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彼ら、紅い文革の子ら

よくよく考えてみたら、現在の全人代指導部は文化大革命中に権力を握っていた父親たちに巻き込まれて地方に下放された二代目でした、と。

権力の座にある習近平主席。一方失墜して無期懲役判決が下った薄煕来氏。財政出動で実績のある王岐山氏。

この三人は反動呼ばわりされ、獄に入れられ、自己批判を繰り返して自分で自分を洗脳した人たちだった。結局、どんなに否定してもアンチテーゼはテーゼがなければ成立しないので、彼らの行動は文革と相似する。そして、皆権力闘争のために、権力腐敗を唱えながら、支那全土が腐海に沈む。

二代目の紅衛兵のイデオロギーが勝つか、ウイグルのムスリムや民族主義者のイデオロギーが勝つか、それとも金銭崇拝主義が勝つか。いずれにせよ封じ込められさえすれば、最低限我が国の利益にはなるでしょう。

天安門の車炎上、ウイグル自治区出身者を容疑者と特定 2013年 10月 29日 14:19 JST ロイター

[北京 29日 ロイター] -中国の首都北京で28日、天安門広場北側の通りを走行する車が歩行者に突っ込んだ後に炎上し、5人が死亡、多数の負傷者が出たことに関連し、警察当局は新疆ウイグル自治区出身の2人を容疑者と特定し、捜査を進めている。

現地の4つのホテルがロイターに明らかにしたところでは、当局は28日夜、新疆ウイグル自治区出身のウイグル族とみられる容疑者2人の名前を挙げたうえで捜査協力を求める通知を出し、10月1日以降の宿泊客に不審な人物がいなかったかどうかホテルに聞き込みを行っている。通知には、新疆登録の4つの車両ナンバーも記載されている。

北京の警察は電話取材に対し、コメントを拒否した。

新疆政府は電話に応答していない。

同地区では多くのウイグル族が独自の文化や宗教をめぐる中国政府の支配に不満を募らせている。

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李克強のリムランド防衛外交

中共の李克強首相は、ベトナムとインドに続いてモンゴルに対しても、経済及び科学技術協力の合意文書に調印した。中原をハートランドと規定すると、リムランドを包囲されないように隣接国に対して緊張緩和策を採っている。

ベトナムに対する雲南省と広西チワン族自治区、インドに対するチベットとカシミール、モンゴルに対する内蒙古、トルキスタン諸国に対する新疆ウイグルが、この場合のリムランドになる。

現実的には協力していく旨、合意に到ったというに過ぎず、これは我が国に対して絶対優位に立った訳ではない。競争相手である我が国との資源獲得、資本と技術の進出合戦がつづくことになる。

また彼らは、我が国の外交上の理念に対抗するに、おそらく中華思想や華夷秩序、儒教的な価値観を前面に押し出さなければならなくなる。西洋に対しての東洋、覇道に対しての王道といった理想を説こうとするだろうが、この思想に随伴するのは事大主義の朝鮮半島のみと考えられる。

そこが彼らの思想的限界であろう。

輸送施設建設で合意 中国・モンゴル首相 2013.10.25 23:17 MSN産経

 中国の李克強首相は25日、訪中したモンゴルのアルタンホヤグ首相と北京の人民大会堂で会談し、天然ガスと電力の輸送や、鉄道・道路などの基礎施設建設で協力していくとともに、経済関係も強化していくことで合意した。

 会談後、両首相は経済や科学技術の分野などの合意文書に調印した。

 アルタンホヤグ首相は習近平国家主席とも会談し、両者は資源開発などで協力していくことで一致した。(共同)


モンゴルのウラン鉱山、日仏蒙で開発 2013.10.26 21:09 MSN産経

 モンゴル国営の原子力企業モンアトム社は26日、フランスの原子力大手アレバ社とモンゴルのウラン鉱山開発に関する合意文書に調印した。

 合意により新会社が設立されモンゴル国内のウラン開発を推進する。モンゴル側は株式の34%を保有、残りをアレバ社側が持つ。日本の三菱商事もアレバ社の出資に参加する。ウランバートルで行われた調印式にはフランスのファビウス外相が出席した。(共同)


さて、天安門でのテロの可能性が取り沙汰されている。

天安門車両炎上、中国政府は自爆攻撃の可能性も視野 2013年 10月 29日 17:48 JST ロイター

少なくとも宗教を否定する共産主義と民主主義の母体となりうる原理主義が対立するのは間違いない。アラブ社会主義のバース党とアサド政権が共産主義と近縁性を持つ以上、シリアの暫定政権に連なる原理主義者の過激派が新疆ウイグルに入り込むのは妥当な話と云える。

テロから内戦までを起こせるだけのノウハウは結局、一般企業や政府などと同様、それをしていた組織内部の人たちから伝授される。シリア内戦が終結していない段階で一気に飛び火するのは解せないが、新疆ウイグルの暴動が深刻な傍証と云うことだろう。この武器・人員供給ルートから内乱を惹起できるかもしれない。

我が国は、外交的に“対中封じ込め”が完成しているので、今すぐに無理に東トルキスタン、もしくはウイグル全体の独立を後援する必要性はない。世論喚起しつつ、素地つくりのため、まずはカザフスタンを抑えるのが得策だ。

かつての防共回廊構想は“リムランド安全保障構想”に形を変えて日印のシンクタンクが提唱していることもあり、対中国の陸軍を4万人(師団規模ではなくていきなり軍団規模)も増員する決定を下したインドの動向の行方を見ても良い。

と、2013年7月3日のエントリーで書いた。新疆ウイグル自治区からテロリスト来襲とすれば、中印国境未確定地域を防衛協力する協定など締結しても、インド側の“リムランド安全保障構想”とも依然、衝突していることになる。しかも、これにシーレーン確保の負荷が掛かるのだ。中共には荷の重い話が続きそうだ。

一人っ子政策の置き土産が左右する未来

2013年5月1日のエントリーで詳細に述べたが、我が国が辿った高度経済成長と安定成長と、中共が辿るであろうそれらの類似点と相違点のうち、最も注目すべき点は高度経済成長の終わり(農業部門から工業部門へ移転する低廉な労働力が枯渇する)から安定成長の終わり(生産年齢人口と従属人口の比率逆転)の間までに産業構造転換できる20年の猶予期間があるかどうかに懸かっている。

一言で云うと、一人っ子政策の置き土産が中共の運命を左右する。

中共ではまずルイスの転換点(農業部門から工業部門へ移転する低廉な労働力が枯渇する)が見えてきた。都市における戸籍の有無や、党員と非党員の違い、官僚の地位と財産世襲などの格差により、社会階層の移動がほぼ不可能なことが認知され、まだ余剰労働力があるはずの農民工の都市流入が鈍ってきた。

生産年齢人口と従属人口の比率逆転の先駆的現象となる人口ボーナスのピークも2015年に迫っている。この2015年がどう足掻いてもバブルの破裂点、もしくは惰性で続くバブル的消費の終末点になるだろう。

下記のロイター電によると、

「中国政府は消費者需要を成長のけん引役とする経済改革を進めているが、労働者人口はすでに縮小している。清華大学が8月に公表したリポートによると、2035年までに中国の労働者2-3人が1人の年金受給者を支えることになるとみられている」

「中国政府は、投資主導よりも消費主導型経済への転換を望んでおり、改革を推し進める間の成長鈍化を受け入れる方針を表明している」

当局も理解しているにせよ2012年11月9日のエントリーで詳細に述べた、世界銀行が2007年に発表した“中所得国の罠”という概念が彼らの眼前に立ちはだかる。

“中所得国の罠”とは、国民1人当たりの所得が世界の中程度のレベルに到達した国家において発生する。産業構造の転換を果たせずにいると、新たな成長の原動力となりうる内需の不足を招き、長期低迷することを指す。中所得の罠に陥った国々に共通した特徴には、余剰労働力の減少、産業高度化の停滞、貧富格差の拡大といった、それまで蓄積された成長制約要因が一気に顕在化することが挙げられる。

まず個人消費の拡大には中間層の拡大は欠かせないだろう。

中国の人口は、13億人の戸籍を有する人々、3~5億人の戸籍を有しない人々、7億人の都市部に居住している人々、3億人の都市部戸籍を有する人々、8000万人の共産党党員、1200万人の先進国並の可処分所得を有する人々からなっていると推定される。我が国にとって商売相手になる内需の母数として、最大なのが都市部居住の7億人で、おそらく1200万人の可処分所得者(月額平均3500ドル)がどれだけ底上げできるかにかかってくる。

都市人口が農村人口が上回る時代。これは支那の歴史においてエポックとなる。三皇五帝の神話を経て夏、殷(商)、周の王朝、これらは領域国家ではなく都市国家の連合体の時代だった。そして春秋戦国時代における都市国家の群雄割拠から秦の全土統一以降、約2200年を経て都市に再び比重が移る。北京の中央政府と地方政府(上海は除く)の力関係に影響が出るだろう。

本来、既存の村落共同体が崩壊して、帰属する共同体を模索する社会的混乱が起きて然るべきなのだが、心理的当惑から混乱を先導する若年層が早くも減少し始めるために、政治的権利獲得の動きは乏しいものになると思われ、混乱という名のダイナミズムから生まれる民主主義的、分権的改革機運は弱くなる。

また、第1次大戦と戦間期・第2次大戦と冷戦期における列強と同じような人口動態も望めないため、大規模な軍事動員も不可能と思われる。人口動態が人民解放軍、特に各軍区にどう影響を与えるかまだ予測できない。

さらに“対中封じ込め”を呼び込んでしまった外交政策の不手際によって最低限、日米豪印及びASEAN(中共寄りのカンボジア、ラオスを除いても良い)以上のGDPと軍事費と陸海軍の装備人員を持たなければならない。その封じ込めのさなかに、社会保障費と軍事費のバランスをどう採るか迫られるとき(ロイター電では2035年)を迎えることになる。

中国、年金制度の改革を近く発表へ=関係筋 2013年 10月 18日 18:28 JST ロイター

[北京 18日 ロイター] - 中国政府は年金制度の改革を近く発表する見通しだ。運用する資産が将来に見込まれる給付をすでに3兆ドル下回っているとされるなか、政府は高齢化に対応した持続可能な制度の構築を目指している。

関係筋によると、年金改革は今月中にも発表される可能性がある。公的部門と民間企業で分かれている雇用者年金を統合し、カバー率を引き上げるとともに、年金基金の投資リターンを増やすことや効率化を狙い、投資の対象を広げるといった措置が含まれる可能性がある。

中国政府は消費者需要を成長のけん引役とする経済改革を進めているが、労働者人口はすでに縮小している。清華大学が8月に公表したリポートによると、2035年までに中国の労働者2─3人が1人の年金受給者を支えることになるとみられている。

中国人民大学公共管理学院の董克用学院長は、「制度が現状のままでは問題が悪化しないとは考えにくい」と指摘したうえで、「現制度が立ち行かなくなれば、変わるだろう」と述べた。

多くの先進国は「ベビーブーム」世代の退職に伴う年金給付費の膨張に直面しているが、中国は1979年に導入した「一人っ子政策」を背景に、大半の新興国よりも早く同様の問題が表面化している。

専門家らは10年近く前から、「中国は豊かになる前に老いてしまう」と警告してきた。清華大学はリポートで、中国の年金制度は15年前に行うべきだった改革がまだ行われていないと指摘している。

ドイツ銀行中国担当チーフエコノミストの馬駿氏が2012年6月に発表したリポートによると、制度の変革なしでは2033年までに68兆2000億元(11兆2000億ドル)の資金不足に陥る可能性がある。同リポートは、今年は18兆3000億元の債務超過になるという見積もりを出している。

中国の年金制度は大きく4部門に分かれており、公務員および国家機関の従業員向けの制度が最も充実している。第2部門である民間企業従業員の年金は地方政府が管理している。

農村部の住民に向けた第3部門は2009年に開始したばかりで、第1や第2の部門に属さない都市部の住民に向けた第4部門もある。第3・4部門では基本的な給付しか支払われていない。

これに対し、公務員や他の公的部門の従業員は積立金なしで、退職直前の給与の約70─90%を受け取ることが可能だ。

民間企業の従業員は、企業と個人の保険料の負担率の合計が賃金の28%なのにもかかわらず、受け取る給付は給与の50─60%に過ぎない。

民間企業の従業員向け年金を運用する一部の地方政府は、現在の退職者への支払い義務を果たすために、個人口座にまだ積み立て途中の保険料を流用している。

2人の事情に詳しい関係筋によると、公務員と民間企業向けの年金制度を統合し、民間企業向け年金を地方政府の管轄外とすることが改革措置として発表される可能性がある。ただ、それには、公務員の反対を押し切る必要がある。

アナリストらは、年金制度を中央集権化することで、効率性を高めるとともに、地域間の差をなくすことが可能になると指摘する。

一方、年金支給開始年齢の引き上げ(現行は男性が60歳、女性は専門職が55歳、その他は50歳)については反対の声が強い。

浙江大学公共管理学院のKa Lin教授は、「国はこれまで、定年の年齢についていかなる政策や法律も打ち出すことに非常に消極的だった」と指摘。

関係筋によると、資産規模で年金4部門のうち最大である民間企業向け年金において、資産運用の方法を変えることも改革の一環として検討されている。

広東省の試験的な改革では、2012年の3月から地方政府の代わりに国家の基金が資産の運用を行っている。地方政府は国債への投資か低金利の銀行口座に資金を預ける権限しかない。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(香港)の中国ストラテジスト、Tracy Tian氏は「広東省の試験的プロジェクトで、中央の運用チームの運用成績の良さが明らかになった。2012年に7%のリターンを示したのに対し、他の地方政府の運用成績は1%を下回るものだった」と指摘した。


中国国務院、経済改革の取り組み強化を呼び掛け 2013年 10月 21日 13:27 JST ロイター

[北京 21日 ロイター] - 中国国務院(内閣に相当)は20日、18日の会合を受けて出した声明で、国内の景気回復がまだ確かではないことを理由に、経済改革に向けた取り組みを一層強化するよう呼び掛けた。

リスクを警戒し、国民生活を保護しつつ、業界再編の加速と消費拡大を求めた。

国務院は、国内外の情勢は引き続き複雑であるものの、中国経済の今年の目標について、7.5%成長を含め、達成する可能性があるとの見方をあらためて示した。

国務院はまた、行政の効率化を図ったほか、金利自由化や貿易・投資の促進に向けた措置を講じたと指摘し、政府の赤字増加や金融政策の変更なしにこれらの成果を上げたことに言及。全レベルの当局に対し、当局の無気力によって改革が遅れることのないよう働き方の改善ペースを速めることを求めた。

中国国家統計局が18日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は、主に投資に後押しされ、伸び率は前年同期比7.8%に加速し、今年最高を記録した。

中国政府は、投資主導よりも消費主導型経済への転換を望んでおり、改革を推し進める間の成長鈍化を受け入れる方針を表明している。

財産権の侵害で独立革命と内戦を起こした国

オバマ政権は、予算と債務上限を取引材料にした下院共和党と戦いながら辛うじてオバマケアをスタートさせた。つぎにヒスパニックを筆頭とする不法移民の合法化を指向し、これもまた下院共和党を主導する茶会党などを刺激するに違いない。

しかし“代表なくして課税なし”を唱えてボストン茶会事件を起こし、その延長で独立革命を起こしたのが合衆国であり、奴隷財産を認めるか否かで南部が連邦を脱退して世界最大の内戦、南北戦争を起こしたのが合衆国である。南北戦争直前、ジャガイモ飢饉でカソリックのアイルランド人が大量移民したときも反移民運動が起きたが、内戦は独立革命同様、財産権の侵害によって惹起されたと言っても過言ではない。

つまり、オバマケアのために連邦が税を徴収することは連邦最高裁で合憲とされた(州際通商条項に関するものとしては違憲となった)が、これを財産権の侵害と受け取る人々の間で違憲という認識はくすぶり続けるだろう。白人貧困層の労働を奪う(財産を得る機会を奪う)不法移民の合法化は保守とリベラルの分断の伏流となるが、主因は自助努力で手に入れた財産権への侵害という主張に合流するだろう。

ちなみに南北戦争に到るまで、メーソン・ディクソン線やミズーリ妥協、カンザス・ネブラスカ法によって、自由州と奴隷州は目に見える線引きで連邦国家を分断していた。これはそれぞれ農作物の北限・南限、文化的国境としての分断線でもあったのだ。日本では東日本と西日本、支那で云えば華北と江南のような違いだろう。

さて、合衆国議会は当時から上院は各州2名ずつ、下院は人口比によって配分されていた。

工業化された北部は移民を大量に受け入れ、北部と南部の人口比は崩れ、奴隷制反対を党是に結成された共和党は北部だけで大統領を選出することができた。現在の共和党がディープサウスを票田にしたのは公民権法以降である。

リンカーン当選と同時にアメリカ連合国が分離独立し、就任と同時に南北戦争が始まった。戦争に拠らざれば財産としての奴隷の放棄は達成できなかったのだ。

現在の合衆国の分断は、南北という目に見える線引きでされていない。

統計上では、富裕層と貧困層が別々のコミュニティに住み分けている州がリベラル、富裕層と貧困層が住み分けていない州が保守で線引きされている。それらの州内でもリベラル的な都市部と保守的な田園部や山岳部が対立し、それぞれ線引きされた下院の選挙区からリベラルと保守が輩出されることになる。

リベラル州は増え続け、共和党ですら穏健保守の大統領候補(ジョン・マケインとミット・ロムニー)しか立てられなくなっている。副大統領候補(サラ・ペイリンとポール・ライアン)に茶会党や宗教右派に受けの良い保守を引っ張り出すのがやっとだった。加えて人口比で選挙区を再編すると下院共和党、とりわけ茶会党などの保守は二度と浮上できなくなる。遠からず下院の選挙区再編は起きるだろう。保守にとって、上院の議席配分を考えるとき、州分離運動は当然の選択肢となる。

アングル:「州分離運動」じわり拡大、米政治対立が地方でも激化 2013年 10月 14日 16:47 JST ロイター

[ウェストミンスター(米メリーランド州) 12日 ロイター] - 米メリーランド州のスコット・ストゼルジック氏(49)は同州の政治状況に嫌気がさし、自らそう呼ぶ「政治的奴隷制度」から抜け出そうと、ある計画を目論んでいる。それは、南北戦争以降の米国では例がない、新たな州の創設だ。

メリーランド州は全米で最もリベラルで、民主党支持者の多い州の1つ。ストゼルジック氏は全米に広がる反政府機運に乗って、同州から保守派住民の多い西部5郡を分離させるという大胆な挑戦に打って出た。

草の根保守運動「ティーパーティー」(茶会)系団体に州分離計画を提案したストゼルジック氏は、「われわれには妥協できない違いがあり、協議の上で離婚を望んでいるだけだ」と語った。

ストゼルジック氏の運動がメリーランド州にとって深刻な問題になるとは考えにくい。州分離には乗り越えることがほぼ不可能な手続きが必要だからだ。しかし、同じような考えを持つ人は他にも見られ、同氏の運動は全米で湧き起りつつある動きの1つにすぎない。

例えば、コロラド州の10数郡では11月に行われる投票に、州分離の是非を問う拘束力のない住民投票が盛り込まれた。また、フロリダ州でも分離についての提案が出されている。

さらに、カリフォルニア州北部では、一部住民がオレゴン州南部の郡と共に新州を創設しようとしている。アリゾナ州トゥーソンでも、保守派の知事と議員に我慢できなくなったリベラル派の住民が、同様の計画を練っている。

こうした試みは米国史上何度も繰り返されているが、南北戦争時の1863年にウェストバージニア州が誕生してからは、州の分離は実現していない。

しかし、分離を求める動きが増加している要因として、今回の政府機関閉鎖を引き起こした議会の行き詰まりなど、行政運営への不満が大きくなっていることを指摘する専門家もいる。

<ゲリマンダー>

メリーランド州のセントメリーズ・カレッジで政治科学を教えるトッド・エバリー准教授によると、同州では分離の動きが農村部の保守派住民と都市部のリベラル派住民の対立意識を増幅させている。

またエバリー氏は、共和党のみならず民主党も、議会で多数を占める州で選挙区の区割りを自分たちに有利になるよう変更する「ゲリマンダー」を強行し、それが全米各地で州分離運動を助長していると指摘する。

変更される選挙区の市民は、自分たちの考えを代表しない政治家を押し付けられていると感じることが多く、エバリー氏は「こうした州で少数意見を持つ人たちは、自分たちの居場所がどこにもないと考えるようになっている」と話す。

合衆国憲法では、州からの分離独立は州議会と連邦議会の承認がなければ認められず、越えることがほぼ不可能なハードルとして立ちふさがっている。

メリーランド州にある小さな町ニューウィンザーの出身で、5人の子どもを持つITコンサルタントのストゼルジック氏は、ティーパーティー系団体に対して、民主党によるゲリマンダーを理由に州分離への闘いが不可欠だと主張。「われわれは基本的に1つの政党の奴隷となっている。そこから逃れる簡単な道はない」と訴えた。

さまざまな料金や税金の引き上げ、州政府の土地利用計画にもうんざりしていたストゼルジック氏だが、州議会が今年、全米一厳しいとされる銃規制法を採択したことで、ついに我慢の限界を超えたという。

アレゲーニー山脈の東に広がるギャレット、アルガニーなどの州西部5郡は、ボルティモアやワシントン近郊を中心とした都市部とは対照的な地域と言える。国勢調査によると、同地域には州人口590万人の11%が暮らし、その多くの所得は州平均より大幅に低い。一方、住民は白人が多く、州全体の58%よりも比率ははるかに高い。

ギャレット郡のグレガン・クロフォード郡政委員は、州政府や連邦政府とは良好な関係にあり、教育やスポーツイベント向けに州から特別費を受けていると説明。ストゼルジック氏の運動については、「分離すればどうなるかという現実を見れば、本当にばかげた考えだと思う」と話した。マーティン・オマリー州知事(民主党)のスポークスマンはコメントしなかった。

ストゼルジック氏の運動は数カ月前に始まったばかりで、活動は今のところ、7000人が「いいね」を押すフェイスブックのページが中心だ。

60歳になるボブ・カーランド氏も州分離を支持する1人だが、民主党が多数を占める州議会が承認しないだろうと見ている。同氏は「そう遠くないうちにワイオミングに移ろうかと考えている。メリーランドはもう元には戻れない」と漏らした。

(Ian Simpson記者、翻訳:橋本俊樹、編集:本田ももこ)

*記事の体裁を修正して再送します。


コラム:「貧富の住み分け」から占う米大統領選 2012年 10月 25日 14:48 JST ロイター

By James K. Galbraith and J. Travis Hale

ラッセル・セージ財団が最近発表したリポートによると、米国社会では過去40年にわたり、所得による住み分けが急速に進んでいる。中間所得層居住区に住む世帯の割合は、1970年当時は約65%だったが、現在は44%にまで減少。残りの約6割の世帯は、明らかな富裕層地域もしくは貧困層地域に住んでおり、特に富裕層は同程度の所得の隣人たちに囲まれて暮らす傾向が強いという。

これらの指摘は、われわれが2005年から別のデータを使って立ててきた推測とも一致する。貧富の住み分けによる空間的な二極化は、米国社会のまぎれもない事実となっている。

このことに政治的な意味合いはあるだろうか。私たちはあると考える。実際、所得による居住地の住み分けが進むことで恩恵を受ける政党はある。奇妙に聞こえるかもしれないが、それは民主党だ。

コロンビア大学の政治学者アンドリュー・ゲルマン氏は、米大統領選挙でみられる明白な矛盾をこう指摘する。「富裕層は共和党に投票する傾向があるが、裕福な州では民主党が強い傾向にある」。

こうしたことが起きるのは、所得と投票の関係が州によって異なるからかもしれない。裕福だが民主党色の強いコネティカット州では、裕福ではなく共和党色の強いミシシッピ州に比べ、所得と投票の関係はかなり弱いと言える。

しかし、ミシシッピ州の富裕層が民主党寄りになることはめったにないのに、なぜコネティカット州の富裕層は民主党寄りになるのだろうか。

所得格差は、コネティカット州よりミシシッピ州の方が大きい。一方で、所得による居住地の住み分けはコネティカット州の方が顕著だ。ミシシッピ州では、富裕層と貧困層は同じ町の同じ学区で互いに隣り合わせで生活しているが、コネティカット州ではそうではない。

このことが意味するのは、コネティカット州の少なくとも地方政治の場では、富裕層と貧困層が政治的に直接対立することは少ないということだ。彼らは同じ町に住んでいないため、そこでは社会階級(または人種)に根差した衝突は議題に上りにくい。それが貧困層を共和党寄りにすることはないにしても、富裕層が民主党寄りになる一因にはなるだろう。

もしこの説明が正しいとすれば、大統領選挙においては、居住区によって貧富が分断された州では民主党が強くなり、分断されていない州では共和党が有利になるはずだ。

仮説が正しいかどうか、2000年と2008年の結果を見てみよう。

2000年の大統領選では、貧富による住み分けが最も顕著だった10州は、順番にニューヨーク州、コネティカット州、カリフォルニア州、マサチューセッツ州、ニュージャージー州、ワシントン州、メリーランド州、イリノイ州、バージニア州、ミシガン州だった。このうち共和党のブッシュ候補が勝てたのはバージニア州だけで、民主党が圧勝した。

一方、貧富による住み分けが少なかった州は、サウスダコタ州、ノースダコタ州、モンタナ州、ウェストバージニア州、バーモント州、アイオワ州、ケンタッキー州、ミシシッピ州、アーカンソー州、ワイオミング州。民主党のゴア候補が勝てたのはバーモント州とアイオワ州のみだった。

2008年は州の内訳こそ若干変わったが、結果は同じだった。所得による住み分けが顕著な10州のすべてで民主党が勝ち、住み分けが少なかった州で共和党が落としたのはバーモント州とアイオワ州だけだった。

では、今年11月の選挙がどんか結果になるか占ってみよう。

2010年時点で、貧富による住み分けが目立たなかった州は、サウスダコタ州、ノースダコタ州、モンタナ州、ウェストバージニア州、ケンタッキー州、アイオワ州、バーモント州、ミシシッピ州、ネブラスカ州、アーカンソー州、オクラホマ州、ワイオミング州、ルイジアナ州、アイダホ州、メーン州、アラバマ州、アラスカ州。

世論調査を基にすると、バーモント州とメーン州、恐らくアイオワ州もオバマ陣営が取りそうだが、残りはほぼ間違いなくロムニー陣営が勝つだろう。

一方、貧富による住み分けが顕著だったのは、ニューヨーク州、コネティカット州、マサチューセッツ州、カリフォルニア州、ニュージャージー州、メリーランド州、ワシントン州、バージニア州、ペンシルベニア州、イリノイ州、フロリダ州、ハワイ州、アリゾナ州、ミネソタ州、デラウェア州。

この中にロムニー陣営が勝てそうな州はあるだろうか。フロリダ州は激戦になるだろう。バージニア州は一部世論調査では接戦となっている。アリゾナ州は過去2回は共和党が取っているが、今回は難しそうだ。

貧富の住み分けと選挙結果が示す関係は、ただの偶然なのだろうか。それは否定できない。われわれは別の統計モデルを試していないし、両者の関係には、根底に別の理由があるのかもしれない。しかし、何がしかの巡り合わせがそこにはあると信じている。

そして仮にこれが正しいとすれば、米国社会で貧富の住み分けが進んで行くと、興味深い副次的効果も出てくるかもしれない。将来、社会がますます不平等になる一方、住み分けによって階級間の対立が緩和すれば、共和党は大統領選挙でもう勝てなくなるかもしれない。

(22日 ロイター)

*執筆者ジェームズ・K・ガルブレイスは、テキサス大学オースティン校政治学部教授。最近の著作にには「Inequality and Instability: A Study of the World Economy Just Before the Great Crisis(原題)」などがある。父親は経済学者のジョン・ガルブレイス。もう1人の執筆者J・トラビス・ヘールは、テキサス大学オースティン校で公共政策の博士号を持つ。

日英国家安全保障ホットラインの開設へ

法案が成立してNSC(国家安全保障会議)発足後、速やかに日英間のホットラインが開設される、と日経と朝日が報道している。両政府間ではすでに日英情報保護協定の締結でも合意している。「特定秘密保全法案」もこれに連動している、と思われる。

安倍首相曰く「ア・プリオリの」パートナーシップとされる日英関係は、コモンウェルスを経由してカリブ海諸国での外交にも利用できそうだ。トリニダード・トバゴは習政権が最初に歴訪した国であり、日中が互いに巻き返しをしているのが如実に分かる。

NSC発足後は日英で定期協議 2013/10/9 21:26 日経

 礒崎陽輔首相補佐官は9日、英国のダロック国家安全保障担当補佐官と官邸で会い、国家安全保障会議(日本版NSC)の設置が実現した場合に定期協議を実施することで合意した。両氏は日英のNSC間でホットラインを開設することでも一致したほか、政府が年内の策定を目指す国家安全保障戦略やシリア情勢を巡って意見交換した。


日英ホットライン開設へ NSC法の成立前、英が急接近 2013年10月24日05時27分 朝日新聞

【渡辺丘、機動特派員・牧野愛博】日本による国家安全保障会議(日本版NSC)設置の動きを契機に、英国が日本に急接近している。英側はNSCのノウハウを日本に提供。日本版NSC設置法の成立を前に、NSC事務局のトップ同士を結ぶホットラインの開設でも合意した。秘密保護を条件に、安全保障分野や緊急事態での情報共有が進みそうだ。

■日本版NSCで何が変わる?

 日本の専門家は英国の動きについて「キャメロン政権が中国の軍事・経済の拡大路線に警戒感を強めている」と分析。米国の地位低下などもあり、アジアでの英国の影響力を維持するために日本に接近しているとみている。

 日本政府も、1月のアルジェリア人質事件で、英国の情報に全面的に頼った経緯もあり、英国の働きかけを歓迎している。

 英政府関係者は22日、日英ホットラインの開設について「NSCのトップ同士で定期的な協議ができる」と説明。日本版NSCが発足すれば、「アルジェリア人質事件のような危機の際、情報や分析を共有し、さらに連携した取り組みができる」と語った。


経済援助で存在感増す中国へ対抗 政府、カリブ海諸国への外交に本腰 2013.10.27 16:40 MSN産経

 政府がカリブ海諸国への影響力拡大に本腰を入れ始めた。14カ国が加盟するカリブ共同体(カリコム)の中心的存在であるジャマイカのシンプソンミラー首相を日本に招き、11月5日に安倍晋三首相との首脳会談を行う。2014年をカリコムとの「交流年」と位置付け、同年に東京で外相会合も開く。経済援助を展開して存在感を増す中国に対抗するのが狙いだ。

 ジャマイカの首相の訪日は1998年以来。安倍首相は首脳会談で、地球温暖化問題や防災での協力拡大を確認する。関係強化を目指す共同声明も発表する方向で調整している。

 岸田文雄外相は9月にニューヨークでカリコムとの外相会合に出席。5~9月には、外務副大臣と政務官の計3人がカリコム加盟のセントルシア、トリニダード・トバゴ、ジャマイカをそれぞれ訪れた。外務省筋は「交流のペースは異例の速さだ」と指摘する。

サウジと米国、1938年来の蜜月の終わり

1938年のメキシコ石油国有化。その同年、熱砂のサウジアラビア。現在のサウジアラムコ社が大油田を発見したのを契機に、米国とサウジアラビアの関係は始まった。

さらに1953年のアジャックス作戦(イランのアバダーン危機)、1956年~1957年のスエズ紛争(第2次中東戦争)によって紅海からペルシャ湾の安全保障の義務は英国から米国に移った。

覇権国としての米国は、カーター政権(1977年~1981年)の間に、イラン革命(1979年2月)を防げず、イスラム革命を怖れたソ連のアフガン侵攻(1979年12月)を許してしまう。英露がグレートゲームでこの地域で熾烈な戦いを繰り広げたことを想起すると、歴史的無知のほか云うべき言葉がない。

アラブ・中東地域におけるカーター政権唯一の成果といえる、キャンプデービッド合意(1978年)はエジプトとイスラエルの和平条約締結にまで到るが、代償にサダト大統領暗殺とイスラム原理主義過激派のイデオローグの海外流出、彼らによるムジャヒディンの育成、ゲリラとテロの拡散を招くことになった。

ものすごくおおざっぱに云うと、カーター大統領の“人権外交”が大失敗した後始末が現在も続いている。

ソ連を倒すためにアフガニスタンのムジャヒディンを援助したら、米国本土にテロ攻撃を受ける始末。イランを倒すためにイラクを援助したら、イラクが強くなりすぎてクウェートに侵攻されてあげくフセイン政権を打倒しなければならなくなる始末。

かと云ってアフガニスタンではタリバンは勢力を保ちつづけ、イラクはシーア派政権になってコントロールできない。すでにアラブ・中東地域では、スンニ派VSシーア派の対立構図が主軸になっているにも関わらず、オバマ政権は“アラブの春”の民主化に固執しすぎて、“対中封じ込め”のアジアシフトに向けた綺麗な足抜けができていない。

2013年10月10日のエントリーに書いたように、エジプト軍部と暫定政権への支援凍結など外交的センスが欠けていると云わざる得ない。アラブ・中東地域で最大人口を持つエジプトへの最大援助国は、湾岸産油国(サウジアラビア、UAE、クウェート)であり、足抜け後を託すべき諸国と同調していないのだ。

2013年10月13日のエントリーでも取り上げたように、米国の国内生産量日量1000万バレルを突破したことも、1938年来のサウジアラビアとの関係を崩す。

「米国本土でシェールガス革命が起きているし、アラブ・中東地域から手を引こうという考えにオバマ政権が傾いているのではないか、それも粗略に」と、湾岸諸国が疑念を持つのは自然だろう。覇権国としての責務が軽視されている。

辞退か欠席か撤回か 非常任理事国選出のサウジ 通告文書国連にまだ届かず 2013.10.19 23:34 MSN産経

サウジ「対米関係見直し」 シリア・イランへの対応批判 2013.10.23 00:49 MSN産経

【カイロ=大内清】ロイター通信によると、サウジアラビアの諜報機関トップのバンダル王子は22日までに、シリアやイラン問題をめぐる米国の対応への不満から、対米関係を「大きく変更」する考えを示した。世界有数の産油国であるサウジは、米国の有力な兵器売却先であり、最重要同盟国の一つ。実際に両国関係が冷え込めば、米国の中東戦略に大きく影響するのは必至だ。

 ロイターによると、バンダル王子は欧州外交筋との最近の会合で、米国がシリア問題で必要な行動を取っておらず、核兵器開発が疑われるイランにも接近しつつあるなどと批判した。

 シリア反体制派を支援するサウジは、アサド政権の排除を主張し、米国にもシリア内戦への関与拡大を求めてきた。しかし、米国は8月の化学兵器使用問題の後も対シリア軍事行動を取らず、内戦の政治解決を模索していることから、サウジではオバマ米政権への不満が高まったとみられる。

 また、イスラム教スンニ派のサウジは、シーア派大国イランの核開発を安全保障上の脅威と位置づけてきた。それだけに、対話路線を掲げるイランのロウハニ政権が米国との関係改善に意欲を見せていることへの危機感は大きい。

 バンダル王子の発言がアブドラ国王の承認を得たものかは不明だが、関係見直しをちらつかせることで米国に外交方針の転換を促す狙いがあるとみられる。同王子は2005年まで約22年間、駐米大使を務め、ブッシュ前政権と強固な関係があったことで知られている。

観光利権も政権交代に左右される

「2013年に訪日外国人旅行者1000万人、2030年に3000万人超目指す」というのが第2次安倍政権の成長戦略に盛り込まれている。

今後、中韓のみならずASEAN諸国の観光ビザ発給要件も緩和されていく。個人的には、インバウンドツーリストによる経済波及効果と観光ビザで入国後、不法滞在する外国人に対する治安コストの差し引き利益が試算されたレポートがあったら見てみたい。

2013年1月11日のエントリーでも述べたように、ASEAN諸国からのツーリストは、我が国の保守サービス含めたインフラから耐久消費財・一般消費財、突き詰めるとプラザやロフト、ハンズで売られている使い途のないザッカを自国に導入・輸入する際の視察役を兼ねている。

一方、2013年8月18日のエントリーで筆者が呆れていた韓国からのインバウンドの伸びがようやく鈍化し始めた。自ら仕掛けた福島第1原発の汚染水問題を自己投影させているところが彼ららしい。

さて、第2次安倍政権では国民皆保険の輸出を推進しているが、民主党政権下では医療ツーリズムを推進していた。

しかし、医療ツーリズムの実態はひどいものだった。たとえば3ヶ月ビザを取得した中国人が来日して、2泊3日の日程で旅行していても国民健康保険に加入できるように条件が大幅緩和され、児童手当も手続きすれば支給された。その後、5年間再入国手続きをすれば、帰国後も当地の病院で治療を受けても国保が使え、児童手当も支給されつづけることが可能だった。小宮山元厚労相が議会に諮らず、省令変更で対応したのだ。自公に政権が戻ったあと、省令が再度変更されている。

それから国内4位の福岡空港の運営権売却検討のニュースが出ている。記事に「滑走路部分が38億円の赤字。福岡県によると、滑走路赤字の主な要因は、同空港の3分の1を占める民有地の借地代(年82億円)支払い」とあるが、前回の総選挙で落選した松本元環境相・復興相の実家が経営する松本組とその一族が民有地の地主である。新千歳空港でも新関西空港でもなく福岡空港が取り沙汰されるのも、政権交代の影響と云うべきか。

「外国人用JRパス」に中国、韓国人ら長蛇の列 その背景とは? 2013.10.20 12:00 SankeiBiz

焦点:訪日外国人、東南アジア急増も韓国は伸び悩み 2013年 10月 23日 19:04 JST ロイター

[東京 23日 ロイター] - 9月の訪日外国人が前年同月比31・7%増の86万7000人(推計値)となり、1─9月累計で773万人と政府目標の年間1000万人達成が射程に入ってきた。

安倍晋三政権は経済政策の一環として観光を重視し、タイなど東南アジアからの観光客の査証(ビザ)発行要件を7月から緩和。その成果が早くも出た格好だ。だが、外国人観光客の4分の1を占める韓国人は、東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)の福島第1原子力発電所の汚染水問題による風評被害で伸び率が急低下しており、政府関係者の懸念材料となっている。

<タイは前年比56.1%増>

日本政府観光局によると、9月の国別訪日外国人の増減率は、タイが前年比56.1%増、ベトナムが同31.9%増、マレーシアが同23.9%増、フィリピンが同17.7%増、インドネシアが同8.8%増と東南アジア諸国からの訪問増が目立つ。

この背景には、日本政府が今年7月から始めた東南アジア5カ国向け観光ビザ発給要件の緩和がある。具体的には、タイとマレーシアはビザ取得を免除。ベトナムとフィリピン、インドネシアは、期限内であれば何度でも訪日できる数次ビザを発給できるようにした。

政府は訪日客数を2013年に前年比2割増の1000万人にする目標を掲げており、今回のビザ発給要件の緩和は、その目標達成のための手段の1つ。9月のデータをみると、その効果が出ているのが歴然だ。

<観光政策は経済政策の一環>

安倍政権にとって外国人観光客の誘致拡大は、円安メリットを活用し日本の魅力を海外に発信するという重要な経済政策の柱。

ビザ要件緩和については、菅義偉官房長官が今年8月、東南アジア5カ国に加え、ラオス、カンボジア、ミャンマーからの旅行客の観光ビザを対象に、年内をめどに要件緩和する意向をに示している。中国、ロシア、インドに対しても「要件緩和の是非を今後議論していく」(政府関係者)方針だ。

また、家電などの耐久消費財に限定されていた免税品の対象を、菓子や衣服など外国人に人気の高い消耗品にも拡充する方針で、早ければ2014年度に実現する方向で検討している。

<銀座で存在感示すタイの富裕層>

東南アジアからの観光客増加は、現実に日本国内での商品の売れ行きに大きな影響を与え出している。日本の代表的なショッピング・スポットである東京・銀座でも、中国人観光客に代わりタイ人の富裕層の姿が目に付くようになってきた。

三越伊勢丹ホールディングス(3099.T: 株価, ニュース, レポート)によると「10月1─20日のタイ人向け免税売り上げは、前年比倍増。以前はラグジュアリーや化粧品が多かったが、今は日本の雑貨などが人気」という。

<韓国からの流入ペース鈍化、目標達成のネックになる懸念>

年内1000万人の目標を達成するには、毎月前年比で2割の増加が必要。これまでのところ目標達成は射程内にあるようにみえるが、観光庁は慎重だ。

最大の訪日国である韓国からの客数の伸びが低下傾向にあるからだ。6月は前年比39.0%増だったが、7月は同28.6%増、8月は6.9%増、9月12.9%増となっている。「汚染水問題の深刻化が、韓国では盛んに報じられており影響が出ている」と観光庁は分析する。

韓国からの訪日客は訪日外国人の4分の1を占めるため、伸び率が低下を続けると、年間1000万人目標は未達に終わる可能性もある。

(ロイターニュース 竹本 能文、清水 律子 編集;田巻 一彦)


国内4位の福岡空港の運営権売却へ、最低1200億円-県と市が検討 (1) 2013/10/24 15:31 JST ブルームバーグ

10月24日(ブルームバーグ):福岡県と福岡市は、福岡空港の運営権を民間事業者に売却する方向で検討に入った。旅客数で国内4位の福岡空港の民営化が実現すれば、少なくとも売却額1200億円を超える大型案件になる可能性がある。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

空港ターミナルを運営する福岡空港ビルディングに出資する県と市が主体となり、同空港の運営権売却に関する協議を始めた。両自治体の方針決定を受け、空港ビルのほか、国が所有する滑走路との運営権一体売却に向け、具体的な方法をまとめるもようだ。

政府は6月の成長戦略で、空港など公共施設の運営権売却について、10年間で3兆円市場に拡大する計画を打ち立てた。福岡を含む27の国管理空港は、国交省管轄の滑走路と、第三セクターの空港ビルを一体的に民間事業者に運営権を売却し、民間投資や地方経済の活性化、政府債務の圧縮につなげたい考えだ。

アジア諸国の経済成長に伴い、アジアに最も近い福岡空港は、玄関口として航空需要の増加が想定され、滑走路増設計画が進行している。

■収益性

国交省によると、11年度の同空港のEBITDA(利払前税引前減価償却前営業利益)は滑走路部分が38億円の赤字だが、空港ビルの黒字額48億円と合算すると、10億円の黒字となる。福岡県によると、滑走路赤字の主な要因は、同空港の3分の1を占める民有地の借地代(年82億円)支払い。

運営権の売却後も、仮に所有者の国が地代を支払い続けた場合、運営権取得企業にとっては地代の分だけ負担が軽くなり、収益は92億円に膨らむ。運営権売却額は海外の過去の事例から、収益の10-15倍が相場となっており、これに基づくと福岡空港の場合は920億-1380億円。

空港の運営権売却に関しては、新関西国際空港や仙台空港、広島空港、松山空港などでも検討している。1兆2000億円に上る負債を抱える新関空のEBITDAは600億円超のため、売却額は6000-9000億円程度と試算される。福岡空港は収益性から、これに次ぐ2番目の大型案件になる可能性がある。

国境未確定の地域を防衛協力する協定

インド陸軍増員は、戦前の帝国陸軍の支那事変勃発までの貧乏ぶりと比べると実に羨ましい。日露戦争ですべての師団を大陸に送ってしまって外債で4個師団増設したり、2個師団を増やそうと予算握っている衆議院相手に議会工作・倒閣した故事を思い出すと泣ける。

と、2013年7月03日のエントリーで述べたが、インドの山岳軍団新設のアナウンスメントは、今回の国境未確定地域の防衛協力協定に影響を及ぼしていることは間違いない。しかし、自家撞着のような協定だ。

各国との紛争地域から一時的にせよ戦線縮小する中共が目指すのは、フィリピンのスカボロー礁と我が国の尖閣諸島となりそうだ。

中印首相、国境地域での衝突回避に向け協定に署名 2013年 10月 23日 18:05 JST ロイター

[北京 23日 ロイター] - 中国とインドは23日、ヒマラヤのカシミール地方を含む国境地帯の緊張緩和を目指す協定に署名した。パトロール活動の事前通告などの措置が盛り込まれている。

中国を訪問中のインドのシン首相と中国の李克強首相が合意内容に署名した。

国境線をめぐる両国間の紛争は1962年に軍事衝突に発展した。今年に入ってからも中国の人民解放軍が何度も越境したとしてインド側が抗議するなど、相互不信が続いている。

李首相は記者団に対し、「この合意は国境地域で平和、平穏、安定を維持することに寄与する」と評価した。

シン首相は今回の合意が「国境地域の平和や安定、予見可能性を確実にする既存の取り決めをさらに強化するものだ」と語った。

合意は、国境地域での衝突を避けるため、問題となっている地域を巡回する際は相互に通告することとしている。また、国境が画定できていない地域で軍が対峙した場合は「最大限の自制」を行うとしている。

利害関係者が関わらなければ政治ですらない

政官財のバランスが尊重されてきたのにはそれなりに理由があった。政治家が民意の反映を、官僚は行政の継続を、企業は効率の追求を、それぞれの立場で行うことで社会全体の調和が取れていた。

しかし、次第に癒着と腐敗がクローズアップされていき、冷戦の終結とバブル崩壊が重なると、有権者や消費者による自浄作用が働かない官僚のみが政官財構造にひとり残存してしまい、環境変化にもかかわらず従前の政策を採り続ける弊害が目立つようになった。

そのため、有権者自身が任免できない官僚の非民主主義的な状況から、有権者が民意を反映できる政治へ権限を取り戻す必要性が生じた。

労使対立はそのまま与野党対立の構図として残っており、主に野党を支持するマスメディアによって、政官財の癒着と腐敗を取り沙汰されて、たびたび政変が起きる非効率への不満が頂点に達したのが民主党政権の成立だった。

ところが、マスメディアと野党自身が癒着と腐敗のほんの一部を形成する存在にすぎなかったのだから、構造の他の部分を切り捨てて政権が機能する訳がない。その間隙を縫って官僚が権限を再独占してしまう。

そうした実例を見てきた有権者は投票行為を放棄するか、それともより直接的な関与(議員への陳情や請願や政治的結社をつくるなど)を望むかに分かれていった。とは言え大多数の有権者は投票行為すら放棄していく。

すると短中期的には、1980年代から洗練されてきた手法である新自由主義のさらなる席捲は避けられない。

たしかに、利益の確保さえ約束できれば事業が継続でき、経営陣が強ければ労使対立を克服でき、株主の意向が反映される企業の効率性に任せることで、官僚の非効率性と政治家の非継続性を乗り越えようとしたのが新自由主義の一側面なのだ。

反国家的な左翼とリベラルが労組とノンキャリア官僚に生息していたことが、新自由主義採用の経緯となったことも忘れてはならない。公立図書館や公立校の民営化に未だ有用性が認められるのはそれが理由だ。

この場合、議決権を持つ支配株主が行政府であるか、企業活動の規制を立法府が担わなければならないが、この視点が安易に見過ごされてきた。

有権者は、政策決定プロセスにほとんど参加出来なくなる代わりに直接的なサービス向上にめぐり会える機会は増える。国鉄民営化とJR本州3社の上場が好例だろう。民営化された高速道路も目新しいサービスエリアができて、速弁といった新商品を楽しめる。

もちろん新自由主義も万能ではない。

収益体質が弱く経営陣が労使対立を収拾できなければ、JR北海道のようになる。供給過剰のなかで収益性のみを追求すれば、JR西日本の福知山線脱線事故やNEXCO中日本の笹子トンネル天井板崩落事故の遠因となる。

国家戦略特区の意思決定、関係大臣は加えず=安倍首相 2013年 10月 21日 13:20 JST ロイター

[東京 21日 ロイター] - 安倍晋三首相は21日午前の衆議院予算委員会で「国家戦略特区」に関して、特区ごとに具体的な計画を決める「統合推進本部」の意思決定には関係大臣を加えない方針を明らかにした。

塩崎恭久委員(自民)の質問に答えた。

安倍首相は、統合推進本部のメンバーは国家戦略特区担当相と関係地方公共団体の長、民間事業者の3者で組織する方向で検討しているとし、具体的な事業の推進のために必要な場合の協議には関係大臣の参加を認めるが、「意思決定には加えない方向で検討している」と述べた。

国家戦略特区で、解雇ルールの規制緩和が見送られたことについては、「解雇の自由化は最初から考えておらず、そうならなかったのは当たり前だ」と語った。

一方、菅義偉官房長官は21日午前の会見で、国家戦略特区に関して政府が設置を検討しているとされる「特区諮問会議」に言及し、首相、官房長官、国家戦略特区担当相、経済財政相がメンバーとなることを中心に今検討しているとした上で、「特区を前に進めていくための会議であり、首相を中心に強力なリーダーシップが発揮できるような体制にしたい」と語った。

21日付の朝日新聞は、政府が国家戦略特区を進めるための関連法案に、安倍首相を議長とする「特区諮問会議」の設置を盛り込む方針を固めたと伝えていた。特区諮問会議でどこを特区にするか、特区ごとにどの規制を緩めるかを決め、その方針に沿って具体的な計画を「統合推進本部」が定めるとしている。

(石田仁志;編集 山川薫)


特区諮問会議は根拠となる設置法を持ち、この諮問会議には利害の関わる省庁の大臣は会議の意志決定に参加出来ない、と予定されている。

特区諮問会議の計画を進める統合推進本部における具体的協議には参加出来る可能性があるものの、そもそも大臣は所管官庁の代弁者であると同時にほぼ全員が民意を反映した代議士・議員から任命されているではないか。

立法府の族議員含め、初期段階から利害に関われないのは、政治が常に利権の再分配過程であるという側面から見て、かなり不公正な政治措置だと思われる。その決定過程の責任を最終的に負うのが有権者だからこそ、そもそも議会政治が成立するのだ。

特区諮問会議にその利害に関わる企業関係者が入る場合は、よりその不公平さが際立つだろう。特区の効果を判定する際にも大臣や族議員が排除されればなおさらだ。

立法府の法案作成提出能力が未だ弱いのは大きな問題であり、代わって多く法案を提出する内閣府が民意を反映しない、とまでは議院内閣制から見て一概には言えない。が、政党とその地方支部、そして立法府からの意見が内閣と疎通できなければ、政官財のバランス再構築に民意が反映されづらくなってしまう。

たとえば、茶会党のような政治結社は、消費財メーカーへの不買運動を超えて資本財や基幹部品をつくる大企業の株主として議決権を行使しなければ民意を反映できなくなる。農林中金や商工中金などは、その資金力を国際金融市場で行使しなければ農家や商工業者を守れなくなる。利害代弁者を議会に送る必要性が相対的に薄れ、衆参両院は形骸化してしまう。それともこれは、新たな直接民主制の萌芽なのか。

つまり、筆者は第2次安倍政権のこの政策は悪手と判断する。あくまでも政治は利権をつくり、つくられた利権を守り、その利権の公正な分配を決めることなのだ。とすれば、最早これは政治ですらない。

オフショア人民元の風はシンガポールにも吹く

限定的ながら、人民元のオフショア市場がロンドン・シティーに続いて、シンガポールにも開設された。下記記事の思惑通りに中国本土に投資され、当局の管理が行き届いている限りは、バブル崩壊は海外に影響を及ばさない。

しかし、共産党関係者を親族に持たない中間層に当たる個人資産家が裏口方式をひねり出して、シンガポールドルをスワップし、海外投資に回すのではないか。ごくごく穏当に考えても、支那人の性格からそうなると思うのだが。

もうひとつは、貧困層向けにインフレ圧力を逃がす調整弁として、オフショア市場を当局が利用する可能性もある。

ただし貧困層には不動産はもともと手が出ないし、食べられない耐久消費財は供給過剰でデフレ、安全すら疑わしい食料品はインフレ変わらずに終わると思うのだが。

さて、風はどちらに吹くか。

中国、RQFII制度をシンガポールにも適用 82億ドルの投資枠付与 2013年 10月 22日 19:02 JST ロイター

[シンガポール 22日 ロイター] - シンガポール金融管理局(MAS)は22日、中国が人民元適格外国機関投資家(RQFII)制度をシンガポールにも適用することを明らかにした。

また、人民元とシンガポールドルとの直接取引の開始も発表。これにより、シンガポールはアジア最大の為替取引センターの地位を確固たるものにする。

シンガポールに適用するRQFII制度では、500億元(82億ドル)の投資枠が設定された。シンガポールに拠点を置き、資格を有する機関投資家はオフショアの人民元を中国の株式や債券に投資することが可能になる。

中国は人民元を最終的に完全交換可能な通貨とすることを目指し、人民元取引に関する規制を段階的に緩和している。

英国は先週、RQFII制度下で、中国がロンドンに拠点を置く機関投資家に最大800億元の投資枠を付与すると発表した。

レトリックとしての靖国、レトリックとしての反日

安倍首相の秋季例大祭での靖国参拝も見送られた。外交的配慮が対中韓二ヶ国ではなく対米に向けられていることは容易に理解できる。ひとつの譲歩に対しては、ひとつの譲歩がバーターとされるが、その材料はなんだったのだろうか。そこには北東アジアから東南アジア、そしてアラブ・中東までの安全保障が密接に絡んでいる。

安倍首相、秋の例大祭も参拝見送り 靖国神社、供物を奉納 2013.10.17 09:07 MSN産経

官房長官「大局的な判断」 首相の靖国への供物奉納 2013.10.17 12:51 MSN産経

安倍首相の靖国供物奉納に「深い憂慮と遺憾」 韓国外務省 2013.10.17 20:23 MSN産経

中国外務省 靖国不参拝でも供物奉納に反発 2013.10.17 20:25 MSN産経

振り返ると2013年8月15日のエントリーでは、

安倍首相にとっても、靖国参拝は今や政策目標を達成するための外交カードとなっている。終戦記念日の靖国参拝断念と対中非難決議上院可決を等価と考えるかはそれぞれの立場によりけりだろう。

しかし、米国議会が二国間の領土紛争(むろん我が国は尖閣諸島を巡る領土紛争自体を認めていない)に踏み込んだ決議を行うことは滅多にないことも事実だ。これで例大祭の靖国参拝が断念された訳ではないし、それもまた国内外向けのカードとなる。

と筆者は書いている。また2013年8月26日のエントリーでは、

一方、米国のバイデン副大統領が来日予定だ。行政府のナンバー2が来るので、我が国はこちらへの対応を考慮するだろう。靖国神社の秋季例大祭(10月17日~20日)に被せて来たら、日程的に首相の靖国参拝を防ぐことになる。

ともあれメネンデス米上院外交委員長の来日では、対中非難決議と終戦記念日の参拝断念をバーターと考えてみたが、今後もこのパターンを続けるならば、米国の切れるカードは何なのだろうか。

と書いている。

その後、秋季例大祭前にバイデン副大統領来日より先に、国務長官と国防長官の来日と日米2プラス2の開催があり、その席上での集団的自衛権の憲法解釈変更と実際の運用を促すことが確認された。これをバーターと考えるのが自然だろう。そしてもうひとつ、これは韓国に日米両国が譲歩を突きつけていることを示唆している。

我が国もしくは第2次安倍政権が、靖国をレトリックとして使い、参拝するか否かをカードと使いながら、達成すべき政策目標としているのは、国民の生命と財産を守るためのシーレーン防衛に他ならない。豪州の政権交代によって、日米印豪四ヶ国の戦略対話の再起動も果たされた。

同様に、反日をレトリックとして使い、従軍慰安婦を性的奴隷と呼び変えることがカードとなると、少なくとも信じている韓国。彼らは何を材料に譲歩すべきか、譲歩して得るべきものが何か、いいや政策目標そのものを理解していないようだ。

さらに視点を変えて米国においては、安倍首相のハーマン・カーン賞授与の一件に、保守系シンクタンクが苦慮している現れを見ることもできる。

つまり、米国内の有力政治家にシンクタンクが考える外交政策の目標達成に役立つ駒がいないのではないか。ヘリテージ財団などは茶会党の支援に注力して内政問題にかかりきりだ。

我が国の政治家を駒と使うにしても、我が国の国益と合致させるか、させるように一部譲歩せねばならない。これも皮肉なことに、相対的な米国の覇権後退と見ることもできる。

矛盾に突き刺さるアベノミクス三本の矢

中曽日銀副総裁と比べてリフレに意欲的な岩田日銀副総裁は、米中経済の下振れリスクにより、2年で2%の物価目標が未達成となる場合には、追加緩和をも辞さないと述べた。時期的に消費税増税の前に追加緩和されれば、個人消費への悪影響を抑えることはできる。ここら辺のさじ加減は、米中経済の動向と、日銀内の政策をめぐる権力闘争如何に懸かってくるだろう。

さて、国内に本社を置く製造業が唱えるのはチャイナプラスワンであり、唱えていたのはチャイナシフトであって、いずれにせよ国内への製造業回帰(リショアリング)ではない。実際には民間設備投資の太宗は非製造業が担っている。そして、資本・人員いずれの規模でも中小・中堅企業の多い非製造業にとっては、消費税増税による民間最終消費支出減少のリスクは高い。

チャイナプラスワンやチャイナシフト以前に、国内消費依存が顕著な非製造業の中で、ジャパナイゼーションの一翼を担えるだけのオリジナリティを持ち、かつリスクテイカーとなるだけの資本を持って、海外におけるマネジメントに対応できるだけの人材を抱える企業はオペレーションが画一化しやすいコンビニエンスストアやファーストフードに多いのは致し方がない。

本屋やレコード店や服飾・雑貨店やカフェ、それらの複合店ですら、バイトにキュレーターやバイヤー並の能力が求められて、それが過不足なく人材供給できるのは、現時点では我が国だけだろう。これも非製造業の海外進出が妨げられる見えない要因のひとつである。

また、成長戦略(第三の矢)では、国内市場と海外市場への取り組み方においてまったく相反する動きが出ている。国内市場の成熟に併せての改善だとすれば首肯できるし、海外市場の中間層の成長に併せての進出だとすれば同じく首肯できるが。

たとえば、我が国は社会基盤インフラの輸出を目指しているが、基層となる法制度インフラの輸出も目指している。保険制度や郵便制度のみならず、交番設置を含めた治安維持のインフラなどもその対象だ。一方で、特区内では混合診療の解禁を進める。早期上場を目指す日本郵政は不採算部門の逓信病院やかんぽの宿の売却姿勢を変えない。

アベノミクスに、国内外の市場の成熟度のみならず、ポリシーミックスゆえの矛盾が噴出し始めている、ということなのか。もちろん可能性はどちらにもあるから一概に悪いとは云えない。ただし、ポリシーミックスの接着剤であった“デフレ脱却”が消費税増税によって遠のいたことで、この矛盾による政治的紛糾が生じ始めているのは間違いない。

物価目標達成難しいなら対策=岩田日銀副総裁 2013年 10月 18日 18:45 JST ロイター

[東京 18日 ロイター] - 日銀の岩田規久男副総裁は18日都内の中央大学で講演し、「日本経済は日銀の想定する方向で動いている」としつつ、米中経済など海外要因の下振れリスクがあると指摘。中長期的に2%の物価目標の達成が難しいと判断すれば「なんらかの対策を打つ」とし、その場合「政策手段の余地はある」と、追加緩和を辞さない姿勢を明確にした。

<消費者物価指数は上方バイアス、1%でもデフレの可能性>

岩田副総裁は主として学生を対象に講演。大半を4月4日に始めた異次元緩和の説明と展望に費やし、「日本経済は日銀が想定している方向に動いている」とするなど、大胆な金融緩和が円安・株価・不動産価格上昇を通じて経済の好循環を作り出しているメカニズムを詳述した。

2%の物価目標を掲げている理由について、消費者物価指数は5年に一度しか改定されず「実際より高く現れる」ため、「消費者物価指数が1%でもデフレの可能性があるため」と説明した。

<2年で達成と約束、「後には引けない」>

日銀が掲げている2%の物価目標を「安定的に達成できるまでは金融緩和の程度を緩めない」と強調。「できるだけ2年で達成すると約束した。後には引けない」と述べた。

一方、「金融政策が実体経済に影響を与えるには半年から1年半を要する」とし、現在は安倍晋三首相が大胆な金融緩和姿勢を打ち出した昨年11月からの好影響が出ていると解釈。日銀が巨額の国債買入れを始めた4月の異次元緩和の効果は「今後現れてくる」と説明。「所定内賃金や設備投資の回復が遅いとの指摘は時期尚早」との見解を述べた。

<4月想定より米中など世界経済悪化>

さらに「今の金融政策が不十分になるならば、海外要因が大きく、政策手段に余地はある」と明言。「今後のリスク要因は世界経済」とし国際通貨基金(IMF)がこのほど新興国を中心に世界経済の見通しを引き下げた点に触れた。

講演後の質疑応答でも「4月時点では戦力の逐次投入を行わないとしていた」点を指摘され、「その当時の想定よりも世界経済は悪くなっている」と答えた。「米国経済もぐらぐらしており、中国経済も7%程度に成長率が落ちるとの見方もある」とし、「その中で消費税(増税)が実施され少し心配」、「世界経済に下方圧力がある」と述べた。

もっとも消費増税の影響緩和のため政府が決めた5兆円規模の経済対策が「世界経済による下押しの影響をある程度緩和する」とし、現時点で日銀の見通しに大きな変更がない点を強調した。

<米財政・金融政策の方向明確化ならBEIは再上昇>

講演では金融政策のもっとも重要な効果は人々の期待インフレ率を引き上げることで実質金利を引き下げることと強調。内閣府の消費動向調査や日銀の生活意識アンケート調査で人々の物価見通しが上昇している点を挙げた。一方、日本経済研究センターによる民間エコノミストの物価見通しが大きくは上昇していない点に触れ、「民間エコノミストの物価予想は、(足元の水準に引っ張られる)惰性が働いている気がする」との見方を示した。

物価連動国債と通常の国債の利回り差から投資家のインフレ予想を示すBEI(ブレーク・イーブン・インフレ率)が、5月にピークを付け、一進一退の動きを示している点について、岩田副総裁は「米財政・金融政策の先行き不透明が原因」と解釈。今後、米財政・金融政策の方向性が明確になれば「再び上昇する」との見解を述べた。

今回の景気回復は従来と異なり「個人消費がけん引役」と指摘。設備投資も非製造業などが引っ張っていると指摘、「日本の産業構造が変化しつつある可能性もある」との見方を示した。もっとも、「日本の非製造業は諸外国と比較して生産性が低く、規制緩和が重要」と強調した。(ロイターニュース:竹本能文 編集 内田慎一)


地域活性化へ交通網整備盛り込む 2013年 10月 19日 02:00 JST ロイター

公共交通の整備や維持の基本理念をまとめた交通政策基本法案の全容が18日、判明した。東日本大震災や安倍政権の日本再興戦略(成長戦略)を踏まえ、企業立地など地域活性化につながる交通網整備や、大規模災害からの早期復旧など、国が取り組むべき施策も盛り込んだ。政府は、今国会への提出を目指し、2020年の東京五輪とパラリンピック開催も念頭に施策を進める方針だ。

 高齢化や過疎化が進む中、離島などで生活に不可欠な交通手段を確保するという目的に加え、経済成長を重視する安倍政権のカラーを前面に打ち出したのが特徴。


情報BOX:政府の国家戦略特区における規制緩和案 2013年 10月 18日 13:46 JST ロイター

[東京 18日 ロイター] - 政府は18日、日本経済再生本部(本部長・安倍晋三首相)を開き、地域を限定した「国家戦略特区」における規制改革の内容を決定した。政府はこれらの方針に基づき、国家戦略特区関連法案を臨時国会に提出する。

規制緩和案の主な骨子は以下の通り。

1.医療
(1)国際医療拠点における外国医師の診察、外国看護師の業務解禁
全国規模の制度改革として臨床修練制度を拡充
(2)病床規制の特例による病床の新設・増設の容認
(3)保険外併用療養の拡充
*医学部新設に関する検討

2.雇用
(1)雇用条件の明確化
(2)有期雇用の特例
有期雇用の期間延長を全国規模の規制改革として検討

3.教育
(1)公立学校運営の民間への開放(公設民営学校の設置)

4.都市再生・まちづくり
(1)都心居住促進のための容積率・用途等土地利用規制の見直し
都心におけるマンション建設に際し、オフィスビルに容積を移転するなどの特例措置を講ずる
(2)エリアマネジメントの民間開放(都市機能の高度化を図るための道路の占有基準緩和)
(3)滞在施設の旅館業法の適用除外

5.農業
(1)農業への信用保証制度の適用
(2)農家レストランの農用地区域内設置の容認

6.歴史的建築物の活用
(1)古民家などの歴史的建築物の活用のための建築基準法の適用除外など

*歴史的建築物に関する旅館業法の特例

スマートな野蛮として襲いかかる無人の槍

対テロ戦争の始まりと終わりの地、パキスタン。米軍の無人機による攻撃で、2004年以降、非戦闘員の市民約400人超が犠牲になった、と国連の特別報告が述べている。

米無人機攻撃、パキスタンでは市民400人超が犠牲に=国連調査 2013年 10月 19日 13:28 JST ロイター

[国連 18日 ロイター] - イスラム武装勢力などを殺害するため、米国などが行っている無人機攻撃を調査している国連のエマーソン特別報告者は18日、パキスタンでは無人機による攻撃で、これまでに少なくとも市民400人が殺害されたとする報告書を発表した。

同報告書によると、パキスタン外務省は2004年以降、少なくとも330回に及ぶ無人機攻撃を確認。その中で約2200人が犠牲となったが、そのうち少なくとも400人が市民だったとしている。

エマーソン氏は報告書の中で、米国に対し、市民の犠牲者に関するデータと無人機攻撃の具体的な情報を公表するよう求めている。


これは少なくとも、米国とパキスタンの外交関係悪化、米国の同盟国とパキスタンの関係改善の障害となり、逆に中共とパキスタンの接近を促進する材料のひとつになっている。

米軍をして、世界中の国々を力尽くでも良いから独裁を倒し民主主義国家にしてやろう、と彼らは誓った。無謀とも傲慢とも無邪気とも、何とでも云える理想はひとまずさておく。実際、派遣される陸海空軍や海兵隊・州兵の命と現地の兵士・民間人の命の値段が余りにも違うのだ、と云う冷徹な現実を前にして彼らは挫折した。

それでも諦めきれず、民主主義を求める大義と折衷した現実的な解決策。そのひとつが、非正規兵やテロリストを殺すため導入された無人機による攻撃だった。これに対する外交関係の悪化は前記の事情によりあまり考慮されていない。

たしかに経済のうち、一人当たりの国内総生産がそのまま命の値段の格差を生む。所得の高い国での民間保険や民間賠償でも生涯賃金予測によって、地位、年齢、性別で各人の命の値段は違う。

また経済がもたらす社会構造によって、当該国の企業のマーケティング予算も中間層が多ければ中間層向けの予算は潤沢になり、貧困層が多ければそちらが潤沢になる。

さらに政治においても、議席に投じられる一票は代議士の一票となり、議会を左右する利権となる。民主主義的議会がなければ利権分配の公正なぞもとより望むべくも無いが、少なくとも議会を持つ国家には利権再分配を求める契機がある。

経済のグローバリゼーションは命の値段を平準化するように進んできたはずだった。政治のグローバリゼーションもそれに倣って進む、と云えるはずだった。しかし、グローバリズム=新自由主義=アメリカナイゼーションがひとつに連結していた時代は終わった。合衆国の人々が無邪気なまでの理想に敗れた今、もう一度彼らは理想を素朴に信じることが出来るのだろうか。

我々は世界の消費市場としての支那を望んだか

国際金融のトリレンマからすると、為替政策(相場の安定)と金融政策(中央銀行の政策の自由度)と資本政策(資本移動の自由)の3つすべては実現できない。中国共産党は為替と金融のふたつの政策を実現するために、海外への資本流出を防いでいたはずだった。これは国内のバブル維持にも役立っていた。

ところが貿易量の水増しなどで資本流出が続くので、一気に中央銀行が流動性を止めてしまった。上も下もやることが乱暴すぎる。

これでバブル崩壊後のハードランディングを防いだ形にはなった。たしかにソフトランディングさせるために、消費主導型経済へと移行したいのも分かる。だが同時に、過剰供給力と過剰流動性の緩やかな調整及び消費主導型経済移行に必要な社会保障制度改革などのロードマップは見えない。

政府の採る政策が短兵急なため、1年周期でインフレとディスインフレが繰り返される。これでは国営企業以外の民間企業と中間層(ホワイトカラー)が、安定した経営計画と生活設計をつくるのは出来なくなるだろう。辛うじて実現できても、低い社会保障の米国社会と同じ消費構造が出来上がる。手厚い社会保障を大企業と自治体に支えられていた米国社会が、GMとデトロイト市の破綻で終わったのは象徴的だった。

少し論からずれるが、社会保障を政府が担うか否かで、グローバリズムを体現したふたつの国の将来像も決まるだろう。

2013年8月9日のエントリーで触れたが、米国は予算執行停止とデフォルト危機を乗り越え、曲がりなりにも国民皆保険を目指し、オバマケアをスタートさせた。一方、中共はどうなのか。

例えば、我が国の製造業・非製造業ともに中共への投資マインドは低下している。投資保全を約束する法治と消費社会を約束する社会保障がない限り、今後も大幅なマインド向上はないだろう。着目したいのは、非製造業の投資マインドも低下している点だ。製造業に比べて国内市場重視の非製造業分野の企業はもともと進出意欲は低かったのは否めないが。

そもそもクールジャパンとして強調されているサブカルチャーの独創性を維持するには、成熟した市場が望ましく、セグメントも細分化されるのでローカライズする必然性も低下する。これは一定の市場規模での売上の頭打ちと企業側の資本の過少にもつながる。

特に音楽や映像やファッションなどブランディングが混在化・複雑化しているサブカルチャーの分野では独創性を維持したままでの展開は難しい。この難問に立ち向かうのがサブカルの文脈を好んで理解・咀嚼している現地のバイヤーである。

香港やシンガポールでは日帰りでバイヤーが最新流行を直接買付して、彼らのセレクトショップでリコメンドして流行をフィードバックする。こうしてサブカルチャーに共鳴したリスクを負ってくれる華人に任せるのもひとつの方策だろう。上海などでも同じ事例が増えるに違いない。

現在の中国の繁栄は、その日米資本主義の決戦における両者の廉価な労働力の供給源として見出されたからに他ならない。この補助線として、1980年代当時の我が国では、単純労働と特殊な技能労働の給与水準に大きな差がないことの方が問題とされたことを忘れてはならない。

2012年7月30日のエントリーでも触れたが、下記のロイター電を読めば、我が国が必要としたのは世界の工場としての中共であって、世界の消費市場としてそれではないことを如実に現している。

ロイター企業調査:尖閣問題から1年、中国事業「慎重化」継続 2013年 10月 18日 08:35 JST ロイター

[東京 18日 ロイター] - 尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題をきっかけとする反日デモから1年を経過したが、中国事業に対する日本企業の姿勢は、依然として慎重だ。

日中関係悪化が長期化するとの見方が強いうえ、コスト面の魅力が低下しており、「慎重化」との回答が「積極化」を大きく上回る状態が続いている。3年後の事業ウエートで縮小を検討している地域として中国は他地域より突出している。すでに中国市場と拮抗しているASEAN重視の事業展開が鮮明となっている。

調査期間は9月30日から10月11日まで。調査対象は400社、回答社数は270社程度。

<中国事業「積極化」少なく、3年以内の事業縮小予定も>

尖閣諸島をめぐる日中関係の悪化から1年を経過したとはいえ、企業からは依然として政治的な影響を危惧する声が聞こえている。

「領土問題から被害をこうむる可能性が残っている」(機械)、「国民感情から消極的にならざるを得ない」(卸売)など、企業心理への影響は消えていない。

ビジネス面では昨年10月よりも中国事業への慎重姿勢は緩和しているとはいえ、生産拠点・消費地のいずれとしても、従来より事業を「慎重化」させるとの回答が「積極化」させるとの回答を上回った。

製造業では「積極化」はわずか3%で、「慎重化」の24%が大きく上回る。非製造業でも消費として「積極化」は11%で、「慎重化」の17%が上回っている。

日中関係への不安に加えて「オペレーションコスト増」(輸送用機器)、「賃金上昇により生産拠点としての魅力が薄れた」(電機)といったコスト面の理由も挙がっている。

当面の事業展開についても、グローバル展開の中心地としての位置づけに明らかに変化がうかがえる。

3年後の地域別事業ウエートについて、中国事業のウエートが縮小する見通しの企業は、製造業では回答企業の17%にのぼる。ASEANやNIES、北米でウエートを低下するとの回答割合が1─3%程度とわずかであることに比べると、他地域を上回るペースで生産拠点としての位置づけを縮小させる傾向が鮮明だった。

非製造業にとっての消費地としてのウエートも、中国はやや低下しそうだ。今後3年間での売上高が縮小見通しとの回答企業は4%、うち3%は大幅に縮小する予定。他地域では縮小予定の企業は0%だったのに比べると、後ろ向きの姿勢が目立つ。

<ASEAN拡大、製造業で7割に>

今後3年間で事業ウエート拡大予定が最も大きかったのは製造業、非製造業ともASEANで、製造業では72%、非製造業でも52%にのぼった。いずれも中国の54%、36%をを上回る勢い。「原価低減のためにもベトナムを拡大せざるを得ない」(機械)、「人口ボーナスが大きい東南アジアで売り上げ拡大をはかる」(卸売)といった理由が目立つ。

実は、ASEANの事業ウエートは、すでに中国に追いついている。回答製造業の生産能力のうち平均12%を占め、中国の14%とほぼ拮抗、非製造業の売上高でも平均4%を占め、中国の3%を上回っている。今後のウエート拡大により、日本企業にとって中国を凌ぐ巨大市場となることが予想される。

日本の国内での事業のウエートは、現在のところ、生産能力で72%、非製造業の売上高で95%と、やはり国内事業が屋台骨となっている。

生産能力については今後3年間で縮小させる企業が43%と、拡大の8%を大きく上回り、海外シフトは避けられそうにない。

一方で、消費市場としてはまだまだ有望と見られている。非製造業にとっては、ウエート縮小見通しの15%を、拡大見通しの30%が上回り、人口減少と少子高齢化が進行する中でも、売上高の拡大余地があると見ていることが明らかとなった。非製造業では現在、国内での事業ウエートが平均で9割を超えており、「海外事業は考えていない」あるいは「検討はしているが、3年のスパンでは投資は国内」といったコメントが多い。

(ロイターニュース 中川泉;編集 石田仁志)

人民元で倍プッシュするロンドン・シティー

せっかくの量的緩和中に政府が増税してしまい景気浮揚が進まず、量的緩和を倍プッシュせざる得なくなったイングランド銀行。加えて米国にLIBOR操作を暴露されて、多国籍企業の租税回避とテロリストの資金洗浄防止でタックスヘイブンに足枷を嵌められたロンドン・シティー。その上にドイツからの銀行同盟計画などでEUの財政金融政策に縛られそうになり、EU脱退を仄めかす英国政府と同調する国民。

こうして、人のカネから利鞘を抜く自国の金融ビジネスモデルが窮地に陥り、ギリギリ持ちこたえている英国が、このモデル最後の大博打(英中通貨スワップ)に打って出た。彼らには現在、来る情報技術の戦いに備えるだけのエンジニアが不足している側面もあるが、将来の日英同盟へ向けての保険は確保した上での二枚舌外交の健在ぶり、感嘆せざる得ない。

と、2013年6月26日のエントリーで触れたが、

つづいて英中は、ポンドと人民元の直接取引に出てきた。中共は人民元のハードカレンシー化をけして諦めてはいない。元切り上げによって、2005年から2008年までに約20%高くなっていた人民元は、2013年現在では2005年と比較して約35%高くなっている。現在のレートは1ドル=約6.14元で推移している。1ドル=6.0元の突破は今年中にあり得るだろう。

共産党政府は他国の資源エネルギーと農産物、優良企業の買収戦略をさらに推し進める。英国はその買収のお手伝いをしましょう、と云っている訳だ。日英安全保障協力会議の開催、来月予定のHMSデアリングの寄港、合同演習、日英防衛当局間の海上安全保障に関する協議を行う片手間でのいつもの手腕は見事と舌を巻くほかない。

英国、中国とポンド・人民元の直接取引で合意-投資枠も確保 2013/10/15 18:13 JST ブルームバーグ

10月15日(ブルームバーグ):英国と中国は、ポンドと人民元の直接取引導入で合意した。欧州での人民元取引センターを目指し、ロンドンが競合するフランクフルトやパリに先んじた格好だ。

両国はまた、中国の人民元適格外国機関投資家(RQFII)プログラムの下で、ロンドンの金融機関に800億元(約1兆2900億円)の枠を設けることでも合意した。オズボーン財務相が馬凱副首相との会談後、北京での記者会見で明らかにした。ロンドンでの決済・クリアリング追加合意を通じ、両国が人民元の流動性へのアクセスを確実にするとも述べた。

オズボーン財務相は「ロンドンを確実に、人民元ビジネスの西欧における中核センターにする。それが私の野心だ」と述べ、香港とも協力していくと続けた。中国の銀行が英国で初めてホールセール支店を開けるようにするための協議が始まると付け加えた。

イングランド銀行(英中央銀行)は今年6月、欧州の中銀として初めて中国と通貨スワップ協定を結び、2000億元の枠で合意。欧州中央銀行(ECB)は3500億元のスワップ協定を今月締結した。
原題:China Agrees With U.K. on Yuan-Pound Trading, InvestmentQuota(抜粋)


焦点:輸出減でも元上昇容認、中国人民銀が通貨改革へ決意 2013年 10月 15日 12:57 JST ロイター

[上海 14日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は14日、輸出統計が予想外に弱かったにもかかわらず人民元が過去最高値を更新するのを許容し、通貨改革に向けた決意を浮き彫りにした。

人民銀行は14日に人民元の日々の変動幅2%の中心値である基準値を過去最高値に設定し、スポットレートは15日に一時1ドル=6.1011元と、2日連続で過去最高値を更新した。

これに先立ち発表された9月の中国の輸出統計は前年同月比0.3%減と、予想に反して減少し、過去3カ月間で最低の数値となっていた。

人民元は今年初めから2%上昇しており、他のアジア諸国の通貨が下落しているのとは対照的だ。2005年の元切り上げからは35%以上も上昇している。

人民元高は輸出業者の不満を買っている。上海にある欧州系銀行の通貨トレーダーは「国内企業は元がこれ以上は上昇しないよう願っている。輸出がなお非常に弱いからだ。元が上昇を続ければ、非常にひどい結果を招きかねない」と述べた。

9月の輸出が予想外に減少したため、一部のエコノミストは人民銀行が少なくとも象徴的な動きとして元を反落させざるを得ないと予想していた。しかし人民銀行は強硬路線を貫いた。

<経済安定の必要性>

中国政府の改革派は、価格競争力だけを頼りに低品質の輸出品を大量生産する経済から、国内消費向けに高品質製品を生産する経済モデルに移行する上で、人民元の上昇が鍵を握ると考えている。

元相場が上がればドル建ての輸入エネルギー価格が低下する上、海外企業の買収コストが下がり、政府が巨額の外貨準備を維持する必要性も薄れる。外貨準備は元の上昇抑制のために行ってきた市場介入の結果、積み上がったものだ。

ドルの実効レートであるドル指数が下落し、米政界が財政協議で対立を繰り返して米国の債務返済能力への不信感が広がっていることから、中国では巨額の外貨準備を抱える政策に批判が高まっている。

人民元の上昇は、もう一つの重要なプロジェクトにも恩恵を及ぼすと見られている。国際貿易における人民元の利用拡大を通じ、中国企業の為替リスクを減らし、中国がドル準備を積み上げる必要性をさらに低下させることだ。

とはいえ、中国の経済改革は完成とは程遠い。実際のところ、経済指標を見ると成長のエンジンには、ほとんど変化が見られず、輸出依存型の企業が依然として主な雇用主となっている。

人民銀行が貿易統計を無視したのは、前年同月比での輸出減少が大きな問題を示唆していない可能性があるのが一因だ。輸出は前月比では増加しており、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのエコノミストらによると、投機資金の流入が前年比の数字をゆがめている。

こうした資金流入は2012年末から13年初めにかけての輸出を人為的に膨らませ、比較対象の前年同月分を実態よりも高く見せていると言う。

<強気相場が復活か>

人民元のスポット市場は8月半ばから狭いレンジで推移してきた。これは大手国営銀行による定期的なドル買いが元の上昇を抑えてきた結果だとトレーダーは言う。

多くの関係者は、こうしたドル買いは人民銀行による秘密裡の要請に基づいて行われていると見ている。人民銀行は、基準値を引き上げる一方でスポットレートは横ばいに据え置くことを望んできた。

この戦術は、政府が日々の変動幅を一段と拡大するための地ならしとの見方もある。

しかし人民元は14日にこうしたレンジを離れて一日で1.15ベーシス、つまり0.015元変動し、8月19日以来で最大の変動幅となった。

上海の銀行のトレーダーは「これが人民銀行が介入を止めたことを意味するのかどうか、はっきりしない。明日もこうした動きが続くかどうかを見極める必要がある」と述べた。

(Pete Sweeney記者)

地続きのベトナムと海を隔てたフィリピン

中越両首脳は、海上共同開発・陸上交通網整備・通貨スワップ協定それぞれの作業グループ設置に合意した。

南沙諸島の紛争を抱えながら、同時に中共に対して有効な海軍力を持たないベトナムとフィリピン。そのうち、カンボジア侵攻の懲罰と称されて中越戦争を戦ったベトナムは地続きであるがゆえに、時間稼ぎとより慎重なアプローチを要する。

軍事的には米国のアジア・太平洋へのシフトもアラブ・中東情勢と国内政局に引き摺られ、経済的には我が国のチャイナプラスワンも軌道に乗ったばかり。中共のバブル崩壊もその後の展開が治安優先策か対外強硬策か分からない以上、この選択肢は分からないでもない。

中国 ベトナムと海上共同開発協議へ 日本とフィリピンとの領有権問題における立場を強化 15.10.2013, 15:22 ロシアの声

中国とベトナム、海上共同開発協議へ…南シナ海 2013年10月14日21時37分 読売新聞

【北京=牧野田亨】新華社電によると、中国の李克強首相は13日、ベトナムの首都ハノイを訪れ、グエン・タン・ズン首相と会談した。

 両首相は、双方が領有権を主張する南シナ海問題の解決に向け、「海上の共同開発」を協議する作業グループを設置し、年内に始動させることで合意した。陸上交通網の整備や、通貨スワップ協定などの金融面でも、それぞれ作業グループを発足させ、協力策を探る。

 両国は領有権問題で激しく対立していたが、ベトナムのチュオン・タン・サン国家主席が訪中した6月から協調姿勢に転じていた。

強靱化と効率化の狭間で

安倍首相の所信表明演説を一読する限り、アベノミクスの達成年限に延長を仄めかす発言は見受けられない。第1の矢と第3の矢に挟まれて、第2の矢の印象が薄くなったと憤る財政出動派は多いに違いない。

結局のところ、財政を重視しようとすれば、財政の柔軟性を重視する一派と財政の規律性を重視する一派は対立しやすい。が、と同時に彼らが景気浮揚を目論んだ財政出動のあと、財政均衡を目指した消費税増税で妥協している場合には、政治的には自由市場を重視しようとする選択肢しか残らない。第2次安倍政権はその陥穽に嵌りつつある。

財政再建が優先されるならば、財政出動によるインフラ整備はどうなるのか、という疑念は残る。たしかに今国会で最初の「国土強靱化」予算が編成される。一方、15年間を期間としたPFI方式の(金融機関を中心に民間企業も出資する)ソブリンウェルスファンドも今月11日発足した。国土強靱化とPFI方式。ふたつのインフラ整備のイデオロギーがしのぎを削ることになりそうだ。

自民、国土強靭化の動き活発化、強まる歳出圧力 2013.10.14 18:13 MSN産経

 年末の平成26年度予算編成をめぐり、自民党内で「国土強靭(きょうじん)化」関連予算獲得に向けた動きが活発化している。旗振り役の二階俊博・党国土強靱化総合調査会長は「国民の命を守るのが政治だ」と主張し、野党側の「バラマキ路線」批判もどこ吹く風。来年4月からの消費税率引き上げという「打出の小づち」を手に入れ、色めく党内の歳出圧力は強まるばかりだ。

 ■二階氏が旗振り役

 二階氏が会長を務める自民党二階派の議員らは今月10日、東京湾の塩害で劣化が進む東京・品川区の首都高速道路を視察した。

 「直下型地震が起きたときのことを考えると、本当に恐ろしい。われわれには大きな宿題がある」

 二階氏が視察後、防災・減災の必要性からインフラ整備を急ぐよう主張すると、議員らは一様にうなずいた。さらに「東京五輪があるから、余計に整備をやらなければいけない」と力を込めると、うなずきはさらに大きくなった。

 ■ふくらむ概算要求

 国土強靱化は、東日本大震災を教訓に自然災害に強い国土づくりを目指す安倍晋三政権の主要政策の1つだ。インフラ整備が遅れている地域では予算増への期待がふくらむ。このため、耐震化など国土強靱化に関連する来年度予算案の概算要求額は前年度比1・42倍の5152億円に上った。

 実は歳出圧力の背景には昨年8月に成立した消費税増税法がある。同法付則に「消費税率の引き上げによる経済への影響を踏まえ、防災、減災に資する分野に資金を重点的に配分する」と明記された。増税で生じた財源の「ゆとり」分について、国土強靱化関連予算への「流用」が許されると解釈されているのだ。

 増税分をそのまま社会保障費に使うとしてきた目的がかすんでしまうが、二階氏は「財源がないから何もできないでは政治にならない。財源よりも命が大事だ」と一歩も譲らない。

 ■本音は景気浮揚?

 しかも、二階氏が会長を務める近畿地域選出議員団は8日、JR東海が平成39年に東京-名古屋間の開業を目指すリニア中央新幹線について、国費を投入して大阪まで同時開業するよう求める決議文を採択した。

 名古屋-大阪間は57年の開通予定で、前倒し開業は経済効果を狙った公共事業推進の意味合いが濃く、防災・減災のために不可欠な国費投入とは言い難い。

 そもそも、二階氏らが15日召集の臨時国会で成立を目指す「防災・減災等に資する国土強靱化基本法案」は、防災・減災事業と景気浮揚を念頭に置いた事業のどちらが主目的なのか、線引きが曖昧だ。

 そうした自民党内の動きに対し、野党側は「どのように不要不急の公共事業を廃止し、税金の無駄遣いをやめようとしているのかが見えない」(民主党の大畠章宏幹事長)と批判を強めている。

 二階氏は臨時国会で衆院予算委員長として、国土強靭化関連予算案をめぐる与野党論戦を見守ることになるが、やきもきする日々が続きそうだ。(岡田浩明)


PFI推進、インフラ整備拡大期待 東京五輪も追い風に 2013.10.11 23:14 MSN産経

PFI推進の官民ファンドが発足 民間資金でインフラ整備 2013.10.11 21:48 MSN産経

 国内初の民間資金活用による社会資本整備(PFI)を推進する官民ファンド「民間資金等活用事業推進機構」が11日発足した。公共施設などインフラ整備の設計・資金調達に民間の資金を呼び込み、公共事業費を抑えながら、必要なインフラ整備の拡大を図る狙い。政府は同機構を通じてPFIファンドの市場を拡大し、民間のファンドの参入を促す思惑もある。

 同機構は国が100億円、銀行や保険会社など民間金融機関40社も合計87億5千万円を出資して発足した。年内をめどに民間企業からの出資を100億円規模とする見通しだ。

 当面は道路や空港、上下水道の整備などに出資や融資を行う。また今後、PFIを扱う民間ファンドが発足すれば、そこへの出資も検討し、市場の育成を図る。

 同機構の運営期間は15年間で、期限が来れば解散する予定。社長に就任した渡文明氏(JXホールディングス相談役)は11日の発足式後の記者会見で「本当に必要な社会インフラの建設、メンテナンスも含め、事例の掘り起こしを進めたい」と述べ、2020年東京五輪の関連施設整備にも意欲を示した。

 【PFI】 プライベート・ファイナンス・イニシアティブの略で、道路や空港など公共施設の整備に民間の資金やノウハウを使う手法。国や地方公共団体の財政負担を抑えられるほか、民間の知恵でサービスの向上につながると期待される。平成11年から本格化し、今年3月までに400件超が実施された。


参考URL:
民間資金等活用事業推進機構

日英は“先験的な”同盟関係にある

安倍首相は日英関係を「ア・プリオリの」パートナーシップである、と先月30日に行われた英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)主催の日英安全保障協力会議の基調講演で発言した。ア・プリオリとは先んじて経験している、自明の如く、という意味で用いられる。

極論すれば、同盟関係締結前から同盟だと云っている訳で、下記の英国艦船向けエンジン部品輸出は、武器輸出三原則の禁輸対象にならなかったのは問題ではないか、という共同電のあてこすりなど、安倍首相は意に介さないに決まっている。

RUSIは、去年ワシントン(RUSI-US)と東京(RUSI-JAPAN)にそれぞれ支部となる研究所を開設している。これは2013年4月25日のエントリーで触れた。また、政府間ではすでに日英情報保護協定の締結で合意している。これも2013年6月20日のエントリーで触れた。

2013年8月11日のエントリーでも触れたように、今回の日英安全保障協力会議の開催、来月予定のHMSデアリングの寄港、合同演習、日英防衛当局間の海上安全保障に関する協議で、さらに日英同盟締結再びは近づくことになる。

エンジン部品英艦提供を政府容認 2013年 10月 14日 02:13 JST ロイター

 政府が、海上自衛隊の護衛艦に使われている川崎重工業製のエンジン部品を、英国向けに輸出し英海軍艦船へ提供する取引を容認していたことが13日、政府関係者の話で明らかになった。同じ部品が民間でも使用された例があるため武器とは言い切れないとして、武器輸出三原則の禁輸対象に当たらないと判断した。輸出された部品を装着した英艦が実戦に参加すれば、日本の技術が戦闘行為に用いられたとの指摘も出かねない。

【共同通信】


日英は「新たな防衛協力を」英王立防衛研所長、東京でも意見交換 2013.9.30 13:16 MSN産経

【ロンドン=内藤泰朗】「英国と日本は防衛協力を含む新たなパートナーシップが必要だ」-。英政府の政策決定に影響力を持つ王立防衛安全保障研究所(RUSI、本部ロンドン)のマイケル・クラーク所長は産経新聞とのインタビューでこう語り、今後数年で日英関係は大きく前進するとの見通しを示した。

 クラーク所長によると、英政府は、中国一辺倒だったブレア政権が2007年に退陣した後、インドや日本なども重視したバランス外交に転換。「5年前までは日本との防衛協力は絵空事だったが、日英両国を取り巻く環境が大きく変わった」と指摘している。

 英国製戦闘機タイフーンの日本への売り込みが失敗したことについては、「それが終わりではない。安保分野の事業はもっと大きい。自由貿易や民主主義の価値観を共有する日本との対話を深め、防衛、安保分野の協力拡大が重要だ」と言明。機雷除去や海賊対策に加え、サイバー攻撃への対抗措置や情報収集の分野などを挙げた。

 今後については「日本も英国も、米国とは特別な関係にある。防衛や安保、自由貿易などを柱に、日本、英国、米国による新たな形の同盟、パートナーシップを構築することは可能だ」と強調した。

 クラーク所長は英王室のアンドルー王子や防衛、情報分野の元閣僚らと訪日。東京で30日と10月1日、RUSIなどが主催する安全保障関係の国際会議で日米の専門家らと意見交換する。会議には安倍晋三首相も出席する予定だ。


安倍晋三日本国総理大臣基調講演 平成25年9月30日 首相官邸

(前段省略)

(ア・プリオリのパートナーシップ)
 日英の、本来の関係とは、なんでしょうか。

 それは、海の安全を一緒に守る関係です。100 年後のいま、ところはソマリア沖、あるいはアデン湾に移りましたが、英国と日本は、力を合わせて航海の安全を守る仲間に戻りました。

 私は、日英関係を、本来の、おのずから結ばれているという意味で、「ア・プリオリの」パートナーシップだと、呼んでいいだろうと思います。

 両国とも、海がもたらす恵みとともに生きています。通商を、命綱としています。

 シーマンシップを重んじる点にかけて、自他ともに誇るところがあるのも、海の平安が、国益に直結しているからです。

 ところで海の平安とは、誰かが、責任感をもって守らなくてはならないものです。ルールには、これをエンフォースする人間の集団が要る。なければ海は、海賊が跳梁跋扈した往時に逆戻りしかねません。

 ロイヤル・ネイビーがそれを一身に担っていたころ、我が国は、英国との同盟を結びました。戦後は米国が、世界の海、そのすべての波を、統べる立場を担いました。我が国は、英国とともに、その米国と強固な同盟を約して今日に至ります。

 海のルール、すなわち海洋法は、国連海洋法条約の形で具体化し、今日その規範性を確立しました。いまや、国際法の重要な一部。すべての国家の振る舞いを、ほぼ有効に、規定するに至っています。

 海洋法の解釈や運用、その進化・発展のなかで、英国と日本は、常に知見を交換し合い、高め合う関係にあるのも周知のとおりです。

 それができるのは、英国と日本が、航海の自由、公共の利益といった、海洋法のファンダメンタルズを長年にわたり、心の底から共有し、揺らぐところがないからではないでしょうか。

 ならばこそ、新たにひらかれようとしている北極海航路においても、日英のパートナーシップに期待されるところ、大なるものがあると言わねばなりません。

 加えて私たちには、そのあらゆる違いにもかかわらず、ひきあわずにはおかない何かがあります。

 ともに君主をいただき、そのご一家におのずからなる崇敬の念を抱いています。ヨーク公のご訪問を、慶賀するゆえんです。

 伝統と革新、どちらを取るかと問われたら、「佳き伝統を守るためにこそ、革新が必要だ」と、英国の賢者は言うでしょう。私達日本人も、近代化の始まり以来、常にこれを、自分に言い聞かせてきたように思います。

 実に、日英は、「ア・プリオリの」パートナーなのです。

(なんのためのパートナーか)
 パートナーとは、なんのためか。次にはそこが問われます。

 答えは、お互いの振る舞いにおいて、すでに雄弁だというのが私の考えです。

 英国は、厳しい財政下、それでもロイヤル・ネイビーの近代化、能力向上に励んでおられます。

 インド洋から、太平洋にかけての一円は、英国の盟邦国が散在する一帯ですが、この地域で果たすべき役割とは何か、再び考えておいでです。

 他方、我が国は、マラッカ海峡からインド洋、中東地域にかけて、航海の自由を守り、その安全を守る努力を、相当期間続けて参りました。そのうえで、さらに何ができるか、英国と同様に、真摯に考えているところです。

 東と西は、こうして再び海で出会い、海洋秩序の保全というミッションの共通性によって、結ばれました。そこに、おのずと答はあるというのが私の考えです。

(後段省略)

米中の純石油輸入量の逆転が招く世界

世界最大の純石油輸入国の座が米国から中国に移った。

同時に米国の国内生産量日量1000万バレルを突破。来年には日量1100万バレルを見込み、ロシアの日量1086万バレルを超え、米国はOPEC非加盟国中最大生産国になる。

OPEC非加盟国は170万バレルから190万バレル生産量を増やす予定。一方、OPEC加盟国は日量2900万バレル、10万バレル供給を絞る予定。

中国は1993年までエネルギー自給100%であったが、輸入割合は2012年に58%、2020年に70%(見込み)となる。石油消費量と国内生産量の差で見ると、中国は日量630万バレルの差、米国は日量613万バレルの差がある。

この逆転は、米国のリショアリング、米国のアラブ・中東地域への軍事的関与の減少、中東から極東へのシーレーンの日中角逐を惹起する。オバマ政権の外交政策の不安定さは米国の後退を際だって見せる。政治的真空状態はより危険性を増し、各国の建艦競争を招いている訳だ。

中国が世界最大の純石油輸入国に、米国抜く=EIA 2013年 10月 12日 02:17 JST ロイター

米国が石油生産でOPEC非加盟国最大に、来年=IEA 2013年 10月 12日 01:20 JST ロイター

キーストーンXLパイプライン計画、米政府機関閉鎖で審査に遅れも 2013年 10月 11日 11:40 JST ロイター

日印で第三国共同開発 石油・天然ガス 年内に検討会 2013.9.13 11:09 MSN産経

ヘイトスピーチを旗印にパブリックエナミーが集う

思想と信教の自由とは畢竟、彼らが我らを排撃する思想を信奉し、彼らが我らにとっての悪魔を信仰告白することを許せるかに帰結する。この彼我の境界線を認められない者は、思想と信教の自由を論じるに能うべき存在であることをも放棄する。なかんずく他者を認めることができない結果、他者を除くほかなくなる。左右どちらの極に立つのであれ、常にこの危険性は内在する。

我が国の政府は、テロを起こしたオウム真理教とその分派に解散を命じ、かつ強制措置を執行してないことによって、あたかも悪魔を信仰する者の内面的自由、その信奉者が集う結社をつくる外面的自由を公権力が守ることを実証している。外面的な行動がテロとなった場合、公権力は強制力をもってこれを裁くことに限定されている。

類似例を挙げれば、公立校における国旗掲揚と国歌斉唱に反対する教職員が外面的な行動の自由に掣肘を受けるのは公職に就くがゆえであって、その内面的な思想の自由は一切の掣肘を受けていない。私立校にその職を移せば何ら障害はない。不法行為への非難を避けるために、彼らは故意に外面と内面の峻別の重要性を理解させまいとする。

差別主義は、それを内面において信奉しようともなんら政府は介入しないし、それを外面において主義を掲げる結社をつくられようとも政府は介入しない。差別を構成する要件を最終的に強制できるのは公権力だけであって、結社が強制しようとすれば公権力に解散させられる。

暴力を独占するがゆえに公権力の及ぶ範囲は常に抑制的でなければならない。国内法に定義されていないヘイトスピーチに関する国際条約の条項を留保して、言論と信教の自由、集会と結社の自由は貫徹されている。公権力以外の暴力を抑えつつ、自らは抑制的な姿勢を保つ我が国の政府を非難攻撃する絶対的な正義などない。

もしも国民国家が暴力の独占を制御できず、その国民の生命と財産の自由について「保護する責任」を果たせない(ジェノサイドや民族浄化が行われる)ときは、国際社会が軍事介入する権利は国際法上、認められている。その義務が果たされるか否かは、シリアの例に見られるようにまた別問題になるが。

【社説】孤立無援の在日朝鮮人を支援すべき 2013/10/09 10:09 朝鮮日報日本語版

 京都地裁は7日、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)系の小学校の周辺で「朝鮮人は夜道に気を付けろ」などと叫び街宣活動を行った極右団体「在日特権を許さない市民の会(在特会)」とそのメンバーに対し、学校から半径200メートル以内での街宣活動禁止と1226万円の賠償を命じる判決を下した。在特会は在日韓国人・在日朝鮮人の排斥運動を繰り広げており、メンバーは約1万3800人に達する。在特会のメンバーは2009年12月から10年3月にかけて、京都市南区にある朝鮮第一初級学校の周辺で「朝鮮学校を日本からたたき出せ」「キムチ臭い」「スパイの子ども」などのヘイトスピーチ(憎悪表現)を伴う街宣を行い、初級学校の児童を苦しめた。

 日本政府はこれまで「ヘイトスピーチを禁じる法律はない」という理由を挙げ、こうした街宣に対し見て見ぬふりをしてきた。今回の判決は、過激な団体が作り出す嫌韓の雰囲気の中でも、日本の良識はまだ衰えていないことを示したという点で意味がある。

 在日韓国人・朝鮮人の3世・4世の多くは、本人が日本で暮らしたいと思ってそこに住んでいるわけではない。植民地時代の強制連行・徴兵政策で祖父や曽祖父が日本に連れていかれたり、日本の略奪的植民地政策のため暮らしが成り立たず、日本に渡ったりした人々の子孫だ。67万人を超える朝鮮人徴用・徴兵者は、ありとあらゆる迫害の中で強制労働に従事し、敗戦後も日本で暮らすことになった。日本の過激団体は、こうした歴史を忘れ、被害者の子孫を苦しめている。

 日本の過激団体が暴れる中で孤立無援となっている朝鮮総連系在日朝鮮人の境遇に、目を向けずにはいられない。朝鮮総連は50年以上にわたり、北朝鮮権力の日本支部にして「金づる」の役目を果たしてきた。しかし、金日成(キム・イルソン)主席、金正日(キム・ジョンイル)総書記、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の3代にわたる悪行によって北朝鮮が国際的に孤立する中、朝鮮総連だけが例外でいることはできなかった。北朝鮮による日本人拉致事件が明らかになり、朝鮮総連は解決困難な危機に直面した。北朝鮮だけを見て時代の流れに逆行してきた朝鮮総連が自ら招いた事態ではあるが、それでも在日朝鮮人の苦境だけは座視できない。

 依然として朝鮮総連に所属している在日朝鮮人は少なくない。これらの人々は、北朝鮮からの支援を期待できず、一方で韓国政府へ気軽に手を伸ばすこともできない境遇にある。これらの人々をこのまま見放すのかどうか、真剣に考えるべきだ。韓国のほかに、誰が引き受けられるだろうか。韓国以外に、彼らを引き受けられる国は世界のどこにもないのだ。

 現在、南北関係は行き詰まっているが、それならばなおのこと、韓国が朝鮮総連系の在日朝鮮人をかばってやるべきだ。一時は背を向けていたものの今では苦境にある同胞の手を取ってやるというのは、韓国だけができる、道理ある行動だ。政府だけの仕事ではない。民間でもこれらの人々を支援する道がないかどうか、模索してみてほしい。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版


さて、米韓同盟は後方支援基地の日本がなければ機能不全に陥る。北朝鮮のみならず韓国もまた“反日”を続ける限り、遠からず米韓同盟は破綻し、韓国は安全保障の脅威に変わり、係累として在日韓国・朝鮮人は安全保障の障害となる。公共の敵(パブリックエナミー)として認定されて、そこに擁護者が集うとき、集団安全保障の考え方と同じく、その一員として扱われるに過ぎない。

現状起きているのは、人種差別や定義されていないヘイトスピーチの論争ではない。思想と信教の自由や集会と結社の自由を担保することでもない。生命と財産を奪おうとする公共の敵が持っている、その数々の利権を国家と国民の手に再回収する過程なのだ。それも最終的局面に近いのかもしれない。

在日特権を許さない市民の会の意見は、在日に内国民待遇を与えるな、日本国籍を有していない人々にアファーマティブアクションに等しい特権を与えるな、あまつさえ彼らは安全保障の障害になっているから国外追放も止む無し、と云うある意味真っ当な主張だ。

マイノリティが、マスメディアの人事権を掌握して言論を独占し、自治体の許認可権に政治的圧力を掛けて特権を確保し、法廷闘争によって既得権益を拡張する手法。これを民主党政権以降、中道右派・保守から極右までが援用することとなり、反日的なリベラル・極左はカウンターを打ちにくくなった。そこで危機感を煽って、残り少ない勢力の再結集を図ろうとしているように思える。

しかし、非対称戦によってこそ戦線の維持が期待できる彼らの命数を縮めている可能性がある。むしろヘイトスピーチを訴える彼らの側に、我らを映し身として彼らが見る悪魔を認める度量を持てるか、これこそ急務といわざるを得ない。しからざれば彼らに自滅あるのみ、だからだ。

リフレ派と財政出動派が争うのはデフレ脱却後に

消費税増税が決まったので、新規出店した実験店舗を会社のバランスシートから切り離した。もっとも個人的に投資していることには変わりないし、譲渡先も決まったので年内閉鎖をするかはそちらの判断に任せることになった。コア事業含めて減価償却費分の積み増しも段取りが付いた。あとは外部環境が好転するに越したことはない。

楽観視出来る材料は、機械受注統計と中小企業のベースアップに現れている。政府からの企業への直接的な賃上げ要求に対して、民主党の支持基盤、労組「連合」も表立った反発を示さなくなってきた。あとはアベノミクスを支持するリフレ派、財政出動派、構造改革派が互いに争わないでいてくれることを願うばかりだ。デフレ脱却が完了してから実証的批判を望む。

機械受注8月、リーマンショック以来の8000億円台回復 2013年 10月 10日 10:55 JST ロイター

[東京 10日 ロイター] - 内閣府が10日に発表した8月の機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、リーマンショック以降、初めて8000億円台を回復した。

特に出遅れていた製造業は比較可能な05年以来、初めて4カ月連続の増加となり、回復が鮮明だ。また外需も大幅増となり、9000億円台の高い水準となった。投資減税や法人税減税などの政策の後押しもあり、設備投資が本格回復に向かうことが期待される。

<製造業の回復4カ月連続、投資マインドの安定物語る>

8月の受注額は、前月比5.4%増の8193億円となり、08年9月のリーマンショック発生月以来の水準を回復。08年10月を最後に、8000円億円台の受注額水準を記録したことはなかった。

増加は3カ月ぶり。ロイターの事前予測調査では2.0%増と予想されていたが、これも上回った。前年比では10.3%増と2桁増。製造業、非製造業ともに増加。外需も大幅増加となった。  内閣府は、機械受注の判断を「緩やかに持ち直している」から「持ち直している」に上方修正した。

製造業からの受注は3213億円、景気の山だった昨年4月以来の水準まで増加した。振れの大きな統計だけに、4カ月連続で増加したことも安定した回復傾向をうかがわせる。

8月は増加業種と減少業種が半々程度となり、石油・石炭製品からの大型案件1件のみで、全体では前月比0.8%増とほぼ横ばいとなった。

非製造業は前月比6.2%増の2カ月連続増加。鉄道車両コンピュータなどの受注が寄与。今年に入り、受注額は水準が徐々に高まっている。

外需は9377億円と、今年3月の1兆円台に迫る水準となった。伸び率も前月比22.4%と大幅増、前年同月からは4割増。

<7─9月も2期連続増加の可能性高まる>

この結果、7─9月は2期連続で増加となる可能性が高まった。9月が8月から横ばいとなっても、7─9月は前期比5.0%の増加、9月が8月から14%減少しても7─9月が前期比横ばいとなる。

機械受注から設備投資動向を占うと、9月日銀短観でも設備投資計画がしっかりとした伸びがうかがえるなど、計画自体は底堅さが確認できていたが、実績値となる法人企業統計や機械受注はさえない展開となっていた。今回、機械受注の明るさが物語るように、「全般的に設備投資の回復が明確になりつつある」(農林中金総合研究所))と見られている。設備投資は4─6月期GDPで6四半期ぶりに増加に転じたことが確認されたが、「先行指標である機械受注の推移からすれば、7─9月期以降も、設備投資の増加傾向が続くと見られる」(BNPパリバ証券)と予想されている。

年度後半には「来年4月の消費増税を控えて、機械受注および設備投資は今後駆け込み需要が本格化してくるとみられる」(SMBC日興証券)といった要因も加わる。その先、政府による復興特別法人税の前倒し廃止や投資減税の実行が進めることで、消費増税を乗り切ることで、本格的な設備投資回復につながることが期待される。

(ロイターニュース 中川泉;編集 宮崎亜巳)

*内容を追加します。


アングル:中小企業に賃上げ気運、4割弱がベア実施も 2013年 10月 11日 17:25 JST ロイター

[東京 11日 ロイター] - アベノミクスの恩恵が届きにくいとされてきた中小企業で、賃上げの機運が高まりつつある。人手不足が深刻な建設関連企業や、業況のよい勝ち組企業で、賃上げに踏み切る例が出ていることが、日本商工会議所などの調査で明らかになった。

ベースアップもしくは定期昇給を37.9%の企業が実施し、ベースアップに慎重な大企業に先駆けて雇用者報酬アップに踏み切っている実態が浮き彫りになっている。賃上げのすそ野が広がれば、来年4月の消費増税後の景気落ち込みが想定よりも緩和される可能性もありそうだ。

日本商工会議所が9月30日に公表した全国3125社を対象とした初の調査リポートによると、37.9%の企業が今年4月以降のベースアップもしくは定期昇給により「賃金を引き上げた」と回答した。

賃金の引き上げ幅は、1─2%未満が41.3%だった。回答企業の半数が従業員20人以下、うち半数は5人以下。

同会議所によると、昨年末以降も当初は賃上げは考えられないいとの声が多かった。だが、夏以降「建設業などで人手不足が深刻化。人材をつなぎとめるためにも賃上げを実施する企業が出てきた」という。

製造業には慎重な企業が多いが、「自動車関連企業が求人を拡大している地域で、小売業が賃上げする例もある」など、すそ野が広がりつつあると指摘する。

リポートには、「業況が上向いているため過去2年していなかった一時金の支給に加え、中堅・若手従業員の離職を防ぐためにベアを実施した」(建具製造業)、「賃金水準の引き上げを実施したが、希望した人材が集まらず、人手不足が続いている」(土木工事業)といった声が挙げられている。

また、商工中金も今月9日、賃上げに関する初の調査(7月に実施)を公表した。従業員300人以下の全国5121社中、38.3%が4月以降にベースアップを実施したと回答した。

業種別では一般機械で57.7%が実施したと回答しているが、「業種に関係なく、業況の良い勝ち組企業がベアを実施している」(調査部)という。

業況が「良い」回答企業784社中では、49.6%がベアを実施しているが、「悪い」企業では29.6%にとどまっている。

ただ、時間外給与については「増加した」との回答企業は10.9%にとどまっており、75.7%が「変わらない」となっている。

(ロイターニュース 竹本 能文 編集;田巻 一彦)


コラム:アベノミクスの命運左右する賃上げ、カギ握るトヨタ 2013年 10月 11日 12:46 JST ロイター

田巻一彦

アベノミクスの命運を左右する「賃上げ」をめぐり、政労使の動きが本格的に始まった。大企業の賃上げは、トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)の動向がカギを握っている。トヨタがベースアップの引き上げを決めれば、追随する企業が相次ぐだろう。

だが、非正規を含めた雇用状況が全体として好転するには、なお高いハードルが待ち受けている。建設業など一部業種で目立ってきた人手不足と人件費アップの動きが、広範な業種に広がるのかどうか。日本の労働市場は今、近年にない大きな変化の波に直面しようとしている。

<賃上げ要請した経産相>

茂木敏充経済産業相が10日に米倉弘昌・経団連会長と会談し、アベノミクスの効果である円安などで企業収益が大幅に改善しており、賃上げで還元してほしいと要望した。注目されるのは、厳しい国際競争にさらされている製造業の意見を代弁してきた米倉会長が、報酬引き上げにつなげていきたいと述べた点だ。

安倍晋三首相は、来年4月からの消費増税を決断した際に、復興特別法人税の1年前倒し廃止にカジを切り、「個人増税/法人優遇」の批判が出かねない政策を打ち出した。政府がここまで産業界に理解を示しているのに、減税分を企業が内部留保に溜め込めば、政府と世論の両方から攻撃を受けかねないとの判断が、米倉会長ら経済界首脳に働いたのだろう。

一方、政府としても4月から消費税が8%に上がる際に、賃金が上がらずにいれば、日銀の黒田緩和の効果で物価が上がっていることもあり、消費者の負担感が増大し、盛り上がってきた個人消費の勢いに水を差されかねないとの懸念があるようだ。

<注目されるトヨタのベア判断>

ただ、賃金は各企業ごとに労使の交渉で決まる。政府が圧力をかけても、ストレートには政府の意向が反映されない仕組みとなっており、政府サイドにも「隔靴掻痒(かっかそうよう)」の感覚が残っていると想像する。

この賃上げの行方のカギを握っているのがトヨタの動向だ。もし、トヨタがベースアップを含めた月例賃金の引き上げを認めれば、他の大企業・製造業の賃上げ交渉にも大きな影響を与えるだろう。

とはいえ、足元の日本企業の収益力・国際競争力は、自動車がダントツで強いものの、他業種は電機を筆頭にかつての栄光を取り戻せていない。ベースアップは断念し、ボーナスで対応する企業が増える展開も予想される。

<正規467万円・非正規168万円の実態>

それでも、ボーナスを含めた総報酬の水準切り上げが期待できる大企業は、日本の労働市場全体から見れば、かなり恵まれている。対照的に非正規社員の所得水準は、正規社員との間で大きな格差を生んでいる。

国税庁が今年9月に発表した「2012年民間給与実態統計調査」によると、正規社員の平均給与が467万6000円だったのに対し、非正規社員は168万円にとどまっている。

国内労働市場に占める非正規社員の割合は35%程度まで上昇しており、今後も上昇していくと予想されている。

この非正規社員の所得水準をどのように引き上げていくのか、社会政策の観点からも政府は真剣に検討を進めていくべきだ。労働組合運動の中心にいる連合も、非正規社員の待遇改善に一段と力を入れて、実績を残していかないと、日本における労働運動の先細り傾向に歯止めをかけることはできないだろう。

<表面化してきた人手不足と時給上昇>

非正規社員も含めた所得環境の引き上げに関し、もう1つの変動要因がある。ヒタヒタと押し寄せる人手不足の状況だ。

東日本大震災の復興需要に伴って、東北地方で先行して表面化した建設現場を中心にした人手不足は、アベノミクス効果でマネーが流入し出した首都圏をはじめとした大都市圏の建設・不動産分野で目立ってきた。

この動きが今、ジワリと他の業種にも波及しつつあるようだ。中小・零細企業の中には、臨時雇用の時給を上げても人手が集まらないと嘆いているところもあるようで、こうした状況がさらに広がれば、非正規社員の本格的な賃金上昇に結びつく可能性もある。

いずれにしても、労働分配率を低下させることで危機への対応力を増強してきた日本企業の経営が、大きな分かれ道に直面していることは間違いない。コストカットで損益分岐点を下げ、企業を存続させるだけでは、「有能な経営者」とは言えない。

新しいビジネスを開拓する「勇気」と「経営センス」を持っている経営者なら、ビジネス推進の原動力である優秀な社員の獲得のため、雇用者報酬を引き上げることにためらいは持たないだろう。いよいよ日本の経営者も、言い訳ができない状況に立ち至ったのではないか。

[東京 11日 ロイター]

テロリストを倒しながら、その予備軍を側面支援する

オバマ政権が、アラブ・中東地域の民主化支援と人権重視から対テロリスト作戦へと比重を移した途端、報復の報復としてリビア首相が誘拐される。すぐ釈放されたらしいが、これらは互いの示威的行動としてまだ理解出来る。

しかし、ムスリム同胞団の抑えとなるはずのエジプト軍部への支援を凍結する、という。これがオバマ政権の面子を重んじた行動なら無意味だ。いや有害かもしれない。

エジプトの軍部と暫定政権には、湾岸産油国(サウジアラビア、UAE、クウェート)が大規模支援をしているので金額の多寡は関係ないとして、装備と運用面から軍部が弱体化すると、相対的に力を増す順番は、エジプト国内のムスリム同胞団(スンニ派)~パレスチナ・ガザ地区のハマス(スンニ派)~レバノンのヒズボラ(シーア派)~シリア(アサド政権)~イラン(シーア派)となる。

アラブ・中東地域全体ではスンニ派とシーア派の宗派争い、アラブ・中東地域各国では民兵組織を持つ反体制側の政党(ただしヒズボラなどは体制側になっているものの)、この双方から距離を置かないと、この地域からの足抜けは出来ない。

いつものように、全力で敵を倒すために敵の敵を大々的に支援して次の敵手をつくりたい、のならともかく(共和党内の最強硬派とは真逆の意味で)オバマ政権は中途半端で一貫性がなさすぎる。

米国がエジプトへの軍事・資金援助を凍結、民主化の前進促す 2013年 10月 10日 14:16 JST ロイター

[ワシントン 9日 ロイター] - 米政府は9日、エジプトへの軍事支援と2億6000万ドル(約254億円)の資金援助について、民主化の前進がみられるまで凍結すると発表した。

ヘーゲル米国防長官はエジプトのシシ国防相に電話し、約40分にわたり会談、この決定を伝えたという。

米当局者らによると、凍結するのは戦闘車両やF16戦闘機、ヘリコプター、ミサイルなど。ただし、この凍結は民主化や人権において前進がみられるまでの一時的なもので、対テロ軍事支援や教育など民政部門の援助は継続するとしている。

エジプトは7月3日の軍事クーデターで、民主的な選挙によって選ばれたモルシ大統領(当時)が失職に追い込まれ、軍主導の暫定政権下に。モルシ氏や同氏の出身母体であるイスラム組織「ムスリム同胞団」メンバーは訴追された。モルシ氏支持派と治安部隊との衝突が繰り返し発生しており、国営メディアによると、6日にも衝突により57人が死亡した。


リビア首相、武装勢力に連れ去られる=ホテル警備関係者 2013年 10月 10日 14:09 JST ロイター

UPDATE 2-リビア首相が連れ去られる、米軍のアルカイダ幹部拘束で「逮捕」と武装勢力 2013年 10月 10日 15:29 JST ロイター

リビア首相が解放される=関係筋 2013年 10月 10日 18:35 JST ロイター

論理的一貫性による政治的極北が米国に見える

次期FRB議長にイエレン女史が指名される。とすれば、米国の量的緩和の方向性は特段変更がないだろう。家計資産の増加傾向が成果を上げている以上、このまま推移するのは間違いない。この家計資産の増加が中間層に恩恵をもたらしていれば、共和党内の最強硬派の矛先も鈍るだろうが、現実にはより強硬な姿勢を保っている。

彼らの論理的一貫性が、彼らの主義主張をより先鋭化させるからだ。

NY外為:ドル上昇、逃避需要高まる-政治的行き詰まり続く 2013/10/09 07:00 JST ブルームバーグ

米大統領はイエレン氏を次期FRB議長にあす指名-声明 2013/10/09 10:37 JST ブルームバーグ

北米が家計資産世界一に返り咲き-クレディ・スイス 2013/10/09 14:59 JST ブルームバーグ

リセッション迫る米経済-財務省が国債デフォルト回避でも 2013/10/09 16:32 JST ブルームバーグ

オバマ政権1期目の(債務上限をめぐってつばぜり合いのあった)デフォルト危機は、米国のソブリン格付けの引き下げを招いた。オバマ政権2期目の今回もデフォルトとリセッションの危機が迫っているのだが、豈図らんや共和党の最強硬派がそんなことを気にする連中なのか、という疑問は当然に湧く。

彼らの思考回路はどうなっているのか。簡単に説明すると、こうだ。

「汝の信仰、汝を癒せり」と聖書に書いてあるから、オバマケアどころか医者もクスリも要らない、と主張する宗教右派のファンダメンタリスト。

道路も橋も自分で修繕するし建設するから、税金徴収はもとより連邦政府は介入するな、とアナーキスト真っ青の主張をするリバタリアン。

カルトをFBIが襲撃したから憲法修正第2条の精神を穢したに違いない、今こそ規律ある民兵が悪と化した連邦政府を打倒せねばならない、とテロ(オクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件)を引き起こす元陸軍兵。

共和党内の最強硬派とは、このように自らの主義主張の一貫性のために論理と実践の極北に到達した方々だ、ということを忘れてはならない。

前回は2011年7月26日のエントリーにあるように、歳出削減とその後の交渉進展如何で、債務上限2段階引き上げに合意した。

危機を回避するには、最強硬派をダシに使って共和党の穏健派と民主党で妥協するほかないだろう。

アベノミクスの時間軸のズレがもたらすものは

消費税増税の流れは、小泉政権末期の竹中氏から代わった与謝野金融・経済財政政策担当相(当時)に始まり、麻生政権下の改正所得税法附則104条で強化され、民主党・野田政権で三党合意がなされた。

実のところ、この一連の流れには、財政出動派に忌み嫌われている新自由主義者やリフレ派の姿は垣間見えないのだ。

(清和会出身の安倍首相が本当に望んでいなかったとすれば、消費税増税を余儀なくされた心理的)反動は、新自由主義的な規制緩和の濫発、相対的な円安による輸出攻勢への傾斜に現れていくだろう。

格差拡大で忌み嫌われている“いざなみ景気”は、ゼロ金利が継続する中、(俗に言う日銀砲の)溝口・テイラー介入で円が不胎化されなかった条件下でつづいた。

当時の量的緩和によるデフレ脱却は、あと一歩のところでゼロ金利が解除されて頓挫してしまった。そのため、第1次安倍政権の中盤から市中のカネ回りが悪くなっていったことを体感している社会人は多いはずだ。

穿った見方をすれば、ゼロ金利を解除した与謝野氏が第1次安倍政権を倒したことになる。第2次安倍政権もまた与謝野氏の政治的亡霊が、となりかねない。

さて、デフレ脱却前に消費税増税が決まったことによって、アベノミクスの量的緩和(第1の矢)と財政出動(第2の矢)と成長戦略(第3の矢)、それぞれの達成年限に齟齬が生じ始めている。

4日の日銀金融政策決定会合でも、消費税増税対策の追加量的緩和は見送られた。追加緩和が、早ければ来年の1~3月期にあるという見方もあるが、増税後の4~6月期に行われる見方も強い。

下記記事に拠れば、黒田日銀総裁の発言から「2年でインフレ率2%」という当初の目標が消えた、とある。

成長戦略の達成年限の多くは5年、7年~10年になっている(首脳外交によるインフラ輸出とエネルギー確保の達成年限もほぼ重なる)。逆算して財政出動の達成年限は2年~5年、7年。量的緩和の達成年限は2年だった。

もしも成長戦略の達成年限を延長しなければ、量的緩和と成長戦略の狭間に挟まれた財政出動の期間は自ずと短く、規模は小さくなる。

つまり、アベノミクスのポリシーミックスによって、集合と団結をしていたリフレ派と財政出動派と構造改革派の亀裂と離散を促進することになる。

彼らを辛うじてつなぎ止めるには、安全保障強化を要するさらなる周辺事態の悪化が起きるか否かに懸かってくる、と思われる。

焦点:異次元緩和で日銀当預100兆円突破、今後に課題も 2013年 09月 26日 17:23 JST ロイター

アングル:広がる日銀追加緩和期待、一部に「来年1月」の声 2013年 09月 27日 15:59 JST ロイター

物価は今後も上昇、2%目標に着実に進んでいる=日銀総裁 2013年 10月 4日 19:25 JST ロイター

日銀が景気判断据え置き、総裁「物価は今後も上昇」 2013年 10月 4日 19:51 JST ロイター

日銀総裁「2%目標に着実に進んでいる」:識者はこうみる 2013年 10月 4日 18:55 JST ロイター

日銀の10月経済月報、景気判断「回復」を維持 2013年 10月 7日 15:12 JST ロイター

アングル:日銀総裁発言が波紋、時間軸強化の思惑浮上 2013年 10月 8日 13:02 JST ロイター

[東京 8日 ロイター] - 黒田東彦・日銀総裁が「異次元緩和」の時間軸強化に向け、事前準備を始めたのではないかとの思惑がBOJウォッチャーの一部で浮上している。

会見の中で2%の物価目標達成が2年を超えるとも受け取れる表現を使ったほか、需給ギャップがゼロという好景気前の段階での目標達成にも言及。2年よりも長期間での目標達成を意識していると識者に思わせているためだ。市場の一部では、この発言が長期金利の低下を促す要因になるとの声も出ている。

<黒田発言、2年よりも2%達成優先か>

多くの金融関係者に「おやっ」と思わせる発言が最初に飛び出したのは9月20日の都内での講演会だった。

総裁は「安定的に2%の物価上昇率を実現するためには、景気が普通の状態の時に2%になるような経済・物価の関係を作る必要がある」と指摘。景気拡大期に仮に達成しても、その後の景気変動で再び低下しかねないという点を説明した。総裁は「普通の景気、つまり需給ギャップがゼロのとき」にこれを達成すべきとした。

しかし、BOJウォッチャーらが現実的だと想定していたのは「2%程度のプラスの需給ギャップ下での達成」(JPモルガン証券・チーフエコノミスト・菅野雅明氏)だった。

より厳しい条件を持ち出した総裁発言について、BOJウォッチャーのもとには投資家からの問い合わせが相次いだという。

「普通の景気」下での2%達成には、長い時間がかかるとみられている。BOJウォッチャーの間でも「黒田総裁の時間軸政策は、やや強まったという印象」(井上哲也・野村総研・金融ITイノベーション研究部長)との見方が浮上した。

実際、2年という物価目標達成期間について、黒田総裁自身が5日の会見で「もしかすると2年より長いかもしれないし、あるいは2年よりも短いかもしれない」と述べ、2%達成まで長期にわたり異次元緩和を続ける可能性を示した。

BOJウォッチャーの間では、2年という期間よりも2%の達成を優先することが明らかになったと解釈されている。

(下段省略)


9月街角景気が6カ月ぶり上昇、駆け込み需要と五輪期待で 2013年 10月 8日 14:52 JST ロイター

アングル:物価連動債5年ぶり発行、期待インフレ率2%へ道遠し 2013年 10月 8日 17:13 JST ロイター

ユーロがベルルスコーニとドイツ企業を緩慢に殺す

イタリアのレッタ連立政権は、上下両院の信任案承認を受けて政権崩壊を免れた。

ベルルスコーニ元首相は、議員資格剥奪阻止を企み、連立政権から閣僚を引き上げ、倒閣させようとした。一方、レッタ首相は議会から内閣信任を得ようと試みた。

しかし、ベルルスコーニ元首相率いる中道右派の自由国民党(PDL)は、当のベルルスコーニ支持をめぐって内紛を起こし、不支持の上院議員25人が党から離脱した。結果、劣勢となった元首相が政権信任へと軌道修正したため、レッタ政権は信任された。

元首相の上院議員資格剥奪は、上院委員会採決に附され、次いで本会議採決に附される。資格剥奪は不可避の状況と見られる。その場合6年間は選挙に出馬できなくなる。

ベルルスコーニ元首相は議員ではなくなっても政治的影響力を行使しようとするが、緩やかな政治的死は避けられない。政治的妖怪としてのベルルスコーニもこれまでか、と云ったところだ。

自らの保身を前面に推して、連立政権崩壊を企んだために、PDLの分裂を招き、自らの党内基盤を弱め、立場をより難しくするだけに終わった。少なくとも緊縮財政反対及び増税反対の旗印を掲げるべきだっただろう。

レッタ連立政権は、緊縮財政と増税に乗り出さなくてはならない。結果、ユーロによるドイツの独り勝ちはつづく。

興味深いのは、トムソン・ロイター調べの革新的企業100社「グローバル・イノベーター2013」では、ドイツの企業が3社(ほかは米国45社、日本28社、フランス12社、スイス4社、韓国3社、スウェーデンと台湾及びカナダそれぞれ1社)しか選ばれなかったことだ。指標のひとつに過ぎないものの、ユーロの好条件下でドイツ企業はイノベーションを重視しなくなっている証左ではないのか。

共通通貨ユーロの縛りがイタリア国民の生活水準を落とす(ついでにベルルスコーニ氏の政治的生命も終わる)、一方でドイツ企業は緩やかに技術力を失っていく。

革新的企業100社、米国が最多・2位は日本=トムソン・ロイター 2013年 10月 7日 13:14 JST ロイター

伊上院委員会、ベルルスコーニ元首相の議員資格剥奪手続き開始へ 2013年 10月 4日 12:50 JST ロイター

イタリア上院がレッタ政権を信任、政権基盤に不安残る 2013年 10月 3日 07:33 JST ロイター

ベルルスコーニ元伊首相、レッタ政権への支持表明 2013年 10月 2日 22:05 JST ロイター

ベルルスコーニ元伊首率いる中道右派政党、上院議員25人が離脱へ 2013年 10月 2日 18:40 JST ロイター

伊首相、安定した連立政権運営に向け議会の支持要請へ=大統領 2013年 10月 2日 06:36 JST ロイター

伊PDL、レッタ政権の信任投票で賛成票投じるべき=幹事長 2013年 10月 2日 01:33 JST ロイター

イタリア自由国民党の強硬派、党の結束守るため譲歩を表明 2013年 10月 1日 22:40 JST ロイター

イタリア政局、ベルルスコーニ元首相の党で穏健派議員が離脱の構え 2013年 10月 1日 08:53 JST ロイター

イタリアPDL議員、ベルルスコーニ氏との会合に満足せずと表明 2013年 10月 1日 06:43 JST ロイター

そぼ降る雨は我が身を穿つ死となりて

雨が降ると気分が滅入ると云うが、高気圧から低気圧に落とされるのだから、あながち気分だけの問題ではない。山の頂から麓まで引き揚げられたり、降ろされたときの身体がどんな反応を示すか、考えても見てくれ、と主張したい訳だ。

とまれダウナーな気分は、トリップホップでも聴きながら、着地するまで落ち込ませるに限る。意味のない言葉の羅列や、退屈極まりない4つ打ちビートの反復や、マイナーだらけの音符のコードが、ときに人を落ち着かせるのだから、音楽の世界は実に奥深い。

では、そぼ降る雨に音楽鑑賞ではなく読書は如何ですか、と訊ねられれば、返答はきまってノーサンキューだ。

ゲシュタルト崩壊しているような頭に、言葉を意味のあるものと再度叩き込み、読音の抑揚を弾む旋律に変え、虚構の登場人物が書かれた文字を活き活きとさせねばならないのだから、梅雨に読書週間がないのも肯ける。台風と秋雨前線も梅雨と同好の士として「崩壊、崩壊」と耳元で囁く。

では、読書の効用とはなんですか、と訊ねられれば、あなたの感受性が今どのくらいの能力を保っているかということだ。

大袈裟に云えば、変化していく世界の中でも日々適応できているか。如何なる状況でも可能たらしめる再現性と反復性、このふたつを他者に分かりやすく伝達できるように回復したか。読書ひとつでコミュニケーションが取れていますか、と自問自答できる。良い批評が書けるときは、書物と良い対話が出来ている証拠なのだ。

ダメだと思った場合は、今一度、音楽→マンガ→文芸書→ビジネス書の順番で再確認してみると良い。

マンガも必然的にダウナーものを選ぶ。まかり間違っても『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』を読んではいけません。アレは憂鬱の煉獄に人を突き落とします。

昔、叔母の書庫にあった萩尾望都の初期短編集の一篇『ポーチで少女が子犬と』(初出1970年8月)を読み返す。

「世界中が暗い灰色だわ! こんな日にはぜんぶの魔法がどこかひとところに集まってるのよ。ねえ、ムク犬、そんな気がしない?」
曇天から雨が降り出すポーチで遊ぶ少女とその飼い犬。
「おそろいですね」と、最後に帰宅した少女の父親が云う。
「あの子のことで」と、母親の寝室に集まった面々が口をそろえる。
「どうです?」と、再び父親が訊く。
「いけませんね」と、姉のボーイフレンドが云う。
「あんなふうに一人だけべっこの考えを持ってちゃ困るんですよ。雨の日には家の中にいるべきです」と、使用人。
「今かたづけてしまいましょう」と、姉。
「でも・・・」病床の母親が云う。「もう少し待ってみません・・・?」
「でも三年前からそうしてるんです」
雨が止み、晴れ渡る空に虹が橋を架ける。
「ほら・・・ごらんよ、あれを渡って行きたいな」
部屋の闇から少女に向けられる指先。
「ねえ、ムク犬何が本当のことなのかわからない。だけど、とにかくあれはきれいだわ・・・そうでしょ?」
全員が人差し指で狙いを定める。
「犬も」
「犬はいい」
指先から見えない死のビームが放たれて、少女の身体は粉々に砕け、犬は投げ出された。唐突にそして理不尽な形で物語は終わる。

世界の多様性を全否定して少女は抹消された。もしも世界が短期的な利益だけを追い求めるならば、画一性をそこかしこに暮らす人間に強制するだけで構わない。しかし中長期的に応じるならば、ひとつの流行病による全滅を免れるような豊穣性が世界に必要とされる。

多くの経験が知恵の地層になって、湧き出る泉のように人の歓びと恵みを与える。目的合理性に適えば、故きは日々に新たなり、新しきも故きに似たり、だ。

口やかましく毎度毎度の死刑を宣告する裁判人もどきも、自らの変わらぬ正義を信仰告白のように枉げないキリスト者も実際のところ、マネジメントに必要充分なプレイヤー経験のない上司の戯言のようなもので・・・。ああそうです、そんな人はたいしたことは云っていない。

現実はもっと複雑怪奇だ。奇々怪々な状況の中から問題に優先順位を付けて、まともな方向修正のアドバイスひとつ云えないのであれば、意味ない観念性やら、当たり障りない常識論で中身の無さを誤魔化しているだけだ。要するに自身の無知が露見するのが怖い輩に過ぎぬ。

変化の中での再現性と反復性を如何にするか、それらを伝達出来ていますか、と自問自答できるときにダウナーからアッパーに戻れた、と自覚出来る。

もう、そぼ降る雨が我が身を穿つ死とはならぬ。

あの小篇にあった、少女を粉々に砕く死のビームの護り手となれた、と胸を張って前に進もう。まあ、大概は我が身が粉々に砕けるんですけどね。

桜塚やっくん事故死 中国道で衝突、車外に出てはねられ 2013年10月5日23時0分 朝日新聞
(一度だけでしたが、プロモーションイベント案件でお世話になりました。ご冥福をお祈りします)

ワシントン条約破棄以来の建艦競争再び

世界的な海軍拡張、ここでも影を落とすのは米国の内政なのだ。彼らが議会で繰り返す予算と債務上限の攻防、危惧されるデフォルト、そして毎年の強制歳出削減条項、これらは党派のイデオロギーの相違から発生する構造的な問題であり、覇権国の内部の路線対立が世界の安定を根幹から揺るがすことになっていく。

第2次大戦の結果、米国単独の海洋覇権の時代が長らく続いたが、米国のプレゼンスの相対的な後退によって、世界は再びワシントン海軍軍縮条約(主力艦制限)とロンドン海軍軍縮条約(補助艦制限)ともに失効した1937年以降の建艦競争の時代に突入していくようだ。

またも2013年の世界情勢が1937年のそれとダブって見えるではないか。

米国のデフォルト懸念、財務省や内外当局者から憂慮の声 2013年 10月 4日 10:44 JST ロイター

シナリオ:米国初のデフォルトはどう起こるか 2013年 10月 4日 18:22 JST ロイター

オバマ大統領、政府機関の一部業務再開に向けた共和党の法案拒否へ 2013年 10月 5日 01:16 JST ロイター

米下院民主党、無条件の暫定予算案採決を可能にする方法模索 2013年 10月 5日 08:24 JST ロイター

米国がEUとのFTA交渉延期、政府機関閉鎖受け 2013年 10月 5日 08:35 JST ロイター

FRB、政府機関閉鎖でも緩和縮小は可能=米地区連銀総裁 2013年 10月 5日 08:46 JST ロイター

米証券業金融市場協会、米国債デフォルトに備え用意進める 2013年 10月 5日 08:48 JST ロイター

焦点:「海軍力増強」が世界的潮流に、中国台頭で加速 2013年 10月 5日 08:59 JST ロイター

[ロンドン 30日 ロイター] - 冷戦終結後に世界の大国は海軍の予算を大きく減らしてきたが、ここにきて、海軍力増強が再び熱を帯びている。その背景には、海洋進出の動きを強める中国への警戒心や、シリアなど紛争地域への地上部隊派兵を渋る西側諸国の思惑がある。

海軍力への関心の高まりは、米政府内部やアフリカ沖の海賊掃討作戦の現場、アジアの造船所でも感じることができる。

ゲイリー・ラフヘッド元米海軍大将は「影響力を及ぼすための水上戦力の使用は一層重視されるようになる」と指摘。2011年に退役し、現在はスタンフォード大学フーバー研究所で客員研究員を務めるラフヘッド氏は「シリアがある地中海のほか、太平洋や中東でも(水上戦力重視は)みられる」と述べた。

インドは8月、同国初となる国産空母の進水式を行った。米国がジェラルド・R・フォード級空母2隻、英国も空母2隻の建造を進めているほか、中国も初の国産空母の完成を目指しており、向こう10年で世界の海には新たに10隻を超える空母が登場するとみられる。

米国を拠点とする調査会社AMIインターナショナルの推計によれば、今後20年間で海軍に使われる予算は、世界全体で総額8000億ドル(約78兆2500億円)前後になる見通し。そのうち4分の1を占めるのは、緊縮財政の欧州を抜き、海軍支出額で北米に次ぐ世界第2位の規模になったアジアだという。

米国防総省が4月に発表した2014年度の国防予算案では、海軍は陸軍と空軍より多い額を割り当てられた。国防総省が要求する海軍予算は1550億ドルで、国防費全体の約30%に相当する。

米軍は現在、中国人民解放軍(PLA)の海軍の動きをにらみつつ、艦船を大西洋から太平洋に移しつつある。中国海軍は、同国の国防費が毎年2ケタの伸びを続ける最大の要因とみられている。

中国国防省は昨年9月、ウクライナから購入して改修した空母「遼寧」を海軍部隊に正式配備したと発表。同空母以外にも、中国海軍は潜水艦や哨戒艇などの建造を進めている。

今年9月には、国有企業の中国船舶重工(601989.SS: 株価, 企業情報, レポート)が、私募形式での株式発行で14億ドルを調達する計画を発表した。資金は軍艦製造設備の購入などに使われる予定だが、中国が軍拡に向けて株式市場での資金調達に初めて踏み出すケースとなる。

<米歳出削減が落とす影>

中国の周辺国、とりわけ同国と領有権問題をめぐって対立している国は、こうした動きに神経をとがらせており、レーダーやミサイルなど防衛設備の性能向上を図っている。

尖閣諸島(中国名:釣魚島)問題で中国との緊張感が高まる日本の防衛費は来年、過去22年で最大の伸びとなる見通し。オーストラリアも新たな攻撃艦導入など海軍力増強を進めており、ベトナムはロシアから潜水艦を購入する。

南シナ海のスカボロー礁(中国名:黄岩島)の領有権をめぐり中国と対立するフィリピンも軍備増強に動いている。米沿岸警備隊で使われていた巡視船2隻を配備したほか、日本からは巡視艇10隻の供与を受け、フランスからは中古の哨戒艇を購入する。

西側諸国の多くで軍事予算の削減圧力が強まる中、欧米の防衛企業にとっては、こうしたアジアの軍拡が商機となっており、英BAEシステムズ(BAES.L: 株価, 企業情報, レポート)がタイと巡視船を建造しているほか、比較的小規模な軍需企業も電子機器などの納入で競っている。

海からの攻撃能力では、ニミッツ級原子力空母10隻を擁する米海軍が依然として他を寄せ付けない陣容を誇る。シリア沖では、同国の化学兵器廃棄をめぐる外交交渉が不備に終わった場合の軍事介入に備え、米海軍の駆逐艦5隻と潜水艦が待機している。

ただ、米政府の予算が自動的にカットされる「強制歳出削減」が今後10年にわたって続けば、米海軍の空母11隻のうち最大3隻が運航停止になる可能性があり、大幅な戦力縮小は避けられないとみられる。

複数の関係筋によると、歳出削減はすでに、空母建造プロジェクトの遅延などでハンティントン・インガルス(HI.N: 株価, 企業情報, レポート)など米造船大手に影響を及ぼしている。

ペルシャ湾では、米海軍が常駐空母を2隻から1隻に減らした一方、イランが高速小型船団の動きを活発化させており、それに神経をとがらせるサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)が巡視艇の購入や建造を急いでいる。サウジ政府は7月、米ミシシッピ州の非上場企業ハルター・マリーンに対し、特殊部隊用巡視艇30隻(12億ドル相当)の購入を打診した。

欧州各国の海軍も、艦船数こそ少ないが実力は維持している。スペイン、フランス、イタリアはいずれも2000年以降に空母を新たに建造しており、仏伊両国は2011年のリビア軍事介入でも空母を多用した。

英国は現在、同国海軍史上最大の空母「クイーン・エリザベス」を建造しており、2022年までに海軍予算は国防費全体の46%を占めるまでに増える見通し。英海軍を率いるジョージ・ザンベラス第1海軍卿は、ロンドンで開催された国際武器見本市で「海のルネサンスを意味することにほかならない。海軍は戻ってきた」と語った。

投融資による日中激突の地、ASEAN

予算と債務上限を巡る紛糾、シリア内戦介入を巡る姿勢、オバマ政権の内政と外交の不手際が米国のプレゼンスを毀損させている。この好機に中共の習政権は、南沙諸島の実効支配を争うベトナムとフィリピンを避けて、インドネシアとマレーシアを歴訪した。会談内容からは、ASEANにおける影響力拡大を目指した日中両国の投融資による激突が透けて見える。

中国の習主席、南シナ海領有権問題の平和的解決望むと表明 2013年 10月 3日 16:06 JST ロイター

インドネシア企業、中国企業から328億ドル投融資契約を確保 2013年 10月 4日 10:42 JST ロイター

[ジャカルタ 3日 ロイター] - 中国の習近平国家主席のインドネシア初訪問に伴い、インドネシア企業が中国企業からの328億ドルの投融資契約を確保したことが3日、明らかとなった。インドネシア政府高官が述べた。

契約には大手生保シナールマス生命の子会社であるPT OKI Pulp & Paper Millsへの18億ドルの融資や、国営ガルーダ航空(GIAA.JK: 株価, 企業情報, レポート)のボーイング777─300ER型機5機の発注資金の供給も含まれている。


中国とマレーシアが関係格上げで合意、2017年までに通商3倍に 2013年 10月 4日 16:51 JST ロイター

[クアラルンプール 4日 ロイター] - 中国の習近平国家主席は4日、マレーシアのナジブ首相と会談し、両国関係を「包括的戦略的パートナーシップ」に格上げすることで合意したことを明らかにした。軍事面の協力を強化、2017年までに2国間貿易を現在の3倍近い1600億ドルに拡大することを目指す、という。

習国家主席はインドネシアで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議への出席に先立ち、マレーシアを公式訪問した。

習国家主席はマレーシアの行政の中心都市プトラジャヤでの記者会見で、「テロ対策と安全保障体制の強化に向け、海上防衛や共同軍事演習という点で関係を深めることで合意した」と表明。「両国の平和と繁栄を推進するため、適切な環境を整備する」と述べた。

ナジブ首相によると、共同軍事演習の頻度を増やすことで両国が合意した。


中国工商銀行 、英マンチェスター空港の商業地区建設計画に投資へ=FT 2013年 10月 4日 20:42 JST ロイター

プロテスタンティズム的資本主義精神の再生なるか

現在の共和党が伝統的な支持基盤だった大企業から離れ、新しい茶会党などの草の根保守に支持基盤を移していることは前回の大統領選の結果からも明らかだった。

資金力を持った大企業から、自助自立のプロテスタンティズム的資本主義精神が失われ、移民増加により相対的に政治的影響力を喪失しつつある白人中心のミドルクラス(中間層)に醸成された危機感が共和党の支持基盤の入れ替えを促したのだ。

2012年11月8日のエントリーを読み返すと、

ミット・ロムニー候補の地元、マサチューセッツ州での敗北宣言の演説を改めて見返したが、見事なまでに典型的なWASPで小綺麗な服装の白人系しか会場にいない。考えてみれば、両候補ともプロテスタントではなかったが。オバマ大統領の再選当確が決まり、ロムニー候補が出てくる間、彼らが浮かべる深刻な表情が印象深かった。

ボストンの会場には宗教右派もリバタリアンも茶会党もいなかった。この場合、負けた側こそ、融和は至難の業だ。

と書いていた。そして実際に誰も共和党の分裂を制御できず、連邦施設の一時閉鎖はつづく。

AFL/CIO加盟の労組から離れたブルーカラーや非正規雇用に落とされたホワイトカラー、中央政府の関与を薄めたい右の茶会党と、富の一極集中を弱めたい左の「ウォール街を占拠せよ」運動が、ディープサウスに多い宗教右派と結合して新しい共和党を形成している。

宗教で云うと、北東部のアングリカンや長老派、会衆派が教会離れから力を失い、南部を中心としたバプティストに比重が移りつつある。

茶会党など彼らは、1964年大統領選挙においてバリー・ゴールドウォーターが大敗を喫しながらもディープサウスを票田として獲得、保守が長い雌伏を経て、レーガン政権誕生に結実したことを念頭に置いているだろう。いやおそらくは南北戦争にまで遡る復讐戦かもしれない。

過去においては、南部の農業資本が(南北戦争の敗戦で)奴隷資産を何の保証もなく失う一方で北部の産業資本が戦時債とデフレで富を独占したこと。現在においては、北部の金融資本と化したWASPがプロテスタンティズム的な倫理観をなくして彼らから資本主義の精神が失われつつあること。このふたつに遠因があるのだ。

以前、2012年9月30日のエントリーで触れたが、当時の共和党のロムニー大統領候補が「47%」の人々について言及し、リベラル派から批判されたスピーチに米国の保守主義者の本質的な主張が見て取れる。

曰く「彼(オバマ大統領)を支持する人々、政府に依存し、自らを被害者だと信じて自分たちを養う責任が政府にあると考える人々が47%いる。そういう人々のことを心配するのは私の仕事ではない。彼らに自己責任を求め、自分の暮らしの面倒をみるよう説得することは決してしない。私が説得すべき人々は、無党派層の中心にいる5~10%だ」

米国における保守の権化としての発言と考えれば、至極真っ当な考えだと捉える米国人も多いのではないか。これの極論がロン・ポール下院議員らが主張するリバタリアンの思想だからだ。

米国の宗教右派含めた保守にとって、富は自らの努力した労働の結果や成功者の証のみならず、宗教的に神に選ばれた人間だという確信を与えるものでもあるだけに、政府依存とか社会の被害者と考える人々の考え方は、神が与えた試練に対して勘違いをしているのだという論理的帰結で正当化できてしまう。彼らの現状も神が選びのために定めた試練だ、それを乗り越えることもまた定められているはずだ、と。

はて“自力救済は否定”するが神の選びは自力証明せよ、と云う。それは結局、自力救済と何ら変わりないではないかと考えるのが日本人だろうが、キリスト者、特にプロテスタントにとってはそうではないのだ。西欧では宗教の形骸化が止まらないが米国では未だ宗教右派、言い換えれば原理主義者がいるようにこの論理は有効性を保っている。その意味で共和党のロムニー大統領候補の発言に共感を抱く人間は一定層いる。

労働の結果、富を手に入れることは神に選び取られた者の証明であり、それを蕩尽するのではなく、さらに富を増やすことが神の恩寵を増すと考えられていた。こうした生産性を上げるために再投資をし続ける資本蓄積をおこなう過程で、資本主義も誕生した。資本主義の権化とはキリスト者の権化でもある。この辺の歴史的経緯を理解しないと、このロムニー候補の不用意発言の何が不用意だったのかは理解できない。つまり、候補本人は不用意と思ってもいないし、支持者もそう思っていないかもしれないのだから。

2012年10月27日のエントリーを参照して欲しいが、

「47%」の人々にフードスタンプとオバマケアを支給することに共和党は反対している。

というより新たな支持基盤の中間層は、資本主義の精神からかけ離れた観念を持つ中国本土や韓国からの人々、またカソリックであるヒスパニックを警戒している。彼らが中間層の集住地域に非合法に移民して、非合法な仕事をして、既存の人種との間に不和をもたらし、治安を乱しかねないことに危機感を持っている。端的には、新しい移民が米国に底流している精神を理解していないことが米国社会の危機を先鋭化させる。

一方、富裕層はゲーテッド・コミュニティで安全に安穏に暮らしている。

富裕層と貧困層の居住地区が分断され、その後も学校や職場など軋轢を生むような社会的接点を持たない州では、富裕層は現実感覚から遊離した理想主義のリベラルになって民主党支持になりやすい。

つまり、ここに貧富の差が拡大すればするほど、固定化すればするほど、民主党には有利な政治的状況が醸成されるという皮肉を見る。

筆者の愚考だが、党派を超えて、オバマ政権に求められているのは米国のプロテスタンティズム的資本主義精神に新しい息吹をもたらすことではないか。

この精神を体現している(もちろん彼らも先鋭化しつつある)保守がオバマケアによる国民皆保険を求めてはいないことを事実として受け止めて、インダストリアル・アメリカの証券化とその売買を進めてきた金融資本を方針転換させ、リショアリングによる国内産業回帰に邁進することへと協力させ、大企業と中間層が経営する中堅から中小企業の系列化を促進することこそ、抜きがたい党派対立を融和させる処方箋だろう。

アングル:米財政協議、共和の伝統的支持基盤・大企業は蚊帳の外 2013年 10月 3日 11:58 JST ロイター

[2日 ロイター] - 米国の財政協議をめぐり、伝統的に共和党の強力な支持基盤となっている大企業が蚊帳の外に置かれている。協議における妥協に反対している保守派グループに影響力で圧倒されている格好だ。

政府機関の一部閉鎖が3日目に突入しようとする中、企業トップや米国商工会議所といった団体は債務上限問題をめぐる行き詰まりに伴う経済的な影響を懸念しているものの、下院の共和党指導部を動かすには至っていない。

一方、「クラブ・フォー・グロース」や「ヘリテージ・アクション」といった保守系団体は、特に「ティーパーティー(茶会)」系の議員の影響力が拡大する中、勢力が伸長している。

米国商工会議所のチーフロビイストは、下院共和党の16議員が現在、商工会議所の要望に「聞く耳を持っていない」と話す。

米国商工会議所のブルース・ジョステン執行副会頭は、これらの議員は党指導部の話も聞かず、全国的な世論も気にしていない、と指摘。「彼らは地元から言われていること以外、誰の指図も受けないだろう」と述べた。

米国商工会議所は9月30日、議員らに対し、社会保障関係予算を削減する一方、政府予算を手当てし、債務上限を引き上げるよう求める書簡を送付。だが、財政協議をめぐる議会の対立は続いている。

<保守系団体の支援が浸透>

ヘリテージ・アクションは、保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」の政治部門。同財団の所長は現在、茶会系の元共和党上院議員、ジム・デミント氏が務めている。

一方、元共和党議員のクリス・ショコラ氏率いるクラブ・フォー・グロースは、財政問題をめぐり保守的な共和党議員のキャンペーンに資金を提供している。

両団体のリーダーらはともに、共和党が伝統的な企業の関心事から距離を置いていると認める。

ショコラ氏はロイターに対し、「(下院共和党の)性質は変わった。それはわれわれが支持している一部候補者への支援とも関係があると考えている」と指摘。一方で「われわれの目標は(政治を)妨害することではなく、(政治家の)応援団になることだ」と述べた。

ヘリテージ・アクションの広報担当者、ダン・ホラー氏は、同団体が共和党指導部と頻繁に協議していると明らかにした上で、共和党が大企業の関心事から距離を置いていることは、議員が地元選挙区の有権者に、より配慮していることを示しているとの認識を示した。

ホラー氏は「自由な市場や小さな政府を支持するからといって必ずしも大企業寄りになるということを意味しないとの認識が共和党に生まれた」と述べた。

(Gabriel Debenedetti記者 James B. Kelleher記者 執筆協力 Jason Lange and Jeff Mason in Washington and Patricia Kranzin New York;翻訳 川上健一;編集 宮崎亜巳)

消耗戦に移行するアベノミクス

以前、2012年11月15日のエントリーなどで筆者は、2012年の世界情勢を1936年のそれにダブらせて見ていた。すると当然、2013年の世界情勢は1937年と重なる。

財務省、国債有識者会合を3年ぶりに開催へ 2013年 10月 2日 18:38 JST ロイター

ドル97円後半、短期筋は売り意欲も攻めあぐね 2013年 10月 2日 15:56 JST ロイター

世界の9月製造業は米が約2年半ぶり高水準、中国の伸び控えめ 2013年 10月 2日 04:47 JST ロイター

中国の9月製造業PMIは51.1に小幅上昇、予想下回る 2013年 10月 1日 11:58 JST ロイター

1937年、日本側の華北分離工作に対する反撃として盧溝橋事件、廊坊事件、通州事件と武力衝突が頻発し、蒋介石の「最後の関頭」演説ののち第2次上海事変が勃発、支那事変が始まった。

第2次国共合作が成立したものの上海租界の重囲を突破した日本軍は追撃戦に移り、南京を陥落させるに到ったがトラウトマンの和平工作を蹴った近衞政権の決定によって、支那事変の短期終結の機会は失われ、長期戦・消耗戦に突入していった。

翻って2013年、消費税増税を延期しなかった第2次安倍政権の決定によって、アベノミクスによる対中経済戦争の短期終結の機会は失われ、長期戦・消耗戦に突入することになる。

おそらくは一時的にせよ円高基調になり、中共は対米輸出で一服できる。しかし、2013年を1937年になぞらえるにせよ、勝機はいくらでも残っている。

共産党の習政権は未だ派閥抗争を終えていない。“対中封じ込め”を意図した外交も十全に機能している。ペルシャ湾から我が国までのシーレーン再構築も進んでいる。湾岸諸国からのLNG輸入急増による貿易赤字基調も、2017年には米国、2019年にはカナダからのシェールガスの輸入と原発再稼働で目処が付く。そして何より2020年の東京オリンピック開催が待っている。

いずれにせよ、長い長い戦いになりそうだ。
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