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現状維持をめぐるふたつの正義

2012年4月19日のエントリーでは、旧青嵐会と当時の維新の会の役割を以下のように考えた。

ひとつは保守再合同へと向かい自民党の中でナショナリズムの強い派閥として一定の勢力を保つか。もうひとつはポピュリズムの旗手(今のところ、橋下大阪市長)を仰いで前回は民主党に投票した無党派層を取り込み一種の受け皿・防波堤となるか。現状の政局の観点からは後者を選択せねばならない様な気がする。

ポピュリストをして選挙で勝利を収めるには、小泉元首相の成功と安倍元首相の失敗とを見る限り、保守層の歓心を買い、彼らの観念論を裏切らず、迎合するか、もしくは偽装せねばならないだろう。

必ずしも保守である必要性はない訳だ。

青嵐会出身の石原都知事や清和会出身の元首相たちと比べて、橋下大阪市長に対して保守層が抱く懸念は彼が単に保守を偽装しているのではないか、と云うことだろう。おそらくそれは正しい。尤も彼はポピュリストとして、期待される限りは俳優のように上手く保守主義者を演じるだろう。

と、述べたように合同した日本維新の会は、ポピュリズムに迎合する無党派層の受け皿・防波堤としての役割を果たしてくれた。

維新分党、石原氏側20人に迫る 所属議員の動向見通し 2014.5.31 09:11 MSN産経

 日本維新の会の分党に伴う62議員の30日時点での動向見通しは次の通り。(産経新聞調べ。敬称略)

 【橋下徹共同代表側(35人)】(衆院)小沢鋭仁、谷畑孝、松野頼久、松浪健太、石関貴史、今井雅人、阪口直人、清水鴻一郎、小熊慎司、足立康史、井上英孝、伊東信久、岩永裕貴、上西小百合、浦野靖人、遠藤敬、河野正美、木下智彦、坂本祐之輔、椎木保、重徳和彦、新原秀人、鈴木望、鈴木義弘、高橋美穂、馬場伸幸、林原由佳、丸山穂高、村上政俊、百瀬智之、山之内毅(参院)東徹、儀間光男、清水貴之、藤巻健史

 【石原慎太郎共同代表側(17人)】(衆院)石原慎太郎、平沼赳夫、園田博之、中山成彬、藤井孝男、山田宏、桜内文城、今村洋史、杉田水脈、田沼隆志、中丸啓、西田譲、西野弘一、松田学、三宅博(参院)中山恭子、中野正志

 【未定(10人)】(衆院)中田宏、上野宏史、坂元大輔、西岡新、三木圭恵、宮沢隆仁、村岡敏英(参院)片山虎之助、アントニオ猪木、室井邦彦


最終的に防衛とエネルギーに関する安全保障政策を巡って両者は対立して分派することになった。それぞれの戦後レジームからの脱却を目指して、我が国と中共がせめぎ合っている。同じように中央官庁による現状維持を望まず、利権の再分配を求めたのが東京と大阪であり、その目的達成のために日本維新の会が道具となったのだ。

しかし、先の参議院選挙について、2013年7月22日のエントリーを見る限り、愛知から東がみんなの党、西が日本維新の会と分けたこと、これが象徴的な出来事だった。

私見だが、東京はオリンピック開催含めてインフラ整備がさらに進み、ITベンチャーの多くも本社を置く。名古屋もトヨタ自動車が地場から離れず、三菱重工などと協力して、航空産業を育てようとしている。一方の大阪はあべのハルカスやユニバーサルスタジオジャパンにハリーポッターのテーマパーク新設が目立つくらいだ。

もはや利害調整して利権分配する際において、東と西の格差が露呈し、対立が解消できないところまで来たことも分派の原因と云える。

東京は内に向かっては現状維持による利権保持、外に向かっては現状打破による戦後レジーム脱却。大阪は内に向かっては現状打破による利権再分配、外に向かっては現状維持による戦後レジーム続行を選択したのだ。
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フリーライダーとしての支那を排除する

去年の第12回アジア安全保障会議(通称:シャングリラ会合)同様、今年の第13回シャングリラ会合も中共に対する非難の色合いが濃いものになった。去る5月20日から21日まで上海で開催されたアジア相互協力信頼醸成措置会議(CICA)の第4回首脳会合とは攻守を入れ替えた格好になる。それぞれの会議の参加国を見れば、シーパワーとランドパワーの対決と言えなくもない。

中国、安保で米に対抗軸 アジア信頼醸成会議を活用 2014/5/22 1:00 日経

安倍首相:フィリピン、ベトナムへの強い支持表明 2014/05/30 22:14 JST ブルームバーグ

シャングリラ会合での安倍首相の基調講演は、第2次安倍政権の外交政策の根幹となっているキーワードを再整理して、その普遍性を各国に訴えるものとなった。

貿易上、最も重要視される“海洋における法の支配”は、人類共通の公共財である、との認識を共有する国々とともに、航行・飛行の安全と自由を遵守する。

その安全と自由の保障された地域において、TPP、RECP、FTAAPなどの自由貿易圏をつくり、諸国間で利益を分配する。

自由貿易圏内の安全保障のために「積極的平和主義」を掲げ、集団的自衛権の行使に関する憲法解釈を変更し、米豪及びインドと戦略的パートナーシップを強化し、ASEAN諸国や利害関係を持つ英仏などとも協力関係を構築する。

つまり安倍首相の言わんとすることは、法の支配から逃れつつも、自らは航行・飛行の安全と自由にタダ乗りして、不当利益を享受する中国共産党とその衛星国を排除する、ことにほかならない。

参考URL:
第13回アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)安倍内閣総理大臣の基調講演 平成26年5月30日 外務省

たった一人を守るためのふたつの虚構

立憲君主制であれ、共和制であれ民主主義による国民国家にとって、義務を果たしている国民ひとりが外国政府によって生命と財産の自由を侵害された場合、ひとりの生命を助けるために10人、100人の犠牲をも厭わないことが求められる。

ひとりと10人では確かに釣り合わないかもしれない。が、国民国家という虚構を維持するためには必要なことなのだ。160人前後の人格権で原発再稼働差し止め判決が出る不条理と同じだ。論理を支えている虚構が全く違うものの。

そして、我が国が実際に軍事的オプションを採れる段階にはない以上、それ以外のカードはすべてちらつかせなければならない。取引に見合っているかは別問題なのだ。

一方、絶対君主制と一党独裁制の混合物である北朝鮮にとって、国民ひとりの生命と財産の自由などありえず、生殺与奪は思いのままであるのは、彼らとその国民にとっての正義である。それもまた虚構であろう。が、在日の生命と財産はその論理に従えば、最高指導者である金正恩氏のモノである。

たった一人を守るための虚構であっても、その方向性は全く違う。そして、その虚構のどちらを選ぶかはそれぞれの国民次第だ。

日朝合意全文 2014/05/29-21:13 時事ドットコム

 双方は日朝平壌宣言にのっとって不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、国交正常化を実現するために真摯(しんし)に協議を行った。

 日本側は北朝鮮側に対し、1945年前後に北朝鮮域内で死亡した日本人の遺骨および墓地、残留日本人、いわゆる日本人配偶者、拉致被害者および行方不明者を含む全ての日本人に関する調査を要請した。

 北朝鮮側は、過去北朝鮮側が拉致問題に関して傾けてきた努力を日本側が認めたことを評価し、従来の立場はあるものの、全ての日本人に関する調査を包括的かつ全面的に実施し、最終的に、日本人に関する全ての問題を解決する意思を表明した。

 日本側はこれに応じ、最終的に、現在日本が独自に取っている北朝鮮に対する措置(国連安保理決議に関連して取っている措置は含まれない)を解除する意思を表明した。

 双方が取る行動措置は次の通りである。双方は速やかに、以下のうち具体的な措置を実行に移すこととし、そのために緊密に協議していくこととなった。

 -日本側
 第1に、北朝鮮側と共に、日朝平壌宣言にのっとって不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、国交正常化を実現する意思を改めて明らかにし、日朝間の信頼を醸成し関係改善を目指すため、誠実に臨むこととした。

 第2に、北朝鮮側が包括的調査のために特別調査委員会を立ち上げ、調査を開始する時点で、人的往来の規制措置、送金報告および携帯輸出届け出の金額に関して北朝鮮に対して講じている特別な規制措置および人道目的の北朝鮮籍の船舶の日本への入港禁止措置を解除することとした。

 第3に、日本人の遺骨問題については、北朝鮮側が遺族の墓参の実現に協力してきたことを高く評価し、北朝鮮内に残置されている日本人の遺骨および墓地の処理、また墓参について北朝鮮側と引き続き協議し、必要な措置を講じることとした。

 第4に、北朝鮮側が提起した過去の行方不明者の問題について引き続き調査を実施し、北朝鮮側と協議しながら適切な措置を取ることとした。

 第5に、在日朝鮮人の地位に関する問題については、日朝平壌宣言にのっとって誠実に協議することとした。

 第6に、包括的かつ全面的な調査の過程において提起される問題を確認するため、北朝鮮側の提起に対して、日本側関係者との面談や関連資料の共有等について適切な措置を取ることとした。

 第7に、人道的見地から、適切な時期に北朝鮮に対する人道支援を実施することを検討することとした。

 -北朝鮮側
 第1に、1945年前後に北朝鮮域内で死亡した日本人の遺骨および墓地、残留日本人、いわゆる日本人配偶者、拉致被害者および行方不明者を含む全ての日本人に関する調査を包括的かつ全面的に実施することとした。

 第2に、調査は一部の調査のみを優先するのではなく、全ての分野について同時並行的に行うこととした。

 第3に、全ての対象に対する調査を具体的かつ真摯(しんし)に進めるために、特別の権限(全ての機関を対象とした調査を行うことのできる権限)が付与された特別調査委員会を立ち上げることとした。

 第4に、日本人の遺骨および墓地、残留日本人ならびにいわゆる日本人配偶者をはじめ日本人に関する調査および確認の状況を日本側に随時通報し、その過程で発見された遺骨の処理と生存者の帰国を含む去就の問題について日本側と適切に協議することとした。

 第5に、拉致問題については拉致被害者および行方不明者に対する調査の状況を日本側に随時通報し、調査の過程において日本人の生存者が発見される場合にはその状況を日本側に伝え、帰国させる方向で去就の問題に関して協議し、必要な措置を講じることとした。

 第6に、調査の進捗(しんちょく)に合わせ、日本側の提起に対し、それを確認できるよう、日本側関係者による北朝鮮滞在、関係者との面談、関係場所の訪問を実現させ、関連資料を日本側と共有し、適切な措置を取ることとした。

 第7に、調査は迅速に進め、その他、調査過程で提起される問題はさまざまな形式と方法によって引き続き協議し、適切な措置を講じることとした。

空と海を埋めつくす予算措置を

安倍首相は衆院予算委員会でベトナムへの中古巡視船の供与は困難との見方を示した。丁度、昨年の5月にベトナムへ巡視船を供与する方針は固まっていた。昨年8月には、ベトナムは海上警察を我が国の要請通り、軍から分離独立させていた。昨年の予算の予備費から、もしくは今年度の予算から執行されるにしても当然、時間は掛かる。

従来の予測よりも中共の攻勢が拙速だった。もちろん“兵は拙速を尊ぶ”つもりでやっている訳ではないだろう。集団的自衛権行使の憲法解釈変更の是非が政治的闘争の中心になっている理由もここに関連してくる。

我が国以外であれば、法的な問題如何に関わらず、義勇軍を投入している頃合いからもしれない。スペイン内戦におけるコンドル軍団、支那事変におけるフライング・タイガースのように。

中古の巡視船供与は困難、ベトナム支援で安倍首相 2014年 05月 28日 20:05 JST ロイター

[東京 28日 ロイター] - 安倍晋三首相は28日の衆院予算委員会で、南シナ海の領有権をめぐり中国と緊張が高まっているベトナムに対し、巡視船を供与する考えを改めて示した。しかし海上保安庁自身に船が足らず、中古船を供与することができないことから、時間がかかる可能性も示唆した。

安倍首相は「アジア太平洋地域の平和と安定、法の支配を確立する上で貢献したい。政府は前向きに検討したいと思っている」と説明し、ベトナムへの巡視船供与に意欲を示した。日本はフィリピンにはすでに巡視船の供与を決定、ベトナムに対しても昨年から検討しており、今年4月には調査団を派遣した。

安倍首相によると、日本はベトナムの要請に基づき中古船を供与することも検討した。しかし、日本の海上保安庁自身が尖閣諸島(中国名:釣魚島)周辺で中国船の対応に追われており、「新しい巡視船を増設しているが、今は退役させられない状態になっている」という。

安倍首相は「ベトナム側の海上警察行動を取る人たちの訓練を含めて対応したい」と述べ、まずは巡視船の供与以外の形で沿岸警備能力の構築を支援していく考えを示した。

中国は5月初めに南シナ海の西沙諸島付近で石油掘削を開始、ベトナムは強く反発している。作業を中止させるために船を派遣し、中国船と衝突が起きている。

*見出しを修正して再送しました。


2013年5月24日のエントリーでも、

我が国とベトナムとの間の海洋安全保障協議で、巡視船新造供与の対象となるベトナム海上警察をODA大綱の軍事供与禁止を回避するために、軍から分離した組織にすることを我が国が要請した。

ODAによって、国内の造船会社に新造の巡視船(10隻)をつくらせて、運用する乗員の育成を図り、保守点検を引き受け、海上保安庁との連携運用も視野に入れる。

と触れたが、マレーシアとフィリピンにも先行して同様のスキームを行なっている。かつ国内の巡視船・巡視艇に関連した予算・人員・設備すべての供給能力が不足しているのだ。

2013年7月31日のエントリーでも、

我が国で、巡視船・巡視艇を現在建造できるのは、三菱重工業、ジャパンマリンユナイテッド(JFE、IHI及び日立造船系列、住友重機械の艦艇部門も一部合流)、三井造船、墨田川造船(横浜倉庫系列)、新潟造船(三井造船系列)、木曽造船、三保造船所、長崎造船(日本水産系列)くらいなので、船艇の大きさと外洋航行能力の有無によって、いずれかの企業から調達されることになるだろう。

と触れている。供給能力を拡大するにしても、中韓造船業との競争が続いており、名村造船所が佐世保重工業を完全子会社化の予定。また常石造船が多度津工場の売却を視野に分社化(多度津造船)したが、売却先に予定されていた今治造船と交渉が終わっていない。

重工メーカー各社が、造船から航空機へ比重を移している点もあり、おそらく巡視船・巡視艇及び海自の艦艇の供給能力拡大のため、防衛産業向けの予算措置や各種の減税と政府系の投資ファンドの出資が必要になってくる。

富士重工業は、ボーイング777Xの中央翼などの部品工場を新設する。同社の自動車工場は敷地を増やさず生産性を高めているのと対照的だ。三菱重工業は、三菱航空機を立ち上げてMRJ(ミツビシ・リージョナル・ジェット)を開発し、遊休化している神戸造船所を生産に活用する。IHIは、三菱重工と航空機エンジンの生産協力で協議を続けている。この動きに呼応して、中堅・中小メーカーも航空機部品向けの新工場建設などを行なっている。

名村造船、佐世保重工を子会社化 中韓勢に対抗 2014/5/23 21:44 日経

名村造船所は23日、佐世保重工業を株式交換により10月1日付で完全子会社化すると発表した。世界の造船業界では、コスト競争力で勝る中国・韓国勢が優勢で、日本の造船各社は苦戦している。規模の拡大によって経営基盤を強化しながら、設計・開発力を高めて生き残りを図る。造船の市況回復は道半ばで中堅メーカーも多いことから、今後も業界再編が続きそうだ。

 名村造船グループは建造量ベースで国内4位、佐世保重工は同10位。統合により、今治造船、ジャパンマリンユナイテッド(JMU)に次いで3位となる。同日、東京都内で記者会見した名村造船の名村建介社長は「厳しい競争を生き残るためには開発力・設計力を高め、市場が求める製品をいかに投入できるかがポイント。そのためには一定の規模拡大が必要」と話した。

 佐世保重工の普通株式1株に対し、名村造船の株式0.128株を割り当てる。佐世保重工は9月26日付で上場廃止となる。設計力・開発力、調達力の強化を柱とし、営業での協力や管理部門の効率化なども進める。

 両社の筆頭株主はいずれも新日鉄住金。名村造船は佐賀県伊万里市に、佐世保重工は長崎県佐世保市に造船所があり、地理的にも近い。

 両社は石炭や鉄鉱石を運ぶばら積み船やタンカーなどが主力製品で、船の修繕事業も手掛けている。設計力の強化で「顧客が求める省燃費船や、需要が高まっているガスの運搬船にも挑戦したい」(名村社長)という。

 世界の造船市場では規模で勝り、コスト競争力が高い中韓勢が受注で優位に立つ。両国メーカーの合算で建造量ベースで世界シェアの7割を握る。

 米調査会社IHSによると、2013年(速報値)の建造量ベースで世界首位は中国の中国船舶工業集団公司(CSSC)、2位は韓国の現代重工業。日本勢では今治造船の6位が最高。CSSCの建造量は今治造船の1.7倍に及ぶ。

 中韓勢に受注で先行され、1年ほど前までは、日本で建造する船がなくなるという「2014年問題」がささやかれていた。しかし、為替の円安進行に加え、韓国では対ドルでウォン高が進行するなど中韓勢の苦戦もあり、日本勢の受注が回復。懸念は払拭(ふっしょく)された。ただ、リーマン・ショック後に低価格で受注した船の建造が本格化しており、各社の収益は厳しい。

 佐世保重工も低価格受注の影響で、12年度と13年度は2期連続赤字で、14年度も営業赤字を見込む。今後も為替変動などで造船不況が訪れる可能性もあることから、業況が上向いているタイミングをとらえ、傘下入りを決めた。佐世保重工の湯下善文社長は「中長期的に考えると収益は厳しく、造船専業企業が単独で事業を続けるのは難しい」と話した。

 国内造船業の再編では、13年1月にユニバーサル造船とアイ・エイチ・アイマリンユナイテッドが統合してJMUが発足。川崎重工業と三井造船の経営統合も浮上したが、昨年6月に破談となっている。


富士重、ボーイング向け航空機部品の新工場 2014.4.15 23:42 MSN産経

 富士重工業は15日、2015年にも米ボーイング向けの航空機部品を製造する新工場を建設する方向で検討していることを明らかにした。次世代大型機「777X」に用いる主要部品を製造する。設備投資額は100億円を超える見通し。

 愛知県半田市の半田工場の隣に建設する。ボーイングとは現在、契約の最終調整を行っており、締結後に着工準備に入る。

 生産を見込むのは主翼と胴体とをつなぐ基幹部品の「中央翼」や車輪の格納扉など。半田工場では現行の大型機「777」向けに中央翼などを年間約100機分生産しており、将来的には同規模の受注を目指す。

 半田工場の従業員は約600人で、中型機787の中央翼も製造している。その人員の一部を新工場での777X部品製造に振り向ける方向だ。


三菱重工、MRJ量産に向け生産拠点整備 2014.2.12 14:34 MSN産経

 三菱重工業は12日、2015年の初飛行を予定する小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の生産態勢を発表した。量産に向け、神戸造船所(神戸市)や松阪工場(三重県松阪市)に製造ラインを新設するほか、名古屋空港(愛知県豊山町)近くに最終組み立てを行う新工場を建設する。

 神戸造船所では商船の生産撤退によって空いたスペースに主翼の製造ラインを構築。これまでカーエアコンを生産していた松阪工場に、尾翼の組み立てを行う設備を導入する。

 胴体や主翼の組み立ては飛島工場(愛知県飛島村)などで実施。名古屋空港に近く、現在、試験機の組み立ても行っている小牧南工場の側に新工場を作り、最終組み立てを行う計画だ。

 飛行試験などは名古屋空港と北九州空港(北九州市)を活用する。

 MRJは子会社の三菱航空機が開発し、三菱重工が生産を担当。初飛行を15年4~6月に、初号機の納入を17年4~6月に予定している。すでに300機以上の受注があるが、十分な生産態勢を整備することで、さらなる受注につなげたい考えだ。


三菱重とIHI、航空機エンジンの生産協力で協議 2014.3.14 10:31 MSN産経

 三菱重工業とIHIは14日、航空機エンジン部品の生産協力について協議していることを明らかにした。早ければ月内にも合意する見通し。新興国の経済発展や格安航空会社(LCC)の参入で航空機需要が高まっているが、航空機エンジンは欧米勢が圧倒的なシェアを占めており、競争力を高める狙いがある。

 両社が出資して新会社を設立し、エンジン製造で提携することなどを検討している。航空機エンジン事業はIHIが国内首位、三菱重工業が3位で、売上高の単純合算は3千億円規模になるとみられる。

 航空機エンジン分野では、米ゼネラル・エレクトリック(GE)、米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)、英ロールス・ロイスの3社が圧倒的なシェアを占め、自社ブランドの旅客機向けエンジンを、完成機メーカーの米ボーイングや欧州エアバスなどに納入している。

 IHIなど日本勢も技術力に定評があるもの、欧米のエンジンメーカーへの部品納入が中心で規模も小さい。戦後、航空技術の研究開発が一定期間禁止されたことが影響しているが、近年は欧米勢との新型エンジンの共同開発なども手がけ、力を蓄えつつある。


ステンレス加工のメルコジャパン、宮城に航空機部品の新工場 2014/5/27 0:43 日経

 ステンレス加工のメルコジャパン(茨城県日立市、栗田鋼二社長)は26日、宮城県山元町に新工場を建設すると発表した。新工場では航空機のエンジン部品を製造。国内外で需要が伸びる航空機産業に参入する。投資額は約22億円。7月にも着工し、2015年3月の操業開始を見込む。

 同日、山元町と立地協定を結んだ。新工場の敷地面積は約1万1000平方メートル。投資額の半分は被災地向けの企業立地補助金を活用する計画だ。汎用品も含めた生産能力は年間3300トン。従業員は同社の丸森工場(宮城県丸森町)から10人を配置転換するほか、山元町内を中心に10人を新規採用する。

 同社の栗田益行会長は「IHIが(福島県相馬市の)相馬工場で増産を計画するなど、航空機は右上がりの有望な産業。全力で参入していきたい」と強調した。山元町の斎藤俊夫町長は「東日本大震災後は人口減が大きな問題だ。雇用創出に期待したい」と話した。


田中鉄工所、岡山に航空機部品の新工場 「787」増産に対応 2014/5/24 6:00 日本経済新聞 電子版

OSG、今年度の設備投資2割増 航空機向け需要拡大 2014/5/2 6:00 日本経済新聞 電子版

ひびき精機、菊川に新工場 下関市と協定調印 2013年8月1日(木) 山口新聞

半導体製造装置の部品などを製造する下関市菊川町田部の「ひびき精機」(松山英治社長、56人)は、航空機部品の製造に本格参入するのに伴い、本社がある豊東工業団地に新工場を建設する。11月に着工、来年4月に操業開始予定。31日に市と新工場建設協定を締結した。
 
同社は1967年12月に同市彦島塩浜町で造船関連部品を加工する松山製作所として創業。同市形山みどり町、小月南町を経て2008年2月に本社機能を菊川工場に移し、現在はアルミやステンレス、チタンなどの金属加工技術を生かして主に半導体製造装置の部品を製造している。

新工場は敷地面積約1万2千平方メートル、建築面積約2千平方メートル。航空機の機体やエンジン、装備品の部品を製造する。これまで同社の売り上げは約90%を半導体製造装置部品が占め、航空機部品は数%程度だったが、新工場の操業で3年後には航空機部品のウエートを約30%まで引き上げる方針。設備投資額は約8億5千万円。地元で新たに12人の雇用を予定している。

下関市役所で協定調印式があり、松山社長と中尾友昭市長、立会人で県商工労働部の和田勉審議監が協定書を交わした。市は設備投資や新規雇用に対して助成金を交付する。

松山社長は「半導体製造装置は、すでに相当な量が出ているので今後は市場全体が小さくなってくる。次の柱として、われわれの技術を生かせる航空機産業に力を入れたい」と語った。中尾市長は「新工場建設に大きな期待を寄せている。県と一体となってできる限り支援したい」と述べた。

たとえ、半分の正統性だとしても

親露派の多いクリミア半島と東部3州が投票しない、もしくはできない以上、親欧米派の大統領が当選することは自明の理だった。有権者の資格と数の論議はともかく、これでウクライナの政権は国民から信任を受けた形になる。

暫定政権が弱点として抱えていた統治の正統性はひとまず解消された。政権の正統性は、警察の治安維持行動と軍の作戦行動にはずみを与える。ドネツクに精鋭のパラ部隊を投入したのもその現れだろう。

当選したポロシェンコ大統領候補は、親露派と親欧米派双方の政権で閣僚経験がある。硬軟両方の策を採ることで、対立解消のシグナルも送っていると云える。

今後のポロシェンコ政権の課題は、円滑に議会を運営する党内基盤があるか否か、財政上の危機が国民の支持率低下と政権運営の不安定化を招くか否か、東部3州ほかの分離主義者と民族主義者の対立がより先鋭化することを抑えられるか否か、になるだろう。

ロシア大統領、ウクライナに東部での軍事行動の即時停止を要求 2014年 05月 27日 19:56 JST ロイター

ロシア株が急落、ウクライナ軍と親ロ派武装集団が交戦 2014年 05月 27日 18:16 JST ロイター

ウクライナ東部ドネツク、交戦で40人死亡=市長 2014年 05月 27日 18:02 JST ロイター

ウクライナ東部で軍と親ロ派が衝突、新大統領候補は強硬姿勢鮮明 2014年 05月 27日 04:25 JST ロイター

[キエフ/ドネツク(ウクライナ) 26日 ロイター] - ウクライナ軍は26日、東部ドネツクで国際空港を占拠している親ロシア派武装集団に対し空爆を実施するともに、パラシュート部隊を送り反撃した。

ウクライナ大統領選での圧勝が確実となった実業家のペトロ・ポロシェンコ氏(48)はロシアと妥協点を探る姿勢を示したが、「テロリスト」とはいかなる交渉もしないと言明。親ロ派武装集団に対する軍事攻撃は「数時間で」終わるべきとも述べ、強硬姿勢を鮮明にした。

ウクライナ軍による攻撃が行われる中、ポロシェンコ氏はキエフで記者会見を開き、「軍の攻撃はより迅速かつ効果的である必要がある」と指摘。「反テロリスト作戦は数カ月も続くべきではない。数時間で終わるべきだ」と主張した。

親ロシア派武装集団については「単なる無法者」と一蹴し、「いかなる文明国もテロリストとは交渉しない」と述べた。

親ロシア派が空港を閉鎖した数時間後には、空港上空に戦闘機が飛来し、現場周辺では銃声と爆発音が鳴り響いた。

ロイターのカメラマンによると、ウクライナ軍は武装ヘリコプターからロケット弾や大砲で攻撃し、辺りからは黒煙が上がった。

ウクライナ治安当局の報道官は、現在パラシュート部隊が空港に入り、攻撃を加えていると明らかにした。

ポロシェンコ氏は大統領就任後、最初に東部を訪問する考えを示しており、親ロ派による空港占拠は同氏の訪問を阻止することが狙いだった可能性がある。

<ポロシェンコ氏の圧倒的勝利、正当性裏付け>
ポロシェンコ氏は「ウクライナ東部の状況改善に向け、ロシアが支援することを望む」と語り、6月前半にロシア首脳らと会談する考えも示した。

ただ「国民を保護することは国家機能の1つ」とも述べ、軍事費を拡大する意向を表明。ロシアは東部親ロ派への作戦停止をウクライナに求めているが、これに応じる気配を全く見せなかった。

ロシアのプーチン大統領は前週末、ウクライナ大統領選について「国民の決定を尊重する」と発言。ラブロフ外相もこの日、ポロシェンコ氏と対話の用意があると述べた。

だが西側諸国は、これまで何度もウクライナ国境付近の軍部隊を撤収させるとしながら実行に移していないとして、ロシアに対し懐疑的な見方を崩していない。

25日実施の大統領選挙では、ウクライナ東部のドネツク、ルガンスク両州において、親ロシア派の妨害で全体の約8割の投票所で投票ができない事態となった。

だがポロシェンコ氏が大統領選で圧倒的な勝利を収めたことで、ロシアが現在の暫定政権のように、ポロシェンコ氏についても正統性を認めないことは難しくなる。

ウクライナ国民が国家の結束を示すため、ポロシェンコ氏に圧倒的な支持を寄せたことは明らかだ。同氏は過去に、親ロシア派、反ロシア派の両方の政権で閣僚経験があり、双方の橋渡し役が可能な現実主義者と目されている。そのためロシアが暫定政権に向けていた執拗な国家主義者との批判から、逃れられる可能性もある。

*情報を追加しました。

サブサハラにおける日中対決は続く

2014年5月6日のエントリーの続報。

李克強首相が今月5日、エチオピア首都アディスアベバにあるアフリカ連合本部で創設を表明した「アフリカ共通成長基金」が、中国人民銀行とアフリカ開発銀行の共同出資20億ドルで正式合意した。既存のクレジットライン、中国アフリカ開発基金とは別途となるようだ。

北東アジアから東南アジアの政治的対立に隠れて目立たないが、ブラックアフリカ(サブサハラ)でも両国はインフラ輸出と資源・エネルギー確保を目指してぶつかり合っている。

我が国は、マグレブからサブサハラにかけて出兵を続けるフランスと共同歩調を取りつつ、彼らの権益を分配してもらうべきだろう。TICAD V(第5回アフリカ開発会議)の第1回閣僚級フォローアップ会合後に、岸田外相がフランス訪問したのはあながち偶然ではない、と思う。

中国人民銀とアフリカ開銀、アフリカ開発目指し基金設立へ 2014年 05月 23日 14:40 JST ロイター

[北京 22日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)とアフリカ開発銀行(AFDB)グループは22日、20億ドルを共同出資し「アフリカ共通成長基金」を設立することで合意した。人民銀行がウェブサイトに声明を発表した。

基金は、アフリカのインフラ整備や工業開発を支援するため、政府または非政府の保証を受けたプロジェクトに共同出資するという。

声明は、基金設立により、アフリカの長期的な発展を支援するうえで、中国とアフリカの経済関係がますます強化されると述べた。

『気取った悪党』と『居直り強盗』

以前から取り上げてきた、ファーウェイとZTEの携帯端末やレノボのPCにバックドアが仕掛けられているのではないか、という各種の報道を米国当局が訴追したことによって追認した形になった。そこで以前のエントリーをまとめてみた。

米国は「気取った悪党」、サイバー攻撃問題で=中国有力紙 2014年 05月 21日 14:25 JST ロイター

[北京 21日 ロイター] - サイバー攻撃で米国の企業秘密を盗んだとして中国軍関係者5人が米国で訴追された問題で、中国共産党機関紙・人民日報傘下の有力国際情報紙「環球時報」は21日、米国は「気取った悪党」だと非難した。

環球時報は社説で、中国がサイバー問題に関する米中の作業部会の活動を中止したことに触れ、「これは正しい行動だが、われわれはさらなる行動を取るべきだ」と指摘。「権利を侵害された機関や個人が立ち上がり、米国を訴えるのを中国は後押しすべきだ」とした。

同紙はまた、「インターネットのセキュリティー問題で米国は『気取った悪党』であり、われわれはこの国に対してどのような幻想も抱いてはならない」と訴えた。


2012年9月13日のエントリーでは、

あちらで生産されたチップセットにバックドアが仕掛けられているものが出回っていたりする。PCを稼働していなくても踏み台にされる、あちらの発想はひと味違う。

そして、最近「NIJI」と云う謎のP2P型のサービスがリリースされた。キー局の番組がほぼリアルタイムで見られるという触れ込みだ。米国のデータセンターに拠点があるようなのだが、アップロードのみを繰り返し、IPアドレスとMACアドレスを抜きまくるアドレスが広東省の軍事拠点近辺に重なっているようにGoogleマップから類推出来る。

P2Pの性質上、これはおかしい。

与太話ならば良いのだが、サービスごと壮大なバックドアになっている可能性も考えられる。要はこのサービスを利用するユーザーのPCを踏み台にしてどこかの誰かをサイバー攻撃しかねない、という訳だ。

2012年10月25日のエントリーでは、

ファーウェイ(華為技術)とZTE(中興通訊)のアングロ・サクソン各国からの締め出しは、同盟国ではない以上、もっと積極的に行われてもなんらおかしくない。

共産党の提唱する超限戦のひとつの具現化が、人民解放軍とファーウェイの昵懇な関係だとすれば、彼らが海外の通信インフラ構築に関わり、かつ悪意を以て情報収集に当たるだけで安全保障上の問題になりかねないと、懸念するのは自明の理だ。

実際、出荷前のPCにプリインストールされているOSの中にバックドアが仕込まれているのが発覚した事例などまだましで、チップセットにバックドアが仕込まれている事例に至っては個人レベルではお手上げだ。

チップセットを含んでいるマザーボードにボタン電池が付いている以上、待機用電源をリモートコントロールしてPCをたたき起こすことができる上に、OS稼働中も関係なくBIOSプロトコルを動かすことができる。おそらくスマフォやタブレットにも類推できる事例が出てくるだろう。

今後の戦争が無人の戦いになる以上、遠隔操作され放題では洒落にならない。中共に技術移転した以上、最悪、核兵器のシステムごと乗っ取られたらどうするか。中共の工場とサプライチェーンを内乱で完全に破壊させなければならなくなる。そして、米国に投資移民でやってきた連中の富を威信なき富として、全部取り上げていくようになるだろう。

2013年2月23日のエントリーでは、

東京裁判でも審理されず、現在も“悪魔の証明”を要求されている帝国陸軍の731部隊、それに対して人民解放軍の61398部隊はサイバー攻撃を行っていると米国のセキュリティ会社が報告している。団塊の世代で帝国陸軍が悪行をなしたと信じる者も刮目して見よ、といったところか。サイバーテロの形で戦線は拡大していると見受けられる、かつての支那事変前夜のように。

2013年8月1日のエントリーでは、

NECはPC事業を合弁形式でLenovo NEC Holdings B. V.(レノボ51%、NEC49%)をつくり、事実上売却。そこでNECパーソナルコンピュータ(米沢事業所)でThinkPadを生産することになった。

NECのPC購入も危険になった。アングロ・サクソン系の諸国は2000年代の中頃には、IBMが売却したレノボ製のPCを使わなくなっていたそうで、我が国こそいい面の皮だ。

それどころか、SIerを行う国内ベンダがPCとPCサーバが官公庁に納入運用している場合は多く、早急に政府対策チームを立ち上げなければならなくなるだろう。予防措置として、国内外メーカー問わず支那製のチップの総排除も行うべきだ。これはリショアリングの観点からも容認される。

狼少年はグワダル回廊からテロリストを招く

中共の各地で暴動が頻発しているから、新疆ウイグル自治区の事件だけを独立を達成するためのテロと断定することも、思想的にイスラム原理主義過激派の影響を受けた犯行と断定することも、筆者は全面的に同意できない。当局の発表も憶測の段階に過ぎないし、こちらが純粋に信じてあげる必要性もない。

天安門での自動車突入、雲南省昆明市の大量殺傷のあと、ウイグルでも爆破事件が発生するようになった。これら事件のインパクトは、狼少年的にいずれ本当の過激派を呼び込むと思われる。

ウルムチ爆発の犯人、海外「テロ」組織から影響受けた=中国外務省 2014年 05月 23日 17:27 JST ロイター

ウルムチ爆発で容疑者5人死亡、共犯の有無捜査=国営メディア 2014年 05月 23日 12:04 JST ロイター

習主席「テロリストを厳正に処罰」、31人死亡のウルムチ爆発で 2014年 05月 23日 10:01 JST ロイター

上海発ウルムチ行き中国機が緊急着陸、爆破予告受け  2014年 05月 23日 01:55 JST ロイター

中国新疆ウルムチの爆発、31人死亡・約90人負傷=報道 2014年 05月 22日 14:43 JST ロイター

中国ウルムチの市場で爆発、当局「暴力的なテロ事件」 2014年 05月 22日 14:08 JST ロイター

2013年7月12日のエントリーでは、新疆ウイグルからグワダル港までの回廊整備が、イスラム原理主義とその過激派の侵入を防げなくなる可能性を指摘した。

以下は、そのエントリーの抜粋である。

中共とパキスタン両政府は、新疆ウイグルからグワダル港までの中パ経済回廊のための合同委員会発足で合意した。同時にグワダル港は開発特区とされる見込みだ。China Overseas Port Holding Company (COPHC)へとグワダル港の運営権が引き渡されて以来の既定路線をさらに進展させた格好となる。

中共とパキスタンともに2千キロの長大な距離を経済回廊として発展させる以外、他に選択肢はなかった。

中共は、ミャンマーのシュエー・ガス田から雲南省への新パイプライン運営に併せて、雲南省からの回廊出口となるミャンマーのチャウピュー港を経済特区とする構想を我が国の外交攻勢によって頓挫させられてしまった。それどころか、パイプラインそのものがミャンマーの対中外交の脅迫材料になる可能性が出てきた。もう他にインド洋への出口はないのだ。

パキスタンは、隣国インドの動向によって規定されてきた建国以来の運命に従わざるをえない。安全保障でインドが我が国との関係を強化する対抗上、中共しか関係強化する相手はいないのだ。財政的にもIMF支援を受けなければならないほど逼迫している。もちろんこれはインドの陸海軍予算増加のさらなる理由付けになる。

となると、さらなる軍備増強のために税収増加となる経済発展は欠かせない。ますます中共との経済関係を促進させなければならなくなる。すると、ここにグワダル回廊を維持できるのか分からない政治的・社会的リスクが発生する。

経済成長に伴う近代化を否応なく進めれば、かつてのイラン革命や現在の“アラブの春”などに見られる反動が、若年層の人口がピークになった段階で起きるだろう。グワダル回廊の政治的リスクはシャ-リアから発する問題に集約される。回廊を整備することで原理主義過激派の移動もまた容易になるからだ。つまり新疆ウイグルへの原理主義者の浸透は防げないということになる。

それぞれの戦後レジームとは何か

「ドイツのファシズムと日本軍国主義」という過去の遺物を精神的紐帯にする中露だが、膨張主義によって現在のレジーム・チェンジを図る主役はあくまでも中国共産党にほかならない。中国共産党の無軌道極まるダイナミズムを利用して、列強とその周辺国は利益を得ようとする。

第2次世界大戦後から現在までを大まかに3つのフェーズに分けると、第2次世界大戦終結からソ連崩壊までの米ソ冷戦、ソ連崩壊からリーマン・ショックまでの日米経済戦、リーマン・ショックから始まっているのが対中封じ込めの戦い、と考えられる。

ロシアは冷戦敗北による東欧からCIS諸国への影響力回復という戦後レジームからの脱却を目指しているし、我が国は第2次世界大戦敗北による国防上の自主独立喪失の回復という戦略目標を達成するために戦後レジームからの脱却を目指している。

問題は中国共産党であって、彼らは第2次世界大戦及び日米経済戦の最大の利得者だった。にも関わらず、となると彼らの真意は“中華の復興”、華夷秩序の回帰、冊封体制の確立を目指している。彼らの戦後レジームは阿片戦争もしくは義和団事件にまで遡る。

しかし、内蒙古と満州、チベットと新疆ウイグルまでを維持するのが精一杯だ。勢力拡張の限界点を越えて、北東アジアの朝鮮半島とモンゴル(外蒙古)、東南アジアのベトナム北部(トンキン)、ラオスまでは一時的に呑み込めるだろうが、歴史的にこれらの地域は朝鮮半島以外、短い期間で冊封体制からも外れてしまっている。

東シナ海から南シナ海での行動は、現状維持を図るための示威行動以上の価値を持ち得ないのではないか。

コラム:ロシアとのガス契約締結、中国が受ける「恩恵と犠牲」 2014年 05月 23日 08:24 JST ロイター

安倍政権:プーチン・習接近で戦略立て直し-クリミア重し (1) 2014/05/22 17:40 JST ブルームバーグ

5月22日(ブルームバーグ):安倍晋三政権は、対中関係の緊張が高まる中、もう一つの隣国であるロシアとの間で70年近く続いてきた北方領土問題を解決しようと尽力してきた。クリミア問題が発生したのはちょうどその成果が出ようとしていた矢先だった。

現在、安倍首相は米国が主導する対ロシア制裁措置を支持し、ロシアのプーチン大統領は中国との接近を図っている。中ロは今週、上海で首脳会談を開き、尖閣諸島に近い東シナ海では合同軍事演習を実施。その急速な接近は安倍政権に外交戦略の立て直しを迫っている。

安倍首相は2012年の就任以来、一貫してロシアとの信頼関係の構築に尽力してきた。プーチン大統領とはすでに5回会談。他の欧米諸国が欠席したソチ五輪の開会式にも参加した。ロシアがクリミア編入後の3月27日に収録・放映されたFMラジオ局のインタビューでも「確かにこうした問題が起こっているが、日ロ関係の重要性は変わりはない」と発言していた。

外交問題評議会のシ-ラ・スミス日本担当シニア・フェローは、安倍首相の対ロ外交をめぐる努力について「日本が北東アジアでの孤立から抜け出すための大きなチャンスだった」と指摘。「中ロ両国と同時に戦略的な関係を築くことは非常に困難で、片方を選ぶことは理にかなっていた」とも話した。

■日ロ蜜月
13年の日ロ間の貿易額は過去最高となる348億ドル(約3兆5000億円)を記録。昨年11月には、「日ロ外務・防衛閣僚協議(2プラス2)」の初会合が東京で開催された。日本にとっては米国と豪州に次ぐ3例目で、ロシアにとってはアジア諸国で初の相手国となった。一方、中国や韓国との単独首脳会談はいまだ開催のめどが立たない。

安倍首相が対ロ外交を重視する背景には、エネルギー政策も関係している。自民党の木原誠二外務政務官はインタビューで、エネルギー供給源の「分散化」は必要で、「だからこそ首相は地球儀外交をしている」と指摘。ロシアを「依然として一つの有望なパートナー」と位置付けた。

■ウクライナ
ウクライナをめぐり、日本はロシアに制裁を課すG7と足並みをそろえ、日ロ関係は停滞した。岸田文雄外相はロシア訪問を取りやめ、政府は23人のロシア政府関係者の査証(ビザ)発給を停止。秋に予定されているプーチン大統領の訪日が実現するかはいまだ不透明だ。

国際社会がロシアへの批判を強めるなか、接近を図っているのが中国だ。20日の中ロ首脳会談後から始まった両国の合同軍事演習は尖閣諸島に近い東シナ海で実施されている。日本は22日、奄美群島で陸海空の自衛隊による離島防衛・奪還訓練を実施する。

ロシア軍による日本への挑発行動は新しい現象ではない。防衛省によると、ロシア機が日本の領海に近づいたとして自衛隊の戦闘機が出動した回数は13年度の1年間で359回にのぼる。先月は、ロシアの爆撃機が2機、日本の周辺を飛行した。

菅義偉官房長官は22日午後の記者会見で、奄美群島での自衛隊訓練について「特定の国や地域を想定して行うものではなく、自衛隊の統合運営能力の向上を図るためのものだ」と説明した。

■共同声明
21日付の産経新聞(電子版)によると、上海で開催された中ロ首脳会談後に発表された共同声明は、ウクライナ情勢に関連し、「内政干渉」や「一方的な制裁」への反対を表明。歴史問題では、第2次世界大戦の終戦70周年に当たる来年に記念行事を合同開催することについて、「ドイツのファシズムと日本軍国主義」への勝利を祝うものであると日本を名指しした。

一方、日米両政府が先月発表した共同声明では、尖閣には日米安保が適用されると記した。

■関係改善
前衆院議員で新党大地代表の鈴木宗男氏は、日本はロシアとの関係を悪化させるわけにはいかないと話す。事務所には2000年に特使として訪ロしたときに撮影したプーチン氏と握手する自らの大きな写真が飾ってあった。

鈴木氏は19日のインタビューで、中国は「日本にはアメリカ側にくっついてほしいと思っている」と指摘。日ロ関係が崩れると「中ロ同盟というのが出てくる」と分析し、日本は米ロの「真ん中にいればいい」と話した。さらに鈴木氏は、来月ロシアのセルゲイ・ナルイシキン下院議長が来日する際、安倍首相と面会すべきだとも主張。秋のプーチン氏来日に道筋をつけることへの期待感を示した。

上智大学国際教養学部のバレット・ティナ助教は、インタビューに電子メールで回答し、「日本が欧米との架け橋となってくれるのであれば、ロシアにとって日本との友好関係を維持することは意義がある」と指摘。「独立を保つため、ロシアはさまざまな問題について複数の国々とパートナーシップを維持しなければならない」とし、「そうしなければロシアは中国の属国になるリスクがある」との見解を示した。

(更新前の記事は上智大学のティナ氏の肩書を訂正済みです)

BNPパリバ、そしてフランスの受難

クレディ・スイスが脱税幇助を認め、制裁を受けつつも、米国内での取引を続けることを選んだ。

いくつかのグローバル企業の売上よりもGDP規模が大きく、議会や行政府の長が民主的なプロセスで選ばれる国家では、金権選挙が横行して、キャリア官僚や数々の諮問会議・私企業のロビイストが政策決定に関与する度合いが増えるにせよ、一票一票が合わさった力は無視できない。

票の動向を左右する米国の金融機関締め付けは、グローバリズムによって恩恵を受けてきた中国共産党の幹部とその家族、不正蓄財を国外に逃していた彼らの資産情報を米国政府と財務省などに握られることへと繋がる。

クレディ・スイスに続いて、フランスのBNPパリバは制裁対象国との取引によって、さらに強い制裁を受ける。フランスを代表する金融機関の収益力が弱まることで、フランス国内企業への融資が先細る。

レバレッジを掛けない金融のビジネスモデルの確立が求められるだろう。

バブルで懲りた我が国の金融機関が行なっているのは皮肉である。東京に本社を置く大企業向けと個人向け中心になり、キャッシュ・フローと資産の少ない地方の中堅・中小向けが厳しくなったのと同じことがフランスでも起きる。要するに甘い融資姿勢では良い企業も悪い企業も潤うが、厳しい融資姿勢では良い企業も悪い企業も絞られる。

それを踏まえると、ベルギー、ルクセンブルク、フランスにまたがっていた金融機関デクシアの再度破綻の意味合いが分かる。傘下のクレディ・ローカルにも影響を与えた。クレディ・ロカールは、フランスの地方公共団体や自治体向け融資にシェアを持つ。我が国で例えれば、拓銀破綻が北海道経済に今も癒やすことの出来ない影響を与えたことに似ている。

米国主導のバブルに遅れて乗っかって低い抵当権で回収もできず、再び米国主導の政策転換でより混乱するフランス。加えて米国がグローバリズムからナショナリズムに舵を切るなかで、フランスは米国が担っていた世界の警察官の役割を肩代わりするようになってきた。

すでに国外では旧植民地を中心にマグレブからサブサハラにかけて出兵を繰り返し、国内では企業のリストラが相次いで、政府による労働争議の調停や救済出資を行なう。どちらにせよ財政負担が増し、オランド政権の支持率は下がり、右翼政党の国民戦線が勢力伸長している。ナショナリズムを主張しようにもドイツとユーロの軛がフランスを締め上げている。

仏BNPは顧客離れのリスク高まる-米当局がドル送金禁止も 2014/05/21 12:57 JST ブルームバーグ

5月21日(ブルームバーグ):スイスの銀行クレディ・スイス ・グループは今週、米国人顧客の脱税ほう助で有罪の答弁を行ったが痛手をそれほど受けずに済んだ。しかし仏銀BNPパリバ は、米検察当局が科そうとしている処罰によって、もっと深刻な影響を被る可能性がある。

事情に詳しい関係者1人によれば、BNPパリバは制裁対象国との取引を禁止する法律に違反した罪を認め、50億ドル(約5070億円)を上回る金額を支払うことが求められるほか、ニューヨーク州金融サービス局のベンジャミン・ロースキー局長の提案に沿って、海外から国内および国外への送金が一時的に禁止される見通し。クレディ・スイスの主要銀行子会社が脱税ほう助で罪を認めた際には、このような処罰は科されなかった。

協議の非公開を理由に関係者の1人が匿名を条件に語ったところでは、BNPパリバにどの程度厳しい禁止措置を適用するか監督当局はまだ決めていない。BNPパリバがサービス提供のために他行に支払いを行うことが認められなければ、競合行に顧客の一部が流れる恐れがある。

キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズの調査責任者、フレデリック・キャノン氏は「顧客が最も基本的な銀行サービスを受けるために2、3カ月でもライバル行に行く必要が出てくれば、顧客を失うことになる」と指摘。「少なくとも一部の顧客は取引を完全にライバル行に移し、戻ることはないだろう」と述べた。

一部の関係者によると、ニューヨーク・マンハッタン連邦地検のプリート・バラーラ検事正ら検察当局者は、スーダンやイラン、キューバに対する米国の制裁に違反して顧客のために資金を移動した罪を認めるようBNPに迫っている。

ロースキー局長はBNPパリバ傘下の部門の違反行為に対する処分として、一部行員の免職と報酬の回収、電信送金の禁止を検討している。ロースキー局長とバラーラ検事正の報道官、BNPパリバの広報担当者はいずれもコメントを控えている。

原題:BNP Paribas Risks Customer Flight as Dollar-Transfer BanLooms(抜粋)


クレディ・スイスは引き続き米プライマリーディーラー 2014/05/22 07:07 JST ブルームバーグ

クレディSとの取引テキサス州退職年金基金が停止-有罪認定で 2014/05/22 09:14 JST ブルームバーグ

バークレイズやクレディS、シンガポール拠点のスペース縮小 2014/05/22 12:48 JST ブルームバーグ

スイスの他の国内行も米脱税捜査で決着の公算-財務相 2014/05/22 15:38 JST ブルームバーグ

日米首脳会談VS中露首脳会談

スイスの金融機関は米国の圧力に負けて白旗を上げている。英国は王室領などのオフショアを利用していた外国人富裕層をシティーとその周辺に避難させて、ロンドンだけの不動産バブルを演出している。

ロシアはウクライナ危機に忙殺される形になり、我が国からの資本・技術導入による経済構造転換の可能性が萎みつつある。中共は東シナ海から南シナ海に勢力拡大を図ろうとするが、日米のシーパワーに全面的に対決できる力を持ち得ない。

個々の動きを俯瞰すると、基軸通貨ドルとシーレーンを支配する海軍の力を以って、覇権の弱まる米国が勢力の再均衡を図る動きが、オバマ政権の不手際を超えて、もしくは不手際のお蔭で集約化されてきた、と云うべきだろう。

日米首脳会談を受けての中露首脳会談は、シーパワーとランドパワーの対立構造を作ったかのように見える。中共はロシアからの天然ガスパイプラインを受け入れ、日米両国に依存するエネルギーや資源、穀物の輸入ルートが塞がれるリスクを分散させようとしている。

差し押さえされた商船三井の船舶は豪州から鉄鉱石を運んでいたし、信用状(L/C)がデフォルトした穀物をブラジルから輸出していたのは丸紅だった。当の我々は意識していないが、こうした影響力は意外と無視できない。

今まさに侵略の歩みを進める一方で、敗北して沿岸部の繁栄が失われ、内陸部に引きこもる可能性を中国共産党は考慮している訳だ。

クレディ・スイス、脱税ほう助認め米当局に25億ドル支払いへ 2014年 05月 20日 22:30 JST ロイター

コラム:孤立する中ロ、エネルギーで結束強化 2014年 05月 20日 16:35 JST ロイター

John Kemp
[ロンドン 19日 ロイター] - 「中国は信頼できる友人だ。中国との協力拡大は、間違いなくロシア外交の最優先事項である」──。ロシアのプーチン大統領は上海での首脳会談を控えた19日、このように語った。

ロシアと中国の2国間関係を評価する場合、大半は歴史的な国境紛争や毛沢東主席とフルチショフ首相の対立、価格面で毎年折り合いがつかない天然ガス契約といったことが挙げられる。

しかし、こうしたことは基本的にすべて過去の話であり、2国間で増大する共通の利益を無視するものだ。エネルギー、貿易、安全保障、外交面における密接な2国間関係の構築は喫緊の問題である。

エネルギー分野では、ロシアと中国はほぼ完璧な組み合わせと言える。ロシアは世界最大のエネルギー純輸出国、中国は第2位(2011年)の純輸入国であり、両国は国境を接しているからだ。

中国はすでにロシアにとって最大の貿易相手国であり、2013年の2国間貿易額は900億ドルに上る。新華社によると、両国はこの額を2020年までに2000億ドルにまで増やすことを目指している。

オバマ米政権のアジア重視への転換とエネルギー調達での変化は、中国とロシアを接近させている。

東・南シナ海で領有権問題を争う中国と、ウクライナ情勢をめぐり西側と対立するロシアはともに孤立状態にあり、米国が築いている同盟体制に対抗すべく友人を探している。これは典型的なパワーポリティックスであり、つまり「敵の敵は友人」なのだ。

ロシアと中国の海軍は20日、東シナ海で7日間の日程で合同演習を行う。新華社によると、2012年以降では3度目の合同軍事演習で、西側諸国との関係が悪化するなか、ロシアと中国の間で高まる協力関係を強調するものだと言える。

<友好関係>
中国とロシアの間に目立った領土問題は存在せず、友好関係を邪魔するものは何もない。一方、両国はそれぞれ日本と尖閣諸島問題や北方領土問題を抱えており、それが彼らに共通の利害要因を与えている。

また、アフリカや中東、中南米といった他の地域でも、ロシアと中国が対立するような大きな問題はない。大部分において、両国の利益は一致するか、もしくは異なった分野にあり、友好関係を容易に維持できる状況にある。

エネルギーにおいては特に双方の利益が一致する。ロシアが輸出先の多様化を進めねばならない一方、中国はマラッカ海峡のような輸送の難所を通過せずに済むエネルギー調達先を必要としているからだ。

プーチン大統領は19日、中国の記者に対し、天然ガス契約に向けた準備は「最終段階」に入ったことを認めた。

<欧州からの脱却>
ウクライナ危機を抜きにしても、ロシア産の石油・ガスの輸出先は欧州に集中しており、価格交渉で弱い立場を強いられてきた。

米エネルギー情報局(EIA)によると、2012年にはロシアの石油輸出先は欧州が80%を占め、アジアはわずか18%だった。また、同時期に輸出されたロシアのガスの大半も欧州向けだった。

欧州だけに大きく依存するのは、戦略的にも商業的にも理にかなっていない。顧客が多様な供給源を必要とするように、生産者も複数の顧客を持つことで安全を得られる。

ロシアは1960─70年代の冷戦時代に築いたパイプラインを通して自国の石油とガスのほぼすべてを西へ輸出し続けているが、世界経済の主なエネルギーの流れは、アジアの産業化と北米のシェール革命の結果、東へと向かっている。

21世紀の主なエネルギー輸入地域である欧州とアジアの中間というロシアの位置を考えると、同国が急成長するアジアの市場への輸出を増やし、よりバランスの取れた戦略的なアプローチが考えられる。

中国にガスを供給するためには、パイプラインや液化施設の新設にばく大な費用がかかるだろう。だが、ロシアはそのような道を避けて通るわけにはいかない。欧州に依存し続ければ、ロシアのガス・石油産業の収益は中期的に圧迫リスクにさらされることになるからだ。

<機は熟したか>
一方、中国にもロシアからエネルギーの輸入、特にガスの輸入を増やしたい理由がある。中国経済は現在、国内の石炭と輸入した石油に大きく依存している。

だが、石炭火力発電は深刻な環境汚染を引き起こしており、温室効果ガスの排出量増加の原因となっている。また、輸入されるほぼすべての石油はマラッカ海峡や東・南シナ海を渡って輸送されており、米国とその同盟国と衝突した場合には、中国海軍もそうした海上交通路での航行を保証できない。

ロシアからパイプライン経由で石油とガスを輸入することは、中国のエネルギー安全保障の強化につながる。実現すれば、不安定な海上輸送ルートを通じたエネルギー輸入を削減できる。また、オーストラリアなどのガス供給国や中東の石油輸出国との間では、有利な形で交渉を進めることができるようになるだろう。

これまで、中国とロシアは価格面で折り合わず、ロシア産天然ガス契約に向けた交渉は10年以上にわたり平行線をたどっていた。しかし最近の国際情勢により、両国は歩み寄り、契約締結に至るかもしれない。欧州がロシア産ガス輸入削減を検討するなか、ロシアはほかにも輸出先があると示すことが急務であり、中国も周辺国との関係が急速に悪化するなか、新たな同盟国との関係を発展させる必要に迫られている。

より大きな戦略的背景に加え、中ロ首脳の緊密な関係は、ガス契約締結の機が熟したことを示している。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

利権分配ゲームは原資が尽きるまで

タクシン派と反タクシン派の対立と抗争は、経済成長によって生まれた冨を政府がどのように再分配するか、という問題であって、分けるパイが大きくなるまでは続く。

イサーン(東北地方)などへインフラ整備による再分配を続けるといった政治的妥協ができて、よしんば国内の深刻な対立を解消できても、バンコク首都圏で効率的に回っているタイ経済の潜在成長率が下がってしまうかもしれない。

それでもウクライナのようにカネがなくて本格的な内戦すらままならない状況よりはマシだろう。

タイ戒厳令は秩序回復まで維持、政治勢力は話し合いを=軍司令官 2014年 05月 20日 17:59 JST ロイター

[バンコク 20日 ロイター] - 戒厳令を発令したタイ軍のプラユット司令官は、対立する政治勢力に対して互いに話し合うべきとし、戒厳令は平和と秩序が回復するまで維持すると述べた。

同司令官は記者団に対し、「全ての勢力に対し、タイの方向性を見出すために話し合いを行うよう求める」と述べた。

軍は秩序と投資家の信認を回復するために戒厳令を布告したとし、武器を使用して民間人に危害を加える相手に対し、軍は行動すると語った。


タイ首相代行、選挙委に対し8月3日の選挙実施を要請 2014年 05月 20日 21:11 JST ロイター

ジョンブルはトリクルダウンなんか怖くない

サッチャリズムによって始まった富と階級の流動化は、ひとつの準国葬とひとつの婚儀によって幕を下ろした。

ひとつは中産階層出身の女男爵サッチャー元首相の死。ひとつは紋章院から新たに紋章を下賜された庶民「定着した中流階級」キャサリン妃とウィリアム王子との結婚。そして、婚儀は滞り無く済み、次代の王位継承者も大過なく産まれた。

これら象徴的なふたつの出来事とそれにつづく出来事は、流動性のダイナミズムが失われ、サッチャリズム以後の階級の固定化を象徴している。

サッチャリズムの流動性を担保した国有資産の民営化を行えるだけの原資は、もう国庫に存在しない。残るはシティー内かその周辺の不動産を中共の幹部子弟に高値で掴ませるとともに、彼らの資産逃避を英国政府上げて支援するほかはない。

そこにカネのない移民が入る隙間はないだろう。もちろんカネのない移民の流入を完全に防ぐことなど出来ない。彼らは、カネのない新しい不正規労働者と古くからのプレカリアートと結合しながら、新しいポップカルチャーとムスリム原理主義の苗床となっていくだろう。

と、国有資産をあらかた売却し尽くした英国が、ロンドン周辺の不動産売買で外国人富裕層を取り込み、経済浮揚させようとしていることについては、まず2013年12月8日のエントリーで触れた。予想では中国共産党の党幹部とその親族が買い手だったが、ウクライナ危機によってロシア人の不動産購入が前面に出てきた。さらに、

現在の英国の売り物は、シティーを中心としたグレーター・ロンドン周辺の商業用不動産と富豪用の邸宅しかない。その価値を高めるために鉄道路線を整備して、新規車両を導入しようとしている。その流れに乗って、三菱商事がロンドン近郊を扱う不動産ファンドを組成しているし、鉄道車両納入で日立製作所がボンバルディアにかっ攫われた下記のロイター電の案件は、その延長線上の出来事である。

と、2014年2月11日のエントリーでは、不動産の価値を高めるためのインフラ整備にも外国資本と技術を導入しようとしてることも述べた。

この清々しいまでの英国経済の回し方。もう産業が残っていないし、米国のようにリショアリングする余力はないことを示してもいる。シティーを中心部とした不動産売買の指標も好調であり、金融部門で雇用創出がなされていることで、今後もこの金融と不動産の両輪が英国経済を動かすことは間違いなく、経済政策の如何もこのふたつが最初に果実を得る訳だ。

と、2014年3月11日のエントリーでは、シティーの雇用も2014年2月には前年同月比25%となり、実際に政策効果が実証され始めていた。

シティーを中心としたグレーター・ロンドン周辺の商業用不動産と富豪用の邸宅を富裕な外国人実業家に購入してもらい、実業家のいくらかが拠点を置き、オフショア人民元債券(点心債)やイスラム債券(スクーク)の取引が活発化すればシティーも潤い、金融部門の雇用も増え、不動産開発のためのインフラ建設も同時に盛んになり、英国経済のダイナミズムが動き出す、というのがジョンブルの描いた勝利の方程式だ。

不動産を購入する外国人の副次的なメリットは、旧来の貴族階級と融合したサッチャリズム以降のエリートたちのコミュニティに入る機会を得られることだ。そもそも英国社会は人種によってではなく階級区分で差別される。

例えば、大英帝国の最盛期・ヴィクトリア朝において、当の女王陛下はドイツ人、保守党と自由党の二大政党を代表した宰相のグラッドストンはスコットランド人、ディズレーリはユダヤ人の血筋であった。現在の大ロンドン市長ボリス・ジョンソンに到っては、亡命したオスマン帝国の宰相、英国王の庶出子、ロシア帝国下のポグロムを逃れたユダヤ人それぞれの血筋を引いている。

一方、新しいテクノクラートとなった中流階級辺りから下の階級にとって、こうした不動産開発によるメリットは、不就労の移民が流入して労働需給や社会保障費の負担が増加しないことだろう。彼らも集団としての外国人を拒む訳ではない(集団としての外国人は個人単位に分解されて英国社会に再編成され、一部はテロの温床になってしまう)から、彼らのコミュニティ近隣の住宅価格が上昇してもメリットはないのだ。

と、2014年4月5日のエントリーでは、外国人富裕層の不動産取引が既存のロンドン市民に悪影響を及ぼし、政治的問題になっていることを取り上げたが、トリクルダウン理論の実証を求める国柄でもない。

こうした経済浮揚の施策効果で、英国の富裕層1000人の資産がGDPの3分の1を占めた、と云う。またグレーター・ロンドンにはビリオネアが72人いる、とも云う。グローバリズム=アメリカナイゼーション=新自由主義のひとつの到達点がここに存する。同時に金融偏重の経済が米国主導で修正されていくなかでの極限とも云えるだろう。

英富裕層1000人の資産総額、過去最高の88兆円超に 2014年 05月 19日 11:58 JST ロイター

[ロンドン 17日 ロイター] - 最近の英国版「長者番付」によると、同国の最富裕層1000人の資産総額は前年比15.4%増の5189億ポンド(約88兆7000億円)となり、国内総生産(GDP)の3分の1に相当することが分かった。

この長者番付は英紙サンデー・タイムズが毎年発表するもの。1989年からリスト作成に携わっているフィリップ・べレスフォード氏は、ロイターに対し「個人の富が1年間でここまで増えたのは見たことがない」とコメント。「政府と富裕層にとっての課題は、この富が下向きと外向きに広がるか、ロンドンから英国の北と西にも広がるかだ」と述べた。


【コラム】世界の大金持ちとロンドンは相思相愛-ギルバート 2014/05/15 06:08 JST ブルームバーグ

5月14日(ブルームバーグ):国内総生産(GDP)約2兆5000億ドル(約254兆円)、世界7位の経済大国である英国。ここには金持ちを引き寄せる一画がある。

それはロンドンだ。英紙サンデー・タイムズによれば、ここにいるビリオネアは世界のどの都市よりも多い。英国全体では104人と昨年の88人から増え、うち72人が首都ロンドンに住んでいる。これに対して、モスクワは48人。3位のニューヨークは43人。さらに言えば、英国にいるビリオネア上位10人うち9人が外国人。英国人ではウェストミンスター公爵が85億ポンド(約1兆4500億円)の資産で辛うじて10位に食い込んだだけだ。英国にいるビリオネア全員の資産を合わせると3010億ポンド。

彼ら104人だけの金持ち王国が独立したら、世界で24番目の経済大国になる。ランキング上ではGDPが5140億ドル程度のイランと、同5000億ドルのノルウェーにはさまれることになる。

比較的問題の少ない税制はもちろんのこと、英国が世界の金持ちを引き付ける大きな理由は私有財産を尊重する法制度や比較的健全な政治システム、そしてつまづくことなく静かに漂流する感じの経済だろう。英国が国として資産接収や銀行口座差し押さえを行う公算は小さい(もっとも、ウクライナ問題でロシアの一部個人に対してこの原則が試される可能性はある)。

さらに、英国は住民を外国の税務当局に密告しない。ロンドンで起きたことはロンドンの外には出ない。富裕層の移住先と長らくみられてきたスイスは、米国の税務当局と銀行口座の詳細共有で合意したり、自国通貨に上限を設けることで評判を落とした。米国では資産公開規制の強化が7月に発効予定で、米国市民権を放棄する海外在住の米国人が急増している。

■住宅、社会不安
ロンドンに金持ちが増えて物を買ってくれたり雇用を増やしてくれるのは、間違いなく良いことだ。ただ、マイナス面も幾つかある。

まずは住宅価格。英政界でも騒がれるようになり、外国人が不動産を購入してもそこに住まない場合は新たに課税されるようになるかもしれない。ロンドンの不動産の平均価格は同地を除く英全体の2倍で、過去5年に60%も急騰した。2つ目は経済緊縮の時代には社会不安のリスクが常にあるということだ。

ともあれ、金はそれを欲する場所に流れ、大切にされればそこにとどまる。少なくとも今は、マネーとロンドンは相思相愛の関係にあるのだ。(マーク・ギルバート)

(マーク・ギルバート氏は、ブルームバーグ・ビューのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)

原題:Billionaires Love London Because They Feel Safer: MarkGilbert(抜粋)


ロシア制裁がロンドン住宅市場を熱くする-バーシドスキー 2014/05/01 06:30 JST ブルームバーグ

4月30日(ブルームバーグ):ロシア人と親ロシア派のウクライナ人を標的とした制裁が、ロンドンの不動産市場に恩恵をもたらしている。2014年1-3月にロシアから流出した510億ドル(約5兆2200億円)の一部がロンドンに向かっているからだ。ロンドンの不動産が新たな冷戦時代の資金逃避先になるのを英政府が防ごうとしても、流れ込む現金をせきとめるバリケードはできそうもない。

英紙ガーディアンは1月に、英国で昨年2番目に地価が高かったロンドン北部ビショップス・アベニューに立ち並ぶ邸宅が空き家になっているとの調査報道記事を掲載した。それによると、総額1億2200万ドルの10軒が、1989-93年の間に購入されてから一度も利用されていなかった。買ったのはサウジアラビアの王族のもようだという。その2カ月後にはエコノミスト誌が、ロンドン北部に家を買いたい外国人富裕層を顧客とする不動産業者グレンツリー・インターナショナルが、同じ物件を投資目的で購入しようとする「匿名」ロシア人のために仲介したと報じた。

また、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は富裕層のための物件探しを手掛けるチャールズ・マクダウェル氏の「確かにロシアと全体的に東欧からの買い手が増えている」というコメントを引用した。「特にロシア人は、制裁強化の影響を心配している」という。

制裁を恐れるロシア人が英国の不動産を売るのではなく買うというのは、直感的に考えると奇妙だ。不動産接収や銀行口座の凍結が取り沙汰されているのに、プーチン政権の恩恵に浴している金持ちがますます不快な目に遭うリスクを高めるのはおかしい。

理由は2つだ。第1に、ロンドンに家を買うロシア人たちは制裁の対象でもなく、これから対象リストに載るほどプーチン大統領に近くもない。彼らが恐れているのは制裁対象がロシア経済全体に広がることだ。もしロシアが国際社会で完全に孤立するなら、ロシアの中より外にいた方がいい。第2には怪しげな資金にとって、ロンドンの不動産市場は他の大方の投資先よりも安全な逃避先なのだ。誰が本当に買ったのか分からない方法で購入でき、流動性が高く卓越した法制度によって守られている。資金の逃避先として申し分ないだろう。

英国では外国人の不動産購入に対する制限はないし、オフショア会社の名義で購入することも可能だ。もちろん、公式には政府も手をこまねいてはいない。オズボーン英財務相は335万ドルを超える住宅の売買に2012年から課していた印紙税について、企業が買い手の場合は84万ドル超の住宅も含むように適用対象を広げた。

これによって英政府は昨年、1億1800万ドル相当の税収を得た。これは政府が見込んでいた額の5倍で、要は税金が購入の妨げになっていないことを示している。15年に導入される外国人の不動産投資に対するキャピタルゲイン税も同様だろう。彼らは安全で目立たない投資の機会を求めているのであって、割安な投資先を探しているわけではないからだ。

英政府も本当に外国人による不動産購入を妨ぎたいのなら、課税よりも登記簿にオフショア会社の受益者を明記させるはずだ。透明性は「匿名の」ロシア人やウクライナ人ら外国人にとってはるかに大きな打撃になる。彼らのおかげでロンドン不動産市場は熱を帯びている。不動産サービス会社ジョーンズ・ラング・ラサールのコンサルタントらによれば、同市場の熱は1-10の中の8.1と極めて高い。

原題:Russia Sanctions Make London Mansions a Buy: LeonidBershidsky(抜粋)


金持ちのロンドン占拠に拍車かかる-隣家買い取り豪邸に改造 2014/04/14 07:15 JST ブルームバーグ

4月14日(ブルームバーグ):ロンドンの金持ちが合併・買収(M&A)でさらに金持ちになっている。ここで話題にしているのは、企業ではなく住宅のM&Aだ。

ロンドンの高級住宅地に家を持つ大金持ちの中で、隣家を買い取って特大面積を持つ大豪邸に改造するケースが見られる。こうした大型物件の1平方フィート当たりの価格は、別々の物件である場合の2倍になり得るのだ。

不動産仲介会社サビルズ のプライベートファイナンス部門のマーク・ハリス最高経営責任者(CEO)はインタビューで、「階段で縦長にするのではなく、横に広がっていく大豪邸にできれば、富裕層が好む美しい応接間や玄関ホールを作ることができる」と述べた。

ロンドンの最高級住宅街の物件の多くは100年以上前に建てられたもので、富裕層が求める広さや設備を欠いている。このため、こうした住宅のオーナーは裏庭を広げてみたり地下室を複数階つくってみたりと、上下を含むあらゆる方向に拡大を図る。高級百貨店ハロッズや音楽会などが開かれるロイヤル・アルバート・ホールがあるケンジントン・アンド・チェルシー地区では昨年、複数の住宅を1軒として改造するための申請が65件と前年の3倍以上に増えた。同地区の行政当局には今年1-2月だけで27件の届け出があった。

仲介業者ハントリー・フーパーのディレクター、オリバー・フーパー氏によれば、ロンドン中心部の人気地区では、典型的な物件の価格は1平方フィート当たり1500ポンド(約25万5000円)。しかし合体して1軒にすると最高4000ポンドになるという。改造費用を支払っても、約30%高く売れることになる。

「住宅オーナーは隣家や集合住宅の場合は上の階まで行って『売る気はありませんか』と聞いて回っている」と同氏はコメントした。

フーパー氏によれば、ケンジントンのビカレッジゲート9番地にある集合住宅の物件は最近、1平方フィート当たり1276ポンドで売れた。11番地の拡張された物件は同2912ポンドで売りに出されたが、最終的に賃貸されたという。

ロンドンの不動産市場は富裕層や安全な資金逃避先を求める外国人投資家を引き寄せ、高級住宅は過去5年で急激に値上がりした。

ただ、ロンドンの各地区では住宅拡張への自治体の姿勢が厳しくなりそうだ。ボリス・ジョンソン市長は住宅不足がロンドン最大の問題だとしており、一部の特権階級が広いスペースを独占しないよう求める圧力は強まっている。ケンジントン・アンド・チェルシー地区の住宅政策の見直し結果は来年公表される。

原題:London’s Rich Expand Realms by Buying Out NeighboringHomes (1)(抜粋)


鏡に映るナショナリズム

基本的に一国一文明のインド、一国一民族一宗教の日本がナショナリズムをわざわざ鼓舞する必然性などない。

もしも他者にその振る舞いがナショナリスティックに見えるのであれば、その他者自身が外敵として認識された結果であるにほかならない。しかも、その他者自身が自らの内的要因によって利用しようとした結果、より強固な紐帯を持つナショナリズムを覚醒させているのだから、滑稽なことこの上ない。

グローバリズムが後退する以上、ナショナリズムが相対的に大きく見えるのは当たり前とも云える。

インドに誕生するモディ新政権もまた、ヒンドゥー・ナショナリズムを唱えている。一方で第2次安倍政権と同様、新自由主義的なアプローチを全面的に捨てたりはしていない。

ともあれグローバリズムによってインド国内の努力以上に経済成長していた時期は終わった。この時点で米国から過激派と目されてきたモディ氏が政権の座に就くのはナショナリズムを強調するまでもなく自然と云える。

インド次期首相候補モディ氏が融和姿勢強調、イスラム教徒へ配慮 2014年 05月 17日 08:38 JST ロイター

[バドダラ(インド)/ニューデリー 16日 ロイター] - インド総選挙で野党・インド人民党(BJP)の勝利が確実となる中、次期首相最有力候補となったナレンドラ・モディ氏は16日、地元グジャラート州バドダラで演説し、全ての国民のために働くと強調した。

BJPのシンボルカラーであるオレンジ色の服を着た数千人の支持者を前にモディ氏は「全ての国民と共に進むことをはっきりさせておきたい。それがわたしの目標だ。あらゆる手段を尽くす」と語った。ヒンズー色が強いとされる同氏に対するイスラム教徒の懸念に配慮したものとみられる。

また「選挙期間は終わった。対立は捨てるときだ」と述べ、他の政党とも協調していく考えを示した。

BJPは単独で政権を担うことができるが、上院では2割程度しか議席がないため、法案を通すためには他党の支持が必要になる。


安倍首相はアジアで最も危険な人物=ヘッジファンド首脳 2014年 05月 17日 08:45 JST ロイター

[ラスベガス 16日 ロイター] - 著名投資家でヘッジファンドのキニコス・アソシエーツを率いるジム・チャノス氏は16日、安倍晋三首相は日本を再武装させようとしているとして、アジアで最も危険な人物だと述べた。

当地で開催された業界会合で、誰がアジアで最も危険な人物かとの質問に答えた。同氏は中国のどの指導者よりも安倍首相はアジアを不安定化させる恐れがあるとの見方を示した。

また米ゴールドマン・サックスの元エコノミスト、ジム・オニール氏は同会合で、インドの総選挙で野党インド人民党(BJP)が勝利し、ナレンドラ・モディ氏が首相に選出される見込みとなったことについて、過去30年でインドで最も重要な出来事になるかもしれないと述べた。

劇的なオプションを採用できない共産党

東シナ海から南シナ海にかけて行われつつある粗雑な中国共産党の実力行使によって、むしろ今までポジションがバラバラだった米国の国防総省、国務省、財務省の意見が調整されつつある。

従来からピボットに積極的だったペンタゴンはともかく、親中派で対日警戒の強かったケリー国務長官はシリア内戦介入からウクライナ危機、中東和平頓挫までの不手際が重なり、方針転換を余儀なくされているし、人民元安誘導で輸出主導に活路を見出そうとされるのを嫌悪する財務省も同様だ。

中国共産党なかんずく習政権は、シャドーバンキングと地方政府は潰しにかかっている。一方では、一般住宅ローン審査の効率化を進めようとする。融資に規律を求める政策が実行可能かどうかやってみて分かるだろうが、全般的に国内の停滞と調整局面は変わらないだろう。

そして、調整局面に伴う国内不安の解消を対外強硬策に求めているように見える。しかし、穀物と資源エネルギーの(サプライチェーンを握る商社・海運を含めて)シーレーンを日米両国に握られ、4兆ドルの外貨準備のほぼすべてを占める米国債によって金融も米国政府に握られている。

よほど追い詰められなければ、ロシアのようなクリミア併合といった劇的なオプションは採りにくい。これではむしろ国内のフラストレーションが溜まるだけのように思える。

事実上ゼロ成長、停滞長期化…中国市場幻想を捨てよ 編集委員・田村秀男 2014.4.27 08:31 MSN産経

中国の14年鉄道インフラ投資、13兆円規模に引き上げ=関係筋 2014年 05月 2日 18:19 JST ロイター

中国の不動産バブルは既に破裂=野村リポート 2014年5月7日 12:38 JST WSJ日本版

ガスプロムと中国の天然ガス輸出交渉、合意近い=ロシア政府高官 2014年 05月 13日 08:15 JST ロイター

中国外相、南シナ海問題めぐり米国務長官に「客観的」な態度要求 2014年 05月 13日 18:53 JST ロイター

中国人民銀行、住宅ローン審査の効率化を要請 2014年 05月 13日 19:00 JST ロイター

大規模な刺激策講じず、経済状況同じ=中国財政次官 2014年 05月 13日 21:21 JST ロイター

南シナ海の中国リグ設置は挑発的行為、緊張高める=米政府 2014年 05月 17日 08:23 JST ロイター

安倍首相はアジアで最も危険な人物=ヘッジファンド首脳 2014年 05月 17日 08:45 JST ロイター

中国:銀行間借り入れの抑制を指示-シャドーバンキング対策 2014/05/17 16:22 JST ブルームバーグ

中国不動産価格の下落、北京にも波及 景況感下方修正、輸出や内需も失速… 2014.05.12 ZAKZAK

(前段略)

 英金融大手HSBCが発表した4月の製造業購買担当者指数(PMI)の確定値は48・1で、速報値の48・3から下方修正された。PMIは中国経済の先行きを示す指標で、50を上回ると生産や受注の拡大、下回ると縮小を意味する。景況判断の節目となる50を割り込んだのは4カ月連続。HSBCのエコノミストは「製造業、経済全般の勢いが引き続き失われている」と指摘した。

 輸出の失速も止まらない。中国で年2回開かれ、今後の輸出動向を占うとされる貿易見本市「中国輸出入商品交易会(広州交易会)」の輸出成約額は、前年春との比較で12・6%減だった。東南アジアなど新興国向けが大きく減ったほか、日本向けも不振続きだ。

 内需も厳しい。中国国家統計局によると、4月の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同月比1・8%と1年半ぶりに2%割れ。政府の今年の抑制目標(3・5%)を大きく下回った。消費者の購買意欲が高まっていないことがわかる。

 そして、最大の懸念材料である不動産バブルの崩壊はいよいよ本格化してきた。北京市で大手開発業者が発売したマンション価格は1平方メートル当たり2万2000元(約36万円)前後と、購入希望者に伝えた予定価格より約3000元値下げしたのだ。シンクタンク研究者は「天安門の周辺以外は、値下がりがあり得る。みんな目を覚まし始めた」と話す。

 上海市や浙江、広東省でも値下げが伝えられた。中国の1~3月期の住宅販売面積は前年同期比5・7%減、新規着工面積も27・2%減少。市場の減速は鮮明だ。

 中国の地方政府は土地の使用権を大手開発業者などに売却して収入を得る「土地財政」に頼ってきた。不動産価格の下落で収入が減れば、過剰投資で増えた借金が返せなくなる。中国メディアは「不動産業者よりも地方政府の方が慌てている」と報じる。

(後段略)


参考URL:
中国経済の減速と電力消費量・鉄道貨物輸送量の推移 (2012年11月21日)(2013年2月~2014年3月の最新データを追加、更新 )

不動産バブル崩壊と集団的自衛権

支那の不動産バブル崩壊と調整局面に伴う混乱が、北東アジアから東南アジアの集団安全保障体制の構築に影響してくる、と思われる。年初来からの流動性逼迫が、そのままデフォルト頻発につながっている。不動産バブル崩壊がかなり加速し始めている証拠でもあり、実体経済への悪影響が上海の株価など先行指標にも表れている。

この支那の調整局面によって起きる中国共産党の政治的混乱が、再度の中央集権化か中央政府と地方政府の分裂に収斂するかは分からないが、ともかく沿岸部から出ないように日米を中心とした集団安全保障体制を構築することが先決だろう。集団的自衛権について閣議決定まで踏み込んでいないのは、公明党を筆頭に与党内の慎重論が根強いことを伺わせるが、おそらく憲法解釈変更の論議と並行して法整備を進めないと事態の悪化に間に合わないと考えられる。

集団的自衛権の行使容認を提言、首相の有識者会議が報告書 2014年 05月 15日 15:56 JST ロイター

[東京 15日 ロイター] - 安全保障の法制度見直しを議論してきた安倍晋三首相の有識者懇談会は15日、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認するよう提言した。安倍首相は「真剣に検討する」と述べ、与党との協議を経て憲法解釈の変更を閣議決定する構えだ。

与党内の合意ができて実現の運びとなれば、日本への直接攻撃にしか反撃できなかった長年の憲法解釈は大きく転換、自衛隊が海外で武力行使する可能性に道を開くことになる。

<「必要最小限度の自衛権に含まれる」>
安倍首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(座長・柳井俊二元駐米大使)は、1)密接な関係にある他国が攻撃を受けた場合に日本が反撃する集団的自衛権、2)武力攻撃には至らないものの日本の主権を侵害するおそれがある「グレーゾーン」事態、3)国連加盟国が特定の国に制裁を加える集団安全保障──への対応を検討してきた。

15日に提出した報告書は、中国の軍事力拡大や日米同盟の役割の変化など、日本を取り巻く環境の変化に言及。公海上で日本を防衛する米艦船が攻撃された場合の自衛艦の対応といった10件の具体的なシナリオを挙げ、「従来の憲法解釈では十分に対応できない状況に立ち至っている」とした。その上で、憲法が認める必要最小限度の自衛権に「集団的自衛権の行使も含まれると解すべき」と提言した。

報告書を受け取った安倍首相は「安全保障の原点は、いかなる状況でも我が国の安全を確保し、国民の生命、自由、幸福、平和を断固として守り抜くこと。そのために必要な法的基盤を盤石にするという確固たる信念のもと、真剣に検討を進めてゆく決意だ」と語った。

<行使可能な場所を限定せず>
歴代政権は集団的自衛権について、日本も国際法上は権利を有しているものの、憲法が行使を認めていないとの立場を取ってきた。そのため行使容認には憲法の解釈変更ではなく、改正をする必要があるとの批判もある。柳澤協二・元内閣官房副長官補は「きちんとした手続きと国民のコンセンサスがないと、自衛隊は命令を受けて安心して行動できない。次の政権でまた(解釈が)変わるかも知れない」と話す。

しかし今回の報告書は、過去に個別的自衛権も憲法解釈の変更で認められたと指摘。必要最小限の自衛権に集団的自衛権が含まれるという判断は「政府が適切な形で新しい解釈を明らかにすることによって可能であり、憲法改正が必要という指摘は当たらない」とした。

集団的自衛権の行使に当たっては、1)密接な関係にある国が攻撃を受ける、2)放置すれば日本の安全に重大な影響を及ぼす、3)攻撃を受けた国からの明示的な支援要請がある、4)政府が総合的に判断する、5)事前または事後に国会承認を得る、6)第三国の領域を通過する場合、当該国の同意を得る──という要件を課した。だが、地域は限定せず、対象国も明示しなかった。

<日米ガイドラインへの反映目指す>
このほか報告書は、これまで警察権の行使で対応してきたグレーゾーン事態について「侵害を排除する自衛隊の必要最小限度の行動は、憲法上容認されるべき」と提言。武力行使を伴う集団安全保障の参加については、「わが国が当事国である国際紛争を解決する手段としての行使には当たらず、憲法上の制約はないと解釈すべき」とした。

安倍首相は今夕に会見し、政府としての考え方を説明する。来週から与党が協議に入る。

ただ、公明党はかねてから慎重な姿勢を示してきた。山口那津男代表は4月下旬のロイターとのインタビューで「集団的自衛権は煎じ詰めれば海外で武力を使うこと。国の有り様、国民の生き方を変える。慎重に議論する必要がある」と述べている。

政府は今年末までに見直す予定の日米防衛協力の指針(ガイドライン)に集団的自衛権を反映させ、自衛隊と米軍の関係を強化したい意向だ。

実際に自衛隊を動かすには10本以上の法案を秋の臨時国会で成立させなくてはならず、そのためには6月22日の国会会期末か、遅くとも7月までに憲法解釈の変更を閣議決定して行使容認を決めたいと考えている。

*情報を追加しました。
(久保信博 取材協力:竹中清、リンダ・シーグ 編集:田巻一彦)

日貨排斥から華貨排斥へ

2013年11月頃の防空識別圏の有名無実化で尖閣諸島を巡る攻防戦にひとまず決着が着いた。筆者は、これで中国共産党の主攻方面は朝鮮半島に移る、もしくは少なくともそのように偽装されると考えていたが、豈図らんや南シナ海とインドシナ半島に移った。ASEANから支那の資本が逃げ、支那本土から日本の資本が逃げるという経済のナショナリズム化も進行している。その利害調整の局面に、外国資本に対する排撃が象徴的な形で起きるのも分かる。

またしても中国共産党は、自らのナショナリズムを鼓舞した結果、相手のナショナリズムも煽ることになった。尖閣諸島における稚拙な行動が第2次安倍政権誕生の一助となったと分かっていても、経済成長が著しい不均衡と非効率を産みだした現在、イデオロギーとしての共産主義に頼ることができない。もはやナショナリズム(もしくは華夷秩序や冊封体制の復活)しか選択肢がない。

こうして尖閣諸島のときと攻守逆転したが、日系メーカーや台湾系メーカーの工場も被害を受けた。

台湾側が被害を逃れようとする「私は台湾人です」というステッカーには切実さと滑稽さが同居しているが、両岸サービス貿易協定への反対がギリギリのタイミングだったことを証明している。中国人がこのステッカーを貼って偽装するのが目に浮かぶが、現在の便衣兵のようなものだろう。一方、台湾人は自らのアイデンティティを支那由来から止揚統一した形で模索しなければならないだろう。

ベトナム中部で反中デモ暴徒化、20人以上が死亡=病院関係者 2014年 05月 15日 19:27 JST ロイター

[ハノイ 15日 ロイター] - ベトナム中部のハティン省で14日夜、反中デモ参加者が暴徒化し、現地の病院関係者によると、ベトナム人5人、中国人とみられる16人が死亡した。 ハティン総合病院の医師は15日、ロイターの電話取材に対し「昨夜、約100人が病院に搬送された。多くは中国人だった。けさもさらに運び込まれている」と語った。

ベトナムでは、中国による南シナ海での石油掘削活動に対する抗議デモが発生。南部の工業団地では、外国企業の工場が放火されるなどしたが、死者が出たとの報告はこれまでなかった。

ただ、地元メディアは死者1人と伝えている。

ベトナムに大規模な投資を行っている台湾の企業グループ、台湾塑膠工業集団(フォルモサ・プラスチック・グループ)は、ハティン省に建設中の製鉄所でベトナム人従業員と中国人従業員が衝突し、製鉄所が放火されたと発表。中国人従業員1人が死亡、90人が負傷したことを明らかにした。

ハティン省の病院に搬送されたのが同社の関係者だったのかは不明。

中国政府はベトナムの反中デモに深刻な懸念を表明。犯罪者の処罰と犠牲者への補償を求めた。中国外務省の報道官は、ベトナム政府が暴動を黙認したと批判している。

*内容を追加しました。


「私は台湾人」明示を 暴動で呼び掛け 2014.5.15 21:57 MSN産経

ベトナム国境に中国軍、「3級戦闘準備態勢」に 2014.5.15 14:26 MSN産経

分断線上に立つナイジェリア

アフリカ大陸での摩擦と紛争の多くは、マグレブ(アラブ系・ムスリム)とサブサハラ(ブラックアフリカ・キリスト教及び土着信仰)の分断線上で起きている。

マグレブ(アラブ系・ムスリム)とサブサハラ(ブラックアフリカ・キリスト教及び土着信仰含む)との識字率の向上と出産率の低下のスピードに時間的な格差が存在することが、これら各地の革命・内戦など政治的混乱の背景となっている。

先んじて識字率の向上と出産率の低下を受けたマグレブで“アラブの春”が起きた。その近因はコモディティのインフレと人口の多い若年層の失業にあり、その遠因はリーマン・ショック以降の米国のドル増刷にあった。オバマ政権は大国としての責務を軽んじて、リビアもシリアも前面に立つのは英仏だった。

フランスに至っては2011年からコートジボワール、ソマリア南部、リビア、マリ北部、コンゴのルワンダ隣接地、遂には中央アフリカにまで軍事介入せざるを得ず、オランド政権は旧植民地における不釣り合いな負担に悩まされている。

アラブの春の波及がこの軍事介入の背景にあるのだが、その背景のさらに根底にはオランド政権のブレーンとなっているエマニュエル・トッドが提唱する“移行期の危機”が存在した。識字率向上と新興勢力の政治的台頭と受胎調整が進むことによって、社会構造が変化したアラブ・中東地域で革命と混乱が起きたのだ。

“移行期の危機”とは、エマニュエル・トッドの云うところでは、伝統と習慣からの脱却を促すと同時に、心理的な当惑と政治的混乱を産み出す。1970年代にオイルマネーによる経済的発展と上からの政治的改革を進めていたパーレビ朝のイランを打倒したイスラム革命が典型的な例だ。

これからはブラックアフリカでも、経済的発展に先んじた地域から“移行期の危機”が起こり、心理的な当惑と政治的混乱の時代が始まって行く。

そのためにオイルマネーで潤い、アフリカ大陸最大の人口を抱え、北部にムスリム、南部にキリスト教及び土着信仰と分かれるナイジェリアでイスラム教過激派のテロが起きているのだ。

ナイジェリア拉致、過激派が女子生徒と拘束メンバーの交換要求 2014年 05月 13日 07:34 JST ロイター

[マイドゥグリ(ナイジェリア) 12日 ロイター] - ナイジェリア北東部で先月、女子生徒200人以上がイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」に拉致された事件で、同組織のリーダーが、当局に拘束されているメンバーとの交換をビデオ映像で要求した。

ビデオはユーチューブに投稿されたもので、ベールをかぶった少女約100人が、祈りをささげている様子も映っている。撮影場所は不明。

イスラム国家の樹立を求めるボコ・ハラムは4月14日、同国北東部チボクの学校で、試験を受けていた女子生徒276人を拘束。逃げることのできた生徒もいたが、約200人が行方不明のままとなっている。

ナイジェリア政府当局者は、映像が公開されたことを受け、「政府は少女らの解放に向け、すべての選択肢を検討している」と述べた。

ユーロ圏における独仏協調つづく限り

ベネルクス諸国で見られたデクシアの再度破綻、ネッドカーの1ユーロでの身売り、アルセロール・ミッタルのリストラがフランスにも波及して、ルノーとPSAプジョー・シトロエン、サノフィ・アベンティスのリストラ策発表とそれらに伴う労働争議に発展した。

その後、ルノーは雇用維持を最優先して、昇給の抑制か凍結、労働時間延長、生産量3分の1増加、低価格車と商用車の国内生産回帰を決定。PSAはフランス政府と中国の東風汽車から出資を受けた。さらにアルストムがGEとシーメンスの買収提案を受けている。

ユーロ圏における独仏協調路線は金融と産業両方の基盤から崩されている。これではフランスの移民と婚外子に対する寛容が功を奏して、出生率と人口動態でドイツに優っていても、その生産労働人口が就く職がなくなってしまうか、中間層が減少する。

確かに第1次大戦ではフランス北東部が塹壕戦の前線となり、実に国富の3割が失われ、生産労働人口の10%を失い、10年以上人口が増えなかった。それに比べればマシではあるが、明らかな消耗戦に陥っていることも事実だろう。

フランスとドイツの格差増す見通し 2014年5月12日02:55 JST WSJ日本版 

ユーロ圏の中核をなすフランスとドイツの格差が広がっている。

両国はユーロ圏経済の半分、その人口の44%を占めている。ユーロ圏の成功は両国の繁栄にかかっている。

今週15日発表の1-3月期域内総生産(GDP)は、ドイツ経済が強く成長した一方、フランス経済はほとんど成長せず、危機に見舞われたスペインにまで追い越されたことを示す可能性が高い。さらに悪いことに、オランド大統領が遅ればせながらも認め始めたフランスの低迷は深く根を下ろしている。

およそ10年前、欧州の病人と言われたドイツは経済の総点検に真剣に取り組んだが、フランスはまだ手をつけていない。その結果は、5年ほど前から明らかになり始めた。ドイツ経済の成長率が、近隣諸国よりをはっきり上回りだしたのだ。

フランスよりもはるかに厳しかった09年のリセッション(景気後退)をはさむ2005年以降にドイツ経済は11.6%拡大した。一方、フランスの成長はわずか5.5%だった。そして危機からのフランス経済の回復は、12年にGDPの57%を占めた政府支出の増加によるところが大きい。ドイツでは政府支出の割合は45%だった。

ドイツの失業率は05年初めにピークに達し、現在は5%強と過去最低水準にある。一方、フランスの失業率は10.4%に上昇した。さらに問題は、フランスの労働市場に構造的な悪化の兆しがあることだ。

リーガル&ジェネラル・インベストメント・マネジメントのエコノミスト、ヘタル・メータ氏は、失業率と欠員率の関係を示すべバリッジ曲線が間違った方向にシフトしたと指摘している。フランスでは現在、一定の欠員水準に対する失業率がかつてよりも高い。リーガル&ジェネラルによると、ユーロ圏の4大経済国のなかで、 1990年以降に労働市場の規制を緩めるよりも強化したのはフランスだけだ。

フランス経済は、公的財政の悪化と平行して活力を失っている。95年から10年にかけて、フランスとドイツのGDP対比での公的債務比率は足並みをそろえていた。だが欧州委員会の見通しでは、15年末までにドイツの債務は減少するがフランスはGDP比96.6%まで増加し、公的債務比率に23ポイントの差が出る。

ドイツ政府の財政が均衡している一方、欧州委員会はフランス政府に対しさらに財政緊縮を求めざるを得ないかもしれない。新たな厳しい財政規律の順守をユーロ圏がどれだけ強くフランスに迫ることができるかが、危機後のユーロ圏の構造にとって重要な試金石になるだろう。

フランス国債のドイツ国債に対するスプレッド(利回り差)は、オランド大統領にとって有利な方向に動いてきた指標の一つだ。だが、フランス国債への信用は、欧州中央銀行(ECB)の取り組みやフランス国債の需要を支えしてきた強いテクニカルな要因によるところが大きい可能性が高い。

オランド大統領は歳出削減と減税を公約するなど、問題の大きさを認識し始めたようだ。それでも、フランスは今後数カ月で、ドイツにさらに遅れるばかりか、スペインやイタリアにも後れをとり始めるかもしれない。問題の深刻さからみて、フランス経済を立直すには財政改革だけでは足りないだろう。

21世紀のプロレタリア革命前夜

浙江省と江蘇省などにある中小製造業、これら健全なイノベーションを起こしうる民間セクターが失われると、国家と国有企業のセクターしか残らなくなる。と、同時に中間層育成の根幹が失われ、富裕層と貧困層だけが残る。

現在、中国共産党は3億人を農村から都市に移住させようとしているが、製造業の維持と社会保障政策が伴わなければ、勃興しつつある都市部の中間層が農村戸籍の大移動に飲み込まれ、第三世界の極端な冨の格差にあえぐ都市ができるばかりだろう。

都市部の中間層の運命が支那の未来を決定づけることになる。

その理由だが、資本主義化のみという限定的な近代化を終えた中国共産党は、党幹部家族とそれ以外の人民に分裂して、21世紀の世界にブルジョワジーとプロレタリアートの二項対立を作り出した。

プロレタリア革命はブルジョワ革命の後に起きるというマルクスとレーニンの主義主張、また充分に中間層が育成された国家、特に議会制度が整った西欧では社会民主主義は隆盛しても共産主義の伸長は抑えられてしまう、とトロツキーが喝破したことが正しいならば、逆説的に中共はプロレタリア革命の条件が整った、と云える。

トロツキーの思想から、ボリシェヴィキは二月革命のあと、十月革命を強行した。ボリシェヴィキは、自らの少数派としての恐怖を抱えたまま、ロシア内戦やホロドモール、大粛清を行なった。この革命の道程は、中国共産党の国共内戦や大躍進、文化大革命に重なる。

21世紀のロシアが脱共産主義の過程でマフィアと資本主義が癒着しているように、支那は市場主義経済導入の過程で汚職と資本主義が癒着して、それぞれ自国の資本主義のモデルを確立できず、グローバリゼーションの反転に伴い、一部は近代化した社会、一部は伝統回帰する社会が渾然一体となりながら、両国は欧米と日本に対峙し始めている。

アングル:中国の富裕都市に忍び寄る「デフォルト連鎖」 2014年 04月 30日 11:13 JST ロイター

[上海 28日 ロイター] - 中国・上海から南に約175キロに位置する浙江省杭州市。主要工業地帯の長江デルタにあり、経済の成長エンジンの役割を担ってきた。しかし今では、同国の不良債権の3分の1の発生源にもなっている。

中国メディアの報道によれば、杭州市の鉄鋼および繊維メーカーの間では、一部会社の債務不履行によって健全な企業にしわ寄せが及びつつあり、信用危機が起きつつあるという。

中国政府は、杭州市の萧山区を同国で7番目に裕福な地区と位置付けているが、繁栄の原動力の1つだった中小企業は、今や同市の足かせとなっている。企業の借り入れを容易にするための相互の融資保証ネットワークが、新たなデフォルト(債務不履行)危機を引き起こしつつある。

中国紡織工業協会のロバート・ヤン氏は「繊維業界は銀行にとって大きな借り手ではない。相互保証が悪化し、繊維メーカーが引きずり込まれているというのが現状だ」と語る。

中国企業の債務拡大は世界的な金融危機発生後から懸念されていたが、当局が市場の役割を拡大させる方向に舵を切ったことで、今年に入ってから一層問題視されるようになった。

中国では、民間企業が国有銀行からの融資に苦労することは珍しくない。こうした傾向は、経済減速や信用状況の悪化、当局による過剰設備解消への取り組みによって一段と強まっている。

萧山区の鉄鋼・繊維メーカーは長江デルタの他の民間企業と同様、こうしたハードルを乗り越えるため、銀行から融資を受けるために相互に債務保証を行ってきた。

こうした相互保証により、一部企業の債務不履行が黒字企業をも巻き込む連鎖反応につながる恐れがある。

浙江省の銀行業監督管理委員会は今年2月、同省の経済構造調整は危機的な段階にあり、相互保証によって引き起こされるリスクはかなり大きいと警告した。

<相互保証>

第一財経日報は、非上場のポリエステル糸メーカーのHangzhou Jianjie Chemical Fiberが最近、同社が債務保証した別の繊維メーカーがデフォルトしたことで破産を余儀なくされたと伝えた。

報道によると、Jianjieの破綻は別の繊維メーカー5社に影響を及ぼし、合計で30億元(約490億円)の融資が危機にさらされているという。

萧山区の銀行と企業の仲介役を務める団体のディレクター、Zhu Rujiang氏は同紙に対し、Jianjieが破綻した後、相互保証をしていた企業はさらに債務を引き受けざるを得なくなったと指摘。「まだ債務に対処でき、会社の存続に影響はないだろうが、銀行が融資を引き上げないことが主な前提条件だ」と述べた。

Zhu氏はロイターの電話取材に対し、コメントを差し控えた。

また同紙は、鉄鋼メーカーのHangzhou Zhongxin Steel Structure Manufactureが廃業し、12億元の銀行融資を他の4社が背負う可能性があると伝えている。Zhongxinのウェブサイトはすでにアクセス不能になっている。

浙江省のもう1つの富裕都市である温州で中小企業連合の副会長を務めるZhou Dewen氏は、「相互保証がもたらす危機は非常に深刻。良い解決策が見当たらない」と語った。

(Gabriel Wildau記者、翻訳:伊藤典子、編集:宮井伸明)


〔焦点〕丸紅の中国事業に度重なる困難、前進しか選択肢あり得ず 2014年 05月 12日 17:26 JST ロイター

[東京/北京 12日 ロイター] - 丸紅 の中国事業が苦境に陥っている。事業拡大に向けて米穀物大手ガビロンを買収して1年。大豆販売をめぐる契約不履行(デフォルト)や、脱税の疑いで調査を受けるなど度重なる困難に直面している。

中国向けの穀物輸出業者として最大手となる丸紅には、大豆契約で柔軟な条件を提示するといった積極的な拡大策が裏目に出たとの指摘がある。また、中国国有穀物会社の中糧集団(COFCO)が独自の商社を構築しており、近いうちに丸紅を脅かす可能性もある。

丸紅の広報担当者は、中国は最重要市場の1つであり、安定的な供給を確保するものだと説明した。同社は中国が輸入する大豆のうち、4分の1を供給している。

中国の輸入業者はこのほど、少なくとも50万トンの大豆貨物についてデフォルトを起こしたほか、20件超の大豆貨物についてもデフォルトの恐れがあるとしている。

丸紅の国分文也社長は9日、3月下旬と4月上旬に中国の輸入業者が3件の大豆貨物についてデフォルトを起こしたと明らかにした。

匿名を希望した丸紅関係者によると、中国の穀物市場で事業を展開している全ての企業は、信用収縮やマージン悪化、飼料用穀物需要の落ち込みという「最悪の事態」に直面したという。

<少ない保証金>
コモディティ輸出業者は通常、信用状(LC)の発行を受けてから輸出を開始するが、一部商社は特に優良顧客向けに要件を緩和している。

丸紅関係者によると、市場環境悪化により、当初は中国向けを予定していた一部貨物船が行き先変更を余儀なくされたほか、信用状の受け取りが遅れているため、ブラジルに係留されたその他の貨物船について積み込みが一時停止しているという。中国ではガビロン、コロンビア・グレイン・トレーディングの名前で事業を展開している丸紅は、過剰なリスクは負っていないとしている。

国分社長は、信用状なしの大豆貨物向けエクスポージャーは縮小しているとした。

中国・山東省にある丸紅の主要取引相手の幹部によると、丸紅現地法人は保証金を得られた貨物について輸出していたが、保証金は少額だという。この幹部は匿名を条件に、丸紅の中国法人は5万5000─6万トン(現在の中国の価格で約4000万ドル相当)の貨物に対し、300万元(48万2000ドル)の保証金を要求していたと明らかにした。

トレーダーらによると、その他のサプライヤーの要求額は貨物1件当たり約1000万元だという。

丸紅の広報担当者は、個別の契約内容についてはコメントできず、条件は顧客の信用力に応じて決まると述べた。

上海神開投資管理の投資マネジャー、ガオ・イェンビン氏は「サプライヤーの中で、丸紅の保証金は最も低い」と指摘。丸紅との契約を破棄しようとする中国の輸入業者は、比較的損失が少ない選択肢として保証金をあきらめているという。

中国市場の重要性や法的執行の困難さを考慮すれば、そうした状況下で国際的な商社が法的な行動や仲裁に訴えることはまれだ。

トレーダーや業界筋によると、中国事業をめぐる丸紅の苦境は中小の輸入業者に注力し過ぎていたことに伴うものだという。中国当局が主導する信用収縮の環境下では、中小企業が真っ先に厳しくなるためだ。

丸紅関係者は、最大手から小規模業者まで取引相手は幅広いとしている。

<社員の拘束>
丸紅は昨年のガビロン買収により、一躍、中国市場における穀物サプライヤーのトップに躍り出た。

コンセプトはシンプルだ。ガビロンの膨大な米州におけるストレージ網と、丸紅のアジア向け輸出能力を組み合わせ、中国にトウモロコシや大豆、小麦を売り込むのが目的。

しかし、中国当局は、中国向け大豆輸出については両社がそれぞれ独立した部門として事業を手掛けることを条件に、丸紅によるガビロン買収を認めた。

また、尖閣諸島(中国名:釣魚島)をめぐる政治的な日中対立が両国の経済関係に波及することへの懸念も高まっている。

中国税関当局は先月、丸紅の中国部門コロンビア・グレイン・トレーディングの社員3人を密輸の疑いで拘束。中国当局はしばしば、脱税も密輸とひとくくりに表すことがある。

丸紅は拘束理由は分からないとしている。

<「中国は中国」>
こうした逆風にもかかわらず、丸紅といった商社が大豆などの輸入大国となった中国を無視することは不可能だ。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券のシニアアナリスト、永野雅幸氏は、彼らは既に多額の資金を穀物事業に投じており、米国や南米からの供給を全て受け入れる財力と需要を持つのはほとんど中国しかいない、と指摘した。

その他のアナリストらは、丸紅の中国事業戦略の重要性を考慮すれば、同事業に何らかの脅威があれば利益に大きな影響を及ぼす可能性があると指摘する。

しかし、丸紅の戦略に詳しい関係筋は匿名を条件に、同社は計画の推進にこだわるだろうと指摘する。「中国は中国だ。中国と取引をするしか選択の余地はない」。

 (James Topham記者、Niu Shuping記者、執筆協力:Aaron Sheldrick in TOKYO, Fayen Wong in BEIJING and Naveen Thukral in SINGAPORE 翻訳:川上健一 編集:佐々木美和)

“対中封じ込め”最後の環としてのロシア

谷内国家安全保障局(NSC)局長とパトルシェフ安全保障会議書記が会談した。外務事務次官を務めた谷内局長は、今年1月7日のNSC発足時に内閣官房参与から内閣に置かれるNSC初代局長に就任。パトルシェフとの会談は3月中旬につづいて2回目となる。

パトルシェフ氏はKGB出身、FSB長官を務めた典型的なシロヴィキである。2012年10月23日に野田政権(当時)の玄葉外相(当時)と会談して、「日本国外務省とロシア連邦安全保障会議事務局との間の覚書」に署名した。プーチンの「側近中の側近」との交渉が、一連の安倍-プーチン会談につながり、日露共同声明に明文化された日露2プラス2の設立、日露講和条約交渉の推進などにもつながっている。

ウクライナ危機の悪化とクリミア併合以降、我が国はG7の一員として対露経済制裁の同調やオバマ大統領訪日を直前に控えた時期の岸田外相の訪露延期などが続き、日露関係は停滞している。5月25日のウクライナ大統領選の結果が判明するまでは、いずれにせよ様子見となる。

首脳及び大臣級の会談は難しいが、次官級の会談は続けられている。対中包囲網の最後の環としてのロシアを選択肢なしに追い込み、中露接近させる訳にはいかない、との認識が第2次安倍政権にあることを願う。

安保局長、ロ大統領側近と会談 2014年 05月 10日 18:25 JST ロイター

国家安全保障会議(NSC)の谷内正太郎国家安全保障局長が5月上旬の大型連休中にロシアを訪れ、パトルシェフ安全保障会議書記とウクライナ情勢などをめぐり会談していたことが分かった。複数の関係者が10日、明らかにした。パトルシェフ氏はプーチン大統領側近として知られる。

 関係者によると、会談は5日に数時間にわたって行われた。谷内氏はウクライナ情勢に関し、先進7カ国(G7)で連携して対処する日本の方針を説明する一方、安倍政権がロシアと対話する姿勢に変わりがないことを伝えたとみられる。北方領土問題など2国間関係も協議したもようだ。

【共同通信】

二度目の停戦合意と国連南スーダン派遣団

昨年の12月15日のクーデター未遂により始まったディンカ(南スーダン政府側)とヌエル(反乱側)両民族による南スーダン内戦は、今年1月23日にエチオピアで停戦合意が結ばれたものの、なし崩しに戦闘が続き、石油利権分配などの和平交渉は行われることはなかった。3月に入ってから戦線は膠着状態に陥り、内戦の焦点は支配地域における両民族間の非人道的な行為の応酬や南スーダン政府の内紛などに移っていた。

そして、ここで再度の停戦合意である。国連南スーダン派遣団(UNMISS)は両勢力を非難していることもあり、今年7月末までのミッションを以って撤退する可能性が出てきた。南スーダン政府はPKO宿営地に難民を保護していることを反乱勢力を囲っていると見ているため、ミッションの継続を望まないだろう。我が国のPKO派遣の根拠法では現地政府の承認がなければ、派遣継続は不可能であり、前の民主党政権が主導した南スーダン派遣は終了する、と考えるのが妥当だ。

停戦合意そのものは、政府軍(SPLA)兵士への給料遅配を起こし、大臣を更迭している政府の弱体化に起因していると思われるが、UNMISSの非難が停戦合意の露払いだったとすれば、ミッションの終了も織り込み済みで、撤退後に内戦激化や人道上の危機が深刻化する怖れもある。

南スーダン、停戦合意 2014年 05月 10日 11:06 JST ロイター

【ナイロビ共同】事実上の内戦状態にある南スーダンのキール大統領は9日、反政府勢力トップのマシャール前副大統領とエチオピアで会談し、あらためて停戦協定に署名した。ロイター通信などが伝えた。協定は双方が署名から24時間以内に戦闘を停止するよう求めている。

 政府軍とマシャール派の間で昨年12月に戦闘が始まって以降、初めてのトップ同士による直接会談で停戦合意が実現し、約5カ月にわたる南スーダンの混乱が収束に向かう可能性が出てきた。

 ただ、今年1月の停戦合意後も油田地帯の北部ユニティ州などで攻防が激化した。今回の停戦後に同様の事態が避けられるかは不透明。

【共同通信】


南スーダンの戦闘、政府・反政府側の双方に人道に対する罪=国連 2014年 05月 9日 17:09 JST ロイター

[国連 8日 ロイター] - 国連南スーダン派遣団(UNMISS)は8日、南スーダンで約5カ月にわたり続く戦闘について、政府と反政府勢力の双方が人道に対する罪を犯していると非難した。

UNMISSは62ページにわたる報告書を発表し、「病院、教会、モスク、国連施設が攻撃を受けている」と指摘。殺人、レイプ、強制失踪、拘束などの人道に対する罪があったと信じるだけの合理的な根拠があるとした。

同派遣団は民間人の犠牲者数について、正確な数は確認されていないものの、数千人に上る可能性が高いとしている。

南スーダンでは昨年12月、キール大統領を支援する部隊と解任されたマシャール前副大統領を支持する兵士らの間で戦闘が発生。それ以来、大統領派のディンカ族と前副大統領派のヌエル族の対立が激しさを増している。

リベラル州から離れる日系メーカー

トヨタ自動車は米国本部をカリフォルニア州からテキサス州に順次、移転すると発表した。確かに労組なし・法人税安・補助金付きを求める企業とそれに呼応する失業者と州の思惑が合致している。であるにせよ、リベラル的な州から保守的な州へと移転する日系メーカーの動きは、富裕層と貧困層が分断された州から(漸減しているとはいえ未だ)中間層の多い州への移転と見るべきではないか。そして、それはリベラル州に集住する中韓系の移民との取引を避けようとする未来にも繋がりそうだ。

米国のリショアリング(海外から国内への製造業回帰)は、国内におけるリショアリングをも伴っている。以前の2014年1月28日のエントリーなどで繰り返し取り上げてきた。日系メーカーに限らず、建機メーカーのキャタピラーや航空機メーカーのボーイングなども保守的な州に移転したり、移転せずを条件として優遇措置を受けるようになっている。

これら優遇策によって、製造業が残存するか、移転する州では中間層を維持したり、育成したりする機会が与えられる。一方、製造業を失う州では都市と田舎の断層やゲーテッド・コミュニティの成立、最後は自治体の独立によって富裕層と貧困層が分断されていく。市や郡単位で冨の再分配が機能しなければ、その州では全体的にはむしろリベラル的な政治傾向が強まる。この冨の再分配がもうひとつのカギとなる。

ゲーテッド・コミュニティなど貧富による棲み分けについては2013年10月28日のエントリーなどで再三取り上げてきた。

冨の再分配の機会の少ない田舎と冨の再分配の必要性がない富裕層がつくった自治体へは、冨を持たない国内外の住民が移る契機がない。その逆に、州から冨の再分配の機会が与えられているか、熟練労働が求められないサービス業の職が多い貧困層の集住地域には、投資移民を除く一般的な外国人移民は入りやすくなる。

つまり、富裕層と貧困層が分断されている州では民主党支持が強まるのみならず、中韓系の移民も集中する。特に北東部(ニューイングランド)と南部に挟まれて、もともと中道リベラル、宗教的寛容の強かった中部の諸州に集まりやすい。カリフォルニア州やニュージャージー州、ニューヨーク州で慰安婦像設置の政治的動きが起きるのはあながち偶然ではないのだ。そして、中間層向けの製品・サービス提供を得意とする日系メーカーは保守的な州に立地するようになり、米国の社会的分断とその政治的闘争に巻き込まれていく。

【社説】テキサス州に逃げるトヨタ 2014年 5月 05日 14:48 JST WSJ日本版

 今年の施政方針演説で回復を高らかに宣言し、各地を遊説していた米カルフォルニア州のブラウン知事は、先週トヨタ自動車が北米販売の拠点を同州トーランスからテキサス州ダラス近郊のプレイノに移転させると発表したことで冷や水を浴びせられた。トヨタの決断は、米南部の州が商工業面でカリフォルニアを追い越しつつあることを物語っている。

 トヨタは販売の拠点に加え、3000人分の専門職をダラス郊外に移転させ、業務の集約と効率化を図る計画だ。トヨタが1957年に最初の事務所をロサンゼルスに開設したのは、そこがカリフォルニア州南部の主要港に近かったからだ。だが現在、トヨタが米国で販売している車両のほとんどは北米、特に南部で生産されているため、港への距離はあまり重要ではなくなった。

 日産自動車は2006年にトーランスの北にあるガーデナからテネシー州フランクリンへ拠点を移転した。カルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)はテネシー州のコストの安さをその理由に挙げている。テキサス州はトヨタに移転費用の補助として4000万ドル(約41億円)を約束しているが、北米事業を統括するジム・レンツ氏は補助金が動機になったわけではないと強調している。同氏はテキサス州を選んだ理由として、法人に優しいビジネス環境、トヨタの他の事業拠点から近いこと、2つの大きな空港、それに手頃な住宅価格や個人の所得税がかからないことなど生活面での利点を挙げている。

 俯瞰(ふかん)的に見れば、テキサスの経済的な競争力が高まった一方で、カリフォルニアの競争力が落ちてきた構図が浮かび上がる。とりわけエネルギー関連や労働集約型の産業でその傾向が強い。

 まず、米南部の州では労働組合の組成が法律により制限されてきたため、労働コストが安い。テキサスでは労働者のわずか4.8%、テネシーでは6.1%しか労働組合に加入していない。一方、カリフォルニアでは16.4%だ。また南部の不動産価格は安い。土地の開発や利用が制限された規制区域や環境規定が少なく、税率も低い。シンクタンクのタックス・ファンデーションによると、カリフォルニアで課せられる税金は、個人所得税を課さないテネシーやテキサスより50%強多い。カリフォルニアの累進課税の最高税率13.3%は米国で最も高い。

 電気料金も再生可能エネルギーの買い取りを義務化しているカリフォルニアの方が南部よりも約50%高い。ガスについてもガロン当たり70〜80セント、カリフォルニアの方が高い。税率と調合要件が異なるためだ。

 化石燃料への抵抗感を背景に、カリフォルニアの石油生産高は1985年につけたピーク時の半分に落ちた。一方、テキサスの石油生産高はこの3年で2倍になり、収入が増えた。米商務省経済分析局(BEA)によると、最も個人所得の伸びが大きい都市圏のランキングで、テキサス州ミッドランドが3年連続で首位となっている。隣接するオデッサは2年連続で次点だ。2008年から12年の間の個人所得の伸びは、ミッドランドが8.05%、オデッサが6.98%だった。一方、カリフォルニア州サンノゼは4.48%で、ロサンゼルスは1.81%だ。オデッサの3月の失業率は3.2%だったが、サンノゼは6.8%、ロサンゼルスは9.7%だった。

 カリフォルニアの停滞が最も典型的に表れている都市はロサンゼルスだ。冷戦後に航空産業が段階的に縮小されてきた同市はいまだにその落ち込みから回復していない。1990年代以降、労働人口は3.1%減少したが、これはミシガン州デトロイトの2.8%減を上回る。一方でテキサスのダラスやヒューストン、サンアントニオでは同じ期間に50%を上回る伸びを記録した。

 ロサンゼルスの独立系のシンクタンク「ロサンゼルス2020委員会」が昨年発表した報告書によると、1980年から2010年の間に住民数は100万人増えたが、雇用は16万5000件減少した。同委員会はミッキー・カンター氏やグレイ・デービス氏、ヒルダ・ソリス氏など、民主党の重鎮たちが名を連ねている。同市の貧困率は17.6%で、米国のどの主要都市よりも高い。報告書は、同市では「(ブラジルの)サンパウロのような典型的な発展途上の街」でみられる「バーベル」経済が発展したと指摘した。つまり、「所得階層の一番上と一番下が成長し、中間層が年々縮小する」状況だ。

 これは中間層の雇用を生み続ける産業基盤が崩壊したことによる結果だ。2011年に防衛大手ノースロップ・グラマンは同市のセンチュリーシティからバージニア州ウエストフォールズチャーチへ拠点を移転した。軍需大手レイセオンもエルセグンドからテキサス州マッキニーへ宇宙航空事業を移転したばかりだ。

 2011年以降、タイタン・ラボラトリーズやゼリス・ファーマシューティカルズ、スーパーコンダクター・テクノロジーズ、パシフィック・ユニオン・フィナンシャル、メドロジックスを含む二十数社がテキサス州へ移転した。ロクやパンドラ、オラクルといった十数社はテキサス州で事業を拡大した。テクノロジー関連の業界団体が運営する非営利のテクアメリカ・ファンデーションによると、2012年にテキサスから輸出されたハイテク関連製品の輸出高はカリフォルニアのそれを上回った。パナマ運河の拡張が来年完了すれば、カリフォルニアにまだ残っている競争力が一段と低下することになろう。

 シリコンバレーは活況を呈していると指摘する人もいるだろう。確かにその通りだが、成長に沸き立っているわけではない。セントラルバレーでは失業率が13%を超え、南カリフォルニアのインランド・エンパイアでは9.4%、さらにウエストサイドの粋な地区とオレンジ郡を含むロサンゼルス大都市圏では8%だ。一方、テネシー州ナッシュビルの失業率は5.4%で、ダラスは5.3%だ。

 再選を狙っているカリフォルニアのブラウン知事は、同州の中間層の雇用を生み出す企業が逃げ出していることをさほど気にしていないように見える。知事は4月28日、「(同州には)いくつか問題があり、ちょっとした負担や規則、税金が多い」とした上で、「だが、賢明な人間はうまくやっている」と述べた。カリフォルニアの問題はその賢明な人間が、よそに出た方がもっと、うまくやれると判断しているところにある。


参考URL:
アメリカ・韓国人比率ランキング(州別) アメリカ地域ランキング

ウクライナ、その“分かれたる家”

ウクライナに内戦転落の危機が迫り来るなか、歴史上あまたある悲劇的な内戦の事例を想起する。たとえば無辜の犠牲者の葬儀がさらなる憎悪の触媒となっていくニュースを読むと、北アイルランド紛争やレバノン内戦、インティファーダが激化していく契機となった事件と重なってくる。そして住民自決権の観点から、ロシアに制裁を加える当の米国が起こした史上最大の内戦のひとつ、南北戦争にも思いを馳せてみよう。

ウクライナ分裂の危機深まる、21歳看護師が親ロ派の「殉教者」に 2014年 05月 6日 13:32 JST ロイター

下記のロイター電の指すデイトン合意は、確かにボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争を終結させたけれども、実際にはセルビア系のスルプスカ共和国とムスリム(ボシュニャク人)とクロアチア系のボスニア・ヘルツェゴヴィナ連邦という別々の国をひとつの国家と強弁することで外見を取り繕ったものでもあった。確かにこれは領土の一体性保全と住民自決権のジレンマを無理矢理に解決した、とも云える。

アングル:プーチン大統領、当面の成果達成で和らぐ強硬姿勢 2014年 05月 8日 11:59 JST ロイター

11日に住民投票を予定していたウクライナ東部の親ロシア派は、プーチン氏の要請を受け入れると予想されている。

西側諸国と金融市場が最も恐れていたのは、ロシアが北大西洋条約機構(NATO)の見積もりで4万人という規模の軍部隊をウクライナ東部に突入させ、クリミアに続き編入してしまうという事態だった。

プーチン氏にとってそれは当面の選択肢には入っていないもようで、ロシア株は同氏の発言を好感して上昇した。モスクワのある欧米系銀行のトレーダーは「プーチン氏は沈静化を模索しているようで、西側の条件を受け入れるだろう」と述べた。

しかしプーチン氏は弱気になったのだろうか。

彼が挙げた得点としては、ウクライナ東部のドネツク州で「人民共和国」を名乗っている親ロシア派が自らの地位に関してウクライナ政府とほぼ確実に交渉できる態勢になった点が挙げられる。

モスクワの外交政策アナリスト、ウラジミール・フロロフ氏は「(プーチン氏は)住民投票の代わりにウクライナ政府が『ドネツク人民共和国』と対等の立場で交渉を始める可能性を手に入れた」と指摘する。

プーチン氏としては、軍事侵攻をせずに自らウクライナの将来図を描ける可能性が最も大きいのは、ウクライナ政府に東部の親ロシア派と交渉するよう譲歩を迫ることだと考えるかもしれない。

またプーチン氏は、25日のウクライナ大統領選についても比較的融和ムードの発言で妥協を望む姿勢を見せている。

<デートン合意再現狙う>

もっともプーチン氏は、ウクライナ大統領選ではすべての国民の権利が守られる保証がない限り、何も決まらない恐れがあるとくぎを刺し、ロシアが投票結果を受け入れない余地も残している。

フロロフ氏は、プーチン氏がウクライナ政府と親ロシア派の交渉の行き着く先として望んでいるのは、1995年に締結されたボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の和平の枠組みを定めた「デートン合意」の再現だと指摘。デートン合意でボスニア・ヘルツェゴビナが2つに分かれたように、フロロフ氏によるとウクライナも最終的に2つに分裂してしまう可能性もあるという。


UPDATE 1-ウクライナ東部の親ロシア派、住民投票延期の提案を拒否 2014年 05月 8日 23:06 JST ロイター

ウクライナ東部ルガンスクの親ロ派、住民投票の延期拒否=ロシア通信 2014年 05月 8日 20:01 JST ロイター

ウクライナ政府と親ロシア派は「対等な」対話を=プーチン大統領 2014年 05月 8日 20:11 JST ロイター

ロシア軍がウクライナ国境撤退、プーチン氏は住民投票延期を要請 2014年 05月 8日 06:32 JST ロイター

ロシア軍のウクライナ国境撤退、証拠ない=米ホワイトハウス 2014年 05月 8日 03:48 JST ロイター

親ロシア派の住民投票支持なら追加制裁を=ウクライナ大統領候補 2014年 05月 8日 00:30 JST ロイター

ドイツがウクライナ4者合意の経過検証、「問題解決に参加」 2014年 05月 8日 00:19 JST ロイター

ボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争からデイトン合意までの事例を振り返る限り、まさしく国家としてのウクライナは領土の一体性保全と住民自決権のジレンマに呻吟している。住民自決権のみを尊重すれば、クリミア自治共和国の独立もロシア併合も思いのまま、ウクライナ東部3州も同様である。

しかも住民自決権の過度の尊重がもたらす真の脅威とは、住民の流動性の高い連邦国家や異民族の移民を容認する人権擁護の民主国家の予見されうる破滅と分裂にほかならない。地政学的な争いが南シナ海に派生するのみならず、移民流入によって危機を迎えようとする国民国家の将来もがウクライナ一国に懸かっているのだ。

かつてエイブラハム・リンカーンは「合衆国が自由州と奴隷州という“分かれたる家”の状態で立つことは能わず」と演説し、また自由州と奴隷州の妥協の産物である人民主権論の欠陥を指摘した。

州の人民が私有財産としての奴隷を認めるか、認めないかを多数決で決定できるのならば、故意に奴隷制反対者もしくは奴隷制賛成者の一団が移民合戦を繰り返し、優位に立った側がどちらかの制度に朝令暮改できるではないか、と。まさにその結果が、南北戦争前夜の“血のカンザス”だった。

合衆国の大統領が人口比の多い州を総取りすることで勝利できるようにまた過去、1860年の大統領選で奴隷制反対の北部の得票だけで大統領に登壇したリンカーンの例にもあるように、ウクライナからクリミア半島が事実上切り離され、ロシア語話者の比率低下から親露派の大統領当選の芽がなくなっているからこそ、ウクライナ東部3州は実力行使によって発言権を確保しようとしているのだ。さらに複雑なことに、どちらかの出産人口が多ければ、将来においても優位性は絶対ではないことも明らかだ。

当時、合衆国の南北対立を煽った連邦離脱を唱えるファイアイーターと奴隷制即時廃止を唱えるアボリショニズム過激派の姿と行動は、現在のウクライナの民族至上主義者や分離主義者の姿や行動にも反映されているように思える。

ウクライナ東部と連動する南シナ海

訪欧中の安倍首相は「中共は国際社会の懸念」と非難を浴びせ、米国も中共の南シナ海での石油掘削を「挑発的」と牽制する。日米の動きに併せてフィリピンとベトナムは共闘体制を採りながら、中共に攻勢を仕掛ける。

中共の南シナ海での動向は、ロシアのウクライナ東部での動向に左右される。ベトナムは海軍増強に関しては日米のみならずロシア、インドにも協力を仰いでいる。

特にベトナムに潜水艦を供与しつつ、上海協力機構の一員でもあるロシアがウクライナ情勢にかかりきりである状況、また米国がシリア、ウクライナいずれにも軍事力を展開できないながらもフィリピンと軍事協定を締結する状況を見て、云わば前線にあるベトナム・フィリピンと中共の双方が一種の威力偵察を行なっている。それが小競り合いに発展している訳だ。

つまり現時点では、南シナ海での落とし所はウクライナ東部の情勢如何によるということだ。これは悩ましい展開ではある。

南シナ海で緊張高まる、フィリピンが中国船拿捕 2014年 05月 7日 19:29 JST ロイター

タイのインラック首相失職、政府高官人事で違憲判決 2014年 05月 7日 21:36 JST ロイター

ブラックアフリカで援助額をレイズする日中外交

岸田外相はデンマーク~カメルーン~フランスを歴訪し、カメルーンではTICAD V(第5回アフリカ開発会議)の第1回閣僚級フォローアップ会合に出席する。一方、中共は李克強首相がエチオピア~ナイジェリア~アンゴラ~ケニアを歴訪し、世界経済フォーラム・アフリカサミット全体会議ほかに出席する。

フランスが介入するマリ北部と中央アフリカの紛争、独立間もない南スーダンで起きている内戦などアフリカでの武力衝突と貧困・飢餓は絶えないが、一方でブラックアフリカ全体の2000年代の平均成長率は約5%だった。中共は資源エネルギー、市場、移民先、国際的発言力の確保を目論んで、ブラックアフリカでのプレゼンスを高めており、廉価な中国製品と支那人の流入はとどまるところを知らない。

一方で停滞してきたTICAD含む我が国のブラックアフリカ進出は互いの援助額の釣り上げを見る限り、拮抗状態に持って行くにはまだ遠い。

外相、3兆円支援「着実に実施」 2014年 05月 4日 19:46 JST ロイター

【ヤウンデ共同】日本が国連や世界銀行と共催するアフリカ開発会議(TICAD)閣僚級フォローアップ会合が4日(日本時間同)、アフリカ中部カメルーンの首都ヤウンデで開かれた。共同議長の岸田文雄外相は演説で、2013年から5年間で最大約3兆2千億円の資金を官民で拠出する支援策を着実に実施する考えを強調した。

 昨年6月の第5回TICADで安倍晋三首相が表明した支援策の取り組み状況を説明し、履行への決意を示すことで、日本に対する信頼感を高めるのが狙い。アフリカへの200億ドル(約2兆400億円)の融資を打ち出している中国に対抗する思惑もある。

【共同通信】


中国李首相 習近平主席に“対抗” アフリカ4カ国歴訪に出発 2014.05.05 ZAKZAK

 【北京=川越一】中国の李克強首相は4日、エチオピア、ナイジェリア、アンゴラ、ケニアのアフリカ4カ国訪問に向け、北京を出発した。李氏のアフリカ訪問は昨年3月の首相就任以来、初めて。経済政策の主導権を習近平国家主席に奪われつつある李氏が、独自色を打ち出せるか注目される。

 李氏は最初の訪問国エチオピアでは、中国の援助により建設されたアフリカ連合(AU)本部を、中国の首相として初めて訪れる。ナイジェリアでは、世界経済フォーラム(WEF)アフリカサミット全体会議に出席し、中国とアフリカの互恵協力関係の強化や、共同発展をテーマに演説する予定だ。また、訪問先の各国で首脳と会談する。

 今回の李氏のアフリカ訪問について、中国外務省は、1963年末から64年初めにかけて、周恩来元首相が中国の国家指導者としてアフリカを初めて公式訪問してから50年の節目に当たるとして、その重要性を強調している。

 アフリカ諸国との貿易や投資の拡大が最大のテーマとなるが、中国では昨年末、習氏が内政や金融、司法など各分野の総合改革を進めるために新設された「全面改革指導小組」の組長に就任。本来、李氏が担うべき経済分野の実務にまで手を伸ばそうとしている。アフリカ政策でも、李氏が「改革」を断行できる余地は少ないとみられる。

 資源確保や新興国陣営の結束強化のために、経済力を利用してアフリカ諸国の取り込みを目指す中国に対しては、欧米諸国はもとより、アフリカ諸国の間でも「新植民地主義」との批判が絶えない。今回も中国が大規模な支援策を打ち出せば、批判が再燃する可能性が強い。

 中国共産党機関紙、人民日報傘下の国際情報紙、環球時報によると、李氏はアフリカのメディアに対し、「多くのアフリカ諸国と同様、中国はかつて外国に侵略され、植民地支配を受けた。『自分がされたくないことは、他者にしない』というのは、中国文明における重要な考えだ」と強調したという。

 中国は、今年1月に安倍晋三首相がエチオピアなどアフリカ3カ国を訪問し、同地域への積極的な関与を表明した日本の動きにも神経をとがらせており、「新植民地主義」を否定する過程で歴史問題を持ち出し、対日批判を展開することが懸念される。


中国、アフリカに120億ドル以上の追加支援を表明=新華社 2014年 05月 5日 21:40 JST ロイター

[北京 5日 ロイター] - 新華社によると、中国の李克強首相は5日、アフリカに対する総額120億ドル以上の追加支援を発表した。また、高速鉄道の開発に向けた技術協力も表明した。

李首相はエチオピアの首都アディスアベバのアフリカ連合本部で演説を行い、新たな支援を明らかにした。

新華社によると、中国はアフリカに対するクレジットラインを100億ドル、中国アフリカ開発基金を20億ドル、それぞれ増額する。同基金はこの結果、50億ドル規模となった。支援の時期について詳細は明らかになっていない。

李首相はまた、アフリカ諸国の首都を高速鉄道ですべてつなげるという理想を追求するために、中国はアフリカと協力する用意があると語った。

また、野生生物の保護のために1億ドルの援助を実施するとした。

李首相によるアフリカ訪問は昨年の首相就任以来初めて。

政官財一体のセールス外交と価値観外交

東芝は英国の原発発電会社ニュージェンに、子会社のウェスティングハウス製の加圧水型原子炉3基を納入するため、直接ニュージェンを買収(60%の株式取得)する。納入後はニュージェンの株式を売却する意向。同様に日立製作所も英国のホライズン・ニュークリア・パワーを買収、納入後は株式を売却するスキームを方針としている。

英国企業単体では最早、自国内の老朽インフラを再構築する能力が失われているのは云わずもがなだが。

と、述べた2014年1月14日のエントリーの続報となる。

欧州各国(ドイツ~英国~ポルトガル~スペイン~フランス~ベルギー)歴訪中の安倍首相は、英国で日立製作所が納入した鉄道に試乗して、ロンドン・オリンピック会場を視察。また両国間の原子力に関する協力関係を強化するイベントに出席した。第2次安倍政権のインフラ輸出に対する民間企業へバックアップがよく分かる。政官財一体のセールス外交は“自由と繁栄の弧”などの価値観外交によってより強力になりつつある。

東芝と仏GDFスエズ、英原発建設地の使用契約で当局と基本合意 2014年 05月 2日 06:19 JST ロイター

[ロンドン 1日 ロイター] - 東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)と仏電力会社GDFスエズ(GSZ.PA: 株価, 企業情報, レポート)は、英北部ムーアサイドの原発建設計画をめぐり、建設予定地の使用契約で英原子力廃止措置機構(NDA)と基本合意した。

東芝は1月、スペインの電力会社イベルドローラ(IBE.MC: 株価, 企業情報, レポート)とスエズの合弁会社である英原子力発電事業会社ニュージェンの株式60%を1億0200万ポンドで取得すると発表した。

東芝が出資する以前にニュージェンが締結した建設予定地の使用契約は、近く期限を迎える。そのため東芝、GDFスエズは契約を更新する必要があり、今回の基本合意に至った。

英国は既存原発の老朽化が進んでおり、刷新する必要がある。

日本勢では東芝のほか、日立製作所(6501.T: 株価, ニュース, レポート)も英国で原発建設を進めており、英国の原発政策で日本は欠かせないパートナーとなっている。

英首相府は「ムーアサイド原発への投資で進展が見られたことを首相は歓迎している」とコメントした。キャメロン首相は1日、ロンドンで安倍晋三首相と首脳会談を行った。


焦点:フランスに迫る「原子力の崖」と「投資の壁」 2014年 05月 1日 16:36 JST ロイター

参考URL:
安倍総理大臣の原子力協力イベント参加 平成26年5月1日 外務省

安倍総理大臣の日立ジャベリン電車への試乗 平成26年5月2日 外務省

トロピカル・デコの眩しさに陰影は消えて

マイアミビーチやマイアミの富の再分配が円滑に進まないのは、沖縄と同じような経済構造だからではないかと邪推するが、パステルカラーに彩られたオールド・マイアミ・ビーチのアール・デコ建築を見ていると、現実の物悲しさが見えなくなってしまう。

1960年代に開発されたマイアミ・ビーチの北側に対して、1930年代から1940年代に開発された南側はオールド・マイアミ・ビーチと呼ばれ、連邦政府から史跡指定を受けている米国唯一のアール・デコ・ディストリクトとなっている。

1980年代に再評価が進んだアール・デコ建築群は、外壁を真白に塗り直され、壁を飾る数々のモチーフ(フラミンゴやペリカン、熱帯魚やイルカなど)も息を吹き返し、ルーフラインや日差しをよけるアイブロウと呼ばれるひさしにはペパーミントグリーン、パープル、イエローがアクセントを付け、レストアされた。

トロピカル・デコとも云われる南国独特なアール・デコ様式がポスト・モダン的に生まれ変わったこの頃、同時に『マイアミ・バイス』(1984年~1989年)が放映されたことも下記の記事を読むと趣深い。

不動産投機家に翻弄されるマイアミ-貧困層生活費1日1100円 2014/05/02 13:01 JST ブルームバーグ

5月2日(ブルームバーグ):10数人の顧客を乗せた豪華バスが建設現場を通り過ぎる。米マイアミの不動産コンサルタント、ピーター・ザレウスキー氏はこの地域にある高層ビル50カ所の名前をすらすらと口にした。これらの高層ビルはベネズエラや香港、アルゼンチンからの投資資金で建設されている。

建設現場から数ブロック離れた場所では、住民の生活費は1日11ドル(約1100円)だ。1920年代から不動産投機家に翻弄(ほんろう)されてきたマイアミが、新たな不動産ブームに沸いている。最近の資本流入により、マイアミでは所得格差が拡大している。同市の富の分配の現状は最も工業化の進んだ米国よりもむしろ途上国に類似している。

「マイアミは中南米への入り口ではないが、経済面から見た人口動態は中南米と同じだ」。ホームレスと保険に未加入の患者らを25年間にわたって診察し、市民に贈られる最高位の勲章である大統領自由勲章を2009年に受章したペドロ・グリーア医師はそう語る。「われわれが診察している家庭の7割は年収が2万5000ドルに満たない」。

所得分配の不平等を測る指標であるジニ係数では、マイアミは米国の都市のうちアトランタとニューオーリンズに次ぎ3位。ブエノスアイレスやリオデジャネイロを上回り、メキシコ市と同水準だ。ファストフード店の従業員のより高い賃金の職種への移行に関するブルームバーグの分析によれば、マイアミの低所得労働者は、賃金のより高い職種への移行が米国の都市で最も困難となっている。

一方で、英コンサルティング会社ナイト・フランクの14年のリポートによれば、富裕層投資家にとって重要性の高い都市のランキングでマイアミはドバイやパリ、北京を抜き7位に入っている。

原題:Miami’s Poor Live on $11 a Day as Boom Widens Wealth Gap:Cities(抜粋)

暴動から内乱へのエスカレーション

ウクライナ危機の基本的な構図は変わっていないが、事態は点から面に拡がりつつあり、散発的な暴動から組織的な内乱へとエスカレーションしている。キエフの暫定政権に対する政権がハリコフ、ドネツク、ルガンスクの東部3州に発足した場合、内戦と考えて差し支えないだろう。

基本的構図を振り返ると、米国政府の経済制裁によって米国企業からの資本流入が先細リ、ロシアの経済成長が鈍化する。一方、ロシアは天然ガスパイプライン供給を絞る可能性を見せ、ドイツを始めとする欧州各国は本格的な制裁には及び腰。

ウクライナ国内は東部3州にとどまらず、ルーマニアとモルドバに隣接するオデッサ州でも親露派と暫定政権支持派の対決が始まった。両者を援助するロシア連邦保安庁(FSB)とウクライナ保安庁(SBU)の戦いにもなっている。

米大手銀がロシア向けエクスポージャー縮小、西側の制裁受け 2014年 05月 3日 08:45 JST ロイター

米独首脳、ウクライナ統領選が対ロ追加制裁発動期限との認識で一致 2014年 05月 3日 08:25 JST ロイター

死者4人・建物に放火も、ウクライナ南部オデッサの衝突で 2014年 05月 3日 04:10 JST ロイター

親ロ派がウクライナ軍ヘリ撃墜、4者合意履行危機に 2014年 05月 3日 03:13 JST ロイター

ロシア工作員のウクライナ国境越え、事実でない=イタルタス 2014年 05月 3日 03:01 JST ロイター

ロシア主要産業に制裁の用意=メルケル独首相 2014年 05月 3日 02:55 JST ロイター

ロシア、ウクライナへのガス供給減らす可能性 2014年 05月 3日 02:22 JST ロイター

東部3州はウクライナから離れた

ウクライナ暫定政権の大統領は東部3州が政府の支配下にないことを認めた。ウクライナの警察と治安部隊は、分離主義者の親露派勢力に反抗できないばかりか、同調さえしている。

Ukrainian president says security forces ‘helpless’ to stop separatists’ spread April 30 The Washington Post

ロシア大統領:ウクライナは東部の部隊撤収を-占拠広がる 2014/05/02 11:04 JST ブルームバーグ

ウクライナのトゥルチノフ大統領代行は4月30日に首都キエフで、政府が東部のドネツク市で事態をコントロールできていないと述べた。米国と欧州連合(EU)はロシアがウクライナでの混乱を扇動していると非難。ウクライナへの総額170億ドル(約1兆7400億円)の救済融資を承認したIMFはその翌日の1日、状況が悪化した場合、「救済プログラムの大幅な再調整」が必要になる可能性があると報告書で指摘した。

■混乱長期化なら追加支援必要
IMFの事務方は電子メールで送付した同報告書で、「ロシアとの関係悪化の長期化で輸出や投資、成長が落ち込み、あるいは東部での経済統制の喪失が歳入減につながった場合」、さらなる金融支援が必要になるだろうと記した。IMFによると、ウクライナの東部3地域は昨年の鉱工業生産の3割を占めた。


上記のブルームバーグ電には、ウクライナの東部3州でウクライナの鉱工業生産の3割を占めると書いてある。この地域がロシアの事実上の支配下に入ることで、中国共産党への武器輸出もロシアの管理下に置かれることは我が国にとっての利益である。我が国はウクライナがデフォルトしない程度に紐付きのODAを供与すべきだろう。
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