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二正面作戦を避けるロシアと同意する欧米

シリア内戦への軍事介入を深めているロシアに対して、欧米は経済制裁を強化するでもない。ウクライナ危機に伴って、ドンバス地方で起きていた紛争の停戦合意(ミンスク2)のプロセスが進捗していないにも関わらず、独仏はさらなる圧力をかけずに、停戦を延長する。

ミンスク合意では、親露派の支配地域は「ウクライナ法に基づく選挙」を行うこととされている。合意を素直に読めば、ウクライナ政府に干渉できる余地があると考えるのはむしろ当然であろう。親露派は独自の選挙を行おうとしていたが、これを先送りした。また親露派を後援するロシアも兵力の後退を進めていると見られる。親露派の軟化は、彼らへのロシア側の影響力の高さを実証している、とも云える。

欧州安全保障協力機構(OSCE)のオブザーバーも選挙監視のため、ドンバス地方に入る。このプロセスが実現すれば、南オセチア紛争の停戦と同様の経過をたどる。

かつての冷戦期ならば、欧米はあらゆる紛争地域で覇権を競い合った。しかし、新冷戦と呼ばれている昨今にも関わらず、ウクライナとシリアで戦闘を行うロシアに対して、欧米の圧力は強まってはいない。

欧米は、ロシアとアサド政権に対する非難はすれども、シリア内戦への本格的な軍事介入を避けている。NATO加盟国として、シリア国内の飛行禁止区域を訴えるのはトルコのみ。

むしろ、シリアやイエメンなどで繰り広げられているスンニ派とシーア派の勢力争いの均衡のためには、イラン1ヶ国だけでは役不足と見て、ロシアを巻き込むことを黙認している、と考えられないか。そうでなければ、二正面作戦を避けたいロシアの思惑に付き合う欧米の意図が容易には理解できない。もっともこの黙認がいつまで続くか分からないし、ロシアも欧米の相対的な好意をいつまでも期待している訳ではないだろう。

ウクライナ:停戦履行期限先延ばし 親露派地域、選挙延期 4カ国合意 2015年10月04日 毎日新聞

【モスクワ真野森作、パリ宮川裕章】パリで2日に行われたウクライナ東部情勢に関するフランス、ドイツ、ロシア、ウクライナの4カ国首脳会談は、親露派武装勢力の支配地域で予定されていた独自選挙の先送りなどに合意し、紛争沈静化へ向けて一定の成果を上げた。ただ、年内の和平プロセス完了を想定した2月の停戦合意(ミンスク合意)は、期限があいまいなまま引き延ばされた。シリアで空爆を始めたロシアの思惑を反映し、ウクライナ東部紛争は当面、対立の火種を宿した現状を維持する形で推移しそうだ。

 「我々はミンスク合意に反したウクライナ東部での選挙は望まない」

 約5時間に及んだ会談後の記者会見でオランド仏大統領は、争点となっていた親露派独自の地方選挙を先送りさせるとの合意内容を明らかにした。今月18日と11月1日に計画されていた親露派支配地域の地方選は、ウクライナの法律と全欧安保協力機構(OSCE)の基準に合致させたうえで、OSCEの選挙監視の下で実施させることに決まった。オランド氏は「投票までに3カ月を要する」との見方を示し、ミンスク合意の履行期限が来年以降にずれ込むことを確認した。

 2月に4首脳がまとめたミンスク合意では、年末までに親露派支配地域を特別自治区にするなど政治面での和平を達成し、ウクライナ政府による国境管理を回復させると規定していた。ウクライナのポロシェンコ大統領は今回の会談について「停戦の条件は整えられている」と評価した一方、「全ての領土が解放されなければ戦争は終わらない」と述べ、今後の展望には厳しい見方を示した。

 停戦合意の履行期限があいまいになったことで、ウクライナ政府に課された地方分権へ向けた憲法改正と特別法制定の手続きや、東部の経済復興などが停滞する恐れもある。

 一方、ロシアのプーチン大統領は今回、親露派による地方選挙の延期を容認するという譲歩を示した。ペスコフ露大統領報道官は「プーチン大統領は『この問題について代表者に伝えるよう指示する』と約束した」と述べ、親露派に影響力を行使する姿勢も見せた。

 プーチン氏の柔軟姿勢の背景には、国際的に守勢に立たされるウクライナ問題は当面沈静化させ、露軍が9月末に空爆を始めたシリア問題で国際社会の「プレーヤー」として復活を果たそうという思惑が透けて見える。

 プーチン氏は2日、4首脳会談に先立ってオランド仏大統領と会談。シリアでの露空軍の作戦概要や、過激派組織「イスラム国」(IS)に対抗するためとしてロシアがシリア、イラク、イランと計4カ国で設置した情報センターについてオランド氏に説明した。

 ロシアは、シリア問題に関して軍事・外交攻勢をかけることで、ウクライナ危機を巡る欧米諸国の経済制裁を解除させることも狙っている模様だ。欧州連合(EU)はミンスク合意の履行状況を見極めて年末までに制裁延長の是非を決める予定だからだ。

 ただ、ドイツのメルケル首相は会談後の記者会見で「(シリア内戦の)政治的解決へ向けた支援をロシアから得るために、ウクライナ危機で譲歩することはない」とクギを刺した。


ウクライナの親露派、戦車撤収開始と発表 かつてない和平の兆し 2015年10月03日 20:54 AFP BB NEWS

【10月3日 AFP】ウクライナ危機をめぐる4か国首脳会議から一夜明けた3日、ウクライナからの分離独立を掲げる親ロシア派の武装勢力が、ウクライナ東部の緩衝地帯からの戦車の撤収を開始したと発表した。

 ウクライナ東部の公式報道機関は、「ルガンスク人民共和国(Lugansk People's Republic、LPR)の民兵は、ミンスク合意に従い、接触線からの戦車の撤収を開始した」と伝えた。ミンスク合意とは今年2月にベラルーシの首都ミンスク(Minsk)で、欧州連合(EU)の支援で結ばれた停戦合意を指す。

 ウクライナ政府と親露派武装勢力は今週、緩衝地帯から戦車と軽火器を引き揚げる作業を3日から開始することで合意していた。双方が口径100ミリ以下の迫撃砲やロケット砲を交戦ラインから15キロ離れたところまで移動させるには、40日以上かかる見込み。

 ウクライナ危機に終止符を打つため、ウクライナ、ロシア、フランス、ドイツの首脳は2日、仏パリ(Paris)で4か国首脳会議を行った。その際ウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領は報道陣に対し、「撤収は明日始まる。欧州安保協力機構(OSCE)との調整など技術的な問題は全て解決した」と語っていた。

 ここ数週間、ウクライナ東部での戦闘はほぼ止まっており、2014年4月からこれまでに8000人以上が命を落としたウクライナ紛争は、かつてないほど和平に近づいているように見える。(c)AFP

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