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日中両国がロシアの脇腹を食い破る

旧ソ連から独立した中央アジア5カ国と外交関係を樹立して約四半世紀が経った。また、小泉政権期の川口外相により、「中央アジア+日本」対話、という枠組みが作られてから、10周年を記念して同地を舞台にした漫画『乙嫁語り』の作者、森薫女史の手になるイメージキャラクターが生み出された。

今回のモンゴル~中央アジア5カ国歴訪に向かう安倍首相夫妻が乗り込む、政府専用機の搭乗口の横には、このキャラクターが描かれていた。

当時の風俗が丁寧に描かれている『乙嫁語り』の時代とその舞台は、大英帝国とロシア帝国のグレートゲームの狭間で飲み込まれようとする時代のトルキスタンにほかならない。

物語の狂言回しを担う、朴訥そうな英国人探検家スミスは、当時の緩衝国ペルシアからオスマン帝国に向かう途上、英露の対立に巻き込まれぬように、と手紙で忠告を受けたりするし、ロシアとの関係悪化を嫌うペルシアの官憲に捕まったりもする。

森薫、中央アジア+日本外交10周年キャラを 2014年7月7日 14:15 コミックナタリー

安倍首相、中央アジア歴訪 「日本の果たす役割ある」「トップセールスで関係を飛躍的に強化したい」 2015.10.22 10:39 産経ニュース

中央アジアで日本巻き返し 首相5カ国訪問 2015/10/22 18:00 日経

かつて、グレートゲームの英国側代理人として満州で戦った我が国が中央アジア5カ国を歴訪するに当たって、元駐日ロシア大使が、米国側代理人として乗り込んで来たのではないか、と訝しんでいるコラムは、そのロシア的な言い回しとともに、なかなか趣深い。

“自由と繁栄の弧”はロシアの柔らかな脇腹である中央アジアと、ロシアに対する欧州の外郭部のヴィジェグラート4カ国(V4)を重視している。

拡大されたNATOの内側にあるV4はともかく、中央アジアはロシアの金城湯池である。我が国がこの遠隔地に派兵するなど思いもよらない。本来、ロシアとの合意により利権は保持されるのが望ましい。そもそもウクライナ危機の発生まで、ロシアとの信頼醸成を進めていたのはこれも理由のひとつだ。

現状、我が国の“自由と繁栄の弧”と、中共の“一帯一路”と、ロシアの“ユーラシア経済連合”の3つの戦略がぶつかり合っている。中央アジアにおける安全保障はロシアが担当する、と自認しているようだが、フィナンシャル・タイムズの指摘するように、中国共産党の安全保障面での影響力は無視できなくなりつつある。新疆ウイグル自治区を通って大兵を送り込める、という好条件は中露分断の要因として燻り続けるだろう。

China’s Great Game: In Russia’s backyard October 14, 2015 7:47 pm FT

ロシア人専門家、日本が中央アジアで露中と競争するのは時期尚早 2015年10月23日 20:38 スプートニクニュース

安倍首相はモンゴル、中央アジア歴訪を開始した。このなかで安倍氏はトルクメニスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、キルギス、カザフスタンも訪れる。日本の複数の専門家らは、安倍首相の歴訪の目的はこの地域で拡大する中国の影響を抑止することと指摘している。有名なロシア人東洋学者で元駐日ロシア大使のアレクサンドル・パノフ氏は、この地域で中国と争うというのは日本には時期尚早との見方を示し、次のように語っている。

「日本の政治が常に何らかの大きな戦略的目的を持っていると信じたいものだ。今回の安倍首相の中央アジア諸国歴訪はずいぶん前から準備されてきた。だが、その主たる目的はおそらく経済的なものだろう。なぜなら中央アジアに対し、日本の外交はシリアスな政治的立場を持ったことはかつてなく、この地域についての知識もそこで起きているプロセスについての知識も持ち合わせていなかった。ところが地域の重要性を考慮し、特に中東情勢が複雑な今、この訪問の中で地域情勢の評価について指導者らからの情報を得ようとするのだろう。特にテロの危険性が念頭に置かれていると思う。

もうひとつ、日本が中央アジアに関心を持つファクターは中国がシルクロード・プロジェクトを積極的に推し進めていることに関連している。このプロジェクトの地上部分は今まさに安倍氏が訪問しようとしている諸国の領域を通過している。安倍氏はこの地域で中国人がどれだけ立場を強化できたか、露中の協力がどこまで現実性があるのか、この目で確認しようとしている。この協力については露中はユーラシア経済共同体とシルクロードの統合プロセスの枠内で合意に達した。こうした計画の実現化で中央アジア地域の前には非常によい展望が開けてくる。このため日本も列車に乗り遅れないようにせねばならない。」

「スプートニク」:これより以前、日本は米国に強いられて中央アジアに金銭的支援を行い、事実上これで彼らの米国への忠誠心を買い集めた。今回もこの実践に立ち戻ることになるのだろうか?

パノフ氏:「15年前、日本は『自由と繁栄の弧』というキーワードを推し進めていた。これは中央アジアを含めたものだ。コメンテーターのなかには、この政策は米国にとって都合のよい政治勢力を支援することに向けられたものだろうとの見方を表していた。だが、いくら米国が日本の目の前にこうした野心的課題を掲げたところで日本人には経験も人材もロジスティックスな支援もない。この地域の政治情勢に効果的に影響を及ぼす可能性も有していない。」

「スプートニク」:日本は中央アジアへ復帰した場合、そこで中国、ロシア、上海協力機構のライバルとして振舞うのか、それともこれらの国の協力のための可能性が見つかるだろうか?

パノフ氏:「今の段階では日本はこの地域で自国の側から競争について語れるほど、そんなに強い立場を有していない。将来、日本が中央アジアの経済プロセスに参加すれば、これはただただ歓迎されるだろう。だが、日本がここでリーダーシップをとることはないのは明白だ。仮に日本が今この地域で起きている経済統合プロセスに加わりたいと思うのであれば、私はそのための可能性はあると思う。この地域では中国の万里の長城で自分を囲い込む国はない。だがすべては中央アジアの活性化に対して日本指導部がいかなる戦略課題をたてるかにかかってくる。これに関しては答えより疑問のほうが多い。今回の安倍氏の歴訪はどうやらテスト訪問のようだ。訪問がどう行われるかではなく、このあと何が続くのかを見守らねばならない。」


参考URL:
「中央アジア+日本」対話 平成27年4月7日 外務省
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