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爆死と刑死に始まるエジプトの『赤と黒』の時代

前大統領含め100人近いムスリム同胞団は、収監されていた刑務所から脱走した罪などで死刑判決が出た。これに対する報復として、エジプトの検事総長が爆殺された。しかし、ムスリム同胞団からの犯行声明は出されていない。犯行声明を出そうものならば、より激しい弾圧が待っているからだ。

過去の経緯を考えると、エジプト政府及び司法当局は原理主義者を収監するよりは、死刑判決を乱発してでも一掃しようと企んでいるのではないか。あたかもフランス革命が終わり、王政復古期のブルボン朝になぞらえられる。王殺しの共和主義者たちに対する白色テロと同様に、ムスリム同胞団とその支持者、果てはデモ参加者までが弾圧されていく。スタンダールの描いた『赤と黒』の時代を迎えたのだ。

かつて、サダト大統領を暗殺したイスラム原理主義者のグループを一斉に検挙して、収監した。刑務所の中で、彼ら原理主義者の思想はより先鋭化して、刑務所内は原理主義の伝道所となった。出所した原理主義者は、周辺各国への原理主義思想の伝播を担い、アフガニスタンのムジャヒディンの思想的母胎となった。

アラブ社会主義が退潮する中で、エジプトのテクノクラートは、ムスリム同胞団以下原理主義者に一度政権を任せた。しかし、ムスリム同胞団とその政党は、政権担当能力の無さが露呈して、経済運営は失敗、国民の支持を失った。国民の失望に呼応して、軍部がクーデターを起こして、サウジアラビアなど湾岸産油国の財政援助を受け、停止されていた米国の軍事支援も再開しており、民主化プロセスを緩やかに進めている。

イスラム国が初めて女性斬首、シリアで「魔術」理由に=人権団体 2015年 06月 30日 17:59 JST ロイター

エジプト検事総長が殺害される、車列に爆弾攻撃 2015年 06月 30日 11:19 JST ロイター

チュニジア、観光業損失額は推計5.15億ドル ホテル襲撃受け 2015年 06月 30日 16:44 JST ロイター
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利上げと利下げの米中対決近し

中国人民銀行は金利を0.25%ポイント引き下げ、(農業セクターおよび中小企業向けに融資している銀行について)預金準備率を0.5%ポイント引き下げた。さらに共産党政府は商業銀行の預貸率の上限規定を撤廃すると表明した。現行法では預金の75%を上限としていた。こうなってくると、FRBの年内利上げで中国共産党が追い込まれるのを見られるかもしれない。

UPDATE 2-中国人民銀が追加緩和、今後も穏健な金融政策を実施 2015年 06月 27日 20:37 JST ロイター

コラム:中国の融資規制緩和、成熟に向けた大きな一歩 2015年 06月 26日 16:23 JST ロイター

日立建機社長:中国市場「異常」事態と警戒-需要は前年比ほぼ半減 2015/06/25 06:00 JST ブルームバーグ

上記のブルームバーグ電では、日立建機の社長は中共における建機の販売動向について「今後10年-20年のスパンで見ると回復していくが、数年を見たときに需要は大きく回復しないとの前提で考えていかなければならない」と説明。油圧ショベルの需要は、2015年4月が前年同月比47%減、5月は同48%減とほぼ半減したことを明らかにしている。

このインタビューで、不動産バブルが弾けたことが分かる。もちろん鬼城と呼ばれるゴーストタウンが朽ち果てて行くことで、経済が崩壊するのではない。順番で言えば、地方政府の抱えている債務が民間に計上されて、ダイレクトに評価損を出して、鬼城を建設した際の利払いに耐え切れなくなって、バブルが崩壊した認識が拡散していって、初めて分かるのだが、上海株式市場の動向を見ると、政府の債務を家計の債務に移し替えようとする意図でもあるのではないかと訝しむ。

鬼城を資産としたまま、金融を動かしている間に、払う利子とその原資となるキャッシュ・フローの差が乖離していく。外資に償還・返却するドルを稼ぐために成長率が鈍化するのに、2倍3倍収益を上げなくてはならなくなる。

もちろん人民元を刷ればドルは返せる。ただし、溢れた人民元を吸収するのに、株式市場・債券市場で株券などに交換してもらう必要があるから、追い証を払えなくなって破産する人が続出しても、市場の乱高下は続けるしかない。

中国バブル崩壊か 上海株が6%超の大幅続落、1週間では13%超の暴落 2015.6.19 17:17 産経ニュース

コラム:中国株が再びたどる「バブル崩壊」への道 2015年 06月 18日 09:28 JST ロイター

中国本土と香港、ファンドの相互販売開始―7月1日から 2015年5月23日 01:23 JST WSJ日本版

中国株高、最大の勝者は中国政府 2015年5月19日 12:49JST WSJ日本版

ホワイトハウスが虹色に染まった日

連邦最高裁は同性婚は合憲との判断を下した。この判断によって、同性婚を非合法としている各州でも、改正手続きが済み次第、婚姻が可能になる。

さて、リーマン・ショック後に急速に同性婚の合法化が進んだが、筆者の意見をまとめておこう。

同性婚は合憲、米最高裁が歴史的判断 2015年 06月 27日 03:35 JST ロイター

過去において、宗教的な理由から同性愛者は迫害されていた。キリスト教国では同性愛は違法行為そのものだった。現在でもイスラム教国においてそうであるように。迫害されて、違法な存在として弾圧されたがゆえに、法的な地位を求め、法の庇護を勝ち取る必要に迫られた。

つまり、宗教的認識もなければ、迫害もなく、違法もなく、合法化もなかった。この連関で云えば、我が国に同性婚が認識され、合法化されるだけのダイナミズムは発生しない。迫害と違法に対する抵抗心が運動のダイナモだったのだから。

また、リーマン・ショック後のコミュニティの分裂も同性婚の容認を促進した。

最も厳しく同性愛に反対するであろう宗教右派は、もはや同性愛者と同じコミュニティに住んではいない。お互いの性愛の嗜好によって棲み分けできるほどの土地は、いくらでも合衆国にはある。それどころか、リーマン・ショック後には人種・民族だけでなく、思想・宗教的相違と冨の偏在を背景とした生活様式ごとに棲み分けられたコミュニティが形成されている。

そして、宗教右派の過激派が妊娠中絶を行う病院や医師をテロ攻撃することがあるが、同性愛者は基本的にこの攻撃に晒されることがない。このため、宗教右派と摩擦が起きなくなっている。

最後に、同性婚の容認には結果の平等にコミットしなくて良い、と云う理由が付いてくる。すでに黒人に対するアファーマティブ・アクションに対して連邦最高裁は違憲判決を下しているのが、好対照と云うべきだろう。

公民権運動以後の黒人の貧困層中心のコミュニティに行われた数々の施策の結果は失敗に終わった。度重なる黒人暴動が起きても警官にGPSを付けるであるとか、黒人教会へのテロが起きても南軍旗の撤去を行うとか、対処療法に留まり、税金と公教育で再分配を効果的に行うことが出来ていないままである。

一方、同性愛者のコミュニティは、アファーマティブ・アクションなどの逆差別を適用しなくても自立できるのであって、財政的な負担を伴わずに法を改正するだけで、支障なく市民生活を暮らすことが出来る。

繰り返すと、リーマン・ショック後のコミュニティ分裂によって、同性愛者は彼らに反対・攻撃する人々と一緒に住む危険性がなくなった。宗教右派の過激派にとっても、妊娠しない彼らは攻撃対象になり得ない。黒人貧困層と違って結果の平等に繋がる施策を打つ必要がないため、財政的負担を嫌う富裕層や保守派の反発はない。これらが同性婚容認の直接的理由だろう。

哨戒機の導入は既定路線となっている

フィリピンがP-3C対潜哨戒機を調達したい、と公式に表明した。日本とフィリピンの共同訓練の地、パラワン島において、P-3Cのデモンストレーションが行われ、フィリピン軍当局者が同乗したのは、その意向に沿って性能確認する意味合いがあったのだろう。

パラワン島は、米軍のローテーション拠点のひとつにもなっている。P-3C調達のシナリオとしては、この島での海自とフィリピン海軍の共同訓練は常態化して、日米協議の下で、フィリピン海軍への供与が行われ、人員の養成も同時に行われるものと、考えられる。

すでにベトナムは米国に対して、P-3C(モスボールしていたP-3B改)を6機売却を求めている。この流れから、フィリピンへの供与もしくは売却は既定路線であろうが、日米ともに新型のP-1とP-8の運用開始は2013年からであり、生産配備を前倒ししないと、すぐにフィリピンの希望を叶えることはできない。しかも、P-3Cの一部は、退役予定のYS-11各種任務型(空港の機材点検や滑走路テスト用)の代替機に転用する機体もあり、調整がさらに難航する。

それでも対潜哨戒機を自国開発して、新型の後継機を導入する海軍国は日米のみであり、P-3Cの導入しかベトナムとフィリピンには選択肢はない。フィリピン海軍が海自並みに対潜哨戒機を運用できるか、現状で望み薄なのは正しいが、対艦ミサイルも対戦魚雷も搭載可能なP-3Cが、南シナ海に存在するだけでも、人民解放軍は対応を余儀なくされる。

日本からP3C哨戒機を調達したい、フィリピン国防省が表明 2015年06月26日 12:48 AFPBB NEWS

【6月26日 AFP】フィリピン政府は25日、日本から防衛装備を調達したいとの意向を表明した。両国は、南シナ海(South China Sea)の領有権問題をめぐって強硬姿勢を増す中国をけん制するため連携を深めている。

 フィリピン軍と自衛隊は今週、南シナ海で初の合同演習を実施したが、首都マニラ(Manila)で記者会見したフィリピン国防省のピーター・ポール・ガルベス(Peter Paul Galvez)報道官は、演習に参加した自衛隊のP3C哨戒機オライオン(Orion)に特に関心があると述べた。

 ガルベス報道官は「わが国としては、P3の調達に興味がある」「もちろん余剰兵器にならないかどうか、次に、とにかく低価格で入手できないかを現在確認している」と語ったが、詳細は明らかにしなかった。

 また、フィリピンはUHヘリコプターにも関心があるとガルベス報道官は述べた。

 国防予算に限りのあるフィリピンは、日米との防衛協力を強化して中国への対抗力を高めようとしている。(c)AFP

南部連合旗(レベル・フラッグ)は咎無くて死す

サウスカロライナ州チャールストンの黒人教会を襲った白人至上主義者が9人を殺害した事件の影響は南部連合旗に及んでいる。犯人が南部連合旗(正確には南軍の海軍旗、通称レベル・フラッグ)を自動車のナンバープレートに付けていたという理由、ただそれだけで旗が犯人と犯人の白人至上主義と同一化され、政治的な槍玉に上がり、撤去される事態が起きている。

レベル・フラッグは小売店の棚から撤去され、通販のサイトから削除されている。アラバマ州議会に掲げられていたレベル・フラッグは引き降ろされた。ワシントン大聖堂のステンドグラスにレベル・フラッグが描かれているからという理由で撤去すべきという議論まで起きている。

「南部連合旗」撤去論、ワシントン大聖堂のステンドグラスに波及 2015年06月26日 17:08 AFPBB NEWS

米アラバマ州が「南部連合旗」を撤去 2015年06月25日 08:14 AFPBB NEWS

米アマゾンが「南部連合旗」を販売禁止に―黒人教会銃乱射事件受け 2015年6月24日 15時45分 IBT

「南部連合旗」の撤去、州知事も支持 米サウスカロライナ 2015年06月23日 09:51 AFPBB NEWS

レベル・フラッグは有罪を宣告されて、死刑が執行され始めている。なぜ、このような異常事態が起きているのか。結論から述べれば、すでに黒人貧困層のコミュニティ救済は諦められており、その悲惨なコミュニティの現状を死せるレベル・フラッグで覆い隠そうとしている、と考えるのが自然だろう。

2014年4月に、連邦最高裁は各州がアファーマティブ・アクションを終了させることは合憲である、との判断を下した。

米国社会の分断は、1996年頃からのアファーマティブ・アクションの見直しの進展に伴って、必ずしも人種間を焦点とせず、思想・宗教的相違と冨の偏在を背景とした生活様式のまったく異なるコミュニティの分裂に収斂しつつある。

富裕層と貧困層が別々のコミュニティに住み分けている州がリベラル、富裕層と貧困層が住み分けていない州が保守で線引きされている。それらの州内でもリベラル的な都市部と保守的な田園部や山岳部が対立し、それぞれ線引きされた下院の選挙区からリベラルと保守が輩出されることになる。また人口の多いカリフォルニア州などでは、上院議席を保守が占めることが現状では不可能なので、州分離運動が始まっている。

さらに富裕層と貧困層が別々のコミュニティに住み分けが終わった州では、富の再分配を否定する富裕層による行政単位としての“市の独立”が起きている。州政府分離よりも郡政府(County Government)からの自治体独立の方が合意形成しやすいのは確かだ(2014年4月23日のエントリー参照)。

アファーマティブ・アクションの違憲判決から、間もなく警官による黒人射殺を直接的原因として黒人暴動が頻発するようになった。

ミズーリ州の非常事態宣言は、旧来の人種間の軋轢の延長線にある。すでにアファーマティブアクションは廃止されつつあリ、白人と黒人間の婚姻率には有意な上昇は見られなかった。一部の黒人が貧困層から脱出した以外は変化がない。変化の大勢は人種ではなく年収に移りつつある。

年収による棲み分けが進む合衆国。それはそのまま価値基準の違いにつながり、生活様式にまで及ぶ。まず田舎に保守的な白人層が残る。続いて生活基盤を持たない住民の流入により、都市中心部の失業率と犯罪率が上昇する。

すると貧困層はフードスタンプに依存してゲットーと化した街に留まるが、中間層は新しい郊外に逃げ出し、富裕層はゲーテッド・コミュニティを形成する。

中間層の子供は、学習した専攻と提示される雇用のミスマッチから就職せずニートとなり、学生ローンの返済に喘ぎ親元から自立できない。ゲーテッド・コミュニティに満足できない富裕層は、郡政府(County Government)から自治体として“市の独立”を進める。

そして、階層が分断されたゲーテッド・コミュニティから“市の独立”の次は“州の分割”ということになる。最終的にカリフォルニア州の6分割提案に行き着く。

富裕層は、貧困層の福祉のために自分たちの納税したカネを使いたくないという意識を持ちはじめ、段階的に政治的行動に移し始めている。それでは合衆国の国民としての連帯感が失われていくのではないか。

実際の所、都市部で富裕層と貧困層が混住している州は、民主党支持・リベラル的傾向を示さず、共和党支持・保守的傾向を示す。

どうやら米国におけるリベラルとは、カネに限らず、生活様式や宗教思想・哲学の違う人間と隣近所で直に接して暮らさない人間だけが持つ上辺だけの主義主張に過ぎないようだ。オバマ政権は、政策として国民皆保険やゲイの婚姻合法化を進めているが、逆説的にリベラルは合衆国の精神的紐帯を断ち切っているように思える(2014年8月17日のエントリー参照)。

黒人全体が、社会の上部階層へと移動できる可能性は失われ、租税による階層間の再分配は否定されつつあり、加えて物理的な接触すら、リーマン・ショック後の急速なコニュニティの分裂によって欠落しつつある。

合衆国の精神的紐帯があちらこちらで断ち切られ、連帯感が失われているからこそ、ことさら上辺の連帯感を演出しなければならない。南軍旗が排除されるのは黒人が見捨てられた代償行為に他ならない。

そして、貧困にあえぐ黒人のコミュニティは疎外に陥り、婚姻による人種融合と階層移動の機会も奪われている。

歴史人口学と家族人類学の泰斗エマニュエル・トッドは、1990年のネイティブアメリカン女性の外婚率は54%、1980年のカリフォルニア州の日系人女性は36%であることを示し、白人系と人種的に融合しつつあることを明らかにしている。一方、1992年の黒人男性の外婚率、すなわち白人と結婚する率は4.6%、黒人女性では2.3%に過ぎない。

加えて、リーマン・ショック以降のヒスパニック系移民は年間約130万人ずつ、カソリックを棄教して無宗教(リベラル)と福音派(宗教右派)になっている。なおヒスパニックはネイティブアメリカンの延長線上に位置づけられる。この事実と併せると、黒人は婚姻による融和の可能性から阻害されたまま、今後も推移するという認めたくない現実が横たわっている(2014年12月09日のエントリー参照)。

旗ひとつで現状打破できない現実を糊塗できるならば、政治的な費用対効果としては安いのだろう。結果の平等としての黒人社会の生活向上は1960年代以降の多大な努力にも関わらず、失敗したのだから。その一方で、

人権問題は、機会の平等に関わる以上は保守も反対しづらいのでゲイの権利は認められる(マリファナ合法化も同様だ)が、もちろん結果の平等などではないし、宗教右派は人工中絶で抵抗を続けている(2014年10月31日のエントリー)。

社会の分断を許容するために、表面上のヘイトスピーチは許容されない。しかし、報復として黒人が白人警官を殺してもヘイトクライムとは認定されないままでいる。

そして、発想が自由であるべきハリウッド映画の出演俳優に人種的配慮が欠かせなくなっていく反面、富を再分配して社会資本を整備しながら分裂を解消する、といった正しい解決策に対する発想はなくなっていく。

警官が丸腰の黒人を射殺した、として連邦政府が介入しているミズーリ州ファーガソンもまた治安悪化が進み、最終的には白人が脱出して、コミュニティの主導権が黒人側に移り、分裂によって問題解決するだろう。つまり、こうした対立と混乱は棲み分けを促進する材料にしかならず、差別解消の政策を産み出す契機にはならない(2015年3月12日のエントリー参照)。

ミズーリ州ファーガソンに次いで、警官が拘禁時に黒人を死なせたのが原因となってメリーランド州ボルチモアでも黒人暴動が起きた。

ボルチモアが、ファーガソンと異なる点は市長も警察署長も黒人であり、リベラルの民主党市政が50年続いてきたことだ。民主党の施政が続く街を党のカラーにちなんで“ブルー・シティ”と呼ぶ。

ボルチモアは1950年~1985年の間、21回も固定資産税を上げ続けた。まさに、これにより中間層と富裕層は逃げ出した。同市は、ゲーテッド・コミュニティとはまったく逆に、進歩主義者にとっての理想郷、もしくは保守主義者ならばゲットーと揶揄する都市になってしまった。有権者で比較すると、民主党と共和党の比率は8:1である。

こうした民主党の政策失敗は暗黙のうちにゲーテッド・コミュニティの形成、つまり人種隔離を促進させる。国民の和解形成とは程遠く、民主党と共和党両党にとっては安直な支持者の固定化が果たされる。

たしかに異なる人種、異なる階層、異なる宗派間の接触がなくなれば社会的な摩擦も起きない。必然、それを解決しようという社会的なダイナミズムも起きなくなる。ある意味で英国型の階級社会を米国は模倣する。

ボルティモアの1960年の人口は94万人で合衆国6番目の規模を誇っていた。しかし、現在までにその人口の3分の1が流出して、今日では全米トップ25にも数えられない、と始まり、その失敗は高い犯罪率、低い経済成長率と水準の低い公立学校に集約される(2015年5月07日のエントリー参照)。

婚姻もダメ、公教育もダメ、治安維持もダメ、企業活動もダメ、税収もダメ、税による再分配の効果もダメと負の連鎖がどこまでも続き、リベラルによる差別解消のための施策はもはや手立てがない。つまり、“言葉狩り”や“旗を降ろす”などの表面上の差別を無くす以外の選択肢はなくなっている。企業は特にリベラル州から離れており、ますます表面上の差別を無くす方向に走らざる得ない。保守州はリショアリングの恩恵を受けることが先決であるから、先手を打って“旗を降ろす”ことになる。

トヨタ自動車は米国本部をカリフォルニア州からテキサス州に順次、移転すると発表した。確かに労組なし・法人税安・補助金付きを求める企業とそれに呼応する失業者と州の思惑が合致している。であるにせよ、リベラル的な州から保守的な州へと移転する日系メーカーの動きは、富裕層と貧困層が分断された州から(漸減しているとはいえ未だ)中間層の多い州への移転と見るべきではないか。そして、それはリベラル州に集住する中韓系の移民との取引を避けようとする未来にも繋がりそうだ。

日系メーカーに限らず、建機メーカーのキャタピラーや航空機メーカーのボーイングなども保守的な州に移転したり、移転せずを条件として優遇措置を受けるようになっている。

これら優遇策によって、製造業が残存するか、移転する州では中間層を維持したり、育成したりする機会が与えられる。一方、製造業を失う州では都市と田舎の断層やゲーテッド・コミュニティの成立、最後は自治体の独立によって富裕層と貧困層が分断されていく。市や郡単位で冨の再分配が機能しなければ、その州では全体的にはむしろリベラル的な政治傾向が強まる。この冨の再分配がもうひとつのカギとなる。

冨の再分配の機会の少ない田舎と冨の再分配の必要性がない富裕層がつくった自治体へは、冨を持たない国内外の住民が移る契機がない。その逆に、州から冨の再分配の機会が与えられているか、熟練労働が求められないサービス業の職が多い貧困層の集住地域には、投資移民を除く一般的な外国人移民は入りやすくなる。

つまり、富裕層と貧困層が分断されている州では民主党支持が強まるのみならず、中韓系の移民も集中する。特に北東部(ニューイングランド)と南部に挟まれて、もともと中道リベラル、宗教的寛容の強かった中部の諸州に集まりやすい。カリフォルニア州やニュージャージー州、ニューヨーク州で慰安婦像設置の政治的動きが起きるのはあながち偶然ではないのだ。そして、中間層向けの製品・サービス提供を得意とする日系メーカーは保守的な州に立地するようになり、米国の社会的分断とその政治的闘争に巻き込まれていく(2014年5月09日のエントリー参照)。

米国には、社会的分断とその政治的闘争を温存しつつも休戦させるか、もしくは社会的な再統合へと向かわせるダイナミズムが間違いなくある。そのためには分裂したコミュニティをまとめる方便や最大公約数が必要となってくる。これは国民(ネイション)の再統合の過程とも云える。しかし、その犠牲として南軍の海軍旗(レベル・フラッグ)が殺されたことは胸にとどめておくべきだろう。

米中戦略経済対話の虚々実々

米中戦略経済対話は6月23日からワシントンで開催された。今年9月に予定されている習近平国家主席の訪米の前哨戦となる。

中共側からは劉延東(国務院副総理)、汪洋(国務院副総理)、楊潔チ(国務委員)が訪米した。

劉延東と汪洋は中央政治局委員であり、常務委員の下位にあって、次代の常務委員候補である。また楊潔チは、過去に駐米大使と外交部長(外相)を務めている。王毅外交部長(外相)と楼継偉財政部長(財政相)よりも格上の党員を送り込んでいることから本気度は窺い知れる。

米国側はバイデン副大統領、ルー財務長官、ケリー国務長官が出席した。

ちなみに5月の二階俊博総務会長率いる訪中団には習近平、汪洋、楊潔チが出席していた。カウンターパートとしてまったく釣り合わない。民間主催の会合に、与党の派閥を率いている代議士が相伴している席に、国家主席が取引材料を提示したとすれば、相当な妥協のはずだが、その後、安倍政権側の反応はなかった。

二階氏に何らかの経済利権を提示したのかもしれないが、すでに安全保障における大幅な妥協が必要な段階になっているので無意味になったのではないか。

同じく米中戦略経済対話でも、中共側は対米投資の拡大や留学生や観光客による人的交流の拡大による成果を強調し、国内の金融改革についても約束した。しかし、米国の対中姿勢を悪化させている南シナ海における侵略とサイバーセキュリティのふたつで両者は対立を解消する緒すら見つけられなかった。

実際、ハッカーによる攻撃と岩礁の埋立は続いている。

以前、2014年11月06日のエントリーで、小笠原諸島に来襲した約200隻に及ぶサンゴ密漁船の大群が、海底ケーブルに附属して敷設されたパッシブソナーを探索しているのではないか、と推測したが、海洋と情報通信の戦いは潜水艦が肝になりそうだ。

習主席、露骨な“すり寄り”「安倍政権分断作戦」 二階氏訪中団に懐柔策 2015.5.26 09:00 産経ニュース

コラム:中国が「軍事力」で米国に遠く及ばない理由 2015年 06月 25日 14:49 JST ロイター

米中戦略・経済対話が閉幕、サイバー・海洋問題で溝埋まらず 2015年 06月 25日 12:22 JST ロイター

[ワシントン 24日 ロイター] - ワシントンで開かれていた米中戦略・経済対話が24日、閉幕した。米中両国は「成果」を強調したものの、米政府はサイバー問題や海洋での中国の行動をめぐって懸念を表明、重要な懸案事項で対立は解けなかった。

経済分野では、ルー米財務長官が、すでに7年協議している2国間投資協定(BIT)について、合意に向けた交渉加速で双方が一致したと発表。中国が外為市場での介入を抑制することを約束したとも述べた。

中国はまた、為替相場の一段の自由化、資本市場の開放のほか、外国の金融サービス会社による中国市場へのアクセスを改善することも表明した。

さらに米中は、温暖化対策やイランと北朝鮮の核問題、イスラム過激派組織との戦い、世界の発展に向けた協力などで、協調ムードを演出した。

一方で、中国による南シナ海の岩礁埋め立て問題や、サイバーセキュリティーについては米中がそれぞれ異なる主張を展開。

ケリー米国務長官は記者団に対し、米政府は引き続きサイバー攻撃について「深く懸念している」とコメント。中国の楊潔チ国務委員は、米中はサイバー問題で協力すべきとの考えを示したほか、南シナ海問題については「公平、客観的」な姿勢で臨むよう米政府に要請した。

安保法制と日比共同訓練

衆目一致するところ、中共の主張する第一列島線を防衛するのに連環の最弱部分はフィリピンである。率直に言って、3年半程度でここまで防衛協力が進展するとまでは思っていなかった。事態はそれだけ急を要している、とも云える。

海上自衛隊のP-3Cは、パラワン島から南シナ海を訓練飛行を行った。安保法制の審議よりも南シナ海情勢の進展が早いことは懸念すべきだろう。

筆者は2015年6月9日のエントリーなどで数回、日本-フィリピンの防衛協力に関して、取り上げてきた。

6月下旬に2回目の海上自衛隊-フィリピン海軍の共同訓練が行われる。すでに5月には最初の共同訓練が実施されている。

これは、2015年1月末に交わされた“日本ーフィリピンの防衛協力に関する覚書”に基づくものだ。

覚書は、2011年9月の“戦略的パートナーシップの包括的推進に関する共同声明”が出されて以降の我が国とフィリピンの海洋安全保障協力の成果であり、共同訓練実施、防衛相会談及び次官級会合の定例化、人材育成協力が行われることになった。

覚書に沿って、海上幕僚長がフィリピンの国防次官軍参謀次長と会談し、パラワン島を訪問している。

さらに6月の会談で、訪問部隊地位協定と、防衛装備品の技術移転に関する協定の締結交渉が同意された。

今後は国防相級、次官級、幕僚級の会談を積み重ねて、共同訓練の実施や防衛装備品の供与、最終的に南シナ海の哨戒活動を海上自衛隊が担当することになりそうだ。

最新鋭のP-1は、2015年度予算から単年だけで20機調達が決定しており、このペースで進捗すれば2017年度予算で約70機までの調達目標数を達成するだろう。南シナ海まで対潜哨戒の範囲が広がる場合、作戦機の定数が引き上げられる可能性もある。また、有事となれば対艦ミサイルを積んで対艦攻撃もできる。2月にはハープーンの実射試験に成功している。

フィリピン海軍の能力向上が見込めるならば、将来的にはP-3Cの払い下げもあり得るが、こちらは短期的には見込み薄だろう(2015年3月17日のエントリー参照)。

同じく米軍のローテーション拠点には8ヶ所が予定されており、対象地のうち4ヶ所はルソン島、2ヶ所はセブ島にあり、残り2ヶ所はパラワン島で係争中の南沙諸島近くにある(2015年4月26日のエントリー参照)。

米国とフィリピンは日中中間線における我が国の主張を認めており、フィリピンと我が国はEEZで利害対立がない。また日本からフィリピンの海域を防衛できれば、ベトナムまでシーレーンを確保できる。中共がフィリピン海域の公海に直接出るための基地を建設確保することを阻害しなければならない以上、日米比の同盟が促進されるのは言うまでもない(2015年5月10日のエントリー参照)。

海自P3C機、南シナ海上空を飛行 フィリピン軍と共同訓練 連携の強さ誇示 2015.6.23 09:41 産経ニュース

フィリピン軍との共同訓練のため同国西部パラワン島入りしている海上自衛隊のP3C哨戒機が23日、南シナ海上空での飛行を開始した。中国が岩礁埋め立てを進めるスプラトリー(中国名・南沙)諸島にも近い同島で自衛隊部隊が活動するのは初めてで、南シナ海の実効支配を強める中国に対し、存在感とフィリピンとの連携の強さを誇示する機会となった。

 海自隊員14人とフィリピン軍の3人が乗り込んだP3Cは23日午前6時(日本時間同7時)すぎ、パラワン島を離陸。同島西80~180キロの南シナ海で実施される本番の訓練は24日の予定で、この日は周辺をフィリピン空軍機と一緒に飛行した。

 海自鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市)の第1航空群所属のP3Cと隊員約20人は、21日に現地入り。27日に帰国の途に就く。(共同)


南シナ海訓練…P3Cの高い哨戒能力、比に示す 2015年06月24日 09時42分 読売新聞

海上自衛隊とフィリピン海軍は23日、南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島に近いパラワン島で、海自のP3C哨戒機を投入した初の共同訓練を行った。

 中国が南シナ海で一方的な岩礁埋め立てなどを行う中、日本とフィリピンは、防衛協力による連携強化で中国をけん制する動きを示した。

 ◆哨戒能力圧倒

 【プエルトプリンセサ(フィリピン・パラワン島)=向井ゆう子】23日午前5時半過ぎ。ジャングルに囲まれたパラワン島プエルトプリンセサの基地に延びる滑走路。海自隊員14人に近づいてきた比軍の将校ら3人は、初めて乗る海自のP3C哨戒機の前で緊張した面持ちだった。握手をして乗り込むと、同機はすぐに飛び立った。行く先は80~180キロ・メートル西方、南シナ海・スプラトリー諸島近くの公海上空。警戒監視能力に優れる海自P3Cの「南シナ海デビュー」を両国関係者が見守った。

 約3時間、遭難した船の捜索を想定した飛行訓練を実施。着陸直後に再度離陸する「タッチ・アンド・ゴー」の訓練も終えた。指揮官を務めた浜野寛美2等海佐が「どうだった」と声をかけると、将校らは大きくうなずいた。潜水艦の探知にも優れたP3Cの高度な哨戒能力に圧倒されたようだ。緊張は解け、友好的な雰囲気に包まれた。

インバウンド消費とラチェット効果

外国人観光客には消費税免税となる一般消費財(コスメや食料品)が増えて、観光ルートにあるコンビニでも免税カウンターを試験的に導入するようになった。

見方を変えると、ひとつには旅行収支の黒字で貿易収支の赤字を調整している。ひとつには消費税は輸出には掛らないので非関税障壁(もしくは一種の輸出促進税)になり得る、ということだ。

外国人観光客の誘致はある意味で諸外国の消費を奪うことでもあるのだが、移民でGDPを拡大させようとする欧米各国よりは社会混乱のタネにはなりにくい。

との主旨を2014年12月8日のエントリーでは述べた。

2014年のビザ発行は287万件、その7割が中国人向け 2015年05月22日 21時39分 IRORIO

外務省は2014年におけるビザ発給の概況を発表した。概況によると、発給数が過去最高になったことが分かった。2014年のビザ発行は287万件、その7割が中国人向けとなっている。これは“爆買い”を裏付ける結果となった。

2014年のビザ発給数は287万3755件。2013年の186万4425件と比較して約54%増加で、2010年の188万5584件、2012年の198万6539件を超えて過去最高となった。インバウンド観光客を増やそうとする政策効果が順調に出ている。

“爆買い”と政策効果が重なったため、中国が圧倒的となっており、国別で上位は次の通りとなった。

1位 中国:204万8108件
2位 フィリピン:16万3386件
3位 インドネシア:14万3437件
4位 ベトナム:9万6648件
5位 インド:6万6696件
6位 ロシア:5万7606件
7位 ブラジル:3万4217件
8位 タイ:2万1322件
9位 アメリカ:1万9017件
10位 韓国:1万8861件

上記記事から特筆すべき点をいくつか挙げられる。

1. 過去最高のビザ発給数。
2. この発給数の7割が中国人。
3. 南アフリカ除くBRICS諸国は上位10位に入る。
4. フィリピン、インドネシア、ベトナム、タイなどASEAN諸国は、発展途上の国(人口ボーナス期ピークが遅い)ほど発給数が多い。
5. 民主党政権下に推進された沖縄数次ビザ、東北三県数次ビザは機能していない。

となると、以下2014年12月11日のエントリーで、

人口ボーナスの最先発は1993年にピークを迎えた日本。2020年までに人口ボーナス期を終える先発国グループには2014年の韓国、2015年の中国、2017年のタイ、他に香港、台湾、シンガポールが含まれる。後発国グループは2030年のインドネシア、2040年のベトナム、2045年のインド、2050年のマレーシア、2055年のフィリピンなどが並ぶ。

先発国グループの富裕層と中間層を訪日観光客として取り込み、後発国グループは順番に中間層を育成して現地需要を取り込む我が国の戦略が現在行われていると云って良い。

と、述べたよりも後発国グループの富裕層の来日が増えていると思われる。

北東アジアと東南アジア及び南アジア各国の人口ボーナス期から人口オーナス期に移る時間差が、我が国の経済成長率の鈍化と安全保障予算の縮小と中共の経済成長率の伸びと安全保障予算の拡大という対称的な変化を招いた。

これと同じ流れが中国共産党の挑戦を受けているインド、フィリピン、ベトナムに起きる。そして、インドネシアもこの流れに追随する。こうして人口オーナス期に入る中共はタイを除くASEAN諸国とインド、これに連動する日米豪の挑戦を受ける形になる。

ASEAN諸国と、さらに防衛協力関係を強化するベトナム、フィリピンなどの経済発展で中共に対抗しようとする図式もある。

次はインバウンド消費の今後について、2015年2月10日のエントリーの一部再掲となる。

もうひとつはインバウンド消費を促す円安は日銀の量的質的緩和が根本にあるが、日銀の質的量的緩和によって、円は対ドルで約20%下落した。円安は実質的に「賃金」を上昇させるとともに、外国人労働者の過度の流入を防ぐ。

なぜなら円高では、ドルで換算される「賃金」が上がるものの輸出は不利となり、国内雇用は総じて減少する。また輸入品価格が下がるものの円で換算される「賃金」にデフレ圧力が掛かる。ドルベースでは「賃金」が上がっているため、外国での雇用もしくは外国人労働者の輸入が有利になり、円ベースの「賃金」にさらなる下落圧力が掛かる。

2014年訪日外国人は1341万人、うち中国人は240万9200人に及び全体の約18%を占める。さらに訪日外国人の旅行消費は約2兆円、うち中国人は約5600億円。旅行消費全体の25%を超えている。インバウンドを増やす方が、中共にサービス業を進出させるよりもリスクは少なくて済む。彼らの旺盛な消費意欲はバブル崩壊から起算して5年から8年は継続するだろう。

インバウンド消費の行方は大体、ラチェット効果に沿って推移すると思われる。可処分所得が低下しても、人間は慣れ親しんだ(転売・賄賂含む)消費行動をそう変えられないからだ。2020年の東京オリンピック前後をインバウンド消費のピーク、と予想するのが自然だろう。

〔クロスマーケットアイ〕急落する中国株、「インバウンド消費」への冷水警戒 2015年 06月 22日 17:16 JST ロイター

[東京 22日 ロイター] - 日本の国内消費を支える「インバウンド消費」に、減速警戒感が強まっている。バブル的様相を示していた中国株が急落。高値からの下落率が本格調整のめどとなる10%を超えてきた。中国株がさらに下落し、消費ムードに水を差せば、海外旅行や日本国内でのいわゆる「爆買い」に影響が出る可能性もある。

<本格調整入りめどの10%超える下落>

面白いデータがある。中国からの訪日観光客の出身別地域と、株式投資の含み益の比較だ。来日観光客の出身別では、2013年7─9月時点で、上海が25%、北京16%、広東11%の順となっている。一方、今年1─4月の株式含み益は上海地区の株式保有者が15万元でトップ、2番目が北京の8万元(広東は浙江に次いで4番目)と、ともに1位、2位が同じ都市となっている。

入手可能なデータの違いで比較する時点が異なるほか、大都市から多くの観光客が来日するのは当然とも言えるが、このデータに注目するSMBC日興証券・金融経済調査部シニアエコノミストの肖敏捷氏は、中国株が急落すれば来日観光客の中心である大都市層の「懐」に、多少なりとも影響が出る可能性があると警戒する。

上海総合指数 は前週19日の市場で6%を超える大幅安となった。6月12日に付けた7年半ぶりの高値5178ポイントからの下落率は13%となり、本格調整入りのめどといわれる10%を割り込んできた。年初からみれば、依然として38%高の水準にあるが、このまま急落が続けば「逆資産効果」への懸念が強まる。

肖氏によると、中国では今こんなブラックジョークが流行っている。「株が急落すると、朝までの下落ならなら、お土産はなし、昼までなら海外旅行はなし、夕方までなら、パパはなし(帰ってこない)」。それだけ中国株の急落が庶民の話題になっているということだろう。

<所得水準上昇で底堅い消費>

ただ、中国経済が、これまでの株価の上昇でバブル的な活況を呈していたわけではない。消費は小売売上高が5月まで3カ月連続で前年比10%を超える増加となり、比較的堅調だが、国内総生産(GDP)成長率は投資の減速で7%台に減速。反動はそれほど大きくならない可能性がある。

また、中国人の消費や海外旅行を押し上げているのは、株高よりも所得水準の上昇とみられている。国民の平均的な所得水準を示す1人当たり国民総生産(GDP)は、2014年の4万6652元(1元=20円で約93万円)と10年前の約3.8倍に増加している。

円安も中国観光客の「爆買い」を誘っている。いわゆるアベノミクス相場が始まる前は1人民元13円程度だったが、今や20円程度と約54%上昇した。中国人からみれば、円が54%減価し、かつて1000円だった日本の商品が500円程度で買える印象だろう。

さらに昨年は中国から240万人が来日したが、中国の海外旅行者全体の2%に過ぎない。香港へは4000万人が訪れており、訪日中国人の増加余地は大きいといえる。その意味で「インバウンド消費」は始まったばかりの可能性が高い。

だが、中国における株式市場のインパクトが。日々大きくなっているのも事実だ。中国の個人金融資産に占める株式保有比率は、2012年で10%程度(中国住民収入分配年度報告)だったが、足元の株ブームで口座数は急増。中国証券登記結算(CSDC)のデータによると、上海と深センの両市場で今年5月の株式口座開設数は、1200万口座を超えている。

<日本株市場でもインバウンド関連株が人気>

日本人投資家の中国株の保有額は10億ドル程度とみられ、それほど大きいわけではない。センチメントには影響を与えるかもしれないが、中国株の急落を受け、日本株を投げ売りする必要性に迫られる投資家は少ないとみられている。

しかし、日経平均 が15年ぶり高値に達した日本株の中身をみると、輸出株がさえない一方で、内需株が支えている。年初からの値上がり率上位銘柄には、コーセー などインバウンド消費関連株が多数占める。中国からのインバウンド消費がどうなるかは、日本株市場にとっても大きな問題だ。

5月の全国百貨店売上高は、店舗数調整後で前年比6.3%増の4886億円と大きなプラス。中でも訪日外国人売上は、中国や韓国、ASEAN諸国からの旅行客数が増加したことから、前年比266.4%増と、過去最高の伸びを記録した。   その中でも使うお金は中国が断トツだ。2014年でみると、旅行者数は台湾や韓国の方が中国より多かったが、旅行支出額は中国が5583億円と全体の4分の1以上を占める。1人当たりでみても、中国は23万1753円と、韓国の7万5852円や台湾の12万5248円を大きく引き離している(トップはベトナムの23万7814円)。

海外旅行客のための宿泊所が足りない、接客する人が足りないとして、非製造業の設備投資や雇用も増加。日本に経済の好循環をもたらしているのは、実はインバウンド消費の占める要素が大きい。インバウンド消費が減速してしまえば、日本の経済自体の好循環が止まってしまいかねない。中国株の行方はアベノミクスの先行きを占うキーポイントでもある。 (伊賀大記 編集:田巻一彦)

移民のドミノ現象に揺らぐ欧州

地中海での難民遭難事故が相次ぎ、EU各国に2年間で2万人の難民受け入れ枠を割り当てる方針が示された。

受け入れ枠の設定に反対を表明するハンガリーはセルビア国境に壁を作った。受け入れ枠そのものに不参加を表明する英国に密入国しようと、フランス北部のカレーでは不法移民たちのデモが起きている。また、スロバキアの首都プラスチラバでは、難民受け入れ枠に反対するデモが起きて逮捕者が出た。

グローバリゼーションが反転して、経済規模が縮小しているなかで、戦争による難民であれ、不法移民であれ、受け入れられる余裕はなくなっているはずだ。しかし、ヒト・モノ・カネの動きを自由化しているユーロ圏は加盟国が多いだけに意思決定と方針変更に時間が掛かり、被害も拡大する。特に反転しようとする直前の動きは、それだけ反動として目立つ訳だ。

マグレブや中東に近い南欧諸国では若年層の失業率が平均25%を超えている。貧しい国々に不法移民が入るが職はない。もともと移民の流動性は高く、職にありつけなければ少しでも好景気な国に向かう。そのため、ユーロ圏ではない英国に密入国しようとするし、英国政府とその国民は当然、EUからの離脱機運を高める。

失業問題などで政治的混乱が続けば、南欧諸国の中産階級や技術職は、ドイツ語圏へと移住する。このため、ドイツ語圏では中産階級などの給与所得が下降してしまう。さらに知識人や技術者が流出して、移民先に定着するということは内戦などの混乱が収拾しても国家再建に役立つ人材が払底して、内戦後のシリアやリビアなどが弱体化し続ける可能性を高くする。最低の例としてカンボジアが存在するではないか。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のアミン・アワド中東・北アフリカ局長が朝日新聞の記者のインタビューで述べていることは、高度人材を受け入れることは貴国の利益になります、との弁は、中長期的には移民の母国にとっては不利益になります、と云っているにほかならない。

難民受け入れ枠を提案=相次ぐ密航船転覆で対策-欧州委 2015/05/13-22:23 時事ドットコム

豪政府、密航業者に3万ドル支払い疑惑 インドネシアに追い返す? 2015 年 6 月 12 日 18:53 JST WSJ日本版

豪州、密航業者に金支払い船追い返す UNHCR報告 2015.06.13 Sat posted at 16:09 JST CNN日本版

反移民集会、140人逮捕=難民受け入れ枠に抗議-スロバキア 2015/06/21-09:13 時事ドットコム

「難民の日」、欧州各地で集会=ギリシャ緊縮策反対も訴え 2015/06/21-17:07 時事ドットコム

シリア難民受け入れを日本政府に要請 UNHC局長 2015年6月21日11時08分 朝日新聞

急増するシリア難民について、来日している国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のアミン・アワド中東・北アフリカ局長が朝日新聞のインタビューに応じ、「日本もシリア難民を受け入れてほしい」と話し、日本政府に19日、協力を求めたことを明らかにした。

 アワド局長は難民受け入れについて、「日本で『国民が慎重』だから難しいとよく聞くが、そうだろうか。日本政府は国際社会との連帯を示す時だと気づいているはずだ」と述べ、日本の積極的な関与に期待をこめた。

 さらに、「技術者の就労許可や若者が学ぶ間の支援など、期間を決めた難民受け入れもありうる」と提案。4万人のシリア難民受け入れを表明したスウェーデンが、医師や看護師資格をもつ難民らを活用して、人材不足の解消に結びつけている例を紹介し、「優れた技術者らも難民生活を強いられている。彼らが豊かな文化をもたらす側面も忘れないで」と話した。

 長引く紛争と過激派組織「イスラム国」(IS)の台頭で、シリアでは388万人が難民として国外に逃げ、国内避難民は760万人に上る。国連はレバノンやヨルダンなど周辺国での受け入れが限界に達しつつあるとして、各国に難民の受け入れを呼びかけている。(鈴木暁子)

約束された国民党の敗北のあとに

2015年5月28日のエントリーで取り上げたように、台湾の馬政権(国民党)の統治能力、国内外の利害調整能力はほとんど失われており、次回総統選挙における野党・民進党の勝利は半ば約束されている。

シーレーン防衛の観点から考えると、台湾と日米の関係改善は急務だろう。明らかにフィリピンやベトナムと比べて動きが少ない。馬政権の下での改善は期待薄なのだろう。民進党の蔡英文女史が訪米して、野党指導者としては異例の厚遇を受けているのは、米国の台湾政策の変更を示している。

台湾にも“戦後レジームからの脱却”の機会がある。民進党は台湾独立を声高に唱えないが、安全保障の環境はそれを促進する。特に日米が対中投融資を急速に減らしていることから、台湾の経済構造も変わらざるを得ない。

しかし、下記のニューズウィーク日本版の記事には、「自分を中国人と思う台湾人は3割」もいる。総統選挙での国民党不利は否めないが、これだけの親中派を抱えていれば、最悪内戦を戦うのに充分な基盤を持っていると思われる。

見限られる馬英九と習近平、米台「国交」回復が始まった 2015年6月19日(金)11時36分 ニューズウィーク日本版

広大な太平洋には米中2大国を収容する、十分なスペースがある」──。

 中国の習近平(シー・チンピン)国家主席は何回もアメリカに語り掛けている。あたかも太平洋には米中2国しかないような厚顔無恥な言い方に、世界はあきれ顔だ。

 なかでも、中華民国台湾は強い危機感を抱いている。孤島を拠点とする弱小政権が、南シナ海と東シナ海の怒濤に埋没しないよう懸命に世界にアピールしている。日米ともフィリピンやベトナムとの関係構築には熱心なようだが、台湾の存在を忘れてはいけない。

 台湾は対岸の中国福建省からのミサイル攻撃の危険にさらされているだけではない。何よりも馬英九(マー・インチウ)総統の対中融和政策が国家そのものを存亡の危機に自ら追い込んでいる。「内部から腐っている」と台湾人が表現する国民党政権は、現状維持よりも「平和的統一」に傾斜している。馬の統帥下で、軍上層部が中国のスパイに情報を漏洩するスキャンダルは後を絶たない。有識者と野党民進党が繰り返し警鐘を鳴らしても反応の鈍い現政権を見限るようなシグナルが最近、アメリカから送られている。台湾軍との直接的な連携強化と、民進党党首の訪米時の対応がそれを物語っている。

■遅ればせながらのリバランス

 最初の出来事は4月初めに起こった。米海軍のFA18戦闘攻撃機2機が、台湾南部の台南空港に緊急着陸。沖縄からフィリピン方面へ向かう途中に異常が発生したため、やむを得ぬ措置だった、と米国在台協会は説明する。既に北京当局が南シナ海の南沙諸島で岩礁の埋め立て工事、「砂の万里の長城」の建設に着手していた頃。台湾空軍が管理する軍民共用空港への「不時着」は偶然とは言い難い。

 先月27日にハワイの真珠湾で米太平洋艦隊の司令官交代式が行われた。華やかな式典に台湾の国軍参謀総長の厳徳発(ヤン・トーファー)と海軍総司令官の李喜明(リー・シーミン)が招待された。台湾陸軍航空隊第601旅団と米軍太平洋陸軍第25航空戦闘旅団は「友好旅団」の契りを結び、合同演習の計画を発表した。

 制服組同士の交誼深化に合わせるかのように、民進党の女性主席(党首)の蔡英文(ツァイ・インウェン)が先月末から今月9日にかけてワシントンを訪れた。オバマ政権の高官は国務省庁舎内に彼女を迎え入れて会談。政府庁舎外のホテルで面会する慣例を破って厚遇した。すべては人気のない馬総統が政界を去った後のために打った手だ。

 アメリカは台湾と54年に米台相互防衛条約を結んでいる。その条約があったからこそ、中国の毛沢東国家主席が58年に大陸に近い台湾の前線基地金門島を44日間にわたって砲撃し「解放」をたくらんだときも、米軍は座視せずに台湾海峡に艦隊を進めた。しかし、この条約も79年の国交断絶で失効。米台の軍事交流は実質上、ストップしたままだった。

 ここに至って、アメリカは再び相思相愛の関係を構築しようとしている。アジア太平洋重視のリバランス政策の一環であろうが、遅きに失した感は否めない。フィリピンと日本とだけでなく、アメリカはもっと早くから台湾を国際社会の建設的な一員として迎え入れるべきだった。

■自分を中国人と思う台湾人は3割

「台湾も大陸もどちらも中華民族だ」、と毛沢東の弟子のように振る舞う習は口酸っぱく語るが、自分を中国人だと思う台湾人は3割に満たない。香港に高度の自治を約束しながら、いとも簡単に国際的な規範を破り捨てる中国が信用できないからだ。

「蔡英文が台湾の指導者になるには、中国の13億の人民の試験をパスしなければならない」と、駐米中国大使の崔天凱(ツォイ・ティエンカイ)が次期総統候補を牽制する。「習先生と崔大使は人民からの試験を受けたことがあるのだろうか」と切り返した蔡の舌鋒は鋭い。

 民主主義的選挙で選ばれた総統が治める台湾の存亡はアメリカのアジア政策の成否に直結している。日本の旧植民地が中国の新植民地に転落しかねない今こそ、安倍政権も台湾戦略を立てるべき時期が来ているのではなかろうか。

[2015年6月23日号掲載]

デンマークは静かに移民制限する

デンマークは総選挙の結果、中道右派連合が政権に返り咲く見込みとなった。2011年以来、政権を担っていた中道左派連合は閣外協力の政党を含めても過半数に及ばなかった。一方の中道右派連合は移民制限の急先鋒であるデンマーク国民党を入れて過半数ぴったりの90議席となった。

すると、スウェーデン議会のように中道右派と中道左派が移民制限を訴える保守(あちらでは極右の扱いになる)を切り離して、妥協するのは難しい。

2014年12月28日のエントリーで触れたように、キャスティングボートを握った極右のスウェーデン民主党を排除するために、2022年まで政府与党(中道左派)と野党(中道右派)の枠組み合意がなされた。この合意では野党の予算案丸呑みすらあり得る。

スウェーデンの与野党合意は、有権者が選んだ比較第1党が政権を握る議会制民主主義を全否定しかねないギリギリの行為である。ここまでしなければならないところに、欧州における従来の移民政策の歴史的転換点における困難と摩擦を垣間見る。

デンマーク議会2015年総選挙結果(定数:179 過半数:90)
国民議会 Folketing のみの一院制

【中道右派連合】 (90)
自由党 Liberals (34) -13
デンマーク国民党 Danish People's Party (37) +15
自由同盟 Liberal Alliance (13) +4
保守人民党 Conservative People's Party (6) -2

【中道左派連合】 (55)
社会民主党 Social Democrats (47) +3
社会自由党 Social Liberal Party (8) -9

【中道左派連合に対する閣外協力】 (33)
社会主義人民党 Socialist People's Party (7) -9
赤緑連合 Red-Green Alliance (14) +2
オルタネイティヴ Alternative (9) NEW
社会民主党(フェロー諸島の政党) Social Democratic Party (1)
イヌイットコミュニティ(グリーンランドの政党) Inuit Community (1)
前進(グリーンランドの政党) Forward (1)
※フェロー諸島とグリーンランドに議席枠がある

デンマーク政権交代へ 総選挙で野党陣営勝利 2015.6.19 13:09 産経ニュース

 デンマークで18日に投票が行われた国会(一院制、定数179)総選挙は即日開票され、DPA通信などによると前首相のラスムセン自由党党首率いる中道右派の野党陣営が過半数に達し、勝利した。ラスムセン氏が約4年ぶりに首相に返り咲く見通しで、政権が交代する。

 自由党は議席を減らしたが、移民排斥を唱える右派デンマーク国民党が躍進し、陣営全体で議席増となった。デンマーク国民党は自由党を抜き、トーニングシュミット首相率いる社会民主党に次ぐ第2党となったもよう。反欧州連合(EU)も掲げるデンマーク国民党の伸長は対EU外交にも影響がありそうだ。

 ラスムセン氏は財務相を務めていた2009年4月、当時の首相の辞任に伴い首相に就任。11年9月の総選挙でトーニングシュミット氏率いる中道左派に敗れるまで首相を務めた。(共同)

汎ヨーロッパ・ピクニック、その始まりの地に

1989年11月9日にベルリンの壁が崩壊して、冷戦終結を象徴する出来事となった。その壁崩壊の序章となったのが、その年の8月、ハンガリーで行われた「汎ヨーロッパ・ピクニック」だった。

東ドイツ市民は、ハンガリーが西ドイツとの国境を開放するとの決定を聞きつけ、当局に旅行を偽って申請して、キャンピングカーや自家用車などでハンガリーに大挙入国した。

これは「汎ヨーロッパ・ピクニック」と名付けられ、欧州統合を推進したオットー・フォン・ハプスブルク氏(2011年没)らが主導した。

市民の大量出国に慌てた東ドイツ政府は、西ドイツとの国境を開放する、と決定した。

しかし、スポークスマンは開放日時を知らされておらず、会見で発表後の翌日と述べてしまった。このため、深夜0時から市民が検問所や壁に殺到して、混乱を怖れた東ドイツ政府はそのまま開放させた。これがベルリンの壁崩壊の実際だった。

ベルリンの壁崩壊による自由を演出した最初の立役者だったはずのハンガリー政府が、シリアなどから来る移民の流入を阻止するために、セルビアとの国境に壁を設置する。約25年の自由の結果が再び壁を設置する嵌めに陥った訳だ。

「ハンガリーの壁」設置へ セルビア国境で移民阻止 全長175キロ、高さ4メートル 2015.6.19 15:45 産経ニュース

ハンガリーは19日までに、急激に増加するシリアなどからの移民の流入を阻止するため、セルビアとの国境約175キロに高さ4メートルの柵を設置する計画を明らかにした。ハンガリー通信などが伝えた。近隣諸国から冷戦後の新たな「壁」と批判する声も上がっている。

 オーストリア通信によると、ハンガリーに流入した不法移民は2012年に約2千人、14年に約4万3千人に上り、今年は既に約5万4千人。出身国はシリアやイラク、アフガニスタンが多く、トルコやギリシャ、マケドニアを経由し、大半がセルビアから入国した。ハンガリーのシーヤールトー外務貿易相は「国民を移民圧力から守る。これ以上我慢できない」と強調した。

 一方、欧州連合(EU)欧州委員会の報道官は「欧州の(冷戦の)壁が崩れた後に、再び壁を造るべきではない」と批判。ハンガリーの隣国、オーストリアのフィッシャー大統領も「間違った方向に進んでいる」と不快感を表明した。(共同)

日中のシーレーン対決、前哨戦始まる

中国共産党は、商業用船舶を新規建造する際に新ルールで設計するように義務付ける。以下の5種類の船が兵站を担うようにさせるのが目的だ。

コンテナ船
RO-RO船
多目的船
ばら積み貨物船
バルク貨物船

交戦時にこれらの船が徴用される訳だが、当然これらの船が我が国の船舶であれば、臨検、拿捕、撃沈の対象になる。彼らの言う通りに設計されるかなど疑問点は多々あるが、彼らも南シナ海におけるシーレーン上の戦いが近いことは意識しているのだろう。

中国、商用船舶を軍事転用可能に 新規建造で指針=英字紙 2015年 06月 18日 11:27 JST ロイター

[上海 18日 ロイター] - 中国の英字紙チャイナ・デーリーによると、中国政府はすべての造船会社に対し、新規に建造する船舶を緊急時に軍事目的に転用できる構造とするよう義務付ける指針を承認した。

中国船級協会が明らかにした。


New rules mean ships can be used by military By Zhao Lei (China Daily) Updated: 2015-06-18 07:42

The country has approved a set of technical guidelines that require all civilian shipbuilders to ensure that their new vessels are suitable for military use in an emergency, the China Classification Society has revealed.

The Technical Standards for New Civilian Ships to Implement National Defense Requirements cover five categories of vessels - container, roll-on/roll-off, multipurpose, bulk carrier and break bulk. They establish specifications and design requirements that will mean vessels can serve national defense needs if they are mobilized, the society said in a statement.

The document is the result of a five-year joint effort by the society's Shanghai Specifications Institute and ship experts from the People's Liberation Army's Nanjing Military Command, and has been ratified as a national military standard.

Its implementation will enable China to convert the considerable potential of its civilian fleet into military strength and will greatly enhance the PLA's strategic projection and maritime support capabilities, according to the statement.

In addition, the national legislature will soon begin work on a National Defense Transport Law that will entitle shipbuilders to receive funds to cover the extra cost of making ships suitable for military use and provide insurance for owners in case their vessels are damaged during military operations, PLA Daily reported.

China had about 172,000 civilian ships at the end of last year. More than 11,000 were dedicated to inshore transportation operations and around 2,600 performed ocean transportation, statistics from the Ministry of Transport show.

"Modern naval warfare often requires the mobilization and deployment of a large number of ships while the mass production of naval ships in peacetime is not economically sensible," said Cao Weidong, a researcher at the PLA Naval Military Studies Research Institute. "Therefore, it is a common practice that shipbuilders reserve some military application platforms on their civilian vessels so they can serve the navy in wartime."

In the past, only State-owned shipbuilders would consider military potential. The new standards will help translate the private shipbuilding sector's strength into military prowess.

Li Li, a military logistics researcher at the PLA National Defense University, said Western navies have benefited considerably from their close collaboration with private shipbuilders.

The United Kingdom requisitioned or refitted a large fleet of civilian ships to support its operations in the 1982 Falklands War, also known as the Malvinas War, and the rapid deployment of these vessels greatly assisted the Royal Navy, she added.

リベラルの“ミンストレル・ショー”

1980年代の昔、奨学金目当てで黒人に成り済まして、大学に入った男子学生が、本当は自分の代わりに奨学金を貰うはずだった女子学生が苦学しているのに接して行く内に、ふたりは恋に落ちるという喜劇映画があった。

2010年代の今、利権目当てで黒人に成り済まして、全米黒人地位向上協会(NAACP)の支部長を務めている意識高めのレイチェル・ドレザル女史の所業がバレたわけだが、自らのポジションを守ろうとしている姿は滑稽な喜劇とも云える。

1986年に公開された映画『ミスター・ソウルマン』(Soul Man、本邦公開は1987年)は、ハーバードに無事合格したものの、親は「自分のカネは自分のカネ、お前には使わない」と、ある意味、正しいアングロ・サクソン系の価値観で学資が貰えないことに慌てた主人公が、黒人対象の奨学金を目当てにタンニングで、見事黒人に成り済まして入学に成功するが、彼のせいで奨学金が貰えなかった黒人女性の苦学生振りを目の当たりにして、改心するというストーリーだった。スクリーンの外の現実でも、苦学生を演じた黒人女優と主人公を演じた俳優が結婚していた(のちに離婚)。

今回、黒人成り済ましが発覚したレイチェル・ドレザル女史は、正真正銘の白人の両親から産まれている。ただし、両親は4人の黒人を里子として育てた篤志家であり、黒人と一緒に暮らしたのは間違いない。そこでどういう影響を受けたかは知らないが、黒人として大学教授になって、黒人として市の警察関係のアドバイザーを務め、黒人としてNAACPの支部長を務めていた。現実にマイノリティの人権問題はカネになることをこの人のキャリアが示している。

かつて、顔を黒く塗った白人が芸を披露することを“ミンストレル・ショー”と呼んだ。そこに差別的な意味合いを読み取って、今では非難されるものだけれど、こうしたリベラルの“ミンストレル・ショー”は黒人に敬意を払っているようで、カネと利権にひれ伏していることを示している。

Race of Rachel Dolezal, head of Spokane NAACP, comes under question 16:56 GMT June 13, 2015 CNN

黒人装い続けた白人女性が団体支部長を辞任「何のため?」 白人警官追及の急先鋒 2015.6.16 19:26 産経ニュース

公民権団体幹部が「人種詐称」=実は白人、写真暴露され辞任-米 2015/06/16-15:29 時事ドットコム

黒人団体女性幹部、実は白人? 全米で人種めぐる議論に 2015年6月17日 18:53JST WSJ日本版

【ニューヨーク】全米黒人地位向上協会(NAACP)で地域支部長を務めていた女性が、実は黒人ではなく白人だった疑いが浮上し、全米で人種をめぐる議論が巻き起こっている。

 この女性はレイチェル・ドレザルさん(37)で、ワシントン州スポケーンのNAACP支部長を務めていた。髪は黒くスパイラルパーマがかかり、肌は浅黒い。黒人が多く通うハワード大学を卒業し、黒人男性と結婚している。長年、自分は黒人だと明言していた。

 だが、両親が前週、ドレザルさんが先住民族の血を引く白人であることを明らかにしたことで事態が一変。ドレザルさんはこれまで北西部を中心に公民権運動の活動家としてキャリアを積んでいたが、この数日でほぼすべてを失った。

 NAACPの支部長を辞任したばかりか、地元大学のアフリカ研究の非常勤講師を辞め、フリーの新聞コラムニストとしての職も失った。またスポケーン警察監督機関のポストに応募した際に人種を偽った疑いで市の倫理委員会の調査を受けている。

 両親が公開したドレザルさんの子ども時代の写真には、肌が明るく、金髪でストレートヘアの姿が映っている。

 ドレザル氏は16日、NBCのテレビ番組「トゥデイ」に出演し、「あなたはアフリカ系米国人か」と質問されたのに対し、「自分は黒人だ」と主張。自分は5歳ころから黒人だと考えるようになり、子どもの頃は自分の絵を茶色で描いていたと語った。また、人々をだましたとの見方には「怒りを覚える」とし、「冷酷で悪意に満ちたものだ」と非難した。

 ドレザルさんの一件は、全米で人種のアイデンティティーをめぐる議論に火をつける形となった。ドレザルさんの立場についてはNAACP内でも意見が分かれている。NAACPはこれまで、支部長のポストは黒人である必要はないとの見解を示してきた。

(AP通信)

支那人にアファーマティブ・アクションは要らない

米国の大学適正試験における不正(成り済まし受験、替え玉受験、試験内容の漏洩など)の摘発、留学生による成績不良とカンニングによる退学処分の増加、大学におけるスパイ事件の多発など、これらは結果として支那系と韓国系移民の米国社会からの排除につながっていくだろう。

と、2015年5月30日のエントリーで書いた。

ハーバード大学が「アジア人お断り」、との見出しでニューズウィーク日本版が記事を掲載している。つい最近、入学試験その他の不正が多発していることに触れていないのも問題だが、この件に関しては、米国の対中姿勢の激変も絡めないと、読者は理解できないのではないか。

もうひとつに、そもそもアファーマティブ・アクションは廃止傾向にあって、私学からアジア系留学生(うち約3割超は中国人)が排除されようとしていて、白人系の優遇が復活されるとしても、それは一概に悪とは言い切れない。成績不良でも人種の割り当てを優先した以上、成績優良でもアジア系の入学を認めないのは人種の割り当てに即しているとも云える。

それに米国の思想・宗派・人種・民族・階層ごとに、棲み分けが進んでいるコミュニティの再編を無視しては語れないだろう。頻発する黒人暴動は棲み分けの中にあって、再編の動きから見捨てられている現状に対する絶望的なアクションと云える。リベラル派は、この現実に追い付いていない、もしくは現実を受け入れられずに急進的な動きを取っているのかもしれない。

アファーマティブ・アクションは非自由意志で合衆国にやって来た黒人と先住民族だったネイティブ・アメリカンに与えられるべきものであって、自由意志で渡ってきたアジア系や支那系には適用されない。この根本的な成立要因をリベラル的なメディアは、論説から意図的に外している、と思われる。

たしかにアファーマティブ・アクションは公民権運動の成果のひとつだった。黒人系の入学枠を増やすために学力が低くても入れるように法と行政で定めたものだ。これは一種の逆差別に他ならないため、時限措置として廃止傾向にある。白人系を優遇するのは原状回復とも考えられるし、学内や企業内の人種構成をどうするかについては、個別の裁量権が認められるべきだろう。

それが不満な場合は任意に法廷で争うべきだろう。おそらく採決も、公企業(公立学校)と私企業(私立学校)では扱いが異なってくるだろう。つまり、ハーバード大学に合衆国の人種構成通りに、もしくは成績優先のみで入学を認めよ、と要求するのはリベラルの傲慢さを示すとともにリベラルの後退をも示している。

ハーバード大学が「アジア人お断り」 2015年6月15日(月)17時52分 NEWSWEEK日本版

20世紀の前半、一部のエリート大学はユダヤ人の入学者数に上限を設けていた。放っておけば、優秀なユダヤ人がキャンパスにあふれてしまうからだ。例えばハーバード大学は、ユダヤ人学生が増えすぎてボストンの保守派の不興を買うことを恐れた。ユダヤ人が他の候補者に比べて優れているとしても関係はなかった。とにかくこれ以上増やしたくなかったのだ。

 今、当時のユダヤ人に取って代わったのが、アジア系の学生だ。最近のウォール・ストリート・ジャーナルの記事「ハーバードの中国人排除法」の取材源である中国系移民の実業家、ユコン・ジャオによると、ハーバードなどの一流大学は、アジア人学生には他の人種より厳しい合格基準を設けているという。ジャオたちは、それが違法だとしてハーバードを訴えた。

 64年の公民権法によれば、連邦政府の資金を得ている大学は、人種に関わらずすべての学生を公平に扱わなければならないと定めている。

 だがアジア系アメリカ人が合格するには、SAT(大学進学適性試験)で白人より140ポイント、ヒスパニックより450ポイント、アフリカ系アメリカ人より450ポイント、高いスコアを取らなければならない。こんな基準は、到底公民権法にかなっているようには見えない。

■彼らは「増えすぎるから」という理由だけで入学を拒否されている

 だが、ハーバードは多額の訴訟費用にも耐えられるし、役所や法曹界も古い理想に染まっている。大学は、学生の「多様性」を実現するため、合格審査にあたって「全人的な(=主観的な)」基準で選抜することを許されるべきだ、という考えだ。

 大学が学生に占める人種的マイノリティーの比率を意図的に引き上げ始めたのは70年代のこと。「人種的多様性」を確保することでマイノリティーにチャンスを与え、より刺激的な学習環境も確保できるという考え方だ。結果として、多数派の白人は締め出された。

 人種による差別の結果は簡単だ。大学は最も優秀な学生の一部を締め出し、その代わりにそれほど優秀でない学生を入学させる。大学のレベルは下がる。

 今締め出されているのは、中国系、日系、韓国系、インド系の学生たちだ。彼らは、ハーバードのようなトップクラスの大学から入学を拒否されている。「増えすぎるから」という理由だけで。もし入学を認められていれば、学問的に貢献するだけでなく、大学にもさらなる名声すらもたらすはずだが。

■成績で合否を決めているカルテックではアジア系が40%超に

 模範的なエリート校もある。カリフォルニア工科大学(カルテック)のアジア系の比率は、93年の26%から今日の42.5%に増加している。入学審査において人種や民族の「多様性」という詭弁を使わず、学問的に優秀かどうかだけを基準としているからだ。

 ハーバードに対して立ち上がったアジア系に、アジア系以外の人種も加わるべきだ。これは、優秀な人材に最高の学習環境を確保するための戦いなのだから。

もはや世界は難民を受け入れない

地中海と南シナ海で起きた(不法移民を含む)難民を巡る各国の押し付け合いを見るに、財政的負担となる生活の糧を持たない人々を受け入れるキャパシティが各国になくなりつつある。

シリアでは内戦が続くなか、再び「イスラム国(ISIS)」の勢力が伸長している。トルコ政府はシリア-トルコ国境沿いで難民の入国を阻止している。財政的負担もそうだが、トルコ国内にクルド系とスンニ派以外のムスリムが流入すれば、中長期的な宗派・民族・人種のバランスを崩す。

議会の過半数を失ったばかりのエルドアン政権は、大トルコ主義的なナショナリズムを推進しているため、国民(ネイション)の統合をさらに難しくする要因を抱えようとはしないだろう。グローバリゼーションの名の下で、ヒト・モノ・カネは充分に動いた。現在の世界の傾向は、入り混じった民族や人種、言語など異なった風俗を再統合する争いに移行しつつある。

トルコ、シリア難民入国を放水・威嚇射撃で阻止、戦闘激化で国境殺到 2015年06月14日 10:35 AFPBB NEWS

【6月14日 AFP】トルコ南東部のシリアとの国境の町アクチャカレ(Akcakale)で13日、激化するクルド人部隊とイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」との戦闘から逃れようと国境に殺到するシリア人難民に対し、トルコ治安部隊が放水や威嚇射撃を行って入国を阻止した。現地で取材中のAFP写真記者が確認した。

 シリア人難民らは国境の周辺に設けられた有刺鉄線の囲いの中に留め置かれている。

 アクチャカレから国境を挟んですぐのシリアの町テルアビヤド(Tal Abyad)はISに制圧されているが、英国に拠点を置く非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によれば現在、クルド人民防衛部隊(Kurdish People's Protection Units、YPG)が町から10キロメートル以内まで迫っている。

 国境には戦火を逃れようとするテルアビヤドの住民が続々と詰め掛けており、緊張感が高まっている。トルコの警察と軍は国境フェンスを乗り越える者がないよう厳重な警備を敷き、フェンスに近づく者がいると放水や威嚇射撃で遠ざけようとしているという。避難してきた女性の多くは頭から全身を黒い服とベールで覆い、所持品を入れた白い袋を頭部に乗せている。

 トルコは2011年にシリアで内戦が始まって以来、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領の掲げる政策に従って、180万人のシリア難民を受け入れてきた。しかし、トルコ政府は11日、戦闘激化を受けてここ数日で数千人のシリア難民が国境に殺到したことを受け、難民のトルコ入国を制限する方針を明らかにした。

 ヌーマン・クルトゥルムシュ(Numan Kurtulmus)副首相は、今後アクチャカレでは人道危機とみなされる場合のみ入国を認めると説明した。ただ政府は、難民受け入れに関する基本政策に変更はないと強調している。

 トルコ当局によると、この数日間で国内に流入したシリア人は、既に1万3500人を超えた。

 トルコ政府は数か月にわたり、トルコの負担が増す一方で欧米はシリア難民問題を傍観していると非難を強めており、4月にはこの4年間で難民対策に55億ドル(約6800億円)を費やしたと発表していた。(c)AFP/Bulent KILIC

人工島の運用開始は、2016年の“仏印進駐”

中国共産党が南シナ海で埋立を進めている人工島に滑走路や港湾を建設して、航空機や艦船の運用を開始した時点が戦争の阻止限界点になるだろう。おそらく2016年までには運用開始できる、と予測される。

人工島の埋立が第1段階、港湾などの建設が第2段階、艦船などの運用の開始が第3段階と、次第にエスカレートしていくが、周辺各国は復仇の原則に従って、同様に岩礁の埋立や港湾の建設や民間人の移住を進める。

同じ動きを見せるのに顕著なのはベトナムで、どちらも国際法から見れば、岩礁に変わりなく、領海やEEZを主張できるわけではない。しかし、埋め立てた岩礁を拠点に南シナ海全域の作戦遂行能力と兵力の投射能力が高まることがシーレーンに対する脅威になる。

現在審議されている安保法制の眼目は、南シナ海のシーレーン防衛のために集団自衛権が必須だという点にある。筆者は2015年の世界情勢を1939年のそれに近似する、と比定している。

すると、来たる2016年は1940年となる。日米戦争の阻止限界点として仏印進駐が挙げられるが、人工島の運用開始は中共VS日米豪・ASEANの阻止限界点として後世、挙げられるかもしれない。

南シナ海、民間人の「入植」が対中国の切り札か 2015年6月1日(月)14時22分 NEWSWEEK日本版

[香港/マニラ 29日 ロイター] - 中国は南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島で人工島の建設を進めており、その軍事利用の可能性をめぐる議論が過熱している。一方、そうした問題に隠れ、ほとんど注目されていないことがある。それは、南シナ海一帯で増えつつある一般市民の存在だ。

ベトナムとフィリピンがそれぞれ実効支配する小さな島では、子供たちが毎日学校に通っている。そこからさほど遠くない場所では、中国が灯台や気象観測所を建設している。領有権をめぐる争いが高まるなか、このような傾向は今後起こり得る軍事衝突を複雑にする恐れがある。

同海域の大半の島は台風などの災害に無防備で真水も少ないため、こうした動きは小規模な範囲に限られるとみられている。しかし専門家たちは、領有権を争う他の国々にとって、市民生活の積み上げは重要な意味を持つと指摘する。

東南アジア研究所(シンガポール)の南シナ海専門家、イアン・ストーリー氏は「法的立場を確実に強化する。軍事だけでなく、一般市民も含めることで効果的な統治を明確に示すことができるからだ」と指摘。そのうえで、「南シナ海の領有権問題が国際司法裁判所に付託された場合、そのことが重要となるだろう」と語った。

中国は南シナ海の大半で領有権を主張。年間5兆ドルの貨物が行き交う海上交通の要衝である同海域では、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイ、台湾も一部領有権を主張している。ブルネイ以外は、南沙諸島に軍施設を有している。

同諸島で中国は少なくとも滑走路1本や他の軍事施設の建設を押し進めるが、同国当局はこうした作業の民間的な側面を強調している。

中国外務省国境海洋事務局の欧陽玉靖局長は、国営メディアに対し、中国は南沙諸島での施設を軍事利用する「あらゆる権利」があるとしたうえで、施設は「主に民間目的」に使われるだろうと語った。

同局長はそうした民間利用の例として、海難救助や防災、科学的研究、気象観測などを挙げた。26日の国営メディアの報道によると、中国は南シナ海で灯台2基の起工式を行った。

<定期クルーズ船も>

中国は2012年に西沙(英語名パラセル)諸島の永興(同ウッディー)島に海南省下の市政府を置き、南シナ海一帯での行政機構整備を加速させた。西沙諸島は1974年以降、中国が実効支配しているが、ベトナムなども領有権を主張している。

現在、中国本土の旅行者は海南島からの定期クルーズ船で永興島に行くことができる。旅行会社のウェブサイトには「中国の最も美しい庭に足を踏み入れることは、わが国の主権を宣言することだ」と書いてある。

中国南海研究院の呉士存院長はロイターに対し、今年に入って永興島を訪れた際、人口が数百人に増加し、道路やごみ収集施設の建設が進んでいたと話した。小学校や病院のほか、漁師の家族が買い物できる店も複数あるという。

フィリピンが実効支配する南沙諸島のパグアサ島とはかなり対照的だ。同島では、約135人の兵士や一般市民が共同で野菜を作るなどして生活を送っている。1年前に夫と息子と一緒に同島にやって来たというロベリン・フーゴさん(22)は「すべて無料なので生活できる」と語った。

<単なる岩礁>

一方、ベトナム国営メディアによると、同国が実効支配を続ける南沙諸島のサウスウエスト島では今月、小学校が開校した。同諸島で過去2年間にべトナムが建てた学校は3校目となる。診療所も改良工事が行われているという。

国連海洋法条約の下では、一般市民の人口や経済活動を維持するために必要な島の能力は、200海里の排他的経済水域(EEZ)を主張できるかどうかを判断するのに必要不可欠だと、弁護士たちは指摘する。

主張できない場合、法的には単なる岩礁とみなされるという。

オーストラリアの法律専門家クリーブ・スコフィールド氏は、埋め立て地に民間人を置くだけではEEZを主張するのに十分ではないと指摘。「市民の人口がいかに拡大しようとも、どのような経済活動が行われていようとも、法的性質は変わらないだろう」と述べた。

こうした法律な話はパグアサ島での生活からは程遠いかもしれないが、領有権をめぐる中国の動きを避けることは難しい。

夜になると、20キロ先で中国が埋め立て作業を進める渚碧(同スービ)礁の明かりが見える。

「ラジオが伝えるここの状況は恐ろしい。島を離れる準備はできている」とフーゴさんは語った。

(Greg Torode記者、Manuel Mogato記者、翻訳:伊藤典子、編集:宮井伸明)


参考URL:
南シナ海における中国の活動 2015年5月29日 防衛省(PDF)

“パクス・シニカ・アメリカーナ”を演出できるか

中国共産党は、米国のホワイトハウス、国務省、国防総省、財務省、共和党と民主党及び在野のシンクタンクすべてを敵に回しつつある。たとえば、イスラエルのネタニヤフ政権は中東和平を巡ってホワイトハウスと国務省と激しい対立関係にあるが、同時に国防総省や上下両院の多数を占める共和党と友好関係を保っている。しかし、中共の習近平政権にはそうした深謀遠慮もバランス感覚もなくなっている。

太平洋を東西に分割せよと豪語し、東シナ海から南シナ海のシーレーンを脅かすに到って国防総省の虎の尾を踏んだ。責任ある大国になることを期待されながら、その「G2論」を吹き飛ばしてホワイトハウスと国務省の虎の尾を踏んだ。アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立を画策して、またIMFの特別引出権(SDR)通貨に人民元を要求するに到って財務省の虎の尾を踏んだ。

日米は、中共が南シナ海を内海化して、SLBMを搭載した戦略原潜が遊弋するのを容認できないだろう。日米との対決によって、沿岸部のシーレーンが途絶(もしくは先細り)することを想定して、社会と経済のシステムを意図的に組み替えて、中央アジアやロシアへ接近する“第2次冷戦”を中長期的に構想しているのならば、“パクス・シニカ・アメリカーナ”の時代の演出者になれるかもしれない。ただし、それにしては移行するための演出が過激すぎる点が分からない。一種のショック療法なのだろうか。

現在のロシアは国力差も踏まえて、ICBMに依存して、相互確証破壊に頼って国家のゲームを戦う。その一方で、中国共産党は、あらゆる意味で過去の冷戦のゲームを理解していないのではないか。相互確証破壊の恐怖は、冷戦が長期化して年月が下るに従って、国土の縦深から来る最終的な生存の希望を打ち砕いた。ロシアと中共とが、強い同盟で結合すれば、大陸間弾道弾の質量で日米と露中は均衡する。南シナ海での対決の行方は外交上、ロシアを切り崩せるかに大きな比重が掛かる。

IMF調査団が中国訪問、SDR構成通貨見直しで 2015年 06月 13日 07:03 JST ロイター

習主席異例の“側近外交” 党関係者「権力闘争が激化」  2015.04.12 ZAKZAK

習主席に脅威 側近に“黒いカネ”爆弾 「反腐敗運動」トップ自ら汚職疑惑 2015.05.02 ZAKZAK

オバマ政権、金融面でも習政権に“絶縁状” VOAでは痛烈な中国批判 2015.06.05 ZAKZAK

 米オバマ政権は軍事ばかりでなく金融面でも増長する習近平政権に対し、絶縁状を突きつけている。

 それを物語るのは、王岐山党中央常務委員(66)に対する「捜査」である。王氏は党中央規律検査委員会トップで、党幹部の不正蓄財一掃をスローガンにする習近平主席の片腕である。2008年9月にリーマン・ショックが起きると、ワシントンとの間で米中協調を話し合った。オバマ政権やニューヨーク・ウォール街でも高い信頼を得ているとみられていた。ところが、ワシントンの態度は一変した。

 きっかけは、今年2月初旬に表面化した米金融大手、JPモルガン・チェースに対する米海外腐敗行為防止法(FCPA)違反容疑である。同法は、米企業による海外での贈賄を禁じている。米司法省と証券取引委員会(SEC)は、捜査の過程で、モルガン幹部と党幹部の間でやりとりされたEメールなどの通信記録を検証したところ、高虎城・商務相が商務次官を務めていた08年、JPモルガン・チェースに在籍していた息子・高●(=王へんに玉)氏の雇用継続を条件に、同社のために「一肌も二肌も脱ぐ」と申し出ていたことが発覚した。

 ウォールストリート・ジャーナル紙など米メディアによれば、米当局は高商務相ばかりでなく、中国側の調査対象として35人をリスト・アップ、その筆頭格に王岐山氏を挙げている。王氏の配下で党幹部不正取り締まりを担当した公安部長、中国銀行副行長、中信集団など国有企業大手のトップも含まれる。

王岐山氏自身は夫人(姚依林元副首相の娘)との間に子はない。しかも、中国国内でも清廉潔白で厳しく悪をただすとの評判がある。ところが、米当局は周辺の党幹部からの依頼を受けて、交流のあるモルガンなど米金融大手に「口利き」して利権を仲介したとの嫌疑をかけている。

 モルガンが党幹部子弟の雇用継続でどれだけの不当な利益を得たかどうかを、厳密に実証するのは実際には困難で、結局はモルガンへの罰金を科す程度で決着させるとの見方が強かった。ところが、米当局は王岐山氏に狙いを定めていることをメディアにリークしたばかりか、対外情宣活動を行うボイス・オブ・アメリカ(VOA)の中国語版「美国之音」の5月29日付インターネット番組に北京に批判的な在米中国人専門家4人を登場させ、習主席や王氏の不正蓄財取り締まりのいい加減さを余すところなく語らせた。

 「美国之音」については北京当局が報道管制し、本土での受信を遮断しているが、海外の中国人社会にはその内容が知れ渡っている。ほんの一部を除き、大物の腐敗幹部については不問に付しているばかりか、取り締まる王氏の周辺は米金融大手と癒着三昧、というわけで習主席の面子は丸つぶれである。オバマ政権はワシントン・ニューヨークの王氏とのパイプを廃棄し、北京と全面対決に転じたのだ。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

エルドアンはアタチュルクを超えられない

トルコの総選挙の結果、エルドアン大統領の公正発展党(AKP)が比較第1党となったものの過半数割れに終わった。選挙結果が確定してから、45日の間に連立内閣の工作が失敗すれば、再選挙の可能性がある。連立相手には民族主義者行動党(MHP)が予想される。新興国全般の景気低迷が予測されることから、再選挙を行ってもAKPが過半数に届くのは難しい。

エルドアン大統領の目的は、議院内閣制から大統領制への移行の是非を問う国民投票を実施できる330議席、もしくは憲法改正に必要な367議席を確保することにあった。2014年8月には10年余り務めていた首相の座を退き、自ら大統領に就任していた。

約10年間に渡って、公正発展党の政権を支えた外部要因は、なにより経済成長による再分配だった。しかし、2014年のトルコ経済の成長率は2.9%。失業率は11%前後と過去5年で最悪水準。一方で、2011年の成長率は9%前後だった。外資に頼る新興国経済の例に洩れず、量的緩和のテーパリングが始まり、ドル金利上昇が予想される中で成長期待は萎んでいく。

トルコ首相が辞職へ、総選挙での与党過半数割れ受け 2015年 06月 10日 09:20 JST ロイター

トルコ総選挙、与党が初の過半数割れ クルド系政党躍進 2015年 06月 8日 08:22 JST ロイター

焦点:トルコ総選挙、エルドアン大統領の「野望」を有権者が拒絶 2015年 06月 9日 16:06 JST ロイター

[FT]トルコの運命がかかった総選挙(社説) 2015/6/5 15:30 日経

[FT]トルコ、総選挙後の政局混迷で経済に暗雲 2015/6/10 15:00 日経

トルコ2015年総選挙結果(定数 550・過半数276)

公正発展党(AKP、保守・中道右派) 258 ▼69
共和人民党(CHP、中道左派) 132 ▼3
民族主義者行動党(MHP、極右) 80 ▼27
国民民主主義党(HDP、左派・クルド系) 80

※得票率が10%を超えない政党は議席を獲得できない。このためクルド系は無所属として立候補してきた。前回選挙は36名当選。大半はクルド系政党である平和民主党の候補者だった。

トルコは、多民族を擁する帝国・オスマン朝から国民国家・トルコ共和国に移行する際、テュルク系民族を統合させようとする大トルコ主義(汎テュルク主義)と、アナトリア半島に居住するムスリムのみで国民を形成させようとする小トルコ主義(ケマル主義)とが相克するなかで、第1次大戦の敗北からケマル・パシャ(のちのアタテュルク)の小トルコ主義を採った。

つまり、第1次大戦後の小トルコ主義を採用した“戦後レジームからの脱却”をトルコのエルドアン大統領は行いたい。その意味では大枠でシリアからイラクの国境線すら変更しようとするISIS(イスラム国)の思惑と変わらない。ただし、安倍首相のように先進国と新興国のつなぎ役たることを自認するようなレトリックを唱えていないのが大きな違いと云えるだろう。

と、2014年12月16日のエントリーで述べたが、エルドアンはアタテュルクを上回る存在になり得ず、ついに終わるかもしれない。

大トルコ主義の先駆者、エンヴェル・パシャはテュルク系民族の諸国との回廊を作るために、アルメニアと衝突した。100年後の今もなお非難されるアルメニア人虐殺が、それである。その悲劇を予め回避するには、ロシアの了解を取りつつ、クルド人の居住地域を通過する必要がある。ところがエルドアン大統領の眼前に、クルド系の国民民主主義党(HDP)が立ち塞がっている。

かつて、エンヴェル・パシャの敗北に続く国家滅亡の危機に瀕して、アタテュルクの強権は確立した。逆転がありうるならば経済がさらに悪化し、シリアとイラクの内戦がトルコに波及するほどの混乱に乗じる形でしか果たせないかもしれない。

グルジア大統領がオデッサ州知事になる滑稽

ウクライナ危機で起きたドンバス紛争で親露派に占拠された都市ドネツク。6月3日には、ドネツク郊外のマリインカやクラスノゴロフカで、政府軍と親露派(最大1000人規模)の戦闘が起きて、住民に計20人超の死者が出た、とされる。

2月の和平合意(ミンスク2)のプロセスでは撤去されることになっていた重火器を双方が使用した。

最初の和平合意(ミンスク1)は2014年9月に成立。ミンスク1は、2015年1月にドネツク空港などで大規模衝突が再発して破綻した。2月までに和平合意(ミンスク2)が発効したものの融雪期とサミット直前を迎え、戦闘が再発した。

首相、ウクライナ初訪問 2015年 06月 6日 07:55 JST ロイター

サミット前に東部で戦闘激化 双方が非難合戦 和平合意もはや形骸化 2015.6.5 21:57 産経ニュース

親ロ派がウクライナ東部に侵攻、政府軍と激しい戦闘 2015年 06月 4日 10:40 JST ロイター

そんなさなか、サアカシビリ前グルジア大統領がウクライナのオデッサ州知事に就任した。

サアカシビリ氏は、2008年の南オセチア紛争を仕掛けて、ロシアの逆撃を被り、敗北してグルジア国民の支持を失った。

今回はウクライナ国籍を取得して、親露派の反乱を鎮圧した経緯のあるオデッサ州の知事になった。欧米とのコネクションを期待しての人事のひとつであるが、国内の人材が払底している印象を受ける。グローバリゼーションからナショナリズムへの時代に逆行するあたり、ウクライナの弱さを示している。

ウクライナの知事に「反露」ジョージア前大統領 2015年05月31日 10時15分 読売新聞

【モスクワ=緒方賢一】インターファクス通信によると、ジョージアの前大統領で、親欧米路線を掲げてロシアと敵対したミハイル・サアカシビリ氏(47)が、ウクライナ南部オデッサ州の知事に就任する見通しとなった。

 ポロシェンコ大統領が近く、政府の提案に基づき任命するという。

 ポロシェンコ大統領は、「反露」の旗手であるサアカシビリ氏と共闘し、東部の武装集団を支援するロシアへの対抗姿勢を強める狙いとみられる。

 同氏は知事就任に必要なウクライナ国籍を取得したといい、29日にはフェイスブックに「私はオデッサを愛している」と書き込んだ。

フランスは永遠にドイツに呻吟する

フランス第三共和政はナチス第三帝国に滅ぼされた。遡ればフランス第二帝政もプロイセンに滅ぼされた。そのプロイセンはナポレオン三世の帝冠を奪い、ドイツ帝国(第二帝国)となった。

第一次大戦によってドイツ帝国は滅びた。カイザーの巻き起こした戦火は、ルール地方とロレーヌ地方、それにルクセンブルクとベルギーのワロン地方にまたがって存在した一大鉄鋼業のコンプレックスを粉々に砕いた。それだけでなく塹壕戦によって、フランス北東部を焦土にした。

それでもフランスは第一次大戦に勝った。しかし、石炭生産高は戦前比約80%減、鉄鋼生産高及び農産物生産高は約60%減。ヴェルダンの戦いに代表される人類史上最大の消耗戦は、動員兵力の66%以上の損害をフランスに与えた。青年人口の27%が失われ、就労人口の10%が失われた。また、戦傷によって150万人近い身体障碍者が発生して、5万人の子供が孤児となった。

これらの人的損害は人口動態を修復できないものとした。工業基盤の弱体化から税収は不足し、増税せねば財政基盤は弱まる。これを巡って左右対立は進み、終戦から10年間のうちに13回も内閣が入れ替わる有り様だった。国力の低下と内政の混乱は、ワイマール共和国に対する強硬姿勢につながり、ナチス台頭の一因となり、破滅を招いた。

陸軍の動員力を防衛の基礎とする大陸国家の動員力にとって、この出生率に関するトラウマは、現在の家族制度の解体と無制限にも思えるムスリムの流入に繫がっている。

ムスリムをフランスに同化できないまま、ドイツの影響力からも脱することができない運命を前にして、歴史人口学の泰斗エマニュエル・トッドは、『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告』を著している。

ムスリムをエガリテの名の下にフランス人にさせることが叶わないように、ドイツの人口圧力と工業力を回避・克服するために、フィクションとしての欧州統合を推進したフランスだったが、やはり現実はひっくり返せなかった。

「欧州におけるドイツ」は、「アジアにおける中国」か? 2015.06.10 07:30 本の話WEB

(前段省略)

 最も重要な主題はドイツだが、「日本の読者にきっと役立つ」とトッド氏自身が述べているように、「『ドイツというシステム』は驚異的なエネルギーを生み出し得るのだということを認める必要がある。歴史家として、また人類学者として、私は同じことを日本についても、(略)言うことができる」(三〇頁)などと、随所に直接、日本への言及がある。

 同じ直系家族構造(長子相続と不平等な兄弟関係が特徴)のドイツと日本の比較もある。

「日本社会とドイツ社会は、元来の家族構造も似ており、経済面でも非常に類似しています。産業力が逞しく、貿易収支が黒字だということですね。差異もあります」(一五七頁)

「〔ドイツの〕輸出力が途轍もないとはいえ、技術の面で、たとえば日本のレベルには遠く及ばない」(二一三頁)

「日本の文化が他人を傷つけないようにする、遠慮するという願望に取り憑かれているのに対し、ドイツ文化はむき出しの率直さを価値付けます」(一五七頁)

「最近日本へ行き、津波で荒らされた地域を訪れた(略)。日本人の伝統的社会文化の中心を成すさまざまなグループ──共同体、会社など──の間の水平の連帯関係が、事態に対応できなくなった政治制度に代わって、地域の再建・復興を支えていたのです。ドイツに比べ、日本では権威がより分散的で、つねに垂直的であるとは限らず、より慇懃でもあります」(一六一頁)

 さらに、「現在起こっている〔ウクライナでの〕衝突が日本のロシアとの接近を停止させている。ところが、エネルギー的、軍事的観点から見て、日本にとってロシアとの接近はまったく論理的なのであって、安倍首相が選択した新たな政治方針の重要な要素でもある」(七一頁)と、日本の外交についての、より踏み込んだ具体的な指摘もある。

 まずは本書のこういった点が日本の読者の関心を惹くだろう。

 しかし、本書の主題は何と言っても、冷戦終結後のドイツの擡頭が招きよせるヨーロッパの危機である。通常、ドイツに比せられるのは日本である。トッド氏も、同じ家族構造のドイツと日本の文化や経済システムの類似性を指摘しているのは、上に見た通りである。だが、地域の安全保障の問題として考えた場合、ドイツに比せられるのは、日本であるよりも、アジアにおける中国なのかもしれない。

たとえば、「ドイツと比較される東アジアの国といえば、なにかについて日本が対象にされ、日本人自身もなんとなく日独両国の間には共通性が多いと思いこんでいる」と指摘する歴史学者の野田宣雄氏は、次のように述べている。

「だが、実際には、冷戦の終結を境として、日独両国は決定的に異なる道を歩みはじめるようになったと考えた方がよい。(略)統一後のドイツが明らかに『中欧帝国』形成の道を歩もうとしているのにたいして、日本には、東アジアで『帝国』を形成しようとする意志もなければ、そのための地政学的あるいは歴史的な条件も乏しいからである。結論を先にいえば、ヨーロッパにおけるドイツと同様に東アジアにおいて『帝国』を志向しているのは、中国であって日本ではない。(略)もちろん、ドイツのめざす『中欧帝国』と中国が志向する『中華帝国』とでは、その内容も性格も大いに違う。しかし、重要なのは、地域の中心部における『帝国』の建設にともなって、周辺の諸国家が深刻な影響を受けるという点では、ヨーロッパも東アジアも同じだということである。(略)その意味では、現在の日本がおかれている国際的な位置は、ヨーロッパにおけるドイツのそれよりも英、仏、伊といった諸国のそれと比定すべきであろう」(『二十世紀をどう見るか』文春新書)

 トッド氏によれば、ドイツの擡頭は、アメリカ帝国の衰退と連動している。

「一九四五年の勝利の遺産、アメリカによるヨーロッパの制御の鍵、それはドイツをコントロールすることだ(略)。二〇〇三年からのドイツの擡頭を確認すること、それはアメリカ帝国の崩壊の始めを確認することだった」(三一~三二頁)

 こうした地政学的な変化は、ヨーロッパに限られない。アジアも同様だ。「アメリカシステムとは、ユーラシア大陸の二つの大きな産業国家、すなわち、日本とドイツをアメリカがコントロールすることだ」(六一頁)とした上で、トッド氏は次のように言う。

(段落省略)

 しかし、見逃せないのは、擡頭するドイツと中国の接近であろう。

「『ドイツ帝国』は最初のうちもっぱら経済的だったが、今日ではすでに政治的なものになっている。ドイツはもう一つの世界的な輸出大国である中国と意思を通じ合わせ始めている。果たしてワシントンの連中は憶えているだろうか。一九三〇年代のドイツが長い間、中国との同盟か日本との同盟かで迷い、ヒトラーは蒋介石に軍備を与えて彼の軍隊を育成し始めたことがあったということを」(三七頁)

 二〇一五年三月に来日したドイツ首相のメルケル氏。二〇〇五年の首相就任以来、ほとんど毎年のように中国を訪問していながら、来日は実に七年ぶりのことだった。滞在中は、「歴史認識問題」をめぐる発言が話題になったが、訪日の真の目的はどこにあったのか(ロシアへの接近を図りたい安倍政権への牽制という見方もある)、東欧諸国との「和解」をめざした戦後ドイツの「東方外交」も、実は周到な計算にもとづくものではなかったか──こういった動きを読み解く上でも、本書は、多くのことを教えてくれるだろう。

 ここで示したのは、ヨーロッパの危機を主題とした本書を極東の日本で読むための「補助線」のひとつにすぎず、トッド氏の発言から何を読み取るかは、もちろん読者の自由である。

 本書の刊行を快諾していただいたトッド氏と、翻訳していただいた堀茂樹氏に謝意を表したい。

(「編集後記」より)


日仏首脳、安保協力推進を確認 南シナ海の懸念共有 2015/6/7 21:00 日経

【エルマウ(ドイツ南部)=佐藤理】安倍晋三首相は7日昼(日本時間同日夜)、フランスのオランド大統領とエルマウで会談し、防衛装備品の輸出や共同開発を中心に安全保障分野での協力を推進していくことを確認した。中国による南シナ海での岩礁埋め立てについては「懸念を共有する」との認識で一致した。

 首相は「安保、防衛分野の協力が着実に進展している」と強調。国会審議中の安全保障関連法案に触れ「成立すれば日仏協力の余地も拡大する」と説明した。大統領は「日本の取り組みへの連帯を表明する」として支持する考えを示した。

 南シナ海問題に関しては首相から言及した。「中国による埋め立ては急速に進んでいる。フランスと懸念を共有したい」と訴えた。大統領は「南シナ海への安倍首相と日本の懸念を共有する」と応じ、中国の「力による現状変更」に批判的な姿勢を示した。

 両首脳はウクライナ問題を巡り、ロシアを含めたすべての当事者が停戦合意を順守する必要があるとの認識で足並みをそろえた。首相は「圧力とともに対話の継続も重要だ。北方領土問題の解決に向け、ロシアとは首脳間の対話が必要だ」と、日本の立場に理解を求めた。大統領も「ロシアの存在はシリアやイランでの問題解決にも不可欠だ」と、対話を重視していくことに同調した。

 大統領は12月にパリで開く国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)への協力を要請した。首相は「すべての国が参加する枠組みの構築に協力したい」と答えた。日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)に関して年内の大筋合意に向け協力することで一致した。

バシー海峡を守るために日米が戻ってくる

山本七平氏の云うとおり、バシー海峡での通商破壊戦の敗北が第2次大戦の最大の敗因であると考えれば、我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップの推進は最重要の課題であろう。そして課題が最も山積しているのがフィリピンであろう。経済構造と国民性、結果として海軍と空軍が脆弱なことも気がかりである。

と、2011年10月8日のエントリーで述べたように、

衆目一致するところ、中共の主張する第一列島線を防衛するのに連環の最弱部分はフィリピンである。率直に言って、3年半程度でここまで防衛協力が進展するとまでは思っていなかった。事態はそれだけ急を要している、とも云える。

今月下旬に2回目の海上自衛隊-フィリピン海軍の共同訓練が行われる。すでに5月には最初の共同訓練が実施されている。

これは、2015年1月末に交わされた日本ーフィリピンの防衛協力に関する覚書に基づくものだ。2011年9月の戦略的パートナーシップの包括的推進に関する共同声明から急速に進展したことが分かる。

さらに今回の会談で、訪問部隊地位協定と、防衛装備品の技術移転に関する協定の締結交渉が同意された。

フィリピンが日米同盟の中に取り込まれる副次的効果のひとつは、中韓のプロパガンダに対抗する言論上の防壁にもなることである。

フィリピンは、日米の支配下に置かれつつも、同時に彼らの政権であった第一共和国~コモンウェルス~第二共和国、これらいずれの歴史的正統性を否定していない。正しい歴史的センスを有しているために、大日本帝国の支配を全否定して、歪んだ韓国と同じ轍を踏まないでいられる。

もうひとつの副次的効果は、中共以外から非難されることなく、軍事的プレゼンスを展開できる前例ができることにある。すでにジブチに拠点を設けており、次いでフィリピンの港湾を拠点とできれば、続いてスリランカを確保できることが望ましい。

自衛隊がフィリピン軍との共同訓練を本格化、哨戒機を派遣 2015年 06月 9日 16:21 JST ロイター

[東京/マニラ 9日 ロイター] - 海上自衛隊とフィリピン海軍は今月下旬、災害救援を想定した共同訓練を南シナ海で実施する。両国の共同訓練は5月に続き2度目。日本は今回、哨戒機を派遣する計画で、中国と領有権を争うフィリピンとの訓練を徐々に本格化させる。

防衛省関係者によると、訓練は23日、または24日にマニラの南西沖で行う。海自は対潜哨戒機「P3C」を、フィリピン海軍は艦船や航空機を派遣し、不明者の捜索や救難などの訓練を行う方向で調整している。

両国は5月上旬に、南シナ海で初の共同訓練を実施。他国艦船との予期せぬ衝突を防ぐ「海上衝突回避規範(CUES)」を確認した。海上自衛隊の関係者は「1月に交わした防衛協力の覚書、先日の両国首脳会談の共同声明に基づき、着実に訓練を重ねていく」と話す。

日本とフィリピンの政府関係者によると、両国は自衛隊が訓練などでフィリピンを訪れる際の手続きを簡素化する「訪問部隊地位協定」の締結に向けた議論も進めている。

中国が岩礁の埋め立てなど南シナ海への進出を活発化させる中、日本とフィリピンは安全保障の協力関係を強めつつある。6月4日のアキノ大統領と安倍晋三首相の会談では、日本から防衛装備を移転するための交渉開始など、協力を拡大することで一致した。

(久保信博、マニュエル・モガト)


参考URL:
日・フィリピン首脳会談 平成27年6月4日 外務省

日米の対潜哨戒機がダナンを拠点とする未来

ベトナムを訪問しているカーター国防長官は、ベトナムのコーストガードが米国から巡視船を購入する資金として1800万ドル(約22億円)を供与する、と表明した。

ベトナムのコーストガードは、防衛分野にODAを供与できない我が国(ODA大綱の軍事供与禁止)の要請によって、海軍から分離した経緯がある。ベトナム当局は、巡視船を日本、インド、米国からかき集めて、南シナ海で中共に対抗する、

また、カーター国防長官は会談でベトナムの岩礁埋立に懸念を表明しつつ、軍事協力に向けた『共同ビジョン声明』に署名した。

この声明は、我が国の福田政権下での『日本・ベトナム間の戦略的パートナーシップに向けたアジェンダ』のような防衛協力の分水嶺となるだろう。

ベトナムのダナン国際空港を拠点に米国のP-8A、日本のP-3C、P-1が哨戒活動を行う未来は、案外すぐそこまで来ているのかもしれない。

米、ベトナムの対中抑止力強化へ 1800万ドルを供与、米巡視船購入費 2015.6.1 20:30 産経ニュース

【シンガポール=吉村英輝】ベトナムを訪問中のカーター米国防長官は1日、フン・クアン・タイン国防相と会談し、軍事協力に向けた「共同ビジョン声明」に署名した。ロイター通信によると、カーター氏は協力の一環として、国連の平和維持活動のためにベトナムが開設する訓練施設への支援を表明、ハノイの米国大使館に専門家を派遣する。

 カーター氏は会談に先立ち5月31日、ベトナム海軍や沿岸警備隊を訪問し、ベトナムに米巡視船購入のための資金として1800万ドル(約22億円)を供与する方針を表明した。南シナ海で中国が人工島建設などを進める中、領有権で対立するベトナムの抑止力強化を支援する狙いがある。

 一方、カーター氏はベトナムに対し、南シナ海で実効支配する島での埋め立て中止を要請した。シンガポールで行われたアジア安全保障会議で30日、全当事国に南シナ海での埋め立て中止を求めており、ベトナムにも呼びかけた形だ。

 これに対しタイン氏は1日、声明署名後の記者会見で、「浸食や地崩れ防止の作業をしているだけで、拡張はしていない」と述べ、中国の人工島建設とは異なるとの認識を示した。

ユーラシア経済連合とベトナム

ユーラシア経済連合(EEU)はベトナムとの自由貿易協定(FTA)に調印した。EEUが域外国とFTAを結ぶのは初めてとなる。

2014年発足のユーラシア経済連合の原加盟国はロシア、ベラルーシ、カザフスタンの旧ソ連圏3ヶ国。同じく2014年中に旧ソ連圏から、コーカサスのアルメニアと中央アジアのキルギスが加盟している。加盟候補にはタジキスタンも挙げられている。

経済圏としてのユーラシア経済連合は、ロシアにとって歴史的にも地政学的にも戦略的にも重要な位置を占める。

ユーラシア経済連合-ベトナムFTAは、約90%の品目で関税撤廃される。そのうち半分は協定発効とともに即時撤廃、残り半分は移行期間後に関税撤廃される。そのベトナムの貿易収支は2012年から黒字転換している。ユーラシア経済連合は、ベトナムを足場としてASEAN市場へのアクセスを狙っている。

我が国は、ベトナムをユーラシア経済連合向けの迂回貿易構造に組み込むこともできる。

しかしながら、現状では米国向けの迂回貿易国家としての中韓を切り捨て、米国本土もしくはメキシコ(NAFTA)へのリショアリングの流れに乗っている。中韓の廉価な人件費で高価な付加価値を付けて、購買力を持つ市場に売るのが迂回貿易の旨味だったが、欧米以外に旨味のある巨大市場はなかなか存在しない。

我が国は、迂回貿易構造からインフラ供給による支配構造に転換しようとしている。“クールジャパン”などのタームに代表されるような、ジャパナイゼーション(日本化)を各国に移植することで、領域的支配を伴わない帝国となるかもしれない。

[ベトナム株]ユーラシア経済連合とFTA署名、貿易促進に期待 2015-06-02 18:16 サーチナ

 グエン・タン・ズン首相は5月29日、カザフスタンを訪問し、ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、アルメニアの5か国の各国首相と共に、ベトナムとユーラシア経済連合(EEU)間の自由貿易協定(EEUV-FTA)に署名した。ユーラシア経済連合が1か国と自由貿易協定を結ぶのは今回が初めて。

  ユーラシア経済連合は、加盟5か国の国内総生産(GDP)が2兆5000億USD(約310兆円)、人口が1億8000万人の経済連合で、双方は2013年3月に交渉を開始し、2年の交渉期間を経て締結に漕ぎ着けた。各国国会の批准手続きを終えた後、発効する見通しだ。

  これにより、ベトナムとユーラシア経済連合はそれぞれの国内市場の9割を開放する。具体的に、ベトナムは牛乳や乳製品などの畜産物、穀物製品などの農産物、機械設備、車両などに対する輸入関税率を段階的に引き下げる。一方、ユーラシア経済連合は、水産物、農産物、縫製品、皮革・履物製品、木材製品などの関税を引き下げる。

  関税の引き下げにより、双方の貿易額は2014年の40億USD(約4960億円)から2020年には2.5~3倍の100億~120億USD(約1兆2400億~1兆4880億円)に増加する見込みとなっている。(情報提供:VERAC)


ロシア政府 ユーラシア経済連合とベトナム間の自由貿易圏に関する協定案を承認 2015年05月25日 17:29 スプートニクニュース

ロシア政府は、ユーラシア経済連合とベトナム間の自由貿易圏に関する協定案を承認した。ロシア政府のサイトに5日、掲載された。
文書に付随する書類では、「協定の実現は、参加者間の相互貿易額の増大や、貿易経済関係の発展を促進するほか、アジア太平洋地域の統合プロセスにユーラシア経済連合を加える課題を解決することを助ける」と述べられている。

協定案には、大部分の商品に対する関税額の減少あるいは撤廃という方法による、ユーラシア経済連合加盟国とベトナム間の関税自由化の条件が規定されている。

ユーラシア経済連合は、ユーラシア統合の枠内で2015年1月1日にロシア、カザフスタン、ベラルーシの関税同盟を基盤に発足した経済同盟。

成長する“ポーク・バレル”による再分配

シーレーンの最も弱い連環だったフィリピンに対する日米の防衛協力が進捗している。短期的には日米両国の海軍・空軍がローテーションしながらシーレーンを守るとともに、有事の際には南シナ海における最前線基地としても機能する。ただし、中長期的にはフィリピンの軍事力を高めなければならない。

現状、ミンダナオ島のムスリムとの戦闘に注力しているフィリピンだが、和平プロセスを進めて、海軍・空軍に人員・予算を振り向けなければならない。

一方で、中共は独立や自治を要求するミンダナオ島のムスリムに資金・武器援助を与えて、和平プロセスを妨害しなければならない。

陸軍から海軍・空軍への円滑なシフトを進める鍵は、フィリピンの“ポーク・バレル(樽詰めの豚肉)”と呼ばれる利益誘導型の腐敗政治にある。

2014年に1億人を突破した、その人口ボーナスを活用して、人口ボーナス期の終わる2050年頃までに、再分配をできるだけ公正化して、豊かな中間層を創り出せるかに懸かっている。この過程で海軍・空軍関連の利権を作ることも出来るだろう。

ちなみに、人口ボーナスの最先発は1993年にピークを迎えた日本。2020年までに人口ボーナス期を終える先発国グループには2014年の韓国、2015年の中国、2017年のタイ、他に香港、台湾、シンガポールが含まれる。後発国グループは2030年のインドネシア、2040年のベトナム、2045年のインド、2050年のマレーシア、2055年のフィリピンなどが並ぶ。

タイの生産年齢人口は2017年にピークを迎える。

にも関わらずタイの再分配政策にとって最良の時期は、タクシン派と反タクシン派に代表される抜きがたい政治対立を解消しえず、終わりを迎えようとしている。この失敗例にフィリピンが倣うか否かは、日米のシーレン防衛に中長期的な影響を与えるだろう。

来日した大統領ベニグノ・アキノ3世は、フィリピン第二共和国に参画したベニグノ・アキノ・シニアから数えて三代目の世襲政治家である。第一共和国の革命に参加したServillano Aquinoにまで遡れば四世政治家である。

歴史上、第二共和国は大東亜共栄圏下に成立しているが、フィリピンの国史では傀儡政権扱いされていない。これは第一共和国が、米比戦争の敗北によって滅亡しているためである。

さらに、アキノ政権のロハス内務自治大臣の祖父は、ロハス第5代大統領(第三共和国としては初代大統領)である。また、アロヨ前大統領の父は、マカパガル第9代大統領である。

歴代の大統領・副大統領含めて上下両院の議員は多くが世襲議員であり、地方の利権代表者である。

ジェジョマール・ビナイ副大統領の息子であるジェジョマール・ビナイ・ジュニアは、父と同じくマカティ市市長を務め、同じくふたりの娘もそれぞれマカティ市を地盤に上下両院の議員を務める。

それ以外で議員や大統領になるには、エストラーダ元大統領のように映画やテレビで有名になったあと政界入りする最短ルートがある。

こうした例の変形では、2013年の中間選挙で初当選したグレース・ポー上院議員が挙げられる。ポー上院議員は、2004年大統領選に出馬したフェルナンド・ポー・ジュニアの娘にあたる。彼は国民的俳優として知名度を上げた。

さて、こうした政治・官僚・財界・宗教までの癒着構造がはっきりしているフィリピンは、進出する外資側から見ると、タイと同じように極端な学歴優先社会であったり、華僑中心の不動産資本と流通資本は産業への投融資を優先しない傾向が残っている。

ちなみに、東南アジアの華僑が交易のネットワークを有したのは、この地域に領域的支配を持ち込まなかった大英帝国の代理人だったからに他ならない。

それでも、最近の経済成長率は7~8%を維持していて、このカネが有効に再分配されるかが、今後のフィリピンの発展の鍵となる。つまり、腐敗を指す“ポーク・バレル”が、いかに政治的に洗練されていくか、それが重要となるだろう。

日・フィリピン首脳が会談、中国の埋め立てに「深刻な懸念」 2015年 06月 4日 20:56 JST ロイター

[東京 4日 ロイター] - 安倍晋三首相とフィリピンのアキノ大統領は4日に会談し、南シナ海における中国の埋め立て対し、深刻な懸念を共有した。また、日本から防衛装備品を供与するために必要な協定の締結に向け、交渉を開始することで一致した。

両首脳が会談するのは6回目。日本はアキノ大統領を国賓として招き、中国と南シナ海で領有権を争うフィリピンを重視する姿勢をアピールした。

会談の中で安倍首相は、南シナ海情勢について「大規模な埋め立てや拠点建設などの一方的な現状変更について、深刻な懸念を共有したい」と表明。「各国と連携し、法の支配の実現に向け、ともに努力をしたい」と述べた。

一方、アキノ大統領は「日本がASEAN(東南アジア諸国連合)に働きかけたり、G7(主要7カ国)に支持を呼びかけるなど、声を届けていることに感謝したい。フィリピンは外交努力による解決を重要視したい」などと話した。

日本は、南シナ海で中国と緊張関係が続くフィリピンの海洋安全保障の能力向上を支援していく方針で、この日の会談では防衛装備品の供与についても協議した。第三国への流出を防ぐ取り決めなど、日本からの輸出に必要な協定の締結に向けた交渉を始めることで合意した。

このほか、日本は3000億円規模のフィリピンの鉄道事業に対し、資金と技術の両面で支援していくことを表明。また、橋の耐震強化と道路整備に340億円を拠出することも決定した。

(久保信博)

日米豪同盟の構築は端緒に就いた

小林正男・元海将は「高強度鋼材を成形する熟練労働者が(オーストラリアには)足りない」と、直裁的な発言をした。この点はASC社及び豪州側も認めている。ASC社は最近、ホバート級駆逐艦のブロック工法で失敗して再建造を余儀なくされている。

今後、必要な熟練労働者は500名とされるが、150名程度しか集まらない、とも指摘されている。日本でも熟練工育成には最低5年以上要する。豪州ではその時間を掛けても熟練工を揃えられるかは不明である。

軍事技術の漏洩を懸念するのは正しいが、その懸念は日豪ともに可能性としては同じであろう。親中派への政権交代(我が国では自民党内の親中派でもあり得る)があれば、リスクは高まる。しかし、米国政府は豪州にF-35とEA-18Gの供与を決定している。加えて、豪州にB-1配備の可能性も出てきており、中共は警戒心を露わにしている。

世界的なリベラルの後退、中国共産党の覇権拡大に対する忌避感は強まり、こうしたリスクは減じていくものと考えられる。なにより同盟の構築は紙切れを交わしたから即、成立するものではない。不断の努力によって同盟は内実を伴ったものとなる。日米豪同盟の構築はまだ始まったばかりである。

China warns Australia on US bombers May 19 2015 at 1:30 PM Financial Review

豪国防省、潜水艦選定の諮問機関メンバーを公表 2015年 06月 5日 18:49 JST ロイター

[シドニー 5日 ロイター] - オーストラリアのアンドリューズ国防相は5日、次期潜水艦の選定を行う諮問機関のメンバーを発表した。

メンバーには米国のドナルド・ウィンター元海軍長官、豪州のジュリー・アン・ドッズ=ストリートン元判事、ロン・フィンレー弁護士、英防衛大手BAEシステムズ(BAES.L: 株価, 企業情報, レポート)のジム・マクダウェル取締役などが指名された。

米軍当局者はすでに、調達先として絞られた日独仏のうち日本製の導入を支持したとみられており、ウィンター元長官が諮問機関に入ったことで、ディーゼルエンジン型の潜水艦では最大規模の「そうりゅう型」を保有する日本に有利に傾く可能性が出てきた。

オーストラリアは老朽化が進むコリンズ級潜水艦の後継艦選定を進めており、競争も激化している。500億豪ドル(385億2000万米ドル)規模の調達計画は、国防プロジェクトとして同国史上最大。


豪上院議員、潜水艦開発めぐる日本の専門家発言に反発 2015年 06月 4日 12:05 JST ロイター

[シドニー 4日 ロイター] - ニック・ゼノフォン豪上院議員(無所属)は4日、オーストラリアの潜水艦建造能力などに疑念を呈した日本の防衛専門家のコメントを批判した。

豪州は潜水艦の新造計画で協力国の選定手続きを進めており、日本はフランスやドイツと競合している。

こうした中で、海上自衛隊の潜水艦隊司令官だった小林正男・元海将は3日、豪ABCに対し、「高強度鋼材を成形する熟練労働者が(オーストラリアには)足りない。高強度鋼材を成形するのは日本でも難しい」と述べた。

また、潜水艦艦長を務めた経験がある山内敏秀氏もABCに対し、「オーストラリアに持ち込まれたわれわれの技術が中国に漏えいすることをわれわれは懸念している」と述べ、軍事技術の保護に関するオーストラリアの能力を疑問視した。

ゼノフォン議員はこうしたコメントに「侮辱だ」と反発。「日本側は、オーストラリアの500億ドル相当の税金をほぼ全て日本で使わせようと口実を探しているようだ」と述べた。

草刈り場となるロシアの“柔らかい脇腹”

インドネシアとトルコ、イスラム開発銀行(Islamic Development Bank、IDB)は先月、イスラム法準拠のインフラ銀行の立ち上げ
を計画し、両国がそれぞれ少なくとも3億ドルを拠出する予定だと発表した。アジアインフラ投資銀行(AIIB)と連携する可能性とともに、その対抗馬となる可能性も秘めている。

主として、東南アジアのイスラム圏(マレーシアとインドネシア)と中央アジアの旧ソ連圏(カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、キルギス)が対象とされるだろう。

100年前のオスマン帝国によるアルメニア人虐殺が、未だに欧州とトルコに外交的亀裂を生じさせている。トルコに対するロシア外交のアプローチは、NATOに加盟する彼らに、「同盟外」の安全保障の構築を訴え、相手国の国益になりそうな利害関係へのアクセスの可能性を見せる。

その見せ玉が中央アジアへのアクセス保障となるだろう。エルドアン政権以降のトルコは、テュルク系民族を統合させようとする大トルコ主義(汎テュルク主義)に傾いているように見える。イラクのクルド人支配地域への傾倒もその一環かもしれない。

正教徒の守護者を自任して、数えきれないほどの露土戦争を闘った、あのロシアがアルメニアという最大の障害を除いて、テュルク系の諸国家への回廊を作ってくれるならば、トルコの中央アジア進出は画餅とは云えなくなる。

アジア開発銀行(ADB)とアジアインフラ投資銀行(AIIB)、そしてイスラム開発銀行によるインフラ投資構想の実現。それらはインフラ提供国による規格や特許、メンテナンスにまで至る支配を促進する。これは領域的支配を伴わない帝国を誰がつくるか、という争いでもある。ロシアの最も柔らかい脇腹が、インフォーマルな帝国の草刈り場になろうとしている。

焦点:イスラム諸国がインフラ銀設立へ、アジアの案件が標的 2015年 06月 3日 12:44 JST ロイター

[2日 ロイター] - イスラム圏諸国はイスラム法(シャリア)に準拠したインフラ銀行の設立を計画している。アジアで見込まれる大量のインフラプロジェクトを狙った動きだ。

アジア開発銀行(ADB)の推計によると、アジアでは向こう10年間に毎年8000億ドル相当のインフラ投資が必要になる。また資産を裏付けとするイスラム金融の性質は、理論的には道路網や港湾などインフラを建設する上で理想的だ。

しかし法律面や政治面などの問題からイスラム金融によるインフラ投資はこれまで期間の短い中規模の案件に限られ、プロジェクトファイナンスは一握りにすぎない。

イスラム圏諸国はこうした問題を克服しようと努めている。インドネシアとトルコ、イスラム開発銀行(IDB)は先月、イスラム法準拠のインフラ銀行の立ち上げを計画し、両国がそれぞれ少なくとも3億ドルを拠出する予定だと発表した。

インドネシアのブロジョネゴロ財務相は「まずインフラ銀行を設立し、それから他の国に参加を呼び掛ける」と述べた。

IDBは中国の当局者との間で、中国政府が設立を計画しているアジアインフラ投資銀行(AIIB)によるイスラム金融活用の可能性について協議している。IDBとAIIBが共同でプロジェクトファイナンスを手掛けることになるかもしれない。

IDBとAIIBが組めば強力な存在になるだろう。AIIBが関与することで中国の外貨準備や政治的影響力が後ろ盾となり、イスラム金融に新たな投資家が参入するだろう。

マレーシアでスクーク(イスラム債)の取扱いがトップクラスであるAmインベストメント・バンクのシニアバイスプレジデント、モフド・エフェンディ・アブドラー氏は、期間が長めのイスラム債発行増加が将来のインフラ絡みの案件のプライシングに役立ちつつあると述べた。

イスラム債のインフラプロジェクトにおける役割が拡大するならば、アレンジャーは償還期間の長い案件の扱いに慣れる必要がある。トムソン・ロイター傘下のザウヤによると、昨年に国際市場で発行されたイスラム債は1140億ドルで、このうち期間が10年以上の銘柄は245億ドルにとどまった。アブドラ―氏によると、アジアのインフラ債は通常、期間が20年に達する。

イスラム債の構造が複雑なこともインフラ案件での利用が難しい一因となっている。資産の特別目的会社への移転が必要な場合があり、大規模な国家プロジェクトの場合は政治面や法制面の理由から問題になり得る。

フィッチ・レーティングスは調査ノートで、資産が管理できなくなるリスクがあったり必要な法令・規則がない場合、国や政府機関はイスラム債の採用を望まないだろうと指摘した。

(Bernardo Vizcaino記者)

人工島の12海里をめぐる戦い

金融面ではアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立構想発表、軍事面では南沙諸島(スプラトリー諸島)の岩礁埋立と滑走路建設、このふたつの挑発的行動によって、覇権国としての米国は、対中エンゲージメント政策を明確に転換してきた。

ホワイトハウスの閣僚とスポークスマン、ペンタゴンの軍人ほかの発言は、“対中封じ込め”もしくはより直接的な抑止行動の前段階に入ったことを示唆している。

ここ数年、中共は第1列島線上のチョークポイントに対する示威行動を繰り返してきた。シーレーンの最も弱い連環に当たるフィリピンでこそ、最も苛烈な攻防が予想される。後世、南シナ海危機、フィリピン危機と呼ばれるような、1996年の台湾海峡危機よりも大規模な抑止行動が必要となる。

カーター国防長官は、埋立の続く人工島の12海里に対して、次段階として艦船・航空機を展開する可能性を示唆した。

海軍作戦副部長のミシェル・ハワード大将は、中共へ埋立に関する説明を要求するとともに、東南アジア諸国への支援を表明した。

ブリンケン国務副長官は、アジアインフラ投資銀行(AIIB)がインフラ開発と称して、人工島埋立に投融資することに懸念を表明した。

ラッセル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は、米軍による「警戒・監視活動を継続する」と発言した。

国防総省のウォーレン報道部長は、人民解放軍がP8-A対潜哨戒機ポセイドンに退去要請した際に、「『防空識別圏』については言わず、『軍事区域』と呼んでいた。これは国際的に認知されている用語ではない」と説明した。

バイデン副大統領は、アナポリスの海軍士官学校の卒業式で以下のように訓示した。

“There are new fault lines,”
“These new fault lines will continue to divide the great powers and they reside in the straits and the sea lanes that you will come to know well.
“You will be there to keep the peace.”

つまり、太平洋に列強を分かつ新しい分断線が存在している。 しかし、現在そうであるように将来においても、この海洋の平和と繁栄は米国海軍が担保する、と述べている。

米軍、中国主張の領海に直接対抗措置を検討-偵察機派遣も 2015年5月13日 09:23JST WSJ日本版

美海军上将要求中国解释填海造岛工程 19.05.2015 21:45 VOA中文

米軍幹部、中国に人工島建設の釈明要求 By JAKE MAXWELL WATTS 2015年5月20日 15:30JST WSJ日本版

美副国务卿担心南中国海造岛创恃强凌弱先例 21.05.2015 05:59 VOA中文

中国八次警告南中国海填岛上空美侦察机 21.05.2015 20:53 VOA中文

南シナ海で米中の緊張高まる 人工島建設で対中牽制強化 「次の段階」で米軍が12カイリ進入も 2015.5.22 07:43 産経ニュース

前CIA高官认为美中战争风险大 23.05.2015 03:46 VOA中文

五角大楼警告或派军舰赴中国人造岛礁巡逻 23.05.2015 06:06 VOA中文

米軍偵察機「追い払った」、中国が勝利宣言 南シナ海の人工島問題 2015年05月22日 20:56 AFP BB NEWS

「毅然として立ち向かう」=南シナ海問題で中国けん制-米副大統領 2015/05/23-12:55 時事ドットコム

Biden tells Naval Academy’s graduating class they will defend Pacific peace Friday May 22, 2015 05:02 PM Reading Eagle

Vice President Joe Biden charged the Naval Academy’s graduating class of 2015 with going into military service to guarantee peace in the South China Sea, an instruction he gave at the end of a week of mounting tension between the United States and China.

The vice president said those new officers’ careers will be defined by the United States refocusing its foreign policy to the Pacific, where 60 percent of the nation’s naval forces are expected to be deployed by the end of the decade.

While the end of the Cold War brought to a close the last clash between the world’s great powers, Biden said there are new divisions emerging. He pointed to China’s attempts to assert itself in the South China Sea as well as Russia’s aggression at Europe’s eastern borders.

“There are new fault lines,” Biden said. “These new fault lines will continue to divide the great powers and they reside in the straits and the sea lanes that you will come to know well.

“You will be there to keep the peace.”

China has been disputing its neighbors’ claims to islands in the South China Sea, establishing what it calls air defense zones hundreds of miles off the coast and building artificial islands to bolster its position and provide space for military installations.

The tensions in the area were on display this week when a CNN crew embedded on a surveillance flight watched as the Chinese military tried to warn off the U.S. airplane. And on Thursday the Navy released images showing China’s artificial islands rising from the sea.

Biden’s message to the Naval Academy class comes as the United States is taking a more assertive role in the territorial disputes. He said America does not back the claims of any one country over its neighbors, but is committed to guaranteeing freedom of navigation.

“Pacific peace and prosperity to a great extent has depended on and will continue to depend upon U.S. Naval power,” Biden said.

The vice president said he recently spoke to Chinese President Xi Jinping, who asked Biden why he always describes the United States as a pacific power.

“Because we are,” Biden said he told the foreign leader.

Biden spoke on a cloudless but breezy morning at the Academy’s 165th formal graduation ceremony.

The graduating class paraded onto the field to a looping recording of “Pomp and Circumstance,” their classmates and family cheering when they saw someone they recognized.

The ceremony began with a roaring flyover by the Blue Angels display team and a moment of silence for Midshipman Justin Zemser, who was killed last week when an Amtrak train derailed in Philadelphia.

Biden described Zemser as an honorable man who possessed a quiet strength.

“He would have made a great Navy SEAL and he will be missed,” Biden said. “Our heart goes out to his family.”


参考URL:
九段線とパラセル諸島、スプラトリー諸島、スカボロー礁の地図:DISPUTED REGIONS(画像)

“九段線”は戦争への阻止限界点を突破する

中共による南シナ海での領有権主張の根拠とされる“九段線(nine dashed line)”は、1946年もしくは1947年当時の中華民国が作成した地図に11の破線として初めて登場した。それを中華人民共和国が継承して、1953年にそのうちの2本が削除され、現在の“九段線”となった。この根拠薄弱な線の内側を「疑う余地のない主権」の及ぶ地域と称する訳だ。

中国が主張する南シナ海の「九段線」、フィリピンが挑戦状 2014年4月2日 19:32JST WSJ日本版

「九段線」米国から徹底論破された中国 猛反発「フィリピンの肩持つのか」 2014.12.25 06:00 産経ニュース

【アメリカを読む】「九段線」米国から徹底論破された中国 猛反発「フィリピンの肩持つのか」 2015.01.02 ZAKZAK

上記ふたつの記事が示すように、米国国務省はこの“九段線”に対して、以下の3点で疑問を呈している。

1.九段線に囲まれた島嶼や、国連海洋法条約に基づいてその周辺海域で認められる主権を主張しているのか
2.国境線を表すものなのか
3.中国がいう「歴史的」な海洋権益の地理的な境界を表すものなのか

国際海洋法の基礎となっている「海洋法に関する国際連合条約」 の第60条第8項では、
人工島、施設及び構築物は、島の地位を有しない。これらのものは、それ自体の領海を有せず、また、その存在は、領海、排他的経済水域又は大陸棚の境界画定に影響を及ぼすものではない。
と、書かれている。

国際海洋法における人工島の扱い、国務省の“九段線”否定論文に見る限り、南沙諸島(スプラトリー諸島)における人民解放軍基地造営とその後の運用を黙認することは、米国が“九段線”を認め、南シナ海を中共の原潜が遊弋する支那の内海化をも認めることになり、日米のシーレーンの死命を中共が握り、海に潜むICBMが米国本土を狙うことができるようになる。

米国が許容できる範囲とはどこまでか?

おそらく埋立までは許容できる。その後、放置という選択肢もあるからだ。しかし、そこを拠点に何らかの軍事・警察行動を始めるとき、中共の行動は、戦争への阻止限界点を突破するだろう。

参考URL:
【解説】「中国の南シナ海に対する主張に関する米国国務省報告書」 2015/1/14 海上自衛隊幹部学校

軍事演習が映す恐怖の均衡

北大西洋条約機構(NATO)加盟のエストニアは、軍事演習「Siil/Steadfast Javelin」を実施した。兵士1万3千人・予備役7千人超、併せて約2万人を動員した。エストニアは人口の3分の1がロシア系であり、ウクライナ危機と同じ火種を抱えている。

ウクライナ危機以降、制裁によって経済規模が縮小しているロシアが軍事力によって形勢逆転を図るのではないか、と云う懸念が拭い去れない。

エストニアのほかNATO加盟のバルト三国、ポーランド、NATO非加盟のグルジアで軍事演習が行われている。一方、地中海では初めて中共とロシアの軍事演習が行われている。

Fearing Russian expansion, Baltic nations step up military exercises May 16, 2015 Washington Post

エストニアで4日 NATO軍部隊も参加し同国史上最大の軍事演習始まる 2015年05月04日 20:04 スプートニクニュース

(前段省略)

現在、エストニアの都市タパの軍事基地には、ローテーションに従い、4両のM1A2 Abrams(エイブラムス)戦車からなる米陸軍第3歩兵師団第7連隊の戦車小隊や、第173空挺旅団の空挺部隊2小隊が駐留しているが、彼らも演習に参加する予定だ。


コラム:中国とロシア「友情」の賞味期限 2015年 05月 14日 14:50 JST ロイター

ロシア、今年後半に中印と合同軍事演習実施へ 2015年 05月 14日 09:29 JST ロイター

[ソチ 13日 ロイター] - ロシア大統領府は13日、今年後半に中国、インド、ベラルーシ、モンゴル各国軍との合同軍事演習を実施し、それにロシア地上部隊が参加する方針を明らかにした。

(後段省略)


A Net Assessment of the World By George Friedman May 20, 2015 STRATFOR

ジョージ・フリードマンのエッセイでは、現状の世界秩序は新世界秩序の構築が図られているよりは、無秩序へと転げ落ちているように見える、と書かれている。

特にリーマン・ショック以降の債務危機に苦しむ欧州と不動産バブル崩壊に直面している中共。この二地域は、経済のみならず政治的改革とコミュニティの再編に代表されるような社会変化に対応しきれていない。

むしろ、アングロ・サクソン系の英米の急進的な改革が先行しているように見える。NATOやIMF、世界銀行に対抗する勢力や機構をつくる動きが目立っているが、まだ秩序形成の一翼を担うのか、遠大な構想だけで終わるのか判然としない。

一度、フラグメント化していく社会を再統合する、そのダイナミズムに欠かせないカネの動きが萎みつつある。中国共産党は経済モデルの転換が出来ていない。勃興しつつある富裕層から中間層(約1200万人)が、日本に“爆買い”しに来ているだけでも分かる。中共で思想と言論の統制が起きている原因でもある。
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