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原油安に“ボリバル革命”は崩れ去る

チャベス前大統領は原油の50~60%を米国に輸出しながら“反米”を唱えていた。それを原資として国家予算の40%を社会福祉に回してきた。原油価格が1バレル50~120ドルで高止まりしていた時期(2005年~2014年)は、チャベス政権が2002年のクーデターを乗り越えて相対的に安定した2期目(2004年~2007年)、全盛期の3期目(2007年~2013年)、任期半ばで倒れた4期目(2013年)と重なっている。

ベネズエラ原油バスケット価格、30ドル以下に下落へ=大統領 2015年 08月 26日 12:47 JST ロイター

しかし、チャベス前大統領の跡を継いだマドゥロ大統領は原油価格の低落期と重なってしまい、チャベス前大統領の強権姿勢をそのまま行っても、潤沢な社会保障予算を回せないために政権の支持層であった貧困層の離反を抑えられない。

食糧不足で混乱するベネズエラ 略奪や闇市も横行 2015年8月26日 12:34 JST WSJ日本版

原油価格の低落によって消費財の輸入が滞り、スーパーマーケットの棚から商品が消えてしまった。まるでソビエト連邦の末期と同じ状況に陥っている。マドゥロ政権は消費財がなくなっているのをコロンビアなど近隣諸国の密輸にある、と主張しながら、全長2200キロの国境線を監視するには無理があるので、小売店での指紋認証を導入していた。

しかし、実際には生産供給能力(国内自給能力)の乏しいまま鎖国経済を敷いた政策の矛盾が露呈しているに過ぎない。すでにベネズエラ国民の2割から3割程度が1日3食を満足にありつけず、闇市と略奪が横行し始めている。不満の矛先は野党指導者の弾圧に転化して、米国が制裁措置を取り始めている。

ベネズエラ政権、人権弾圧強める 国連も懸念表明 2015年5月11日08時31分 朝日新聞

米、人権弾圧に関与の7人制裁 ベネズエラとの関係悪化の一途「反政府勢力に対する威嚇増大」 2015.3.10 20:50 産経ニュース

さらにベネズエラとコロンビアの関係も急速に悪化し始めている。ベネズエラ北西部タチラ州とコロンビアの国境地帯で消費財と麻薬の密輸を巡って小競り合いが起きた。この事件に激高したベネズエラ側が非常事態を宣言、国境検問所を閉鎖した。

南米コロンビアとベネズエラ、国境めぐる対立で大使を召還 2015年 08月 28日 15:10 JST ロイター

ベネズエラ、コロンビアとの国境を無期限で閉鎖 非常事態宣言も 2015年08月22日 15:11 AFP BB NEWS

コロンビアにしてみれば、ベネズエラが消費財の価格統制をやめれば良いことであるし、麻薬はベネズエラ国内での利権争いが絡んでいるので、何もできることはない。それでもベネズエラのコロンビア敵視姿勢はエスカレートし、タチラ州に居住していたコロンビア人の住居を破壊して、強制送還を始めた。これに恐怖した他のコロンビア人も持ち出せるだけの家財道具を担ぎながら、5000人以上が国境を越えた。ここに至ってコロンビア政府は大使召喚を決めた。

チャベス前大統領の唱えていた“ボリバル革命”は、あくまでも原油価格の高止まりという条件があってこそ存続できた。マドゥロ大統領が前大統領と同じ手法を使っても、前提条件が失われているため、強権の印象しか残らない。
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戦うノウハウを身に付けたウイグル人がやって来る

タイの首都バンコク郊外にあるヒンズー教寺院エラワン廟で起きたテロの容疑者として、タイの捜査当局はトルコのパスポートを持つ男性を容疑者として逮捕、滞在していたアパートから爆弾の材料(金属パイプ、ボールベアリング)を押収した。当局はこの事件は国際的背後関係を持つテロではない、と述べている。

しかし、容疑者がトルコのパスポート所持していたことに、同じチュルク系民族であるウイグル人と連携するトルコ人の影が見え隠れする。

今年6月から7月にかけてタイに亡命するウイグル人が増えていた。6月には173人がタイを経由してトルコに亡命したものの、7月には109人がタイから中共に送還されている。

これに反発したトルコ人はイスタンブールの街をデモ行進して、中国人観光客と間違えて韓国人を襲撃する事件も起きている。

Thai police arrest suspect in connection with Bangkok bomb Saturday 29 August 2015 14.29 BST The Guardian

2015年7月6日のエントリーで、

原理主義と過激派の回廊が、新疆ウイグル~旧ソ連圏のチュルク系国家~トルコ~隣接するシリアのISIS(イスラム国)支配地域に生まれつつある。中国共産党の新疆ウイグル自治区での治安対策が、イスラム原理主義過激派を誘引する。シリア内戦でテロ、ゲリラ及び領域支配のノウハウを身に付けて、ウイグル人の反攻が開始されるのは間近だろう。

と述べたように、イスラム原理主義と過激派を生み出す土壌となっている回廊地域からテロリストがやってきた。

かつての日本赤軍がパレスチナに逃れ、そこで訓練を受けたあと、イスラエルのテルアビブ空港やマレーシアのクアラルンプールなどで数々のテロを起こしたように、テロは必ずしも新疆ウイグル自治区で起きるとは限らない。

アイデンティティ・ポリティクスに死すリベラル

同性婚の容認、国民皆保険制度(オバマケア)の発足など社会風土のリベラル化が急速に進む米国では、反作用として保守的なトランプ氏(共和党)の直言が支持を集めている。

一方、従来のリベラルが中道化することでクリントン女史(民主党)は左傾化を余儀なくされている。それでも自ら社会主義者と称するバーニー・サンダース上院議員に支持率で逆転されてしまい、バイデン副大統領の予備選出馬が取り沙汰されるようになった。

【アメリカを読む】浮上する副大統領 民主党期待?の失言王 2015.8.25 08:30 Sankei Biz

バイデン氏、出馬を真剣に検討か オバマ大統領も「賛意」 2015.08.25 Tue posted at 13:33 JST CNN日本版

米民主党内にバイデン氏擁立論が拡大、クリントン人気に陰り 2015年 08月 24日 15:02 JST ロイター

コラム:米大統領選、トランプ氏の勝利に必要なもの 2015年 08月 19日 19:31 JST ロイター

民主にバイデン氏擁立論=クリントン氏人気に陰り-米大統領選 2015/08/18-14:33 時事ドットコム

米国の社会風土のリベラル化は、ポリティカル・コレクトネスに辟易した保守陣営のトランプ氏支持に結実している。一方で、ポリティカル・コレクトネスを事あるごとに唱え、アイデンティティ・ポリティクスに固執しているリベラルは政治的議論の発展性を失い始めている。

identity politics(アイデンティティ・ポリティクス)とは、社会的不公正に晒されている白人以外の人種・民族・宗教、男性以外のジェンダー・特殊な性的嗜好を持つ人々などマジョリティではない特定のアイデンティティ集団の利害に沿った政治を指す。

他者に差別主義者のレッテルを貼ることで、共和党のみならず民主党の穏健派や保守寄りの議員や党員を排除する力学が働き、結果として民主党の論議が逼塞して、政策の自由度が失われて、硬直化していく。

テネシー大学法学部教授のレイノルズがUSAトゥディに書いているコラムでは、“自ら唱えたアイデンティティ・ポリティクスにけしかけられる民主党”を論じている。

米国の政治では言葉狩りで政治的議論が萎縮する状況が続いている。オバマ大統領の発言を捉えて、全米女性協会の会長であるテリー・オニール女史が“女性蔑視”と非難する。また同じくオバマ大統領をオハイオ州選出のSherrod Brown上院議員も“女性蔑視”と非難する。

こうした言論環境では、白人男性だけが自由に非難される対象となってしまい、それ以外の人種・民族・ジェンダーに関する発言をすれば、政治生命を失いかねない。

こうした集中砲火を浴びる白人男性の鬱積を晴らすべく、トランプ氏が直言を繰り返している。彼の高支持率にはこうした背景もある、と思われる。

Reynolds: Democrats sic identity politics on their own 10:38 a.m. EDT May 18, 2015 USA TODAY

The left has handicapped its ability to debate policy, even among themselves.

They told me if I voted for Mitt Romney, we'd have a condescending president who looked down on his female critics as "little ladies" who didn't understand how the world works. And they were right! I voted for Romney, and, well, keep reading.

Sure, we wound up with President Obama, not with Mitt. But that didn't change how things turned out. Just ask National Organization for Women President Terry O'Neill. Right before Obama's trade bill cratered in the Senate last week, Obama complained that its chief Senate critic, Sen. Elizabeth Warren, D-Mass., didn't understand the real world. O'Neill then chalked Obama's attitude up to sexism.

O'Neill told The Hill she took issue with Obama calling Warren by her first name during an interview with Yahoo News published May 9.

"Yes, I think it is sexist," O'Neill said. "I think the president was trying to build up his own trustworthiness on this issue by convincing us that Sen. Warren's concerns are not to be taken seriously. But he did it in a sexist way."

O'Neill said Obama's "clear subtext is that the little lady just doesn't know what she's talking about."

Sen. Sherrod Brown, D-Ohio, joined the chorus, also suggesting Obama's remarks were sexist, and then refused to apologize. Now some are tittering over Obama's supposed "seven-year history of sexism." This caused Twitter humorist David Burge to joke: "NAACP president: NOW president's critique of Obama's critique of Elizabeth Warren is racist."

Well, that's fair. The worst aspect of Obama's presidency has been the willingness of some defenders to characterize any and all criticisms of his policy or style as racist. With Warren (despite her denials) revving up for a potential 2016 presidential campaign — and already with Hillary Clinton's effort — we're seeing a new line of argument: That any criticism of a female politician is sexist. Apparently, the only kind of politician you can criticize on the merits in America nowadays is a white male.

The Democrats' tendency to argue identity politics over policy is more awkward when it's aimed at other Democrats. As The Washington Post's Jennifer Rubin comments: "Is the 'war on women' being waged by the White House, or have Democrats become so accustomed to demonizing their opponents that they can't engage in civil debates even among themselves? It does not speak well of the Democrats' ability to persuade and lead. But it does portend a non-stop stream of gender bias claims in the 2016 presidential election."

In my experience, people argue identity when they don't want to argue policy. And the reason they don't want to argue policy, usually, is that they're wrong. But in arguing that everyone who disagrees with them is a racist, or a sexist, or a tool of Big Money, or whatever, the Democrats run the risk of self-destruction. This is basically what happened to the the Labour Party in Britain: A reliance on easy tropes that please the base but alienate other voters.

As Daniel Hannan notes: "When leftists attack the Tories, they're not just having a go at 300 MPs, or 100,000 party members: They're scorning everyone who has contemplated supporting the party. ... How do you think this sort of thing goes down, not only with anyone who has ever voted Conservative, but with moderate people who, though they haven't voted Tory themselves, have friends and family who have? When you adopt a bullying tone, you find that 1) voters don't like it; 2) you solidify the other side's core support; and 3) some people hide their voting intentions."

Likewise, too many prominent Democrats and supporters have spent the past six years calling everyone who doesn't agree with Obama a racist. Now some of the same folks are gearing up to call everyone who doesn't support Clinton (or, perhaps, Warren, the backup-Hillary) a sexist. For instance, one group of Hillary supporters makes the preposterous claim that saying she is "out of touch" or 'insincere" reflects a sexist worldview. This technique worked pretty well so far for Obama's presidency, but it now seems to be wearing thin, even within the Democratic Party.

The 2016 election is still more than a year a way. It's not too late for the Democrats to start arguing policy. But if they want to stick with shouting about identity, well, the Republicans may be happy to let them.

Glenn Harlan Reynolds, a University of Tennessee law professor, is the author of The New School: How the Information Age Will Save American Education from Itself.

“アンカー・ベイビー”を巡るマイノリティの対立

合衆国憲法修正第14条は「合衆国で出生または帰化し、その司法権に属する者はすべて合衆国の市民である」とされている。この条項は本来、南北戦争後の解放奴隷の法的地位を確定し、保護する意味があった。

しかし、時代は移り変わり、条項の趣旨を逸脱した濫用が目立つようになった。

例えばヒスパニック系と中韓系の妊婦が遠征出産をすると、その子供には生得市民権が自動的に与えられる。市民権を持つ子供が21歳に達した時には、子供を保証人にさせて、親族が移住する。このやり方から侮蔑的に“アンカー・ベイビー(anchor baby)”と呼ばれている。

正式な調査はないが、合衆国では毎年約4万人~30万人の“アンカー・ベイビー”が誕生している、と言われている。

こうした相手側の人道主義を盾に取ったやり方は、先進国と途上国との間で、どんどんエスカレートしている。

例えば乳幼児を航空便で送りつけるか、10歳前後の子供を不法越境させて、相手国に保護させる。その後、保護された子供の親権を訴えて、親が難民申請するか、在留許可を得て、成人後に市民権を行使した子供を保証人として親族一同がぶら下がる。

果てはシリア難民がシェンゲン圏に入り込む際に、誰かの子供を買い取って親子として振る舞い、同情と保護の両方を買う者も一定数存在する。

生得市民権の廃止を公約に掲げたトランプ氏に追随する形で、ジェフ・ブッシュ氏は“アンカー・ベイビー”を非難した。これに対して、全米アジア太平洋系米国人評議会がブッシュ氏の批判を始めた。

AFP電によれば「私が言ってきたのは、組織的に行われている不正の事例のことだ。そしてそれは、率直に言うと、組織的にわが国に来て出産し、生得市民権という高貴な概念を悪用するアジアの人々により密接に関連している」と、ブッシュ氏は弁明している。

リーマン・ショック以降、ヒスパニック系移民は減少しており、残るヒスパニックもカソリックを棄教して、プロテスタントになるか無宗教になるなど、急速にアメリカナイゼーションされている。

また、ヒスパニック系移民の最大の輸出先だったメキシコも米中の生産コスト逆転に伴って、リショアリングの恩恵を受け始め、不法移民する必要性を失い始めている。

一方、中韓系を筆頭にアジア系の移民はヒスパニック系を凌駕しつつある。そこに中韓系による法治概念に対する軽視と、マイノリティが獲得してきた既得権にフリーライドする手法に、次第にマジョリティと中韓系以外のマイノリティが不満を募らせている。

米国の大学適正試験における不正(成り済まし受験、替え玉受験、試験内容の漏洩など)の摘発、留学生による成績不良とカンニングによる退学処分の増加、大学におけるスパイ事件の多発でマジョリティの反発を受けている。さらにニューヨークの「専門学校」試験制度改革では黒人系とヒスパニック系と対立している。

“アンカー・ベイビー”はこうした動きと同列にある。“アンカー・ベイビー”を生むために、わざわざツアーを組み、マタニティ・ホテルに逗留して遠征出産するアジア系に非難の矛先を向けて、不正を行っていると断じるのは事実であり、間違ってはいない。

出来うるならばアジア系ではなく中韓系であることを堂々と披瀝してもらいたいものだ。

トランプ氏、今度はアジア人の「でたらめ英語」皮肉る 2015年08月28日09時42分 中央日報日本語版

中国人の妊婦ホテル・憲法問題が争点に トランプ氏に反応したブッシュ氏ら「墓穴」 2015.8.28 19:54 産経ニュース

ジェブ・ブッシュ氏、アジア人が生得市民権を乱用と非難 2015年08月25日 17:00 AFP BB NEWS

[オピニオン]米大統領選挙と「アンカー・ベビー」 AUGUST 27, 2015 07:06 東亜日報日本語版

ブッシュ氏が“アジア系”の生得市民権乱用を批判、韓国人団体は猛反発・・韓国ネットは「金持ちはみんな米国で出産」「米国にまともな政治家はいないか?」 2015年08月27日 フォーカスアジア

米当局、米国籍取得目的の中国人「出産ツアー」を一斉摘発 2015年3月4日 19:06 JST WSJ日本版

 【ロサンゼルス】米連邦捜査当局は3日、子どもに米国籍を取らせるため米国で出産する中国人が増えている問題で、カリフォルニア州南部の高級ヴィラなどを一斉捜索した。

 中国人妊婦の米国での出産と子どもの米国籍取得を支援するビジネスは数百万ドル規模に達するとみられており、今回の捜査では、不正ビザ取得のほか脱税、不法移民をかくまった疑いなどが持たれている。

 米当局によると、越境出産を手助けするビジネスは拡大しているが、この種のビジネスに対する刑事事件としては最大級のものとなりそうだ。

 捜査員は観光ビザで入国した中国人の妊婦が出産前後に滞在したアパートや、越境出産ビジネスを行っていたとされる米国に拠点を置く個人の居住地などを捜索し、関連資料を押収した。この人物は、ロサンゼルス、オレンジ郡、サンバーナーディーノ郡でビジネスを営んでいた。ウォール・ストリート・ジャーナルが確認した文書によると、国土安全保障省、財務省、内国歳入庁もこれに関する捜査を進めている。

3日早朝、40人ほどの捜査員がオレンジ郡にある高級ヴィラ、カーライル・アパートメントの敷地に入った。入居者からは、これまで多くの妊婦が出入りしていたのとの声が聞かれた。捜査員はおむつの入った箱やパソコン、関係文書を押収。これまで逮捕者は確認されていない。

 越境出産はこれまで、子どもに国籍を取得させる目的で米国に移住するメキシコ人の間で多かったが、最近では富裕層向けのビジネスに発展。当局の話では、米国に足がかりをつくりたいと望む中国人が主な顧客になっており、仲介業者に5万ドル(約600万円)支払うこともあるという。これには出産に関わる医療費は含まれていない。

 米国で生まれた子どもは自動的に米国籍を取得できる。そのため、外国人の妊婦が正規あるいは不法に入国して出産した子ども(アンカーベビーと呼ばれる)も、米国の教育や社会保障などを受けられる。21歳になると、子どもが保証人となって家族を合法的に米国に移住させることもできる。

 米国のアンカーベビーの数をまとめた公式統計は存在しないが、越境出産の取り締まり強化を求める移民研究センター(ワシントン)によると、年間約4万人の子どもが越境出産で生まれているという。

ポリティカル・コレクトネスを気にしない男

トランプ氏を支持する共和党員は、彼のポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)を無視した発言を大いに歓迎している。

そもそも政治的正しさとは何なのか、それに妥当性が本当にあるのかと疑問を感じている共和党員にとって、彼らの目に映る行き過ぎたリベラル的政策と風潮が蔓延した現在の米国の姿は、焦燥感や危機感となってトランプ氏の存在を押し上げている。

共和党員は他のエスタブリッシュメントの候補者が、献金する利害関係者の影響を受けて、発言が慎重すぎることにも不満を感じている。

トランプ氏は、もともとリアリティ番組「アプレンティス(The Apprentice)」で視聴者が見ていた傲岸不遜なパーソナリティが認められており、かつ選挙資金を自己資金で賄っている発言の自由さがある。トランプ氏を通じて見えるのは、米国の強さを体現した人格的にも率直さを持つ大統領への待望論があり、これが他の候補者に伝播することを期待されている、ということだ。

そして、トランプ氏の言動の影響はジェブ・ブッシュ氏にも現れ始めた。中韓系米国人に多く見られる市民権目当ての遠征出産「アンカー・ベビー」をブッシュ氏が非難するようになった。

[オピニオン]米大統領選挙と「アンカー・ベビー」 AUGUST 27, 2015 07:06 東亜日報日本語版

米大統領選、トランプ氏が支持率リード広げる=世論調査 2015年 08月 26日 15:43 JST ロイター

[ワシントン 25日 ロイター] - ロイターとイプソスがこの日公表したオンライン世論調査によると、2016年の米大統領選に向けた共和党指名争いで、ジェブ・ブッシュ氏の支持率が低下する一方、最有力候補となっているドナルド・トランプ氏は2番手のライバルに20ポイントの差をつけてリードしている。

調査は、共和党員511人を対象に実施。過去5日間に共和党員らのブッシュ氏支持率は16%から8%に低下した。

ブッシュ氏は移民政策をめぐってトランプ氏と激しく対立。また、ブッシュ氏は最近のインタビューで、不法移民の親から生まれた子供を表す用語で一部に差別的との指摘がある「アンカー・ベビー」という言葉を使用して人権団体などから批判を浴び、反論するなどしている。

トランプ氏の支持率は30%前後で、過去1週間ほぼ変わっていない。

順位としては、ブッシュ氏の支持率は元神経外科医のベン・カーソン氏と同一の3位。ハッカビー前アーカンソー州知事は支持率10%で2位となった。

トランプ氏は、本音を語って権力に立ち向かう一匹狼のイメージで人気を保っている。

同氏が注目される理由として、共和党員の77%前後が「政治的な正しさ」に関心がないことや、メディアと対決していることを挙げた。約68%が、資産家であるため寄付に頼っていないことを挙げた。

また、トランプ氏の参戦で既成組織が挑戦を受け、共和党に新しい発想をもたらすと考えている共和党員が多数を占めている。


参考URL:
ワシントンUPDATE  「ドナルド・トランプの沸騰する人気をどう考えるか?」 2015/08/19 東京財団

アメリカNOW第128号 「ブローハード・イン・チーフ?」:トランプ現象の解釈 前編(渡辺将人) 2015/08/27 東京財団

アメリカNOW第129号 「ブローハード・イン・チーフ?」:トランプ現象の解釈 後編(渡辺将人) 2015/08/27 東京財団

『ベンガル湾のさわがし潜水艦』

インドと豪州は9月にベンガル湾で初めての共同軍事演習を行う。昨年、インド洋に人民解放軍の原潜が配備されたこととスリランカに人民解放軍のディーゼル潜水艦が2回寄港したことを受けて、対潜水艦作戦に焦点を当てる。

ブルームバーグ電では「India-Australia Drills Targeting Submarines Rattle China」と見出しが付いているが、rattleという単語には「騒がしくガラガラしている」という意味合いがある。中共が世界秩序を騒がしているとともに、その潜水艦は喧しい、と二重の意味合いで云っているように思える。そして何故だか、J・D・サリンジャーの『ナイン・ストーリーズ』に収められた短編『コネチカットのよろめき叔父さん』を想い出した。

India-Australia Drills Targeting Submarines Rattle China August 26, 2015 — 3:30 AM JST Bloomberg

India and Australia will focus on anti-submarine warfare in their first ever joint naval exercises, signaling a growing strategic relationship to counter China’s increased activity in the Indian Ocean.

インドと豪州は対潜水艦作戦に焦点を当てて初めての海軍共同演習を行う。これはインド洋で活動を活発化させる中国に対抗するための戦略的関係を育てていく兆候と映る。

The war games next month off India’s Visakhapatnam port in the Bay of Bengal will include exercises to protect a tanker from a hostile attack submarine. The area is near waters where China deployed a nuclear-powered submarine for the first time last year, as well as the Sri Lankan port where another unit surfaced twice. That caused a diplomatic uproar.

この戦争のゲームには来月、インドのベンガル湾のVisakhapatnam港における敵対する潜水艦からタンカーを守る訓練も含まれる。この海域は昨年、中国が原子力潜水艦を展開した近海にある。また、この原潜はスリランカの港に2度姿を表して、外交的軋轢を生み出した。

There’s the “potential for increased security tensions in the Indian Ocean,” said Captain Sheldon Williams, defense adviser at the Australian High Commission in New Delhi. “We sit right in the confluence of the Indian and Pacific Oceans. We have a significant responsibility for its security. That’s how we’re looking at it now.”

これらが「インド洋における安全保障に関する緊張を増大させる可能性」はあると、豪州のニューデリー高等弁務官事務所の軍事顧問 Sheldon Williams大佐は述べた。「我々はインド洋と太平洋が合流するところに留まり、安全保障にとって重要な責任を負っており、現在この海域を監視するようになりました」

The drills -- first discussed a decade ago -- come as global powers vie for greater influence. The Indian Ocean’s sea lanes account for nearly half of the world’s container trade, including 80 percent of China’s oil imports.

この演習実施を巡って、10年前に最初の討議が行われてから現在では、その影響力を競い合うグローバル・パワーズが出現した。インド洋のシーレーン上を世界の半分近いコンテナ船が占め、中国の原油輸入の80%が通る。

“We’re seeing a genuine power play in the Indian Ocean,” said Rory Medcalf, head of the National Security College at the Australian National University in Canberra. “Indian security cooperation with the U.S. and its allies is increasing, which rattles the Chinese.”

「我々はインド洋で本物のパワープレイを見ている」と、キャンベラにある豪州国立大学ナショナル・セキュリティ・カレッジの学長、 Rory Medcalfは言う。「中国が騒ぎながらやって来る以上、米国とその同盟国とインドとの安全保障協力は増えていくだろう」

(後略)

モルディブの憲法改正で足掛かりを得る中国共産党

習近平国家主席は、2014年9月にタジキスタン~モルディブ~スリランカ~インドを歴訪している。海と陸のシルクロード“一帯一路”構想に基づくものだ。

しかし、人民解放軍の潜水艦が同年9月と11月と続けてスリランカのコロンボ港に寄港したため、インドは態度を硬化させた。

この流れを受けて2015年1月、スリランカでは親中のラジャパクサ政権から親インドのシリセナ政権への交替劇が起きた。先月のスリランカ議会選でもシリセナ政権が勝利して、現政権の方針は追認された。

一方、モルディブでは外国人の土地所有を認める憲法改正が行われた。

その内容は、今まで土地の賃借しか認められなかった外国人は条件付きで土地を購入所有できる。その条件は、投資額が事業計画1件につき、最低10億ドル。また土地の70%は、その投資により埋め立てた場所でなければならない、という条件である。

こうした経済合理性のない大規模投資を行えるのは、おそらく中国共産党傘下の国有企業くらいしかあるまい。

スリランカのラジャパクサ前大統領、復権目指し議会選に出馬、首相目指す 2015.7.1 20:19 産経ニュース

スリランカ与党が勝利宣言 議会選、前大統領も当選へ 2015.8.18 22:34 産経ニュース

モルディブが憲法修正で中国の植民地に? 2015年8月24日(月)17時00分 ニューズウィーク日本版

 インド洋に浮かぶ南国の島国モルディブが先頃行った憲法修正は、最近には例のない超スピード審議だった。ろくに論議も行わず、参考意見も聞かず、議員が草案を精査することもないまま、モルディブ議会は外国人に土地所有を初めて認めるという憲法修正案を可決した。

 これによって与党モルディブ進歩党(PPM)の真意が問われている。「あまりにも素早い可決に、今はまだ誰もがショック状態にある。まったく前例のない事態だ」と、モルディブの主要ニュースサイト「ミニバン・ニュース」の編集長ザヒーナ・ラシードは言う。

 今後はモルディブのどこでも、外国人は自由に不動産を所有できる。外国人には土地の賃借しか認めなかった今までの方針からは画期的ともいえる転換だ。

 この憲法修正案は、議会では賛成票、反対票で可決された。反対派議員らは、今回の憲法修正がインド洋地域で中国に足掛かりを与えることになり、モルディブの北にある隣国のインドと中国の勢力バランスを崩すことになるとみる。

 というのも、投資額は事業計画1件につき最低10億ドル。土地の70%は、その投資により埋め立てた場所でなければならないという大掛かりな条件があるから。こんな投資ができるのは中国ぐらいだ。

 反対派は批判を強めている。「モルディブ外交の最優先課題はインド洋地域の安定を保つこと。今回の修正は中国のプレゼンス強化につながる」と、国会議員のエバ・アブドラは言う。彼女はモハメド・ナシード元大統領の率いる主要野党モルディブ民主党(MDP)から造反して修正案に反対票を投じた1人だ。「いま懸念されるのは、中国がモルディブに拠点を設け、モルディブをインド洋における中印対立の前線に置くことで勢力均衡を破るという可能性だ」

 半世紀前にイギリスから独立を勝ち取ったのに、国家としての自由を手放すのかとアブドラは与党を糾弾する。今回の憲法修正で「この国は中国の植民地になる」と、彼女は言う。

■外交政策が急転換した

 アブドラ・ヤミーン大統領は憲法修正を承認した先月下旬、インド洋地域の安全保障に影響が及ぶことも、モルディブの主権が損なわれることもないと語った。「わが国はインド政府および近隣諸国に対し、インド洋を非武装地域として保つことを保証した」と、彼は主張した。

 インド側の専門家は懸念を隠さない。「中国を利する修正だ。70%の埋め立てができるのは中国だけ」と防衛研究・分析センターのアナンド・クマルは言う。

 13年にヤミーン政権が誕生してから、モルディブの外交政策は大きく変わった。大統領就任後に初めて迎えた外国首脳は中国の習近平(シー・チンピン)国家主席だった。そのときモルディブは中国の「海のシルクロード」構想のパートナーになることに合意。中国は、モルディブのインフラ整備に巨額の投資も行っている。

 興味深い話だが、ヤミーン率いるPPMは12年、インド企業による総額5億ドルの空港開発計画を葬っている。国家主権を売り渡す気かと、このプロジェクトを決めたMDP政権を非難した末の結論だった。

 その党が今、外国人の土地所有を初めて認めようとしている。ヤミーンの異母兄のアブドル・ガユーム元大統領も、憲法修正は拙速だとして批判的だ。「憲法修正案と土地所有権については承認する前に国民に信を問えと、私は大統領に訴えた」

 インドも落ち着いてはいられない。これまでモルディブは常にインドの影響力の下にあった。中国のプレゼンス拡大につながれば、挑戦状を突き付けられたようなものだろう。

[2015年8月11日号掲載]

ゴミに崩れ落ちるレバノン

1975年から1990年まで断続的に続いたレバノン内戦は、当時のパレスチナ解放機構(PLO)が本拠地を置いていたヨルダンから逐われ、パレスチナ難民とともにレバノンにやってきたことにより、キリスト教(マロン派の他に正教会、カソリックなど)とイスラム教(ドゥルーズ派、スンニ派、シーア派など)の人口比率が逆転して、政治的バランスが崩れたために起きた。

隣国シリアの侵攻によって内戦に終止符が打たれ、その後もヒズボラとバース党との関係に見られるようにシリアの影響力が残っていた。しかし、現在起きているシリア内戦に際して、アサド政権に与するヒズボラが戦闘員を送り込んでいるために相対的に力を失い、かつ難民が発生していることで、国内の政治的バランスが崩れている。

レバノンの現政権は2014年に各派の大連立として発足したが、7月17日に同国最大のゴミ処理場が操業停止して、反政府デモが起きて、首相が辞任を示唆した。背景にはシリア内戦による大量の難民流入、政治的バランスの変化による政情不安がある。政府債務がGDP比143%に達していて、新規国債の発行が不能となり、公務員給与が未払いとなり、ゴミ処理場など公共サービスが停止し始めたために、反政府デモが起きている。

Beirut rubbish protesters clash with police 22 August 2015 BBC NEWS

Beirut protests turn violent for second day as PM threatens to quit Sun Aug 23, 2015 7:16pm EDT Reuters

レバノンで反政府デモ ごみ問題、首相が辞任示唆 2015.8.24 00:47 産経ニュース

 レバノンの首都ベイルートで22日、ごみ問題に端を発する反政府デモがあり、治安部隊と衝突、AP通信によると、双方合わせて100人以上が負傷した。サラーム首相は23日、「(当局側に)行き過ぎた暴力」があったと認めた上で、自らの辞任を示唆した。

 レバノンでは7月17日に同国最大のごみ処理場が操業停止して以来、ベイルートなどでごみ収集が十分に行われず路上にごみがあふれ、抗議の声が強まっていた。

 レバノンでは、大統領の空席が続いているほか、シリア内戦の影響で議会選が実施できないなど政治的混乱が継続。デモ隊はごみ問題の解決のほか、サラーム首相の辞任も要求した。サラーム氏は「次の閣議で何も決まらなければ、その後は閣僚が集まる必要がなくなる」と述べ、辞任をほのめかした。(共同)

マリ北部紛争からは難民は発生しない

欧州を襲う難民の発生源としてはシリアとイラクの内戦は考えられるが、それではリビアの内戦以降にサブサハラで起きた内戦でここまで大量に難民は発生するものだろうか。

マリ北部紛争はマリ政府、遊牧民のトゥアレグ族、そしてイスラム諸勢力の三つ巴の戦いだったが、今年に入ってからは和平が結ばれており、難民が発生する状況にはない。

リビアから地中海を渡り、イタリアやフランスに上陸するルートを選ぶ難民はほとんど不法移民と思われる。

国連、マリ北部の分離派拠点に派兵 政府派との武力衝突で 2015年 08月 19日 12:22 JST ロイター

[バマコ 18日 ロイター] - 西アフリカのマリに駐留する国連平和維持活動(PKO)部隊は18日、同国北部にある分離独立派の拠点キダル近辺に部隊を派遣したと明らかにした。

同国では、遊牧民のトゥアレグ族が主導する分離独立派と、政府派武装勢力との間で15日から衝突が起きており、衝突がエスカレートすれば、6月に両派が署名した和平協定が破棄される可能性がある。

国連はすでに同国に9000人超を駐留させており、その90%が北部に集中している。このうちの何人がキダル周辺に派遣されたかは明らかにしていない。

両派ともに衝突の責任は相手側にあるとしているため、マリ政府は、アフリカ連合(AU)と国連に和平協定違反を調査するよう要請した。


ホテル立てこもり制圧 人質4人救出、10人死亡 マリ、PKO職員も犠牲か 2015.8.8 20:21 産経ニュース

 西アフリカのマリ中部セバレのホテルで武装勢力が人質を取り立てこもった事件で、軍特殊部隊は8日、武装勢力を鎮圧し人質4人を救出した。一方、現場から新たに3人の遺体が発見された。ロイター通信などが国防省報道官の話として伝えた。

 武装勢力は7日朝にホテルを襲撃。銃撃戦で軍兵士5人と容疑者2人が死亡しており、死者は少なくとも10人に上った。犠牲者の中には国連平和維持活動(PKO)の外国人スタッフもいるとみられる。

 治安当局は人質の国籍を明かしていないが、ウクライナとロシア、南アフリカとフランス国籍の外国人がホテルにいた可能性がある。ホテルは国連職員が頻繁に利用することで知られる。イスラム過激派の犯行とみられている。

 マリでは3月にも首都バマコのレストランが襲撃され、フランス人らが死亡。イスラム武装勢力「アルムラビトゥン」が犯行声明を出した。(共同)


マリは、トゥアレグ族の攻勢に耐えかねて、軍部がクーデターを起こしたものの、北部の占領と独立宣言を防げず、すぐに民政移管、クーデター側が暫定政府を襲撃など、さらなる混乱を起こしている間に、トゥアレグ族と過激派組織の合同と分裂、次いで安保理決議に基づく部隊の派遣を受けることになった(2012年12月21日のエントリー参照)。

リビア内戦終結以降、リビアにおけるトリポリタニアとキレナイカの地域対立と部族対立が収拾していない間に、内戦で流出した重火器と豊富な戦闘経験とを手にしたトゥアレグ族がマリ北部を占領、彼らの組織であるアザワド解放民族運動(MNLA)が独立を宣言した。

そして、トンブクトゥにある世界遺産の聖墓を破壊したイスラム過激派組織のアンサル・ディーンと合同して、2012年4月に新国家「アザワド」の成立を宣言した。その後、MNLAとアンサル・ディーン両者は決裂、アンサル・ディーンが勝利してマリ北部「アザワド」は、イスラム原理主義過激派の支配地域となった。これが2012年6月から7月にかけてのことだった。

アンサル・ディーンのほか、イスラーム・マグリブのアル=カーイダ(AQIM)、西アフリカ統一聖戦運動(MUJAO)も策源地を置き、MUJAOは人質にしていたアルジェリア外交官を処刑した。これが2012年9月。テロリストの策源地となったことを受けて10月には国連安保理が国際部隊の軍事介入計画案を求めるに至った。

2012年12月に過激派掃討の部隊派遣決議がなされた。翌2013年1月には、マリ北部「アザワド」を支配するイスラム過激派は首都バマコを脅かすに到る。しかし、フランスを主体とした軍事介入「セルヴァル作戦」は功を奏し、同年3月から4月までにはゲリラ戦に移行して、順次作戦はアフリカ諸国の軍隊に引き継がれた。

Mali signs UN ceasefire to end conflict with northern rebels 20 February 2015 BBC

2015年に入ってから、マリ政府はイスラム諸勢力とトゥアレグ族それぞれとの間に停戦協定を結んでおり、散発的な戦闘とテロは続いているが、全面的な衝突には及んでおらず、内戦で難民が大量に発生する状況にはない。

ハンガリーに続くスロバキアの反逆

スロバキア政府は急増している難民の受け入れ条件にキリスト教徒であることを掲げた。この場合の対象者はシリアから亡命してくるシリア正教会やアッシリア東方教会などのキリスト教徒に限られる。つまり、事実上の受け入れ拒否となる。

スロバキア、受け入れ難民は「キリスト教徒に限定」 2015.08.21 Fri posted at 15:38 JST CNN日本版

欧州難民危機で、スロバキアがイスラム難民の受け入れを拒否 2015年8月21日(金)18時00分 ニューズウィーク日本版

ハンガリーはセルビアとの国境沿いに難民流入防止用のフェンスを設置した。これに続いて、スロバキアもEUの難民政策に同調できなくなっていることを明らかにした。少なくともシェンゲン協定の理念通り、域内のヒトの自由な移動は認めるべきだが、域外からのヒトの自由な流入を認める必然性はない。

また、スロバキアの報道官が述べるように、シェンゲン協定の理念を持ち出すまでもなく、難民の希望する最終受け入れ地はドイツや英国、北欧諸国であって、割当制で彼らを無理強いして居住させたところで、いずれ逃散してしまう。すでに国境地帯や無人地域に押し留めようとしているギリシアやマケドニアでは暴動が発生している。

難民を厳密に審査すれば、内戦が継続しているシリアを除けば、その大半は対象外の不法移民となるのではないか。アラビア語の方言を確認すれば分かると思われる。

すると、EU加盟各国の国民からして見れば、不法移民に対する負担の公平性に疑問が湧く。間違いなく政治的弾圧と内戦を避けてきた難民であったとしても、おおよそ財政の許す限りでしか受け入れられないし、人道上の理念も財政的裏付けがなければ成立しない。こうして積み重ねた政治的反動は選挙結果に反映される。

もちろん、リビア内戦やシリア内戦に対する軍事介入が中途半端に終わったことで、余波としてEU加盟各国に跳ね返っている事情もある。

しかし、すでにカダフィ政権は倒れ、アサド政権は勢力を減じている。いずれも難民流出の抑えにはならない。今さら、内戦に積極的に干渉できないとしても、難民を追い返すのに力を行使することを躊躇しない世論が今後、形成されるだろう。

少なくともハンガリーやスロバキアの政策変更は世論を背後にしているのだから。

デフレに沈むタイ経済

タクシン派と反タクシン派の派閥抗争は軍事クーデター以降、沈静化しているが、その政治的闘争を生み出す経済のダイナミズムも沈静化している、と思われる。

タイの消費者物価は年初来下がり続けていて、人口オーナス期に突入する中韓と同じくデフレに陥りつつある。特に韓国と同じように家計の債務が積み上がっているので、個人消費は伸びない。

2013年末の家計債務は82.3%となった。金融財政政策を通じて、政府債務か企業債務に置き換えるべきだ。

さもないと、タイ経済は韓国経済と同様に政治的対立の原因となっている貧富の格差を解決できないまま、中間層が剥落していく可能性が高くなる。

インフレ目標を3~4%に定めて、バーツ安に持っていくべきだろう。

一方、タイを訪れる観光客は年初来増え続けて29%増、観光業はGDPの9%を占める。そこにテロが逆風となって襲いかかっている。

タイ観光業が爆発で打撃、ホテルの業績悪化予想相次ぐ 2015年 08月 21日 18:11 JST ロイター

タイで内閣改造、国王が新閣僚らを承認 財務相にアピサック氏 2015年 08月 20日 19:25 JST ロイター

バンコク爆発事件、国際過激派組織が関与した可能性低い=政府 2015年 08月 20日 15:04 JST ロイター

タイ警察長官「爆発に10人以上関与」、大規模組織との見方も 2015年 08月 20日 14:37 JST ロイター

バンコク爆発容疑者は外国人男、2人の共犯者=タイ警察 2015年 08月 20日 13:54 JST ロイター

コラム:バンコク爆発事件で揺らぐタイ経済の「命綱」 2015年 08月 18日 16:49 JST ロイター

反政権派?イスラム過激派?ウイグル族報復? テロ犯グループ絞りきれず 24日で発生1週間 2015.8.22 17:56 産経ニュース

【バンコク=岩田智雄】タイの首都バンコクで起きた爆弾テロは、24日で発生から1週間になる。警察は現場のエラワン廟(びょう)のそばにリュックを置いた「黄色いシャツの男」の行方を追っているが、犯行グループの割り出しには至っておらず、事件解決の糸口は見えない。

 19日に市民への開放が再開されたエラワン廟は、21日にはブラフマー神に奉納する踊りも始まった。早急に安全をアピールする狙いがあるとみられる。客足は通常の半分程度に落ち込んでおり、受付男性のチュクリアグさん(43)は「踊り子は全員無事だった。神のご加護があるので不安はない」と訴えた。

 プラユット首相も21日、国民に向けたテレビ演説で「捜査は進展している」と述べ、傷ついたタイの国際的印象の回復に努める姿勢をアピールした。

 警察は、黄色いシャツの男を「身元不明の外国人」としながら、軍は事件を「国際テロとは無関係」と説明しており、「組織的犯行」(ソムヨット警察長官)の実態は不明なままだ。ただ爆弾には、殺傷能力を高めるため多数の金属球が含まれていた。タイでこうした爆弾が使われるのは異例で、「爆弾の製造に精通した集団の犯行」(観測筋)との見方が強い。

 タイ・メディアは、犯行グループについて、(1)政治的対立の中でプラユット政権に不満を持つ者(2)タイ南部イスラム過激派(3)中国に強制送還されたウイグル族の報復を図った者-の可能性を報じてきたが、これらを裏付ける有力な情報や証拠は見つかっていない。

 政治問題では、2006年に首相だったタクシン氏に対する軍事クーデターが起きて以来、元首相派と反元首相派の対立が続いている。このため、元首相支持者の犯行の可能性が残るが、タクシン氏の息子のパントンテ氏は21日、SNS(交流サイト)で、タクシン氏が犯人逮捕につながる情報の提供者と逮捕した当局者に計700万バーツ(約2400万円)の懸賞金を出すと発表した。元首相派の犯行説を打ち消す狙いがあるとみられる。

 タイでは過去に政治的対立を収め、安定の要となってきたプミポン国王(87)の体調が悪化し、いずれ来る王位継承を前に不安が増している。

 国民の間では、こうした中で、軍内部で対立が起き、事件につながったのではないか、とささやく声も出始めた。

当事者が平和を望んでいない

選挙で有利になるために、誰も国内対立の和解を望んでいない。

そうしたトルコの政治状況は、まかり間違うと内戦への道につながりかねない。

与党、公正発展党(AKP)と最大野党、中道左派の共和人民党(CHP)との連立工作は失敗に終わり、選挙管理内閣がつくられる見込みとなった。

イラクではクルド人が自治区で事実上の独立状態、シリアでは内戦においてクルド人は一定の勢力を維持し続け、トルコではクルド系の国民民主主義党(HDP)が総選挙で躍進した。

今まで3つの国にまたがって独立を果たすことが出来なかったクルド人にとって、現在のトルコ国内の政治的分裂とシリアとイラクの内戦こそ独立の絶好の機会ということになる。

トルコ国内のクルド人は、すでにイスラム国(ISIS)のテロにさらされ始めていると感じて、国民民主主義党(HDP)に投票する。公正発展党(AKP)と極右の民族主義者行動党(MHP)はトルコ民族主義の高まりのなかで票を奪い合う。一番、割を喰うのはケマル・アタチュルク以来の伝統を持つ共和人民党(CHP)となるだろう。

Turkey’s War Within AUGUST 17, 2015 Foreign Policy

For Kurdish youth in Turkey, autonomy is no longer enough AUGUST 17, 2015 The Christian Science Monitor

トルコリラ最安値更新、イスタンブール銃撃戦受け 2015年 08月 20日 00:34 JST ロイター

選挙管理内閣へ、最初の一歩―大統領・国会議長と面会 2015年08月19日付 Radikal紙 TUFS MEDIA

エルドアン大統領は組閣に関するプロセスについて協議を行うためにトルコ大国民議会のイスメト・ユルマズ議長を18時に大統領官邸に迎え入れた。会談は約2時間続いた。

6月7日の総選挙により第一党として選出された公正発展党(AKP)のアフメト・ダヴトオール党首は組閣できずに任務を返還すると、注目はレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領へと移った。エルドアン大統領は、大統領官邸で今日行われた地区長らとの面会の際、組閣の任務を選挙で第二党として選出された共和人民党(CHP)に委託するつもりはないと指摘し、「選挙管理内閣」に関して最初の一歩を踏み出した。

エルドアン大統領は今日大統領府でトルコ大国民議会のイスメト・ユルマズ議長と18時に会談した。その際に「選挙管理内閣」に関して最初の一歩を踏み出した。

大統領は、大統領府でユルマズ国会議長と18時に会った。会談では「選挙管理内閣」に向けて「諮問会談」が行われたことが舞台裏で囁かれている。

■選挙管理の首相をエルドアン大統領が任命する

憲法に則り、最も遅くて90日内に選挙を実施する「選挙管理内閣」はトルコ大国民議会における議席数に応じ政党代表者から大統領が任命する予定だ。これによりエルドアン大統領が「選挙管理内閣の首相」として再びAKPのダヴトオール党首を任命することが予想されている。

■サプライズをするのか?

しかし政治の舞台裏ではエルドアン大統領が選挙管理の首相の任命に際し「サプライズをする可能性」が話されている。大統領が選挙に導くにあたりAKPの中の他のある人物、例えばユルマズ議長を任命しうることが、確立上「低いもの」であるが、舞台裏で話し合いが始められた。憲法に則り、選挙管理内閣において首相の任を引き受ける人物は国会議員でなければならない。しかし、選挙管理内閣の閣僚に関しては国会議員である必要性はない。

■民族主義者行動党(MHP)は参加しない

大統領の決定でもって設立される選挙管理内閣にMHPは参加する予定はないと表明した。人民の民主主義党(HDP)はというと昨日行った中央執行委員会会議で選挙管理内閣において任命を受けるとの決定をおこなった。エルドアン大統領がCHP党首を任命しなければ、CHPは選挙管理内閣において座を占めることは予想されない。

プーチン大統領の夢の終わり

極東地域と欧州地域の間のインフラを整備して、サプライチェーンを構築して、両地域間の人口密度などの格差を解消する。シベリア鉄道を高速鉄道として再整備して、モノとヒトの動きを高める。そのために自動車産業を極東地域に誘致する必要があった。その最初の取り組みとなるはずだったトヨタ自動車のウラジオストクでの生産が終わる。これは、プーチン大統領が1期目の終わりに掲げた夢の終わりでもある。

2011年2月20日のエントリーで取り上げたが、

トヨタ自動車のウラジオストクでの生産は、三井物産を介したセミノックダウン方式となっている。これはロシア極東連邦管区の市場規模からと考えられる。かつ条件として、生産車を中央アジアもしくはウラル山脈の西側に輸送する際の鉄道補助金が継続されなければならない。

極東地域の市場規模の制約を乗り越え、シベリア鉄道で運ぶ補助金の継続を得ても、トヨタ自動車は、ロシア全体の市場規模が縮んでいくのには耐えられなかった訳だ。

ロシアのボトルネックとは、その広大な国土ゆえのインフラの弱さである。特にウラル山脈の西側と東側の人口比重の違い、エネルギー資源の分布比重の違いがそこに拍車を掛ける。これが過度のエネルギー資源に依存した経済構造と効率性の悪さ、所得格差と男性の平均寿命低下・人口減少を生じさせている。ただしこれらのブレイクスルーに必要な全般的に国民の知識水準が高いこと、エネルギー資源・穀物を他国に依存しないという利点を持っていることは理解しておかねばならない。これは中国と大きく違う点である。

このボトルネックを解消する技術と資本を我が国に頼るというのが、従来の方針だったが、ウクライナ危機による両国関係の悪化に伴い、ロシアは次善の策として中国の資本と技術に頼ろうとしている。モスクワ~カザン間の高速鉄道計画がそれに当たる。

トヨタSUV、ロシア極東の生産終了 輸出に転換 2015/8/18 13:42 日経

 トヨタ自動車は18日、ロシアのウラジオストク市で、三井物産と現地の自動車大手ソレルスの合弁会社「ソレルス・ブッサン」がトヨタ車の生産を終えたことを明らかにした。車種は多目的スポーツ車(SUV)の「ランドクルーザープラド」で、6月下旬に終了した。生産終了後は日本からの輸出に切り替えた。

 ソレルス・ブッサンは2013年2月から同車種の組み立てを始めた。今年6月までの累計生産実績は2万9千台。生産終了の理由についてトヨタは、「中長期的な事業継続性の観点から、困難と判断した」としている。

 トヨタのロシアでの生産拠点はウラジオストク市とサンクトペテルブルク市の2拠点から、1拠点に集約される。サンクトペテルブルクの拠点では主力のセダン「カムリ」を生産しており、16年からは同工場でSUV「RAV4」の生産を始める予定だ。

 トヨタはロシアで14年は前年比6%増の18万3千台を販売した。だが最近は通貨安などの影響で市場が落ち込んでおり、15年は1~6月で前年同期実績を約3割下回っている。

命にまつわる保守とリベラルの逆転現象

同性婚の容認などリベラル化が急速に進む米国において、本来は最も保守的な宗教右派が命に対して最もリベラル的なスタンスに立っていることがある。それが妊娠中絶手術だ。

妊娠中絶された胎児の臓器が売買されているという疑惑が持ち上がり、共和党はこれを材料に予算不成立と政府機関一時閉鎖を行っても、党の支持率は落ちない、と見込んでいる。

2015年6月28日のエントリーでも取り上げたが、

宗教右派にとって最後の拠り所になるのが、妊娠中絶の問題であり、ユダヤ人ではないが宗教的な理由からイスラエルを支持する彼ら強硬派は同時に胎児の命を尊重する。同性婚する人々は、配偶者同士では妊娠できない故に中絶もしない。また養子を引き取るので、宗教右派の直接攻撃対象とならなくなった。

この主義主張においてはリベラルは保守となり、保守はリベラルに立場を代える。

米NPOに「臓器売買」疑惑 補助金打ち切り争点 政府機関閉鎖の恐れも 2015.8.17 19:42 産経ニュース

 【ワシントン=小雲規生】米国の医療関連の非営利組織「全米家族計画連盟(PPFA)」が臓器売買に関わっていたとされる疑惑が浮上している。PPFA幹部が関連医療機関で妊娠中絶された胎児の臓器の価格交渉をする動画がインターネット上で公開されたためで、議会ではPPFAへの補助金を打ち切るか否かが争点になっている。民主党側は女性の中絶する権利を脅かすとして打ち切りに反発しているが、9月以降の予算審議の行方次第では政府機関閉鎖の引き金になるとの見方も出ている。

 動画はカリフォルニア州の市民団体が隠し撮りし、7月14日にネット上で公開した。市民団体は臓器買い取りを希望する医療機関の関係者を装ってPPFAに接触し、PPFA幹部が「臓器ひとつあたり30~100ドル」と価格を示唆する様子を撮影した。

 幹部らは動画のなかで、中絶時に胎児の臓器を傷つけないために特殊な中絶方法をとることにも言及。市民団体は「臓器の売買や、PPFAが用いている特殊な中絶方法は違法行為にあたる」と主張している。

 一方、PPFAは「臓器は合法的に研究用に寄付されており、利益は得ていない」と反論。全米700拠点で乳がん検診や中絶処置などを行う「米国で最も信頼されている女性向けの医療機関」としての立場を強調している。

 しかしPPFAは連邦政府から年間5億ドル(約624億円)の補助金を受け取っていることから、議会で下院エネルギー・商業委員会が調査を開始した。2016年の大統領選挙で共和党からの候補指名を目指すジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事も「極めて深刻な政治問題だ」として事態の究明を促している。

 一方、上院では8月3日、共和党主導でPPFAへの補助金をカットする法案について投票が行われたが、賛成は53票に留まり、議事進行に必要な60票に届かなかった。エリザベス・ウォーレン上院議員(民主党)は「保守派による女性の権利に対する手の込んだ攻撃だ」と批判している。

 しかしPPFAへの補助金は9月以降の予算審議で再び争点になりそうだ。共和党では、大統領選で党からの候補指名を争っているテッド・クルーズ上院議員が、補助金をめぐる対立で予算が成立せずに政府機関が閉鎖されることも辞さない姿勢を表明している。臓器売買疑惑の展開次第では、大統領選の行方にも影響する可能性がある。

 米紙ワシントン・ポスト(電子版)は4日、「共和党は米国民が政府機関閉鎖に思い悩むより先に胎児からの臓器売買問題に嫌悪感を抱くだろうと考えている」と分析している。

トルコは再選挙しても混乱が続く

2015年6月12日のエントリーの続報。

トルコの総選挙の結果、エルドアン大統領、ダウトオール首相の公正発展党(AKP)が比較第1党となったものの過半数割れに終わった。最大野党、中道左派の共和人民党(CHP)との連立工作は失敗に終わった。もともとケマル・アタチュルク以来の西欧的リベラルの系譜を保っている共和人民党との連立は可能性ゼロに近かった。

米、トルコのパトリオット撤去へ 2015.8.17 07:02 産経ニュース

次期総選挙なら前回「AKP連続3期規定適応者」復活へ 2015年08月15日付 Milliyet紙 TUFS MEDIA

トルコで連立協議が決裂、秋に再選挙の見通し 2015年 08月 14日 07:44 JST ロイター

AKP/CHP連立交渉不調におわる―株価下落、ドル上昇 2015年08月13日付 Cumhuriyet紙 TUFS MEDIA

デミルタシュHDP党首「即刻、和平を」 2015年08月12日付 Milliyet紙 TUFS MEDIA

アレヴィーの家にマーク―イスタンブル・ウスキュダル 2015年08月12日付 Radikal紙 TUFS MEDIA

アレヴィー派リーダー、襲われる 2015年08月08日付 Radikal紙 TUFS MEDIA

公正発展党(AKP)と極右の民族主義者行動党(MHP)は再選挙による勢力拡大を望んでいる。また、PKK弾圧と同期せざる得ないクルド系の国民民主主義党(HDP)は、再選挙で勢力を拡大して発言権を確保できるかが、そのままクルド系の生存権に関わってくる。

すでに宗教的少数派のアレヴィー派に対する迫害の前兆が現れており、景気悪化の兆候とともにトルコ国内混乱の芽が、あちらこちらに芽吹いている。

新興国市場、日中新幹線受注競争の分水嶺

インドネシアのジャワ島の高速鉄道建設計画をめぐり、日中が受注を競い合っている。

インドネシアのジョコ大統領は内閣改造を実施して、フィアン・ジャリル経済調整相、ラフマット・ゴーベル貿易相などを更迭した。日本側の提案を推すゴーベル貿易相は更迭されたが、中共側の提案を推すリニ・スマルノ国営企業相は留任した。これに対抗して、日本側は新しい案を提示した。

以前の提案は金利0.1%、40年間の円借款をインドネシア政府に供与、金額は非公開であった。今回の提案は、金利などの条件はそのままに供与先をインドネシアの民間企業(おそらく高速鉄道の運営会社)に振り替えた。インドネシア政府は財政に負担なく新幹線を導入できる。

この提案の条件でインドネシア政府が呑めないならば、中共側の提案実現には金利をさらに低くするか、車両工場の現地誘致をするか、政治家に献金を増やすか、賄賂の授受などが疑われるしか望めないだろう。

そして、このスキームで受注獲得すれば、新興国市場における日中新幹線の受注競争は我が国の勝利がほぼ確定する。

ジャカルタ都市高速鉄道、日本2企業連合が受注 2015.2.27 05:30 産経ニュース

中国が売り込み攻勢 ジャワ島の高速鉄道 2015.8.10 23:01 産経ニュース

インドネシア、知日派貿易相ら6閣僚交代 日本に痛手 中国と争う高速鉄道建設計画にも影響か 2015.8.12 19:54 産経ニュース

インドネシア高速鉄道計画、日本が新提案=副経済調整相 2015年 08月 14日 17:50 JST ロイター

[ジャカルタ 14日 ロイター] - インドネシアのウリアント副経済調整相は14日、ジャワ島の高速鉄道建設計画の受注に向けて日本が中国に対抗して新たな提案を行ったことを明らかにした。

国際協力機構(JICA)の大浦大輔氏によると、日本はこれまでに金利0.1%で40年間(猶予期間10年)の円借款を提案していた。融資の規模は明らかにしていない。

日本の新提案についてウリアント副経済調整相はロイターに、融資期間と金利に変更はないが、インドネシア政府の財政支出が不要な形に修正されたことを明らかにした。

「日本は国営企業への融資を計画している。インドネシア政府は出資しない」と述べ、国営企業が民間企業に鉄道の運営を委託することも可能と説明した。

日本と受注を競っている中国は期間50年間、金利2%で55億ドルの融資を提案している。


参考URL:
海外交通・都市開発事業支援機構

21世紀の阿片戦争

阿片戦争の遠因となったのは清朝の経常収支の悪化であった。ときの道光帝は阿片の対価に支払われる銀貨の流出に危惧を抱き、林則徐を大臣に任命して、英国民間商人の私有財産であった阿片を没収して、見せしめに焼却処分した。

自国貨幣「圓」の信用の基礎は外貨であるメキシコドルが担っていた。

清朝は外貨流出を怖れて、実効的な阿片貿易・販売・所持・吸引などを制限~禁止する経過措置を取らず、突如として英国の商館に矢を射ち込み、公海上の船舶を拿捕して、阿片の没収焼却を立て続けに行って、“法の支配”がなければ成立しない自由貿易を否定した。

歴史は繰り返す。

上海株式市場の暴騰の始まりは米国の量的緩和のテーパリングと軌を一にしている。不動産バブル形成に投資されたドルの還流に危惧を抱き、李克強の改革路線に追随して、香港市場と上海市場の相互乗り入れを行って、市場の歪みを突いた海外勢の空売りで暴落した。

人民元の信用の基礎は外貨である米ドルが担っている。

中共は外貨流出を怖れて、上海株式市場の取引を国際金融センターとしての信用の維持を全く考慮せず、突如として約7割の銘柄の売買停止、大株主が保有する株式の6ヶ月のロックアップ、遡及して空売りを違法と見做し、逮捕される人の弁護に当たる人権弁護士の拘束を立て続けに行って、資本主義と自由主義に対する不適格性を露わにした。

7月の中国外貨準備高、前月から425億ドル減少 2015年 08月 7日 18:37 JST ロイター

崩壊する中国“成長の方程式” 不動産ブーム支えた外準の減少が止まらない 2015.08.07 ZAKZAK

支那は昔も今も自国の信用を外貨に頼っている。メキシコ銀貨の流出が阿片戦争を招来させたのならば、ドルの流出は中国共産党の侵略を招くのもあながち不思議なことではない。

そして、戦争の帰趨は大抵、交通の要衝が抑えられて支那側の戦争継続が不可能になり、講和条約を締結するものの、一向に履行されずに終わる。

阿片戦争では、英国海軍が揚子江を遡上して鎮江を陥落させて、北京への水運(京杭大運河)を断たれて負けた。しかし、講和条約の南京条約と虎門寨追加条約は履行されず、アロー号戦争につながった。

アロー号戦争では、英仏軍が天津を陥落させて、北京への陸路が抑えられて負けた。しかし、講和条約の天津条約にあった外交官の北京駐在とキリスト教布教の自由が義和団の乱につながった。

過去の戦争の事例から、天津の港湾での爆発事故が北京の流通を停滞させることは間違いない。港湾の復旧までに時間が掛かり、代替する港湾のサプライチェーンの再構築にコストが掛かる。

天津爆発、死者104人に 有害物質拡散の恐れ 2015/8/15 20:31 日経

天津爆発事故、死者56人に 税関大破、通関業務に影響 2015年8月15日01時47分 朝日新聞

FRBの利上げ観測に先手を打つ形で、筆者が考えていたよりも早く人民元の切り下げがなされた。ドル高の昂進によってはFRBの利上げも遠のくかもしれない。また、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の成功と人民元のSDR採用もやや遠のいた。それでも、中共の外貨準備高の減少傾向を喰い止められるか分からない。

中国、2~3年で実質変動相場制に移行を IMF年次報告書 2015/8/15 10:40 日経

アングル:リスクオフでも円売り、人民元引き下げで見えた新潮流 2015年 08月 14日 18:27 JST ロイター

コラム:人民元、あと5%下落の可能性も 2015年 08月 13日 18:56 JST ロイター

UPDATE 2-中国7月鉱工業生産や固定資産投資、予想下回る 減速懸念に拍車 2015年 08月 12日 17:31 JST ロイター

IMF:人民元の新たなメカニズム歓迎-SDR採用に影響なし 2015/08/12 13:15 JST ブルームバーグ

以下、2012年9月21日のエントリーの一部を再掲しよう。

今一度確認するが、中共を近代化(資本主義化)したのは、あくまでも日米など列強の資本と技術だった。チャイナリスクが深く静かに浸透し、外資が撤退していくことで、中共は前近代へと逆戻りする可能性すらあるだろう。さて、ここで留意せねばならないことがある。

当時の広州を現在の香港や上海に置き換え、当時の英国の阿片取引の民間開放を現在の米国のリーマン・ショック以降の輸出倍増戦略に置き換えると、案外と阿片戦争前と相似してきたではないか。資本収支は出超となっていき、貿易収支が悪化していけば、自ずと導き出される彼らの解決策とは戦争である。

“戦後レジームからの脱却”の成就を宣言する

すでに2015年5月5日のエントリーでまとめたが、今年4月末の訪米における上下両院合同の議会演説で、安倍首相は事実上、“戦後レジームからの脱却”を宣言した。

議会演説は当然のごとく対米関係の視点から述べているのに対して、今回の戦後70年談話は国民の視点から述べられている。内外で2回に渡って宣言したことで、明快に“戦後レジームからの脱却”は成就した、と受け取って良いだろう。

8月14日という日付にも意義を見出すことができる。もしも、村山談話と河野談話の上書きをポツダム宣言受諾の8月15日に被せると、戦前回帰の疑念を深めさせてしまい、“対中封じ込め”に参画する英米や豪州、インド、ASEAN、台湾との間に角が立つ。

我が国の方法論としては、現代の東アジアと太平洋の国際秩序を形成する根幹、サンフランシスコ講和条約を否定する中共のレバレッジを借りて、戦後レジームから脱却するべきだろう。我が国はあくまでも講和条約に沿って行動しつつも、一方で彼らを煽り立て、国際秩序を再構築する。

と、2013年6月3日のエントリーで予測していたように、彼らの稚拙な外交軍事政策が我々のレバレッジとしてすべて有利に働いた。その意味で敵手たる中国共産党に感謝しなければならないだろう。

そして、談話が発表された只今からは戦後レジームの既得権益を国内で享受する者たちに対する追撃戦、掃討戦が始まる、と考えられる。

【戦後70年談話】 首相談話全文 2015.8.14 18:03 産経ニュース

戦後70年の安倍首相談話の全文は以下のとおり。



 終戦七十年を迎えるにあたり、先の大戦への道のり、戦後の歩み、二十世紀という時代を、私たちは、心静かに振り返り、その歴史の教訓の中から、未来への知恵を学ばなければならないと考えます。

 百年以上前の世界には、西洋諸国を中心とした国々の広大な植民地が、広がっていました。圧倒的な技術優位を背景に、植民地支配の波は、十九世紀、アジアにも押し寄せました。その危機感が、日本にとって、近代化の原動力となったことは、間違いありません。アジアで最初に立憲政治を打ち立て、独立を守り抜きました。日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました。

 世界を巻き込んだ第一次世界大戦を経て、民族自決の動きが広がり、それまでの植民地化にブレーキがかかりました。この戦争は、一千万人もの戦死者を出す、悲惨な戦争でありました。人々は「平和」を強く願い、国際連盟を創設し、不戦条約を生み出しました。戦争自体を違法化する、新たな国際社会の潮流が生まれました。

 当初は、日本も足並みを揃えました。しかし、世界恐慌が発生し、欧米諸国が、植民地経済を巻き込んだ、経済のブロック化を進めると、日本経済は大きな打撃を受けました。その中で日本は、孤立感を深め、外交的、経済的な行き詰まりを、力の行使によって解決しようと試みました。国内の政治システムは、その歯止めたりえなかった。こうして、日本は、世界の大勢を見失っていきました。

 満州事変、そして国際連盟からの脱退。日本は、次第に、国際社会が壮絶な犠牲の上に築こうとした「新しい国際秩序」への「挑戦者」となっていった。進むべき針路を誤り、戦争への道を進んで行きました。

 そして七十年前。日本は、敗戦しました。

 戦後七十年にあたり、国内外に斃れたすべての人々の命の前に、深く頭を垂れ、痛惜の念を表すとともに、永劫の、哀悼の誠を捧げます。

 先の大戦では、三百万余の同胞の命が失われました。祖国の行く末を案じ、家族の幸せを願いながら、戦陣に散った方々。終戦後、酷寒の、あるいは灼熱の、遠い異郷の地にあって、飢えや病に苦しみ、亡くなられた方々。広島や長崎での原爆投下、東京をはじめ各都市での爆撃、沖縄における地上戦などによって、たくさんの市井の人々が、無残にも犠牲となりました。

 戦火を交えた国々でも、将来ある若者たちの命が、数知れず失われました。中国、東南アジア、太平洋の島々など、戦場となった地域では、戦闘のみならず、食糧難などにより、多くの無辜の民が苦しみ、犠牲となりました。戦場の陰には、深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたことも、忘れてはなりません。

 何の罪もない人々に、計り知れない損害と苦痛を、我が国が与えた事実。歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈なものです。一人ひとりに、それぞれの人生があり、夢があり、愛する家族があった。この当然の事実をかみしめる時、今なお、言葉を失い、ただただ、断腸の念を禁じ得ません。

 これほどまでの尊い犠牲の上に、現在の平和がある。これが、戦後日本の原点であります。

 二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。

 事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない。植民地支配から永遠に訣別し、すべての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない。

 先の大戦への深い悔悟の念と共に、我が国は、そう誓いました。自由で民主的な国を創り上げ、法の支配を重んじ、ひたすら不戦の誓いを堅持してまいりました。七十年間に及ぶ平和国家としての歩みに、私たちは、静かな誇りを抱きながら、この不動の方針を、これからも貫いてまいります。

 我が国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました。その思いを実際の行動で示すため、インドネシア、フィリピンはじめ東南アジアの国々、台湾、韓国、中国など、隣人であるアジアの人々が歩んできた苦難の歴史を胸に刻み、戦後一貫して、その平和と繁栄のために力を尽くしてきました。

 こうした歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎないものであります。

 ただ、私たちがいかなる努力を尽くそうとも、家族を失った方々の悲しみ、戦禍によって塗炭の苦しみを味わった人々の辛い記憶は、これからも、決して癒えることはないでしょう。

 ですから、私たちは、心に留めなければなりません。

 戦後、六百万人を超える引揚者が、アジア太平洋の各地から無事帰還でき、日本再建の原動力となった事実を。中国に置き去りにされた三千人近い日本人の子どもたちが、無事成長し、再び祖国の土を踏むことができた事実を。米国や英国、オランダ、豪州などの元捕虜の皆さんが、長年にわたり、日本を訪れ、互いの戦死者のために慰霊を続けてくれている事実を。

 戦争の苦痛を嘗め尽くした中国人の皆さんや、日本軍によって耐え難い苦痛を受けた元捕虜の皆さんが、それほど寛容であるためには、どれほどの心の葛藤があり、いかほどの努力が必要であったか。

 そのことに、私たちは、思いを致さなければなりません。

 寛容の心によって、日本は、戦後、国際社会に復帰することができました。戦後七十年のこの機にあたり、我が国は、和解のために力を尽くしてくださった、すべての国々、すべての方々に、心からの感謝の気持ちを表したいと思います。

 日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の八割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。

 しかし、それでもなお、私たち日本人は、世代を超えて、過去の歴史に真正面から向き合わなければなりません。謙虚な気持ちで、過去を受け継ぎ、未来へと引き渡す責任があります。

 私たちの親、そのまた親の世代が、戦後の焼け野原、貧しさのどん底の中で、命をつなぐことができた。そして、現在の私たちの世代、さらに次の世代へと、未来をつないでいくことができる。それは、先人たちのたゆまぬ努力と共に、敵として熾烈に戦った、米国、豪州、欧州諸国をはじめ、本当にたくさんの国々から、恩讐を越えて、善意と支援の手が差しのべられたおかげであります。

 そのことを、私たちは、未来へと語り継いでいかなければならない。歴史の教訓を深く胸に刻み、より良い未来を切り拓いていく、アジア、そして世界の平和と繁栄に力を尽くす。その大きな責任があります。

 私たちは、自らの行き詰まりを力によって打開しようとした過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、いかなる紛争も、法の支配を尊重し、力の行使ではなく、平和的・外交的に解決すべきである。この原則を、これからも堅く守り、世界の国々にも働きかけてまいります。唯一の戦争被爆国として、核兵器の不拡散と究極の廃絶を目指し、国際社会でその責任を果たしてまいります。

 私たちは、二十世紀において、戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、そうした女性たちの心に、常に寄り添う国でありたい。二十一世紀こそ、女性の人権が傷つけられることのない世紀とするため、世界をリードしてまいります。

 私たちは、経済のブロック化が紛争の芽を育てた過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、いかなる国の恣意にも左右されない、自由で、公正で、開かれた国際経済システムを発展させ、途上国支援を強化し、世界の更なる繁栄を牽引してまいります。繁栄こそ、平和の礎です。暴力の温床ともなる貧困に立ち向かい、世界のあらゆる人々に、医療と教育、自立の機会を提供するため、一層、力を尽くしてまいります。

 私たちは、国際秩序への挑戦者となってしまった過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、自由、民主主義、人権といった基本的価値を揺るぎないものとして堅持し、その価値を共有する国々と手を携えて、「積極的平和主義」の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献してまいります。

 終戦八十年、九十年、さらには百年に向けて、そのような日本を、国民の皆様と共に創り上げていく。その決意であります。

 平成二十七年八月十四日

 内閣総理大臣 安倍晋三


参考URL:
20世紀を振り返り21世紀の世界秩序と 日本の役割を構想するための有識者懇談会 報告書 平成27年8月6日 首相官邸(PDF)

豪州の支那人締め出しの悪影響を被る前に

2015年5月4日のエントリーの続報。

豪州では今年5月、外国人による違法な不動産購入の罰則強化の方針が示された。違法取得の調査が行われ、462の物件に違法の可能性があるとされ、うち6件は売却命令が出された。

投資目的による不動産購入を防ぎ、価格高騰を招かないようにするのが罰則強化の趣旨となるが、中国本土のバブル崩壊で資産を保全し、海外移住を図ろうとする支那人の流入を防ぐ効果も期待できる。これは移民の締め出しにもつながる。

豪州に入れなくなった数だけ支那人(利害関係で癒着する香港人、台湾の外省人、華僑も含まれる)が我が国に流入する可能性がある。同様の規制を導入する必要性が出てきた。あとは国防上、“対中封じ込め”の観点と東京の不動産需給の影響とを見極めながら、タイミングが問題となる。

豪政府、外国人住宅所有者5人に売却命令 2015年 8月10日 13:32 JST WSJ日本版

【シドニー】オーストラリア政府は外国人による違法な住宅取得の取り締まりを強化している。その一環として、5人の外国人に対し、オーストラリア国内で所有する居住用不動産の売却を命じた。

ホッキー財務相はシドニー、ブリスベン、パースにある6件の居住用不動産について、所有する5人の外国人に売却を命じたことを明らかにした。物件の評価額は最も安いもので15万2000豪ドル(約1390万円)、最も高いものは186万豪ドル(1億7000万円)。

財務相によると、調査の結果、さらに462の物件が外国人による住宅所有に関する規則に違反して所有されている可能性があることが判明。政府は今後も外国人に住宅の売却を命じる可能性がある。調査対象となった物件の数は6月に最新の推計が公表されて以降、2倍以上に増加した。

ホッキー氏は新たな売却命令が間もなく発表されるとの見通しを示した上で、違反者への罰則を強化することを約束した。

オーストラリアでは住宅価格が急騰し、多くの国民が住宅を所有できなくなっている。保守政権は住宅を手ごろな価格に抑え、投資家による住宅購入を制限するよう国民から突き上げられている。一部には、鉱山ブームが終わって景気が減速すれば、住宅市場が暴落するのではないかとの不安の声も挙がっている。

最大の懸念材料は中国や東南アジア諸国からの投資が住宅問題の悪化を招いていることだ。オーストラリア外国投資審査委員会(FIRB)は今年4月、中国の昨年1年間の対オーストラリア投資額が276豪億ドルとなり、中国が米国を抜いて最大の投資国となったと発表。中国からの資金のほぼ半分が不動産に流れ込んだ。

財務相は3月、シドニー市内にある3900万豪ドルの邸宅をめぐって香港在住の所有者に売却を命じたことを明らかにした。調査の結果、この物件が違法に購入されたことが判明したためだ。

今回売却を命じられた外国人投資家は中国など4カ国の5人。ホッキー氏によると、FIRBの認可を受けて物件を購入した投資家もいたが、事情が変わっても売却規則に従っていなかった。最初から規則を守らず、認可を受けずに購入した投資家もいたという。

政府は5月に、違反者の刑事訴追を免除する方針を明らかにしており、5人の投資家はこの方針に基づいて自主的に名乗り出たという。5人は今後12カ月以内に所有する不動産を売却することになる。ホッキー氏によると、オーストラリアで違法に居住用不動産を購入した外国人は今年11月30日までに名乗り出れば訴追免除が適用される。

財務相は違法に居住用不動産を取得した外国人投資家への罰則を強化する法案を今後2週間以内に連邦議会に提出する予定であることを明らかにした。

法案によると、非居住者が既存の住宅を違法に取得した場合、最高で12万7500豪ドルの罰金刑か3年の懲役に処せられる。さらに、不動産に発生したキャピタルゲイン、購入価格の25%、市場価格の25%のうち最も高い金額を支払わなければならない。

不動産業者や金融アドバイザーなどの第三者も違法な不動産購入に関われば、訴追される可能性がある。

外国人による住宅購入に関する法律は約5年前に強化され、外国人が購入できる物件は新築に限定された。一時的な居住者はFIRBの認可があれば既存の住宅の取得が認められるが、ビザ(査証)失効時には売却しなければならない。

政府の委員会は昨年、違法な住宅取得の摘発手続の整備、規則違反に対する罰則、第三者の違反者に対する罰則、購入者がオーストラリアを出国したことを移民当局がFIRBに通知するための法改正など答申していた。

対潜哨戒機を運用できていない人民解放軍

フィリピン海軍が対潜哨戒機を導入するのは時期尚早と見て、TC-90練習機を供与する案が浮上している。この練習機にレーダーを搭載して、水上艦艇の目視偵察に充てる方針、とされる。

マレーシア航空MH370便の捜索活動では、豪州のピアース空軍基地が提供され、日米豪ほかが対潜哨戒機を参加させたのに対して、中共はIL-76を2機参加させるに留まった。

IL-76は機首の下面から目視偵察できるが、本来は輸送機であってレーダーやソナー、磁気探知機、赤外線カメラなどは搭載していない。対潜哨戒機に準じた改造がされているのかもしれないが、所属は空軍である。この事実から中共は対潜哨戒機を運用できていない、と思われる。

中日軍機、オーストラリアに集まり不明機を共同捜索へ 25. 03. 2014 japanese.china.org.cn

MH370便捜索に参加した各国軍用機【画像】 2014/05/01 12:40 FlyTeam

日本がフィリピン軍に練習機の供与検討、南シナ海での中国への防衛力を強化 2015年8月6日(木)16時08分 ニューズウィーク日本版

[東京 6日 ロイター] - 日本がフィリピン軍に対し、訓練用の航空機の供与を検討していることが明らかになった。海上の監視活動に使えば、南シナ海で中国と領有権を争うフィリピンの防衛力強化につながるとみている。

他国軍の能力支援に、自衛隊の中古装備を輸出する初のケースとなる。

<レーダーと目視で警戒監視>

日比両政府の関係者によると、検討されているのは、海上自衛隊が操縦士育成に使用している練習機「TC90」。もともと米ビーチクラフト社が開発したビジネス機で、高い軍事能力はない。しかし、日本の関係者は「レーダーを積めば偵察機として使える」と話す。

南シナ海で中国と緊張が続くフィリピンは、海の監視能力を高める装備の供与を日本に求めており、特に対潜哨戒機「P3C」に強い関心を示している。西太平洋に抜けようとする中国の潜水艦をけん制するのが狙いだが、P3Cは収集した情報の解析などに高度な運用能力が必要なことから、扱いの容易なTC90が俎上(そじょう)に乗ってきた。

別の関係者は「レーダーと目で見て写真を撮ってくる、という警戒・監視に使える。潜っている潜水艦は無理だが、水上艦艇なら見ることができる」と言う。

検討はまだ初期段階とみられ、フィリピン国防省の上層部は日本側から正式な提案を受けていない。ガズミン国防相はロイターの取材に対し「(TC90の供与は)承知していない」としている。

フィリピンとの防衛協力を進める日本の防衛省は「TC90、P3Cを含め、わが国とフィリピンとの間における具体的な防衛装備・技術協力の内容は決まっていない」と回答した。

日本は親日のアキノ大統領の任期が終わる来年6月までに、フィリピンとの関係をできるだけ強化したい考え。安倍晋三首相とアキノ大統領は今年6月の首脳会談で、装備輸出を可能にする協定の交渉を開始することで合意した。

■中古装備の供与に壁

問題は、国有財産を無償や低価で他国に渡せない財政法の縛りが日本側にあること。政府内では、自衛隊の中古装備の供与が同法の対象外となるような法的な手当てを検討する案や、適正な中古価格で売却する案などが出ている。

他国軍への補給を可能にする物品役務相互提供協定(ACSA)や、国連平和維持活動(PKO)の派遣先に装備を置いて帰るのは、別途法律があるため財政法の例外扱いにされている。

南シナ海の岩礁を埋め立て、軍事拠点化を進める中国の活動に、周辺諸国は警戒を強めている。8月4日からマレーシアで始まった東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相会議でも、主要議題に取り上げられた。同海域を重要な海上交通路(シーレーン)とみる日本は、関係各国の海洋安全保障の能力向上を支援する方針を改めて表明した。

(久保信博、ティム・ケリー、マニュエル・モガト(マニラ) 編集:田巻一彦)

フレームワークで勝負する英国

日英外相会談で両外相は「法の支配」や航行の自由といった原則を確認した。「法の支配」に言及した英国の枠組みつくりの柔軟さには定評がある。

もちろん、英国の柔軟性は外交では二枚舌、三枚舌にも繋がる。

しかし、BS 5709から発展したISO 9000のような品質マネジメント・システムの先駆的役割、排出権取引のトレードセンターとしてのシティーの活動、変な兵器を開発することでも悪名を馳せるが同時に戦車や垂直離着陸機の実用化も行っている。

英国は、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に出資表明した一方、米国以外では最も我が国との防衛協力が深化している。中共を上げて落とすロンドン・シティーと利害を一致させる可能性も充分ある。

【日英の安全保障協力の進展】
2012年06月 防衛協力覚書締結
2013年07月 防衛装備品協力の協定締結・化学防護服の共同研究開始・情報保護協定署名
2013年10月 日英のNSC定期協議・NSC間のホットライン開設合意
2013年11月 英国海軍HMSデアリングの寄港
2014年01月 日英情報保護協定発効
2014年05月 日英首脳会談でACSA締結交渉開始
2014年07月 空対空ミサイル開発に向けた共同研究開始
2015年01月 日英2プラス2初開催

日英外相 東アジアの“法の支配”徹底で連携 8月8日 15時24分 NHK NewsWEB

岸田外務大臣は東京都内で、イギリスのハモンド外相と会談し、中国の海洋進出や北朝鮮の核・ミサイル問題などを念頭に、東アジア地域での「法の支配」の徹底など、国際社会の課題に対し、両国が緊密に連携していく考えで一致しました。
岸田外務大臣は8日、東京都内で、日本を訪れているイギリスのハモンド外相と、昼食も交えながら、およそ2時間半にわたって会談しました。

会談の冒頭、岸田大臣は「さまざまな国際的な課題の解決において連携し、協力していきたい」と述べ、国会で審議されている安全保障関連法案を含め、安倍政権が掲げる積極的平和主義の取り組みを説明し、理解を求めました。

これに対し、ハモンド外相は「法案が成立することで、国際的な平和と安定を堅持するための緊密な協力ができると期待している」と述べ、支持する考えを示しました。

そのうえで、両外相は中国による海洋進出の活発化や、北朝鮮の核・ミサイル問題などを念頭に、東アジア地域での「法の支配」の徹底など、国際社会の課題に対し、緊密に連携していく考えで一致しました。

さらに両外相は、来年、東京で開催する予定の両国の外務・防衛の閣僚会合、いわゆる「2プラス2」で、防衛装備品の共同開発などで具体的な成果を挙げられるように協力していくことを確認しました。


中国経済成長率、実際は公式統計の半分以下か 英調査会社が試算 2015年 08月 7日 14:36 JST ロイター

参考URL:
第4回日英外相戦略対話 平成27年8月8日 外務省

笞打刑と私刑に処せられるブロガー

2015年3月7日のエントリーで取り上げたが、

バングラデシュ系米国人のアビジット・ロイ氏が2月末に殺された。正規の旅券を持って入国した米国人の安全を、バングラデシュ政府とその官憲は保護できなかった。言論と信教の自由以前に、生命と財産の自由を擁護できなかった。外国人の政治的活動を抑制する、入国させない権利を当該国は持つだけに失策と云うべきだろう。

軽工業を中心とした経済発展の始まりにつれて、むしろベンガル人のナショナリズムや世俗化ではなくイスラム原理主義が台頭している。そして、今年に入ってから4人の世俗主義を唱えるブロガーが、原理主義者と思しき集団に殺害されている。

そもそも宗教的戒律はそのコミュニティと属する信者とに、外見的・心理的抑圧を与える。神の名によって守らなければならない規範が生活の隅々にまで浸透している。その圧力から一時でも解放されるために、原理主義者は戒律に従わない異教徒を社会の下位に属する人間として扱い、暴力を正当化して打擲を加え、なぶり殺しにするのである。

たとえば原理主義の強い地域では、ヒジャブなどのイスラム圏の女性の服装をしていないバックパッカーなどの外国人女性は“慎みのない”対象と勝手に看做されて、性犯罪の被害を受けやすい。

外面的行動が内面を表すことは往々にしてあるにせよ、逆にステレオタイプ的な発想に囚われやすくなる。ムスリムは、“カエサルの物はカエサルに”という発想が近代デモクラシーの根幹にあることを理解できていない。

カソリックの“聖俗二元論”のような、外面の行動と内面の良心の峻別すらないところで、異教徒の信教に対する一貫性を認めないとなれば、そうならざるを得ない。

この点、皇帝教皇主義の正教会も同じように、人間の内面にまで介入して来る。これは現在のロシアも同じである。

この宗教的素地の下でボリシェヴィキのマルクス・レーニン主義は、人間の内面にまで支配を及ぼそうとした。独裁者スターリンは、放校されたとはいえ神学校で学んでいる。共産主義もまた宗教だったのだ。

つまり、共産主義の影響を受けた左翼リベラルは、他者の内面の自由を侵害している意識がなく、意見に同調しない(戒律に従わない)と見るや、その独善によって罵倒を浴びせ、打擲を加え、なぶり殺しにすることが出来る。笞打刑と私刑に処せられるブロガーは何もイスラム圏に限ったことではないということだ。

バングラデシュで著名ブロガー殺害、過激主義批判への報復か 2015.02.28 Sat posted at 14:09 JST CNN日本版

サウジ最高裁、ブロガーへの1000回むち打ち刑を支持 2015.06.09 Tue posted at 12:29 JST CNN日本版

バングラデシュでまたイスラム批判のブロガー殺害、今年4人目 2015.08.08 Sat posted at 10:30 JST CNN日本版

(CNN) バングラデシュ当局によると、首都ダッカで7日、イスラム教に批判的な投稿をしていたブロガーの男性が刃物を持った集団に自宅で襲われ、殺害された。同国ではブロガーを標的にする同様の事件が相次いでおり、今年に入り少なくとも4人目の死者となった。

警察などによると、死亡したのは20代後半の男性、ニロイ・チャクラバルティ氏で、「ニロイ・ニール」のペンネームを使っていた。7日午後、自宅アパートに5~6人の男が集団で押し入りニロイ氏を殺害したという。

ニロイ氏は、同国で3人のブロガーが最近、相次いで殺害されたことを批判する文章を掲載したほか、普段から女性やマイノリティーの権利、ヒンドゥー教徒に対する抑圧などについて投稿。2月に殺害された著名ブロガー、アビジット・ロイ氏が設立したブログサイト「自由思想家」にも寄稿していた。

地元警察によると、ニロイ氏は以前、非政府組織(NGO)で勤務。ジャーナリストとしての所属先を把握しておらず、現在調査中だという。

国際テロ組織アルカイダ系の「アンサール・イスラム」が地元メディアにメールで犯行声明を送付。「アラーの許しのもと今日、作戦を実行した。アラーとその使徒の最悪の敵であるこれらの人物に対する戦いを宣言する」と述べた。CNNでは声明の信ぴょう性を確認できていない。

地元警察はアンサール・イスラムについて、同国内で活動実態に乏しく、比較的最近になって名前が知られ始めたと指摘。組織と犯行声明の信ぴょう性に関し捜査を進めている。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、抗議の声の封殺を目的とした殺害は卑劣で許されないとの強いメッセージを送るべきだとして、同国政府の行動を促した。

ウクライナの仇をイランで討つ

2015年4月19日のエントリーの続報。

国連安保理の制裁下で、渡航禁止のイラン革命防衛隊の司令官が高性能地対空ミサイルシステム「S300」の導入などを協議し合うために、ロシアに入国した、と見られている。

米国がイランへのエンゲージメントを許せば、ロシアもまた自国の利益を追及できるところまで兵器輸出と石油のバーター取引をするのも自明の理、と踏んでいた。

もともとペルシア(イラン)は英露両国のグレート・ゲームの狭間にあって、緩衝地帯として勢力範囲を二分割された。第2次大戦にはイランは英国とソ連の進駐を受けて、米国のレンドリースを中央アジアのソ連領に輸送するペルシア回廊を持たされた。

冷戦期に入っては、石油利権を国営化された英国に代わって、米国がイランの白色革命を強烈にバックアップしたが、カーター大統領~ブレジンスキー大統領補佐官のラインは、意図的か愚鈍か不明だがイスラム革命の脅威を見誤って、パーレビ朝を失い、のちのイラン・イラク戦争~湾岸戦争~イラク戦争の大きな契機をつくった。

ロシアは、ウクライナ危機でクリミア半島を併合して、ドンバス地方で紛争を起こして、ロシア寄りの大統領が当選する票田そのものをなくした。ちなみにブレジンスキー大統領補佐官は、かつてのポーランド・リトアニア共和国(現在の一部ウクライナ領も含まれる)の貴族階級・シュラフタであり、その先祖もウクライナ出身でもある。

米国が核合意に関する議会批准承認で時間を費やしている間に、ロシアはイランに喰い込む。ウクライナの仇をイランで討つ構図が、そこにある。

国連制裁で渡航禁止のイラン司令官が訪露、武器輸出入を協議か 2015.8.8 16:30 産経ニュース

ロイター通信は7日、イラン政府当局者の話として、革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官が7月下旬にモスクワを訪問したと伝えた。イランの対外工作を担う同司令官は、国連安全保障理事会の制裁で海外渡航が禁じられている。

 ロシアからイランへの高性能地対空ミサイルシステム「S300」などの武器輸出について話し合ったという。米国のパワー国連大使は7日「懸念すべき報道だが、事実を確認中だ」と語った。

 米FOXニュースも複数の「西側情報筋」の話として、司令官が7月24日から3日間モスクワに滞在し、プーチン大統領やショイグ国防相と会ったと報じた。(共同)

日米豪同盟で南太平洋を制する豪州

豪州のアボット首相は、潜水艦を含む海軍艦艇に今後20年で890億豪ドルを投入する方針を示した。このうち、400億豪ドルは水上艦に充て、5年以内に200億豪ドルを投じ、新型フリゲート艦9隻からなる艦隊をつくる。これは当初見通しより3年前倒しとなる。また、20隻の大型戦闘艦の建造も開始する。

UPDATE 1-豪政府、今後20年で海軍艦艇に890億豪ドル投入=アボット首相 2015年 08月 4日 15:42 JST ロイター

豪、海軍の増強計画を加速 新型フリゲート艦計画など前倒し 2015年 8月4日 19:36 JST WSJ日本版

豪州には、対中共の集団安全保障の枠組みを利用して、ひとつに南太平洋から南極までの勢力拡大、ひとつに中共の“爆食”終了後の国内産業維持、このふたつの思惑がある。

2015年3月27日のエントリーの再掲となるが、

海洋国家でもある豪州は南太平洋の支配と南極の一部領有を悲願としている。背後の安全確保のためにインドネシアの弱体化に繋がる東ティモールの独立を画策して、南極条約以前から日本が持つ南氷洋の漁業権を潰そうと捕鯨を攻撃してきた。

東ティモール独立以降の日豪安保共同宣言やシーシェパードによる調査捕鯨の妨害など、彼らの外交は一定の成果を挙げてきた。かつ“対中封じ込め”では豪州の役割は期待されており、日本-インドネシア間の防衛協力覚書によってインドネシアとの軋轢はさらに減じる。

豪州は典型的なオランダ病に罹っており、自動車産業(GM、フォード、トヨタ自動車)は2016年から2017年までに撤退することが決まっている。そのため残った数少ない製造業である国防関連産業は喪失できない。しかし、労働集約的な造船業の、しかも技術的蓄積が戦闘機並みに必要な潜水艦に手を出そうとしている。

つまり、日米の代貸になることで南太平洋を任せられる訳だ。もちろん豪州の思惑を抑制するには、日米豪の緊密化だけに留まらず、ASEAN各国含めた集団安全保障の枠組みをつくることが必要になるだろう。英連邦の盟主・英国の協力を得ることが望まれる。

この枠組みにより、英国の衰退に伴い弱体化しつつあった5か国防衛取極の再活性化にもつながり、人口と地勢で英連邦各国(シンガポール、マレーシア、豪州など)の脅威となっているインドネシアとの緊張緩和も図れる。

21世紀の衝角戦法

ベトナムの漁船が体当たりを受けて沈没している状況下で、我が国が供与した中古船1隻が漁業監視局に引き渡された。すでに1隻は海上警察に引き渡されており、順次、中古船は残り4隻供与される。

1894年の黄海海戦では、清の北洋艦隊は衝角戦法を前提としていたが、我が国の聯合艦隊は速力と速射砲で勝利して、艦艇の衝角は時代遅れとなった。しかし、この21世紀に支那人は衝角戦法を復活させている訳だ。

「ベトナムで反中感情強まっている」国営メディアが中国を批判 中国による攻撃でベトナム漁船38隻が被害 2015.8.5 20:06 産経ニュース

中国船か? ベトナム漁船、体当たりされ沈没 2015.7.10 20:36 産経ニュース

以下、2014年8月1日のエントリーの再掲。

ベトナムと我が国の海洋防衛協力において、ベトナムは海軍から海上警察(コーストガード)を分離して、我が国は新造巡視船10隻を供与する予定だった。しかし巡視船供与前に、中共の南シナ海の西沙(パラセル)諸島周辺海域でのリグ設置や威圧行動が激化したため、ベトナム側の要請により、代替となる中古船6隻を供与する事となった。

6隻の内訳は600~800トン前後の水産庁の漁業監視船とマグロ漁船、ほかに総額5億円の無償援助、海上保安監視機材を提供する。日本政府は、緊急性を考慮して武器輸出を避けて、ベトナムの海上警察力を強化する。

さらにベトナム海軍は、哨戒任務と対艦攻撃任務が可能な高速ミサイル艇をロシアから8隻輸入する予定となっている。

ベトナムに漁業取締船無償で供与 海上警備能力向上へ 8月5日 23時42分 NHK NewsWEB

日本供与の中古船舶「はやと」受け入れ、海上警備強化へ 2015/08/07 15:58 JST配信 VIETJO

紅河デルタ地方ハイフォン市のホンハー造船工場で5日、日本が政府開発援助(ODA)の無償資金協力として供与する中古船舶の1隻「はやと」が、農業農村開発省傘下の漁業監視局に引き渡された。

 「はやと」は1993年に建造され、全長56m、全幅9m、総トン数1079t、定員49人。電子コンパスシステムやグローバル通信システム、高精度の深度測定装置などを備え、2か月の航続が可能な先進的な船舶だ。ベトナムはこれを巡視船に改修・転用し、海上警備に活用する。年内にも更に2隻が引き渡される予定。

 両国政府は2014年8月、ベトナムに対する供与額5億円のODAのノン・プロジェクト無償資金協力に関する交換公文に署名。これにより、日本の中古船舶6隻や海上保安関連機材がベトナムに供与されることになった。これは、南シナ海の領有権を巡ってベトナムと対立する中国を視野に入れた対応で、ベトナムの海上警察や漁業監視機関などの海上法執行能力強化を目的としている。

不良債権額で日米を超える

IMFのスタッフが人民元のSDR採用の可否のために調査入りしたのが今年の6月で、その報告書がまとまった。

最終的には理事会の判断に委ねられるとしながら、2016年9月末までは現状維持、つまり人民元をSDRに組み入れることを延期するように提言した。人民元のSDR採用はあり得るとの含みを残しているので、中共の面子は保たれた形になる。

ロイター電によれば、国際決済で活発に利用されているという条件は満たしていると指摘。「自由に使用可能」という要件をクリアしているかどうか、が焦点となる。

日米が反対しても、英仏独などが賛成に回れば、人民元のSDR採用の可能性も残っている。ドルペッグの人民元をSDRに組み入れても、それはドルの影ではないのか、という疑問は残るが、金融市場を自由化、変動相場制にして自立した通貨にすべきだ、とまではIMFは考えていない。

少なくとも人民元のウエイトを見かけ上でも増やすために、人民元高の政策は続く。輸出主体の経済政策は取れない上に、消費支出の少なからぬ部分が海外の“爆買い”に回る。

2013年末の政府債務は、56兆5千億元(約1130兆円)と下記の記事にある。シャドーバンキングが販売した理財商品で見えなかった地方政府の債務は、債券発行による借り換えで表に出てきているので、さらに増加する。上海市場のバブル崩壊で家計債務も増えている。

我が国のバブル崩壊時の不良債権額は約100兆円、米国のリーマン・ショック時の不良債権額は約200兆円。リーマン・ショック以降、中央政府が行った財政出動(約50兆円)に呼応して、世界中から中共へと流れ込んだ過剰流動性(ホットマネー)は約500兆円~約580兆円にも及んだ。

不良債権額で日米超えは決まったように思う。死命を決するのはFRB(FOMC)の利上げになる。

IMF調査団が中国訪問、SDR構成通貨見直しで 2015年 06月 13日 07:03 JST ロイター

IMFスタッフ報告、人民元のSDR採用先送りを提言 2015年 08月 5日 12:33 JST ロイター

[ワシントン 4日 ロイター] - 4日公表された国際通貨基金(IMF)スタッフ報告は、現在の特別引出権(SDR)構成通貨を2016年9月30日まで維持すべきとの見解を示した。それまでは、人民元のSDR採用に関する動きは控えるべきと提言、元が早期にSDRに採用される可能性は事実上なくなった。

人民元のSDRへの採用を先送りすべきとした理由については、2016年最初の金融市場の取引を混乱させないため、と説明している。

報告は人民元について、国際決済で活発に利用されているという条件は満たしていると指摘。「自由に使用可能」という要件をクリアしているかどうかについては、理事会が今後判断するとしている(訂正)。

「自由に使用可能だと認められれば、元はIMFでより中心的な役割を果たすようになり、SDRへの採用条件も満たす」という。

IMFの関係者らによると、ドイツと英国、フランス、イタリアは、人民元を年内にSDRに採用することについて、前向きな姿勢を示しているが、米国と日本はより慎重なスタンスをとっているという。

一方、スタッフ報告は、人民元が国際決済に占めるシェアで5位になっていることを指摘、中国政府の改革が進展していることは認めた。

中国は人民元のSDR採用に向けて、積極的な外交活動を展開。中国の李克強首相は今年3月、IMFのラガルド専務理事に対して、資本勘定における元の交換性実現を加速すると約束、SDR採用を訴えた。

*内容を追加します。


習政権に大打撃 IMFが「人民元の国際化」決定時期を延期 2015.08.05 ZAKZAK

IMF 人民元を主要通貨に加えるか検討始める 8月5日 14時50分 NHK NewsWEB

中国の政府債務20%増 13年末で1130兆円 地方の借り入れ急増 不動産市況悪化で返済厳しく 2015.8.6 05:00 産経ニュース

参考URL:
REVIEW OF THE METHOD OF THE VALUATION OF THE SDR—INITIAL CONSIDERATIONS August 3, 2015 IMF

イエメン内戦、アデンの戦い

2012年2月、長期独裁を保ったサレハ政権はアラブの春で退陣して、ハディ政権が暫定的に発足した。連邦制への移行が志向されて、既得権益が失われると見たザイド派民兵「フーシ」はハディ政権打倒に動いた。2015年1月、「フーシ」にサレハ前大統領が同調して、クーデターが成功して、サレハ政権は亡命した。

2015年3月、湾岸協力会議(GCC)のサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)を中軸として、イエメン内戦への軍事介入が始まった。2015年5月初めには軍事介入の強化が表明されていた。

2015年7月15日から16日にかけて、「フーシ」が占拠していたアデンの港湾と空港がサウジアラビアとUAE支援の民兵、亡命政権派のイエメン兵、UAEの特殊部隊に奪還された。港湾と空港を利用して兵站が円滑になり、流れが大きく変わりつつある。UAEはフランスから調達したルクレール戦車なども投入している。

Yemen conflict: Exiled ministers return to Aden 16 July 2015 BBC NEWS

同月21日には国連の支援船がアデン港に入港した。22日にはサウジアラビア軍機がアデン国際空港に着陸した。ほかに亡命政権の閣僚がアデンに戻り、現地の民兵を亡命政権の軍に編入すると表明した。アデン地方の領域90%が亡命政権を支援する勢力の支配下に入った。さらに8月に入っても攻勢は続き、連隊規模の増派がアデンに上陸して、郊外にあるAl Anad Air Baseを「フーシ」から奪還している。

First UN aid ship in 4 months docks in Yemen's Aden Tuesday 21 Jul 2015 Ahram

Yemen to merge 'resistance' fighters with army Wednesday 29 Jul 2015 Ahram

'Hundreds' of Gulf Arab troops enter Yemen's liberated Aden Monday 3 Aug 2015 Ahram

Yemen crisis: Houthi rebels 'driven from key al-Anad airbase' 4 August 2015 BBC NEWS

政権運営の尖端に立つネタニヤフ首相

第4次ネタニヤフ政権は、リクード、ユダヤの家、クラヌ(「みんな全員」の意)、シャス、ユダヤ・トーラー連合の5党の連立内閣である。議会の過半数ギリギリの61議席であり、離反する政党や議員が出れば、少数連立内閣に転落して即瓦解の危険がある。

ゲイパレードで刺された16歳少女が死亡 エルサレム 2015.08.03 Mon posted at 10:37 JST CNN日本版

パレスチナ:入植者の放火でパレスチナ人幼児が死亡 2015年08月01日付 al-Hayat紙 TUFS MEDIA

パレスチナ西岸地区の入植地の集合住宅2棟に裁判所から破壊命令が出されて、政権に参加する右派からの猛反発もあって、住宅300戸の建設許可が出た。先鋭化している入植者はパレスチナ人の住宅に放火して、幼児が死亡する事件も起きた。また、ユダヤ教正統派の信者は「ゲイプライドパレード」に切り掛かり、死者が出ている。

ネタニヤフ政権が瓦解する可能性も高まっているが、同時に極右と宗教右派政党の勢力が弱まる可能性も高まっている。つまり、政権運営の瀬戸際にあるが、再度総選挙に訴えて、政権基盤を再編、政策方針を変更する機会も訪れている。

参考URL:
アル・アイヤーム紙(パレスチナ)による安倍総理大臣インタビュー 2015年1月20日付 平成27年1月26日 外務省

PKKのテロはエルドアン大統領の奇貨となるか

トルコでは、クルド労働者党(PKK)によるテロが頻発し始めている。イラク北部のPKK拠点に対する空爆の反撃である。トルコ東部の国家憲兵隊(ジャンダルマ)の庁舎が爆破され、死傷者が出た。

エルドアン大統領の弁によれば、クルド系の国民民主主義党(HDP)がトルコ議会で80議席獲得したのは、和平プロセスを悪用する勢力がいたからだ、とPKKとの関連性を言外ににじませた。彼らの議員特権が剥奪されるかもしれない、と述べた。

総選挙の争点となった大統領権限拡大への反発や悪化している経済が失点になったことには言及されていない。

HDPが解党されれば、議会内でトルコ人とクルド人の妥協を図る可能性は失われ、トルコ東部を中心にテロ~内乱~内戦への危険性が高まる。

もしも、エルドアン大統領の与党・公正発展党(AKP)の求心力を高めようとして、テロを政治的レバレッジに利用するとしたら、かなり危険な賭けに乗り出していることは間違いない。

エルドアン大統領、クルド問題解決プロセス挫折とHDP議員特権はく奪に言及 2015年07月28日付 Cumhuriyet紙 TUFS MEDIA

クルド武装組織との和平「継続できず」、トルコ大統領が明言 2015年 07月 29日 13:41 JST ロイター

(@トルコ・ディヤルバクル)大統領の悲願を阻んだ男 2015年7月30日00時00分 朝日新聞

Iraqi Kurds warn PKK amid Turkey air strikes 1 August 2015 BBC NEWS

Cengiz Candar コラム:「危険なそろばん勘定」―エルドアン、PKK、シリア 2015年08月01日付 Radikal紙 TUFS MEDIA

Karakola 2 ton bombayla intihar saldırısı: 2 şehit, 24 yaralı DHA 2 Ağustos 2015 Pazar NTV

焦点:トルコ、再び総選挙の可能性高まる 空爆で連立協議混迷 2015年 08月 3日 13:08 JST ロイター

台湾国民の創生は果たして成るか

台湾の歴史教科書は、李登輝元総統の治世下に「台湾史観」に基づいて、書き換えられた。これに反発する馬政権が再度、「中国史観」に書き換えることを決定したため、前年の両岸サービス協定反対と同じく、学生たちが示威行動に訴え出した。両岸サービス協定のように直接的な利害関係が見えず、広範に支持が拡がるとは考えにくい。

しかし、この抽象的な史観をめぐる争いは、台湾が戦後レジームから脱却して、ひとつの国民国家として創生を完遂できるかの大きな分水嶺となりうる。

すでに反対運動に参加していた女子学生が自殺している。リベラル・左翼の方法論を借りれば、彼女の死を政治的に利用し、大いに宣伝するべきであろうが、今のところ、そういった兆候は見られない。観念的なものに対する死は、その概念に実在性を与える最後の手段であるはずだが。

国民の創生という観点からは、大日本帝国の支配下・影響下にあった北東アジアの国々はいずれもその創生の神話の構築に苦しんでいる。

韓国は、李承晩の大韓民国臨時政府に正統性を求めようとして、ついに破滅の道を辿ろうとしている。朝鮮半島統治の正統性は、李氏朝鮮→大日本帝国→連合国の軍政(ソ連と米国のふたつに分裂)→北朝鮮と韓国となっている。

中共は、対日勝利70周年式典を敢行しようとしているが、これは中華民国を放伐して正統性を得た立場を否定することになる。対日戦勝利のプロパガンダのためには国民党との接近は欠かせない。

台湾は、外来政権の正統性をすべて認めた上に、いくつかのエスニック・グループを統合したひとつのネイションを創る必要に迫られている。つまり、台湾人を台湾国民として育てるには、外来政権が台湾で行った政策をその是非なしに、歴史として学び教えなければならない。これが教科書を「中国史観」に書き換えられることの反発につながっている。

おそらくは、来年の総統選挙を機会に、最悪、第4次台湾海峡危機が訪れる。しかし、この危機にこそ台湾国民の創生の最大の機会が存在している。

望むと望まざるに関わらず、“戦後レジームからの脱却”は台湾にも適用される。激変する歴史の荒波が彼らには見えているだろうか。第三者の目からは、台湾国民のダイナミズムは“対中封じ込め”の潮流に乗りきれず、全体として国益を毀損する可能性が高い。

彼らは政治的に激しい内戦を経て、どちらの側に付くか明快に表明した方が良い。そうしなければ、自国の運命を決定できず、日米や中共の決定に従わざるを得ず、ついに独立国家となる機会を失うだろう。

戦後統治かアイデンティティーか 与野党争点に浮上 台湾の学習指導要領改定 2015.8.2 06:00 産経ニュース

台湾の学生座り込み 与野党、「中国色」強い学習指導要領の改定撤回を協議するも物別れ 2015.8.1 07:26 産経ニュース

中国寄り教科書に抗議の台湾学生が自殺、教育省敷地にデモ隊侵入 2015年07月31日 13:16 AFPBB NEWS

【7月31日 AFP】(一部更新)台湾で、学習指導要領改定が「中国寄り」だと抗議して逮捕された学生1人がその後自殺したことが分かり、数百人のデモ隊が31日未明、教育部長(教育相)の辞任を求めて台北(Taipei)の教育部(教育省)敷地になだれ込んだ。

 台湾では前週、新指導要領の下で採用が決まった高校の歴史教科書が「中国史観」に基づいていると抗議する学生ら30人と記者3人が教育部の建物に侵入し、逮捕された。警察と報道によると、このとき逮捕された学生の1人、林冠華(Lin Kuan-hua)さん(20)が30日朝、新北市(New Taipei City)の自宅で自殺しているのが見つかった。

 これを受け、学生らは30日夜、ロウソクや白いバラを手に教育部前に集結。学生グループの代表が「林さんの死を無駄にしない」と呼び掛ける中、呉思華(Wu Se-hwa)教育部長の辞任を要求するスローガンを叫び続けたが、数時間経っても教育部側から反応がなかったため、約200人が柵を乗り越えて敷地内に侵入した。

 デモ隊は31日正午現在も教育部の建物前の広場を占拠し、抗議を続けている。(c)AFP/Michelle YUN, Benjamin YEH


「中国色」強い学習指導要領 台湾学生ら警官隊と対峙 2015.7.31 11:11 産経ニュース

「中国色」強い教科書に抗議 台湾、学生らが政府庁舎を占拠 33人が拘束 2015.7.24 19:55 産経ニュース
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