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第4次コアビタシオンへの道

以前の2014年5月13日のエントリーでは、

ユーロ圏における独仏協調路線は金融と産業両方の基盤から崩されている。これではフランスの移民と婚外子に対する寛容が功を奏して、出生率と人口動態でドイツに優っていても、その生産労働人口が就く職がなくなってしまうか、中間層が減少する。

確かに第1次大戦ではフランス北東部が塹壕戦の前線となり、実に国富の3割が失われ、生産労働人口の10%を失い、10年以上人口が増えなかった。それに比べればマシではあるが、明らかな消耗戦に陥っていることも事実だろう。

と、述べた。

また2014年6月7日のエントリーで触れたように、米国もフランスにたたみ掛けている。

オバマ政権は、BNPパリバがスーダン、イラン、キューバなどと取引したことで罰金を100億ドル課そうとしている。これはJPモルガン・チェースが昨年、住宅ローン担保証券(MBS)問題で支払った130億ドルに匹敵する。さらにロシアに輸出される2隻の強襲揚陸艦(12億ユーロ)に対しても、非難を浴びせている。おそらくは無頓着なのだろうが、これはフランスの政官財一体のビジネスモデルを破壊する所業である。

と、いったように。こうした状況下での統一地方選、欧州議会選での敗北は自明の理だった。かくて上院選もまた。

野党右派勢力が過半数制す 極右国民戦線も初の議席確保 2014.9.29 21:34 MSN産経

【ベルリン=宮下日出男】フランス上院(定数348)議員選挙が28日実施され、即日開票の結果、最大野党で保守系の国民運動連合(UMP)など右派勢力が非改選議席と合わせて過半数を制した。極右政党の国民戦線(FN)は上院で初の2議席を獲得した。オランド大統領には打撃となりそうだ。

 左派勢力は3月の統一地方選、5月の欧州連合(EU)欧州議会選に続く3連敗。法案の最終議決権は過半数を保つ下院にあり、政権運営への影響は限定的ともされるが、支持率が10%台に低迷中のオランド氏を取り巻く環境が厳しさを増すことは必至だ。

 一方、過去最悪水準の失業率が続くなか、反EUや反移民を掲げるFNは地方選での躍進、欧州議会での国内首位獲得に続いて勢いがあることを示した。FNのルペン党首は「期待以上の結果。われわれの考え方は日増しに国民に受け入れられている」と強調した。

 上院は任期6年で3年ごとに、地方議員らによる間接選挙で半数の議席が改選される。仏メディアが報じた暫定集計では、右派は非改選を含めて計188議席を確保する一方、左派は155議席にとどまった。


地中海の移民死者3千人超 今年1~9月、急増傾向 2014.9.30 00:25 MSN産経

 国際移住機関(IOM)は29日、地中海で今年1~9月に密航船の沈没などで死亡した移民が3072人に上ったとみられるとの報告書を発表した。

 最近で特に多かったのは「アラブの春」が起きた2011年の推定1500人だったが、今年は2倍に達した。IOMは、死者が急増傾向にあるとして警戒を強めている。

 シリア内戦の激化やアフリカ諸国の政情不安に伴い、中東やアフリカからイタリアやギリシャなどに渡る難民や移民が増加している。(共同)


そして、マグレブからサブサハラにかけての軍事介入も難民流入に対しては一向に功を奏していない。フランスにとって、リビア内戦以降の軍事介入には人道的正義の追求と国益確保の双方が懸かっている。

難民の増加は、失業者の増加と財政負担の増加と社会不安・不満の増加に直結するからだ。議会で右派と極右が台頭するのは当然の帰結といえる。右派・国民運動連合の首相を据えるコアビタシオンも視野に入ってきた。
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バンダルアッバス港は真珠の首飾りのひとつか?

イランと6カ国(米英仏独露中)の核協議が延期された7月中旬からイランリアルは対ドルで下がり続け、「イスラム国(ISIS)」空爆が始まった8月上旬にようやく一服した感がある。1ドル=約25,400リアルから1ドル=約26,600リアルまで安くなった。

制裁措置の厳しくなった2012年10月~12月の時点では、わずか1週間の間に対ドルでリアルが30%近く下落する局面もあった。

通貨の動きを見る限り、イランとしては米露対立・米中対立を利用するよりも「イスラム国(ISIS)」をめぐるアラブ・中東の利害関係の再編から対米関係を再構築した方が効率的と思われる。

なぜならイランと中共の協力も現時点ではほとんど実効性を持たないからだ。中共はバンダルアッバス港を確保するだけの経済協力をこれから行わなくてはならないが、バブル崩壊とそれに伴う社会混乱に直面している。イランの外貨獲得の要である原油輸出は中国と韓国の輸入増に支えられてきた側面がある。

しかし、中韓が日米のサプライチェーンから外されていく過程で輸出量自体減少しかねない。未だバンダルアッバス港は真珠の首飾りのひとつとはなっていない。

コラム:中国艦隊のイラン初寄港、対米戦略で「布石」 2014年 09月 24日 18:13 JST ロイター

John Kemp

[ロンドン 22日 ロイター] - イラン海軍の拠点であり、戦略的に重要なホルムズ海峡に面する港湾都市バンダル・アッバース。そこに現在、中国の海軍艦艇2隻が親善訪問しており、両国の友好関係の強化を浮き彫りにしている。

中国人民解放軍海軍の艦艇が、イランに寄港するのはこれが初めて。中国とイランが、アジアの主要なエネルギー消費国とペルシャ湾の油田をつなぐ海上交通路で、米国の影響力に対抗しようとしている姿がうかがえる。

中国のミサイル駆逐艦「長春」とフリゲート艦「常州」の火力は、バーレーンに司令部を置く米海軍第5艦隊のそれにはかなわない。だが、両艦のイラン寄港で、中国海軍が初めてペルシャ湾海域に進入したことの意味は誰にとっても明らかだろう。

イランにとって今回の寄港は、中国やロシアとの関係強化を通じ、欧米から課されている制裁による孤立から脱却する戦略の一環だと言える。中国とロシアは、イランと核交渉を行う国連安保理常任理事国5カ国にドイツを加えた6カ国(P5+1)のメンバーだが、イランとの関係を強化したい意向をはっきりと示している。

イランは核交渉だけでなく、他の未解決の課題でも交渉を有利に進めるため、米国と中ロの対立関係を利用したいと考えている。

一方、中国にとって海軍のイラン親善訪問は、中国の石油消費量の20%以上が供給されるシーレーンを守る包括的戦略の1つとなっている(「Asia’s Oil Supply: Risks and Pragmatic Opportunities」2014年5月)。

<シーレーン保護戦略>

中国海軍は今でも比較的小規模で、部隊の大半は同国の東部沖や南部沖での作戦を主眼とし、その目的は第一列島線までの海域を守ることにある。だが近年、インド洋にも小規模ではあるが艦船を派遣しており、ソマリア沖の海賊対策など広範囲な作戦を展開している。

公海上やホルムズ海峡、マラッカ海峡を通るシーレーンに対する米国の影響力を阻止するには、中国の力はいまだ遠く及ばない。

西側の政治アナリストや軍事アナリストの多くは、一定期間内に中国が米国の海洋支配に対抗できる能力を獲得できるかどうか疑念を持っている。中国は今のところ空母はウクライナから購入した「遼寧」しか持っていないが、米国は現在10隻が就役している。

西側のアナリストらは、中東と東アジア間の輸送ルートをめぐる戦いが起きる可能性は低いとみている。ただ、アジアと中東における米国の影響力に対抗するだけでなく、必要不可欠な供給路と通商路を守ることは、中国の軍トップと政治指導者らにとって最重要課題となっている。

中国の習近平国家主席は、タジキスタン、モルディブ、スリランカ、インドを訪問し、「シルクロード経済ベルト」と「21世紀の海上シルクロード」構想への参加を訴えてきたばかり。これら4カ国は、中国共産党機関紙「人民日報」によれば、「一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀の海上シルクロードの略称)」構想の要所だという。

同紙によると、習主席は「平和と安定と繁栄」、「港湾建設と運営、海洋経済と安全保障」への協力をモルディブとスリランカに約束したという。

要するに中国は、中東へとつながる通商路沿いでインフラと同盟の構築を進めたいということだ。

<米中の戦略的争い>

中国と米国は、広範囲なアジア地域で戦略的な争いを繰り広げている。

米国のデンプシー統合参謀本部議長は8月、ベトナムを訪問。米軍制服組トップの同国訪問は1971年以来となる。米国防総省は公式声明で、ベトナムは中国と東南アジアの間で「戦略地政学的な位置」にあると強調した。

一方、米国も中国の影響力に対抗するため、日本やマレーシア、フィリピンといった同盟国との関係強化に努めており、中国による南シナ海での「不安定化」活動を強く非難している。

米国と中国がともに秋波を送っている国は、大規模な軍事力を保有し、主要な海上交通路が通るインド洋を支配するインドだ。

中国の習主席は最近のインド訪問で、インフラなどに対するさらなる投資と医薬品や農産物の輸入拡大を約束した。

イランのバンダル・アッバースへの中国海軍艦艇の寄港は、アジアでの影響力と通商路の支配をめぐり米中間で高まる競争の1つの要素にすぎない。

両国は同じような言葉を使ってさえいる。中国人民解放軍の機関紙サイト「中国軍網」で、中国海軍の司令官は先の寄港の目的について「平和と友好の促進、互いの理解と信頼の強化、友好関係の強化」と語っている。

一方、デンプシー米統合参謀本部議長はベトナム訪問で「信頼」の重要性を強調、共通の利害に基づいた関係の構築について述べている。米国はベトナム軍と、特に海上保安と警備において関係を強化するとし、「昔の敵が最良の友になることがある」とベトナム側に語ったという。

当分の間、アジアや輸送ルートにおけるパワーバランスは米国の圧倒的有利が続くだろう。しかし、扱いを間違えれば米中の競争は激化し、著しく不安定化を招くことになるだろう。

新しい敵が産み出すダイナミズム

議会承認に伴い、英国空軍はキプロス島にあるアクロティリ空軍基地からトーネード6機を順次、イラク方面の「イスラム国(ISIS)」支配地域に対して空爆することとなったが、最初の出撃では標的を発見できず、そのまま帰還している。

英軍機、初のイラク空爆任務=7時間後、実施せず帰還-イスラム国 2014/09/28-01:22 時事ドットコム

現状の英国の投射戦力を考えれば、昨年8月のシリア内戦介入に際しては米軍単独で空爆を先行させつつ、並行して有志連合結成という選択肢もあったのではないか、と筆者は愚考する。そもそも先月のイラク北部での「イスラム国(ISIS)」空爆は米軍の単独行動であり、これを契機として「イスラム国(ISIS)」に対する有志連合を、という流れになったのだ。

そこで、今回の英国議会における「イスラム国(ISIS)」に対する軍事行動の承認可決のロイター電と昨年のシリア内戦介入に対する軍事行動の承認否決のロイター電を下記に並べてみた。

昨年の時点で英国政府とキャメロン首相の見解は、安保理の圧倒的反対があれば介入は難しいが、決議そのものがなくとも介入は合法的である、というものだった。おそらくは議会を説得できるに足る国益を提示できなかったのが否決の原因だった、と考えられる。

しかし、「イスラム国(ISIS)」に参加する英国籍のムスリムが現れ、英国内でのテロが危惧され、彼らの支配地域で英国人の殺害が起きる事態を受けて、国民の生命と財産を守るために戦わざるを得なくなった。

敵がダイナミズムを有しているときには受け流しながら、反攻の機会を待つのが有効だろう。有志連合の盟主であるオバマ大統領はその点を理解しているのだろうか。

リビアをめぐるNATOとアラブ連盟の不協和音、ムスリム同胞団をめぐるサウジとカタールの対立は新しい敵の前に収束しつつある。また「イスラム国(ISIS)」と敵対していたアルカイダ系のヌスラ戦線に再接近の機運が見られる。空爆を続けることの最初の戦略目標は、双方陣営の再編整理となるだろう。

英議会、「イスラム国」標的の空爆参加を承認 2014年 09月 27日 03:32 JST ロイター

[ロンドン 26日 ロイター] - 英議会は26日、過激派組織「イスラム国」を標的とした米国主導のイラク空爆への参加を賛成524、反対43で承認した。これにより英国は直ちに空軍を投入することが可能になった。

キャメロン首相はイラク政府からの正式要請を受け、イラク空爆参加承認ための議会を召集。空軍はこれを受け、キプロスにトーネードー攻撃機6機を待機させていた。


英議会がシリア軍事介入否決、オバマ政権に打撃 2013年 08月 30日 10:02 JST ロイター

(前略)
ホワイトハウスのヘイデン報道官は声明のなかで「今夜の英議会の採決結果は認識している。米国は英政府と協議を続ける」としている。

報道官はまた「オバマ米大統領は、何が米国にとって最大の利益なのかという点を踏まえて決断を下す。大統領は、米国にとって中核的な利益がかかっていると認識しており、化学兵器使用に関する国際的な規範に違反する諸国は、その責任を負うべきだと考えている」と述べた。

オバマ政権高官は同日午後、シリア情勢について米議会指導部に説明を行う。ケリー国務長官、ヘーゲル国防長官のほか、ライス大統領補佐官(国家安全保障担当)やクラッパー国家情報長官らがブリーフィングを行っている。

キャメロン英首相は29日議会で「(シリアへの軍事介入に)国連安全保障理事会で圧倒的な反対があれば、(英国が軍事行動を)開始することは考えられない」と言明した。また英政府は、国連安全保障理事会の決議が得られなくても、シリアへの軍事攻撃に踏み切ることが合法的であることを示す法的見解を発表していたが、結局、議会の了解をとることができなかった。

(後略)


Isis reconciles with al-Qaida group as Syria air strikes continue Sunday 28 September 2014 17.56 BST The Guardian

Air strikes continued to target Islamic State (Isis) positions near the Kurdish town of Kobani and hubs across north-east Syria on Sunday, as the terror group moved towards a new alliance with Syria’s largest al-Qaida group that could help offset the threat from the air.

Jabhat al-Nusra, which has been at odds with Isis for much of the past year, vowed retaliation for the US-led strikes, the first wave of which a week ago killed scores of its members. Many al-Nusra units in northern Syria appeared to have reconciled with the group, with which it had fought bitterly early this year.

A senior source confirmed that al-Nusra and Isis leaders were now holding war planning meetings. While no deal has yet been formalised, the addition of at least some al-Nusra numbers to Isis would strengthen the group’s ranks and extend its reach at a time when air strikes are crippling its funding sources and slowing its advances in both Syria and Iraq.

Al-Nusra, which has direct ties to al-Qaida’s leader, Ayman al-Zawahiri, called the attacks a “war on Islam” in an audio statement posted over the weekend. A senior al-Nusra figure told the Guardian that 73 members had defected to Isis last Friday alone and that scores more were planning to do so in coming days.

“We are in a long war,” al-Nusra’s spokesman, Abu Firas al-Suri, said on social media platforms. “This war will not end in months nor years, this war could last for decades.”

In the rebel-held north there is a growing resentment among Islamist units of the Syrian opposition that the strikes have done nothing to weaken the Syrian regime. “We have been calling for these sorts of attacks for three years and when they finally come they don’t help us,” said a leader from the Qatari-backed Islamic Front, which groups together Islamic brigades. “People have lost faith. And they’re angry.”British jets flew sorties over Isis positions in Iraq after being ordered into action against the group following a parliamentary vote on Friday.

David Cameron has suggested he might review his decision to confine Britain’s involvement to Iraq alone, but for now the strikes in support of Kurdish civilians and militants in Kobani were being carried out by Arab air forces from Saudi Arabia, Jordan, the UAE and Bahrain.

The US was reported to have carried out at least six strikes in support of Kurdish civilians near the centre of Kobani, where the YPG, the Kurdish militia, is fighting a dogged rearguard campaign against Isis, which is mostly holding its ground despite the aerial attacks.

Kobani is the third-largest Kurdish enclave in Syria, and victory for Isis there is essential to its plans to oust the Kurds from lands where they have lived for several thousand years. Control of the area would give the group a strategic foothold in north-east Syria, which would give it easy access to north-west Iraq.

US-led forces are also believed to have carried out air strikes on three makeshift oil refineries under Isis’s control.

Isis continued to make forays along the western edge of Baghdad, where its members have been active for nine months. The Iraqi capital is being heavily defended by Shia militias, who in many cases have primacy over the Iraqi army, which surrendered the north of the country.

That rout – one of the most spectacular anywhere in modern military history – gave Isis a surge of momentum and it has since seized the border with Syria, menaced Irbil, ousted minorities from the Nineveh plains and threatened the Iraqi government’s hold on the country.

Barack Obama said the intelligence community had not appreciated the scale of the threat or comprehended the weakness of the Iraqi army. In an interview on CBS’s 60 Minutes, he said: “Over the past couple of years, during the chaos of the Syrian civil war, where essentially you have huge swaths of the country that are completely ungoverned, they were able to reconstitute themselves. And so this became ground zero for jihadists around the world.”

ハイブリッドとなるヴィクラント級空母

2013年8月14日のエントリーでは、インドの国産空母ヴィクラント級の1隻目が進水式を行ったことと潜水艦が爆発・炎上した記事を載せた。

その続報となるが、ヴィクラント級空母の艤装などに米国の支援を受けるべく両国間でモディ首相の訪米前調整を進めていることをNHKが伝えている。

インド海軍の空母は英国から購入したヴィラート(旧ハーミーズ)、ロシアから購入したヴィクラマーディティヤ(旧航空重巡洋艦アドミラル・ゴルシコフ)、インドと米国協力によるヴィクラント級と、それぞれの技術が入り乱れることになる。

米 インド海軍の空母建造支援へ 9月23日 4時21分 NHK NEWSweb

アメリカ政府はインドと安全保障分野の協力を強化するため、インド海軍の空母の建造を支援する方向で調整を進めており、海洋進出の動きを活発化させる中国をけん制するねらいがあるとみられます。

インドのモディ首相は、今月29日と30日に就任後初めてアメリカのワシントンを訪れ、オバマ大統領と首脳会談を行う予定です。

複数の外交筋がNHKに明らかにしたところによりますと、アメリカ政府は首脳会談にあわせて安全保障分野での協力をさらに強化するため、インド海軍の空母の建造を部分的に支援する方向で調整を進めているということです。

両政府としては、海洋進出の動きを活発化させる中国をけん制するねらいがあるとみられます。

インドを巡っては、先に安倍総理大臣が日本を訪れたモディ首相と会談し、インド海軍と海上自衛隊の共同訓練を定期的に行うことや、海上自衛隊が導入している日本製の救難飛行艇「US-2」の輸出に向けて、関係当局間の議論を加速させることなどを盛り込んだ共同声明に署名しました。

また、日本とアメリカ、それにインドの3か国は、外相会談の開催に向けて調整を進めており、中国を念頭に3か国で歩調を合わせるかたちで関係強化を図っていく方針です。

■増強急ぐインド海軍
中国が海洋進出の動きを強めるなか、インド政府は2027年までに主な艦艇だけで新たに44隻を建造する計画を進めるなど海軍力の増強を図っています。

インド海軍は去年、ロシア製の空母1隻を購入し、従来のイギリス製の1隻に加えて現在、合わせて2隻の空母を運用しています。

初めての国産の空母も建造中で去年8月に進水式が行われ、今後、指揮所部分の設備などを完成させ2018年の運用開始を目指しています。

インド海軍は2隻目の国産空母の建造も検討しているほか、近く、2隻目となる原子力潜水艦の運用も始める予定です。

インドが海軍力の増強を急ぐ背景には、中国がパキスタンの一部の港湾の管理権を獲得したり、スリランカで、南アジアで最大規模となる港の整備を支援したりするなどパキスタンやスリランカに接近しインド洋で影響力を拡大させていることがあります。

モディ首相は、就任後初めてとなる今年度の予算で国防費を12%余り増やすとともに、安全保障の面でアメリカや日本などとの連携を強化する方針を打ち出しています。

オバマ大統領の『シン・レッド・ライン』

テレンス・マリック監督が『天国の日々』(1978年)以来、20年ぶりにメガホンを取った『シン・レッド・ライン』(The Thin Red Line、1998年)を芸大出身の女子と観に行ったとき、映像美以外に評価するべきところのない観念的な作品だったことに互いに嘆きあったものだ。

原題のThin Red Lineとは、ワーテルローの戦いでナポレオンの兵を撃退した、あの赤いジャケットを着た英国近衛兵の二列横隊の故事によるそうだ。“薄っぺらな二列横隊”の強靭さ振りを讃えたThin Red Lineとオバマ大統領が昨年のシリア内戦介入の是非をめぐって表明した「レッド・ライン」とを比べると、彼の言葉の“薄っぺらさ”にいっそ虚しくなってくる。

約1年前のシリアでは、オバマ大統領自ら表明していたシリア内戦への介入に関する「レッド・ライン」=化学兵器の使用が現実のものとなり、シリア空爆の是非とオバマ大統領の外交的決断が注目された。ところが大統領の動きは鈍かった。

当時の2013年5月2日のエントリーでは、筆者は

オバマ政権は、シリア・アサド政権の化学兵器の使用が軍事介入への段階へと進む「レッド・ライン」としてきた。しかし、たとえサリン使用が証明されても国内は軍事介入に消極的である。

アフガニスタンとイラクへの軍事介入に召集されてきた州兵に拡がる草の根的な徒労感が米国民の内向き志向を促進して、リーマン・ショック以降の軍事予算の削減措置を是としている。皮肉なことにシリア内戦がまさに内戦であるがゆえに米国とその国民の国益に合致しないのだ。

と、述べた。

オバマ政権は、国内では厭戦気分に捕らわれている国民の不支持。国外ではシリアのアサド政権と暫定政権への支持をめぐる欧米とロシアの対立の中にあった。安保理は機能不全に陥り、内戦下の人道上の危機は深まるばかりだった。英国議会のシリア内戦への軍事介入否決も手伝って、オバマ政権は空爆を行わなかった。

そのとき、2013年8月30日のエントリーでは、

均衡を崩す意味合いも化学兵器の使用に込められているだけに、実行者がどちらか判定する必要性は確かにある。常識的にはアサド政権側だろうが。

その場合、安保理決議よりも、NATOとアラブ連盟の判断により軍事介入が行われる可能性が高い。そう、誤解のないように云えば、軍事介入及び個別・集団問わず自衛戦争、国益の及ぶすべての戦争に安保理決議は必須ではない。

むしろシリア内戦に介入するに当たり、米英仏に絶対に退くことの出来ないほどの国益はなく、人道的正義の追求や中小国の権利を守る大国の威信が問われている。米英が躊躇してフランスが先行する、この皮肉たるや“ブッシュ・ドクトリン”からわずか10年しか経ていないことに驚きすら感じられる。

国益こそが戦争の最大のダイナモであるにも関わらず、ここには極言すれば人道と威信しか存在しない。そのために議会制民主主義国家の国民は命を投げ出しうるのか、英国議会の否決は究極において、そこに真意がある。

と、述べた。

結局、リベラルはヒューマニズムのために軍事力を行使することはなかった。それならば、なんのための人道上の「レッド・ライン」であったのか、との疑問は残った。

そのため、続けて2013年9月3日のエントリーでは、

オバマ政権は、化学兵器が移動されたり、使用された場合は内戦介入の要件となる、とのレッドラインを設定していた。複数回の使用を認めながら、暫定政権側の不特定多数と思われる人のアップロードした動画を見てから、ようやく動き出した。

しかし、大統領権限による短期的な軍事行動の選択肢がありながら、その事態を想定したNATOやアラブ連盟への根回しは行っておらず、自らの権限を弱めかねない国内の議会工作と同意を求める、と言い出す始末だ。

と、述べた。

当時、オバマ政権はすでにアサド政権を見限り、暫定政権に正統性を付与していた。イランやロシアなど数カ国を除けば、現在の自由シリア軍を統帥する暫定政権をNATOとアラブ連盟が支援できる状態にあり、この時点で有志連合を結成することも、あるいはできただろう。

しかし、「レッド・ライン」の言質に対する大統領の責任の所在はいつのまにか有耶無耶になり、化学兵器の使用については米露合意による兵器撤去という外交的決着が図られた。しかも、同年の11月にウクライナ危機が始まったことを考えると軽率極まりない。

介入のモメンタムが失われたシリア内戦の行く末について、2013年9月11日のエントリーでは、

かつての砲艦外交のごとく、洋上に浮かぶ艦艇そのもののプレゼンスが外交を動かす。かつてのミュンヘン会議のごとく、列強がシリア内戦を戦う当事者の頭越しに交渉を進める。

アサド政権は、化学兵器の放棄と引き渡しについての大枠合意を受け入れることで、軍事介入のモメンタムはその勢いを殺がれる。安保理決議は、放棄と引き渡しの工程が進まなかった場合の軍事介入如何に焦点が移る。

そして、分裂したシリアでは血まみれの均衡を保つ代償に死者と難民がはき出され続け、スンニ派とシーア派の代理戦争の構図が残る。国際社会はひとつの国民をつくることができなかった国家の失敗国家への転落過程を見守ることになるだろう。

想像される結末はおおよそふたつ。

国際社会が積極的であれば、ボスニア・ヘルツェゴビナのごとく、ひとつの国家としての体裁を保ちながらも、内実は分裂を固定化する和平が成立する。

国際社会が消極的であれば、ソマリアのごとく、ひとつの国家のなかに未承認の国家が乱立し、海賊やテロが横行する不安定が継続する。

その結末の実現には但し書きが付く。

供与される資金と兵器によってコントロールされた内戦。分配可能な利権そのものが失われて、国力が弱体化して、国内合意のダイナミズムさえ失うシリア。それによって相対的な地位を上げ、国益を得る周辺諸国。この状況を外交のレバレッジに使う列強。これらがある限り、その結末さえ見えてこない。

と、述べた。

この想像した近未来については半ば当たり半ば外した、と云うべきだろう。未承認の国家が乱立するという予想については、ISIS(ISIL、もしくは「イスラム国」)として結実した。敵から奪った権益で自弁する彼らの出現で内戦がコントロールできず、空爆のレバレッジとなるとまでは予想も付かなかったが、周辺諸国と列強は人道の「レッド・ライン」ではなく、国益の「レッド・ライン」を互いに見出したようだ。

焦点:イスラム国掃討で空爆拡大の米国、中東の「泥沼」に後戻り 2014年 09月 26日 17:53 JST ロイター

米主導の有志連合、イスラム国支配のシリア油田地域を攻撃=監視団 2014年 09月 26日 16:00 JST ロイター

「イスラム国」は米仏で地下鉄攻撃を計画、イラク首相が情報入手  2014年 09月 26日 13:31 JST ロイター

英議会、「イスラム国」標的のイラク空爆参加を承認へ 2014年 09月 26日 12:07 JST ロイター

また以前のエントリーを読み返してみても、ついぞ筆者はオバマ大統領のドクトリンが理解できなかった。2013年9月20日のエントリーでは、

オバマ政権の外交のプライオリティは人権擁護なのか、大量兵器の拡散防止なのか、アラブ・中東地域の民主化なのか、中東和平の推進なのか、それとも、覇権国としてまた列強としても常に国益のみ優先してはならないが、断固たる国益追求なのか、筆者には今ひとつ分からない。

むしろ首尾一貫した首尾の不一貫性とでも云うべきか、オバマ政権の内政・外交両方から感じ取れるのは、どちらかと云えば、この定まらなさなのだ。

と、述べた。

ともあれ2期目の中間選挙を前に国益優先を第一とし、人権擁護を第二とする傾向が見えてきた。

オバマ大統領とは、リベラルのプラグマティスト、リベラルのマキャベリスト、リベラルのポピュリスト・・・。彼に対する評を簡潔に表現できる一言で未だに見つけられない。もちろん人間は複雑怪奇なものではあるが、その人のなかにある正義が複数あるようでは、敵味方双方にとって掴みづらい政治家であることは間違いない。

合法的プロセスを重視しないロシア

2013年5月8日のエントリーで日本とロシアは信頼醸成期間に入ったと述べたが、ウクライナ危機以降は目立った進展がない。ウクライナ危機は当然として、本質的にはどこらへんに進まない理由があるのだろうか。

さて、互いの信頼関係を構築する前に注意深く観察しなければならいないことがある。それは信頼関係を醸成したい相手国が他国に対して、もしくは自国内の他勢力に対して合法的なプロセスを採っているか、ということにある。

これを演出したり、披露したりするのにロシアより下手な国は中国共産党くらいなものだろう。

ロシアは欧州との付き合いも長く欧州発祥の国際法も知悉している。それゆえに欧州以外で行動するのに時として国際法が役立ずなことも知っているから、いかにも国際法に沿っているように見せかけながら、いつまでたっても非合法な措置を合法的なプロセスを以って、G7など先進国の承認を得ないことが歴史上多々ある。

一方、国際法の新参者である日米のうち、米国は合法的なプロセスさえ採用すれば、どんな歴史的背景を持った地域でも民主的投票で政権は(正統性を得ることはできるが)安定したものとなリ、あたかも“万事こともなし”となるはずだと誤解する。そして、ポピュリズム国家や失敗国家を量産していく。

ウクライナ危機は、EU連合協定締結を拒絶したヤヌコビッチ政権が非合法なクーデターによって倒されることによって始まった。成立した暫定政権は、選挙による正統性を付与されていないから、国内法に基づく民主化プロセスを諸外国に約束して、当面の正統性を得る。もちろん第2次プーチン政権は正統性を与えなかったが、ポロシェンコ政権が選挙によって選ばれてからはその正統性について非難することはなかった。

これが非合法な措置が行われたあとの合法的プロセスの典型である。

ところがロシアはどうだろう。ウクライナの領土一体性保全の原則を破り、一方的に住民自決権を行使してクリミア併合を行なった。なるほど、クリミア半島がロシア系住民も多く、クリム・ハン国を滅ぼして実効支配を成し遂げたのもロシア帝国であるという歴史的正統性もある。また住民投票であるから合法的に見られるが、国家の分離独立や併合に欠かせない諸外国の承認という国際法に基づく合法的プロセスを行なう気配すら見せない。

これで日露間の信頼醸成が進まないのも納得できるだろう。

戦前の我が国も、中華民国の北洋政権(北京政府)成立の際に、満州が中華民国の不可分の領土と認めてしまっている。もちろん中華民国の蒋介石政権(南京政府)も国家の正統性継承の義務を果たそうとしない不埒さがあった。塘沽停戦協定によって満州事変が終わっても欧米列強が両国をならず者と見做したのはこうした経緯がある。

当面、我が国は対露の交渉窓口は継続しつつ、彼らが我が国に望んでいる資本と技術の供与をちらつかせながら、対抗としてポーランドに対する資本と技術の供与を高めるべきだろう。

ポーランドで新内閣が就任宣誓、コパチ氏が首相就任 2014年 09月 22日 19:26 JST ロイター

以上の理解を深めるために、以前のエントリーをふたつ掲載する。まずは2013年1月2日のエントリーである。

燃えるようなアルコール度数のウォッカを呑む国にあっては、燃えるエネルギヤたる石油と天然ガスこそがアクアヴィタエ(ラテン語で命の水の意)となる。

野田政権下の玄葉光一郎前外相が先年の10月23日、来日したプーチン大統領の「側近中の側近」とされるパトルシェフ安全保障会議書記と会談し、「日本国外務省とロシア連邦安全保障会議事務局との間の覚書」に署名した。これを発展させる意味で、森元首相を政府特使として派遣することになる。

恐るべきはロシア側のカウンターパートが変わっていないことだ。ロシアは自らの民主主義を模索する中で、好意的に表すれば、ツァーリのごとし元首を擁した権威主義的で諸処の自由に抑制的な民主主義になりつつある。

経済的にロシアのボトルネックの第一とは、その広大な国土ゆえのインフラの弱さである。

特にウラル山脈の西側と東側の人口比重の違い、シベリアに偏ったエネルギー資源の分布比重の違いがそこに拍車を掛ける。これが過度のエネルギー資源に依存した経済構造と効率性の悪さ、所得格差と男性の平均寿命低下・人口減少を生じさせている。

ただしこれらのブレイクスルーに必要な全般的に国民の知識水準が高いこと、エネルギー資源・穀物を他国に依存しないという利点を持っていることは理解しておかねばならない。

経済的にロシアのボトルネックの第二とは、歴史的経緯からイノベーティブな経済成長を果たすための企業家精神とそれを守る法秩序が欠如している点だ。

企業家が勃興する際に起きる不安定(利害関係の変化)を政治的強権でしか正せないことにもつながる上に、伝統的な支那社会と同様に、官吏となって利権を貪ることが富貴への最適な道なのだ。我が国や欧米など先進国と違い、新しい技術やサービスを作り出し、それを提供する企業家となることが富貴への最短ルートではない。

現状のロシア経済は、オリガルヒ(ロシア経済を寡頭支配した資本家)が税金を納めず海外に資本流出させてしまうか、シロヴィキ(治安・国防官僚出身者による勢力)が賄賂を取り国内でアンダーグラウンドマネーとして循環させるかになっている。

プーチン政権によって勢力を削られたオリガルヒのうち、サンクトペテルブルグ時代からのプーチンとの関係を活かして、ユダヤ系としては勢力を拡大してきたミハイル・フリードマンとピョートル・アーヴェンは、アルファバンクを中心としたグループを形成、さらにアルファ・アクセス・レノバ(AAR)を通じて石油大手TNKを持ち、TNKがBPと合弁していたが、この合弁が国営石油最大手ロスネフチに買収されることになった。シロヴィキの勢力拡大と言える。

しかし、同時に第2次プーチン政権になってから、腐敗撲滅を目的としたシロヴィキの一部が贈賄・横領などの罪状で逮捕され始めた。シロヴィキの新陳代謝が進む。しかし、これらの腐敗構造はエネルギー産業依存の経済構造と富の再分配構造とも重なっている以上、撲滅そのものは不可能なのは云うまでもない。

企業家精神の育成と法秩序の無視、イノベーティブな経済成長に対する軽視は歴史的経緯に基づくことは前述したが、振り返ると今に至るまでロシアを悩ませる決定的な歴史上最大の失敗は資本主義を経ないで共産主義に移行したことだった。

欧州では、各国の資本主義の進展によって異なるが、ブルジョワの勃興が絶対君主を生んだと言える。ブルジョワの台頭初期の国家における絶対君主の役割とは、その権力の集中によって彼らの生命と財産の自由を擁護することだった。

ところがロシアは、新規税収とイノベーションの源にして国力を増大させる原動力たるブルジョワ(のちの産業資本、今で云えば企業家)が存在しない国々のひとつだった。こうした遅れた国々においては、上からの近代化を進める絶対君主=啓蒙専制君主が現れた。

そこに到るには大空位時代ののち1613年に成立した、ロマノフ朝にまで遡る。

アレクセイ帝(厳密にはロシアのツァーリ)のときは地主と農民は契約関係であったが、ピョートル大帝(ここからインペラトール)のときに人頭税導入によって土地に縛られ、啓蒙専制君主として名高いエカテリーナ女帝のときに完全な農奴制となった。

ロシアの農奴制は、英国のエンクロージャーによって逐われた農民が賃金労働者となったのとは真逆である。当時のスウェーデン、トルコ両帝国に対抗する国力を得るためにブルジョワのまったくいない国家においては、こうした逆コースもやむなしであったかもしれない。そして、ブルジョワも産業資本が充分に育たないまま、第1次大戦と二月革命と十月革命を迎える。

この欧州各国(イギリス・フランス・ドイツ)や米国、日本と決定的な違いを産んだ資本主義を担うブルジョワとイノベーションの結合によるダイナミズムを持たない社会の欠陥を一足飛びに解消するには、中共と同様に我が国の資本と技術が必要になる。しかしそれには日露間の講和条約は必須であるが、我が国の反応は鈍い。

コラム:ウクライナ停戦が定着しそうな理由=カレツキー氏 2014年 09月 22日 14:22 JST ロイター

(前略)

最後に、ロシアとウクライナに対する経済的影響はどうだろう。ウクライナは中欧の支配的国家としてポーランドを脅かし、欧州首位の農業生産国としてフランスを抜く可能性もある。問題はEUから財政・技術支援がどの程度得られるかだ。

ウクライナの人口は4400万人と、ルーマニア、ブルガリア、旧ユーゴ諸国を合わせた規模にほぼ等しい。EUがウクライナの改革に必要な資金、時間、マンパワーを差し出す用意があるかどうかの方が、ドンバスの自治をめぐる細かい条件よりもウクライナの将来にとってはずっと重要だ。

ロシアにとっても、ウクライナ危機による長期的影響は同様に曖昧模糊としている。ロシアが経済制裁によって苦しんでいるのは間違いない。しかし長期的にはそこから経済的恩恵を刈り取り、一方で政治体制は一層独裁色を強める可能性がある。

ロシア経済はエネルギーの輸出代金を西洋諸国からの消費・資本財購入に充てることで成り立っている。開発経済学の教科書が説明する「資源の呪い」の格好の例だ。教科書はしかし、資源の呪いが経済学者デービッド・リカードの唱えた「比較生産費説」の論理的帰結である点には往々にして触れ忘れている。この説は、すべての国は最も効率的に生産できるものに特化して、他の財を輸入すべきだという古典的な自由貿易論である。

資源の呪いを克服することは、比較優位を減殺することを意味する。その最も分かりやすい方法が保護貿易だ。

輸出依存度を減らしたいと望む国は輸入を減らし、消費したい財・サービスの国内生産を支える措置を採らねばならない。自助を旨とする政策は時として悲惨な結果を招くことが、インド、アルゼンチン、旧ソ連などで証明されている。一方で、国内産業の保護は日本や韓国、中国、ブラジルといった国々の経済発展の要であった。米国とドイツにおいても、産業化の初期段階では鍵を握った。

ロシアは1992年の共産圏崩壊後、約20年にわたる発展の過程で比較優位の理論を熱心に採用し、OECD加盟国以外で最大規模の開放経済のひとつとなった。国内総生産(GDP)に対する貿易の比率は52%と中国に匹敵し、インドネシアやインドをはるかにしのぐ上、ブラジルに比べれば倍近い。

経済制裁によってロシアがさらに自助の道へと突き進むなら、製造業とサービス業の拡大速度は必ずや高まるだろう。その質は西洋基準に比べてますます劣化するかもしれないが。プーチン氏が国内産業を強化したいなら、ビジネスを改善して法の支配を強固なものとする必要が出てこよう。

ウクライナの紛争とそれに続く経済制裁が一助となり、ロシアは西洋製贅沢品の輸入中毒となったオイルマネー社会から、もっと貧しく派手さはないが、よりバランスが取れ、そして最終的には堅固な国へと変容しやすくなるかもしれない。


ロシアの8月石油生産・輸出:確報値(表) 2014/09/25 20:51 JST ブルームバーグ

以下は2012年10月13日のエントリーの再掲となる。

9月のロシア原油生産が日量1000万バレルを超えた。ロシア、イラン両政府ともに、予算上の要求を満たすには原油1バレル当たり115ドルが必要とされる。ロシアの輸出を担う一角は軍需産業で供給先にイランも含まれるが、最大の稼ぎ頭であるエネルギー産業の経済活動が政治的にイランを追い詰めるとすれば皮肉この上ない。

なぜこうなるのか、少しロシアの歴史から考えてみたい。

もともとロシアの源流は、10世紀ごろに現在のウクライナにあったキエフ大公国(別称はキエフ・ルーシ)で、13世紀になるとモンゴル人に征服されキプチャク汗国(別称はジョチ・ウルス)によるタタールの軛に入った。

ウラジーミル大公国が汗国から冊封されるうちにキエフ府の主教座を奪うかたちで台頭して、のちイヴァン1世のときにモスクワへと居を構え、モスクワ大公国(別称はモスクワ・ルーシ)となった。そして、かのイヴァン雷帝の時代にロシア帝国(当時の称号はツァーリ、ピョートル大帝以降はインペラトール)となった。

このイヴァン雷帝の治世下、大貴族ストロガノフ家(ビーフストロガノフはこの一族が由来)は所領を与えられ、シベリアの語源となったシビル汗国の征服に乗り出した。コサックの頭領イェルマークを支援し、1581年に出征させる。イェルマークは汗国の征服途上、敗死するがコサックは歩みを止めず、1648年にシベリア東端に到達し、1701年にカムチャッカ半島を征服するまでに到り、さらにはアラスカ、カリフォルニアにも進出した。

司馬遼太郎は、エッセイ『ロシアについて 北方の原形』のなかで16世紀以降のロシアを以下のように叙述している。

16世紀末からロシアの国土はウラル山脈東方に大きく膨れあがった。シベリアという大地(広大すぎる未開の領土)を得たことは、それ以後の国家存立に影響を及ぼした。以前のロシアとは力学構造が変わってしまったのだ。

巨人の身体にたとえるべきか、この巨人は左腕が長大になった。シベリアが長大な左腕にあたり、ウラル山脈がその腕の付け根を成す左肩にあたる。欧州に属するかつてのルーシという短い右腕を回して長大な左腕を掻こうとする場合、絶えず不自然な行動をせざる得なくなった、と。

この叙述を中高生の頃だかに読んだが大人になったとき、ふと想い出してすべてに合点がいった。

つまり、ロシアのボトルネックとは、その広大な国土ゆえのインフラの弱さである。特にウラル山脈の西側と東側の人口比重の違い、シベリアに偏ったエネルギー資源の分布比重の違いがそこに拍車を掛ける。これが過度のエネルギー資源に依存した経済構造と効率性の悪さ、所得格差と男性の平均寿命低下・人口減少を生じさせている。

征服のために大貴族とコサックに軍権や徴税権などを付与したことも、のちのノーメンクラトゥーラ(世襲化した共産党官僚)、オリガルヒ(ロシア経済を寡頭支配した資本家)、シロヴィキ(治安・国防官僚出身者による勢力)が富と権威と権力を常に独占してしまう遠因となった。

ロシアの政治家と企業家が取り組まなければならないのは、常にシベリア征服の歴史的過程で生じたボトルネックの解消なのだ。が、これらの宿痾は容易に解消する訳がない。エネルギーを独占することで、権力も手に入れることができて、権力と富によって権威付けができてしまうからだ。これらの悪循環が内政と外交に及ぼす影響を制御できない可能性がある。

それぞれの「ステイト・オブ・マインド」

年収による棲み分けが進む合衆国。それはそのまま価値基準の違いにつながり、生活様式にまで及ぶ。まず田舎に保守的な白人層が残る。続いて生活基盤を持たない住民の流入により、都市中心部の失業率と犯罪率が上昇する。

すると貧困層はフードスタンプに依存してゲットーと化した街に留まるが、中間層は新しい郊外に逃げ出し、富裕層はゲーテッド・コミュニティを形成する。

中間層の子供は、学習した専攻と提示される雇用のミスマッチから就職せずニートとなり、学生ローンの返済に喘ぎ親元から自立できない。ゲーテッド・コミュニティに満足できない富裕層は、郡政府(County Government)から自治体として“市の独立”を進める。

そして、階層が分断されたゲーテッド・コミュニティから“市の独立”の次は“州の分割”ということになる。最終的にカリフォルニア州の6分割提案に行き着く。

富裕層は、貧困層の福祉のために自分たちの納税したカネを使いたくないという意識を持ちはじめ、段階的に政治的行動に移し始めている。それでは合衆国の国民としての連帯感が失われていくのではないか。

実際の所、都市部で富裕層と貧困層が混住している州は、民主党支持・リベラル的傾向を示さず、共和党支持・保守的傾向を示す。

どうやら米国におけるリベラルとは、カネに限らず、生活様式や宗教思想・哲学の違う人間と隣近所で直に接して暮らさない人間だけが持つ上辺だけの主義主張に過ぎないようだ。オバマ政権は、政策として国民皆保険やゲイの婚姻合法化を進めているが、逆説的にリベラルは合衆国の精神的紐帯を断ち切っているように思える。

と、2014年8月17日のエントリーでも述べたが、我々は互いの相違を認め合ってなお米国人であるという、国民国家(ネイション)を統合する価値観はひとつでなければならないが、分離主義者の価値観は別々のものなのだということが、下記のロイターのコラムで分かる。同じ国民に対して一体性を持たなくなるがゆえに、利権の再分配を拒み続ければ、国民国家は分離主義者の数だけ分裂する他はないだろう。

コラム:米国民の4人に1人が「州の独立」を望む理由 2014年 09月 22日 18:28 JST ロイター

Jim Gaines

[19日 ロイター] - 過去数週間、スコットランドの独立問題が世界的な注目を集めるなか、ロイターは米国民を対象に「自分の住む州が、アメリカ合衆国と連邦政府から離脱することに賛成か、反対か」について世論調査を行った。

離脱に賛成する人が多くいるとは考えられなかった。南北戦争150周年で戒めとしての教訓が人々の記憶によみがえっていたとはいえ、これまで社会保障制度やメディケア(高齢者向け公的医療保険制度)に支払ってきた大金を無駄にするとは思えなかったからだ。

だが驚くべきことに、約8600人から回答を得た調査の結果は、約4人に1人が米国からの離脱を、条件付きで、もしくは強く望んでいることが明らかとなった。

また、民主党支持者よりも共和党支持者の方が、無党派層でも左派よりも右派寄りの人の方が、年配者よりも若者の方が、高所得者層よりも低所得者層の方が、大学卒業者よりも高校卒業者の方が、離脱への支持者が多かった。

あらゆるグループや地域で離脱支持者は驚くほど多かったが、特にロッキー山脈諸州や南西部、かつて南部連合を結成した州、そして中西部イリノイ州やカンザス州で顕著となった。草の根保守派運動「ティーパーティー(茶会)」を支持する人たちにおいては、離脱支持が過半の53%となった。

問題は、この結果が米国にとって何を意味するかだ。

第一に、内紛は米国の歴史そのものと言える。英国との独立戦争は辛くも勝利したものの、州同士が互いに激しくいがみ合い、新しく誕生したアメリカ合衆国は危うく死にかけた。

合衆国の創設者たちにとって、地域的分裂を避けることが1787年の憲法制定会議における目的の1つだった。だが、憲法で離脱が違法とされた後も州や地域的な分裂の機運は衰えず、1799年、1814年、1828年には深刻な脅威が高まった。南部11州による合衆国からの脱退は、1861年に南北戦争の口火を切ることになった。その15年前には、ウィリアム・ロイド・ガリソン氏が「奴隷制廃止なくして連合はあり得ない」と北部に脱退を訴えていた。

こうした分離主義者による運動は北米で100を超える独立運動を生み出したが、こうしたことはマイケル・J・トリンクライン著「Lost States」に興味深く書かれている。

一方、ロイターが独立支持派に後から無作為で行った電話調査では、決して明るいとは言えない現実が映し出された。彼らは、雇用をいまだ創出しない経済回復や財政赤字、政治汚職や不法移民、既成政党や戦争などに対して、民主党でも共和党でもない多様な形の抗議としてこのように表したのだ。こうした調査結果から明らかなのは、不満は広範囲で、超党派的であり、一貫性はあまりないものの根強いということだ。

このような状況は危険ですらある。プリンストン大学の政治学者マーク・ベイシンガー氏が示すように、分離運動は、たとえ共通したイデオロギーがなくても、現体制や現職の議員に対する蔑視を深く植え付けかねない。

米国が崩壊しそうにはあまり見えず、一握りの州での小さな分離運動は、ロイター調査ではほんのわずかな割合としてしか現れないかもしれない。だが、6000万人が不当な扱いを受けていると感じる国は、扇動政治家の詭弁、もしくは改革を求める真剣な運動のどちらかを招く国なのだ。

着々と進む「イスラム国」包囲網

8月8日にオバマ政権がイラク・クルディスタンの自国民の生命と財産(米国籍の居住者と権益)を守るため、予防措置として「イスラム国」に対して空爆を行なった。ただし、この時点では実際の権益が侵されてはいないし、米国人ジャーナリストの殺害も起きていない。副次的には人道上の見地からヤズディ教徒の保護にも言及があったが、そこは主眼ではなく単独で自衛権を行使した訳だ。

自衛権とは、自国並びに自国民の生命と財産を守る権利であり、これを損なう怖れのあるいかなる可能性をも未然に防ぐための権利であって、ゆえに論理的には地球の裏側まで侵攻できる。これを敷衍した究極のものがブッシュ・ドクトリンだった。

その観点から云えば、第2次安倍政権が集団的自衛権を行使するにあたって、国内法のように事例を限定(ある意味ではポジティブ・リスト化)しようとするのは諸外国からは奇異に見えるだろう。至極簡単に云えば、条約の条文として書いていないことと、慣習として行われていないことは、すべてできるのが本来の国際法だからだ。

9月11日にオバマ大統領がいわゆる有志連合を結成して「イスラム国」と事を構える、と演説した。有志連合の結成そのものはブッシュ・ジュニア政権などと変わるところはないが、リベラル的な理想主義をかなぐり捨ててしまいつつある点では、“世界に自由と民主主義をもたらそう”という素朴さと傲慢さがないまぜになった以前より、大義を強調することは少なくなるだろう。

査察拒否の是非と大量破壊兵器の有無のどちらに比重を置くかは分かれるが、たしかにイラク戦争はいくつかの安保理決議(687、1154、1441)に依拠していたし、リビア内戦への介入も安保理決議(1973)に依拠していた。

9月19日にフランスのオランド政権も有志連合として「イスラム国」空爆に参加した。しかし、安保理決議ではなく安保理の議長声明が契機となっている。安保理決議がなされたイラク戦争やリビア内戦介入より後退しているとも云える。

もちろん、それが間違っていると一概に言えない。

国際法とは慣習法と条約から成り、かつ未整備で都度変更されていく。 その執行を担保する軍事力を持つのも主に列強であって、ブッシュ・ジュニア政権下において、先制攻撃を自衛権行使とした時点で、新たな国際法の先例がひとつできたのも確かだ。

NATOによるコソボ紛争への介入(アライド・フォース作戦)のように安保理決議は必ずしも要らないし、また決議に従うかは主権国家の判断が優越する。今回は主権国家同士の合意に基づいて、集団的自衛権の行使が行われている。

9月23日にカタールに駐屯するアメリカ中央軍は、ヨルダン、バーレーン、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)が空爆に参加したことを明らかにした。

畢竟、戦争は政治外交上の最終手段であって、国益を追求する各国間の思惑に基づく利害関係の変更のために行われる。

「イスラム国」は第1次大戦以降の利害関係を規定したサイクス・ピコ協定そのものを変更しようとしているし、有志連合は現状維持か小幅な利害調整を望んでいる。いずれにせよ当事者双方に大義はある。今回はより過激なイスラム原理主義の完遂かそうではないか、といったところだろう。

ロシア、米主導のシリア空爆を批判 2014年 09月 23日 20:47 JST ロイター

英首相がイラン大統領と数日中に会談へ、対イスラム国で支援要請 2014年 09月 23日 18:10 JST ロイター

米国と湾岸諸国、対「イスラム国」でシリア空爆 2014年 09月 23日 17:19 JST ロイター

フランス、イラクで初の空爆 対イスラム国の有志連合 2014年 09月 19日 19:20 JST ロイター

米イラン首脳会談の予定なし、オバマ大統領は前向き=米政府筋 2014年 09月 19日 10:51 JST ロイター

フランス、対イスラム国のイラク空爆参加へ=オバマ米大統領 2014年 09月 19日 09:13 JST ロイター

米上院、シリア反体制穏健派への武器供与法案可決 2014年 09月 19日 08:46 JST ロイター

豪州で史上最大の反テロ作戦、市民標的の無差別攻撃を阻止 2014年 09月 18日 12:13 JST ロイター

コラム:中東「宗教戦争」に深入り禁物、米国は歴史に学べ 2014年 09月 18日 13:36 JST ロイター

米下院、シリアの穏健派への軍事訓練を承認 2014年 09月 18日 08:01 JST ロイター

英国が「イスラム国」空爆参加へ調整、決定急がず 2014年 09月 18日 05:27 JST ロイター

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捨てるカタールあれば拾うトルコあり

2014年9月14日のエントリーの続報。

カタールから放逐されることになったエジプトのムスリム同胞団の亡命者(ムルシ政権の閣僚など)はトルコに避難先の寓居を構えられるようだ。

比較的小国であるカタールが、サウジアラビアやUAEに伍して湾岸協力会議の中で一定の発言力を確保していた源泉は、同地にアメリカ中央軍が駐屯していることに由来してきた。しかし、「イスラム国」に対する空爆が、それぞれ微妙にスタンスの違うNATO加盟の各国(米英仏)によって始まったことで、米国の軍事力に頼るカタールの発言力にも変化が生じた、と云えるだろう。

イスラム原理主義と民主主義を両立させて、原理主義を母胎とした民主主義を擁護する勢力としては、トルコとイランが両雄として並ぶ。

今回、トルコのエルドアン大統領(前首相。先般、大統領選に当選した)と同じくその与党の政権が、ムスリム同胞団を受け入れるに至った理由も原理主義と民主主義は両立可能という自負に拠っているだろう。

しかし、ここでふたつの対立と亀裂が生じる。

ひとつは現在、同じスンニ派の陣営で主力となっているリビア新政府~エジプト(軍部を背景としたシシ政権)~イスラエル~サウジアラビア~UAEのラインと対立する。もうひとつは現在、「イスラム国」への空爆を行なっている他のNATO加盟国との間で原理主義に対する宥和的姿勢が亀裂の原因となりかねない。

トルコ政府もムスリム同胞団に表立った公的支援は行わないと思われるが、将来を見越した外交上のカードとして温存して、再度の追放圧力を撥ねつけるだけの国力があることに間違いはない。

Turkey Open to Bids for Refuge by Muslim Brotherhood Exiles SEPT. 15, 2014 The New York Times

ISTANBUL — President Recep Tayyip Erdogan of Turkey said on Monday that several exiled leaders of Egypt’s Muslim Brotherhood who fled to Qatar but lately have come under pressure to leave that Persian Gulf monarchy could perhaps find a new refuge in his country.

“If they make any request to come to Turkey, such an application would be assessed and examined,” Mr. Erdogan said, according to a report on CNN Turk television. He spoke to reporters on a plane back to Turkey after he had visited Qatar on an official trip. Mr. Erdogan referred to the standard procedures that applied to foreign residents and said that Muslim Brotherhood leaders could be granted entry to Turkey as long as laws permitted.

“If there are reasons that would prevent their entry to Turkey, it would be assessed accordingly” he said. And if there are no obstacles, the ease granted to everyone would also be granted to them.”
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ISIS Draws a Steady Stream of Recruits From TurkeySEPT. 15, 2014
Egyptian Activist Alaa Abd El Fattah Is Released on BailSEPT. 15, 2014

Qatar’s support of the Brotherhood has led to accusations that the country has been involved in financing terrorism in Syria and elsewhere, analysts say. Qatari officials have suggested that their government was not forcing the Brotherhood leaders to leave, but that they had chosen to do so voluntarily.

Al Jazeera Turk reported on Monday that Amr Darrag, the foreign relations officer of the Muslim Brotherhood, had already arrived in Turkey, while Jamal Abdul Sattar, the former deputy head of the Egyptian Religious Affairs Directorate in exile in Qatar, planned to move to Istanbul.

“We, the Muslim Brotherhood, do not only seek a safe haven,” said Mr. Abdul Sattar, as quoted in the report. “We also seek to find a safe location from where we could struggle against the bloody and brutal military coup against us in Egypt and run our activities free of pressure.”

Mr. Erdogan has denounced the Egyptian military’s ouster of President Mohamed Morsi of the Brotherhood last year and has vouched for the democratic intentions of Mr. Morsi, who remains under arrest in Egypt.

He also criticized a report in The New York Times over the weekend in which Western intelligence officials and American officials said that Turkey had failed to crack down on an extensive black market oil-trading network that had helped finance the Islamic State in Iraq and Syria.

Mr. Erdogan called the report false and said it showed bad faith at a time when Turkey was continuing its own struggle against terrorism.

“We suffered a lot from terror attacks,” Mr. Erdogan said, according to the CNN Turk report. He complained about the coverage of Turkey by the American news media and said he brought up that subject in a recent meeting with the American secretary of state, John Kerry.

“They are not reflecting Turkey’s real face but are trying to destroy its good relations with ally countries,” he said.

Turkey’s energy minister, Taner Yildiz, also denied the allegations raised in the Times report and said that the country’s energy trade was in compliance with all rules and regulations.
Correction: September 19, 2014

An article on Tuesday about remarks by President Recep Tayyip Erdogan of Turkey that suggested his country would provide refuge to several Muslim Brotherhood leaders who had been forced to leave Egypt misstated the surname of the foreign relations officer of the Muslim Brotherhood and the given name of Turkey’s energy minister. The foreign relations officer is Amr Darrag, not Derrac, and the energy minister is Taner Yildiz, not Kaner.

さよならのヒップホップ、1985年~1995年

重電、弱電問わず電機メーカーのトピックを集めてみたが、ヒップホップの隆盛を支えた楽器を作っていたメーカーが撤退するのに気がなった。

なぜならば、音楽家の才能如何にかかわらず、その時代の楽器がその時代の音楽を創造するツールとして欠かせないからだ。

カシオの「カシオトーンMT-40」のプリセットパターンがなければダンスホール・レゲエのデジタル化はなかったように、新しい楽器が新しい音楽をつくったりする。クリプトン・フューチャー・メディアの「初音ミク」も楽器だという視点から見ると分かりやすい。

たとえば、1980年代後半から1990年代前半のヒップホップに多大な貢献をした楽器を挙げれば、テクニクスのターンテーブル「SL-1200」シリーズ、ローランドの「TR-808」、AKAI professionalのサンプラー「MPC」シリーズ、パイオニアのCDターンテーブル「CDJ」シリーズを外すことはできない。

しかし、「SL-1200」はパナソニックのパナソニックとパナソニック電工、三洋電機の合併統合の過程で生産中止、テクニクスのブランドも消えてしまった。最近、欧州で復活することになったが、ターンテーブルは生産されない。

ローランドはMBOによって上場廃止。現経営陣と創業者の確執を考えると、今後も良質な楽器を生産してくれるか心配にもなる。

AKAI professionalは赤井電機の経営破綻後、メーカーとして分離独立したが経営に行き詰まり、かろうじてブランド存続とアフターケアが行われている状態だ。

パイオニアはAV機器部門はオンキヨー傘下に、DJ機器部門はコールバーグ・クラビス・ロバーツに売却して、カーエレクトロニクス(車載機器)部門に特化することになった。

また、録音でよく使っていた「TASCAM」ブランドのティアックも縮小均衡に失敗して、ギブソン傘下になってしまった。

楽器メーカーは日英米に集中しているので、音楽の新ジャンルもこの3ヶ国から生まれやすい。我が国の楽器メーカーが減少することは結果として音楽の停滞を招来しかねない問題でもあるのだ。

ソニー、メガネ型端末の開発加速 アプリ開発を募集 2014年 09月 19日 20:03 JST ロイター

インタビュー:ソニーのゲーム事業、今期利益予想を一段の上方修正へ 2014年 09月 18日 20:20 JST ロイター

東芝がパソコン事業で追加改革、部門の従業員2割強削減へ 2014年 09月 18日 16:47 JST ロイター

パナソニック、AV機器関連投資1000億円 M&Aなど 2014/9/17 20:52 日経

ソニーがモバイル減損で最終赤字2300億円に拡大、初の無配へ 2014年 09月 17日 20:14 JST ロイター

日立、国内向け家庭エアコン全量を国内生産へ 円安影響抑える 2014/9/17 20:01 日経

伊フィンメカニカ鉄道部門に4件の買収提案、日立も名乗り 2014年 09月 16日 22:28 JST ロイター

UPDATE 1-パイオニア、 DJ機器事業を米KKRに590億円で売却 車載に集中 2014年 09月 16日 16:08 JST ロイター

パイオニアがAV機器事業をオンキヨーに統合へ、来年3月に 2014年 09月 12日 18:40 JST ロイター

シャープ、「MEMS」ディスプレイの技術確立 17年に量産出荷へ  2014年 09月 12日 16:45 JST ロイター

東芝、2014年度以降も半導体事業に2000億円規模の投資を継続 2014年 09月 9日 20:29 JST ロイター

パナソニックが「テクニクス」復活、欧州皮切りに世界発売へ 2014年 09月 4日 13:03 JST ロイター

パイオニアがDJ機器事業も売却へ、600億円規模=関係者 2014年 09月 3日 23:20 JST ロイター

ソニーが国内PS4向けソフト34本投入へ、ドラクエも10年超ぶり 2014年 09月 1日 19:53 JST ロイター

衰退する電機産業、貿易赤字転落も視野に-円安で伸びない輸出の実態 2014/08/22 06:45 JST ブルームバーグ

アングル:輸出は力強さ取り戻せず、「日本抜き」の構造変化の影 2014年 08月 20日 18:09 JST ロイター

米グーグル、海底ケーブル投資でKDDIなどアジア5社と合意 2014年 08月 12日 12:04 JST ロイター

富士通が半導体の構造改革、三重・会津若松工場を別会社化 2014年 08月 1日 00:23 JST ロイター

富士通が三重工場をUMCに一部売却へ、半導体に距離=関係筋 2014年 07月 18日 11:02 JST ロイター

ローランド、MBO成立 上場廃止へ 2014/7/15 15:06 日経

シャープ、欧州太陽電池事業の構造改革に伴い連結で143億円の特損 2014年 07月 11日 17:26 JST ロイター

シャープが欧州の家電撤退検討、TVなどブランド供与へ=関係筋 2014年 07月 4日 09:44 JST ロイター

パナソニックが業務用冷蔵庫の売り上げ倍増へ、BtoB拡大=役員 2014年 07月 3日 18:06 JST ロイター

NECが衛星の新工場、海外で受注目指す 2014年 07月 2日 15:57 JST ロイター

グラスゴーから始まるスコットランド紛争

スコットランド独立が投票によって否決されたあとに、グラスゴーでは賛成派と反対派の間で小競り合いが起きて逮捕者が出た。スコットランドが民族自決権を主張続けるならば、おそらくアイルランドと同じような経緯を辿るだろう。

第1次大戦中のイースター蜂起(1916年)、大戦終結後のアイルランド独立戦争(1919年~1921年)とアイルランド内戦(1922年~1923年)、カソリック(ナショナリスト)とプロテスタント(ユニオスト)の対立を軸とした血の日曜日事件(1972年)などのテロの応酬が見られた北アイルランド紛争(~1998年)と言った具合に。

エリザベス女王が、即位60周年を記念してIRAの元指導者と歴史的会見を行ったのは、つい先年の2012年のことだった。

ただでさえ英国はロンドンの金融と不動産に経済を頼りきっている。今後、利権再分配の不公平感をカソリックとプロテスタントなどの宗教的相違が助長して、それがさらに真の不公正に変化するならば、北アイルランド紛争と同じことがグラスゴーから始まるだろう。

Arrests in Glasgow as loyalists attack pro-independence supporters Saturday 20 September 2014 The Guardian

Six people were arrested amid angry scenes in Glasgow on Friday night as a group of young pro-union supporters clashed with pro-independence supporters who had been gathering in George Square throughout the day.

Police acted to separate a small group of pro-independence supporters from a group of skinheads believed to have marched from the loyalist pub the Louden Tavern in nearby Duke Street.

Individuals argued over the referendum result and a chorus of Rule Britannia was countered by Flower of Scotland.

As the evening wore on, and the yes supporters dispersed, more loyalists converged on the square, many of them draped in union flags.

A number were teenagers, and clearly drunk. At one point a section of the crowd broke through police lines and marched up the central shopping area of Buchanan Street, chanting the words to Rule Britannia. Some shouted loyalist slogans and racist abuse, and appeared to make Nazi salutes.

The subway station at the top of Buchanan Street was temporarily closed, as police herded the marchers back towards the square. As mounted police attempted to contain the crowd, flares were thrown.

Sam Tonks, an engineer from Uddingston, said he had driven into the city with his wife and daughter because he wanted to celebrate the referendum victory with other no supporters, but had been greeted by something much uglier.

"It's on both sides," he said. "The city is divided by religion already and to be honest I think the union jacks and saltires are a bit of an excuse."

Six people were arrested, police said. Social media reports indicated that trouble continued into the early hours of the morning, but a Police Scotland spokesman said groups had dwindled to sets of two and three people by about 1am.
He said: "Six people have been arrested so far in relation to the incident in George Square. Retrospective inquiries will be carried out which may lead to further arrests."

スコットランド、税源移譲と交付金削減の既視感

スコットランド独立の賛否を巡る投票は独立反対・現状維持が勝利した。とは云え、根底には利権分配に対する不満がある以上、要諦となるスコットランドへの権限移譲は欠かせない。

ただし、税源移譲がなされれば、セットで交付金削減される。我が国のデフレ下での三位一体の改革とそれ以降の地方経済の推移を想起する。

加えて、再度の独立要件は厳しくなるだろうから、一概にスコットランドの自治権拡大は好ましいとも思えない。痛し痒しといったところだろう。

情報BOX:スコットランド住民投票の開票状況、2地区除き結果判明 2014年 09月 19日 16:03 JST ロイター

[エディンバラ 19日 ロイター] - 英国からの独立の是非を問うスコットランド住民投票の開票が始まった。現時点の開票状況は以下の通り。

行政区 (有権者比率) 賛成票(%)反対票(%)

Orkney Islands 0.41 33 67

Shetland Islands 0.43 36 64

Eilean Siar 0.53 47 53

Clackmannanshire 0.93 46 54

Inverclyde 1.46 49.9 50.1

Stirling 1.61 40 60

Midlothian 1.62 44 56

West Dunbartonshire 1.66 54 46

Argyll & Bute 1.68

East Renfrewshire 1.70 33 67

Moray 1.75 42 58

East Lothian 1.91 38 62

East Dunbartonshire 2.03 39 61

Angus 2.18 44 56

South Ayrshire 2.21 42 58

Scottish Borders 2.23 33 67

East Ayrshire 2.33 47 53

North Ayrshire 2.66 49 51

Dundee City 2.77 57 43

Perth & Kinross 2.80 40 60

Falkirk 2.86 47 53

Dumfries & Galloway 2.92 34 66

Renfrewshire 3.14 47 53

West Lothian 3.23 55 45

Aberdeen City 4.10 41 59

Highland 4.45

Aberdeenshire 4.82 40 60

South Lanarkshire 6.09 45 55

North Lanarkshire 6.27 51 49

Fife 7.05 45 55

Edinburgh, City of 8.81 39 61

Glasgow City 11.35 53.5 46.5


コラム:スコットランドの独立否決、英国めぐる不安は晴れず 2014年 09月 19日 17:53 JST ロイター

(前略)

英国の投資家や企業は住民投票の結果にほっとするだろう。英国の人口と国内総生産(GDP)の約1割を占めるスコットランドが残留となれば、恐れられていた経済、金融や通貨での混乱は回避される。金融大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)(RBS.L: 株価, 企業情報, レポート)を含むスコットランドに本拠地がある銀行が拠点を移すこともないだろうし、イングランド銀行(英中央銀行)の管轄にとどまることになる。

政治的にも英国は惨事を免れた。ユーロ採用に好意的で労働党支持者が多いスコットランド人が残留すれば、英国が欧州連合(EU)を離脱する可能性も低くなる。よりユーロ懐疑的な与党保守党が2015年の総選挙で敗北する可能性も高くなる。

保守党が総選挙後に政権にとどまり、約束通りEU残留か離脱かを問う住民投票を実施した場合でも、スコットランドを含む英国は残留を選ぶ公算が大きいだろう。英当局者らはスコットランド分裂ではなく、EU加盟でより有利な条件を引き出すための交渉に時間を割くことが可能になる。

それでも、今回のスコットランド住民投票は英国を変えることになる。英主要政党は、住民投票前の世論調査で独立賛成派が勢いを増すなか、独立反対を訴えるために数々の前例がないような譲歩を余儀なくされている。

現在、スコットランド議会は支出の5割以上について決定権があるが、関連する課税については約1割しか決定権がない。英主要政党の党首らによる公約では、権限は大幅に拡大されるとみられる。英政党の権限移譲に関する公約が本当ならば、スコットランドは課税に関し5割以上の決定権を獲得する可能性がある。

ただ、英主要3政党の党首らは権限移譲の時期については合意していても、移譲すべき権限が何なのかはまだ明確にしていない。

さらなる混乱の種となり得る問題は、英政党の党首らが今月16日に、スコットランドに支給される国の一括交付金を決定する「バーネット・フォーミュラ」を維持すると示唆したことだ。この公式の下でスコットランドは現在、平均よりも厚めの予算配分を受けている。ただ、スコットランドが課税でさらなる権限を付与された場合は、理論上は交付金は減らされることになる。

(後略)


参考URL:
Scotland Independence Referendum : Thomson Reuters

海のシルクロードにオアシス都市はあるか

習近平国家主席はタジキスタン~モルディブ~スリランカ~インド歴訪を終えた。“海のシルクロード”構想を打ち出しているが、オアシス都市と同じく港湾を確保し、キャラバンの往来を安全足らしめるのと同じくシーレーンの安全保障がなければ、構想は画餅に帰す。

ほぼ時を同じくインドのモディ首相は日本を訪問。豪州のアボット首相はインドを訪問。そして、安倍首相はバングラデシュ~スリランカを歴訪した。

インドは日中を両天秤に掛けて電力・鉄道などのインフラへの投融資を引き出している。アベノミクスとリコノミクスともに前途多難と思えば、インフラ輸出を競うのも分かるが、となると、どちらが国内の利害調整を上手く出来るかに懸ってくる。

以前、2012年5月4日のエントリーでは、

共産中国が純輸出と固定資産形成という2つの成長ドライブを失い、新たな成長ドライブとしての政府支出のうち社会保障か軍事かの二者択一で軍事関連支出を選択し、国内の軍管区の過度な軍閥化を怖れて、中央直轄の海軍に予算を振り向ける。この内政優先の政治的行動が日米・日印同盟をさらに強化させる。

歴史的経緯に学ぶなら、これはまたドイツ帝国が破滅に到った道でもある。

ドイツ帝国は、将校を輩出するユンカー(プロイセンの土地貴族)のためにロシアからの農作物に対して保護関税を掛け、それを元手として関税に不満を持つ産業資本家(クルップ家など)のために英国に対抗しうる建艦競争を繰り広げる。国内の利害関係者はそれで収まるかもしれないが、諸外国に対しては配慮のない機会主義に基づく外交の結果はドイツ包囲網であった。

と、書いた。ASEANに対する配慮の無さは“対中封じ込め”に寄与する形で終わり、人類共通のコモンである“法の支配”を再提唱した安倍ドクトリンに基づくセキュリティ・ダイヤモンド構想も完成に近づいている。

非同盟諸国の雄であったインドはもともと中共包囲網に与していなかったが、チベットの帰属問題に反対しないにも関わらず、カシミールでの越境攻撃やパキスタンへの軍事協力拡大が行われ、対中貿易赤字が拡大するなかで、非同盟諸国的なレトリックをあまり使わなくなり、現実に則して“対中封じ込め”から国益を得ようとしている。

これも以前の2013年5月27日のエントリーから抜粋するが、

インドの対中共戦略は、カシミール(アクサイチンを中共が実効支配)~ネパール~シッキム~ブータン~マクマホンライン(アルナーチャル・プラデーシュ州)までの国境線からの中共の浸透に対して、遅滞戦術を行いながら、その間にインド洋~マラッカ海峡~南シナ海までの海域でのシーレーンを同盟国とともに寸断して、中共側の戦争の維持遂行を不可能たらしめることにある。

たとえ帝国陸軍が大陸打通作戦を完遂できても、インドネシアからの石油をインドシナ半島に陸揚げし、支那の兵站線をゲリラの攻撃から防ぐ人的コストを払いながら、ついに玄界灘の波濤を渡らせられなければ、戦争の維持遂行は不可能だった故事に倣えばよい。

インドと中国、期間5年の貿易・経済協力協定を締結 2014年 09月 18日 20:05 JST ロイター

[ニューデリー 18日 ロイター] - インドと中国は、習近平中国国家主席のインド訪問に合わせ、貿易および経済に関する期間5年の協力協定を締結した。インド政府当局者が18日、明らかにした。両国は、鉄道分野での協力協定も締結したとしている。

またインドのモディ首相は18日、中国と民生用原子力における協力に向けた協議を開始すると発表した。

モディ首相は習近平中国国家主席と会談後の記者会見で声明を読み上げ、「両国は民生用原子力協力の協議を開始する。これは、両国のエネルギー安全保障での広範囲な協力を強化することになる」と述べた。

米ブルッキングス研究所インド支部のシニアフェロー、W.P.S. Sidhu氏によると、中国はこれまで非公式に民生用原子力協力の協議を開始するようインドに強く求めていた。

同氏は、インドが中国の民生用原子炉を購入する契約を締結するには何年も要するかもしれないが、協議を開始することは両国にとってプラスだと指摘した。

インドは米国と2008年に民生用原子力協力協定を締結している。


中国国家主席、スリランカなど訪問「海上シルクロード」構築 印など警戒「真珠の首飾り戦略」 2014.9.17 08:44 MSN産経

【ニューデリー=岩田智雄】中国の習近平国家主席は16日、インド洋の島国スリランカを訪問し、ラジャパクサ大統領と会談した。両国の行動計画が発表され、スリランカは習氏が提唱する「21世紀の海上シルクロード」構築への支持と参加を表明した。習氏は15日にはモルディブでヤミーン大統領と会談し、ヤミーン氏も海上シルクロードを支持した。

 中国国家主席のスリランカ訪問は28年ぶりで、モルディブ訪問は初めて。スリランカとの行動計画には自由貿易協定(FTA)の正式交渉開始や、海洋監視や沿岸管理での協力の可能性を探る合同委員会立ち上げなどが盛り込まれた。

 中国は、スリランカなどインド洋周辺諸国の港湾整備を支援してきた。コロンボ沖合を埋め立てる「ポートシティー」建設には、14億ドル(約1500億円)を支援し、習氏は17日の起工式に出席する。日米欧などでは「真珠の首飾り戦略」と呼ばれ、インドなどが中国の艦船寄港につながると警戒している。

 安倍晋三首相は今月、スリランカを訪問し、ヤミーン氏は4月に訪日した。中国には、日本の動きを牽(けん)制(せい)する狙いもありそうだ。


中国国家主席が17日からインド訪問、高速鉄道で日本と競争激化へ 2014年 09月 16日 13:41 JST ロイター

(前略)

中国の劉友法・駐ムンバイ総領事は先週、印タイムズ・オブ・インディア紙に対し、インド鉄道網の近代化に向けた中国の投資額は最終的に500億ドルに達するとの見通しを示した。

中国はさらに、インドの港湾・道路建設や河川プロジェクトに500億ドルを投資する計画だ。

17日はモディ首相の64歳の誕生日に当たる。習主席はこの日、モディ氏が州首相を務めていたグジャラート州の商業都市アーメダーバードからインド訪問を開始する。

習主席は、インドの前にはモルディブとスリランカを訪問。インド洋で港湾整備を進める中国の戦略「真珠の首飾り」の一環として、中国はスリランカで港湾を開発している。

安倍晋三首相も今月初旬、スリランカとバングラデシュを訪問した。


コラム:中国が成長鈍化許容へ大転換=ジェームズ・サフト氏 2014年 09月 17日 15:08 JST ロイター

コラム:中国の悲惨な統計、実体経済悪化の「予兆」か 2014年 09月 16日 13:51 JST ロイター

プーチン大統領の“北支分離工作”

ウクライナ危機すべての発端となったEU連合協定が批准された。ヤヌコビッチ前大統領は協定への署名を拒否、このロシア圏回帰の反発がキエフの騒擾とクーデターに発展、ロシアのクリミア併合とドンバス紛争を招いた。

ウクライナ議会は、同じ日(9月16日)にEU連合協定を批准し、ドンバス地方の“特別な地位”を与える法案を可決した。何の事はない、ウクライナにおける欧州とロシアの勢力圏の再確認の儀式がひとつ終わった。つまりグルジアの南オセチア紛争の結末と同じようなものだ。

次の局面は、ユーラシア経済同盟を発足させたロシア~ベラルーシ~カザフスタン(キルギス、アルメニアも加盟予定)に対して、EU-ウクライナ自由貿易協定(EU連合協定に付属)が実施されたときに訪れるだろう。

そのときは「ノヴォロシアからトランスニストリアまで」というスローガンが、ロシアで呼号されるかもしれない。プーチン政権がウクライナ東部に正規軍を投入すれば、満州事変で山海関を越えるようなものだ、と以前喩えたが、ここからはプーチン大統領の“北支分離工作”が始まるのかもしれない。いや、ドンバス紛争を見る限り、始まっていると云うべきか。

ウクライナ:東部の地位法案可決-分離派は和平交渉に疑義 2014/09/17 10:28 JST ブルームバーグ

ロシア兵約1000人、なおウクライナ領内に=NATO高官 2014年 09月 17日 10:42 JST ロイター

ウクライナ議会、EUとの連合協定を批准 2014年 09月 16日 21:37 JST ロイター

[キエフ 16日 ロイター] - ウクライナ議会は16日、欧州連合(EU)との政治、貿易に関する連合協定を全会一致で批准した。

ウクライナでは昨年11月、当時大統領だったヤヌコビッチ氏がEUとの連合協定の調印を先送りしたことで反政府デモが活発化し、政権交代に至った経緯がある。

ただ、EUとウクライナは先週末12日、連合協定の自由貿易協定(FTA)部分の実施を来年末まで延期することで合意している。免税対象のEU商品がウクライナを通じて国内に大量に流入することを警戒したロシアが、FTAが発効すればウクライナからの輸入品に関税をかけると警告していたため、ロシアに譲歩した。


ウクライナ議会、東部に「特別な地位」付与する法案可決 2014年 09月 16日 19:27 JST ロイター

[キエフ 16日 ロイター] - ウクライナ議会は16日、事実上、親ロシア派の支配下にある東部に「特別な地位」を与える法案を可決した。東部に3年間の自治を認めることが盛り込まれている。議会関係者が明らかにした。

議会は、政府軍との戦闘に参加した親ロシア派の兵士に恩赦を与える法案も可決したという。


ロシア、欧米が制裁強化ならマイナス3-4%成長に悪化も=元財務相 2014年 09月 16日 18:56 JST ロイター

モルドバめぐるロシアの動きに警戒、NATO軍司令官が指摘 2014年 09月 16日 11:37 JST ロイター

ロシア・ドイツ首脳が電話会談、ウクライナ停戦維持の重要性強調 2014年 09月 16日 09:00 JST ロイター

ルーブルが対ドルで過去最安値更新、ロシアの制裁報復を懸念 2014年 09月 15日 16:24 JST ロイター

巡視船の日中建艦競争始まる

2013年7月の海監・海警・海巡・漁政・海関の5つを統合して、国家海洋局(中国海警局)発足以来のインパクトを与えるニュースとして云えるのかは不明だが、この動きをどう利用するべきかと問われれば、巡視船の建艦競争に応じるべきだろう。

以前のエントリーでも何回か採り上げたが、我が国で、巡視船・巡視艇を現在建造できるのは、三菱重工業、ジャパンマリンユナイテッド(JFE、IHI及び日立造船系列、住友重機械の艦艇部門も一部合流)、三井造船、墨田川造船(横浜倉庫系列)、新潟造船(三井造船系列)、木曽造船、三保造船所、長崎造船(日本水産系列)くらいなので、船艇の大きさと外洋航行能力の有無によって、いずれかの企業から調達されることになるだろう。

と触れている。供給能力を拡大するにしても、中韓造船業との競争が続いており、名村造船所が佐世保重工業を完全子会社化の予定。また常石造船が多度津工場の売却を視野に分社化(多度津造船)したが、売却先に予定されていた今治造船と交渉が終わっていない。

重工メーカー各社が、造船から航空機へ比重を移している点もあり、おそらく巡視船・巡視艇及び海自の艦艇の供給能力拡大のため、防衛産業向けの予算措置や各種の減税と政府系の投資ファンドの出資が必要になってくる。

巡視船の日中建艦競争についてのここ1~2年の経過を振り返ると、

2014年9月28日のエントリーでは、日中双方、バングラデシュとスリランカの取り込みを図っている。

2014年8月1日のエントリーでは、我が国はベトナムに新造船10隻の供与を待たず、中古船6隻を供与することにした。

2013年9月27日のエントリーでは、我が国は新興海洋国能力構築支援セミナーを行ない、ジブチ、ケニア~イエメン~スリランカ、バングラデシュ、ミャンマー~タイ~インドネシア~ベトナム~フィリピン、パプアニューギニア、トンガの13ヶ国を中共の真珠の首飾り構想から切り離そうとしている。

2013年5月24日のエントリーでは、我が国はODA大綱の軍事供与禁止(巡視船供与のスキーム)を回避するためにベトナムのコーストガードを軍から分離した組織にさせている。

支那事変で云えば援蒋ルートを叩くがごとく、互いのシーレーンを潰そうという意図が根底にある。宣戦布告なき戦争であった支那事変のように両国の戦いがここ1~2年で激化しているのが分かるだろう。

世界最大の海上警察部隊建設を進める中国=東シナ海、南シナ海が狙い―米報告書 2014年9月14日 15時38分 レコードチャイナ

2014年9月12日、環球時報(電子版)によると、米ジェームスタウン財団の機関誌チャイナ・ブリーフは10日、中国が世界最大の海上警察部隊の整備を進めていると伝えた。

中国国家海洋局は2012年に3000トン級、4000トン級の巡視船を多数建造する計画を策定した。2014年初頭にはこれらの巡視船はすでに任務に就いている。さらに2013年、2014年にはさらに大型の巡視船の発注が始まった。その中には少なくとも1隻の1万トン級超大型巡視船も含まれている。こうした動きは中国が今後さらに多数の大型巡視船の建造を進めることを暗示している。

また、中国は2013年には国家海洋局、公安部辺境管理局、農業部漁業局、税関総署密輸取締局を統合し新たな国家海洋局に再編。重複をなくすことで効率性を高めた。東シナ海や南シナ海など領海紛争がある地域での行政権行使を強化することが目的だとチャイナウォッチャーは分析している。(翻訳・編集/KT)

日豪同盟は『深く静かに潜航せよ』

豪州政府は、そうりゅう型潜水艦について自国生産ではなくて完成品輸入を検討している。軍需産業の維持育成は雇用政策上も重要であるから、反発も大きい。しかも大洋に面している豪州は今後も財政の許す限り、海軍整備が不可欠となってくる。

南オーストラリア州は軍需産業で2万7000人、うち造船業で3000人雇用している。米国でも軍艦を建造するバス鉄工所(メイン州)とインガルス造船所(ミシシッピ州)は、その州の最大雇用主のひとつとなっている。

打開策としてはまず、そうりゅう型の豪州仕様向けモデルを三菱重工業と川崎重工業が1~2隻ずつ建造、次に豪州の潜水艦建造メーカー(ASC)に資本参加して、中韓系の人材採用を注意深く排除しながら、艦の整備から技術指導を行ない、ノックダウン生産、最終的にライセンス生産に移行して、次々世代級の潜水艦についても我が国が優先交渉権を持つ。

すでに豪州の軍需メーカーのうち、艦船部門はBAE(英国)、車両部門はジェネラル・ダイナミクス(米国)傘下となっている。

一方、我が国では新造艦にリチウム電池を採用して、豪州製のそうりゅう型よりも性能を高めておく、というのが常識的な線だろう。

と、2014年9月3日のエントリーに書いた通りの動きが豪州から出てきている。

豪州の野党、労働党のショーテン党首は潜水艦輸入案に反対して、豪州の潜水艦建造メーカー(ASC)のドッグヤードで気勢を上げている。いずれにせよ、下記のガーディアンの記事に、コリンズ級が「厄介なことに信頼できないことが証明されている」とキャプション付きで紹介されている以上、そうりゅう型の導入は不可欠だし、その後にはAWACS(空中早期警戒管制)航空機システムの導入が必要になってくる。

ともかく我が国が豪州の防衛政策にコミットメントするという新しい時代が来た、という事実を受け入れなければならない。我が国と豪州、どちらの政治的立場にあろうとも、最早第2次大戦云々のレトリックは通用しなくなった。朝日新聞のパージが急速に進められる理由はこうした国際関係の激変にある。朝日新聞OBが国際関係学の教鞭を執る大学からもパージされる理由も同じである。

豪政府の潜水艦輸入案、国家安全保障脅かす=野党党首 2014年 09月 9日 17:54 JST ロイター

[シドニー 9日 ロイター] - 豪野党・労働党のビル・ショーテン党首は9日、次世代潜水艦を国内で建造せずに日本から輸入する可能性があることについて、国家安全保障を脅かすだけでなく、経済にも打撃となるとの見解を示した。

オーストラリアは、老朽化しているコリンズ級潜水艦の代替としてディーゼル潜水艦を建造するため、パートナーを模索してきた。しかし、政府はこの計画を断念する可能性を示唆し、代わりに日本が建造した潜水艦の輸入を検討している。

ショーテン党首は、潜水艦の建造予定地である南オーストラリアの造船所を訪問し、潜水艦の輸入は政治、経済の両面において短絡的な考えだと批判。「潜水艦・船舶の建造は、計画倒れに終わってはならない戦略的資産だ」と語った。

関係筋によると、オーストラリアは、1)三菱重工(7011.T: 株価, ニュース, レポート)と川崎重工業(7012.T: 株価, ニュース, レポート)が設計・建造した完成品を輸入、2)日本からライセンスを取得して自国で生産、3)エンジンだけを輸入して自国で生産、4)他国の技術協力を仰ぐ──のいずれかを検討している。


Japanese submarine purchase would be historic and controversial Saturday 13 September 2014 02.25 BST The Guardian

Australia’s move towards buying up to 12 Japanese Soryu submarines represents a historic and deeply controversial shift in national defence and military acquisition policy.

If, as seems increasingly likely, political and industry leaders in Tokyo and Canberra can agree on terms, the Japanese submarines would be Australia’s first major strategic defence procurement from an Asian power and would significantly boost the country’s regional maritime power.

The purchase stands squarely at the crossroads of government foreign policy and naval defence strategy, defence budget management, naval shipbuilding and maintenance policy, defence industry investment and employment policy, national economic management, domestic electoral considerations and residual hostilities over Japanese actions during the second world war.

Moreover, the issue coincides with the preparation of the Abbott government’s first defence white paper, its first defence industry policy statement and its so-called first principles review, which is looking at the future of defence procurement by the Defence Materiel Organisation. Indications are that the submarine purchase may be announced before these are released, raising questions about their policy relevance.

A Japanese submarine purchase by Australia would further cement increasingly close defence ties between Australia and Japan, but would outrage the Chinese government, which the Australian government is reluctant to offend for fear of economic retaliation. Chinese leaders cling to and exploit memories of China’s suffering at Japanese hands and reflexively accuse Japan and its western allies of wanting to “contain” China.

Depending on where the Japanese submarines were built, assembled and maintained, the project could be the death-knell for the Australian naval shipbuilding industry, which has pinned its hopes on government support for mainly Australian design, construction and maintenance of the submarines at the government-owned ASC yard near Adelaide.

Large numbers of defence industry jobs could be at stake in marginal electorates, especially in South Australia; further jobs would not be created and naval shipbuilding skills would suffer. The electoral consequences could threaten the Abbott government’s parliamentary majority – especially since the purchase would be seen as another broken promise.

The government’s official (but fast-shifting) position is that it will announce no decision until the second half of next year when it releases the defence white paper. The defence minister, David Johnston, says the government is still talking to Swedish, German, French and Spanish submarine builders also interested in a share of Australia’s program.

The plans to replace the current fleet of six Collins-class submarines from the mid-2020s with up to 12 new submarines is often and accurately described as the nation’s costliest military acquisition, with an estimated price tag of up to $40bn.

For Australia, the Soryu has obvious attractions. It is a new and successful design, having entered service in Japan in 2009, and it promises the risk-minimisation benefits of a military off-the-shelf (MOTS) procurement. Moreover, for a government obsessed with what it calls “budget repair”, the price of some $25bn represents a massive saving.

Japan now operates five Soryus and has three under construction with two more planned. Powered by a super-quiet Swedish air-independent propulsion system, the Soryu can stay submerged for up to two weeks – longer than most other current diesel electric submarines – and has a range of 6,100 nautical miles. Anechoic coating technology reduces its radar detection profile.

The Collins class submarines, which have proved troublingly unreliable, are smaller than the Soryus, but their range is almost twice as large.

The submarine project has added more evidence that Tony Abbott leads an unsentimental free-trade government, which has shown through its car industry decisions a reluctance to subsidise Australian manufacturing jobs if suitable products can be imported more cheaply.

Johnston has demonstrated his limited faith in the ability of the Australian naval shipbuilding industry to deliver projects competitively on time and on budget. He has previously announced that two 20,000-tonne navy supply ships will be built in either Spain or Korea, and he has placed the troubled Australian assembly of three air warfare destroyers onto the “projects of concern” list following a critical report by the auditor general on costs and delays.

It’s also clear that the government regards the estimated $36-40bn price tag for 12 Australian-built submarines as prohibitive, when foreign prices are significantly lower. It accepts the huge long-term financial commitment could starve other important defence programs of funds.

And Abbott and Johnston appear genuinely enthusiastic admirers of the Japanese submarine (more so than some defence and foreign affairs officials and former submariners). Johnston recently became the first foreign politician to go on board and inspect a Soryu. He declared it “very impressive”.

Later, at an Australian Strategic Policy Institute conference he described the Soryu as “the design that comes nearest to what our requirements are”.

“There’s no other diesel-electric sub of that size and dimension … we must be talking to them, and we are,” he said.

For their part, the Japanese have taken two critical decisions that clear the way to possible cooperation with Australia on the project. In April, the Japanese government discarded a 50-year ban on the export of weapons and military hardware and “reinterpreted” its postwar peace constitution to allow its military greater scope to help defend allies. These decisions were not directly related to the Australian submarine project, but they were necessary preliminaries to cooperation if a deal is to be reached.

Since then there have been high-level meetings of extraordinary diplomatic intensity. Abbott visited Japan in April, followed by Johnston and the foreign affairs minister, Julie Bishop, in June, with the Japanese prime minister, Shinzo Abe, reciprocating the following month.

Abe’s visit to Canberra was especially significant. Free trade and defence cooperation agreements were finally signed, and apparently centred partly around plans to jointly develop stealth technology at the heart of the submarine program.

Moreover, both Abe and Abbott sought to finally walk out of the shadow of the second world war: Abe addressed the federal parliament in English and apologised for atrocities committed by Japanese troops 70 years ago; Abbott praised Japanese soldiers in terms that were widely deemed too generous by older Australians. There is still resistance in Australia to intimate defence relations with Japan, reinforced by China’s hostility to Japan.

Much, of course, remains unknown and undecided. There will doubtless be attractive proposals from European submarine makers. There will have to be detailed agreements on the structure and role of any commercial entity created to build the submarines. What will be built where? And by whom? How will costs, risks and responsibilities be apportioned and shared? What arrangements will be made for sensitive technology transfer and for complex systems integration? What will be the reactions of powerful players and competitors such as China and the US?

But preparations are now clearly moving ahead for an Australia-Japan submarine alliance that enjoys high-level political and economic support in both countries. Some industry players say Japan is deeply interested in accessing military technologies in which Australia has a regional edge – notably Awacs (airborne early warning and control) aircraft systems.

The key question for the Australian government is whether it will allow the naval shipbuilding industry to go the way of the car industry and, before it, the white goods industry. As one industry player says: “Residency is no commercial advantage in a globalised market economy.”

カタールの“七卿落ち”

カタールに亡命したエジプトのムスリム同胞団出身、ムルシ政権の7人の閣僚及び関係者がサウジアラビアとUAEの圧力で全員もしくは数名が追放される、と米英のメディア(ニューヨーク・タイムズとガーディアン)がともに報道している。

幕末維新の八月十八日の政変で長州に落ち延びた七卿(のち最後の太政大臣となる三条実美など)を思い起こさせる。高杉晋作の功山寺挙兵が起きるか、起きないか。それを「イスラム国」に擬するのが正しいのか、間違っているのか。

ともかくアラブ・中東で尊王攘夷派の勢力が後退して、公武合体派の勢力が伸長しているようなものだ、といって分かる人には頷けるが、幕末維新の歴史を知らない人にはまったく分からない話だろう。

カタールは、湾岸協力会議の産油国のなかで親イスラム原理主義の立場を採り、先のリビア民兵に対する空爆に参加しなかった。ムスリム同胞団の理論的指導者のひとり、カルダウィ師を庇護下に起き、放送局アルジャジーラに出演させている。

アラブ・中東諸国の対立構図は、スンニ派が大きく二派に分裂して、リビア新政府~エジプト(軍事政権)~イスラエル~サウジアラビア~UAE、リビア民兵~ムスリム同胞団~ハマス~カタール、ヒズボラ~シリア(アサド政権)~イラク(シーア派)~イランの三竦みになっている。

と、2014年9月7日のエントリーで述べた状況が、早速変わってきた。

これでイスラム原理主義と民主主義を両立させて、原理主義を母胎とした民主主義を擁護する勢力は、トルコ(スンニ派)とイラン(シーア派)の非アラブ系国家だけとなった。NATOの「イスラム国」への対決姿勢も影響している。少なくとも現状は、リビア民兵~ムスリム同胞団~ハマス、ここに「イスラム国」を含めても、彼らは国際的承認を受けた国家からの公的支援は望めなくなった。

Muslim Brotherhood Says Qatar Ousted Its Members SEPT. 13, 2014 The New York Times

BAGHDAD — An Egyptian leader of the Muslim Brotherhood said Saturday that several of the group’s prominent members had been asked to leave Qatar, in an apparent concession to a campaign by other Persian Gulf monarchies to pressure Qatar away from its support for the group.

“Some symbols of the Muslim Brotherhood and its political wing — the Freedom and Justice Party — who were asked by authorities to move their residence outside the state of Qatar have now honored that request,” the Egyptian, Amr Darrag, a senior Brotherhood leader, said in a statement posted on the group’s website.

A Qatari diplomat contradicted Mr. Darrag, speaking on the condition of anonymity. The diplomat said that the Brotherhood leaders had decided to depart for their own reasons without any request from Qatar, and that they were welcome to return.

“Maybe for some of them, they saw from the media that the country is being pressed and they left of their own free will because they did not want to put the country in an embarrassing situation,” the diplomat said.

Still, the departures are the first hint that Qatar and its Islamist allies are bending under fierce pressure from Qatar’s neighbors, mainly Saudi Arabia and the United Arab Emirates, both of which view Brotherhood-style political Islam as a domestic threat to their own governments. Both countries backed the Egyptian military’s ouster last year of President Mohamed Morsi of the Brotherhood, and they have spearheaded a regional campaign to diminish or stamp out the Islamist movement.

Saudi Arabia, the United Arab Emirates and Egypt have all pulled their ambassadors from Qatar, and last month a high-level delegation of Saudi officials visited Qatar to press it again over the issue.

Although the Brotherhood’s views are not nearly as conservative as the puritanical, authoritarian version of Islamic law enforced in Saudi Arabia, the Saudis and other gulf monarchies fear the group because of its broad organization, its mainstream appeal and its calls for elections. As part of the campaign against Qatar, Saudi and Emirati diplomats have sought to blame Doha for tacitly allowing fund-raising by more militant groups linked to Al Qaeda that are operating in Syria, although Qatar is hardly the only Persian Gulf state to do so.

There has been little sign, however, that Qatar is backing away from its bet on the staying power of Brotherhood-style political Islam around the region, partly as a counterbalance to the influence of Saudi Arabia.

Qatar’s Pan-Arab news network, Al Jazeera, remains sympathetic to the Brotherhood across the region. Qatar has provided refuge for many Egyptian Brotherhood leaders fleeing the bloody crackdown against them that has been imposed since the military takeover in Cairo. And Qatar continues to provide a base of operations for Islamists close to the Brotherhood, including the influential Egyptian preacher Yusef al-Qaradawi, a bête noire of the other Arab monarchs.

The tension between the gulf states has grown so intense that it has spilled into a proxy war in Libya, where Qatar and the Emirates have backed rival factions of clashing militias. Last month, the Emirates conducted airstrikes launched from Egypt against Qatar-backed militias in Tripoli, the Libyan capital.

In his statement, Mr. Darrag, the Brotherhood leader, indicated that only a limited number of his colleagues were leaving Doha, Qatar’s capital. Qatar has been “a very welcoming and supportive host,” but the Brotherhood leaders are leaving “in order to avoid causing any embarrassment for the state of Qatar,” he wrote, adding, “We appreciate the great role of the state of Qatar in supporting the Egyptian people in their revolution against the military junta, and well understand the circumstances faced by the region.”

In a separate statement, Wagdy Ghoneim, a Muslim cleric who supports the Brotherhood, said he, too, was leaving Qatar, though he insisted that he was doing so of his own volition.

“Thanks to Allah, I have decided to move from dear Qatar, without any pressure or difficulties or problems,” Mr. Ghoneim said in a video on his Facebook page, Reuters reported.

It was unclear how many Brotherhood leaders were leaving Qatar. Istanbul and London are the other hubs for Egyptian Islamists in exile.


Qatar asks senior Muslim Brotherhood leaders to leave country Saturday 13 September 2014 15.13 BST The Guardian

Senior Muslim Brotherhood leaders and allied clerics have been asked to leave Qatar, where they sought refuge following the overthrow of Egypt's president Mohamed Morsi, in a move that increases the regional isolation of the Islamist group.

Seven Egyptians including the Brotherhood's secretary-general, Mahmoud Hussein, Amr Darrag, a former Brotherhood cabinet minister, and Wagdy Ghoneim, an extremist preacher linked to the group, have agreed to leave the Gulf state.

Darrag thanked Qatar for being "a very welcoming and supportive host" before confirming on the group's website that "some symbols of the Muslim Brotherhood and its political wing – the Freedom and Justice party (FJP) – who were asked by authorities to move their residence outside the state of Qatar, have now honoured that request". A Brotherhood spokesman later confirmed Darrag's statement.

Following the Arab uprisings in 2011, Qatar sought to increase its regional influence by funding and spreading the message of Islamist groups around the Middle East, including Egypt's Muslim Brotherhood.

Since Morsi's overthrow in July 2013 in July 2013 – which led to the jailing of thousands of Brotherhood members, including its senior leadership – Qatar also acted as the group's primary safe haven.
But Qatar's stance has brought it into conflict with its Gulf neighbours, most notably Saudi Arabia and the United Arab Emirates, as well as the post-Morsi regime in Egypt – all of whom see the Brotherhood and its allies as a threat to the region's old order. The ongoing civil war in Libya is partly seen as a proxy war between Qatar-backed Islamists and their UAE-backed opponents.

The decrease in Qatari support for the Brotherhood follows extensive regional pressure, including the decision by UAE, Egypt and Saudi Arabia to withdraw their ambassadors from Doha, the Qatari capital.

HA Hellyer , non-resident fellow at the Centre for Middle East Policy at the Brookings Institution, said: "This is a sign that Qatar is succumbing, at least somewhat, to the stress that the region has been putting on it to distance itself from the pro-Morsi axis.

"The move should not be interpreted to mean that sympathies for the Brotherhood are suddenly going to disappear from Doha's institutions – they won't – but Doha's significance in promoting that narrative has just diminished, and Egyptian supporters still present in Doha will certainly reduce their visibility."

“法の支配”と万国公法の今昔物語

核拡散防止条約(NPT)非加盟国のインドが、ウラン産出国の豪州と原子力協定締結に合意した。両国とも議会の批准を必要とするが、これで日印原子力協定締結への利害調整が一段と進んだことになる。

一方、習近平国家主席はタジキスタン~モルディブ~スリランカ~インドを歴訪している真っ最中。スリランカは安倍首相が訪れたばかり、インドはモディ首相が日本と豪州を訪れたばかり、と首脳外交が活発化している。

そして、各国は“対中封じ込め”の要として海軍の増強、なかでも潜水艦配備を急ピッチで進めている。我が国は22隻体制へ転換、ベトナムはロシアから6隻購入契約済み、豪州はそうりゅう型をベースに10隻を輸入・ライセンス生産・ノックダウン生産を検討中である。

台湾でも潜水艦の自国生産案と米国輸入案が取り沙汰されるようになった。米国輸入案には原子力潜水艦の選択肢がないので、領海と排他的経済水域を鑑みてドイツからのライセンス生産が妥当だろう。場合によっては我が国からの輸入策を講じるかもしれない。

インド・豪州、原子力協定締結で合意 首脳会談 2014/9/6 1:42 日経

中国国家主席がインド初訪問、11日から4カ国歴訪 2014年 09月 9日 13:31 JST ロイター

焦点:南シナ海の「力関係」に変化か、べトナムは潜水艦で中国を抑止 2014年 09月 9日 14:19 JST ロイター

豪政府の潜水艦輸入案、国家安全保障脅かす=野党党首 2014年 09月 9日 17:54 JST ロイター

台湾、潜水艦の国産化と米国製購入を並行推進へ 2014/09/09 18:28 フォーカス台湾

いわゆるセキュリティ・ダイヤモンド構想によって日米豪印のダイヤモンドが出来上がり、その内部の周縁国も追随し始めている。また、安倍ドクトリンで提唱された“海洋における法の支配”は、幕末維新の万国公法に相通ずる。清帝国から中華民国の北京政府、南京政府もついに国際法遵守の何たるかを学び取ることはなかったし、中国共産党も変わるところはない。

今もなお“法の支配”に対抗しうる普遍的価値を中共は提示しえていないように見える。習近平国家主席はベルギーのとある大学で講演し、支那には自由、複数政党制による民主主義と人権はそぐわない、と述べた(2014年4月6日のエントリー参照)。実際に、香港の選挙制度改革がそうなり、反対する大衆運動が起きている。

万国公法の昔も“法の支配”の今も、我々は大アジア主義の宿痾に囚われないことが肝要だろう。

可塑性を持った社会の融通無碍

スコットランド独立の可能性が高まるにつれて、スペインのカタロニア独立支持派の動きも釣られて高まる。EUとNATO加盟国から分離独立した国家が速やかにEUとNATOに再加盟できるのであれば、ベルギーのワロンとフラマンは完全に分離独立し、北部イタリア(パダニア)も独立の列に加わるだろう。

しかし、この独立運動の列にバイエルンの名が聞こえることはない。ドイツ、オーストリア、そして(EUではないが)スイスのドイツ語圏だけがEUの勝利者となっている証左だろう。

戦間期に外貨不足と財政危機に苦しみ、果てはナチスの狂瀾に自らを巻き込んだ死せるドイツ人は、ヴァルハラから甦り刮目して見よ。バトル・オブ・ブリテンが始まったのだ。平野耕太原作の『HELLSING』の少佐の演説の一節「そしてゼーレヴェは遂に大洋を渡り陸(おか)へとのぼる」が実現するかも知れぬ。

もしくはマクスウェル大司教のように第九次十字軍を結成し「バチカンが英国を異教徒どもから奪還」して、ジャコバイトの王がついにスコットランドに君臨する好機かも知れぬ。

コラム:スコットランド独立でポンド弱体化は本当か=山本雅文氏 2014年 09月 12日 19:06 JST ロイター

コラム:スコットランド独立を支持しない「10の理由」 2014年 09月 12日 15:17 JST ロイター

スペインのカタルーニャ州で大規模デモ、独立問う住民投票求め 2014年 09月 12日 13:49 JST ロイター

閑話休題。

本題としてスコットランド及び英国の動きは、バブルが崩壊してデフレが起きる、もしくは緩やかなインフレが起きて実質賃金は下がる、といった経済的な激変が起きたとき、それぞれの社会が図る類型的な解決策のひとつではなかろうか。

個人主義的色彩の強い社会では再分裂しながらダイナミズムが発生して収斂する。合衆国ではゲーテッド・コミュニティが盛んにつくられ、富裕層が郡から市を分離独立して税収を総取りし、果ては州の分離独立運動が起きる。連合王国を構成するカントリーの独立運動も類似したものだ。

家父長制が強い社会では軍事独裁的な指導者が現れる。分散した富を富裕層から収奪して再分配する。ロシアと中国共産党がそうした動きを採り、家父長制といとこ婚を優先する社会にまで至ると、行動様式すべてを宗教的規範で縛りながら再結集と分配を図る。シリアからイラクにかけて台頭している「イスラム国」がそうだ。

我が国やドイツの社会は英米やロシアの中間地点に立っている。長子相続優先社会だった両国では長い停滞から突如、疾風怒濤が巻き起こり、伝統回帰を唱えながらその実、革命に近い変革を起こすことがある。

そうして我が国は“失われた二十年”を耐えに耐え忍んだが、リーマン・ショックから間を置かず、量的緩和を行っても英米はこれだけの激動を見せる。可塑性を持った社会の融通無碍と捉えるか、単なる社会秩序の破壊と見るかは属する社会によって見え方が異なる、と云えるだろう。

シティーとイングランド銀行だけが大英帝国

意外に思われるかもしれないが、ソビエト連邦には各共和国に離脱の自由があったが、アメリカ合衆国には各州に離脱の自由はない。そして、連合王国にも一応離脱の自由はある。

スコットランド独立の場合、英国(イングランドとウェールズ、北アイルランド及び王室領土)が絶対に譲らないのは通貨同盟だろう。ロンドン・シティーとポンド(イングランド銀行)を守ることこそ肝要であって、金融拠点とハードカレンシーの発行権の2つだけが今や大英帝国と云える。

スコットランド独立で予想される英国側の対応は、大まかにまとめてみた。

1.スコットランド・ポンドとGBP(スターリング・ポンド)の通貨同盟は認めない。エディンバラにあるスコットランド・ポンドの発券銀行のロイヤル・バンキング・オブ・スコットランド(RBS)、スコットランド銀行(ロイズ・バンキング・グループ傘下)、クライズデール銀行(ナショナル・オーストラリア銀行傘下)もシティーに本拠地を移す。

2.独立の細目を決める交渉の過程で、北海油田権益の比率を増やそうとする。スコットランド独立政府の財政基盤を弱めるとともに、油田埋蔵地に当たるシェトランド諸島の独立運動を使嗾する。

3.安全保障政策ではスコットランドは戦略原潜を持たない=核保有しないと主張しているので、そのまま呑む。何らかの条項を挟み込んで、軍事侵攻の余地を残しておくだろう。またスコットランドのNATO加盟を先延ばしさせるよう働きかける。保有もしくは開発していた核兵器を放棄した独立国家がどうなったか。過去の南アのボーア人政権、イラクのフセイン政権、リビアのカダフィ政権は崩壊し、ソ連から独立したウクライナも激動の渦中にある。

4.スコットランドのカソリックとプロテスタント、ハイランドとローランドの対立を顕在化させる。北アイルランドと同じような紛争が惹起される可能性も否定できない。その場合、グラスゴー辺りで最初の衝突が起きる。

5.スコットランドのEU加盟方針と違い、これで英国のEU脱退が加速する。スコットランド含む総選挙では民意を反映しないので、スコットランド独立決定後は再選挙が道理となる。スコットランド喪失にもかかわらず、逆バネで保守党と自由民主党が勝利の可能性大。すると、国民投票でEU残留派が敗れる公算が高い。かと言ってスコットランドはすぐにEUに加盟できないし、ユーロも採用できない。

ブレント原油先物が99ドル割り込む、供給増と需要の弱さ重し 2014年 09月 10日 19:59 JST ロイター

英首相がスコットランド入り、「家族」引き裂くべきでないと訴え 2014年 09月 10日 16:50 JST ロイター

スコットランドの銀行、独立決定に備え対応協議 2014年 09月 10日 10:46 JST ロイター

英首相が急きょスコットランド訪問へ、独立に現実味 2014年 09月 10日 01:37 JST ロイター

スコットランド通貨同盟、国家主権と両立せず=英中銀総裁 2014年 09月 10日 00:57 JST ロイター

[ロンドン 9日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は9日、18日に予定されるスコットランド独立の是非を問う住民投票に関し、独立賛成派が勝利した場合のスコットランドと残りの英国との通貨同盟は、国家主権と両立しないとの見解を示した。

総裁は労働組合代表との会合で、通貨同盟が成立するには税制と政府支出、銀行業の規則に関する国境を越えた合意が必要とした1月の自身の発言に言及した。

また、独立賛成派のスコットランド国民党(SNP)が提案している独立スコットランドと残りの英国との通貨同盟に対し、英国の主要3政党が反対していることにも触れた。

「この事情に鑑みると、総合的に考えれば通貨同盟は国家主権と両立しない」とした。


スコットランド独立、ある程度の対応策用意=英金融当局幹部 2014年 09月 10日 00:08 JST ロイター

コラム:英国分割に現実味、ポンド急落は「前兆」か 2014年 09月 9日 09:15 JST ロイター

米国国内で振るえない大統領大権

オバマ大統領は移民制度改革案の大統領令発令を中間選挙後に先送りした。それで勝てるのか、と云う疑問が当然に湧く。

2014年7月8日のエントリーでも触れたが、

親から売られた子供が遥か中米のグアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラスから密入国している。人道上、保護せねばならないという先進国側の観念から子供を不法移民させておいて、合法化されたあとに堂々とその親が移民する目論見、つまりはカッコウの托卵のような行為だ。これでは議論が紛糾するのが当然とも云える。

大統領は民主党の要請に応える形式を採ったが、といっても中間選挙での民主党勝利が確約された訳でもない。むしろ立法府である上下両院が共和党に抑えられる可能性が高い。残り2年、行政府としてのホワイトハウスは孤立しかねない。すでに共和党優勢の下院(立法府)と保守派優勢の連邦最高裁(司法府)の攻撃に晒されているのだ。

すでに2014年7月2日のエントリーで述べたように、

連邦最高裁は今年に入ってから、アファーマティブ・アクションの廃止に対する合憲判決、個人の政治献金総額規制に対する違憲判決を出しているが、さらに議会の休会中の行政府の任命権を限定する判決、私企業に宗教上の理由によるオバマケアの避妊適用除外を認める判決を出している。

下院で優勢な共和党は、移民法改正案を採決せず、対する大統領は行政権で移民制度改革に乗り出そうとしているが、おそらくこうした改革案を含めてベイナー下院議長は意に染まない大統領令を発令された場合、提訴するとしている。

もしも中間選挙に敗北すれば、選挙対策のために大統領の与党・民主党すら大統領の意に添わなくなった、という事実だけが残るだろう。

米移民制度改革、大統領令発令を中間選挙後に延期 2014年 09月 8日 14:05 JST ロイター

[ワシントン 6日 ロイター] - オバマ米大統領は、不法移民に市民権獲得の道を開く移民制度改革の実現を中間選挙後に先送りした。ホワイトハウスの高官が6日、明らかにした。関連法案が議会でなかなか成立しない状況を受け、大統領令を発令して実現させる方針としていたが、中間選挙への影響を懸念する与党民主党の声に配慮して延期を決めた。

ホワイトハウスの高官は、「共和党が移民制度改革を政治問題化しているため、大統領は、選挙前に大統領令を出すのは、移民制度の包括的改革の長期的展望、政策自体にマイナスと判断した」と述べた。大統領は、今年中に実現を目指す方針としている。

オバマ大統領は6月、議会で移民制度改革法案が成立しなければ、夏の終わりまでに大統領令を発令して実現させる方針を表明。しかし、中間選挙で厳しい戦いが予想される民主党上院議員からは、大統領令発令の延期を求める声が出ていた。

アルカイダから「イスラム国」への潮目

ソマリアのイスラム原理主義過激派アルシャバブ(アルカイダ系)の指導者が爆殺された。アルシャバブは報復テロを行なっている。

2012年8月の新憲法採択、ソマリア連邦共和国が成立したのとほぼ同時にアルシャバブの軍事拠点だったキスマユが陥落して以降もテロ活動は続けているが、アルカイダ系の活動全般が弱まっていく傾向に変わりなさそうだ。

世界中に分散するグローバリストとしての「アルカイダ」から、領域国家をつくるナショナリストとしての「イスラム国」への潮目が来ている。ムスリムにもグローバリズムからナショナリズムへの転機が訪れている。

【ソマリアの近現代史の概略】
→イギリス領ソマリア成立(1886年)
→イタリア領ソマリア成立(1908年)
→英領・ソマリランド独立(1960年6月)
→南北統合によりソマリア独立(1960年7月)
→クーデタによりバーレ政権成立(1969年10月)
→ソマリア、大ソマリ主義に基づくオガデン戦争敗北(1978年)
→内戦の勃発(1988年頃)
→バーレ政権崩壊と暫定政権成立(1991年1月)
→北部・ソマリランド事実上独立(1991年6月)
→アイディード将軍派とモハメド大統領派の対立激化(1991年)
→アイディード将軍派とPKO部隊の「モガディシュの戦闘」(1993年10月)
→PKO部隊撤退(1995年3月)
→アイディード将軍派分裂(1995年3月)
→アイディード将軍戦傷死(1996年8月)
→南部・軍閥各派の和平協定調印(1997年12月)
→和平合意事実上破棄(1998年5月)
→中部・親エチオピア部族によるプントランド事実上独立(1998年7月)
→エチオピア介入によりジブチでハッサン暫定政権成立(2000年10月)
→ハッサン政権を承認しない南部・軍閥各派による内戦継続(2001年)
→南西ソマリア事実上独立(2002年4月)
→プントランド大統領でもあるユスフ暫定政権成立(2004年10月)
→プントランドを本拠地とした「ソマリア沖の海賊」活発化(2005年)
→住民支持でアフマドのイスラム法廷連合が南部統一(2006年6月)
→国連安保理PKO派遣決議、しかし実施されず(2006年12月)
→過激派を嫌う米国支持下、エチオピア軍が侵攻占領(2006年12月)
→イスラム法廷連合の幹部は亡命、アルシャバブ結成(2007年1月)
→アフリカ連合は侵攻非難、後にエチオピア支持(2007年1月)
→旧イスラム法廷連合がソマリア再解放連盟結成(2008年)
→アルシャバブの抵抗でエチオピア軍苦戦(2008年)
→ソマリア再解放連盟とエチオピアの和平成立、軍撤退(2009年)
→旧イスラム法廷連合のアフマドが選挙により大統領就任(2009年1月)
→欧米はアフマドを穏健派指導者として容認(2009年2月)
→アルシャバブが旧イスラム法廷連合と戦闘開始(2009年6月)
→アフマドはエチオピア軍に再介入を要請(2009年6月)
→ケニア軍によるアルシャバブへの総攻撃開始(2011年10月)
→暫定憲法が採択されソマリア連邦共和国成立(2012年8月)
→アルシャバブ最後の拠点キスマユ陥落(2012年9月)
→ハッサン・モハムド大統領が選出される(2012年9月)
→シルドン政権成立(2012年10月)
→アフメド政権成立(2013年12月)
→アルシャバブ、大統領宮殿に対するテロ(2014年2月)
→アルシャハブのゴダネ指導者が米軍により爆殺(2014年9月)

ソマリアのアッシャバーブ指導者を殺害 米国防総省が発表 2014.9.6 10:46 MSN産経

 【ワシントン=加納宏幸】米国防総省のカービー報道官は5日、米軍がソマリアで1日実施した国際テロ組織アルカーイダ系のイスラム過激派組織アッシャバーブへの空爆で、組織を率いるアハメド・ゴダネ指導者を殺害したことを確認したと発表した。

 ホワイトハウスもアーネスト報道官の声明で、ゴダネ指導者の死亡が「アフリカ最大のアルカーイダ関連組織にとり、象徴的な意味でも、作戦遂行上の意味でも大きな損失となった」とした。

 アッシャバーブは昨年9月に隣国ケニアのナイロビで起きたショッピングモール襲撃事件の犯行を認めている。米軍は1日、ソマリアの首都モガディシオの南で空爆を実施したが、カービー氏は「作戦の成果を評価中だ」としていた。


ソマリア過激派、ゴダネ指導者の死亡確認 米軍が空爆 2014.9.7 01:10 MSN産経

爆破テロで12人死亡 ソマリア、過激派の犯行 2014.9.9 01:06 MSN産経

 ソマリアの首都モガディシオ近郊で8日、アフリカ連合(AU)の平和維持活動(PKO)部隊とソマリア治安当局の車列を狙った爆破テロが発生し、巻き込まれた市民12人以上が死亡した。ロイター通信などが伝えた。

 ソマリアのイスラム過激派アルシャバーブが犯行を認めた。米軍による1日の空爆でゴダネ前指導者が殺害され、アルシャバーブは報復すると宣言していた。

 8日のテロでは2台の車が相次いで爆発し、近くには多数の市民が乗ったバスがあったという。(共同)

新興海洋国の取り込み続く

インドとの首脳会談(利害調整)が終わったあと即座に安倍首相は中共に近いバングラデシュとスリランカを歴訪した。なおインドとは「特別戦略的グローバル・パートナーシップ」、バングラデシュとは「包括的パートナーシップ」、スリランカとは「海洋国家間の新たなパートナーシップ」と外交文言上の使い分けがされている。

バングラデシュとスリランカ、いずれもインフラ輸出が注目されがちだ。そちらは下記記事に頼るとして、外務省の概要にあるが、スリランカではコーストガード育成のスキームが始まる。これは中共の“真珠の首飾り”を切断する我が国の外交戦略に沿っている。

以前の2013年9月27日のエントリーから抜粋すると、

彼らの首飾り(線となる海洋交通路)を繋ぐ真珠(点となる港湾)のある海洋国家に我が国がアプローチして、法的に軍から分離した組織(コーストガード)を設立させて、JICAで人材を養成して、ODAで新造艦艇を供与することで“真珠の首飾り”戦略を根底から覆そうということだ。

すでにマレーシアの組織(海上法執行庁)設立を支援し、フィリピンの人材はJICAで育成済み、フィリピンとベトナムの艦艇は供与を約束し、ジブチにも同様の提案を行っている。

そして、政府は新興海洋国というセグメントを作り出して、彼らに同じスキームを提供する腹づもりだ。ジブチ、ケニア~イエメン~スリランカ、バングラデシュ、ミャンマー~タイ~インドネシア~ベトナム~フィリピン、パプアニューギニア、トンガの13ヶ国がこの新興海洋国に該当する。

注目すべきはアフリカの角の両端に当たるジブチとケニア(モンバサ港)、インド洋のスリランカ(ハンバントタ港)とバングラデシュ(チッタゴン港)とミャンマー(チャウピュー港もしくはダウェイ港及びココ諸島の電波傍受施設)、チョークポイントであるマラッカ海峡付近のタイ(ランター島)、南太平洋のパプアニューギニア(ポートモレスビー)と、中共が持っている拠点を我が国が面ごと取り返すことを目的にしている。

第2次大戦を振り返れば、戦術的勝利を活かせなかったセイロン沖海戦、ラバウルやガダルカナルや珊瑚海海戦などで消耗したポートモレスビー攻略、豪州遮断のための戦いの数々、無謀の誹りを受けて止まないインパール作戦、これらすべてが約70年のときを経て、戦略的勝利へと転回する機会を得つつある。

企業引き連れインフラ商機を狙う 首相のバングラ・スリランカ訪問 2014.9.6 05:00 MSN産経

 安倍晋三首相が歴訪するバングラデシュとスリランカで、同行する日本企業が売り込むインフラの概要が5日、分かった。電機や大手商社、ゼネコンなどインフラ関連や食品企業約35社・機関の首脳が同行。バングラデシュでは東芝など電機大手や大手商社が石炭火力や鉄道を、スリランカでは日立製作所がモノレール、NECが地デジ関連機器をそれぞれ売り込む。日本政府は両国と安全保障連携を強化し、海洋進出を狙う中国を牽制(けんせい)する思惑があり、産業界は首脳外交を機に商機拡大を狙う。

 バングラデシュでは安倍首相が今年5月のハシナ首相来日時に、4~5年で約6千億円の政府開発援助(ODA)などを表明済み。中でも総事業費約4500億円のマタバリ高効率石炭火力発電所をめぐっては、三菱日立パワーシステムズや東芝・IHI連合、大手商社が技術をアピールし水面下でしのぎを削る。

 交通では円借款でMRT(都市高速鉄道)6号線建設を支援、住友商事が日本車両製造などと組み受注を目指す。

 バングラデシュは中国以外にも拠点を設ける「チャイナ・プラスワン」の有力候補に浮上、東レや伊藤忠商事が「ユニクロ」ブランド向けアパレル生産を拡大中だ。1億6千万人の市場の魅力もあり、進出日系企業は約180社と2010年と比べ2倍強に増えた。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)が用地の優先取得でバングラデシュ側と合意、民間企業が工業団地運営を検討している。

 スリランカでは、コロンボの渋滞緩和策としてモノレール建設計画が浮上。将来の円借款供与を視野に日立製作所が受注を狙っている。ただ総事業費1千億円が見込まれ、資金調達の課題もある。

 また、日本式を採用した地デジインフラ整備に約150億円の円借款供与を結ぶ予定で、NECの送信機器システムに加えデータ放送を活用した防災システムなどソフトも提案する。

 人口約2千万人のスリランカは仏教国で政情や治安の安定さが強み。既に大手商社やゼネコンなど日本企業約140社が進出し、首相訪問を機に進出が加速しそうだ。(上原すみ子)


インフラ輸出、総務省が支援機構創設 通信・放送分野 特別会計に340億円要求 2014.8.28 04:30 MSN産経

 総務省が、通信・放送事業者や機器メーカーなどの出資を受けて「通信・放送基盤海外展開支援機構(仮称)」を平成27年度に創設することが27日分かった。同日の自民党総務部会で説明した。官民連携でサービスや機器を組み合わせたインフラ輸出を後押しする狙い。27年度概算要求で財政投融資(産業投資)の特別会計に340億円を要求し、民間企業の出資も受けて事業案件ごとに数十億円規模の支援を行う。

 各省庁は、国際競争力強化を掲げる政府の方針に沿って、鉄道や空港、ショッピングモールなど関連産業の輸出支援機構を創設している。総務省は新興国で需要が多い通信・放送インフラ輸出を目的とした初の支援機構を来秋にも立ち上げる。

 新設する支援機構は政府が340億円を、民間企業もその約1割の規模を出資し、約370億円の事業規模とする。企業が新興国に通信設備や放送機器などを輸出する場合、1件当たり数十億円規模で投資する。

 出資企業は、NTTやKDDI、NHK、民放キー局などの通信・放送事業者のほか、NECや富士通などの機器メーカーを想定する。民間企業も支援機構の運営に参画する。

 インドやベトナム、ミャンマーなどアジアの新興国では、ブロードバンド(高速大容量)通信網や地上デジタル放送など、通信・放送サービスの基盤整備が急務だ。規制緩和などで海外企業の参入も増えている。

 日本もこれまでに、地デジ規格の日本方式を広めるなど、官民連携の取り組みを行った。だが、機器メーカーが事業展開に出遅れるなどちぐはぐさが目立った。同省では支援機構の創設によって「投資リスクを最小限にして機動的な官民連携態勢が整う」と期待を寄せる。

 総務省は27年の通常国会に「通信・放送基盤海外展開支援機構法案(仮称)」を提出し、27年秋にも同機構を創設する考え。同様の輸出支援機構では、海外需要開拓支援機構(経済産業省)▽農林漁業成長産業化支援機構(農林水産省)▽今秋創設予定の海外交通・都市開発事業支援機構(国土交通省)-などがある。


参考URL:
安倍総理大臣のバングラデシュ及びスリランカ訪問 (平成26年9月6日~8日)平成26年9月7日 外務省

スリランカに対する円借款に関する書簡の交換 平成26年9月7日 外務省

湾岸協力会議の対立がリビアに反映される

エジプトとUAEがリビアの新政府支援のためにイスラム系武装勢力に空爆を行なった。UAEとサウジアラビアはエジプトに資金援助を行なっている。一方で先のリビア内戦で空爆介入に参加したアラブ連盟のうちカタールは今回、参加していない。

カタールは、ムスリム同胞団の理論的指導者のひとり、カルダウィ師を庇護下に起き、放送局アルジャジーラに出演させている。

アラブ・中東諸国の対立構図は、スンニ派が大きく二派に分裂して、リビア新政府~エジプト(軍事政権)~イスラエル~サウジアラビア~UAE、リビア民兵~ムスリム同胞団~ハマス~カタール、ヒズボラ~シリア(アサド政権)~イラク(シーア派)~イランの三竦みになっている。

さらに新興勢力としてイスラム原理主義の最強硬派ともいうべき「イスラム国」、シリアとトルコとイランに跨るクルディスタン、エルドアン首相が大統領に当選して権力基盤を固め、NATOに加盟しつつもトルコ系諸国に影響力をのばそうとするトルコ、それぞれのナショナリズムも波乱要因になるだろう。

政府庁舎、武装集団の手に=混迷一層深まるリビア 2014/09/01-20:16 時事ドットコム

【カイロ時事】リビア暫定政府は1日、声明を出し、首都トリポリの複数の政府庁舎が武装集団に占拠されたと明らかにした。AFP通信が伝えた。トリポリでは暫定政府が機能を維持できず、イスラム系武装勢力が独自の「政府」や「議会」を発足させる異常事態に陥っている。

 声明によると、占拠された政府庁舎では、職員が入庁を阻まれている。暫定政府は通常通り業務を継続するよう訴えるが、何ら手だてを打てないのが実情だ。

 リビアでは、暫定政府を支える民族派とイスラム系武装勢力の対立が、各地に割拠する部族間の抗争と同時に深刻化。民族派はベンガジなど東部で優勢だが、首都トリポリや中部ミスラタでは暫定政府に従わないイスラム系の台頭を許し、混迷が一層深まっている。

GTL技術でハートランドに楔を打つ

川崎重工業は、トルコの建設会社とコンソーシアムを組んで、トルクメニスタンにガス液化=GTG(ガス・ツー・ガソリン)プラントを受注した。

一般的にガス液化の過程では合成ガスが作られる。合成ガスから化学肥料の原料(尿素、アンモニア)やメタノールが生成できるので、化学工業プラントを現地に誘致することができ、プラント建設とメンテナンスの受注が期待できる。

またガソリンなど石油製品を出荷できるので、天然ガス単体で輸出していた国にとっては、産品の付加価値を高めることができ、雇用と税収全体の効果が期待できる。

さらに産品の多様化は、輸出国の分散化にもつながり、交渉上の発言力を増すことができる。

トルクメニスタン、GTL工場建設計画でトルコ・日本勢と調印 2014年 08月 26日 19:00 JST ロイター

[オワダン・デぺ(トルクメニスタン) 26日 ロイター] - トルクメニスタンは26日、天然ガスから液体燃料を作り出す「ガス・ツー・リキッド(GTL)」技術を用いた工場の建設に向け、トルコと日本のコンソーシアム(企業連合)と合意書に調印した。総工費は17億ドル。

この計画は、川崎重工業(7012.T: 株価, ニュース, レポート)とトルコのRonesans Endustri Tesisleriが担当する。トルクメニスタンは天然ガスの埋蔵量で世界第4位で、その資源を最大限に活用する戦略の一環。

トルクメニスタンのベルディムハメドフ大統領は調印式で「天然ガスをガソリンに加工するための最先端技術を採用する世界初のガス処理施設になる」と述べた。

同大統領によると、オクタン価92のガソリンが、年間60万トン生産される見通し。年間17億8500万立方メートルの天然ガスを処理することになるという。

トルクメニスタンの当局者がロイターに明らかにしたところでは、総工費の85%は国際協力銀行(JBIC)[JBIC.UL]が、残りをトルクメニスタン国営ガス公社トルクメンガスが調達する予定。


ガス資源国狙う、日本流 技術・人材育成力で進出 中国のバラマキに対抗 2013.9.23 08:00 SankeiBiz

(前略)

■不足を補い合う関係
 訪日したトルクメニスタンのベルドイムハメドフ大統領は11日に安倍晋三首相と会談。12日には大手商社や機械メーカーなど約250人が参加したフォーラムに出席、「天然ガスの加工技術など日本の最新技術が産業の多様化に貢献する」と進出を呼びかけた。

 同国はイランやロシア、カタールに次ぐ世界第4位の天然ガス埋蔵量を持つ。パイプラインを通じて、今や中国の天然ガス輸入量の約5割を担うほどだ。

 一方で内陸ゆえにLNG(液化天然ガス)船で輸送できず、輸出ルートがパイプラインに限られるため、これまで注目度は低かった。だが、この豊富なガスに付加価値をつければ、これまで以上に外貨を獲得できる。そのためにはガスを利用できる化学や肥料プラントの建設が不可欠で、高い技術力を持つ日本企業の誘致を狙う。

 呼びかけが奏功し、千代田化工建設や新日鉄住金エンジニアリング、双日の3社は日本発の技術でもある天然ガスを液体燃料に変質するGTLプラントの参画で合意した。同フォーラムでは、プラント関連だけで8案件、総額で1兆円規模の事業に日本企業が参画する合意文書に調印、ここ数年の努力が実を結びつつある。

 「GTLやガス製品化技術でトルクメニスタンは世界のマーケットを切り開けるし、両国が互いに持つモノを掛け合わせることで新たな協力のフロンティアを開ける」。麻生太郎副総理兼財務相も両国間の蜜月ぶりをアピールした。

■事務所開設相次ぐ
 日本企業の秘策もうまくいった。この国と民族的な関係が深いトルコの建設会社と組むことで受注に向けての競争力が高まった。

 三菱商事は、トルコ財閥のチャルックグループ傘下の建設会社GAPと組み、トルクメニスタン国営化学公社が計画する尿素肥料プラントの受注を目指す。三井造船と双日もトルコの建設会社と組み、肥料原料の硫酸を生産する化学プラントの受注に向けた合意文書に署名することができた。

 同国は1991年10月にソ連から独立したが、初代大統領ニヤゾフ氏の独裁による鎖国時代が長く日本企業の関心は薄かった。それが2007年2月に就任した現大統領は開放路線に切り替えた上、09年の訪日で日本の高い技術力を支持してから商機が増えた。

 大手商社やプラント各社の現地事務所開設も相次ぎ、8月には友好議員連盟が発足、かつてないブームになっている。

 インフラ輸出と資源獲得の両立に意欲を見せているのはトルクメニスタンに限らない。天然ガスや銅などの資源に恵まれるパプアニューギニアでも日本企業の存在感が高まっている。

 パプアニューギニアでは、米石油大手エクソン・モービルが主導するLNGプロジェクトが14年から15年にかけ順次稼働。国民総生産(GDP)を20%押し上げる経済効果がある。三菱商事がカナダのタリスマン・エナジーと共同で探鉱中の鉱区に加え、今年5月に大阪ガスが権益を取得した鉱区も含め、3つのLNGプロジェクトが日本向け輸出を視野に稼働する。

 こうした中、同国はLNGの輸出だけでなく、ガスを使った下流産業の育成で雇用機会を創出したいとの要望が高まり、技術と人材育成に優れた日本企業に関心を寄せるようになった。

 双日は今年6月、豊富な天然ガスを使った化学品事業の開発をめぐり、同国政府と覚書を交わした。三菱ガス化学と伊藤忠商事も共同で、エタノールやジメチルエーテル(DME)のガス化学事業を計画している。

 だが、資源国の両国に中国が急接近している。中国の習近平国家主席は今月上旬、「シルクロード経済ベルト構想」と称して中央アジア4カ国を歴訪。中でもパイプラインがつながるトルクメニスタンとは、20年までにガス輸入量を現在の3倍以上に増やすことで合意した。

 パプアニューギニアでも、中国が使える借款上限を約2800億円に設定するなど大盤振る舞いが伝えられている。周辺は世界有数のマグロやカツオの漁場で食糧資源の確保も狙いのひとつだ。加えて「有事の際に戦艦を展開できるよう港湾投資も加速している」(関係者)という。

 中国のバラマキ支援に対抗するには、技術力を武器にした経済協力や日本流の民間ビジネスでアピールし、親日国を増やすしかない。(上原すみ子)


中国共産党の脅威を直接受けるASEAN諸国やインド以外に我が国がアプローチするためには、世界最大の債権国としての資本力、中共よりも優れた技術力をもって喰い込む、という事例を増やしたい。

我が国が推すGTL技術の本命は、JAPAN-GTL(ガス・ツー・リキッド)プロセスである。

JAPAN-GTL(ガス・ツー・リキッド)プロセスは、天然ガス中に含まれる二酸化炭素を利用して、温室効果ガスを削減しつつ、ガスを液化して、石油・軽油・ナフサなどの石油製品を製造する技術。

従来のGTL技術と比較して、合成ガス製造、FT合成(液化)、アップグレーディング(水素化処理)3つのプロセスすべてを国産化。

石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)、国際石油開発帝石(INPEX)、JX日鉱日石エネルギ-、石油資源開発(JAPEX)、コスモ石油、新日鉄住金エンジニアリング、千代田化工建設のコンソーシアムによって、2009年4月からの実証試験を経て、JAPAN-GTLプロセスを確立した。

JAPAN-GTLプロセスの技術を提供する国と地域は、コスモ石油のプレスリリースを読むと、いずれも中共の影響力の強いトルクメニスタン、モザンビーク、カナダのブリティッシュコロンビア州となっている。

トルクメニスタンは、旧ソ連のCIS諸国でトルコ系の内陸国、地政学におけるハートランドに属しており、海洋国家の我が国が進出するのが困難。モザンビークは旧ポルトガルの植民地、宗主国だったポルトガルの影響力はアンゴラ、マカオ含めて中共に取って代わった。カナダのブリティッシュコロンビア州は太平洋側に面しており、先頃規制されたが中共からの投資移民流入が著しかった。

参考URL:
トルクメニスタンで最新ガス液化技術による世界最大のガス・ツー・ガソリン(GTG)製造設備を受注 2014年08月27日 川崎重工業

天然ガスの液体燃料化技術(JAPAN-GTL プロセス)実証研究プロジェクト 「平成26年度 第6回エンジニアリング奨励特別賞」を受賞 2014年07月23日 コスモ石油

特別戦略的グローバル・パートナーシップとは何か

日印首脳会談において「日印特別戦略的グローバル・パートナーシップに関する東京宣言」がなされた。

この宣言に到る端緒は2000年、森元首相のインド訪問の際に戦略的パートナーシップを構築することで合意したことに遡る。この流れは小泉政権に継承され、2006年のシン首相(当時)の来日と2007年の安倍首相(当時)のインド訪問によって、デリー~ムンバイ回廊構想について合意(スマートコミュニティ構想は鳩山政権下、デリームンバイ開発公社への出資は野田政権下)した。

日印安保共同宣言(宣言は麻生政権下)、日印経済連携協定(締結は菅政権下)も清和会系の森政権~小泉政権~第1次安倍政権において基礎がつくられている。

では、「東京宣言」を他国や日中関係との対比、“対中封じ込め”のための外交・安全保障政策、インドに対するインフラ輸出などの観点からまとめていこう。

1.日中関係と日印関係の対比
中共とはリレーションシップ(戦略的互恵関係)に過ぎないが、インドとはグローバル・パートナーシップと明記されている。

2.他国との戦略的パートナーシップの相違
EU、ASEAN、ベトナム、インドネシア、フィリピン、モンゴルとは戦略的パートナーシップであるが、インドとは「特別」「グローバル」の文言が盛り込まれている。

日印特別戦略的グローバル・パートナーシップは、二国間と世界の安全保障、民生用原子力、経済的繁栄、科学分野及び人的交流の多岐に渡る。

3.“対中封じ込め”の概念
法の支配に基づく航行・航空の自由をコモン(人類社会共通の財産)であるとの認識を共有して、不当に侵害する中共を暗に批判、対抗する意図を明らかにしている。

4.外交・安全保障に関する日印2国間の枠組み強化
日印原子力協定を締結するための4つの国際管理レジーム(原子力供給国グループ、ミサイル技術管理レジーム、ワッセナー・アレンジメント及びオーストラリアグループ)に対応する。

US-2輸出を軸に防衛装備品の共同開発を検討する。日印共同軍事訓練の定例化と日印コーストガードの連携強化を行なう。

首脳会談を年次で開催し、日印2プラス2を次官級からスタート、大臣級への引き上げを図る。

5.シーレーンを重視した日米印3ヶ国枠組みの強化
日米印3ヶ国外相会談の実施と米印共同軍事訓練(マラバール)への自衛隊参加を定例化する。

6.中共のGDPを約20年で世界第2位に押し上げた日本の経済力活用
日印投資促進パートナーシップを謳い、我が国はインドに5年間で官民併せて約3.5兆円の投融資を行なう。これはTICAD V(第5回アフリカ開発会議)で表明した5年間で官民併せての約3.2兆円を上回る。アフリカ大陸全体よりインド一国への投融資規模が大きい。

デリー・ムンバイ間産業大動脈構想(DMIC:Delhi-Mumbai Industrial Corridor Project)と呼ばれる、デリー~ムンバイ回廊の貨物鉄道計画に加えて、日本側はムンバイ~アーメダバード新幹線、インド側はアーメダバード地下鉄を盛り込む。チェンナイ~バンガロール間の産業回廊も含めてインフラ建設とバリューチェーン構築を行ない、内需拡大・輸出入拡大を目指す。約20年で中共をGDP世界第2位に押し上げた我が国の面目躍如再びとなるだろう。

民生面でガンジス川などの河川再生、スマートコミュニティ構想などのクリーンエネルギー活用、農業から農産品加工とコールドチェーン構築などの農村政策への協力も盛り込まれる。

資源・エネルギーでは、レアアース(混合塩化希土)の輸出契約合意と日印エネルギー対話を通じてLNG の共同調達、上流部門の共同開発、仕向地条項の緩和に関する共同取組を行なう。

アングル:インドのモディ首相、電力不足が批判の的に 2014年 09月 5日 14:00 JST ロイター

日印経済の「蜜月」演出 モディ首相、製造業の投資呼びかけ 土地取得・ストなど難題も 2014.9.2 22:34 MSN産経

岸田外相、日印閣僚級2プラス2見送りに「次官級を強化、大きな前進だった」 2014.9.2 12:13 MSN産経

「東京裁判で果たしたパール判事の役割忘れない」 モディ首相 2014.9.2 11:22 MSN産経

安倍首相の「安保ダイヤモンド構想」、対中抑止へ完成間近 2014.9.2 00:34 MSN産経

インドのモディ首相、中国の領土拡張主義を強く牽制 日本との安保協力を強調 2014.9.2 00:27 MSN産経

日印共同声明の骨子 2014.9.2 00:22 MSN産経

「日印特別戦略的グローバル・パートナーシップに関する東京宣言」(骨子)

【政治、安全保障】
・年次首脳会談の継続、外務・防衛閣僚協議(2プラス2)の設置を検討、外相間戦略対話と防衛相会談の年内実施
・海上共同訓練の定期化、印米海上共同訓練への日本の継続的参加
・防衛装備協力の推進を目的とした事務レベル協議の開始
・海上自衛隊の救難飛行艇「US2」の輸出交渉加速
・原子力協定交渉の進展を歓迎

【地域、世界平和】
・日本の積極的平和主義を支持
・日米印外相会合の開催
・北朝鮮による核・ミサイル問題への懸念を表明
・国連安保理改革で連携

【経済】
・日印投資促進パートナーシップの立ち上げ。対印の直接投資額、日本企業数を5年間で倍増。5年間で官民合わせて約3・5兆円の対印投融資。インドのインフラ金融公社に500億円の円借款供与
・日本へのレアアース(希土類)輸出の早期実現

【その他】
・日印留学生数の大幅増、スポーツ交流促進
・女性政策での協力


安倍首相、9月6~8日にバングラ、スリランカ訪問 2014.9.1 20:57 MSN産経

日印首脳:対印直接投資、日本企業進出を5年で倍増-東京宣言 2014/09/01 20:40 JST ブルームバーグ

印公社に円借款500億円 インフラ支援で中国牽制 2014.8.31 16:00 MSN産経

インドからレアアース年間2500トン輸入へ 2014.8.28 21:11 MSN産経

インドにもトイレを―TOTOが現地生産開始 モディ首相の普及計画に期待 2014年8月27日17:12JST WSJ日本版

政府、アジア「国際経済回廊」を支援 中国に対抗、日印首脳が会談で協議へ 2014.1.24 23:48 MSN産経

参考URL:
インド国会における安倍総理大臣演説 「二つの海の交わり」 Confluence of the Two Seas 平成19年8月22日 外務省

日・インド経済連携協定(交渉開始までの経緯) 外務省

日本国とインドとの間の安全保障協力に関する共同宣言(仮訳) 2008年10月22日 外務省

最近のインド情勢と日印関係 平成20年12月 外務省

日・インド首脳会談(概要) 平成26年9月1日 外務省

ドンバスの次はカリーニングラード州が火種となる

ドンバス紛争で再びウクライナ不利、ロシア有利の状況が出来つつある。ウクライナ政府は和平交渉を長引かせても地力に勝るロシア政府を押し戻すことはできない。不謹慎だがマレーシア航空機撃墜事件の再来、それを超えるくらいのサプライズが起きないと、ウクライナに再々逆転の好機は巡ってこないし、NATOと米軍は手出ししてこない。

2014年8月24日のエントリーで述べた状況は次の通り。

ロシアは対応策が後手に回り始めているが、ひとつひとつ既成事実を積み重ねながら、戦略的劣位を転換する時期を探っている。

ドンバス紛争を長期化させ、ウクライナ政府を疲弊させることを当面の目標とする。最終的にはグルジアから分離した南オセチア、アブハジアと同様にドンバスを事実上の独立地域(緩衝地帯)にしようと目指すだろう。

6月末にはウクライナ侵攻の上院議決は取り下げられており、正規軍侵攻の可能性は少ない。しかし、親露派の指導力は低く、続々と更迭されて、民兵はロシアで再教育されている。クリミアのミリツィア(民警と呼ばれる)、さらにロシア、南北オセチア、チェチェン・イングーシ、アブハジア、ベラルーシ、ウズベキスタン、セルビアからの外国人義勇兵も参加している。

ドンバスの難民は最低でも10万人に及び、人道支援の名目となった。人道支援の供給路を兵站に使われることをウクライナは危惧しており、この辺から徐々に戦略的優位を切り崩すと見られる。

と、ここまでが前回のエントリーの抜粋だが、やはり人道支援を名目に議会承認なしの正規軍部隊を東部国境とクリミアから投入、またロシア化された民兵の人員・物資供与強化を行なっているようだ。

すでに親露派も参加する「連絡調整グループ」の和平会合では、ドンバスの“特別な地位”が要求されている。落とし所はそこに戻らざるをえない。領土の一体性保全と民族自決権のジレンマを解消するには、クリミア及びドンバスの“特別な地位”は避けて通れない。NATO、特に米国にとってロシアの正規軍が議会承認なしで侵攻しない限りは和平の機会を繋ぐことができる。

たしかにNATOは即応体制を整え始めている。またウクライナ政府はNATO加盟を目指すと発言している。ただしNATOが本心からウクライナ加盟を望むとは思えない。あくまでもウクライナは欧州とロシアの緩衝地帯でなければならない。

NATO加盟の場合、ロシアは対NATOの縦深としてドンバスにとどまらず、ドニエプル川右岸やオデッサ州から沿ドニエストル共和国まで要求するだろう。緩衝国としてノヴォロシア共和国が誕生するかもしれない。

それについては、2014年8月7日のエントリーで述べたとおりとなる。

予想されるロシアの攻勢終末点は以下の3通り。

ひとつは親露派が反乱を起こしたウクライナ東部3州まで。ひとつはドニエプル川右岸まで。ひとつは歴史的にノヴォロシアと呼ばれた地域から歴史的にベッサラビアに属していなかった沿ドニエストル共和国(トランスニストリア、モルドバの実効支配が及ばない地域)まで。

その際、キエフで城下の盟を結ばせるか、現在の政権を追放して元大統領を担ぎ出すなどして講和条約を結ぶなどというソ連時代によく見られた政治劇が展開するかもしれない。

と、前回のエントリーは想定した。

さて、ウクライナ危機とドンバス紛争が落着するとして、次にロシア連邦のカリーニングラード州を両端に挟んだポーランド、リトアニアに他のバルト三国のエストニア、ラトビア、そしてカレリア地方に面したフィンランドが緊張を強いられる。

ポーランドは、かつてのコモンウェルス(ポーランド・リトアニア共和国)旧領への影響力拡大を目指す以上、ロシアとの前衛に立たざる得ない。前哨戦はパイプラインを通る天然ガスと通信回線で媒介される情報から始まるだろう。

エネルギーに関しては、リトアニアはウクライナ危機以降、にわかに日立GEニュークリア・エナジー(日立とGEの合弁)と原発事業会社の協議に舵を切った。ポーランドでも、日立GEニュークリア・エナジーは国営電力会社のポルスカ・グルパ・エネルゲティチュナ(PGE)とともに現地の機器製造会社の選定を進め、ポーランド国内の大学と覚書を結び、人材育成を進めている。

今後、フィンランドからバルト三国、ポーランドの原発契約は加速すると思われる。

ドネツク南方にロ軍基地設営?=ウクライナ 2014/08/28-01:42 時事ドットコム

ウクライナがNATO加盟目指す、軍事支援求める姿勢鮮明に 2014年 08月 29日 23:59 JST ロイター

露大統領、ウクライナ東部の「国家の地位」議論を要請 2014年09月01日 08:59 AFPBB

ウクライナ軍が空港から退却、「ロシア軍の戦車隊と交戦」 2014年09月01日 21:47 AFPBB

東部紛争の和平協議が再開 停戦作業グループ設置で合意 2014.9.2 01:01 MSN産経

 【モスクワ=佐々木正明】ウクライナ東部の和平を目指し、同国、ロシア、欧州安保協力機構(OSCE)の代表者で構成される「連絡調整グループ」の協議が1日、ベラルーシの首都ミンスクで再開された。親ロシア派武装勢力からも代表が参加した。

 タス通信によると、協議では、捕虜交換や重火器使用制限、停戦を話し合う作業グループを設置することで合意したという。次回協議は5日に行われる。

 一方、ロシア通信によると、親露派勢力側はこの日の協議で、ロシアが主導する関税同盟への統合など、東部ドネツク、ルガンスク両州支配領域の「特別な地位」を実現するための要求を提示したという。要求には、独自選挙実施のための停戦、人道援助の継続、戦闘員の捕虜交換などが含まれているとされる。

 7月末以来、途絶えていた連絡調整グループによる協議については8月26日、プーチン露大統領とウクライナのポロシェンコ大統領が再開で一致。ウクライナ政府を代表してクチマ元大統領、ロシアのズラボフ駐ウクライナ大使らが出席し、親露派からは「ドネツク人民共和国」副首相を名乗るプルギン氏が参加した。

 8月31日には、ウクライナ南東部マリウポリ沖のアゾフ海で、国境警備隊の艦艇2隻が親露派から攻撃を受けた。ウクライナ治安当局は1日、隊員2人が行方不明になり、7人が負傷したことを明らかにした。


NATO、ウクライナ危機で「先陣部隊」 展開を迅速化 2014/9/2 9:48 日経

焦点:プーチン氏、「国家の地位」協議呼び掛けでウクライナに圧力 2014年 09月 2日 15:46 JST ロイター

[モスクワ 1日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領が8月31日にウクライナ東南部の「国家としての地位」に関する緊急会合の開催を呼び掛けたことについて、大統領報道官はその後、親ロシア派の独立を要求したわけではないとあわてて記者団に説明した。

しかし戦闘地域で親ロシア派がロシア軍の支援を受けて目を見張る戦果を挙げている点を踏まえれば、プーチン氏がこうした協議を持ち掛けてきたことは、ウクライナにとっては良くない兆しといえる。

プーチン氏が紛争地域に関して公式の場で「国家としての地位」に言及したのはこれが初めて。その意味合いは、ウクライナが親ロシア派と早期に和解できなければ、今よりもはるかに大きな要求を突きつけられる可能性があるということだ。

ロシアの外交専門誌ロシア・イン・グローバル・アフェアーズの編集責任者ヒョードル・ルクヤノフ氏は「プーチン氏の発言は、意識的か無意識的かはともかくとして、状況が長引き、ウクライナが話し合いに応じるまでに時間がかかるほど、事態は悪化していくことをほのめかしている」と指摘した。

その上でルクヤノフ氏は、過去1週間で親ロシア派が軍事的に優勢となったことを受け、「ウクライナの指導者は少なくとも、ロシアから『ウクライナは何をやってもこの戦争に勝てない。だから無期限に今の状況を続けるか、そうでなければ(プーチン氏が)31日に発言したように実質的な協議が必要になる』と告げられていると思う」と述べた。

さらに重要な言い回しの変化としては、親ロシア派がウクライナ東部に使用してきた「ノボ(新)ロシア」という名称を、ロシア政府も使う頻度を増した点が挙げられる。

プーチン氏が「ノボロシア」を初めて使用したのは今年4月。ウクライナ側はこうした名称が極めて挑発的とみなし、ロシアによる領土簒奪という帝国主義的野望を物語ると批判している。

プーチン氏の報道官は8月31日、再び「ノボロシア」という名称を使ったほか、同29日付のロシア政府のサイトで公表された親ロシア派向けメッセージの表題が「プーチン大統領がノボロシアの民兵に訴えかけた」と記された。

<プーチン氏の意図>

プーチン氏がこうした発言をした裏には、ウクライナ政府への圧力を強めるとともに、ロシアの最終的な目的が一体何であるのかを西側やウクライナに考えさせようという計算があるように見受けられる。

ロシアは一貫してウクライナ国内への直接軍事介入を否定している。欧米から抗議を受け、衛星写真や目撃情報といった圧倒的証拠があるにもかかわらずだ。

はっきりしているのは、親ロシア派が敗滅の一歩手前から勢力を盛り返している点だ。これに伴いプーチン氏は、ロシア軍の支援をそっと引き揚げて、欧米からの追加制裁と、北大西洋条約機構(NATO)との緊張激化を避けられると見込む可能性がある。

もっともプーチン氏自身も軍事、政治、経済の各方面で不確実性が極めて大きいことから、ウクライナ危機がいつどのように決着するかは分からないと認めている。

一部のアナリストの間では、プーチン氏がウクライナ東部の取り扱いに関して、ボスニア・ヘルツェゴビナの和平合意の枠組みに似た解決方法を模索するのではないかとの観測も出ている。つまりウクライナ国内に、ロシアの意に沿わない政策、特にウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟などを阻止できるほどの自治権力を備えた政体を正式に誕生させることだ。

ルクヤノフ氏はプーチン氏自身も最終目的はつかんでいない可能性があるとみる。「(ロシアに)明確な事態収拾のモデルがあるとは思わない。目的は流動化し続けている。プーチン氏は戦略的な構想を持ち合わせていないが、すべての段階で必要な打つべき手をよくわきまえている」という。

(Mark Trevelyan記者)


ウクライナのNATO加盟方針、和平努力を妨害=ロシア外相 2014年 09月 2日 18:58 JST ロイター

ロシア部隊が布陣強化、支援悪用して武器密輸=ウクライナ軍 2014年 09月 2日 22:52 JST ロイター

プーチン氏が宇宙基地建設の加速指示、「超大国の地位強化」 2014年 09月 2日 23:44 JST ロイター

ロシアが軍事ドクトリンを年内に修正、新たな脅威受け=通信 2014年 09月 3日 00:43 JST ロイター

ウクライナ、来年も戦闘なら追加支援必要=IMF 2014年 09月 3日 00:49 JST ロイター

EUが対ロシア制裁拡大検討、全国営企業の借り入れ禁止 2014年 09月 3日 00:52 JST ロイター

焦点:「次の火種」はバルト3国、ウクライナ危機で募る警戒 2014年 09月 3日 09:57 JST ロイター

ロシア・ウクライナ両首脳、危機打開策で大筋一致=ロシア報道官 2014年 09月 3日 15:36 JST ロイター

ウクライナと親ロ派、5日までに和平合意の公算=プーチン氏 2014年 09月 3日 22:04 JST ロイター

仏大統領、ロシアへの軍艦引渡しは当面困難と言明 2014年 09月 4日 06:23 JST ロイター

英首相、「圧力さらに強まる」とロシアをけん制 2014年 09月 4日 16:28 JST ロイター

ロシア、ウクライナの緊張緩和に現実的措置取る用意=外相 2014年 09月 4日 17:18 JST ロイター

ロシアがウクライナを攻撃=NATO事務総長 2014年 09月 4日 18:22 JST ロイター

オランダ病から立ち直れない豪州

豪州は、鉄鉱石などの輸出が新興国、特に中共の“爆食”の恩恵を受ける形で、貿易黒字増大から自国通貨高が進み、製造業の国際価格競争力が低下。いわゆるオランダ病に陥った。

内需2000万人規模の国内市場では自国仕様の生産品のコストは高くなり、人件費上昇も相まって、2016年にフォード、2017年までにトヨタ、GM(ホールデン)が豪州での自動車生産を停止する方針。

一度、製造業の基盤が失われると、取り戻すのは一からやり直すのに等しい。軍需産業は特にその傾向が強い。

豪州政府は、そうりゅう型潜水艦について自国生産ではなくて完成品輸入を検討している。軍需産業の維持育成は雇用政策上も重要であるから、反発も大きい。しかも大洋に面している豪州は今後も財政の許す限り、海軍整備が不可欠となってくる。

下記記事によれば、南オーストラリア州は軍需産業で2万7000人、うち造船業で3000人雇用している。米国でも軍艦を建造するバス鉄工所(メイン州)とインガルス造船所(ミシシッピ州)は、その州の最大雇用主のひとつとなっている。

打開策としてはまず、そうりゅう型の豪州仕様向けモデルを三菱重工業と川崎重工業が1~2隻ずつ建造、次に豪州の潜水艦建造メーカー(ASC)に資本参加して、中韓系の人材採用を注意深く排除しながら、艦の整備から技術指導を行ない、ノックダウン生産、最終的にライセンス生産に移行して、次々世代級の潜水艦についても我が国が優先交渉権を持つ。

すでに豪州の軍需メーカーのうち、艦船部門はBAE(英国)、車両部門はジェネラル・ダイナミクス(米国)傘下となっている。

一方、我が国では新造艦にリチウム電池を採用して、豪州製のそうりゅう型よりも性能を高めておく、というのが常識的な線だろう。

豪の次世代潜水艦を日本で建造、両国が協議=関係者 2014年 09月 1日 18:17 JST ロイター

(前略)

<開発リスクを敬遠>

オーストラリアは2030年代初めに潜水艦の世代交代を計画。しかし、独力で設計・建造する能力に乏しく、1)完成品を輸入、2)他国からライセンスを取得して自国で生産、3)エンジンだけを輸入して自国で生産、4)他国の技術協力を仰ぐ──のいずれかを検討している。

複数の日豪関係者によると、最有力案として議論しているのが完成品の輸入。オーストラリア政府の依頼を受けた米ランド研究所は昨年、国内での建造には設計者と技術者1000人が必要との試算を報告した。実際に動員できる5倍以上の規模だった。

(中略)

<トヨタ撤退以上のインパクト>

問題は、海外で建造する案に対し、オーストラリア国内で反発が強いことだ。潜水艦の整備施設がある南オーストラリア州のマーチン・ハミルトン・スミス防衛産業相は、フォード・モーター (F.N: 株価, 企業情報, レポート)やトヨタ自動車 (7203.T: 株価, ニュース, レポート)、ゼネラル・モーターズ (GM.N: 株価, 企業情報, レポート)が生産から撤退した以上に政治的な議論を呼ぶと警告。経済的な影響も大きいと指摘する。

同相によると、南オーストラリア州で防衛産業に携わるのは2万7000人。うち3000人が造船業に関っている。次世代潜水艦の建造は、30年間で2500億豪ドルの経済効果が期待できるという。「海軍と連邦政府が決めることとは承知している。しかし、日本、ドイツ、スウェーデン、どこの国と組もうが、ここで造ることは譲れない」と、同相は言う。

一方、日豪の関係者によると、オーストラリア政府は整備を国内で手がけることを考えているという。

(後略)

防衛省がより隠密性高い潜水艦建造へ、リチウム電池を搭載 2014年 08月 29日 11:46 JST ロイター

[東京 29日 ロイター] - 防衛省は、2015年度から隠密性のより高い潜水艦の建造に着手する。鉛蓄電池に代えてリチウムイオン電池を搭載し、長期間の潜航を可能にする。浮上回数が減ることで、これまでよりも敵に発見されにくくなる。

日本は中国の海洋進出をにらんで潜水艦を16隻から22隻体制に増強中。14年度に続いて15年度も1隻建造する計画で、概算要求に644億円の費用を盛り込んだ。14年度予算に計上した建造費517億円から100億円以上高くなる。

費用を膨らませる主要因は、新たに搭載するリチウムイオン電池。従来の潜水艦は、浮上中にディーゼルエンジンで航行して鉛蓄電池に充電、潜航中は蓄えた電気を動力源にしている。さらに潜航期間を伸ばすため、空気を必要としない推進機関「AIP」を積んでいる。

鉛蓄電池とAIPを設置している空間に大型のリチウムイオン電池を積むことで、これまで最大2週間程度だった潜航期間が「格段に伸びる」(防衛省関係者)という。建造費や維持管理費を含めた、15年間使用した場合のライフサイクルコストは、現行の1000億円よりも安くなる見込みだという。

日本のディーゼル潜水艦は静穏性や潜航能力に優れているとされ、オーストラリアが導入に関心を示している。


現状、防衛移転三原則を導入以来、決まった案件は米国へのパトリオット2のシーカージャイロ輸出と英国とのシーカー共同研究の2つ。今後、そうりゅう型潜水艦の豪州輸出、US-2のインド輸出(さらに巡視船10隻のベトナム輸出も類似例となる)が成約すれば、これら防衛装備品の輸出はインフラ輸出とともに第2次安倍政権のトップセールスの成果となるだろう。

【自衛隊の部隊編成の変更、新規装備品一覧】
潜水艦(そうりゅう型とおやしお型)16隻から22隻体制へ
イージス艦(こんごう型とあたご型)6隻から8隻体制へ
装輪装甲車(機動戦闘車)99両を2016年度配備
水陸機動団(米国の海兵隊にあたる)を創設
強襲揚陸艦を2019年度配備
水陸両用車(AAV7想定)52両を配備
ティルトローター機(V-22オスプレイ)17機を2015年度配備
無人偵察機(RQ-4グローバルホーク想定)3機を配備
第五世代戦闘機F-35を42機(うち38機国内生産)2017年度配備
先進実証試験機(ATD-X)の2015年度初飛行
F-2後継の第六世代戦闘機の開発準備中

欧州軍需大手MBDAと三菱電、F35向けミサイル共同開発へ 2014年 07月 3日 19:36 JST ロイター

日本の武器輸出が本格化、英とミサイル研究・米にセンサー 2014年 07月 17日 22:29 JST ロイター

(前略)

<三菱電機が参画>

英国と共同研究するのは、F35への搭載を念頭に置いた空対空の中距離ミサイル。英国の持つミサイル技術と、目標を検知・追尾する日本のセンサー技術を組み合わせた際の性能などを分析する。

関係者によると、英国からは防衛大手のMBDA、日本からは三菱電機(6503.T: 株価, ニュース, レポート)が参画する。MBDAは英独などNATO(北大西洋条約機構)4カ国が共同開発した戦闘機ユーロファイターの空対空ミサイル「ミーティア」を手掛けており、英政府は同ミサイルの改良版がF35に搭載可能と考えている。三菱電機は自衛隊にミサイルを納入しており、センサー技術に強みを持つ。

F35は9カ国が開発に携わり、米国だけで約2400機、日本を含めた全世界で3000機以上の配備が見込まれる。敵に捕捉されにくいステルス性能を発揮するため、ミサイルは胴体内に格納する。

<米国からイスラエルにも>

一方、米国には迎撃ミサイル「パトリオット2(PAC2)」に使うセンサーを輸出する。米国は同ミサイルを主にカタールへ輸出する計画だが、旧型であるため、米国内で一部部品を調達できない状態だった。日本では三菱重工業(7011.T: 株価, ニュース, レポート)が米レイセオン(RTN.N: 株価, 企業情報, レポート)からライセンスを取得し、自衛隊向けに生産している。(後段省略)


首相のトップセールス効果、インフラ輸出受注額3倍に 対中包囲網外交、経済分野にも波及 2014.9.2 11:41 MSN産経

 安倍晋三首相とインドのモディ首相との首脳会談では、新幹線技術の導入やレアアース(希土類)輸入など経済・投資分野が重要議題となったが、安倍首相や閣僚による“トップセールス”が牽引(けんいん)役となり、日本企業の海外インフラ受注額が急増している。

 日本企業による平成25年の海外でのインフラ受注額は、前年比約3倍の約9兆2600億円。この統計を基に外務省経済局がトップセールスの効果を分析したところ、首相が関わった案件が25件、閣僚が42件と分かった。

 具体的な案件をみてみると、首脳会談で話題になったことが受注に直結した例としては、モンゴルの新ウランバートル国際空港建設事業(約500億円)▽トルコのシノップ原子力発電所の建設計画(約2兆円)▽インドのデリー・ムンバイ間の貨物専用鉄道敷設工事(約1100億円)などがある。空港や原子力発電、鉄道建設など大規模なインフラ整備事業が目立っている。

 今年に入ってからも、首相が昨年訪問したマレーシアで、世界最大級の最新石炭火力発電所事業で日本企業が優先入札権を2月に獲得して成約、6月には受注が決まった。

 また、閣僚が関わった主な案件としては「バンコク市内の都市鉄道プロジェクト(約400億円)」がある。太田昭宏国土交通相が昨年9月にタイを訪問した際、受注を後押しした。

 外務省の分析によると、東南アジアやインドなど中国と隣接する地域やトルコなど親日的な国で新規受注を増やしているのも特徴の一つ。成長戦略にとどまらず、首相が進める「対中包囲網」外交が経済分野にも波及しているといえる。

 首相は今夏、中南米5カ国歴訪でも日本企業の経営陣を同行させて新規事業の受注の開拓を支援。最後の訪問国ブラジルでは「トップセールスで具体的なプロジェクトが進展し、手応えを感じている」と強調した。

 大規模インフラ整備は受注額が大きいだけでなく、長期間にわたって利用されるため、相手国との外交関係の“象徴”にもなる。政府は民間企業との連携を深め、インフラ輸出のさらなる強化を図りたい考えだ。


参考URL:
2件の防衛装備の海外移転を認め得ることとしました 平成26年7月17日(木) 経済産業省

死せるチャベス大統領、生ける担ぎ屋を走らす

価格統制しているベネズエラの生活必需品を求めて、周辺国の密輸入業者が買い占めするのを防ぐため、コロンビアとの国境封鎖を行なってきたが、全長2200キロの国境線を監視するには実効性に欠ける。そこで、小売店での指紋認証を導入することで実効性を上げようとしている。

グローバル経済と国民経済の相克といった様相を示しているが、生産供給能力(国内自給能力)の乏しいまま鎖国経済を敷いた政策の矛盾が露呈している。チャベス前大統領の死によって跡を継いだマドゥロ政権はこうした硬直化した利権を調整しなくてはならない。

年度ごとの違いはあっても、米国が輸入している原油の約10%はベネズエラから、ベネズエラが輸出している原油の約50~60%は米国へ、というデータを踏まえないと、この二国の特殊な関係性は語れまい。

ベネズエラは反米を唱えながら、その実際は米国に経済的に依存している。また文化的にも米国の影響は色濃い。たとえばサッカーの盛んな中南米各国で、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の出場国に名を連ねるのはメキシコ、プエルトリコ(米国の連邦自治区)、キューバ、ベネズエラである。中南米諸国の反米の度合いはその歴史的経緯、政治経済的依存度、文化的影響度の多寡に左右されていることが分かる。

話を戻すと、ベネズエラの手厚い社会保障政策の原資は米国民の財布から出ているのが現実だ。チャベス政権は国家予算の約40%を社会保障に回し、乳児死亡率の減少、初等教育の充実を達成した。これは功績と云って良い。

はて我が国の資本財と基幹部品に依存している、どこかの半島国家や大陸国家を彷彿とさせるが、ベネズエラは米国を汚く口で罵っても実効性のある反米政策は採ってこなかった。一線を踏み越えさえしなければ、米国も対抗策を採ることはないだろう。

と、2012年10月16日のエントリーで述べたが、この前提条件が変わりつつある。

中長期的には、ベネズエラ原油の最大の顧客である米国はシェールガスとシェールオイルの革命によって、反米国家ベネズエラの原油を必要としなくなっていくからだ。

潤沢な原油利権の分配によって安定した社会は、かつてのカダフィ政権下のリビアを彷彿とさせる。国内の供給能力を自国民に担わせない限り、カダフィ政権崩壊後のリビアと同じく手に職を持たない者達が手に銃を握って、利権を巡る争乱を起こす最悪の展開すら待っているかもしれない。

スーパー全店で客の指紋チェック導入へ、ベネズエラ 2014年08月22日 15:22 AFP BB

【8月22日 AFP】南米ベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は20日、国内のスーパーマーケット各店に指紋認証スキャナーを導入する計画を発表した。生活必需品の価格規制を行っている同国で食品や日用品を安く購入し、周辺国に密輸出している業者を取り締まるためという。

 ベネズエラでは価格規制により、食品をはじめとする生活必需品の値段が周辺国に比べて最大10分の1の安さとなっている。

 マドゥロ大統領は、ベネズエラ国内で生活必需品が供給不足に陥っているのは、密輸業者が越境してベネズエラで安い商品を買いつけ、周辺国、特に隣国コロンビアで販売して莫大な利益を得ているせいだと非難している。

 指紋スキャナーの導入は、何度もスーパーに来て異常なほど大量の食品を買い込む行為などを防止するのが狙い。

 マドゥロ大統領は「(ベネズエラ・ボリバル)共和国内の全てスーパーマーケットと商業・流通チェーンに生体認証システムを導入するよう、価格規制監督当局に命じた」と発表。「生体認証システムは完璧だろう」「不正防止のための神のたまものだ」などと述べた。

 ベネズエラ政府は今月初旬には、密輸取り締まりのため全長2200キロに及ぶ隣国コロンビアとの国境を毎晩封鎖する措置を開始している。

 ベネズエラは世界でも最大規模の石油埋蔵量があるにもかかわらず経済危機に陥っており、増大する財政赤字と慢性的な供給不足に悩まされている。政府は2か月前に年間インフレ率60%を発表して以降、インフレ率を発表していない。(c)AFP

個人主義と大家族主義の悪しき相互作用

「イスラム国」や「ボコ・ハラム」が女を人身売買するのと同じ事例がイングランドの片田舎でも起きた。

他者の差異を認識したときには軋轢が生じる。差異を認めた他者を融合するか、分断するか、撲滅するかは、それぞれの社会が判断する。

英国社会では階級間の断層はあるが、それぞれの階級内での外国人同士の“交友・会食・婚姻”は行われている。“交友・会食・婚姻”の3つが行われている場合、その社会に差別はないと言って良い。英国は階級内での人種間差別はないが、階級間差別はある。また、サッチャリズムのときに階級の流動化が起きたが、再編されたのちも階級間差別は残っている。

1400人の英少女が性的標的、パキスタン系が白人狙い売買 報告がイスラム社会に衝撃 2014.8.31 19:06 MSN産経

 【ロンドン=内藤泰朗】英中部ロザラムで、昨年までの16年間に1400人以上の子供が組織的な性的虐待を受けていたとの調査報告が公開され、地元政治家や警察への批判が高まっている。主に白人の少女を狙い人身売買をしていたとして、パキスタン系の男ら約10人が訴追されており、英国内のイスラム移民社会にも動揺が広がっている。

 独立した専門家がまとめて8月26日に公開された報告書によると、虐待者たちは性的な欲求を満たすため、家族と離れ、施設に入れられた白人の少女たちに接近。贈り物や酒、麻薬を与えて強姦した後は、暴力を振るったり銃を突きつけて脅したりして口を封じていた。ガソリンをかけて火を付けると脅迫したり、11歳の少女を多数で強姦した例もあったという。

 被害者にはパキスタン系など非白人の少女たちもいるが、報告書は、イスラム社会での村八分を恐れて告発できない可能性があるとして改善を求めた。

 問題が長く放置されてきた背景については、ロザラムのパキスタン系地方議員らが問題解決を妨げていたと説明。議員らは、事実を公にすれば人種差別をあおり、反移民など過激な政治勢力が台頭すると懸念を示していたという。

 しかし、英メディアは「地元当局が人種問題を避け、対応を怠ってきたことが問題を深刻化させた」などと批判している。

 人口約25万のロザラムで、パキスタン系は約3%を占める。


英米のアングロ・サクソン人の社会は、近い血縁の家族内ですら本質的に出生年齢順の差異による不平等ではなく個人の能力としての差異による不平等が認められ、完全に自由を強制される。一方、パキスタン人は大家族制度と兄弟間の平等、合理性よりも慣習を尊び、いとこ婚の優先と女性への教育を重視しない特徴を持つ。

イングランド、サウス・ヨークシャー州にある25万人の小さな地方都市ロザラムで、人身売買が長期間露見しなかったのは、アングロ・サクソン人の個人主義による子供への無関心とパキスタン人の大家族主義による秘密保持が相互作用した結果といえる。彼らにとっては同じ家族共同体にいない人間に対してのシンパシーが育つ契機がないことも人身売買を助長している。

また、英国の下層階級の10代少女が家出しても、シングルマザーになれば、優先的にカウンシルフラット(公営住宅)が斡旋され、生活保護も支給される。子供には満足な教育はなされず、下層階級が再生産される構造が出来上がっている。個人主義の行き着くシングルマザーの増加を目の当たりにすると、親元にすべての男兄弟家族が生活するムスリムにしてみれば、社会秩序の否定そのものに見える。

こうして、英国に移民したパキスタン人が直面する“完全なる自由”は心理的当惑を生み、アイデンティティの危機を誘発する。ところがジョン・バニヤンの『天路歴程』の通り、家族を捨てて、ただただ己の救済を求めて遁走するのが、アングロ・サクソン人の宗教的態度としての正道なのだ。

一度、完全な自由人を要求されて、社会のただ中に放り出される。“完全なる自由”は著しい不平等を容認する。心理的当惑による精神的彷徨を経験するうちに、当人の努力によって不安を止揚克服し、不平等を受容し、英国では階級のいずれかに組み込まれるか、米国では人種のいずれかに組み込まれるかを選択しなければならない。

それ以外の方法はムスリム回帰となる。英国生まれのパキスタン系、それらと結婚して改宗したムスリムが「イスラム国」に兵士として参戦するのは、心理的当惑からムスリムへと回帰した人々の論理的帰結となる。

上記エントリーについては、2012年5月3日のエントリー2013年5月30日のエントリーを一部、再構成した。参考にされたし。
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