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逆向きのオイルショックで潤う日本

1973年の第4次中東戦争に端を発したオイルショックは、世界全体の政治経済と産業に大きな影響を与えた。原油価格が高騰するだけにとどまらず、コモディティ全般にインフレが波及して、産業構造の転換(重厚長大から軽薄短小)が促進された。我が国は省エネ技術を中心としたイノベーションで危機を乗り越えた。

2014年中盤から起きている今回の逆向きのオイルショックは、やはり原油価格の暴落にとどまらず、コモディティ全般に値崩れが起きていてる。例えばCRB指数は下降傾向を示している。1バレル20ドルでも減産しない、とプレスリリースするサウジアラビアが対イランなど輻輳した地政学的理由から、原油価格を低いままに留める意向なら、再び世界の政治経済と産業に大きな影響を与える。

下記のフィナンシャル・タイムズの記事から、原油価格が10%下落すると我が国は2.6兆円プラスになるという。現状の50%下落が続けば、11.2兆円の収支改善の効果が見込めることになる。さらにロイターのコラムニストは1バレル20ドルという最低レンジがあり得ると論じている。

Winners and losers of oil price plunge December 15, 2014 8:20 pm FT.com

Winners and losers of oil price plunge
「原油価格急落の勝者と敗者」から「日本」のみ抜粋

Japan

Japan is a clear winner from falling crude. In the last fiscal year to March 2014, the energy-poor nation spent Y28.4tn ($236bn) on mineral fuels, of which more than 90 per cent was linked to oil. Every 10 per cent drop in the price of a barrelrepresents a dividend of about Y2.6tn. And a 30 per cent drop hands back about as much cash as was raised by the government this year, when it put up consumption tax by 3 percentage points. In effect, a narrowing in the country’s budget deficit has been “totally paid for, from abroad”, says Hideo Hayakawa, a former chief economist at the Bank of Japan. But lower oil is a mixed blessing for the BoJ, as it could make it more difficult to achieve its 2 per cent target for inflation.

【日本】

日本は明らかに原油価格下落における勝者である。2014年3月期に資源を持たない国は鉱物資源に28.4兆円を費やした。これら資源の90%は原油価格に連動している。原油価格の10%の下落は2.6兆円の収支改善になり、30%の下落は今年度の3%の消費税増税と同じキャッシュを得ることに等しい。海外からの支払い分で政府予算の赤字幅を減少させた、と日銀の元チーフエコノミストだった早川英男が云う。ただし、原油暴落は日銀にとって迷惑な面もある。日銀の2%のインフレターゲットの目標達成が困難になる。


コラム:原油が20ドルまで下がり得る理由=カレツキー氏 2014年 12月 22日 16:41 JST ロイター

(前段省略)

米国の消費者物価指数で考えた物価調整後の原油価格の過去の推移は、興味深いヒントを提供してくれている。OPECが影響力を行使し始めた1974年以降の40年間は、3つの局面に分かれる。1974─1985年は、原油価格は現在の価値でみて48─120ドルで取引され、1986─2004年のレンジは21─48ドル(1991年の湾岸戦争と98年のロシア危機は別)、05年から今年までは50─120ドル(08─09年の金融危機で短期間価格が跳ね上がったケースは別)となった。

これら3つの局面で重要なのは、過去10年間の取引レンジがOPECが支配力を最初に確立した1974─1985年と酷似しているが、1986─2004年はまったく異なる枠組みだった点だ。この差は1985年にOPECの支配力が崩れてそれから20年が独占市場から競争市場に移行したことと、2005年になって中国の需要増大を利用してOPECが価格支配力を取り戻したことで説明できる。

過去の例からすると、市場が独占的か競争的かは価格が50ドル弱当たりで区別するのが、新たな長期の取引レンジの落ち着きどころを推測する上では合理的に見受けられる。だが50ドルは今後のレンジの下限なのか、それとも上限なのか。

1986─2004年の局面と同じく、これから価格が最低20ドルから50ドルまでに取引レンジが切り下がると予想されるいくつかの理由がある。

技術面と環境面の圧力は長期的な原油需要を減らし、中東以外の高い生産コストの原油を、膨大な埋蔵量があって引き合いが乏しい石炭と同じような「普通の資産」へと変貌させる恐れが出てきている。長期的に原油を押し下げる圧力としては、イランやロシアへの制裁が解除されたり、イラクとリビアの内戦が終結し、サウジよりも多い原油が国際市場に供給される可能性も挙げられる。

米国のシェール革命は恐らく今後、1974─1985年もしくは2005─14年のようなOPECの価格支配力が再度定着するよりも、価格競争が起きる状況に戻ると考える強力な根拠だろう。

シェールオイルは比較的コストがかかるが、生産作業の稼働と停止は従来型油田よりずっと簡単で費用も少ない。つまり今や、シェール業者はサウジの代わりに、国際市場における調整役「スウィング・プロデューサー」になっているはずだ。

(後段省略)

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緊縮財政反対は正しいが、それはデフォルトへの道

ギリシアの急進左派連合(Syriza)は2012年6月の総選挙で52議席から71議席にまで勢力を伸ばし、中道左派の全ギリシャ社会主義運動(Pasok)の支持層を奪ってきた。

おそらく今回2015年1月25日の解散総選挙では、急進左派連合(Syriza)の過半数は難しいが、第1党に躍進して、 党首のAlexis Tsiprasが首相に就く、と予想される。すると主張通り、政権は緊縮財政に反対して、何度か目のデフォルト危機に陥る。 ソブリン債3年物の利回りが12%となっているので、すでに詰んでいるようにも思われる。

下記に2012年の2回行われた総選挙結果を再掲する。

ギリシャの解散総選挙、信用リスク高める要因=フィッチ 2014年 12月 30日 20:22 JST ロイター

ギリシャ政治混迷、議会で大統領選出できず来月25日に総選挙へ 2014年 12月 30日 08:12 JST ロイター

IMF、ギリシャとの支援協議再開は解散総選挙後の見通し 2014年 12月 30日 01:20 JST ロイター

ギリシャ大統領選、最終投票でも選出できず 総選挙実施へ 2014年 12月 29日 19:45 JST ロイター

コラム:ギリシャ危機再燃でリスクオフの円高警戒 2014年 12月 26日 17:30 JST ロイター

2012年5月のギリシアの総選挙結果
(定数300、過半数151)
新民主主義党(New Democracy) 108
→中道右派・保守主義:1974年結党
急進左派連合(Syriza) 52
→極左・反グローバリズム:2004年結党
全ギリシャ社会主義運動(Pasok) 41
→中道左派・社会民主主義:1974年結党
独立ギリシャ人(Independent Greeks) 33
→右派・ポピュリズム:2012年結党
共産党(KKE) 26
→左翼・共産主義:1918年結党
黄金の夜明け(Golden Dawn)  21
→極右・国家主義:1993年結党
民主左派(Democratic Left) 19
→左派・汎欧州主義:2010年結党

2012年6月のギリシアの総選挙結果
(定数300、過半数151)
新民主主義党(New Democracy) 129
→中道右派・保守主義:1974年結党
急進左派連合(Syriza) 71
→極左・反グローバリズム:2004年結党
全ギリシャ社会主義運動(Pasok) 33
→中道左派・社会民主主義:1974年結党
独立ギリシャ人(Independent Greeks) 20
→右派・ポピュリズム:2012年結党
共産党(KKE) 12
→左翼・共産主義:1918年結党
黄金の夜明け(Golden Dawn)  18
→極右・国家主義:1993年結党
民主左派(Democratic Left) 17
→左派・汎欧州主義:2010年結党

モザンビークにおける日中戦つづく

新興国・資源国のロシアが苦境に立たされているのと同じ状況がブラジルにも押し寄せている。ブラジルの資源大手ヴァーレ社がモザンビークのモアティゼ炭鉱の権益14%と幹線道路と港湾「ナカラ回廊」の権益35%を三井物産に譲渡して、バランスシート上から負債を消す。

一方、我が国は「ナカラ回廊」に対するODAも行っている。以前、2014年1月27日のエントリーで紹介した、三井物産と米国アナダルコとモザンビーク国営石油会社(ENH)共同開発のLNGを念頭に置いたガス複合式火力発電所を首都マプトにつくる一般アンタイドのODA供与と同様の構図で、旧ポルトガル領を巡る中共との戦いは続いている。

三井物産、モザンビーク炭鉱権益をヴァーレから取得 2014 年 12 月 10 日 12:10 JST WSJ日本版

【東京】三井物産は9日、アフリカ・モザンビークの炭鉱と鉄道・港湾プロジェクトの一部権益をブラジルの資源大手ヴァーレから取得すると発表した。ヴァーレはコモディティー相場の下落で打撃を受けており、大規模プロジェクトの資金手当てに苦しんでいる。

 三井物産はヴァーレから、モアティゼ炭鉱の権益14%と、ナカラ港の鉄道・港湾プロジェクトの権益35%を取得する。同社によると、初期投資額は7億6300万ドル(約914億円)。取引後、ヴァーレは炭鉱の81%と、いわゆる「ナカラ回廊」の35%を保有することになる。資産取得は来年に完了する予定。

 ヴァーレはこの取引で、最大36億5000万ドルの資金支出を避けられるとしている。前払い金に加え、三井物産は設備投資の負担にも同意しており、両社は日本の銀行や多国籍の金融機関などから最大27億ドルを調達できればと期待している。

 ヴァーレが保有するナカラ回廊の権益は35%に減少するため、負債はバランスシートに計上されない。鉄鉱石や他のコモディティー相場の長引く下落に耐えるため、ヴァーレにとってはこれが取引の重要な目的だった。


三井物産、モザンビーク炭鉱権益15%をヴァーレから取得 2014年 12月 10日 08:17 JST ロイター

三井物、モザンビークで炭鉱・インフラ事業 当初投融資額916億円 2014/12/9 17:40 日経

 三井物産(8031)は9日、アフリカのモザンビークで炭鉱や鉄道・港湾インフラ事業に参画すると正式に発表した。現地で炭鉱やインフラ事業を手掛けるブラジル資源大手のヴァーレ子会社に出資する。当初の投融資額は計916億円。資源開発とインフラ開発を一体的に進め、アフリカ地域での事業展開を目指す考え。

 炭鉱事業では北部にあるモアティゼ炭鉱の95%を持つヴァーレ子会社の15%の権益を取得する。同炭鉱の埋蔵量は原料炭や一般炭を合わせて6.9億トンで、現在は生産能力を年2200万トンまで拡大している。

 鉄道や港湾インフラ事業は、東部にあるナカラ港とモアティゼ炭鉱を結ぶ予定の貨物鉄道などを整備する。三井物産はインフラ事業を進めるヴァーレ子会社の50%分を取得する。〔日経QUICKニュース(NQN)〕


参考URL:
日本のODAプロジェクト:モザンビーク共和国 外務省

ナカラ回廊経済開発戦略策定プロジェクト:JICA

スウェーデン、2022年までの問題先送り

政治における左右のスタンスは各国の事情によって大きく異るものがある。北欧諸国では市場原理の重視や移民の制限、高福祉の縮小を唱えるだけで極右扱いされる。ノルウェーの進歩党然り、スウェーデンの民主党然り。

2010年選挙で20議席を獲得したスウェーデン民主党は、2014年選挙で49議席と躍進して、一挙にキャスティングボートを握るに至った。

彼らは政権与党の中道左派連合が出した予算案に反対票を投じて、野党の中道右派連合の予算案に賛成票を投じた。結果、野党の予算案が可決された。このとき、政権は総辞職して野党に政権を譲るか、解散総選挙して国民に信を問うしかない、はずだった。

そして一度は2015年3月22日、56年ぶりの解散総選挙と定まった。しかし急転直下、中道左派と中道右派の間で事実上の大連立合意ができた。予算案は一旦野党案を丸呑みし、2022年まで、つまり次々回まで議会は任期満了を続け、解散総選挙なし、スウェーデン民主党を議会の合意形成プロセスから排除するという枠組みがつくられた。

長らくスウェーデン社会民主労働党による長期安定政権が続いてきたため、少数与党による政権が就いているときの政治的慣例が積み重なっていなかった隙を突いてきたスウェーデン民主党の戦術敗れたり、といったところだろう。

我が国では、衆参がねじれ状態に陥ると、特例公債法案をめぐり、野党の強硬派がキャスティングボートを握り、何らかの形で政権交代が起きてきた。スウェーデン議会はそうした道を封じたことになる。

しかしながら、モスク放火事件が大連立合意に前後して起きるなど、通底として移民に対する反感は根強い。移民の制限に応じなければ、スウェーデン民主党は次回、次々回の選挙でさらに議席を伸ばすことだけは間違いない。

ともあれスウェーデンは、ムスリム系移民を多文化主義と定義して居住区画ごと隔離したまま、加えてスウェーデン民主党を極右と定義して議会の中で隔離したまま、2022年まで移民問題という政治的爆弾を先送りする賭けに出た。確かにアラブ・中東の紛争やユーロ圏の迷走など外的条件が7~8年までに大きく変わっている蓋然性は高い。その意味で合理ではある。あとは内在的な条件がどこまで変化するかに懸かってくるだろう。

スウェーデン約50年ぶりの解散・総選挙へ、議会が政府予算案否決 2014年 12月 4日 11:01 JST ロイター

スウェーデンでモスク放火、5人負傷 別のモスクも窓割られる 2014.12.27 10:54 産経ニュース

スウェーデン総選挙を回避 中道左派、右派が協力合意 2014.12.28 00:23 産経ニュース

 政府予算案の否決を受けて混迷が続いていたスウェーデンのロベーン首相は27日、自ら率いる中道左派の連立政権と中道右派の野党4党が政治を安定させる枠組み合意に達し、いったん実施を表明した来年3月の総選挙は回避されたと発表した。ロベーン氏は首相にとどまり政権は存続する。

 合意により、中道左派、中道右派の両陣営が拮抗する議会内で事実上の決定権を握っていた極右の民主党を排除、政治を安定化させた形だ。

 現地からの報道によると、枠組み合意は来年4月から2022年の総選挙まで有効。この間、両陣営は政府予算案に反対せず、協議による合意をめざす。年金や防衛、エネルギーをめぐる政策でも協調する。

 首相は合意について「議会が困難な状況に置かれた時でも、スウェーデンは政治を運営できることを示した」と述べた。(共同)

ドルで精算しなければ負けは決まらない

原油や穀物などのコモディティ市場に流れる投機資金よりも株式市場のそれは大きく、為替市場や債券市場のそれはさらに大きい。データ上であっても流通しているコモディティとマネーでは桁が違う。(原油や穀物など)実物を握っていてもドルで換金できなければ、ハードカレンシーを持たないロシアの負けは確定してしまう。

例えばエコノミスト誌によれば、12月15日、ブレント原油が1%値下がりしただけなのに、ルーブルは対ドルで10%も値を下げた。仮に原油価格が「1」動くと、それを材料に為替では「10」のレバレッジが掛かる訳だ。

こうした場合、負けないために採るべき手段は対外的に負けを確定させたり、露呈させなければ良いことになる。つまり、ロシアは現在負けている賭けをドルで精算しないことを決めたのだ。

実物資産をドルなどに換金させないように、しばらく国内産穀物の輸出禁止を決め、来年2月から穀物輸出関税を掛けることを決めた。またドルなど外貨準備高を減らさないように、寡占化されているエネルギー企業(ガスプロム、ロスネフチ、ザルベージュネフチ、アルロサ、クリスタル)に対して行政指導の形で資本規制を始めた。

かくて国家を賭けたディールは続く。ここに軍事的なオプションが加わると、さらに局面は厳しいものになるだろう。

ロシアのインフレ率、ルーブル安で来年末10%に━経済相=報道 2014年 12月 27日 08:39 JST ロイター

ロシア、来年の成長率はマイナス4%=財務相 2014年 12月 27日 01:03 JST ロイター

ロシア穀物輸出関税、2月導入 トン当たり35ユーロ以上に 2014年 12月 26日 15:47 JST ロイター

ロシア外貨準備が09年8月以来の4000億ドル割れ、通貨防衛で 2014年 12月 26日 09:23 JST ロイター

ロシアが穀物輸出を停止、輸入国で調達不安も 2014年 12月 25日 11:00 JST ロイター

ロシア、ウクライナ加盟ならNATOと関係を断絶=国防次官 2014年 12月 24日 19:50 JST ロイター

ロシアが「非公式」な資本規制導入、ルーブル急回復 2014年 12月 24日 09:54 JST ロイター

[モスクワ 23日 ロイター] - ロシアは23日、1998年の財政危機再発を防止すべく、「非公式」な資本規制を導入した。ルーブルは2週間ぶりの高値水準に上昇した。

ロシア政府は、政府系の輸出関連企業に対して、外貨建て資産の保有高(ネットベース)に上限を設定。また当局筋や銀行関係者の話によると、ロシア中銀は大手国営銀行の外為取引デスクに監督官を派遣した。

ルーブルRUBUTSTN=MCXは一時、1ドル=52.88ルーブルと、12月8日以来の高値をつけた。先週は80ルーブルまで下げていた。

エコノミストは、今回導入されたのは緩やかな形の資本規制との見方を示している。プーチン大統領はこれまで、本格的な資本規制の導入には否定的な見解を示しており、今後も正式な規制実施はないとの見方が大勢だ。

エコノミストのセルゲイ・グーリェフ氏は「政府はすでに、政府系輸出企業にドル売りを義務付けている。銀行についても、同様の命令が下るのではないか。資本規制は事実上、すでに行われている」と述べた。

<非公式な規制>

ロシア政府は、政府系の輸出関連会社に対して、外貨建て資産の保有高(ネットベース)を来年3月1日までに、今年10月1日時点の水準に戻すように指示。外貨保有高を毎週、報告することも義務付けた。

ある政府関係者は「当然、こうした企業がドルを保有し続けたり、投機的な活動に関与したりするのは自由だ。ただし今後、経営が厳しくなった場合でも、政府の支援は期待できないということだ」と述べた。

今回規制の対象になったのは、ガスプロム(GAZP.MM: 株価, 企業情報, レポート)とロスネフチ(ROSN.MM: 株価, 企業情報, レポート)のほか、ザルベージュネフチ、アルロサ、クリスタル各社。

一方、銀行関係者や当局筋の話によると、ロシア中央銀行は先週、ロシアの大手銀行の外為取引を監視するため、担当官を派遣し始めた。

当局筋は「パニックが起きていたため措置を取った」としている。

*内容を追加します。


参考URL:
利上げも為替介入も効果なしのロシア経済 いよいよデフォルトも視野に入る The Economist 2014年12月26日(金)日経ビジネス

“カリブの春”を誘発させるオバマ大統領

ポーランド出身、スラブ系としても史上初だった教皇ヨハネ・パウロ2世(在位1978年~2005年)が、1979年6月に母国を訪問して以降、1989年の東欧革命につながるうねりが起きた。

ポーランドでは1981年から1983年に戒厳令が布かれ、その翌年、当時非合法だった自主労働組合「連帯」のワレサ委員長とも親しかった神父イエジ・ポピエウシュコが治安警察の手によって誘拐・殴殺されて、遺棄された死体はワルシャワ郊外の人造湖で発見された。

彼の殺害の経緯と葬儀の様子を撮ったビデオテープは大量にコピーされて、教会のネットワークを通じて拡散・浸透して、民主化を促す力となった。我が国ではあまり知られていないが、神父はポーランド民主化運動の重要人物とされ、2010年には列福されている。

さて、オバマ大統領は教皇フランシスコ(史上初のイエズス会出身、南米出身としても初)の仲介によってキューバとの国交正常化交渉を開始すると発表した。かつての教皇ヨハネ・パウロ2世のひそみに倣うことは出来るのだろうか。上下両院が野党の共和党に抑えられている現状、大使館の開設や渡航や送金の制限緩和を進めるものと考えられる。

キューバと国交正常化交渉、米大統領が開始発表 2014年 12月 18日 06:55 JST ロイター

キューバと国交正常化交渉開始に共和党反発も 12月18日 17時16分 NHK NEWSWEB

「カストロ政権には両刃の剣」 アジア経済研究所 山岡加奈子氏 2014.12.19 06:00 産経ニュース

キューバへの禁輸措置とキューバ国内の民主化支援を定めた「Helms-Burton Act」が頑然とあり、大統領令のみ、議会承認なしの禁輸解除はできない。大統領は議会に禁輸解除と駐キューバ米国大使の承認を求めるであろうが、ロバート・メネンデス上院議員(民主党、キューバ系)ですら大統領の声明に怒っている。となれば、ハバナの米国大使館に主なしの事態もあり得る。

また、今年の中間選挙のひとつ、フロリダ州知事選ではキューバとの国交正常化を訴えたCharlie Cristが敗退している。

合衆国全体としてキューバとの国交正常化賛成が多数でも、亡命してきたキューバ系移民及びベネズエラ系移民の多いフロリダ州は国交正常化反対の傾向にあるし、有権者登録をした人々はさらに反対傾向が強い。

しかも、フロリダ州は大統領選を左右するスイング州のひとつであることも国内政治を混迷に追い込む。 共和党の大統領候補のひとり、と取り沙汰されるキューバ系のマルコ・ルビオ上院議員を相対的に押し上げるかもしれない。

行政府であるホワイトハウスは、自国の金融政策(QE1~QE3、テーパリングと利上げの時期模索)が世界に及ぼす影響力の強さを理解せず、外交政策によるフォローを怠った。意図的か無能なのか判別が付かないほどだ。

“アラブの春”のさなか、安易なロシアとの妥協によってシリア内戦の激化を招き、ISIS(イスラム国)の台頭を許し、事態を深刻に捉えたサウジアラビアがOPEC会合での減産に応ぜず、原油価格の暴落は新興国の通貨を暴落させ、ドル建ての債務を抱えたままの各国政府や企業をデフォルト危機に陥らせる。

つまり上記の流れを逆に読めば、ベネズエラのデフォルト危機と米国・キューバの国交正常化は連動する。

キューバでは、医者など技能職関係の人件費を低廉に抑えている。例えば、彼らの人的移動が自由化されれば、自主的に国外脱出するだろう。これを抑えるためには彼らの人件費を適正価格まで上げるしかない。そうしなければ、社会主義的な国家群を支える技能職を中心とした人的交流の遮断から、キューバ~ベネズエラ~ボリビアなどの社会保障政策の破綻まで至り、否応なく“カリブの春”が訪れる。

そして、立法府(上下両院)と行政府(ホワイトハウス)の対立のなかで、カリブ・中南米の政治的混乱が放置される可能性も高くなるだろう。

モンゴル~ロシア~日本交易ルートの確立

モンゴルは、2012年にドル建ての5年物チンギス債(4.125%)と10年物チンギス債(5.125%)を発行した。調達額は同国GDPの5分の1近い。このうち5年物チンギス債の償還が2016年に始まる。資源価格の長期低迷が今後も続くものと想定すると、そのときデフォルト危機とウランバートルの不動産バブル崩壊が起きるだろう。

モンゴルが初めて国債発行-GDPの2割近く 2012年 11月 29日 12:32 JST WSJ日本版

日本とモンゴル及び対抗する中共の関係については、2014年7月23日のエントリーでは日蒙EPAが基本合意、発効の見込みとなったこと、また2014年8月28日のエントリーでは、中共とモンゴルは共同宣言に署名し、両国関係を全面的戦略パートナーシップに格上げすることに同意したことを取り上げた。

日本と中共いずれにとっても、資源国モンゴルからの輸入はタバン・トルゴイ炭田とオユ・トルゴイ銅鉱山が焦点になる。我が国とモンゴルの貿易は陸路と空路となるが、中共を介さない陸路は一般的に鉄道となり、ロシアのバイカル湖のウラン・ウデからシベリア鉄道に接続する。

中共とモンゴルの全面的戦略パートナーシップを切り崩す機会は冒頭に上げたように2016年に訪れる。それまでは深く静かにモンゴルとロシアに対する根回しを進めるべきだろう。

三菱マテ:モンゴルから銅精鉱を輸入、ロシア経由で-三井物産と共同 2014/12/22 16:16 JST ブルームバーグ

(ブルームバーグ):三菱マテリアル は三井物産 と共同でモンゴルから銅精鉱を試験的に輸入した。電線や自動車部品など幅広い分野で使用される銅製品の原料となる銅精鉱の輸入先は、チリやペルーといった南米地域への依存度が高い。調達先を分散するため、モンゴルを新たな安定調達先としたい考えだ。

三菱マテリアルの井上達也原料部長が22日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで明らかにした。英豪系リオ・ティント がモンゴルで手掛けるオユ・トルゴイ銅鉱山から5000トンの銅精鉱を今月輸入した。三井物産がモンゴルからロシア極東のウラジオストクまでの鉄道輸送と、ウラジオストク港から日本までの海上輸送の物流面を手掛けた。

三菱マテは銅地金生産で国内3位。年間100万トンの銅精鉱を輸入するが、7割弱をチリ、ペルーに依存している。井上部長は「供給源が偏在しており、調達先を多様化しなければならない」と指摘。モンゴルは距離的にも近く「長期的な供給源にしたい」との考えだ。三井物産と共同でリオと長期の調達契約について今後交渉していく。

チリからの海上輸送が約30日かかるのに対して、モンゴルから調達した場合、鉄道輸送では25日かかるものの、ウラジオストク港からは5日で日本に到着するという。

財務省の貿易統計によると、2013年の日本全体の銅精鉱の輸入量のうちチリ、ペルーの比率は63%。モンゴルからの輸入実績は1998年の8020トン以降はない。

(後略)


モンゴル:オユ・トルゴイ銅山の中国への出荷、今週開始へ 2013/07/08 08:17 JST ブルームバーグ

参考URL:
今後の EPA 交渉可能性国における潜在的ニーズに関する 調査研究報告書 平成 22 年 3 月 財団法人国際経済交流財団(PDFファイル)

立法府と行政府を国民の手に

第3次安倍内閣が発足した。消費税増税の延長の是非をめぐる解散総選挙では、三党合意の当事者であった民主党も増税延期に傾いてしまったため、むしろ敵に値するのは自民党内の税調会長の野田毅氏など党内の増税派であり、またその背後の財務省という構図となっていた。

もっとも官僚が主導する政治からの打破という面からは「課税の是非において議会が解散総選挙で民意を問う」、財務省より優位に立つ前例を作れたことは大きい。

第97代首相に安倍晋三氏 2014年 12月 24日 15:13 JST ロイター

安倍内閣の至上命題はデフレ脱却、全力で達成したい=経済再生相 2014年 12月 24日 10:00 JST ロイター

思えば、鳩山政権下の小沢幹事長が官僚間の意見調整を図る事務次官会議を廃止した。おそらくこれが民主党政権の官僚支配の打破の唯一の成果かもしれない。事務次官会議は閣議前に行われ、キャリア官僚は先議権と拒否権を有していたからだ。

事務次官会議は、菅政権の混乱のなかで東日本大震災各府省連絡会議として復活し、野田政権においては各府省連絡会議と名を替えた。

第2次安倍政権以降は、事務次官連絡会議となった。重要なのは以前の事務次官会議と違い、先議権と拒否権は付与されていない点だろう。行政府も官僚優位から大臣優位になった証左である。もしも、これを独裁と言われてしまったら国民に任免権のない官僚よりは大いにマシというより他にない。

共同測量はマラッカ海峡共同防衛への布石となるか

ベトナムは巡視船・巡視艇を我が国から中古船6隻(引渡し済)と新造船10隻(予定)、インドから4隻供与(予定)される。同じく我が国はフィリピンに10隻(予定)、インドネシアに3隻(2008年引渡し済)、マレーシアもそれぞれ我が国からODAによる巡視船供与とJICAによる人材育成を受けている。

そのスキームについては、2013年5月24日のエントリー2013年7月29日のエントリーなどを参照されたし。

さらにインドネシアに対しては、来年のジョコ・ウィドド大統領来日を目処に追加供与の見通しとなった。

興味深いのはマラッカ海峡の共同測量に日本、インドネシア、マレーシア、シンガポール4カ国で行うのに、中共が参加打診してきたのを「潜水艦の航行など軍事目的にデータが流用されるのを警戒し、3カ国が拒絶した」というロイター電だ。

今後、共同測量などの協力関係を深化させながら、マラッカ海峡の共同防衛を目指すべきであろう。

海賊対策でインドネシアに巡視船 2014年 12月 18日 02:00 JST ロイター

政府はインドネシアの海賊対策を支援するため、同国に巡視船を供与する方向で調整に入った。日本政府関係者が17日、明らかにした。安倍晋三首相が来年前半に見込まれるジョコ・ウィドド大統領来日時に表明する見通し。東南アジアでの海賊事件の発生件数は国際的に見て多い。日本船も被害に遭っており、インド洋と太平洋を結ぶ海上交通路の安全強化は不可欠と判断した。

 政府は2006年にもインドネシアへの巡視船供与を決め、新造船3隻を提供した。今回も新造船になるとみられる。供与は同国の要請を受けた措置。海洋進出を活発化させる中国をけん制する狙いもある。

【共同通信】


日本、来年からマラッカ航路測量 シーレーンの要衝、沿岸3カ国と協力 2014.12.11 06:00 産経ニュース

【シンガポール=吉村英輝】日本が、東アジアと中東を結ぶシーレーン(海上交通路)の要衝であるマラッカ海峡の航路測量を来年から実施することが10日、分かった。沿岸国のインドネシア、マレーシア、シンガポールの担当者が来週、東京で日本側と協議し、正式合意する。

 計画では、海流で海底の地形が変化するなど、直ちに測量が必要な5カ所で来年早々に行う。日本の船会社などが財団法人「マラッカ海峡協議会」(東京都港区)を通じて資金と技術者を送り、沿岸の3カ国政府による測量に協力する。2016年以降は、日本が設置した日・ASEAN統合基金も活用し、早ければ18年に新たな海図を完成させて公表する。

 マラッカ海峡はタンカーなど年間12万6千隻(12年実績)が航行する“大動脈”だが、航路が狭く浅瀬や沈船も多い。日本は過去2回、1969~75年と96~98年に海峡の航路測量を支援している。

 関係者によると、海峡を利用する自国向け船舶が増えている中国も測量参加に関心を示したが、「潜水艦の航行など軍事目的にデータが流用されるのを警戒し、3カ国が拒絶した」という。

ベネズエラの夜空に死兆星は見えるか

ソシエテ・ジェネラルのストラテジストがベネズエラのデフォルト(債務不履行)に来年10~12月期、早ければ1~3月に陥る可能性を指摘した。

産油国の国家財政が均衡するためのブレークイーブンコストはベネズエラが161ドル、イエメンが160ドル、アルジェリアが132ドル、イランが131ドル、ナイジェリアが126ドル、バーレーンが125ドル、イラクが111ドル、ロシアが105ドル、そしてサウジアラビアが98ドルである(シティグループ調べ)とも云われている(2014年12月12日のエントリーより抜粋)。

ベネズエラのブレークイーブンコストは1バレル161ドル。

これが事実ならば、2014年12月10日のエントリーで、以前のベネズエラに関する考察をまとめたが、手厚い社会保障政策を最低でも縮小しなければならない。チャベス政権の路線を引き継いだマドゥロ政権は突然死を迎えるかもしれない。それは反米を吠えながら、原油輸出先を米国に頼り切っていた甘えの構造の破綻、ぬるま湯がいつの間にか熱湯に変わっていたようなものだろう。

ベネズエラの対米原油輸出は、2004年には日量約180万バレルだったが2013年には約80万バレルに減っている。しかもベネズエラは、自国内の産油及び精製施設のメンテナンスが恒常的に不足しがちになっている。

シェール革命がイノベーションによるものだと考えれば、フラッキング(水圧破砕)の技術も常に革新されていく可能性が高い。シェールガスやシェールオイルのためのイニシャルコストも最初に投資した会社が精算されることで消え、ランニングコストも下がっていくのではないか。彼らは米国を侮った。そのツケを払う時期に来たのかもしれない。

ベネズエラは恐らく来年デフォルト状態に陥る-ソシエテG 2014/12/18 13:08 JST ブルームバーグ

(ブルームバーグ):原油価格の急落に伴い、ベネズエラは恐らく来年デフォルト(債務不履行)状態に陥るとの見解を仏銀ソシエテ・ジェネラルが示した。

ソシエテ・ジェネラルのクレジット・ストラテジスト、レジ・シャトリエ氏は17日、ロンドンからの電話インタビューで、「原油のこうした動きはベネズエラがデフォルト状態となる可能性が高いとの私の見解裏付ける。時期は10-12月(第4四半期)の可能性が非常に高く、1-3月(第1四半期)も若干あり得る」と説明した。

原題:Venezuela Default Expected Next Year as Oil Tumbles, SocGen Says(抜粋)

“唇亡びて歯寒し”を避ける深慮遠謀

春秋戦国の昔から、緩衝国を滅ぼすと強大な敵国に直接対峙せねばならなくなり危険である故事を“唇亡びて歯寒し”と云うようになった。

“唇亡びて歯寒し”の典型は、宋が北方の遊牧民族に滅ぼされる過程に見られる。

北宋が遼と結んだ1004年の澶淵の盟(燕雲十六州を失い、北宋が遼に朝貢する)を屈辱に感じて、勃興した金と挟撃したが、のちには金に攻められ1126年の靖康の変で滅び、華北すべてを失い江南へと落ち延びて南宋が再興するものの、さらにはモンゴル(元)の勃興に際しても盟約によって金を討ち、最後は元に追い詰められて1279年の崖山の戦いで南宋が滅ぼされるに至った。

ハマスがテロ組織指定解除をEUから受けるとすれば、欧米が承認するシリアの暫定政権を支持して、イランからの援助を切られ、母体であったエジプトのムスリム同胞団が軍部に弾圧され、ガザとシナイ半島のトンネルを塞がれた上、イスラエルに3度目のガザ侵攻を受け、満身創痍になったからにほかならない。ここでハマスを撲滅してもさらに凶悪なイスラム原理主義過激派が誕生するだけだからだ。

パレスチナは国家承認されたとしても、ヨルダン川西岸地区のファタハとガザ地区のハマスのふたつの政府が並立した状態に過ぎない。湾岸戦争でイラク支持に回り、湾岸産油国から切られたPLO(現在のファタハ)は武装闘争路線を捨て、インティファーダを経て、イスラエルとの和平(オスロ合意)に至った。ハマスはもまた武装闘争路線を捨てざるを得ない方向へと進んでいる、と解釈した方が妥当だろう。

これについては、2014年8月27日のエントリーを参照されたし。

「ハマスのテロ組織指定解除を」欧州司法裁判所 2014年12月17日 19:40 AFP BB

【12月17日 AFP】欧州司法裁判所(ECJ)は17日、パレスチナ自治区のイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)のテロ組織指定を解除すべきとする判断を下した。ただしハマスの資産凍結は継続されるべきだとした。

 同裁判所は声明で、2001年のハマスのテロ組織指定は、正当な法的判断に基づいたものではなく、報道やインターネットに導かれた結論に基づいたものだったと述べた。ただし、今回の指定解除の判断は専門的な法的根拠に基づくもので、「テロ組織としてハマスを分類するかどうかという問題の実質的評価を意味するものではない」と強調した。またハマスの資産凍結については、EUの異議申し立て期間である3か月間は継続される。

 EUは2001年9月11日の米同時多発テロを受けて、同年12月にEUとして初採用したテロ組織指定リストで、ハマスの軍事部門をテロ組織に指定。03年にはハマスの政治部門もテロ組織に指定した。(c)AFP


パレスチナ国家承認「原則支持」=EU各国の動き受け-欧州議会 2014/12/17-22:47 時事ドットコム

安倍首相、1月15日から中東歴訪=来年度予算編成後に 2014/12/16-22:37 時事ドットコム

 安倍晋三首相は16日、来年1月15日から21日までの日程でエジプト、イスラエル、ヨルダン、アラブ首長国連邦(UAE)の中東諸国を歴訪する方向で最終調整に入った。各国首脳との会談では、「積極的平和主義」に基づいて中東地域の安定化に協力し、過激組織「イスラム国」への対応で連携していく方針を伝える。

 首相は当初、1月前半の中東訪問を検討していたが、衆院解散・総選挙に伴い2015年度当初予算案の編成作業が越年するため、1月14日に予定される予算案の閣議決定後に変更した。 

 イスラエルとヨルダンに日本の首相が訪問するのは小泉純一郎元首相の06年7月以来となる。安倍首相はエジプトには第1次政権時の07年5月、UAEには13年5月にそれぞれ訪れている。

ロシアの柔らかい脇腹を攻める中国共産党

ロシアは冷戦敗北による東欧からCIS諸国への影響力回復という戦後レジームからの脱却を目指しているが、中国共産党はカザフスタンに喰い込み、中東欧向けに30億ドルの基金立ち上げを表明した。

発足させたばかりのユーラシア経済同盟(ロシアにカザフスタンとベラルーシが参加)を“シルクロード経済ベルト”構想で揺るがされ、スラブ系の正教会同士で関係の深いセルビアのベオグラードで足掛かりをつくられると宣言されてはプーチン大統領も堪らない。

中国、中東欧向けに30億ドルの投資基金設立を表明 2014年 12月 17日 10:03 JST ロイター

中国、カザフと連携強化 シルクロード経済圏構想掲げロシア牽制 2014.12.16 05:00 SankeiBiz

2013年11月1日のエントリーで、すでに述べているように中露二ヶ国の上海協力機構は案外脆いと思われる。

以下、抜粋。

上海協力機構は、中露二ヶ国に旧ソ連の中央アジア諸国(カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン)を併せた事実上の軍事同盟である。周知の如く、中露の利害を一致させ続けなければ、この同盟は常に瓦解する危機を孕んでいる。そして、その危機はすでに形になりつつある。

ひとつに中露の経済的影響力が機構内で変化している。エネルギー・資源の確保を目指す中共は、たとえばカザフスタンの石油、ウラン権益に手を伸ばし、従来のロシアの影響力を削ぐことになる。カザフスタンにとっては供給先の多様化は望ましいが、ロシアとカザフスタンの両国関係を犠牲にしない程度に、そして我が国含め欧米資本も入ることになる。

ひとつに中共の膨張路線に対する機構内での危惧が顕在化している。それは軍事面ではなく人口面で見て取れる。たしかに一人っ子政策によって人口ボーナスが終了はしたものの、戸籍では13億人、戸籍無しを含めると16~18億人の人口を擁する中共に対して、未だに人口減に悩まされているロシア、非イスラム化による女性の社会進出が始まる中央アジア諸国。彼らにとって中共の(ありとあらゆる混乱要因による)人口流出へのリスク感覚は並大抵のものではない。

プーチン大統領の「オレたちの戦いはこれからだ」

見通しが正しくても、政治経済の変数の存在や増加、国内外の利害対立と調整の際の力学によって、より悪くなるという実体験をアベノミクスに逆行する消費税増税で味わったばかりの我々としては、プーチン大統領の力量を見極めたいところだ。

以前の2014年3月28日のエントリーで、以下のように彼の演説で取り上げた。

ロシア独自の決済システムを開発・導入する意図を明らかにしたプーチン大統領は、中共の銀聯(UnionPay)と我が国のJCBに言及して、その次のパラグラフでは、ロシア国外に流出した資本を再還流させること、給与所得を引き上げられる環境を整備することにも触れている。

しかし、進捗状況ははかばかしくない。政治経済の変数の増加でさらなる対応に追われていく上に、根本的な問題がロシアの社会にふたつ横たわっているからだ。

ひとつ目の問題は、欧州のような協調関係を作り出す周辺外交の積み重ねがなく、安定を生み出す安全保障の仕組みが構築されていないために、コーカサス山脈の南北ですり潰され続ける自国の軍隊。

ふたつ目の問題は、常に国外への自国資本の逃避か、国内の自国資本の横領を許さざる得ない、強権とは云いながらも法治が徹底されず、徴税組織の弱体な自国の行政。

このふたつの問題を解決するダイナミズム(つまりはボトルネックとそれを壊すブレイクスルー)には、ボトルネックとなっているエネルギー産業に依存した経済成長ではなく、中間層を育成できる製造業主体の経済成長がブレイクスルーとして必要であり、それを提供できるのは我が国だけという状況は変わっていない。ただし人口減少社会であるロシアに対して、我が国が投融資を拡大するのはかなりの好条件を提示されないと難しいだろう。

一方、米国は対ロシア制裁強化法案を議会通過させ、オバマ大統領の署名を待つ形となった。制裁発動には裁量の余地があるとされる。さて、プーチン大統領は現下の経済情勢は約2年続くかもしれないと演説した。1939年9月の第2次大戦勃発から1941年3月のレンドリース法成立までの経過を想起するとき、対ロシア制裁強化法の発動が“逆レンドリース法”の効果を発揮するかもしれない。

News conference of Vladimir Putin December 18, 2014, 15:20 Russian Presidential Executive Office

VLADIMIR PUTIN: I said that given the most unfavourable foreign economic situation this could last (approximately, because no one can say for certain) for about two years. However, it may not last that long and the situation could take a turn for the better sooner. It could improve in the first or second quarter of next year, by the middle of next year, or by its end.

ウラジーミル・プーチン:私は(何人たりとも正確に言及できないので、近似的にではあるが)約2年に及ぶ最も不利な経済状況がもたらされた、と申し上げたい。しかし長く続かない可能性もある。より早く転回することもあるだろう。たとえば来年の第1四半期もしくは第2四半期、来年の半期、年度末には、といった具合にだ。


ロンドン住宅市場、ロシア人が消えた-「超」大金持ちは健在 2014/12/19 06:47 JST ブルームバーグ

米大統領:対ロ制裁強化の法案に署名-直ちに発動の計画なし 2014/12/19 06:43 JST ブルームバーグ

外的要因で経済的困難、国益断固守る=ロシア大統領 2014年 12月 19日 03:27 JST ロイター

ルーブル下落、プーチン大統領「2年の経済危機」に言及 2014/12/19 03:12 JST ブルームバーグ

(ブルームバーグ):ロシアの通貨ルーブルは18日に下落。原油相場が上げを消したことに加え、経済危機は2年間続くことがあり得るとのプーチン大統領の発言に反応した。

モスクワ時間午後6時45分現在、ルーブルは0.6%安の1ドル=60.60ルーブル。前日は政府が外貨建て債務の償還を控えた銀行や企業を支える緊急措置を発表し、12%上昇していた。

プーチン大統領は年次記者会見で、「外部経済環境についての最悪シナリオでは、現在の状況が約2年続くこともあり得る」と警告。中央銀行はルーブル買い支えのために外貨準備を浪費するべきではないと述べた。北海ブレント原油は一時2.5%上昇していたが、ほぼ変わらずの1バレル=61.15ドルで取引されている。

原題:Ruble Drops as Oil Erases Gains, Putin Warns of 2-Year Crisis(抜粋)


プーチン大統領:ロシアは原油1バレル40ドルの世界に備えよ 2014/12/19 00:28 JST ブルームバーグ

プーチン氏「経済の困難、長くて2年」 中央銀に不満 2014年12月18日21時41分 朝日新聞

(前段略)

また、ルーブル安を食い止めるため、ロシア国外にある資金を国内に戻す新たな制度を導入する考えを、改めて表明。犯罪にかかわっていないことを証明しきれない資金であっても、ロシアに持ち込まれた場合は、「『資本の恩赦』をすべての企業に与え、資金を合法化できる」と述べた。資金洗浄(マネーロンダリング)を容認することにつながる可能性があり、国際的な議論を呼びそうだ。

(後段略)


焦点:ロシア飲み込む原油「震源」の危機、高まる世界連鎖リスク 2014年 12月 18日 17:04 JST ロイター

米大統領、ロシア制裁を強化 週内にも法案に署名へ 2014/12/17 11:48 日経

【ワシントン=川合智之】オバマ米大統領は週内にもウクライナ情勢を巡りロシアへの制裁を強化する法案に署名する。原油価格の下落に伴うルーブルの暴落で経済に混乱が広がるロシアに対し、追加の経済制裁を可能にすることで圧力を強める姿勢を打ち出す。アーネスト米大統領報道官が16日の記者会見で明らかにした。

 法案はロシアの主要産業である軍事・エネルギー企業に追加制裁を可能にする内容。ウクライナに対し、対戦車兵器や無人監視機など3億5千万ドル(約400億円)分の軍事支援も認める。アーネスト報道官は「ロシアとプーチン大統領は国際社会から孤立している」と批判した。

 法案は米議会が13日に可決。対ロ制裁の余波を受ける欧州同盟国との協議が一部終わっていないことを米政権は懸念していたが、法案は大統領に制裁発動を義務付けておらず「大統領の裁量の余地がある」(アーネスト報道官)として署名を決めた。

 欧米メディアによると、ロシアのラブロフ外相は米国の制裁について、ロシアの政権を倒そうとする運動だと批判。「我々は歴史上もっと悪い状況に陥ったこともあるが、毎回さらに強くなって苦境から脱してきた」と強調した。

 9月にロシアはウクライナと停戦で合意したがウクライナ東部で戦闘が続いた。和平計画の実現に向けて、親ロシア派武装勢力とウクライナ軍は9日に改めて停戦を発効させている。

ルーブル“50%オーバーシュート”

ロシアに1998年以来の危機が迫っている。ルーブルは年初来から52%超下落している。中央銀行が通貨防衛のために真夜中に主要政策金利(Key Rate)を利上げしたことで、かえって死にもの狂いさを見透かされてしまった。

主要政策金利は10月31日には8.0%から9.5%となり、12月12日には9.5%から10.5%となった。そのわずか4日後の12月16日には10.5%から17%もの緊急利上げがなされた。これが功を奏さなかったため、中央銀行の信任は半ば失われた、と云って良い。

今年1月にはトルコの中央銀行がリラの下落を阻止するために、夜間に金利を2倍以上に引き上げたのが夏までに奏功したのとは対称的だ。

ロシア企業が2016年半ばまでのドル建ての債務支払に必要な約1380億ドルを溜めているように、一般のロシア人も通貨の価値減少の前にモノを買い溜めしようと店舗に行列をつくり始めた。

政策担当者には短期的に打てる抜本策はもう残っていない。ドル建ての企業債務が大きすぎるため、外貨準備高を取り崩している。原油安のオーバーシュートが収まるまでルーブル安のオーバーシュートに耐えるしかないだろう。

しかし、根本的にはアジア通貨危機の際のマレーシアと同様、厳格な資本移動規制を行うべき、というのが衆目の一致するところではないか。

そもそもプーチン大統領は、大統領第2期目が終わりに近づいた2008年2月8日『2020年までの発展戦略』を発表した。当時、大統領退任後には首相としてエネルギー資源依存型経済からイノベーション主導型経済への移行を目指していたのだ。

この現代のツァーリすら、構造改革できなかったものを外圧という名の下に強権的に遂行できる絶好の機会到来と捉えることもできる。

ロシア、2日連続で緊急措置-市場は「パニック」2014/12/17 22:21 JST ブルームバーグ

【通貨暴落】「ルールに従わなかった結果だ」米、瀬戸際のロシア経済に冷淡 2014.12.17 20:17 SankeiBiz

【通貨暴落】「ルーブル葬った」露メディア、中央銀行の金融政策に懐疑的 2014.12.17 19:58 SankeiBiz

欧州委当局者、ロシアの経済情勢に懸念表明 2014年 12月 17日 19:37 JST ロイター

ロシア政府と中銀、外為市場の問題への対応策で合意=通信社 2014年 12月 17日 19:22 JST ロイター

ロシア中銀、急激な為替変動時の取引停止措置導入は協議せず=幹部 2014年 12月 17日 19:07 JST ロイター

ヘッジファンドの米アルデン、ルーブル空売りで好調-関係者 2014/12/17 18:14 JST ブルームバーグ

ルーブルが大幅上昇、財務省が保有外貨の売却開始 2014年 12月 17日 18:04 JST ロイター

ルーブル安、欧州行への影響は限定的=ECB銀行監督委員長 2014年 12月 17日 17:15 JST ロイター

ロシア中銀、15日に19.61億ドルの為替介入 2014年 12月 17日 16:27 JST ロイター

ロシア株の3倍リターン目指すETFが大幅安-ルーブル急落で 2014/12/17 14:24 JST ブルームバーグ

プーチン大統領が築いた経済システム、通貨急落で崩壊リスク 2014/12/17 13:22 JST ブルームバーグ

コラム:ルーブル防衛に失敗、追い込まれたロシア 2014年 12月 17日 08:38 JST ロイター

ルーブル危機、ロシア経済は「苦境」に=米経済諮問委員長 2014年 12月 17日 07:52 JST ロイター

外為取引のFXCM、ルーブル取り扱い停止 2014年 12月 17日 04:16 JST ロイター

ロシア、北方領土の経済特区指定を検討 2014/12/16 22:44 日経

ロシア、2014年の原油生産水準を15年も維持へ=エネルギー相 2014年 12月 16日 20:04 JST ロイター

ロシアが政策金利を10.5%から17%へと大幅引き上げ ルーブル急落受け 2014.12.16 08:43 SankeiBiz

ルーブル最安値更新、1998年以来の下落率で大統領支持率にもリスク 2014年 12月 16日 06:32 JST ロイター

原油安が変えるパワーバランス、米中浮上しロシアは沈む 2014/11/21 07:28 JST ブルームバーグ

人工国家パキスタンの悲哀

世界にあるすべての国家はむろん人工ではあるが、国家は、その形成に際しては歴史的経緯としての神話、民族、言語、宗教、文字など、これらの要素の統一によって国民(ネイション)を作り出す。

トルコのエルドアン大統領は、神話として初代皇帝オスマン1世の父エルトゥールルをドラマ化したり、言語としてのオスマン語の復活を図ったりしている。国民(ネイション)の基礎を小トルコ主義から大トルコ主義へと徐々に移行させている。

しかるに2013年7月12日のエントリーなどで述べたように、

パキスタンは、もともとムスリムという共通項だけでつくられた人工国家だけに原理主義の傾向が強くなる。加えて、いとこ婚の比率がムスリム圏で最も高い。出生率低下につながる女性の教育と社会進出に対する反発は根強く、アフガニスタンやパキスタンで女子学生に対するテロが頻発する。

出生率の低下を望む前段階で過激派が横行することも一因となって、2005年に人口が1億6千万人を突破、現在の人口は約1億8800万人にまで増加、国民の約半数が貧困層となっている。そして、2050年には人口が約3億4000万人に達すると推計される。

経済成長に伴う近代化を否応なく進めれば、かつてのイラン革命や現在の“アラブの春”などに見られる反動が、若年層の人口がピークになった段階で起きるだろう。

パキスタンの混乱が前段階、前駆的症状に過ぎないのが空怖ろしい。

罪のない子供たち132人の死、パキスタンの転機となるか 2014/12/17 15:08 JST ブルームバーグ

パキスタンはアフガニスタンで戦うムジャヒディンを支援したためにイスラム原理主義過激派の策源地となり、対テロ戦争の発起点となった。タリバンを支援したパキスタンが、インド亜大陸に作られた人工国家の典型例である性格上、イスラム原理主義のもっとも根強く、かつ激しい非対称戦争の舞台になる。つまり対テロ戦争の発起点は攻勢終末点となり得るのだ。

2011年9月にタリバンとの和平を指揮していたラバニ元大統領が暗殺された。アフガニスタン政府は、タリバンの評議会及びパキスタンのISIの関与の証拠があるとした。そのためアフガニスタン政府は、タリバンの背後にいるパキスタン政府への直接交渉を求める一方、パキスタンと敵対するインドとの戦略的パートナーシップを締結した。また同年10月にインド軍参謀総長は、紛争の続くカシミール地方に人民解放軍を含む中国人が建設に従事していると述べた(2011年10月6日のエントリーなどを参照されたし)。

タリバン学校襲撃で生徒ら130人超死亡、マララさん悲しみの声明 2014年 12月 17日 09:32 JST ロイター

学校を襲撃して生徒ら132人を殺害したパキスタンのタリバン運動(TTP)は、ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんを襲撃した勢力でもある。ノーベル平和賞受賞に対するカウンターとも云える。その重荷はノーベル平和賞を選定したノルウェーほか欧米社会ではなく、パキスタン政府が負う点で独善と独善のぶつかり合いに巻き込まれたと同情できなくもない。

そもパキスタンは、隣国インドの動向によって規定されてきた。イスラム原理主義への傾倒もタリバンへの援助も同じくインドへの対抗上、始まったことであり、それらのことごとくが裏目に出てしまっている感がする。

トルコの“戦後レジームからの脱却”

トルコのエルドアン大統領は、権限強化とともに教育改革の提唱、ギュレン運動(ヒズメット運動)の関連団体への言論弾圧、フェミニズムの否定などトルコ共和国成立以来のケマル・アタテュルクの方針転換を矢継ぎ早に行おうとしている。

トルコ大統領、世俗的な教育制度の改革を提唱 2014 年 12 月 16 日 11:12 JST WSJ日本版

トルコ警察がギュレン師系メディアを強制捜査、幹部ら24人を拘束 2014年 12月 15日 13:11 JST ロイター

トルコ大統領の発言が物議、「男女平等は自然に反する」 2014年 11月 25日 19:50 JST ロイター

国語が国民をつくり近代の国民国家をつくってきた。現代トルコ語はアルファベット表記にされて、ペルシア語やアラビア語、ギリシア語の語彙・語法を排除してつくられた。一般の韓国人が漢字文献を読めないように、一般のトルコ人はアラビア文字の文献から遠ざけられている。死語と化しているオスマン語の公教育への導入は、我が国の英語の初等教育への導入よりも困難だろう。

ギュレン運動の関連団体のメディア幹部拘束は明確な言論の自由の侵害、言論弾圧と云って良い。我が国における事案、放送法に基づく公正な報道を求めた自民党の要請や従軍慰安婦の捏造記事を書いた元朝日新聞記者への脅迫を言論弾圧と強弁するのとはまったく違う。過去に協力関係にあったギュレン運動への弾圧は、我が国で喩えるなら自民党が公明党との連立を切ったあと、創価大学を閉鎖させて、聖教新聞社や第三文明社を捜査するのに等しい。

「男女平等は自然に反する」という発言も欧米のリベラルやフェミニズムを刺激するのに充分だろう。安倍首相が“ウーマノミクス”というレトリックを使っているのと比べると、欧米からの反発を意に介さず、距離を置こうとしているのは間違いない。

トルコは、多民族を擁する帝国・オスマン朝から国民国家・トルコ共和国に移行する際、テュルク系民族を統合させようとする大トルコ主義(汎テュルク主義)と、アナトリア半島に居住するムスリムのみで国民を形成させようとする小トルコ主義(ケマル主義)とが相克するなかで、第1次大戦の敗北からケマル・パシャ(のちのアタテュルク)の小トルコ主義を採った。

つまり、第1次大戦後の小トルコ主義を採用した“戦後レジームからの脱却”をトルコのエルドアン大統領は行いたい。その意味では大枠でシリアからイラクの国境線すら変更しようとするISIS(イスラム国)の思惑と変わらない。ただし、安倍首相のように先進国と新興国のつなぎ役たることを自認するようなレトリックを唱えていないのが大きな違いと云えるだろう。

475番目の男とメザニーンの3人

海江田万里民主党代表が比例復活なく落選しながら、菅元首相が東京ブロックの惜敗率レースに勝ち抜き475番目の代議士の席を奪った。今回は惜敗率90%の選挙区が多かった。組織票の重要性を再認識したが、それだけに菅元首相に鵺的な底知れないモノを感じさせる。

海江田氏が辞任を正式表明 民主、年内にも新代表選出へ 2014.12.15 21:35 産経ニュース

最後の議席、言葉詰まらせ 復活当選の菅元首相 2014.12.15 06:00 産経ニュース

それから見逃せないのが、保守系無所属で勝ち抜いた山梨2区の長崎幸太郎氏、兵庫12区の山口壮氏、茨城7区の中村喜四郎氏の3人は二階派(志帥会)の客員会員という待遇を受けている点だ。志帥会は亀井静香氏が立ち上げ、平沼赳夫氏も所属していた。

彼らを二階派のメザニーン(中二階)に生息する代議士とでも呼ぶべきか。自民党の獲得議席291にメザニーンの3人を足したら、自民党の前回獲得議席294に並ぶ。

自民沖縄、山梨全敗ショック 谷垣氏、辺野古移設は「守る」 2014.12.15 02:20 産経ニュース

兵庫12区“無所属対決”は山口氏が制す 自民入りめぐり「有権者の信任は得られた」 2014.12.14 21:43 産経ニュース

『生活の党と次世代の党は死んだ』

戯曲『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』は、ハムレットの劇中の端役であるローゼンクランツとギルデンスターンが、もしも台本も知らない状況で物語の世界に放り込まれたら、と云う不条理劇で1990年に映画化もされている。

さて「なぜ解散したんですか」と、問いかける非実在小学4年生まで現れた今回の解散総選挙のなかで、存在意義の自問自答の迷路に入り込んだ第3極は埋没した。リベラルに大きく寄った維新の党だけが党勢を維持した。みんなの党は戦わずして死んだ。政党要件を失った生活の党は死んだに等しい。そして最右派の次世代の党は、衆議院の議席数を19から2に減らして壊滅した。

総選挙の台本を読み誤った次世代の党の最大の過ちは、安倍首相が唱える“戦後レジームからの脱却”などのレトリックを自分たちの願いの方向にばかりへと希望的な解釈を繰り返したことにある。

衆院選は自公圧勝の展開、「安倍政権信任」と首相 2014年 12月 14日 22:43 JST ロイター

コラム:真珠湾攻撃から73年、衆院選が問う日本の未来 2014年 12月 9日 16:13 JST ロイター

なぜなら“戦後レジームからの脱却”は、戦前回帰ではなく、中韓や左翼リベラルの主導する過剰なプロパガンダからの超克と日米同盟などの深化による国際的地位の向上であろうと思われる。核保有による自主防衛の確立などではない。

“海洋における法の支配”や“民主主義を守るセキュリティ・ダイヤモンド”は、ならず者国家として中韓を規定することによって欧米先進国と新興国のつなぎ役になり、国際的地位を向上させるためのレトリックでもある。中韓と敵対することは歴史的にも価値観的にも我が国に沿ったものだから保守層の受けも良い。

とは云え、これらのレトリックを唱える以上、過度に国粋的であってはならない。グローバリズムとナショナリズムを両立できると考えたればこそ、石原元都知事と橋下大阪市長は一時的に党を合同できたのであって、安倍首相とも共鳴する可能性を感じさせたのだ。

しかし、過度に合理を追求して新自由主義であろうとすれば、保守側からもリベラル側からも揺り戻しが来る。そのためにみんなの党から結いの党が別れ、日本維新の会と合流して、リベラル寄りの維新の党と保守寄りの次世代の党ができた。

次世代の党の核となっていた代議士、議員の面々が自民党内の抗争に敗北した政治家であったために選挙に弱いのは致し方ないだろう。彼らがもっとも政策的に近似するのは現在、自民党の二階派(志帥会)と思われる。生活の党が民主党の別働隊となったのと同様に、次世代の党も二階派に合流するか共同歩調を採るべきだろう。

来たる2015年は1939年再びとなるか

筆者は前回の衆院選の頃、2012年の世界情勢を1936年に比定していた。すると2013年は1937年、今年2014年は1938年、そして来年2015年は運命の1939年の再来となる(2012年11月15日のエントリーなどを参照されたし)。

与党である自由民主党単独もしくは公明党を併せて、衆院3分の2の議席数(定数475議席に対して317議席)を確保する終盤情勢となったが、その悪名は措くとして大政翼賛会に匹敵する議席数(定数466に対して381議席)が必要なときが来ていると云うことでもある。

そう戦争は近い。それが銃火や干戈を交える類のものだけではないとしても。国際法上の戦争と捉えず、意味を複合的に捉えれば、リベラルや左翼の言は正しいのだ。無論この場合、敵は支那大陸から来たる。その理由は彼らの経済の激変が内政の激変を伴うからだ。

さて、過去に2014年1月29日のエントリーなどでは、中共の人口ボーナス期の終焉と不動産バブル崩壊が彼らに認知されるまでの時間と対応策について述べた。

彼らの人口ボーナスのピークは速い人の見解ではもう過ぎており、中間意見では2013年、遅い人でも2015年とあり、この辺りでどう足掻いても、皆バブルが終焉したと認めるようになる。

中国共産党は、党大会で2020年までのGDP倍増計画を発表しており、国民所得を倍増して個人消費による内需を拡大するとともに、為替・金利取引の国内外の自由化による対外投資を拡大するつもりだ。

我が国でもバブル景気が1991年2月に終わっても、同じスキームでしか経済を回すことが出来なかった。1993年から1995年頃には誰もがバブル崩壊を体感して、現状は行き詰っていた。その間、1993年には人口ボーナスのピークを迎えている。結局は飛ばしを続けざるを得ず、1997年の消費税増税後、三洋証券、北海道拓殖銀行、山一證券の破綻が連鎖するまで続き、1998年に完全に終わった。

つまり、人口動態が減少に転じるさなかに、財政出動によって政府債務を増やしながらGDPの規模を維持し、かつ社会保障政策を維持しながら財政規律をも維持しようとするために消費税を増税し、内需が急速に冷え込んで失われた20年が始まった。それぞれの政策を主張する利害対立の渦中にあって、政治的妥協のタイミングを少しでも間違えると、途端に内需が冷え込むのはアベノミクスにおいても同じだった。

この難しさの根底には人口減少によって、何もしなくても経済全体のパイが増えるという希望が持てないところにある。同じ隘路に入るのが中共と韓国なのだ。

中共は、米国のドットコムバブル→サブプライムローンに象徴される不動産バブル→量的緩和によるバブルを見習い、株と土地で繰り返し循環を続け、不良債権問題を先延ばしして、内需を拡大するなかで徐々に処理を行いたい。

しかし“中所得国の罠”を突破する前に少子高齢化社会、いわゆる人口オーナス期に突入するのだ。これがバブルを起こせないボトルネックとなる。

彼らの人口は、13億人の戸籍を有する人々、3~5億人の戸籍を有しない人々、7億人の都市部に居住している人々、3億人の都市部戸籍を有する人々、8000万人の共産党党員、1200万人の先進国並の可処分所得を有する人々からなっていると推定される。

生産年齢人口が従属人口を下回るのは2030年頃と見られる。残り約20年で産業構造の転換と社会保障制度の整備を先進国並にしなければならない(さらに詳しくは2012年11月9日のエントリーなどを参照されたし)。

欧米各国は少子高齢化の解決策のひとつとして、ムスリムやヒスパニックの移民流入を選択した。

かくてEUは多文化主義を採用したために今まさに呻吟している。云わば極右政党の台頭は喘ぐ社会の悲鳴なのだ。

移民したムスリムがアイデンティティの危機からISIS(イスラム国)に参加したり、若年の婦女子が結婚相手としてリクルートされていくに及んで、過度に無宗教化した欧州社会の弊害が露わになっている。

一方、米国はヒスパニック系移民が年間約130万人ずつカソリックを棄教して、無宗教(リベラル)と福音派(宗教右派)にさせるだけの同化圧力を有している。

移民が今後も増えるであろうヒスパニック系は、婚姻を通じて白人系に融合される可能性があり、その一方で今後、移民の増えない黒人系は隔離の方向性が定まった。黒人系に対するアファーマティブアクションも廃止される方向にあり、度重なる暴動と略奪は隔離に対する絶望の表れと云える。

それはさておき、中共は一人っ子政策の放棄によっても、少子高齢化を防げないとすれば、いかほどの移民を必要とするのだろうか。多文化主義の採用や同化圧力の強さは別として、13億人~18億人のばらつきがある人口に対して経済成長を縮小・鈍化させないだけの移民を募ることなど出来るわけがない。

すると中共の衰退は止めようがない。まして、彼らの窮余の解決策が短絡的な思考に基づく他国に対する戦争(繰り返すが銃火や干戈を交えるとは限らない)であるならば、2015年は1939年の再来として、ある種の阻止限界点になるかもしれない。

米国株が急落、原油安・弱い中国指標を嫌気 2014年 12月 13日 08:39 JST ロイター

中国の11月新規人民元建て融資は前月比56%急増、当局が後押しか 2014年 12月 12日 18:53 JST ロイター

コラム:民主化デモが香港に残した「光と影」 2014年 12月 12日 18:35 JST ロイター

中国の景気減速、深まる-11月の工業生産が予想に届かず 2014/12/12 16:56 JST ブルームバーグ

UPDATE 1-中国、来年の金融政策は過度に引き締め・緩和的にしない=新華社 2014年 12月 11日 21:48 JST ロイター

世界緩和ストーリーに綻び、「中国脱落」で日本株は大幅安 2014年 12月 10日 17:13 JST ロイター

[東京 10日 ロイター] - 中国ショックが波及し、日本株は大幅安、ドル/円も急落した。中国当局が、短期借り入れに関する担保規定を厳格化したことで、流動性が縮小するとの懸念が広がったためだ。

中国、欧州、日本と世界的な金融緩和の強化が投資ストーリーのベースにあったが、その一角が崩れたことで、これまでのリスクオン相場が変調を来している。

<引き締めに近い決定>

世界的な株安の要因にはギリシャの政局不安や原油安などもあったが、何といっても投資家のセンチメントを狂わせたのは中国だ。

中国の主要決済機関である中国証券登記結算が8日、債券レポ取引の担保基準厳格化を発表。新しい基準に届かない低格付けの発行体が債券を発行しても、それを担保にしたレポ取引は新たに受け入れないとした。5000億元(約10兆円)相当の社債が担保として利用できなくなるため、実質的な引き締め政策に等しいとみられている。

この決定の背景には、中国の地方政府の問題があるとの見方が多い。中国の多くの地方政府は、窓口企業などを通じて不動産投資を積極化してきたが、不動産価格の下落によって不良債権などの問題を抱えている。低格付けの窓口企業による起債を事実上ストップさせることで、これ以上の債務膨張を防ごうという目的があるようだ。「来年から地方政府が直接、債券を発行できるようになるため、その地ならしの意味もある」(国内証券)との指摘も聞かれた。

中国政府が進める「改革」の一環であり、中国株のバブルを防ごうという直接的な目的ではなかったとみられ、市場の反応も当初は大きなものではなかった。しかし、低格付け社債に対する需要が減少し、融資コストの上昇につながるほか、株高を支えてきた流動性が縮小するかもしれないとの懸念が徐々に広がったことで、9日の上海総合指数.SSECは午後に入って下げ幅を拡大。終値では5%以上の下落となった。

<過剰流動性の流入>

実際、中国株は過剰流動性をバックに急伸していた。11月21日に、中国が電撃的に利下げを発表したあと、上海総合指数は、9日高値の3091ポイントまで1カ月足らずの間に26%上昇。売買代金は上海と深センの両市場合わせて1日1兆元(約20兆円)近くまで膨らんでおり、典型的な流動性相場と化していた。

10日の上海株は約3%の上昇と急反発しているが、まだ予断は許さない。貿易収支や物価動向など実体経済が弱さをみせる一方で、経済を押し上げようと追加金融緩和を実施すれば、今回のようにバブルを助長してしまいかねないからだ。他の先進国同様、中国政府も経済運営においてナローパス(狭い道)を歩んでいる。

中国は今、習近平国家主席が「新常態(ニューノーマル)」と呼ぶ緩やかな成長時代に移行しようとしているが、その道はなだらかではない。

SMBC日興証券・金融経済調査部シニアエコノミストの肖敏捷氏は「来年の中国のテーマは経済のランディング(着地)だ。今回の担保の件もその一環といえる。着地がソフトかハードかはまだわからないが、アベノミクスのように何が何でも成長率を上げなければならないわけではない。ただ、いろいろな抵抗で結局ランディングできないリスクもある」と語っている。

<次の「関門」は次回FOMC>

マーケットはこれまで世界的な金融緩和をベースにしたリスクオンストーリーを描いていた。日銀の「黒田バズーカ2」、中国の電撃利下げ、欧州中央銀行(ECB)の量的緩和期待と、日欧中の3極を中心とした、金融緩和環境が継続するとの期待が強気の背景だった。

だが、今回、中国が一歩引いたことで、投資家はそのストーリーの変更を迫られるかもしれない。中国株だけでなく、グローバル緩和マネーは各地で猛威を振るっており、ドイツやインドの株価は過去最高値を更新。経済に減速懸念がある地域でさえ、相対的な魅力が高いとみられれば、過剰マネーが殺到していた。ドル/円JPY=や原油価格もリーマンショック時並みの変動となっている。

ドル/円は9日の海外市場で120円台から117円台に急落。10日の市場で、日経平均.N225は一時500円安となった。「これまで買っていた外国人投資家が売りに回っている」(大手証券トレーダー)という。日本の7─9月期国内総生産(GDP)がさらに下振れしようと、ほとんど関係なく上昇してきた強気相場は、調整を余儀なくされている。

金融相場の次の「関門」は来週16─17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)だ。声明から「相当な期間」の文言を削除する可能性があるとみられ、「そうなれば、市場は否応でも利上げを意識せざるを得なくなる」と三菱東京UFJ銀行シニアマーケットエコノミストの鈴木敏之氏は指摘する。

米連邦準備理事会(FRB)が資産規模を縮小するのは利上げの後になる見通しであり、流動性相場の基盤がすぐに崩れるとは想定されていない。だが、基軸通貨ドルにおける金融政策の変更は市場に大きなインパクトをもたらす可能性がある。グローバル緩和相場は正念場を迎えようとしている。

(伊賀大記 編集:宮崎亜巳)


コラム:ドル高は世界経済にとって「1200兆円の頭痛」 2014年 12月 9日 09:53 JST ロイター

Andy Mukherjee

[シンガポール 8日 ロイターBreakingviews] - ドル高の見通しは、世界経済にとって10兆ドル(約1210兆円)の頭痛の種となっている。金融危機以降に安いドルで借金を積み上げてきた債務者は、重大な困難に陥るリスクがあるからだ。特に、借金を返済できるだけの十分なドル建ての収入がないならなおさら深刻だ。金融の安定性にとって大きな脅威となる。

国際決済銀行(BIS)の最新の四半期報告書によると、世界の銀行の民間企業に対するクロスボーダー融資や外貨建て融資の額は合計9兆5000億ドルを超えた。また新興国の民間事業会社は2009─2013年に、5000億ドル以上の資金を世界の債券市場から調達した。

こうした債務の通貨ごとの内訳は明らかになっていない。しかし、かなりの部分がドル建てと考えて差し支えないだろう。これは厄介な問題をはらんでいる。ドルは今年6月末以降、対主要通貨バスケットで12%上昇した。米雇用情勢の改善により、2015年もドル高が一段と進む可能性がある。

債務者にとっては、ドルの上昇と共に借金返済の負担が増すことになる。新興国の多くでは内需が弱含んでいる。それと同時に、世界経済の成長は足踏み状態が続いており、多くの発展途上国にとって主要輸出品である一次産品の価格は急落している。ドルが上昇すればするほど、相対的に貧しい国々の債権者負担は大きくなる。

「債務事故」のリスクが最も高いのは恐らく中国だ。2008年末時点で、世界の銀行の中国本土向けクロスボーダー融資は、新興国向け全体の6%にすぎなかった。それが今では28%にまで膨らんでいる。もし中国の成長鈍化が本土からの資本逃避につながれば、人民元は対ドルで著しく下落することになり、中国の債権者が世界中で借りている1兆1000億ドルの返済は怪しくなるだろう。

中国政府は人民元建て債務の不履行に対しては手立てがあるのだろうが、中国で外貨建て債務の崩壊が起きれば、世界の金融システムにとって深刻な打撃となる。10兆ドルの頭痛は、割れるように痛む偏頭痛になるだろう。

*筆者はロイターBreakingviewsのコラムニスト。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

原油価格“50%オーバーシュート”

今年6月のピーク時に1バレル約115ドルだった原油価格は1バレル約60~70ドルに下落している。まだ下げ止まらない。相場はオーバーシュートし易いものだが、半年で半値近くなるのは異常事態だと思われる。産油国にとってはいずれの国がいつまで財政的に耐えられるかのチキンレースに入った、と考えて良いだろう。

かつて1985年9月22日(米国東部時間)、我が国はプラザ合意(当時1ドル約240円)を受けて、日銀は短期金利の高め誘導を図り一段と円高ドル安が進み、1986年初めには原油価格の急落も始まり、同年7月には1ドル約154円まで円高が進んだ。円はドルに対して50%強も上昇するオーバーシュートを引き起こしたのだ。その後、バブル景気は1986年12月~1991年2月まで続いた。一方、ソ連崩壊は1991年12月25日の出来事であった。

原油価格を巡って、ISIS(イスラム国)の台頭で宗教対立がこじれていくスンニ派VSシーア派、新しい冷戦構造をつくろうとするかのごとき欧米VSロシア・中国、産油国の国営石油会社(サウジアラビアほか)VS新興シェールオイル業者(米国)など輻輳する利害対立構造のなかで、国家財政が均衡するためのブレークイーブンコストはベネズエラが161ドル、イエメンが160ドル、アルジェリアが132ドル、イランが131ドル、ナイジェリアが126ドル、バーレーンが125ドル、イラクが111ドル、ロシアが105ドル、そしてサウジアラビアが98ドルである(シティグループ調べ)とも云われている。

アフガニスタン紛争(1978年~1989年)とイラン革命(1978年~1979年)はイスラム革命とイスラム原理主義過激派の濫觴となった。シリアからイラク北部にまたがるISIS(イスラム国)やナイジェリア北部のボコ・ハラムもその流れにある。米国の量的緩和終了と我が国の質的量的緩和継続によってドル高円安は加速し、米国が原油輸入国から原油輸出国に変わろうとする、この金融とエネルギーに渡る強烈なインパクトをオバマ政権が軍事力で制御する意志に欠けている現状で何が起きるか、様々な展開を予測しなくてはならないだろう。

アングル:LNGブームに幕、焦る中国勢の「投げ売り」始まる 2014年 12月 10日 16:26 JST ロイター

強気シナリオの落とし穴、原油安と円安には功罪両面 2014年 12月 9日 17:59 JST ロイター

米下院共和党議員、原油輸出解禁法案を9日提出へ 2014年 12月 9日 10:58 JST ロイター

原油価格、今後6─7カ月は約65ドルで推移=クウェート国営石油会社 2014年 12月 8日 19:18 JST ロイター

サウジが米・アジア向け原油値下げ、シェア拡大へ動き加速か 2014年 12月 5日 03:21 JST ロイター

イラクとクルド人自治政府、原油輸出と予算配分再開で合意 2014年 12月 3日 08:53 JST ロイター

参考URL:
石油の新たな経済学:アラブvsシェール業者 2014.12.08(月)JBPRESS

人口動態の時間差とジャパナイゼーションの促進

北東アジアと東南アジア及び南アジア各国の人口ボーナス期から人口オーナス期に移る時間差が、我が国の経済成長率の鈍化と安全保障予算の縮小と中共の経済成長率の伸びと安全保障予算の拡大という対称的な変化を招いた。これと同じ流れが中国共産党の挑戦を受けているインド、フィリピン、ベトナムに起きる。そして、インドネシアもこの流れに追随する。こうして人口オーナス期に入る中共はタイを除くASEAN諸国とインド、これに連動する日米豪の挑戦を受ける形になる。

もちろん豪州を背後に抱え、東ティモールで相争ったインドネシアが単純に中共と対決するとは考えられないが、インドネシアの中間層育成と需要を狙った日系企業の進出は明らかに人口動態の時間差を意識している。

興味深いのはアイドルのAKB48をフォーマット輸出して、姉妹グループのJKT48を結成させて、広告代理店を中心に日系メーカーの耐久消費財と一般消費財、コンテンツサービスの紹介役にさせていることだ。

CM出演を列挙すると、本田技研工業のブリオとジャズ、シャープのAQUOS、ヤマハ発動機のMIO J、大塚製薬のポカリスエット、江崎グリコのポッキー、花王のビオレとロリエ、ロート製薬のメンソレータム・リップアイスとOXY、ユニ・チャームのエクストラドライ、スカパーJSATのWAKUWAKU JAPAN、バンダイのアイカツ!、などがある。

果ては現地で活動するカバーダンスユニットのLumina ScarletをH.I.S.がインバウンド向けセールスプローモーションに採用している(それにしても、ハウステンボスは固定資産税を事実上免除してもらったり、SFCGのクズ債権をバルク買いしたりと、相変わらずのH.I.S.グループのコストを抑える姿勢には感嘆する)。

ちなみに人口ボーナスの最先発は1993年にピークを迎えた日本。2020年までに人口ボーナス期を終える先発国グループには2014年の韓国、2015年の中国、2017年のタイ、他に香港、台湾、シンガポールが含まれる。後発国グループは2030年のインドネシア、2040年のベトナム、2045年のインド、2050年のマレーシア、2055年のフィリピンなどが並ぶ。

先発国グループの富裕層と中間層を訪日観光客として取り込み、後発国グループは順番に中間層を育成して現地需要を取り込む我が国の戦略が現在行われていると云って良い。

インドネシアが国防費拡大の可能性、背景に中国への警戒感 2014年 12月 10日 16:23 JST ロイター

[ワシントン 9日 ロイター] - インドネシアのジョコ・ウィドド大統領のアドバイザーは9日、南シナ海の一部を含む地域の主権を守るため、同国の国防費が2019年までに年間200億ドルに拡大する可能性があると指摘した。

過去にインドネシアの特殊部隊で司令官を務めたLuhut Panjaitan氏は米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)に対し、南シナ海での領有権問題解決のためインドネシアが軍事行動に訴える計画はなく、中国と域内の関係諸国に対し引き続き対話での解決を呼び掛けると述べた。

その上で、南シナ海のナトゥナ諸島を含む国益を守るため、軍事強化は重要だと指摘。中国とインドネシアは同諸島がインドネシアのリアウ諸島州に属するという認識で一致しているが、インドネシア国軍のモエルドコ司令官は4月、中国が領有権と主張する、南シナ海の約90%が対象となる「九段線」にナトゥナ諸島の一部を含めていると批判した。

Luhut氏は、アジア地域での勢力均衡維持においてインドネシアが果たす役割があると述べ、向こう5年間で国防費を国内総生産(GDP)比で1.5%に拡大する計画だと指摘。経済成長が7%程度であることを前提とすると、2019年までに国防予算は年間約200億ドルに達する見通しだと述べた。

同氏によると、インドネシア政府は海上警備活動を強化し、C130輸送機を現在の3機から5機に増やしたい考え。無人機計画も大統領の国境警備戦略で重要な部分を占めることになるという。

*カテゴリーを追加しました。


参考URL:
インドネシアの人気アイドルグループLumina Scarlet(ルミナスカーレット)のワールドライセンスを取得 10月27日 16:38 株式会社 Thanks Creative

デフォルト懸念は第五共和国運動の弔鐘となるか

反米国家の雄ベネズエラが原油価格の急落によって、にわかにデフォルト懸念を高めている。

2012年10月16日のエントリーでは、

ベネズエラは反米を唱えながら、その実際は米国に経済的に依存している。また文化的にも米国の影響は色濃い。たとえばサッカーの盛んな中南米各国で、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の出場国に名を連ねるのはメキシコ、プエルトリコ(米国の連邦自治区)、キューバ、ベネズエラである。中南米諸国の反米の度合いはその歴史的経緯、政治経済的依存度、文化的影響度の多寡に左右されていることが分かる。

話を戻すと、ベネズエラの手厚い社会保障政策の原資は米国民の財布から出ているのが現実だ。チャベス政権は国家予算の約40%を社会保障に回し、乳児死亡率の減少、初等教育の充実を達成した。これは功績と云って良い。

はて我が国の資本財と基幹部品に依存している、どこかの半島国家や大陸国家を彷彿とさせるが、ベネズエラは米国を汚く口で罵っても実効性のある反米政策は採ってこなかった。一線を踏み越えさえしなければ、米国も対抗策を採ることはないだろう。

そもそも社会保障政策の原資を増やそうと思えば、それだけ原油生産量を増やさざるを得ず、日量1000万バレルを突破したサウジアラビア、ロシアと同じく増産の列に続くことになれば、それだけ共闘するイランの首を絞めることになる。その意味においても米国は対抗策を採ることはない。

チャベス政権の歴史的役割は、メキシコ革命(1910年~1920年)、もしくはキューバ革命(1953年~1959年)を彷彿とさせる。両革命は、米国の利害関係から脱却しようとする内戦と米国からの軍事介入をはねつける戦いでもあった。

メキシコにおいては、最終的に革命の成果を制度的に擁護する、制度的革命党(PRI)が結成され、事実上の一党支配となる長期政権によって、内戦は終結した。政策的には1934年、ラサロ・カルデナスが大統領の座に就き、1937年の鉄道国有化、1938年の石油産業国有化(これは米国のサウジアラビア進出にも影響を与えた)によって完成した。

つまり、超長期的な視点からベネズエラの未来を予測すると、約30年~50年後、キューバのように反米のまま推移することで満足し続けるか、メキシコのように利権構造の硬直化によって腐敗が進み、中間層が左派リベラル的な政策の転換を求め、米国とNAFTAのような自由貿易協定を締結する。そんなふたつの選択肢が見えてくる。

と、述べた。

それから、2014年9月2日のエントリーになると、すでに手厚い社会保障政策の矛盾が露呈し始めていた。

価格統制しているベネズエラの生活必需品を求めて、周辺国の密輸入業者が買い占めするのを防ぐため、コロンビアとの国境封鎖を行なってきたが、全長2200キロの国境線を監視するには実効性に欠ける。そこで、小売店での指紋認証を導入することで実効性を上げようとしている。

グローバル経済と国民経済の相克といった様相を示しているが、生産供給能力(国内自給能力)の乏しいまま鎖国経済を敷いた政策の矛盾が露呈している。チャベス前大統領の死によって跡を継いだマドゥロ政権はこうした硬直化した利権を調整しなくてはならない。

と、述べた。

おそらくデフォルト懸念から硬直化した利権再分配の構造を変えざる得なくなるだろう。新自由主義に対抗する形で勃興した第五共和国運動(現在はベネズエラ統一社会党)が新自由主義の後退と同時に終わりを迎えるのもむべなるかな、であろう。もしも第五共和国運動の一定の成果を保ちたければ、ラテンアメリカのポプリスモの究極の形のひとつとしての先達、メキシコの制度的革命党(PRI)のように左右両極を包摂する形で利害調整を行わなければならない。

焦点:デフォルト懸念のベネズエラ、原油依存で深まる苦境 2014年 12月 10日 18:03 JST ロイター

[ニューヨーク 9日 ロイター] - 世界的な原油安が、産油国のベネズエラ経済を脅かしている。デフォルト(債務不履行)懸念に市場が身構える中、9日の取引で債務保証コストは急上昇。国債価格も急落し、ベネズエラの苦境は一層深まっている。

市場は警戒を崩していないが、デフォルト転落を先延ばしする選択肢が政府にはあるとの指摘も多く聞かれる。マドゥロ大統領は、これまで対外債務の支払いが遅れたことはなく、今後も責務を全うすると強調する。

ベネズエラは重債務国ではないというのがアナリストの見解。経済が輸入に大きく依存する中、問題の核心はむしろ通貨ボリバルの下落にある。厳しい規制の影響で、企業はドル不足に陥っている。

ジェフリーズの中南米戦略責任者、シオブハン・モーデン氏は「企業の生産が滞り、輸入に依存する中でのデフォルトとなるだろう。債務のほかに、構造的にドル建て負債を多く抱える状況を彼らは作り出してきた」と指摘。輸出関連の歳入のうち石油が占める割合は96%で、代金は米ドル建てとなっている。

ウェブサイト「ダラートゥデー・ドット・コム(dolartoday.com)」 によると、ボリバルは外国為替の闇市場で1ドル=約175ボリバル。3つの公定レートのうち最高値は1ドル=6.3ボリバルで、闇市場でのレートはその27倍だ。

ベネズエラは多額の国債を、原油関連収入で裏付けており、それによって財政を均衡させ、数百万人を貧困から救うための社会保障費をまかなってきた。

9日に米原油先物CLc1は1バレル=63.82ドルで5年ぶり安値を付け、6月以降の原油価格の下落率は40%となった。こうした原油相場の急落で、ベネズエラの経済モデルは立ち行かなくなっている。

指標となるベネズエラのグローバル債(償還期限2027年)VENGLB27=RRの価格は2ドル以上下落して48.646ドル。利回りは過去最高の20.887%に上昇した。

<構造改革でデフォルト懸念払しょくへ>

インフレ率は高止まりし、通貨が急落する中、マドゥロ大統領は自国の政策を顧みず、苦境の原因は他国の敵対的な対応にあるとの見解を示しており、市場の懸念は絶えない。

ムーディーズ・インベスターズ・サービスの分析では、ベネズエラの1年予想デフォルト確率(EDF)は13.07%と、5年ぶり高水準となった。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの世界経済調査共同責任者でGEM債券戦略を統括するアルベルト・アデス氏は、今年だけでなく来年に再び、為替レートが大幅な調整局面を迎えると指摘。原油安で政府が経済構造改革を実施し、歪みを解消せざるを得なくなるとの見方を示した。

デフォルトを回避したい政府の一連の行動で、最終的には成長率が現行水準よりも高まる見通しだ。

バンカメメリルは、ベネズエラの国内総生産(GDP)が2015年に1.2%増加すると予想。今年は3.3%減が見込まれている。

バンカメメリルは今年末までにボリバルが対ドルで1ドル=13ボリバルまで切り下げられると見方を示した。2015年末までには30ボリバルに、2016年末までに66ボリバルに切り下げられ、闇市場のレートに近づく見通し。

一連の動きが短期的には状況を緩和し、ベネズエラがデフォルトに向かっているとの懸念を後退させることになりそうだ。

ただ、投資家はデフォルトシナリオを捨ててはいない。弁護士事務所のクリアリー・ゴットリーブ・スティーン・アンド・ハミルトンのソブリン債務再編の専門家が主催するパネルディスカッションが先週開催され、投資家の見解が明らかになった。

アナリストの1人によると、クリアリー側はベネズエラが若干の債務のリプロファイリング(返済期限延長)を行ったとしても、ベネズエラ資産を投資家が取得した場合、資金回収は困難になるとの見方を示している。

あるアナリストは「国債がデフォルトして、(国営企業の)PDVSAはデフォルトしていない状況で、PDVSA資産買いは困難だ」と指摘した。

一方、新興市場の債券投資家の1人は、自身の勤務先ではすぐにデフォルトに陥るシナリオは想定していないと述べ、「デフォルト前にできることは多くある。(通貨)切り下げが一番簡単な方法。資産売却もできるし、補助金の削減も可能だ」と指摘した。

(Daniel Bases記者 翻訳:青山敦子 編集:加藤京子)

*カテゴリーを追加し、見出しを修正して再送します。

“交友・会食・婚姻”で判断する差別の有無

上院の中間選挙で決選投票となっていたルイジアナ州(LA)でも共和党候補が勝利し、上院勢力は共和党が54議席、民主党が46議席(無所属含む)で確定、上下両院を野党・共和党が抑えた。保守派の勝利である。

中間選挙の敗北を経てリベラル派のカウンターと思われる一連の動きが起きた。大統領による移民改革案が示されるとともに、人種間の軋轢から暴動と略奪が相次いでいる。特に暴動と略奪は、今年8月のミズーリ州(MO)の黒人少年射殺事件と州知事による非常事態宣言よりも影響と拡散の規模が大きくなっている。

さて、その社会に人種・階級・宗派の差異による差別が行われているかは“交友・会食・婚姻”の3つで判断できる。差別が緩和・解消する場合には、会食→交友→婚姻の順に進んでいく。

会食は、席を同じくするということでもある。白人専用の出入口と会席と黒人のそれはアパルトヘイト下の南アフリカでも分けられていた。差別解消のための公民権運動の始まりは1955年、黒人女性ローザ・パークスがバスに乗車した際に白人優先席に坐ったために逮捕されたことによる。

交友は、互いを拒絶せず互いの違いを認識してコミュニケーションできるかに懸かってくる。つまり異文化の接触と交流を含めても良かろう。それを踏まえて、アヴリル・ラヴィーンが今年4月にリリースした楽曲「ハロー・キティ」のPVは米国において人種差別的であると、糾弾されて論議の的となった。日本人はまったく非難していない点に留意すべきだろう。

穿った見方をすれば、日本人に傾倒するweaboo(日本かぶれ)に対する非難の表れかもしれないし、北東アジア系(日系人ではない)米国人の反日感情の表れかもしれない、と思えるほど滑稽な話だ。そして、米国内の差別をめぐる意識はこの段階で未だに争いが起きるのだ。

婚姻は、アレクサンダー大王がマケドニア人とペルシア人の結婚を進めた古代から人種・民族や階級融和の最たる手段だろう。それを踏まえて、今年11月にジュリアン・ブランク(Julien Blanc)なるナンパ師が、“白人男性が日本人女性をナンパする”セミナーを開催することが物議を醸し、オーストラリアから国外退去処分を受けたことを思い出す。

不謹慎の極みながら、これを敷衍すれば白人系にとって日系(さらに北東アジア系まで拡大される可能性がある)は恋愛と婚姻の対象になる可能性があるということだ。

逆に“白人女性が日本人男性にナンパされる”セミナーは開催される機運がない。日本人男性は、婚姻に際して日本人女性と違って人種的に偏見があるか、人種的コンプレックスがあるか、それとも白人女性の相対的な競争力が日本人女性に劣るかの三択が考えられるが、おそらく最後の選択肢が主因だろう。これはこれで反感を買う話に類するが。

さて、歴史人口学と家族人類学の泰斗エマニュエル・トッドは、1990年のネイティブアメリカン女性の外婚率は54%、1980年のカリフォルニア州の日系人女性は36%であることを示し、白人系と人種的に融合しつつあることを明らかにしている。一方、1992年の黒人男性の外婚率、すなわち白人と結婚する率は4.6%、黒人女性では2.3%に過ぎない。

加えて、リーマン・ショック以降のヒスパニック系移民は年間約130万人ずつ、カソリックを棄教して無宗教(リベラル)と福音派(宗教右派)になっている。なおヒスパニックはネイティブアメリカンの延長線上に位置づけられる。この事実と併せると、黒人は婚姻による融和の可能性から阻害されたまま、今後も推移するという認めたくない現実が横たわっている。

下記の日経ビジネスの記事によれば、オバマ政権になって黒人の生活環境はむしろ悪化している。黒人成人の労働力率(Labor-force-participation rate)は、オバマ政権前の時点の63.2%から2014年4月には60.9%に下がっている。さらに16~19歳までの黒人の雇用率は29.6%だったが、2014年4月には27.9%と落ちている。さらに黒人貧困層は25.8%から27.2%に上昇した。

成長率が上がり、デフレに陥らず、失業率が改善する中にあって経済格差の面からも黒人は救われていないのである。

米司法省 警察の人種差別防ぐ指針 12月9日 13時40分 NHK NEWSWEB

米大統領「人種差別根深い」 黒人射殺警官不起訴で 2014/12/9 11:45 日経

(前段略)

オバマ氏はインタビューで「人種差別主義は一夜にして解決しない」と強調。「米国は過去50年間で公民権問題を前進させてきた。いずれ米国がこの人種差別主義を解決できると信じている」と語った。8日も全米で黒人らは抗議活動を展開した。首都ワシントンでも夕方の混雑時にホワイトハウス付近の交差点で車を遮断するなどして実施した。

米ブルームバーグの最新の世論調査によると「オバマ氏が大統領になって人種間の対立が悪化した」と回答した人が53%と過半を超えた。人種別では白人で56%、黒人で45%が悪くなったと答えた。変わらないが36%。少しよくなったが6%、かなりよくなったは3%にとどまった。


米カリフォルニア州でデモ隊が暴徒化、黒人死亡で警察に抗議 2014年12月08日 11:39 AFP BB NEWS

米共和新人カシディ氏が勝利-ルイジアナ州の上院選決選投票 2014/12/08 06:37 JST ブルームバーグ

Eric Holder Believes All Cops Are Racists - December 8, 2014 REAL CLEAR POLITICS

Ferguson: Inconvenient Facts About the Encounter - December 4, 2014 REAL CLEAR POLITICS

(FBIの統計によれば、昨年1年間の黒人の殺人事件被害者は6300人、1日当たり18人、ほとんどが黒人同士の犯行。また麻薬及ぶギャングがらみの事件解明は1961年は93%、2013年は64%に低下。黒人は警察の捜査に非協力的になっている)

Last year, according to FBI statistics, more than 6,300 blacks were homicide victims, or almost 18 per day, almost all at the hands of other blacks. Even more disturbing, a decreasing number of murders are "cleared" (solved). In 1961, 93 percent of all homicides were cleared. That number now is down to 64 percent in 2013, primarily because of drug and gang-related murders where people don't talk because of a "no snitch" culture or fear of retaliation.


アングル:オバマ氏の米移民制度改革、ハイテク業界の期待に及ばず 2014年 11月 21日 16:51 JST ロイター

米移民制度改革、オバマ大統領が権限行使表明 共和党は反発 2014年 11月 21日 12:01 JST ロイター

参考URL:
真っ向から対立する米国建国以来の2つの理念 「自助努力」と「弱者救済」2014年12月3日(水)日経ビジネス

非関税障壁としての消費税

外国人観光客の増加で、ごく普通の飲食店でもインバウンド向け対応の案件が増えてきた。居酒屋や焼肉店からも打診が結構出てきたりしている。

さらにセブン-イレブンがコンビニ初の免税カウンターを訪日客の多い浅草と京都西院で導入する。外国人観光客には消費税免税となる一般消費財(コスメや食料品)が増えた。一方で大量に粉ミルクを買い占めるケースなどは摘発もされるようになった。

見方を変えると、ひとつには旅行収支の黒字で貿易収支の赤字を調整している。ひとつには消費税は輸出には掛らないので非関税障壁(もしくは一種の輸出促進税)になり得る、ということだ。

外国人観光客の誘致はある意味で諸外国の消費を奪うことでもあるのだが、移民でGDPを拡大させようとする欧米各国よりは社会混乱のタネにはなりにくい。

また、関西でも外国人観光客が順調に増加すれば、新自由主義的な利権の再分配の必要なく全体のパイが拡大する。つまり橋下大阪市長率いる維新の党にとっては、自らの存在意義を失わせかねない情勢変化が足元で起きつつあるのだ。

ラーメン店「一風堂」の海外展開支援に20億円 クールジャパン機構 2014.12.8 18:34 産経ニュース

10月の経常黒字8334億円 黒字は4カ月連続 2014/12/8 9:55 日経

財務省が8日発表した10月の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は8334億円の黒字だった。黒字は4カ月連続。1543億円の経常赤字だった前年から黒字転換し、QUICKが5日時点で集計した民間予測の中央値の3580億円の黒字も大幅に上回った。海外投資から得られる利子などの第1次所得収支が10月として現行基準で統計を遡ることが可能な1985年以降で最大となり、経常収支の改善に寄与した。

 10月の貿易収支は、輸送の保険料や運賃を含まない国際収支ベースで7666億円の赤字。赤字額は前年同月比で16.9%縮小した。貿易赤字は16カ月連続。自動車や船舶などの増加が目立ち、輸出額は前年同月比11.2%増の6兆5669億円。20カ月連続で前年を上回った。輸入額は7.4%増の7兆3335億円。スマートフォン(スマホ)を含む通信機や航空機関連などの輸入が増え、5カ月連続で前年を上回った。

 一方、サービス収支は2165億円の赤字で、赤字額は前年の5092億円から大幅に縮小した。訪日外国人観光客数の増加などで旅行収支が改善したほか、海外企業との知的財産権のやりとりで得られる収入が比較可能な1996年以降で最大となり、サービス収支全体での赤字幅の縮小につながった。

 海外投資から得られる利子や配当収入などを示す第1次所得収支は2兆186億円の黒字。黒字額は前年同月比48.3%増と大きく拡大し、10月の黒字額としては比較可能な1985年以降で最大だった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕


セブン、「免税コンビニ1号店」に透ける深謀 2014年12月05日 東洋経済オンライン

アングル:近畿・中部で海外観光客が急増、私鉄株押し上げ  2014年 12月 3日 17:25 JST ロイター

コンビニ初!? 外国人観光客は消費税を免税 セブン-イレブン、「西院駅南店」(京都)と「浅草雷門前店」(東京)2014.12.1 17:15 産経ニュース

西成暴動の余波で敷石のない駅…訪日外国人増加で「南霞町」→「新今宮駅前」に変更 2014.12.1 12:12 産経ニュース

三枚舌ではなく二重思考の勝利

かつての大英帝国は第1次大戦ではかの有名な三枚舌を駆使した。とは云え利害調整は行っており、ハシーム家にはヨルダン王国とイラク王国を与え、フランスとはシリアとレバノンの委任統治領で妥協し、ユダヤ人にはパレスチナへの入植を許した。

一方、中国共産党は香港自治の国際法上の基礎となる中英共同宣言(1984年)を無効と断じた。台湾はこの動静を看過し得ないだろう。中共が好景気であるときに国民党が勝利し、そうでないときは民進党が勝利するパターンが定着してきたのも見逃せないし、そもそも一国二制度は台湾向けのプロパガンダであったのに目前で壊している中共の悪手をどう判断するべきか、今のところ分からない。

さて、香港の民主化運動を支持しながら、否定しなければならない我が国のリベラル・左翼は、『1984年』(1949年、ジョージ・オーウェル作)の二重思考(ダブルシンク、Doublethink)でもって解釈しないと、中国共産党の欺瞞を弁護できないだろう。作中でイングソックと呼ばれる少数独裁制集産主義が実現した世界は彼らの桃源郷ではなかろうか。

前々回2009年衆議院総選挙の民主党が獲得した308議席、それを今回2014年衆議院総選挙の自民党・公明党が超える選挙戦序盤情勢を受けて、彼らはすでに「民主主義は死んだ」と嘆いている。

『1984年』の作中に連呼される“戦争は平和である”“自由は屈従である” “無知は力である”のスローガンが彼らの望みであったし、知識を独占することでそのスローガンを比較的実現してきた彼らの人生が、ついに終わる。この総選挙はビッグブラザーとしての「彼らが死んだもの」として後世語られるだろう。

「慰安婦」影響の是正は語らず…新社長「提言待って」と繰り返すのみ 部数は20万部減 2014.12.5 21:19 産経ニュース

「共同宣言は無効」と中国 香港問題で対英強硬姿勢 2014.12.4 11:45 産経ニュース

【ロンドン=内藤泰朗】香港の「高度の自治」を明記した1984年の「中英共同宣言」について、駐英中国大使館が、「今は無効だ」との見解を英国側に伝えていたことが分かった。英下院外交委員会のオタウェイ委員長(与党・保守党)が2日の下院審議で明らかにした。

 それによると、中国の倪堅駐英公使が11月28日、同委員長に超党派の英議員代表団の香港訪問受け入れを拒否すると通告した中で、この見解を伝えた。見解では、中英両国が合意した共同宣言は、香港が中国に返還された97年までは適用されたが、今は無効だとした。

 委員長は「合意文書に記された方針について中国政府は50年間保持すると約束した。中国側は無責任だ」と非難。「合意を結んだ相手の履行状況を評価する権限がないと示すのは非常識だ」と切り捨てた。

 下院審議では、ほかの議員からも中国への批判が続出。リフキンド元外相は、国際合意の履行状況を監視し、意見を表明するのは「英政府や下院委員会の義務だ」と断言した。

 しかし、中国当局は、英国に対し「道義的責任や義務といったものはない」と切り捨て、一切、譲歩しない姿勢を示しているほか、民主的選挙を求める香港のデモ隊に対し強制排除の姿勢を一層強めている。


台湾で国民党大敗、民進党が4直轄市制す 統一地方選 2014/11/29 23:23 (2014/11/30 1:31更新) 日経

香港警察が民主派デモ隊を強制排除、学生リーダー2人逮捕 2014年 11月 26日 18:52 JST ロイター

中国人民銀、銀行預金保険制度案を近く公表へ=関係筋 2014年 11月 28日 02:55 JST ロイター

中国の銀行、みせかけの融資拡大策が横行 当局の対策後手 2014年 11月 27日 20:00 JST ロイター

コラム:中国利下げ、期待通りの効果得られぬ恐れ 2014年 11月 25日 12:18 JST ロイター

アングル:人民元、今年は05年以降初の下落か 2014年 11月 24日 15:39 JST ロイター

焦点:中国利下げは銀行に逆風、中小企業への融資増期待できず 2014年 11月 24日 14:01 JST ロイター

上海外為市場=人民元下落、前週末の予想外の利下げ受け 2014年 11月 24日 13:05 JST ロイター

中国利下げ:識者はこうみる 2014年 11月 21日 21:47 JST ロイター

中国人民銀が資金供給、IPOに伴う逼迫感で金利上昇-関係者 2014/11/21 18:57 JST ブルームバーグ

中国人の「銀座の宴」は今がピーク ドル連動の人民元増に限界 2014.10.03 ZAKZAK

中道しかないスウェーデンに保守は生まれるか

スウェーデン議会では与党の予算案が否決され、野党の予算案が可決された。左派と右派どちらの連合にも属さない独立勢力のスウェーデン民主党が野党案の賛成に回ったため、野党案が可決された。

予算をどう使うかこそ国家の役割であり、政権与党が予算案を通せなければ、解散総選挙しかないのは世の東西変わりない。

ところが1958年以来、スウェーデン議会では任期満了に伴う総選挙しかなかった。

2015年3月22日の解散総選挙は実に56年ぶりとなる。

そもそもスウェーデンの選挙制度は完全な比例代表制・非拘束式名簿のため、4%以上の得票率をクリアできれば、少数政党が成立・維持しやすい。各政党は左右の連合をつくり、いずれかが過半数を握ることができた。このため、長らくスウェーデン社会民主労働党の一党優位支配が続いてきた。

しかし、2010年選挙で20議席を獲得したスウェーデン民主党は、2014年選挙で49議席と躍進して、一挙にキャスティングボートを握った。

政権は比較第1党の社会民主労働党と環境党(緑の党とも訳される)の連立政権となっており、もともと政権基盤が弱かった。

環境党が連立の条件として出したのは稼働中の原発10基のうち、2基を4年以内に閉鎖するというものだったが、原発の総電力量が43%もあり、将来的に水力や風力などの持続可能なエネルギー源に置き換えていく原則を確認し、委員会設置で合意したに留まった。

我が国の左翼・リベラルと違って現実的ではある。ならば同様に右翼も現実的と考えて良いのではないか。なぜなら高福祉国家を支える方策として、継続的な移民の流入による人口増とGDP増が彼らのコンセンサスだからだ。

スウェーデン民主党は、当地や欧州のマスメディアから極右政党と名指しされているが、国内事情を考えて福祉容認は変わらない。移民の制限(移民禁止ですらない)こそ焦眉の急と訴えている。

下記のフィナンシャル・タイムズを訳した日経の記事によれば、2004年の移民数が1万8000人、2013年の5万4000人に対して2015年の移民数が約9万5000人と予想されている。

すでに約960万人の人口のうち、外国生まれが約140万人、父母共に外国生まれの子女が約40万人となっている(我が国の在留外国人は約200万人)。北欧・英国やドイツ系移民ならともかく、イスラム系が多くなる現状では世論が受け入れがたいのは当たり前と云える。

スウェーデンの解散総選挙の場合、議員任期は延長されず2014年選挙時の満了までとなる。

選挙は小選挙区制度などの急激な議席変化が期待できないため、スウェーデン民主党の後退はありえない。おそらくスウェーデン民主党を右派連合が連立政権に取り込むか、閣外協力にしなければ、毎年予算案否決で政権が倒れることになる。以外ではスウェーデン民主党を排除した左右の大連立しかない。

我が国では衆参ねじれが起きている場合、予算に必要な特例公債法案が否決されかねず、与野党妥協のために毎年政権が倒れてきた。これが数年つづくと思われる。スウェーデン社会民主労働党の一党優位支配の終わりとリベラルの概念見直しが始まったと言えるだろう。

なおスウェーデンの議会は1院制。選挙制度は比例代表制・非拘束名簿式であり、議席配分には全国で最低4%、選挙区で最低12%の得票が要件とされる。2014年選挙←2010年選挙←2006年選挙推移を併記した。

スウェーデン議会現有勢力(定数349 過半数175)

【中道左派連合】(赤緑同盟、現在政権与党、左翼党は閣外協力)
スウェーデン社会民主労働党(Sveriges Socialdemokratiska arbetarparti) 113←112←130
環境党or緑の党(Miljöpartiet de Gröna) 25←25←19
左翼党(Vänsterpartiet) 21←19←22

【中道右派連合】(スウェーデンのための同盟、野党、前連立政権)
穏健党or保守党(Moderata samlingspartiet) 84←107←97
中央党(Centerpartiet) 22←23←29
人民自由党(Folkpartiet Liberalerna) 19←24←28
キリスト教民主党(Kristdemokraterna) 16←19←24

【独立勢力】
スウェーデン民主党(Sverigedemokraterna) 49←20←0

[FT]移民巡るスウェーデンの政局混乱、欧州に警鐘 2014/12/5 16:05 日経

スウェーデンは長い間、有名な社会モデルでも金融危機への対応でも、ほかの欧州各国の政策の模範となってきた。

 だが、今週の政局の混乱で、ポピュリズム政党が不安定な状態をもたらす欧州の先例となる危険が高まっている。

 反移民を掲げる民主党は発足からまだ2カ月の中道左派政権を倒すことに成功した。これに伴い、スウェーデンでは来年3月22日に約半世紀ぶりの解散による総選挙が実施される。

 ほかの欧州各国では、英国独立党(UKIP)やフランスの国民戦線(FN)、スペインのポデモス、フィンランドの真正フィン人党など反既成政党の勢力が支持を急速に伸ばしている。各国の既成政党はスウェーデンが同様の運命からどう逃れるかを注視することになりそうだ。

■世論は移民問題に否定的

 スウェーデンの政治専門家や他党の政治家は、民主党があえて伝統を破り、政府の予算案を否決することはないと踏んでいた。だが実際には、民主党はちゅうちょなく否決に踏み切った。しかも(次回の総選挙の)得票率は9月に躍進した際の13%を上回る可能性が高いため、今回の政局で唯一の勝者になるだろう。同党は来年3月の総選挙を、人口1人あたりの移民受け入れ比率が欧州で最も高い同国で移民の是非を問う国民投票と位置づけようとしている。

 これはスウェーデンがほかの国と違う点だ。移民問題で既成政党がUKIPの後を追う英国とは異なり、スウェーデンではこれまでほかの7党の間で意見が一致していた。来年の移民数は9万5000人と予想され、10年前の1万8000人や13年の5万4000人から急増しているのに、移民の制限を訴えているのは民主党しかない。

 だが、世論はもっと否定的だ。シンクタンクのジャーマン・マーシャル・ファンドがスウェーデン市民を対象に実施した調査によると、政府の移民問題への対応を支持しないと答えたのは38%で、移民が社会にうまく融和できていないとの回答は65%にのぼっている。

 各会派が予算案を提示するスウェーデンの政治制度には、これまでは少数与党でも存続しやすい利点があったが、現状では膠着状態を招く恐れが出ている。キャスチングボートを握る民主党は、移民増加を想定した予算案を断固として否決すると警告している。

 スウェーデンの混乱を解決する手段は2つある。どちらも欧州にも当てはめることができる。ひとつは左派と右派が連携する「大連立」で、ドイツや隣国のフィンランドでもみられる。

 スウェーデンのローベン首相は「会派を超えた」連携の可能性に言及している。これは政党間の政策の違いがかなり小さいスウェーデンでは比較的たやすいはずだ。

 ただし、次回の総選挙は政策よりも、左派か右派が連立を組めるかが焦点になるかもしれない。ポピュリズム政党が台風の目になるからだ。このため、中道右派がこれまで距離を置いてきた民主党に近づくかもしれないことがもうひとつの解決策になる。ただ、中道右派4党が移民を90%削減するという民主党の案に同意する可能性は低い。

 北欧諸国は長い間、欧州の大半の地域で政治が動揺している時も安定しているオアシスだとみられてきた。今週の事態は、経済や財政が比較的強くても、ポピュリズム政党が安定を揺るがし、政治的混乱を引き起こす可能性があることを示している。

By Richard Milne

(2014年12月5日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


スウェーデン首相にロベーン氏 議会が承認 2014/10/2 23:48 日経

スウェーデン総選挙は左派勝利で政権交代へ、少数与党の見通し 2014年 09月 15日 16:30 JST ロイター

参考URL:
スウェーデンにおける選挙政治の変容と 新右翼政党の議会進出 2013年 龍谷大学(渡辺博明) PDFファイル

サウス・ストリームもまた死す

天然ガスパイプライン「サウス・ストリーム」の建設計画が断念・中止された。合意されていたパイプラインのルートは、ウクライナ領内及びウクライナの排他的経済水域を通過せず、黒海からブルガリアに上陸してセルビア~ハンガリー~スロベニア~イタリアを通り、支線がクロアチア、オーストリアに達する予定だった。また輸出分はトルコ、ドイツ、フランスに渡る予定だった。

2014年6月25日のエントリーの時点では、「サウス・ストリーム」のオーストリアまでの延長建設まで合意していたが、一気に暗転した。欧州各国は現在のウクライナにコミットする方向に大きく傾いた、といえる。独露直結の「ノルド・ストリーム」以外は、「サウス・ストリーム」と「ナブッコ・パイプライン」ともに頓挫したままに終わりそうだ。

一方、NATOに加盟するトルコは、EUとは一定の距離を置き「ナブッコ・パイプライン」の一部を実現させる動きを採った。下記のロイター電によれば、ガスプロムとトルコの国営ガス会社ボタスは、ロシアから黒海を経由してトルコに至るパイプライン敷設の覚書を交わした。

また、2014年9月4日のエントリー2014年10月15日のエントリーで述べたように、チェコとブルガリアとリトアニア、ポーランドにおいて原発推進がなされていることも影響している、と考えられる。

そして何よりもウクライナのクーデターからクリミア併合、ドンバス紛争などの一連のウクライナ危機において、ロシアに非合法なプロセス(クリミア併合)を列強各国との同意(諸外国の承認という国際法に基づく合法的プロセス)の下に落とし込もうとする努力が見られない、もしくは功を奏していないことが徐々にロシアの国際的立場を損ねている。

経済制裁下のロシアでは、原油安によって財政が賄いきれなくなり、ルーブル安によって輸入品から国産品への代替需要が起きている。プーチン大統領は自国の産業を育成しなければならないが、見方を変えればエネルギー産業に依存した経済構造からの転換が危機によって促進される可能性もある。

経済的にロシアのボトルネックの第一とは、その広大な国土ゆえのインフラの弱さであり、ボトルネックの第二とは、歴史的経緯からイノベーティブな経済成長を果たすための企業家精神とそれを守る法秩序が欠如している点である。

資本主義を担うブルジョワとイノベーションの結合によるダイナミズムを持たない社会の欠陥を一足飛びに解消するには、中共と同様に我が国の資本と技術が必要になる。しかしそれには日露間の講和条約は必須であるが、我が国の反応は鈍い。信頼醸成の期間にウクライナ危機が起きたことはさらに不信の材料となる。

なんとすれば、択捉島・国後島含む北方領土返還が達成されて住民交換がない場合、残留するロシア人に対して日本国籍もしくは在留資格などが与えられても、情勢変化に際して、クリミア併合とドンバス紛争の前例に基づいて、ロシア再併合を要求する事態も想定せねばならなくなったからである。ロシアがザカフカースとドンバスで通常兵力をすり潰し、自衛隊が対中シフトしていく現状では、双方にとって衝突は本意ではないだろう。

それでもロシアとの信頼関係の構築が難航する場合には、ヴィシェグラード・グループ4ヵ国からGUAM諸国(グルジア、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドバ)に切り込み、米国が失敗したロシア圏からの再分離を図り、カフカスの両側で暴れ回り、カスピ海を渡ってロシアの脇腹である中央アジア諸国に喰い込むことも方策として考えられる。

露大統領、欧米への対抗姿勢鮮明に=年次教書演説 2014 年 12 月 5 日 05:20 JST WSJ日本版

プーチン氏がクリミア併合を賞賛、西側に挑戦的姿勢 2014年 12月 5日 00:28 JST ロイター

アングル:資源国通貨安でリスクオフの懸念、注目されるロシア 2014年 12月 4日 16:16 JST ロイター

露、強まる核依存 軍備刷新も通常戦力に遅れ 戦術兵器には不透明さ 2014.12.3 23:58 産経ニュース

ロシア中銀、ルーブル防衛へ介入か=市場関係者 2014年 12月 2日 00:21 JST ロイター

11月のHSBCロシア製造業PMI、1年ぶりの高水準 2014年 12月 1日 16:40 JST ロイター

ウクライナ迂回のパイプライン、ロシアが断念-欧州の圧力で 2014/12/02 22:01 JST ブルームバーグ

ロシア欧州間の新パイプライン計画、ロシアが撤回発表 2014年 12月 2日 08:54 JST ロイター

ミャンマーすべての空港インフラに関わる日本

2013年5月26日のエントリーで触れた安倍首相のミャンマー訪問以降、日系企業の進出、特にインフラ整備の受注が急ピッチで進んでいる。

一方で、中共の主導するチャウピュー港に至る高速鉄道の計画撤回、ミッソンダムの建設凍結が続き、中共の対ミャンマー直接投資(FDI)は82億ドル(2010年度)をピークに、4億ドル(2012年度)、5692万ドル(2013年度)と激減している。

2014年8月15日のエントリーで触れたように、

日本-ミャンマーの投資協定も締結され、企業による特許使用料の本国送金を制限することを禁じる事ができるようになった。今後もこうした投資協定締結が推進される。対米貿易紛争回避のための迂回貿易の役割は徐々に薄れ、東南アジア諸国などから適正な利潤を取る方向へ政策変更が始まっている。

また、2014年2月21日のエントリーで触れたように、

ミャンマーのインフラ整備が急ピッチで進む。電力(発電~送電~配電)、郵便、上下水道などの基盤整備の分野に置いて、我が国との協力関係は締結されていたが、個別の事業では必ずしも日本企業の落札と進出は進んでいなかったが、空港建設の交渉権が回ってくるなど、潮目は変わってきたようだ。

ここで取り上げたのはハンタワディ国際空港の再交渉だったが、実際に受注が取れた。

下記の日経などの記事によれば、ミャンマーの3つの国際空港(計画含む)のうち、マンダレー国際空港とハンタワディ国際空港で日本企業を含むコンソーシアムが運営管理と建設を受注。またミャンマーすべての国際空港と地方空港の通信・保安設備に関して日本企業のコンソーシアムが受注を獲得した。

マンダレー国際空港は、JALUX(双日と日本航空が出資)と三菱商事がミャンマーのディベロッパー(ヨマ・デベロップメント・グループ)と合弁企業(MC-Jalux Airport Services)を設立、空港施設の運営を30年間行う。

ヤンゴン国際空港の拡張と運営は、豊田通商と中部国際空港が地元企業のパイオニアや中国の中国港湾建設などによるコンソーシアムに競り負けた。

ハンタワディ国際空港の建設と運営は、韓国企業連合が2013年に優先交渉権を獲得したものの交渉決裂。日揮とシンガポール系の建設会社ヨンナム・ホールディングス、チャンギ空港子会社のコンソーシアムが優先交渉権を獲得している。

国際空港のヤンゴン、マンダレーと地方空港のニャンウー、ヘホー、ダンダウェ及びダウェーにおける通信・保安設備に関して、住友商事、日本電気、NECネッツエスアイ、東芝、モリタのコンソーシアムがミャンマー運輸省航空局と契約を締結した。

住友商事はプロジェクトの主契約者として全体の取りまとめを担当。NECは無線通信および空保安インフラ構築の工事全般を担当。東芝は、ドップラーVHF(超短波)無指向性無線航路標識(DVOR)を主要3空港(ニャンウー、ヘホー、タンダウェ)に提供。モリタはヤンゴン・ダウェー・ニャンウー・ヘホー空港の保安機材として空港用化学消防車を納入する。

日本勢初の空港運営事業、ミャンマーで受注 2014/11/19 23:00 日経

ミャンマー新空港建設、日揮など企業連合が受注 2014年 10月 30日 02:01 JST ロイター

再入札のミャンマー新空港建設、日揮などに優先交渉権…決定していた韓国企業と決裂 2014/10/29 in ZUU News

日本の企業連合が、ミャンマー主要空港インフラ構築受注 2013年9月24日 Digima

ミャンマー政府、国際空港建設で日揮とシンガポール企業の連合に再協議申し入れ 2014年 02月 4日 20:12 JST ロイター

参考URL:
ミャンマー新聞

一般社団法人 日本ミャンマー文化経済交流協会

ミャンマーにおける貿易手続き・通関システムの開発を受注 2014年11月18日 株式会社NTTデータ

ナイジェリアの水よ「一粒の涙は滝のごとく」あれ

アフリカ大陸での摩擦と紛争の多くは、マグレブ(アラブ系・ムスリム)とサブサハラ(ブラックアフリカ・キリスト教及び土着信仰)の分断線上で起きている。

マグレブ(アラブ系・ムスリム)とサブサハラ(ブラックアフリカ・キリスト教及び土着信仰含む)との識字率の向上と出産率の低下のスピードに時間的な格差が存在することが、これら各地の革命・内戦など政治的混乱の背景となっている。

先んじて識字率の向上と出産率の低下を受けたマグレブで“アラブの春”が起きた。その近因はコモディティのインフレと人口の多い若年層の失業にあり、その遠因はリーマン・ショック以降の米国のドル増刷にあった。

これからはブラックアフリカでも、経済的発展に先んじた地域から“移行期の危機”が起こり、心理的な当惑と政治的混乱の時代が始まって行く。

そのためにオイルマネーで潤い、アフリカ大陸最大の人口を抱え、北部にムスリム、南部にキリスト教及び土着信仰と分かれるナイジェリアでイスラム教過激派のテロが起きている。たとえば、イスラム原理主義過激派組織のボコ・ハラムが女子学生を拉致事件を起こしている。

そのナイジェリアで日中両国の技術支援や援助が競い合うように行われている。

中国共産党は、ナイジェリアにステルス巡視船を輸出した。一方、我が国は上水道の漏水対策である。

水とエネルギーと穀物には密接な相関関係がある。まず水のないところには大規模な農業生産と工業生産は成り立たず、エネルギーがなければ食料生産もままならない。島嶼国家や都市国家は水だけで死命を決せられる。

シンガポールの死命はマレーシアからの水輸入に支えられているし、第2次大戦のシンガポール陥落も水源が失われたからだった。英国が香港返還のやむなきに至ったのも租借地の新界を失っては充分な水が確保できなかったからだ。そして、支那も農業用水・工業用水の汚染と枯渇で成長限界を来しつつある。

さて、我が国政府に限らず、東京都や横浜市そのほか民間ではIPOが予定されているメタウォーター(日本ガイシと富士電機合弁)や水ing(荏原製作所と三菱商事と日揮の合弁)など各社が世界各国の水道運営事業に乗り出している。国内の水道事業民営化の議論もこうした各国でのインフラ~メンテナンスまでの受注競争との兼ね合いで見ていくべきだろう。

ナイジェリアのモスクで爆発、100人強死亡-ボコ・ハラムか 2014/11/29 12:44 JST ブルームバーグ

横浜ウォーター、ナイジェリアで水道漏水対策 2014/11/19 10:31 日経

横浜市が全額出資する横浜ウォーター(横浜市)は建設コンサルティング会社の八千代エンジニヤリング(東京・新宿)と連携し、アフリカのナイジェリアで水道漏水対策の支援事業に乗り出した。国際協力機構(JICA)が実施する事業を約3億5000万円で共同受託した。横浜ウォーターがアフリカで事業展開するのは初めて。

 ナイジェリアの都市部で、水道管からの漏水などによって水道料金を徴収できない「無収水」を減らす事業を始めた。無収水比率が水道水全体の約38%と高いため、定期的な測定・管理や効果的な対策などを支援する。横浜市に現地の水道事業関係者を呼び、研修を通じた人材育成にも取り組む。事業期間は2018年3月まで。

 横浜ウォーターはこれまで同様の事業をインドネシアやフィリピンなどで展開。上下水道技術の海外展開推進を目的に設置した官民連携組織「横浜水ビジネス協議会」の会員企業の事業創出にもつなげる考えだ。


中国建造のナイジェリア海軍ステルス型巡視船進水へ 2014年1月29日 中国網日本語版(チャイナネット)

27日、武昌船舶重工有限責任公司がナイジェリア海軍に建造した最新鋭の近海巡視船NNS F91が進水した。同船は同軍最大級の戦艦となった。進水式にはナイジェリア大統領の夫人が出席した。

同船は全長95メートル、幅12.2メートル、満載排水量1800トン。ヘリコプターの搭載が可能で、76ミリ砲と30ミリ速射砲を配備、優れた戦闘能力を有している。ステルス性能も高く、総合性能はドイツの同じ規模の先進的な艦艇に匹敵する。情報によると、2隻目となる同型の巡視船もすでに船台が完成しているという。


参考URL:
横浜ウォーター(横浜市の水道事業)
メタウォーター(日本ガイシと富士電機合弁)
水ing(荏原製作所と三菱商事と日揮の合弁)

“ファッション治安”のインフラは整備できるか

2013年12月18日のエントリーで取り上げた海外需要開拓支援機構(クールジャパン推進機構)は、それぞれ自社単独で海外進出するには、魅力的なテナントは持たないがショッピングモールは作れる企業やコンテンツは持っているがプラットフォームを作れない企業、彼らが官民共同出資することでリスクマネーの分散化を図る投資スキーム用のファンドであると、株主一覧から透けて見える。

“クールジャパン”を輸出の起爆剤にするにも、プラットフォーム~プロバイダ~コンテンツまとめて輸出可能か否かで利益率も変わってくる。この場合はモールがプラットフォーム、テナントがプロバイダ、扱われる一般消費財とサービスがコンテンツとなる。ベトナムにイオンモールが進出した事例を取り上げた2014年4月12日のエントリーが参考になるだろう。

また、下記のクールジャパン機構の最新投資案件もアニメや関連商品販売のプラットフォーム構築が主眼となっている。一般消費財やサービスならば、これらの投資スキームで構わない。

クールジャパン機構が日本アニメとエンタメ事業に出資 海外進出を支援 2014年10月30日 19:10 JST Fashionsnap.com NEWS

海外向けアニメ配信・ECサイトの新会社 クールジャパン機構出資でDAISUKIと統合 2014年10月30日(木) 15時35分 アニメ!アニメ!

しかしクールジャパン機構は、我が国で大量消費されている消費財やサービスを扱うプラットフォーム以外の投資スキームには出資しない方がイグジットしやすい。株主の傾向から見てもそう思える。

たとえばクールジャパン機構がボーカロイドのソフトウェア制作会社や読者モデルのエージェンシーに投資しても各国向けローカライズのノウハウがない。

本来、各国の社会文化のインフラが新しいポップカルチャー、サブカルチャーをつくる。諸外国が我が国の事例を真似てフォロワーをつくろうにも社会文化のインフラが違うために、後追い不可能な事例がいくつか出てきた。ヴァーチャルではボーカロイド、リアルでは読者モデルだ。

読者モデルが世界的なポップアイコンになる。しかも中流家庭出身の10代の少女が自力でここまでできる一つの要因として、2012年2月19日のエントリー2013年5月18日のエントリーで見られるように、インターアーバンを敷設した私鉄系の流通企業(東急グループとセゾングループ)が、大正から昭和初期の阪神間モダニズムに触発されて、田園都市を東京近郊に造成して、終点のターミナル駅周辺にセゾン文化と呼ばれたようなマーケティングを成功させた影響も見逃せない。

米国では、自動車なしではどこにも行けないし犯罪に巻き込まれる。欧州では、階級社会すぎて選択肢も許容性もない。中国や韓国では、若者が自らコーディネートできるほど服飾品がデフレになっていない。要するにきゃりーぱみゅぱみゅが登場できる背景は、日本以外世界中どこにもなかった。ローティーンがひとり日帰りで原宿や渋谷にショッピング可能なのは日本だけだろう。

我が国が培ってきた公共交通関連のインフラ輸出で、世界各国で安全にターミナル駅が乗降でき、その近辺でショッピングできる環境を作り出せるとき、社会文化のインフラでもジャパナイゼーションが起き、消費体系を国内資本に、より有利な状況にすることは出来る。阪神間モダニズムやセゾン文化のようなベストプラクティスだった前例の移植は出来る。

しかし程度にもよるだろうが、ジャパナイゼーションに伴う社会的反動がどのように起きるかは未だ分からない。

中間層のローティーンが多様なライフスタイルを自己主張したとき、それらのコミュニティが発生したとき、その社会の宗教・慣習の内部に日本的な寛容性に似たものが存在するかは一概に言えないからだ。そも日本的な寛容性とは何か?

それを窺わせるのが、クールジャパン機構にコラムを寄稿している文化服装学院出身のジャーナリストが提唱する“ファッション治安”という概念だ。ニューヨークですらゲイのコミュニティの庇護がなければレディー・ガガは登場し得なかった。欧米やイスラム圏では対立を表さず曖昧のままにしておく知恵が、宗教的規範や戒律によって著しく失われているからだ。この曖昧さが我が国にはある。

この曖昧で不可視なインフラを海外で整備するのはゼロではないが不可能事に近いのではないか。我々自身が普段意識しない土着的な宗教・慣習と関連している、と思われるからだ。むしろ我が国のサブカルを通じて、ライフスタイルに共鳴した欧米の先進国の中間層、それも若年層はSNSの交流だけに満足せず、来日を繰り返し、日本に定住する事態が深く静かに先行していくだろう。悪く云えば彼らは我々のコミュニティにタダ乗りするフリーライダーとなり、良く云えば彼らが先進国の中間層の呼び込み役になる。

下記のAFP電が伝えるイスラム原理主義に共鳴したオランダ人女性の事例から宗教の要素を取り去れば、容易に類推できる。欧米では行き過ぎた無宗教化とリベラル化の心理的な当惑と政治的混乱が起きている。当惑と混乱に陥った先進国の中間層の難民キャンプが渋谷や原宿を中心とした東京近郊ということになる。

聖戦士と結婚したオランダ人女性、母親が救出 帰国後に訴追 2014年11月22日 08:40 AFP BB

コラム「私のクールジャパン」#4 日本でサブカルが生まれる理由は? 「ファッション治安の良い王国」だから 2014年10月22日 株式会社海外需要開拓支援機構

ファッションディレクター/ジャーナリスト/ブロガー ミーシャ・ジャネット

東京のカラフルでユニークなファッションの特色はなにかと聞かれたら、私はこう答える。「世界で最もファッション治安の良い都市です」と。「ファッション治安」とは何か?少し詳しく説明しましょう。

大きな理由は、サブカルファッションの成功。初めてニューヨークファッションウィークに参加した時の話。不安と期待が入り交じったあの感情は、みんなとなんら変わりなく新鮮なもの。ちょうどその時、レディガガがポップミュージックシーンにトロイの木馬のごとく現れた。ファッションで自分を表現する彼女の姿にとても親近感を覚えた。

私もその「奇抜派」の一人で、波にのっていました。クシノマサヤのオブジェのようなシューズを履き、ソマルタの巨大深紅のニットドレスにノブキヒズメのアーティスティックなフェザーのハットを身に付けていた。その頃、NYCの服飾系学校 FIT (Fashion Insitute of Technology) の、“現在の東京ストリートサブカルチャー”についてのエキシビションを最終目的地として東京のブランドを着て行ったのだ。そのクリエイティブなコーディネートに何百万もの重みを感じ、2ブロック程歩こうとしたけど、様々なトラブルに遭いました。

“Hey お姉さん、ハロウィンパーティでもやってんの?”
“クレオパトラかよ”
“ガガかと思った”

私が歩いているのを見かけたタクシーは速度を落としてチラ見した。なんだか動物園の動物になった気分で、残りの一週間は注目を集めすぎないように控えめファッションにした。

何週間か後に、東京ファッションウィークで似たような「個性派」ものを着た。しかもその格好で電車にも乗った(高い帽子だとタクシーにも収まらなかったので)。ジロジロ見られるんだろうなと思った。だって、目がいってしまうような服を着ていたし、ニューヨークの時を思い出しディフェンスのスタンスを決めようとした。やっぱり人間誰しも我慢出来ないこともある...
「ガガだ!と言われたら、ジョークでサインを描いてあげようか」半笑いで決めた。

だけどそれは、まったく問題無かった。私に“コスチューム”についての質問をしたり、私はいったい何者で、どうしてこうするのか、これからどこへ向かうのか、そういう疑問の視線や偏見の目の心配はいらなかった。

この街は、ファッション治安が良い。しかし、“サブカルチャー成功”が充実していない国はファッションの治安が悪いと思う。“ファッション治安度”。良い意味で、日本は風変わりな人をそっとしておくことは文化なのだ。海外では、何にでも対して、「なぜ?」ときくのが主流。そして、注目を奪おうと、声を出したり、触ってきたり、時には喧嘩してくる者もいる。

東京にはなぜこんなにも素晴らしく、ユニークなサブカルチャーが存在しているのかというと、コミュニティをつくった原宿や渋谷のおかげと言える。ネオギャルと同じように白塗りアーティストだって安心して電車に乗れる。こうした風潮から、ギャル、森ガール、ロリータ、ゴス、フェアリーなど数多くのサブカルファッションが生まれた。

こういう個性的な文化はひとつの考え方であり、早い時期に形成される。その魅力に引かれたジャパニーズファッションファンの外人が自身の国でそのファッションをして練り歩く。“日本国内にいる”ということには敵わないけど、身体的にも、メンタル面も自分自身を正当化するひとつの方法なのだろう。

これらのカルチャーなしには日本のストリートスタイルはここまで繁栄しなかったと思う。「着ぐるみん」というジャンルをつくったのもまた、やはりこの国だ。もはや、ここ日本のファッション界で違反者がでるようなことはないでしょう。そして成功をおさめるべく、もっと多くのジャンルとファッションサブカルチャーが増え続けるのでしょう。

ファッション治安の最高に良い日本、まさにCOOLです。

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