スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

シリア内戦はイスラム原理主義のピークとなるか

シリア内戦へのロシアの軍事介入は、周辺各国の軍事外交から難民政策に至るまで大幅な転換を促している。

ウクライナ危機から独仏が半ば手を引いた。イエメン内戦では国連による和平勧告がなされた。欧州は“難民の行軍”のトルコルートを潰す一環に、対ロシアを名目として、シリア-トルコ国境沿いにNATO即応部隊展開を企んでいるのではないか。

Yemen conflict: Houthi rebels commit to UN peace plan 6 October 2015 BBC NEWS

歴史上、もっともイスラムの世俗主義化に貢献してきたのはソビエト連邦と、その後裔国家であるロシア連邦だった。

しかし、ソ連のアフガン侵攻(1979年~1989年)は、全世界におけるイスラムの世俗主義化から原理主義化へのターニングポイントになった。ソ連崩壊の一因ともなった。

米国のカーター政権はイランのイスラム革命(1979年)には有効な対応策を取れず、アフガニスタンではムジャヒディンを支援した。共産主義を打倒するために、原理主義を援助した当の米国が逆撃を被り、アフガニスタンとイラクに大兵を送り込んで、疲弊したのはつい最近の歴史の教えるところだ。

ソ連崩壊後の血みどろのチェチェン紛争(1994年~1996年、1999年~2009年)は、イスラムの原理主義化のロシア国内のピークであった。

血みどろの戦いを産湯として、エリツィン大統領からプーチン大統領へ権力委譲が行われ、ロシアは国内経済の自律性を回復した。この回復過程は、グローバリゼーション=アメリカナイゼーションの時代のさなか、世界貿易が倍増した期間とも重なっていた。

そして、ロシアのシリア内戦への軍事介入(2015年~現在)は、イスラムの原理主義化を押しとどめ、反転させるターニングポイントになるかもしれない。

ロシアは、ISIS(イスラム国)全体を潰す必要はないが、参画しているチェチェン人及び北コーカサスの原理主義過激派を誘引して、クルドと挟み撃ちにすることは望むだろう。

トルコを含むスンニ派の諸国に対するロシアの軍事と外交は、原理主義勢力への牽制に力を割くことになる。

原理主義のイデオローグを輩出して、過激派の思想的母胎となったムスリム同胞団(同胞団自身は、相対的に穏健派である)の要人は、エジプト本国から追放されたが、カタール次いでトルコが保護している。また、サウジアラビアの新国王もムスリム同胞団との関係改善を望んでいる。

サウジアラビアなど湾岸諸国は、王族や大富豪の財力を以って、原理主義過激派の民兵組織を支援してきた。米国もそのひそみに倣おうとある程度、穏健とみられる民兵組織への援助を行ってきたが、シリアではどうやら失敗に終わったようだ。

シリア反体制派の「イスラム国」掃討、米支援内容見直し 2015年 10月 10日 04:25 JST ロイター

Obama Administration Ends Effort to Train Syrians to Combat ISIS OCT. 9, 2015 The New York Times

ロシアがアラブ社会主義(世俗主義)で最後に残ったアサド政権を支援することは、その意味で欧米のみならず我が国にも利益をもたらす結果になるかもしれない。

現在、非難と怨嗟の声を浴びながらも、ロシアは原理主義過激派を一手に引き受ける役割を担っている。舌戦を繰り広げても欧米が本格的な対ロシア制裁に踏み出さない理由は、自らは失敗した汚れ仕事を押し付けたいからであろう。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

プロフィール

vanshoo

Author:vanshoo
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。