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“ライシテ(政教分離)”と菜食主義

フランスの公立学校では、食生活の戒律に抵触しない菜食主義(ベジタリアンもしくはビーガン)の給食を採用しようという提案を一議員が行おうとしている。

フランスの“ライシテ(政教分離)”の原則については、2015年5月12日のエントリーを再掲する。

フランス政府の考え方とは「人間は経験しながら理性を獲得してから、何らかの主義主張や宗教戒律を選択して、自ら縛られるのは構わないが、経験が不足して理性の確立していない未成年のうちに、それらを選択してはならない」というものだ。

宗教改革や市民革命の影響が垣間見られるが、幼児洗礼を禁じて信仰告白を優先するかのように、先天的、先験的(アプリオリ)な宗教の強制を拒んでいる。

公的な学校では、生徒の良心の自由を涵養するために一度、あらゆる宗教的な束縛から解放させて無宗教化させる。その場所では宗教的帰属を明らかにするシンボルや衣裳・風俗はすべて主体性を回復させる目的に沿って排除されなけらばならない。

すべての宗教から逃れうるのだという経験を獲得して、初めて真の良心の自由をも獲得するのだという考え方に基づいている。十字架であれキッパであれベールであれ、外せないと拒否するからには宗教的な強制が心理的に作用しているはずであって、それ自体が良心の自由を涵養する妨げになっている、と判断される。

つまり、宗教的なシンボル・衣装・風俗と同様、戒律による食生活の制限も良心の自由の涵養を妨げる原因と断じられる。

フランス革命の成果のひとつ、“ライシテ(政教分離)”はカソリックの“聖俗二元論”から発展した。パウロが残した「カエサルの物はカエサルに」という言葉が教会法と世俗法の分離を生み出した。

外なる権力に服しても、内なる良心の自由は侵されない。聖典の民であっても、カソリックとプロテスタント以外はこの“聖俗二元論”を理解できない。正教会、ムスリムには近代デモクラシー成立の基盤がない。実にロシアとアラブの民主主義の困難さはここに存する。

「給食にベジタリアン料理」、政教分離の解決策に? フランス 2015年09月07日 10:52 AFP BB NEWS

【9月7日 AFP】フランスの公立学校の食堂で、豚肉を出すべきか否か?

 新学期が始まり、3つの町の町長が、教育と宗教を厳しく分離させた同国の厳格な原則を尊重することを理由に、学食での豚肉抜きの選択肢を禁止したことで、この問題が再び表面化し、差別だとする非難の声が上がっている。

 民主独立連合(UDI)のイブ・ジェーゴ(Yves Jego)議員は、世俗主義的原則を迂回(うかい)し、豚肉を食べないユダヤ人やイスラム教徒、一般的に肉を食べない多くのヒンズー教徒などのために、実用的な手段として、学校でベジタリアンの食事を提供することを義務づけるための草案を提出する意向だ。

「カトリックの子どもに、他に何もないからと、(イエス・キリスト(Jesus Christ)が十字架にかけられた)聖金曜日(Good Friday、受難日)に肉を食べろと、ユダヤ人やイスラム教徒の子どもに豚肉を食べろと強要できるのか?」と同議員はインターネットに掲載した請願書で訴え、これまでに12万3000人分以上の署名を集めた。「私は…理由はどうあれ、魚や肉を食べたくない子どもが健康的な食事をすることができるように、全ての学校の食堂に通常の食事の代わりとして、ベジタリアンの食事の提供を義務付ける草案を提出する」と語った。

■「豚肉を食べないだけ」

 学校の食堂で子どもたちに何を提供するかについての論争は、フランスで長年にわたり繰り返されてきた。1905年に国家と宗教を分離する政教分離法が制定された同国は、イスラム教徒やユダヤ人の人口が欧州で最も多い国の一つでもある。

 学校で子どもたちに提供する食事に関する包括的な指針はなく、全国の3万4000人以上の町長・市長が独自に決めている。

 多くの学校では、豚肉など肉料理が提供された際、宗教的な要求を満たすために代わりの料理を提供しているが、イスラム教の「ハラル」やユダヤ教の「コーシャー」食品など、宗教の戒律に従った食品を使った料理は政教分離に反するとして避けている。

 フランス市長連合会(Association of French Mayor)で学校給食の内容を監督するイザベル・マンション(Isabelle Maincion)氏によると、ハラルやコーシャー食品はもちろん、豚肉を提供するかどうかの議論が行われたことはないという。

「私たちは、バランスの取れた食事を提供するという、現在の規則に応えるだけ」で、「政教分離の学校では、それ以外の要求を気に掛ける必要はない」と指摘。「豚肉は頻繁に出されるものではないし、保護者たちもそのことを知っている。豚肉メニューの日は、子どもたちは豚肉を食べないだけで、夕食時に親がタンパク質不足を補う。簡単な話だ」と述べた。

■公立校離れ

 しかし、住民の民族多様性とユダヤ人の多さで知られる、パリ(Paris)郊外サルセル(Sarcelles)のフランソワ・ピュポーニ(Francois Puppon)市長にとって事情は異なる。

「こうした極端な立場を取る人々は、自分たちが求めていることと正反対のことをしていると理解できない」と指摘。「彼らは公立学校と運命を共にするだろうが、そこに残る生徒は誰もいないかもしれない。信仰心の強い人々は去り、公立学校はもはや様々な人々が交流する、あらゆる人々にとっての対話と教育の場ではなくなるだろう」と述べた。

 同市長は、多くのユダヤ人の子どもたちが今、公立学校でコーシャー食品が出されないなどの理由で、私立学校に通っているとし、「子どもたちを公立学校に入れたいが、子どもたちにはコーシャー食品を食べさせたいという保護者は以前からいたが、最近では、イスラム教徒からも同様の意見が出始めている」と語った。

 では、イブ・ジェーゴ議員が提唱するベジタリアンの食事という選択肢はどうだろう?

 費用がかかりすぎ、バランスのよいメニューを作るのが大変で、子どもたちは恐らく避けるだろうとの批判がある。

 しかし、中部サンテティエンヌ(Saint-Etienne)では1月から、ガエル・ペルドゥリオ(Gael Perdriau)新市長が、一部の生徒が宗教的な理由で食べられない食品があることに気づき、保護者などに追加費用を課すことなくベジタリアンの食事を提供している。

 現在は、生徒の15%が、レンズ豆のサラダとニンジンとコメ入りのオムレツ、チーズ、果物といったベジタリアンメニューを選択しているという。「こうしたメニューは、菜食主義や宗教など様々な問題に対処している。もしある種の食品が気に入らないのであれば食べなければいい、などという議論は、私は少し不健康だと思う」と同市長は語った。(c)AFP/Marianne BARRIAUX

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