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イラン、国際金融ネットワークへの復帰

2012年3月17日、イランの核開発に対する制裁措置として、イラン国内の金融機関は、民間金融機関の国際間送金・通信取引ネットワーク・システムから遮断された。EUの決定に従って、ベルギーに本部を置くSWIFT(国際銀行間通信協会)と呼ばれる業界団体がこの措置を行った(2012年3月21日のエントリー参照)。

SWIFTの説明によれば、その役割は以下の通り。

SWIFTは、合計210ヶ国で10,000以上の金融機関と企業を接続する通信プラットフォーム、製品およびサービスを提供するメンバーが所有する協同組合です。SWIFTは、そのユーザーがコストを削減し、オペレーション・リスクを削減し、業務の非効率を排除し、安全かつ確実に自動化され、標準化された金融情報を交換することを可能にします。SWIFTはまた、相互に関心のある基準や議論の問題を定義し、市場慣行を形成するために共同作業するために金融業界をサポートします。

9 Iranian banks to re-connect SWIFT on Monday on January 31, 2016 Real Iran

2016年2月1日、核合意に伴う制裁措置の解除の一環として、SWIFT(国際銀行間通信協会)への再接続が行われることになった。

凍結されてきたイランの対外資産は約1000億ドル~1500億ドル(円換算約11兆円~17兆円)、加えて約13億ドル(約1500億円)の利子が付く。ただし、イランの銀行はSWIFTに復帰すると同時に、過去の負債や利子の支払いを行わなければならない。

Iran: Bank Mellat Opens Accounts to Settle Shell Debts Tue Jan 26, 2016 12:2 FARS NEWS AGENCY

さらにイランの銀行は国際金融の潮流から外れていたために、国際業務に支障が出ると予想されている。

British regulators help Iranian banks come in from the cold January 31, 2016 10:57 am  THE FINANCIAL TIMES

イングランド銀行はペルシア国際銀行(Persia International Bank)、メッリ銀行(Melli Bank)、セパ銀行(Bank Sepah International)の三行の国際業務復帰のため、自己資本比率の導入やガバナンス体制の強化などを助力する。
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互いのポリティカル・コレクトネスが内戦を招く

ドイツのケルンで起きた不法移民・難民の集団暴行事件によって、メルケル政権の与党キリスト教民主同盟/キリスト教社会同盟(CDU/CSU)の支持率は36%にまで低下した。

政府の対応に不満を持つ国民の受け皿として、最右派のドイツのための選択肢(AfD)は10%まで支持率を伸ばしている。なお、CDU/CSUと大連立を組むドイツ社会民主党(SPD)は25%の支持率を獲得している。最新の世論調査では40%がメルケル首相は難民問題に関連して辞任すべき、と回答した。

Forty percent of Germans say Merkel should resign over refugee policy: poll Fri Jan 29, 2016 4:03pm EST Reuters

これに反応してCDUと統一会派を組むCSUは難民受け入れの厳格化などを要求してきた。CSUの地盤は、難民流入の最前線に当たるバイエルン州であり、難民国の認定変更、難民と不法移民を厳しく選別するなどの政策変更を求めてきた。

下記のロイター電にある、国境付近に新しい難民収容所を建設するかどうか検討を始めたのもその一環と思われる。

Merkel's party, sliding in polls, weighs German 'border centres' Sun Jan 24, 2016 1:47pm EST Reuters

German right-leaning AfD leader calls for police right to shoot at refugees  30.01.2016 DW

難民収容所などの建設や維持には、当然ながらコストが掛かる。目下、最終受け入れ国となっている北欧諸国やドイツなどの難民受け入れのコストを、IMFが対GDP比で試算している。2016年時点で、オーストリアが0.31%、デンマークが0.57%、フィンランドが0.37%、ドイツが0.35%となっている。

The Refugee Surge in Europe: Economic Challenges January 2016 IMF(PDFファイル)

さらに、ケルンに在住しているイスラム教の指導者(イマーム)Sami Abu-Yusufは、集団暴行事件に対して「女性が半裸で香水を付けて歩いていたのだから、彼女らがその責任を負う」とイスラム的に正しい発言(一種のポリティカル・コレクトネス)をして、火に油を注いでいる。

Kölner Imam erklärt die Übergriffe "Frauen sind selbst schuld an Sex-Attacken" Donnerstag, 21. Januar 2016 N-TV

まるで、欧州のリベラルとムスリムが互いのポリティカル・コレクトネスを唱えながら、ある種の内戦に向かっていくかのようだ。もちろん、これに類似した現象は日米両国でも、極左・極右の両派でも垣間見られるものではあるが。つとに政治的利害から離れて独善に繋がる一方では、互いの死闘によって決着をつけるまで解決策が見つからないのではないか。

人間を狂わすのは恐怖や貪欲や名声であるが、これらを利用するばかりの彼らの正義は実に弱い。そして弱いがゆえに先鋭化する。だから、自らが攻撃心を煽っていながらも、自らに刃が襲いかかることを一切理解せず、それすらも悪と断じて、さらに激昂する。

こうした互いの正義が巻き起こす戦いにリアリズムを持った諸外国が煽っていくと、抜き差しならぬ紛争に発展していく。そうした火種としては、ベルリンで起きたロシア系ドイツ人少女を移民と見られる外国人男性数人が暴行したとされる、その疑惑を巡るドイツとロシアの対立が好例だろう。

独と露、ベルリンの少女暴行疑惑めぐり非難の応酬 2016年01月28日 12:25 AFP BB NEWS

【1月28日 AFP】ドイツの首都ベルリン(Berlin)で今月にロシア系の少女(13)がレイプ被害を訴えた事件をめぐり、両国政府が非難の応酬を繰り広げている。ロシア側は、ドイツ当局が事件の隠ぺいを図った可能性を示唆。これに対し、ドイツ側はロシアが事件を「政治利用」しようとしていると反発している。

 少女は11日、通学途中に失踪したとされ、帰宅後に警察に被害届を提出。両親は捜査当局に対し、少女はベルリン東部の鉄道駅で外国人の移民とみられる男3人に拉致された後、アパートに連れていかれ、レイプされたり殴られたりしたと説明したという。だがドイツの警察当局は先週、少女が性的暴行を受けた証拠はないと発表していた。

 事件は激しい怒りを巻き起こし、極右系ウェブサイトやロシアメディアはドイツ当局が意図的に少女の主張を葬ったとの批判を展開。ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相も26日、ドイツ当局が少女の失踪を「隠していた」と主張し、少女の言い分は信頼できるとの立場を示した。

 対するドイツのフランクワルター・シュタインマイヤー(Frank-Walter Steinmeier)外相は、ロシア側の見解はすでにドイツ国内で激しい論争を巻き起こしている難民問題の「炎上」を図ったものだと非難。さらに政府報道官も27日、「この問題を政治利用する道理などないし、そうすることは実際に許容できない」と反論した。

(後段省略)

女は斬首され、男は強制徴募されるハザラ人

アフガニスタンの少数民族ハザラ人の苦難がつづいている。イランに難民として逃れた者たちはシリア内戦に参戦させられ、アフガニスタンに残った者たちは女子供まで斬首される。

アフガニスタンの人口の10%程度を占めるとされるハザラ人は、スンニ派主体の同国でシーア派を信仰している。また、その容貌がモンゴル系であるために、前世紀から政策的に差別の対象となってきた。難民として逃れたイランでもシーア派でありながら、モンゴル系の容貌から差別されている。彼らはイスラム共同体から半ば外れた存在なのだ。

2015年5月25日のエントリーでも、

シリア内戦では、アサド政権側にアフガニスタンのハザラ人がイラン経由で半強制的に志願兵として組み込まれている。ハザラ人は、モンゴル系のシーア派というマイノリティの立場にあり、不法移民として200万人近くイランに流入しており、彼らはイラン革命防衛隊を通じて1000人単位で徴募されている。

と、取り上げたが、

ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、未だアフガニスタンへの強制送還をちらつかせながら、民兵への志願を強制的に行っている、という。強制送還されるにせよ、アフガニスタン帰還が叶うならば、それでも良いと思われるのだが、帰ったとてハザラ人に対する差別は根強い。

Iran coerces Afghans to fight in Syria: HRW January 29, 2016 4:25 pm The Indian Express

2015年11月、アフガニスタン南部ザブール州でタリバンもしくはISIS(イスラム国)に誘拐されたと見られる7人が斬首された遺体で発見された。首都カブールでは犠牲者の棺を担ぎながら、ハザラ人のデモ隊が法の裁きを訴えた。

ハザラ人7人の斬首遺体見つかる、アフガン首都で大規模デモ 2015年11月11日 20:48 AFP BB NEWS

ハザラ人がシリア内戦で戦闘のノウハウを身に付け、武器を手にして、アフガニスタンに戻り、自らの勢力を守る以外、現状を打ち破る方法はない。

伝統を利用できなくなったリベラルの敗北

夫婦別姓の賛否を巡り、反対派は「夫婦同姓は日本の伝統」と云い、賛成派は「夫婦同姓は明治中期以降の新しい制度」と云う。賛成派は、近代国家が法における婚姻を定義して、それが(近代国家の)伝統になったことを否定しようとする。

彼らは近代国家が制定した言語・文字体系を駆使して、江戸時代を前近代的・封建的と非難してきた。つまり、右翼・保守は歴史に回帰して、その要素を換骨奪胎しながら利用してきたのに対して、左翼・リベラルは歴史を否定して、自らの言説や立場を強化してきた。

歴史を否定してきた左翼・リベラルは、彼らが全面的に崇拝する日本国憲法が時を刻むに従って、時の呪縛にかかり、否定する手法を失って、歴史の隘路に入り込んで行かざるを得ない。

毎日新聞のコラムでは、伝統を否定してきた彼らが進んで歴史の隘路に入り込む様子がわかる。

それホンモノ?「良き伝統」の正体 2016年1月25日 毎日新聞

中国人観光客のマナーはかつての日本人のマナーと同じである、夫婦同姓は明治中期以降に制定された、江戸しぐさなるものは捏造された、戦前・戦中の殺人事件件数は今よりも多かったなどなど。

こうした過去を紐解いたところで彼らの言説が何を目指したいのかは一向に分からない。最後の段落で参院選と安倍首相の憲法改正への意欲、自民党の憲法改正草案の前文を取り上げているところから、彼らは日本国憲法が施行された1947年の瞬間をタイムリープし続けているかのようだ。日本国憲法の歴史的蓄積を否定出来ないために、歴史を否定する方法論に説得力がなくなっている。

国民(ネイション)を形成するために過去を題材に物語がつくられる。最近では台湾にこの実例を見出すことが出来る。

侯孝賢の『悲情城市』(1989年)に萌芽が見られ、魏徳聖(ウェイ・ダーション)が監督・脚本を手がけた『海角七号 君想う、国境の南』(2008年)、『セデック・バレ』(2011年)、『KANO 1931海の向こうの甲子園』(2014年)の三部作は興行的にも成功を収め、『一八九五』(2008年)は客家を取り上げ、『湾生回家』(2015年)は台湾生まれの日本人を取り上げた。

台湾人は自らを再定義するために伝統に回帰して、それらを素直に利用している。それは彼らが未来を構築するために必要だからだ。対して、我が国の左翼・リベラルは歴史の隘路から袋小路に入ろうとしている。

世俗派と原理主義派が対峙するリビア

リビア内戦後の政治的対立から分裂していたトリポリとトブルクのふたつの政府を統一させようとした国連の仲介は失敗に終わった。

リビアでは、2011年にカダフィ政権を打倒した勢力がイスラム原理主義派と世俗派に分裂して、2014年以降、再び内戦に突入した。2014年の議会選挙で敗北したイスラム原理主義派が叛旗を翻し、そのまま首都トリポリを掌握し、逐われた世俗派がトブルクに入り、それぞれ政府を樹立した。議会選挙で勝利していた世俗派のトブルク政府が国際的承認を受けている。

Libya conflict: UN-backed unity government rejected 25 January 2016 BBC NEWS

リビアはトリポリタニア、キレナイカ、フェザーンという三つの歴史的地域から構成されている。ふたつの政府の支配地域はトリポリタニアとキレナイカ、概ねこの歴史的区分に沿っている。残るフェザーンはトゥアレグ人とほかの民兵組織が勢力を保っている。ISIS(イスラム国)などの原理主義過激派は政府の並立状態の間隙を縫って、ベンガジなどの都市に勢力を張っている。

筆者は、リビアを領土の一体性保全を図りつつ、住民自決権(利権再分配)を尊重するならば、トリポリタニアとキレナイカとフェザーンの連邦国家へ改編すべきだろうと考えている。

2012年4月2日のエントリーでは、

ユーゴスラビア連邦が崩壊したとき、もっとも激しい内戦が繰り広げられたボスニア・ヘルツェゴビナが、東西ローマ帝国の分割線の丁度真下だったことに驚いた記憶がある。歴史の妙と云うべきか、リビアの東西もユーゴスラビア同様、東西ローマ帝国の境界で分かれている。

リビアではトリポリタニアが西ローマ、キレナイカが東ローマの境界に沿って分かれている(旧ユーゴスラビアではスロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ヴォイヴォディナが西ローマ帝国、セルビア、モンテネグロ、コソボ、マケドニアが東ローマ帝国の境界に沿っていた)。

リビアは、かつてのトリポリタニア、フェザーン、キレナイカの連合国家となり、各国家が高度な自治を行う(ボスニア・ヘルツェゴビナ方式とでも云うべき)か、または三地域が各自独立する(コソボ方式とでも云うべき)かが望ましい。現政権が全土を支配しても、部族・地域対立に変化はないからだ。

と、書いた。

ふたつの政府に分立した状態を続けても構わないと思うが、国際社会は、不法移民の流出と原理主義過激派の跋扈が気がかりなのだろう。

強力な統一政府が存在しないと、不法移民の取締と過激派の浸透を防げないのも事実だ。しかし、ふたつの政府が内戦に疲れ果てたり、第三勢力に全土を支配されそうになって、利害調整を本格的に取り組む機運が醸成されなければ、和平交渉は進まないのではないか。

21世紀の“ルブリン合同”

2015年7月28日のエントリーで取り上げたリトアニア、ポーランド、ウクライナ三カ国の合同旅団の発足が正式調印された。

昨年7月24日に半年以内に正式文書に調印されることとなり、特に波乱もなく今回、ポーランド南東部のルブリンで三カ国の国防相が会見して、4000人規模の旅団が編成されることになった。旅団名はLITPOLUKRBRIG(Lithuanian Polish Ukrainian Brigade)、直訳すると「リトアニア-ポーランド-ウクライナ旅団」。

ポーランドは、かつてのコモンウェルス(ポーランド・リトアニア共和国)旧領への影響力拡大を目指す以上、ロシアとの前衛に立たざる得ない。一方、リトアニアは第2次大戦前夜の英仏とソ連の攻守同盟を蹴ったポーランドの外交的な頑迷固陋さがポーランド第二共和国とバルト三国の滅亡の一因となったことを忘れはしないだろう。ガリツィア(ウクライナの旧ポーランド領、旧オーストリア領)に沸き起こる民族主義に引きずられ過ぎるとポーランド第三共和国は滅びかねない。

合同旅団発足が調印された都市ルブリンは、1569年7月1日にポーランド王国とリトアニア大公国の合同が議決された地でもある。三カ国の国防相が一堂に会する場に、このルブリンを選んだことに政治的な意図と歴史的な象徴性を見出さない訳にはいかない。その意図が新しいポーランド・リトアニア共和国の成立をロシアに印象づけるものであるのは間違いない。

加えて、英国がポーランドに1000人単位の部隊を2017年から派遣・駐留する見込みとなった点も留意すべきだろう。

UK to permanently station 1,000 military personnel in Poland from 2017 Friday 22 January 2016 00.24 GMT The Guardian

ロシアにらみ合同旅団発足へ=ポーランドなど3国防相 2016/01/26-11:16 時事ドットコム

 【ワルシャワAFP=時事】ポーランド、リトアニア、ウクライナの3カ国国防相が25日、ポーランド南東部ルブリンで会談し、4000人規模の合同旅団を発足させることで合意した。ポーランドのマチェレビチ国防相は「欧州の平和を乱そうとする者への非常に明確なメッセージだ」と述べ、ウクライナ南部クリミア半島を併合したロシアへの警戒心をあらわにした。

原油とルーブルが織りなすカスケード

ロシア経済は原油価格の下落に自国通貨の下落が後追いで連動して、資本流出と財政悪化と経済成長鈍化を招くようになっている。プーチン大統領とメドベージェフ首相が提唱し続けている、エネルギー資源依存型経済からイノベーション主導型経済への移行は日欧米の資本・技術導入が困難になり、ほとんど不可能事になりつつある。

2014年9月に原油価格は1バレル100ドル以下となった。2014年11月から12月にかけて、ロシア・ルーブルは年初来のレートから50%以上オーバーシュートした。ドル建て債務を精算するために、外貨準備高が急減して資本流出を止められない状態に陥っていた。しかし、2015年1月に原油価格が1バレル48ドルの下限に達してからは相対的安定に転じて、2015年2月から3月にかけて外貨準備高は3500億ドルから3600億ドルで推移するようになった。

ところが、2015年12月から2016年1月にかけて原油価格は1バレル40ドルを割り、次いで30ドルを割った。この原油価格の下落に併せて、ルーブルも値を下げ始めている。ただし、まだ外貨準備高の減少には繋がっていない。

Ruble sets new historic low against US dollar 20 Jan, 2016 11:07 RT

【ロシア中央銀行 外貨準備高推移】
2014年10月10日: 4517億ドル
2014年11月14日: 4206億ドル
2014年12月11日: 4146億ドル

2015年01月16日: 3794億ドル
2015年01月20日: 3781億ドル
2015年01月30日: 3763億ドル
2015年02月06日: 3747億ドル
2015年02月13日: 3683億ドル
2015年02月20日: 3646億ドル

2015年03月06日: 3567億ドル
2015年03月13日: 3517億ドル
2015年03月20日: 3529億ドル
2015年03月27日: 3608億ドル
2015年04月03日: 3553億ドル

2016年12月18日: 3689億ドル
2016年12月25日: 3702億ドル
2016年01月08日: 3681億ドル
2016年01月15日: 3683億ドル
2016年01月22日: 3693億ドル

Russian oligarchs lose $11bn in just 10 days during oil price crash 1:02PM GMT 17 Jan 2016 The Telegraph

フィナンシャル・タイムズは、プーチン大統領は経済の構造改革を拒否している、と指摘する。プーチン大統領の2期目(2004年~2008年)は、自由化推進派のアレクセイ・クドリン氏(元財務相)、ゲルマン・グレフ氏(元経済発展貿易相)を起用していた。大統領は、2期目の終わりに近づいた2008年2月8日『2020年までの発展戦略』を発表、大統領退任後のエネルギー資源依存型経済からイノベーション主導型経済への移行を目指した。

イノベーション主導型経済への移行を妨げるボトルネックは、その広大な国土ゆえのインフラの弱さにあった。特にウラル山脈の西側と東側の人口比重の違い、エネルギー資源の分布比重の違いがそこに拍車を掛けてきた。これが過度のエネルギー資源に依存した経済構造と効率性の悪さ、所得格差と男性の平均寿命低下・人口減少を生じさせていた。

エネルギー資源依存型経済からのブレイクスルーには、シベリア鉄道・バム鉄道の延伸及び複線化などウラル山脈の東西を繋ぐインフラの整備、日本など先進国からの資本・技術導入、イノベーティブな経済成長を果たすための企業家精神とそれを守る法秩序の確立を必要としている。

しかし、伝統的な支那社会と同様に、官吏となって利権を貪ることが富貴への最適な道なのだ。我が国や欧米など先進国と違い、新しい技術やサービスを作り出し、それを提供する企業家となることが富貴への最短ルートではない。

ロシア社会の支配者は、ロマノフ朝の大貴族からソ連邦のノーメンクラトゥーラ(世襲化した共産党官僚)へ、次いで市場経済導入の過程で形成されたオリガルヒ(ロシア経済を寡頭支配した資本家)からシロヴィキ(治安・国防官僚出身者による勢力)へと変遷してきた。

どちらにせよエネルギー資源産業に依存した経済構造が変更された訳ではない。税金を収めず国富を独占して、権威と権力がひとつの階級・階層に集中されるのも、ロシアの歴史に通底する特徴であった。

ソ連邦時代につくられたテトリスやチェブラーシカがカネ儲けの種となると分かった途端、著作権で争った件に垣間見られるように、企業家精神とそれを守る法秩序が欠如している。これは他の資源についても同じである。つまり、企業家が勃興する際に起きる不安定(利害関係の変化)を政治的強権でしか正せないことになる。

企業家精神の育成と法秩序の構築を無視してイノベーティブな経済成長を果たすためには、中国と同じように我が国の資本と技術が必要になる。しかしそれには日露間の講和条約は必須であるが、我が国の反応は鈍い。

特に、我が国の経済界にとっては、ウラル山脈の東側の人口の少なさはボトルネックであり、2006年のサハリン2の開発中止と国営ガスプロムによる権益奪取、2015年の北方漁業権の喪失などが続発して、法秩序未整備によるカントリーリスク以上の利益をもたらしてくれる希望が見出だせない。

3期目に入ったプーチン大統領の現在も、イノベーション主導型経済への転換は進まず、選択肢は“富の国外流出か、闇経済の国内拡大か”くらいしかなかった。せめて国外脱出を図るオリガルヒを締め上げ、シロヴィキの闇経済を容認するくらいしか出来なかった、と言える。

しかし、エネルギー資源依存型経済には明るい兆しもあった。中国をはじめとする新興国の“爆食”によって、モスクワとサンクトペテルブルクの二大都市圏のサービス業依存から、北コーカサスではダゲスタン(石油化学工業)、ウラルではチュメニ(石油工業)、南部ではクラスノダール(機械工業)と、それぞれ各地方の中核都市が発展した。

ウクライナ危機と欧米の経済制裁、チャイナ・ショックと原油安につづく新興国の通貨安は、モスクワとサンクトペテルブルク以外の地方都市を苦境に追い込んでいる。じわじわと給料遅配の事例が散見されるようになってきた。ソ連末期からエリツィン政権期に見られた物流停止やハイパーインフレーションの際に、庶民は郊外のダーチャ(菜園付き別荘)に頼った。国家財政が破綻するにしても、こうしたバッファーがロシアには存在している。

ロシア、賃金未払い頻発 制裁・原油安、企業の業績低迷 2016年1月20日05時00分 朝日新聞

[FT]プーチン氏の野望くじく経済低迷(社説) 2016/1/25 15:50 日経

 ロシアのプーチン大統領の地政学的な野望が経済とグローバル化の現実に打ち砕かれようとしている。原油価格の再急落とウクライナへの軍事介入を巡る欧米の経済制裁とが再び相まって、ロシア経済を圧迫している。ルーブルの下落が不況に転じて2年目を迎えたロシアを脅かしているこの危機的な状況は、少なく見積もっても2014年後半の最初の原油価格急落時と同じぐらい厳しいものだ。

 エネルギー価格と経済制裁以外にも、より根本的な問題がある。今世紀に入って最初の10年間のロシアの経済成長モデルが行き詰まってしまったことだ。その時期、原油収入の伸びが消費ブームを呼び、休止していた旧ソ連時代の生産施設が再稼働した。今それなりの経済成長を達成するには、新たな生産設備に十分な投資を行い、生産性を高めるしかない。しかし、近代化やプーチン政権下で腐敗が進んだ国家資本主義の制度改革の失敗が経済制裁で長期化し、投資を低迷させてしまった。

 ロシア政府は、過去2年間の孤立は輸入制度を通じた国内産業の発展の機会であるかのように見せようとした。しかし、そうした状況下でさえ、投資や海外の技術は必要となる。緊密に結びついた世界では、自給自足経済という選択肢はない。一方で、ロシアの中国への「方向転換」は、欧米の資金調達やノウハウに代わるものはないということを明確にした。

 ロシア政府にとって最も差し迫った課題はルーブルの急落だ。かつては考えられなかったほどの通貨の急落で、ロシアの購買力や生活水準は大きく損なわれた。クリミア併合以降のプーチン氏の高支持率も移ろいやすいようにみえる。ロシアが持つ3600億ドル以上の外貨準備の切り崩しや金利の大幅な引き上げ、通貨管理などの通貨下支え策はいずれも好ましいものではない。

■改革をことごとく回避してきたプーチン氏

 ロシアの経済的な苦境に対する真の長期的な解決策となるのは、経済を自由化し法の支配を強化する全面的な構造改革だけだ。しかし、プーチン氏は自身の支配力が弱まるのを恐れ、これまでそうした対応をことごとく回避してきた。プーチン政権下で利益を得てきた同氏の取り巻きなど、有力な既得権者も反対した。

 一方、改革が成功する真の可能性を生み出すには、プーチン氏の最初の2期で自由化推進派だった2人、元財務相のアレクセイ・クドリン氏か元経済発展貿易相のゲルマン・グレフ氏のうちどちらか1人を首相にするなどして復帰させることがほぼ間違いなく必要となる。プーチン氏は、この必要な政治的刷新を認めることはやはり気が進まないようだ。

 代わりに、プーチン氏は欧米による経済制裁の緩和を探っているようだ。ウクライナ東部の紛争に関して去年結ばれたミンスク合意の履行により建設的な姿勢を示し、側近を交渉役に任命した。4年に及ぶシリアの内戦を終わらせるための外交努力が強まると、同氏もシリアのアサド大統領に休戦するよう働きかけている。

 心からの取り組みであればこうした努力は歓迎すべきだ。しかし、欧州連合(EU)や米国は08年にロシアがジョージア(グルジア)に侵攻した時のように過去を水に流して「リセット」すべきではない。また、ミンスク合意が完全に履行されていなくても、シリア問題でのロシア政府の支援を維持するために経済制裁を解除するという薄汚れた合意を検討すべきでもない。

 今年の議会選挙と18年の大統領選挙を前に、プーチン氏は経済制裁の緩和を通じて経済成長をいくらか立て直して時間をかせぐことができる。しかし、改革を遅らせ続ければロシアの未来を損ない、世界の先進諸国にさらに後れを取ることになる。ロシアの生活水準が停滞し続ければ、結局のところプーチン氏自身の未来に極めて悪い影響を及ぼしかねない。

(2016年1月25日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

オフショア人民元の次は“ブレグジット”で一稼ぎ

約25年間、グローバリゼーションの進展に伴って、先進国から新興国に向けて資本が投下されてきたが、2014年から資本の還流が始まり、2015年には$735 billionが新興国から先進国に還流した(Institute for International Finance調べ)。この額は誤差脱漏を含んでおり、資本移動規制を掛けている国からの資本流出を含んでいる。

中長期のトレンドとして、新興国から先進国への資本の還流が始まったと考えられる。おそらく1~2年の間に新興国の経済的な没落が急激に進むのではなかろうか。

The world’s most important chart January 21, 2016 Quartz

米国債は手放さず、外貨準備取り崩しの中国-減少幅に大きな開き 2016/01/21 14:28 JST ブルームバーグ

2013年1月10日のエントリーでも触れたように、

オンショア人民元を香港ドルにスワップ出来るオフショア取引が解禁されたら、共産党の高級官僚とその子弟以外の人民も資本流出を加速させ、一気にバブル崩壊が進むものと予想していたが、2015年6月~8月に起きた上海株式市場のバブル崩壊のトリガーは香港と上海の株式市場相互接続による外資の空売りだった。

しかし、現在では英国が画策していたように、オフショア人民元を使って中国共産党から資産を吸い上げていく、という方針に沿った形で上海株式市場のバブル崩壊が進行している。加えて、新興国の通貨下落と原油価格の下落も併せて、新興国を中心に先進国への資本の還流が起きている。これらは市場の乱高下を伴い、ボラティリティが大きいのでロンドン・シティーにとっては利益を得る機会が増えるだろう。

さて、2015年から2016年までに新興国から先進国への資本の還流の第1段階が終わると仮定しよう。

英国としては、特にシティーとしてはカネの儲け話が減る。すると、英国のEU離脱(Brexit=ブレグジット)が彼らの儲け話、云うならば資本の還流の第2段階として浮上してくるのではないか。

英国のEU離脱(ブレグジット)については、そのリスクを周知させるかのように、その危険性を伝える記事が一定期間ごとに配信されている。

アングル:欧州銀行幹部、怖いのはグレグジットよりブレグジット 2015年 06月 26日 13:54 JST ロイター

焦点:「ブレグジット」めぐる対EU交渉で英国に必要な戦術 2015年 10月 21日 19:58 JST ロイター

英格付け、「ブレグジット」で最大2段階引き下げの公算=S&P 2015年 10月 30日 04:19 JST ロイター

焦点:難題山積のEU、来年は英離脱選択なら壊滅的打撃 2015年 12月 21日 14:40 JST ロイター

英国のEU離脱「ブレグジット」に大きな懸念  2016 年 1 月 22 日 13:08 JST WSJ日本版

EU離脱の政治的日程だが、2016年2月頃まで(もっとも延長されるかもしれないが)加盟存続を賭けた条件交渉が続き、2016年夏から2017年末までに国民投票にかけられる予定となっている。

それまでには少なくとも過度な人権擁護の姿勢は修正され、難民危機は収束しているにせよ、なおも不法移民・難民の流入は続くだろう。不法移民・難民の発生源であるスンニ派対シーア派の戦い及びISIS(イスラム国)のテロは継続しているからだ。

このほかにウクライナ危機も継続しているので、ポーランドの右傾化や伝統的なノルディック・バランスの崩壊、ウクライナやグルジアにおける親欧米派と親露派の対立激化など、ロシアと旧CIS諸国と国境を接する北欧・中欧諸国は軍事的緊張の度合いを増す。

欧州の金融中心地であるシティーとしては、こうしたEUの混乱を見極めながら国民投票の政治日程に併せて離脱のリスクヘッジを行う。国民投票で賛成票が上回って、EUから離脱するとしても、その手続きは数年かかる。その過程で、同時進行的にEUの解体が始まり、政治的混乱が発生したり、資本逃避が起きればボラティリティは大きくなる可能性もある。

つまり、EUの資産を吸い上げるために、シティーがEUにとってのオフショアとなるのならば、EU離脱は一定の経済合理性があるということになる。

イスラムフォビアに閉じる合衆国

カリフォルニア州サンバーナーディーノで発生したムスリムによるテロ事件を受けて、合衆国下院は賛成407票、反対19票の圧倒的多数で90日滞在できるビザ免除の条件を厳格化する法案を可決した。テロとイスラムフォビアが相まって、テロの発生から1ヶ月足らずで施行されることとなった。

内容は、過去5年間にイラン、イラク、シリア、スーダン4ヵ国を訪問した者と4ヶ国の二重国籍者はビザ免除の対象から外れる。ただし、核合意に伴って経済制裁が解除されたイランに関しては、ビジネス目的の訪米は認められるとしたホワイトハウスに対して、共和党の下院議員は反発している。

GOP explodes in anger as feds create Iran carve-out for visas  01/21/16 03:23 PM EST The Hill

米政府がビザ免除の条件を厳格化 1月22日 6時45分 NHK NewsWEB

一方、難民の審査を厳格化する法案は下院通過後、上院で廃案とされた。シリアとイラクからの難民受け入れを停止するものだったが、賛成55票、反対43票、白票2票で動議可決に必要な60票に達しなかった。民主党からは2名が造反、ウエストヴァージニア州選出のマンチン上院議員が賛成票を投じ、サウスカロライナ州選出のグラハム上院議員が白票を投じた。民主党の大統領候補レースに加わっている無所属のサンダース上院議員も白票を投じた。

Refugee bill stalls in Senate after battle over Trump amendment January 20, 2016, 03:31 pm The Hill

難民審査厳格化法案、廃案へ=米上院が動議否決 2016/01/21-09:47 時事ドットコム

【ワシントン時事】米上院は20日の本会議で、昨年11月に下院を通過したシリア・イラク難民の受け入れ審査厳格化法案について、審議を進めるのに必要な動議を与党・民主党の反対で否決した。米メディアは法案は廃案になる見通しになったと伝えている。

 法案はパリ同時テロを受けて野党・共和党が提出したもので、シリア・イラク難民を受け入れる場合、政府が米国の安全の脅威にならないと議会に証明することを義務付ける内容。「受け入れが不可能になる」と批判もあり、オバマ大統領は反対を表明したが、11月の下院採決では民主党議員188人のうち47人が賛成に回り、可決された。

 20日の採決でも民主党系46人中2人が造反し、共和党議員53人と共に賛成票を投じたが、動議可決に必要な60票には届かなかった。


参考URL:
U.S. Senate Roll Call Votes 114th Congress - 2nd Session(難民厳格化法案の賛否)

有害図書は事前検閲できない

現在、それぞれの地方自治体は事後検閲の形で有害図書を指定しているが、政府は消費税増税に伴う軽減税率を導入する機会に、業界の自主規制もしくは法律に基いて有害図書を定めようとしていた。

しかし、租税法律主義に基づけば、予め条文に有害図書の範囲を定めなければならない。法律によって有害図書を決めることは事前検閲に該当し、言論の自由・表現の自由の侵害となる。

参議院の予算委員会において、日本を元気にする会の山田太郎議員は、言論の自由・表現の自由の侵害との言質を首相ほか閣僚から引き出した。

書籍・雑誌における有害図書の線引きは今国会では見送りとされたが、事前検閲になる以上、憲法を改正しないかぎり、永遠に見送りにされるのは間違いない。

軽減税率、「書籍」の線引きを今国会は見送り 政府・与党 2016/1/18付 日本経済新聞

麻生財務相が「『チャタレイ夫人の恋人』を回し読み」を“告白” 軽減税率線引きめぐり奇妙な例え… 2016.1.18 12:43 産経ニュース

与党は税制改革大綱で、有害図書に対しては消費税増税に伴って導入される書籍・雑誌の軽減税率を適用しないよう検討することとなった。菅官房長官は、有害図書を線引きするには各自治体の条例が全国一律ではないため、議員立法か業界の自主規制によって、その一律化を図ろうとした。

ここで憲法上、租税は法律によって定めなければならない、という憲法第84条にある租税法律主義が出てくる。

有害図書を軽減税率の対象から除外するには、業界の自主的な基準ではなく法律によって定義するしかない。それが租税に関するものであっても、法律によって有害図書を先に指定することは事前検閲に当たる。

もともと法律よりも下位にある条例が、事後検閲の形で有害図書を指定するのは言論の自由の侵害スレスレの行為である。しかも担当者の恣意的運用に左右される。また、業界の自主規制なる目に見えない事前検閲というのも厄介である。

少なくとも、事前検閲は言論の自由・表現の自由の侵害に当たるので、法的に有害図書を指定することは出来ない、という言質は重要な成果だろう。

参考URL:
今日の山田太郎議員の質問を見て感心した2016-1-18 ニコ生を見て大幅追記1-21 togetter

“難民である”ための茶番劇は続く

デンマークでは中道右派の自由党政権が難民・移民に対して厳しい政策を打ち出している。就労制限を超過した留学生が国外追放処分となったり、難民キャンプに収容された難民から金品を使用料として没収する、などである。

難民から金品を巻き上げるのは財政上の理由もあるのだろうが、難民とはかくあるべきというイメージに沿っている側面もある。

難民はその国で政治的自由を奪われ、財産を失ったあげく、その生命すら危うい哀れで弱い存在でなければならない。誰もがこのイメージに乗っからなければ成立し得ない茶番劇が繰り広げられている。

“難民である”彼らはブローカーに金品を渡して地中海を渡るのだが、そもそも金品を持っている時点で“難民である”イメージにそぐわない。

また、“難民である”ためには船は漂流しなければならないから、小ぶりであればあるほど良いし、船員は途中で姿をくらますし、最悪沈没するように細工されている。

溺れた幼児が波打ち際で死んでいたりすれば、哀れな“難民である”ことをアピールできて、一挙に受け入れの世論が高まったものの、弱い“難民である”はずの連中が女子供を襲うに至って、そのイメージが崩れてしまう。

“難民である”ためには、国家が彼らから金品を巻き上げようとも、哀れで弱い存在であるというイメージを守るためには相応しいだろう。

働き過ぎ、国外追放=留学生に厳罰-デンマーク 2016/01/10-15:53 時事ドットコム

2015年6月の総選挙の結果、移民制限を訴えたデンマーク国民党を含む中道右派連合が政権に返り咲いた。しかし、中道右派の連立交渉が失敗して、自由党の少数与党内閣となっている。

デンマークの国会は一院制で定数が179議席、うち中道右派連合は過半数の90議席にギリギリ到達しているが、内閣を組織する自由党は34議席に過ぎない。閣外協力を行っている他の中道右派がさらに厳しい難民・移民政策を要求することも大いに考えられる。

デンマーク議会2015年総選挙結果(定数:179 過半数:90)
国民議会 Folketing のみの一院制

【中道右派連合】 (90)
自由党 Liberals (34) -13
デンマーク国民党 Danish People's Party (37) +15
自由同盟 Liberal Alliance (13) +4
保守人民党 Conservative People's Party (6) -2

【中道左派連合】 (55)
社会民主党 Social Democrats (47) +3
社会自由党 Social Liberal Party (8) -9

【中道左派連合に対する閣外協力】 (33)
社会主義人民党 Socialist People's Party (7) -9
赤緑連合 Red-Green Alliance (14) +2
オルタネイティヴ Alternative (9) NEW
社会民主党(フェロー諸島の政党) Social Democratic Party (1)
イヌイットコミュニティ(グリーンランドの政党) Inuit Community (1)
前進(グリーンランドの政党) Forward (1)
※フェロー諸島とグリーンランドに議席枠がある

「移民の現金没収」法案、デンマークで可決へ 2016年01月13日 10:25 AFP BB NEWS

【1月13日 AFP】デンマークで、移民らが所持している一定額以上の現金や貴重品などを、難民申請者向けの一時滞在施設の利用料として没収することを定め、物議を醸している法案が、議会で可決される見通しとなった。

 ラース・ロッケ・ラスムセン(Lars Lokke Rasmussen)首相率いる少数与党政権は12日、法案の修正案について、協力関係にある右派3党から支持を取り付け、議会の過半数の賛成を確保した。法案は13日に審議入りし、26日に採決が行われる予定だ。

 法案は、移民の所持金のうち1万デンマーク・クローネ(約17万円)を超える現金や、同額を超える価値がある所持品を、当局が没収することを認めるというもの。腕時計や携帯電話、コンピューターなどは没収される可能性があるが、結婚指輪や婚約指輪、家族写真、勲章など思い出の品は対象外とされている。

 移民らが金品を所持していないかどうか持ち物を調べるというこの計画をめぐり、インガ・ストイベア(Inger Stojberg)統合相は非難の嵐にさらされ、ナチス・ドイツ(Nazi)をほうふつさせるという批判も浴びている。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も6日、デンマーク政府の法案について、「恐怖や外国人嫌悪をあおる恐れや、世界各地で保護希望者の居場所を広げるのではなく、逆に狭める同様の制約につながる恐れのある」メッセージを他国に送るものとして、懸念を示していた。(c)AFP

パキスタンの核をサウジアラビアが使う日

ロシアがシリア内戦への軍事介入を始めたことが契機となって、急激なパラダイム・シフトがアラブ・中東地域に起こっている。

中東の覇権を握る覇者(ヘゲモン)が、合衆国からロシア連邦に替わった。このパラダイム・シフトが引き起こす外交的震動は善悪を超えたダイナミズムとなって、スンニ派とシーア派の争いの過程にも影響を与え続けている。

イラン経済制裁解除、敵対国は警戒強める 2016 年 1 月 18 日 09:35 JST WSJ日本版

Stocks Slump After Saudis Threaten Nukes Against "Nefarious" Iran  01/19/2016 14:54 Zero Hedge

オバマ政権が、対シリア外交と対イラン外交で妥協した結果、イスラエルは米国から事実上離反して、スンニ派湾岸産油国と利害の一致を見るようになった。イスラエルはスンニ派の穏健な見えざる同盟者として行動すると思われる。

さて、2013年前半頃にはエジプト(軍部及び暫定政権)~サウジアラビア~UAE~クウェートのスンニ派連合と、ムスリム同胞団(スンニ派)~ハマス(スンニ派)~ヒズボラ(シーア派)~シリア(アサド政権)~イラン(シーア派)~中共~ロシアのシーア派及びバース党・共産党・原理主義政党の混成連合が出来ていた。

サウジアラビアは新しいサルマン国王の代になる直前からはムスリム同胞団とハマスにも接近している。より大きなスンニ派大連合を画策している、と思われる。そこにパキスタンやバングラデシュも構想に入っていくのが自然だろう。

何より、サウジアラビアはイランの核開発に対抗するために自国の核開発を進める。また過渡的にニュークリア・シェアリングを図るならば、イスラエルの核をシェアするよりもパキスタンの核をシェアする方が政治的な摩擦やリスクは少ない。

すると同時に国家間の対立が連鎖する可能性もある。イランがアラブ連盟とパキスタンに挟まれることにより、イランがインドに接近して、パキスタンをインドとイランで挟み込む地政学的な連鎖現象が起きるかもしれない。

“社会主義アメリカ”の勃興

共和党・民主党それぞれの大統領候補レースは、共和党では富豪のトランプ氏の首位が続き、民主党では自称“社会主義者”のバーニー・サンダース上院議員がクリントン女史を猛追している。いずれもアウトサイダーが支持を集めている点で、8年前の茶会党と「ウォール街を占拠せよ」運動の延長線上にあり、分断が埋めがたい差となっている米国社会の現状を象徴している。

Can Clinton find the spark to fend off the challenge from Sanders? January 16 2016 The Washington Post

The GOP Is Learning to Love Trump JAN. 15 2016 1:44 AM Slate

クリントン女史を猛追しているバーニー・サンダース上院議員は、バーモント州選出の上院議員として民主党と統一会派を組んでいるもののあくまでも無所属議員である。それが民主党の大統領候補として名乗りを挙げて、本命視されるクリントン女史に対して、いくつかの世論調査で凌駕する。これを受けて予定されていなかった民主党候補同士のテレビ討論が企画されるようになるなど、意外なほどの善戦を繰り広げている。

この背景にあるのは「ウォール街を占拠せよ」運動の延長線上で、リベラル州を中心に一層“社会主義化”する米国社会の変容である。

サンダース上院議員は自らを社会主義者であると主張する。そして、彼を支持する人々もまた、社会主義者として自らを規定して始めている。ワシントン・ポストの記事ではすでに民主党員の43%が社会主義者である、と云う。果たして、サンダース上院議員が民主党候補となる場合、資本主義の権化と社会主義者の対決が見られることになる。

オバマ大統領の8年間は残り1年に差し掛かり、彼の政権は、右の茶会党と左の「ウォール街を占拠せよ」のふたつの潮流が産み出す社会的分断を修復するどころか悪化させてしまった。全体としては移民の増加に伴う左傾化は進む。富の格差が拡大しつつ、税による再分配要求も声が大きくなるのは避けられないだろう。

こうした米国社会の変容に棹さす存在としてトランプ氏が登場したのならば、彼が負けた以降は“社会主義アメリカ”が本格的に勃興するのかもしれない。

参考URL:
アメリカ大統領選挙UPDATE 2:オバマ大統領最後の一般教書演説とトランプ主義の影 2016/01/18 東京財団

“自由”に踏みとどまった台湾

台湾では総統選挙と立法院選挙が同時に行われた。下馬評通り、次期総統には蔡英文女史(民進党)が当選、立法院の与党には過半数以上を制した民進党が躍り出た。民進党の地滑り的勝利は北東アジアの地政学的変化を表している。

台湾総統選、民進党・蔡氏が圧勝 中国は独立の動きけん制 2016年 01月 18日 06:44 JST ロイター

台湾2016年立法院選挙結果(一院制 定数113・過半数57)
民主進歩党(中道左派・リベラル 泛緑連盟) 68
国民党(中道右派・保守 泛藍連盟) 35
時代力量(中道左派・ポピュリズム) 5
親民党(保守 泛藍連盟) 3
無党団結連盟(保守) 1
無所属 1
※泛緑連盟は台湾独立志向、泛藍連盟は中国統一志向

もともと民進党は反原発(台湾第4原発の凍結)、軍隊内部の人権擁護(洪仲丘事件)、LGBTの容認姿勢などを掲げており、左翼・リベラル的色彩が濃いにも関わらず、我が国の中道右派・保守が支持するというねじれ現象が起きていた。この現象は自由と民主主義の価値尊重、安全保障の必要性の観点から起きており、これらを無視する我が国の極左・リベラル勢力は民進党に目立ったアプローチをしていない。

支那大陸とその周縁部では政治的自由が死につつあることを考慮すれば、台湾が踏みとどまったことはもっと重要視されて良い。特に、“雨傘革命”(香港)と“ひまわり学生運動”(台湾)が起きた2014年は、両者の分岐点として記憶されることになるだろう。二つの運動は共に違法な示威行動であったが、それだけ切羽詰まった状況だったことを示しており、ここで反転攻勢できたかが違いを生んだ。

香港では中国共産党を批判する独立資本系書店の店員が当局に拘束されて、言論の自由はほぼ死んだ。韓国では従軍慰安婦問題で国内における主流見解と異なった論を著した大学教授が刑事告訴されて、言論の自由が怪しくなっている。

言論の自由の侵害とは、公に当たる行政府、立法府、司法府が言論機関の閉鎖、出版物の発刊停止、記事に対する事前閲覧と訂正削除の強制、記者の拘束をする場合を指すので、香港の自由が瀕死であることが窺える。

安全保障では台湾海峡が地政学的リスクとして急浮上する。注目されるべきは金門島であろう。金門島~福建省間の給水が2016年のうちに開始される予定だ。これに依存することになれば、給水制限を受けたり、給水停止されるだけで金門島は死命を決せられるようになる。

参考URL:
蔡英文候補、総統府前広場での最終演説全文(日本語訳) 2016年1月16日 日本李登輝友の会

前近代に転落する東南アジアのムスリム

ウォールストリート・ジャーナルの記事は、マレーシア社会にイスラム原理主義が浸透して、ほかの宗教や習慣に対して不寛容な精神が育ち、シャリーアがムスリム以外の人々含めた生活規範を束縛しようとしている、その現状を伝えている。

難民危機とテロが巻き起こす混乱によって、イスラムの前近代性が認識されるようになったが、むしろ近代化に伴って、アラブ人の居住する地域に限らず、パキスタンのパンジャブ人やバングラデシュのベンガル人も原理主義に傾倒し始めた。バングラデシュでは25年前よりもヒジャブを着用する女性が増えている。それ以前はパキスタンに対するベンガル人のナショナリズムは存在したが、イスラム原理主義はなかった。

象徴的な事例として、バングラデシュでは2015年の1年間で少なくとも4人の世俗主義を唱えるブロガーが、原理主義者と思しき集団に殺害(私刑)されている。

この一見理不尽な波は東南アジアのイスラム圏にも到達している。

マレーシアでは、シャーマニズムやキリスト教、ヒンズー教、仏教、儒教など他の宗教と混淆した社会がワッハーブ派の影響などによってイスラム化が進んでいる。ウォール・ストリート・ジャーナルの記事では、占うシャーマンはイスラム教に配慮し始め、スーパーマーケットのレジは性別によって分けられるようになり、スポーツ観戦も男女別となり、航空会社の機内食もキャビンアテンダントの服装もシャリーアに基づくようになった、と云う。

脱宗教化と性差の廃止が進む欧米社会と真逆に向かっている。両者の文化的摩擦が激化するのもむべなるかな。

経済発展は伝統と習慣からの脱却を促すと同時に、心理的な当惑と政治的混乱を産み出し、一層のナショナリズム回帰を促進する。その際、マレーシアはナショナリズム回帰にイスラム教を見出した、と云える。つまり、それ以外に帰るべき国民の物語がない、ということでもある。

経済発展が世俗化ではなく、知識の普及に伴い民族主義や宗教によるナショナリズムの高揚につながった典型例は「白色革命」から「イラン・イスラム革命」までのイランの動きだろう。モハンマド・レザー・シャー(日本では、パーレビ国王と呼ばれたことが多い)の行った「白色革命」は、識字率を向上させ、女性参政権を認めた。その結果が反動としての「イラン・イスラム革命」が起きた。

エマニュエル・トッドの云う“移行期の危機”によって、社会の保守化が進むのだが、問題は保守化することではなくナショナリズムのために見出されたイスラムの教えが、最終的には近代を否定することにある。

たとえば我々が、ムスリムに前近代性を感じる所以は、彼らが人間同士の契約を尊重しないからである。これは支那人と朝鮮人も同様である。近代社会とは、唯一の神との契約とその精神を、人と人の関係に引き下ろしてもなお、その契約を絶対的なもの、と出来るかによって成立する。この観念が育っていないと新興国では、いずれ信用が使い尽くされて、前近代に転落するだろう。

あくまでも欧米や日本など先進国の資本と技術、管理があって初めて契約社会が成立しているとすれば、グローバリズムが反転する現在、資本の還流に伴って前近代へと逆戻りするのは、むしろ自然な流れと云える。

「性器の形見える」と批判の体操選手、擁護の声続々 東南ア大会 2015年06月15日 18:01 AFP BB NEWS

マレーシアで進むイスラムの厳格化、古来の伝統否定の動きも 2016 年 1 月 15 日 15:02 JST WSJ日本版

 【クアラルンプール】ケラナ・インドラ・サクティさん(70)は、マレーシアで最も成功しているシャーマン(霊媒師)の一人だ。ケラナさんのオフィスの壁には顧客からの推薦状が飾られている。感謝された顧客からメルセデス・ベンツの高級リムジンを贈られたこともある。「冒険家、素晴らしい不思議な技」を意味する同氏の名前はマレーシアの富裕な君主の一人から授けられたものだ。

最近、ケラナさんは自らのコンサルティングサービスに、イスラム教の聖典コーランからの解釈を加えている。「最近は人々が当然のように期待しているのでそうしている」と言う。

マレーシアに限らず、東南アジア地域ではイスラムが一段と保守的になりつつある。数百年前にアラブ諸国の貿易商によってこの地にもたらされたイスラム教の信仰は何世代にもわたり、シャーマニズムや伝統医学ばかりでなく、この国の仏教徒、キリスト教徒、ヒンズー教のコミュニティーにおける古くからの伝統や風習と共存してきた。

しかし最近は、イスラム教の戒律に厳格なワッハーブ派の教義によってイスラム教の実践方法が再定義され、一部では、マレーシアの特徴でもあった寛容さが失われている。ワッハーブ派はサウジアラビアから資金援助を受けているイマーム(イスラム教指導者)によって広められることが多い。

そうした変化の兆候は至るところで見られる。

マレーシア北東部のケランタン州は国内で最も保守的な地域の一つで、スーパーマーケットのレジは性別によって分けられている。また、男性が女子チームのネットボール大会を観戦することは禁じられている。昨年12月には、シャリアを適用したマレーシア初の航空会社が運航を開始した。この航空会社はイスラム教の教えに従い、機内食に豚肉を出さないほか、機内での飲酒は禁じられている。さらに、客室乗務員は頭をヒジャブで覆う決まりだ。

マレーシアの政治家はイスラム教の資格を誇示することを競い合っている。野党である全マレーシア・イスラム党はシャリアを遵守することで、農村地域で支持を広げている。また、最近はイスラム教を重視する与党の下、村のリーダーたちのためにイスラム教最大の聖地メッカへの大巡礼(ハッジ)資金を提供する目的で、政府系投資ファンドが立ち上げられた。

さらに、最近設立されたマレーシア・イスラム開発局は金曜日ごとに全国のモスク(礼拝所)で伝授される説教を作成している。

こうした動きに対し、一部のイスラム教学者や世論指導者たちは抵抗を始めており、イスラム教のアラブ化は行き過ぎだと指摘している。昨年、マハティール元首相の娘であるマリア・マハティール氏は国民に、信仰の本質よりも堅苦しい形式が教え込まれていると批判した。

治安当局者らは、こうした環境の変化を受けて若いイスラム教徒が信仰の厳格化に突き動かされていると懸念している。治安部隊は中東の過激派組織「イスラム国」(IS)に関係している疑いで120人以上を拘留している。それ以外にも大勢がイスラム国に参加するためマレーシアからシリアに渡っている。

シャーマニズムをはじめとする伝統的な風習を守っている国民にとって、こうした変化は暮らしを複雑なものにしている。

クアラルンプール近郊にあるマレーシア国民大学で最近開かれた医学会議に医者や心理学者が集まって、コーランの解釈がさまざまな病気にいかに役立つかについて耳を傾けた。

ケランタン州ではこうした変化も顕著だ。イスラム教を重視する地元政府は伝統的な治療の儀式を違法とし、こうした伝統的やり方を踏襲する人々は隠れて行わざるを得なくなっている。

イスラム教徒のケラナさんは、自分のサービスには安定した需要があると話す。ケラナさんの実践には、性生活や事業に問題を抱えた患者のカウンセリングが含まれる。

一方、この国で呪医と称されるシャーマンの中には、警察沙汰になる人もいる。宗教当局は4月に、有名なシャーマンのイブラヒム・マット・ジン氏が行方不明のマレーシア航空370便の所在を突き止めるため竹製の双眼鏡とココナツ2つを使って儀式を行ったことについて、イスラム教の教えから逸脱していると指摘した。

しかし、ケラナさんは呪文やまじないの儀式にしても、コーランの解釈にしても、顧客の望みに応じる意向だ。「顧客が望むなら、やらない手はない」と話す。

ケラナさんには熱心なファンがついている。顧客の中には政治家も大勢含まれている。

オバマ政権の最後の1年と“カリブの春”

オバマ大統領最後の任期となる1年もまた、党派対立の中で始まる。上下両院は相変わらず共和党が抑えているため、立法によらず大統領令によって自らの政策を実行することを一般教書演説で述べた。

先日の新しい銃の販売規制がそうであったように、こうした大統領令の濫発は三権分立を壊していくものであるし、左右の党派対立を激しくするばかりとなる。演説の上手さで引き立てられた大統領だけに、議会に根回しして、利害を調整する能力がなかったことも対立を助長させた。

外交面でも、長年米国と対立してきた諸外国との関係改善に、レガシーづくりの機会を見出している。大統領の行っているイラン、キューバといった国々との接近は当然のごとく、共和党と従来の同盟国・友好国の反発を買うには充分すぎるほどだ。

オバマ大統領、最後の年に立ち上がれるか 2016 年 1 月 12 日 14:01 JST 更新 WSJ日本版

【オピニオン】北朝鮮とキューバを結ぶ危険な点と線 2016 年 1 月 12 日 12:41 JST WSJ日本版

ウォール・ストリート・ジャーナルは、行方不明になった米国製のヘルファイアミサイルが「キューバに到着している公算が大きい」ことを国務省が2014年6月には知っていた、と報じた。 キューバとの国交正常化交渉は同じ2014年12月に始まった。2015年4月には国務省はテロ指定国解除を勧告して、2015年7月には国交正常化している。

もしも、国務省がこのヘルファイアミサイルの件をリークしていれば、政権にとっては、リビアの“ベンガジ・ゲート”事件のように打撃となり、国交正常化は頓挫したかもしれない、と上記の記事は指摘する。そして、未だに北朝鮮とキューバは友好関係を保っており、両国間で軍事技術や物資が行き交う可能性がある。

史上初のイエズス会出身、南米出身としても初のフランシスコ教皇は、カリブ・中南米にかけて戦略的な外交を仕掛けている。バチカンに協力したオバマ政権がレガシーづくりのためだけにキューバとの国交正常化を選んだならば、“カリブの春”が起きた場合にはアラブ・中東のように混乱を収拾できなくなるかもしれない。

サウジアラビア、構造改革の危険な賭け

2015年5月6日のエントリーで触れたように、サウジアラビアのサルマン国王は、異母弟の皇太子を退位(事実上の廃太子)させて、同母弟の甥を副皇太子から皇太子に、自らの息子を副皇太子とした。

皇太子は内相を務め、副皇太子は防衛相を務めている。

初代国王イブン・サウードが最も寵愛したスデイリ家出身のハッサ妃との間に生まれた7人の男子スデイリ・セブンの系列で王位継承権順位の1位、2位を固めた。イブン・サウード王の息子たちに当たる第2世代が高齢化するなか、孫の第3世代はスデイリ閥が継承する意向を示したことになる。

外交では、人事面でサウジアラビアの外相を40年の長きに渡り務めてきたSaud al-Faisalから、駐米サウジアラビア大使Adel al-Jubeirへと交替させた。

2015年5月の米国との二国間会談には国王は訪米せず、皇太子と副皇太子を向かわせた。外相も前駐米大使であり、外交の継続性の観点からは問題はないように思われるが、予定では国王自身が会談に臨むとされていた。米国のイランへのエンゲージメントに対する失望もしくは抗議の姿勢を示したものと思われる。

内政では女性の教育副大臣を解任し、ワッハーブ派の戒律を守る「美徳推進・悪徳防止委員会」の責任者を交替させた。前国王のリベラル的施策から保守的施策への政策変更は、スデイリ閥の王位継承の明確化と並ぶサウジアラビアの大きな転換点となる。

さらに、副皇太子は内政面で大きな改革を企図している。それは原油価格の急落に伴う富の再分配の構造改革である。

2014年6月のピーク時に1バレル約115ドルだった原油価格は現在、1バレル30ドル台に落ち込んだ。

産油国の国家財政が均衡するためのブレークイーブンコストはベネズエラが161ドル、イエメンが160ドル、アルジェリアが132ドル、イランが131ドル、ナイジェリアが126ドル、バーレーンが125ドル、イラクが111ドル、ロシアが105ドル、そしてサウジアラビアが98ドルである(シティグループ調べ)とも云われている。

いわゆる湾岸諸国の採掘コストは、もともと非常に低い。しかし、現在は一定以上の原油相場を前提とした社会福祉に手厚い国家予算を組んでいる。社会福祉を維持しながら、イランとロシアを牽制し、コストの嵩む米国のシェールガス・シェールオイルや再生可能エネルギーを潰すために原油安への誘導を行っている。

とは云え約1年半以上の消耗戦がつづき、終わる気配がない。短期資金がショートする恐れが出てきた。消耗戦を止めるか、もしくは国家財政の緊縮を図るかの二者択一に迫られて、財政緊縮へと舵を切った。

副皇太子は、教育と医療の無償提供、公共サービス料金の補助を減らして、増税を行う。また、国営石油会社サウジアラムコほかそのほかの国営企業の株式公開と売却を図るつもりだ。この内政改革に対する反発を抑えるために、外交では先鋭的な施策を取りがちになる。サウジアラビアとイランの国交断絶はこの文脈から読み取れる。

ソ連の滅亡の一因にサウジアラビアが主導した原油価格の低位安定があったことを思い返すと、サウジアラビアの今後の動きがシーア派の雄イランと、内戦中のシリア及びイエメンの命運を大きく左右することは間違いない。サウジアラビアの日量1000万バレルという猛爆撃がロシアをも含めて襲いかかる。

そして、その日量1000万バレルは自らにも跳ね返る。初代国王イブン・サウードが持っていたカリスマをシーア派との戦いの勝利で継承して、原油の富で作り上げた再分配機能を改革しながらも維持できるかが、孫の世代が王位を継承できるかにも繋がっている。

【The Economist】サウジ副皇太子が描く青写真 2016/1/12 3:30 日経

 長年、サウジアラビアは生気がないように見られてきた。莫大な石油の富と米国の力を後ろ盾に、国内を平穏に保つと同時に、近隣諸国ににらみを利かせてきた結果だ。だが、今や石油価格は急落し、米国が中東での指導的立場から身を引こうとしている。こうしたなか、サウジの権力は新世代――特にサルマン国王のお気に入りの息子のムハンマド副皇太子(30)――に移った。砂漠の王国は、変革の嵐によって目覚めようとしているかのようだ。

■国営石油会社の株式公開検討

サウジアラビアは1月2日、47人の処刑を執行した。大半はアルカイダと関係のあるテロリストだったが、サウジ王家に批判的だった著名なシーア派聖職者も含まれていた。これに対する抗議として、イランの首都テヘランにあるサウジ大使館が放火されると、サウジはイランとの外交関係や通商関係を断絶し、航空便も停止した。

 サウジは、これとは別の強硬策も見せる。ムハンマド副皇太子が、これまで閉ざされてきたサウジの経済と政府を開放する青写真を策定したのだ。ここには、国営石油会社サウジアラムコの株式公開の可能性も含まれているという。それは、サウジ王家の存亡を左右し、アラブ世界の未来を変えることにもなる。

 2014年に1バレル110ドルだった原油価格が、今や35ドル弱まで急落している。歳入の90%を石油に依存する政府にとって、原油安は時限爆弾のようなものだ。財政赤字は昨年、国内総生産(GDP)比15%にも膨れ上がった。

 1990年代に原油価格が下落した時、サウジは多額の借り入れを行った。2000年代は、好調だった中国経済によって救われた。しかし、今回の原油安については、サウジの支配層を含め、原油価格が3ケタに戻ると考えている人などいない。それどころか、支配層は自国経済の変革の必要性を知っている。ムハンマド副皇太子は1月初旬に本誌(エコノミスト)の取材に応じ、サウジの抜本的な再設計ともいえる改革の青写真を描いてみせた。

 最初に取り組むのは、財政再建だ。たとえ原油安が続いたとしても、今後5年間で財政赤字を解消するのが目標だ。そぐべきぜい肉はたくさんある。しかし、これは危険の多い作業でもある。税金をとらず、オイルマネーによって教育や医療の無償提供に加え、電力、水道、住宅の料金などを手厚く賄ってきた国のシステムを解体することを意味するからだ。

 15年は、最後の数カ月間の支出を削減したことで、財政赤字がGDP比の20%超に跳ね上がるのを食い止めた。16年の予算には、ガソリン、電力、水道料金の大幅な値上げが含まれている(ただ、多額の補助金が出る状況に変わりはない)。ムハンマド副皇太子は5%の付加価値税、糖分の多い飲料やたばこに対する悪行税、空閑地に対する課税などの新税の導入も確約している。

 税金や補助金の改革は初めの一歩にすぎない。サウジ国民の約7割は30歳未満で、労働者の3分の2は政府が雇用している。30年までに労働人口が2倍に増えると予想されている。今の国家が統制する経済の仕組みを一新し、産業の多角化や民間企業の振興により、マーケット主導の効率性を導入しないかぎり、この国の繁栄はない。

■航空や通信含め民営化を模索

 政府は必要最低限の分野を除き、医療・教育から国有企業に至るまで、民営化や民間による公共サービスの提供の可能性を模索している。民間が提供する医療制度の創設計画もある。航空会社や通信会社、電力会社など20以上の政府機関や国有企業について、完全に、もしくは部分的に民営化できないかを検討している。

 ただ、こうした青写真は実現するのだろうか。言うのは簡単だが、障害もある。サウジは以前も改革を約束し、結局はできなかった。この国の資本市場は脆弱で、官僚の能力はそれ以上に乏しい。若者や石油以外の産業、観光インフラなどに対する投資は必要だが、投資家がサウジの将来を信じられない限り、投資というものは実現しない。その信頼を築くのは難しい。

 理由の一つは、ギリシャ並みの緊縮財政が困難で国民に不人気だからだ。国として国民に手厚い公共サービスを提供してきたのは、政治的な権利を与えていないことの埋め合わせでもある。支出削減を国民が受け入れるには、ある種のガス抜きが必要だが、こうした対策に政府は消極的だ。最近、女性が(ほぼ無力な)地方議会に出馬や投票することが許されたが、それはすでに亡くなった前国王のアイデアだ。

 サウジは宗教的な専制主義を和らげる気はなさそうだ。ムハンマド副皇太子は、女性の運転禁止といった問題について保守的な聖職者らと戦う意志はほとんどない。

 地政学も問題を複雑にしている。イランが拡大主義を強めるにつれて、サウジはスンニ派の擁護者として介入した。自国やバーレーンなどスンニ派が支配する国のシーア派不満分子のほか、イエメンのシーア派武装組織「フーシ」、シリアのアサド大統領など、イランの支援を受けているシーア派勢力と対峙してきた。

■周辺国刺激は経済繁栄損なう

 サウジは、地域の安定のためにはテロリストにメッセージを送る必要があると主張する(それゆえの処刑というわけだ)。サウジに言わせれば、イランはペルシャ帝国の再構築に躍起になっており、それに抵抗し、自国の利益を守らねばならないのだという。だが、この議論は誤っている。サウジは宗派対立している片方のリーダーになってしまうリスクがある。

 イエメンでの戦争は泥沼と化している。サウジからのエジプトや他のスンニ派同盟国に対する支援は枯渇気味だ。サウジの国防と安全保障に対する支出は、政府支出の25%以上を占めており、今後、縮小していく国家予算のより大きなシェアを占めるようになる。地域の緊張関係は、民間投資を妨げることにもつながる。混乱に陥った地域の経済に、いったい誰が巨額な金をつぎ込むのか。

 政府は、国内外での大胆な行為が「強いサウジ」の象徴だと考えているようだ。しかし、強硬な外交姿勢は国民には受けがいいかもしれないが、それによって周辺国を刺激したり、国内の社会改革を阻害することにつながったりすれば、経済的な繁栄はない。ムハンマド副皇太子が、国を破壊するのではなく、再構築したいというのであれば、そのことをよく理解する必要がある。

“一帯一路”、バルカン半島に到達

中共の国有企業、中国遠洋海運集団公司(COSCO)がギリシアのピレウス港を運営する国営企業を買収する見通しとなった。COSCOは、中央政府の国務院国有資産監督管理委員会が直轄する中央企業112社の中の1社。COSCOは、2015年9月にほかの国有企業とコンソーシアムを組んで、トルコのイスタンブール近郊にあるクンポートのコンテナターミナルを買収している。

豪州のダーウィン港の埠頭は中共の民間企業、嵐橋集団が99年間リース契約を結んでいるが、ピレウス港とイスタンブール近郊のターミナルは共産党直轄の国有企業が投資している違いがある。

中国、ギリシャ最大港を買収 「一帯一路」欧州へ 2016/1/13 1:30 日本経済新聞

コスコ・パシフィック、トルコのコンテナターミナルの権益取得へ 2015/09/17 16:36:47 TRENDERS WEB

イスタンブール近郊のターミナル及びピレウス港の買収は、中国共産党の進める“一帯一路”及び“21世紀の海上シルクロード”の結節点のひとつとして、戦略として行われた。

“一帯一路”は、新疆ウイグル~中央アジア~トルコ~ロシア~ドイツまでを陸路で結ぶ“シルクロード経済ベルト”と、スリランカ~パキスタン~ギリシア~ベルギーを海路で結ぶ“21世紀の海上シルクロード”との二つの構想から成る。

大陸国家の支那としては中国共産党の“一帯一路”のうち、“シルクロード経済ベルト”が主、“21世紀の海上シルクロード”が従となるはずだ。これに対して海洋国家の我が国としては“自由と繁栄の弧”が主、“ユーラシア・クロスロード構想”が従となる。

シーパワーとランドパワーの対立軸が明確化していくと、シーレーンを抑える日米ほかの陣営が中長期的に勝利する。第1次世界大戦下のドイツ、冷戦下のソ連の運命を中国共産党も辿るほかない。

さて、我が国には中央アジアに喰い込むための“ユーラシア・クロスロード構想”がある。ユーラシア・クロスロードの縦線は中央アジア→アフガニスタン→アラビア海、横線は中央アジア→カスピ海→カフカス→東欧である。

ロシアとの信頼関係の構築が難航する場合には、ヴィシェグラード・グループ4ヵ国からGUAM諸国(グルジア、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドバ)に切り込み、米国が失敗したロシア圏からの再分離を図り、カフカスの両側で暴れ回り、カスピ海を渡ってロシアの脇腹である中央アジア諸国に喰い込むことも方策として考えられる。

参考URL:
国務院国有資産監督管理委員会 中央企業一覧(中文)

フィリピンの護憲派、敗れる

2014年に米国とフィリピンで締結された軍事協定は、フィリピンの最高裁で合憲判断を下されて、その効力を発効することになった。本来は2015年後半に判断されるものと思われたが、年明けまでずれ込んだ。

米軍のローテーション拠点には8ヶ所が予定されており、対象地のうち4ヶ所はルソン島、2ヶ所はセブ島にあり、残り2ヶ所はパラワン島で係争中の南沙諸島近くにある。

選定と部隊のローテーション展開が進むまで、今年一杯かかると思われる。人民解放軍が南シナ海の人工島での展開を進めるまで同じく今年一杯と考えると、やはり2016年が軍事衝突の阻止限界点となるだろう。

軍事協定に合憲判断=米軍の展開加速へ-比最高裁 2016/01/12-16:32 時事ドットコム

【マニラ時事】フィリピン最高裁は12日、2014年に締結された米国との新軍事協定について、合憲と判断した。これにより米軍展開先などをめぐる米比両国の交渉は再開し、米軍展開に向けた動きは大きく加速する見込み。

 新軍事協定は、南シナ海進出を強める中国をにらみ、14年4月のオバマ米大統領の訪比時に両国が調印した。比国内基地の共同使用を認め、米軍駐留を事実上可能とする内容だが、左派系活動家らが違憲として最高裁に提訴。米軍の展開先などの選定作業が中断していた。


以下、2015年4月26日のエントリーから再掲。

United States seeks access to Philippine bases as part of Asia pivot APR 25, 2015 REUTERS/THE JAPAN TIMES

MANILA – The United States has asked for access to Philippine military bases in eight locations to rotate troops, aircraft and ships as Washington shifts its forces to Asia and as China expands its military presence in the South China Sea.
【マニラ】 米国は、中国が南シナ海における軍事的プレゼンスを拡大するのに合わせて、アジア方面に軍隊をシフトしようとしており、部隊・航空機・艦船をローテーションするために8ヶ所のフィリピン軍基地の使用を要請している。

U.S. Defense Secretary Ash Carter, in a speech in Arizona, has outlined Washington’s next phase in its Asia “pivot,” deploying its most sophisticated destroyers, bombers and fighters to the region.
国防長官のアッシュ·カーターはアリゾナ州で演説し、ワシントンが考える“ピボット”の次段階について、当該地域に最新鋭の駆逐艦や爆撃機、戦闘機を配備する、というその概略を説明した。

The pivot has already seen U.S. Marines rotating through the Australian tropical city of Darwin, the country’s closest city to Asia, for training.
“ピボット”の動きが見られるのは、最もアジアに隣接した熱帯の都市、豪州のダーウィンであり、ここでは海兵隊の巡回と訓練が既に行われている。

At least eight locations in the Philippines have been identified as possible sites where U.S. troops, planes and ships will be rotated through a series of military training and exercises, Philippine military chief Gen. Gregorio Catapang told local television network ABS-CBN.
「少なくとも8ヶ所の予定地で、米国の部隊・航空機・艦船がローテーションしながら訓練と演習を行う可能性がある」と、フィリピン軍の将軍Gregorio CatapangはローカルテレビネットワークのABS-CBNに述べた。

But the Americans will have to wait until after the Philippine Supreme Court rules on the constitutionality of the military deal, called the Enhanced Defense Cooperation Agreement, signed last year between Manila and Washington. It may decide later this year.
しかし、「防衛力強化に関する協力合意」と呼ばれるマニラ-ワシントン間で署名されたこの協定は、フィリピン最高裁がこの軍事的取引の合憲性に関する審理後まで発効を待たなければならない。この審理は今年後半に下される。

“If we formalize (now) and they start putting up structures and it’s not constitutional, they will have to destroy those structures,” Catapang said late on Friday, adding the list was finalized in October during a Mutual Defense Board meeting.
「現在、型どおりに防衛協力の構築を始めていくが、これが合憲でないとされた場合には協力関係を壊すことになる」金曜の相互防衛委員会の会議の席上、10月までにリストを作成する、と Catapangは述べた。

Four of the locations are on the main island of Luzon, where U.S. and Filipino soldiers usually hold exercises, two are on the central Cebu island, and two more are on the western island of Palawan, near the disputed Spratly Islands.
対象地のうち4ヶ所はルソン島で、ここでは米国とフィリピンが演習を行っている。2ヶ所はセブ島にあり、残り2ヶ所はパラワン島で係争中の南沙諸島近くにある。

China claims most of the potentially energy-rich South China Sea, which has led to disputes with the Philippines, Vietnam, Malaysia, Brunei and Taiwan, and denies accusations that its actions are provocative.
中国は豊かな資源が期待される南シナ海のおいて、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイ、台湾との紛争につながった自国の挑発的な行動に対する非難を拒否している。

Recent satellite images suggest China has made rapid progress in building an airstrip suitable for military use in contested territory in the Spratly Islands, which drew concern from the United States and its allies in Asia.
最近の衛星画像が示唆するところ、中国が係争中の南沙諸島の環礁に軍事用の滑走路建設を急速に進めており、米国とアジアの同盟国から懸念を抱かせている。

“Once the U.S. rebalance to Asia policy is in full swing, the Philippines expect the Americans to seek more access to military bases on Mindanao island and civilian airstrips on Luzon,” said a senior air force official familiar with the arrangements.
「米国はアジア政策へと“リバランス”することに全力であるが、フィリピンは米国がミンダナオ島の軍事基地とルソン島の民間滑走路へより多くのアクセスをするものと期待している」と、両国のアレンジメントに精通した空軍関係者は述べている。

“The Americans are interested in Laoag airport and Batanes Island, both in the northern part of Luzon,” he said, adding U.S. planes had landed on Batanes during the war in Iraq and Afghanistan in the early 2000s.
「アメリカ人はルソン島の北部にあるラオアグ空港とバタネス島に興味を持っている」彼は米軍の航空機は2000年代初め、イラクとアフガニスタンでの戦争中にバタネスに上陸していた、と述べた。

The United States is also interested to return to its two former military bases in Subic and Clark, which they left in 1992 after the Philippines terminated a basing agreement.
また米国はフィリピンが1992年に基地契約を終了した後、残存しているスービックとクラーク両基地に戻れるかに興味がある。

21世紀の“水晶の夜”

難民危機のもたらした事件が、難民を受け入れさせた政治的原動力となった人道主義そのものを揺るがしていく。今までの趨勢を変えてしまいかねない意味で、ケルンの集団暴行事件は21世紀の“水晶の夜”と云えるのかもしれない。

Chaos and Violence: How New Year's Eve in Cologne Has Changed Germany January 08, 2016 – 06:43 PM SPIEGEL ONLINE

German Police Are Too Soft, Really JAN 8, 2016 11:45 AM EST Bloomberg View

This Is What Really Happened The Night Women Were Sexually Assaulted In Front Of Police posted on Jan. 9, 2016, at 4:32 a.m. BuzzFeed News

ナチス・ドイツ政権下、ユダヤ人の迫害の一環として行われたとされる“水晶の夜”では、ユダヤ人の経営する商店やシナゴーグが焼き討ちされた。多くの犯罪は摘発もされなかったが、ユダヤ人女性を強姦した場合は、ユダヤ人との結婚を禁止していたので処罰された。

“水晶の夜”に見られるようにナチス・ドイツの政権下では、異人種間の結婚が異人種間の性行為、さらにレイプにまで拡大されて忌避されている。婚姻は異なる人種と民族、異なる宗教と文化、異なる階級と階層を越えて、社会の不平等や差別を是正する。異人種間のレイプそのものを禁じようとするのは、その社会が婚姻を通じて、差別を是正しようとするのを拒否しているからだ。

現在のドイツはどうだろうか。第2次大戦後に流入してきたトルコ系ドイツ人は、ムスリムという異人種として分類されて、ほかのドイツ人との結婚が避けられるようになった。昨年の大晦日にドイツ・ケルンで起きた集団暴行事件では、イスラム圏から流入してきた難民と不法移民がドイツ人女性を強姦したが、これは異人種間の婚姻を忌避するドイツ社会とは真逆の行為となる。

つまり、イスラム圏ではドイツ社会のように異人種間の婚姻を忌避する、ということは起きない。ムスリムの間の平等を達成させる一方で、女性の平等に制限を加えることで全体のバランスを保とうとしているが。

婚姻と平等から見たムスリムの社会的通念と慣習はドイツと決定的に衝突する。異なる人種と民族との結婚に、それほど忌避感のないフランスですら、宗教を国家の名の下(ライシテ)に排する姿勢は変えられず、ムスリムのテロが頻発している。これを考えれば、フランスより融和姿勢の劣るドイツの社会的混乱は加速度を増す。

党派性の時代来たりなば

ISIS(イスラム国)に感化されたテロリストが、カリフォルニア州サンバーナーディーノで起こした銃乱射事件を受けて、オバマ大統領は新たな銃規制を打ち出した。見本市の即売会や通販で銃が購入される場合の本人確認の厳格化が骨子となる。

その際のスピーチにおいて、大統領が涙を流したことを保守系のメディアであるFOXニュースは「タマネギでも目に入ったのか」と揶揄する一方、リベラル系のメディアは「感動的だった」と持ち上げる。

動画:オバマ米大統領、涙流し銃規制の必要性訴え 2016年01月06日 13:26 AFP BB NEWS

Fox News claims Barack Obama used 'raw onion' to make him cry during gun control speech Wednesday 6 January 2016 Independent

つまり、導入される新しい銃規制の内容(見本市の即売会や通販で購入される場合の本人確認の厳格化など)そのものの効果などの妥当性よりも、主義主張の独善性から来る感情的な対立ばかりが浮かび上がっている。グローバリゼーションが反転して、経済規模そのものが縮小する世界では心理的な許容範囲も狭まっていくからだ。

そもそも己の宗教や信条の視点、属する国家や組織の利害でもってしか他者を見ることはできない人間にとって、見たいものしか目に見えなくなり、聞きたいものしか耳に届かなくなるのは自然だが、それが一層激しくなる。自らの主張の延長線上や自らを取り囲む関係性から外れたものは排除されやすくなる。

そして、従来から議会やメデイアに見られていた、こうした保守とリベラルの対立は一層攻撃的になり、事柄全てに党派性を帯びていく。また中庸的な意見を持っている人は左右両派から叩かれてしまい、いつしかその平衡感覚と他者への慈愛を失って、彼らも狭量な意見に堕して、攻撃的になっていく。

米国では、民主党の大統領候補も極左のバーニー・サンダース上院議員が支持を伸ばし、引きずられる形でクリントン女史も左傾化している。当然、対する共和党は右傾化している。経済が好調とされる米国ですら、こうなのだから欧州でも中道が没落して、極右と極左が台頭するのは自明の理と云える。

すでにマグレブから中東、ウクライナで起きた戦乱の直接的影響が難民危機となって欧州に及んでいる。また南シナ海から東シナ海の情勢も悪化するだろう。ドイツ・ケルンの難民と不法移民による集団暴行事件、サウジアラビアとイランの国交断絶、北朝鮮の“水爆実験”、中共の上海株式市場の急落など年初来の展開は早い。

この流れではグローバリズムが衰退し、ナショナリズムが台頭する。同時にヒューマニズムも押しやられる。国家を越えて個人同士の結び付きで世界を捉えても、如何ともし難い状況が芽生え始めている。ここ20年ほどのグローバリゼーションの進展などで、二重国籍となった人々には心理的な当惑やアイデンティティの危機が訪れるだろう。

日英ACSAと綺麗な二枚舌外交

前年に引き続き、第2回の日英外務・防衛担当閣僚級会合(2プラス2)が開催された。ロイター電では、ユーロファイター・タイフーンが参加しての共同訓練が取り上げられているが、重要なのは日英間の「物品役務相互提供協定(ACSA)」締結のための交渉を加速させることで一致した点であろう。

日英両国間では、2013年6月に「防衛装備品等の共同開発等に係る枠組み」と「情報保護協定」が締結・署名され、2014年4月の「防衛装備移転三原則」に基づいて、シーカーの共同研究が始まっている。2014年5月には、「日英外務・防衛閣僚級協議(2プラス2)」の開催合意と「物品役務相互提供協定(ACSA)」の締結交渉開始が決まった。

すでに交渉開始から1年半近く経っている。南シナ海及び東シナ海の情勢悪化を踏まえれば、今年中の締結が望ましい。

各国との2プラス2の進展は以下の通り。

日仏両国間でも、2014年1月には「日仏外務・防衛閣僚級協議(2プラス2)」が初めて開催され、「物品役務相互提供協定(ACSA)」の締結交渉に入ることが決まった。日仏間の「防衛装備品・技術移転協定」は署名されている。

他の太平洋諸国については、安倍首相の日本-ニュージーランド間でも「物品役務相互提供協定(ACSA)」の検討に入っている。日豪間では「経済連携協定(EPA)」の署名がなされ、「防衛装備品共同開発協定」が調印された。

また、太平洋に領土を持たないイタリアとも「情報保護協定」の締結交渉が始まっている。将来的に「日伊外務・防衛閣僚級協議(2プラス2)」や「役務相互提供協定」へとつながっていく。アジア太平洋のみならずNATOとの広範な安全保障の協力関係が構築されていく布石と考えて良いだろう。

この流れに歯向かったのがやはり韓国であった。2012年6月から7月にかけて、韓国側は日韓情報保護協定に仮署名しながらも署名・締結を拒み、日韓物品役務相互提供協定の協議を中断した。同時期に中韓間の軍需支援協定の締結へと進んでいる。

これ以降、経済と安全保障両面で中共への傾斜を進めたが、約3年半で頓挫した。韓国は、英国のように経済面では中共に接近しつつも、安全保障面では我が国に接近するような綺麗な二枚舌外交が出来ていない。

【日英の安全保障協力の進展】
2012年06月 防衛協力覚書締結
2013年07月 防衛装備品協力の協定締結・化学防護服の共同研究開始・情報保護協定署名
2013年10月 日英のNSC定期協議・NSC間のホットライン開設合意
2013年11月 英国海軍HMSデアリングの寄港
2014年01月 日英情報保護協定発効
2014年05月 日英首脳会談でACSA締結交渉開始
2014年07月 空対空ミサイル開発に向けた共同研究開始
2015年01月 日英2プラス2初開催
2016年01月 第2回日英2プラス2開催

英戦闘機が日本で空自と共同訓練へ、英国のアジア関与強化狙う 2016年 01月 9日 18:12 JST ロイター

[東京 9日 ロイター] - 中谷元防衛相は9日、来日中のファロン英国防相と会談し、今年中に英空軍の高性能戦闘機ユーロファイター・タイフーンが参加する共同訓練を日本で実施することを確認した。中国の海洋進出や北朝鮮の核開発などでアジアの緊張が高まる中、日本はこの地域に対する英国の関与を強めたい考え。

中谷防衛相は会談後、記者団に対し、「(日英の)部隊間の交流のみならず、英国のアジア太平洋地域におけるプレゼンスの強化という観点からも有益になる」と語った。その上で、「スクランブル(緊急発進)の対処は英国がすぐれた知見や能力がある。わが国としては参考になる」と述べた。

両国は今後、水陸両用作戦や手製の簡易爆弾への対処など、共同の軍事訓練を増やす方針。自衛隊と英軍が英国と日本を相互に訪問しやすくなるよう、事前に法的地位を定めるなどの方策を議論していく。

このほか両大臣は、昨年10月に発足した日本の防衛装備庁と、英国の貿易投資総省・国防安全保障機構との間で、職員の交流を進めることで合意した。


参考URL:
第2回日英外務・防衛閣僚会合(「2+2」) 平成28年1月8日 外務省

日米のニュークリア・シェアリングを促進する北朝鮮

核兵器なかりせば体制の存続おぼつかぬ、と北朝鮮が考えることに一定の妥当性がある以上、彼らがそれを放棄する訳もなく。

大量破壊兵器開発の疑惑を払拭できなかったイラクのフセイン大統領はイラク戦争で捕縛されて刑死した。また、大量破壊兵器開発を放棄したリビアのカダフィ大佐は内戦に軍事介入されて敗死した。

そして、北朝鮮からの技術供与を受けて原子炉を建造していた(その後、イスラエルの空爆によって破壊された)シリアのアサド政権は内戦の渦中にあり、核開発の暫時凍結に合意したイラン・イスラム共和国はスンニ派との抗争に入っている。

一方で、核兵器を開発保有したパキスタンはそれ以降インドとの全面戦争をしなくなった。北朝鮮は破綻した経済ながらも体制を維持している。

North Korea nuclear test meets with familiar response from White House Wednesday 6 January 2016 23.21 GMT The Guardian

North Korea won't surrender its nuclear weapons – sanctions or no sanctions Wednesday 6 January 2016 10.43 GMT The Guardian

ガーディアン紙によれば、現在のオバマ政権が、北朝鮮に課している経済制裁は弱い。ユーゴスラビア内戦時のセルビア、つい最近までの軍政下にあったミャンマー、およそ半世紀ぶりに国交回復したキューバ、ムガベ独裁政権下にあるジンバブエ、そして核合意を果たしたイランのそれらより緩い。

今後、対北朝鮮の経済制裁を強めるとして、利害関係国の妥協点はどこに落着するのか。

2012年3月以降、イランは国際金融取引を停止され、イラン産原油に関する保険禁止措置を受けて事実上の輸出禁止措置を受けた。この措置に伴い、イランの外貨準備高は、2011年末の1060億ドルから2012年10月頃には500~700億ドルまで減少したと見られ、年率換算で政府発表20%、実態は50~60%のインフレに見舞われた。

イラン国内では抗議デモが何度か行われたが、一連の“アラブの春”のように体制が揺らぐことはなかった。アラブ・中東と同様の革命・内戦が起きるほど、イランの若年層はもはや多くはない。イラン・イスラム革命の時点が若年層人口のピークであり、またハタミ大統領の当選の時点が中間層の政治的高揚のピークだった。

結果、幾度かの交渉の延長を経て、2015年4月には約10年間の核開発の凍結にこぎ着けた。つまり、軍事力による圧力とその行使がなければ、ここまでが限界ということを露呈している。

“世界の警察官”であることを辞める、と宣言したオバマ政権から共和党の大統領に代わるとしたら、どうだろうか。

共和党内の伝統的な保守派とリバタリアン的な茶会党は、いずれも孤立主義の傾向があり、レーガン政権下に民主党支持から共和党に鞍替えしたネオコン(いわゆるレーガン・デモクラット)のような対外拡張主義を採っていない。それに米軍は人的被害を著しく嫌う。そもそも米兵の命の値段は北朝鮮兵の命の値段と釣り合わない。

民主党と共和党に共通した孤立主義は、地域ごとの覇権を目指す国家間同士の利害衝突、もしくは勢力均衡を促進する。この過程を利用して、我が国は“戦後レジームからの脱却”以後のレジーム・チェンジで勝利者になろうとしている。例えば北朝鮮や中共との勢力均衡のために、自国の核開発や日米のニュークリア・シェアリングを促進することもあり得るからだ。

認識のズレが世界の違いを生む

ドイツ第4の都市ケルンで昨年の大晦日、100人超規模の被害者が出る強盗強姦事件が起きた。スイス、フィンランドでも同様の集団暴行事件が起きている、と報道された。ドイツ国民にとっては難民危機における最大のターニングポイントとなるだろう。

大みそかの性犯罪、スイスやフィンランドでも 難民申請者が計画か 2016年01月08日 10:44 AFP BB NEWS

もともと多文化主義そのものが文化の受容を拒んできた。究極の寛容が究極の不寛容を生んだのであって、多文化主義とは、人種間の婚姻・交友・会食を拒んだ一種の人種隔離政策だった、と想うのが自然だ。しかし、もはや隔離が不可能なほどの難民の奔流が押し寄せている。

文化背景と民度が違う移民と難民に対して、イスラム圏から来た男性の移民を対象に「女性の扱い方講座」が開かれている、という話は2015年12月20日のエントリーで取り上げた。フランスのように同化政策へと転換しても、テロは起きる。多文化主義もダメ、同化政策もダメ、となれば放逐しかあるまい。

ムスリムの群れは、人間の欲求を宗教的規範で抑制しようとしたために、その規範と通俗概念が結びついて犯罪を正当化させている。脱宗教化している西欧の人道主義と相容れない。お互いの認識のズレが女性の扱い方のズレにつながり、社会不適合者が出来上がる。

異人種が異国の文明社会との融合を果たしていくかは、異人種間の婚姻・交友・会食があるかが指標であって、特に婚姻が社会階層の移動と密接に繋がっているかが鍵となる。例えば、日本人女性が白人男性と結婚すると社会階層上昇の機会が高くなるから白人男性はモテるのであって、白人女性が日本人男性にモテないのは結婚しても社会階層上昇はなく、トロフィー・ワイフにもならないからであろう。

2014年11月にはジュリアン・ブランク(Julien Blanc)なるナンパ師が、“白人男性が日本人女性をナンパする”セミナーを開催することが物議を醸し、オーストラリアから国外退去処分を受けたことを思い出す。まともに婚姻して社会と同化する意志があるなら、こうした行動様式にはならない。つまり、難民受け入れ側も難民側も、多文化主義を望んでいるのだが、流入する人口から多文化主義を保証する隔離は不可能であり、国外退去しか選択肢がなくなっていく。

言論の自由は書店員とともに消える

銅鑼湾書店という独立資本の書店の関係者が続々と行方不明となり、ひとりが英国市民であるとして外交問題となっている。我々は、香港から言論・出版の自由が無くなる瞬間を目の当たりにしている。

しかし、生命と財産の自由のないところに、言論と信教の自由はなく、また集会と結社の自由もない。つまり国民が各政党から代議士を選び国を運営するような議会制民主主義など発生しない。

オキュパイ・セントラル(中環)から雨傘革命の流れが頓挫して、李嘉誠氏の「奔香投欧」(香港から奔走して欧州に投資する)が象徴するように、財を成した資本家がキャピタル・フライトした2014年末に、香港の運命は決したと思われる。

英、香港の書店関係者不明に懸念表明 1人は英国市民 2016年 01月 5日 20:11 JST ロイター

香港銅鑼灣書店案:中英展開外交交鋒 2016年 1月 5日 BBC中文網

現在の中国がいかに経済発展したといっても、香港含めて中国において、租税を担うだけの私有財産を持つ者とはブルジョワジーであり、彼らが制限的な一種の身分制議会を作ればよいのだが、共産党支配下においては彼らは忌むべき存在である。よってここでも自由は萌芽のうちに摘み取られる。

一方で、支那の伝統には、統治者は民衆の直接行動に弱いという点がある。天安門事件などで弾圧し放題な例に気を取られがちだが、2011年8月に遼寧省大連市の化学工場の撤去、2011年10月に浙江省湖州市のミシン税導入の撤回などの事例がある。

民意を取り入れる間接的な仕組みが弱いため、特に直轄の軍事力が弱いため、支那の統治者は『民信なくば立たず』として要求を受け入れざるを得なくなる。時には理不尽な要求を民衆がしても、それに乗じることが支那の政府にはあり得るのだ。

ただし、理不尽な要求であってもそれが通るのは、あくまでも目に見えるモノだからであって、自由といった観念は彼ら支那人には扱いづらい。この辺は香港と台湾も大差なく、その政治的センスを磨き始めたのは、1995年から1996年の第3次台湾海峡危機(初の民選による総統選挙が1996年に行われた)と1997年の香港返還の前後からであった。

香港では、雨傘革命に発展した民主化デモの焦点となったのは、2017年の香港行政長官選挙だった。2011年11月の香港区議会選挙で中央に批判的な民主派が大敗して、行政長官の直接選挙は見込めなくなった上に、間接選挙の代理人から民主派が排除されたのも要因となっている。オキュパイ・セントラル(中環)・雨傘革命の敗因は、議会やメディアなど占拠できる場所がなかったことにもあるのではないか。

対して台湾では、両岸サービス協定の批准拒否に明確な利害関係が存在したし、学生は違法に議会を占拠したにも関わらず、世論の支持を受けており、鎮圧されなかった。また同国には、普通選挙の実績と機会が存在している。1996年の台湾の総統選挙と1997年の香港返還は、まさに両者の命運を分けたと云える。

帰れる難民と『自由極まりない退屈の惑星』

スウェーデンに辿り着いたシリア難民がハフィントンポスト・アラブ版に語った本音の酷さたるや、多文化主義による隔離の有用性を認めざる得なくなるものだ。

ロナルド・イングルハートの世界価値観調査でも、スウェーデン人は世俗的・合理的でかつ世界一、個人主義的であり、日本人に近く保守的ではない。合理性や個人の価値よりも、伝統と全体の生存価値を優先するアラブ社会と決定的に相容れないのは自明の理だろう。

とは云え、受け入れ側を貶していることを考慮しないシリア難民を尊重する気持ちがスウェーデン人から失われても、それほど不思議には感じない。こんなことを云われたならば。

曰く、ダマスカス大学の学位が通用しない。スウェーデンが約束の地ではないことを確かめるために、ここに来る必要があった(密航業者に数千ドルを払って)。

曰く、大いなる自由は混沌に近い。性的な自由が怖ろしい。娘を友情の名の下に、若い男と関係を持たせたくない。息子が酒を飲むのを坐って傍観する自分が想像できない。

曰く、スウェーデン人は非社交的で、内向的で、コミュニケーションスキルが欠けている。店は6時を回ると閉まり、コーヒーショップはなく、バーは週末以外営業していない。ここは別の惑星である。

そして皆、難民申請を取り下げて、故国やトルコ、レバノンに帰る、と宣う。つい昨日、戦火に逐われ、政治的迫害で自由を奪われたにも関わらず、今日帰れる難民はひとりとして難民ではない。

スウェーデン、難民流入で国境管理を厳格化 通勤客にも影響 2016.01.05 Tue posted at 12:42 JST CNN日本版

難民申請を取り消したい。スウェーデンに渡ったシリア難民の苦悩 2016年01月04日 17時56分 JST ハフィントンポスト日本版

(前段省略)

ナエル・ハマディさん(28)は、いくつかの小さな夢と将来に向けた大きな計画を抱いてトルコからスウェーデン南部のヨンショーピングにある難民キャンプの1つにやって来た。

ハマディさんはシリアにあるダマスカス大学の工学の学士号を有し、最近スウェーデンを出て中東に戻ることを決めた。「トルコか、レバノンに戻ってもいいかと思っている」。ハマディさんはハフポストアラブ版にこう述べた。「はっきりとはまだ分からないが、もっと自分に合う社会に戻りたい」。

ハマディさんは「ここでゼロから始めるというのは、私には耐えがたいこと」と言い、「これから何年も待たなければなりません」と述べた。居住権を与えられるのに1年、家族と一緒に暮らせるようになるまでさらに1年かかる。ハマディさんは妻と3カ月の娘をトルコに残してきた。

「そして、私が言語を覚えて、学位を認定してもらい、仕事を見つけるまでには何年もかかるでしょう」。ハマディさんはこう述べた。「実際、ここで生活を始めるには7~8年かかってしまい、そんなに膨大な時間を無駄にしたくない」

ハマディさんのスウェーデンまでの道のりは簡単なものではなかった。密航業者に数千ドルを払い、何カ月間も命の危険にさらされた。

ハマディさんは「トルコからギリシャのミティリーニ島までボートに乗って向かっていたのですが、転覆し、9時間以上も水の中を泳いで過ごしました」と言い、「スウェーデンが約束の地ではないことを知るために、一度ここに来る必要があったんです」と述べた。

(中段省略)

アブアデルさん(48)もまた家族を連れてトルコに戻ろうと考えている。スウェーデンは合わない、とハフポストアラブ版に話した。アブアデルさんは3人の10代の娘と幼い息子1人の父親だ。

「ここでは子供たちを育てられません。大きな自由は混沌に近く、どこへ行っても付きまとう幽霊に変わりました」とアブアデルさんは話した。「子供たちが身に着けた独立心、勝手気ままにする自由、そして、故郷の習慣や伝統に従わせようとしたら子供を失うかもしれないという絶え間ない恐怖が、毎晩私を苦しめる悪夢となってきました」。

アブアデルさんは自らが育った「保守的な社会」に慣れていて「性的な自由が最も恐ろしい」と語った。

アブアデルさんは「子供たちを連れて、祖国へ帰ろうと思います」と話し、「娘の1人に友情の名の下に、若い男と関係を持たせたくありません。息子が酒を飲もうとした時、座って傍観している自分も想像できません。すべてはここで許されていますが、私にはそのようにはできません」。

ハムザ・アガーンさん(22)もまたヨーロッパのライフスタイルに合わないと感じている。「こんな風に生活できません」と言い、「この国の人は私たちとまったく違っている」と話した。

また出会った人々について「非社交的で、内向的で、コミュニケーションスキルが欠けている」と指摘、スウェーデンに来て7カ月、誰とも継続的な人間関係を築けないでいる。

アガーンさんもまた、スウェーデンでの生活になじめないという。「道路は午後6時を過ぎるとガランとしています。コーヒーショップもありません。バーは週末以外、営業していません」と話した。「単に退屈でみじめな場所です。言葉を覚えたり、仕事を探したりするのは難しいです。ここには、なじめそうな希望がありません」。

「移民として直面する困難は、街で家を探すところから始まり、最近難民に向けられる人種差別まで数多くあり、そのことが出て行く決心をさせました」。アガーンさんはこう続けて語った。「家族、友人の元に戻ります。そして私が理解でき、私を理解してくれる国で未来を築こうと思います。ここは完全に別の惑星で祖国とはまったく正反対の場所です」。

“プーチンの世界”と“オバマの世界”の衝突

現代の世界、そのすべては1989年のベルリンの壁崩壊に始まった。それは世界をひとつにしたと云われる。

25年前、共産主義者のイデオロギー輸出が破綻した一方で、グローバリストと資本家とリベラルのイデオロギーが世界を席捲した。この三者が、我が世の春を謳歌した時代は、2008年のリーマン・ショックと世界金融危機によって反転して、全世界的な混乱期を迎えている。

世界金融危機以降、先進国で政権を担ってきたリベラルは、自国とその周縁部(欧州では、ギリシアやスペインなど)で起きている極右と極左の台頭と、その党派性による社会の分断に困惑している。

一時期、リベラルが諸手を挙げて称賛した“アラブの春”は、マグレブから中東にかけて、むしろ地域的不安定を生み出した。また、彼らのナイーブな理想主義に由来する軍事介入の不徹底は、難民の奔流となって彼らの政権基盤とイデオロギーの正しさを揺るがしている。

現実主義とナショナリズムに立脚するロシアのプーチン大統領は、リベラルの理想主義の対極にあるがゆえに舌鋒鋭く彼らを批判する。

下記のアトランティック誌が取り上げる、2015年末のロシアの国営放送で放映されたプーチン大統領の演説は、自国の国益を追求する各国の利害を無視した欧米の主権侵害によって、世界はより混迷を深めている、と指摘する。この演説は2015年9月の国連演説と基調を同じくする(2015年10月7日のエントリー参照)。

The World According to Russia DEC 30, 2015 The Atlantic

プーチン大統領、米国をロシア安全保障上の脅威と位置づけ 2016年 01月 4日 13:43 JST ロイター

ロシアにとっては、衛星国だった東欧諸国の革命と民主化、バルト三国の独立、NATOの東方拡大、EUとユーロ圏の出現、旧ソ連に及んだ色の革命、非イスラム化が進んだ中央アジア諸国を揺るがす原理主義の台頭、ウクライナのクーデターとクリミア併合とドンバス紛争、中東の内戦(リビア内戦、シリア内戦、イエメン内戦など)すべてに欧米、現在はオバマ政権の外交的攻勢とその稚拙さに伴う地域的混乱を見出す。

プーチン大統領は米国との対決姿勢を強めている。彼にとってISIS(イスラム国)の脅威ではなく米国の世界政策が脅威なのだ。それを形作る世界観の違いが根底にある以上、関係修復の道は険しい。対決姿勢の中、ロシアでは徐々にプーチン大統領に近い官僚と資本家たちが新しいエリートとして台頭する一方、原油安と経済制裁の下で貧富の差が拡大している。

特別リポート:プーチン氏の娘と台頭するロシア新エリート層 2015年 11月 13日 17:22 JST ロイター

貧富の格差拡大…原油安や経済制裁ズシリ 2016年1月5日 12時19分 毎日新聞

【モスクワ真野森作】原油安や米欧の経済制裁に苦しむロシアで、貧富の格差が深刻化している。昨年1〜9月期における貧困者数は前年同期より230万人増加した。一方、クレディ・スイスの調査によると、ロシアでは現在、上位1割の富裕層が国内の家計資産の約9割を保有し、米国や中国以上の富の偏在が生じている。

 露連邦統計庁の発表によると、2015年1〜9月期における貧困者数は2030万人で、国民の14.1%が貧困ラインとされる月9673ルーブル(約1万6000円)以下の収入で暮らす。

 全ロシア世論調査センターが先月中旬に実施した全国世論調査では、「新しい衣類を買う余裕がない」と回答した世帯の割合は39%に上り、1年前の1.7倍となっていた。

 昨年9月時点の別の世論調査では国民の7割が「過去15年で貧富の格差が拡大した」と答えた。

 プーチン大統領は先月17日の年末記者会見で「ロシア経済の危機はピークを越えた」と豪語したが、首都モスクワでも街頭で物乞いする年金生活者らの姿が目立つ。年末会見では、政権上層部の子息ら「特権階級」の出現を危惧する質問もあった。

 ウクライナ危機など外交面での対立を受け、ロシア政府が米欧やトルコなどの食料品を禁輸したことも影響し、15年の年間物価上昇率は暫定値で12.9%となり、13.3%を記録した08年以降で最高。特に貧困世帯の家計にとっては大きな痛手だ。

エスカレーションするスンニ派VSシーア派の戦い

サウジアラビアが、東部州のシーア派指導者ニムル師を処刑したことで、イランの首都テヘランにあるサウジアラビア大使館が襲撃された。これを受けてサウジアラビアはイランと断交、連鎖的にバーレーンとスーダンもイランと断交した。

イラクではシーア派の部族がスンニ派のモスクを焼き討ちするなど、スンニ派とシーア派の区分が互いのエスニシティ意識を高める要因となっている。この意識が部族間の利害対立と結びつき、アラブ・中東各国で内戦を引き起こす原因となっている。

サウジ、シーア派指導者ら47人処刑 宗派間の対立悪化も 2016年 01月 3日 12:22 JST ロイター

サウジで処刑されたニムル師はどんな人物か 2016 年 1 月 4 日 09:24 JST WSJ日本版

サウジがイランと断交、シーア派指導者処刑で宗派対立悪化 2016年 01月 4日 12:47 JST ロイター

イラン、サウジの断交発表を非難 「緊張高める口実探している」 2016年 01月 4日 18:03 JST ロイター

ロシア、イランとサウジを仲裁する用意ある―外交筋=RIA 2016年 01月 4日 19:35 JST ロイター

イラク、複数のスンニ派モスクが襲撃される 2016年 01月 4日 19:35 JST ロイター

バーレーン、イランと国交断絶 2016年 01月 4日 20:48 JST ロイター

スーダンもイランと断交 UAEは外交格下げ、周辺国に影響拡大 2016年 01月 4日 23:25 JST ロイター

イラクでは、スンニ派とシーア派とクルド人の三つ巴に分かれていて、スンニ派居住地域にISIS(イスラム国)の浸透を招いた。イエメンでは、北部にシーア派の分派であるザイド派が分布しており、ザイド派の武装組織フーシがクーデターを起こしたことで内戦の再開とスンニ派諸国の軍事介入が起きた。シリアでは、アラウィー派をシーア派とみなすと人口の15~20%がシーア派となる。

サウジアラビアでは、中央部のナジュド(ネジュド)に厳格なワッハーブ派が分布しており、紅海沿岸のヒジャーズにスンニ派が分布、東部にシーア派が分布している。この宗派の違いが利害対立から内乱・内戦に繋がることを警戒している訳だ。

かくてスンニ派とシーア派の分断線上での戦いは一層激しくなるだろう。すでに両宗派が混在するイラク、シリア、イエメンでは内戦が続いている。それぞれの内戦に介入する国々にとって、自国内の宗派対立はそのまま現在の権力体制の崩壊や内乱・内戦に繋がる危険性を有している。

サウジアラビアに同調してイランと断交したバーレーンは、シーア派が住民の多数を占めているが、王家と支配階級はスンニ派であり、サウジアラビアと同様に宗派対立の激化はそのまま現体制の転覆につながりかねない。

つまり、イランと国交断絶を行うスンニ派の国々には、ひとつは自国内にスンニ派とシーア派の対立を抱える国、ひとつは宗派対立はなくサウジアラビアとの関係が深い国に分かれている。

阻止限界点を超える2016年の南シナ海

2015年の世界情勢は、マグレブから中東に渡るムスリムの戦乱から派生したテロと難民の流入によって、欧州とロシア、米国が巻き込まれていくものとなった。この戦乱が東アジアやオセアニア、米州に達すると、世界大戦となる。

往時の日米戦争の阻止限界点として仏印進駐が挙げられるが、人工島の運用開始は中共VS日米豪・ASEANの阻止限界点として後世、挙げられるかもしれない。

と、2015年6月14日のエントリーで述べたとおり、2016年を1940年に比定すると、中共VS日米豪・ASEANの戦いは2017年までには不可避となる。

南沙諸島(スプラトリー諸島)における中共とベトナムの間の対立が深刻化している。同時にフィリピンは島嶼に民間人の上陸を推し進めている。

中国、スプラトリー諸島飛行場に試験飛行・着陸 ベトナムは非難声明 2016.1.3 01:01 産経ニュース

【シンガポール=吉村英輝】ベトナム外務省のレ・ハイ・ビン報道官は2日、中国が南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島にあるファイアリークロス(同・永暑)礁に造成した飛行場への試験飛行を行い、航空機を着陸させたとする非難声明を出した。ロイター通信が伝えた。

 中国はベトナムと領有権を争う同礁に3千メートル級滑走路の飛行場を造成。同報道官は飛行場について、「中国が不法に建設した」と指摘した上で、試験飛行は、中国の習近平国家主席が昨年11月のベトナム訪問で、最高指導者のグエン・フー・チョン共産党書記長と南シナ海問題を「適切に処理する」と合意したことに「逆行する」と批判した。

 ベトナムは近年、中国がスプラトリー諸島の岩礁を埋め立てて軍事拠点化しているのに対抗するため、米国や日本などと安全保障分野での連携を強めている。


フィリピンの若者がスプラトリーの島に上陸 軍も食料提供 中国「強烈な不満」 2016.1.3 20:28 産経ニュース

【シンガポール=吉村英輝】フィリピンの若者が、同国が実効支配する南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島パグアサ島に船で上陸し、中国との摩擦が強まっている。フィリピン政府は、中国を国際司法機関に提訴し、人工島造成などによる同海域の「主権」主張が「不当」と対抗しているが、中国は無視。フィリピン国内で市民らの不満が高まっている。

 現地からの報道によると、15~27歳のフィリピンの男女47人が昨年12月26日、パグアサ島に到着。約500キロ離れたパラワン島を出航し、フィリピン国軍の退役軍人が同行した。

 同団体は上陸したメンバーの写真をフェイスブックに掲示し、「(フィリピンの)排他的経済水域(EEZ)への中国侵出実態の真実を伝えたい」と訴え、政府の対応に不満を示した。

 フィリピン国軍は、安全上の観点から渡航の自粛を求めていたが、上陸後は食料などを提供。大統領報道官は昨年12月27日、「他の方法」を検討すべきだとしながらも、「若者たちの愛国心は認める」と述べた。

パグアサ島には、フィリピンの漁民らが居住し、国軍も常駐する。だが、約25キロ沖合のスービ礁では、中国が岩礁を埋め立てた人工島で巨大滑走路を造成し軍事拠点化を進めている。パグアサ島を管轄する町長は昨年11月、中国の公船が、沖合2カイリ(約4キロ)に10日間停泊し、島への補給活動を監視していたと訴えている。

 一方、中国外務省の陸慷報道官は昨年12月、同団体の行動に「強烈な不満」を表明。フィリピンに、実効支配する島や岩礁から人員や設備の撤収を求めた。

 中国による南シナ海の領有権主張をめぐっては、フィリピンの提訴を受けた常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)が昨年10月末、本格審理を決定。今年中に判断を示すが、中国は同裁判所に「管轄権はない」と応じない姿勢を示している。

 法的解決を拒みながら力による一方的な現状変更を続ける中国に対し、米国は人工島周辺に艦船を航行させる「自由の航行」作戦に着手し、継続する方針だ。

信用を蕩尽する支那人、蝗害の如し

「子は怪力乱神を語らず」とあるように、孔子は形而上学的な存在について論じることがなかった。この儒者の態度は支那人一般に共通する、眼に見えないものは理解できない、という行動様式に繋がる。

挙げて“福禄寿”のみを追求し、人間の生活とは本能から来る欲望を満たすだけで良く、血のつながりを何より優先し、残すところはそれらを実現させるために必要な財産だけ、という徹底した現世主義に到達した。

とすると、哲学でいう心、精神の問題はどう扱われるのだろうか? これについて乾隆朝の哲学者・戴震(たいしん)の説に拠れば、

「心は確かにあるが、その機能は目や耳と同じ働きをする感覚器官にすぎない。これに特別な身体を支配する高級な役割があると見なすのは間違いである。確実に存在するものは、味覚とか視覚とか五官から出る欲望だけで、これを満足させればよい」と、云うのだ。

次に、宗教でいう神仏や人間の良心や道徳、また過去から未来についての認識はどう捉えるのだろうか?

朱子学は仏教が説くこれらを攻撃して、一方で仏教の論理を援用して“道”という考えを説きだした。

その“道”には、始発もなければ終着もない。川の流れのようにたとえられる。この流れに身を任せた様を彼らが想像してみると、すべては絶えず変化していく相対的なものであると考える。ところがこれが虚無主義につながらないのだ。そんなものを考え出す元凶となる精神の存在を認めないからだ。

かくて「子は怪力乱神を語らず」の呪縛によって、ついに時間と空間を超越するような精神的飛躍を、自家薬籠中の物とすることができなかった彼ら支那人は、例えば便宜的に人格を付与した法人(会社)に、永続的な生命を持たせて、その信用を継続させるという考え方そのものが成立するような契機を失ってしまった。

中国受注のインフラ、延期やトラブル後を絶たず 2016年01月01日 19時59分 読売新聞

発電所のボイラーが中国基準、部品を交換できず 2016年01月01日 22時19分 読売新聞

支那人の社会における信用形成の欠如は、自国の製品とサービスに対する信用の蕩尽に、そして海外での“爆買い”に繋がった。“爆買い”が信用形成の欠如と信用の蕩尽から発している以上、日本の小売店やレストラン、ホテルもまた信用を蕩尽されて、自社の信用毀損に晒される。まるで蝗害のように。

こうした支那人の信用の蕩尽は対外的な信用の毀損にも繋がっている。日中が競合する東南アジアのインフラ整備で早速、その信用を疑うに充分なトラブルが発生している。彼らの儒教的価値観からもたらされている以上、これは抜きがたい宿痾と云うべきだろう。
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