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矜持のために敗れるフランス社会党

12月6日と13日に行われたフランスの地域圏議会(Conseil régional)選挙で、辛くも与党・社会党を中心とする左派連合は極右政党・国民戦線の第1党進出を退けた。

しかし、事実上の戒厳令を布く最中にも関わらず、危機バネによる支持率上昇は起きず、サルコジ前大統領率いる共和党を中心とする右派連合が13地域圏のうち7地域圏で過半を制した。5地域圏は社会党、残るコルシカ島は地域政党が獲った。そして、コルシカ島では反イスラムデモが起きている。

仏コルシカ島、3日連続で反イスラムデモ 2015年12月28日 12:44 AFP BB NEWS

フランス極右「国民戦線」は勝利したのか?:地域圏議会選挙 2015年12月18日 15時26分 JST ハフィントンポスト日本版

左派連合が右派連合に過半数を奪われても、国民戦線の第1党進出を防ごうとしたのは、2回目の投票で第1党になった党の名簿トップが地域圏議会の議長になるからだった。中央集権的なフランスにあって分権化を進めた地域圏の議長は行政の執行権を有しており、地域圏の権限を非テクノクラート出身の極右政党の面々に与えたくなかったのだろう。

ブルボン朝の絶対王政と革命の共和政と帝政がいずれもパリに権限を集中させねばならなかったように、もともとフランス人は地域性と党派性が強い。小党乱立による政権短命化から第三共和政が混乱し続けたことから、複数回選挙で擬似的な二大政党をつくる仕組みとなっている。

地域圏議会選挙は拘束名簿方式の比例代表制。大統領選と同様に1回目の投票だけで単一政党が単独過半数を取ることがなく、1回目投票の結果を受けて、2回目投票のための連立協定を組み直し、有権者は最善がなければ次善の候補に投票する。

第1党には定数の25%の議席が与えられ、残り75%の議席は第1党含めて得票率に応じて配分される。

今回の地域圏議会選挙では、国民戦線は第1回投票に際して、12の地域圏中6地域でトップに立ち、党首マリーヌ・ルペンと姪のマリオン・マレシャル・ルペンが出た北部ノール=パ・ド・カレー=ピカルディ地域圏(2016年にノール=パ・ド・カレーとピカルディが統合再編)と南東部プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏で、40%越えの得票を得た。

2回目投票で国民戦線を蹴落とすためにこの2地域で社会党は立候補を取り下げて、共和党に他の地域圏での立候補を取り下げる協力を求めた。オランド大統領は社会党候補を説得して、立候補を取り下げようとしたが、一部の候補は大統領に叛旗を翻した。リベラルメディアは国民戦線叩きに走り、乗せられた有権者は国民戦線以外に投票した。

国民戦線潰しに社会党と共和党が協力したかというとそうではない。立候補取り下げに際して、比例議席の割り振りについて協定を結ぶのが通常なのだが、今回はそれがなく、北部ノール=パ・ド・カレー=ピカルディ地域圏と南東部プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏は結果として、共和党は65%~70%、国民戦線は25%~30%の議席を獲得する一方、社会党及び左派連合の議席は皆無。前回選挙では第1党として議長も出していた社会党は壊滅したのだ。

オランド大統領と与党・社会党は、地域圏議会の少数派となっても、一定の影響力は保持できるし、党の地域組織の維持のためにも必要であった。まるで矜持のために社会党は敗北した。ここまでして地域圏の行政執行権を渡したくなかったのか。国民戦線が地域圏の運営に失敗して支持率を落とす可能性もあったのに、である。
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