣れたことが一因と考えられる。回答者の約半数は、経済の先行き不透明感は今後しばらく続く「ニューノーマル」との見方を示した。


景気が良かったから、今までそうした不満や激情が噴出しなかっただけであって、事態は元から深刻だった。2001年の時点で米国の全世帯のトップ1%が全米の資産の33.4%を、次の4%が25.8%を保有していた。

つまり、ウォール街は全米のトップ5%をハッピーにすれば、6割の富を動かせ、利潤も出せた。10%ならば7~8割だ。その富にレバレッジを掛ければ世界は如何ようにでも動いた。ウォール街が永遠に我が世の春を謳歌できると思っても無理はない。そう、リーマン・ショックまでは。

ショックはともあれ、富裕層はバッファーとしての富がもともとあり、ショックの背景を知る上で不可欠な情報の入手も早いし、必然として資産を守るための対応も早くなる。

上記の記事は、今後の先行き不透明感を“ニューノーマル”と名付けている。不透明な中でもっとも実現可能性の高い先行きは“財政の崖”だ。経済は政治的妥協がない限り、奈落の深淵を見つめながら、悪くすると底へ落ちる展開だ。

“ニューノーマル”とやらの正体は詰まるところ、我が国が先行して突入したデフレ経済に他ならない。デフレ下での富裕層は共産主義革命や対外戦争の敗北による利害関係の完全な変更が起きない限り、むしろディフェンシブな投資でも生活は安定的になる。ディフェンシブな範囲さえ、わきまえていれば投資アプローチの一部はアグレッシブに回せる。しかも実際のデフレ下の投資マインドと投資アプローチの先例は我が国が経験済みなのだから、それに倣うだけでも良いのだ。

米国への産業回帰、リショアリングは端緒に就いたばかりだ。デフレ下での米国の中間層は、消費性向に国民性の違いはあれども、我が国の“いざなみ景気”の実感なき好景気を味わう。アウトソーシングとオフショアリングで、彼らの労組に守られた雇用と賃金体系は破壊されており、新しい非正規雇用と低賃金の差額は富裕層に配当として還元されるだろう。

米国の富裕層のマインドとアプローチがデフレに対応し始めており、それに連動する金融業界もデフレ下の投資行動を軌道に乗せれば、業界の採用姿勢も変わり「ウォール街を占拠せよ」運動を主導した元学生が希望の職にありつけるかもしれない。そのとき、運動の方向性はより先鋭化して、国民の支持や関心を得ないものへと変質していくのではないだろうか。

ホルムズだけでなくすべての海峡を綱渡りする韓国

米国財務省は、イラン国営会社(NIOC)は“武器拡散とテロ、人権侵害に関与している”とされるイスラム革命防衛隊(IRGC)と随意契約を締結している「代理または傘下の組織」と断定、今後NIOCと取引した外国の金融機関はコルレス口座の閉鎖などの経済制裁対象とされることになった。となると、制裁法の強化にはアザデガン油田開発で日本企業とコンソーシアムを組んだナフトイラン・インタートレード会社(NICO)も含まれるだろう。

また、超党派のイラン銀行・石油セクターへの制裁法案も上程される見通しだ。法案は、エネルギーセクター全体をブラックリストに掲載、EUに続いて同国向け銀行間取引・保険及び再保険サービスの提供も禁止する。例外は、食料・人道支援と、認められた枠量での石油輸出のみ。

米共和党上院議員、新たな対イラン制裁法案を策定中 2012年 10月 9日 11:40 JST ロイター

イラン、国営石油会社と革命防衛隊の関連を否定 2012年 09月 26日 12:52 JST ロイター

米政府:国営イラン石油は革命防衛隊と関連と報告へ-関係者 2012/09/24 16:09 JST ブルームバーグ

韓国SKエナジー、イラン産原油の輸入を再開 2012年 09月 21日 16:08 JST ロイター

韓国石油精製会社、9月からイラン産原油の輸入再開 2012年 08月 20日 16:31 JST ロイター

各国はイランの海運セクターへの警戒強めるべき=米政府高官 2010年 08月 16日 16:52 JST ロイター

米政府:対イラン制裁を強化-中国とイラクの銀行2行が対象 2012/08/01 15:51 JST ブルームバーグ

オバマ米大統領が新たな対イラン制裁発動、外国金融機関が対象 2012年 08月 1日 13:14 JST ロイター

米、イランのタンカーを制裁対象に追加-すり抜けを阻止へ 2012/07/13 10:14 JST ブルームバーグ

米国は対イラン経済制裁の一環として、イラン産原油の輸入削減を各国に求め、またEUもイラン産原油輸入の船舶に対する欧州内の保険会社による再保険引き受け停止を決定した。再保険は事実上、欧州の保険会社が独占しているため、米国の制裁による削減枠達成に関わらず、保険が掛けられなければ全面的に輸入できなくなった。これが韓国にとってボトルネックとなった。

我が国では、これに対処するため国内保険会社が再保険のうち「船体保険」「貨物保険」を各社共同で引き受け、また政府が再保険のうち「油濁保険」について補助を与えることにした。中国やインドも同様の対応を採っている。ただし、各国の保険会社の規模や政府の予算上限により、補償金額は充分ではない。その分、タンカーの配船は滞らざるを得ない。

それでも韓国よりはマシだった。韓国は国内の保険会社による再保険の引き受けも政府補助もできなかった。つまり韓国の場合、金融も政府もカネがなかったばかりにイラン産原油の輸入を全面停止せざるを得なかった。ヘベイ・スピリット号原油流出事故を想起すれば、助け船が出ないのも当然だが。

このボトルネックを解消するための韓国の処方箋は、イラン産原油をイランのタンカー傭船で、イランの保険会社を主なメンバーとする船主責任相互保険組合(Kish P&I)が保険を掛けて、韓国の精製会社2社「SKエナジー」「現代オイルバンク」に輸出・引渡しする、という韓国だけに都合の良いものだった。しかし、これはかなりの綱渡りと言える。イランの保険会社の規模を考えれば、実態はイラン中央銀行(CBI)による保険の保証とならざるを得ない、もちろんCBIは制裁対象となっている。

イランのタンカーを運営するのは主にイラン国営タンカー会社(NITC)であり、NIOCの元子会社で12年前に民営化されたが、株式は政府が握っているとして、米国は制裁対象としている。タンカーのオペレーションはイラン国営海運会社(IRISL)が行っているが、これも制裁対象である。EU加盟のマルタに籍を置くIRISLの直接・間接の子会社も制裁対象とされている。いずれ便宜置籍船にも制裁の網にかかるのは避けられないだろう。

配船に保険を掛けるイラン船主責任相互保険組合(Kish P&I)には、国外の船主などのメンバーも参加可能である。Kish P&Iは制裁対象でなく、また組合の業務に当たる企業も制裁対象になってはいないが、組合か業務代行企業が制裁対象となり、次の成り手が手を挙げないだけでも韓国の原油輸入は頓挫する可能性が出てくる。

ロシア、日量1000万バレルは望まれたものか

9月のロシア原油生産が日量1000万バレルを超えた。ロシア、イラン両政府ともに、予算上の要求を満たすには原油1バレル当たり115ドルが必要とされる。ロシアの輸出を担う一角は軍需産業で供給先にイランも含まれるが、最大の稼ぎ頭であるエネルギー産業の経済活動が政治的にイランを追い詰めるとすれば皮肉この上ない。

なぜこうなるのか、少しロシアの歴史から考えてみたい。

もともとロシアの源流は、10世紀ごろに現在のウクライナにあったキエフ大公国(別称はキエフ・ルーシ)で、13世紀になるとモンゴル人に征服されキプチャク汗国(別称はジョチ・ウルス)によるタタールの軛に入った。

ウラジーミル大公国が汗国から冊封されるうちにキエフ府の主教座を奪うかたちで台頭して、のちイヴァン1世のときにモスクワへと居を構え、モスクワ大公国(別称はモスクワ・ルーシ)となった。そして、かのイヴァン雷帝の時代にロシア帝国(当時の称号はツァーリ、ピョートル大帝以降はインペラトール)となった。

このイヴァン雷帝の治世下、大貴族ストロガノフ家(ビーフストロガノフはこの一族が由来)は所領を与えられ、シベリアの語源となったシビル汗国の征服に乗り出した。コサックの頭領イェルマークを支援し、1581年に出征させる。イェルマークは汗国の征服途上、敗死するがコサックは歩みを止めず、1648年にシベリア東端に到達し、1701年にカムチャッカ半島を征服するまでに到り、さらにはアラスカ、カリフォルニアにも進出した。

司馬遼太郎は、エッセイ『ロシアについて 北方の原形』のなかで16世紀以降のロシアを以下のように叙述している。

16世紀末からロシアの国土はウラル山脈東方に大きく膨れあがった。シベリアという大地(広大すぎる未開の領土)を得たことは、それ以後の国家存立に影響を及ぼした。以前のロシアとは力学構造が変わってしまったのだ。

巨人の身体にたとえるべきか、この巨人は左腕が長大になった。シベリアが長大な左腕にあたり、ウラル山脈がその腕の付け根を成す左肩にあたる。欧州に属するかつてのルーシという短い右腕を回して長大な左腕を掻こうとする場合、絶えず不自然な行動をせざる得なくなった、と。

この叙述を中高生の頃だかに読んだが大人になったとき、ふと想い出してすべてに合点がいった。

つまり、ロシアのボトルネックとは、その広大な国土ゆえのインフラの弱さである。特にウラル山脈の西側と東側の人口比重の違い、シベリアに偏ったエネルギー資源の分布比重の違いがそこに拍車を掛ける。これが過度のエネルギー資源に依存した経済構造と効率性の悪さ、所得格差と男性の平均寿命低下・人口減少を生じさせている。

9月のロシア原油生産は前月比0.3%増、ソ連崩壊以降の最高に 2012年 10月 2日 18:03 JST ロイター

ロシアの投資家グループ、英BP保有のTNK─BP全体の取得を提案へ 2012年 09月 27日 10:56 JST ロイター

露ガスプロムと日本企業連合、LNGプラント建設で合意へ=関係筋 2012年 09月 5日 00:22 JST ロイター

征服のために大貴族とコサックに軍権や徴税権などを付与したことも、のちのノーメンクラトゥーラ(世襲化した共産党官僚)、オリガルヒ(ロシア経済を寡頭支配した資本家)、シロヴィキ(治安・国防官僚出身者による勢力)が富と権威と権力を常に独占してしまう遠因となった。

ロシアの政治家と企業家が取り組まなければならないのは、常にシベリア征服の歴史的過程で生じたボトルネックの解消なのだ。が、これらの宿痾は容易に解消する訳がない。エネルギーを独占することで、権力も手に入れることができて、権力と富によって権威付けができてしまうからだ。これらの悪循環が内政と外交に及ぼす影響を制御できない可能性がある。

抑制的なトルコが一線を越えるとき

繰り返しになるが、国民国家が戦争を行う最大要因は、利害の根本となる国民の生命と財産を守るためにある。つまり結論として、トルコのシリア内戦への軍事介入はこの線を越えることはない。共和政成立以降のトルコの近隣国への侵攻は、キプロス紛争への軍事介入とイラク戦争以降のクルド人自治区への越境攻撃と、常にこの範囲内で行われた。

トルコは、多民族を擁する帝国・オスマン朝から国民国家・トルコ共和国に移行する際、テュルク系民族を統合させようとする大トルコ主義(汎テュルク主義)と、アナトリア半島に居住するムスリムのみで国民を形成させようとする小トルコ主義(ケマル主義)とが相克するなかで、第1次大戦の敗北からケマル・パシャ(のちのアタテュルク)の小トルコ主義を採った。

大トルコ主義の最大の欠点は、ムスリムのテュルク系民族の途上にキリスト教国のアルメニアが存在していること、加えてコーカサス山脈の南側にあるアゼルバイジャンを踏破しても、さらに世界最大の内海であるカスピ海が立ちはだかり、中央アジアの諸国・トルクメニスタン、カザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、キルギスとの交通を妨げられやすいことにある。

青年トルコ党による立憲革命の立役者でもあったエンヴェル・パシャが、第1次大戦中からロシア革命にかけて大トルコ主義を実行しようとすると、キリスト教徒のアルメニア人と共産主義者の赤軍に阻止された。巷間云われるアルメニア人のジェノサイドは大トルコ主義の夢を追い求めた結果だった。そして、諸外国から未だにジェノサイド認定を受けるのはフランスなどにアルメニア人のロビー活動が存在するためだ。

トルコ国民を創生するためにケマル・アタテュルクはムスリム以外の民族を追放・排除した。この点ではエンヴェル・パシャと変わるところはない。大多数がムスリムのクルド人もトルコ国民に包摂しようとしており、分離主義者の排除を目的にクルド労働者党(PKK)をテロ組織として、またイラク領のクルド人自治区に越境攻撃しているのもこのためだ。2011年10月のトルコ東部地震の際も越境攻撃中だった。

トルコ軍は、軍事作戦にトルコ大国民議会の承認は必要だが、有事の指揮権は参謀総長に属し、シビリアン・コントロールが存在しないのも特徴だろう。

アナトリア半島のみで落ち着いている現在のトルコは、地政学的に最大の敵であったロシアとも関係は安定している。最大宗派のスンニ派に属する立場としては、サウジアラビアの動向に追随するのが自然だろう。おそらくイスラム原理主義のエルドアン政権がクルド人をトルコ国民として包摂できるかが、今後のトルコにおける民主主義発展の鍵になる。

トルコは、その国民国家形成の経緯からフランスや米国のように、軍事行動の理由に人権や自由と民主主義の擁護を持ち出さない。現在の国土の保持と世俗主義からの逸脱禁止、つまり分離主義を持ち出さない限り、常に抑制的な外交を採る。

ともあれ、トルコ領内に流入したシリア難民は、すでに10万人を突破し、トルコ政府の許容できる財政規模を越えている。安保理決議によるか、NATOとアラブ連盟の有志国の決定によるかは分からないが、兵力引き離しのための安全地帯の設定、もしくはより強硬な飛行禁止区域の設定は視野に入ってきた。議会の承認に基づく砲撃の応酬、またシリアの旅客機を強制着陸させて積み荷を調べたことは、戦時国際法上の臨検に当たる、と考えて良いだろう。これらを総合して事実上、トルコとシリアは紛争状態に陥った、と云える。

トルコ政府、シリア領内への軍派遣承認を国会に要請 2012年 10月 4日 16:32 JST ロイター

[イスタンブール 4日 ロイター] トルコ政府が国会に宛てたメモによると、シリアからの越境砲撃を受け、政府はトルコ軍がシリア領内に軍を配置するための承認を国会に要請した。

トルコ南東部のアクチャカレで3日、シリアから飛来した砲弾が住宅地に着弾し、女性1人と子ども4人が死亡、少なくとも8人が負傷した。これに対し、トルコ軍はシリア側に報復攻撃を行った。


トルコ議会が越境攻撃を承認、シリアからの砲弾着弾受け 2012年 10月 5日 00:41 JST ロイター

[アンカラ 4日 ロイター] シリアからの砲弾がトルコ領内に着弾し民間人5人が死亡したことを受け、トルコ議会は4日、政府が必要と判断した場合に越境攻撃を行うことを承認した。

政府は、シリア軍のトルコ領への「攻撃的な行動」が、国家安全保障に重大な脅威をもたらしていると覚書で述べ、越境攻撃を承認するよう議会に求めていた。


トルコ大統領「シリアで最悪のシナリオ」、砲撃応酬は6日連続 2012年 10月 9日 10:31 JST ロイター

[GUVECCI(トルコ) 8日 ロイター] トルコのギュル大統領は8日、隣国シリアでは「最悪のシナリオ」が進行中だとし、自衛のためにあらゆる手段を尽くすと述べた。

大統領は首都アンカラで記者団に対し、内戦状態のシリアで行われている暴力行為は永遠に続くものではなく、アサド政権の崩壊は不可避だと指摘。「シリアでは最悪のシナリオが進行中で、トルコ政府は軍と定期的に協議を行っている」とし、必要なことは全て迅速に行っていると述べた。

また大統領は国際社会に対して、シリアの状況が今以上に悪化する前に効果的な行動を起こすよう求めた。

トルコとシリアをめぐっては今月3日、シリアから飛来した砲弾がトルコ南東部の住宅地に着弾し、子どもら5人が死亡。これに対し、トルコは報復攻撃を行った。両国の間では、この日から6日連続で砲撃の応酬が行われている。


トルコ、シリア旅客機から軍事物資を発見 2012年 10月 12日 13:53 JST WSJ日本語版

 トルコのエルドアン首相は11日、前日アンカラの空港に強制着陸させたシリアの旅客機からロシア国営兵器メーカーが発送した軍事物資が見つかったと明らかにした。これに対してトルコとの外交的対立を深めているシリアとロシアが強く反発している。

 トルコが離陸を認めたシリアの旅客機A320(乗客35人)は11日早く、シリアの首都ダマスカスに着陸したが、トルコ当局者は押収した貨物の調査を続けるという。同首相は記者会見で、「これらの貨物はロシア(国営兵器メーカー)からシリア国防省向けに発送された機器と弾薬だった。トルコ当局はこれらの貨物の調査を続ける。必要なら改めて発表する」と述べた。

 会見で貨物の中身の詳細を明らかにするよう求められると、首相の報道官は「より正確に言えば、軍用機器であり、弾薬ではない」と語った。

 ヌーランド米国務省報道官は11日、米国は「旅客機を調査するトルコ政府の決定を断固支持する」とし、現時点でのシリア政権へのいかなる軍事機器の移転も非常に懸念すべきことであり、調査が終えた時点でのトルコ側からの説明を待っているところだ」と付け加えた。

 シリアもロシアもエルドアン首相の発言に直接的な反応を示していないが、両国ともトルコの行為を非難する激しい言葉遣いの声明を発表した。レバノンのアルマナル・テレビによると、シリアの情報相はトルコ政府は「ハイジャック行為」をしたと非難。国営SANA通信は、トルコ当局は「旅客機の離陸を認める前に同機のクルーに暴行を加えた」とするシリア・アラブ航空のトップ、ガイダ・アブドゥラティフ氏の発言を伝えた。トルコ当局はこの主張を否定した。

 ロシア外務省は、トルコは同機の乗客35人のうち17人がロシア人であることをロシア政府に伝えず、またロシア大使館がこれらの乗客に接触することも認めなかったと指摘した。同省の報道官は「トルコ当局に対し、ロシア人に対する振る舞いの説明と、将来このような事態が再び起きないようにすることを要求する」と述べた。

 今回の強制着陸に先立ち、トルコとシリアの間では緊張を高める一連の出来事が起きている。トルコ軍の司令官は10日、シリアからのトルコ領土内への砲撃が続けばトルコはより強力な報復措置を取ると警告した。

 アナリストは、シリア機の強制着陸はトルコ・シリア関係をさらに悪化させるとしながらも、一方でロシアとトルコの重要な商業的、戦略的関係から見て、両国の全面的な外交的危機に至る公算は小さいとしている。カーネギー国際平和財団(ブリュッセル)のシナン・ウルゲン氏(元トルコ外交官)は「この問題での情報が正確だったことにトルコは非常に満足しているようで、だからこそ機内からいくつかの禁止物資が見つかったわけで、情報が間違っていたなら、問題は大きくなっていただろう」と指摘した。また、「この面でのリスクは、シリア問題での立場の違いを棚上げにすることができたトルコとロシアの関係が大きな影響を受ける可能性があることだ」と話した。

 輸入エネルギーに大きく依存するトルコは世界最大の天然ガス供給国であるロシアと強力な商業関係にあるが、この関係はロシアが影響力の低下に神経をとがらせている地域でのトルコの勢力拡大によって複雑化している。トルコのロシアからのガス輸入が総ガス輸入の半分近くにまで膨らんでいることから、トルコにとってロシアはドイツに次ぐ2番目の貿易相手国になっている。

 ストックホルム国際平和研究所の武器取引専門家Hugh Griffiths氏は、ロシアは以前からの対シリア武器供給国で、かつては自国の軍用機やアエロフロート機で運んでいたが、干渉のリスクが高まったことからこの方法を変え、今ではシリアの民間航空機で運んでいると述べた。

 一方、ロシア政府は11日、来週のトルコ訪問を10日に延期したプーチン大統領は12月3日に日取りを改めて訪問する可能性があると明らかにした。これはロシア政府がトルコとの間の緊張をこれ以上高めたくないと考えていることを示しているようだ。

記者: Joe Parkinson、Nour Malas 、Emre Peker

平行線の二本だが、手を振るくらいは・・・。

あぁ、部屋のドアに続く、長く果てない道・・・。
平行線の二本だが、手を振るくらいは・・・。

中村一義の1stアルバム『金字塔』(1997)からの4thシングル「永遠なるもの」は、こんな嘆息と諦観の入り交じった出だしで始まる。

途中のこんな歌詞も、下記のニュースを踏まえると含蓄深く聞こえるから不思議だ。

悪者が持つ孤独が、みんな、解るかい?
「旅人!」とか、みんなは、そう言うだけ。
予報によりゃ、言う奴が・・・そうか、もうか・・・そうかぁ、落ちるそうだ。
底へ。

急にね、あなたが言う・・・。「なんかに飼われていたみたい・・・。
もう、冗談じゃないし、泣けるし、笑える。なんだかなぁ・・・」って。

日韓が通貨協定の時限措置解除で合意、財務相は政治的判断を否定 2012年 10月 9日 13:44 JST ロイター

日韓が通貨協定縮小で合意、欧州問題小康で「ウォン危機」回避 2012年 10月 9日 17:39 JST ロイター

企業と政府を同一には出来ないが、政府債務を外国に頼っている以上、ある程度通じるので、両者を比較した話でしよう。

韓国企業の在庫が帳簿上の資産でも資産ではないように、韓国政府の国庫の外貨も帳簿上の保有額が換金可能額ではない。企業の在庫は減価していき、国庫のファニー・メイとフレディ・マックなどの証券も減価していく。

企業では1億円程度の在庫は1年間で8000万円程度になる、売掛金が減少して、売却の見込みのない固定資産や在庫資産が増えるのは危険な兆候だ。韓国では輸入の減少で輸出が減少して貿易黒字を確保している状況で、換金の見込みのないファニー・メイとフレディ・マックなどの証券が増えている、とすると・・・簡単に言えばそういうことだ。

以下の朝鮮日報の記者の恨み節が一般的な韓国人の考え方なのだろう。麻生元首相が韓国を訪問して、李大統領から「天皇陛下に謝罪しろと云ったなんて云ってない」と言質を取ったり、元首相は「歴史認識が違うことを認識して付き合っていくべき」との趣旨の発言をしているが、次の流動性危機が訪れたら、当然、我が国の所為にするだろう。そのときは、

平行線の二本だが、手を振るくらいは・・・。
(あまり意図してなかったけど、ダブルミーニングですね)

韓日通貨スワップ:困ったときに冷たかった日本 2012/10/10 08:58 朝鮮日報日本語版

 韓国は外貨調達をめぐり、「悪縁」という言葉がしっくりくるほど日本には苦々しい記憶がある。

 最もつらい記憶は1997年アジア通貨危機当時にさかのぼる。外貨準備が底を突き、デフォルト(債務不履行)の危機に追い込まれた韓国には、日本から借り入れた短期債務220億ドルがあった。しかし、日本はうち130億ドルをその年に回収し、韓国が国際通貨基金(IMF)に支援を要請する決定的な要因になったとされる。日本は97年12月だけで70億ドルを回収した。当時の姜万洙(カン・マンス)財政経済院次官(現産銀金融持株会長)が「必要なときに助けるのが真の友人」だと訴えたが、日本側は「日本の銀行も自己資本比率8%という規制を満たすために困難な状況だ」として、韓国側の求めを断った。

 2008年の世界的な金融危機の際にも日本は冷たかった。危機の影響でドル調達が困難になり、韓国政府は同年10月に300億ドル規模の韓米通貨スワップで切り抜けたのに続き、日本にも既存の通貨スワップの拡大を求めた。しかし、日本は「大規模な通貨スワップ拡大は困る」と慎重姿勢を崩さなかった。結局、韓国政府は中国と300億ドルの通貨スワップで合意し、それに基づき日本に圧力をかけて初めて、韓日通貨スワップの規模を300億ドルに増額することができた。韓国政府の元幹部は「普段は協議がうまくいっていたのに、困った時期には異なることを言い出し、憤らずにはいられなかった」と振り返った。

 日本は昨年10月の韓日首脳会談で韓国の通貨スワップ拡大要求を喜んで受け入れた。それまでの悪縁は解消されたように見えた。当時の日本には円高を緩和する効果もあるため、日本が実利を狙ったという分析もあったが、欧州財政危機で動揺する為替相場の安定にも役立ったことは明らかな事実だ。

 しかし、今年8月に独島(日本名・竹島)問題が浮上後、日本の政界が韓日通貨スワップの延長に難色を示し、結局増額部分の延長はできなくなり、韓国と日本の悪縁は繰り返されることになった。

キム・テグン記者


そして、債務不履行に陥ったら、中村一義のプロジェクト・100sの2ndシングル「Honeycom.ware」(2004)から次の歌詞を抜粋して贈りたい(ちなみにこの曲は歌詞カードを読むまで完全に意味不明の『空耳アワー』だった)。

君が望むのならしな、しな。
君が望むのならしな。
君が望むのならしな、しな。
心、生きるのなら。

君が望むのならしな、しな。
君が望むのならしな。
僕らやれるのならしな、しな。
それで死ねるのなら。

参考URL:
二国間通貨スワップの時限的な増額部分の終了について 平成24年10月9日 財務省

“失敗国家”ソマリア内戦にまた1ページ記述追加

ソマリア内戦に大きな転回点が訪れた。ソマリア南部で勢力を保っていたイスラム原理主義過激派のアルシャバブの最後の拠点、港湾都市キスマユがケニア軍によって陥落した。アルシャバブは四散して撤退した。ソマリア南部の安定化が進み、南部の暫定政権に影響力を行使できる“パックス・エチオピアナ”か“パックス・ケニアナ”がもたらされるのだろうか。

エチオピアとケニア両国は、国内にアラブ系ではなくブラックアフリカ系ではあるもののイスラム教徒であるソマリ人を抱えているため、内戦波及や分離独立への警戒心からことあるごとにソマリアに介入してきた。欧米諸国、特に米国は対テロ戦争で過激派の討伐を欲してはいるが「モガディシュの戦闘」の苦戦の記憶から周辺のキリスト教国でブラックアフリカのケニアとエチオピアに陸上兵力を依存・後援している。

アラブの春により、人口の多い若年層が革命と内戦に身を投じているアラブ・中東地域に比べて、ブラックアフリカの若年層人口のピークは暫く先になる。となると、必然的にアフリカ大陸ではムスリムよりもキリスト者がパワーを発揮し出すだろう。

【ソマリアの近現代史の概略】
→イギリス領ソマリア成立(1886年)
→イタリア領ソマリア成立(1908年)
→英領・ソマリランド独立(1960年6月)
→南北統合によりソマリア独立(1960年7月)
→クーデタによりバーレ政権成立(1969年10月)
→ソマリア、大ソマリ主義に基づくオガデン戦争敗北(1978年)
→内戦の勃発(1988年頃)
→バーレ政権崩壊と暫定政権成立(1991年1月)
→北部・ソマリランド事実上独立(1991年6月)
→アイディード将軍派とモハメド大統領派の対立激化(1991年)
→アイディード将軍派とPKO部隊の「モガディシュの戦闘」(1993年10月)
→PKO部隊撤退(1995年3月)
→アイディード将軍派分裂(1995年3月)
→アイディード将軍戦傷死(1996年8月)
→南部・軍閥各派の和平協定調印(1997年12月)
→和平合意事実上破棄(1998年5月)
→中部・親エチオピア部族によるプントランド事実上独立(1998年7月)
→エチオピア介入によりジブチでハッサン暫定政権成立(2000年10月)
→ハッサン政権を承認しない南部・軍閥各派による内戦継続(2001年)
→南西ソマリア事実上独立(2002年4月)
→プントランド大統領でもあるユスフ暫定政権成立(2004年10月)
→プントランドを本拠地とした「ソマリア沖の海賊」活発化(2005年)
→住民支持でアフマドのイスラム法廷連合が南部統一(2006年6月)
→国連安保理PKO派遣決議、しかし実施されず(2006年12月)
→過激派を嫌う米国支持下、エチオピア軍が侵攻占領(2006年12月)
→イスラム法廷連合の幹部は亡命、アルシャバブ結成(2007年1月)
→アフリカ連合は侵攻非難、後にエチオピア支持(2007年1月)
→旧イスラム法廷連合がソマリア再解放連盟結成(2008年)
→アルシャバブの抵抗でエチオピア軍苦戦(2008年)
→ソマリア再解放連盟とエチオピアの和平成立、軍撤退(2009年)
→旧イスラム法廷連合のアフマドが選挙により大統領就任(2009年1月)
→欧米はアフマドを穏健派指導者として容認(2009年2月)
→アルシャバブが旧イスラム法廷連合と戦闘開始(2009年6月)
→アフマドはエチオピア軍に再介入を要請(2009年6月)
→ケニア軍によるアルシャバブへの総攻撃開始(2011年10月)
→アルシャバブ最後の拠点キスマユ陥落(2012年9月)

自爆テロで15人死亡 ソマリア首都 2012.9.21 10:06 MSN産経

ケニアとウガンダ仲間割れ=過激派拠点の総攻撃目前-ソマリア 2012/09/26-16:15 時事ドットコム

 【ロンドン時事】ケニアからの報道によると、アフリカ連合(AU)ソマリア平和維持部隊(AMISOM)のケニア軍が25日、ソマリア南部の港湾都市キスマユに追い詰めたイスラム過激派アルシャバーブに対する攻撃を開始したもようだ。ただ、キスマユを包囲するAU軍は、ケニア軍とウガンダ軍の仲間割れが伝えられており、成否は不透明だ。

 AU軍は8月からキスマユに対する包囲網を縮めてきた。主力のケニア軍高官は25日、同国のラジオに対し「アルシャバーブの武器庫を破壊した。詳しい情報が入れば報告する」と述べたが、攻撃の規模は不明。本格的な進撃に踏み切れたのかは分からない。

 ソマリア中南部を支配していたアルシャバーブは、昨年になって(1)大干ばつに対応できず民心が離反した(2)リビアのカダフィ政権が崩壊し支援が途絶えた(3)米無人機の攻撃で幹部が次々暗殺された-ことから急速に弱体化。昨年8月に首都モガディシオから撤退し「拠点」と呼べる都市はキスマユだけになった。

 AMISOMは2007年から派遣されているが、長くウガンダ軍とブルンジ軍だけで、増援を求める両国に応える国はなく、モガディシオの数区画を守りアルシャバーブの猛攻に耐えてきた。そこに昨年10月、形勢を読んだケニア軍が参戦。破竹の勢いでアルシャバーブ掃討を続けている。(2012/09/26-16:15)


ケニア軍、キスマユ総攻撃=イスラム過激派「最後の要衝」-ソマリア 2012/09/28-21:29 時事ドットコム

 【ロンドン時事】アフリカ東部ケニアからの報道によると、ソマリアのイスラム過激派アルシャバーブの「最後の要衝」南部キスマユに対し、ケニア軍は28日、総攻撃を行った。市の東方の海岸から強襲揚陸作戦を展開。包囲していた部隊が南北から進撃した。一方、アルシャバーブ側は徹底抗戦を主張した。

 ケニア軍によると、上陸作戦開始は28日午前2時(日本時間同8時)。ケニア軍報道官は英BBC放送に対し「ケニア軍は既にキスマユ市内に展開した」と述べたが、全域の残存勢力掃討には時間がかかる可能性がある。アフリカ連合(AU)のソマリア平和維持部隊(AMISOM)も「突入成功」と声明を出し、「キスマユに残る全民兵は武器を放棄せよ」と呼び掛けた。

 これに対し、アルシャバーブのスポークスマンは「われわれの兵は全域に展開中だ」と強調。同派の影響下にあるキスマユのラジオ局も放送を続け、住民に銃を手に戦うよう呼び掛けた。住民の一人はロイター通信に電話で「銃を持った民兵がまだ市内にいるが、士気が高いようには見えない」と語った。(2012/09/28-21:29)


キスマユから撤退=イスラム過激派、拠点都市喪失-ソマリア 2012/09/29-19:37 時事ドットコム

【ロンドン時事】ソマリアからの報道によると、イスラム過激派アルシャバーブは29日、最後の拠点都市だった南部キスマユから撤退したことを明らかにした。ケニア軍を主力とするアフリカ連合(AU)の部隊が28日、キスマユへの総攻撃を開始していた。AFP通信によれば、アルシャバーブのスポークスマンは「29日午前0時、軍事部門から命令が出た」と撤退を認めた。

 キスマユは首都モガディシオの南約500キロにある港湾都市。支配下の都市を相次ぎ失ったアルシャバーブの「最後の要衝」だった。9月に入りキスマユ包囲網を築いたケニア軍は28日、東方の海岸に強襲揚陸作戦を敢行した。

 AFP通信によると、アルシャバーブ配下のラジオ局も放送を停止した。住人の一人は同通信に対し「最後の車両が早朝、街を去った。どこへ行ったか分からない」と語った。(2012/09/29-19:37)


一部が無法地帯化=過激派去ったキスマユ-ソマリア 2012/10/01-06:56 時事ドットコム

 【モガディシオAFP=時事】ソマリアのイスラム過激派アルシャバーブが9月29日に撤退を宣言した南部の港湾都市キスマユをケニア軍やソマリア軍が完全制圧できずにいる。ソマリア軍将校は30日、「国際テロ組織アルカイダが残していった仕掛け爆弾を取り除いてから進軍する」と述べたが、住民の証言ではキスマユは既に一部が無法地帯化。武装勢力が地区の長老らを殺害して回っている。(2012/10/01-06:56)

“南シナ海行動規範”策定拒否の帰結

今年7月のASEAN地域フォーラムで、対中政策を巡ってASEANの事実上の分裂が露呈した。中共側が国際法としての法的拘束力を持たせた“南シナ海行動規範”の策定を拒否した以上、フィリピンにおける米海軍のローテーション展開とフィリピン海軍の配置展開は早まることはあれ、遅くなることはない。

国際法を遵守させる担保はそもそも軍事力にある。外交と軍事を伴う政治的帰結としてはむべなるかな。

さて、南沙諸島に展開されるフィリピン海軍の海兵隊の増派規模についてだが、産経の9月下旬の記事によれば約100人の追加、朝鮮日報の10月初めの記事によれば2個大隊(1個大隊約800人として約1600人)と違いがある。どちらが正確な情報なのだろうか。

中国に対抗 比が南沙の配備兵を3倍に増強 資源開発控え 2012.9.25 15:56 MSN産経

 中国と周辺の6カ国・地域が領有権を争う南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島で、フィリピンが実効支配する島や礁に100人規模の兵士を追加配備し、現有の3倍に増強する計画があることが25日、分かった。

 フィリピンが南沙周辺で進める資源開発の警備を強化し、妨害などを繰り返す中国に対抗するのが狙い。計画が実施されれば中国側の反発が予想され、緊張が高まるのは必至だ。

 フィリピンが南沙で実効支配する九つの島や礁に現在配備されている兵士は約50人。このうち小さな礁を除く八つの島や礁の配備を増やすことを計画している。

 計画によると、フィリピン・エネルギー省が今後、石油・天然ガス開発を本格化させるリードバンク周辺海域近くのラワック島を重点的に強化、配備兵を現在の4人から約20人に増やす予定。

 ■南沙(英語名スプラトリー)諸島 100以上の島や礁があり中国とベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、台湾が領有権を争う。中国は1988年、ベトナムと交戦しベトナムが実効支配する礁を奪い、95年にはフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内のミスチーフ礁に進出。緊張の高まりを受け、東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国は2002年、新たな実効支配の自制など盛り込んだ南シナ海行動宣言に署名。ASEANは法的拘束力のある行動規範への格上げを求めているが、中国は消極的。(共同)


比海軍、南沙諸島に海兵隊2個大隊を増派  2012/10/02 09:58 朝鮮日報日本語版

 フィリピン海軍は先月末、中国との領有権争いが存在する南シナ海の南沙諸島(スプラトリー諸島)に海兵隊2個大隊を増派した。また、南沙諸島海域を管轄する旅団級司令部も新設された。

 これにより、今年4月のスカボロー礁(中国名・黄岩島)をめぐる海上での対立以降、小康状態となっていた中国とフィリピンの領有権争いが再燃するのではないかと懸念されている。

 中国中央テレビ(CCTV)がフィリピンメディアを引用して伝えたところによると、フィリピン軍西部軍区のサバン司令官(中将)は先月30日、南沙諸島のパトロールを強化するため、海兵隊2個大隊を増強配備し、駐屯兵力の規模を旅団級に拡大すると表明した。周辺のパラワン島には南沙諸島防衛のための司令部を設置した。

 サバン司令官はスカボロー礁を例に挙げ「領有権を主張する他国が占領した島を取り戻すよりも、あらかじめ防衛を強化する方がよい」と述べた。紛争がある島に対する防衛を強化し、中国など他国による占領に備える意向を示したものだ。しかし、サバン司令官は「軍部隊が南沙諸島内の島に駐屯することはないだろう」と述べた。パラワン島と南沙諸島は200-300キロ離れている。フィリピン海兵隊はパラワン島南部に駐屯し、南沙諸島に対するパトロールを強化することになる。

 一方、中国新聞社によると、サバン司令官は同時に、フィリピンが実効支配するパグアサ島に住む住民の数を大幅に増やし、学校、飛行場などを建設する計画も明らかにしたという。

 CCTVによると、米国とフィリピン海軍は合同軍事演習も実施する。フィリピン海軍は今月8日から18日まで、米軍と合同でフィリピン周辺海域での上陸演習を実施する。

 南沙諸島は中国、台湾、ベトナム、フィリピンなどが約50の島や岩礁を分け合う形で実効支配している。実効支配する島や岩礁の数は、ベトナムの28が最も多く、中国は台湾が支配している太平島を含め9個、フィリピンはパグアサ島など7個だ。

 中国はまだ公式な反応を示していないが、習近平国家副主席が先月21日、フィリピンの大統領特使として訪中したロハス内相と会い、関係改善の意向を伝えた直後の出来事だけに、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、中国側の強硬な対応が予想されると伝えた。

北京= 崔有植(チェ・ユシク)特派員


米国、フィリピンに原子力潜水艦派遣 2012/10/05 10:16 朝鮮日報日本語版

 米国が、尖閣諸島(中国名:釣魚島)の周辺海域に空母2隻を派遣したのに続き、ロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦「オリンピア」をフィリピンのスービック湾に派遣することが分かった。

 フィリピンにある米国大使館は3日(現地時間)「『オリンピア』は米国とフィリピンの軍事交流強化を目的として、4日にフィリピンのスービック湾に到着する予定」と発表した。米海軍の第5世代原子力潜水艦となるロサンゼルス級潜水艦は、全長110メートル、全幅10メートル、排水量約6000トン規模で、最大射程距離1400キロの核巡航ミサイルなどを搭載している。

 「オリンピア」は、米国が今年4回目にフィリピンに派遣する原子力潜水艦。尖閣諸島をめぐる日中間の対立が激化する中、米軍が空母2隻を尖閣諸島周辺海域に配備したのに続き、原子力潜水艦のフィリピン派遣を決めたことで、中国は東シナ海での米国の軍事介入が本格化したとみて、米国の動きを鋭意注視しているという。尖閣諸島で軍事的な問題が発生した際に、米軍が中国を「挟み撃ち」にできる陣容が整ったからだ。

 だが、米国防省のアシュトン・B・カーター副長官は同日、ワシントンにあるウッドロー・ウィルソン・センターで開かれたセミナーで「米国はアジアの国家間の領土紛争が平和的に解決することを願っている。米国が推進する『アジア太平洋地域のリバランシング(再均衡)』戦略は、中国を封じ込めるためのものではない」と述べた。カーター副長官はまた「そのような懸念を抱く一部の中国の友人たちに、今後は米国の動きを見守るよう伝えたい。われわれの動きは協調的なものだ」と訴えた。

ワシントン= イム・ミンヒョク特派員


対中国の拠点にパラワン島 米と比が基本合意 米軍の後方支援施設を整備 2012.10.6 01:21 MSN産経

 【シンガポール=青木伸行】東南アジア軍事筋によると、米国、フィリピン両政府は5日までに、フィリピン南西部パラワン島を対中国の最前線基地と位置づけ、米軍の拠点とすることで基本合意した。米海兵隊をローテーション展開し、米軍に対する後方支援施設を整備するほか、合同訓練の頻度を増やす。北部ルソン島のクラーク旧米空軍基地を含め、他の後方支援施設の選定も急いでおり、対象は広域にわたっている。

 米軍はアジア・太平洋地域で海兵隊のローテーション展開を開始しており、パラワン島はその拠点の一つとなる。中国と領有権を争う南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島と、中国がレーダー施設を完成させ実効支配するミスチーフ環礁に近く、要衝だ。

 米海兵隊の拠点となるのはパラワン島のウルガン海軍基地。これまでも米比合同軍事演習の際、両軍の海兵隊による上陸訓練に使用され、沖縄の米海兵隊も参加してきた。海兵隊の展開と並行し、プエルトプリンセサ、サマリニアーナ空軍基地、バラバック島などの施設も整備し、後方支援機能をもたせる。偵察機も配備される見通しだ。

 パラワン島以外では、両政府は米艦船の修理や燃料、食料の補給拠点として、ルソン島のスービック旧米海軍基地を使用することで基本合意している。このほかクラーク旧米空軍基地、ポロポイント海軍基地(ラウニオン州)、ミンダナオ島サンボアンガ、フィリピン最北端のバタネス諸島などの施設の使用、整備が検討されている。

 一方、合同軍事演習は4月にパラワン島の周辺で定期合同演習「バリカタン」が、7月にはミンダナオ島で「協力海上即応訓練」(CARAT)が、それぞれ実施された。今後は演習を増やす方針で、今月8日からは11日間にわたり、パラワン島の周辺海域を舞台に、米軍から駆逐艦、潜水艦、強襲揚陸艦など少なくとも7隻、兵員2600人、フィリピン軍から1200人が参加しての演習が行われる。このうち2隻の米駆逐艦は演習に先立ち、スービック港に入港する。

お断りするのをお断りするのはお断りします

2012年10月末期限の570億ドル相当の日韓通貨スワップ増額打ち切りの検討に対して、韓国は中共にスワップ常設化を申し込んだ。我が国は、日本などこちらからお断りだ、という上辺だけ強気の姿勢を翻意できないよう「財務省幹部が自民党部会の席で韓国からの申請なしと明らかにした」との報道でとどめを刺してきた。増額延長のオプションを採りたくても、もはや無理筋だろう。

今後の通貨危機の事態には、中共に増額も頼むだろうし、それを材料に米国にも増額を要求するかもしれない。もしも中韓通貨スワップが増額されるとすれば、それは人民元圏拡大の思惑の下になされるだろう。

そこに自主独立の気概はない。自主独立も他国からの恩恵でもたらされた国の当然の帰結だ。

「韓日通貨スワップ、延長しなくてもよい」 2012/10/08 08:31 朝鮮日報日本語版

 今月末で期限を迎える韓日通貨スワップの延長問題をめぐり、韓国政府の立場が「延長しなくても問題ない」という方向に傾いている。

 韓日両国は昨年10月、欧州財政危機の深刻化を受け、両国間の通貨スワップの規模を従来の130億ドルから700億ドルに増やした。今月末までに協定を延長しなければ、通貨スワップの規模は元の130億ドルに戻る。

 日本政府が今年8月、独島(日本名・竹島)問題で韓国と対立し、通貨スワップ縮小の可能性に言及した際も、韓国政府は「政経分離の原則に従い、冷静に対応する」として、協定延長の構えだった。

 韓国政府の関係者は7日、「ほかへの波及効果を除き、韓日通貨スワップそのものだけ見れば、延長しなくても問題にはならない」とし、日本側が最近「韓国側から通告がなければ延長しない」との姿勢を示していることに対しては「韓国が毅然と対処すべきとの意見が多数だ」と指摘した。別の韓国政府関係者も「現在は外国の資金が流入し過ぎて心配な状況だ。昨年は韓日通貨スワップが金融市場安定には必要だったが、現在は特に意味がない」と述べた。

 韓国政府の立場が大きく転換した背景には、複雑な要因がある。第一に問題が韓日両国の感情的な争いに発展し、韓国政府の選択の幅が狭まったことだ。韓日通貨スワップ問題に詳しい金融業界幹部は「まず頭を下げなければ延長しないという(日本側)の言葉に韓国政府がそのまま従うわけにはいかない。日本との対話は行うが、向こうに態度の変化がなければ、韓国から先に延長を提案しないというのが政府内部のムードだ」と説明した。

 最近の経済状況も韓日通貨スワップを延長しなくてもよい方向に流れている。先月には韓国の信用格付けが上方修正され、ウォンの対ドル相場は今月5日、年初来高値となる1ドル=1111.30ウォンまで上昇するなど、安定した状況だ。

 韓国政府の態度変化をめぐっては「日本との水面下での交渉力を高める狙いがある」との見方もある。韓国政府は今月末の延長期限を控え、今週東京で開幕する国際通貨基金(IMF)総会に朴宰完(パク・チェワン)企画財政部(省に相当)長官を派遣し、水面下でも折衝に乗り出す構えだ。

キム・テグン記者


日韓通貨スワップ協定、韓国から拡大措置の延長申請なし=報道 2012年 10月 3日 10:34 JST ロイター

[東京 3日 ロイター] 時事通信社など国内メディアは2日、日韓通貨交換(スワップ)協定の拡大措置について、韓国側が延長を要請していないと報じた。財務省幹部が自民党の部会で明らかにしたという。

報道によれば、財務省は申請がなければ延長しない方針で、10月末で拡大措置が終了する可能性が高まっている。

急激なウォン安・円高など市場が混乱した際に日韓で通貨を交換するため、政府・日銀と韓国側は2005年に同協定を開始。昨年10月には欧州危機を背景としたウォン安を受けて上限額を130億ドルから700億ドルへ5倍に拡充した。拡充措置は今年10月末が期限となっている。

韓国の李明博大統領の竹島訪問などで悪化した日韓関係を受けて、日本政府は拡充延長を白紙に戻し検討する考えを示していた。


韓中通貨スワップの常設化、韓銀総裁が提案 2012/09/28 08:54 朝鮮日報日本語版

 中国を訪問している金仲秀(キム・ジュンス)韓国銀行総裁は27日、世界的な金融危機の再来に備え、中国に韓中間の通貨スワップの常設化を提案した。

 金総裁は同日、北京で開かれた韓中国交正常化20周年記念の国際セミナーで「韓国で金融危機が起きれば、中国に飛び火して悪影響が出る。両国の金融当局が緊密な対話チャンネルを維持し、通貨スワップを常設化する必要がある」と述べた。

 韓国と中国は昨年、両国中央銀行間の通貨スワップの規模を1800億元(約2兆2100億円)から3600億元(約4兆4200億円)へと大幅に拡大した。

 金総裁はまた、韓中両国の実体経済の統合ぶりに比べ、金融面での統合が遅れている点を指摘し、両国間の金融協力の強化を提案した。昨年現在で韓国の貿易に占める中国に割合は20.3%、中国の貿易に占める韓国の割合は6.7%なのに対し、韓国と中国の投資に占める割合は互いにそれぞれ2%前後にとどまっている。金総裁は「韓中自由貿易協定(FTA)交渉が進んでおり、金融分野でも両国の統合を加速化すべきだ」と指摘した。

 同日のセミナーには、中国人民銀行(中央銀行)の劉士余副総裁、韓国銀行の文宇植(ムン・ウシク)金融通貨委員、人民銀の陳雨露・通貨政策委員(中国人民大学長)ら約300人が出席した。

北京= 崔有植(チェ・ユシク)特派員


そもそも日清戦争の日本側の目的は李氏朝鮮を自主独立の国家とすること、清朝側の目的は李氏朝鮮を朝貢国として維持することだった。それぞれの宣戦の詔勅にはそう、明記されている。下関条約の第一条は朝鮮の独立確認と朝貢廃止である。

その結果、皇帝の使節を三跪九叩頭の礼で国王が迎えた迎恩門が壊され、同じ場所にフランスの凱旋門を模して独立門を建てた。この独立門を日本からの独立と勘違いさせる教育を施している点が救いがたい。

学祭の「ふたつの宿題」

先日、ノイタミナ枠で放映された『坂道のアポロン』を見返した。多分、学祭たけなわのこの時期、第7話「ナウズ・ザ・タイム」のエピソードに懐かしさを誰しも感じただろう。それでいて80年代は周りにジャズを志している人などいなかったなあ、と嘆息する。

併せて拍子抜けのように飛び込んできた、大江千里がジャズピアニストに転身というニュースを聞くと「自分の歌声に限界を感じたんですか」と、ひとりのファンとしてちょっぴりの意地悪さをスパイスに効かせながら応援したい。

ジャズピアニストに転身・大江千里が語る 時事ドットコム

そうだ、EPIC25周年LIVEで楽しみにしていたのは、ある意味バブルの頃を象徴するふたり、岡村靖幸と大江千里だった。

ところが岡村ちゃんはクスリにまた手を出してしまって、舞台に立つことはなかった。大江千里は、かつて納涼千里天国に行ったものだが、その頃より歌声の下手さに磨きがかかっていた。「十人十色」「格好悪いふられ方」「REAL」がセットリストになっていたが、筆者も学祭で「REAL」をセットリストに入れるのに一悶着あったのを想い出した。

ぼくは当時、学祭の実行委員会兼生徒会だった。もちろん軽音部所属でもあったが、そんな暇はない。でもTMネットワークと大江千里とレピッシュなどと、好きなミュージシャンがバラバラなバンドがいて、お世辞にも上手くないボーカルの真似をするために、唄の苦手意識が消えない彼らから、ボーカルのお鉢が回ってきた。

ぼくは開口一番「なに、じゃあPAさんとの調整から緞帳の上げ下げまでやるのに・・・さらにやれと」
しかし、こんなごった煮のセットリストをつくる機会はそうはない。この宿題にちょっとは乗り気になった。そして、セットリストの対策会議が部室代わりの音楽準備室で開かれた。

しばし気まずい沈黙が続いていると、他の連中と掛け持ちのドラム担当が
「大丈夫、なんでもOKだから、んで悪い、リハあるんで行くよ~」
と、みんなの肩を叩きながら、ドラムセットを持ち出していった。
当時高価なFM音源のキーボードとバンドの後方で目立たないドラム担当は幽霊部員の共有財産だった。
まず「“ふたつの宿題”か“塩屋”を弾き語りたいんだけど」
と、大江千里ファンが個人的希望を提案すると、すかさず全員
「カノジョに贈りたいだけだろう」と、ダメ出しが入る。
彼の、大江千里と同じ店で特注した眼鏡の奥の目が潤んでいた。
次いで「“パヤパヤ”は外せない」と、レピッシュ好きのベーシストが云う。
「楽譜もTAB譜も持ってないだろう」と反論が出るが、彼は「いや耳コピ完璧、なんなら楽譜も捜してくるよ」
と、トランペットなしの条件でこれは採用された。
あまり自己主張の激しくないTMネットワークからは
「なら“GET WILD”一択でいいだろ」
と、まあ誰からも異論の出ない発言で片が付いた。
じゃあ、次第にロック風の曲でまとめようと空気になってくるのだが、
ぼくは「大江千里ってロック?」と、疑問符。
みんなで首をかしげる。頭を悩ます。うなり出す。
全曲を延々と聴く羽目になり、頭出しを繰り返しながら、ひねり出したのが
「じゃあ“REAL”で」という結論だった。

ごった煮バンドの学祭出演という宿題はへとへとになりながらも無事終わった。その後も大江千里好きのあいつは、休み時間に暇さえあれば音楽室の古びたアップライトピアノで弾き語りしていた。
「大江千里の声質を真似さえしなければなあ」
と、ぼくは傍らで付き合いながら、いつも聴いていた。

パーティーは学園祭(ガクサイ)近い教室を
黒画用紙で貼りつめて
みんなで騒いだ放課後はランデブー

君はまだ束ねた髪に左手の
バッシュが似合う美しさ
すべてが輝いてたあの頃は

ひとつ目の宿題は勇気を持つこと
ありったけの力で
君を抱きしめること

「愛してる」その一言が言えなくて
失うものの大きさも
知らずにいたあの午後は4年前

髪を切って勤めに出たと噂では
聞いてたはずが偶然に
ここで出逢った君は平凡すぎる

ふたつ目の宿題は今も分からない
それでも人は充分
生きてゆけるけど

「愛してる」って言葉はいつも早すぎる
そうじゃなければ遅すぎる
間の悪い永遠のセリフだね

「愛してる」って言葉はいつも早すぎる
そうじゃなければ遅すぎる
間の悪い永遠の宿題だね


それでこの曲をやるっていう、もうひとつの宿題はどうなったかって?
音楽室の付き添い役はもうひとり増えたんだって付け加えておくよ。

いい話だろう。それから音楽室の聴き手はふたりからひとりになった。ぼくはいち抜けた。なおいい話さ。

でもね、暫くすると聴き手の定位置の席はまたぼくひとりになったんだ。弾き手はずっとひとりのままだったけど。そしてついこの前、その聴き手のひとりだったコの実家の工場が取り壊された。意地の悪いぼくは話の終わりにも苦いスパイスを効かせずにいられない。これは永遠に直らない性分かもしれないね。

ともあれ、カルタゴは滅ぶべきである

10月1日付けで「新日鐵住金」が発足した。粗鋼生産量(4610万トン)で世界2位、連結従業員(約8万2000人)、2006~10年の国際特許公開件数(約900件)、年間研究開発費(約700億円)、研究員(約800人)、12年3月期連結決算の売上高単純合算(約5兆5600億円)。

一方、首位のアルセロール・ミタルが粗鋼生産量(9720万トン)、連結従業員(約26万1000人)、2006~10年の国際特許公開件数(約100件)であるのと比較すると、健闘していると言えるのだが、それでも新日鉄と住金は四半期で約2400億円損失が出ている。ただしアルセロール・ミタルも景気後退局面でリストラを進めざるを得ない。

次に中共の鉄鋼メーカーだが、地方政府を巻き込む政治混乱のなかで過剰供給力を調整できずに内乱にまで発展する可能性を考慮すれば、中共は埒外に置かざるを得ない。となると、来るべき自民党政権と協調して問題解決できそうなのは韓国のPOSCOに対してだ。すでに人材の引き抜きと秘密保持契約無視の堂々たるパクリをやらかし「方向性電磁鋼板」で訴訟提起されている。これを政府は側面援助すべきだろう。また国内のインフラ投資「国土強靱化」で鉄鋼メーカー各社を下支えすることもできる。

かのローマ最大の強敵ハンニバルと干戈を交えた大カトーは、講和後も元老院のいかなる演説の際でも「ともあれ、カルタゴは滅ぶべきである」と締めくくったが、新日鐵住金にしてみれば口には出さないが「ともあれ、POSCOは滅ぶべきである」と云いたいに違いない。

これは任意の国内メーカーを入れ替えて、任意の韓国メーカーに対する常套句として定着しても構わない。いやむしろ筆者もそう望むものだ。ただし、付言すれば韓国という国家と国民は「富ませず滅ぼさず」のさじ加減で扱わなければならないだろう。

再送:〔Executive Talk〕統合効果の上積み可能、中計は年度内に公表=宗岡・新日鉄住金<5401.T>CEO 2012年 10月 1日 08:44 JST ロイター

[東京 1日 ロイター] 新日本製鉄と住友金属工業が1日付で合併し、新日鉄住金(5401.T: 株価, ニュース, レポート)が誕生した。宗岡正二会長兼CEO(最高経営責任者)は、合併3年後をめどに年間1500億円規模とする統合効果目標について、上積みは可能との認識を示した。超円高やアジア鋼材市況の低迷など厳しい経営環境下での船出となるだけに、生産体制の合理化などを通じ、コスト競争力の強化を急ぐ。新たな数値目標や生産体制の見直しなど含む中期経営計画は年度内に公表する方針。複数メディアに語った。

 新日鉄住金は、粗鋼生産量でアルセロールミタル(ISPA.AS: 株価, 企業情報, レポート)に次ぐ世界第2位の鉄鋼メーカーとして誕生したが、足元では世界の景気減速や中国鉄鋼メーカーの増産に伴う市況低迷が新会社を含む鉄鋼各社の収益を圧迫している。宗岡CEOは、統合を機に「思い切って前向きな」構造改革に取り組み、中国・韓国勢による最新鋭の製鉄所に対抗できるコスト競争力を身につけたいとの意向を示した。同時にグローバル供給体制の構築と技術力の向上にも努め、「総合力で世界ナンバーワンの鉄鋼メーカーを目指す」と述べた。

 <中計に新たな数値目標も>
 新日鉄住金がすでに掲げている目標は、原料調達費削減などで3年後をめどに年1500億円の統合効果を実現し、売上高経常利益率10%超を達成すること。宗岡CEOは統合効果は「中身を精査中」としたうえで、「私自身は上積みができるはずだと思う。従来3年と言っていたが、今の経営環境を踏まえ、もっとスピードアップして達成できるように指示している」と説明した。利益率については、高格付け取得のために「大事な目標」としつつも、「個人的には、株主、需要家、地域住民、社員など会社のステークホルダーにどう評価されるかが肝心と思う」と述べた。「定性的な方針は年内に話せるが、新たな数値目標を盛り込んだ中計は年度内の発表になる」という。

 円高が長期化するなか、高炉建設を進める中国勢やウォン安の恩恵を受ける韓国勢と戦うには、コスト競争力の改善が課題となる。宗岡CEOは「コスト、生産、財務すべての構造改革に取り組む。思い切って前向きな手立てを打っていきたい」と述べた。さらに「変動費も固定費も圧縮しなければならない」とし、生産拠点の統廃合に関しては「前提条件を設けず、会社にとって何がベストかをベースに考える」と説明した。ただ、国内の粗鋼生産能力は「今持つ能力は維持したい」と述べ、高炉の統廃合には否定的な見方を示した。今年度中に発表する中計では生産体制の見直しについても「何らかの方向性を示す」という。

 <海外高炉は単独では不可能>
 世界の鉄鋼需要は2002年の9億トンから足元の15億トンに伸び、世界鉄鋼協会(WSA)によれば2020年には20億トンまで拡大する見通し。新日鉄住金にとってもインフラを中心とする新興国の需要を取り込むことが勝ち残りのカギとなる。そのためにはコスト競争力以外に、グローバルな供給体制と各地域の製品ニーズに対応できる技術力が必要、と宗岡CEOは分析する。合併により「人、モノ、金」の経営資源を有効活用できる新会社は「コスト、供給体制、技術力の3つで強みを発揮でき、国際市場で生き残っていける」と語る。

 なかでも技術に関しては、国際特許公開件数がライバルを大幅に上回る900件超、研究スタッフが800人、研究資金が700億円規模となり、「革新性や先進性でますます(競合他社に)差をつけられる」という。新会社は新興国の需要を念頭に、高級鋼材だけでなく、市場規模が大きい中級鋼材の研究にも取り組む方針で、「一定の品質と一定のコストで提供できる作り方や、劣質の原材料の使い方の研究に注力する」。

 新会社の目標には「アジアや米州地域等での高炉を含む製造販売拠点の強化・新設」や、「グローバルな粗鋼生産規模を(現行の5000万トンから)6000─7000万トンに引き上げる」ことも含まれる。同CEOは、高炉については、需要の確保や収益性の維持という観点から「単独で出て行くのは現実には不可能」で、パートナーを慎重に見極める必要があると語った。また、新設だけでなく、既存高炉の買収もありうると指摘した。

 下工程では、合併前の新日鉄が自動車向け鋼板などで海外展開を加速し「自動車向け供給網はほぼ出来上がりつつある」。今後は新興国の建材向け需要などを取り込む。今年8月、新日鉄は豪鉄鋼大手ブルースコープ・スチール(BSL.AX: 株価, 企業情報, レポート)が東南アジアと米国で展開する建材薄板事業の持ち分50%を取得すると発表したが、今後も技術提供を含めた提携を行う場合は「(こちらが)少なくとも50%近いシェアを持つことが基本」と説明した。

 <見えない需給ギャップ解消の道筋>
 アジアでは中国勢による増産が継続しており、需給ギャップ解消への道筋はみえない。宗岡CEOによると、全世界で鉄鋼需要は15億トンだが生産能力は20億トン、中国では需要7億トンに対し能力9億トン超と言われる。欧州では鉄鋼メーカーの合従連衡で需給ギャップが解消されたが、中国は「社会主義のなかで市場原理に基づく淘汰があるかと言うと疑問。ちょっと時間がかかるかもしれない」と予想する。「中国で中小の老朽製鉄所の統廃合がない限り、需給の改善は見込めず、市況も上がりにくい」とみる。

 新日鉄と住金は合併前に、円高や鋼材市況低迷で継続的に赤字を計上している資産を減損処理するため、4─9月期の連結最終赤字は合計2830億円になるとの見通しを発表した。通期予想は公表していない。宗岡CEOは、こうした厳しい環境下でも生き残っていくためには、「いいモノを作るだけでなく、きちっとしたコスト構造で作れるかどうかだ。そのための工夫や技術開発は当然、必要になる」と語った。

 一方、神戸製鋼所(5406.T: 株価, ニュース, レポート)や日新製鋼ホールディングス(5413.T: 株価, ニュース, レポート)、韓国鉄鋼大手のポスコ(005490.KS: 株価, 企業情報, レポート)など既存の提携関係について、同CEOは「今まで通りの関係を継続したい」とし、「先方から何か要請があって対応することはあっても、われわれが何かを働きかけることは考えていない」と述べた。

 *インタビューは9月24日に実施しました
 *関連の図表は以下をクリックしてご覧ください。 
 ink.reuters.com/pub92t

 (INVESTMENTVIEWS)
 (ロイターニュース 大林優香 井上裕子;編集 宮崎亜巳)


新日鉄住金発足:高炉の統合は5-10年を視野に検討-宗岡氏 2012/10/01 12:11 JST ブルームバーグ

10月1日(ブルームバーグ):鉄鋼国内最大手の新日本製鉄と3位の住友金属工業が合併し「新日鉄住金」が1日に発足した。新会社の会長兼最高経営責任者(CEO)に就任する宗岡正二氏は主要な設備である高炉の統廃合について、「聖域なく必要なものは行う」とした上で5-10年を視野に検討していく考えを示した。

高炉は新日鉄が9基、住金が5基を保有。関東や九州では製鉄所が互いに近い地域にあるため、新会社が高炉を含めた生産設備の統廃合をどう進めていくのかに注目が集まっている。高炉は鉄鉱石から銑鉄を取り出すための炉で、製鉄所のシンボル的存在。 

昨年9月、新日鉄と住金は生産工程の効率化や最適配置などの統合による相乗効果を3年後に年間1500億円規模にすると発表していたが、宗岡氏は、円高などにより足元の経営環境が悪化しているとして、当初予定よりも加速化し「1500億円を上回る規模」を目指す方針を示した。

宗岡氏は1日の統合発足の社員向けあいさつで、「足元は大変厳しい経営環境との認識を共有することからスタートしたい」と述べた。取り組むべき課題として「コスト競争力の強化」、「技術先進性の発揮」「鉄鋼事業のグローバル展開」、「製鉄以外の分野での事業基盤の強化」の4つを挙げた。

新日鉄住金発足について、大和証券の五百旗頭治郎アナリストは、「本社機能の統一によるコスト削減、研究開発、購買関係の改善などで1500億円程度のシナジーが望めるだろうが、それ以上となると高炉を含めた設備の合理化が必要」と指摘した。

■収益改善の鍵
収益改善の鍵となる海外展開について、宗岡氏は「日本は経済の停滞などで鉄鋼需要が伸びにくいが、中国に続き、インド、東アジア、中東、アフリカでインフラ整備を中心に鉄鋼需要は伸び続ける」とし、技術力と規模の「総合力で世界市場で圧倒的な存在感を示し得る鉄鋼メーカーを目指す」と意気込みを示した。さらに「新日鉄住金の技術力ある製品を世界中に6000万-7000万トンの規模で出るようにしていく」と述べた。  

みずほインベスターズ証券の鈴木博行シニアアナリストは「4000万トン以上を販売するとなると、新日鉄住金の技術力を生かせる高級鋼だけでは賄えない。新興国では高級鋼は高く売れない状況。安い汎用品を売っていく必要がある」と述べた。

宗岡氏によると、技術力を示す指標となる国際特許公開件数は新日鉄住金が約900件で、JFEスチールが300件強、韓国ポスコが200件強、アルセロール・ミタルは100件程度。新会社では研究開発に800人のスタッフと年間700億円のコストを掛けるが、「これだけ研究開発に力を入れる鉄鋼メーカーは世界にない」と自負した。

フランスの銀行最大手BNPパリバの城野俊之シニアアナリストは、「中級鋼、高級鋼が生産できてもコストに見合った価格形成ができないと技術の強みは生かし切れない。韓国のポスコに対してどれだけ価格競争力を持つことができるかが課題になる」とみている。

世界鉄鋼協会によると、新日鉄と住金は11年の粗鋼生産量はそれぞれ世界6位の3340万トン、27位の1270万トン。合算すると4610万トンとなりアルセロール・ミタルに次いで世界2位となる。新会社の資本金は4195億円で従業員数は約8万2000人、12年3月期連結決算の売上高は単純合算で約5兆5600億円。


鉄の芸術品「方向性電磁鋼板」極秘技術はなぜ流出したのか 2012.5.26 18:05 MSN産経

 付加価値の高い鋼材の生産技術が盗まれたとして、新日本製鉄が韓国の鉄鋼大手、ポスコと同社日本法人、新日鉄元社員などを提訴した。昭和40年代に開発し、門外不出としてきた技術だけに、新日鉄の怒りは強い。ポスコに対し、1千億円の損害賠償などを求めている。ポスコは争う構えだが、敗訴すれば高収益な同事業分野からの撤退は避けられない。産業スパイの代償の大きさを知らしめる裁判となるか。

 「やはりそうだったのか」

 韓国内でポスコが起こした裁判での証言の一つから、ある新日鉄幹部は、それまでのポスコへの疑念が、明確な不正だと確信。昨年末、証拠保全手続きを申し立て、裁判所が元社員の保有していた“動かぬ証拠”を押さえた。

 新日鉄は、「時効の懸念もあり、早期に提訴が必要」(幹部)と判断。4月に不正競争防止法(営業秘密の不正取得行為)違反で、ポスコなどを東京地裁に提訴した。日本企業が、不正な技術流出で外国企業を訴える事例としては最大規模だ。

 訴訟対象の「方向性電磁鋼板」は、新日鉄の八幡と広畑の両製鉄所だけで製造されている。工場勤務の長かった幹部でも、「生産工程は見たことがない」という秘中の秘の技術だ。

 変圧器などに用いられる特殊な鋼板で、電圧変更時のロスなど従来製品の課題をことごとく解消。鉄の結晶がきれいに整列する様子から、業界では「鉄の芸術品」とも呼ばれている。

 もともとは米国の技術だったが、昭和43年に新日鉄の開発チームが性能を飛躍的に高める製造技術を確立。以降、同社は方向性磁性鋼板のトップメーカーとなり、多大な利益を得ている。

 しかし、平成16年ごろからその地位を脅かすライバルが現れた。ポスコだ。ポスコは以前から類似の鋼材を手がけていたが、「急激に品質がよくなった」(新日鉄幹部)。価格も安く、次々に顧客をつかんでいった。シェア約3割の新日鉄に対し、ポスコも2割程度と一気に差を縮めた。

 一方で、業界内にはある噂が広がった。「新日鉄の技術がポスコに流出したのではないか」-。

 新日鉄はポスコ側に真偽を問い合わせたが、独自技術と言い張るばかり。「何十年もかけ、数百億円を投じてきた技術が、なぜこんなに早く追いつかれたのか」(宗岡正二社長)。疑念は募っていった。

 平成19年、ポスコが韓国で起こした裁判をきっかけに事態は急転した。ポスコは、同社の元社員が方向性電磁鋼板の技術を中国の鉄鋼メーカーに売り渡したとして提訴。しかし、裁判で元社員は「渡したのは(ポスコの技術でなく)新日鉄の技術」と証言した。これを受け、新日鉄が調査を開始。同社元社員の証拠差し押さえを経て今回の提訴に至った。

 事情を知る業界関係者は、「ポスコ側に情報を漏らしたのは1人ではなく、グループだ」と指摘する。1990年代に新日鉄を退社した開発担当者を含む数人が関与したらしい。新日鉄が提訴したのはグループのリーダー格とみられる

 新日鉄は、方向性電磁鋼板の製造方法は特許出願していない。秘中の秘の技術は表に出さず、隠すのが通例。ただ、関連特許は数多く、元社員とは秘密保持契約を結んでいた。

 元社員はどのように取り込まれたのか。ポスコに限らず、日本企業の退職者を積極的に雇用する外資は多い。多額の報酬が提示されることもある。「エージェントを通じて慎重に接触し、籠(ろう)絡(らく)する」(事情通)ケースもある。

 技術を流した側と受け取った側の関係を立証するのは難しい。裁判は長期化が予想されるが、新日鉄側は「明らかな形で情報が流出した証拠をつかんでいる」として勝訴に自信を見せる。

 元社員はなぜ技術を漏らしたのか。「結局は金だろう」。新日鉄幹部らはそう吐き捨てる。

 新日鉄が勝訴した場合、ポスコにとっては大打撃だ。韓国や中国の鉄鋼メーカーの成長はめざましく、今年10月に予定される新日鉄と住友金属工業の合併の契機ともなったが、収益の柱は品質要求の低い建設向けが中心。ポスコとしては企業ブランドを高める意味でも方向性電磁鋼板は欠かせない領域だ。「この事業から撤退を余儀なくされれば、成長戦略に狂いが生じる」(業界関係者)。

 中・韓メーカーは、最終的に日本メーカーの牙城である自動車向けの薄板分野に手を広げようしている。特許侵害も辞さない強引な手法が目立つが、新日鉄が勝訴すれば、「彼らも態度を変えざるをえない」(同)。日本メーカーの巻き返しにつながる可能性もある。(高山豊司)


POSCO等に対する訴訟の提起について 2012/04/25 新日本製鐵

今般、新日本製鐵株式会社(社長:宗岡正二、以下「当社」)は、方向性電磁鋼板(*)に係る当社技術に関連し、韓国の鉄鋼メーカーである株式會社ポスコ(以下「POSCO」)及びその日本法人POSCO JAPAN株式会社(以下、両社を総称して「POSCO等」)を被告として、当社の営業秘密を不正に取得し、これを使用している等として、不正競争防止法等に基づき、損害賠償及びPOSCO等による方向性電磁鋼板の製造・販売等の差止め等を求める民事訴訟を、東京地方裁判所に提起致しました。

同時に、当社は、上記のPOSCO等による営業秘密の不正取得・使用等に加担したことを理由に、当社元社員に対しても不正競争防止法等に基づく損害賠償等を求める民事訴訟を提起致しました。

なお、米国においては、POSCO及びその現地法人に対し、当社米国特許の侵害を理由とする損害賠償及び侵害の差止めを求める民事訴訟を提起しております。

当社とPOSCOとは、2000年に戦略的提携契約を締結して以降、研究開発・技術交流・原料調達等多くの分野で成果を上げており、現在も提携関係にあります。一方、個々の商品分野では互いに競争関係にあり、方向性電磁鋼板につきましては、これまで当社より、POSCOに対して、当社知的財産権を侵害している等として、警告及び請求等を行って参りましたが、問題解決の端緒が見えず、今回の提訴に至ったものです。

当社のグローバル競争力の源泉である技術先進性を確保していくため、当社は、今後とも、不正競争行為には断固たる対応をして参ります。

(*)方向性電磁鋼板について
電磁鋼板は、特殊な製造プロセスによって鉄の磁石につく特性(磁気特性)を著しく高めた「高機能材料」で、発電所の発電機、電気機器やハイブリットカー・携帯電話の振動モーター等の「鉄心(コイルの中にある鉄材、コア)」として、身の回りで広く使用されています。中でも方向性電磁鋼板は、通常の鋼板とは異なり一方向に磁化し易い特性を持たせた鋼板で、電気を各家庭に送るための変圧器の鉄心に広く使用されています。
当社は長年にわたる研究開発により独自に確立した製造ノウハウを用い、他社の追随を許さない優れた方向性電磁鋼板を製造・販売しています。この製品は、変圧器の効率向上と送配電時の電力ロスの大幅軽減を実現し省エネに大きく貢献する「エコプロダクツ®(低環境負荷商品)」として、電力需要が急拡大する新興国をはじめ世界中で広く使用されています。

お問い合わせ先:総務部広報センター 03-6867-2135、2146、2147

以 上

宏池会の再分裂に見る出処進退

自民党総裁選の後始末が三題。

派閥抗争に負けて冷や飯喰いや左遷などよくあることだ。出処進退がはっきりしている分には古賀氏の宏池会会長辞任は妥当だろう。それでも谷垣氏の「派閥復帰せず」に同調する形で、谷垣グループは古賀派を離脱する。2008年5月の古賀派・谷垣派合同による「中・宏池会」(大・宏池会ならば麻生派含む)は約4年の短命に終わった。

出処進退が無様なのは秋田県連の4役だろう。自民党総裁選など毎回ルールが変わるものであり、この軽挙は政治のルールとやらの何も承知していないことを指している。なぜなら政治とはルールをつくる行為であり、さらに議会とはルールをつくる場所なのであるから。

古賀氏が会長辞任へ 派閥分裂避けられず 2012.9.27 13:04 MSN産経

 自民党古賀派会長の古賀誠元幹事長は27日の派閥懇談会で、「宏池会(古賀派)も新しい歩みを始めるため、新しい人にバトンタッチしたい」と述べ、会長を辞任する意向を示した。古賀氏は総裁選で同派の谷垣禎一前総裁の出馬を認めず石原伸晃前幹事長の擁立に動き、同派から林芳正政調会長代理の出馬も認めたが、いずれも落選。その責任をとったとみられる。

 会合後、古賀氏は記者団に「派閥の会合にも顔を出さず、しばらく一人になりたい」と強調し、石原氏の担ぎ出しに関わった森喜朗元首相や青木幹雄元官房長官との「重鎮連合」から退く考えもにじませた。

 古賀氏が谷垣氏の立候補を拒んだことによる亀裂は深刻だ。谷垣氏や川崎二郎元厚生労働相ら谷垣氏に近い議員はそろって懇談会を欠席。近く同氏を中心とした政策勉強会を発足する予定で、同派の分裂は避けられなくなった。


古賀派分裂へ=中谷氏ら退会届-自民 2012/10/02-22:13 時事ドットコム

 自民党の中谷元・元防衛庁長官は2日、所属する古賀派(32人)の退会届を逢沢一郎同派事務総長に提出した。谷垣禎一前総裁が既に同派に復帰しない意向を固め、川崎二郎元厚生労働相や佐藤勉元総務相、遠藤利明前幹事長代理ら谷垣氏に近い議員も3日以降に退会届を出す考えで、同派の分裂は確定的となった。 

 同派では、谷垣氏が先の総裁選で出馬断念に追い込まれたことから、谷垣氏に近い中谷氏らと、出馬に反対した古賀誠前会長らの対立が深刻化していた。

 谷垣氏に近い議員は2日夜、都内の中国料理店で会合を開き、谷垣氏を顧問に迎え、近く新たな勉強会を旗揚げすることを確認した。3日に準備会合を開き、発足時期などを詰める。(2012/10/02-22:13)


自民秋田県連の4役、辞意撤回 総裁選抗議でいったん表明 2012/10/02 12:44 【共同通信】

 地方票でトップだった石破茂幹事長を、国会議員による決選投票で安倍晋三総裁が破った自民党総裁選の結果について「民意が反映されていない」と抗議し、役職の辞意を表明していた秋田県連の大野忠右エ門会長ら4役は2日、辞意を撤回した。

 大野会長らは同日開かれた県連の常任総務会で報告後、記者会見した。大野会長は、石破氏が幹事長に就任し「私どもの意図が十分反映された」と撤回の理由を述べた。

 さらに「安倍総裁を批判する行動ではなかった。総裁選のルールは十分承知しているが、国会議員に投票行動を考えてもらいたかった」として、総裁選の方法の改正を党本部に申し入れる方針という。


谷垣グループ結成 名門派閥「宏池会」分裂へ 2012.10.4 00:08 MSN産経

 自民党の谷垣禎一前総裁が顧問を務める政策勉強会の準備会合が3日、都内で開かれ、欠席した2人を含む15人が参加の意思を示した。派閥とは位置付けないものの、事実上の谷垣グループの立ち上げといえる。参加者の多くは古賀派(宏池会)所属で、かつての名門派閥の分裂は決定的となった。党内では既存派閥の影響力が急速に落ちており、再編が加速する可能性も強まっている。(水内茂幸)

 「麻生太郎元首相から心配の電話をもらったが、この通り元気だ」

 谷垣氏は準備会合で、総裁選出馬断念の「傷」を隠しながら、グループを束ねていく決意を語った。

 参加者らは先の総裁選で谷垣氏の再選を目指した。谷垣氏の出身派閥である古賀派の古賀誠元幹事長が谷垣氏への協力を拒んだ反発から勉強会立ち上げに動いた。

 週1回水曜日に定例会を開くことも決めた。他派閥の例会が集中する木曜を避けることで、参加者を増やそうとする狙いがある。

 当面は執行部を支えるとしているが、安倍晋三総裁が「保守色」の強い政策を打ち出しているなかで、宏池会の伝統である「リベラル路線」を堅持し、対抗軸を打ち出していくことも視野に入れている。

 古賀派は創設者の池田勇人元首相から「保守本流」を掲げ、4人の首相を輩出した名門派閥だ。平成12年の「加藤の乱」を契機に分裂した旧谷垣派と旧古賀派が、20年に再合流し現在に至る。

 今回、旧谷垣派の7人前後が退会する構えで、古賀派(32人)は額賀派(28人)に抜かれ党内第3勢力に転落する見通しだ。

 かつて自民党では派閥領袖(りょうしゅう)や重鎮が「数は力」を合言葉に幅をきかせていた。だが総裁選では、安倍氏が重鎮勢力に対抗し、勝利した。その後の執行部人事でも重鎮らは口出しできず、求心力は急速に低下している。谷垣氏らの勉強会も他の派閥に属する議員でも参加を認めるように派閥的な締め付けはしない。

 宏池会に退会届を出した参加者の一人は、派閥政治の限界をこう指摘した。

 「池田氏を首相にするために宏池会が生まれたが今は派閥領袖が総裁にならない。その役割は終わった」

FRBたちの百家争鳴は大統領と議員に届くか

我が国では、来年3月の日銀総裁人事と安倍自民党総裁が言及する日銀との政策協定(アコード)、それに従わない場合を考慮しての日銀法改正が、景気回復と衆議院の解散総選挙(さらに来年の都議会選挙、参議院選挙)を大きく左右するだろうが、米国でも事情は大して変わらない。

FRBのQE3が景気回復と大統領選挙を左右することについては、外部の共和党からの批判的意見含め内部の各連銀の総裁の意見ですら百家争鳴状態だが、シカゴ、ダラス連銀総裁の発言は現在の米国が抱えるバランスシート不況と、さらにデフレに突き落としかねない“財政の崖”を正確に見据えていることは確かだ。

しかし、共和党と民主党の次期大統領及び選出される議員がFRBの危惧を共有しているかどうかは分からない。この点では、むしろ我が国と違いFRBの方が政府や議会との政策協定を望んでいる節がある。

1.雇用を増やす政府と議会の努力
2.家計のバランスシートの調整を手助けする税制の導入
3.財政出動を伴わない金融緩和の限界に対する認識不足
4.金融インフラに対する税金投入が呼ぶ批判への対応
5.QE3の効果を損なう財政削減が行われる“財政の崖”が迫っていることへの危機感

これらが政府と議会によって行われていないか、行われないかをFRBの大勢は憂慮している、と思われる。

シカゴ連銀総裁:慎重策は日本と同様、「失われた10年」招く 2012/09/27 03:08 JST ブルームバーグ

9月26日(ブルームバーグ):シカゴ連銀のエバンス総裁は政策当局者は米国の高い失業率に対して、受け身でいるべきではないと述べ、米連邦公開市場委員会(FOMC)が今月決定した追加緩和に対する批判に反論した。

エバンス総裁はインディアナ州ハモンドで講演。事前に準備された講演原稿によると、「われわれは自己満足に陥るべきではない。何も行動しなくても景気は打撃を受けていないなどと想定することは不可能だ」と指摘、「控え目かつ慎重、安全な金融政策だけを講じているならば、米国は日本が1990年代に経験した失われた10年と同じような状況に陥るリスクを抱える」と述べた。

FOMCは13日、量的緩和第3弾(QE3)を実施すると表明した。オープンエンド型の形式をとり、政府支援機関の住宅ローン担保証券(MBS)を毎月400億ドル購入する。これに対してフィラデルフィア連銀のプロッサー総裁など一部当局者は、追加緩和は雇用促進にほとんど効果がない一方でインフレを誘発する恐れがあると批判している。

エバンス総裁は「景気の耐性や活力を押し上げるためにも今は出来る限りを尽くすことが必要不可欠だ」と訴えた。エバンス総裁は今年、FOMCの議決権を保有していない。

原題:Fed’s Evans Defends QE3 While Warning of ‘Lost Decade’ inU.S.(抜粋)


米QE3、毎月20万人超の雇用増続くまで継続を=シカゴ連銀総裁 2012年 09月 27日 06:38 JST ロイター

[ハモンド(米インディアナ州) 26日 ロイター] 米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は26日、数四半期にわたり毎月の雇用増加数が20万人を上回り続けるまで、連邦準備理事会(FRB)は量的緩和第3弾(QE3)の下での資産買い入れを継続する必要があるとの考えを示した。

同総裁は、労働市場が大幅に改善したと判断するには、毎月少なくとも20万人、もしくは25万人のペースで雇用が増加する必要があるとの見方を示した。また、失業率は少なくとも7.5%を下回る必要があるとした。

FRBは今月の連邦公開市場委員会(FOMC)で月額400億ドルの住宅ローン担保証券(MBS)買い入れを決定。FRBは、インフレが抑制されている限り労働市場の見通しが大幅に改善するまで買い入れを継続するとしているが、改善を計る具体的な指標は示していない。


米経済失速、根源問題は金融緩和で解決できず=ダラス連銀総裁 2012年 09月 29日 03:53 JST ロイター

[リチャードソン(米テキサス州 28日 ロイター] 米ダラス地区連銀のフィッシャー総裁は28日、米国は「失業のなかで溺れている」と指摘した。ただ米経済が抱える根源的な問題は、緩和的な金融政策では解決できないとの認識を示した。

同総裁はテキサス大学で行った講演で、「(米国の)景気回復はかなり失望させるものだった。米経済はまさに失速速度で推移している」と述べた。

ただ、税制と規制に関してより確実なことが明らかにならない限り、「世界中の金融緩和をもってしても」雇用は増加しないと指摘。

とりわけ、減税措置の失効と歳出の自動削減開始が重なる「財政の崖」が年末に控えていることで、企業は将来の計画を立てられなくなっていると述べた。


第2四半期の米家計債務負担が18年ぶり低水準に=FRB 2012年 09月 28日 14:40 JST ロイター

[ワシントン 27日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)が27日発表した第2・四半期の家計部門の債務返済負担は18年ぶりの低水準となった。

第2・四半期には、個人可処分所得に対する元利払い比率が10.69%となり、前四半期の10.81%から低下した。10.69%は1993年第4・四半期以来最低だった。

メシロー・ファイナンシャル(シカゴ)の副主任エコノミスト、アドルフォ・ローレンティ氏は「家計が背負うことになる債務に対してより慎重になっていることを示している。デレバレッジ(債務圧縮)プロセスの一環だ」と述べた。

住宅市場バブルを一因する債務の積み上がりなどから米国は大恐慌以来最悪の金融危機に見舞われ、そうした債務の返済が消費支出の足かせとなっていた。

FRBは先週、第2・四半期の家計債務が増加したと発表した。ただ、金利低下で家計の債務残高負担は軽減されたという。


米FRBが緩和策転換時に直面する困難を懸念=ダラス地区連銀総裁 2012年 09月 29日 04:48 JST ロイター

[リチャードソン(米テキサス州 28日 ロイター] 米ダラス地区連銀のフィッシャー総裁は28日、連邦準備理事会(FRB)が今月決定した量的緩和第3弾(QE3)について、緩和策を転換させる時期が来た時にFRBが直面する可能性のある困難な状況を懸念していると述べた。

同総裁はテキサスで行った講演後に、「こうした状況に身を置くのは誰にとっても初めての経験となるため、どのように航行してこの流動性の海から出て行くべきなのか、誰にも分からない。われわれは自らを追い詰めているのではないかと懸念している」と述べた。

さらに、債券買い入れ策が景気浮揚に効果を発揮せずに金利が上昇し始め、FRBがポートフォリオに保有する巨額の債券に損失が出始める場合を懸念していると述べた、

FRBは近年は債券買い入れから利益を上げており、財務省に利益を引き渡している。

フィッシャー総裁はまた、インフレが問題化しているとは考えていないとしながらも、米国で物価上昇が今よりも加速することが望ましいか判断するのは時期尚早との見方を示した。


米カンザスシティー地区連銀総裁、ドッド・フランク法に基づく改革を批判 2012年 09月 28日 19:20 JST ロイター

[ワシントン 28日 ロイター] 米カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁は28日、金融規制改革法(ドッド・フランク法)に基づく一連の改革を批判した。この改革は2008年の金融危機の再発を回避するために進められているが、同総裁は業界の欠点を解決できておらず、危機が再発した場合は事態をさらに悪化させる可能性があるとしている。

ジョージ総裁は北京での講演で、ドット・フランク法が一部の金融機関について、「大きすぎてつぶせない」ために擁護しているとし、ウォール街による、よりリスクの高い取引を助長していると指摘した。

同総裁は講演の準備原稿で「不幸なことに、ガバナンスや市場の規律という機能は、立派な規制によって弱められるリスクがある。それがドット・フランク法に最も顕著に表れている」とした。

ジョージ総裁は「規制を追加するよりも、株主や無担保債権者、また銀行の経営側が自身の金融機関の生み出した損失について全責任を負うようにすることで、インセンティブをより良く調節することができる」と主張している。

金融危機時には、金融機関の救済に巨額の税金が投じられたが、当事者に多額のボーナスが支払われたことが表面化し、世論の反発を買った。

ジョージ総裁は今年、連邦公開市場委員会(FOMC)における投票権を持たない。同総裁は今回の原稿で米国の金融政策には直接言及していない。


米FRB、放漫な政府支出を支援しない=セントルイス地区連銀総裁 2012年 09月 28日 12:47 JST ロイター

[ワシントン 27日 ロイター] ブラード米セントルイス地区連銀総裁は27日、CNBCテレビに対し、米政府の放漫な財政支出を支援するため、意図的に金利を低く抑えるといった悪い金融政策を米連邦準備理事会(FRB)が「可能にする」ことはないとの認識を示した。

総裁は「それは悲劇的な結末をもたらす。悪い政策であり、連邦公開市場委員会(FOMC)にそうした方針に関心があるメンバーは1人もいないと確信している」と述べた。

多数の共和党議員を含むFRB批判論者は、FRBによる2兆3000億ドルに及ぶ債券購入プログラムが民主党オバマ政権の大幅な歳出拡大を助長したと主張している。

FRBが今月、量的緩和第3弾(QE3)を決定したことで、そうした批判論者の怒りはさらに高まった。

ブラード総裁は、政府の巨額な歳出を、FRBが金利面で助けるようなことはないと指摘。「財政当局、または議会や大統領が多くの資金を借り入れ、FRBの役割は金利を低く抑えること、という財政支配体制ともいえる世界に、誰も足を踏み入れたいとは思わないだろう」と述べた。

ブラード総裁はFOMCにおける投票権を今年は持たないが、2013年には持つ予定。

ブラード総裁は、投票権を持っていたら、QE3には反対票を投じていたと述べている。

総裁は、FRBは政策を正しく運営することに専念していると指摘。「われわれは国家にとって正しい金融政策を追求するが、それは無責任な金融政策を可能にすることを目指すものではない」と述べた。


情報BOX:米FRB当局者の最近の発言 2012年 10月 1日 10:14 JST ロイター

[1日 ロイター] 以下は、米連邦準備理事会(FRB)当局者の主な発言。FRBは9月12─13日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、量的緩和第3弾(QE3)の実施を決定した。
(*の地区連銀総裁は2012年のFOMCで投票権を持つ)

◎ダラス地区連銀のフィッシャー総裁(9月28日)
「(米国の)景気回復はかなり失望させるものだった。米経済はまさに失速速度で推移している」
米経済が抱える根源的な問題は、緩和的な金融政策では解決できない。
米国で物価上昇が今よりも加速することが望ましいか判断するのは時期尚早。

◎セントルイス地区連銀のブラード総し(9月27日)
政府の巨額な歳出をFRBが金利面で助けるようなことはない。
「財政当局、または議会や大統領が多くの資金を借り入れ、FRBの役割は金利を低く抑えること、という財政支配体制ともいえる世界に、誰も足を踏み入れたいとは思わないだろう」
「われわれは国家にとって正しい金融政策を追求するが、それは無責任な金融政策を可能にすることを目指すものではない」

◎フィラデルフィア地区連銀のプロッサー総裁(9月27日)
(FRB当局者の間で出ている、失業率が一定の水準に低下するまで超低金利政策を維持するべきとの提案について)「政策をある特定の水準の失業率に結びつけることは大きなリスクをはらみ、非常に危険なものとなる可能性がある」

◎シカゴ地区連銀のエバンズ総裁(9月26日)
「われわれは労働市場の回復を目指している。さまざまな指標は、雇用者数が過去2四半期にわたり(毎月)20―25万人増加していることを示している。成長率がトレンドを上回っていることを併せて考えれば、これらは著しい改善の証しを強める要因となる」

◎フィラデルフィア地区連銀のプロッサー総裁(9月25日)
「追加緩和は適切でなく、現在の状況下では効果的でもない可能性が高い」

*◎サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁(9月24日)
追加緩和について「金融政策は、経済に影響するすべての問題を解決することはできないが、回復ペースを加速させ、経済をより速く元の軌道に戻す一助となり得る」
「年末までに労働市場全般にわたり継続かつ持続的で目ぼしい改善が見られると期待するのは難しい。FRBはその時点で月次の資産買い入れ水準に関する決定を再検討するだろう」
ツイストオペ終了までに失業率の大幅低下が見込めないとし「現在のMBS買い入れを続け、来年には国債買い入れを拡大する強固な論拠となるだろう」
「2014年末までには失業率が7.25%に低下し、2014年終盤のかなり前に債券買い入れが終了する」
「失業率がインフレ圧力を引き起こさない持続的な景気の下での水準となるかなり前に利上げする必要がある」

*◎アトランタ地区連銀のロックハート総裁(9月21日)
「問題の一部は慎重な金融政策措置により改善できる成長の弱さであると納得した」

◎セントルイス地区連銀のブラード総裁(9月20日)
深刻な金融危機後は回復が一層緩慢になるとするエコノミストのカーメン・ラインハート氏とケネス・ロゴフ氏による研究に言及した上で、「ラインハート=ロゴフ効果に対する調整なしに名目国内総生産(GDP)を目標とする試みは大惨事を招きかねない」と発言。

*◎クリーブランド地区連銀のピアナルト総裁(9月20日)
「(FRBは)インフレとインフレ期待を引き続き注視し、物価安定に対するリスクを防ぐために行動する」

◎ミネアポリス地区連銀のコチャラコタ総裁(9月20日)
「生産能力や構造的失業率など経済情勢に対するわれわれの評価を踏まえると、低金利政策は失業率が5.5%に下がるまで維持可能だ」

*◎アトランタ地区連銀のロックハート総裁(9月20日)
「今回の措置が最終的に景気を支援するとの結論に達した」
「これに伴う潜在的リスクは深刻ではなく、現在も、将来においても管理可能だ」

◎ボストン地区連銀のローゼングレン総裁(9月20日)
「前週のFRBによる行動は景気回復に一段の支えを与える」
「FRBの措置は経済成長を加速させ、これらの措置が実施されなかった場合に比べ、より早期の完全雇用実現につながるだろう」

◎ダラス地区連銀のフィッシャー総裁(9月19日)
FRBによる債券買い入れは企業の借り入れや投資、雇用を押し上げる効果がない。債券買い入れを通じた流動性供給拡大は必要ない。
先週のFOMCでQE3に反対した。

◎セントルイス地区連銀のブラード総裁(9月18日)
(QE3について)「もう少し様子見姿勢を取るべき」
「このタイミングでのQE3実施には反対票を投じたはずだ。あのような主要な措置を現時点で導入する十分な理由はなかったと考えている」

*◎リッチモンド地区連銀のラッカー総裁(9月18日)
「新たな資産買い入れプログラムに反対したのは、このような状況で追加的な刺激策を講じるのはインフレ期待の安定を脅かしインフレを加速させるリスクを伴うという理由からだ」
(QE3を期限や全体の規模を事前に定めない「オープンエンド型」としたことは、インフレ圧力が高まった場合に打ち切りやすくなる)「ポジティブな要因だ」
「FOMCは物価安定維持を犠牲にして失業を減らすことに集中している、という見方は信頼を損ね、物価の不安定化をもたらす」と述べた。

*◎ニューヨーク連銀のダドリー総裁(9月18日)
「経済が一段と弱まれば、さらに(資産買い入れを)行う」
「景気が力強さを増し、より早期に雇用市場の見通しに著しい改善が見られる場合」には、資産買い入れを減らす。
力強い回復と物価安定を求め「それが最終的に実現したら、今われわれが成し遂げようと取り組んでいる結果と整合すると考える。時期尚早に緩和措置を解除する理由とはならない」

◎シカゴ地区連銀のエバンズ総裁(9月18日)
「(米国が)直面する問題と将来起こり得るリスクを考慮すれば、現段階で経済の回復力と活力を強化するためにできる限りの措置を講じることが不可欠だ」
(QE3について、年末までに著しい雇用改善を示す十分な兆候が見られれば意外とし)「こうした状況では、FRBは850億ドルベースの買い入れを継続するだろう」

◎ダラス地区連銀のフィッシャー総裁(9月18日)
(QE3について)「設備投資や雇用に関する企業の決定を妨げる他の要因があるため、現時点では効果は比較的低い」
「米国内の雇用創出や他の即時的効果につながるような設備投資に企業がコミットする必要がある。このプログラムに高い効果があるとは思わない」
「FRBとして最善を尽くすが、単独では解決できない。単独で対応することを求められると、抜け出すことのできない極めて難しい状況に陥ることになる」

◎連邦公開市場委員会(FOMC)声明(9月13日)
「一段と力強い景気回復を支援し、インフレが時間の経過と共に確実にFOMCの2つの責務と最も整合的な水準になるよう支えるために、FOMCは本日、エージェンシー発行モーゲージ債(MBS)を毎月400億ドル追加購入することにより政策緩和を拡大することで合意した」
「少なくとも2015年半ばまで、FF金利を異例の低水準とすることが正当化される可能性が高いと現時点で予想している」
「労働市場の見通しが著しく改善しない場合、物価安定の下でそうした改善を実現できるまで、FOMCはエージェンシー発行MBSの購入を継続し、追加の資産購入を実施するとともに、その他の政策手段を適宜活用する」

人類最古の都市から難民のメトロポリスへ

筆者は、個人的に安価で品質の良いアレッポ産のオリーブ石鹸を愛用しているのだが、この推移が続けば各社の在庫が尽きるのではないか心配だ。マルセイユ石鹸などは高価であるし、おそらくギリシア産かトルコ産の石鹸に切り替わることになるかもしれない。とすれば、残念なことだ。いっそ国産化も良いかもしれない。

閑話休題。シリア内戦にいくつかの動向が出てきた。まず大統領の実姉ブシュラ・アサド女史がドバイに亡命、国外にある暫定政権「シリア国民評議会」の自由シリア軍が司令部をトルコからシリア国内に移転、一方で国内にある反体制派「シリア民主的変革調整機構」がアサド政権の承認を受けて会合を開き、平和的な政権交替を求めた。

平和的な政権打倒で合意 シリアで反体制派会議 2012.9.24 09:18 MSN産経

 シリア国内を基盤とする反体制派「民主的変革のための国民調整委員会」が呼び掛けた反体制派会合が23日、首都ダマスカスで開かれ、「平和的な闘争」により「政権を打倒」する方針で合意した。

 同委員会は主に左派系の十数団体で構成し、外国の介入に反対。アサド政権が一定の活動を容認している。外国の支援を受けている武装組織や、在外シリア人が中心の反体制派「シリア国民評議会」を批判している。

 シリア各地では同日、軍による反体制派地区への空爆や砲撃、反体制派民兵による軍へのゲリラ攻撃などが続き、シリア人権監視団(英国)によると、少なくとも40人が死亡した。(共同)


そして、シリア内戦の死者は人権監視団体の発表では3万人を突破。また、シリア難民が年内に70万人を突破する見込みを国連難民高等弁務官事務所が示した。そのうち難民が100万人規模のキャンプでもつくりかねない。人類最古の都市とも云うべき古代のメトロポリスであったダマスカスから、流出した難民のメトロポリスが誕生する悲劇を見ることになるのだろうか。

シリア・アレッポの「世界遺産」で火災、戦闘が原因か 2012年 10月 1日 08:12 JST ロイター

[ベイルート 29日 ロイター] アサド政権と反体制派の戦闘が続くシリア北部アレッポで、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録される旧市街の市場(スーク)が火災に遭い、29日までに数百軒の店舗に被害が出た。

アレッポ旧市街にある中世のスークは、石畳の路地や木彫りの装飾が施された建物が特徴で、かつてはシリアの主要観光地だった。ユーチューブに投稿された映像では、上空を黒い煙が覆っている様子が見られる。

活動家によると、火災は28日の戦闘によって発生したとみられ、700─1000の店が焼失したとみられる。外国メディアの取材が規制されているため、情報の確認は難しい。

シリアには古都アレッポを含め世界遺産が6カ所あるが、ユネスコによると、うち5カ所が内戦の被害を受けているとみられる。


シリア難民は年内に最大70万人へ=UNHCR 2012年 09月 28日 13:51 JST ロイター

[ジュネーブ 27日 ロイター] 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は27日、内戦が続くシリアから国外に逃れる難民が、年内に最大70万人に達するとの見通しを示した。従来の想定からは4倍増となる。

こうした難民の多くは厳冬期にテント生活が余儀なくされるとし、UNHCRは西側諸国に対し、シリア近隣4カ国での難民支援に必要な資金約5億ドル(約390億円)への拠出を求めている。

シリアでは過去18カ月の間に、約29万4000人が国境を越えてヨルダンやイラク、レバノン、トルコに逃れたという。UNHCRのパノス・ムンチス保護調整官によると、8月に10万人、9月には6万人が国外に脱出し、「現在は1日2000─3000人」のペースで難民が増えている。

アサド大統領退陣を求める反政府デモが始まったのは昨年3月。当初は平和的な抗議活動だったが、政府がデモ弾圧を強めた一方で、反体制派は武装組織化し、現在は泥沼の内戦状態に陥っている。

人権団体「シリア人権監視団」は26日、過去18カ月間の死者が3万人を超え、そのうち一般市民が2万1534人、反体制派の兵士が7322人と発表していた。


内戦続くシリア、死者数が3万人を突破=人権団体 2012年 09月 27日 13:05 JST ロイター

BBVAもサンタンデールに続け、と誰かが囁く

サンタンデールのメキシコ子会社上場が好調だったことで、BBVAも同様に子会社上場の可能性が出てきた、とロイター電が伝える。スペインのストレステストの結果を見る限り、この2大メガバンクを生き残らさせて、残余は整理していくのが妥当だろう。特にスペインの旧植民地地域に基盤を持つこの2行を守ることこそ、たとえば英国経済の旧植民地の金融支配構造の維持と同様にスペイン経済にとって最重要だからだ。

それ以外の銀行についてはストレステストのあと、不良債権処理のバッドバンクをつくることになるだろう。

それぞれ対象がキャッシュフローを生みだせない不動産主体の場合、猛烈な貸し剥がしをした我が国の整理回収機構の例に近くなり、キャッシュフローを生みだせそうな有望な企業の場合は我が国の産業再生機構の例に近いものになる。

さらにバッドバンクに移さずとも、一度破綻処理をすれば継続したキャッシュフローを生みだせそうな不動産(ホテルやゴルフ場などのリゾート)ならば、外資系のPEファンドが買収・再公開する例が近似するだろう。スペインは北欧と英独からのリゾート客が見込まれる。ここが最も稼ぎ場所になりそうだ。

サンタンデール、メキシコ子会社上場で34億ユーロ調達目指す 2012年 09月 5日 06:19 JST ロイター

[マドリード/メキシコ市 4日 ロイター] スペインの大手行サンタンデール(SAN.MC: 株価, 企業情報, レポート)のボティン会長は4日、今月予定しているメキシコ子会社の株式新規公開で、最大34億ユーロ(43億ドル)の調達を目指していることを明らかにした。

ユーロ圏で最大の規模を持つサンタンデールは、メキシコ子会社のグルポ・フィナンシエロ・サンタンデール・メヒコの株式、最大24.9%を上場する。時価総額は最大137億ユーロと算出され、メキシコでは過去最大規模の新規株式公開(IPO)となる見通し。

新規株式公開(IPO)のプライシングは29.0─33.5メキシコペソ(2.20─2.54ドル)。アナリスト予想の最上限は36ペソだった。取引はメキシコ市場とニューヨーク市場で26日頃に開始されるとみられている。

ボティン会長はメキシコ市で開いた記者会見で、メキシコ子会社の上場により、サンタンデール本体の資本増強が望めると期待を表明。ただ、上場で得られた資金は「1ペセタたりとも、不動産事業による損失の穴埋めには使わない」と言明した。

同会長は、メキシコ子会社に続き、その他の有力な子会社も向こう5年以内に上場させる計画を表明。「スペインはメキシコのような状況にないことは周知の事実だ。メキシコはすばらしいが、スペインは今は一番良い時期ではない」と述べた。

サンタンデールによると、メキシコ子会社の上場により、同行の中核的自己資本比率は約0.5%ポイント上昇する。

サンタンデールの上半期の純利益は、不動産部門の損失が重しとなり、前年から半減。こうしたなか、同行のメキシコ子会社は好調なメキシコ経済が追い風となり、事業も好調。サンタンデールの利益の半分はラテンアメリカ地域での事業によるものとなっている。メキシコ事業からの利益は全体の12%を占める。

サンタンデールはこれまでにブラジルとチリの子会社を上場。アルゼンチンと英国の子会社は未上場となっている。


サンタンデールのメキシコ子会社、上場初日に一時9%高 2012年 09月 27日 07:31 JST ロイター

[メキシコ市 26日 ロイター] 26日に新規株式公開(IPO)したスペインの銀行大手バンコ・サタンデール(SAN.MC: 株価, 企業情報, レポート)のメキシコ子会社サンタンデール・メヒコ(SANMEXB.MX: 株価, 企業情報, レポート)の株価は、大幅に上昇した。

バンコ・サンタンデールはメキシコ市場で40億ドルを調達。これはメキシコ市場への上場では最大規模となる。

サンタンデール・メヒコのIPO価格は31.25ペソで、これに基づくと同社の価値は165億3800万ドル(127億8000万ユーロ)となる。同行株価はこの日、IPO価格から一時9%高の34.10ペソをつけた。

同行はニューヨークへも上場。この日株価(BSMX.N: 株価, 企業情報, レポート)は一時13.18ドルをつけ、IPO価格の12.185ドルを上回った。

ニューヨーク市場への上場規模としては、フェイスブック(FB.O: 株価, 企業情報, レポート)に次いで今年2番目となる。

サンタンデール・メヒコのマルコス・マーティネス最高経営責任者(CEO)は、ロイターとのインタビューで、IPOへの公募は募集枠の5倍近くに達し、予想以上の需要があった、と明らかにした。そのうえで「確かにかなりの労力を費やしたが、投資家の反応には若干驚いている」と述べた。

ただ、今後さらに株式を上場する計画はないと語った。

今回の同行IPOに対する投資家の反応が良好だったことから、スペインのBBVA(BBVA.MC: 株価, 企業情報, レポート)のメキシコ部門もメキシコと米国で資金を調達する可能性がある、とアナリストは指摘する。


〔情報BOX〕スペインの主要14銀行のストレステスト結果概要 2012年 10月 1日 11:10 JST ロイター

[マドリード 28日 ロイター] スペインは28日、国内主要14行に対して実施したストレステスト(健全性審査)の結果を明らかにし、景気が大幅に悪化した場合の資本不足額は総額で593億ユーロ(760億ドル)と発表した。ストレステストは米コンサルタント会社のオリバー・ワイマンが実施した。

結果の概要は以下の通り。

基礎シナリオ下での所要自己資本比率は9%、景気の大幅悪化を想定したシナリオ下での同比率は6%に想定された。大幅悪化シナリオに基づいた銀行セクターの資本不足額は税額控除を含む額が537億ユーロ。含まない額が593億ユーロ。

基礎シナリオ(%)
    2012 2013 2014
国内総生産(GDP)伸び率 -1.7 -0.3   0.3
失業率  23.8 23.5 23.4
住宅価格  -5.6 -2.8 -1.5
株価   -1.4 -0.4 0.0

大幅悪化シナリオ(%)
    2012 2013 2014
国内総生産(GDP)伸び率 -4.1 -2.1 -0.3
失業率  25.1 26.8 27.2
住宅価格  -19.9 -4.5 -2.0
株価   -51.3 -5.0 0.0

大幅悪化シナリオ下での個別銀行の資本不足額(単位10億ユーロ)

サンタンデール(SAN.MC: 株価, 企業情報, レポート)、BBVA(BBVA.MC: 株価, 企業情報, レポート)、カイシャバンク(CABK.MC: 株価, 企業情報, レポート)、Kutxabank、サバデル(SABE.MC: 株価, 企業情報, レポート)、バンキンター(BKT.MC: 株価, 企業情報, レポート)、ウニカハは追加資本不要と判断された。

イベルカハ・リベルバンク・カハの3銀行(統合予定)2.1
バンコ・マレ・ノストルム 2.2
バンコ・ポピュラール 3.2
バンコ・デ・バレンシア 3.5
ノバガリシア 7.2
カタルーニャバンク 10.8
バンキア(BKIA.MC:株価, 企業情報, レポート) 24.7

*ストレステスト結果のリポート全文は以下をクリックしてご覧下さい。
ASSET QUALITY REVIEW AND BOTTOM-UP STRESS TEST EXERCISE September 28, 2012

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