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ユノカル買収劇から何を学んだのか

円いオレンジ地に青い76の数字が描かれたロゴで有名な米国のオイルブランド「76Lubricants」は、我が国ではアパレルブランドとして認知されている。このブランドをつくったユノカル社は2005年、シェブロンテキサコ(現シェブロン)と中国海洋石油(CNOOC)の買収合戦にさらされた。

最終的に安全保障上の問題を危惧した超党派の議員の反対に遭い、中国海洋石油はユノカルを買収することは出来なかった。この場合、買収差し止めの根拠法は、1988年に制定されたスーパー301条などで悪名を馳せた包括通商法となる。

そして、中国海洋石油はカナダの石油会社ネクセンを60%ものプレミアムを乗せて買収しようとしているが、これに民主党のチャールズ・シュマー上院議員が阻止すべきと、政府宛に書簡を送付してきた。

米政府は中国海洋石油のネクセン買収を阻止すべき=議員 2012年 07月 27日 13:14 JST ロイター

アングル:中国、加ネクセン買収で国内オイルサンド資源の開発へ 2012年 08月 22日 15:39 JST ロイター

中国海洋石油が、カナダの同業を買収へ かつて米国は中国による買収を拒否~その差はどこに? The Economist 2012年8月3日(金)

カナダ=米国間の石油パイプライン建設計画をオバマ米大統領が棚上げしたとき、カナダの首相は「アジアシフト」に触れた。カナダには真っ黒なオイルサンド(油砂)がある。米国が興味を示さなかったこの資源に中国が注目している。今週、その動きが顕在化した。

 7月23日、中国の国有石油大手、中国海洋石油(CNOOC)は、カナダのエネルギー会社ネクセンを150億ドルで買収すると発表した。ネクセンはオイルサンドおよびシェールガスの掘削技術において大きな権利を有する企業だ。規制当局の承認には9ヶ月を要すると言われるが、カナダ国民は政府による認可を見込んでいる。

 カナダは中国からの投資を歓迎している。だが米国は違う。例えば2005年、CNOOCが、米国のガス会社ユノカルに対して180億ドルの敵対的買収を試みた。ところがCNOOCは、米議員たちから「安全保障上の脅威だ」と非難を受け、あきらめざるを得なかった。米石油大手シェブロンより高い額を提示したにもかかわらず、である。中国のエネルギー担当者はこの一件に衝撃を受け、海外企業の買収手法を見直すことにした。そして今週、中国の新たな戦略が明らかになった。

■地元重視の企業として、株主の了解を取り付けつつ、技術を習得する

 今回は何が違うのか。答えの一つはその戦術にある。CNOOCの王宜林会長は見事な手綱さばきを見せている。同社は、北米事業本社をカナダのカルガリーに置く考えだ。株式はトロント証券取引所で上場する。設備投資も増額し、買収後の新会社はアルバータ州におけるオイルサンドの調査を継続する。王氏の備えは万全で、ネクセンの取締役会から全面的な支持を既に取りつけている。株主に対しても6割以上のプレミアムを支払う。

 だが、より大きな変化は戦略に見られる。中国が海外(特にアフリカと中南米)のエネルギー会社を買収し始めたのは、国内のエネルギー不安が理由だった。このとき中国は手当たり次第に油田やガス田を買った。しかしエネルギー供給の安定を目指す上で、こうした手法はコストがかかるし効率も悪い。原油は代替性のあるコモディティで、世界中で取引されている。禁輸措置が発動されているかどうか、誰が油田を所有しているか、にかかわりなく、最も高い金額を提示した者の手に入る。

 一方、最近の投資は専門知識の習得が動機となっている。中国が保有する、シェールガスをはじめとする非在来型燃料の埋蔵量は莫大だ。だが、いかんせん、これらの資源は抽出するのが難しい。そのため中国企業は、必要な専門技術を持つ外国企業の買収を狙っている。ネクセンもその一つだ。

 一連の合併・買収は、中国企業の管理者と地質学者に非在来型エネルギーの掘削に関する知識を学ばせるためのものだ(チャート参照)。例えば2010年以来、米エネルギー会社の少数株主持分を得るために59億ドルを投入している。7月25日に発表した英蘭系のロイヤル・ダッチ・シェルとの提携も、同様の狙いだ。

 では今後はどのような展開が待っているのだろう。投資会社サンフォード・C・バーンスタインによると、中国のエネルギー企業は100年に一度の“買い”の好機を迎えている。世界的な金融危機の発生以降、資産価格が下落しているからだ。中国国有石油会社のシノペックは今週、カナダのタリスマン・エナジーが保有する北海事業の権益の49%を15億ドルで取得した。シノペック会長の傅成玉氏は、CNOOCがユノカル買収をしかけた当時、CNOOCの会長だった。これから、より大きな買収案件――ユノカルのような大企業ではなくても――が浮上するかもしれない。


我が国もバブル当時、割高なプレミアムと欧米との摩擦という代償を支払って海外企業のM&Aに繰り出していった。もちろん成功と失敗を積み重ねてM&Aと海外企業の運営ノウハウを学んできた訳だ。

中国は、買収して権益や設備や人材や技術情報を手に入れても、我が国から製品をコピーした手法でシステムが運営できる確証はない。これぞシステムの固まりという新幹線の導入は見事に失敗した。中体西用の考えから抜け出せていない彼らには、この点は学びようがない。

上記の記事には、安全保障上の戦略物資が絡んだ買収劇のリスクに学んだとする中国海洋石油の姿勢が述べられている。ただし、前回と違い今回は対中封じ込めに米国が動いている。

我が国は、かつてのM&Aの失敗事例で学んだのは、コミュニケーションの些細な齟齬で運営に失敗することと、出来る限りオープンな価格で企業買収する方がリスクが少ないことだった。少なくともそれらが彼らの次に取り組めるであろう課題だ。もはや軍事的対立は政府系企業とは言え一企業には、如何ともしがたい難題だからだ。
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