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対米自立への政治的迂回路

西太平洋とインド洋を担当する米国第7艦隊の司令官は「南シナ海における自衛隊の活動に期待する」と発言した。

我が国の現在の基本戦略が、相対的な中共の強大化と米国の弱体化という外的条件を奇貨として、自主・自立的な国防力を強化しつつ、日米同盟にとどまらない多国間の安全保障の枠組みをつくることにある、と考えれば、こうした発言は歓迎すべきものだろう。

国防上の自主独立を達成するためには、大きくふたつの内的・外的条件が揃わなければならない。内的条件としては最低限、米国と同等の国内生産力と技術開発力を有することにあり、外的条件としては相対的に見て米国の軍事力、特に海軍力が弱体化することにある。

内的条件については1990年代初頭までに概ね達成されたと云って良い。しかし、外的条件についてはほぼ同時期にソ連解体が起きたため達成されなかった。

またソ連の後裔国のロシア連邦含めて、彼らはバルト海と黒海、日本海などでは地勢的に他国の海軍に塞がれており、北極海では氷に閉ざされているため、海洋国家に対抗するだけの海軍をついに持ち得なかった。

そして彼らに替わり、新たに挑戦権を得つつあるのは、ここ約20年で急激に台頭してきた中国共産党にほかならない。中共の軍事的台頭こそが、我が国の自主防衛を促す外的条件となっている。

内的条件の達成にはソ連を筆頭とする旧東側との冷戦が必要であった。それ故に、外的条件の達成には中共との対決が必要とされる。対米自立への政治的迂回路は過去にモスクワからワシントンを通った。今また北京からワシントンを通らなければならない。

「南シナ海、自衛隊に期待」=米司令官が発言、中国反発 2015/01/30-20:57 時事ドットコム

【北京時事】ロイター通信は30日までに、米第7艦隊のロバート・トーマス司令官がインタビューで「南シナ海での自衛隊の活動は将来、有意義になる」と述べ、中国に対抗するため自衛隊が南シナ海へパトロールを拡大することに期待を表明したと伝えた。これに対し、中国は「域外の国は情勢を緊張させることをすべきでない」と反発している。
 ロイター通信によると、同司令官は「この地域の同盟国は日本に対し、ますます(地域を)安定させる役割を期待するようになる」と述べた。

 これに対し、中国外務省の華春瑩・副報道局長は30日の記者会見で「南シナ海情勢は安定している」と指摘。米国などに対し「平和と安定を守る地域の国の努力を尊重すべきだ」と述べ、南シナ海問題に介入すべきではないとの考えを示した。 

 同日付の共産党機関紙・人民日報系の環球時報も「もし日本が航空自衛隊の南シナ海派遣を強行するなら、中国は厳しい措置を取り、返礼する必要がある」と強調。南シナ海の防空識別圏設定や基地建設、北東アジアでのロシアとの軍事協力強化などの対抗策を挙げた。

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機能不全に陥る合衆国議会

キーストーンXLパイプラインの建設承認法案が共和党多数の上下両院で可決されたものの、環境破壊への懸念からオバマ大統領は拒否権を行使する見通し。米国の議会は上院・下院いずれも優越の原則がないため、法案を拒否されたあとには3分の2による再可決を必要とする。

一方、貿易促進権限(TPA、通称ファストトラック)法案を通すようにオバマ大統領は要請しているものの、与党・民主党は労働者の雇用喪失への懸念から非協力的な姿勢を崩さない。この場合は野党・共和党に法案提出を要請した方が良いと思われるほど、議会(立法府)とホワイトハウス(行政府)は機能不全に陥ろうとしている。

対イラン制裁強化法案、米上院銀行委員会で可決 2015年 01月 30日 16:38 JST ロイター

米民主党議員、貿易協定への反対姿勢崩さず 2015年 01月 30日 16:17 JST ロイター

米上院、パイプライン建設法案を可決 大統領は拒否権の構え 2015/1/30 10:09 日経

UPDATE 7-米FOMC、景気判断を上方修正 利上げに「忍耐強い」姿勢維持 2015年 01月 29日 08:33 JST ロイター

もしもFRB/FOMCの舵取りが順調でなければ、米国の景気改善はなかったと考えられる。少なくとも次期大統領選出まで、こうした機能不全の影響を世界中が受けることになる。

着実に進む日比海洋安全保障協力

山本七平氏の云うとおり、バシー海峡での通商破壊戦の敗北が第2次大戦の最大の敗因であると考えれば、我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップの推進は最重要の課題であろう。そして課題が最も山積しているのがフィリピンであろう。経済構造と国民性、結果として海軍と空軍が脆弱なことも気がかりである。

と書いたのが、2011年10月8日のエントリーだった。以降の展開を見ると、民主党の野田政権における右旋回は概ね評価できる。

2011年以降の我が国とフィリピンの海洋安全保障協力が着実に進展している。新たに覚書が署名され、共同訓練実施、防衛相会談及び次官級会合の定例化、人材育成協力が行われる。

海洋安保で連携強化 日比防衛相会談 2015.1.29 22:26 産経ニュース

さらに2014年9月16日のエントリーの続報。今治造船は国内にドックを新設、多度津造船(旧・常石造船多度津工場)を子会社化した。

国内ドック16年ぶり新設 今治造船、円安で競争力 2015/1/29 2:00 日経

 国内の造船最大手、今治造船は大型の建造設備(ドック)を香川県丸亀市に設ける。約400億円を投じて2016年10月に稼働する。

国内の大型ドック新設は16年ぶり。日本メーカーは2000年代に入って韓国や中国の企業に受注を奪われてきたが、円安が進んで価格競争力が回復してきたことで投資に踏み切る。円安を背景に製造業が国内生産を増やす動きが広がりつつある。


参考URL:
日フィリピン防衛相会談:防衛省

ユーラシア経済同盟の前途多難

スタンダード・アンド・プアーズは、ロシアのソブリン債が投機的等級(BB)に引き下げた。いわゆるジャンク債(ハイイールド債)となる。一方のロシア政府は、2兆3400億ルーブル(350億ドル)規模の経済・金融危機対策計画を公表した。

対策計画の骨子は、銀行への資本注入に1兆ルーブルの予算枠を採り、ソブリン・ウェルス・ファンドの国民福祉基金も2500億ルーブルを資本注入、ロシア開発対外経済銀行(VEB)にも3000億ルーブルを供給する。また、銀行の不良資産の受け皿になる「バッドバンク」を創設する。ほかに政府保証付与債券に2000億ルーブル、地方政府向け融資に1600億ルーブル、年金基金の物価連動性導入に1880億ルーブルなど。

ロシアが350億ドルの経済危機対策計画、銀行や企業を支援 2015年 01月 28日 20:06 JST ロイター

ロシアが350億ドルの経済危機対策計画、バッドバンク創設へ 2015年 01月 28日 18:11 JST ロイター

アングル:ついに始まった大手機関投資家の新興国離れ 2015年 01月 27日 18:59 JST ロイター

S&P、ロシアを投機的等級に格下げ 見通し「ネガティブ」 2015年 01月 27日 06:42 JST ロイター

2014年のロシア純資本流出は1515億ドルで過去最大、原油安響く 2015年 01月 19日 09:23 JST ロイター

縮小するロシア経済にとって、地政学的な経済ブロックとして期待されるのが、2014年5月に発足したユーラシア経済同盟である。原加盟国がロシアとベラルーシとカザフスタン、追加の加盟国がアルメニア(加盟済み)とキルギス(加盟予定)となっている。旧ソ連(独立国家共同体=CIS)のタジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャンに加盟の見込みはない。グルジアは南オセチア紛争によってCISを脱退、ウクライナとモルドバはEU連合協定を締結している。

アングル:ルーブル急落で揺らぐ周辺国、「ユーラシア同盟」に暗雲 2015年 01月 15日 17:01 JST ロイター

<ロシア依存からの脱却も>

ロシアはウクライナがEEUの重要な加盟国になるとみていたが、昨年3月にロシアはクリミアを併合し、ウクライナ東部の分離主義勢力を支持するなど今や対立関係にある。

ウクライナ中央銀行(中銀)のホンタレワ総裁は「個人的にはルーブル下落を嬉しく思う。しかし中銀トップとしては歓迎はできない」と述べた。この発言は、ウクライナのロシアに対する立ち位置を明確に示している。

公式データによると、2014年1─9月のウクライナの輸出にロシアが占める割合は19%で、輸入に占める割合は25%に達した。ウクライナの通貨フリブナは2014年、対米ドルで約50%値下がりした。

ロシア経済はほぼ6年ぶり安値をつけた原油価格などによって悪化している。周辺国がこの影響を免れることはほぼ不可能で、ロシアを切り離して今後を見据える国も出てくるかもしれない。

原油産出国であるアゼルバイジャンはEEU加盟への関心は示していない。同国は昨年12月、通貨マナトを支えるため約11億3000万ドル規模の為替介入を実施した。グルジアも、ロシアをめぐる状況の悪化を受け、欧米寄りの政策を強化するとしている。

EEUの新加盟国であるアルメニアでは、野党幹部Anush Sedrakyan氏は、「財政面でも政治面でも恩恵はない」と述べた。

旧ソ連構成国で最も貧しい中央アジアのキルギスは、5月にEEUに加盟する予定だが、2014年には通貨ソムが米ドルに対して19.7%下落した。

産油国カザフスタンでは、一時はルーブル急落を利用し越境してテレビや自動車を購入する市民が増えたが、現在では通貨テンゲの動きが注視されている。アナリストの多くは近いうちにテンゲが切り下げられるとみており、中銀は通貨下支えを行っている模様だ。

カザフスタン中銀で過去に総裁を務めたOraz Jandosov氏は「大きな取引相手である隣国の通貨が暴落した場合、自国の通貨を守る唯一の手段は、安全で強固な新たな『万里の長城』を築くことだ」と述べた。

ギリシア第三共和政の政治的転換点

ギリシアの総選挙は急進左派連合(Syriza)が第1党となり、第6党の独立ギリシャ人(Independent Greeks)と連立政権を担うこととなった。1974年の軍政崩壊以後、選挙管理内閣以外では常に首相を輩出してきた新民主主義党(New Democracy)と全ギリシャ社会主義運動(Pasok)の2大政党がついに政権を逐われた。

王政と軍政を廃し、1974年以来続けてきた第三共和政が政治的転換点を迎えたことは間違いない。残るは2大政党の下、作られた経済的構造の転換をどう行うかに懸かってくる。

UPDATE 1-ギリシャ急進左派連合、反緊縮の右派保守政党と連立で合意  2015年 01月 26日 22:03 JST ロイター

[アテネ 26日 ロイター] - ギリシャ総選挙で第1党に躍進した反緊縮派の急進左派連合(SYRIZA)は、同じく反緊縮を掲げる右派の保守政党「独立ギリシャ人」と連立を組むことで合意した。

急進左派連合は議会の定数300のうち149議席を獲得、単独過半数には2議席足りなかった。独立ギリシャ人党は13議席を獲得した。

急進左派のチプラス党首との会談後、独立ギリシャ人のカメノス党首は、「この瞬間からこの国に政府が誕生した。独立ギリシャ人はチプラス首相を信任する。基本合意に達した」と述べた。

左派と右派の連立は異例で、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)による財政緊縮策を条件とした金融支援策への反対の下で結束した格好となった。

ただ、両党は不法移民などの多くの社会問題で主張が異なっており、連立政権内で緊張が高まる可能性もある。

一方、ギリシャ国債を保有する債権者らはチプラス氏が要求している債務減免を拒否する立場を示しており、ギリシャに緊縮策を堅持するよう求めている。連立政権はこういった債権者らに対して強硬姿勢をとる可能性がある。

チプラス氏は新政権樹立に向けたパプリアス大統領の指示を受けるために26日1330GMT(日本時間午後10時30分)に大統領と会談し、その後、1400GMTに首相に就任するとみられる。内閣は27日に発表される見通し。

チプラス党首は宣誓就任後、中道左派の新党ポタミや共産党の党首とも協議し、次期政権への支持を要請する意向だ。


2015年1月のギリシアの総選挙結果
(定数300、過半数151)
急進左派連合(Syriza) 149
→極左・反グローバリズム:2004年結党
新民主主義党(New Democracy) 76
→中道右派・保守主義:1974年結党
黄金の夜明け(Golden Dawn)  17
→極右・国家主義:1993年結党
ポタミ(The River) 17
→中道・社会民主主義:2014年結党
共産党(KKE) 15
→左翼・共産主義:1918年結党
独立ギリシャ人(Independent Greeks) 13
→右派・ポピュリズム:2012年結党
全ギリシャ社会主義運動(Pasok) 13
→中道左派・社会民主主義:1974年結党

2012年6月のギリシアの総選挙結果
(定数300、過半数151)
新民主主義党(New Democracy) 129
→中道右派・保守主義:1974年結党
急進左派連合(Syriza) 71
→極左・反グローバリズム:2004年結党
全ギリシャ社会主義運動(Pasok) 33
→中道左派・社会民主主義:1974年結党
独立ギリシャ人(Independent Greeks) 20
→右派・ポピュリズム:2012年結党
共産党(KKE) 12
→左翼・共産主義:1918年結党
黄金の夜明け(Golden Dawn)  18
→極右・国家主義:1993年結党
民主左派(Democratic Left) 17
→左派・汎欧州主義:2010年結党

2012年5月のギリシアの総選挙結果
(定数300、過半数151)
新民主主義党(New Democracy) 108
→中道右派・保守主義:1974年結党
急進左派連合(Syriza) 52
→極左・反グローバリズム:2004年結党
全ギリシャ社会主義運動(Pasok) 41
→中道左派・社会民主主義:1974年結党
独立ギリシャ人(Independent Greeks) 33
→右派・ポピュリズム:2012年結党
共産党(KKE) 26
→左翼・共産主義:1918年結党
黄金の夜明け(Golden Dawn)  21
→極右・国家主義:1993年結党
民主左派(Democratic Left) 19
→左派・汎欧州主義:2010年結党

ルック・イーストからアクト・イーストへ

インドは、外交政策を静的な“ルック・イースト”から動的な“アクト・イースト”へと転換したと、下記のロイター電は伝える。

特に、スリランカへ対する態度が決定的に変化したのは、人民解放軍の潜水艦が去年9月と11月と続けてコロンボに寄港したためであった。インド-スリランカ-モルディブの三カ国協定により事前照会を定めたが、それを怠ったラジャパクサ前政権にインドが見切りをつけたのが真相と云う。

日清戦争の際、(甲申政変のあとに締結された)天津条約に従った出兵に関する相互の事前照会(相互通知・行文知照)を想起した。

中国共産党と清朝廷の違いはあっても、条約文言にある機微(利害関係)を理解しようとせず、外交上の失策を繰り返しているあたり、支那らしさを感ぜずにはいられない。

コラム:中国の台頭を封じる米印「民主主義連合」 2015年 01月 26日 15:52 JST ロイター

焦点:中国けん制強めるインド、オバマ訪印で「外交転換」加速へ 2015年 01月 22日 18:50 JST ロイター

(前段省略)

ただ、インドは昨年までは、おそらくはラジャパクサ氏が中国に一段と接近することを警戒し、スリランカに対しては中立的な態度を保っていた。

それが変わったのは昨年9月、ラジャパクサ前政権がインドに事前通達せず、中国の潜水艦をコロンボに寄港させたことだ。インド側は、今年モルディブを含む3国で締結した協定に基づき、事前に知らせるべきだったとしている。

インドの上級外交官はロイターの取材に「あれが我慢の限界だった」と言明。同外交官の話では、スリランカ側から「次回はインドに通達する」との言質を引き出したが、その約束も11月に再び潜水艦が寄港したことで破られた。

複数の外交筋や政界筋によると、インドは1月8日に投開票されたスリランカ大統領選に向け、通常はまとまりのない野党勢力を結集させるべく影響力を行使したという。

<非同盟主義からの脱却>

スリランカ当局は16日、総面積約230ヘクタールに及ぶコロンボでの港湾都市開発計画に関し、中国交通建設(601800.SS: 株価, 企業情報, レポート)と交わした総額15億ドル(約1770億円)の契約を見直す方針を明らかにした。

契約で中国側は投資の見返りとして、開発地の土地を租借できることになっていたが、これは海上貨物輸送の多くがコロンボ港経由であるインドにとって大きな懸念材料だ。

スリランカ新政府による契約見直しについて、インド外交筋は「わが国の安全保障上の懸念を無視しないという明確なメッセージだ」と語っている。

モディ首相は、南アジアの他の場所でも同様の吉報を求めている。インドと中国に挟まれたネパールには、同国首相として17年ぶりに公式訪問。長く遅れていたインフラ開発の協力などで合意した。

インドはまた、バングラデシュが開発を望んでいるベンガル湾ソナディアでの80億ドルに上る深水港プロジェクトへの関与も強めている。同プロジェクトは中国港湾工程有限責任公司(CHEC)が入札で先頭に立っているが、インドのアダニ・グループも昨年10月に開発案を提出した。

(後段省略)

始まりの日英2プラス2

日英外務・防衛担当閣僚級会合(2プラス2)が初めて開催された。協議されたのは2国間訓練の拡充、サイバー対策、海賊対策、装備品の協力の推進、物品役務相互提供協定(ACSA)の早期締結など。

特に防衛装備品での協力では、化学防護服の性能評価と空対空ミサイル(AAM)の共同研究を行い、加えて哨戒機P1の輸出を念頭に現地生産や技術移転を求めるオフセット取引といった調達方法でも意見交換した。

安全保障面での協力を積み重ねて、最終的には日英安保共同宣言まで繋げてもらいたい。そうすれば英国(英連邦の五ヵ国防衛取極めと連携)~インド~豪州~日本~米国で、すべての海洋国家の同盟が再構築され、“対中封じ込め”は決定的となる。

日英、防衛装備で協力拡大 初の2プラス2 2015/1/22 0:13 日経

【日英の安全保障協力の進展】
2012年06月 防衛協力覚書締結
2013年07月 防衛装備品協力の協定締結・化学防護服の共同研究開始・情報保護協定署名
2013年10月 日英のNSC定期協議・NSC間のホットライン開設合意
2013年11月 英国海軍HMSデアリングの寄港
2014年01月 日英情報保護協定発効
2014年05月 日英首脳会談でACSA締結交渉開始
2014年07月 空対空ミサイル開発に向けた共同研究開始
2015年01月 日英2プラス2初開催

初の国産哨戒機、日本が英国に売り込み検討 2015年 01月 7日 21:19 JST ロイター

[東京 7日 ロイター] - 防衛装備品の輸出規制を緩和した日本が、初の国産哨戒機であるP1を英国に売り込もうと検討している。

政府はP1を広く世界に輸出したい意向だが、武器市場に参入したばかりの上、実戦経験のない日本の装備は認知度が低い。英国という武器先進国に採用されれば国際的な評価が高まり、その後の輸出に弾みがつくとにらんでいる。

日英の政府関係者は昨年7月、ロンドン近郊で開かれたファンボロー国際航空ショーで防衛装備の協力について協議。次期戦闘機F35用ミサイルを共同研究することで合意した。関係者によると、この場でP1の輸出も話題に上ったという。

両国は次回の実務者協議を来月にも開く予定で、P1も議題の1つになるとみられる。また、1月12、13日にロンドンの王立防衛安全保障研究所で開催される日英安全保障協力会議で、日本の政府関係者が同機をアピールする見通しだ。

<最有力はボーイングのP8>

英国では配備から40年以上たった哨戒機ニムロッドが、2011年に退役。英BAEシステムズ(BAES.L: 株価, 企業情報, レポート)が後継機を開発していたものの、計画の遅れと予算超過で2010年に中止へと追い込まれた。今年5月の英総選挙後に、後継機導入の選定が本格化する可能性がある。

しかし、最有力候補はP1ではなく、民間機B737をベースにした米ボーイング (BA.N: 株価, 企業情報, レポート)のP8とみられている。実績のある世界的なメーカーが手掛け、同盟国の米軍がすでに配備している。関係者によると、英国にとってリスクの少ない選択肢だという。

それでも日本が英国の要望に沿った機体を競争力のある価格で提案できれば、P8の対抗馬になる可能性があると、複数の関係者は話している。P1は20機まとめて購入したとして1機当たり約190億円。一方のP8は、昨年2月に米軍が1機当たり1億5000万ドルで16機を追加調達している。

また、P8はプログラムコードが厳密に管理されている一方、日本はP1の機体のみを提供し、英側が作ったシステムを搭載する共同開発も視野に入れている。英国にとっては、自由に仕様変更ができるなどのメリットがある。

「たとえ候補に上がっただけだとしても、英国が真剣に検討してくれることに意味がある」と日本の政府関係者は期待を示す。「P8と競合する機種であるということが、国際的に認知される」と同関係者は話している。

<ニュージーランドやカナダにも>

P1は川崎重工業 (7012.T: 株価, ニュース, レポート)を中心に、日本企業だけで初めて手掛けた国産哨戒機。4発のジェットエンジンを搭載する。米ロッキード・マーチン(LMT.N: 株価, 企業情報, レポート)からライセンスを取得して自衛隊向けに生産した現行のP3Cに比べ、速度と航続距離がそれぞれ1.3倍、1.2倍に向上している。

ただ、開発途中で翼や胴体に強度不足が見つかり、計画より1年遅れて2013年3月に配備が始まった。自衛隊は今後5年間で23機の調達を計画している。

日本は昨年4月に武器の禁輸政策を見直し、一定の条件を満たせば輸出や他国との共同開発を認める防衛装備移転三原則を導入した。これまでに決まった主要案件は、米国へのミサイル部品の輸出と、英国とのF35用ミサイル共同研究。政府は防衛産業の維持・育成の観点から完成品の輸出も推進したいと考えている。

「(P1は)英国以外にも、ニュージーランドやノルウェー、カナダなど広い領海を持った国々が輸出先になる可能性がある」と、日本の英国大使館で武官を務め、現在は軍事コンサルタントのサイモン・チェルトン氏は語っている。

(久保信博、ティム・ケリー 編集:田巻一彦)

縮小するロシア経済

ウクライナ東部・ドンバス2州(ドネツクとルガンスク)での紛争が続いている。ドネツクの国際空港を巡る戦闘は親露派の勝利に終わったようだが、戦闘地域自体は減っていない。

一方、経済制裁に晒されているロシアでは対外債務が減少、国有銀行3行に資本注入が行われている。

対外債務を返済すること自体は望ましいように思われるが、国有銀行はおそらく対外債務の借り換えに応じていると考えられる。借方と貸方の両方を維持することに精一杯であり、その分、新規の投融資は見込めない。悪くするとバランスシート全体が縮小しているかもしれない訳で、ロシアの経済規模そのものが縮小していくことになる。

親ロシア派に拠点空港明け渡し ウクライナ軍が撤退 2015/01/22 18:49 共同通信

2014年のロシア対外債務は約1300億ドル減少、西側制裁が影響 2015年 01月 20日 18:23 JST ロイター

[モスクワ 20日 ロイター] - ロシア中央銀行が20日発表した統計によると、2014年の対外債務は全体で約1300億ドル減少した。1月1日時点の総額は5995億ドル。

ロシアの対外債務は、ウクライナ問題をめぐる西側諸国の制裁を受けて企業が借り換えなしで債務返済を進めたことで、ここ数カ月で急速に減少している。

ただ外貨準備高も急速に縮小しており、昨年は5096億ドルから3855億ドルに減少した。

1月1日時点の企業・銀行の対外債務残高は5476億ドルで、前年の6512億ドルから減少した。

政府債務は617億ドルから415億ドルに減少。中銀債務も160億ドルから104億ドルに減少した。

政府と民間部門を合わせた債務総額は、前年は7289ドル、7月1日時点では7324億ドルだった


ロシア、主要国有銀3行に資本注入へ 原資は国債売却資金 2015年 01月 15日 02:59 JST ロイター

[モスクワ 14日 ロイター] - ロシア財務省は国有銀行のガスプロムバンク、VTB 、ロシア農業銀行(ロスセリホズバンク)に対し資本注入を実施する。モイセーエフ次官が14日、明らかにした。

注入資金には国債売却を通して得られた資金を利用。モイセーエフ次官によると、ガスプロムバンクには約700億ルーブル(10億6000万ドル)が注入される。

その他の銀行に対しては、各行の2014年の決算結果を踏まえた上で個別に対応するとしている。


ロシア、原油安踏まえ予算規定を変更する可能性=首相 2015年 01月 14日 19:45 JST ロイター

ロシア中銀、「準備基金」の外貨売却は段階的に実施=財務相 2015年 01月 14日 19:07 JST ロイター

ロシア、準備基金を一部取り崩す可能性 予算補てんで=財務相 2015年 01月 14日 18:02 JST ロイター

“平和と繁栄の回廊”の再構築をこそ

安倍首相のエジプト~ヨルダン~イスラエル~パレスチナ歴訪の目的は、大枠で“平和と繁栄の回廊”構想の実現にあると云って良い。イスラエル~ヨルダン川西岸地区~ヨルダンを繋ぐ回廊が経済的に成功すれば、イスラエル~ガザ地区~エジプトを繋ぐ回廊にも可能性が出てくる。ガザ地区を実効支配するハマスが武装闘争路線を放棄することが条件になるだろうが。

安倍首相:中東訪問の日程公表 16日から 2015年01月14日20時39分 毎日新聞

UPDATE 1-安倍首相「テロに屈しない」、イスラム国人質事件で関係閣僚会議 2015年 01月 21日 18:37 JST ロイター

イスラム原理主義過激派のISIS(イスラム国)が、日本政府に人質2人の身代金を要求した事件によって、中東歴訪の本来の目的は見えづらくなってしまった。イスラム原理主義過激派の勢力の支配領域とそのネットワークが存在する国や地域では、すべての日本人が誘拐と身代金要求の対象となり得る可能性を示したインパクトは大きい。

何より安倍首相はエジプト訪問の際のスピーチで“中庸が最善”と述べた。しかし、ISISの身代金要求と殺害予告はおよそ中庸とは程遠く、国内の左右両派の極論を引き出すこととなった。次第に喜劇的様相を呈してきたが、目的は“平和と繁栄の回廊”構想の実現にあることを忘れてはならない。

【全文】「私はこの3日間、何が起こっているのかわからず悲しく、迷っておりました」ジャーナリスト・後藤健二さんの母・石堂順子さんが会見 2015年01月23日 11:30 BLOGOS

Japanese Tweeters mock ISIL hostage video January 21, 2015 Al Jazeera

参考URL:
安倍総理大臣の中東政策スピーチ (中庸が最善:活力に満ち安定した中東へ 新たなページめくる日本とエジプト)平成27年1月18日 外務省

イスラエルとパレスチナの共存共栄に向けた日本の中長期的な取組: 「平和と繁栄の回廊」創設構想 平成18年7月 外務省

再勃発するイエメンの低強度内戦

イエメンの大統領宮殿が(シーア派の一分派である)ザイド派民兵「フーシ」によって占拠され、9項目の譲歩を勝ち取って退去した。2012年2月の争乱終結以来、最大の武力行使となる。

なお現在のアルカイダはイエメンに本拠地を移して、アラビア半島のアルカイダ(AQAP)と合流している。対抗する「フーシ」はイランに支援を受けていると思われる。スンニ派VSシーア派の対立構図がイエメンでも浮かび上がる。

サウジアラビアなどペルシャ湾に面した産油国で構成された湾岸協力会議(GCC)のイニシアチブによって、2012年2月、
イエメンにおける政治的混乱は調停合意が取り付けられた。対立勢力が均衡する配分で政府をつくり、利害関係を調整することが合意の前提であった。

しかし、ハディ大統領を選出した大統領選の際にも、南部のアデンなどでは投票ボイコットや投票所襲撃などが行われるなど、内戦をもたらした国内対立は根深く残っており、立法府や行政府など政治の表舞台だけでは解消しづらいのが現状と云える。

イエメンのシーア派民兵、占拠の大統領宮殿から退去で同意 2015年01月22日 07:30 AFP BBNEWS

【1月22日 AFP】イエメンの大統領宮殿を制圧したイスラム教シーア派(Shiite)系の民兵組織は21日、憲法草案の内容で政府側が譲歩するのと引き換えに、制圧した政府庁舎から退去することなど、9項目に及ぶ協定を結ぶことでアブドラボ・マンスール・ハディ(Abdrabuh Mansur Hadi)大統領と合意した。

 国営サバ(Saba)通信によると、シーア派の一派のザイド派(Zaidi)に属する民兵組織「フーシ(Huthis)」(別名:アンサルラ(Ansarullah))は、同組織が20日に制圧した大統領宮殿からの退去と、拘束している大統領首席補佐官の解放に同意。協定には、他の関係勢力も同意した。

 引き換えに、フーシが反対していたイエメンを6つの連邦地域に分割する憲法草案の「修正が可能」となったという。協定では「憲法草案はすべての派により合意されるべきだ」、イエメンは「国内対話の結果に従い、連邦国家となる」とされている。

(後段省略)


イエメン治安当局、南部港湾都市につながる陸・海・空路を遮断 2015年 01月 21日 19:25 JST ロイター

2012年2月27日のエントリーから再掲・抜粋するが、

イエメンの内政における大まかな利害関係は以下の通り。

一つ目には、南北の対立。
1990年に南北イエメンが合併して間もないため、1994年には内戦が起きている。油田、港湾など経済利権は、南部に集中しているものの、政治的には北部主導になっている。

二つ目には、宗派の対立。
スンニ派(55%)、シーア派(42%)となっている。

ただし宗派内にさらに宗派対立がある。これは部族対立でもある。
サレハ大統領に反対する最大勢力は、シーア派の一派・ザイド派(5代目イマームの継承問題から分派)だった。

旧北イエメン王国出身のサレハ家は、さらにその中でも少数派の宗派に属しており、ザイド派の多数派が王侯貴族を独占していたザイド・イマーム制では国政に関わる権利を持たなかったため、サレハ大統領とその一族は彼らを権力中枢から排除していた。

三つ目には、原理主義と民主主義の対立。
一定の言論の自由と女性の参政権が認められているが、若年層の失業率が高いため原理主義の勢力が強くアルカイダの拠点が存在する。

租税と教育で格差是正を図る

オバマ大統領は年初の一般教書演説において、所得と資産の格差是正を図る措置として、富裕層への増税策とコミュニティカレッジの無償化を打ち出した。『21世紀の資本』で話題となっているトマ・ピケティ教授の主張する解決策に沿っている点で注目に値する。

しかし、立法府(上下両院)と行政府(ホワイトハウス)の党派対立を考えると、これらのリベラル的な施策の多くは、妥協案としても実施されないのではないか。オバマ大統領の議会工作に対する能力を考えると、彼の任期中ではなく、次期大統領の力量に期待されるところが大きくなりそうだ。

2014年の中間選挙では、リバタリアンと茶会党などの勢力が忌避され始めたことから、次期大統領選は共和党・民主党ともに妥協をなしうる穏健派の勢力が伸長する機会となりうる。

貧困層はゲットーに取り残され、中間層が相対的に没落していき、富裕層が“市の独立”によって税による所得再分配を拒否し、階層ごとに分裂した状態に陥りつつある合衆国。

格差によって国内が分裂した状況を戦争や革命なしに是正するには、短期的には租税制度、中長期的には教育制度それぞれの改革を以ってするしかない。次期大統領選で何らかの社会的妥協が成立しないと、合衆国の政治的混乱が深まるだろう。

つまり、本来は制度の変更によって是正可能な社会的な格差を、まったく動かしがたい歴史的所産として受け入れることで、社会を固定化しまいかねない。

リバタリアンと茶会党の後退が起きても、ヒスパニック系移民の多くがカソリックから福音派への改宗や棄教による無宗教化を選ぶ限りは合衆国のダイナミズムは失われないと信じるが、過度にヒスパニック化が進展すると、カリブ・中南米のポプリスモ的な政治へと陥るかもしれない。

UPDATE 4-米大統領が一般教書演説、富裕層増税打ち出す 中間層支援を重視 2015年 01月 21日 13:43 JST ロイター

<目玉は富裕層増税>

今回の一般教書演説の目玉は、中間層支援策とセットになった富裕層増税だ。中間層を対象にした税控除拡大や、コミュニティー大学での2年間の無料受講などの財源を確保するため、大統領は富裕層に対して向こう10年間、総額にして3200億ドル規模の増税を打ち出した。

大統領は現行税制について「優遇する必要のない富裕層を利する内容で、優遇する必要のある中間層にはプラスにならない」と批判した。

富裕層増税は、次期大統領選をにらむ民主党議員は概ね支持しているが、共和党は反発。実現する見通しは、ほとんどないと言えそうだ。

共和党のジョニ・アーンスト上院議員(アイオワ州選出)は「(税制の)抜け穴をふさいで、税率の引き下げや雇用創出を目指すべきだ。政府の支出を増やすために使うべきではない」との姿勢を示している。


米大統領が一般教書演説、中間層支援重視で富裕層増税打ち出す 2015年 01月 21日 13:07 JST ロイター

情報BOX:米一般教書演説、中間層支援を強調 2015年 01月 21日 13:38 JST ロイター

<税制改革>

中間層支援のために富裕層への増税を呼びかけ。キャピタルゲイン税率を23.8%から28%へ引き上げ、富裕層が相続財産に関し「公正なシェア」を支払うよう税の抜け穴を封じる。

その他中間層支援策:

・子供を抱える世帯について、税額控除の金額を最大3000ドルと、現在の3倍に。

・4歳児に質の高い就学前教育を提供する連邦・州パートナーシップを創設。たばこ増税による財源を充てる。

・共働きの中間層世帯向け減税。

<コミュニティカレッジ>

2年間の無償教育に向け600億ドル規模のプログラムを推進。


オバマ増税案、与野党間の税制めぐる長年の論争を再燃か 2015 年 1 月 20 日 09:35 JST WSJ日本版

(一部抜粋)
大統領は12年に再選を果たした後に富裕層世帯への大幅な増税に成功しているが、大統領側近によると、個人についても企業についても評判の悪い米国の税制を包括的に改革することについて共和党議員らと共通の土壌を見いだすことを望んでいるという。

しかし、そもそも期待薄ではあったが、共和党の当初の反応は共通の土壌ができる展望は暗いことを示唆している。

実のところ、オバマ大統領の改革案は、従来の一部の民主党議員案から比べると増税額が少ない。この議員案では税制の抜本改革と引き換えに増税を嫌う共和党を1兆ドルの増税に合意させることを狙っていたのに対し、大統領案は10年間で約3200億ドルの増税にとどまっている。

共和党は、今回の提案のうち、特に投資増税の部分を嫌っている。投資の足を引っ張ることにより経済成長を阻害し、それが最終的に労働者の賃金にも悪影響を及ぼすと考えているからだ。

大統領案は結局、所得向上のために税法をどう使うかという従来から決着のついていない論争を再燃させるものだ。民主党は最近、中間層に税制上の優遇を与えるために富裕層に新規の大幅な税を課すとの主張を強めている。

一方、共和党は依然、全世帯に対する減税が経済成長のための最善の方策との主張を維持している。民主党の主張は投資と雇用を阻害するとの考えだ。

分断線上の戦いが続くナイジェリア

欧州ではムスクとシナゴーグが焼き討ちされる一方、ムスリム圏ではキリスト教会が焼き討ちされる。ニジェールは8割がムスリムであり、独立以降は民政と軍政を繰り返し、2012年に勃発したマリ北部紛争に参戦している。

各国で仏風刺紙への抗議続く、チェチェン集会に80万人 2015年01月19日 21:35 AFP BBNEWS

(前段省略)

西アフリカのニジェールでは16日に第2の都市ザンデール(Zinder)のデモで5人が死亡、45人が負傷したのに続き、17日に首都ニアメー(Niamey)で行われたデモが暴徒化し5人が死亡、128人負傷した。政府は17日にデモを禁止したが、警察によるとニアメーでは週末だけで、45か所のキリスト教の教会が放火された。またキリスト教系の学校や児童養護施設なども放火された。(c)AFP


ニジェールと同じ語源を持つナイジェリアは北部にムスリム、南部にキリスト教及び土着信仰と分かれている。

アフリカ大陸での摩擦と紛争の多くは、マグレブ(アラブ系・ムスリム)とサブサハラ(ブラックアフリカ・キリスト教及び土着信仰)の分断線上で起きている。この例に洩れずナイジェリアもまた、国内に分断を抱えている訳だ。

この南北分裂を背景に、イスラム原理主義過激派のボコ・ハラムがテロを繰り返している。果ては『無敵超人ザンボット3』(1977年~1978年)張りの人間爆弾が登場してきた。

産油国の一角でもあるナイジェリアは2月に大統領選を迎える。

ナイジェリア独立後の慣例として北部と南部で交互に大統領を選出してきたが今回は慣例を破り、南部出身のジョナサン大統領(国民民主党、PDP)が再選を目指す。

ジョナサン大統領は、北部出身のヤラドゥア前大統領の下で副大統領を務め、在任中に急逝した前大統領の跡を受けて、大統領代行を経て2011年選挙に勝利して正式に就任した。

こうした経緯から北部出身の与党議員が離脱して、元最高軍事評議会議長のブハリ氏(全進歩会議、APC)を対抗馬として担ぎ出している。

しかし、ボコ・ハラムのテロとエボラ出血熱の内憂に加え、原油安の外患が襲っている。特に原油安によって利権再分配が出来なくなっており、さらなる南北分裂の激化を招くだろう。

少女使い人間爆弾・町焼き打ち…ボコ・ハラムのテロ激化 2015年1月12日23時08分 朝日新聞

ボコ・ハラム、町を焼き100人超殺害か ナイジェリア 2015年1月9日19時02分 朝日新聞

ボコ・ハラムが軍事基地制圧か ナイジェリア北東部 2015年1月5日11時45分 朝日新聞

ナイジェリアで男子40人誘拐 ボコ・ハラムの犯行か 2015年1月4日18時43分 朝日新聞

現職と元軍政トップ一騎打ち=原油安や過激派、課題山積-2月ナイジェリア大統領選 2014/12/31-14:56 時事ドットコム

 【ロンドン時事】アフリカ最大の経済規模と産油量を誇るナイジェリアで来年2月14日、大統領選が行われる。再選を目指す与党・国民民主党(PDP)のジョナサン大統領に、最大野党・全進歩会議(APC)候補のブハリ元最高軍事評議会議長が挑む一騎打ちだが、原油価格下落が経済を揺るがす一方、イスラム過激派「ボコ・ハラム」が北東部を拠点にテロを繰り返すなど課題が山積。接戦も予想されている。

 PDPは1999年の民政移管後、一貫して政権を維持している。安定的な経済政策運営も奏功し、ナイジェリアは高成長を謳歌(おうか)。国内総生産(GDP)規模で南アフリカを抜き、アフリカ最大にのし上がった。

 もっとも、ナイジェリアは国家歳入の約75%を石油に依存しており、折からの原油安に緊縮財政を迫られている。近年の成長は個人消費主導とはいえ、楽観を許さない。2008年の金融危機直後の原油急落は、ナイジェリアで不良債権急増による銀行危機を招いた。市場の警戒は強い。

 一方、ボコ・ハラムが14年4月、女子生徒200人以上を拉致し、指導者アブバカル・シェカウ容疑者が「奴隷にする」と言い放ったことで、世界に衝撃を与えた事件はなお未解決。その後もボコ・ハラムは北部や首都アブジャでテロを繰り返し、政権の無力さを際立たせている。

 ナイジェリアの経済成長はキリスト教圏である南部中心で、イスラム圏の北部は取り残され気味だ。ボコ・ハラムの脅威はほぼ北部に限定されており、治安悪化による経済活動停滞から「南北格差がさらに拡大する」(パリ第8大学のドモンクロ教授)との懸念もある。

欧州全域に拡がる非対称戦

止めどない不法移民の流入を防ぐために移民の出先を豊かにして、予め社会の不安要因を取り除く意味合いで考えれば、支那本土への投融資は充分、所期の目的を果たした。

インバウンドの観光客として富を吸い上げる方が、欧州の政策と比べれば大いにマシといえるし、彼らにモノとサービスの豊かさを実感させることは、中国共産党に対する国内消費重視・社会保障充実への転換圧力にもなるだろう。

しかるにシリアの富裕層が難民化するに至っては、欧州の失敗を強く意識する。

不法移民、前年比2倍超=密航業者が暗躍-EU 2015/01/14-14:32 時事ドットコム

大型化した密航船は大晦日も元旦もEUを目指す 2015.01.14(水)JBPRESS

ペンが与えるかすり傷は、銃が与えるかすり傷より深い 2015年1月15日(木) 日経ビジネス

分断国家で疎外感=イスラム移民、融合進まず-ベルギー 2015/01/19-18:47 時事ドットコム

【ブリュッセル時事】ベルギーで大規模テロ計画が摘発された事件は、過激組織「イスラム国」などに参加し中東から帰国する欧州出身者によるテロの脅威にさらされている状況を浮き彫りにした。背景として、言語圏で分断された同国でイスラム系移民の融合政策が思うように進まず、移民が行政への不満と疎外感を強めていた現状が指摘されている。

 ベルギーの人口は約1100万人と東京都よりも少ないが、シリアに渡った市民の数は400人に上ると推定されている。人口当たりでは欧州でも最も多い国の一つだ。南北でオランダ語圏とフランス語圏に分かれており、オランダ語圏では分離独立を主張する動きが強まりつつある。民族主義的な主張の矛先がイスラム移民に向かい、「移民は市民生活の脅威」と公言する政治勢力もある。


時事電が伝えるところは理想に傾き過ぎだろう。そもそもムスリム移民は職を求めたのであって、同化を求めたのではない。欧州社会はムスリムの同化を求めず、多文化主義による隔離を選んだ。

北欧諸国に典型的に見られたリベラルな政策は押し並べて、ムスリム移民の疎外感と社会的孤立を深め、そして貧困層への固定化を促進した。

結果、移民の二世・三世は貧困の不満解消や自己充足感を得たり、社会的認知を受けるため、ジハーディストとしてテロに参加していく契機となった。

ベルギー警察が過激派掃討作戦で2人射殺、「大規模テロ」計画か 2015年 01月 16日 08:04 JST ロイター

警察施設標的、大規模テロ「数時間から数日内」に迫っていた 一味はシリア帰りの戦闘員 2015.1.16 11:47 産経ニュース

Terror Suspects Planned To Kill Police In Street Friday, 16th January 2015 07:46 LBC

ベルギーではユダヤ人学校が閉鎖、北部の都市Verviersnでテロ直前に容疑者二人を突き止め、射殺。

ドイツではベルギーのテロ未遂事件の後で、イスラム原理主義過激派11人が逮捕された。さらに250人の警官を動員して、5人のトルコ系容疑者を逮捕。

フランスではユダヤ系スーパー事件に関連してISIS(イスラム国)参画していると思われる10人を逮捕、さらにパリ北駅で爆発物の疑いから駅を一時閉鎖。

と、フランス・ベネルクス三国とドイツでイスラム国過激派の摘発が相次いでいる。

労働組合に入らない自由を巡る党派対立

米国は2014年の中間選挙の結果、上下両院は野党の共和党が多数を占めるところとなり、共和党主導の法案が可決されても、意見の異なる大統領は拒否権を行使して成立せず、再可決に必要な3分の2の議席は与野党いずれも持っていないので、あらゆる政治が党派対立で行き詰まる可能性が出てきた。

同様の選挙結果を受けて、ねじれに陥った州議会と州知事の間でも、こうした党派対立による政治の行き詰まりが出てきそうだ。

オバマ大統領の産業政策はリショアリング(国内への製造業回帰)とオバマケアとで両輪となるはずだったが、リショアリングの実態は州ごとの誘致合戦によって、労組なし、社会保障なし、法人税なしが進み、厚みのある中間層育成が期待できない状況ができつつある。これは我が国の製造業回帰を含めて、“国土強靭化”と“地方創生”にも影響を与える、と思われる。

米国で「労組に入らない権利」に勢い、共和党の選挙勝利で 2015 年 1 月 16 日 18:33 JST WSJ日本版

米国政治の行き詰まりは「労働権法」という法律にまず、現れてきている。

労働組合に入るか入らないかは労働者の自由意志によるべきだ、という集会・結社の自由の趣旨を突き進めた「労働権法」は、組合に加入しない及び組合費を払わないことを認める州法で、全米の約半分の州で制定されている。21世紀に入って「労働権法」を成立させた州はオクラホマ州(2001年)、ミシガン州とインディアナ州(2012年)だったが、これが拡大する可能性が出てきた。

一律強制加入のユニオン・ショップ制では、肥大化した労組のカネ(利権)を巡って、左翼・リベラルの政治運動家の浸透を受けやすく、労組専従職員が果ては極左化することが、我が国ではままある。すると本来の労働者の権利擁護ではなく、関連性の薄いイデオロギー闘争に組織の人員が駆り出されるデメリットがあった。特に自治労系に問題が多く、国鉄のJRへの分割民営化、社会保険庁の日本年金機構への改組はこうしたデメリットを解消する目的も兼ねていた。

とは云え、一般的に考えれば、労働権法は、賃金低下と福利厚生の悪化をもたらし、組合員の減少による労働者の政治力の低下をもたらす。

米国では州議会を共和党が握ったメーン州、ニューメキシコ州及びミズーリ州で「労働権法」制定の動きが出ている。ミズーリ州では州議会が共和党、州知事が民主党というねじれの中で法案を巡る対立が激化しそうだ。党派対立が労働者の権利擁護そっちのけになる点では、左右の政治的スタンス関係なく労働者の悲劇といえるだろう。

参考URL:
Division of labor:分断される労働者(WSJよりグラフ)

不動産バブル、延命と解体のフェーズ

中国の不動産ディベロッパー大手、佳兆業集団のデフォルト危機を受けて、ほかの企業のロールオーバー(借り換え)が困難になっている。

2015年度中にドル、円、ユーロなどの外貨建てと人民元建て(点心債)併せて約39億ドルの債券が満期を迎えるにも関わらず、不動産市況の低迷傾向は変わらない。借り換えに必要な7%程度の利回りを保証できないためだ。

8%成長を政治的に約束していた“保八”も統計データも、中国共産党の一声で変更できても、それを前提で進んでいた社会全体は簡単に軌道修正できるものではない。

今後、オフショア市場での調達が難しいとなると、比較的易しい影の銀行(シャドーバンキング)での調達を図るほかない。

かつて、我が国のバブル崩壊の過程で、麻布建物、秀和、イ・アイ・イ・インターナショナル、地産、カブトデコムといった不動産ディベロッパーがノンバンクの住専各社や融資競争に遅れた長銀、日債銀、拓銀を巻き込みながら、延命を続けていった状況に似てきた。

最終的に、国内外のファンドにキャッシュフローを生み出せる優良不動産を売却しながら、こうした不動産ディベロッパーは解体されていく。現在の支那本土の不動産バブルは、延命と解体のフェーズの中間地点にある、と思われる。

中国12月新規融資は予想大幅に下回る、「影の銀行」再び活発化 2015年 01月 15日 16:21 JST ロイター

中国・佳兆業のデフォルト危機、点心債の借り換えに支障も 2015年 01月 15日 16:17 JST ロイター

やっぱりやっているのか・・・中国・国家統計局「数字の偽造は統計分野における最大の腐敗、断固として処罰」 2015-01-08 21:01 サーチナ

中国不動産の佳兆業集団、融資返済できず さらなるデフォルトも 2015年 01月 2日 14:55 JST ロイター

燃料電池車は間に合ったか

米国が先行・主導しているシェールガスとシェールオイル、オイルサンドの掘削・生産技術が確立した背景には、原油価格の高止まりがあった。我が国で先行・主導している燃料電池車(FCV)の開発も同様の背景がある。

原油価格のトレンドが反転した2014年のうちに「トヨタ・MIRAI」が販売開始できた。タイミングとしてはギリギリ間に合った感がする。1バレル100ドルのレンジの間に、シェールガスの採掘が立ち上がり、燃料電池車の生産が立ち上がり、日米ともに産油国に対するカウンターやブラフを持てるようになった。

そして、政府の税制優遇、財政援助、インフラ整備がこれらのイノベーションを助けるのに大きな部分を占めている。特にEVベンチャー、テスラ・モーターズの収益源は他の自動車メーカーに販売する「ZEV排出枠(クレジット)」に頼っている。カリフォルニア州政府の定める制度がこのメーカーの死命を握っている点は憶えておきたい。

トヨタの燃料電池車1カ月で受注約1500台、納車は2年以上先 2015年 01月 15日 18:21 JST ロイター

「ものすごい英断」と驚きの声、トヨタ燃料電池車の特許無償開放 2015年 01月 7日 00:34 JST ロイター

トヨタが燃料電池車関連の全特許を無償開放、普及狙い異例の対応 2015年 01月 6日 13:25 JST ロイター

「ミライ」に賭けたトヨタ社長、半世紀先へ創業祖父の魂胸に 2014/12/18 10:02 JST ブルームバーグ

トヨタ、「ミライ」に透ける焦り 米国規制で揺らぐ立場 2014/11/21 7:00 日経

(前段省略)

■エコカーの先行指標で苦境に

 ひっそりと公表されたデータに重要な意味が込められていた。2014年10月17日、米カリフォルニア州大気資源委員会は、2014年9月末までの1年間の自動車各社による「ZEV規制」対応の状況を公表した。

 カリフォルニア州は、自動車メーカーに対して販売台数の一定割合を電気自動車(EV)など排ガスゼロの車(ZEV :Zero Emission Vehicle)とするよう義務付けるZEV規制を導入している。基準未達のメーカーは罰金を払うか、超過達成するメーカーから「ZEV排出枠(クレジット)」を購入しなければならない。

 トヨタはプリウスの販売効果で、これまでクレジットを売り続けてきた。2013年9月末までの1年間のデータでは、トヨタは507クレジットを販売し、EV専業の米テスラ・モーターズに次いで全体の2位だった。しかし、直近1年で販売上位からトヨタの名前が消えた。

 2017年から規制が強化され、エンジンと併用するハイブリッド車がZEVの対象車種から外される。同州で販売台数の多いトヨタはZEV規制の要求達成が難しくなるため、今からZEVクレジットを蓄えているようだ。

■テスラからのクレジット購入を検討

 ZEVのクレジット売買はエコカー市場の先行指標とも言える。ZEV車は渋滞を避けるために同州の高速道路に設けられた「カープールレーン」を優先して走れるため、ユーザーの関心も高い。プリウスの快走はカリフォルニア州から始まり、トヨタのエコカー戦略の基盤となった。その地で基盤が崩れる足音が聞こえ始めたのだ。

 苦境に立たされたトヨタは様々な手を講じていく。ZEV規制の未達で罰金を払うのは、長年培ってきた環境ブランドを損なうため何としても避けたい。そのため、大量のクレジットを抱えるテスラからZEVクレジットを購入する検討に入った。

 ちなみに、そのテスラはZEVを収益源としている。同社は2013年1~3月期に約6800万ドル(約80億円)のZEV排出枠を販売した。固定費がほとんどかからず大半が利益になり、テスラの四半期としての初の黒字化に寄与した。ZEV規制はニューヨークやメリーランドなど全米各州でも導入の動きがある。

(後段省略)


コラム:原油相場の「遠い底値」 2015年 01月 14日 16:06 JST ロイター

原油安の主な理由としては、相対的に高コストな産油国が全力操業する一方、低コスト産油国であるサウジアラビアが減産を嫌ったことが挙げられる。サウジは昨年6月、原油価格を下支えようとするのを止めた。産油国カルテルに亀裂が生じて以降、北海ブレント先物は1バレル115ドルから一気に同46ドルまで急落した。

カルテル崩壊後の原油相場は、ある水準で需給の均衡ポイントを見つけるだろう。ここに2つ目の教訓がある。つまり、総費用と限界費用の違いだ。少量生産は、原油価格が1バレル30ドルを下回るまでは非経済的となる。

油田掘削にどれほど費用がかかっても、油田所有者は閉鎖コストが操業コストを下回るまで産出を続けるだろう。原油ビジネスでは、費用の多くは探査や掘削、パイプライン敷設など、操業開始前に発生する。操業自体の採算価格は通常は極めて低く、必死のコスト削減でそれはさらに低くなる。

需要についてはどうだろうか。価格の下落が消費拡大を促すなら、原油価格はより高い水準で安定するのかもしれない。

しかし、3つ目の教訓である価格の非弾力性は、そうはならないことを示している。たとえ政府が安価になった石油に対する税率を引き上げないとしても(中国政府は引き上げたが)、原油の井戸元価格は、石油などの消費量にほとんど影響を及ぼさない。


イラン大統領、原油安でサウジ・クウェートを批判 2015年 01月 13日 18:13 JST ロイター

OPECは原油生産の戦略変更しない=UAEエネルギー相 2015年 01月 13日 16:30 JST ロイター

原油先物がアジア取引で一段安、中国輸入拡大は支援材料にならず 2015年 01月 13日 15:11 JST ロイター

1バレル=30ドル台後半も、ゴールドマンが価格見通し引き下げ 2015年 01月 12日 23:09 JST ロイター

米シェール開発会社が経営破綻=原油安で資金繰り悪化 2015/01/08-15:33 時事ドットコム

原油価格はもう上がらない、20ドル台まで下落も=中原元日銀委員 2015年 01月 6日 19:03 JST ロイター

コラム:原油が20ドルまで下がり得る理由=カレツキー氏 2014年 12月 22日 16:41 JST ロイター

我が真珠に価値あり、と両天秤にかけるスリランカ

スリランカの大統領選は野党連合の新民主戦線(NDF)のシリセナ氏が51.28%の最終得票率で当選、3期目を目指していた与党のスリランカ自由党(SLFP)のラジャパクサ大統領は47.58%で敗れた。

新大統領となるシリセナ氏は、ラジャパクサ政権の保健相を務めていたが、2010年9月に3選禁止条項を削除させたラジャパクサ大統領の多選による権限集中とネポティズムの横行、中国共産党の“真珠の首飾り”戦略に追随・傾斜する外交を批判、改革を主張して立候補した。

同調して離党した議員を含め野党の支援を受け、都市部インテリやタミル人など利権再分配に預かれなかった層の支持を受けた。

もともとラジャパクサ政権は、内戦におけるタミル人虐殺の嫌疑がかかり、欧米諸国との関係悪化の隙を突く形で、中共が関係を深め、2009年にスリランカへの最大支援国の座を我が国から奪った。

ラジャパクサ大統領の地元でもある南部のハンバントタ港は、“真珠の首飾り”戦略に組み込まれ、昨年9月と11月にはコロンボ港に人民解放軍の潜水艦が相次いで寄港しており、インドの反発を招いた。シリセナ氏は親中路線を見直し、日中印との等距離外交で各国の援助合戦で国益を追求しようと目論む。

スリランカ大統領にシリセナ氏 日・インドと関係強化へ 2015/1/9 22:40 日経

スリランカ大統領選投開票 現職と元側近が大接戦 2015/1/8 22:56 日経

スリランカ大統領選1月8日実施 現職の閣僚離反し出馬表明 ラジャパクサ大統領を「独裁」と批判 2014.11.22 20:17 産経ニュース

来年1月にスリランカ大統領選 地元ニュースサイトが報道 2014.10.20 22:57 産経ニュース

インドにとって日米英など海洋国の安全保障協力がないと、インド洋では、西にパキスタン(グワダル港)、南にスリランカ(ハンバントタ港)、東にバングラデシュ(チッタゴン港)とミャンマー(チャウピュー港もしくはダウェイ港及びココ諸島の電波傍受施設)と、“真珠の首飾り戦略”で包囲されたままになる。

我が国の外交攻勢は、これらの国々を中共から切り崩し、インドの側面援助になっていることがよく分かる。

焦点:中国の潜水艦に苛立つインド、海面下で進むアジアの軍拡競争 2014年 12月 3日 16:29 JST ロイター

中国潜水艦など2隻、スリランカに再寄港 インドは軍事的台頭を警戒 2014.11.3 16:53 産経ニュース

インド刺激する中国潜水艦 スリランカに寄港 「真珠の首飾り」戦略で南アジアに影響力 2014.11.2 20:39 産経ニュース

中国国家主席、スリランカなど訪問「海上シルクロード」構築 印など警戒「真珠の首飾り戦略」 2014.9.17 08:51 産経ニュース

李嘉誠の足抜け、準備完了

香港有数の富豪である李嘉誠氏は、傘下企業の長江実業とハチソン・ワンポア(和記黄埔)を合併ののち再編して、不動産部門(長江実業地産)と、港湾事業・携帯電話事業・エネルギー事業のコングロマリット(長江和記録実業)に分割・上場させる計画を発表した。

すでに設立済みの新会社の登記はケイマン諸島に移された。

李嘉誠氏の動向を振り返ると、2012年には北京の王府井の商業用不動産を売却。2013年9月には支那本土にも展開するスーパー「百佳超市」の売却案が出ていた。

支那本土から足抜けの機会を伺い、香港には地盤を残したいとの思惑は持っていたようだが、オキュパイセントラル~雨傘革命が去年末に当局に鎮圧されたのを受けての今回、参加企業の再編劇とケイマン諸島への登記移転を見ると、彼の足抜け完了は準備万端整った、と云える。

【中国の視点】香港富豪の李嘉誠氏が中国を見切りか、本社をケイマンに 2015年 01月 14日 08:49 JST ロイター

長江と和記黄埔、再編計画受け上昇―李嘉誠氏ら持ち分25億ドル増 2015 年 1 月 13 日 09:23 JST WSJ日本版

長江実業と和記黄埔を再編して上場へ 2015 年 1 月 10 日 10:44 JST WSJ日本版

我に神を冒涜する権利あり

下記、NHKの記事によれば、テロを受けた「シャルリエブド」の弁護士は、取材に対して「我々は、冒涜する権利も含めて一歩も譲歩しない。そうでなければ多くの犠牲を払った事件の意味が失われる」と、述べた。

信教の自由は“聖書を逆さまに読む自由”=“悪魔を信仰する自由”に行き着く。ここから敷衍すれば、言論の自由は“神を冒涜する権利”を有すると解される訳だ。

フランス第五共和政の憲法の第1条は「フランスとは、不可分にして、非宗教的、民主的かつ社会的な共和国である」と謳っている。憲法に謳われた国家の非宗教性(ライシテ)を否定すると、共和国そのもの(現在の第五共和政)が否定されてしまう構造になっている。

ライシテについては2012年8月12日のエントリーも参照されたし。

つまりは、フランスとは政教分離を完遂せんとするライシテを原理主義とした国家であって、他の宗教はもちろんのこと、過激派を生み出すイスラム原理主義そのものを一切認めない。テロの社会的衝撃は、デモの規模に見る限り、皮肉なことにライシテの原理主義的な力を蘇らせたのだ。

彼らの戦いは、政体の存続(国体護持)を賭けた戦いであって、そうそう止めることができない、ということになる。

仏新聞社 預言者の風刺画を掲載へ 1月13日 20時27分 NHK Newsweb

武装した男らに襲撃され12人が犠牲となったフランスの新聞社「シャルリ・エブド」が、14日の最新号で、イスラム教の預言者ムハンマドを描いた風刺画を掲載することになりました。

「シャルリ・エブド」は14日に事件後初めての新聞を発行するのに先立って、その内容をメディアに公表しました。

「生存者の号」とのタイトルが付けられた最新号の表紙には、イスラム教を象徴する緑を背景に「私はシャルリ」というメッセージを持ったイスラム教の預言者ムハンマドを描いた風刺画が掲載され、「すべてが許されます」ということばが書かれています。

イスラム教では、預言者の姿を描くことは教えに反し、預言者を冒とくする行為だとされています。

最新号に掲載される風刺画について、新聞社の弁護士はフランスのラジオ局の取材に対し、「風刺画は預言者だ」としたうえで、「われわれは、冒とくする権利も含めて一歩も譲歩しない。そうでなければ多くの犠牲を払った事件の意味が失われる」と説明しました。

この新聞社では、最新号の発行部数をこれまでの6万部から300万部に増やして25か国で販売する予定ですが、今後、イスラム教徒の反発を招くことことも予想されます。

正念場迎えるフランス第五共和政

対テロ戦争の目的を「国内でのテロを防ぐために、国外にあるテロリストの策源地を叩いて、彼らのエネルギーを削ぐ」と考えたとき、米国のアフガニスタン侵攻とイラク戦争は国内のテロを最低限に抑える一定の成果を上げた。

一方、チェチェン紛争を戦ったロシアのように、テロリストの策源地が国内(チェチェン共和国はロシア連邦内)にある場合はその効果が減殺されてしまう。

2011年3月から始まったリビア内戦への軍事介入(2011年3月20日のエントリー参照)を主導したフランスでは、2012年3月にはアルジェリア系フランス人によるユダヤ人学校銃撃事件(2012年3月27日のエントリー参照)が起きている。

リビアへの軍事介入は、マリ北部(アザワド)、コンゴのルワンダ隣接地(ゴマ)と転戦し、中央アフリカまで到達しても未だ終わらない(2013年12月10日のエントリー参照)。

またISIS(イスラム国)への軍事介入のカウンターとしてテロが起き、国内各地にテロリストの策源地、もしくは潜在的なテロリストの居住地が点在すると考えれば、チェチェン紛争時のロシアよりも苦戦することは間違いない。

そして非対称戦・低強度戦争という難しい戦いを続ける中で、敗北という認識を国民が抱くならば、第四共和政を崩壊させ、第五共和政の成立を招いたアルジェリア戦争のように、現在のフランスの政治体制を根底から覆すことになりかねない。

冷徹ながらもずさんな犯行、仏紙銃撃が示す新世代テロリストの姿 2015年01月12日 16:29 AFP BBNews

パリ食品店襲撃の男、ジョギング男性銃撃にも関与か 仏検察 2015年01月12日 13:43 AFP BBNews

相次ぐ反ユダヤ主義の暴力、国外移住も視野に フランス 2015年01月12日 12:38 AFP BBNews

パナマ運河VSニカラグア運河

米国のシェールガス革命の余波でメキシコでもシェールガスとシェールオイルの開発が進み、2020年以降に我が国への輸出が始まるだろう。その場合、カリブ海~パナマ運河~太平洋のシーレーンが重要視される。

一方、中国共産党はニカラグア運河を着工、2020年を目途に開通させようとしている。キューバ、ベネズエラ、エクアドル、ボリビアなどの反米的な国家にとどまらず、中共は中南米諸国への足掛かりを作ろうと躍起になっている。

ニカラグア運河は地政学的な観点からも大きなインパクトを持ちうるが、これに対して米国の動きが見えないことが不思議でならない。サンディニスタ(FSLN)との過去のいきさつを考えると、共和党政権になった場合などに、介入の可能性を排除すべきではないだろう。

ニカラグア運河、着工 中国資本でパナマ上回る規模 2014年12月24日18時07分 朝日新聞

中国の中南米向け投資、今後10年間で2500億ドルに=習主席 2015年 01月 8日 13:46 JST ロイター

[北京 8日 ロイター] - 中国の習近平国家主席は8日、中南米地域への投資が今後10年間に2500億ドルに達し、中国と中南米との貿易額は5000億ドルに拡大するとの見通しを示した。

中南米とカリブ海の33カ国で構成するラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)の会合が9日まで2日間の予定で北京で開催され、そこでの演説で述べた。

互いに風刺画に命を賭して

風刺週刊紙「シャルリエブド」本社襲撃に始まった一連のテロは、ユダヤ系スーパー籠城で容疑者が射殺され、一応の収束を見た。最初の攻撃目標にされた「シャルリエブド」は警官、つまり政府側に守られていた。政府が言論を弾圧することが、言論の自由に対する攻撃であって、今回の始まりは、もちろん言論の自由に対する脅威ではなくて、単なるテロに過ぎない。

一見したところ、風刺画は大して面白くもなんともない。とは云え、作者たちが風刺画に命を賭したことを侮蔑する気にもならない。対して、(筆者には風刺そのものの価値が見出せない)この風刺画に命を賭すべきだけの価値を持った侮蔑がある、と受け取った者たちがいたのも事実だろう。

言論の自由と関係なく、ある国の君主なり、ある文明の宗教的権威を風刺するリスクは当然ある。当該国の政府か民間団体か否か、その辺の区別を付けずに激烈な反撃を試みる者もいるのだ。違いを解さない意味では、ロイターのコラムにある“文化戦争”なのかもしれない。互いに風刺画に命を賭しているが、その文化的背景はまったく違うからだ。

韓国の李明博前大統領が天皇陛下を侮辱したことで日本国民は静かに憤怒している。この「シャルリエブド」が2020年の東京オリンピックを揶揄して、放射能防護服を着た聖火ランナーが走る風刺画を載せていたが、我々は銃を取らなかった。一方、北朝鮮は映画「インタビュー」の劇中で金正恩(最高指導者)が殺害されたことでサイバーテロを起こした。

これらを想起し、胸にとどめ置くべきだろう。

米国務省が国民に警戒呼びかけ、武装勢力による相次ぐ攻撃受け 2015年 01月 10日 09:45 JST ロイター

仏週刊紙銃撃犯殺害、食料品店の容疑者も死亡・人質4人犠牲 2015年 01月 10日 08:13 JST ロイター

パリのユダヤ教系スーパーで武装男が複数の人質拘束 2015年 01月 9日 22:13 JST ロイター

焦点:仏銃撃事件で炎上か、イスラムめぐる欧州「文化戦争」 2015年 01月 9日 16:34 JST ロイター

[パリ 8日 ロイター] - イスラム教を繰り返し風刺していたフランスの週刊紙「シャルリエブド」の本社銃撃事件は、欧州各地で反移民の機運を一段と高め、宗教や民族的なアイデンティティーをめぐる「文化戦争」を燃え上がらせる可能性がある。

7日にパリ中心部で起きた同事件では、覆面をした複数の人物が建物に押し入り、「アラー・アクバル(神は偉大なり)」と叫びながら編集者や著名風刺画家ら12人を殺害。事件直後にはフランス国内で、社会の結束と言論の自由を訴える声が沸き上がった。

しかし、経済停滞と高い失業率に苦しむ同国では、そうした動きはあたかも「束の間の停戦」のように映る。フランスは欧州最大のイスラム人口を抱え、国家のアイデンティティーとイスラム教の役割をめぐる激しい議論の真っただ中にある。

欧州大学院の政治学者で中東問題の専門家オリビエ・ロイ氏は、今回の事件で「フランス国内でイスラム嫌悪が一段と強まるのは必至だ」と語る。

フランスの作家でジャーナリストのエリック・ゼムール氏は著書「Le suicide francais(原題)」の中で、大量のイスラム移民が同国の世俗的な価値観を破壊する一因になっていると書いたが、同著は2014年のベストセラーとなった。また、作家で詩人のミシェル・ウエルベック氏は、2022年にはイスラム教徒のフランス大統領が誕生し、宗教学校や一夫多妻制、女性の労働禁止制度を導入するという内容の小説を発表し、年明けに大きな話題を呼んだ。

シリアやイラクで一大勢力を築いた過激派組織「イスラム国」にフランスからも多くが参加していることも、社会の不安を募らせている。治安当局は、イスラム国の思想に染まった帰国者が大量殺りくを起こす可能性に警戒を強めている。

極右政党の国民戦線(FN)は、事件発生から時を移さず、過去数十年で最悪の政治的暴力行為を移民の問題と結び付け、死刑制度の復活をめぐる国民投票の実施を求めた。

一方、フランスのイスラム教指導者は、シャルリエブドの風刺に対する正しい反論の方法は、流血や憎悪を通じてではないと呼びかけた。

<追悼と報復>

世論調査で支持率を伸ばす国民戦線のマリーヌ・ルペン党首は、「イスラム原理主義」がフランスで宣戦を布告したとし、それに対する強力かつ有効な対策が求められると述べた。

ルペン党首自身は、フランス的な価値観を共有する一般的なイスラム教徒と、「イスラムの名を借りた殺人者」を注意深く区別している。ただ、同党創始者でルペン氏の父親であるジャン・マリー・ルペン氏と、同党副代表のフロリアン・フィリポ氏は、もっとあからさまだ。

フィリポ氏はRTLラジオに対し、「イスラム急進主義と移民が一切関係ないと言う人は別の惑星に住んでいる」と語った。

事件から一夜明けた8日、イスラム教指導者らはシャルリエブドの本社の外で祈りをささげ、国を挙げた服喪に参加するよう信者に呼びかけた。

一方、この日未明には事件への報復とみられる襲撃が相次ぎ、同国西部ルマンのモスク(イスラム礼拝所)で発砲があったほか、東部ビルフランシュシュルソーヌでもモスク近くの飲食店で爆発があった。

オランド大統領は先月、移民を経済および文化的な恵みとして受け入れるよう国民に呼びかけ、景気低迷のスケープゴートにしてはならないと強調した。これに対し、政界復帰を狙うサルコジ前大統領は、不法移民の取り締まり強化を求めている。

昨年フランスで実施された調査では、国民は移民が人口の31%を占めていると考えていることが分かった。これは実際の数字の約4倍となる。フランスは民族的もしくは宗教的な人口統計は取っていないが、ピュー・リサーチ・センターによる調査では、同国の人口に占めるイスラム教徒の比率は約7.5%となっている。国民との意識に差はあるが、同数字は、オランダの6.0%、ドイツの5.8%、英国の4.4%を大きく上回っている。

<問われる多文化主義>

「西洋のイスラム化に反対する愛国的欧州人(PEGIDA)」と名乗る団体は、ドイツがイスラム教徒によって侵略されていると主張し、ドレスデンで毎週、最大1万8000人が参加する反移民デモを開催している。

メルケル首相ら政界のリーダーは国民に対し、反移民デモとは距離を置くよう呼びかけ、首相はデモ主催者を「心に憎しみを宿している」と強い調子で非難している。

ドイツでのPEGIDAの台頭は、反ユーロを掲げる右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の躍進も関係している。そのPEGIDAは仏紙銃撃を、自分たちの考えを正当化する事件として飛びついた。

フェイスブック上で同団体は「イスラム教徒がフランスで示したのは、自分たちに民主主義の能力がなく、その代わりに暴力と死を解決策と考えていることだ」と主張。さらに「われわれの政治指導者たちは反対のことを信じ込ませたいようだが、ドイツでもまずこうした悲劇が起きなくてはならないのか」と書き込んだ。

昨年11月にドイツで行われた調査では、イスラム教徒ではない国民の57%が、イスラムによる脅威を感じていると答えていた。

英国では、反欧州連合(EU)を掲げる英独立党(UKIP)の党首ナイジェル・ファレージ氏が、仏紙襲撃事件は、自国の中に存在する敵勢力によって起こされたと主張。LBCラジオに対し「英国は他文化から来た人たちに自分たちの文化の中にとどまるよう奨励し、社会に完全に溶け込まないよう仕向けていた」と語った。

この発言に対しキャメロン首相は、自身も多文化主義を失敗と呼んで移民の制限を求める立場だが、今は政治ゲームとする時ではないと非難した。

社会科学者らは、フランス式の同化主義的移民政策も、米国や英国などの多文化主義的移民政策も、社会から疎外された若いイスラム過激派による暴力は抑えられなかったと指摘する。

10年前に映画監督のテオ・ファン・ゴッホ氏がイスラム教徒によって射殺された記憶が残るオランダでは、強硬な反イスラム主義者である自由党のヘルト・ウィルダース氏が、世論調査で高い支持を集めている。ウィルダース氏は仏紙銃撃事件の発生直後、オランダへのイスラム移民流入をストップさせるよう求め、「西側は戦争状態にあり、脱イスラム化すべきだ」との声明を出した。

極右の反移民政党が勢力を伸ばす北欧諸国では、イスラム教指導者らが、自分たちのコミュニティーは暴力の波にさらされていると訴えている。

スウェーデンのイスラム協会の会長オマール・ムスタファ氏によると、イスラム社会を狙った放火事件や人種差別的攻撃が相次いだのを受け、多くのモスクが夜間巡回を始めたという。同氏は「厳しい時期だ。憎しみの力や反民主主義的な力が、右派の過激主義者と宗教的な過激主義者の両方に重い課題を突き付けようとしている」とロイターの取材に語った。

(Paul Taylor記者、翻訳:宮井伸明、編集:伊藤典子)


アングル:仏紙銃撃事件の恐怖、アラブの風刺画家にも波及 2015年 01月 9日 14:53 JST ロイター

シリアのアルカイダ系組織、欧米で無差別攻撃計画=英MI5長官 2015年 01月 9日 11:31 JST ロイター

仏紙銃撃事件の容疑者、イエメンのアルカイダ系組織で戦闘訓練 2015年 01月 9日 09:40 JST ロイター

パリ銃撃事件の容疑者1人出頭、警察は残り2人を公開捜査 2015年 01月 8日 17:03 JST ロイター

パリ新聞社銃撃でフランスに衝撃、追悼集会には数万人参加 2015年 01月 8日 11:02 JST ロイター

パリ新聞社銃撃で12人死亡、警察は仏国籍3人の行方追跡 2015年 01月 8日 09:18 JST ロイター

スタンチャートの撤退と中国共産党の金融改革

香港ドルの発券銀行の一つ、スタンダード・チャータード(スタンチャート)は株式部門の閉鎖とリテールバンキング部門の縮小を発表した。

支那本土→(人民元オフショア市場のある)香港→(中国上場企業の本社の多い)ケイマン諸島→ロンドン・シティーとカネを吸い上げるはずの銀行が撤退するということは、これまでの吸い上げが終わったのか、これからの吸い上げを諦めたのか。

2013年6月に英中通貨スワップ協定締結、2014年11月に香港と上海の株式市場相互接続などと金融改革が進められる支那本土から吸い上げる仕組みが出来ていただけに、中国共産党とのビジネスそのものを止めるようにも思われるが。

UPDATE 1-英スタンチャート、株式部門閉鎖 リテールバンクで4000人削減 2015年 01月 9日 02:26 JST ロイター

[香港 8日 ロイター] - 英銀大手スタンダード・チャータード(スタンチャート) は、コストカットに伴い、株式部門を世界的に閉鎖し、リテールバンキング部門で4000人を削減すると発表した。

株式部門では、株式売買、株式調査、株式上場に関する部署を世界的に閉鎖する。エクイティ・キャピタル・マーケット業務からの全面撤退は世界の大手銀行で初めて。閉鎖に伴い200人を削減するが、ほとんどがアジア地域での削減となる。

(後段省略)


中国、金融改革を推進すべき─李首相=現地紙 2015年 01月 7日 11:40 JST ロイター

香港・上海株式市場の相互接続、11月17日開始 2014年 11月 10日 20:55 JST ロイター

香港・上海の株式相互取引、EU内の規制当局が懸念 投資に影響 2014年 11月 26日 21:46 JST ロイター

中国、金融改革の取り組み強化へ=首相 2014年 09月 26日 23:10 JST ロイター

参考URL:
中国金融改革は難航するのか 三井住友信託銀行 調査月報 2013年1月号 (PDFファイル)

中国の金融改革の進展と課題 環太平洋ビジネス情報 RIM 2014 Vol.14 No.55 (PDFファイル)

金融の正規化を進める中国金融当局 2015年1月号 NRI

本邦にリショアリング来たる

在阪の電機メーカーであるパナソニックとシャープが国内販売向けの製品について、リショアリング(製造業の国内回帰)を進めるようになった。量的緩和(QE1~QE3)によるドル安同様、質的量的緩和(QQE1~QQE2)による円安の影響が大きい。

中共からの撤退スキームとしては、現地の合弁相手や欧米のファンドに全株式・機械設備・仕入れ在庫を売却することが考えられる。

米国では各州政府ごとに、労組抜き・法人税割引・補助金付き、の製造業誘致競争を行っており、リベラル州から保守州へと雇用が移っている現状がある。すると、アベノミクスが唱える“地方創生”でも米国と同じような展開がある、と思われる。政労使協調・法人税引き下げ・地方向け補助金、がそれぞれ対応・比定される。

また、他の分野でも米国とイコールフッティングしていくならば、電気代がボトルネックになる。企業向け電気料金の値下げに対応するため、原発再稼働が喫緊の課題として迫ってくる。

前回と今回の総選挙で、リベラルと保守それぞれの支持地盤の固定化が顕著に見えてきた。浮かび上がる対立軸の構図、それ自体は、ここでも米国と比べることが出来るだろう。保守もしくはリベラルに寄り過ぎた自治体の性格によって、各企業の地方進出・撤退の是非が左右されることが今後、起きてくる訳だ。

国内製造業 脱中国で国内回帰が鮮明 TDK、中国生産の3割を国内に切り替えへ 2015.1.7 05:57 産経ニュース

(前段省略)

 TDKは、中国で25の主要生産拠点を持ち、売上高全体の4~5割程度が中国生産とみられる。このうち、スマートフォンや自動車向け電子部品の生産を順次国内生産に切り替える。

 同社によると、中国の工場での従業員の定着率が落ちているほか、人件費も高騰している。こうしたリスクを軽減するため、秋田県や山梨県にある既存工場の遊休施設を活用する方向で検討している。

 パナソニックも、中国で生産し日本で販売する家電を国内生産に順次切り替える。縦型洗濯機を静岡県袋井市の工場、電子レンジを神戸市の工場に生産移管する。すでに家庭用エアコンなどは滋賀県草津市の工場への移管を一部で始めている。

 同社は中国を含め海外で生産する家電約40機種を国内に切り替える方針だが、その背景には円安の影響がある。現在の為替相場は1ドル=120円前後の水準だが、海外で生産した製品を輸入すると採算がとれず、業績面での減益が避けられないという。

 一方、シャープの高橋興三社長も6日の記者会見で、テレビや冷蔵庫の生産の一部を栃木県矢板市や大阪府八尾市の工場に移す方向で検討を始めていることを明らかにした。高橋社長は「1ドル=120円で(国内生産に)移した方がよいものは出てくる。工程数の少ないものから移したい」と述べた。

 このほかには、ダイキン工業が家庭用エアコンの一部生産を中国から滋賀県草津市の工場への移管を完了した。ホンダも国内販売する原付きバイクの一部を熊本県大津町の工場への移管を検討中だ。

 国内生産は海外に比べ、工場の電気代がかなり高いという課題も残るが、かつて多くの製造業が海外生産に踏み切った最大の要因である過度な円高は解消された。今回の国内回帰の動きは、地方で新たな雇用を生み出す可能性がある。


シャープも国内生産回帰へ…TVなど家電の一部 2015年01月07日 07時13分 読売新聞

パナソニック、国内生産回帰…円安・人件費高で 2015年01月05日 08時50分 読売新聞

関西電、家庭向け電気料金の平均10.23%値上げを申請 2014年 12月 24日 12:45 JST ロイター

再送-〔焦点〕東電、苦心の値上げ回避 銀行団は融資継続へ抜本策求める 2014年 12月 18日 07:30 JST ロイター

東電会長が値上げ「1年間しない」と明言、コスト削減で2年連続黒字 2014年 12月 17日 20:02 JST ロイター

建て替えで将来の原発維持 経産省の「中間整理」2014/12/17 02:00 【共同通信】

 経済産業省が原子力政策の課題をまとめるため、有識者会合で検討を進めている「中間整理」の最終案の全容が16日、判明した。既存原発の敷地内で古い炉を廃炉にし、新しい炉を設置する建て替え(リプレース)を今後の課題として新たに盛り込み、将来の原発維持に向けた姿勢を打ち出した。

 衆院選の勝利で安倍政権は再稼働を急ぐ方針を示している。しかし脱原発依存を求める世論の声は強く、建て替えは老朽化などで廃炉が進んだ後も原発維持につながるため、反発を招く可能性がある。

 24日に総合資源エネルギー調査会原子力小委員会を開き、最終案を示す。


UPDATE 1-原子力規制委、高浜3・4号機は「基準に適合」の審査書案了承 2014年 12月 17日 11:19 JST ロイター

関電、電気料金の値上げに向け具体的に準備へ 2014年 12月 17日 11:26 JST ロイター

ルーブル安で移民が減るロシア

欧米からの経済制裁、原油安とルーブル安に見舞われているロシアでは、インフレと景気後退が進み、旧ソ連圏の中央アジア諸国からの外国人労働者が減少する見込みとなっている。

毎日新聞の記事によれば、ウズベキスタン、タジキスタン、キルギスなど国外からの出稼ぎが減り、北コーカサスなど国内の辺境からチェチェン人、ダゲスタン人、オセット人がモスクワなどの都市に出稼ぎに来る、という。

ドルに対して通貨安になっている限り、我が国でも外国人労働者の流入は起きない、と考えられる。その意味で、同じ人口減少社会であるロシアの動向は注目に値する。

旧ソ連諸国:ルーブル急落で移民動揺「仕送りままならぬ」  2015年01月06日 11時10分 毎日新聞

【モスクワ真野森作】原油安や欧米の経済制裁によるロシアの通貨ルーブルの下落と景気悪化が、旧ソ連諸国からの出稼ぎ移民に動揺を与えている。ドル換算後の仕送り額が大幅に目減りしたうえ、主な雇用先となる建設工事現場などが減少するとみられるためだ。1月からは改正移民法の施行で労働資格の取得も厳しくなり、追い打ちがかかる。新たな出稼ぎ先や母国で仕事を見つけるのも容易ではなく、ジレンマに陥っている。

 「ルーブル安で家族に十分仕送りできなくなったので、ロシアを離れることにした。どこか別の国で仕事を探さなければ」。サンクトペテルブルクのカフェで皿洗いと清掃を担当するウズベキスタン女性、ヌルハンさんは露有力紙「論拠と事実」にこう明かした。ロシア移民連盟のアミン会長は「年明け後、4分の1以上の人々がロシアを去ることを計画している」との見方をインタファクス通信に示した。

 ロシアでは2000年代初頭以降、経済力の弱いタジキスタン、キルギスなど旧ソ連の中央アジア諸国出身者を中心に出稼ぎ移民が急増した。現在では不法移民を含めて1000万人以上が大都市圏で単純労働を担い、故郷への送金は母国の貴重な外貨収入源となっている。ロシア側では、労働単価の安い移民は重宝されてきた。

 だが、13年秋、イスラム系移民と地元住民の摩擦を背景に、民族主義者らによる反移民暴動がモスクワ郊外で発生。規制強化を求める声が高まり、移民法が改正された。ロシア語とロシアの歴史、法律の基礎知識に関する試験に合格することが新規の労働移民に課せられる。ルーブル安、雇用減少と合わせ、トリプルパンチとなる。

 移民問題に詳しいコラムニスト、ウラジーミル・フロロフ氏は「移民法改正は民族主義的な有権者層におもねった愚かな決定だ。試験回避の賄賂が横行するだろう」と批判。移民が減少した場合は「ロシア南部・北カフカスなどからの国内移民が増える」と予測する。

 一方、ラジオ局「ビジネスFM」は「移民にとってドル換算で給料が目減りしても、母国に仕事がない以上は多くの人が残るだろう」との専門家の意見を紹介。実際、モスクワ中心部で清掃作業にあたる中央アジア出身の移民に話を聞くと「ここで働き続ける」と話す人も多かった。

そうりゅう型潜水艦の日豪共同生産

そうりゅう型潜水艦を豪州が輸入する案件は日豪共同生産の検討に入った。2014年11月30日のエントリーの続報となる。

打開策としてはまず、そうりゅう型の豪州仕様向けモデルを三菱重工業と川崎重工業が1~2隻ずつ建造、次に豪州の潜水艦建造メーカー(ASC)に資本参加して、中韓系の人材採用を注意深く排除しながら、艦の整備から技術指導を行ない、ノックダウン生産、最終的にライセンス生産に移行して、次々世代級の潜水艦についても我が国が優先交渉権を持つ。

と、筆者が予想したように、何らかの形での妥協は必要だろう。

さらにAFP電の伝える「東シナ海において紛争が発生した場合には中立を保つべき」は71%、シドニー工科大学の豪中関係研究所による世論調査というのも、背後関係があからさまに見えるだけに、なかなか微笑ましいではないか。

日豪:潜水艦を共同生産…船体、分業で 防衛省が提案 2015年01月05日 07時30分 毎日新聞

 防衛省が、新型潜水艦の導入を目指すオーストラリアに、潜水艦の船体の共同生産を提案していることが分かった。日本側は、潜水艦に使用する特殊な鋼材や音波を吸収する素材技術を両国で共同開発し、船体の主な組み上げを請け負う方式での生産体制を想定している。豪側も前向きな姿勢を示しており、合意すれば初の他国との潜水艦生産となる。2015年中にも正式に合意する可能性が高まっている。

 豪側は現有の潜水艦6隻の老朽化が進んでおり、30年ごろから新型潜水艦12隻を導入する予定で、協力する相手国を15年中に決める方針。海上自衛隊の最新鋭潜水艦「そうりゅう」型について、広範囲の哨戒が可能な航続距離▽航行の静音性−−を評価しており、協力を求めている。新潜水艦には米国の戦闘システムを搭載して運用する方針で、日米豪3カ国がアジア太平洋地域での海洋権益の拡大を進める中国に対抗する狙いもある。

 ただ、日豪の共同生産には、豪州の潜水艦を建造してきた豪国内関連企業から反発の声が上がっている。このため、日本側は船体の主なパーツの生産と組み上げを担い、豪側が一部の部品の生産に加え、最終的な建造と整備を行う方式を検討している。

(後段省略)


東シナ海問題、豪は有事の際「日本の味方せず中立を」 世論調査 2015年01月06日 17:20 AFP BB

(前段省略)

 オーストラリアは日本とともに同盟国である米国と長年、軍事同盟を結んでいるため、東シナ海において紛争が発生した場合には、ほぼ間違いなく巻き込まれる可能性がある。しかし、6日に発表された豪シドニー工科大学(University of Technology, Sydney)の豪中関係研究所(Australia-China Relations Institute)による、オーストラリア国民1000人以上を対象とした調査では、紛争が発生した場合には中立を保つことが望ましいとする回答が71%を占めた。

 また尖閣諸島をめぐり、日米中の間で武力衝突が発生した場合にオーストラリアはどうすべきかとの質問では、日米同盟を支持するとした回答はわずか15%だった。オーストラリアは「中国を支持すべき」だとした回答は4%、「分からない」が9%だった。

 さらにオーストラリアの首相に対し、米国大統領から日本を一緒に支援するよう要請された場合には、オーストラリアは中立を宣言し、軍事貢献を行うべきではないとした回答が68%だった。同じ質問で、「日米同盟に参加すべき」とした回答は14%、「分からない」が17%だった。

つぎはぎだらけのパキスタンにて

2014年12月17日のエントリーの続報。

学校を襲撃して生徒ら132人を殺害したパキスタンのタリバン運動(TTP)に対する報復として、パキスタンのシャリフ政権は約500人の死刑執行に乗り出す。

パキスタンは、もともとムスリムという共通項だけでつくられた人工国家だけに原理主義の傾向が強くなる。加えて、いとこ婚の比率がムスリム圏で最も高い。出生率低下につながる女性の教育と社会進出に対する反発は根強く、アフガニスタンやパキスタンで女子学生に対するテロが頻発する。

出生率の低下を望む前段階で過激派が横行することも一因となって、2005年に人口が1億6千万人を突破、現在の人口は約1億8800万人にまで増加、国民の約半数が貧困層となっている。そして、2050年には人口が約3億4000万人に達すると推計される。

そして、パキスタン出身・英国在住の作家モーシン・ハミドの記事を読む限り、イスラムを絶対的なものとして捉えた国民国家(ネイション)のパキスタンをつくろうした試みは、失敗しつつあるようだ。とは云え、欧州各国において個々の文化を絶対的なものとして捉えた多文化主義が破綻しているなかで、文化的多様性や許容性がもっと必要だとすれば、まったく解答が見出だせないではないか。

パキスタン、テロ事件関与の500人の死刑、数週間以内に執行 2014.12.23 21:44 産経ニュース

 パキスタンのカーン内相は23日までに、テロ事件に関連して死刑判決を言い渡された約500人の刑が数週間以内に執行される見通しだと述べた。地元メディアが伝えた。シャリフ政権は、北西部ペシャワルで起きた16日の学校襲撃事件を受け、テロ事件に関する死刑の執行を再開している。

 学校襲撃で犯行を認めた「パキスタンのタリバン運動(TTP)」などの武装勢力に強硬姿勢を示し、テロの封じ込めを図る狙いとみられる。一方、人権団体からは批判の声が上がっている。

 ただ、500人の刑が全て最終的に確定しているかどうかについては懐疑的な見方もある。政権側には武装勢力をけん制する意図もあるとみられる。

 2008年から死刑の一時停止措置が取られていたが、シャリフ政権は、事件後の19日と21日にTTPと関係が深いとされる人物を含む計6人の刑を執行した。(共同)


Discontent and Its Civilizations – Pakistan’s place in the world Sunday 4 January 2015 08.00 GMT The Guardian

Hamid insists that Pakistan is really a series of Pakistans. It’s a “patchwork of cultures, ethnicities, languages and sects. Since independence, we’ve tried to use Islam to bind us together, to undo our inherent and pervasive minority-ness.” Perhaps, he suggests, it should be seen as an ongoing experiment, “a test-bed for pluralism on a globalising planet that desperately needs more pluralism”. He writes with great passion about the country’s Ahmadi, who are deemed heretical by orthodox Muslims.

ハミド氏は、パキスタンとは実際にパキスタンなるものの連続体に拠っている、と主張する。それは「文化、民族的特質、言語と宗派のつぎはぎ・寄せ集めであり、独立以来、生来の特質と隅々に拡がっているマイノリティ性を解きほぐし、我々はイスラムを用いて、その統合を試みてきた」と。おそらく、彼の示唆するところ、こうした進行中の実験は、「グローバル化を進めることが出来ていた、多文化主義を容認する現在の条件下よりも、ほかの文化に対する共存(的姿勢)が、絶望的なまでに高く求められる」。(この姿勢に留意する意味で)彼は正統派ムスリムに異端と看做されている母国のアフマディー教団についても、情熱を込めて書いている。

円安と原油安のシンクロニシティ

下記のカレツキー氏のコラムでは、OPECが影響力を行使し始めた原油価格のトレンドを1974年~1985年(1バレル48ドル~120ドル)、1986年~2004年(1バレル21ドル~48ドル)、2005年~2014年(1バレル50ドル~120ドル)と3つに分けて、2015年以降は1バレル20ドル~50ドルのレンジに入ったのではないかと捉えている。

興味深いのは、それぞれのトレンド転換の前年に為替相場に異変が起きていることだろう。1973年の変動相場制移行、1985年のプラザ合意、2004年のテイラー・溝口介入と円キャリートレードの活発化、2014年のFRBの量的緩和終了と日銀の質的量的緩和第2弾と言った具合に。

円安と原油安のシンクロニシティは1973年以前まで遡らなければならないほどだ。

コラム:2015年は「逆プラザ」への一里塚=斉藤洋二氏 2014年 12月 30日 14:53 JST ロイター

コラム:原油が20ドルまで下がり得る理由=カレツキー氏 2014年 12月 22日 16:41 JST ロイター

(前段省略)

米国の消費者物価指数で考えた物価調整後の原油価格の過去の推移は、興味深いヒントを提供してくれている。OPECが影響力を行使し始めた1974年以降の40年間は、3つの局面に分かれる。1974─1985年は、原油価格は現在の価値でみて48─120ドルで取引され、1986─2004年のレンジは21─48ドル(1991年の湾岸戦争と98年のロシア危機は別)、05年から今年までは50─120ドル(08─09年の金融危機で短期間価格が跳ね上がったケースは別)となった。

これら3つの局面で重要なのは、過去10年間の取引レンジがOPECが支配力を最初に確立した1974─1985年と酷似しているが、1986─2004年はまったく異なる枠組みだった点だ。この差は1985年にOPECの支配力が崩れてそれから20年が独占市場から競争市場に移行したことと、2005年になって中国の需要増大を利用してOPECが価格支配力を取り戻したことで説明できる。


原油安はインフレターゲットにとっては厳しいだろうが、実質的な可処分所得が上がる意味で好ましい。それに円安は実質的に「賃金」を上昇させる。

円高では、ドルで換算される「賃金」が上がるものの輸出は不利となり、国内雇用は総じて減少する。また輸入品価格が下がるものの円で換算される「賃金」にデフレ圧力が掛かる。ドルベースでは「賃金」が上がっているため、外国での雇用もしくは外国人労働者の輸入が有利になり、円ベースの「賃金」にさらなる下落圧力が掛かる。

2005年~2014年(1バレル50ドル~120ドル)までのトレンドを支えた中共の旺盛な需要が剥落して、日米ともにリショアリング(製造業の国内回帰)が起きている現状でなら、円安は歓迎すべきだろう。

尖閣の領海を守る12隻とEEZを守る9隻

2014年8月25日のエントリーでも取り上げた領海侵犯に対応する(2015年度までに)大型巡視船12隻に次いで、平成26年度(2014年度)の補正予算にEEZでの密漁船に対応する小型巡視船3隻建造の予算が盛り込まれた。来年度以降も3隻ずつ予算が組まれ、2019年度までに小型巡視船9隻、航空機3機の運用体制が整う。

サンゴ密漁対策へ新型巡視船 3隻新造 補正に36億円計上 2014.12.29 14:12 産経ニュース

 政府は、小笠原諸島(東京都)と伊豆諸島(同)周辺での中国サンゴ密漁船の急増を受け、対策強化のため海上保安庁の巡視船3隻を新造する方針を固めた。平成26年度補正予算案に約36億円を計上する。巡視船は新型で、高速で航行する機動性に加え、接触に耐え得るよう船体の強度を高めるのが特徴。中国に近く密漁が活発化する恐れの強い尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での取り締まりに投入し、小笠原方面などに向かう密漁船についても沖縄周辺海域で早期に摘発することを想定している。

 新造するのは「規制能力強化型」と呼ばれる小型巡視船。海保は平成11年の能登半島沖の不審船事件や13年の奄美大島沖の北朝鮮工作船沈没事件を教訓に、小型巡視船については高速航行を重視し、軽量化のため船体をアルミにしていた。

 ただ、中国密漁船の船体は鋼材が多く、アルミ船体の小型巡視船が密漁船と接触した場合、巡視船の方により大きな損傷が出ることが懸念されている。このため鋼材に改良し船体を強化する。

 中国密漁船は沖縄周辺でも日本の排他的経済水域(EEZ)に頻繁に出没。25年2月から26年10月にかけ、沖縄・宮古島沖のEEZで許可を得ずに操業した疑いでサンゴ密漁船の中国人船長が逮捕される事件が相次いでいる。

 尖閣諸島周辺にもサンゴは生息しており、海保はまず宮古島と尖閣の周辺海域の密漁対策を強化する。補正予算で新造する3隻は28年秋の運用開始を目指し、拠点は宮古島か石垣島に置く見通し。同海域でサンゴ密漁対策にあたる巡視船は最終的に9隻態勢とし、31年までに整備する。

 上空からの密漁対策も強化。監視能力を高めた航空機3機を31年度までに導入し、密漁を24時間監視できるようにする。


我が国で、巡視船・巡視艇を現在建造できるのは、三菱重工業、ジャパンマリンユナイテッド(JFE、IHI及び日立造船系列、住友重機械の艦艇部門も一部合流)、三井造船、墨田川造船(横浜倉庫系列)、新潟造船(三井造船系列)、木曽造船、三保造船所、長崎造船(日本水産系列)くらいなので、船艇の大きさと外洋航行能力の有無によって、いずれかの企業から調達される。

今後は巡視船・巡視艇及び海自の艦艇の供給能力拡大のため、防衛産業向けの予算措置や各種の減税と政府系の投資ファンドの出資が必要になってくる、と考えられる。

華夷秩序をすすめる滑稽を笑う

朝日新聞同様、毎日新聞の年頭の社説も珍妙なものに成り果てている。社説子が表題に掲げる序列思考とは“華夷秩序”そのものであるからだ。はてさて遣隋使の国書以来、華夷秩序に入ることを忌避し続けたのが我が国ではなかったか。

社説:戦後70年 日本とアジア 脱・序列思考のすすめ 2015年01月01日 02時30分 毎日新聞

 内閣府が実施する世論調査では、中国、韓国に親しみを持てないと答えた日本人が昨年は過去最高を記録した。中韓の反日感情と日本の反中・嫌韓感情が衝突し、相互の不安といらだちをあおっている。

 要因はいくつかあろう。だがその根本は、中国の大国化にみられるパラダイムシフト、つまり時代の大きな枠組みと秩序の変革に日本が直面している、ということだ。

 日本は国内総生産(GDP)で中国に抜かれ、世界第2の経済大国の座を明け渡した。軍事面でも尖閣諸島で中国から圧迫され続けている。韓国も政治の民主化と経済発展、自意識の高まりなどで、臆せずに日本に向き合うようになった。

 アジアの中でぬきんでた先進国だった日本は今、近現代史の中で初めて「強いアジア」と向き合う体験を迫られている。「アジアで1番」という序列意識の揺らぎこそ、不安といらだちの正体であろう。

(後段省略)


李氏朝鮮の朝貢に恋々としてこだわった清朝に対して、朝鮮半島の領土保全を大義名分に掲げ、列強の支持を取り付けた日清戦争の往時と同じように、人類の共通財産(コモン)としての“海洋における法の支配”を大義名分に掲げ、東南アジア諸国や豪州、インドなどの支持を取り付けようとする安倍ドクトリンの現在もおいても、やはり我が国は華夷秩序に与してなどいない。

社説子の言にある通り、「不安がある」とすれば、原因は率直にパワー・オブ・バランスの変化にほかならない。中共は軍事的に拡大せねばならなくなり、その対応策を進める過程で、守るのに縦深のない韓国は捨てるのだと、国民の合意が形成されたのが内閣府の調査の根底にある、と素直に理解すべきだろう。
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