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“エガリテ”に抗する中欧のカトリシズム

独仏の主導する人権重視の難民受け入れに最初の叛旗を翻したのは、「汎ヨーロッパ・ピクニック」でベルリンの壁を壊す引き金を引いたハンガリーだった(2015年6月19日のエントリー参照)。

筆者は、人的移動の制限を外すのに先鞭をつけたハンガリーが再び、“鉄のカーテン”を設置する。冷戦終結以降の歴史の大きな転換点における象徴的な出来事として、これを理解するべきだろう、と指摘してきた(2015年7月9日のエントリー参照)。

ハンガリーが先鞭をつけたこの方向転換に続いたのスロバキアだった。

スロバキア政府は急増している難民の受け入れ条件にキリスト教徒であることを掲げた。この場合の対象者はシリアから亡命してくるシリア正教会やアッシリア東方教会などのキリスト教徒に限られる。つまり、事実上の受け入れ拒否となる(2015年8月22日のエントリー参照)。

そして、ドイツの周縁部に当たる中欧諸国にナショナリズムへの回帰現象が見られる。

教皇フランシスコが難民救済を訴える教書を出したが、ハンガリー南部の司教Laszlo Kiss-Rigoは、
“They’re not refugees. This is an invasion,”
「彼らは難民などではなく、これは侵略だ」
“They come here with cries of ‘Allahu Akbar.’ They want to take over.”
「彼らはアッラーアクバルと叫びながら、この地を接収しに来た」
と、公然と教皇に歯向かった発言をしている。
ただし、教皇は人道を唱える一方で、“反グローバリズム”を唱えているが。

オルバン首相は、憲法に
“the role of Christianity in preserving nationhood”
「国家の一体性にキリスト教的価値観が役割を果たしている」
という条項を組み入れた(2015年9月16日のエントリー参照)。

また、2015年9月27日のエントリーでも取り上げたが、

ハンガリーのオルバン首相は、ドイツのメルケル首相の採っている人道的姿勢に、一見美しい道義を振りかざして、難民の受け入れを強要し、かつ他の国を影響力に置いて、欧州に君臨する帝国の発露を見出して、非難した。

ハンガリーは、ドイツに反発する欧州各国の糾合役になりつつある。“難民の行軍”に互いに苦慮するハンガリーとクロアチア、難民受け入れ分担に反対するスロバキアは、かつてハンガリー王国の領域であった。まるで聖イシュトヴァーンの王冠に集いて、ドイツに反旗を翻しているかのように見える。

そして、上下両院の総選挙で政権交代が予定されているポーランドでも、新閣僚は「難民受け入れ枠に反対する」、「シリア難民をシリア解放軍としての組織化を行うべきだ」との発言を行っている。

筆者は、欧州連合によって独仏が半ば一体化している現代、21世紀の小協商“プチ・アンタンテ”は、バルト海に面したポーランドからアドリア海に面したスロベニアまで拡がるかもしれない、と2015年10月27日のエントリーで述べた。

フランスの“エガリテ”に抗する、中欧各国のカトリシズムも、また欧州連合の性格を大きく変えるものになるだろう。

ポーランド、難民分担の合意撤回か 「実行に移す余地はなくなった」と新閣僚が言及 2015.11.15 09:38 産経ニュース

 近く発足するポーランド新政権の欧州担当相に内定しているシマンスキ氏は、パリ同時多発テロを受け、9月に欧州連合(EU)内相理事会で決定した難民の各国での受け入れ分担について「実行に移す余地はなくなった」として合意を撤回する考えを示した。欧州のメディアが14日伝えた。

 ポーランドのコパチ政権は今後2年間で7500人の受け入れに同意していたが、10月の総選挙で敗北。保守政党「法と正義」のシドゥウォ政権が発足する見通しで、同党は難民の受け入れに反対している。

(共同)


シリア難民を訓練して「祖国解放軍」に、ポーランド新外相が提案 2015年11月16日 17:14 AFP BB NEWS

【11月16日 AFP】ポーランドのビトルド・バシュチコフスキ(Witold Waszczykowski)新外相は15日、公共テレビの番組で、欧州に殺到するシリア難民に訓練を施して軍隊として組織化し、帰国させて祖国を「解放」させることが可能だと発言した。

 16日にポーランド新政権の外相に就任するバシュチコフスキ氏は、この方法ならば、ドイツの首都ベルリン(Berlin)の目抜き通りをはじめ欧州の各都市でコーヒーをすすっているしかない難民たちが、給金の得られる仕事に就けるとも主張した。

「数万人の若者たちが(米アップルのタブレット型端末)iPad(アイパッド)を手に、ゴムボートから上陸してくる。彼らは、飲食物を乞うのではなく、どこへ行けば携帯電話の充電ができるかを尋ねてくる」と新外相は指摘。「われわれが支援することで、彼らは祖国を解放する戦いへ赴くことができる」と述べた。

 バシュチコフスキ氏はまた、「われわれが自国の軍隊をシリアでの戦闘に派兵し、その一方で数十万人ものシリアの若者たちが(ベルリンの目抜き通り)ウンターデンリンデン(Unter den Linden)でコーヒーを飲んでいる」ような事態を避けるため努力していると語った。

 ポーランド新政権では、欧州担当相に就任するコンラト・シマンスキ(Konrad Szymanski)氏が14日、フランス・パリ(Paris)で129人が死亡した連続襲撃事件を受けて、難民を欧州各国で分担して受け入れる欧州連合(EU)の計画を検討する「政治的な可能性」はもはやなくなったと発言していた。(c)AFP

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