“南スーダン〜ケニア”新パイプライン建設合意

南スーダンとケニア両国間で石油パイプラインの建設合意がなされた。始まったばかりの我が国のPKO派遣が持つ政治的目的は、半ばこれで果たされた。

ただしPKO派遣の困難はここから始まる。ウガンダのエンテベ空港から陸路しか兵站補給できない。しかも雨季の陸路(旧軍としてはインパール作戦)とマラリア感染(征台の役)は体験してみなければわからない。武器使用基準、自衛隊員の休養施設の課題も解決されていない。

米軍すらPKO派遣を見送った地域だけに、南スーダンには早めに軍備を整えてもらう必要があるだろう。現状、全面戦争となればスーダンに制空権は獲られ、3個師団が南スーダンを蹂躙することになる。

対南スーダン武器輸出解禁 オバマ米政権 2012.1.7 10:00 MSN産経

南スーダン独立の際のエントリーに書いたように、もともと互いに主権国家となった南北スーダン間の最大の懸案は石油利権の均等配分が続けられるか、であった。分裂前のスーダンの原油の売却益は政府収入の5割、輸出収入の9割を占めてきた。油田の7割は南スーダン側にあるが、輸出に必要な精製施設や港湾施設は北スーダン側にある。

しかし南スーダンの独立から1ヶ月と経たずに、南スーダン側が輸出に必要な通関料の支払いを拒否した、としてスーダン側がポートスーダンから出航するのを差し止めている。懸案はやはり両国の政治的闘争となった。報復措置として南スーダンは石油生産を一時停止した。

それゆえ“南スーダン〜ケニア”パイプライン合意は、南北スーダンの将来的な懸案解消と同時に潜在的な紛争事由となるだろう。引き金は、帰属未決定のアビエイと北スーダンに属するキリスト教徒の多い南コルドファン両地方での衝突となるのが自然だ。

筆者は、南スーダン(内陸国・キリスト教)〜エチオピア(内陸国・キリスト教)〜ジブチ(アデン湾に面した港湾国・自衛隊基地あり)間に鉄道とパイプライン、精製施設と輸出港をつくるのが望ましいと考えている。

南スーダン石油生産停止へ 隣国の差し押さえに反発 2012.1.21 01:21 MSN産経

南北スーダンは協定締結を 石油輸送対立で米国務省 2012.1.22 12:37 MSN産経

パイプライン建設で合意 南スーダンとケニア 2012.1.26 00:04 MSN産経

 昨年7月にスーダンから分離独立した南スーダンとケニア両政府は25日までに、南スーダンからケニア東部ラムに通じる石油パイプラインの建設に合意する覚書に署名した。署名は24日付。ケニアの地元メディアなどが報じた。

 南スーダンは石油資源が豊富だが内陸国で、輸出用パイプラインは現在スーダンを通るものしかない。両国はパイプライン使用料をめぐり対立中で、南スーダンは20日、スーダンが無断で南スーダン産の石油を差し押さえているとして石油生産の停止を表明した。

 ケニアを通るパイプラインの建設時期や受注企業は不明。南スーダン政府幹部によると、これまでに日本の商社が建設に関心を寄せている。南スーダンには国連平和維持活動(PKO)のため陸上自衛隊先遣隊が派遣されている。(共同)


南スーダンPKO 先遣隊ら現地入り 支援調整任務も始動 1/19日付 朝雲新聞

 国連平和維持活動(PKO)協力法に基づき、国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)に派遣される南スーダン国際平和協力隊の現地支援調整所と派遣施設隊先遣隊の計34人が1月14日、成田空港を出発した。

 このうち、現地支援調整所長の生田目徹1陸佐以下、施設隊先遣隊の13人を含む23人が翌15日、同国の首都ジュバに、残る11人も同日、隣国のウガンダのエンテベ空港に到着した。これに先立ち同11日に成田を出発した現地支援調整所ウガンダ班の平井直樹3陸佐以下5人も翌12日、一足早く現地入りし、ジュバとエンテベの各空港に分かれて、日本から輸送される要員や物資の受け入れ任務を開始した。

 現地支援調整所(生田目1佐以下約30人)は本部をジュバに置き、ウガンダのエンテベにウガンダ班、ケニアのナイロビに必要に応じて出張で対応するケニア班を設け、派遣国代表として施設活動全般についてUNMISSや南スーダン政府などとの調整を行う。

 15日、ジュバに到着した生田目1佐は報道陣に対し、「南スーダンで新しい国づくりに人々が努力している。(東日本大震災の)復興に頑張っている日本の姿とも重なる」と述べ、「日本の存在を世界にアピールしたい」と語った。

 また、施設隊先遣隊の責任者を務める山口尚2陸佐は「新しい国づくりに日本が最初から汗を流して貢献したという実績になればよいと思う」などと話した。

 一方、陸自が現地で使用する資器材等の空輸第一弾として、防衛省がチャーターしたアントノフ124大型輸送機には、国連(UN)仕様に白塗りされた陸自の大型トラックや水タンク車、糧食、天幕などが積み込まれ、同機は13日夜、成田を出発、翌14日にウガンダのエンテベ空港に到着。宿営用の天幕や食料は別の中型貨物機に移し替え、16日午前、ジュバ国際空港に到着した。車両などは現在、大型トレーラーで約1週間かけてジュバに向け陸路を輸送中。

 今後、施設隊の本隊は1月下旬に先発の約40人、2月中旬に派遣施設隊長の坂間輝男2陸佐以下の主力1波の約120人、3月下旬に主力2波の約30人が出発する予定で、1次隊の計約210人は宿営地設営などの基盤整備に当たる。

 これと並行して、油圧ショベルなどの重機が1月21日に成田からアントノフ大型輸送機で出発、その後も順次ドーザーなどが同輸送機でエンテベ空港に空輸される。同空港からは大型トレーラーにより陸路で逐次ジュバまで運ばれる予定。


南スーダン 渡辺副大臣出張報告  ジュバの治安は安定 南北関係は注視を 1/5日付 朝雲新聞

 1 ジュバ周辺の治安状況の概要
 最も活気のある市場を訪問するなど現地を直接視察。南スーダン政府要人やUNMISS関係者の情報からも、ジュバ周辺地域の治安状況は安定。南スーダンの北部を中心とする部族間対立は、富をめぐる争いであり、反政府・反国連につながる動きにあらず。

 2 ルワンダ軍との協力
 当方より、現在、ジュバ等における全般的警備を担当しているバングラデシュ軍の後任の可能性があるルワンダ軍について情報を持ち合わせていない旨伝えたところ、ウガンダ政府から「ウガンダ軍から訓練を受けており、ルワンダ軍の規律や練度は良好との評価。ジュバ周辺で自衛隊と協力することになったとしても、問題はない」との回答。

 3 兵站支援・休養地としてのウガンダ・ケニアの適格性
 不安定要素を多く抱える東アフリカ地域の中で比較的安定しているウガンダの役割は大きい。米国もアフリカで有数の規模の大使館を設置。訪問中は、ビクトリア湖畔の諸国によるサミットが開催されており、厳重な警戒態勢。気候もよく治安も良い。南スーダンで活動する自衛隊の後方支援地域としては申し分なし。

 ケニアについては、同行予定の記者が強盗に遭うなど治安情勢は必ずしも良好とは言えず、活動支援拠点として利用する場合は相応の注意が必要。

 4 自衛隊の活動後の中長期支援の重要性
 自衛隊による緊急かつ応急的なインフラ整備は、南スーダンの国づくりの重要な一部と位置づけるべき。DDRや雇用対策、専門家の育成といった分野における自衛隊以外の支援と合わせて日本国全体として貢献することが必要。

 5 南北スーダン関係の推移は要注目
 南北スーダン間における包括的和平合意の実施には国境問題、資源問題などの課題が山積。現在当事者の間で行われている交渉を見守る必要があるが、事態の推移によっては、南北スーダン間の国家間の緊張が高まる可能性があり。国際社会とともに今後の動向に注視すべき。

 6 医療体制の充実
 バングラディシュの医療部隊は今後撤収予定。医療部隊の交代はシームレスに実施される予定であるが、状況に応じて自衛隊の自己の医療体制は可能な限り充実させるべき。

 7 派遣海賊対処行動航空隊の活動状況
 ジブチに設置した活動拠点は、安定的に運営。ジブチ政府は日本に友好的であり、自衛隊の活動を歓迎。隊員の士気は高く、この地での日本のプレゼンスに大きく寄与。

 このほどのジブチ軍のソマリア派兵決定に伴いアル・シャバーブが報復テロの可能性を示唆するなど、今後の治安情勢には注視すべき。現地の隊員は夜間外出を自粛するなどの安全対策。 

1 ウガンダにおける主要日程の概要

○13日(火)
 ・エンテベ国際空港の視察
 民間航空局長より、エンテベ国際空港について説明を受けた後、民間業者が同空港内に保有している倉庫やメンテナンス施設を視察。常温・冷蔵倉庫共に一定の容量が使用可能であることを確認。

 ・エンテベ国連兵站基地(ESB)の視察
 ESB副所長より、同基地が主としてコンゴ(民)のPKO活動に対する支援を任務としており、同活動が基地の任務の約9割を占めること、また同活動以外への支援に対応できる施設の能力は限られていることなどについて説明を受けた後、倉庫施設、教育施設、一時宿泊所、医務室などを視察。

○14日(水)
 ・キヨンガ国防大臣との会談
 兵站支援・隊員の休養先としてウガンダを活用する旨説明し、先方に協力を依頼。先方はこれを受け入れるとともに、人材育成に係る防衛協力への関心を表明。また、ルワンダ軍の上級幹部の多くは、ウガンダで訓練を受けており、南スーダンで自衛隊とルワンダ軍が共に活動することになった場合、協力していけると確信しているとの発言があった。

 ・オケロ外務大臣代行との会談
 兵站支援・隊員の休養先としてウガンダを活用することにつき先方に協力を依頼。先方は、兄弟国ともいえる南スーダンのために日本が活動することはありがたく、このための支援は惜しまない旨回答。この際、先方から隊員の法的地位について、事務的に整理したい旨言及。また、ルワンダ軍の幹部の多くは、ウガンダ軍で教育・訓練を受けており、規律・練度に前向きな評価。

 ・休養施設・市内施設の視察
 兵站支援で滞在する要員のための市内施設(カンパラ市内のマーケットやショッピングモール等)及び休養のために滞在する要員のための施設(ビクトリア湖畔のリゾートホテル等)を視察。

2 南スーダンにおける主要日程の概要
 ○15日(木)
 ・トンピン地区(旧ジュバ1)視察
 現在国連側と最終調整中である日本隊の宿営予定地を視察し、排水、警備及び整地の状況などを確認。このほか、バングラデシュ軍のレベル2医療施設、軍事部門司令部を視察。軍事部門司令部ではUNMISSの概要に係る説明を受けたほか、司令部要員(兵站幕僚)の激励を行った。

 ・デン・アロル内閣担当大臣との会談
 自衛隊の施設部隊等がUNMISSに参加し、来月から南スーダンでの活動を開始する旨説明し、先方に協力を依頼。先方はUNMISSへの自衛隊参加を歓迎するとともに、支援を惜しまない旨回答。ジュバ周辺の治安情勢については、非常に安定していると評価。国境の画定、石油の配分及びアビエイの帰属の問題は、事態の推移によっては、南北スーダン間の緊張を高める可能性がある旨指摘があった。南スーダンには、民間部門が存在せず、政府しか雇用を生み出すことができないため、海外からの資本を呼び込み、雇用を創出する必要がある旨説明を受けた。また、DDR(武装解除、動員解除、社会復帰)が必要であり、日本の支援への期待を表明。

 ・アグート国防・退役軍人副大臣との会談
 自衛隊の施設部隊等がUNMISSに参加し、来月から南スーダンでの活動を開始する旨説明し、先方の協力を依頼。先方は、苦しい状況の中、日本がUNMISSに参加したことを歓迎すると共に、自衛隊とは緊密に連携していきたい旨回答。この国は未だに多くの元戦闘員を抱えており、国家予算に大きな負担となっているとして、日本を含む国際社会からの支援への期待を表明。また、南スーダンにおける部族間の対立は政治的なものではなく、経済的な性格のものである旨指摘があった。

 ・ジュバ市内視察
 スーパーマーケット、現地のマーケット、内閣府連絡調整事務所、JICA現地事務所を視察。

 ・在留邦人との夕食会
 南スーダンで活動する国際機関、JICA、NGO等の関係者との意見交換会を兼ねた夕食会を開催。

 ○16日(金)
 ・ジュバ3視察
 UNMISS本部庁舎や建設中の宿舎地区などを視察。また、本部庁舎においては、司令部要員(情報幕僚)の激励を行った。

 ・ギルモアUNMISS副特別代表との意見交換
 自衛隊の施設部隊等がUNMISSに参加し、来月から南スーダンでの活動を開始する予定である旨説明。先方からは、国連軍事部門の要員に対する危険が低いことや南スーダンにおける支援のニーズ等について説明があった。また、雨期までに展開する重要性について指摘があった。

 ・オビUNMISS軍事部門司令官との意見交換
 先方からは、自衛隊がジュバにおいて活動すること、ジュバ周辺に脅威が存在しないこと、施設部隊に期待する活動、施設部隊には戦闘任務が付与されないこと等について説明があった。施設部隊の警備については、司令官としての権限であらゆる部隊を活用して守ることになる旨言及。また、バングラデシュ医療部隊が今後撤収する予定であるが、医療部隊の交代はシームレスに実施される予定である旨説明があった。

 ・JICAプロジェクト視察
 河川港、道路橋梁及びナイル架橋の各整備計画現場を視察。

3 ジブチにおける主要日程の概要(略)

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